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特表2022-532539配送用封筒のための紙製緩衝材と組み合わせたエンボス紙
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】配送用封筒のための紙製緩衝材と組み合わせたエンボス紙
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/00 20170101AFI20220708BHJP
   B31D 5/00 20170101ALI20220708BHJP
   B65D 27/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
B31B70/00
B31D5/00
B65D27/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566005
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2020032146
(87)【国際公開番号】W WO2020227649
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/845,293
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/982,662
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
(71)【出願人】
【識別番号】519455988
【氏名又は名称】グッドリッチ,デビッド ポール
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】グッドリッチ,デビッド ポール
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075BA43
3E075BB12
3E075CA02
3E075DA14
3E075DB02
3E075DB12
3E075DB14
3E075DD02
3E075DE09
3E075FA06
3E075GA04
(57)【要約】
いくつかの例示的な実施形態によると、少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートであって、スリット紙の対向する端部の間で展開された、少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートと、展開スリット紙シートに面する第1のエンボス加工された紙シート、及び少なくとも1枚の展開スリット紙シートの反対側に面する第2の紙シートとを備え、第1のエンボス加工された紙シート及び第2の紙シートの少なくとも1つが、展開スリット紙シートの対向する端部において、展開スリット紙シートに固定され、これにより、展開紙を展開状態に維持し、第1のエンボス加工された紙シートが、エンボス加工された紙シートの剛性を高める複数のエンボスを有し、これにより、展開スリットシート紙に固定されたエンボス加工された紙シートの変形を抑制する、保護用製品が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートであって、前記スリット紙の対向する端部の間で展開された、少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートと、
前記展開スリット紙シートに面する第1のエンボス加工された紙シートと、
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの反対側に面する第2の紙シートとを備え、
少なくとも1枚の前記第1のエンボス加工された紙シート及び前記第2の紙シートが、前記展開スリット紙シートの前記対向する端部において、前記展開スリット紙シートに固定され、これにより、前記展開紙を展開状態に維持し、
前記第1のエンボス加工された紙シートが、前記エンボス加工された紙シートの剛性を高める複数のエンボスを有し、これにより、前記展開スリットシート紙に固定された前記エンボス加工された紙シートの変形を抑制する、
保護用製品。
【請求項2】
前記エンボス加工された紙シート内の前記複数のエンボスが、前記エンボス加工された紙シートの面に分布するエンボス加工された形状の配列を含む、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項3】
エンボス加工された形状の前記配列が、隣接する多角形と一辺を共有する多角形の配列を含む、
請求項2に記載の保護用製品。
【請求項4】
エンボス加工された形状の前記配列が、隣接する六角形と一辺を共有する六角形の配列を含む、
請求項2に記載の保護用製品。
【請求項5】
前記複数のエンボスが、前記エンボス加工されたシートの面のかなりの部分にわたって延びる複数のリブを含む、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項6】
前記エンボスが、前記展開スリットシート紙に向かって内側に突出する窪みを含む、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項7】
前記エンボスが、前記エンボス加工された紙シートの面から、前記エンボス加工された紙シートに剛性を付加する、0.1インチ(2.54mm)未満の距離だけ、内側に突出し、これにより、前記展開スリットシート紙に固定された前記エンボス加工された紙シートの変形を抑制する、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項8】
前記第1のエンボス加工された紙シート、前記展開スリット紙、及び前記第2の紙シートが、折り線に沿って折り返され、共に固定され、袋部部位を形成している、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項9】
前記第1のエンボス加工された紙シート、前記展開スリット紙、及び前記第2の紙シートが、折り線に沿って折り返され、共に固定され、袋部部位を形成している、
請求項7に記載の保護用製品。
【請求項10】
前記保護用製品が、前記袋部部位を閉じるように折り返すことができるフラップ部位を有する封筒である、
請求項9に記載の保護用製品。
【請求項11】
前記第1のエンボス加工された紙シート、前記展開スリット紙、及び前記第2の紙シートが前記フラップ部位の内部で、接着剤で共に固定され、前記フラップが、前記フラップ部位の少なくとも接着剤を含む部位でつぶされている、
請求項10に記載の保護用製品。
【請求項12】
前記折り線の部位には接着剤が無い、
請求項11に記載の保護用製品。
【請求項13】
前記第2の紙シートがエンボス加工されている、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項14】
前記第2の紙シートが、凹凸を交互に繰り返すエンボスを有する、
請求項13に記載の保護用製品。
【請求項15】
前記第1のエンボス加工された紙シートがエンボスを有し、前記エンボスが前記エンボス加工された紙シートの面から、前記エンボスの面から0.1インチ(2.54mm)未満の距離だけ内側に突出し、前記距離が、前記エンボス加工された紙に剛性を付加し、前記展開スリットシート紙に固定された前記エンボス加工された紙シートの変形を抑制するのに十分である、
請求項5に記載の保護用製品。
【請求項16】
前記距離が、0.05インチ(1.27mm)未満である、
請求項15に記載の保護用製品。
【請求項17】
前記距離が、0.03インチ(0.76mm)未満である、
請求項15に記載の保護用製品。
【請求項18】
前記スリットシート紙が、スリット前の構成の測定で、流れ方向に1~20%の伸長可能範囲を有する伸長可能な紙である、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項19】
前記スリットシート紙が、スリット前の構成の測定で、流れ方向に3~20%の伸長可能範囲を有する伸長可能な紙である、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項20】
前記スリットシート紙が、スリット前の構成の測定で、流れ方向に3~9%の伸長可能範囲を有する伸長可能な紙である、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項21】
前記スリットシート紙が、3,000平方フィート(278.7m)あたり約30~50ポンド(13.6~22.7kg)の範囲の重量を有する紙である、
請求項1に記載の伸長可能なスリットシート紙製緩衝材製品。
【請求項22】
前記第1のエンボス加工された紙シート及び前記第2の紙シートが前記展開スリット紙シートの領域のかなりの部分にわたって、前記展開スリット紙シートに固定されていない、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項23】
前記エンボス加工された紙シートが、前記第1のエンボス加工された紙シートの側部において前記展開スリット紙シートに接触するが連結されていない、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項24】
前記保護用製品が、リサイクル可能な紙製品である、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項25】
前記保護用製品が、袋部を有する封筒であり、前記袋部は、共に折り返されて前記袋部の前壁及び後壁を形成し、且つ前記袋部の側部において共に固定された、前記エンボス加工された紙シートと前記展開スリット紙とを含み、
前記エンボス加工された紙シートは、前記展開スリット紙シートに、前記袋部の前記側部において接触するが連結されておらず、
前記エンボス加工された紙シートが、前記展開スリット紙シートに前記展開スリット紙シートの周囲端部で固定されており、これにより前記展開紙を展開状態に維持している、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項26】
前記エンボス加工された紙シートと前記展開スリット紙とが共に折り返されて前記袋部の前壁及び後壁を形成し、前記袋部の前記側部において接着剤で共に固定されている、
請求項25に記載の保護用製品。
【請求項27】
展開状態の前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、互いに重なって積層された、展開状態の複数の展開スリット紙シートを含む、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項28】
前記複数の展開スリット紙シートが、2枚の展開スリット紙シートを含み、前記2枚の展開スリット紙シートの反対側に面する第2のエンボス加工された紙シートを更に含む、
請求項27に記載の保護用製品。
【請求項29】
前記エンボス加工された紙シートの前記エンボスが、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートに向かって窪んでいる、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項30】
前記封筒に固定された住所用ラベルを更に含む、
請求項25に記載の保護用製品。
【請求項31】
前記保護用製品が封筒であり、
前記エンボス加工された紙シートの前記エンボスが、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートから外側に膨らみ、且つ前記封筒の袋部内側に面し、これにより、前記エンボスが、前記袋部に挿入される物品に加えられる摩擦を制限するのに役立つ、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項32】
前記エンボスが六角形である、
請求項31に記載の保護用製品。
【請求項33】
隣接する六角形同士で辺を共有し、これにより前記六角形が連結している、
請求項32に記載の保護用製品。
【請求項34】
前記複数のエンボスが前記展開スリット紙の収縮しようとする固有の傾向に対向するのに十分であり、これにより前記エンボス加工された紙にしわが寄ることを抑制する、
請求項1に記載の保護用製品。
【請求項35】
請求項1の前記保護用製品を供給することと、
緩衝性を提供して前記袋部内の前記物品を保護する前記展開スリット紙シートと、前記展開スリットシート紙に固定された前記エンボス加工された紙シートの変形を抑制する前記エンボス加工された紙とをもつ前記保護用製品の袋部内部に物品を入れることと
を含む方法。
【請求項36】
請求項29の前記保護用製品を供給することと、
緩衝性を提供して前記封筒内の前記物品を保護する前記展開スリット紙シートと、前記展開スリットシート紙に固定された前記エンボス加工された紙シートの変形を抑制する前記エンボス加工された紙とをもつ前記封筒内に物品を入れることと
を含む方法。
【請求項37】
展開状態の少なくとも1枚の展開スリット紙シートと、
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの第1面に面し、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの少なくとも2つの対向する周囲端部に沿って、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートに対して固定された第1の紙シートと、
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの前記第1の紙シートとは反対面に面し、前記少なくとも1枚の展開スリット紙の少なくとも2つの対向する周囲端部に沿って、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートに対して固定された第2の紙シートとを備え、
a)前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートが、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの収縮力による前記第1及び第2の紙シートの変形を抑制する複数のエンボスを有するエンボス加工されたシートであるか、又はb)前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートが、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの収縮力による前記第1及び第2の紙シートの変形を抑制する、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの重量と比較して、より重い重量を有するエンボス加工されていないシートであるかのいずれかである、
封筒。
【請求項38】
前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートの1つが、3000平方フィート(278.7m)のTAPPI標準紙重量規格に基づく40ポンド(18.2kg)紙以上の重量を有するエンボス加工されていないクラフトシートであり、前記第2の紙シートがエンボス加工されている、
請求項37に記載の封筒。
【請求項39】
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートの少なくとも1つに、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの2つの対向する端部部位のみで固定された、少なくとも1枚の実質的に長方形のシートである、
請求項37に記載の封筒。
【請求項40】
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの前記2つの対向する端部部位が、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの展開方向の、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの対向する端部である、
請求項37に記載の封筒。
【請求項41】
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、重なって互いに直接接触する2枚の展開スリット紙シートである、
請求項37に記載の封筒。
【請求項42】
前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートの1つが、3000平方フィート(278.7m)のTAPPI標準紙重量規格に基づく60ポンド(27.2kg)紙以上の重量を有する、エンボス加工されていないクラフトシートである、
請求項37に記載の封筒。
【請求項43】
前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートが、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの領域のかなりの部分にわたって前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートに接触しているが、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの領域の前記かなりの部分にわたって前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートとは連結されていない、
請求項37に記載の封筒。
【請求項44】
前記封筒が、緩衝壁を含む袋部を有し、前記第2の紙シートが前記袋部の内壁を形成する内側層であり、前記第1の紙シートが前記袋部の外壁を形成する外側層であり、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートが前記内側層と前記外側層との間にある、
請求項37に記載の封筒。
【請求項45】
前記緩衝壁が前記袋部の前壁及び後壁の両方を形成し、且つ前記第1の紙シートが、前記袋部の前記前壁及び前記後壁の前面及び後面両方の外側層になるように、前記袋部の前記緩衝壁が折り線に沿って折り返され、前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートの少なくとも1つに、前記折り線に沿って接着剤が塗付されている、
請求項44に記載の封筒。
【請求項46】
前記袋部の前記後壁が前記袋部の前記前壁より長く、前記第1の紙シートの前記前壁端部より延びた部分に、取り除くことが可能な剥離ライナーと共に接着ストリップが固定され、前記剥離ライナーを取り除き、且つ前記接着ストリップを前記前壁に接着することによって、前記封筒を接着剤で閉じることができる、
請求項45に記載の封筒。
【請求項47】
前記袋部の前記後壁が、前記袋部の前記前壁より長く、フラップ部位を形成し、前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートの一部分が、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートに接触し、接着剤で共に固定され、少なくとも前記一部分がつぶされて前記少なくとも1枚の展開スリット紙を平坦にし、前記フラップ部位の少なくとも一部を堅くしている、
請求項45に記載の封筒。
【請求項48】
前記封筒が、緩衝壁を含む袋部を有し、前記緩衝壁が4つの層を有し、前記第1の紙シートが、前記4つの層の内の第1の層を形成し、前記袋部の外側壁を形成する外側層であり、前記2枚の展開スリット紙シートが、前記第1の層と第4の層との間に前記4つの層の内の第2及び第3の層を形成し、前記第2及び第3の層は互いに直接接触し、前記第2の紙シートが、前記4つの層の内の前記第4の層を形成し、前記袋部の内側壁を形成する内側層である、
請求項37に記載の封筒。
【請求項49】
請求項37の前記封筒を供給することと、
緩衝性を提供する前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートをもつ前記封筒の袋部内部に物品を入れて前記袋部内の前記物品を保護することと
を含む方法。
【請求項50】
少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートを供給することと、
前記少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートの第1面に面する第1の紙シートを供給することと、
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの前記第1の紙シートとは反対側の面に面する第2の紙シートを供給することと、
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートを展開状態に展開し、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートを、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの周囲の少なくとも対向する部分において、前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートに対して固定することと、
a)前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートに複数のエンボスを設けること、又はb)前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの重量と比較して、より重く前記第1及び第2の紙シートの変形を抑制するのに十分な重量を有するエンボス加工されていないシートとして前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートを供給することのいずれかにより、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの収縮力に対して前記第1及び第2の紙シートの変形を抑制することと
を含む封筒を作る方法。
【請求項51】
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シート収縮力に対して前記第1及び第2の紙シートの変形を抑制する前記ステップが、前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートのそれぞれを、3000平方フィート(278.7m)のTAPPI標準紙重量規格に基づく40ポンド(18.2kg)紙以上の重量を有するエンボス加工されていないシートとして供給することを含む、
請求項50に記載の封筒を作る方法。
【請求項52】
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートを少なくとも1つの実質的に長方形のシートとして供給し、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートを、前記第1の紙シート及び前記第2の紙シートの少なくとも1つに、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの2つの対向する端部部位のみで固定することを更に含む、
請求項50に記載の封筒を作る方法。
【請求項53】
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの前記2つの対向する端部部位を前記固定することが、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの展開方向の、前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートの対向する端部を固定することを含む、
請求項52に記載の封筒を作る方法。
【請求項54】
前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートに、互いに重なって直接接触している2枚の展開スリット紙シートを供給することを更に含む、
請求項50に記載の封筒を作る方法。
【請求項55】
展開状態の前記少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、前記スリットパターンが無い状態で流れ方向及び幅方向に伸長可能に作られた伸長可能な紙で形成され、前記伸長可能な紙が、前記流れ方向に3~20%の範囲の伸張性を有する、
請求項37に記載の封筒。
【請求項56】
前記伸張性が、前記流れ方向に3~15%の範囲内である、
請求項37に記載の封筒。
【請求項57】
前記スリットシート紙が、展開前に、3、000平方フィート(278.7m)あたり約30~50ポンド(13.6~22.7kg)の重量を有する、
請求項37に記載の封筒。
【請求項58】
共に固定された前記第1の紙シート、前記少なくとも1枚の展開シート、及び前記第2の紙シートの組合せである一連の封筒ユニットを、回転式型切断つぶし工具と回転式主軸との間を直線的な流れで連続的に通して、これによって背圧を加えるステップを含み、
前記回転式工具は、前記組合せのフラップ形成部位の部分をつぶす、つぶし要素と、前記一連の封筒ユニットから1つ封筒ユニットを切断して単一の封筒ユニットを形成する切断要素とを有し、
前記回転式型は、作成中の前記封筒の全長と等しい外周を有する、
請求項37に記載の封筒を作る方法。
【請求項59】
少なくとも1枚の緩衝紙シートであって、展開可能なスリット紙、折り重ね連続紙、又は両面にエンボス加工された紙シートである少なくとも1枚の緩衝紙シートと、
前記少なくとも1枚の緩衝紙シートに面する第1のエンボス加工された紙シートと、
前記少なくとも1枚の緩衝紙シートの反対側に面した第2の紙シートとを備え、
前記第1のエンボス加工された紙シート及び前記第2の紙シートの少なくとも1つが前記緩衝紙シートに固定され、前記第1のエンボス加工された紙シートが、前記エンボス加工された紙シートの剛性を高める複数のエンボスを有し、これにより、前記展開スリットシート紙に固定された前記エンボス加工された紙シートの変形を抑制する、
保護用製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の好適な実施形態は、緩衝性のために紙を採用した配送用封筒又は袋部の製造及び/又は使用に関する。
【背景技術】
【0002】
配送用封筒の製造に関する背景技術は、プラスチックバブル、プラスチックバブルと紙の組合せ、裁断された新聞紙、及びクラフト紙などで製造されてきた。プラスチック材料は、非常に柔軟で、初期的に適切な緩衝性を提供する場合があるのに対し、クラフト紙はいくぶん柔軟性が低い。背景技術の紙による代替品は、製造により費用がかかり、また、プラスチックと比較して重量が大きいためエンドユーザーにとっても配送に、より費用がかかる。
【0003】
背景技術は、パッド付封筒を製造するために裁断式スタート・ストップ非回転式製造工程を利用して製造されてきた。しかし、本発明者は、この背景技術の設計は、展開スリットシート材の緩衝性を採用する封筒の製造には適さないと判断したところである。
【0004】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月8日に出願された「EMBOSSED PAPER IN COMBINATION WITH PAPER CUSHIONING FOR SHIPPING ENVELOPES(配送用封筒のための紙製緩衝材と組み合わせたエンボス紙)」と題する米国仮出願第62/845293号、及び2020年2月27日に出願された「EXPANDED SLIT SHEET ENVELOPE CRUSH PULL SYSTEM(展開スリットシート封筒クラッシュプルシステム)」と題する米国仮出願第62/982,662に対する優先権を主張し、これらの仮出願のすべての開示が参照により本発明の記述の一部として完全に本明細書に組み込まれる。
【0005】
また、本出願は、2019年8月3日に出願された「PROTECTIVE PRODUCTS, SUCH AS ENVELOPES, HAVING A UNIQUECOMBINATION OF INTERIOR PADDING OF EXPANDED SLIT SHEET PAPER AND EXTERIOR LININGOF EMBOSSED PAPER(展開スリットシート紙の内側パッド及びエンボス紙の外側ライニングの独自の組み合わせを有する、封筒などの保護用製品)」と題する米国非仮特許出願第16/531,017号の一部継続であり、このすべての開示も参照により本発明の記述の一部として完全に本明細書に組み込まれる。
【0006】
また、本出願は、2018年6月26日に出願された「EXTENSIBLE PAPER AND ITS USE IN THE PRODUCTION OF EXPANDED SLIT PACKAGING WRAP AND VOID FILL PRODUCTS(伸長紙並びに拡張スリット梱包ラップ及び空間充填製品の製造における伸長紙の使用)」と題する米国非仮特許出願第16/018,702号(2018年12月27日に米国特許2018/0370702として公開された)の一部継続であり、このすべての開示も参照により本発明の記述の一部として完全に本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願PCT/US2014/054615号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0203866号明細書
【特許文献3】米国特許第5,538,778号明細書
【特許文献4】米国特許第5,667,871号明細書
【特許文献5】米国特許第5,688,578号明細書
【特許文献6】米国特許第5,782,735号明細書
【特許文献7】米国特許出願第16/018,702号明細書
【特許文献8】米国特許第3,908,071号明細書
【特許文献9】米国特許出願14/901,977明細書
【特許文献10】米国特許第9,945,077号明細書
【特許文献11】国際出願第W01984002936号明細書
【特許文献12】米国出願公開第2002/0060034明細書
【特許文献13】米国出願公開第2007/0240841号明細書
【特許文献14】米国特許第7,918,966号明細書
【特許文献15】米国特許第3,104,197号明細書
【特許文献16】米国特許第3,220,116号明細書
【特許文献17】米国特許第3,266,972号明細書
【特許文献18】米国特許第3,269,393号明細書
【特許文献19】米国特許第6,024,832号明細書
【特許文献20】米国特許第6,458,447号明細書
【特許文献21】米国特許第6,712,930号明細書
【特許文献22】米国特許第2,856,323号明細書
【特許文献23】米国特許第10,226,907号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2018/0222665号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2018/0127197号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2018/0370702号明細書
【特許文献27】米国特許第6,871,480号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2014/016666明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0233023号明細書
【発明の概要】
【0008】
好適な実施形態は、上記及び/又は他の背景技術の欠点を克服する。
【0009】
本発明のいくつかの例示的で広範な実施形態によると、例えば、ひだ付紙、展開スリットシート材、及び/又はエンボス加工された紙などを含む様々な形状に変換された紙シートを内側緩衝層として使用し、エンボスを有する外側紙シート(例えば、エンボス加工された、又はインデント加工されたクラフトシートなど)を外側材料として組み合わせると、軽量で、極めて高い保護性のある製品が得られ、プラスチックや、より重い重量の紙による代替品の必要性が無くなる。
【0010】
1.いくつかの好適な実施形態によると、保護用製品は、
少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートであって、スリット紙の対向する端部の間で展開された、少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートと、
展開スリット紙シートに面する第1のエンボス加工された紙シートと、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートの反対側に面する第2の紙シートとを備え、
少なくとも1枚の第1のエンボス加工された紙シート及び第2の紙シートが、展開スリット紙シートの対向する端部において、展開スリット紙シートに固定され、これにより、展開紙を展開状態に維持し、
第1のエンボス加工された紙シートが、エンボス加工された紙シートの剛性を高める複数のエンボスを有し、これにより、展開スリットシート紙に固定されたエンボス加工された紙シートの変形を抑制する。
【0011】
2.上記1に係るいくつかの実施形態において、
エンボス加工された紙シート内の複数のエンボスが、エンボス加工された紙シートの面に分布するエンボス加工された形状の配列を含む。
【0012】
3.上記1~2のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボス加工された形状の配列が、隣接する多角形と一辺を共有する多角形の配列を含む。
【0013】
4.上記1~3のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボス加工された形状の配列が、隣接する六角形と一辺を共有する六角形の配列を含む。
【0014】
5.上記1~4のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
複数のエンボスが、エンボス加工されたシートの面のかなりの部分にわたって延びる複数のリブを含む。
【0015】
6.上記1~5のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボスが、展開スリットシート紙に向かって内側に突出する窪みを含む。
【0016】
7.上記1~6のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボスが、エンボス加工された紙シートの面から、エンボス加工された紙シートに剛性を付加する、0.1インチ(2.54mm)未満の距離だけ、内側に突出し、これにより、展開スリットシート紙に固定されたエンボス加工された紙シートの変形を抑制する。
【0017】
8.上記1~7のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第1のエンボス加工された紙シート、展開スリット紙、及び第2の紙シートが、折り線に沿って折り返され、共に固定され、袋部部位を形成している。
【0018】
9.上記1~8のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第1のエンボス加工された紙シート、展開スリット紙、及び第2の紙シートが、折り線に沿って折り返され、共に固定され、袋部部位を形成している。
【0019】
10.上記1~9のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
保護用製品が、袋部部位を閉じるように折り返すことができるフラップ部位を有する封筒である。
【0020】
11.上記1~10のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第1のエンボス加工された紙シート、展開スリット紙、及び第2の紙シートがフラップ部位の内部で、接着剤で共に固定され、フラップが、フラップ部位の少なくとも接着剤を含む部位でつぶされている。
【0021】
12.上記1~11のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
折り線の部位には接着剤が無い。
【0022】
13.上記1~12のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第2の紙シートがエンボス加工されている。
【0023】
14.上記1~13のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第2の紙シートが、凹凸を交互に繰り返すエンボスを有する。
【0024】
15.上記1~14のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第1のエンボス加工された紙シートがエンボスを有し、エンボスがエンボス加工された紙シートの面から、エンボスの面から0.1インチ(2.54mm)未満の距離だけ内側に突出し、距離が、エンボス加工された紙に剛性を付加し、展開スリットシート紙に固定されたエンボス加工された紙シートの変形を抑制するのに十分である。
【0025】
16.上記1~15のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
距離が、0.05インチ(1.27mm)未満である。
【0026】
17.上記1~16のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
距離が、0.03インチ(0.76mm)未満である。
【0027】
18.上記1~17のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
スリットシート紙が、スリット前の構成の測定で、流れ方向に1~20%の伸長可能範囲を有する伸長可能な紙である。
【0028】
19.上記1~18のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
スリットシート紙が、スリット前の構成の測定で、流れ方向に3~20%の伸長可能範囲を有する伸長可能な紙である。
【0029】
20.上記1~19のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
スリットシート紙が、スリット前の構成の測定で、流れ方向に3~9%の伸長可能範囲を有する伸長可能な紙である。
【0030】
21.上記1~20のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
スリットシート紙が、3,000平方フィート(278.7m)あたり約30~50ポンド(13.6~22.7kg)の範囲の重量を有する紙である。
【0031】
22.上記1~21のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第1のエンボス加工された紙シート及び第2の紙シートが展開スリット紙シートの領域のかなりの部分にわたって、展開スリット紙シートに固定されていない。
【0032】
23.上記1~22のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボス加工された紙シートが、第1のエンボス加工された紙シートの側部において展開スリット紙シートに接触するが連結されていない。
【0033】
24.上記1~23のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
保護用製品が、リサイクル可能な紙製品である。
【0034】
25.上記1~24のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
保護用製品が、袋部を有する封筒であり、袋部は、共に折り返されて袋部の前壁及び後壁を形成し、且つ袋部の側部において共に固定された、エンボス加工された紙シートと展開スリット紙とを含み、
エンボス加工された紙シートは、展開スリット紙シートに、袋部の側部において接触するが連結されておらず、
エンボス加工された紙シートが、展開スリット紙シートに展開スリット紙シートの周囲端部で固定されており、これにより展開紙を展開状態に維持している。
【0035】
26.上記1~25のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボス加工された紙シートと展開スリット紙とが共に折り返されて袋部の前壁及び後壁を形成し、袋部の側部において接着剤で共に固定されている。
【0036】
27.上記1~26のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
展開状態の少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、互いに重なって積層された、展開状態の複数の展開スリット紙シートを含む。
【0037】
28.上記1~27のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
複数の展開スリット紙シートが、2枚の展開スリット紙シートを含み、2枚の展開スリット紙シートの反対側に面する第2のエンボス加工された紙シートを更に含む。
【0038】
29.上記1~28のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボス加工された紙シートのエンボスが、少なくとも1枚の展開スリット紙シートに向かって窪んでいる。
【0039】
30.上記1~29のいずれかに係るいくつかの実施形態は、
封筒に固定された住所用ラベルを更に含む。
【0040】
31.上記1~30のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
保護用製品が封筒であり、
エンボス加工された紙シートのエンボスが、少なくとも1枚の展開スリット紙シートから外側に膨らみ、且つ封筒の袋部内側に面し、これにより、エンボスが、袋部に挿入される物品に加えられる摩擦を制限するのに役立つ。
【0041】
32.上記1~31のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
エンボスが六角形である。
【0042】
33.上記1~32のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
隣接する六角形同士で辺を共有し、これにより六角形が連結している。
【0043】
34.上記1~33のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
複数のエンボスが展開スリット紙の収縮しようとする固有の傾向に対向するのに十分であり、これによりエンボス加工された紙にしわが寄ることを抑制する。
【0044】
35.いくつかの好適な実施形態において、方法は、
上記1~34の保護用製品を供給することと、
緩衝性を提供して袋部内の物品を保護する展開スリット紙シートと、展開スリットシート紙に固定されたエンボス加工された紙シートの変形を抑制するエンボス加工された紙とをもつ保護用製品の袋部内部に物品を入れることと
を含む。
【0045】
36.いくつかの好適な実施形態において、方法は、
上記1~34の保護用製品を供給することと、
緩衝性を提供して封筒内の物品を保護する展開スリット紙シートと、展開スリットシート紙に固定されたエンボス加工された紙シートの変形を抑制するエンボス加工された紙とをもつ封筒内に物品を入れることと
を含む。
【0046】
37.いくつかの好適な実施形態において、封筒は、
展開状態の少なくとも1枚の展開スリット紙シートと、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートの第1面に面し、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの少なくとも2つの対向する周囲端部に沿って、少なくとも1枚の展開スリット紙シートに対して固定された第1の紙シートと、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートの、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの第1の紙シートとは反対面に面し、少なくとも1枚の展開スリット紙の少なくとも2つの対向する周囲端部に沿って、少なくとも1枚の展開スリット紙シートに対して固定された第2の紙シートとを備え、
a)第1の紙シート及び第2の紙シートが、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの収縮力による第1及び第2の紙シートの変形を抑制する複数のエンボスを有するエンボス加工されたシートであるか、又はb)第1の紙シート及び第2の紙シートが、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの収縮力による第1及び第2の紙シートの変形を抑制する、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの重量と比較して、より重い重量を有するエンボス加工されていないシートであるかのいずれかである。
【0047】
38.上記37に係るいくつかの実施形態において、
第1の紙シート及び第2の紙シートの1つが、3000平方フィート(278.7m)のTAPPI標準紙重量規格に基づく40ポンド(18.2kg)紙以上の重量を有するエンボス加工されていないクラフトシートであり、第2の紙シートがエンボス加工されている。
【0048】
39.上記37~38のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、第1の紙シート及び第2の紙シートの少なくとも1つに、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの2つの対向する端部部位のみで固定された、少なくとも1枚の実質的に長方形のシートである。
【0049】
40.上記37~39のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートの2つの対向する端部部位が、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの展開方向の、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの対向する端部である。
【0050】
41.上記37~40のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、重なって互いに直接接触する2枚の展開スリット紙シートである。
【0051】
42.上記37~41のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第1の紙シート及び第2の紙シートの1つが、3000平方フィート(278.7m)のTAPPI標準紙重量規格に基づく60ポンド(27.2kg)紙以上の重量を有する、エンボス加工されていないクラフトシートである。
【0052】
43.上記37~42のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
第1の紙シート及び第2の紙シートが、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの領域のかなりの部分にわたって少なくとも1枚の展開スリット紙シートに接触しているが、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの領域のかなりの部分にわたって少なくとも1枚の展開スリット紙シートとは連結されていない。
【0053】
44.上記37~43のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
封筒が、緩衝壁を含む袋部を有し、第2の紙シートが袋部の内壁を形成する内側層であり、第1の紙シートが袋部の外壁を形成する外側層であり、少なくとも1枚の展開スリット紙シートが内側層と外側層との間にある。
【0054】
45.上記37~44のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
緩衝壁が袋部の前壁及び後壁の両方を形成し、且つ第1の紙シートが、袋部の前壁及び後壁の前面及び後面両方の外側層になるように、袋部の緩衝壁が折り線に沿って折り返され、第1の紙シート及び第2の紙シートの少なくとも1つに、折り線に沿って接着剤が塗付されている。
【0055】
46.上記37~45のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
袋部の後壁が袋部の前壁より長く、第1の紙シートの前壁端部より延びた部分に、取り除くことが可能な剥離ライナーと共に接着ストリップが固定され、剥離ライナーを取り除き、且つ接着ストリップを前壁に接着することによって、封筒を接着剤で閉じることができる。
【0056】
47.上記37~46のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
袋部の後壁が、袋部の前壁より長く、フラップ部位を形成し、第1の紙シート及び第2の紙シートの一部分が、少なくとも1枚の展開スリット紙シートに接触し、接着剤で共に固定され、少なくとも一部分がつぶされて少なくとも1枚の展開スリット紙を平坦にし、フラップ部位の少なくとも一部を堅くしている。
【0057】
48.上記37~47のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
封筒が、緩衝壁を含む袋部を有し、緩衝壁が4つの層を有し、第1の紙シートが、4つの層の内の第1の層を形成し、袋部の外側壁を形成する外側層であり、2枚の展開スリット紙シートが、第1の層と第4の層との間に4つの層の内の第2及び第3の層を形成し、第2及び第3の層は互いに直接接触し、第2の紙シートが、4つの層の内の第4の層を形成し、袋部の内側壁を形成する内側層である。
【0058】
49.いくつかの好適な実施形態において、方法は、
上記37~48のいずれかの封筒を供給することと、
緩衝性を提供する少なくとも1枚の展開スリット紙シートをもつ封筒の袋部内部に物品を入れて袋部内の物品を保護することと
を含む。
【0059】
50.いくつかの好適な実施形態において、封筒を作る方法は、
少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートを供給することと、
少なくとも1枚の展開可能なスリット紙シートの第1面に面する第1の紙シートを供給することと、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートの、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの第1の紙シートとは反対側の面に面する第2の紙シートを供給することと、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートを展開状態に展開し、少なくとも1枚の展開スリット紙シートを、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの周囲の少なくとも対向する部分において、第1の紙シート及び第2の紙シートに対して固定することと、
a)第1の紙シート及び第2の紙シートに複数のエンボスを設けること、又はb)少なくとも1枚の展開スリット紙シートの重量と比較して、より重く第1及び第2の紙シートの変形を抑制するのに十分な重量を有するエンボス加工されていないシートとして第1の紙シート及び第2の紙シートを供給することのいずれかにより、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの収縮力に対して第1及び第2の紙シートの変形を抑制することと
を含む。
【0060】
51.上記50に係るいくつかの実施形態において、
少なくとも1枚の展開スリット紙シート収縮力に対して第1及び第2の紙シートの変形を抑制するステップが、第1の紙シート及び第2の紙シートのそれぞれを、3000平方フィート(278.7m)のTAPPI標準紙重量規格に基づく40ポンド(18.2kg)紙以上の重量を有するエンボス加工されていないシートとして供給することを含む。
【0061】
52.上記50~51のいずれかに係るいくつかの実施形態は、
少なくとも1つ1枚の展開スリット紙シートを少なくとも1つの実質的に長方形のシートとして供給し、少なくとも1つ1枚の展開スリット紙シートを、第1の紙のシート紙シート及び第2の紙のシート紙シートの少なくとも1つに、少なくとも1つ1枚の展開スリット紙シートの2つの対向する端部部位のみで固定することを更に含む。
【0062】
53.上記50~52のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートの2つの対向する端部部位を固定することが、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの展開方向の、少なくとも1枚の展開スリット紙シートの対向する端部を固定することを含む。
【0063】
54.上記50~53のいずれかに係るいくつかの実施形態は、
少なくとも1枚の展開スリット紙シートに、互いに重なって直接接触している2枚の展開スリット紙シートを供給することを更に含む。
【0064】
55.上記37~48のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
展開状態の少なくとも1枚の展開スリット紙シートが、スリットパターンが無い状態で流れ方向及び幅方向に伸長可能に作られた伸長可能な紙で形成され、伸長可能な紙が、流れ方向に3~20%の範囲の伸張性を有する。
【0065】
56.上記55に係るいくつかの実施形態において、
伸張性が、流れ方向に3~15%の範囲内である。
【0066】
57.上記37~48のいずれかに係るいくつかの実施形態において、
スリットシート紙が、展開前に、3、000平方フィート(278.7m)あたり約30~50ポンド(13.6~22.7kg)の重量を有する。
【0067】
58.いくつかの実施形態において、方法は、
共に固定された第1の紙シート、少なくとも1枚の展開シート、及び第2の紙シートの組合せである一連の封筒ユニットを、回転式型切断つぶし工具と回転式主軸との間を直線的な流れで連続的に通して、これによって背圧を加えるステップを含み、
回転式工具は、組合せのフラップ形成部位の部分をつぶす、つぶし要素と、一連の封筒ユニットから1つ封筒ユニットを切断して単一の封筒ユニットを形成する切断要素とを有し、
回転式型は、作成中の封筒の全長と等しい外周を有する。
【0068】
59.いくつかの実施形態において、保護用製品は
少なくとも1枚の緩衝紙シートであって、展開可能なスリット紙、折り重ね連続紙、又は両面にエンボス加工された紙シートである少なくとも1枚の緩衝紙シートと、
少なくとも1枚の緩衝紙シートに面する第1のエンボス加工された紙シートと、
少なくとも1枚の緩衝紙シートの反対側に面した第2の紙シートとを備え、
第1のエンボス加工された紙シート及び第2の紙シートの少なくとも1つが緩衝紙シートに固定され、第1のエンボス加工された紙シートが、エンボス加工された紙シートの剛性を高める複数のエンボスを有し、これにより、展開スリットシート紙に固定されたエンボス加工された紙シートの変形を抑制する。
【0069】
様々な実施形態の上記の及び/又はその他の態様、特徴、及び/又は利点は、添付の図と併せて以下の説明を考慮して更に理解されるであろう。様々な実施形態は、適用可能な場合、異なる態様、特徴及び/又は利点を含めること、及び/又は除外することができる。また、様々な実施形態は、適用可能な場合、他の実施形態の1つ以上の態様又は特徴を組み合わせてもよい。特定の実施形態の態様、特徴、及び/又は利点の説明を、他の実施形態や特許請求の範囲を限定すると解釈すべきではない。
【0070】
添付の図面と共に、本発明の複数の好適な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】展開スリットシートがインデント加工されたクラフトシートに覆われた複合材料の側面図である。
図2】展開スリットシートがインデント加工されたクラフトシートに覆われた複合材料の斜視図ある。
図3】製造工程の概略側面図である。
図4】複合材料の上面図である。
図5】折り線及び両面接着剤をもつ複合材料の上面図である。
図6】複合材料を折って、閉じていない封筒の形にした状態の上面図である。
図7】側部をつぶし、側部を接着し、つぶし/折り領域で折り返すことによって袋領域が作成された、剥離ライナーを備えた、閉じていない状態の複合材による封筒の斜視図である。
図8】閉じた状態の複合材による封筒を示す斜視図である。
図9】密封された封筒を引き裂いて開くためのノッチが設けられた部位を示す斜視図である。
図10】クラフト紙に片面エンボス加工がなされた外層、展開紙の2重層、及び凹凸にエンボス加工がなされた紙の内層の側面図である。
図11】六角形状エンボスの様々なパターン及びサイズの概略図である。
図11A】六角形状エンボスの様々なパターン及びサイズの概略図である。
図11B】六角形状エンボスの様々なパターン及びサイズの概略図である。
図11C】六角形状エンボスの様々なパターン及びサイズの概略図である。
図11D】六角形状エンボスの様々なパターン及びサイズの概略図である。
図12】片面エンボス加工された層、平坦なクラフト紙の層、エンボス加工の層と平坦な層の間の展開紙の2重層の側面図である。
図13】エンボス加工されたシートの側面図である。
図14】緩衝用内層として両面エンボス加工された紙の側面図である。
図15】片面エンボス加工がなされたクラフト紙の内層及び外層と組み合わせた図14の両面エンボス加工がなされた層の側面図である。
図16図15の組合せの斜視図である。
図17】エンボス加工された層と組み合わせた折り重ね緩衝層の斜視図である。
図18】エンボス加工された層と組み合わせた波状の両面パターンの斜視図である。
図19】2つの連続する封筒用パッドが、折り領域でつぶされ、封筒端部つぶし領域で型切断された状態で、側部つぶし領域において製造方向の張力下で維持されている状態を示した正面図である。
図20】パッド付封筒を作るためにつぶしと切断を行う上側回転式工具の側面図である。
図21】型切断つぶし用、回転式システムの側面図である。
図22】パッド付封筒の回転式パッド作成区間の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
好適な実施形態に関する定義
好適な実施形態において、用語「封筒」は、保管及び/又は配送のために、1つ以上の物品を挿入することができる、開口部をもつ包装容器である。いくつかの好適な実施形態において、「封筒」の開口部は、保管及び/又は配送、例えば、配送サービスを経由した配送などのために、1つ又は複数の物品が挿入された後、閉じることができ、密封可能である。
【0073】
好適な実施形態において、用語「袋部」は、保管及び/又は配送のための1つ以上の物品を入れることができる封筒内の領域を指す。いくつかの好適な実施形態において、詰められた封筒は、配送容器に入れることができる。
【0074】
いくつかの好適な実施形態において、「封筒の箱内配送」の中の用語「箱内配送」は、封筒を箱又は容器に入れて(例えば、段ボール箱に入れて)配送する状況を指す。例えば、そのような箱又は容器は、複数の封筒及び/又は1つ以上の封筒を任意の数の物品と共に、その中に入れて配送するために採用することができる。封筒の箱内配送の状況では、封筒の材料は、例えば、軽量の紙を採用するように変更でき、及び/又は、箱内配送中に囲む箱の保護なしで封筒を配送する場合に必要な、耐久性のある及び/又は破れ防止の外層を採用しないように変更できる。
【0075】
好適な実施形態において、用語「外層」及び「外側層」は、封筒に関し、封筒の最外層を意味する。
【0076】
好適な実施形態において、用語「内層」及び「内側層」は、封筒に関し、封筒の内側表面を形成する封筒の層を意味する。例えば、封筒内に入れられた物品は通常、封筒の内側表面に接触する。
【0077】
好適な実施形態において、用語「郵送用封筒」は、USPS、UPS、FedEx及び/又は同様なサービスによって配送するために設計された封筒を指し、箱内配送の場合のように箱又は容器の中に収容せずに配送される。好適な実施形態において、郵送用封筒は、好ましくは、耐久性のある外層を有し、これにより、(例えば、破れや裂けを防止するための)箱又は容器の外部の保護無しで、それ自体で配送するのを補償する。
【0078】
好適な実施形態において、専門用語「均一に開口しているスリット」は、特許文献1において開示及び/又は請求されているようなスリットを意味する。
【0079】
好適な実施形態において、専門用語「不均一に開口しているスリット」は、2017年7月20日に公開された特許文献2に開示及び/又は請求されているようなスリットを意味する。この後者の特許文献2のいくつかの例では、少なくともいくつかの隣接する層が、異なる角度で傾いた平面領域を有し収縮及び/又ははまり込みを防止する。
【0080】
好適な実施形態において、紙シートに適用される専門用語「展開可能な」は、例えば、(a)特許文献3、(b)特許文献4、(c)特許文献5、及び(d)特許文献6、並びに特許文献1に開示されるような紙の展開を可能にするスリットパターンを有する紙を意味し、これらの特許及び国際出願のすべての開示は、参照により、完全に記載されているかのようにすべて組み込まれる。好適な実施形態において、スリットパターンは、相関する幅の減少を伴いながら、紙が長手方向に展開可能に構成されている。いくつかの実施形態において、スリットパターンは、例えば、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる(a)特許文献2、(b)特許文献24、(c)特許文献25、及び(d)特許文献1のいずれかに記載のタイプの展開器で処理したときにスリットパターンによって長さが伸びる紙を生産する。
【0081】
好適な実施形態において、用語「スリットシート」は、例えば、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる、(a)特許文献2、(b)特許文献24、及び(c)特許文献25、並びに特許文献1が開示するスリットパターンを有する展開可能な紙シートを意味する。
【0082】
好適な実施形態において、用語「封筒用パッド」は、封筒内に収容された1つ以上の物品を保護するために封筒に組み込まれたパッドを含む。いくつかの好適な実施形態において、封筒は中間製造工程を指し、そこでは、次のステップである折り返し及び接着を可能にするために、封筒が切断され、つぶされた状態である。
【0083】
好適な実施形態において、用語「パッド付封筒」は、緩衝性があり柔軟な配送用包装容器を提供する最終封筒製品設計を指す。
【0084】
好適な実施形態において、用語「口」は、1つ以上の物品を封筒内に入れることができる封筒の一部分を指す。いくつかの実施形態において、封筒用パッドが接着剤止めされてパッド付封筒の形状になり袋部を作成するとき、口が形成される。
【0085】
好適な実施形態において、紙シートに適用される用語「伸長可能な」は、「Extensible Paper and Its Use In the Production of Expanded Slit Packaging and Void Fill Products(伸長紙並びに拡張スリット梱包ラップ及び空間充填製品の製造における伸長紙の使用)」と題する同時係属中の特許文献7に記載されているような紙を意味し、本文献の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。また、紙シートに適用される用語「伸長可能な」は、紙シートを伸ばすことができるように加工された紙も含み、これは、米国特許、特許公開、及び係属中出願の、(a)特許文献8、(b)特許文献9(特許文献10)、(c)特許文献11、(d)特許文献12、(e)特許文献13(特許文献14)、(f)特許文献15、(g)特許文献16、(h)特許文献17、(i)特許文献18、(j)特許文献8、(k)特許文献19、(I)特許文献20、及び(m)特許文献21に記載の伸長可能な紙も含む。これらの文献の開示は、参照により、本明細書にそのすべてが記載されているかのように、すべて組み込まれる。
【0086】
いくつかの例示的な好適な実施形態において、採用される伸長可能な紙は、スリット前の構成で測定して、流れ方向に3~20%の伸長可能範囲を有する。いくつかの例示的な好適な実施形態において、採用される伸長可能な紙は、スリット前の構成で測定して、流れ方向に3~15%の伸長可能範囲を有する。いくつかの例示的な好適な実施形態において、採用される伸長可能な紙は、スリット前の構成で測定して、流れ方向及び幅方向両方において、5%以上の伸長可能範囲を有する。いくつかの例示的な好適な実施形態において、採用される伸長可能な紙は、スリット前の構成で測定して、流れ方向に3~20%の伸長可能範囲を有する。いくつかの例示的な好適な実施形態において、採用される伸長可能な紙は、スリット前の構成で測定して、流れ方向に1~9%、幅方向に1~5%の伸長可能範囲を有する。いくつかの例示的な好適な実施形態において、採用される伸長可能な紙は、スリット前の構成で測定して、流れ方向に3~9%、幅方向に5%以上の伸長可能範囲を有する。いくつかの例示的な好適な実施形態において、採用される伸長可能な紙は、スリット前の構成で測定して、流れ方向に3~11.1%、又はいくつかの実施形態においては、流れ方向に3.3~10.6%の伸長可能範囲を有する。
【0087】
いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙は、繊維間結合された不織繊維材料であり、スリットしていない構成で測定して、流れ方向の3~15%の展開に対して裂けに対する抵抗を有する。
【0088】
いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙は、紙ウェブの対向する側部に接触する2つの異なる部材の間で予圧縮することによって形成されている。例えば、いくつかの実施形態において、伸長可能な紙は、異なるローラ表面及び/又は回転を有する2つの異なるローラの間で紙ウェブを予圧縮することによって形成されている。又は、伸長可能な紙は、紙ウェブをローラと予備延伸されたエンドレスブランケットとの間に挿入し、紙ウェブをニップバー及びブランケットで圧縮することによって形成されている。いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙は、予圧縮することによって、繊維間結合が増加した不織繊維材料の伸長可能な紙を作成するように形成されている。
【0089】
好適な実施形態において、用語「引き伸ばし方向」は、スリット紙シートが引っ張り又は引き伸ばし力を受ける方向を指す。好適な実施形態において、引き伸ばし方向は、スリットシート材スリットの方向を横切る方向である。いくつかの好適な実施形態において、引き伸ばし方向は、流れ方向と同じ方向である。
【0090】
いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙は、特許文献8に記載のような方法を使用して形成することができ、本文献は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。参考として、以下は、特許文献8の第1段、第4~19行目の段落を直接引用したものである。「例えは米国特許第2,624,245号明細書に記載されている装置および工程により作られた伸張性紙(緻密化紙)は、一定程度に良く認められている利点と商業上の用途を有している。かかる紙は、部分的に水分を含んだ状態で、加圧ニップ間で、ウェブの進行方向(流れ方向、すなわちMD(machine direction))に圧縮緻密化を受け、かくして繊維を一緒に緻密化し押し込めて、クレープ形成なしに固有の伸張性を与えている。緻密化紙は紙袋の製造の如き用途にとって非常に望ましい改良された引張エネルギー吸収(TEA)、破裂、及び引き裂き特性を有する。」
【0091】
いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる特許文献19に記載の方法を使用して形成可能である。参考として、以下は、特許文献19の要約書を直接引用したものである。「植物繊維混合物を混練機に供給する工程と、混合物を混練機中で水と混合する工程と、繊維をこう解してパルプを得る工程と、こう解されたパルプを流送箱に移送する工程と、こう解されたパルプを流送箱から紙匹形成布に供給して重力と真空により水分を連続的に減少させる工程と、前記紙匹をプレスして更に連続して水分を減少させ、最初の乾燥で予備成形された紙匹の水分を15%から65%の間にほぼ一定させる工程と、凝縮する工程と、最終の乾燥で水分を15%から4%の間、好ましくは10%から8%の間とする工程と、つや出しする工程とを含み、こう解工程が複数の工程を行う部材を用いて繊維を摩擦することによって30°SR以上のこう解度を有するパルプを得、凝縮工程が、硬い物質からなり、その表面にリブを有し、より速い速度で回転するローラと、柔らかい物質からなり、平滑な表面を有し、より遅い速度で回転するローラとからなる少なくとも一組のローラの間で実行される、伸長可能な紙を生産する方法」。
【0092】
いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる特許文献10に記載の方法を使用して形成可能である。参考として、以下は、特許文献10の背景部分の第2段落を直接引用したものである。「またクルパックとは、紙匹をロールとエンドレスのゴム製ブランケットとの間に搬入し、ニップバーとゴム製ブランケットとで紙匹を圧縮する間に、あらかじめ伸長させておいたブランケットが収縮することによって紙匹を収縮させ、破断伸びを高める設備で、前記のような重包装用途に用いられるクラフト紙に破断伸びを持たせるために使用される」。更に参考として、以下は、特許文献10の第6段、第1段落を直接引用したものである。「このクルパック装置を使用した製造方式とは、紙匹をロールとエンドレスのゴム製ブランケットとの間に搬入し、ニップバーとゴム製ブランケットとで紙匹を圧縮する間に、あらかじめ伸長させておいたブランケットが収縮することによって紙匹を収縮させ、破断伸びを高める方法である。クルパック装置では、主にクルパック装置入り側の製造スピードと、クルパック装置出側の製造スピードの比率と、ニップバーによる加圧力によって、クラフト紙の縦方向の破断伸びを調整することができる」。
【0093】
いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる特許文献15に記載の方法を使用して形成可能である。参考として、以下は、特許文献15の第2段、第41~56行目の段落を直接引用したものである。「記載された方法でゴム製又はゴムのような材料を硬い表面と組み合わせて、紙の処理、及び繊維の処理に使用することが知られているが、一般的な方法のみである。本発明は、これまでに使用されたものより、かなり柔らかくより弾性のあるゴムを使用することを含む。また、このように紙にしわをつけることによって伸長可能な紙を製造することに極めて重要なのは、ローラが駆動される速度の差である。仮に硬い表面及び柔らかい表面の組合せが適切に設けられると、ローラのニップ部を通る半乾燥の紙ウェブは、収縮するゴムによって、ウェブが移動する方向に逆らい、ニップに向かって、硬いローラの表面上を運ばれるであろう。これにより、紙ウェブに均一に圧縮されたクレープが作成され、靭性、しなやかさ、及び伸張性を与えられる。」
【0094】
好適な実施形態において、用語「伸長可能なスリットシート紙」は、参照により開示全体が本明細書に組み込まれる特許文献7(2018年12月27日公開の特許文献26)に開示されているような伸長可能且つ展開可能な紙を意味する。
【0095】
好適な実施形態において、用語「エンボス加工された」は、紙のシートの一部位を上昇させる、及び/又は下降させることを意味する。最も好ましくは、エンボスは、上昇させた及び/又は下降させた、紙のシートの部位を含み、これらは、エンボス加工された形状になるように紙を押圧するなどの力を印加し、圧力がそのような上昇した及び/又は下降した部位を含む形状を有するように紙のシートに変形を起こすことによって上昇、及び/又は下降させる。いくつかの好適な実施形態において、紙のシートは、初期的には実質的に平坦で、エンボスの上昇した、及び/又は下降した部位は初期的には有しない。その後、紙のシートは押圧され、紙のシートに上昇した、及び/又は下降した部位を含む変形が生じる。元の平坦な紙のシートの元の平面から上昇した、及び/又は下降したこれらの部位を、最も好適な実施形態において、「エンボス加工された」部位、又は「エンボス」と称する。例として、最も好適な実施形態において、エンボスは、初期のシート(例えば、平坦な、又は実質的に平坦なシート)を対向する押圧面の間でプレスすることによって作られる。例えば、(1)互いに往復運動して平坦なシートの表面をプレス加工する型板であって、平坦なシートの面にシートに変形を生じさせ、エンボスを形成する交差圧力を発生させる、上昇した及び下降した部位(例えば、雄雌状部位)のパターンを有する型板の間で、及び/又は、(2)(例えば、図3の実施形態に示すような)2つのローラであって、平坦なシートの面に交差圧力を発生させ、シートに変形を生じさせてエンボスを形成する、上昇した及び下降した部位(例えば、雄雌状部位)のパターンを有する2つのローラの間で、プレスすることによって、エンボスは作成される。いくつかの実施形態において、エンボスは、紙の第1の表面に対してプレスする上昇した/下降したエンボスパターンを有する単一の往復型板が圧力を印加することを伴ってよく、紙の反対側は、上昇した及び/又は下降した部分を柔軟に受け、協同して紙シートにエンボスを生じさせる弾力のある(例えば、ゴム)部材によってプレス又は支持される。同様に、いくつかの実施形態において、エンボスは、紙の第1の表面に対してプレスする上昇した/下降したエンボスパターンを有する単一のローラ型によって圧力を印加することを伴ってもよく、紙の反対側は、上昇した及び/又は下降した部分を柔軟に受け、協同して紙のシートにエンボスを生じさせる、弾力のある(例えば、ゴム)ローラ部材、又は、コンベアや他の部材などの他の表面部材によってプレス又は支持される。
【0096】
いくつかの好適な実施形態において、エンボスは、初期ローラから搬送される紙のシートに沿う、繰り返しパターンにおいて形成される。いくつかの好適な実施形態において、エンボスは、紙のシートの面に沿った、離れた部位内で、紙の元の平面から変位された(例えば、上昇した、及び/又は下降した)離散的な形状を画定する。いくつかの好適な実施形態において、これらの離散的な部位は、不規則な形状を有してもよいが、いくつかの実施形態において、これらの離散的な部位は、円形状、楕円形状、長円形状、多角形状、三角形状、正方形状、五角形状、六角形状、八角形状、及び/又は他の形状でもよい。最も好適な実施形態において、エンボスは、六角形の形状を有する。ここで、上記段落のエンボスの形状という場合の専門用語「形状」は、紙のシートの面に向かって下向きに見たときのエンボスの形状を指す。側面図が表すように(例えば、図10及び図12図15に示すものと同様の側面図において)、このようなエンボスは異なる形状を有すると理解すべきである。
【0097】
いくつかの好適な実施形態において、エンボスは、紙のシートの元の平面から、実質的に平坦な又は一定の頂上高さ、又は頂上変位を有してもよい。例えば、上記の図10及び図12図15に示すように、エンボスの頂上高さは実質的に一定である。これに関し、好適な実施形態において、エンボスの頂上高さは、好ましくは、それぞれ個々のエンボスに沿って及びその内部で、実質的に一定である。また、好適な実施形態において、複数のエンボス間で、好ましくは、実質的に、一定であり、エンボスの頂上高さは、ある方向(例えば、上昇方向、又は下降方向)に突出しているエンボスが、シートの面に沿って実質的に一定の頂上高さを有するようになっている。いくつかの実施形態において、エンボスは、上昇又は下降することによって突出してよく、頂上高さは、シートの各反対面において異なってもよいが、しかし、好ましくは、シートのそれぞれの側において実質的に一定である。
【0098】
また、いくつかの好適な実施形態において、エンボスの頂上は、実質的に平坦であるか、又は実質的に平坦な中央領域を含むが、エンボスの頂上の縁部では、テーパ形状や丸みを帯びていてもよい。更に、いくつかの好適な実施形態において、エンボスの周囲は、好ましくは、紙シート元の平面から実質的に断面方向に延びる。この構造は、一例として、例えば、上述の図10及び図12図15に見ることができる。更に、いくつかの実施形態において、紙シートの元の平面に対して実質的に断面方向に延びるエンボスの周囲は、紙シートの面に対して、実質的に直角に延びる。いくつかの他の実施形態において、図13図15に示すものと同様にエンボスの周囲が、紙シートの元の平面に対して角度をもって延び、エンボス部位に向かって傾いている。いくつかの実施形態において、この傾斜角度は、図中の様々なエンボスに示すようなものでよい。いくつかの実施形態において、この傾斜角度は、約45~90度の間、又は60~90度の間、又は70~90度の間、又は80~90度の間でよい。いくつかの例示的な実施形態は、約65~85度の間の角度を持つであろう。
【0099】
いくつかの実施形態において、エンボスは、パターン状(例えば、配列など)のエンボスであってよく、少なくともいくつかのエンボスは、(例えば、離散的なエンボスが、紙のシートの元の平面を有する部分によって囲まれるように)紙のシート状で離れた位置に離散的に位置している。
【0100】
いくつかの実施形態において、エンボスは、パターン状(例えば、配列など)のエンボスであってよく、少なくともいくつかのエンボスは、紙のシート上の離れた位置に、完全には離散的に位置しない。例えば、いくつかの実施形態において、エンボスは、互いに隣接してよく、又は互いに連結されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、細い、又は長い、又は線状のエンボス(例えば、上昇したレール状のエンボス、又は下降した溝状のエンボス)がエンボス加工された部位の間を延びてよい。しかし、最も好適な実施形態においては、少なくともいくつかの、又は好ましくは、ほとんどのエンボスが、紙のシートの元の平面を有する部分によって大部分が囲まれた周囲を持つであろう。例えば、多くの場合、エンボスの周囲は、紙のシートの元の平面を有する部分によってほとんど囲まれているであろう。
【0101】
好適な実施形態において、エンボスは、個々の紙のシート内にエンボスのパターンを作成するように、それぞれの紙のシートに適用される。好適な実施形態において、エンボスによって、複数の紙のシートを互いに付着させない。好適な実施形態において、エンボスが上昇した及び/又は下降した部位を作成すると、エンボスの頂上高さが加えられることにより、エンボス加工されたシートの元の平面を隣接するシートから変位させ、これによって、実際、隣接する層同士(例えば、隣接する紙の層同士)が分離しやすくなる。エンボス加工されたシートが隣接するシートに取り付けられるいくつかの実施形態において、このような取り付けは、接着、及び/又は他の方法よって隣接するシートに取り付けることによってなされてもよい。これは、例えば、隣接するシートを取り付けるのに使用することができる、ナーリングなどの技術を使用するのと対照的である。
【0102】
いくつかの好適な実施形態において、用語「エンボス加工された」は紙(例えば、クラフト紙)のシートの表面を上昇させる、及び/又は下降させることを含み、そして、窪んだエンボス、上昇したエンボス、及び上昇及窪みの両方のエンボスを包含する。
【0103】
いくつかの好適な実施形態において、用語「窪んだエンボス」は紙(例えば、クラフト紙)のシートの表面を隣接する層に対して下降させる(陰刻)ことを意味する。
【0104】
いくつかの好適な実施形態において、用語「上昇したエンボス」は、紙(例えば、クラフト紙)のシートの表面を、隣接する層に対して上昇させることを意味する。
【0105】
いくつかの好適な実施形態において、紙シートの「エンボス加工された」部位は、エンボス加工された紙のシートの一部位の面が、紙のシートのエンボス加工された部位に隣接する、紙シートのエンボス加工されていない部位の面から変位した紙シートの一部位を含む。
【0106】
発明の好適な実施形態の説明
本発明は多くの異なる形態で具体化可能であるが、例示的な実施形態を次の理解を前提に本明細書中で説明する。すなわち、本開示は発明の原理の例を提供するものと見なすべきであり、このような例は、本明細書中に説明する、及び/又は本明細書中に例示する好適な実施形態に発明を限定することを意図していない。
【0107】
本発明の最も好適な実施形態において、発明は、緩衝特性をもつパッド付封筒を製造するために、「エンボス加工された」紙の外側層と組み合わせた「展開スリットシート」材を採用する。本出願において、参照により本明細書に組み込まれる追加の特許及び他の公開公報に加え、「エンボス加工された」紙の製造を記述する特許文献22のすべての開示及び、「展開スリットシート」の製造及び設計を記述する特許文献23、特許文献24、特許文献25、及び特許文献26のすべての開示が、参照により完全に記載されているかのように本明細書にすべて組み込まれる。
【0108】
図1に示すように、例示の実施形態は、4層の複合材を使用し、この複合材は、エンボス加工された紙104の第1層から始まり、第1層は、(図4に示す、参照番号402及び403のように)そのすべての縁部で、例えば、展開スリット紙層の2つの層にラミネート加工され、第4最上層はエンボス加工された紙である。展開スリット紙層は、例えば、特許文献23に開示されているようなものでよい。これにより、完全にリサイクルが可能な、ほとんど再生紙で作ることができる紙パッドが生産される。
【0109】
紙パッドの構成に続き、好適な実施形態では、封筒を作るために更に2つのステップが採用される。1つ目は、図7に示すようにパッドを折り重ねることであり、これによりラミネート加工された側部703を共に接着して袋領域704が形成される。必要に応じて、側部703をつぶすことによって、剛性を与え、側部部位を平らにすることができる。
【0110】
好適な実施形態において、両面接着ストリップ502(図6参照)が剥離ライナー701(図7参照)を備え、この剥離ライナー701は、接着ストリップ502を覆い、これを剥がして接着ストリップ502を露出させて封筒を閉じることができる。
【0111】
図4の上面図を参照すると、中間領域401は、展開スリットシートが配置される場所で、展開スリットシートは更に領域403上に配置され、領域403は、以下に教示するようにエンボス加工が可能な紙の層とラミネート加工される。
【0112】
図2を参照すると、好適な実施形態において、展開スリットシート102及び103は、図示のように、エンボス加工された紙101及び104の全長と同じであるが、全幅と同じではない。展開層は、幅方向に完全に延びている必要はない。しかし、好適な実施形態では、展開層は、長さ方向に完全に延びている。図4を参照すると、接着領域403によって、展開スリットシート紙をエンボス加工された外層と内層の間に挟み、展開スリットシートが提供しなければならない緩衝性と全体厚を提供するように展開スリットシートを展開された状態で保ち維持する。内層は、以下に開示するように、平坦でもよいし、エンボス加工されていてもよい。
【0113】
図1では、2層の展開スリットシート材を示しているが、他の実施形態では、異なる数の層の展開スリットシート材を採用してもよい。本発明の好適な実施形態の封筒は、単一層、(図示のように)2層、又は3層以上の層の展開スリットシート材で作ることができる。更に、いくつかの実施形態において、1つ以上又はすべての層の展開スリットシート材は、特許文献25が開示する不均一なセル構造の展開スリットシート材を採用してもよく、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
好適な実施形態において、組み立てられた封筒内の袋部は、物品や商品を袋領域704(図7参照)内に入れて配送するために使用される。物品や商品を袋領域内に収容した後、剥離ライナー701を除去することによって(例えば、延長つまみ部708を手でつかみ、剥離ライナーを横方向に封筒の幅にわたって引くことなどによって)接着ストリップの接着剤を露出させ、折り位置707(例えば、折り線)でパッドの上部を折ってパッドの上部を袋領域上に配置し、接着ストリップ502を袋領域704の外面に接着することによって封筒600を密封し、封筒が閉じられる。
【0115】
いくつかの好適な実施形態において、エンボス加工された紙は、現状技術に見られるようなエンボス加工された紙(例えば、参照によって、そのすべてが本明細書中に組み込まれる、本出願中で考察するすべての特許及び公開公報に記述されているようなエンボス加工された紙)でよい。また、好適な実施形態において、エンボス加工された紙は、3,000平方フィート(278.7m)のTAPPI標準紙重量規格による約40ポンド(18.2kg)から約60ポンド(27.2kg)の範囲の重量を有するクラフト紙で作られる。有利なことには、50ポンド(22.7kg)プラス/マイナス10%の秤量に等しい紙の重量によって、以前には予想していなかった方法で封筒が機能することが可能になる。
【0116】
図1及び図2に示す例示的な実施形態において、エンボス加工された紙101には、整合する雄雌型が、紙にエンボスをプレス加工又はパンチ加工するように互いに押し付け合うことによってエンボスが形成されている。例えば、円形のエンボスを示す、(参照により開示全体が本明細書に組み込まれる)特許文献22などに記載されているようなものである。エンボスは、独特の堅さ特性を作りながら、物品を袋部内に入れるのに必要な柔軟性を可能とするように分布している。最も好適な実施形態においては、複数の六角形のエンボスが設けられている。図1及び図2に示す実施形態において、エンボスは封筒の外層101内に形成されている。更に、図1及び図2に示す実施形態において、エンボスは、封筒の内層104にも形成されている。本明細書に記載するように、いくつかの好適な実施形態においては、エンボスは封筒の外層101のみに設けられ、封筒の内層104には設けられない。更に、好適な実施形態は、外層101にエンボスを備えるが、いくつかの実施形態では、内層104にエンボスを備え、外層101のエンボスを省略してもよく、また、更に他の実施形態では、外層101及び内層104の両方のエンボスを省略してもよい。
【0117】
図11に、いくつかの例示的な実施形態で採用可能な例示的なエンボスパターンを示す。いくつかの実施態様では、図11に示すものと同様のエンボスパターンを、六角形状のエンボスの配列を作成するように構成された型をプレスすることよって層(例えば、外層101及び/又は内層104)に形成してもよい。図11Cを参照すると、いくつかの実施形態において、紙シートにプレスし、実質的に又はほぼ平坦な表面を有する六角形状のエンボスを作成するように構成された六角形状のプレス部材によって、各六角形状の部位1403(例えば、そのような5つの部位1403を図11Cに例示的な目的で示している)を形成してもよい。その目的のために、図11Cの陰影(すなわち、本例の六角形状の部位1403内の陰影)を施した部位は、紙シートの元の平面から変位するようにプレス加工されたエンボスを表している。図11Cにおいて、六角形状のエンボスの間の白色部分は、例えば、紙シートの元の平面であってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、各六角形状の部位1403は、紙シートの元の平面から同じ方向に変位している。例えば、いくつかの実施形態において、すべての部位1403が下方向に変位している。いくつかの他の実施形態において、すべての部位1403が上方向に変位している。更に他のより好適な実施形態において、いくつかの部位1403が下方向に変位し、いくつかの部位1403は上方向に変位している。例えば、図11Cにおいて、ダッシュの配列で陰影を付けた部位1403は「D」のラベルで示すように下方向に変位している。一方、図11Cにおいて、斜線で陰影をつけた部位1403は、「U」のラベルで示すように上方向に変位している。いくつかの実施形態において、部位1403の上方向U及び下方向Dの変位の変化はランダムでもよい。いくつかの実施形態において、部位1403の上方向U及び下方向Dの変位の変化は交互になされてもよい。いくつかの実施形態において、部位1403の上方向U及び下方向Dの変位の変化は、予め決められたパターンによってもよい。
【0119】
特に、上方向U及び下方向Dの両方の変位をもつ部位1403を採用することによって、エンボス加工された層の強度及び剛性を実質的に高めることができる。更に、エンボスの方向を変化させることによって、下側及び/又は上側の個々の層に延びるように形成するエンボスを少なくすることができる。第一に、いくつかのエンボスを反対方向に突き出すことによって、すべてのエンボスを同じ方向に突き出す場合より、エンボスの数は必然的に少なくなる。第二に、いくつかのエンボスを反対方向に突き出すことによって、一方向に突き出すエンボスの数を、もう一方の方向より多く設定できる。例えば、いくつかの実施形態において、層の一方側のエンボスの数を少なくすることによって、商品や物品をエンボスに抗して表面にわたって滑らせる場合の接触表面領域を減らすことができる。例として、本実施形態は、外側に突き出るエンボスの数が少なくなるように内層104を形成することによって、物品を封筒の袋部内に入れるときの摩擦を減らすのに有利になっている。これにより、作成される接触表面領域が小さくなり、物品の袋部への挿入、及び/又は袋部からの取り出しが容易になる。例えば、平らな商品や物品(例えば、紙など)を挿入する場合、かなりの接触摩擦の削減を実現することができる。
【0120】
図11Dを参照すると、いくつかの実施形態において、部位1403の全体領域にわたってエンボス加工するのではなく、そのような領域1403の周囲にエンボスを行ってもよい。特に、図11Dに示すように、いくつかの実施形態において、六角形の部位を囲む周囲境界線1401にエンボス加工をしてもよい。その目的のため、図11Dで陰影をつけた周囲境界線1401が紙シートの元の平面から変位するようにプレスされたエンボスを表している。図11Dにおいて、六角形部位の内側の白色部分は、例えば、紙シート元の平面であってもよい。
【0121】
図11Dに示す実施形態では、図11Cに示す実施形態より構造的な剛性が低いかもしれないが、図11Dに示す実施形態は、いくつかの目的に対して、大きな利点をいくつか有する。例えば、紙シートの元の平面を表す図11Dに示す「白色部位」が、表面のかなり大きな部分を包含し、その表面のかなり大きな部分が実質的に一定の高さであるか、又は実質的に水平である。このような実質的に一定な又は水平の表面が望まれる場合、本実施形態はかなりの有用性及び利点を有する。例えば、いくつかの好適な実施形態において、外層101が、図11Dに示すエンボスパターンでエンボス加工される。特に、外層101に本実施形態のパターンを有することによって、(外層101によって作成される)封筒の外周面を、例えば、封筒の配送の際に使用するための配送用ラベルなどのラベル(例えば、接着剤付きラベルなど)を貼ることができるように適合させることができ有利である。例えば、このようなラベルは、例えば、封筒の意図された受取人の名前および住所、封筒に収容した物品に関する内容情報、及び/又は封筒の配送や配達に関するその他の情報などの配送情報を含んでもよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、例えば、外層101として使用するために、図11Dのエンボス加工された周囲境界線1401は、(図11Dに示すように)下方向Dに突き出ることが好ましい。この方法においては、エンボス加工された部位は層101の表面から上方向には突き出ない。したがって、エンボスは、外層101の外面が使用されることの干渉を、更に実質的に回避することができる。
【0123】
いくつかの実施態様では、図11に示す六角形の1403に対応する形状でそれぞれ構成された突出した六角形状の型プレス加工部材の配列を有する型をプレスすることによって、図11に示すものと同様なエンボスパターンを層(例えば、外層101及び/又は内層104など)に形成することができる。いくつかの実施形態において、六角形1403の配列は、このように、エンボス用の層に対して型をプレスすることによって(すなわち、型とエンボス加工される層の反対側に配置された相補的な形状の受け型部材の間に層を挟むことによって)作成することができる。
【0124】
例えば、いくつかの例示的な実施形態において、外層101は、六角形1401の周囲境界線1401が(図11Dに示すものと同様な)凹状で、深さが浅いエンボスであるような、図11に示すエンボスパターンを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、深さは0.01インチ(0.254mm)未満であってよく、最も好ましくは約0.005インチ(0.127mm)の深さであってよい。いくつかの例示的な実施形態において、この深さの値は、約+/-50%の範囲で、より好ましくは約+/-25%の範囲で、最も好ましくは約+/-15%の範囲で変化してもよい。意外にも、この小さなエンボスパターンにおいても、紙にかなりの弾力性を与えるだけでなく、より豪華でより保護的な感触を提供し、外層101として非常に有利である。更に、この後者の実施形態において、下方向に突き出すエンボスを有することによって、ラベルの貼付やその他の目的のために紙を使用することにエンボスは実質的に干渉しない。
【0125】
図11図11A、及び図11Bに示す例示的なエンボスパターンが示すように、様々な実施形態において、六角形の部位1403の大きさや寸法は、状況に合わせて変えてもよい。例えば、図11に示す例では、六角形の向かい合う壁の間の直径又は距離は、約0.93’(すなわち0.93インチ(23.6mm))であり、図11Aに示す例では、六角形の向かい合う壁の間の直径又は距離は、約0.70’(すなわち、0.70インチ(17.8mm))であり、図11Bに示す例では、六角形の向かい合う壁の間の直径又は距離は、約0.45’(すなわち、0.45インチ)である。そのような六角形の部位1403の直径は変化してもよいが、いくつかの実施形態において、直径は、2インチ(50.8mm)未満が好ましく、1.5インチ(38.1mm)未満がより好ましく、1.0インチ(25.4mm)未満が更に好ましい。
【0126】
更に、外層101及び内層104にエンボスが採用された、いくつかの実施形態において、エンボスの直径は、これらの層の間で異なるように選択してもよい。例えば、いくつかの好適な実施形態において、外層101のエンボスの直径は、内層104のエンボスの直径よりかなり大きい。特に、外層101に図11Dに示すタイプの大きな直径のエンボスを採用するほど、エンボスによる干渉を小さくすることができる。一方、内層104に図11Cに示すタイプの小さな直径のエンボスを採用するほど、エンボスの表面領域を小さくすることができ、封筒の袋部内に物品を入れるときの摩擦を小さくするなど、物品を封筒内に滑らせていれたり出したりすることが容易になる。
【0127】
いくつかの最も好適な実施形態において、内層104が図11Cに示すタイプのエンボスを備え、各六角形1403の直径が0.25インチ(6.35mm)幅である。また、エンボスは上方向と下方向に交互に突き出している(すなわち、雄雌のエンボスである)ことが好ましい。
【0128】
いくつかの最も好適な実施形態において、外層101が、図11Dに示すタイプのエンボスを備え、六角形の向かい合う辺の周囲境界線の内側間の各六角形の内径は、0.75インチ(19.05mm)である。また、好適な実施形態において、周囲境界線の外側間の各六角形の外径は、0.875インチ(22.23mm)である(すなわち、周囲境界線の幅(すなわち、エンボスの幅)は、したがって0.0625インチ(1.59mm)である)。他の実施形態において、周囲境界線の幅(すなわち、エンボスの幅)は、約0.002(0.05mm)から0.25インチ(6.35mm)の範囲であってよい。
【0129】
上記のように、本発明の最も好適な実施形態においては、発明は、緩衝特性を備えるパッド付封筒を製造するために、「展開スリットシート」材を「エンボス加工された」紙の外側層と組み合わせて採用する。展開スリット材と組み合わせてエンボス加工された紙が提供する追加の利点は、展開スリットシート材を引き伸ばされた状態(すなわち、展開スリットシート紙が展開され、セルが開いた状態になり、したがって、緩衝特性を備えた、より広い幅になった状態)で、外側の紙にしわを発生させることなく保持する能力を提供することである。
【0130】
特に、「展開スリットシート」紙材は、紙を展開する又は伸ばす力を必要とするだけでなく、そのような紙は、完全に展開した状態からの収縮力を作用させる。展開スリットシート紙が好ましくは紙の外層に向かい合って取り付けられるこの新発想の発明の場合、完全に展開された展開可能なスリットシート材のこの収縮力に抵抗する強度及び剛性が不十分なために、収縮力によって紙の外層にしわを発生させる傾向を有する可能性がある。更に、展開スリットシート紙の収縮力が展開スリットシートの面に沿う方向であるので、展開スリットシートが外層に向き合うように取り付けられると、収縮力は外層の面に沿って延びる。紙などの薄いシート材は、この方向に沿う剛性が限られているため、収縮力がしわを発生させ、外層を変形させる可能性がある。
【0131】
いくつかの実施形態において、より重い重量の紙を使って剛性を十分に増加させ、(例えば、十分に重い外側の紙を使用することによって、その剛性が展開スリットシート紙の収縮力より大きな力を与えることによって)外層のしわと変形を防いでもよいが、外層の重量と堅さが増加すると不利な点がある。例えば、より重い重量及び強い堅さの外層を使用すると郵便料金が追加され(例えば、郵便料金は重量で決まるため)、また、物品を袋部内に詰めるのが難しくなる(例えば、紙の剛性が増加するほど、袋部を「開け」、物品を挿入するための封筒の柔軟性、したがって、その機能が妨げられ、また、状況によっては、封筒が重くなるほど、手で取り扱うのが難しくなる可能性がある)。
【0132】
いくつかの非常に好適な実施形態において、「伸長可能な」紙の使用を伴う本発明者によって開発された新発想のタイプの展開スリットシート紙を採用することにより、展開スリットシート紙の収縮力を減じるために展開スリットシート紙を新発想の方法で形成してもよい。上記のように、好適な実施形態において、紙シートに適用するときの用語「伸長可能な」は、参照により開示全体が本明細書に組み込まれる、「Extensible Paper and Its Use In the Production of Expanded Slit Packaging and Void Fill Products(伸長紙並びに展開スリット梱包ラップ及び空間充填製品の製造における伸長紙の使用)」と題する、本発明者の同時係属中の特許文献7(特許文献26)に記載される紙を含む。本発明者は、展開スリットが収縮しようとするときの展開スリットシート材の収縮力によって、展開スリット材が発生させがちなしわの影響に対処する追加の方法が、後者の特許文献26にあるような伸長可能な紙を使用することであることを発見した。
【0133】
本発明者は、伸長可能な展開スリットシート紙は、同様なスリットパターンをもち同様な重量の伸長不可能な紙と比較して、展開スリットシート材を引き延ばすのに必要な総力が約1/3であることを発見した。例えば、クラフト紙で作られた伸長可能なスリットシート材は、約15.5インチ(393.7mm)幅のシートを展開するために約6ポンド(2.7kg)の力が必要であるが、同様の重量及びスリットパターンの伸長可能な展開可能なスリットシート紙は、約15.5インチ(393.7mm)幅のシートを展開するのに約2ポンド(0.91kg)の力しか必要ない。いくつかの好適な実施形態において、伸長可能な紙を展開可能なスリットシート材に採用し、この展開可能なスリットシート材に必要な展開力は、シートを展開するのに1インチ(25.4mm)あたり約0.15(0.07)から0.22ポンド(0.10kg)の範囲である。注目すべき点として、完全に展開させた状態からの展開スリットシートの収縮力は、展開可能なスリットシート紙を展開させるのに必要なこの力と相関がある。
【0134】
いくつかの実施形態において、しわが問題にならない場合、及び/又は封筒が個別の配送に使用されず、耐久性がそれほど問題にならない場合、軽量のエンボス加工を施さないクラフト紙を外側の紙の層に利用することができる。この後者の場合、封筒は、例えば、外箱または外側容器(例えば、段ボール箱など)が必要な混載便内で、又はその一部として、又は、例えば、封筒が配送する他の物品と一緒に別の箱又は容器に収容される箱内配送において使用できる。この種の配送では、耐久性のある破れ防止層が必要ない。封筒を箱内配送などに使用する場合、より軽い重量の紙を使用でき、例えば、40ポンド(18.2kg)以下のクラフト紙をこのような箱内配送に、又は、いくつかの実施形態においては、30ポンド(13.6kg)やそれ未満のクラフト紙をこのような箱内配送に使用できる。
【0135】
いくつかの実施形態において、外層に、平坦な破れ防止クラフト紙などの破れ防止紙を採用でき、破れ防止クラフト紙は、裂けを抑制する60ポンド(27.2kg)以上のクラフト紙などの、より厚い紙を含む。
【0136】
展開スリット材を組み合わせたエンボス加工された紙の別の利点は、それが提供するパッケージ保護特性が高いことである。展開スリット紙は、包装紙として極めて高い保護特性をもつが、緩衝性を発揮するには、エンクロージャ又は容器に入れる必要がある。エンボス加工された紙のかさは、厚さがわずかに波打つ非常に軽量用の段ボール箱に似ており、したがって、エンボス加工されていない紙より厚い。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、エンボスによる波状の厚さは、このようなエンボスがない紙の厚さの約3倍であってもよい。他の実施形態において、波状の厚さは、紙の厚さの3倍より大きくてもよく、例えば、4倍の厚さや、5倍の厚さ、又はそれより大きい厚さであってもよい。好適な実施形態において、エンボスの波状の特性は段ボール箱内で見られる内層の正弦波のような作用である。これは、初期的な衝撃保護特性を得るのに役立ち、これにより、更に、滑らかな(エンボス加工されていない)紙で発生する可能性のある裂けを抑制する。
【0137】
封筒にエンボス加工された外層を使用することのその他の利点は、手で又は搬送機器によってしっかりと保持しやすいということである。なぜなら、エンボスが、封筒とユーザーの手の間、又は封筒と搬送用ローラ又は機器との間の摩擦を増加させることができ、滑らかな(エンボス加工されていない)紙及びプラスチックと比較して取り扱いや処理が容易になるからである。
【0138】
添付の図は、発明のいくつかの好適な且つ非限定的な実施形態に関する詳細を示している。
【0139】
図1は、参照により開示全体が本明細書に組み込まれる非仮特許出願第14/480,319号(特許文献23)に見られるような展開スリットシート材の二重交差層を採用した、いくつかの実施形態による紙製緩衝材又はパッド材100の側面図である。具体的には、本例では、図1に示すように、2層の展開スリットシート紙102及び103が、紙の外層101と紙の内層104とに挟まれている。部位102及び部位103内に傾斜線で示すように、このような2重交差層の実施形態では、展開シートは反対方向に傾く壁のセルを有し、例えば、2つの層102と103がはまり込むのを制限するのを容易にする。詳細には、図1に示すように、展開スリット紙102は、右方向に(すなわち、前方に)傾斜し、展開スリット紙103は、左方向に(すなわち、後方に)傾斜し、これらが、エンボス加工された紙101と104との間に挟まれている。
【0140】
図1に示す実施形態は、2層の展開スリットシート紙を含んでいるが、いくつかの実施形態においては、3層以上の展開スリットシート紙が採用される。しかし、いくつかの最も好適な実施形態において、単一層のみの展開スリットシート紙が採用され、この単一層は、好ましくは、単一層の展開スリットシート紙の対向する面に沿って層101及び層104を含む。いくつかの好適な実施形態において、層101に隣接する展開スリットシート紙が層101に接触し、層104に隣接する展開スリットシート紙が層104に接触する。代替えとして、いくつかの実施形態において、1つ以上の中間層をその間に挿入してもよい。
【0141】
図2は、図1に示す紙製緩衝材又はパッド材100の、参照を容易にするために一部を除いた状態の斜視図である。図示のように、層101及び層104は、エンボス加工された外側の紙の層であり(パッド材100を折り返すことによって封筒を形成する場合は、外層101及び内層104とも称する)、上記のように展開スリットシート層102及び103がこれらの外層の間に位置している。
【0142】
パッド材は様々な方法で作ることができるが、図3は、例示的、且つ好適なパッド作成工程の概略的な側面図である。クラフト紙のロール300及び303がそれぞれアイドラローラ309及び310に供給され、次に、対のエンボス型301及び304を通り、アイドラロール308を回って、図3の合体領域302に示すパッド材の外層が作られる。図示のように、未展開スリット材のロール305及び306が、一対のベルクロローラ307の間に供給され、巻出機を減速して引き伸ばしを可能にするそれぞれのブレーキ機構320及び319を使用して共に引き延ばされ、合体領域302に続く。
【0143】
上記で考察したように、図4は、対向する縁部402及び403が接続されて複合材構造が形成された後の、エンボス加工され、展開されたスリット材400の複合材の領域の上面図である。いくつかの好適な実施形態においては、縁部402及び403はラミネート加工用プレスホイールの間で共にラミネート加工される。好適な実施形態において、展開スリット紙(内部にあるので図4では見えない。例えば、エンボス加工された紙の外層によって隠されている)が401の領域内に配置されている。
【0144】
更に、好適な実施形態において、展開スリットシート紙は、展開スリットシート紙材の横方向側部の縁部402に沿って複合材料400に接着又は貼り付けられることなく、領域401内に収容される。具体的には、展開スリットシート材が、好ましくは、展開スリットシート材の対向する端部だけで複合材料400に接着されており、好ましくは、縁部部位403だけで接着されている。このように、展開スリットシート材は、好ましくは、外層101及び104に対して相対的に移動可能なように内側領域401全体にわたって自由に延びているが、縁部部位403内でつぶされ、接着剤を塗付され、外層101及び104に接着されて、縁部部位403内に固定された展開可能なスリットシート材の端部は除く。
【0145】
図5を参照すると、図5は複合材料400の上面図であり、材料400を折り返して袋部を作るための折り部位を表す点線501を示している。好適な実施形態において、両面接着剤502がパッドの前側縁部に配置され、(以下で考察されるように、これは剥離ライナー701によって覆われる)、この接着剤は、後に、封筒の使用時に最終的に組み立てられた封筒の袋部を密封するために使用される。
【0146】
図6を参照すると、図6は、図5に示す複合材料400を折り線で折り返したパッド付封筒600の上面図である。上記のように、両面接着剤502が前側縁部のラミネート加工された縁部403内に配置され、封筒を閉じるための接着剤を提供している。図6に示すように、延長部、すなわち開いた領域601は、封筒を閉じるために、折り返され、接着剤502を介して封筒の外面に接着される折り返しフラップ部である。いくつかの好適な実施形態において、フラップ部601内の展開スリットシート紙は、つぶされ、薄く剛性のあるフラップとなって取り扱い及び使用が容易になっている。しかし、いくつかの実施形態において、フラップ部601は、緩衝性のために展開スリットシート紙を展開した状態でこの部位内に含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、フラップ部601内の緩衝性は、袋部の口に近接する、つぶしてラミネート加工した部位403全体にわたって延び、つぶしてラミネート加工した領域403(すなわち、部位403は、好ましくは、つぶしてラミネート加工しているので、平坦で、つぶされていない展開スリットシート紙が提供する緩衝特性がない)に対して封筒を保護する長さが追加されるサイズでよい。
【0147】
上で考察したように、フラップ部の折り返し部を封筒の外面に接着するために両面テープ502を使用してもよく、好ましくは、テープ502の接着剤が図6に示す左側(すなわち、袋部の口とは反対の部位の側)の部位403の封筒の外面に接着する。参考のため、図8に、フラップ部を折り返した後、接着剤502を、封筒前面の部位又は領域403を超えてすぐの部分に接着した状態の封筒を示す。
【0148】
図7を参照すると、図7は、図6の封筒600が開いた位置で、両面テープ502が剥離ライナー701で覆われた状態の斜視図である。図7において、縁部部位703(すなわち、封筒の対向する側部に沿った縁部部位)は、部位402に対応し、折り返され、接着されて縁部部位703を形成している。例えば、部位402を、折り返し、つぶして接着し又は他の方法で一緒に接着し縁部部位703を形成してもよい。
【0149】
図7を参照すると、部位705は、図6に示す延長フラップ部601の端部に形成された縁部部位403に対応する。いくつかの実施形態において、接着剤、又は接着テープ502は、縁部部位403の全体の領域を覆ってもよく、又は、図6に示すように、接着剤502は、フラップ部の端部に形成された縁部部位403の一部を覆ってもよい。図7に示す実施形態において、縁部705は、図6に示すフラップ部の端部の縁部部位403に対応する。しかし、図7において、接着剤502及び剥離ライナー701は縁部705の全体を覆っている。
【0150】
いくつかの実施形態において、封筒の袋部を形成するために、図5に示す複合部材400は、図5に示す折り線501上で折り返される。いくつかの好適な実施形態において、袋部を形成するために複合材料を折り線501で折るのを容易にするために、線状の接着剤を折り線に沿って幅全体に延ばし、折り線に沿った細い線に沿って展開可能なスリットシート材を外層101及び内層104と共に接着する。例えば、いくつかの実施形態において、折り線501における折りを容易にするために細いビード線状の接着剤を塗付する。いくつかの代替え実施形態においては、展開スリットシート紙を折り線501に沿って接着しない。そのため展開スリットシート材は折り線501に近接する外層101及び104に対して自由に移動できる。
【0151】
いくつかの最も好適な実施形態において、フラップ部601内の展開可能なスリットシート材はつぶされ、展開状態ではない。特に、より好適な実施形態において、フラップ部601全体が圧縮された状態でもよい。しかし、いくつかの実施形態において、フラップ部601内の少なくとも一部又は全部の展開可能なスリットシート材が展開状態でもよい。例えば、いくつかの実施形態において、展開スリットシート材は、フラップ部601内において、図6に示す縁部403まで、又は同様に図7に示す縁部705まで展開状態でもよい。
【0152】
図7に示す実施形態において、封筒は、袋領域704を囲む部位703及び縁部705に、つぶして接着剤接着した縁部領域を含む。部位703及び705は様々な方法で形成可能であるが、これらの部位は、好ましくは、これらの部位を圧縮し(例えば、薄い)接着した状態で維持するために、接着すると共に対向するプレス部材の間でプレス加工することによって形成する。例えば、これらの部位を、圧力ローラ、往復プレス要素、及び/又は他の機構を用いて形成してもよい。好適な実施形態において、つぶして接着剤接着する領域に採用する接着剤は(例えば、部位703及び705においてなど)硬化して剛性及び/又は堅さを高める。例えば、これは、剛性又は堅さを高めたフラップ部601を作るのに役立つ。
【0153】
いくつかの実施形態において、部位703及び705内に接着剤を採用するのに加え、(例えば、より高い剛性をもち、より堅いフラップを作成するために)フラップ部601の他の部分も部位703及び705と同様に接着してもよい。しかし、最も好適な実施形態において、少なくとも袋部の口704の近傍である部位702(図7に代表的に破線で示す)(すなわち、フラップ部601の折り線部)は接着剤又は接着を含まない。
【0154】
図7に示すように、部位700は、袋部の口の縁部に沿って形成され、袋部の口の輪郭を描く、図6に示す部位403に対応する。いくつかの好適な実施形態において、図7に示すように、接着されない部位702は、部分的に袋部内で延び、部分的にフラップ部601内で袋部の外側で延びるように、部位700の側端部と重なっている。具体的には、この部位が確実に接着剤を含まないようにすることによって、フラップ部601を、部位702内で折り線を中心に、より確実に、より効果的に折り返すことができ、封筒の作用及び機能を向上させる。いくつかの実施形態において、部位702内において折り線で折り返すことを容易にするために、折り返しを容易にするのに役立つ折り目を部位702の幅にわたって形成してもよい。
【0155】
本発明者は、折り返し部位に接着の無い領域702を設けることによって、利点であるフラップの剛性に悪影響を与えることなく、折り返しを最適にできることを発見した。折り返し領域内の接着していない領域702によって、閉止用フラップの折り返しが容易になる。いくつかの好適な実施形態において、好ましくは、接着しない領域702が、封筒の幅全体にわたって延び、好ましくは、展開可能なスリットシート紙の展開方向(すなわち、封筒の幅に直角な封筒の長さに沿った方向)に約1/2インチ(12.7mm)未満の長さで延びている。いくつかのより好適な実施形態において、接着しない領域702は、展開方向に約1/3インチ(8.5mm)未満延びている。ある好適な実施形態おいては、接着しない部位702は、展開方向に約1/4インチ(6.4mm)±15%延び、最も好適な実施形態においては、好ましくは、1/4インチ(6.4mm)±5%延びている。いくつかの好適な実施態様において、これは、接着しない領域702が好ましくは約0.64cm(±15%)であり、最も好ましくは、約0.64cm(±5%)であることと等しい。
【0156】
上で考察したように、図7を参照すると、参照番号703が、接着された封筒縁部を示す。更に、上で考察したように、いくつかの好適な実施形態において、スリットシート材は、有利には、展開可能なスリットシートの端部でのみ、適所に保持される。具体的には、上部領域700、及び剥離ライナー701の下の部位705においてである。
【0157】
また図7に示すように、接着剤502上にこれを覆って延びる剥離ライナー701は、好ましくは、接着剤502の一端から延びる少なくとも1つの延長つまみ部708を含み、ユーザーは、剥離ライナーを接着剤502から引くためにこのつまみ部708を手でつかむことができる。図7に示す実施形態においては、延長つまみ部708が、剥離ライナー701の両端部に示されている。しかし、いくつかの実施形態においては、延長つまみ部708は、1つの端部のみに配置されてもよい。更に、他の実施形態において、剥離ライナー701を手で除去するのを容易にする他の機構を採用してもよく、及び/又は延長つまみ部又は剥離ライナーの一部は、(例えば、例示の実施形態のように封筒の側部に対して横方向ではなく、袋部の口に向かう方向又は離れる方向に延びるなど)異なる方向に延びてもよい。
【0158】
いくつかの好適な実施形態において、部位702には接着剤又は粘着剤はないが、部位702内の展開スリットシート紙をつぶした状態にして幅を狭くして、袋部の口を閉じるためのフラップ部の折り返しを容易にしてもよい。しかし、いくつかの代替え実施形態においては、部位702の遠位端部(すなわち、フラップ601の遠位端部に最も近い部位702の端部)と縁部部位705との間に延びるフラップ部601の一部は、展開状態の展開スリットシート紙を含む。これにより、フラップを折り返すと、展開状態のこの展開スリットシート紙によってもたらされる緩衝性によって部位700が覆われるようになる。
【0159】
しかし、いくつかの最も好適な実施形態において、フラップ部601全体の内部に位置する展開可能なスリットシート紙は、部位702全体の内部、及び部位702の遠位端部と縁部部位705との間の部位全体の内部の展開可能なスリットシート紙も含んで、つぶされた状態である。このようにすることで、封筒を使用するとき、及び閉じるときに、フラップ部601全体の取り扱いが簡単になり、最も有利である。更に、部位702は、フラップ部の折り返しを容易にするために接着しないのが好ましいが、フラップ部の他の部分は、フラップ部601の剛性が高くなり、使用時の取り扱いが簡単で有利になるように接着剤を含んでもよい。
【0160】
上で考察したように、図8は、閉じた封筒600の、例えば、両面テープ502で封筒を貼り付け、閉じた構成になっている状態(すなわち、剥離ライナーを除去し、袋部を閉じた後)を表す斜視図である。図8では、袋部の厚さ、及び封筒が提供する保護性を明示しやすくするため、及び(例えば、より大きなサイズの物品を封筒内に入れやすくするための)内部の広い袋領域を構成する底部折り返し端部800B及び頂部折り返し端部800Tを明示しやすくするために、図7に示すつぶした側部(例えば、703)は図8には描かれていない。注目すべき点として、袋部の横方向側部の両側には、つぶされた側部703があるが、図8に示すように、底部端部800Bには、好ましくは、袋部内の内部空間を占有又は制限するつぶされた縁部が無い。同様に、頂部端部800Tには、好ましくは、袋部内の内部空間を占有又は制限するつぶされた縁部がない。
【0161】
図7及び図9の両方に示すように、好適な実施形態において、密封された封筒の開封を容易にするために、封筒の頂部端部800Tは、好ましくは、引き裂き開封機構を含む。様々な実施形態において、例えば、頂部端部800Tにわたって横方向に引っ張る引き裂き糸、及び/又は他の引き裂き開封機構など、様々な引き裂き開封機構を採用してもよいが、いくつかの好適な実施形態において、引き裂き開封機構が、手によって頂部端部800Tを容易に開封できる、又は引き裂けるように構成された、少なくとも1つの横方向側部ノッチ706を含む。図7に示すように、好適な実施形態において、封筒600の各横方向側部に位置する2つの横方向側部ノッチ706が設けられている。
【0162】
図9に示すように、各ノッチ706は、好ましくは、フラップ部601の袋部の口の部位700の外側端部に直接、又は近接して並ぶフラップ部601の基端部に位置している。好適な実施形態において、各ノッチ700は、フラップの横方向側部縁部からの、実質的にV形状の切欠きである。いくつかの好適な実施形態において、ノッチの基部側縁部707は、封筒全体の幅方向に袋部の口と平行になるように延びるなど、部位700の外側端部に実質的に平行に延びるように形成され、前側縁部715は、基部側縁部ノッチ700に対して鋭角に前方向に延び、フラップ601の横方向側部縁部に戻る。いくつかの好適な実施形態において、この鋭角は約20から50度の間であってよく、いくつかのより好適な実施形態において、この鋭角は約25から45度の間であり、いくつかのより好適な実施形態において、この鋭角は約30から40度の間であり、いくつかの最も好適な実施形態において、この鋭角は約35度である。
【0163】
いくつかの例示的な実施形態において、ノッチの基部側縁部707は、約1/8インチ(3.2mm)から約1/2インチ(12.7mm)の長さであり、いくつかのより好適な実施形態においては、約1/3インチ(8.5mm)未満の長さであり、いくつかのより好適な実施形態においては、約1/4インチ(6.4mm)の長さである。図6及び図7に最もよく示されているように、好適な実施形態において、封筒の横方向側部縁部は、例えば、接着やプレス加工によって共に密封されている。その結果、図6及び図7に示すフラップ部の横方向側部に沿う部分も含んで封筒の横方向側部縁部は、これらの密封された横方向側部縁部部分を含む。その結果、これらの横方向側部縁部部分は、袋部の引き裂きや開封と干渉する可能性がある。したがって、好適な実施形態において、好ましくは、横方向側部縁部が密封されていても袋部の開封が容易になるようにノッチ706が設けられている。したがって、いくつかの好適な実施形態において、ノッチ706は、a)引き裂きの開始を容易にするため、及びb)横方向側部縁部部分を大きな範囲で引き裂く必要がないようにするために、横方向側部縁部の幅にわたって十分な距離で延びるように構成されている。いくつかの例示的な例において、ノッチは、横方向側部縁部(例えば、縁部402)の幅の少なくとも1/4の長さで延びており、いくつかの好適な実施形態においては、横方向側部縁部の幅の少なくとも1/3の長さで、いくつかの好適な実施形態においては、横方向側部縁部の幅の少なくとも1/2の長さで、いくつかの好適な実施形態においては、横方向側部縁部部分のほぼ全体、又は全体にわたって延びている。
【0164】
好適な実施形態において、ノッチ706は、部位702内に、又は隣接して配置されている。更に、いくつかの好適な実施形態において、部位702は、ノッチ706の位置からフラップを横方向に引き裂くのを容易にするためのなんらかの弱化機構を含む。
【0165】
図10を参照すると、図10は、封筒を形成するための複合材料の例示的な他の実施形態を示している。上で説明したように、様々な実施形態において、封筒を形成するための複合材料の内層及び外層は、様々な異なるエンボス構造を含んでもよい。図10に示す例示的な例において、外層1001は、下方向に突出するエンボスのパターン又は配列を備えている。上に示したように、いくつかの好適な実施形態において、これらの下向きのエンボスは、例えば、封筒の外側にラベル(例えば、配送用ラベル)を配置する又は接着するのを容易にする実質的に平らな外面を実現するのに役立つ。特に、本実施形態は、図11Dに関して上に説明した実施形態と類似している。
【0166】
更に、図10において、本実施形態の内層1003は、複数の上向きのエンボス1005及び複数の下向きのエンボス1004を含んでもよい。特に、本実施形態は、図11Cに関して上に説明した実施形態と類似している。特に、本実施形態は、強度及び剛性を高めるのに役立ち、また、(上記のように)物品を袋部に入れるとき又は取り出すとき物品に加わる摩擦を減じる又は抑制するのに役立つ。更に、この内層1003は、このように、両面にエンボスをもつ層を構成する。特に、これによって、薄い、平坦な紙シートから作られた厚いエンボス加工された層が得られ、したがって、追加の緩衝性が得られ有利である。
【0167】
図12を参照すると、図12は、封筒を形成するための複合材料900の別の例示的な実施形態を示している。この例示的な実施形態においては、外層が上方向に突出したエンボス101パターンを含んでいる。更に、本実施形態においては、内層901は、滑らかな、エンボス加工されていない層である。特に、エンボス加工されていない又は滑らかな内層によって、いくつかの状況において、封筒の袋部への物品の出し入れが容易になる。
【0168】
図13から図15を参照すると、これらの図は、いくつかの例示的な実施形態に係る、封筒を形成するための複合材料1200(図15参照)の他の例示的な実施形態を示す。これらの図に示す例示的な実施形態においては、外層の間に配置された展開可能なスリットシート材を採用するのではなく(例えば、図1に示す層102及び/又は層103などの、例えば、1層以上の展開可能なスリットシート材を使用するのではなく)、図13から図15に示す実施形態では、2つの外層の間に新発想のエンボス加工された緩衝層を採用している。図15では、下方向に突出するエンボスを有する外層1000、上方向に突出するエンボスを有する内層1000、及び上方向と下方向の両方に突出するエンボスをもつ中間層(例えば、緩衝層として機能するためなど)をもつエンボス加工された層の具体的な配置を示すが、本明細書に記載の他の実施形態と同様、本実施形態の外層1000及び内層1000は変更できると理解すべきである。同様に、内層1100も、本明細書に記載の他の実施形態による他のエンボスパターンを含むように修正してもよい。
【0169】
この例示的な実施形態において、図13は、(例えば、円形、多角形、及び/又は他の形のエンボスの配列などの)エンボス1002のパターンを有し、そこから一方向に突出する、例示的なエンボス加工された紙シート1001を示す。図15に示すように、この例示的な実施形態において、外層及び内層を形成するために層1000を採用してもよい。例として、いくつかの好適な実施形態において、類似の層1000を下向きのエンボスをもつ外層として配置してよく、類似の層1000を上向きのエンボスをもつ内層として配置してもよい。図15に示すように、エンボスが緩衝機能も提供する好適な実施形態において、外層1000のエンボスは、層1000が下向きのエンボスの外層として採用される場合、少なくともいくつかのエンボスの頂上が中間層の少なくともいくつかの上方向に突出するエンボスの頂上と接触し厚さが最大となるように分布する。同様に、外層1000のエンボスは、層1000を上向きのエンボスをもつ内層として採用する場合、少なくともいくつかのエンボスの頂上が、中間層の少なくともいくつかの下方向に突出するエンボスの頂上と接触して厚さが最大になるように分布する。
【0170】
図14に示すように、好適な実施形態において、エンボス加工されたシートの最終的な厚さを増加させる波状の両面パターンの層1100が、少なくとも1つ採用される。
【0171】
本明細書に記載する様々な実施形態において、エンボスは、状況に応じて、様々な程度の深さを有してもよい。いくつかの実施形態において、エンボスは、全体の厚さが約0.01インチ(0.25mm)と0.19インチ(4.8mm)の間で変化してもよい。他の潜在的な利点の中でも特に、エンボスが柔軟性を提供することによって配送のために封筒に詰めるのが容易になり、緩衝層の厚さが変化することによって追加の緩衝性による保護が得られる。
【0172】
発明の様々な他の実施形態において、外側のエンボス加工された紙と組み合わせて他の種類の紙製緩衝材を使用してもよい。これらの紙製緩衝材は、スリットシート層より緩衝性が低いかもしれないが、いくつかの実施形態は、このような他の紙製緩衝材を使用してもよい。例えば、薄い製品が望まれる場合、及び/又は求められる緩衝性が低い場合にこのような他の実施形態が望まれる。結果として得られる薄い封筒は、同じサイズの容器内に、より多くの封筒を入れることができるため、配送コストが削減される。薄い複合材の設計によって、緩衝性が必要ない場合の耐引き裂き設計が実現する。これらの環境にやさしい、すべてが紙製の封筒及びパッドは、比較として、緩衝性がほとんど又は全くないプラスチック製封筒を置き換えることができる。いくつかの例示的な例に採用可能な他の紙製緩衝材の例を下に示す。
【0173】
図16に関し、図16は、下向きの円形エンボスの配列を有する外層101と、これも下向きのエンボスの配列を含む内層104とを含む実施形態を示す。この例示的な実施形態において、波状の紙のシートを含む中間紙層1300を設けてもよい。このようにすることで、内側の紙が、上に記載した他の実施形態に採用されたものと同様の緩衝性品質を提供するように作用する。
【0174】
図17に関し、図17は、図16に示したものと同様の外層101、及び図16に示す内層104と同様の内層104を含む実施形態を示す。しかし、図17に示す実施形態は、ひだをつけた層である中間紙層1400を採用する。様々な実施形態において、このようなひだをつけた紙によって得られる緩衝性は、ひだをつけた層の厚さだけでなく、ひだ脚部の長さ、ひだの高さ、及びひだの角度によって変化する。いくつかの実施態様では、これによって、梱包するものが薄く、割れものでない場合に、より低い柔軟性を提供することができる。図17に示すように、ひだをつけた層1400は背が高く、約90度の頂角をもつ。様々な実施形態において、頂角を105度~165度の範囲に増加させることによってひだの高さは低くしてもよく、これによって、必要に応じて、緩衝性及び柔軟性を高めることができる。本実施形態の複合材料と同様の複合材料を採用した実施形態において、長手方向にいくぶん柔軟性があり、封筒開口部の方向に、より堅くなるように封筒を構成してもよい。いくつかの例示的な実施形態において、ひだを付けた実施形態は、完全に記載されているかのように参照により本明細書にすべてが組み込まれる特許文献27、特許文献28、及び特許文献29に見られるひだ付紙の包装の従来技術とは異なる。
【0175】
特許文献27は、包装用品としての堅さのために、著しく高い急角度のひだ付シートの頂点にティッシュペーパーを接着して使用し、緩衝性包装材料を作成することを教示する。一方、本発明のいくつかの好適な実施形態においては、好ましくは、特許文献27が教示するものより広い角度のひだを採用し、ひだ付シートは、好ましくは、縁部の周りのみで、エンボス加工された紙にラミネート加工される。
【0176】
図18に関し、図18は、図16に示すものとほぼ同様の実施形態を示すが、内層104が無い。具体的には、図18に示す実施形態は、下向きの円形のエンボスの配列を有する外層101、及び図16に示すものと同様の紙の波状シートを含む中間紙層1300を含む。いくつかの実施形態において、本願に記載の任意の特定のタイプの内層を設けてもよい。いくつかの他の実施形態において、図18に示す、外層101及び中間層1300の同様の組合せを、図18に示す層の下に上向きに配置して、2つの波状の中間紙層を含むいくつかの他の実施形態に係る複合材料を作成してもよい。
【0177】
図19図22を参照すると、これらの図には、発明の様々な実施形態に係る封筒を製造するための様々な例示的な方法および技術が描かれている。
【0178】
いくつかの好適な実施形態において、封筒は、好ましくは、ロール状の材料を搬送して整列された層の複合材を作成し、整列された層を、例えば、図3に示すように互いに平行に並んで搬送することによって製造される。整列された層の複合材は302に示されている。本明細書に記載の様々な実施形態はすべて、図3に示すものと同様の細長い整列された層の複合材を搬送するための搬送装置を含んでもよく、このような層を加工して、例えば、層の一部(例えば、縁部部位402、203など)を共に連結した、複数の封筒を作成することができる。いくつかの好適な実施形態において、封筒を形成するための(例えば、図4に示す400と同様な)複数の複合材料が、例えば、図19に示すような端部と端部が繋がった関係で形成される。そして、形成後に、搬送された端部と端部が繋がった材料から、形成された複合材料をカットして、例えば、図4に示す400と同様の分離された個々の複合材料を形成してもよい。そして、複合材料を折り返し、接着して、例えば、図5及び図6に示すような、閉じた封筒を形成できる。
【0179】
図19に示すように、好適な実施形態において、搬送された整列された層の複合材は、端部と端部が繋がった状態で互いに接続された(複数の封筒に相当する)複数の複合材料を含む。例えば、図19は、繰り返しパターンで互いに接続された2つの複合材料部分1900A及び1900Bを示し、図19に示す複合材料は、図7に示すタイプの封筒を形成するために使用されるように構成されている。
【0180】
図19に示すように、この例示の実施形態において、(後で折り返されて図7に示す袋部の口の外側縁部を形成する)複合材料部分1900Aの底部端部に形成された部位700が、複合材料部分1900Bのフラップ部の遠位端部601に連結された状態になっている。
【0181】
この図示の例において、部分1900A及び部分1900Bは、剥離ライナー701が部分1900A及び部分1900Bに取り付けられた状態で描かれている。いくつかの実施形態において、接着剤502を部位705に配置してもよく、部分1900Aと部分1900Bを分離する前に剥離ライナー701を接着剤の上に配置してもよいが、いくつかの代替え実施形態においては、このような接着剤502及び剥離ライナー701は、分離後に個々の部分1900A及び部分1900Bに加えられてもよい。
【0182】
いくつかの例示的な実施形態において、フラップ部601の長さは(すなわち、部分1900A/Bの長さ方向において)、約1.5インチ(38.1mm)であり、縁部部位700の長さは(すなわち、部分1900A/Bの長さ方向において)、約0.5インチ(12.7mm)である。
【0183】
いくつかの好適な実施形態において、a)複合材料の層を互いに接着するため、b)組み合わせた複合材料の層内の展開スリットシート紙をつぶすため(又は、いくつかの実施形態において、組み合わされた複合材料の層内の、例えば、ひだ付紙や、エンボス加工された紙などの他の緩衝紙をつぶすため)、及びc)複合材料部分1900A/Bを分離するために、様々な搬送ローラが採用されている。
【0184】
例えば、図20に、いくつかの実施形態に採用可能な例示的な搬送ローラ100を示す。この例示的な例において、搬送ローラは、図20中に矢印105で示したように反時計回りの方向に回転する。図21に示すように、複合材料層がコンベアシステムを介してローラ100/200の間を矢印205の方向に搬送されるとき、ローラ100は対向するローラ200と協働し一緒に回転する。好適な実施形態において、ローラ100は、方向205への移動と同じ速度で矢印105の方向に回転する。
【0185】
好適な実施形態において、ローラ100は、型切断つぶし回転式工具として動作する。101は工具の外周であり、作っている封筒用パッドの総長と同じ円周を有するように特別なサイズになっている。
【0186】
図20及び図21に示すように、ローラ100には、複合材料を、図21に示す部位202においてつぶした状態にするように構成された圧力部材104が付随している(例えば、部分104がローラ200に隣接するときに、ロール100と200の間で複合材料を押圧する)。更に、ローラ100には、切断部材103(例えば、切断用刃など)を含む圧力部材102も付随しており、複合材料を部位203においてつぶした状態にすると共に部位203において切断、すなわち分離するように構成されている(例えば、部分102がローラ200に隣接するときに、複合材料をロール100と200の間で押圧し、及び切断部材103によって切断する)。
【0187】
参考として、図22は、図21に示すシステムの斜視図である。図21及び図22は、201にひだ付紙のように見える展開紙を概略的に示しているが、好適な実施形態においては、201の要素は、発明の最も好適な実施形態による展開スリットシート紙である。しかし、本開示に基づいて理解すべきであるように、いくつかのあまり好ましくない実施形態において、図17に示す実施形態と同様のひだ付紙を採用してもよく、又は、本明細書の他の実施形態に記載の任意の他の緩衝層を図21の内側緩衝層201として採用してもよい。
【0188】
図20図22について、これらの図は、概略図であるため、構成要素のいくつかのサイズなどは発明のいくつかの実施形態を形成するための縮尺にはなっていないことに留意されたい。
【0189】
図21を参照すると、いくつかの好適な実施形態において、部材104によって形成可能なつぶされた部位202は、いくつかの好適な実施形態における封筒の袋部を作成するための折り返しを容易にする細いつぶされた部位を作成するために採用することができる。例えば、これは、図5に示す実施形態の折り線501に沿って、又は図7の実施形態に示す折り目709の位置に細いつぶされた部位を作成するために採用してもよい。このようにすることで、折り線501又は折り目709の位置で複合材料を折り返すのが容易になる。図21では、広いつぶされた部分を概略的に示しているが、いくつかの好適な実施形態において、つぶされた部位の長さ方向(例えば、流れ方向)の幅は、好ましくは、1/2インチ(12.7mm)未満であり、又は、いくつかの実施形態においては1/3インチ(8.5mm)未満であり、又は、いくつかの実施形態においては1/4インチ(6.4mm)未満であり、又は、いくつかの実施形態においては約1/8インチ(3.2mm)又はそれ未満である。
【0190】
いくつかの好適な実施形態において、複合材料は、ローラ100及び200に届く前に、ローラ100及び200の押圧の間に接着する部位に接着剤を塗付する装置を通る。例えば、好適な実施形態において、押圧してつぶされた部位202を作る前に、接着剤装置によって接着剤を細い線状に先に塗付している。好適な実施形態において、細い線状の接着剤の長さ方向の幅は、上で考察したようにつぶされた部位の長さ方向の幅と同じか又はそれより狭い。
【0191】
図21を参照すると、いくつかの実施形態において、部位203は、例えば、図19の実施形態に示す隣接部分1900A及び部分1900Bの間など、別々の封筒を作成するための隣接した部分の間の部位を表している。更に、図21の部位203の切断部(この切断はカッターによってなされている)の右に示すつぶされた部分は、例えば、図19に示す実施形態の部分700に(1つの例示的な例として)対応してもよく、一方、図21の部位203の切断部の左側に示すつぶされた部分は、例えば、図19に示すフラップ部601に(1つの例示的な例として)対応してもよい。
【0192】
したがって、いくつかの例示的な実施形態において、ローラ100及び200は、幅方向につぶされて接着した部分を形成して層を互いに結合すること、及び、個々に分離された封筒を形成するために、結合された複合材料部分を分離することに使用できることを理解されたい。
【0193】
図20図22には示していないが、好適な実施形態において、各層が図3に示す合体領域302に搬送された後、各層がローラ100及び200に搬送されるまでに、複合材層は、好ましくは、接着剤装置に送られ、接着剤装置により、接着剤が、各層に沿った適切な位置における複合材層の間の適切な位置に塗布される。いくつかの実施形態において、接着剤装置は、コンピュータに制御され、層間の正確な位置に接着剤を供給する1つ以上の接着剤供給ノズルを含む。いくつかの例において、接着剤装置は、例えば、1つの層、例えば、複合材層の間の位置の最下層などに接着剤を塗付できる。そして、いくつかの実施形態において、その後、圧力を加えると(例えば、ローラ100と200の間で、など)、塗付した接着剤が浸透し、すべての層の間を接着することができる。
【0194】
更に、図には示していないが、いくつかの好適な実施形態において、接着剤装置によって接着剤を塗付すると同時に、又は接着剤塗付の後、ローラ100及び200に搬送される前に、複合材層の横方向両側部縁部に沿って圧力ローラを印加することによって、好ましくは、複合材層の横方向側部縁部を互いに接着し、例えば、図4の例示的な例に示す連結部位402を形成する。なお、横方向側部縁部を接着するために、接着剤装置は、好ましくは、接着剤を適切な横方向側部縁部にも塗付して縁部部位402などの形成を可能にするということを理解すべきである。
【0195】
このように、層の幅にわたって横方向に(すなわち、流れ方向を横切って)複合材層を合わせて連結する前に、複合材層がローラ100と200の間を通る前、好ましくは、初期的に、その横方向縁部に沿って接着し、全体的にチューブ状の構成を形成する。
【0196】
図21及び図22に示す概略図において、複合材層の横方向側部縁部は、合わせて接着するようには表していない。しかし、好適な実施形態においては、上で考察したように、横方向側部縁部は、ローラ100と200の間を通る前に接着される。
【0197】
図19は、フラップ部位601に沿って既に形成されたノッチ部位を示しているが、好適な実施形態において、ノッチ部位(例えば、図7に示すノッチ706など)は、ローラ100及び200によって同時に形成され、そのため、ローラ100は、隣接部分を分離する切断要素103を組み込むことに加えて、同様なノッチ706を形成するための追加の切断要素を含んでもよい。
【0198】
更に、図20図22には描かれていないが、切断要素103に加え、部材102は、複合材料を切断はしないが密封された後に袋部を引き裂いて開けるのを容易にするための、ノッチ706間に延びる刻み線を作成する押圧要素も含んでもよい。
【0199】
したがって、例示の実施形態において、ローラ100の外周には、切断要素103と組み合わせたつぶし領域部材102と、ローラ100が矢印105の方向に回転しながら、封筒の袋部領域のための折り目部位を作成する刻み線つぶし領域部材104とが装着されている。型切断つぶし領域102及び103は、封筒用パッド層と接触し、203においてつぶし、切断する。回転が続き、つぶし工程のみの領域104が領域202をつぶしたところである。つぶし工程が繰り返されると、つぶし切断203が追加され、封筒用パッドが連続的に作られる。
【0200】
いくつかの好適な実施形態の追加の注目すべき態様
上で考察したように、好適な実施形態において、柔軟性、及び平坦なシート紙にはない多少の緩衝保護性を提供するエンボス加工された紙を採用する。
【0201】
いくつかの好適な実施形態において、展開スリット材は、側部(例えば、図4に示す部位402や、図7に示す部位705など)には接着されず、有利には、前部及び後部領域のみ、又は実質的に前部及び後部領域のみに接着される。特に、これには、接着剤の使用がはるかに少なくてすみ、優れた、はるかに持続性のあるパッド付封筒を生産することができるという利点がある。
【0202】
いくつかの好適な実施形態において、本発明は、紙製の最上層及び最下層の外側層と組み合わせて展開スリットシート材を採用し、緩衝特性をもつパッド付封筒を生産する。スリットシート材を一定の最適な伸長状態にして、これを継続的に提供するために、回転式の型切断及びつぶし工程が好ましい。
【0203】
いくつかの好適な実施形態において、パッド付封筒の口の開口幅が機械の幅全体と同じであるパッド付封筒を提供する。一方、既存のシステムでは、口の製造は、本明細書の好適な実施形態の方向に対して横切る方向である。封筒を作る既存のシステムでは、スリット紙を同時に引き伸ばすことに対処する懸念がないため(以前にはそのような紙は採用されなかったため)、既存のシステムは、1分あたりにより多くの封筒が作成できるような方向に封筒を向けていた。更に、既存のシステムの場合、ラミネート加工は、プラスチックバブルに対する熱で行われるため、紙用低温接着剤の乾燥、又は紙用高温溶融接着剤の冷却の要件とは異なり、瞬時に行われる。封筒の長さは、口又は封筒の幅より広いのが一般的である。例として、仮にバブルパッド付封筒の幅が10インチ(254mm)で長さが20インチ(508mm)の場合、各裁断は、20インチ(508mm)毎に対して10インチ(254mm)毎に行われ、したがって、パッド付封筒の作成速度は2倍になる。
【0204】
裁断による作成システムの課題は、先頭の封筒を前の封筒から分離し、現在の封筒の接着された小さな面積においてスリットシート材の伸びを維持することは大きな負担になるということである。
【0205】
したがって、接着剤が乾燥中、又は冷却中の過程にある製造工程の間、収縮するスリットシート材からの歪及び層間剥離に対してより脆弱である。これを克服するために、回転法は、紙接着剤の組合せの最大量を維持するための最良の方法である。もし、現在のプロセスに裁断を使用したとすると、切断工程中にウェブが緩み、しわや層間離が発生する。
【0206】
スリットシート材に回転法が要求されるのには別の理由がある。展開スリットシートは製造方向に引き伸ばされるため、最も好都合である。ほとんどのパッド付封筒は幅よりも長いため、幅方向の製造は2つのシナリオのいずれかとなる。
【0207】
1つ目は、スリットシートを製造方向に展開することは、多くの場合、材料の複数のウェブを伸ばすことが必要になり、これにより、2つ以上のスリットシートダイカッターと、並んだ複数のウェブのハンドリングと正確な位置合わせとが必要になる。1台のダイカッティングマシンの最大使用可能幅は30インチ(762mm)で、引き伸ばされた幅は23.5インチ(596.9mm)になる。封筒には、やはり袋部のための折り返しと1.5インチ(38.1mm)の折り返しシールが必要なため、使用可能な袋領域は11インチ(279.4mm)になる。多くの封筒の袋領域は、11インチ(279.4mm)より長い。繰り返しになるが、解決策は、必要な全長と、それらを並べて配置することの複雑さとを管理するための複数のダイカッターであろう。
【0208】
2つ目は、製造の方向に対して横方向に展開することにより、必要なウェブは1つなるが、連続的な製造工程ではなく、複数の層を1つずつ接着する間、伸びを維持するための保持機構が必要になる。
【0209】
どちらの手法も、機械のコストの更なる問題を発生させる。一方、本機械は、設置面積が小さく、幅方向の装置には小さすぎる市場に対して、その近くに設置が可能である。
【0210】
いくつかの好適な実施形態において、ラベルを外面に接着できるようにするために(例えば、配送用ラベルなど)、封筒外層に極めて軽くエンボス加工をする。好ましくは、細いエンボスで、外側に突出しないエンボスである。そして、同時に、好ましくは、封筒の内層を強くエンボス加工してもよい(例えば、封筒の内面)。
【0211】
顧客は、例えば、郵便料金を節約したいと考えるため、封筒の重量を重要な要素と考える場合が多い。外層-展開層-内層を有する紙の重量が封筒の重量として、それぞれ、例えば、50ポンド(22.7kg)未満、又は、それぞれ45ポンド(18.2kg)未満、又は、例えば、約43-43-43ポンド(19.5-19.5-19.5kg)、又は、例えば、約40-40-40ポンド(18.2-18.2-18.2kg)の場合、本明細書に記載の好適な実施形態の態様を採用し、しわを防止するために伸長可能なスリットシート紙と共にエンボス加工を採用できる(例えば、内側のエンボス加工)。内側にエンボス加工を使用すると、物品を簡単に詰めることができ、また弾力性が高まる。
【0212】
いくつかの好適な実施形態において、紙の緩衝性の代替品、及び/又は展開スリットシートは、インデント紙、クラフト/破れ防止、標準クラフト、又は他のスリットの無いシート材の内層又は外層の少なくとも1つにシールされる。シーリングは、図4に示す端部部位403か、又はその近傍、図4に示す側部部位402か、又はその近傍、又は、端部部位及び側部部位の両方になされてもよい。シーリングは、一方の側部部位、及び一方の端部部位に対してでもよいが、好ましくは、シーリングは対向する側部部位、及び/又は端部部位にすべきである。
【0213】
いくつかの例は、2層の展開スリットシートを使用することに関するが、いくつかの好適な実施形態において、好ましくは、単一層を使用してもよい。更に、いくつかの実施形態において、2層より多い層の展開スリットシートを使用してもよい。したがって、封筒には少なくとも1つの層を採用し、高い緩衝性が望まれる場合、例えば、2層、3層、4層、又は4層より多い層など、複数の層を採用してもよい。
【0214】
いくつかの好適な実施形態において、後者の展開スリットシートの層の数は、最内層と最外層の間の展開紙の層の数を指している。したがって、上記の実施形態に示すような構造が2倍になると、封筒内の展開スリットシートの層の数は2倍になるが、最内層と最外層の間の展開スリットシート層の層数は変わらない。
【0215】
最も好適な実施形態において、本発明の実施形態の様々な封筒は、新聞紙、雑誌、段ボール箱などと共に消費者によってリサイクルが可能である。再生紙を作るための供給原料として使用可能な紙には3つの種類がある。工場損紙、消費前廃棄物、及び消費後廃棄物である。工場損紙は、製紙から発生する紙の切りくず、その他の紙くずであり、製紙工場でリサイクルされる。消費前廃棄物は、製紙工場に残った材料で消費者での使用が可能になる前に廃棄されるものである。消費後廃棄物は、消費者が使用した後に廃棄される材料であり、古い段ボール箱(OCC:old corrugated containers)、古い雑誌、及び新聞紙などである。リサイクルに適した紙は「古紙」と呼ばれ、成形パルプ包装の製造に用いられることが多い。
【0216】
対照的に、気泡包装シート及びタイベック(登録商標)封筒はリサイクル可能であるが、消費者のリサイクル容器には追加すべきではない。代わりに、気泡包装、タイベック、及びビニール袋は、特別な収集場所でリサイクルする必要がある。このガイダンスは、気泡包装だけでなく、完全なプラスチックバブルの郵送用容器や空気枕までにも適用される。しかし、外側が紙の気泡郵送用容器は、そのままリサイクルはできない。それらを分解してそれぞれ別々の材料部品にすることができれば、紙を他の紙のリサイクル可能品と共にリサイクルし、気泡包装を他のプラスチックフィルムと共に回収場所に持っていくことができる。プラスチックのリサイクルについての情報が、次のサイトに示されている。「How2Recycle」:http://www.how2recycle.info/sdo
【0217】
発明の実施形態の例示的な実施例
実施例A
容器内で使用する封筒
層1:インデント加工
層2:展開スリットシート(均一な開口)
層3:展開スリットシート(均一な開口)で、層2に対して交差したパターン
層4:インデント加工
【0218】
実施例B
容器内で使用する封筒
層1:クラフト紙
層2:不均一に開口した展開スリットシート
層3:不均一に開口した展開スリットシート
層4:クラフト紙
【0219】
実施例C
UPS、FedEx、USPSなどを経由する郵便用の郵便封筒
層1(外層):クラフト紙/破れ防止
層2:均一に開口した展開スリットシート
層3:均一に開口した展開スリットシートで、層2に対して交差したパターン
層4:インデント加工
【0220】
実施例D
UPS、FedEx、USPSなどを経由する郵便用の郵便封筒
層1(外層):クラフト紙/破れ防止
層2:不均一に開口した展開スリットシート
層3:不均一に開口した展開スリットシート
層4:インデント加工
【0221】
実施例E
UPS、FedEx、USPSなどを経由する郵便用の郵便封筒
層1(外層):インデント加工
層2:不均一に開口した展開スリットシート
層3:不均一に開口した展開スリットシート
層4:インデント加工
【0222】
実施例F
UPS、FedEx、USPSなどを経由する郵便用の郵便封筒
層1(外層):50ポンド(22.7kg)クラフト紙
層2:不均一に開口した展開スリットシート
層3:不均一に開口した展開スリットシート
層4:30ポンド(13.6kg)クラフト紙
【0223】
実施例G
UPS、FedEx、USPSなどを経由する郵便用の郵便封筒
層1(外層):インデント加工
層2:不均一に開口した展開スリットシート
層3:不均一に開口した展開スリットシート
層4:30ポンド(13.6kg)クラフト紙である。
【0224】
実施例H
UPS、FedEx、USPSなどを経由する郵便用の郵便封筒
層1(外層):下向きに凸
層2:両面に凸
【0225】
広範な発明の範囲
使用した個々の数値は、単語「約」、「実質的に」、又は「およそ」が先行しているかのように概略値として示している。同様に、本出願中に示した様々な範囲の数値は、特に明記しない限り、記述の範囲の最小値及び最大値の両方が、単語「約」、「実質的に」、又は「およそ」が先行しているかのように概略値として示している。このように、記載の範囲の上又は下の変動値を、その範囲内の数値のように、実質的に同じ結果を実現するために使用してもよい。本明細書に使用されているように、数値を指す場合の用語「約」、「実質的に」、及び「およそ」は、開示の主題が最も密接に関連する技術、又は問題の範囲又は要素に関連する技術の当業者にとって、明白且つ通常の意味を有するものとする。厳密な数値の境界からの広がりの量は、多くの要因に依存する。例えば、考慮され得るいくつかの要因は、要素の重要性、及び/又は所与の変動量が請求された主題の性能に及ぼすであろう影響、並びに当業者に知られている他の考慮事項を含む。本明細書で使用されているように、異なる数値に対して異なる数の有効桁数を使用することは、単語「約」、「実質的に」、又は「およそ」の使用が特定の数値又は範囲をどのように広げる働きをするかを限定することを意味するものではない。したがって、一般的に、「約」、「実質的に」、又は「およそ」は数値を広げるものである。また、範囲の開示は、最小値と最大値の間のすべての値に加え、用語「約」、「実質的に」、又は「およそ」を使用することによってもたらされる範囲の広がりを含む連続する範囲を意図している。したがって、本明細書中の値の範囲の列挙は、特に記載が無い限り、範囲内に収まる各個別の値をそれぞれ参照する簡易的な方法として機能することを単に意図しており、各個別の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。スリットパターンの重要性、展開の前後の紙幅の差、紙重量及び種類、並びに開示の主題が最も密接に関連する技術、又は請求された主題の性能に関する問題の範囲又は要素に関連する技術の当業者に知られている他の考慮事項などのいくつかの要因の所与の量の変化を決めることが、当業者の能力の範囲であると見なされない範囲、又はそれらが請求項に明確に記載されていない範囲において、用語「約」、「実質的に」、及び「およそ」は、その数値±15%を意味すると理解すべきである。
【0226】
本明細書に開示される任意のデータから形成できる、又は導くことができる、すべての範囲、比率、及び比率の範囲が、本開示の更なる実施形態を示し、それらが明確に記載されているかのように開示の一部として含まれていると理解すべきである。これには、上限及び/又は下限の有限境界を含むように、又は含まないように形成できる範囲が含まれる。したがって、特定の範囲、比率、又は比率の範囲に最も密接に関係する当業者は、このような値が本明細書に示すデータから一義的に導き出せることを理解するであろう。
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【国際調査報告】