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特表2022-532487人体容量を利用した精確な歩数計測方法
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  • 特表-人体容量を利用した精確な歩数計測方法 図1
  • 特表-人体容量を利用した精確な歩数計測方法 図2
  • 特表-人体容量を利用した精確な歩数計測方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】人体容量を利用した精確な歩数計測方法
(51)【国際特許分類】
   G06M 3/00 20060101AFI20220708BHJP
   G01C 22/00 20060101ALI20220708BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
G06M3/00 L
G06M3/00 G
G01C22/00 W
A61B5/11 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562315
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2019100467
(87)【国際公開番号】W WO2020228157
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201910391402.1
(32)【優先日】2019-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521458340
【氏名又は名称】ワン,ヨンファン
【氏名又は名称原語表記】WANG,Yongfang
【住所又は居所原語表記】Gaoxinqu,Keji Lu,Xinxilan Xiaoqu Xi’an,Shaanxi 719000 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヨンファン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA13
4C038VB35
4C038VC20
(57)【要約】
人体容量を利用した精確な歩数計測方法であって、電子通信分野、特に人体容量を利用して精確な歩数計測を実現する方法に関する。現在、歩数計測機能を有するウェアラブルスマートデバイスは、すべて慣性センサによって歩数を計測しているので、計測結果の精度には限界がある。人体の動きの複雑さから、慣性センサに基づく歩数計測では、常に計測漏れや誤計測が起こる。その歩数の識別と計算にも、大量のハードウェアリソースが用いられている。この点に鑑み、人体容量、または人体静電界、人体の体表電位に基づく精確な歩数計測方法を提示している。人が走行する場合、足の上げ下ろし動作が人体容量を変化させるので、人体容量の変化により引き起こされる物理信号の変化、例えば人体の皮膚電圧信号の変化、周波数などの変化を検出することにより、容易に、速やかに歩数を計測することができる。前記の方法は、高精度の歩数計測を実現すると同時に、ハードウェア空間やリソースを占用せず、しかも消費電力が少ないという利点を有しており、歩数計測機能を必要とする現在のすべてのウェアラブルスマートデバイスに組み込むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体容量を利用した精確な歩数計測方法であって、人体の足の上げ下げ時における人体容量の変化を利用して歩数の統計を行い、その特徴は、該方法が、人体に動作が発生した時に引き起こされる人体容量変化という物理現象を利用するということであり、該人体容量とは、人体と地面との間のキャパシタンスを指し、CN107334189AまたはCN102300499Aに記載の絹織物と人体との間の対向運動により生じる寄生容量を利用するものとは異なり、前記人体容量を、一つの独立した、遍在する(ubiquitous)生理信号としており、かつ絹織物などの人体以外の装飾に依存しない、歩数計測方法。
【請求項2】
前記人体容量の変化は、人体と環境との間の電界の変化、人体の皮膚電位の変化と説明することもでき、その本質はすべて人体の優れた導体特性と人体と地面との間の電気特性に基づいていることを特徴とする、請求項1に記載の歩数計測方法。
【請求項3】
前記人体容量が変化した場合、人体の電荷の再分布が行われ、電荷の再分布は電流の発生に伴っており、前記人体容量の変化により引き起こされる電流、周波数などの物理信号の変化を測定することにより、歩数を計測することを特徴とする、請求項1に記載の歩数計測方法。
【請求項4】
前記人体容量が変化した場合、人体の電荷の再分布が行われ、電荷の再分布は電流の発生に伴っており、皮膚部分の電圧変化を測定することにより該電流の変化を反映させることができ、即ち前記人体容量の変化により引き起こされる皮膚電圧の変化を測定することにより、歩数を計測することを特徴とする、請求項1に記載の歩数計測方法。
【請求項5】
皮膚電圧の変化を測定することにより歩数の情況を把握するほか、前記人体容量変化の物理量を、周波数などのその他の測定しやすい物理量を用いて反映させることで、歩数の計測を行うこともできることを特徴とする、請求項1に記載の歩数計測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子通信分野、特に人体容量を利用して精確な歩数計測を実現する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、誰もが健康に非常に関心を寄せている。スマートブレスレットやスマートウォッチ、万歩計(登録商標)でだけでなく、携帯電話によっても、自身の走行した歩数を記録することが、すでに多くの人々の生活習慣となっている。歩数の計測を通して、エネルギーの消費を推定し、健康追跡という目的を果たしている。現在、歩数計測機能を含むウェアラブルタイプ、携帯タイプのスマートデバイスは、すべて慣性センサによって採集したデータに基づいて歩数を計測しているが、人体の動きの複雑さから、慣性センサに基づく歩数計測の結果については精度に限界がある。例えば、車に乗っていると、自動車の揺れによりスマートデバイスの歩数が誤って判定されることがある。また、スマートブレスレットを着けている人が手をポケットに入れていると、歩いた歩数が検出されにくい。
【発明の概要】
【0003】
この点に鑑み、従来の慣性センサによる歩数計測方法とは別のものとして、本発明では人体容量の変化を利用して精確な歩数計測を実現している。
【0004】
その原理は次の通り。人体は一つの優れた導体であり、体表面の皮膚には一定量の電荷が分布しているので、人体と地面との間に電界が形成される。この電界は、例えば皮膚電位、人体の静電界、人体容量などの複数の物理量を用いて表すことができ、これらの表出の背後にある物理的原理は、いずれも人体の優れた導体特性に基づいている。本発明では、人体容量を用いてその物理的原理を説明する。人体容量とは、実質的には人体と地面との間に形成されるキャパシタンスを指す。人体が、例えば足を上げるなど、地面に対して運動を発生させると、人体と地面との間の距離に変化が生じ、人体容量に変化が発生する。人体容量が変化すると同時に、つまり人体と地面との間の静電界が変化すると同時に、人体の皮膚上に分布している電荷も、人体、及び人体と地面との間で流動し、再分布される。人体の動きにより引き起こされる人体容量の変化、例えば人体容量の変化により生じる電流、電圧または周波数などの物理信号の変化を直接的または間接的に検出することにより、人体の動きを推測し、それによって精確な歩数の計測を実現するのである。
【0005】
以下では、図面と実施例を結び付けて、本発明の技術手法についてさらに詳しい説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】人体容量、人体静電界の模型である。
図2】本発明で実現する基本的な情報フローである。
図3】本発明の実施例における回路構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明で解決しなければならない技術的課題、技術手法及び有益な効果をより明瞭かつ明確にするために、以下では、図面と実施例を結び付けて、本発明のさらに詳細な説明を行う。ここに記載しているのは具体的な実施例にすぎず、本発明の解釈にのみ用いられるものであり、本発明の限定に用いられるものではないことを理解しておかなければならない。
【0008】
図1図2図3を参照し、実施例と結び付けて、人体容量に基づく精確な歩数計測方法について説明する。これは、皮膚に直接接触する1つの電極、または人体と間接的に結合する電極と、1つの電荷源と、信号に対してフィルタリング及び増幅を行う1つの通常の処理回路と、アナログデジタル変換を含むコントローラを含む。コントローラは、アナログデジタル変換モジュールを持たなくてもよいが、単独のアナログデジタル変換器を増設しなければならない。
【0009】
前記の実例では、電極を通して人体と実体回路を直接接続し、または間接的に結合しており、人体に足を上げたり下ろしたりする動作が発生すると、人体容量に変化が生じ、該変化が人体に分布する電荷の再分布を引き起こし、その過程が電極部で電荷の流動として現れる。
【0010】
電荷の流動は、人体の皮膚部分の電圧変化を通して表すことができる。人体の皮膚部分の電圧を測定し、電圧信号に対してフィルタリングや増幅などの処理を行うことで、人体の足の上げ下ろし時における皮膚電圧の変化の信号を得る。
【0011】
得られた皮膚電圧信号の計数を行うことで、人体の足の上げ下ろしの回数を求めることができる。
【0012】
説明しておかなければならないが、電極とフィルタリング/増幅回路との間にキャパシタを配置することにより、皮膚電圧信号の変化の幅や応答時間を調節し、歩数計測の精度をさらに高めることができるのである。
【0013】
以上のように、該実施例では、人体容量の変化により引き起こされる皮膚の電圧変化信号を検出している。重複的な容量変化が重複的な皮膚電圧信号の変化を生じさせ、それにより人体の歩数の検出を行うのである。該実例は、消費電力が低く、占用空間が小さいという特徴を有しており、スマートウォッチやブレスレットなどのウェアラブルスマートデバイスに簡単に組み込むことができる。
【0014】
説明しておかなければならないが、人体容量の変化は、皮膚電圧の変化を検出することによって検出するだけでなく、その他の物理信号、例えば周波数など、人体の物理信号に関するその他の変化によっても検出することができる。
【0015】
以上のように、図面を参照して本発明の好適な実施例を説明してきたが、これによって本発明の請求の範囲を限定しているわけではない。当業者が本発明の範囲及び実質から逸脱せずに行った修正、同等の置換及び改良は、すべて本発明の請求の範囲内にあるものとする。

図1
図2
図3
【国際調査報告】