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特表2022-532555ドセタキセルとの併用またはその後での治療のためのADC
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  • 特表-ドセタキセルとの併用またはその後での治療のためのADC 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】ドセタキセルとの併用またはその後での治療のためのADC
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/05 20060101AFI20220708BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220708BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220708BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20220708BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220708BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20220708BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20220708BHJP
   C07K 7/02 20060101ALN20220708BHJP
【FI】
A61K38/05
A61P43/00 121
A61K39/395 N ZNA
A61K47/68
A61P35/00
A61K31/337
C07K16/28
C07K7/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566147
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2020062520
(87)【国際公開番号】W WO2020225282
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】19305578.7
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】506331240
【氏名又は名称】ピエール ファーブル メディカモン
【氏名又は名称原語表記】PIERRE FABRE MEDICAMENT
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ジュアノー,アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ゲッチ,リリアーヌ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA95
4C076BB13
4C076CC27
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA14
4C084BA23
4C084BA41
4C084CA59
4C084MA02
4C084MA17
4C084NA05
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZB212
4C084ZB262
4C084ZC751
4C084ZC752
4C085AA13
4C085AA21
4C085EE03
4C085GG02
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA02
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC41
4C086ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA12
4H045BA14
4H045BA15
4H045BA16
4H045BA17
4H045BA18
4H045BA19
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、がんなどの増殖性疾患の治療における使用のための、下記式:
[式中、Abは、それぞれ配列番号9、5および11の配列の軽鎖CDR、およびそれぞれ配列番号7、2および3の配列の重鎖CDRを含むことを特徴とする抗IGF1R抗体であり、nは1~12である]
を有するADCであって、ADCがドセタキセルと同時またはその後に投与されることを特徴とするADCに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】
(I)
[式中、Abは、それぞれ配列番号9、5および11の配列の軽鎖CDR、およびそれぞれ配列番号7、2および3の配列の重鎖CDRを含むことを特徴とする抗IGF1R抗体であり、nは1~12である]
で示される、がんなどの増殖性疾患の治療における使用のためのADCであって、ADCがドセタキセルと同時に、または続いて、投与されることを特徴とするADC。
【請求項2】
Abが、配列番号18の配列の軽鎖可変領域および配列番号13の配列の重鎖可変領域を含む抗体であることを特徴とする、請求項1に記載の使用のためのADC。
【請求項3】
ADCが、ドセタキセルに対する耐性を発症した患者に投与されることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用のためのADC。
【請求項4】
ADCによる治療の期間が、1か月~5年であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1つに記載の使用のためのADC。
【請求項5】
ADCが、耐性の発生が観察された直後、または耐性の発生が観察されてから1、2、3、4、5、6、7、あるいは8週間以上後、特に、耐性の発生が観察されてから16週間より前に投与されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1つに記載の使用のためのADC。
【請求項6】
ADCが、2~4週間ごとに、治療される患者の体重kg当たり1~2mgの用量のサイクルで投与されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1つに記載の使用のためのADC。
【請求項7】
サイクルの数が、1~18サイクルで構成されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1つに記載の使用のためのADC。
【請求項8】
がん治療が、全生存期間の増加および/または無増悪生存期間の増加および/または悪化を伴わない生存の増加および/または再発の減少および/または腫瘍のサイズの減少によって測定されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1つに記載の使用のためのADC。
【請求項9】
ADCが、ドセタキセルおよび/またはADCの前に、または同時に、他の化学療法によって、特にドキソルビシン、シクロホスファミド、カペシタビン、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、トラスツズマブ、5-フルオロウラシル、アントラサイクリン、ビニメチニブ、エンコラフェニブおよびネラチニブからなる群から選択される1つまたは複数の薬物分子を使用することによって治療されている患者に投与されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1つに記載の使用のためのADC。
【請求項10】
請求項1および2のいずれかに定義されるADCおよびがんなどの増殖性疾患の治療におけるその使用のための少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、ADCを含む医薬組成物が、ドセタキセルと同時に、または続いて、投与されることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項11】
増殖性疾患が、ドセタキセルに対して耐性のあるがんであることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
医薬組成物が、ドセタキセルに対する耐性の発生が観察された直後、または耐性の発生が観察されてから1、2、3、4、5、6、7、あるいは8週間以上後、特に、耐性の発生が観察されてから16週間より前に投与されることを特徴とする、請求項10または11に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項13】
医薬組成物が、2~4週間ごとに、治療される患者の体重kg当たり1~2mgのADC用量のサイクルで、特に、1~18サイクルで構成されるサイクルの数で投与されることを特徴とする、請求項10~12のいずれか1つに記載の使用のための医薬組成物。
【請求項14】
医薬組成物による治療の期間が、1か月~5年であることを特徴とする、請求項10~13のいずれか1つに記載の使用のための医薬組成物。
【請求項15】
医薬組成物が、ドセタキセルおよび/またはADCの前に、または同時に、他の化学療法によって、特にドキソルビシン、シクロホスファミド、カペシタビン、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、トラスツズマブ、5-フルオロウラシル、アントラサイクリン、ビニメチニブ、エンコラフェニブおよびネラチニブからなる群から選択される1つまたは複数の薬物分子を使用することによって治療されている患者に投与されることを特徴とする、請求項10~14のいずれか1つに記載の使用のための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ADC-Aがドセタキセルと同時またはその後に投与されることを特徴とする、がんなどの増殖性疾患の治療のための抗IGF1R ADC(ADC-A)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
がんなどの過剰増殖性疾患は、真の公衆衛生上の課題である。明らかに、効果的な第一選択抗腫瘍薬を見つける必要がある。しかしながら、一般的な現象である、これらの第一選択治療に対する耐性が現れた場合には、長期的な解決策を提供する必要もある。
【0003】
ドセタキセルは、がん細胞の微小管に作用し、有糸分裂を阻止するがん治療薬として使用されるジテルペンである。ドセタキセルの有効性は、かなり多くの腫瘍、特に乳がん、肺がん、前立腺がんで証明されている。しかしながら、多くの患者が時間の経過とともに、治療の失敗につながる、ドセタキセルに対する耐性を発症する。
【0004】
IGF-1R(またはIGF1R)と呼ばれるインスリン様成長因子1受容体は、インスリン受容体IRと70%の相同性を有するチロシンキナーゼ活性を有する受容体である。IGF-IRは、分子量が約350,000の糖タンパク質である。これは、ジスルフィド架橋によって連結された各部分が細胞外αサブユニットと膜貫通βサブユニットで構成されているヘテロ四量体受容体である。IGF-IRは、IGF1とIGF2に非常に高い親和性(Kd #1 nM)で結合し、100~1000分の1の親和性でインスリンに結合することができる。
【0005】
細胞質チロシンキナーゼタンパク質は、IGF-1Rの細胞外ドメインにリガンドが結合することによって活性化される。これらのキナーゼの活性化は、次に、IRS-1、IRS-2、SheおよびGrb10などのさまざまな細胞内基質の不活性化をもたらす。多数の下流エフェクターの活性化を介して、IRSタンパク質は細胞の成長と分化を誘導する多数の経路に関与している。さらに、アポトーシスに対する保護に主に関与する経路は、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(Pi3-キナーゼ)経路であるように思われる。
【0006】
発がんにおけるIGFシステムの役割は、過去10年間にわたって集中的な研究の対象となってきた。実際、IGF-IRの活性化が、多種多様な細胞において、独立した細胞の異常な増殖および腫瘍形成をもたらすことは十分に確立されている。したがって、IGF-IRは、多種多様な腫瘍および腫瘍株で発現される。
【0007】
このタイプのがんを治療するために、IGF1Rを標的とする治療法が開発されている。このように、IGF-1Rを標的とするADC(抗体薬物複合体)の使用により、腫瘍の成長を抑制し、さらには廃止することが可能になることが確立されている。そのようなADCは、特にWO2015162912に記載されており、特に、ADC-Aと呼ばれる以下に記載されているADCが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
過剰増殖性疾患の効果的な治療に対する深刻な必要性がある。したがって、腫瘍抵抗性の現象の発症を回避することを可能にするために、治療法の組み合わせを特定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、本発明は、ドセタキセルと組み合わせた抗IGF1R ADCの使用が腫瘍治療において相乗効果をもたらすことを明らかにした。また驚くべきことに、抗IGF1R ADCの使用により、ドセタキセル治療後に対して耐性となった腫瘍の治療が可能になることが明らかにされた。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】Aの後約150mm3のMCF-7腫瘍を有するマウスにおける日数の関数としての平均腫瘍体積(mm3)の進行。ドセタキセル9mg/kgで2週間に1回5サイクルの治療(3つの融合した曲線は、同時に同じように治療された5匹のマウスの3つのシリーズである)およびB。70日目にドセタキセルに対する耐性を示したマウスの治療:グループ1は2週間ごとにドセタキセル9mg/kg(丸)および;グループ2はADC-Aを3mg/kgの注射(三角形)による。
【発明を実施するための形態】
【0011】
したがって、本発明は、ADC-Aがドセタキセルと同時またはその後に投与されることを特徴とする、がんなどの増殖性疾患における使用のための抗IGF1R ADC(ADC-A)を目的とする。
【0012】
本発明はまた、ADC-Aがドセタキセルと同時またはその後に投与されることを特徴とする、がんなどの増殖性疾患の治療のための抗IGF1R ADC(ADC-A)の使用を目的とする。
【0013】
本発明はまた、ADC-Aが、ドセタキセルと同時に、または続いて、投与されることを特徴とする、がんなどの増殖性疾患の治療を目的とする薬剤の調製のための抗IGF1R ADC(ADC-A)の使用を目的とする。
【0014】
本発明はまた、ADC-Aがドセタキセルと同時に、または続いて、投与されることを特徴とする、それを必要とする患者への有効量の抗IGF1R ADC(ADC-A)およびドセタキセルの投与を含む、がんなどの増殖性疾患の治療方法を目的とする。
【0015】
ドセタキセル
本発明によれば、ドセタキセルは、下記式:
【化1】
で示される化合物、ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物、特にその三水和物を意味する。
【0016】
ドセタキセルは、商標タキソテール(Taxotere(登録商標))で販売されている。
【0017】
本発明において、「薬学的に許容される」とは、一般に安全で、毒性がなく、生物学的または他に望ましくないものではない、医薬化合物の調製に有用であり、獣医およびヒトの両方の医薬用途に許容されることを意味する。
【0018】
化合物の「薬学的に許容される塩または溶媒和物」は、本明細書に定義されるような、親化合物の所望の薬理学的活性を有する、薬学的に許容される塩または溶媒和物を意味する。
【0019】
薬学的に許容される塩として、特に以下のものが挙げられる:
(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの薬学的に許容される無機酸;またはギ酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプタン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2-ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、ジベンゾイル-L-酒石酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸、トリフルオロ酢酸などの薬学的に許容される有機酸と形成される薬学的に許容される酸付加塩、および
(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、たとえば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムなどの金属イオンによって置き換えられるか;またはジエタノールアミン、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどの薬学的に許容される有機塩基と配位するか;もしくは水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの薬学的に許容される無機塩基と配位するか、のいずれかの場合に形成される薬学的に許容される塩基付加塩。
【0020】
本発明による化合物の医薬用途のための許容可能な溶媒和物には、反応溶媒を用いた本発明による化合物の製造方法の最後のステップ中に形成されるものなどの標準的な溶媒和物が含まれる。水と形成される(一般に水和物と呼ばれる)か、またはエタノールと形成される溶媒和物を例として挙げることができる。たとえば、それは三水和物でありうる。
【0021】
ADC-A
ADC-Aは、下記式:
【化2】
[式中、Abは、配列番号1、2および3の配列の3つの重鎖相補性決定領域(CDR)および配列番号4、5および6の配列の3つの軽鎖CDRを含むことを特徴とする抗IGF1R抗体であり、nは1~12であり、特に、2または4に等しい]
で示される抗IGF1R ADCである。
【0022】
「抗体」、「ab」、「Ab」、「mAb」または「免疫グロブリン」という用語は、最も広い意味で互換的に使用され、モノクローナル抗体、修飾または組換え単離抗体(たとえば、完全または無傷のモノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、多価抗体または多重特異性抗体(たとえば、二重特異性抗体)、ならびに所望の生物学的活性、特にその抗原結合フラグメントを有するそれらの抗体フラグメントを含む。さらに詳しくは、それは、モノクローナル抗体またはおそらくその抗原結合フラグメントである。
【0023】
本発明による抗体の「抗原結合フラグメント」という用語は、標的(一般に抗原と呼ばれる)に結合する抗体の適性を保存している任意のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を示すことを意図する。
【0024】
本明細書で使用される「抗IGF-1R抗体」という表現は、IGF-1R、より具体的にはIGF-1R,好ましくはIGF-1Rの細胞外ドメイン,より好ましくはヒトIGF-1R(配列番号50)、さらにより好ましくはヒトIGF-1Rの細胞外ドメイン(配列番号51),さらにより好ましくは、ヒトIGF-1Rの細胞外ドメインのN末端部分(配列番号52)、またはその天然変異体配列のいずれか1つに位置するエピトープに結合することができる抗体を示す。
【0025】
本発明の特定の実施態様によれば、本発明による抗体は、配列番号1、2および3の配列、または配列番号1、2または3と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる3つの重鎖CDR;および配列番号4、5および6の配列、または配列番号4、5または6と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる3つの軽鎖CDRを含む。
本発明の開示において言及される同一性のパーセンテージは、比較される配列のグローバルアラインメント、すなわち、ニードルマンおよびブンシュ-1970のアルゴリズムなどの当業者に周知の任意のアルゴリズムを使用することにより、全長にわたって完全に解釈された配列のアラインメントに基づいて決定される。この配列の比較は、当業者によく知られている任意のソフトウェア、たとえば、10.0に等しい「ギャップオープン」パラメータ、0.5に等しい「ギャップ拡張」パラメータ、および「BLOSUM62」マトリックスを使用するニードルソフトウェアによって行うことができる。ニードルソフトウェアは、たとえば、ebi.ac.ukのワールドワイドウェブサイトで「Align」という名前で入手可能である。
【0026】
本発明による抗体が、参照配列と100%同一ではないが、そのような参照配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有するアミノ酸配列を有する場合、それは、参照配列に関して挿入、欠失または置換を有しうる。置換の問題である場合、置換が「等価の」アミノ酸、すなわち、構造が元のアミノ酸と類似しているため、抗体の生物活性を変化させる可能性が低いアミノ酸で行われるのが好ましい。このような置換の例を以下の表に示す:
【表1】
【0027】
下記の第1表は、好ましい抗体のためのCDR配列を示す:
第1表
【表2】
【0028】
特定の態様によれば、抗体は、マウスに対する異種の種、特にヒトの抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域も含むことを特徴とするマウス抗体である。
【0029】
本発明の特定の態様によれば、抗体は、マウスに対する異種の種、特にヒトの抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域も含むことを特徴とするキメラ抗体(c)である。
【0030】
キメラ抗体は、所与の種の抗体に由来する天然の可変領域(軽鎖および重鎖)を、前記所与の種と異種の種の抗体の軽鎖および重鎖定常領域と組み合わせて含む抗体である。
【0031】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDR、および配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
b)配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDR、および配列番号10、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
c)配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDR、および配列番号9、5および12の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;および
d)配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDR、および配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体
【0032】
本発明の好ましいが非限定的な1つの実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号13の配列の重鎖可変領域または配列番号13と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
b)配列番号14の配列の重鎖可変領域または配列番号14と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号10、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
c)配列番号15の配列の重鎖可変領域または配列番号15と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号9、5および12の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
d)配列番号16の配列の重鎖可変領域または配列番号16と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;および
e)配列番号17の配列の重鎖可変領域または配列番号17と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号9、5および12の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体。
【0033】
「配列番号13~17と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列」は、それぞれ、配列番号1、2および3の3つの重鎖CDRを有し、さらに、該CDR(すなわち、配列番号1、2および3)に対応する配列に加えて、配列番号13~17の完全配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を意味する。
【0034】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号13の配列の重鎖可変領域、および配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
b)配列番号14の配列の重鎖可変領域、および配列番号10、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
c)配列番号15の配列の重鎖可変領域、および配列番号9、5および12の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
d)配列番号16の配列の重鎖可変領域、および配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体;および
e)配列番号17の配列の重鎖可変領域、および配列番号9、5および12の配列の3つの軽鎖CDRを含む抗体。
【0035】
本発明の好ましいが非限定的な1つの実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号18の配列の軽鎖可変領域または配列番号18と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;
b)配列番号19の配列の軽鎖可変領域または配列番号19と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;
c)配列番号20の配列の軽鎖可変領域または配列番号20と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;
d)配列番号21の配列の軽鎖可変領域または配列番号21と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号8、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;および
e)配列番号22の配列の軽鎖可変領域または配列番号22と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体。
【0036】
「配列番号18~22と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列」は、それぞれ、配列番号4、5および6の3つの軽鎖CDRを有し、さらに、該CDR(すなわち、配列番号4、5および6)に対応する配列に加えて、配列番号18~22の完全配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を意味する。
【0037】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号18の配列の軽鎖可変領域、および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;
b)配列番号19の配列の軽鎖可変領域、および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;
c)配列番号20の配列の軽鎖可変領域、および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;
び3;
d)配列番号21の配列の軽鎖可変領域、および配列番号8、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体;および
e)配列番号22の配列の軽鎖可変領域、および配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRを含む抗体。
【0038】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、以下から選択される抗体である:
a)配列番号13の配列の重鎖可変領域または配列番号13と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号18の配列の軽鎖可変領域または配列番号18と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含む抗体;
b)配列番号14の配列の重鎖可変領域または配列番号14と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号19の配列の軽鎖可変領域または配列番号19と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含む抗体;
c)配列番号15の配列の重鎖可変領域または配列番号15と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号20の配列の軽鎖可変領域または配列番号20と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含む抗体;
d)配列番号16の配列の重鎖可変領域または配列番号16と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号21の配列の軽鎖可変領域または配列番号21と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含む抗体;および
e)配列番号17の配列の重鎖可変領域または配列番号17と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号22の配列の軽鎖可変領域または配列番号22と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含む抗体。
【0039】
本明細書に記載のキメラ抗体はまた、定常領域によって特徴付けることができ、より具体的には、前記キメラ抗体は、限定されないが、IgG1、IgG2、IgG3、IgM、IgA、IgDまたはIgEとして選択または設計されうる。より優先的には、本発明の文脈において、前記キメラ抗体は、IgG1またはIgG4である。
【0040】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、IgG1型における上記のような重鎖可変領域(VH)軽鎖可変領域(VL)を含むキメラ抗体である。より優先的には、前記キメラ抗体は、配列番号43の配列のVHの定常領域および配列番号45の配列のVLのカッパ領域を含む。
【0041】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、IgG4型における上記のようなVHおよびVL可変領域を含むキメラ抗体である。より優先的には、前記キメラ抗体は、配列番号44の配列のVHの定常領域および配列番号45の配列のVLのカッパ領域を含む。
【0042】
もう1つの好ましい非限定的な実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号23の配列の重鎖または配列番号23と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号28の配列の軽鎖または配列番号28と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
b)配列番号24の配列の重鎖または配列番号24と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号29の配列の軽鎖または配列番号29と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
c)配列番号25の配列の重鎖または配列番号25と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号30の配列の軽鎖または配列番号30と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
d)配列番号26の配列の重鎖または配列番号26と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号31の配列の軽鎖または配列番号31と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;および
e)配列番号27の配列の重鎖または配列番号27と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号32の配列の軽鎖または配列番号32と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体。
【0043】
さらに明確にするために、以下の第2表は、好ましいキメラ抗体について、それぞれ、VHおよびVL配列を示す。
第2表
【表3】
【0044】
本発明のもう1つの特定の態様によれば、抗体は、ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖の定常領域が、それぞれ、ラムダまたはカッパ領域およびガンマ-1、ガンマ-2またはガンマ-4領域であることを特徴とするヒト化抗体である。
【0045】
好ましい実施態様では、抗体は、以下を有する重鎖可変領域(VH)を含む:
i)それぞれ、配列番号7、2および3の配列のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3、および
ii)ヒト生殖細胞系IGHV1-46*01(配列番号46)に由来するFR1、FR2およびFR3、および
iii)ヒト生殖細胞系IGHJ4*01(配列番号48)に由来するFR4。
【0046】
好ましい実施態様では、抗体は、以下を有する軽鎖可変領域(VL)を含む:
i)それぞれ、配列番号9、5および11の配列のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3、および
ii)ヒト生殖細胞系IGKV1-39*01(配列番号47)に由来するFR1、FR2およびFR3、および
iii)ヒト生殖細胞系IGKJ4*01(配列番号49)に由来するFR4。
【0047】
本発明の好ましいが非限定的な実施態様では、抗体は、以下を含む:
a)それぞれ、配列番号7、2および3の配列のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を有する重鎖、およびヒト生殖細胞系IGHV1-46*01(配列番号46)に由来するFR1、FR2およびFR3、およびヒト生殖細胞系IGHJ4*01(配列番号48)に由来するFR4;ならびに
b)それぞれ、配列番号9、5および11の配列のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を有する軽鎖、およびヒト生殖細胞系IGKV1-39*01(配列番号47)に由来するFR1、FR2およびFR3、およびヒト生殖細胞系IGKJ4*01(配列番号49)に由来するFR4。
【0048】
1つの実施態様では、抗体は、配列番号33の配列の重鎖可変領域(VH)および配列番号35の配列の軽鎖可変領域(VL)を含む。以下、前記ヒト化抗体をhz208F2(「変異体1」または「Var. 1」)と呼ぶ。
【0049】
もう1つの実施態様では、抗体は、配列番号33の配列の重鎖可変領域(VH)を含み、該配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82および95から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含む。
【0050】
もう1つの実施態様では、抗体は、配列番号33の配列の重鎖可変領域(VH)を含み、該配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82および95から選択される2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個の復帰突然変異を含む。
【0051】
さらに明確にするために、以下の第3表は、好ましい復帰突然変異を示す。
第3表
【表4】
【表5】
【0052】
1つの実施態様では、抗体は、配列番号35の配列の軽鎖可変領域(VL)を含み、該配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77および87から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含む。
【0053】
1つの実施態様では、抗体は、配列番号35の配列の軽鎖可変領域(VL)を含み、該配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77および87から選択される2、3、4、5、6、7または8個の復帰突然変異を含む。
【0054】
もう1つの実施態様では、抗体は、以下を含む:
a)配列番号33の配列の重鎖可変領域(VH)であって、ここで、該配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82および95から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含む;および
b)配列番号35の配列の軽鎖可変領域(VL)であって、ここで、該配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77および87から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含む。
【0055】
さらに明確にするために、以下の第4表は、好ましい復帰突然変異を示す。
第4表
【表6】
【0056】
1つのこのような実施態様では、抗体は、すべての上述した復帰突然変異を含み、配列番号34の配列の重鎖可変領域(VH)および配列番号36の配列の軽鎖可変領域(VL)を含む抗体に対応する;以下、前記ヒト化抗体をhz208F2(「変異体3」または「Var. 3」)と呼ぶ。
【0057】
もう1つの実施態様では、変異体1と変異体3との間に含まれるすべてのヒト化形態もまた、本発明に包含される。言い換えると、抗体は、配列番号41のコンセンサス配列の重鎖可変領域(VH)および配列番号42のコンセンサス配列の軽鎖可変領域(VL)を含む抗体である。ヒト化抗体全体を、以下、hz208F2(「変異体2」または「Var. 2」)と呼ぶ。
【0058】
本発明の好ましいが非限定的な実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号33の配列の重鎖可変領域または配列番号33と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列、および配列番号9、5および11の3つの軽鎖CDRを含む抗体;および
b)配列番号34の配列の重鎖可変領域または配列番号34と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列、および配列番号9、5および11の3つの軽鎖CDRを含む抗体。
【0059】
「配列番号33または34と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列」は、それぞれ、配列番号1、2および3の3つの重鎖CDRを有し、さらに、該CDR(すなわち、配列番号1、2および3)に対応する配列に加えて、配列番号33または34の完全配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を意味する。
【0060】
本発明の1つの実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号33の配列の重鎖可変領域または配列番号33と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号9、5および11の3つの軽鎖CDRを含む抗体;および
b)配列番号34の配列の重鎖可変領域または配列番号34と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号9、5および11の3つの軽鎖CDRを含む抗体。
【0061】
本明細書の当該段落に、任意の配列または特定の配列の少なくとも80%を有する配列によって示されていない場合、前記配列は、参照配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有することを理解されたい。これらの配列に、CDR配列が含まれるかどうかにかかわらず、少なくともこれらのCDRを有する配列は、参照配列のCDRと同一でなければならず、80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性であり、これらのCDRに対応する配列の外側に位置する残りの配列について完全な配列を計算しなければならないことが理解される。
【0062】
好ましい実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号35の配列の軽鎖可変領域または配列番号35と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列、および配列番号7、2および3の3つの重鎖CDRを含む抗体;および
b)配列番号36の配列の軽鎖可変領域または配列番号36と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列、および配列番号7、2および3の3つの重鎖CDRを含む抗体。
【0063】
「配列番号35または36と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列」は、配列番号4、5および6の3つの軽鎖CDRを有し、さらに、該CDR(すなわち、配列番号4、5および6)に対応する配列に加えて、配列番号35または36の完全配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を意味する。
【0064】
本発明の1つの実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号35の配列の軽鎖可変領域または配列番号35と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号7、2および3の3つの重鎖CDRを含む抗体;および
b)配列番号36の配列の重鎖可変領域または配列番号36と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号7、2および3の3つの重鎖CDRを含む抗体。
【0065】
本明細書に記載のヒト化抗体はまた、定常領域によって特徴付けることができ、より具体的には、前記ヒト化抗体は、特に、IgG1、IgG2、IgG3、IgM、IgA、IgDまたはIgEから選択されうる。より優先的には、本発明の文脈において、前記ヒト化抗体は、IgG1またはIgG4である。
【0066】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、IgG1型における上記のようなVHおよびVL可変領域を含むヒト化抗体である。より優先的には、前記ヒト化抗体は、配列番号43の配列のVHの定常領域および配列番号45の配列のVLのカッパ領域を含む。
【0067】
本発明の1つの実施態様によれば、抗体は、IgG4型における上記のようなVHおよびVL可変領域を含むヒト化抗体である。より優先的には、前記ヒト化抗体は、配列番号44の配列のVHの定常領域および配列番号45の配列のVLのカッパ領域を含む。
【0068】
もう1つの実施態様によれば、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号37の配列の重鎖または配列番号37と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号39の配列の軽鎖または配列番号39と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;および
b)配列番号38の配列の重鎖または配列番号38と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号40の配列の軽鎖または配列番号40と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体。
【0069】
さらに明確にするために、以下の第5a表は、ヒト化抗体hz208F2の変異体1(Var. 1)および変異体3(Var. 3)のVHおよびVL配列の非限定的な例を示す。それは、変異体2(Var. 2)のコンセンサス配列も含む。
第5a表
【表7】
【0070】
もう1つの好ましい実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号56、62、64、66、68、70、72、74、76、78および54の配列から選択される重鎖配列の可変領域または配列番号56、62、64、66、68、70、72、74、76、78および54と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列、および配列番号9、5および11の3つの軽鎖CDRを含む抗体;
b)配列番号57または60の配列から選択される軽鎖配列の可変領域または配列番号57または60と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列、および配列番号7、2および3の3つの重鎖CDRを含む抗体;および
c)配列番号56、62、64、66、68、70、72、74、76、78および54の配列から選択される重鎖配列の可変領域または配列番号56、62、64、66、68、70、72、74、76、78および54と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列、および配列番号57または60から選択される軽鎖可変領域または配列番号57または60と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列を含む抗体。
【0071】
本発明のもう1つの実施態様によれば、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号56、62、64、66、68、70、72、74、76、78および54の配列の重鎖または配列番号56、62、64、66、68、70、72、74、76、78または54と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号57の軽鎖または配列番号57と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含む抗体;および
b)配列番号56、64、68および78の配列の重鎖または配列番号56、64、68および78と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号60の配列の軽鎖または配列番号60と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含む抗体。
【0072】
本発明のもう1つの実施態様によれば、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号58の配列の重鎖または配列番号58と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
b)配列番号58の配列の重鎖または配列番号58と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号61の配列の軽鎖または配列番号61と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
c)配列番号63の配列の重鎖または配列番号63と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
d)配列番号65の配列の重鎖または配列番号65と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
e)配列番号65の配列の重鎖または配列番号65と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号61の配列の軽鎖または配列番号61と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
f)配列番号67の配列の重鎖または配列番号67と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
g)配列番号69の配列の重鎖または配列番号69と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
h)配列番号69の配列の重鎖または配列番号69と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号61の配列の軽鎖または配列番号61と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
i)配列番号71の配列の重鎖または配列番号71と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
j)配列番号73の配列の重鎖または配列番号73と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
k)配列番号75の配列の重鎖または配列番号75と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
l)配列番号77の配列の重鎖または配列番号77と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
m)配列番号53の配列の重鎖または配列番号53と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;
n)配列番号53の配列の重鎖または配列番号53と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号61の配列の軽鎖または配列番号61と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体;および
o)配列番号55の配列の重鎖または配列番号55と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列、および配列番号59の配列の軽鎖または配列番号59と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列を含むか、またはからなる抗体。
【0073】
言い換えれば、抗体は、以下を含む抗体でありうる:
a)配列番号58、63、65、67、69、71、73、75、77、53および55から選択される配列の重鎖または配列番号58、63、65、67、69、71、73、75、77、53および55と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列;および
b)配列番号59および61から選択される配列の軽鎖または配列番号59および61と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列。
【0074】
本発明の1つの実施態様では、抗体は、以下から選択される:
a)配列番号58、63、65、67、69、71、73、75、77、53および55から選択される配列の重鎖または配列番号58、63、65、67、69、71、73、75、77、53または55と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列;および
b)配列番号59および61から選択される配列の軽鎖または配列番号59または61と少なくとも80%の同一性を有する任意の配列。
【0075】
さらに明確にするために、以下の第5b表は、ヒト化抗体hz208F2のさまざまな変異体について、VHおよびVL配列(可変領域および完全長)の非限定的な例を示す。
第5b表
【表8】
【表9】
【0076】
本発明のもう1つの態様によれば、抗体は、それぞれ、2013年5月30日、2013年6月26日、2013年6月26日、24 April 2013年4月24日および2013年6月26日に、インスティチュート・パスツール・フランスのCNCMに提出されたハイブリドーマI-4757、I-4773、I-4775、I-4736またはI-4774によって産生された抗体である。
【0077】
抗体は、より具体的には、208F2抗体(たとえば、キメラまたはヒト化、特にキメラ)であり、より具体的には、モノクローナル抗体(IgG1)であるc208F2抗体である。この抗体は、特にWO2015162291に記載されており、それぞれ配列番号9、5および11の3つの軽鎖CDR、およびそれぞれ配列番号7、2および3の3つの重鎖CDRを含むことを特徴とする。抗体はまた、配列番号18の配列の軽鎖可変領域および配列番号13の配列の重鎖可変領域を含むことを特徴とする。抗体は最終的に、配列番号28の配列の軽鎖および配列番号23の配列の重鎖可変領域を含むことを特徴とする。
【0078】
抗体c208F2およびADC-Aは、抗体およびADCを得るための当業者に知られている任意の方法によって得ることができる。それらは、特に、WO2015162291に記載の方法によって得られる(ADC-Aが、WO2015162291においてc208F2-G-13と呼ばれるADCであるのが好ましい)。
【0079】
治療
本発明によれば、「耐性」は、患者がもはや治療に反応しないこと、すなわち、がんが、再び進行を開始しているか、または安定していることを意味する。
【0080】
本発明によれば、「治療」は、特に、全生存期間の増加および/または無増悪生存期間の増加および/または悪化を伴わない生存の増加および/または再発の減少および/または腫瘍のサイズの減少を意味する。
【0081】
これらの腫瘍反応基準(耐性および治療)の評価は当業者によく知られており、特にRECIST基準によって測定することができる(Eisenhauer et al. Eur J Cancer、45 (2009): 228-247またはその改訂)。
【0082】
増殖性疾患は、より具体的にはがん、特にドセタキセルに対する耐性のあるがんである可能性がある。
【0083】
本発明によるがんは、特に乳がん、結腸がん、黒色腫、非小細胞肺がんを含む肺がん、胃がん、上部気道消化管がん、食道がん、結腸直腸がん、胃がん、神経膠腫、食道がん、卵巣がん、前立腺がん、腎がん、甲状腺がん、子宮がん、口腔扁平上皮がんおよび中皮腫から選択することができる。
【0084】
特定の実施態様では、本発明に従って治療されるがんは、通常ドセタキセルで治療されるがん、特に胃がん、前立腺がん、肺がん(非小細胞がんを含む)、乳がんおよび上部気道消化管がんである。
【0085】
特定の実施態様では、本発明に従って治療されるがんは、IGF-1Rタンパク質の全部または一部を発現または過剰発現する腫瘍細胞を含むがんである。IGF-1Rを発現するがんは、最初にIGF-1Rを発現するがん、または最初にIGF-1Rを発現しなかったが、ドセタキセルに対する耐性などの最初の(またはその後の)治療に対して耐性になった後にそれを発現し始めたがんでありうる。
【0086】
1つの実施態様では、ADC-Aは、ドセタキセルに対する耐性の開始後に投与されうる。したがって、ADC-Aは、単独で、ドセタキセルに続くか、またはドセタキセルおよび/または別の化学療法と併用して投与されうる。ADC-Aによる治療の開始は、特に耐性の発生が観察された直後、または耐性の発生が観察されてから1、2、3、4、5、6、7、あるいは8週間以上後、特に、耐性の発生が観察されてから16週間より前に開始されうる。
【0087】
もう1つの実施態様では、ADC-Aは、ドセタキセルに対する耐性が発現する前に、ドセタキセルと同時に投与されうる。次に、ADC-Aによる治療は、ドセタキセル治療と同時に、またはドセタキセル治療の後であるが、ドセタキセルに対する耐性の開始前に開始されうる。
【0088】
「併用」とは、製品が患者の体内に同時に存在するように投与されることを意味する。製品は、同時に、または続いて、投与されうる。
【0089】
「続いて」とは、第1の製品による治療の開始が第2の製品による治療に続くことを意味し、たとえば、ADC-Aによる治療がドセタキセルによる治療に続くことを意味する。したがって、2つの製品が患者の体内に同時に存在することはない。
【0090】
ドセタキセルの投与計画は、重症度、患者の状態および治療するがんの種類によって異なる。それはまた、患者が受けた以前のまたは付随する治療に応じて変化しうる。一般に、ドセタキセルは、体表面積(BSA)の50mg/m2~125mg/m2の間、特に75mg/m2~100mg/m2の間で構成される用量で、1~4週間ごとに、特に3週間ごとに投与される。
【0091】
治療サイクル数(すなわち、治療の投与の発生回数および2回の投与間の時間)は、患者の反応およびドセタキセルに対する耐性の開始に依存する。これは、特に3~12サイクル以上で構成されうる。
【0092】
ADC-Aの投与計画は、重症度、患者の状態および治療する癌の種類によって異なる。それはまた、患者が受けた以前のまたは付随する治療に応じて変化しうる。一般に、ADC-Aは、治療患者の体重kg当たり0.5~3mg、特に、療患者の体重kg当たり0.9~2.5mgから構成される用量で、1~4週間ごとに、特に3週間ごとに投与される。
【0093】
ADC-Aによる治療サイクルの数は、特に患者の反応によって異なる。それは、腫瘍の進行の再開またはその寛解まで、特に1~18サイクルまたはそれ以上で構成されうる。
【0094】
本発明による治療は、ドセタキセルおよび/またはADC-Aの前に、または同時に、他のがん治療と組み合わせることができる。特に、がん治療は、ドキソルビシン、シクロホスファミド、カペシタビン、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、トラスツズマブ、5-フルオロウラシル、アントラサイクリン、ビノレルビン、ビニメチニブ、エンコラフェニブおよびネラチニブからなる群から選択される薬物分子による治療である。本発明による治療はまた、コルチコステロイド、特に、デキサメタゾンまたはプレドニゾンなどの他のタイプの薬剤と組み合わせることができる。
【0095】
本発明はまた、ADC-Aおよび本発明によるその使用のための少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。特に、ADC-Aは、静脈内注射できるように製剤される。
【実施例
【0096】
材料および方法
細胞:MCF-7細胞はATTC(マナッサス)から得られる。細胞は、供給元の推奨に従って、標準的な細胞培養培地中、CO25%、湿度90%および37℃のインキュベーターに保管される。
【0097】
抗体の生成:抗体208F2は、WO2015162291に記載されているように生成される。簡単に説明すると、抗IGF-1R抗体であるヒト化c208F2(hz208F2(4))は、ハイブリドーマ技術を使用して生成される。Balb/cマウスを、フロイントアジュバントの存在下で組換えヒトIGF-1Rタンパク質(rhIGF-1R)(R&D Systems)で免疫する。マウスを骨髄腫SP2/0融合パートナーと融合させる。限界希釈によるクローニング後、MCF-7細胞への抗体の結合および内在化を確認し、アイソタイプを決定する。結合特異性を、rhIGF-1R、組換えヒトインスリン受容体(rhIR)およびマウスIGF-1R(mIGF-1R)(R&D Systems)でのELISAによって検証する。次に、抗体m208F2を、相補性決定領域(CDR)を移植することによってヒト化し、完全な薬理学的特性評価のためにチャイニーズハムスター卵巣細胞中で発現させる。
【0098】
ADC-Aの製造および特性評価:ADC-Aを、出願 WO2015162291に記載されているように製造する(ADC-Aは、WO2015162291ではc208F2-G-13と呼ばれるADCである)。mAb 208F2(hz208F2-4)のわずかな還元およびリンカーペイロードカップリングは、前述のように実行される(Sun et al. Bioconjug. Chem 2005;16:1282-90、Wagner-Rousset et al. mAbs 2014;6:173-84)。簡単に言えば、4のDARを標的とするために、hz208F2-4を2.5モル当量のトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)で還元した。次に、還元された抗体を7モル当量のリンカーペイロード(G-13)で処理した。複合後、ADC-Aを5mg/mLに濃縮する(25mMのヒスチジン、pH 6.5、150mM NaClおよび6%スクロース中の緩衝液中)。次に、Tween 80を添加して、0.005%(v/v)の最終濃度を得た。最後に、生成物をステリカップフィルター(GP Express PLUS Membrane、0.22μm、ポリエーテルスルホン、Millipore)でろ過し、4℃で保存する。
【0099】
インビボ活性の決定:乳がんモデルで生体内活性をテストする:7週齢の雌のヌードマウス(Charles River Laboratories、n=15)に、0.72mgの17β-エストラジオールを60日間放出する顆粒(Innovative Research of America)を皮下移植してから1日後に5×106個のMCF-7細胞を皮下移植した。
【0100】
マウスを無作為化し、腫瘍が約150mm3のサイズに達したときに治療を開始する。腫瘍体積(長さ×幅×高さ×0.52)を少なくとも週に2回測定し、治療反応は、固形腫瘍反応基準(RECIST)を使用して定義される。
【0101】
MCF-7腫瘍を有するマウスに、ドセタキセル9mg/kgを週2回合計5回注射で静脈内注射する。腫瘍がドセタキセルに対して耐性を持つようになるとき、マウスを5匹の動物からなる2つのグループに分ける:グループ1は、2週間ごとに9mg/kgのドセタキセルを受け、グループ2は、3mg/kgのADC-Aの単回注射を受ける。
【0102】
退縮値のパーセンテージは、次の式を使用して計算される:
退縮%= 100×ΔT/Tinitial
ここで、T=治療群の腫瘍体積、ΔT=試験日の治療群の腫瘍体積から投与初日の治療群の腫瘍体積を引いたもの、およびTinitial=投与初日の治療群の腫瘍体積。腫瘍のサイズが20%を超えて増加すると、疾患は進行していると見なされる。部分退縮(PR)は、腫瘍サイズの30%を超える縮小として定義される。腫瘍増殖がないこと、または腫瘍サイズのわずかな減少(<30%)、または腫瘍サイズのわずかな増加(<20%)は、病状安定(SD)として定義され、触知可能な腫瘍塊の不在は、完全退縮(CR)として定義される。
【0103】
結果
乳がんにおけるADC-Aの治療可能性を評価するために、ADC-A投与の効果を、ドセタキセル耐性の発症後にMCF-7細胞を移植したマウスモデルで研究した。70日後、腫瘍はドセタキセルに対して耐性になり、再発した(図1)。ドセタキセル耐性腫瘍を有するマウスに3mg/kgのADC-Aを単回投与すると、腫瘍増殖の強力かつ有意な阻害が誘導される(p<0.05)(図1)。CRは、1匹のマウスで観察され、PRは、5匹中3匹のマウスで観察された。ADC-Aとドセタキセルは、相乗効果を発揮する。ADC-Aは、ドセタキセル耐性腫瘍の治療のために、単独またはドセタキセルとの併用で優れた治療法であると結論付けることができる。使用されるペイロードがタキサン、したがってドセタキセルと同様の作用機序(チューブリンに対する作用)を有していることを考慮すると、これはさらに驚くべきことである。
図1
【配列表】
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【国際調査報告】