(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】画素、画素を含む表示装置、及び、その駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20220708BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220708BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220708BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 622D
G09G3/20 621A
G09G3/20 670J
H05B33/14 A
H01L27/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565950
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 KR2019015203
(87)【国際公開番号】W WO2020226246
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】10-2019-0053918
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,イル フン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
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5C380DA35
5C380DA47
5C380DA58
(57)【要約】
本発明は、第1電源と第4ノードとの間に接続され、ゲート電極が第1ノードに接続される第1トランジスタと、第3ノードとデータ線との間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第2トランジスタと、上記第1ノードと上記第4ノードとの間に接続され、i番目の第3走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第3トランジスタと、第2ノードと初期化電圧との間に接続され、i番目の第2走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第4トランジスタと、上記第3ノードと上記第1ノードとの間に接続される第1キャパシタと、上記第1ノードと上記第2ノードとの間に接続される第2キャパシタと、上記第2ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、を含み、上記第3トランジスタはN型トランジスタである、画素、画素を含む表示装置、及び、その駆動方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源と第4ノードとの間に接続され、ゲート電極が第1ノードに接続される第1トランジスタと、
第3ノードとデータ線との間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第2トランジスタと、
前記第1ノードと前記第4ノードとの間に接続され、i番目の第3走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第3トランジスタと、
第2ノードと初期化電圧との間に接続され、i番目の第2走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第4トランジスタと、
前記第3ノードと前記第1ノードとの間に接続される第1キャパシタと、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間に接続される第2キャパシタと、
前記第2ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、を含み、
前記第3トランジスタは、
N型トランジスタであることを特徴とする画素。
【請求項2】
前記第2トランジスタ及び前記第4トランジスタのうちの少なくとも1つは前記N型トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の画素。
【請求項3】
前記第4トランジスタが前記N型トランジスタであり、前記i番目の第2走査線はi+1番目の第3走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項2に記載の画素。
【請求項4】
前記第2トランジスタが前記N型トランジスタであり、前記i番目の第1走査線は前記i番目の第3走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項2に記載の画素。
【請求項5】
前記第4トランジスタが前記N型トランジスタであり、前記i番目の第2走査線はi+1番目の第3走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項4に記載の画素。
【請求項6】
前記i番目の第2走査線はi+1番目の第1走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項1に記載の画素。
【請求項7】
基準電圧と前記第3ノードとの間に接続され、発光制御線に供給される発光信号に対応してターンオンされる第5トランジスタと、
前記第4ノードと前記第2ノードとの間に接続され、前記発光制御線に供給される前記発光信号に対応してターンオンされる第6トランジスタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画素。
【請求項8】
前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタは第1期間の間にターンオンされ、前記第4トランジスタは前記第1期間の後の第2期間の間にターンオンされることを特徴とする請求項1に記載の画素。
【請求項9】
前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタは第1期間の間にターンオンされ、前記第4トランジスタは前記第1期間の後の第2期間の間にターンオンされ、前記第5トランジスタ及び前記第6トランジスタは前記第2期間の後の発光期間の間にターンオンされることを特徴とする請求項7に記載の画素。
【請求項10】
走査線及びデータ線と接続される画素と、
前記走査線に走査信号を供給する走査駆動部と、
前記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動部と、を含み、
前記画素のうちi(iは自然数)番目の水平ラインに位置する少なくとも1つの画素は、
第1電源と第4ノードとの間に接続され、ゲート電極が第1ノードに接続される第1トランジスタと、
第3ノードとデータ線との間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第2トランジスタと、
前記第1ノードと前記第4ノードとの間に接続され、i番目の第3走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第3トランジスタと、
第2ノードと初期化電圧の間に接続され、i番目の第2走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第4トランジスタと、
前記第3ノードと前記第1ノードとの間に接続される第1キャパシタと、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間に接続される第2キャパシタと、
前記第2ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、を含み、
前記第3トランジスタは、
N型トランジスタであることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
前記走査駆動部は、
第1極性、または前記第1極性とは反対の第2極性のうちの、何れか1つの走査信号を前記第1~第3走査線に供給することを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2トランジスタ及び前記第4トランジスタのうちの少なくとも1つは前記N型トランジスタであることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第4トランジスタが前記N型トランジスタであり、前記i番目の第2走査線はi+1番目の第3走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2トランジスタが前記N型トランジスタであり、前記i番目の第1走査線は前記i番目の第3走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第4トランジスタが前記N型トランジスタであり、前記i番目の第2走査線はi+1番目の第3走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記i番目の第2走査線はi+1番目の第1走査線と同じ走査線であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項17】
発光制御線に発光信号を供給する発光駆動部をさらに含み、
前記少なくとも1つの画素は、
基準電圧と前記第3ノードとの間に接続され、前記発光制御線に供給される前記発光信号に対応してターンオンされる第5トランジスタと、
前記第4ノードと前記第2ノードとの間に接続され、前記発光制御線に供給される前記発光信号に対応してターンオンされる第6トランジスタと、をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項18】
前記走査駆動部は、
第1期間の間前記第1走査線及び前記第3走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定し、前記第1期間の後の第2期間の間に前記第2走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定することを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項19】
前記走査駆動部は、
第1期間の間前記第1走査線及び前記第3走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定し、前記第1期間の後の第2期間の間に前記第2走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定し、前記第2期間の後の発光期間の間に前記発光信号をターンオンレベルに設定することを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項20】
複数の画素を含む表示装置の駆動方法であって、
前記画素のうちi(iは自然数)番目の水平ラインに位置する少なくとも1つの画素は、
第1電源と第4ノードとの間に接続され、ゲート電極が第1ノードに接続される第1トランジスタと、
第3ノードとデータ線との間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第2トランジスタと、
前記第1ノードと前記第4ノードとの間に接続され、i番目の第3走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第3トランジスタと、
第2ノードと初期化電圧との間に接続され、i番目の第2走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第4トランジスタと、
前記第3ノードと前記第1ノードとの間に接続される第1キャパシタと、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間に接続される第2キャパシタと、
前記第2ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、を含み、
第1期間の間に前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタをターンオンさせる段階と、
前記第1期間の後の第2期間の間に前記第4トランジスタをターンオンさせる段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記第3トランジスタは、
N型トランジスタであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの画素は、
基準電圧と前記第3ノードとの間に接続され、前記発光制御線に供給される前記発光信号に対応してターンオンされる第5トランジスタと、
前記第4ノードと前記第2ノードとの間に接続され、前記発光制御線に供給される前記発光信号に対応してターンオンされる第6トランジスタと、をさらに含み、
前記方法は、
前記第2期間の後の発光期間の間に前記第5トランジスタ及び前記第6トランジスタをターンオンさせる段階をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素、画素を含む表示装置、及び、その駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置はデータ線及び走査線に接続される画素を備える。画素は、一般的に発光素子と、発光素子に流れる電流の量を制御するための駆動トランジスタを含む。駆動トランジスタは、データ信号に対応して、第1駆動電源から発光素子を経由して第2駆動電源に流れる電流の量を制御する。この際、発光素子は、駆動トランジスタからの電流量に対応して所定輝度の光を生成する。
【0003】
最近では、第2駆動電源の電圧を低く設定して高輝度を具現したり、表示装置を低周波で駆動して消費電力を最小化する方法が用いられている。しかし、第2駆動電源を低く設定するか、表示装置が低周波で駆動されると、駆動トランジスタのゲート電極から所定のリーク電流が発生する。この場合、データ信号の電圧が、一フレーム期間にわたって保持されず、これにより、所望する輝度の映像が表示されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、駆動トランジスタのゲート電極に対するリーク電流を最小化して、所望する輝度の映像が表示できるようにする画素、画素を含む表示装置、及び、その駆動方法に関する。
【0005】
また、本発明は、発光素子の劣化、及び、駆動電源のIRドロップによる輝度偏差が防止できるようにする画素、画素を含む表示装置及びその駆動方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による画素は、第1電源と第4ノードとの間に接続され、ゲート電極が第1ノードに接続される第1トランジスタと、第3ノードとデータ線との間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第2トランジスタと、上記第1ノードと上記第4ノードとの間に接続され、i番目の第3走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第3トランジスタと、第2ノードと初期化電圧との間に接続され、i番目の第2走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第4トランジスタと、上記第3ノードと上記第1ノードとの間に接続される第1キャパシタと、上記第1ノードと上記第2ノードとの間に接続される第2キャパシタと、上記第2ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、を含み、上記第3トランジスタは、N型トランジスタであってもよい。
【0007】
また、上記第2トランジスタ及び上記第4トランジスタのうちの少なくとも1つは上記N型トランジスタであってもよい。
【0008】
また、上記第4トランジスタが上記N型トランジスタであり、上記i番目の第2走査線はi+1番目の第3走査線と同じ走査線であってもよい。
【0009】
また、上記第2トランジスタが上記N型トランジスタであり、上記i番目の第1走査線は上記i番目の第3走査線と同じ走査線であってもよい。
【0010】
また、上記第4トランジスタが上記N型トランジスタであり、上記i番目の第2走査線はi+1番目の第3走査線と同じ走査線であってもよい。
【0011】
また、上記i番目の第2走査線はi+1番目の第1走査線と同じ走査線であってもよい。
【0012】
また、上記画素は、基準電圧と上記第3ノードとの間に接続され、発光制御線に供給される発光信号に対応してターンオンされる第5トランジスタと、上記第4ノードと上記第2ノードとの間に接続され、上記発光制御線に供給される上記発光信号に対応してターンオンされる第6トランジスタをさらに含んでもよい。
【0013】
また、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタは第1期間の間にターンオンされ、上記第4トランジスタは上記第1期間の後の第2期間の間にターンオンされうる。
【0014】
また、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタは第1期間の間にターンオンされ、上記第4トランジスタは上記第1期間の後の第2期間の間にターンオンされ、上記第5トランジスタ及び上記第6トランジスタは上記第2期間の後の発光期間の間にターンオンされうる。
【0015】
また、本発明の一実施例による表示装置は、走査線及びデータ線と接続される画素と、上記走査線に走査信号を供給する走査駆動部と、上記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動部と、を含み、上記画素のうちi(iは自然数)番目の水平ラインに位置する少なくとも1つの画素は、第1電源と第4ノードとの間に接続され、ゲート電極が第1ノードに接続される第1トランジスタと、第3ノードとデータ線との間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第2トランジスタと、上記第1ノードと上記第4ノードとの間に接続され、i番目の第3走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第3トランジスタと、第2ノードと初期化電圧との間に接続され、i番目の第2走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第4トランジスタと、上記第3ノードと上記第1ノードとの間に接続される第1キャパシタと、上記第1ノードと上記第2ノードとの間に接続される第2キャパシタと、上記第2ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、を含み、上記第3トランジスタは、N型トランジスタであってもよい。
【0016】
また、上記走査駆動部は、第1極性、または、上記第1極性とは反対の第2極性のうちの何れか1つの走査信号を上記第1~第3走査線に供給することができる。
【0017】
また、上記表示装置は、発光制御線に発光信号を供給する発光駆動部をさらに含み、上記少なくとも1つの画素は、基準電圧と上記第3ノードとの間に接続され、上記発光制御線に供給される上記発光信号に対応してターンオンされる第5トランジスタと、上記第4ノードと上記第2ノードとの間に接続され、上記発光制御線に供給される上記発光信号に対応してターンオンされる第6トランジスタと、をさらに含んでもよい。
【0018】
また、上記走査駆動部は、第1期間の間に、上記第1走査線及び上記第3走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定し、上記第1期間の後の第2期間の間に、上記第2走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定することができる。
【0019】
また、上記走査駆動部は、第1期間の間に、上記第1走査線及び上記第3走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定し、上記第1期間の後の第2期間の間上記第2走査線に供給される走査信号をターンオンレベルに設定し、上記第2期間の後の発光期間の間に、上記発光信号をターンオンレベルに設定することができる。
【0020】
また、本発明の一実施例による表示装置の駆動方法は、複数の画素を含む表示装置の駆動方法であって、上記画素のうちi(iは自然数)番目の水平ラインに位置する少なくとも1つの画素は、第1電源と第4ノードとの間に接続され、ゲート電極が第1ノードに接続される第1トランジスタと、第3ノードとデータ線との間に接続され、i(iは自然数)番目の第1走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第2トランジスタと、上記第1ノードと上記第4ノードとの間に接続され、i番目の第3走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第3トランジスタと、第2ノードと初期化電圧との間に接続され、i番目の第2走査線に供給される走査信号に対応してターンオンされる第4トランジスタと、上記第3ノードと上記第1ノードとの間に接続される第1キャパシタと、上記第1ノードと上記第2ノードとの間に接続される第2キャパシタと、上記第2ノードと第2電源との間に接続される有機発光ダイオードと、を含み、第1期間の間に、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタをターンオンさせる段階と、上記第1期間の後の第2期間の間に上記第4トランジスタをターンオンさせる段階と、を含んでもよい。
【0021】
また、上記第3トランジスタは、N型トランジスタであってもよい。
【0022】
また、上記少なくとも1つの画素は、基準電圧と上記第3ノードの間に接続され、上記発光制御線に供給される上記発光信号に対応してターンオンされる第5トランジスタと、上記第4ノードと上記第2ノードとの間に接続され、上記発光制御線に供給される上記発光信号に対応してターンオンされる第6トランジスタと、をさらに含み、上記方法は、上記第2期間の後の発光期間の間に、上記第5トランジスタ及び上記第6トランジスタをターンオンさせる段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明による画素、画素を含む表示装置及びその駆動方法は、駆動トランジスタのゲート電極に対するリーク電流を最小化することで、駆動の信頼性及び消費電力を改善させることができる。
【0024】
また、本発明による画素、画素を含む表示装置、及び、その駆動方法は、発光素子の劣化及び駆動電源のIRドロップによる輝度偏差を改善することで、所望する輝度の映像が安定して表示できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例による表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示された走査駆動部を概略的に示す図である。
【
図3】
図1に示された走査駆動部から出力される走査信号の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施例による画素を示す回路図である。
【
図5】本発明の一実施例による表示装置の高周波動作を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施例による低周波動作を説明するための図である。
【
図7】本発明の第1実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【
図8】
図7に示されたタイミング図の各区間における本発明の一実施例による画素の等価回路である。
【
図9】
図7に示されたタイミング図の各区間における本発明の一実施例による画素の等価回路である。
【
図10】
図7に示されたタイミング図の各区間における本発明の一実施例による画素の等価回路である。
【
図11】
図7に示されたタイミング図の各区間における本発明の一実施例による画素の等価回路である。
【
図12】
図7に示されたタイミング図の各区間における本発明の一実施例による画素の等価回路である。
【
図13】本発明の第2実施例による画素を示す回路図である。
【
図14】本発明の第2実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【
図15】本発明の第3実施例による画素を示す回路図である。
【
図16】本発明の第3実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【
図17】本発明の第4実施例による画素を示す回路図である。
【
図18】本発明の第4実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【
図19】本発明の第5実施例による画素を示す回路図である。
【
図20】本発明の第5実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【
図21】本発明の第6実施例による画素を示す回路図である。
【
図22】本発明の第6実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する。図面上における同じ構成要素に対しては同一または類似する参照符号を使用する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例による表示装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図1を参照すると、本発明の一実施例による表示装置1は、タイミング制御部10、データ駆動部20、走査駆動部30、発光駆動部40及び表示部50を含んでもよい。
【0029】
タイミング制御部10は、データ駆動部20の仕様(specification)に適合するように、階調値及び制御信号をデータ駆動部20に提供することができる。また、タイミング制御部10は、走査駆動部30の仕様に適合するように、クロック信号、走査開始信号などを走査駆動部30に提供することができる。また、タイミング制御部10は、発光駆動部40の仕様に適合するようにクロック信号、発光停止信号などを発光駆動部40に提供することができる。
【0030】
データ駆動部20は、タイミング制御部10から受信した階調値及び制御信号を利用して、データ線D1~Dmに提供するデータ電圧を生成することができる。例えば、データ駆動部20は、クロック信号を利用して階調値をサンプリングし、階調値に対応するデータ電圧を、画素行単位でデータ線D1~Dmに印加することができる。ここで、mは自然数でありうる。
【0031】
走査駆動部30は、タイミング制御部10からクロック信号、走査開始信号などを受信して走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3nに提供する走査信号を生成することができる。ここで、nは自然数でありうる。
【0032】
例えば、走査駆動部30は、シフトレジスタの形態で構成されてもよく、クロック信号の制御に基づいて、走査開始信号のターンオンレベルのパルスを次のステージに順次伝達する方法で走査信号を生成してもよい。
【0033】
本発明の様々な実施例において、走査駆動部30は、反対の極性のパルスを有する走査信号を提供することができる。極性とは、パルスのロジックレベル(logic level)を意味することができる。例えば、走査駆動部30は、第1~第3走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3nのうちの、少なくとも一部には第1極性の走査信号を提供し、残りの一部には、第1極性とは反対の第2極性の走査信号を提供することができる。このため、走査駆動部30は、第1極性の走査信号を提供する第1ステージ、及び、第2極性の走査信号を提供する第2ステージを備えることができる。
【0034】
一実施例において、第1~第3走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3nのうちの少なくとも一部に提供される第1極性の走査信号は、同一または異なる波形を有することができる。または、第1極性の走査信号は、互いに時間的に遅延された関係であってもよい。
【0035】
一実施例において、第1~第3走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3nのうちの、残りの一部に提供される第2極性の走査信号は、第1極性の走査信号のうちの何れか1つとは反対の位相であってもよい。
【0036】
パルスが第1極性の場合、パルスは、ローレベル(low level)のゲートオン電圧を有することができる。第1極性のパルスのゲートオン電圧がP型トランジスタのゲート電極に供給されると、P型トランジスタがターンオンされうる。P型トランジスタのソース電極に、ゲート電極に比べて十分に高いレベルの電圧が印加されていると仮定する。例えば、P型トランジスタはPMOSであってもよい。
【0037】
また、パルスが第2極性の場合、パルスはハイレベル(high level)のゲートオン電圧を有することができる。第2極性のパルスのゲートオン電圧がN型トランジスタのゲート電極に供給されると、N型トランジスタがターンオンされうる。N型トランジスタのソース電極に、ゲート電極に比べて十分に低いレベルの電圧が印加されていると仮定する。例えば、N型トランジスタはNMOSであってもよい。
【0038】
発光駆動部40は、タイミング制御部10からクロック信号、発光停止信号などを受信して、発光制御線E1~Enに提供する発光信号を生成することができる。例えば、発光駆動部40は、発光制御線E1~Enに、順次、ターンオフレベルのパルスを有する発光信号を提供することができる。例えば、発光駆動部40は、シフトレジスタの形態で構成されてもよく、クロック信号の制御に基づいて、発光停止信号のターンオフレベルのパルスを、次の発光ステージに順次伝達する方法で発光信号を生成することができる。
【0039】
表示部50は画素PXを含む。例えば、画素PXは、対応するデータ線、第1~第3走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3n及び発光制御線Enに連結されうる。
【0040】
図1には、n個の第1~第3走査線S11~S1n、S21~S2n、S31~S3n及びn個の発光制御線E1~Enが図示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。即ち、様々な実施例において、画素PXの回路構造に対応して現在の水平ラインに位置した画素を前または後の水平ラインに位置した走査線とさらに接続してもよい。このため、表示部50には図示されていないダミー走査線及び/またはダミー発光制御線がさらに形成されてもよい。
【0041】
また、
図1には、第1走査線S11~S1n、第2走査線S21~S2n及び第3走査線S31~S3nが図示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。即ち、様々な実施例において、画素PXの回路構造に対応して、第1走査線S11~S1n、第2走査線S21~S2n及び第3走査線S31~S3nのうちの、何れか1つまたは2つの走査線のみが表示装置1に設けられてもよい。
【0042】
さらに、
図1には発光制御線E1~Enが図示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。即ち、様々な実施例において、画素PXの回路構造に対応して図示されていない反転発光制御線がさらに形成されてもよい。反転発光制御線は、発光信号を反転させた反転発光信号の供給を受けることができる。
【0043】
図2は
図1に示された走査駆動部を概略的に示すものであり、
図3は
図1に示された走査駆動部から出力される走査信号の一例を示すものである。
図2及び
図3には、走査駆動部30にn(nは2以上の自然数)個のステージSTが含まれた例が示されている。また、以下では、走査駆動部30が第1走査線S11~S1nに、第1極性を有する第1走査信号SS11~SS1nを供給する実施例が示されるが、以下の説明は、走査駆動部30が第2走査線S21~S2n及び第3走査線S31~S3nに、第1極性の第2走査信号及び第2極性の第3走査信号をそれぞれ供給する実施例にも適用することができる。
【0044】
図2を参照すると、本発明の一実施例による走査駆動部30は複数のステージST1~STnを備える。ステージST1~STnのそれぞれは第1走査線S11~S1nのうち何れか1つと接続され、走査開始信号GSPに対応して第1走査線S11~S1nに第1走査信号SS11~SS1nを供給する。ここで、第i(iは自然数)ステージSTiはi番目の第1走査線S1iに第1走査信号SS1iを供給することができる。
【0045】
最初のステージST1は、走査開始信号GSPに対応して、自身と接続された第1走査線S11に第1走査信号SS11を供給する。残りのステージST2~STnは、前の段のステージから供給される出力信号(即ち、第1走査信号)に対応して、自身と接続された第1走査線(S12~S1nのうち何れか1つ)に、走査信号SS12~SS1nを供給する。例えば、第iステージSTiは、第i-1ステージSTi-1から供給される第1走査信号SS1i-1に対応して、i番目の第1走査線S1iに第1走査信号SS1iを供給することができる。
【0046】
走査駆動部30は、クロック信号CLK1、CLK2の供給を受けることができる。
図2には、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2が供給される例が示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されず、具現に応じて、2つより多いクロック信号が走査駆動部30に供給されてもよい。
【0047】
第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は、互いに異なるステージSTに供給される。例えば、第1クロック信号CLK1は奇数番目のステージに供給され、第2クロック信号CLK2は偶数番目のステージに供給されてもよい。その逆も可能である。このような第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は、第1走査信号SS1として第1走査線S11~S1nに供給されてもよい。
【0048】
第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は、ゲートオン電圧(例えば、ローレベル)及びゲートオフ電圧(例えば、ハイレベル)を繰り返す矩形波信号に設定される。ここで、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2の1周期におけるゲートオン電圧の期間は、ゲートオフ電圧の期間より短く設定されてもよい。ここで、ゲートオン電圧の期間は、第1走査信号SS1の幅に対応するものであり、画素PXの回路構造に対応して多様に設定されてもよい。
【0049】
第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は、同じ周期(例えば、2H)を有し、位相がシフトされた信号に設定されうる。例えば、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は、前に供給されたクロック信号と比較して半周期分だけ位相がシフトされるように設定されてもよい。即ち、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2が順次に供給される場合、第2クロック信号CLK2は、第1クロック信号CLK1から半周期分だけ位相がシフトされるように設定されうる。
【0050】
上述したように、本発明の一実施例では、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2におけるゲートオン電圧の期間が、ゲートオフ電圧の期間より短く設定されうる。例えば、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2の周期が2Hに設定される場合、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2におけるゲートオン電圧の期間は、1Hより短くてもよい。このような実施例では、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2が半周期分だけ位相がシフトされるように設定されうる。このように設定されるクロック信号CLK1、CLK2に基づいて、i番目の第1走査線S1iと、i+1番目の第1走査線S1i+1に出力される第1走査信号SS1i、SS1i+1の波形は、
図3に示されたようなものでありうる。
【0051】
但し、本発明の技術的思想は上述したものに限定されない。即ち、様々な実施例において、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2のゲートオン電圧の期間が、ゲートオフ電圧の期間と同一に設定される場合、i番目の第1走査線S1iに出力される第1走査信号SS1iの立ち下がりエッジと、i+1番目の第1走査線S1i+1に出力される第1走査信号SS1i+1の立ち上がりエッジとは同期されうる。
【0052】
以下の実施例では、第1走査線S11~S1nに出力される第1走査信号SS11~SS1nが、
図3に示されたような波形を有すると仮定して本発明の実施例を説明する。但し、本発明の技術的思想が変更されない範囲内で、後述する走査信号の波形は、多様に変形されてもよい。
【0053】
図4は、本発明の第1実施例による画素を示す回路図である。
図4では、説明の便宜上、i番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PXを例として図示する。
【0054】
図4を参照すると、本発明の第1実施例による画素PXは、第1~第6トランジスタT1~T6、第1及び第2キャパシタC1、C2、及び有機発光ダイオードOLEDを含む。
【0055】
第1トランジスタT1は、第1駆動電源ELVDDと、第6トランジスタT6の一端、即ち、第4ノードN4との間に接続される。第1トランジスタT1のゲート電極は、第1ノードN1に接続される。第1トランジスタT1は、第1ノードN1に印加される電圧に応じてターンオンされ、第1駆動電源ELVDDから、第6トランジスタT6を経由して有機発光ダイオードOLEDに流れる電流の量を制御することができる。様々な実施例において、第1トランジスタT1は駆動トランジスタと名付けられてもよい。
【0056】
第2トランジスタT2は、第3ノードN3とデータ線Djとの間に接続される。第2トランジスタT2のゲート電極は、第1走査線S1iに接続される。第2トランジスタT2は、第1走査線S1iに印加される第1走査信号に対応してターンオンされうる。第2トランジスタT2がターンオンされると、データ線Djに印加されるデータ信号が第3ノードN3に供給されうる。
【0057】
第3トランジスタT3は、第1ノードN1と第4ノードN4との間に接続される。第3トランジスタT3のゲート電極は第3走査線S3iに接続される。第3トランジスタT3は第3走査線S3iに印加される第3走査信号に対応してターンオンされることができる。
【0058】
第4トランジスタT4は、第2ノードN2と初期化電圧Vintとの間に接続される。第4トランジスタT4のゲート電極は、第2走査線S2iに接続される。第4トランジスタT4は第2走査線S2iに印加される第2走査信号に対応してターンオンされうる。第4トランジスタT4がターンオンされると、初期化電圧Vintが第2ノードN2、即ち、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給されうる。
【0059】
本発明の様々な実施例において、初期化電圧Vintは、第2駆動電源ELVSSより低い電圧値を有することができる。例えば、初期化電圧Vintは-3.5Vであってもよいが、これに限定されない。
【0060】
第5トランジスタT5は、基準電圧Vrefと第3ノードN3との間に接続される。第5トランジスタT5のゲート電極は、発光制御線Eiに接続される。第5トランジスタT5は、発光制御線Eiに供給される発光信号に対応してターンオンされうる。第5トランジスタT5がターンオンされると、基準電圧Vrefが第3ノードN3に供給されうる。基準電圧Vrefが第3ノードN3に供給されることにより、第1キャパシタC1がフローティングされる場合でも、第3ノードN3の電圧が安定的に保持されうるのであり、結果的に、第2キャパシタC2と連動して第1トランジスタT1のゲート電圧(即ち、第1ノードN1の電圧)が安定的に保持されうる。
【0061】
本発明の様々な実施例において、基準電圧Vrefは、正の電圧値または負の電圧値であってもよく、その具体的な値は特に限定しない。
【0062】
第6トランジスタT6は、第4ノードN4と第2ノードN2との間に接続される。第6トランジスタT6のゲート電極は、発光制御線Eiに接続される。第6トランジスタT6は、発光制御線Eiに供給される発光信号に対応してターンオンされうる。第6トランジスタT6がターンオンされると、第4ノードN4と第2ノードN2とが電気的に接続されうる。
【0063】
第1キャパシタC1は、第1ノードN1と第3ノードN3との間に接続される。第1キャパシタC1は、第1ノードN1と第3ノードN3との電圧差に対応する電圧を貯蔵することができる。即ち、第1キャパシタC1は、第1ノードN1と第3ノードN3の電圧を制御することができる。本発明の様々な実施例において、第1キャパシタC1は、ストレージキャパシタと名付けられてもよい。
【0064】
第2キャパシタC2は第1ノードN1と第2ノードN2の間に接続される。第2キャパシタC2は第1ノードN1と第2ノードN2の電圧差に対応する電圧を貯蔵することができる。即ち、第2キャパシタC2は第1ノードN1と第2ノードN2の電圧を制御することができる。
【0065】
本発明の様々な実施例において、第2キャパシタC2は、有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧に対応して、第2ノードN2の電圧を制御することができ、第1キャパシタC1と連携して制御された第2ノードN2の電圧に応じて、第1ノードN1の電圧を制御することができる。有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧は、有機発光ダイオードOLEDが劣化するに伴って増加しうるのであり、そのため、有機発光ダイオードOLEDが同じ輝度で発光するために求められる電流の量が増加しうる。本発明の様々な実施例において、第2キャパシタC2は、後述するデータ書き込み期間の間有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧に対応して、両端(第1ノードN1及び第2ノードN2)の電圧を制御し、発光期間の間、発光ダイオードOLEDのしきい値電圧を反映して第1ノードN1の電圧に制御されるようにする。そうすると、第1トランジスタT1のゲートソース電圧(Vgs)が制御されて、有機発光ダイオードOLEDに流れる電流の量が制御されうる。これにより、本発明では、有機発光ダイオードOLEDの劣化を補償し、有機発光ダイオードOLEDが、所望する輝度で発光できるようにする。
【0066】
有機発光ダイオードOLEDは、アノード電極が第2ノードN2に接続され、カソード電極が第2駆動電源ELVSSに接続されうる。第2駆動電源ELVSSは、第1駆動電源ELVDDより低く設定されうる。本発明の様々な実施例において、第2駆動電源ELVDDは-2.6Vに設定されてもよいが、これに限定されない。
【0067】
有機発光ダイオードOLEDは、内部の寄生キャパシタColed(以下、有機キャパシタという。)を含みうる。第4トランジスタT4を介して、初期化電圧Vintが、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給されると、有機キャパシタColedが放電され、画素PXのブラック表現能力を向上させることができる。
【0068】
詳細に説明すると、有機キャパシタColedは、前のフレーム期間の間に、供給される電流に対応して所定の電圧を充電する。有機キャパシタColedが充電されると、有機発光ダイオードOLEDは、低い電流によっても容易に発光することができる。
【0069】
一方、現在のフレーム期間に、画素PXにブラックデータ信号が供給されうる。ブラックデータ信号が供給される場合、理想的には有機発光ダイオードOLEDに電流が供給されてはならない。しかし、トランジスタからなる画素PXにおいて、ブラックデータ信号が供給されても、所定のリーク電流が有機発光ダイオードOLEDに供給されうる。このとき、有機キャパシタColedが充電状態であれば、有機発光ダイオードOLEDは微細に発光しうるのであり、これに伴い、ブラック表現能力が低下する。
【0070】
これに対して、本発明のように、初期化電圧Vintによって有機キャパシタColedが放電されると、リーク電流が供給されても、有機発光ダイオードOLEDは非発光状態に設定される。即ち、本発明では、初期化電圧Vintを利用して有機キャパシタColedを放電させることで、ブラック表現能力を向上させることができる。
【0071】
図4に示された実施例において、画素PXは、酸化物半導体薄膜トランジスタ及びLTPS(Low Temperature Poly-Silicon)薄膜トランジスタを含む。
【0072】
酸化物半導体薄膜トランジスタは、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含む。酸化物半導体薄膜トランジスタは、酸化物半導体で形成されたアクティブ層を備える。ここで、酸化物半導体は、非晶質または結晶質の酸化物半導体に設定されてもよい。酸化物半導体薄膜トランジスタはN型トランジスタからなってもよい。酸化物半導体薄膜トランジスタは、低温工程が可能であり、LTPS薄膜トランジスタに比べて低い電荷移動度を有する。このような酸化物半導体薄膜トランジスタはオフ電流特性に優れる。
【0073】
LTPS薄膜トランジスタは、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含む。LTPS薄膜トランジスタは、ポリシリコンで形成されたアクティブ層を備える。このようなLTPS薄膜トランジスタは、P型薄膜トランジスタまたはN型薄膜トランジスタからなってもよい。本発明の実施例では、LTPS薄膜トランジスタがP型トランジスタで構成されたと仮定する。LTPS薄膜トランジスタは、高い電子移動度を有し、これにより、速い駆動特性を有する。
【0074】
図4の実施例においては、第3及び第4トランジスタT3、T4が酸化物半導体薄膜トランジスタからなり、第1、第2、第5及び第6トランジスタT1、T2、T5、T6がLTPS薄膜トランジスタからなる実施例が示される。これにより、
図4の実施例では、第3及び第4トランジスタT3、T4のゲート電極に供給される第1及び第2走査信号は第1極性を有し、第6トランジスタT6に供給される第3走査信号は第2極性を有する。
【0075】
本発明の様々な実施例において、第3トランジスタT3は、オフ電流特性に優れた酸化物半導体薄膜トランジスタ、即ち、N型トランジスタからなる。これにより、第1トランジスタT1が駆動し、第1駆動電源ELVDDから第6トランジスタT6を経由して有機発光ダイオードOLEDに電流が供給される際に、第3トランジスタT3を介してリーク電流が発生することを、より効率的に防止することができる。
【0076】
しかし、本発明の技術的思想はこれに限定されず、画素PXのトランジスタは多様に構成されてもよく、画素PXに供給される信号は、それに対応して変更されてもよい。
【0077】
図5は本発明の一実施例による表示装置の高周波動作を説明するためのものであり、
図6は本発明の一実施例による低周波動作を説明するためのものである。
【0078】
表示装置が高周波駆動方法で駆動される場合、表示装置は第1駆動モードにあると表現することができる。また、表示装置が低周波駆動方法で駆動される場合は、表示装置は第2駆動モードにあると表現することができる。
【0079】
第1駆動モードは、一般的な駆動モードであってもよい。即ち、ユーザーが表示装置を使用する場合、20Hz以上、例えば、60Hzにてフレームが表示されうる。
【0080】
第2駆動モードは、低電力駆動モードであってもよい。例えば、ユーザーが表示装置を使用しない場合、20Hz未満、例えば、1Hzにてフレームが表示されうる。例えば、常用モードのうちの「always onモード」にて、時間と日付のみが表示される場合が、第2駆動モードに該当しうる。
【0081】
第1駆動モードにおいて、1周期は複数のフレームを含むことができる。1周期は、任意で定義した期間であって、第2駆動モードとの比較のために定義された期間である。1周期は第1及び第2駆動モードで同じ時間間隔を意味することができる。
【0082】
第1駆動モードにおいて、それぞれのフレームはデータ書き込み期間WP及び発光期間EPを含むことができる。
【0083】
第2駆動モードにおいて、第1周期の最初のフレームはデータ書き込み期間WP及び発光期間EPを含み、1周期の残りのフレームは発光期間EPを含む。画素PXは、1周期の最初のフレームのデータ書き込み期間WPの間に供給されたデータ電圧に基づいて、1周期の間に同じ映像を表示することができる。
【0084】
図4を合わせて参照すると、第1及び第2駆動モードのデータ書き込み期間WPの間、第1~第3走査線S1i、S2i、S3iに第1~第3走査信号が供給され、データ線Djにデータ信号が供給され、それに応答して、第1~第3ノードN1~N3、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の電圧が設定されうる。第1及び第2駆動モードの発光期間EPの間には、発光制御線Eiに発光信号が供給され、データ書き込み期間WPの間に設定された第1~第3ノードN1~N3、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の電圧に基づいて、有機発光ダイオードOLEDが発光することができる。
【0085】
図7は本発明の第1実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図であり、
図8~
図12は、
図7に示されたタイミング図の各区間における本発明の一実施例による画素の等価回路である。
【0086】
図7~
図12には、
図5に示された高周波動作及び
図6に示された低周波動作において、データ書き込み期間WPと発光期間EPを含む任意のフレームにおける動作が示されている。このような任意のフレームは、高周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうちの何れか1つであるか、低周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうちの最初のフレームであってもよい。
【0087】
また、
図7~
図12には、
図4に示されたようにi番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PXの駆動方法を代表的な例として示す。これにより、
図7には、第1~第3走査線S1i、S2i、S3iに供給される走査信号、発光制御線Eiに供給される発光信号及びデータ線Djに供給されるデータ信号の一例が示される。本発明の第1実施例において、第1及び第2走査線S1i、S2iには第1極性の走査信号が供給され、第3走査線S3iには第2極性の走査信号が供給されうる。
【0088】
本発明の様々な実施例において、データ書き込み期間WPは、第1期間P1、第2期間P2、第3期間P3及び第4期間P4を含むことができる。様々な実施例において、第1期間P1の間には、データ信号に対応する電圧及び有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧の補償のための電圧が画素PXに書き込まれうる。また、第3期間P3の間には有機発光ダイオードOLEDのアノード電圧が初期化されうる。発光期間EPには、データ書き込み期間WPの間に書き込まれたデータ電圧、及び、有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧の補償値に基づいて、有機発光ダイオードOLEDが発光することができる。
【0089】
以下では、データ書き込み期間WP及び発光期間EPにおける具体的な駆動方法を詳細に説明する。
【0090】
図4、
図7及び
図8を合わせて参照すると、第1期間P1の間、第1走査線S1iにローレベルの第1走査信号が供給され、第2及び第3走査線S2i、S3iにそれぞれハイレベルの第2及び第3走査信号が供給される。そうすると、第1走査信号及び第3走査信号にそれぞれ応答して、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3がターンオンされ、第2走査信号に応答して第4トランジスタT4はターンオフされる。
【0091】
また、第1期間P1の間、発光制御線Eiを介してハイレベルの発光信号が供給される。そうすると、発光信号に応答して、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6がターンオフされる。
【0092】
上記したことにより、第1期間P1における画素PXは、
図8に示された等価回路で表現されうる。第1期間P1の間に、第2トランジスタT2がターンオンされるため、データ線Djを介して、現在のフレームにおけるデータ信号DATAが供給され、第3ノードN3は、データ信号DATAに対応する電圧Vdataに設定される。
【0093】
第1期間P1の間、第1トランジスタT1はターンオン状態を保持し、ダイオード結合されるため、第1駆動電源ELVDDから第4ノードN4に電流が印加される。そうすると、第1ノードN1は、第1駆動電源ELVDDの電圧から、第1トランジスタT1のしきい値電圧Vth分だけ下降した電圧に設定される。
【0094】
一方、第2ノードN2は、第2駆動電源ELVSSの電圧から、有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧Voled、th分だけ上昇した電圧に設定される。
【0095】
上述したことにより、第1期間P1の間、第1~第3ノードN1~N3の電圧VN1、VN2、VN3は、それぞれ下記の数式1~3の通りである。
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
次いで、
図4、
図7及び
図9を合わせて参照すると、第2期間P2の間、第1及び第2走査線S1i、S2iにハイレベルの走査信号が供給され、第3走査線S3iにローレベルの走査信号が供給される。そうすると、ハイレベルに遷移された第1走査信号に応答して第2トランジスタT2がターンオフされ、ローレベルに遷移された第3走査信号に応答して、第3トランジスタT3がターンオフされる。
【0100】
上記したことにより、第2期間P2における画素PXは
図9に示された等価回路で表現されうる。第2期間P2の間、第1~第3ノードN1~N3の電圧は、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2によって、第1期間P1に設定された電圧に安定的に保持されうる。
【0101】
次いで、
図4、
図7及び
図10を合わせて参照すると、第3期間P3の間、第1走査線S1iにハイレベルの第1走査信号が供給され、第2及び第3走査線S2i、S3iにそれぞれローレベルの第2及び第3走査信号が供給される。そうすると、ローレベルに遷移された第2走査信号に応答して、第4トランジスタT4がターンオンされる。
【0102】
上記したことにより、第3期間P3における画素PXは
図10に示された等価回路で表現されうる。第3期間P3の間、第4トランジスタT4がターンオンされるため、初期化電圧Vintが第2ノードN2に供給される。そうすると、第2ノードN2の電圧は、第2キャパシタC2によって保持された、前の期間の電圧から、初期化電圧Vintに変化する。従って、第3期間P3の間、第2ノードN2の電圧VN2、及び、第2ノードN2の電圧変化量ΔVN2は、それぞれ下記の数式4及び5の通りである。
【0103】
【0104】
【0105】
第2ノードN2の電圧が変更されることによって、第1ノードN1及び第3ノードN3の電圧も変更されうる。具体的には、第3期間P3の間、第1トランジスタT1、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2は、フローティング状態であるため、第2ノードN2の電圧が変更される際、第1ノードN1及び第3ノードN3の電圧も、第1キャパシタC1によって保持された、前の期間の電圧から、第2ノードN2の電圧変化量分だけ変更されうる。従って、第2期間P2の間、第1ノードN1及び第3ノードN3の電圧VN1、VN3は、それぞれ下記の数式6及び7の通りである。
【0106】
【0107】
【0108】
一方、第2ノードN2に初期化電圧Vintが印加されると、有機発光ダイオードOLEDの有機キャパシタColedが放電されうる。データ書き込み期間WPの間、有機キャパシタColedを放電させることで、以後の発光期間EPにおいて画素PXのブラック表現能力が向上しうる。
【0109】
次いで、
図4、
図7及び
図11を合わせて参照すると、第4期間P4の間、第1及び第2走査線S1i、S2iに、それぞれハイレベルの第1及び第2走査信号が供給され、第3走査線S3iに、ローレベルの第3走査信号が供給される。そうすると、ハイレベルに遷移された第2走査信号に応答して、第4トランジスタT4がターンオフされる。
【0110】
上記したことにより、第3期間P3における画素PXは、
図11に示された等価回路で表現されうる。第4期間P4の間、第1~第3ノードN1~N3の電圧は、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2によって第3期間P3に設定された電圧に、安定的に保持されうる。
【0111】
次いで、
図4、
図7及び
図12を合わせて参照すると、発光期間EPの間、第1及び第2走査線S1i、S2iに、それぞれハイレベルの第1及び第2走査信号が供給され、第3走査線S3iに、ローレベルの第3走査信号が供給される。そうすると、第1~第3走査信号に応答して、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4がターンオフされる。
【0112】
また、発光期間EP間発光制御線Eiを介して、ローレベルの発光信号が供給される。そうすると、発光信号に応答して、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6がターンオンされる。
【0113】
発光期間EPにおける画素PXは、
図12に示された等価回路で表現されうる。発光期間EPの間、第5トランジスタT5がターンオンされるため、基準電圧Vrefが第3ノードN3に供給され、第3ノードN3の電圧は基準電圧Vrefに変化する。従って、発光期間EPの間、第3ノードN3の電圧VN3及び第3ノードN3の電圧変化量ΔVN3は、それぞれ下記の数式8及び9の通りである。
【0114】
【0115】
【0116】
第3ノードN3の電圧が変更されることによって、第1ノードN1及び第2ノードN2の電圧も、変更されうる。具体的には、発光期間EPの間、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2は直列に連結されるため、第3ノードN3の電圧変化量は、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2に分配され、第1ノードN1の電圧は、第1キャパシタC1に分配される電圧変化量に対応して変更されうる。従って、発光期間EPの間、第1ノードN1の電圧は、下記の数式10の通りである。
【0117】
【0118】
ここで、Cstは第1キャパシタC1の静電容量であり、Cselfは第2キャパシタC2の静電容量である。
【0119】
第1ノードN1に上記のような電圧が印加されると、第1トランジスタT1には、第1駆動電源ELVDDと第1ノードN1との電圧の差、即ち、ゲートソース電圧Vgsに対応する電流が流れうる。第1トランジスタT1を流れる電流は、ターンオン状態の第6トランジスタT6を経由して有機発光ダイオードOLEDに供給される。そうすると、有機発光ダイオードOLEDは、供給された電流量に対応する輝度で発光することができる。
【0120】
第1ノードN1の電圧VN1が、上記の数式10のように制御されるとき、有機発光ダイオードOLEDに供給される電流Ioledは、下記の数式11の通りである。
【0121】
【0122】
ここで、μPは第1トランジスタT1のキャリア移動率であり、Coxは第1トランジスタT1のゲート酸化層の容量であり、W/Lは、第1トランジスタT1の幅と長さとの比である。
【0123】
数式11を参照すると、発光期間EPの間、有機発光ダイオードOLEDに供給される電流Ioledは、第1駆動電源ELVDDによるIPドロップの影響が除去され、また、有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧Voled、th分だけ上昇することが分かる。
【0124】
一方、発光期間EPの間、第3トランジスタT3は、ターンオフ状態を保持する。本発明の様々な実施例において、第3トランジスタT3は、オフ電流特性に優れたN型トランジスタからなる。従って、発光期間EPの間、第1駆動電源ELVDDから第1トランジスタT1を経由して流れる駆動電流の一部が、第3トランジスタT3を介して漏れることを防止することができる。
【0125】
このように、発光期間EPの間、駆動電流の漏れを防止すると、表示装置1の低周波駆動モード、例えば、「always onモード」での駆動特性が向上しうる。また、駆動電流の漏れを防止すると、ブラック階調の表現力が向上し、色にじみやクロストークが改善されうる。
【0126】
一方、
図7の実施例には、データ書き込み期間WPが第1~第4期間P1~P4を含むものとして図示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。即ち、
図2及び
図3を参照して説明したように、走査信号を生成するためのクロック信号のゲートオン電圧期間が、ゲートオフ電圧期間と同一に設定される実施例において、データ書き込み期間WPは、第2期間P2及び第4期間P4を含まなくてもよい。
【0127】
図13は本発明の第2実施例による画素を示す回路図であり、
図14は本発明の第2実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【0128】
図13には、説明の便宜上、i番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_1を例として示す。
【0129】
図13を参照すると、本発明の第2実施例による画素PX_1は、第1~第6トランジスタT1~T6、第1及び第2キャパシタC1、C2及び有機発光ダイオードOLEDを含む。本発明の第2実施例による画素PX_1は、第4トランジスタT4_1がN型トランジスタからなる点を除き、
図4に示された画素PXと実質的に同一である。従って、
図13では、
図4に示されたものと同じ構成要素に対しては同じ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0130】
本発明の第2実施例において、第4トランジスタT4_1は、第2ノードN2と初期化電圧Vintとの間に接続される。第4トランジスタT4_1のゲート電極は、第2走査線S2i_1に接続される。第4トランジスタT4_1は、第2走査線S2i_1に印加される第2走査信号に対応してターンオンされうる。第4トランジスタT4_1がターンオンされると、初期化電圧Vintが、第2ノードN2、即ち、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給されうる。
【0131】
このような実施例では、第1走査線S1iには第1極性の走査信号が供給され、第2及び第3走査線S2i_1、S3iには第2極性の走査信号が供給されるのでありうる。
【0132】
図14には、
図5に示された高周波動作及び
図6に示された低周波動作において、データ書き込み期間WPと発光期間EPを含む任意のフレームにおける動作が示されている。このような任意のフレームは、高周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうち何れか1つであるか、低周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうち最初のフレームであってもよい。
【0133】
また、
図14には、
図13に示したようにi番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_1の駆動方法を代表的な例として示す。これにより、
図14には、i番目の第1~第3走査線S1i、S2i_1、S3iに供給される走査信号、発光制御線Eiに供給される発光信号及びデータ線Djに供給されるデータ信号の一例が示される。
【0134】
図14を参照すると、本発明の第2実施例による表示装置の駆動方法は、
図13の画素構造に対応して第2走査線S2i_1に供給される第2走査信号が第2極性の信号に変形されたことを除き、
図7に示された表示装置の駆動方法と実質的に同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0135】
図15は本発明の第3実施例による画素を示す回路図であり、
図16は本発明の第3実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【0136】
図15には、説明の便宜上、i番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_2を例として示す。
【0137】
図15を参照すると、本発明の第3実施例による画素PX_2は、第1~第6トランジスタT1~T6、第1及び第2キャパシタC1、C2及び有機発光ダイオードOLEDを含む。本発明の第3実施例による画素PX_2は、第4トランジスタT4_2のゲート電極がi+1番目の第3走査線S3i+1に接続されることを除き、
図13に示された画素PX_1と実質的に同一である。従って、
図15では、
図13に示されたものと同じ構成要素に対しては同じ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0138】
本発明の第3実施例において、第4トランジスタT4_2は、第2ノードN2と初期化電圧Vintの間に接続される。第4トランジスタT4_2のゲート電極は、i+1番目の第3走査線S3i+1に連結される。第4トランジスタT4_2は、i+1番目の第3走査線S3i+1に印加される第3走査信号に対応してターンオンされうる。第4トランジスタT4_2がターンオンされると、初期化電圧Vintが第2ノードN2、即ち、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給されうる。
【0139】
このような実施例では、第1走査線S1iには第1極性の走査信号が供給され、第3走査線S3i、S3i+1には第2極性の走査信号が供給されうる。
【0140】
図16には、
図5に示された高周波動作及び
図6に示された低周波動作において、データ書き込み期間WPと発光期間EPを含む任意のフレームにおける動作が示されている。このような任意のフレームは、高周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうちの何れか1つであるか、低周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうちの最初のフレームであってもよい。
【0141】
また、
図16には、
図15に示されたようにi番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_2の駆動方法を代表的な例として示す。これにより、
図16には、i番目の第1及び第3走査線S1i、S3iに供給される走査信号、i+1番目の第3走査線S3i+1に供給される走査信号、発光制御線Eiに供給される発光信号及びデータ線Djに供給されるデータ信号の一例が示される。
【0142】
図16を参照すると、本発明の第3実施例による表示装置の駆動方法は、
図15の画素構造に対応して第4トランジスタT4_2のゲート電極にi+1番目の第3走査線S3i+1を介して第3走査信号が印加されることを除き、
図14に示された表示装置の駆動方法と実質的に同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0143】
図15及び
図16に示されたように、本発明の第3実施例において、画素PX_2は、第1走査線S1i及び第3走査線S3iと連結され、第1走査信号及び第3走査信号を利用して駆動されるのでありうる。従って、本発明の第1及び第2実施例と比較し、走査駆動部30は第2走査信号を生成するためのステージを備える必要がなく、表示部50には第2走査線S2iが配置される必要がない。その結果、本発明の第3実施例では、走査駆動部30及び表示部50の大きさが減少されうるのであり、表示装置1の駆動がより容易になりうる。
【0144】
図17は本発明の第4実施例による画素を示す回路図であり、
図18は本発明の第4実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【0145】
図17には、説明の便宜上、i番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_3を例として示す。
【0146】
図17を参照すると、本発明の第4実施例による画素PX_3は、第1~第6トランジスタT1~T6、第1及び第2キャパシタC1、C2及び有機発光ダイオードOLEDを含む。本発明の第4実施例による画素PX_3は、第2トランジスタT2_1がN型トランジスタからなることを除き、
図13に示された画素PX_1と実質的に同一である。従って、
図17では、
図13に示されたものと同じ構成要素に対しては同じ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0147】
本発明の第4実施例において、第2トランジスタT2_1は、第3ノードN3とデータ線Djとの間に接続される。第2トランジスタT2_1のゲート電極は第3走査線S3iに接続される。第2トランジスタT2_1は、第3走査線S3iに印加される第3走査信号に対応してターンオンされうる。第2トランジスタT2_1がターンオンされると、データ線Djに印加されるデータ信号が第3ノードN3に供給されうる。
【0148】
このような実施例では、第1走査線S1iには第1極性の走査信号が供給され、第3走査線S3iには第2極性の走査信号が供給されるのでありうる。
【0149】
図18には、
図5に示された高周波動作及び
図6に示された低周波動作において、データ書き込み期間WPと発光期間EPとを含む、任意のフレームにおける動作が示されている。このような任意のフレームは、高周波動作にて1周期を構成する複数のフレームのうちの何れか1つであるか、低周波動作にて1周期を構成する複数のフレームのうちの最初のフレームであってもよい。
【0150】
また、
図18には、
図17に示されたように、i番目の水平ラインに位置しj番目のデータ線Djと接続された画素PX_3の駆動方法を、代表的な例として示す。これにより、
図18には、i番目の第3走査線S3iに供給される走査信号、発光制御線Eiに供給される発光信号、及び、データ線Djに供給されるデータ信号の一例が示される。
【0151】
図18を参照すると、本発明の第4実施例による表示装置の駆動方法は、
図17の画素構造に対応して、第2トランジスタT2_1のゲート電極と第3トランジスタT3のゲート電極に、i番目の第3走査線S3iを介して第3走査信号が一緒に供給されるということを除き、
図14に示された表示装置の駆動方法と実質的に同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0152】
一方、
図17には、第4トランジスタT4_1がN型トランジスタからなる実施例が示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。即ち、本発明の第4実施例において、第4トランジスタT4_1はP型トランジスタからなってもよく、この場合、第2走査線S2i_1に供給される第2走査信号は、
図7に示されたように第2極性に設定されうる。
【0153】
また、
図17には、第4トランジスタT4_1のゲート電極にi番目の第2走査線S2i_1が接続される実施例が示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。即ち、本発明の第4実施例において、第4トランジスタT4_1のゲート電極は、
図15に示されたようにi+1番目の第3走査線S3i+1と接続されてもよい。このような実施例において、画素PX_3は、第3走査線S3iと連結され、実質的に第3走査信号のみを利用して駆動されうる。従って、本発明のこのような実施例において、走査駆動部30は、第1及び第2走査信号を生成するためのステージを備える必要がなく、表示部50には、第1及び第2走査線S1i、S2iが配置される必要がない。その結果、本発明の第3実施例では、走査駆動部30と表示部50の大きさが減少されうるのであり、表示装置1の駆動がより容易になりうる。
【0154】
図19は本発明の第5実施例による画素を示す回路図であり、
図20は本発明の第5実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【0155】
図19には、説明の便宜上、i番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_4を例として示す。
【0156】
図19を参照すると、本発明の第5実施例による画素PX_4は、第1~第6トランジスタT1~T6、第1及び第2キャパシタC1、C2及び有機発光ダイオードOLEDを含む。本発明の第5実施例による画素PX_4は、第4トランジスタT4_3のゲート電極がi+1番目の第1走査線S1i+1に接続されることを除き、
図4に示された画素PXと実質的に同一である。従って、
図19では、
図4に示されたものと同じ構成要素に対しては同じ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0157】
本発明の第5実施例において、第4トランジスタT4_3は、第2ノードN2と初期化電圧Vintとの間に接続される。第4トランジスタT4_3のゲート電極は、i+1番目の第1走査線S1i+1に連結される。第4トランジスタT4_3は、i+1番目の第1走査線S1i+1に印加される第1走査信号に対応してターンオンされうる。第4トランジスタT4_3がターンオンされると、初期化電圧Vintが第2ノードN2、即ち、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に供給されうる。
【0158】
このような実施例では、第1走査線S1i、S1i+1には第1極性の走査信号が供給され、第3走査線S3iには第2極性の走査信号が供給されうる。
【0159】
図20には、
図5に示された高周波動作及び
図6に示された低周波動作において、データ書き込み期間WPと発光期間EPを含む、任意のフレームにおける動作が示されている。このような任意のフレームは、高周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうち何れか1つであるか、低周波動作で1周期を構成する複数のフレームのうち最初のフレームであってもよい。
【0160】
また、
図20には、
図19に示されたようにi番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_4の駆動方法を代表的な例として示す。これにより、
図20には、i番目の第1及び第3走査線S1i、S3iに供給される走査信号、i+1番目の第1走査線S1i+1に供給される走査信号、発光制御線Eiに供給される発光信号、及び、データ線Djに供給されるデータ信号の一例が示される。
【0161】
図20を参照すると、本発明の第5実施例による表示装置の駆動方法は、
図19の画素構造に対応して第4トランジスタT4_3のゲート電極にi+1番目の第1走査線S1i+1を介して第1走査信号が印加されることを除き、
図7に示された表示装置の駆動方法と実質的に同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0162】
図21は本発明の第6実施例による画素を示す回路図であり、
図22は本発明の第6実施例による表示装置の駆動方法を示すタイミング図である。
【0163】
図21には、説明の便宜上、i番目の水平ラインに位置し、j番目のデータ線Djと接続された画素PX_5を例として示す。
【0164】
図21を参照すると、本発明の第6実施例による画素PX_5は、第1~第4トランジスタT1~T4、第1及び第2キャパシタC1、C2及び有機発光ダイオードOLEDを含む。本発明の第6実施例による画素PX_5は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6が省略されたことを除き、
図4に示された画素PXと実質的に同一である。
【0165】
即ち、本発明の第6実施例による画素PX_5は、
図4に示された画素PXにおいて、発光信号が常にターンオフレベルを保持し、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6がターンオフ状態を保持する状態に対応する。従って、
図21に示された画素PX_5は、
図7に示されたタイミング図におけるデータ書き込み期間WPと同様に駆動される。これにより、
図21及び
図22による画素PX_5は、データ書き込み期間WPの間、第1~第3ノードN1~N3の電圧を設定するための動作を行うように構成される。
【0166】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できることが理解できるだろう。従って、上述した実施例はすべての面において例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態は本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
但し、本発明の技術的思想は上述したものに限定されない。即ち、様々な実施例において、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2のゲートオン電圧の期間が、ゲートオフ電圧の期間と同一に設定される場合、i番目の第1走査線S1iに出力される第1走査信号SS1iの立ち上がりエッジと、i+1番目の第1走査線S1i+1に出力される第1走査信号SS1i+1の立ち下がりエッジとは同期されうる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
有機発光ダイオードOLEDは、アノード電極が第2ノードN2に接続され、カソード電極が第2駆動電源ELVSSに接続されうる。第2駆動電源ELVSSは、第1駆動電源ELVDDより低く設定されうる。本発明の様々な実施例において、第2駆動電源ELVSSは-2.6Vに設定されてもよいが、これに限定されない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
図4の実施例においては、第3
トランジスタT3
が酸化物半導体薄膜トランジスタからなり、第1、第2、
第4、第5及び第6トランジスタT1、T2、
T4、T5、T6がLTPS薄膜トランジスタからなる実施例が示される。これにより、
図4の実施例では、第
2及び第4トランジスタT
2、T4のゲート電極に供給される第1及び第2走査信号は第1極性を有し、第
3トランジスタT
3に供給される第3走査信号は第2極性を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
第
4期間P
4における画素PXは、
図11に示された等価回路で表現されうる。第4期間P4の間、第1~第3ノードN1~N3の電圧は、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2によって第3期間P3に設定された電圧に、安定的に保持されうる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
数式11を参照すると、発光期間EPの間、有機発光ダイオードOLEDに供給される電流Ioledは、第1駆動電源ELVDDによるIRドロップの影響が除去され、また、有機発光ダイオードOLEDのしきい値電圧Voled、th分だけ上昇することが分かる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】