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▶ ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】プロドラッグ化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20220708BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20220708BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20220708BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220708BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20220708BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220708BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220708BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220708BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220708BHJP
   C07F 9/09 20060101ALI20220708BHJP
   C07F 9/24 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
C07D471/04 101
A61K31/4545
A61K31/661
A61P43/00 123
A61P37/06
A61P29/00
A61P17/00
A61P25/00
A61P19/02
A61P29/00 101
C07F9/09 K CSP
C07F9/09 U
C07F9/24 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566189
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(85)【翻訳文提出日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 US2020031558
(87)【国際公開番号】W WO2020227337
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/844,439
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.Span
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】ディックマン,アラリック ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アンダッパン ムルガイア スッバイア,ムルガイア
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C065AA03
4C065BB03
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH02
4C065HH05
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP10
4C065PP12
4C065PP13
4C065PP18
4C065QQ01
4C065QQ04
4C086AA01
4C086AA03
4C086CB05
4C086DA38
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086NA15
4C086ZA01
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZC54
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB22
(57)【要約】
式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV):

[式中、R、R、R、およびRは本明細書において定義される。]
で示される化合物、またはその塩が開示される。トール様受容体7、または8、または9を介したシグナル伝達の阻害剤のプロドラッグとしての化合物の使用方法、およびそのような化合物を含む医薬組成物もまた開示される。これらのプロドラッグ化合物は、炎症性および自己免疫疾患の治療において有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV):
【化1】

[式中、
は、-CHOH、-C(O)O(C1-4アルキル)、-C(O)CHNR、-C(O)(CH1-3OP(O)(OH)、-C(O)CHNRC(O)OCHOP(O)(OH)、-C(O)OCH(ピロリジニル)、-C(O)OCH(ピペリジニル)、-C(O)OCHROC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCH(CH)OC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCHOP(O)(OH)、-P(O)(OH)、-SCHCH(NH)C(O)OH、
【化2】

であり;
およびRは独立して、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)NRCHCHNR、-CHOC(O)NRCHCHOP(O)(OH)、または
【化3】

であり;
は-P(O)(OH)であり;
はそれぞれ独立して、水素または-CHである。]
で示される化合物、またはその塩。
【請求項2】
が、-CHOH、-C(O)CHNH(CH)、-C(O)CHCHCHOP(O)(OH)、-C(O)CHN(CH)C(O)OCHOP(O)(OH)、-C(O)OCHCH、-C(O)OCH(ピロリジニル)、-C(O)OCH(ピペリジニル)、-C(O)OCHOC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCH(CH)OC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCHOP(O)(OH)、-P(O)(OH)、-SCHCH(NH)C(O)OH、
【化4】
であり;
が、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHNH(CH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)
【化5】

であり;
が、-CHP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)、または
【化6】

であり;
が-P(O)(OH)である、
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
式(I)の構造で示される、請求項1または2に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
式(II)の構造で示される、請求項1~2のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
式(III)の構造で示される、請求項1~2のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
式(IV)の構造で示される、請求項1~2のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
【請求項7】
前記化合物が:(S)-ピペリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(1);(S)-(1-(((ホスホノオキシ)メトキシ)カルボニル)ピペリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(2);(S)-ピロリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(3);(S)-(1-(((ホスホノオキシ)メトキシ)カルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(4);2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a] ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1-(メチルグリシル)-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド ジトリフルオロアセテート(5);1-((1-アミノシクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート ジトリフルオロアセテート(6-7);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-((ホスホノオキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(8);6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-((ホスホノオキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(9);4-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a] ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-4-オキソブチル 二水素 ホスフェート(10);S-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-L-システイン(11);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム ジトリフルオロアセテート(12);6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-(((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリトリフルオロアセテート(13);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(1-((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)エチル)ピペリジン-1-イウム ジトリフルオロアセテート(14);((1-アミノシクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート トリフルオロアセテート(15);(ホスホノオキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(16);5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホン酸(17);(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホネート(18);(ホスホノオキシ)メチル (2-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート(19);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(2-(ホスホノオキシ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(20);6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-(((メチル(2-(ホスホノオキシ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(21);((3-メトキシ-4-(ホスホノオキシ)ベンゾイル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(22);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(2-(メチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(23);エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(24);または2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(ヒドロキシメチル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(25)である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩;および薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項9】
自己免疫疾患または慢性炎症性疾患の治療において、治療に用いるための、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
前記自己免疫疾患または慢性炎症性疾患が、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性関節炎、多発性硬化症(MS)、およびシェーグレン症候群から選択される、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、米国仮特許出願第62/844,439号(2019年5月7日出願)の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は一般に、トール様受容体7、8、または9(TLR7、TLR8、TLR9)またはそれらの組み合わせを介したシグナル伝達の阻害剤のプロドラッグとして有用な、置換インドール化合物に関する。本明細書において、プロドラッグ化合物、当該化合物を含む組成物、およびその使用方法が提供される。本発明はさらに、炎症性および自己免疫疾患などのTLR調節に関連する病状の治療に有用な、本発明に記載される少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物、および哺乳動物におけるTLR活性を阻害する方法に関する。
【0003】
Toll/IL-1受容体ファミリーのメンバーは、炎症および宿主抵抗性の重要な調節因子である。トール様受容体ファミリーは、細菌、真菌、寄生虫、およびウイルスなどの感染性生物に由来する分子パターンを認識する(Kawai, T. et al., Nature Immunol., 11:373-384 (2010))。受容体に結合するリガンドは二量化、およびTLR3を除いて、Toll/IL-1受容体(TIR)ドメインと呼ばれる受容体中の保存された細胞質モチーフへのアダプター分子の動員を誘導し、全てのTLRはアダプター分子MyD88を動員する。IL-1受容体ファミリーはまた、細胞質TIRモチーフを含み、リガンド結合に応じてMyD88を動員する(Sims, J.E. et al., Nature Rev. Immunol., 10:89-102 (2010)において総括される)。
【0004】
トール様受容体(TLR)は、一次防御に関与する、進化的に保存された膜貫通型自然免疫受容体のファミリーである。パターン認識受容体として、TLRは外来分子に対して保護し、病原体関連分子パターン(PAMP)によって活性化され、または損傷組織から、損傷関連分子パターン(DAMP)によって活性化される。細胞表面またはエンドソーム区画のいずれかに及ぶ、合計13個のTLRファミリーメンバーは、ヒトにおいて10個特定されている。TLR7-9は、エンドソームに位置し、一本鎖RNA(TLR7およびTLR8)またはシトシン-リン酸-グアニン(CpG)モチーフ(TLR9)を含む非メチル化一本鎖DNAに応答するセットの1つである。
【0005】
TLR7/8/9の活性化は、様々な炎症反応(サイトカイン産生、B細胞活性化、およびIgG産生、I型インターフェロン応答)を開始する可能性がある。自己免疫疾患の場合、TLR7/8/9の異常な持続的活性化は、疾患状態の悪化につながる。マウスにおけるTLR7の過剰発現は、自己免疫疾患を悪化させることが示されていますが、マウスにおいてTLR7をノックアウトすることによって、狼瘡になりやすいMRL/lprマウスにおいて疾患を予防することが分かった。TLR7および9の二重欠損はさらに、保護を向上させることが示された。
【0006】
サイトカイン、IFN産生、およびB細胞活性の調節を含む治療によって、多くの病状が利益を受けうるので、TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9を調節することができる化合物、およびそれらの化合物の使用方法は、多種多様な患者に実質的な治療上の利益を提供しうることは、即座に明らかである。
【0007】
米国特許第10,071,079 B2号は、狼瘡などの炎症性および自己免疫疾患の治療に有用な、置換インドール化合物を開示する。この特許は、式(A):
【化1】

の構造を有する、化合物、2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミドを実施例15として開示する。この化合物は、TLR7および/またはTLR8の阻害剤としての活性を有しているため、炎症性および自己免疫疾患の治療に有用である。化合物の製造方法および使用方法はまた、米国特許第10,071,079 B2号において開示される。この特許は、現在の譲渡人に譲渡され、その全体が引用によって本明細書に援用される。
【0008】
しかしながら、経口製剤の有用性には、活性剤が生物学的に利用可能であること、およびバイオアベイラビリティの程度が大きく変化しないことが必要である。経口投与薬物のバイオアベイラビリティはしばしば、例えば、消化管における薬物の溶解度、消化管における薬物の安定性、および消化管における薬物の吸収などの様々な因子に影響される。さらに、これらの因子は、他の薬物の共投与および/または食事の摂取に影響される可能性があり、経口投与薬物のバイオアベイラビリティの変動をもたらしうる。
【0009】
化合物Aの水溶性は、水性媒体のpHに依存する。化合物Aは、pH4またはpH6よりも、pH1においてより高い溶解度を有する。化合物Aの経口投与において、溶解度、すなわち化合物Aのバイオアベイラビリティは、胃内容物のpHによって影響されうる。C.J. Perigard, Clinical Analysis, Chapter 32, in Remington: The Science and Practice of Pharmacy 20th Edition, A.R. Gennaro, editor; 2000, Lippinocott Williams & Wilkins, Baltimore, MDによると、胃の正常なpHは1.2から1.8である。しかしながら、患者はしばしば、化合物Aによる炎症性および自己免疫疾患の治療に関連する、または関連しない病状を治療するための他の薬物療法を受けている。例えば、制酸剤またはプロトンポンプ阻害剤などの薬物療法は、胃のpHを上昇させうる。
【0010】
理解されうる通り、患者への化合物Aの改善された送達の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0011】
出願人は、化合物Aのプロドラッグが、患者への化合物Aの送達に有用であることを発見した。プロドラッグは、pH4および/またはpH6.5において、化合物Aよりも高い溶解度を有することが発見された。より広い範囲のpHにわたって溶解度を改善することによって、本発明の化合物は、患者の胃酸レベルにおける溶解度の変動が少なくなるであろう。胃のpHの変動は、他の薬物療法または摂取した食物が原因で生じうる。プロドラッグの吸収は、胃および消化管の他の部分のpHの変動を受けにくく、したがって、胃のpHとは独立して、より均一に吸収されることが期待される。
【0012】
本発明は、TLR7および/またはTLR8の阻害剤として有用である、2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミドのプロドラッグ化合物、プロドラッグ化合物の塩などを提供することによって、前記の必要性を満たす。
【0013】
本発明は、トール様受容体7、8、または9を介したシグナル伝達の阻害剤として有用であり、増殖性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、および炎症性疾患の治療に有用な、式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)のプロドラッグ化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物を提供する。
【0014】
本発明はまた、薬学的に許容可能な担体、および少なくとも1つの本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0015】
本発明はまた、そのような治療を必要とする宿主に、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物を投与することを含む、トール様受容体7、8、または9の阻害方法を提供する。
【0016】
本発明はまた、治療が必要な宿主に、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物を投与することを含む、増殖性疾患、代謝性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患、および炎症性疾患を治療する方法を提供する。
【0017】
本発明はまた、トール様受容体7、8、または9の活性に関連する疾患または障害を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物、またはその薬学的に可能な塩もしくは溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0018】
本発明はまた、式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物、その塩および溶媒和物などを製造するための方法および中間体を提供する。
【0019】
本発明はまた、治療に使用するための、式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物、または薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の少なくとも1つを提供する。
【0020】
本発明はまた、トール様受容体7、8、または9に関連するアレルギー性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、および増殖性疾患などの病状の治療、予防のための医薬の製造のための、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)で示される化合物、またはその薬学的に可能な塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0021】
少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物、並びに式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を含む組成物は、様々なトール様受容体7、8、または9に関連する症状を治療、予防、または治癒するために使用されうる。これらの化合物を含む医薬組成物は、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、および増殖性疾患など、様々な治療分野における疾患または障害の治癒、予防、または進行の抑制に有用である。
【0022】
本発明のこれらの特徴および他の特徴は、本開示が続くにつれて拡大して記載される。
【0023】
詳細な説明
本発明の第一の局面は、式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV):
【化2】

[式中、
は、-CHOH、-C(O)O(C1-4アルキル)、-C(O)CHNR、-C(O)(CH1-3OP(O)(OH)、-C(O)CHNRC(O)OCHOP(O)(OH)、-C(O)OCH(ピロリジニル)、-C(O)OCH(ピペリジニル)、-C(O)OCHROC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCH(CH)OC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCHOP(O)(OH)、-P(O)(OH)、-SCHCH(NH)C(O)OH、
【化3】

であり;
およびRは独立して、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)NRCHCHNR、-CHOC(O)NRCHCHOP(O)(OH)、または
【化4】

であり;
は-P(O)(OH)であり;
はそれぞれ独立して、水素または-CHである。]
で示される少なくとも1つの化合物、またはその塩を提供する。
【0024】
ある実施態様は、
が、-CHOH、-C(O)CHNH(CH)、-C(O)CHCHCHOP(O)(OH)、-C(O)CHN(CH)C(O)OCHOP(O)(OH)、-C(O)OCHCH、-C(O)OCH(ピロリジニル)、-C(O)OCH(ピペリジニル)、-C(O)OCHOC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCH(CH)OC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCHOP(O)(OH)、-P(O)(OH)、-SCHCH(NH)C(O)OH、
【化5】

であり;
が、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHNH(CH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)
【化6】

であり;
が、-CHP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)、または
【化7】

であり;
が、-P(O)(OH)である、
少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)で示される化合物、またはその塩を提供する。
【0025】
ある実施態様は、
が、-CHOH、-C(O)O(C1-4アルキル)、-C(O)CHNR、-C(O)(CH1-3OP(O)(OH)、-C(O)CHNRC(O)OCHOP(O)(OH)、-C(O)OCH(ピロリジニル)、-C(O)OCH(ピペリジニル)、-C(O)OCHROC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCH(CH)OC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCHOP(O)(OH)、-P(O)(OH)、-SCHCH(NH)C(O)OH、
【化8】

であり;
はそれぞれ独立して、水素または-CHである、
式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。この実施態様には、Rが、-CHOH、-C(O)CHNH(CH)、-C(O)CHCHCHOP(O)(OH)、-C(O)CHN(CH)C(O)OCHOP(O)(OH)、-C(O)OCHCH、-C(O)OCH(ピロリジニル)、-C(O)OCH(ピペリジニル)、-C(O)OCHOC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCH(CH)OC(O)(アミノシクロプロピル)、-C(O)OCHOP(O)(OH)、-P(O)(OH)、-SCHCH(NH)C(O)OH、
【化9】

である化合物が含まれる。
【0026】
ある実施態様において、
およびRが独立して、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)NRCHCHNR、-CHOC(O)NRCHCHOP(O)(OH)、または
【化10】

であり;
はそれぞれ独立して、水素または-CHである、
少なくとも1つの式(II)および式(III)の化合物またはその塩を提供する。この実施態様には、
が、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHNH(CH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)
【化11】

であり;
が、-CHP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)、または
【化12】

である、化合物が含まれる。
【0027】
ある実施態様は、
が、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)NRCHCHNR、-CHOC(O)NRCHCHOP(O)(OH)、または
【化13】

であり;
はそれぞれ独立して、水素または-CHである、
式(II)の化合物、またはその塩を提供する。この実施態様には、Rが、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHNH(CH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)
【化14】

である、化合物が含まれる。
【0028】
ある実施態様は、
が、-CHOP(O)(OH)、-CHOC(O)NRCHCHNR、-CHOC(O)NRCHCHOP(O)(OH)、または
【化15】

であり;
はそれぞれ独立して、水素または-CHである、
式(III)の化合物またはその塩を提供する。この実施態様には、Rが、-CHP(O)(OH)、-CHOC(O)N(CH)CHCHOP(O)(OH)、または
【化16】

である、化合物が含まれる。
【0029】
ある実施態様は、Rが-P(O)(OH)である、式(IV)の化合物またはその塩を提供する。
【0030】
ある実施態様は、前記化合物が、
(S)-ピペリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(1);(S)-(1-(((ホスホノオキシ)メトキシ)カルボニル)ピペリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(2);(S)-ピロリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(3);(S)-(1-(((ホスホノオキシ)メトキシ)カルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(4);2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1-(メチルグリシル)-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド ジトリフルオロアセテート(5);1-((1-アミノシクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート ジトリフルオロアセテート(6-7);4-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-4-オキソブチル 二水素 リン酸塩(10);S-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-L-システイン(11);((1-アミノシクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート トリフルオロアセテート(15);(ホスホノオキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(16);(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホネート(18);(ホスホノオキシ)メチル (2-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート(19);((3-メトキシ-4-(ホスホノオキシ)ベンゾイル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(22);エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(24);または2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(ヒドロキシメチル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(25)
である、式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0031】
ある実施態様は、前記化合物が、
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-((ホスホノオキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(8);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム ジトリフルオロアセテート(12);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(1-((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)エチル)ピペリジン-1-イウム ジトリフルオロアセテート(14);1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(2-(ホスホノオキシ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(20);または1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(2-(メチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(23)
である、式(II)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0032】
ある実施態様は、前記化合物が、
6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-((ホスホノオキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(9);6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-(((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリトリフルオロアセテート(13);または6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-(((メチル(2-(ホスホノオキシ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(21)
である、式(III)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0033】
ある実施態様は、前記化合物が、
5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホン酸(17)
である、式(IV)の化合物またはその塩を提供する。
【0034】
本発明は、その精神または本質的な性質から逸脱することなく、他の具体的な形態において実現化されうる。本発明は、本明細書において記載される本発明の局面および/または実施態様のすべての組み合わせを含む。本発明の任意のおよび全ての実施態様は、さらなる実施態様を記載するために、任意の他の実施態様の組み合わせで解釈されうることを理解する。実施態様のそれぞれの個々の要素は、さらなる実施態様を説明するために、任意の実施態様からの任意のおよび他の全ての要素と組み合わせることが意図されていることもまた理解されたい。
【0035】
定義
本発明の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むことにより、当業者にさらに容易に理解されうる。明確性のために、上記および下記の個別の実施態様の文脈において記載される本発明のいくつかの特徴はまた、単一の実施態様を形成するために組み合わされうることが理解されるべきである。逆に、簡潔性のために、単一の実施態様の文脈において記載される本発明の様々な特徴もまた、それらのサブコンビネーションを形成するように組み合わされうる。本発明で例示的または好ましいと特定された実施態様は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。
【0036】
明細書で特に明記しない限り、単数形において行われる言及は、複数形もまた含みうる。例えば、「a」および「an」は、1つまたは1つ以上をいう場合がある。
【0037】
本明細書で用いられる語句「化合物」は、少なくとも1つの化合物をいう。例えば、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物としては、式(II)の化合物が挙げられる。別の例において、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物としては、式(I)の化合物および式(II)の化合物が挙げられる。
【0038】
特に明記しない限り、原子価が満たされていない任意のヘテロ原子は、価数を満たすのに十分な水素原子を有するとみなされる。
【0039】
本明細書に記載される定義は、参照によって本明細書に組み込まれる任意の特許、特許出願、および/または特許出願公報に記載される定義よりも優先される。
【0040】
以下に列挙されているのは、本発明を説明するために使用される様々な用語の定義である。これらの定義は、個別に、またはより大きなグループの一部としてのいずれかで、(特定の例において特に制限されていない限り)明細書全体にわたって使用される用語に適用される。
【0041】
明細書を通して、その基および置換基は、安定な部位および化合物を提供するために、当業者によって選択されうる。
【0042】
当技術分野において用いられる慣習に従って、
【化17】

は、コアまたは骨格構造への基または置換基の結合点である結合を表すために、本明細書において構造式で用いられる。
【0043】
本明細書で用いられる用語「アルキル」は、例えば、1~12個の炭素原子、1~6個の炭素原子、および1~4個の炭素原子を含む、分岐鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方をいう。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびi-プロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチル)、およびペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-メチルペンチル、および4-メチルペンチルが挙げられる。記号「C」の後の下付き文字において数字が存在する場合、当該下付き文字は、特定のグループに含まれ得る炭素原子の数をより具体的に特定することにより定義する。例えば、「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル基を意味する。
【0044】
語句「薬学的に許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織に接触させて用いるのに適切な、過剰な毒性、刺激、アレルギー性応答、または他の問題もしくは合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合った、これらの化合物、原料、組成物、および/または剤形をいうために、本明細書において用いられる。
【0045】
式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物は、本発明の範囲内でもある塩を形成することができる。特に言及されない限り、本発明の化合物への言及は、その1つ以上の塩についての言及を含むものと理解される。用語「塩」は、無機および/または有機酸および塩基によって形成された酸性および/または塩基性塩を意味する。さらに、用語「塩」には、例えば、式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物が、アミンまたはピリジンまたはイミダゾール環などの塩基性基と、カルボン酸などの酸性基の両方を含む場合に、双性イオン(内部塩)が含まれる。例えば、カチオンが塩の毒性または生物学的活性に大きく寄与しない、許容可能な金属およびアミン塩などの、薬学的に許容可能な(すなわち、非毒性で生理学的に許容可能な)塩が好ましい。しかしながら、他の塩は、例えば、合成において用いられうる単離または精製ステップにおいて有用である場合があり、そのため本発明の範囲内であると考えられる。式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物の塩は、例えば、式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物を、当量などの酸または塩基の分量と反応させることによって、塩が沈殿する溶媒、または水性溶媒などの溶媒において、その後の凍結乾燥によって、形成されうる。
【0046】
酸付加塩の例としては、酢酸塩(酢酸またはトリハロ酢酸、例えば、トリフルオロ酢酸によって形成されるものなど)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプト酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩(塩酸によって形成される)、臭化水素酸塩(臭化水素によって形成される)、ヨウ化水素酸塩、マレイン酸塩(マレイン酸によって形成される)、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸によって形成される)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸塩(硫酸によって形成されるものなど)、スルホン酸塩(本明細書に記載されるものなど)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩などのトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩などが挙げられる。
【0047】
塩基性塩の例としては、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム、およびカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;バリウム、亜鉛、およびアルミニウム塩;有機塩基(例えば、有機アミン)による塩、例えば、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-ベンジル-β-フェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N’-ジベンジルエチレン-ジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、または同様の薬学的に許容可能なアミン、およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸による塩が挙げられる。塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル(例えば、塩化、臭化、およびヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル)、長鎖ハライド(例えば、塩化、臭化、およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)、および他などの試薬によって四級化されうる。好ましい塩としては、一塩酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、または硝酸塩が挙げられる。式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物は、非晶質固体または結晶固体として提供することができる。凍結乾燥を用いて、式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物を非晶質固形物として提供することができる。
【0048】
式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物の溶媒和物(例えば、水和物)はまた、本発明の範囲内であることがさらに理解されるべきである。用語「溶媒和物」は、式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物と、有機または無機のいずれかの1つ以上の溶媒分子の物理的会合を意味する。この物理的会合としては、水素結合が挙げられる。いくつかの例において、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が、結晶性固形物の結晶格子に組み込まれている場合、単離することができるであろう。「溶媒和物」は、液相および単離可能な溶媒和物の両方を含む。溶媒和物の例としては、水和物、エタノール和物、メタノール和物、イソプロパノール和物、アセトニトリル溶媒和物、および酢酸エチル溶媒和物が挙げられる。溶媒和の方法は当技術分野において既知である。
【0049】
さらに、式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物、それらの合成後、単離および精製して、99重量%またはそれ以上の分量の(「実質的に純粋な」)式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物をそれぞれ含む組成物を得ることができ、これを次いで本明細書に記載されるように用いる、または製剤化する。そのような「実質的に純粋な」式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)の化合物はまた、本発明の一部として本明細書において考慮される。
【0050】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物からの有用な純度までの単離、および有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分に頑強な化合物を示すことを意味する。本発明は、安定な化合物を具体化することを意図する。
【0051】
「治療上の有効量」は、本発明の化合物のみの分量、または特許請求の範囲に記載の化合物の組み合わせの分量、またはTLR7/8/9の阻害剤として有効な、またはSLE、IBD、多発性硬化症(MS)、およびシェーグレン症候群、およびリウマチ性関節炎などの自己免疫性および/または炎症性疾患状態を治療または予防するのに有効な、他の活性成分との組み合わせにおける本発明の化合物の分量を含むことが意図される。
【0052】
本明細書において用いられる「治療すること」または「治療する」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患状態の治療を含み、(a)特に、そのような哺乳動物が病状の素因を有するが、それを有するとはまだ診断されていない場合、哺乳動物において生じる病状を予防すること;(b)病状を阻害する、すなわちその発症を阻止すること;および/または(c)病状を緩和すること、すなわち、病状の退行を引き起こすことが挙げられる。
【0053】
本発明の化合物は、本発明の化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことが意図される。同位体としては、同じ原子数を有するが、異なる質量数を有する原子が挙げられる。一般的な例として、限定されないが、水素の同位体としては、重水素(D)およびトリチウム(T)が挙げられる。炭素の同位体としては、13Cおよび14Cが挙げられる。同位体標識した本発明の化合物は一般に、当業者に既知の従来の技術によって、または本明細書に記載されるものと類似の方法によって、適切に同位体標識した試薬を、他の場合に用いられる非標識試薬の代わりに用いて、調製することができる。例えば、メチル(-CH)はまた、-CDなどの重水素化メチル基を含む。
【0054】
有用性
ヒト免疫系は、感染、疾患、または死を引き起こしうる微生物、ウイルス、および寄生虫から身体を防御するために進化した。複雑な調節メカニズムにより、免疫系の様々な細胞成分は、個人に永続的または重大な損傷を与えることなく、外来物質または生物を標的にすることを確実にする。現時点において、開始イベントは十分に理解されていないが、自己免疫疾患の状態では、免疫系は罹患した個人の臓器を標的にした炎症性応答に向けられる。異なる自己免疫疾患は一般に、リウマチ性関節炎の場合の関節、橋本甲状腺炎の場合の甲状腺;多発性硬化症の場合の中枢神経系;I型糖尿病の場合の膵臓;および炎症性腸疾患の場合の腸などの、影響を受ける顕著なまたは最初の標的臓器または組織によって特徴付けられる。
【0055】
本発明の化合物は、トール様受容体7、または8、または9(TLR7、TLR8、TLR9)、またはそれらの組み合わせを介したシグナル伝達を阻害する。したがって、式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物は、1つ以上のTLR7、TLR8、またはTLR9を介したシグナル伝達の阻害に関連する病状の治療に有用である、化合物Aのプロドラッグとしての有用性を有する。そのような病状としては、細胞内シグナル伝達の結果として、サイトカイン量が調節される、TLR7、TLR8、またはTLR9受容体関連疾患が挙げられる。
【0056】
本明細書において用いられる用語「治療する」または「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患状態の治療を含み、(a)特に、哺乳動物が疾患状態の素因を有するが、まだそれを有すると診断されていない場合、哺乳動物における疾患状態の発生を予防または遅延させること;(b)疾患状態を阻害すること、すなわち進行を抑止すること;および/または(c)症状または疾患状態の完全または部分的な軽減を達成すること、および/または疾患、障害、および/またはその症状を軽減、緩和、減少、または治療することを含む。
【0057】
TLR7、TLR8、またはTLR9の選択的阻害剤としてのこれらの活性を踏まえると、式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物はそれぞれ、限定されないが、炎症性疾患、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患など;自己免疫疾患、例えば、グレーブス病、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚エリテマトーデス、乾癬など;自己炎症性疾患、例えば、クリオピリン周期性症候群(CAPS)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)、家族性地中海熱(FMF)、成人発症スティル病、全身型若年性特発性関節炎、痛風、痛風性関節炎など;代謝疾患、例えば、II型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞など;破壊的骨疾患、例えば、骨吸収障害、骨関節症、骨粗鬆症、多発性骨髄腫関連骨疾患など;増殖性障害、例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病など;血管新生障害、例えば、固形腫瘍、眼の血管新生、および乳児血管腫などの血管新生障害;感染症、例えば、敗血症、敗血症性ショック、および細菌性赤痢など;神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血、または外傷によって引き起こされる神経変性疾患など、腫瘍性疾患およびウイルス疾患、例えば、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、並びにHIV感染およびCMV網膜炎、AIDSなどの、TLR7、TLR8、またはTLR9ファミリー受容体関連疾患の治療に有用な、化合物Aのプロドラッグとして有用である。
【0058】
さらに特に、本発明化合物によって治療されうる特定の病状または疾患としては、限定されないが、膵炎(急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主病、内毒素によって誘導される炎症性反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋変性、カヘキシー、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;広範な好中球浸潤によって特徴付けられる疾患;リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎および他の関節炎状態、脳性マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス、骨吸収障害、同種移植片拒絶反応、感染による発熱および筋肉痛、感染の二次的なカヘキシー、ケロイド形成、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、パイレシス、インフルエンザ、骨粗鬆症、骨関節症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症性ショック、および細菌性赤痢;アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷によって引き起こされる脳虚血、または神経変性疾患;血管新生障害、例えば、固形腫瘍、眼血管新生、および乳児血管腫など;ウイルス疾患、例えば、急性肝炎感染(A型肝炎、B型肝炎、およびC型肝炎など)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS、ARCまたは悪性腫瘍、およびヘルペス;卒中、心筋虚血、卒中心臓発作における虚血、臓器低酸素症、血管過形成、心臓および腎臓再灌流傷害、血栓症、心肥大、トロンビン誘発血小板凝集、内毒血症および/または毒素ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシドシンダーゼ-2に関連する病状、および尋常性天疱瘡が挙げられる。この実施態様に含まれるのは、疾患が、狼瘡、例えば、ループス腎炎および全身性エリテマトーデス(SLE)、クローン病、潰瘍性大腸炎、同種移植片拒絶反応、リウマチ性関節炎、乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、および尋常性天疱瘡などから選択される、治療方法である。また、病状が虚血再灌流傷害、例えば、脳卒中から生じる脳虚血再灌流傷害など、および心筋梗塞から生じる心臓虚血再灌流傷害から選択される治療方法が含まれる。別の治療方法は、病状が多発性骨髄腫であるものである。
【0059】
ある実施態様において、式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物は、癌、例えば、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、および原発悪性リンパ腫などの治療において、化合物Aのプロドラッグとして有用である。
【0060】
さらに、本発明のTLR7、TLR8、またはTLR9阻害剤は、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)、IL-1、IL-6、IL-18、ケモカインとも称される、プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ-2(PGHS-2)などの誘導可能な炎症誘発性タンパク質の発現を阻害する。したがって、さらなるTLR7/8/9関連症状としては、浮腫、鎮痛、発熱および疼痛、例えば、神経筋痛、頭痛、癌による疼痛、歯痛および関節炎痛が挙げられる。本発明の化合物はまた、獣医学的ウイルス感染、例えば、レンチウイルス感染、例えば、限定されないが馬伝染性貧血ウイルス;またはレトロウイルス感染、例えば、猫免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、および犬免疫不全ウイルスを治療するために用いられうる。
【0061】
したがって、本発明は、治療上の有効量の少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物、またはその塩を、必要な対象に投与することを含む、そのような病状を治療するための方法を提供する。「治療有効量」は、自己免疫疾患または慢性炎症性疾患を阻害するために、単独でまたは組み合わせで投与された場合に有効である、本発明の化合物の分量を含むことが意図される。
【0062】
TLR7、TLR8、またはTLR9関連疾患を治療するための方法は、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を単体で、またはそのような病状の治療に有用な他のそれぞれの、および/または他の適切な治療剤との組み合わせで投与することを含みうる。したがって、「治療上の有効量」はまた、TLR7、TLR8、またはTLR9の阻害、および/またはTLR7、TLR8、またはTLR9に関連する疾患の治療に有効な、特許請求の範囲に記載される化合物の組み合わせのある分量を含むことが意図される。
【0063】
そのような他の治療剤の例としては、コルチコステロイド、ロリプラム、カルフォスチン、サイトカイン抑制性抗炎症薬(CSAID)、インターロイキン-10、グルココルチコイド、サリチル酸、一酸化窒素、および他の免疫抑制剤;核移行阻害剤、例えば、デオキシスペルグアリン(DSG)など;非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、イブプロフェン、セレコキシブ、およびロフェコキシブなど;ステロイド、例えば、プレドニゾンまたはデキサメサゾンなど;抗ウイルス薬、例えば、アバカビルなど;抗増殖剤、例えば、メトトレキサート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、PROGRAF(登録商標))など;抗マラリア薬、例えば、ヒドロキシクロロキンなど;細胞毒性薬、例えば、アザチオプリン(azathiprine)およびシクロホスファミドなど;TNF-α阻害剤、例えば、テニダップ、抗TNF抗体または可溶性TNF受容体、およびラパマイシン(シロリムスまたはRAPAMUNE(登録商標))またはその誘導体が挙げられる。
【0064】
上記の他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて用いられる場合、例えば、Physicians’ Desk Reference (PDR)において示される量において、あるいは当業者によって決定されるような量において、用いられ得る。本発明の方法において、そのような他の治療剤は、本発明化合物の投与の前、同時、または後に投与されうる。本発明はまた、上記のIL-1ファミリー受容体介在疾患などの、TLR7/8/9受容体関連疾患を治療することができる医薬組成物を提供する。
【0065】
本発明の組成物は、上記のように他の治療剤を含んでいてもよく、医薬製剤の分野における周知のものなどの技術に従って、例えば、従来の固体もしくは液体ビヒクル、または希釈剤、並びに目的の投与方法に適切な種類の医薬添加剤(例えば、添加剤、結合剤、防腐剤、安定化剤、香味剤など)を用いることによって製剤化されてもよい。
【0066】
したがって、本発明はさらに、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物;および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を含む。
【0067】
「薬学的に許容可能な担体」は、動物、特に哺乳動物への生物学的に活性な薬剤を送達するために、当技術分野において一般に受け入れられている媒体をいう。薬学的に許容可能な担体は、当業者の範囲内の多くの因子に従って製剤化される。これらとしては、製剤化される活性薬剤の種類および性質に限定されないが、薬剤含有組成物が投与される対象;組成物の意図される投与経路;および対象となる治療適応症が挙げられる。薬学的に許容可能な担体としては、水性および非水性液体媒体、並びに様々な固形および半固形剤形の両方が挙げられる。このような担体は、活性剤に加えて、多くの異なる成分および添加剤を含むことができ、そのようなさらなる成分は、当業者によく知られている様々な理由によって、例えば、活性薬剤の安定化、結合剤などによって、製剤に含まれる。適切な薬学的に許容可能な担体についての記載と、その選択に関する要因は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、17th Edition (1985)などの、様々な容易に利用可能な情報源に記載されており、その全体が引用によって本明細書に援用される。
【0068】
式(I)、式(II)、式(III)、および/または式(IV)に従った化合物は、治療すべき病状に適切な任意の手段によって投与することができ、これは部位特異的な治療の必要性、または送達すべき化合物Aの量に依存しうる。
【0069】
また、本発明の範囲内にはまた、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を含む医薬組成物の種類;および1つ以上の非毒性の薬学的に許容可能な担体および/または希釈剤および/またはアジュバント(合わせて、本明細書において「担体」物質という)、および必要に応じて他の活性成分が含まれる。少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物は、任意の適切な経路によって、好ましくはそのよう経路に適した医薬組成物の形態において、および意図される治療に有効な用量において、投与されうる。本発明の化合物および組成物は、従来の薬学的に許容可能な担体、アジュバント、およびビヒクルを含む単位剤形において、例えば、経口、粘膜、または非経口、例えば、血管、静脈、腹腔内、皮下、筋肉内、および胸骨内に投与されうる。例えば、医薬担体は、マンニトールまたはラクトース、および微結晶セルロースの混合物を含みうる。混合物は、そのような滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、および崩壊剤、例えばクロスポビドンなどのさらなる成分を含みうる。担体混合物は、ゼラチンカプセルに充填されるか、または錠剤として圧縮されうる。医薬組成物は、例えば、経口剤形、または注射として投与されうる。
【0070】
経口投与のために、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、液体カプセル、懸濁液、または液体の形態でありうる。医薬組成物は、好ましくは、特定の量の活性成分を含む単位剤形の形態で製造される。例えば、医薬組成物は、約0.1から1000mg、好ましくは約0.25から250mg、さらの好ましくは約0.5から100mgの範囲における活性成分の用量を含む、錠剤またはカプセルとして提供されうる。ヒトまたは他の哺乳動物に適した1日用量は、患者の病状および他の因子に応じて大きく変化しうるが、慣習的な方法を用いて決定することができる。
【0071】
本明細書において考慮される任意の医薬組成物は、例えば、任意の許容可能である適切な経口製剤を介して、経口的に送達されうる。例示的な経口製剤としては、限定されないが、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性および油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬および軟カプセル、液体カプセル、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。経口投与を目的とした医薬組成物は、経口投与を意図した医薬組成物の製造のための当技術分野における既知の任意の方法に従って調製することができる。薬学的に飲みやすい製剤を提供するために、本発明に係る医薬組成物は、甘味剤、風味剤、着色剤、粘滑剤、抗酸化剤、および防腐剤から選択される、少なくとも1つの薬剤を含むことができる。
【0072】
錠剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を、錠剤の製造に適切な、少なくとも1つの非毒性の薬学的に許容可能な賦形剤と混合することによって、調製することができる。例示的な賦形剤としては、限定されないが、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、およびリン酸ナトリウムなど;造粒剤および崩壊剤、例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、およびアルギン酸など;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル-ピロリドン、およびアカシア;および滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルクなどが挙げられる。さらに、錠剤は、コーティングされてないか、あるいは、不快な味の薬物の悪い味を隠すか、または消化管において活性成分の崩壊および吸収を遅延させ、それによって活性成分の長期間にわたる効果を持続させるかのいずれかのために、既知の技術によってコーティングされうるかのいずれかである。例示的な水溶性の矯味物質としては、限定されないが、ヒドロキシプロピル-メチルセルロースおよびヒドロキシプロピル-セルロースが挙げられる。例示的な時間遅延物質としては、限定されないが、エチルセルロースおよび酢酸セルロース酪酸塩が挙げられる。
【0073】
硬ゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を、少なくとも1つの不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;およびカオリンなどと混合することによって、調製することができる。
【0074】
軟ゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を、少なくとも1つの水溶性担体、例えば、ポリエチレングリコールなど;および少なくとも1つの油性媒体、例えば、ピーナツ油、液体パラフィン、およびオリーブ油などを混合することによって調製することができる。
【0075】
水性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を、水性懸濁液の製造に適切な、少なくとも1つの賦形剤と混合することによって調製することができる。水性懸濁液の製造に適切な例示的な賦形剤としては、限定されないが、例えば、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアガム;分散剤または湿潤剤、例えば、天然に存在するフォスファチド、例えば、レシチンなど;アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレンなど;エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレン-オキシセタノール;エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなど;およびエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。水性懸濁液はまた、少なくとも1つの防腐剤、例えば、エチルおよびn-プロピル p-ヒドロキシ安息香酸塩;少なくとも1つの着色剤;少なくとも1つの香味剤;および/または少なくとも1つの甘味剤、例えば、限定されないが、スクロース、サッカリン、およびアスパルテームなどを含むことができる。
【0076】
油性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を、植物油、例えば、落花生油;オリーブ油;ゴマ油;およびココナッツ油など;または鉱油、例えば、液体パラフィンなどのいずれかに懸濁させることによって調製することができる。油性懸濁液は、少なくとも1つの濃化剤、例えば、蜜蝋;固形パラフィン;およびセチルアルコールを含むことができる。口当たりの良い油性懸濁液を提供するために、上記で既に記載される少なくとも1つの甘味剤、および/または少なくとも1つの風味剤を油性懸濁液に加えることができる。油性懸濁液はさらに、少なくとも1つの防腐剤、例えば、限定されないが、抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびアルファ-トコフェロールなどを含むことができる。
【0077】
分散性粉末および顆粒は、例えば、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物と、少なくとも1つの分散剤および/または湿潤剤;少なくとも1つの懸濁化剤;および/または少なくとも1つの防腐剤を混合することによって調製することができる。適切な分散剤、湿潤剤、および懸濁化剤は、すでに上述した通りである。例示的な防腐剤としては、限定されないが、例えば、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸が挙げられる。さらに、分散性粉末および顆粒はまた、少なくとも1つの賦形剤、例えば、限定されないが、甘味剤;風味剤;および着色剤などを含みうる。
【0078】
少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物のエマルジョンは、例えば、水中油型エマルジョンとして調製することができる。少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を含むエマルジョンの油相は、既知の方法における既知の成分から構成されうる。油相は、限定されないが、例えば、植物油、例えば、オリーブ油および落花生油など;鉱油、例えば、液体パラフィンなど;およびそれらの混合物によって調製することができる。相は1つのみの乳化剤を含みうるが、少なくとも1つの乳化剤と、脂肪または油との混合物、または脂肪と油の両方との混合物を含みうる。適切な乳化剤としては、限定されないが、例えば、天然に存在するフォスファチド、例えば、大豆レシチン;脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート;および、部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどが挙げられる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定化剤として働く親油性乳化剤と共に含まれる。油と脂肪の両方を含むこともまた好ましい。合わせて、安定化剤を含む、または含まない乳化剤は、所謂乳化蝋を形成し、蝋は油および脂肪と共に、クリーム製剤の油性分散相を形成する、所謂乳化性軟膏基剤を形成する。エマルジョンはまた、甘味剤、香味剤、防腐剤、および/または抗酸化剤を含むことができる。本発明の製剤において用いるのに適切な乳化剤およびエマルジョン安定化剤としては、Tween60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリルを単体で、または蝋と共に、または当技術分野において周知の他の物質が挙げられる。
【0079】
少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物はまた、例えば、任意の薬学的に許容可能であり適切な注射剤を介して、静脈内、皮下、および/または筋肉内により送達されうる。例示的な注射剤の形態としては、限定されないが、例えば、許容可能なビヒクルおよび溶媒、例えば、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液などを含む無菌水溶液;無菌水中油型マイクロエマルジョン;および水性または油性懸濁液が挙げられる。
【0080】
非経口投与のための製剤は、水性または非水性等張無菌注射溶液または懸濁液の形態でありうる。これらの溶液および懸濁液は、経口投与のための製剤において用いるために記載されている、1つ以上の担体または希釈剤を用いて、または他の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いることによって、無菌粉末または顆粒から調製されうる。化合物はまた、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム溶液、トラガカントガム、および/または様々な緩衝液中に溶解されうる。他のアジュバントおよび投与形態は、薬学の分野において十分に、および広く既知である。活性成分はまた、生理食塩水、デキストロース、または水などの適切な担体と共に、またはシクロデキストリン(すなわちCaptisol)、共溶媒可溶化剤(すなわちプロピレングリコール)またはミセル可溶化剤(すなわちTween80)と共に、組成物として、注射によって投与されうる。
【0081】
無菌注入可能な製剤はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒における無菌注入可能な溶液または懸濁液であってもよい。用いられうる許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として従来から用いられている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドなどの、任意のブランドの不揮発性油が用いられうる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の製造に使用されている。
【0082】
無菌注射可能な水中油型マイクロエマルジョンは、例えば、1)少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を油相、例えば、ダイズ油およびレシチンの混合物などに溶解させること、;2)式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物を含む油相を、水およびグリセロールの混合物と組み合わせること;および3)組み合わせを処理してマイクロエマルジョンを形成することによって、調製することができる。
【0083】
無菌水性または油性懸濁液は、当技術分野において既に知られている方法に従って調製することができる。例えば、無菌水溶液または懸濁液は、例えば、1,3-ブタンジオールなどの非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒によって調製することができ;無菌油性懸濁液は、無菌非毒性の許容可能な溶媒または懸濁媒、例えば、無菌不揮発油、例えば、合成モノまたはジグリセリド;および脂肪酸、例えば、オレイン酸などによって調製することができる。
【0084】
本発明の医薬組成物において用いられうる薬学的に許容可能な担体、アジュバント、およびビヒクルとしては、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達システム(SEDDS)、例えばd-アルファ-トコフェロールポリエチレングリコール1000 コハク酸など、医薬剤形において用いられる界面活性剤、例えばTweenなど、ポリエトキシヒマシ油、例えばクレモフォール界面活性剤(BASF)など、または他の同様のポリマー性送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝性物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなど、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウムなど、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、蝋、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロック重合体、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。アルファ-、ベータ-、およびガンマ-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、またはヒドロキシアルキルシクロデキストリンなどの化学修飾誘導体、例えば、2-および3-ヒドロキシプロピル-シクロデキストリン、または他の可溶化された誘導体もまた、本明細書に記載される式で示される化合物の送達を向上させるのに有利に用いられうる。
【0085】
本発明の薬学的に活性な化合物は、従来の薬学的方法に従って処理され、ヒトおよび他の哺乳動物などの患者に投与するための薬剤を生じうる。この医薬組成物は、殺菌などの従来の医薬操作に付してもよく、および/または防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液などの従来のアジュバントを含みうる。錠剤および丸剤はさらに、腸溶性コーティングによって製造されうる。このような組成物はまた、湿潤剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などのアジュバントを含みうる。
【0086】
本発明の化合物および/または組成物を用いて疾患を治療するための、投与される化合物の量および投与レジメンは、年齢、体重、性別、対象の病状、疾患の種類、疾患の重症度、投与経路および頻度、および用いられる特定の化合物などの様々な因子に応じて変化する。このように、投与レジメンは多岐に渡るが、標準的な方法を用いて日常的に決定することができる。1日用量は、約0.001から100mg/体重kg、好ましくは約0.0025から約50mg/体重kgの間、および最も好ましくは約0.005から10mg/体重kgの間が適切でありうる。1日用量は、1日あたり1~4回の用量で投与することができる。他の投薬スケジュールとしては、1週間に1回の用量、および2日に1回の用量のサイクルが挙げられる。
【0087】
治療目的のために、本発明の活性化合物は通常、適応する投与経路に適切な1つ以上のアジュバントと組み合わされる。経口投与の場合、化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン散剤、アルカノン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合され、次いで便利な投与のために錠剤化またはカプセル化されうる。そのようなカプセルまたは錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の活性化合物の分散液中に提供されうるような、徐放性製剤を含みうる。
【0088】
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物、並びに適宜、任意の薬学的に許容可能な担体、アジュバント、およびビヒクルから選択されるさらなる薬剤を含む。本発明の別の組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの式(I)、式(II)、式(III)、および式(IV)の化合物またはその塩、および薬学的に許容可能な担体、アジュバント、またはビヒクルを含む。
【0089】
本発明はまた、製品を含む。本明細書で用いられる場合、製品は、限定されないが、キットおよびパッケージを含むことが意図される。本発明の製品は、(a)第一容器;(b)第一容器内に位置する医薬組成物、ここで、組成物は、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩形態を含む第一治療剤を含む;並びに(c)医薬組成物が(前記で定義された)炎症性障害および/または自己免疫性疾患の治療に用いることができることを記載した添付文書を含む。別の実施態様において、添付文書は、医薬組成物は、第二治療剤との(前記で定義された)組み合わせにおいて、炎症性障害および/または自己免疫疾患を治療するために用いられうることを記載する。製品はさらに、(d)第二容器を含んでもよく、ここで、構成要素(a)および(b)は第二容器内に位置し、構成要素(c)は第二容器内または外に位置する。第一および第二容器内に位置するとは、それぞれの容器がその境界線内に項目を保持することを意味する。
【0090】
最初の容器は、医薬組成物を保持するために用いられる容器である。この容器は、製造、保管、出荷、および/または個別/全量販売のためでありうる。第一容器は、ボトル、ジャー、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えば、クリーム製剤のため)、または医薬品の製造、保持、保管、または分配に用いるための他の任意の容器を含むことが意図される。
【0091】
第二容器は、第一容器、および適宜添付文書を保持するために用いられるものである。第二容器の例としては、限定されないが、箱(例えば、ボール紙またはプラスチック)、木箱、大箱、袋(例えば、紙またはビニール袋)、小袋、および大袋が挙げられる。添付文書は、テープ、のり、ステープル、または別の添付方法によって、第一容器の外側に物理的に取り付けることができ、第一容器へのいかなる物理的な添付手段なしで、第二容器の内側に置くことができる。あるいは、添付文書は第二容器の外側に位置する。第二容器の外側に位置する場合、添付文書は、テープ、のり、ステープル、または別の添付方法によって物理的に添付されていることが好ましい。あるいは、物理的な添付なしで、第二容器の外側に隣接または接触していてもよい。
【0092】
添付文書は、ラベル、タグ、マーカーなどである。第一容器内に位置する医薬組成物に関する情報を記載する。記載されている情報は通常、製品が販売される地域を管轄する規制当局(例えば、米国食品医薬品局)によって決定されるであろう。ある実施態様において、添付文書は、医薬組成物が承認されている適応症を具体的に記載する。添付文書は、人がその中またはその上に含まれる情報を読むことができる任意の素材から作られていてもよい。例えば、添付文書は、所望の情報が形成された(例えば、印刷または添付)印刷可能な物質(例えば、紙、プラスチック、ボール紙、ホイル、片面粘着紙、またはプラスチックなど)である。
【0093】
製造方法
本発明の化合物は、有機合成の分野における当業者に周知の多くの方法によって合成することができる。本発明の化合物は、以下に記載の方法を用いて、合成有機化学の分野において既知の合成方法、または当業者に理解されるようなそれらの変形と組み合わせて、合成することができる。好ましい方法としては、限定されないが、以下に記載のものが挙げられる。本明細書において引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0094】
本発明の化合物は、本セクションにおいて記載される反応および技術を用いて合成されうる。反応は、用いられる試薬および物質に適切であり、影響を受ける変換に適切な溶媒中で行われる。また、以下に記載される合成方法の説明において、全ての提示される反応条件、例えば、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間、およびワークアップ手順などは、その反応の標準的な条件として選択され、これは当業者に容易に認識されるはずであることが理解されるべきである。分子の様々な部分に存在する機能性は、提示されている試薬および反応に適合しなければならないことが、有機合成の技術分野における当業者に理解される。このような反応条件に適合する置換基の制限は、当業者に容易に理解されるものであり、その場合は代替方法を用いなければならない。これにより、本発明の目的とする化合物を得るために、合成ステップの順番を変更すること、またはある特定のプロセススキームを他のものに代わって選択することの判断が必要になる場合があるだろう。また、この分野のあらゆる合成経路の設計における主要な検討事項のもう一つは、本発明に記載された化合物に存在する反応性官能基の保護に用いるための、保護基の賢明な選択であることも理解されるであろう。熟練の当業者に多くの選択肢を説明した権威ある記述は、Greene and Wuts(Protective Groups In Organic Synthesis, Third Edition, Wiley and Sons, 1999)である。
【0095】
実施例
式(I)の化合物、および式(I)の化合物の合成において用いられる中間体の合成は、以下の実施例に示される手順および関連する手順を用いて調製することができる。これらの実施例において用いられる方法および条件、並びにこれらの実施例において合成される実際の化合物は、限定的することを意味するものでなく、式(I)の化合物をどのように合成することができるかを立証することを意味する。これらの実施例において用いられる出発物質および試薬は、本明細書に記載されている手順によって合成されない場合、一般に、市販で入手可能であるか、あるいは化学文献に報告されているか、あるいは化学文献に記載されている手順を用いて合成されうるかのいずれかである。
【0096】
【表1】

【表2】
【0097】
化合物の分析純度は、以下の方法を用いることによって決定した:
分析HPLC方法A:カラム:SunFire C18(150x4.6mm)3.5ミクロン;緩衝液:0.05%CFCOH/HO;移動相A=緩衝液:CHCN[95:5];移動相B:CHCN:緩衝液[95:5];10%Bから100%B;実行時間:23分;流速:1.0mL/分。
分析HPLC方法B:カラム:XBridgeフェニル C18(150x4.6mm)3.5ミクロン;緩衝液:0.05%CFCOH/HO;移動相A=緩衝液:CHCN[95:5];移動相B:CHCN:緩衝液[95:5];10%Bから100%B;実行時間:23分;流速:1.0mL/分。
分析HPLC方法C:カラム:Kinetex EVO C18(4.6x100)mm、2.6ミクロン;緩衝液:0.05%CFCOH/HO;移動相A=緩衝液:CHCN[95:5];移動相B:CHCN:緩衝液[95:5];2%Bから100%B;実行時間:12.5分;流速:1.0mL/分。
分析HPLC方法D:カラム:XBridgeフェニル C18(150x4.6mm)3.5ミクロン;緩衝液:0.05%CFCOH/HO;移動相A=緩衝液:CHCN[95:5];移動相B:CHCN:緩衝液[95:5];0%Bから100%B;実行時間:12.5分;流速:1.0mL/分。
分析HPLC方法E:カラム:KinetexEVO C18(4.6x100)mm、2.6ミクロン;緩衝液:0.05%CFCOH/HO;移動相A=緩衝液:CHCN[95:5];移動相B:CHCN:緩衝液[95:5];5%Bから100%B;実行時間:35分;流速:1.0mL/分。
分析HPLC方法F:カラム:Kinetexビフェニル C18(4.6x100)mm、2.6ミクロン;緩衝液:0.05%CFCOH/HO;移動相A=緩衝液:CHCN[95:5];移動相B:CHCN:緩衝液[95:5];5%Bから100%B;実行時間:35分;流速:1.0mL/分。
【実施例
【0098】
実施例1
(S)-ピペリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化18】

中間体1A:tert-ブチル (S)-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化19】

(S)-1-Boc-ピペリジン-2-カルボン酸(4g、17.45mmol)をTHF(40mL)中に溶解させ、0℃に冷却した。ボランジメチルスルフィド複合体(2.70mL、30.5mmol)を次いで、0℃に滴下して加えた。反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を次いで25℃に昇温させ、さらに12時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した。飽和NaHCO水溶液(40mL)をゆっくりと加え、過剰な試薬をクエンチした。水(20mL)を加え、沈殿した塩を溶解させた。粗製反応内容物を次いでCHCl(4x50mL)で抽出し、有機性抽出物を合わせて、飽和NaHCO水溶液およびHOで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、表題の化合物を得た(3.7g、16.33mmol、収率94%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.63 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.03 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 3.85-3.77 (m, 1H), 3.50 (ddd, J = 10.5, 8.5, 6.0 Hz, 1H), 3.43-3.34 (m, 1H), 2.72 (t, J = 13.1 Hz, 1H), 1.81-1.72 (m, 1H), 1.60-1.52 (m, 1H), 1.52-1.44 (m, 2H), 1.44-1.33 (m, 10H), 1.30-1.19 (m, 1H)。
【0099】
中間体1B:tert-ブチル (S)-2-(((1H-イミダゾール-1-カルボニル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化20】

tert-ブチル (S)-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(3.04g、14.12mmol)のCHCN(40mL)中の溶液に、DIPEA(7.40mL、42.4mmol)および1,1’-カルボニルジイミダゾール(4.58g、28.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、溶媒を留去した。残留物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色のゴム状物質を得た。粗製物質をCombiFlash(シリカゲル60-120メッシュ;溶出液として、50%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題の化合物(4.2g、12.90mmol、収率91%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.13 (s, 1H), 7.42 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 4.76-4.57 (m, 2H), 4.38 (dd, J = 10.8, 5.0 Hz, 1H), 4.15-4.01 (m, 1H), 2.94-2.81 (m, 1H), 1.77-1.64 (m, 4H), 1.55-1.41 (m, 2H), 1.36 (s, 9H)。LC-MS (ES): m/z = 308.3 [M+H]+
【0100】
中間体1C:(S)-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化21】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(1g、2.249mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、DBU(0.509mL、3.37mmol)およびtert-ブチル (S)-2-(((1H-イミダゾール-1-カルボニル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.088g、6.75mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。tert-ブチル (S)-2-(((1H-イミダゾール-1-カルボニル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.0当量)およびDBU(1.0当量)のさらなる分量を加えた。反応混合物をさらに8時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層を分離して、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色のゴム状物質を得た。粗製物質をCombiFlash(シリカゲル60-120メッシュ;溶出液として、50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題の化合物(650mg、0.929mmol、収率41.3%)を白色の固形物として得た。LC-MS (ES): m/z = 686.7 [M+H]+
【0101】
実施例1:
(S)-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(650mg、0.948mmol)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(1mL、12.98mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで室温で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮して、30℃において溶媒を留去した。粗生成物をRP-HPLC(カラム:SunFire C18(250x21.2mm)、5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、2/10、10/25)を用いて生成した。粗生成物をRP-HPLC(カラム:SunFire C18(250x21.2mm)、5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、2/10、10/25)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間凍結乾燥させて、表題の生成物(650mg、0.791mmol、収率83%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.69 (br.s., 1H), 8.97-8.89 (m, 1H), 8.72 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 8.59-8.45 (m, 1H), 8.21-8.08 (m, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.71-7.75 (m, 2H), 7.35-7.27 (m, 1H), 4.43-4.12 (m, 2H), 3.98 (s, 2H), 3.61 (d, J = 11.5 Hz, 2H), 3.30-3.15 (m, 3H), 3.08 (br.s., 1H), 2.98 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 2.76 (dt, J = 14.2, 7.2 Hz, 2H), 2.63-2.55 (m, 3H), 2.23-1.97 (m, 7H), 1.72-1.53 (m, 2H), 1.40-1.20 (m, 8H), 1.19-1.06 (m, 1H), 0.88-0.74 (m, 1H)。LC-MS (ES): m/z = 586.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 7.597分および99.84%および方法B = 7.866分および99.85%。
【0102】
実施例2
(S)-(1-(((ホスホノオキシ)メトキシ)カルボニル)ピペリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化22】

中間体2A:(S)-(1-((((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メトキシ)カルボニル)ピペリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化23】

(S)-ピペリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(150mg、0.184mmol)のTHF(5mL)中の溶液に、DIPEA(0.161mL、0.922mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、次いで((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル クロロホルメート(137mg、0.369mmol)を加えた。反応混合物を室温に戻し、2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色のゴム状物質を得た。粗製物質をRP-HPLC(カラム:YMC TRIAT(250x20mm)、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/60、15/85)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間凍結乾燥させて、表題の化合物(55mg、0.059mmol、収率31.8%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.75-8.60 (m, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.05-7.99 (m, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.43-7.21 (m, 13H), 5.61-5.24 (m, 2H), 5.07-4.93 (m, 4H), 4.44-3.74 (m, 4H), 2.99-2.59 (m, 10H), 2.20 (t, J = 9.8 Hz, 2H), 2.11-1.99 (m, 3H), 1.90-1.72 (m, 4H), 1.42-0.99 (m, 12H)。LC-MS (ES): m/z = 920.4 [M+H]+
【0103】
実施例2:
(S)-(1-((((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メトキシ)カルボニル)ピペリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(55mg、0.060mmol)のMeOH(4mL)中の撹拌溶液を、窒素でパージした。次いでPd/C(31.8mg、0.030mmol)を加えた。反応混合物を、空気袋を用いて窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応混合物をセライトベッドを介して濾過し、MeOHで洗浄した。有機層を高真空下、30℃で濃縮して、無色のゴム状物質を得た。粗生成物をRP HPLC(カラム:SunFire C18(250x21.2mm)、5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/20、2/20、9/35)を用いて精製した。画分を高真空下、30℃で濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させ、表題の化合物(35mg、0.040mmol、収率67.2%)を異性体の混合物(白色の固形物)として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.55-8.49 (m, 1H), 8.41 (d, J = 4.00 Hz, 1H), 8.11-8.03 (m, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.26-7.24 (m, 1H), 5.33-5.27 (m, 1H), 5.00-4.85 (m, 1H), 4.50-4.10 (m, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.69-3.65 (m, 2H), 3.5-3.3 (m, 1H), 3.20-3.10 (m, 2H), 3.00-2.90 (m, 1H), 2.85-2.76 (m, 1H), 2.56-2.54 (m, 3H), 2.10-2.06 (m, 7H), 1.60-1.15 (m, 12H)。LC-MS (ES): m/z = 740.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 5.188-5.198分および98.24%; 方法B =4.932-4.994分および98.67%。
【0104】
実施例3
(S)-ピロリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化24】

中間体3A:(S)-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 1H-イミダゾール-1-カルボキシレート
【化25】

tert-ブチル (S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(5g、24.84mmol)の、CHCN(50mL)中の溶液に、DIPEA(13.02mL、74.5mmol)および1,1’-カルボニルジイミダゾール(8.06g、49.7mmol)を加えた。反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、溶媒を留去した。残留物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色のゴム状物質を得た。粗生成物をCombiFlash(シリカゲル60-120メッシュ;溶出液として40%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題の化合物(6.2g、19.94mmol、収率80%)を無色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.14 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 4.51-4.34 (m, 2H), 4.25-4.12 (m, 1H), 3.47 (br.s., 1H), 3.38 (br.s., 1H), 2.13-1.99 (m, 1H), 1.98-1.78 (m, 3H), 1.45 (s, 9H)。 LC-MS (ES): m/z = 296.4 [M+H]+;
【0105】
中間体3B:(S)-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化26】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(527mg、1.185mmol)のDMF(8mL)中の溶液に、DBU(0.268mL、1.778mmol)および(S)-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 1H-イミダゾール-1-カルボキシレート(1050mg、3.56mmol)を加えた。反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。分離した有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色のゴム状物質として得た。粗製物質を、CombiFlash(シリカゲル60-120メッシュ;溶出液として35から40%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し、表題の化合物(350mg、0.495mmol、収率41.8%)を白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.81 (br.s., 1H), 8.46 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.18-8.06 (m, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.31 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.16 (br.s., 1H), 4.16-3.96 (m, 1H), 3.92 (br.s., 1H), 3.07 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.00-2.86 (m, 4H), 2.81-2.62 (m, 3H), 2.57 (s, 3H), 2.31-2.13 (m, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.94-1.85 (m, 2H), 1.81 (br.s., 3H), 1.61 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 1.51 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 1.38-1.18 (m, 15H)。LC-MS (ES): m/z = 672.7 [M+H]+
【0106】
実施例3:
(S)-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(450mg、0.670mmol)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に、0℃で、CFCOH(1mL、12.98mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、室温に戻し、30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、30℃で溶媒を留去した。粗生成物をRP HPLC(カラム:SunFire C18(150x19mm)、5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:17mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、10/30)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間凍結乾燥させて、表題の化合物(320mg、0.396mmol、収率59.1%)を白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.64 (br.s., 1H), 9.38 (br.s., 1H), 8.98-8.85 (m, 1H), 8.73 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 8.48 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.10-8.15 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.51-4.31 (m, 3H), 3.98 (br.s., 2H), 3.59-3.18 (m, 5H), 2.98 (t, J = 11.6 Hz, 1H), 2.82-2.68 (m, 1H), 2.58 (s, 3H), 2.24-1.96 (m, 7H), 1.95-1.80 (m, 1H), 1.71 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 1.54-1.21 (m, 8H); LC-MS (ES): m/z = 572.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 7.167分および99.54% および方法B =7.912分および99.59%。
【0107】
実施例4
(S)-(1-(((ホスホノオキシ)メトキシ)カルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化27】

中間体4A:(S)-(1-((((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メトキシ)カルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化28】

(S)-ピロリジン-2-イルメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート ジトリフルオロアセテート(125mg、0.156mmol)のTHF(5mL)中の溶液に、EtN(0.109mL、0.781mmol)および((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル クロロホルメート(116mg、0.313mmol)を順次加えた。反応混合物を室温に戻し、2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色のゴム状物質を得た。粗製物質をRP HPLC(カラム:X-Bridge フェニル(250x19mm)、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/35、2/35、14/65)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間凍結乾燥させ、表題の生成物(45mg、0.045mmol、収率28.6%)を白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.83-8.72 (m, 1H), 8.49-8.41 (m, 1H), 8.12-8.00 (m, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.57 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.41-7.24 (m, 11H), 7.16 (br.s., 1H), 5.63-5.43 (m, 2H), 5.02 (d, J = 7.4 Hz, 4H), 4.21-3.80 (m, 2H), 3.20-3.01 (m, 2H), 3.01-2.86 (m, 4H), 2.79-2.62 (m, 3H), 2.54 (br.s., 3H), 2.30-2.19 (m, 3H), 2.15 (br.s., 1H), 2.00-1.81 (m, 4H), 1.52-1.31 (m, 2H), 1.35-1.19 (m, 8H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 1H)。LC-MS (ES): m/z = 906.8 [M+H]+
【0108】
実施例4:
(S)-(1-((((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メトキシ)カルボニル)ピロリジン-2-イル)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(20mg、0.022mmol)のMeOH(1mL)中の溶液を、窒素でパージした。次いで、Pd/C(11.75mg、0.011mmol)を加えた。反応混合物を、空気袋を用いて室温で2時間、水素雰囲気下で撹拌した。反応混合物をセライトベッドを介して濾過し、MeOHで洗浄した。有機層を30℃の高真空下で濃縮し、無色のゴム状物質を得た。粗生成物をRP HPLC(カラム:SunFire C18(150x21.2mm)、5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、2/10、15/40)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間凍結乾燥させ、表題の化合物(20mg、0.022mmol)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.55-8.52 (m, 1H), 8.43-8.32 (m, 1H), 8.13 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.62 (br.s., 1H), 7.26 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.42 (br.s., 1H), 5.36 (br.s., 1H), 4.38-4.27 (m, 1H), 4.12-3.99 (m, 2H), 3.91-3.85 (m, 2H), 3.68-3.66 (m, 4H), 2.97-3.30 (m, 3H), 2.75 (dd, J = 13.9, 7.3 Hz, 1H), 2.55 (br.s., 3H), 2.18-1.96 (m, 7H), 1.71-1.54 (m, 3H), 1.32-1.21 (m, 7H)。LC-MS (ES): m/z = 727.2 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 4.559分および99.40%および方法B = 4.425分および99.46%。
【0109】
実施例5
2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1-(メチルグリシル)-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド ジトリフルオロアセテート
【化29】

中間体5A:ベンジル 4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化30】

EtN(0.809mL、5.81mmol)およびベンジルクロロホルメート(1.105mL、3.87mmol)を、6-(3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン(1.5g、3.87mmol)のCHCl(5mL)中の溶液に0℃で加えた。反応混合物を次いで、室温で16時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、溶媒を蒸発させた後の残留物をEtOAc(50mL)中に取り込み、これをHOで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を留去して、粗生成物を得て、これをコンビフラッシュクロマトグラフィー(60-120シリカゲル;溶出液として、20-60%EtOAc/石油エーテル)によって精製し、表題の化合物(0.8g)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01-10.91 (m, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 7.61-7.52 (m, 1H), 7.44-7.24 (m, 6H), 7.08-6.97 (m, 1H), 5.12 (s, 2H), 4.19 (d, J = 13.6 Hz, 2H), 3.06-2.77 (m, 4H), 2.63-2.55 (m, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.01-1.91 (m, 1H), 1.84 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 1.78-1.53 (m, 2H), 1.38-1.26 (m, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 522.2 [M+H]+
【0110】
中間体5B:ベンジル 4-(1-(N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化31】

ベンジル 4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、0.958mmol)のCHCl(10mL)中の溶液に、N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシン(544mg、2.88mmol)、DCC(297mg、1.438mmol)およびDMAP(117mg、0.958mmol)を加えた。反応混合物をN下、60℃で16時間撹拌し、セライトベッドを介して濾過し、ベッドをEtOAcで洗浄した。濾液を真空下30℃で濃縮した。粗生成物をRP HPLC(カラム:Xbridge フェニル(250x4.6mm)5ミクロン;移動相A:10mM 重炭酸アンモニウム-pH9.5 移動相B:CHCN;流速:1mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/30、3/60、15/100、19/100、20/30)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(400mg、0.577mmol、収率60.2%)を帯褐色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.55-8.48 (m, 1H), 8.29-8.15 (m, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.45-7.27 (m, 6H), 5.12 (s, 2H), 4.20 (d, J = 13.1 Hz, 2H), 4.14-3.88 (m, 2H), 3.08-2.83 (m, 3H), 2.75 (s, 1H), 2.70-2.64 (m, 3H), 2.59 (d, J = 8.5 Hz, 3H), 2.57 (s, 3H), 1.85 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 1.65 (qd, J = 12.6, 4.3 Hz, 2H), 1.35-1.20 (m, 15H)。LC-MS (ES): m/z = 693.4 [M+H]+
【0111】
中間体5C:tert-ブチル (2-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート
【化32】

ベンジル 4-(1-(N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(440mg、0.635mmol)の乾燥EtOAc(5mL)中の溶液に、Pd/C(43.9mg、0.041mmol)を加えた。混合物を脱気して、次いでNガスを通気した。反応混合物をH雰囲気下で5時間撹拌し、セライトベッドを介して濾過し、ベッドをEtOAcで洗浄した。濾液を真空下30℃で濃縮し、表題の化合物(334mg、98%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (s, 1H), 8.50 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.27-8.14 (m, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.29 (dd, J = 9.3, 3.8 Hz, 1H), 4.14-3.88 (m, 2H), 3.05-3.08 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.70-2.58 (m, 7H), 2.14-2.07 (m, 3H), 1.81-1.70 (m, 2H), 1.61 (q, J = 12.4 Hz, 2H), 1.37-1.20 (m, 15H; LC-MS (ES): m/z = 559.2 [M+H]+
【0112】
中間体5D:tert-ブチル (2-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート
【化33】

tert-ブチル (2-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート(300mg、0.537mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、EtN(0.225mL、1.611mmol)および2-ブロモアセトアミド(96mg、0.698mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をHOおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空下40℃で濃縮し、粗生成物を帯褐色の油状物として得て、これをRP HPLC(カラム:YMC Trait(150x20)mm 5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(T/%B):0/40、2/40、12/65)によって、表題の化合物(100mg、0.161mmol、収率29.9%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (br.s., 1H), 8.51 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.27-8.16 (m, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.34 (br.s., 1H), 7.26 (br.s., 1H), 7.14 (br.s., 1H), 4.14-3.91 (m, 2H), 2.95 (m, 4H), 2.75-2.58 (m, 8H), 2.26-2.16 (m, 2H), 2.13-2.05 (s, 3H), 1.85-1.59 (m, 4H), 1.34-1.10 (m, 15H)。 LC-MS (ES): m/z = 616.4 [M+H]+
【0113】
実施例5:
tert-ブチル (2-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート(75mg、0.122mmol)の乾燥CHCl(2mL)中の溶液に、窒素雰囲気下0℃で、CFCOH(0.3mL、3.89mmol)を加えた。30分間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をエーテルと共に撹拌した。溶媒を慎重にデカントした。固形物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、12.0時間凍結乾燥させ、表題の化合物(46.15mg、0.061mmol、収率50.4%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.73 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.80 (br.s., 2H), 4.34 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 4.04-3.94 (m, 3H), 3.78-3.81 (m, 2H), 3.13 (br.s., 1H), 2.83 (dt, J = 14.2, 7.2 Hz, 1H), 2.69 (s, 6H), 2.25-2.15 (m, 7H), 1.39 (t, J = 6.5 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 516.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 5.703 分および99.96%および方法B = 6.004 分および99.17%。
【0114】
実施例6および7
1-((1-アミノシクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート ジトリフルオロアセテート
【化34】

中間体6A:1-クロロエチル 5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化35】

tert-ブチル 4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.0g、4.10mmol)のTHF(40mL)中の溶液に、LiHMDS(6.15mL、6.15mmol)のTHF中の1M溶液を加えた。反応混合物をN下、-70℃で15分間撹拌した。次いで、1-クロロエチル クロロホルメート(0.888mL、8.20mmol)を加えた。反応混合物をN下、-70℃で1時間撹拌した。反応混合物をHOおよびEtOAcに分配した。有機層をHOおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得て、これをRP HPLC(SunFire OBD(250x30)mm、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:30mL/分;勾配(時間(分)/%B):15/85)によって精製し、2つの異性体を得た。
異性体1:生成物を白色の固形物(1.0g;20.5%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.85 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.14 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.73-7.67 (m, 1H), 7.35 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 6.63-6.55 (m, 1H), 4.12 (s, 1H), 4.15 (s, 1H), 2.93-2.74 (m, 4H), 2.58 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 1.82-1.85 (m, 2H), 1.62 (dd, J = 12.3, 3.8 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.34 (d, J = 5.5 Hz, 3H), 1.30 (dd, J = 7.0, 4.0 Hz, 6H)。 LC-MS (ES): m/z = 594.2 [M+H]+
異性体2:生成物を白色の固形物(0.9g;18.5%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.82 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.16 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.35 (m, 1H), 6.58-6.50 (m, 1H), 4.15 (br.s., 2H), 2.95-2.75 (m, 3H), 2.59 (s, 4H), 2.08 (s, 3H), 1.86-1.83 (m, 2H), 1.68-1.54 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.30 (t, J = 7.3 Hz, 6H), 1.14 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。 LC-MS (ES): m/z = 594.2 [M+H]+
【0115】
中間体6B:1-クロロエチル 2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート トリフルオロアセテート
【化36】

CHCl(10mL)中の、前のステップの1-クロロエチル 5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(1.1g、1.851mmol)、異性体1の固形物に、窒素雰囲気下、0℃で、CFCOH(1.426mL、18.51mmol)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を真空下30℃で濃縮した。残留物をエーテルと共に撹拌した。溶媒を慎重に撹拌した。生じた固形物を真空下で乾燥させ、粗生成物を褐色の油状物(1.1g、1.809mmol、収率98%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (s, 1H), 8.59 (br.s., 1H), 8.49 (s, 1H), 8.33 (br.s., 1H), 8.19 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 6.59 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 3.42-3.45 (m, 2H), 3.14-2.97 (m, 3H), 2.85-2.75 (m, 1H), 2.58 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.07-1.99 (m, 2H), 1.98-1.83 (m, 2H), 1.39-1.25 (m, 9H)。 LC-MS (ES): m/z = 494.2 [M+H]+
【0116】
中間体6C:1-クロロエチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化37】

1-クロロエチル 2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(1.1g、2.227mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、EtN(0.931mL、6.68mmol)および2-ブロモアセトアミド(0.399g、2.89mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をHOおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空下40℃で濃縮して、粗生成物を白色の固形物として得て、これはRP HPLC(カラム:SunFire OBD(250x30mm)、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:30ml/分;勾配:(時間(分)/%B)0/50、2/50、13/80)によって精製し、表題の化合物(0.8g、1.452mmol、収率65.2%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.85 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.13 (d, J = 11.60 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.36 (d, J = 11.20 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.57-6.59 (m, 1H), 2.97-2.80 (m, 4H), 2.78-2.65 (m, 2H), 2.57 (s, 3H), 2.15-2.24 (m, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.91-1.81 (m, 4H), 1.20-1.34 (m, 9H)。LC-MS (ES): m/z = 551.2 [M+H]+
【0117】
中間体6D:1-((1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化38】

1-クロロエチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(500mg、0.907mmol)のDMF(5mL)中の溶液に、1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボン酸(365mg、1.815mmol)、NaI(136mg、0.907mmol)、DIPEA(0.475mL、2.72mmol)を加えた。窒素雰囲気下、75℃で12時間撹拌した後、反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて、濃縮し、粗生成物を淡黄色を帯びた固形物として得た。粗生成物をRP HPLC(カラム:YMC TRIART C18(250x4.6)mm、5ミクロン;移動相:A:10mM NHOAc/HO;B:CHCN;流速:1.0mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/30、20/70、21/100、25/100、26/30)によって精製し、2つの異性体を得た。
異性体A:生成物を白色の固形物(135mg、0.187mmol、収率20.58%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.79 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.37-7.30 (m, 1H), 7.25 (br.s., 1H), 7.14 (br.s., 1H), 6.65 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.96 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.90 (s, 2H), 2.82-2.71 (m, 1H), 2.70-2.63 (m, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.21 (t, J = 11.0 Hz, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.92-1.75 (m, 4H), 1.36-1.21 (m, 18H), 1.04 (br.s., 2H), 0.98 (d, J = 5.5 Hz, 2H)。 LC-MS (ES): m/z = 716.4 [M+H]+
異性体B:生成物を白色の固形物(120mg、0.159mmol、収率17.55%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.07 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.34-7.32 (m, 1H), 7.25 (br.s., 1H), 7.13 (br.s., 1H), 6.70 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.96 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 2.90 (s, 2H), 2.80-2.74 (m, 1H), 2.72-2.61 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.28-2.16 (m, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.93-1.76 (m, 4H), 1.37-1.05 (m, 18H), 1.04 (br.s., 2H), 0.98 (d, J = 3.0 Hz, 2H)。 LC-MS (ES): m/z = 716.4 [M+H]+
【0118】
実施例6:
1-((1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(10mg、0.014mmol)のCHCl(1mL)中の異性体Aの溶液に、CFCOH(10.76μL、0.140mmol)を加えた。反応混合物を氷浴で1時間、および室温で1時間撹拌した。反応混合物を高真空ポンプ下で濃縮し、残留物を得て、これをCHCNおよびHOの混合物に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(5.05mg、6.78μmol、収率48.5%)を無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.64 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.22 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.38 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.88 (q, J = 5.4 Hz, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.78-3.81 (m, 2H), 3.35-3.30 (m, 2H), 3.11 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 2.88 (dt, J = 14.1, 7.0 Hz, 1H), 2.68 (s, 3H), 2.25-2.18 (m, 7H), 1.44-1.35 (m, 8H), 1.32-1.30 (m, 2H), 1.18 (d, J = 5.5 Hz, 3H)。LC-MS (ES): m/z = 616.4 [M+H]+。 HPLC RTおよび純度: 方法 A = 7.38 分および98.78%および方法 B = 9.93 分および98.96%。
【0119】
実施例7:
1-((1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(120mg、0.168mmol)の異性体Bの乾燥CHCl(2mL)中の溶液に、窒素雰囲気下、0℃で、CFCOH(0.3mL、3.89mmol)を加えた。30分間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をエーテルと共に撹拌した。溶媒を慎重にデカントした。残留した固形物を真空下で乾燥させ、粗生成物を灰白色の固形物として得た。固形物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(70mg、0.080mmol、収率48.0%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.63 (s, 1H), 8.51-8.44 (m, 1H), 8.27 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.39 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.94-6.84 (m, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.81-3.78 (m, 2H), 3.17-3.04 (m, 2H), 2.88 (quin, J = 7.2 Hz, 1H), 2.85-2.82 (m, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.26-2.14 (m, 7H), 1.46-1.26 (m, 9H), 1.24 (d, J = 5.5 Hz, 3H), 1.13-1.03 (m, 1H)。 LC-MS (ES): m/z = 616.4 [M+H]+。 HPLC RTおよび純度: 方法A = 7.50 分および97.86%および方法 B = 9.03 分および98.63%。
【0120】
実施例8および実施例9
6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-((ホスホノオキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(8)および
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-((ホスホノオキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(9)
【化39】

中間体8Aおよび9A:(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イウム-1-イル)メチル tert-ブチル ホスフェート
【化40】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(2.0g、4.50mmol)のCHCl(60.0mL)中の撹拌溶液に、KCO(0.622g、4.50mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。この混合物に、ジ-tert-ブチル (クロロメチル)ホスフェート(4.07g、15.75mmol)およびNaI(2.360g、15.75mmol)を加えた。反応混合物を68℃で20時間撹拌した。反応混合物をセライトベッドを介して濾過し、過剰なCHClで洗浄し、次いで濾液を真空で濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLC(カラム:YMC TRIAT(150x20)mm;5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/30、15/50)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させ、表題の化合物を異性体の混合物(490mg、0.626mmol、収率13.91%)として、灰白色の固形物として得た。LC-MS (ES): m/z = 611.4 [M+H]+
【0121】
実施例8および9:
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-1-(((tert-ブトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イウム アイオダイド(0.6g、0.812mmol)のCHCl(6.0mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.6mL、7.79mmol)を0℃で加えた。反応混合物を30分間同温度で撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。粗製化合物をRP HPLC(カラム:X-Bridge C18(250x30)mm;5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO;移動相B:CHCN:MeOH(1:1) 流速:30mL/分;勾配(時間(分)/%B):70/30)によって精製し、2つの異性体を得た。
実施例8(異性体1):化合物を灰白色の固形物として得た(86mg、0.123mmol、収率15.18%)。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.70 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.39 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.39 (s, 2H), 4.13-4.10 (m, 2H), 3.68-3.56 (m, 2H), 3.17-2.96 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.40-2.27 (m, 5H), 2.26-2.16 (m, 2H), 1.41 (d, J = 7.5 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 556.2 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 4.574 分および96.36%および方法B = 4.245 分および96.98%。
実施例9(異性体2):化合物を灰白色の固形物として得た(300mg、0.435mmol、収率53.5%)。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.71 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.20-4.10 (m, 4H), 3.90-3.74 (m, 2H), 3.17-2.93 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.49-2.33 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.15-2.11 (m, 2H), 1.40 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 556.2 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 4.585 分および97.19%および方法B = 4.265 分および97.74%。
【0122】
実施例10
4-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-4-オキソブチル 二水素 ホスフェート
【化41】

中間体10A:tert-ブチル 4-(1-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)ブタノイル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化42】

tert-ブチル 4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1g、2.051mmol)のCHCl(10mL)中の溶液に、4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)ブタン酸(1.494g、4.10mmol)、DCC(0.635g、3.08mmol)およびDMAP(0.376g、3.08mmol)を加えた。反応混合物をN下で16時間撹拌し、次いでCHClで希釈した。沈殿した固形物を濾過し、濾液を真空で濃縮し、残留物を得た。粗製化合物を、逆相HPLC(カラム:YMC TRIART C18(150x4.6)mm、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;B:CHCN;流速:1.0mL/分;勾配(時間(分)/%B:0/30、3/60、15/100、20/100、21/30)によって精製した。画分を高真空ポンプで濃縮した。最終的な残留物をCHCNおよびHO中に溶解させ、12時間凍結乾燥させ、表題の化合物(0.5g、0.600mmol、収率29.2%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.72 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.08 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.40-7.19 (m, 11H), 5.02-4.93 (m, 2H), 4.93-4.83 (m, 4H), 4.09 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 3.98-3.81 (m, 2H), 3.24-3.09 (m, 2H), 2.83 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.75-2.59 (m, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.87-1.58 (m, 6H), 1.57-1.44 (m, 6H), 1.42 (s, 9H)。LC-MS (ES): m/z = 734.2 [M+H]+
【0123】
中間体10B:ジベンジル (4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-イル)-4-オキソブチル)ホスフェート トリフルオロアセテート
【化43】

tert-ブチル 4-(1-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)ブタノイル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(80mg、0.096mmol)のCHCl(1mL)中の0℃の溶液に、CFCOH(0.3mL、3.89mmol)を加えた。反応混合物をN下0℃で1時間、次いで室温で1時間撹拌した。溶媒を高真空下で留去して、表題の化合物(80mg、0.094mmol、収率98%)を得た。LC-MS (ES): m/z = 734.2 [M+H]+
【0124】
中間体10C:4-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-4-オキソブチル ジベンジル ホスフェート
【化44】

ジベンジル (4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-イル)-4-オキソブチル)ホスフェート(80mg、0.109mmol)の無水DMF(1mL)中の溶液に、2-ブロモアセトアミド(19.55mg、0.142mmol)およびEtN(0.046mL、0.327mmol)を窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、HOおよびEtOAcに分配した。有機層をHOおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を淡黄色の油状物として得て、これをRP HPLC(カラム:SunFire OBD(250x30)mm、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:30mL/分)によって精製し、表題の化合物(70mg、0.089mmol、収率81%)を白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.80 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.36-7.23 (m, 12H), 7.16 (br.s., 1H), 4.94-4.86 (m, 4H), 3.94-3.82 (m, 2H), 3.00-2.86 (m, 4H), 2.76-2.59 (m, 4H), 2.54 (br.s., 3H), 2.30-2.15 (m, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.88 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 1.79 (br.s., 4H), 1.27 (t, J = 6.5 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 791.8 [M+H]+
【0125】
実施例10:
4-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-4-オキソブチル ジベンジル ホスフェート(40mg、0.051mmol)の無水EtOAc(2mL)中の溶液に、10%Pd-C(26.9mg、0.025mmol)を加えた。混合物を脱気して、次いでNガスを通気した。反応混合物をH雰囲気下で1時間撹拌し、セライトベッドを介して濾過し、ベッドをEtOAcで洗浄した。濾液を真空下30℃で濃縮した。粗生成物をRP HPLC(YMC Triart C18(150x4.6)mm、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:1.0mL/分;勾配:(時間(分)/%B)0/10、20/50、21/100、25/100)によって精製し、表題の化合物(5.23mg、8.39μmol、収率16.60%)を白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.78 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.37 (br.s., 1H), 7.32-7.19 (m, 2H), 3.64 (br.s., 2H), 3.04 (br.s., 4H), 2.75-2.60 (m, 4H), 2.56 (s, 3H), 2.27-2.33 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.89-1.74 (m, 6H), 1.27 (t, J = 6.9 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 609.5 [M-H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 4.305 分および99.05%および方法B = 4.494 分および98.76%。
【0126】
実施例11
S-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-L-システイン
【化45】

中間体11A:tert-ブチル S-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-システィネート
【化46】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(110mg、0.247mmol)のMeOH(5mL)中の溶液に、AgNO(168mg、0.990mmol)、EtN(0.138mL、0.990mmol)およびジ-tert-ブチル 3,3’-ジスルファンジイル(2R,2’R)-ビス(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート)(547mg、0.990mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。固形物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、橙色に着色した固形物を得た。粗製物質を逆相HPLC(カラム:YMC TRIAT(150x20)mm;5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/50、14/80)によって精製した。精製画分を真空下で濃縮し、残留物を得て、これをCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させ、表題の化合物(70mg、0.097mmol、収率39.3%)を無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.60 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.30 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.14-7.09 (m, 1H), 4.29 (dd, J = 8.8, 4.3 Hz, 1H), 3.26-3.19 (m, 3H), 3.06 (br.s., 2H), 3.02-2.91 (m, 1H), 2.83 (dd, J = 14.6, 9.0 Hz, 1H), 2.71-2.61 (m, 4H), 2.46-2.35 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.13-2.00 (m, 2H), 1.99-1.88 (m, 2H), 1.55-1.43 (m, 18H), 1.40 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 720.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 9.046 分および99.42%および方法B = 8.294 分および99.66%。
【0127】
実施例11:
tert-ブチル (5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-システィネート(70mg、0.097mmol)のCHCl(1mL)中の溶液に、CFCOH(0.075mL、0.972mmol)を加えた。反応混合物を氷浴で1時間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を高真空ポンプ下で乾燥させ、残留物を得て、これをCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(52.62mg、0.075mmol、収率77%)を無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.61 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.37 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.19-4.10 (m, 3H), 3.80 (t, J = 13.8 Hz, 2H), 3.45-3.20 (m, 4H), 3.06-2.95 (m, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.22 (br.s., 4H), 1.41 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。 LC-MS (ES): m/z = 564.5 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 4.13 分および97.63%および方法B = 4.95 分および96.63%。
【0128】
実施例12および実施例13
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム ジトリフルオロアセテート(12)および6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-(((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリトリフルオロアセテート
【化47】

中間体12Aおよび13A:1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-1-((((3-(((N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)(メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イウム クロライド(12A)および6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-1-((((3-(((N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)(メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム クロライド(13A)
【化48】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(0.1g、0.225mmol)のCHCN(6.0mL)中の撹拌溶液に、(2-(((クロロメトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)ピリジン-3-イル)メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシネート(0.271g、0.675mmol)およびNaI(0.101g、0.675mmol)を加えた。反応混合物を68℃で16時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(カラム:SunFire C18(150x21.2)mm 5ミクロン;移動相A:0.1%HCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10,10/35)によって精製した。画分を高真空下の30℃以下で濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、190mgの生成物を灰白色の固形物として得た。得られた異性体の混合物を(カラム/寸法:Chiralcel OD-H(250x4.6)mm、5ミクロン;%共溶媒:30%の0.2%EtN/MeOH:CHCN(1:1);背圧:100bar;温度:30℃)を用いて分離した。画分を30℃以下の高真空を用いて濃縮した。残留物をそれぞれCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、2つの生成物を得た。
中間体12A(異性体A):生成物を灰白色の固形物として得た(56mg、0.062mmol、収率27.4%)。LC-MS (ES): m/z = 811.4 [M+H]+
中間体13A(異性体B):生成物を灰白色の固形物として得た(24mg、0.025mmol、収率11.09%)。LC-MS (ES): m/z = 811.4 [M+H]+;
【0129】
実施例12:
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-1-((((3-(((N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)(メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イウム クロライド(50.0mg、0.059mmol)のCHCl(2.0mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.5mL、6.49mmol)を0℃で加えた。反応混合物を同温度で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。粗製化合物をEtOでトリチュレートした。得られた固形物をCHCN:HOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(28mg、0.028mmol、収率48.0%)を淡黄色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.50 (br.s., 2H), 8.33 (s, 1H), 8.00 (br.s., 1H), 7.58 (br.s., 1H), 7.45 (br.s., 1H), 7.32-7.20 (m, J = 8.1 Hz, 1H), 7.12-7.00 (m, J = 8.6 Hz, 1H), 6.30-5.60 (m, 2H), 5.40-5.20 (m, 2H), 4.40-4.10 (m, 4H), 3.99-3.80 (m, 2H), 3.78-3.70 (m, 2H), 3.64-3.45 (m, 3H), 3.20-3.00 (m, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.68 (br.s., 3H), 2.37 (br.s., 2H), 2.20-1.93 (m, 5H), 1.35-1.22 (m, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 711.2 [M+H]+。 HPLC RTおよび純度: 方法A = 3.901 分および97.89%および方法B = 6.590 分および95.44%。
【0130】
実施例13:
6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-1-((((3-(((N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)(メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム(20.0mg、0.025mmol)のCHCl(1.0mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.2mL、2.60mmol)を0℃で加えた。反応混合物を同温度で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。粗製化合物をEtOでトリチュレートし、固形物をCHCN:HOの混合物に溶解させ、次いで凍結させ、16時間凍結乾燥し、生成物を淡黄色の固形物として得た。粗製化合物を、逆相分取HPLC(カラム:Inersil ODS C18(250x4.6mm)、5ミクロン;移動相-A:0.1%CFCOH/HO;移動相-B:CHCN;流速:1.0ml/分;勾配(時間(分)/%B):0/20、2/25、20/35、21/20)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCN:HOの混合物中に溶解させ、次いで凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(9.4mg、9.51μmol、収率38.6%)を褐色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.68-8.54 (m, 2H), 8.45 (s, 1H), 8.11-8.14 (m, 1H), 7.68-7.73 (m, 1H), 7.60 (br.s., 1H), 7.37 (br.s., 1H), 7.20-7.24 (m, 1H), 6.10-5.50 (m, 2H), 5.40-5.25 (m, 2H), 4.55-4.36 (m, 1H), 4.23 (br.s., 1H), 4.11 (br.s., 2H), 3.90 (br.s., 2H), 3.74 (br.s., 1H), 3.63-3.45 (m, 4H), 3.08-2.96 (m, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.67 (s, 3H), 2.38-2.15 (m, 7H), 1.41 (d, J=7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 711.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 4.822分および95.69%および方法B = 5.774 分および95.25%。
【0131】
実施例14
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(1-((メチル(3-(((メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)オキシ)エチル)ピペリジン-1-イウム ジトリフルオロアセテート
【化49】

中間体14A:1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-1-(1-(((3-(((N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)(メチル)カルバモイル)オキシ)エチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イウム クロライド
【化50】

NaI(0.202g、1.350mmol)を、2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(0.1g、0.225mmol)および(2-(((1-クロロエトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)ピリジン-3-イル)メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシネート(0.561g、1.350mmol)のCHCN(6.0mL)中の撹拌溶液に加えた。反応混合物を68℃に加熱し、同温度で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(Xbridge C18(150x4.6)mm 5ミクロン;移動相A:0.1%HCOOH/HO;移動相B:CHCN;流速:2.0mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、20/70、21/100、25/100)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(16mg、0.018mmol、収率7.93%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.17-11.09 (br.s., 1H), 10.14-9.73 (s, 1H), 9.36 (br.s., 1H), 8.49 (s, 2H), 7.99-7.91 (m, 1H), 7.60-7.09 (m, 6H), 5.25-5.12 (br.s., 2H), 4.02 (br.s., 2H), 3.16 (br.s., 2H), 2.95-2.85 (m, 10H), 2.38 (br.s., 6H), 2.25-2.11 (m, 2H), 1.93-1.73 (m, 7H), 1.45-1.19 (m, 15H)。LC-MS (ES): m/z = 825.4 [M+H]+
【0132】
実施例14:
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-1-(1-(((3-(((N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチルグリシル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)(メチル)カルバモイル)オキシ)エチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イウム クロライド(14.0mg、0.016mmol)のCHCl(1.0mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.1mL、1.298mmol)を0℃で加えた。反応混合物を同温度で45分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製化合物をEtOでトリチュレートした。沈殿した固形物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、次いで凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(12mg、0.013mmol、収率79%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 9.89-9.39 (m, 1H), 9.14 (s, 1H), 8.54-8.48 (m, 1H), 8.12-8.04 (m, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.60 (br.s., 1H), 7.41 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.19-7.15 (m, 1H), 5.43 (br.s., 1H), 5.31 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.18-4.06 (m, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.79-3.77 (m, 2H), 3.45 (br.s., 2H), 3.31-3.20 (m, 3H), 3.04-2.88 (m, 5H), 2.79 (br.s., 3H), 2.48 (br.s., 3H), 2.24-2.19 (m, 5H), 1.94 (br.s., 2H), 1.50-1.36 (m, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 725.4 [M+H]+。HPLC RTおよび純度: 方法A = 4.473 分および94.36%および方法B = 9.070 分および94.19%。
【0133】
実施例15
((1-アミノシクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート トリフルオロアセテート
【化51】

中間体15:クロロメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化52】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(200mg、0.450mmol)のDMF(2.0mL)および水素化ナトリウム(54.0mg、1.350mmol)中の溶液に、クロロメチルクロロホルメート(0.060mL、0.675mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物をN下、0℃で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈した。溶液をHO(2x20mL)およびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して(<40℃)、無色の液状物を得た。粗生成物をRP HPLCによって精製した。HPLC画分を真空下で濃縮し、残留物を得て、これをCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(150mg、0.279mmol、収率62.1%)を無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.60 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.20 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.37 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 5.88 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 3.16-3.08 (m, 4H), 2.88 (dt, J = 14.1, 7.0 Hz, 1H), 2.73 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.66 (s, 3H), 2.47-2.36 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.03-1.91 (m, 4H), 1.38 (dd, J = 8.5, 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 537.2 [M+H]+
【0134】
中間体15B:((1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化53】

クロロメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(70mg、0.130mmol)および1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボン酸(26.2mg、0.130mmol)のDMF中の溶液に、KI(21.64mg、0.130mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。水を加えて均一な溶液を作り、これをRP HPLC(カラム:YMC TRAIRT(150x20mm)、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/20、2/40、15/80、17/100)によって直接精製した。精製後、画分を減圧下で濃縮した。残留物をCHCNおよびHO中に溶解させ、混合物を凍結乾燥に付し、表題の化合物(30mg、0.043mmol、収率32.8%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.57 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.22 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.35 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.72-5.62 (m, 2H), 3.20-3.11 (m, 4H), 2.88-2.69 (m, 2H), 2.66 (s, 3H), 2.45 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.06-1.91 (m, 4H), 1.43-1.33 (m, 15H), 1.26 (br.s., 2H), 1.09 (d, J = 3.5 Hz, 2H)。LC-MS (ES): m/z = 702.4 [M+H]+
【0135】
実施例15:
((1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパン-1-カルボニル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(20mg、0.028mmol)のCHCl(1mL)中の溶液に、CFCOH(0.2mL、0.570mmol)を加えた。反応混合物を氷浴で1時間、次いで室温で1時間撹拌した。粗製反応混合物を高真空下で濃縮し、残留物を得た。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、2日にわたり凍結乾燥させ、表題の化合物(15.76mg、0.021mmol、収率72.6%)を無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.56 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.27 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.38 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.87 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.81-3.78 (m, 2H), 3.31-3.25 (m, 2H), 3.10 (br.s., 1H), 2.87 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.27-2.16 (m, 7H), 1.51-1.44 (m, 2H), 1.41-1.33 (m, 8H)。LC-MS (ES): m/z = 602.3 [M+H]+。 HPLC RTおよび純度: 方法A = 5.03 分および95.04%および方法B = 9.03 分および94.19%。
【0136】
実施例16
(ホスホノオキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化54】

中間体16A:((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化55】

クロロメチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(120mg、0.223mmol)のDMF(1mL)中の溶液に、テトラ-n-ブチルアンモニウム ジ-tert-ブチル ホスフェート(202mg、0.447mmol)およびKI(37.1mg、0.223mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。水を反応混合物に加え、均一な溶液を得て、これをRP HPLC(カラム:X-Bridge C18(150x19)mm;5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN:IPA(70:30);流速:20mL/分;勾配:0/30、15/60)によって精製した。精製後、画分を減圧下で濃縮し、残留物をCHCNおよびHO中に溶解させた。混合物を凍結乾燥に付し、表題の化合物(25mg、0.035mmol、収率15.74%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.55-8.52 (m, 1H), 8.42-8.38 (m, 1H), 8.36-8.25 (m, 1H), 7.73-7.69 (m, 1H), 7.36 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 13.3, 3.3 Hz, 2H), 3.72 (br.s., 1H), 3.50 (br.s., 2H), 2.88 (td, J = 7.0, 4.0 Hz, 4H), 2.75-2.71 (m, 1H), 2.65 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.12 (br.s., 2H), 2.06 (br.s., 2H), 1.46-1.30 (m, 24H)。LC-MS (ES): m/z = 711.2 [M+H]+
【0137】
実施例16:
((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(25mg、0.035mmol)のCHCl(1mL)中の溶液に、CFCOH(0.25mL、3.24mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。粗製反応混合物を高真空ポンプ下で濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、2日にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(14.42mg、0.019mmol、収率55.2%)を無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.62 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.34 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.64 (ddd, J = 18.7, 13.7, 5.3 Hz, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.81-3.78 (m, 2H), 3.30-3.28 (m, 2H), 3.11-3.05 (m, 1H), 2.93-2.82 (m, 1H), 2.66 (s, 3H), 2.31-2.21 (m, 7H), 1.38 (dd, J = 9.0, 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 599.0 [M+H]+。 HPLC RTおよび純度: 方法A = 7.77 分および95.94%および方法B = 9.14 分および95.65%。
【0138】
実施例17
(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホン酸
【化56】

中間体17A:ビス(2-(トリメチルシリル)エチル) (5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホネート
【化57】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(0.2g、0.450mmol)のCHCl(2mL)中の撹拌溶液に、1H-テトラゾール(CHCN中の4%溶液)(1.300mL、0.594mmol)およびビス(2-(トリメチルシリル)エチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.5mL、1.215mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した。H水溶液(0.2mL、1.940mmol)を加えた。反応混合物を同温度で10分間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮し、無色の油状物を得た。粗生成物を、RP HPLC(カラム:X-Bridge C18(150x19)mm;5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:18mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/50、2/50、15/80)によって精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物を、CHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させ、表題の化合物(173mg、0.234mmol、収率52.0%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.99-10.94 (m, 1H), 8.74 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.60-7.52 (m, 1H), 7.35-7.23 (m, 1H), 7.03 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.20-4.07 (m, 3H), 3.86-3.76 (m, 1H), 3.20-3.10 (m, 1H), 3.02-2.83 (m, 3H), 2.64-2.56 (m, 4H), 2.39-2.26 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.08 (br.s., 1H), 2.00 (br.s., 1H), 1.81 (br.s., 3H), 1.38-1.28 (m, 6H), 1.26-1.10 (m, 1H), 1.10-0.98 (m, 3H), 0.93 (br.s., 1H), 0.08-0.02 (m, 18H)。LC-MS (ES): m/z = 725.5 [M+H]+
【0139】
実施例17:
ビス(2-(トリメチルシリル)エチル) (5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホネート(100mg、0.138mmol)のCHCl(3mL)中の撹拌溶液に0℃で、CFCOH(0.5mL、6.49mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで室温に昇温させ、1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、30℃で溶媒を留去した。残留物を、RP HPLC(カラム:X-Bridge フェニル(250x19mm)、5ミクロン;移動相A:10mM NHHCO/HO pH-9.5;移動相B:CHCN;流速:16mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/20、2/20、9/35)を用いて精製した。画分を30℃で高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させ、表題の化合物(45mg、0.081mmol、収率59.1%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.60 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.22 (br.s., 1H), 3.65 (br.s., 1H), 3.43 (br.s., 2H), 3.25-3.18 (m, 1H), 3.04-2.93 (m, 2H), 2.76 (br.s., 1H), 2.66 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.12 (br.s., 4H), 1.40 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 525.3 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 6.636 分および95.01%および方法B = 8.004 分および95.29%。
【0140】
実施例18
(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホネート
【化58】

中間体18A:tert-ブチル 4-(1-(ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化59】

tert-ブチル 4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.75g、1.538mmol)のTHF(20.0mL)中の撹拌溶液に、水素化ナトリウム(0.154g、3.84mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物に、THF(5.0mL)中のテトラベンジル ジホスフェート(3.31g、6.15mmol)を0℃で加えた。反応混合物を同温度で1時間撹拌し、氷冷HOでクエンチし、次いでEtOAcおよびHOに分配した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物を得た。粗生成物を逆相分取HPLC(カラム:YMC TRIART C18(150x4.6)mm、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:1.0mL/分;勾配(時間(分)/%B:0/30、3/60、15/100、20/100、21/30)を用いて精製した。画分を30℃以下の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCl中に溶解させ、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題の化合物(0.52g、0.667mmol、収率43.4%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.62 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.67-7.61 (m, 1H), 7.34-7.15 (m, 9H), 7.10-7.02 (m, 2H), 5.15-4.94 (m, 2H), 4.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.13 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.95-2.75 (m, 3H), 2.71-2.59 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 1.96 (s, 3H), 1.82-1.85 (m, 2H), 1.69-1.55 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.25 (dd, J = 7.0, 2.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 748.4 [M+H]+
【0141】
中間体18B:ジベンジル (5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホネート
【化60】

tert-ブチル 4-(1-(ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(510mg、0.682mmol)のCHCl(6.0mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.6mL、7.79mmol)を0℃で加えた。反応混合物を同温度で2.5時間撹拌した。反応混合物を同温度で2.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、CHClおよびEtOで共蒸留して、表題の化合物(1.01g)を淡褐色の油状物として得た。LC-MS (ES): m/z = 648.2 [M+H]+。上記の粗生成物のDMF(5.0mL)中の撹拌溶液に、EtN(0.549mL、3.94mmol)および2-ブロモアセトアミド(0.235g、1.707mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題の化合物(0.6g、0.851mmol、収率64.8%)を淡褐色の油状物として得た。LC-MS (ES): m/z = 705.6 [M+H]+
【0142】
実施例18:
ジベンジル (5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)ホスホネート(580.0mg、0.823mmol)のエタノール(5.0mL)中の撹拌溶液に、Pd/C(150mg、0.141mmol)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応混合物をセライトベッドを介して濾過し、MeOHおよびHO(1:1)の混合物で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、残留物を得た。粗製物質を逆相分取HPLC(カラム:YMC TRIAT(150x20)mm、5ミクロン;移動相A:10mM NHHCO/HO、pH:9.5 移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、13/35)を用いて精製した。画分を凍結乾燥などのために保持し、表題の化合物(6.0mg、10.31μmol、収率1.25%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.53 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.21 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.16 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.74-3.77 (m, 2H), 3.30-3.20 (m, 2H), 3.00 (br.s., 1H), 2.77 (dt, J = 14.2, 7.2 Hz, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.23-2.13 (m, 4H), 1.35 (dd, J = 7.0, 4.5 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 525.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 5.901 分および96.09%および方法B = 5.794 分および96.02%。
【0143】
実施例19
(ホスホノオキシ)メチル (2-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート
【化61】

中間体19A:((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル (2-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート
【化62】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1-(メチルグリシル)-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(0.275g、0.533mmol)および((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル クロロホルメート(0.723g、0.800mmol)のTHF(5mL)中の撹拌溶液に、0℃で、DIPEA(1.863mL、10.67mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物をHOおよびEtOAcに分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物をRP HPLCを用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(0.060g、0.068mmol、収率12.81%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.89-8.85 (m, 1H), 8.50 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.19 (dd, J = 8.5, 7.0 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.37-7.23 (m, 11H), 7.19 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 5.61-5.43 (m, 2H), 5.03 (dd, J = 7.8, 5.8 Hz, 2H), 4.98-4.93 (m, 1H), 4.91 (dd, J = 8.0, 4.5 Hz, 1H), 4.16-4.06 (m, 1H), 4.03-3.93 (m, 1H), 2.96 (br.s., 3H), 2.73 (s, 1H), 2.77 (s, 2H), 2.72-2.62 (m, 2H), 2.56 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 2.23 (br.s., 2H), 2.14-2.03 (m, 4H), 1.92 (s, 1H), 1.82 (br.s., 3H), 1.36-1.22 (m, 6H)。 LC-MS (ES): m/z = 850.2 [M+H]+
【0144】
実施例19:
((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル (2-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバメート(0.050g、0.059mmol)の1,2-ジクロロエタン(2mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.227mL、2.94mmol)およびアニソール(0.161mL、1.471mmol)を0℃で加えた。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物の溶媒を真空下30℃で濃縮し、褐色のゴム状物質を得た。残留物をEtOでトリチュレートし、デカントした。沈殿した固形物を真空下で乾燥した。固形物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、粗生成物を淡褐色の固形物として得た。粗生成物をRP HPLC(カラム:SunFire C18(150x19)mm;5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、2/10、6/30)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(0.028g、0.034mmol、収率58.6%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.52 (br.s., 1H), 8.85-8.89 (m, 1H), 8.54-8.50 (m, 1H), 8.28 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.73-7.71 (m, 1H), 7.31 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.45-5.28 (m, 2H), 4.22-4.06 (m, 2H), 4.03-3.93 (m, 2H), 3.80-3.60 (m, 2H), 3.30-3.10 (m, 2H), 3.05-2.90 (m, 1H), 2.84-2.79 (m, 3H), 2.70-2.59 (m, 4H), 2.22-1.97 (m, 7H), 1.36-1.23 (m, 6H)。 LC-MS (ES): m/z = 670.2 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法C = 4.466 分および96.47%および方法D = 7.144 分および98.68%。
【0145】
実施例20および21
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(2-(ホスホノオキシ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(20)および6-(5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-2-イル)-7,8-ジメチル-1-(((メチル(2-(ホスホノオキシ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-1-イウム トリフルオロアセテート(21)
【化63】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(500mg、1.125mmol)のCHCl(10mL)中の溶液に、クロロメチル (2-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)エチル)(メチル)カルバメート(1684mg、3.94mmol)、およびTBAI(1454mg、3.94mmol)を加えた。反応混合物を70℃で16時間撹拌した。反応混合物をシリンジフィルターを介して濾過し、CHClで洗浄した。有機層を濃縮して、粗生成物を淡黄色の油状物として得て、これを逆相HPLC(カラム:SunFire C18(150x19)mm;5ミクロン;移動相A:0.1%HCOH/HO 移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配:0/10、20/50によって精製して、60mgの2つの化合物の混合物を得た[LC-MS (ES): m/z = 746.5 [M+H]+ および LC-MS (ES): m/z = 836.6 [M+H]+]。
【0146】
化合物(60mg、0.072mmol)の1,2-ジクロロエタン(2mL)中の混合物の撹拌溶液に、CFCOH(5.52μL、0.072mmol)およびアニソール(7.83μL、0.072mmol)を0℃で加えた。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物を真空下30℃で濃縮し、粗生成物を淡褐色の油状物として得た。粗生成物をRP HPLC(Kinetex PFP(150x21.2)mm;5ミクロン;移動相A:0.1%CFCOH/HO 移動相B:CHCN:IPA(70:30);流速:18mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/10、10/25)によって精製し、異性体1および異性体2を灰白色の固形物として得た。
実施例20 (異性体1): 24.25 mg、0.031 mmol、収率43.0 %): 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.70 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.34 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.21 (d, J=9.0 Hz, 1H), 5.62 (s, 2H), 4.36 (br.s., 2H), 4.06-3.99 (m, 2H), 3.90-3.87 (m, 2H), 3.59-3.50 (m, 2H), 3.06 (s, 2H), 2.96-2.87 (m, 5H), 2.59 (s, 3H), 2.23-2.13 (m, 5H), 2.08 (br.s., 2H), 1.32 (d, J=7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 656.2 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法E = 5.53 分および98.93%および方法F = 7.02 分および98.95%。
実施例21 (異性体 2): 5.41 mg、6.88 μmol、収率9.60 %)。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.70 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.80 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 4.12 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.05-3.91 (m, 4H), 3.61 (br.s., 1H), 3.52 (br.s., 1H), 3.06-2.99 (m, 2H), 2.99-2.85 (m, 4H), 2.60-2.50 (m, 4H), 2.35-2.20 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.02-2.06 (m, 2H), 1.33 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 656.2 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法E = 4.84 分および98.79%および方法F = 5.39 分および98.64%。
【0147】
実施例22
((3-メトキシ-4-(ホスホノオキシ)ベンゾイル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化64】

中間体22A:クロロメチル 5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化65】

tert-ブチル 4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.0g、2.051mmol)のTHF(5mL)中の溶液に、LiHMDSのTHF中の1M溶液(3.08mL、3.08mmol)を加えた。反応混合物をN下、-78℃で1時間撹拌した。次いで、クロロメチルクロロホルメート(0.529g、4.10mmol)を加えた。反応混合物をN下、-78℃で1時間撹拌した。反応混合物をHOおよびEtOAcに分配した。有機層をHOおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、表題の化合物(0.8g、1.379mmol、収率67.2%)を淡黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.83 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.08 (d, J = 11.60 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.32 (d, J = 11.60 Hz, 1H), 5.92-5.83 (m, 2H), 4.12-4.07 (m, 2H), 2.87-2.72 (m, 4H), 2.56 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.83-1.75 (m, 2H), 1.59-1.51 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.28-1.23 (m, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 580.5 [M+H]+
【0148】
中間体22B:ベンジル (4-((((5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル)-2-メトキシフェニル)ホスフェート
【化66】

クロロメチル 5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(0.8g、1.379mmol)のDMF(5.0mL)中の撹拌溶液に、DIPEA(1.204mL、6.90mmol)、TBAI(1.019g、2.76mmol)、および4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3-メトキシ安息香酸(1.181g、2.76mmol)を加えた。均一な反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLC(カラム:X-Bridge フェニル(250x19)mm;5ミクロン;移動相A:10mM NHHCO pH9.5;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(時間(分)/%B):0/40、11.5/63)で精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させ、表題の化合物(180mg、0.200mmol、収率14.52%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.74 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.15 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.69-7.61 (m, 2H), 7.36-7.30 (m, 2H), 7.30-7.24 (m, 4H), 7.24-7.17 (m, 2H), 5.97 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.84 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.79-4.73 (m, 2H), 4.12 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.22-3.11 (m, 4H), 2.84 (t, J = 11.8 Hz, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), 1.82 (d, J = 11.5 Hz, 2H), 1.66-1.51 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 0.97-0.89 (m, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 881.5 [M+H]+
【0149】
中間体22C:((4-(((ベンジルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)-3-メトキシベンゾイル)オキシ) メチル 2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート、トリフルオロアセテート
【化67】

((4-(((ベンジルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)-3-メトキシベンゾイル)オキシ)メチル 5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(0.2g、0.227mmol)のCHCl(2.0mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.2mL、2.60mmol)を0℃で加えた。均一な反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を完全に減圧下で濃縮し、生成物(0.19g、0.170mmol、収率74.8%)を淡褐色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.79 (s, 1H), 8.67 (br.s., 1H), 8.48-8.36 (m, 3H), 8.21 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.67 (br.s., 2H), 7.44-7.28 (m, 7H), 5.96 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.89 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.11-5.03 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.42 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 3.10-2.97 (m, 2H), 2.74-2.65 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.98-1.83 (m, 4H), 1.38-1.20 (m, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 782.0 [M+H]+
【0150】
中間体22D:((4-(((ベンジルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)-3-メトキシベンゾイル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化68】

((4-(((ベンジルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)-3-メトキシベンゾイル)オキシ)メチル 2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(0.18g、0.201mmol)のDMF(5.0mL)中の撹拌溶液に、EtN(0.084mL、0.603mmol)および2-ブロモアセトアミド(0.042g、0.301mmol)を0℃で加えた。均一な反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよびHOに分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLC(カラム:YMC Trait(250x20)mm、5ミクロン;移動相A:10mM NHHCO pH9.5/HO;移動相B:CHCN;流速:18mL/分;勾配:(時間(分)/%B):0/10、20/70、21/100)によって精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(80mg、0.093mmol、収率46.5%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.75 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.16 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.72-7.59 (m, 3H), 7.42-7.14 (m, 9H), 5.97 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.78 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.26-3.16 (m, 2H), 2.91 (br.s., 2H), 2.76-2.65 (m, 4H), 2.31 (s, 3H), 2.08 (br.s., 2H), 2.03-1.89 (m, 5H), 1.38-1.19 (m, 6H)。 LC-MS (ES): m/z = 839.0 [M+H]+
【0151】
実施例22:
((4-(((ベンジルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)-3-メトキシベンゾイル)オキシ)メチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(120mg、0.143mmol)のジクロロエタン(5.0mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(1.0mL、12.98mmol)およびアニソール(0.1mL、0.915mmol)を加えた。反応混合物を55℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で完全に濃縮した。粗製化合物をEtOと共に撹拌した。沈殿した固形物を真空下で乾燥させて、CHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(90mg、0.115mmol、収率81%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.00 (br.s., 1H), 7.75-7.65 (m, 2H), 7.51 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.41-7.25 (m, 3H), 5.96 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.87 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 3.92 (br.s., 2H), 3.53 (br.s., 3H), 3.18 (br.s., 2H), 2.96 (br.s., 2H), 2.67 (dd, J = 14.5、7.3 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.12-1.93 (m, 7H), 1.36-1.20 (m, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 749.2 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 8.040 分および96.08%および 方法B = 9.104 分および97.20%。
【0152】
実施例23
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(((メチル(2-(メチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イウム トリフルオロアセテート
【化69】

中間体23A:tert-ブチル (クロロメチル)エタン-1,2-ジイルビス(メチルカルバメート)
【化70】

tert-ブチル メチル(2-(メチルアミノ)エチル)カルバメート(3.00g、15.93mmol)のCHCl(30mL)中の撹拌溶液に、ピリジン(2.58mL、31.9mmol)およびクロロメチルクロロホルメート(2.84mL、31.9mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物をHOおよびCHClに分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下0℃で濃縮して、表題の化合物(3.7g、13.18mmol、収率83%)を淡黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 5.86 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.43-3.29 (m, 4H), 2.88 (s, 3H), 2.77 (br.s., 3H), 1.37 (s, 9H)。
【0153】
中間体23B:1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(4,7,10,10-テトラメチル-3,8-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデシル)ピペリジン-1-イウム アイオダイド
【化71】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(0.500g、1.125mmol)のCHCl(15mL)中の溶液に、tert-ブチル (クロロメチル)エタン-1,2-ジイルビス(メチルカルバメート)(1.105g、3.94mmol)およびTBAI(1.454g、3.94mmol)を加えた。反応混合物を68℃で12時間加熱した。反応混合物をセライトベッドを介して濾過し、CHClで洗浄した。濾液を減圧下30℃で濃縮した。粗生成物をRP HPLC(カラム:SunFire OBD(250x30mm)、5ミクロン;移動相A:0.1% HCOH/HO;移動相B:CHCN;流速:30mL/分;勾配(T/%B):0/20、2/20、12/40)を用いて精製した。画分を30℃の高真空を用いて濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、2つの異性体の混合物(135mg、収率17.4%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.06 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.61-8.42 (m, 2H), 8.39 (br.s., 1H), 7.75 (br.s., 1H), 7.68-7.59 (m, 1H), 7.32-7.11 (m, 1H), 5.79-5.64 (m, 2H), 4.48-4.21 (m, 2H), 3.96-3.22 (m, 8H), 2.96-2.74 (m, 8H), 2.59 (s, 3H), 2.38-2.19 (m, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.03 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 1.44-1.35 (m, 9H), 1.32 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。 LC-MS (ES): m/z = 690.4 [M+H]+
【0154】
実施例23:
1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1-(4,7,10,10-テトラメチル-3,8-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデシル)ピペリジン-1-イウム アイオダイド(0.130g、0.159mmol)のジクロロメタン(2mL)中の撹拌溶液に、CFCOH(0.123mL、1.592mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を30℃の真空下で濃縮した。粗生成物をEtOで洗浄した。固形物を30℃の高真空下で乾燥させた。固形物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させ、凍結させ、12時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(0.105g、0.127mmol、収率80%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.61 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.75-7.64 (m, 1H), 7.43-7.34 (m, 1H), 7.26-7.13 (m, 1H), 5.96-5.76 (m, 2H), 4.49-4.27 (m, 2H), 4.24-4.06 (m, 2H), 3.87-3.61 (m, 4H), 3.31-3.27 (m, 2H), 3.18-3.05 (m, 4H), 3.05-2.95 (m, 1H), 2.83-2.74 (m, 3H), 2.67 (s, 3H), 2.52-2.32 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.23-2.11 (m, 2H), 1.40 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 590.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A =4.183 分および98.85%および 方法B =4.471 分および98.85%。
【0155】
実施例24
エチル 5-(1-(2-アミノ-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化72】

中間体24A:エチル 5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート
【化73】

tert-ブチル 4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、1.025mmol)のDMF(5mL)中の溶液に、NaH(61.5mg、1.538mmol)を加えた。反応混合物をN下、0℃で30分間撹拌した。次いで、エチルクロロホルメート(0.117mL、1.230mmol)を加えた。反応混合物をN下、0℃から室温で16時間撹拌し、HOおよびEtOAcに分配した。有機層をHOおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗製物質を、コンビフラッシュクロマトグラフィー(60-120シリカゲル;溶出液として10-50%EtOAc/石油エーテル)によって精製し、表題の化合物(290mg、51%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.77 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.69-7.64 (m, 1H), 7.30 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 4.18-4.02 (m, 4H), 2.91-2.72 (m, 4H), 2.57 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.90-1.80 (m, 2H), 1.65-1.55 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.29 (t, J = 7.5 Hz, 6H), 0.83 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。LC-MS (ES): m/z = 560.4 [M+H]+
【0156】
中間体24B:エチル 2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート トリフルオロアセテート
【化74】

エチル 5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)-2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-1-カルボキシレート(300mg、0.536mmol)の、乾燥CHCl(1mL)中の溶液に、0℃窒素雰囲気下で、CFCOH(0.041mL、0.536mmol)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下30℃で濃縮した。残留物をエーテルと共に撹拌した。溶媒を慎重にデカントした。生じた固形物を真空下で乾燥させて、表題の化合物(298mg、0.520mmol、収率97%)を灰白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.79 (s, 1H), 8.61 (br.s., 1H), 8.47 (s, 1H), 8.35-8.37 (m, 1H), 8.17 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.28 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 4.18-4.03 (m, 2H), 3.42-3.45 (m, 2H), 3.12-2.96 (m, 3H), 2.77 (dt, J = 14.1, 7.0 Hz, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.06-1.98 (m, 2H), 1.97-1.83 (m, 2H), 1.30 (dd, J = 11.0、7.0 Hz, 6H), 0.83 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。LC-MS (ES): m/z = 460.4 [M+H]+
【0157】
実施例24:
エチル 2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(298mg、0.648mmol)のDMF(5mL)中の溶液に、2-ブロモアセトアミド(179mg、1.297mmol)およびEtN(0.271mL、1.945mmol)を加えた。反応混合物をN下室温で1時間撹拌した。窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて、濃縮した。粗製物質を、逆相分取HPLC(カラム:SunFire C18(19x150mm)、5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;勾配:(時間(分)/%B):0/30、15/80、16/100、18/100;流速:20mL/分)によって精製し、表題の化合物(200mg、0.387mmol、収率59.7%)を白色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.77 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.31 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.25 (br.s., 1H), 7.14 (br.s., 1H), 4.19-4.02 (m, 2H), 2.99-2.90 (m, 2H), 2.90 (s, 2H), 2.77 (quin, J = 7.2 Hz, 1H), 2.70-2.60 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.26-2.17 (m, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.92-1.75 (m, 4H), 1.30 (dd, J = 8.8, 7.3 Hz, 6H), 0.83 (t, J = 7.3 Hz, 3H)。LC-MS (ES): m/z = 517.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法E = 5.08 分および99.13%および 方法F = 7.72 分および99.09%。
【0158】
実施例25
2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(ヒドロキシメチル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド
【化75】

2-(4-(2-(7,8-ジメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ピペリジン-1-イル)アセトアミド(200mg、0.450mmol)のDMF(2.0mL)中の溶液に、水素化ナトリウム(54.0mg、1.350mmol)およびクロロギ酸クロロメチル(0.060mL、0.675mmol)を加えた。反応混合物をN下0℃で1時間撹拌した。反応混合物を高真空ポンプ下で濃縮し、残留物を得た。粗生成物を逆相HPLC(カラム:YMC TRIAT(150x20)mm;5ミクロン;移動相A:10mM NHOAc/HO;移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配(T/%B):0/20、12/45)によって精製した。画分を真空下で濃縮した。残留物をCHCNおよびHOの混合物中に溶解させた。得られた混合物を凍結させ、16時間にわたり凍結乾燥させて、表題の化合物(29.57mg、0.061mmol、収率38.9%)を無色の固形物として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.66 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.64 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 5.41 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.16-3.07 (m, 4H), 2.88 (quin, J = 7.0 Hz, 1H), 2.74-2.64 (m, 4H), 2.39 (td, J = 11.5, 3.0 Hz, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.06-1.89 (m, 4H), 1.37 (dd, J = 9.5, 7.0 Hz, 6H)。LC-MS (ES): m/z = 475.4 [M+H]+; HPLC RTおよび純度: 方法A = 8.75 分および98.27%および 方法B = 9.74 分および98.25%。
【0159】
緩衝水溶液中の溶解度評価
個々のプロドラッグの固体粉末を、pH1、4、および6.5の緩衝水溶液中で、25℃で約24時間にわたり平衡化させた。平衡化の後、過剰な固形物を、0.45μm膜フィルターを用いた濾過によって分離し、濾液を適切なガラスバイアル中に回収した。濾液をそれぞれの緩衝液/希釈剤を用いて適切に希釈し、UV検出を備えた逆相LC法によって分析した。
【表3】

安定性試験において、緩衝液中の15%アセトニトリルを用いた。用いた緩衝液は、0.1N HCl水溶液(pH 1.0)、50μg/mLの濃度の酢酸緩衝液(pH 4.0)、およびリン酸緩衝液(pH 6.5)であった。ND=決定されていない。
【0160】
実施例1~11、14~15、19~21、および23~25の発明は、pH4および/またはpH6.5において、化合物Aよりも高い溶解度を有することが見出された。より広いpH範囲にわたって溶解度を改善することにより、本発明の化合物は、患者の胃酸レベルにおいて溶解度の変動が少なくなるであろう。胃のpHの変動は、摂取した他の薬または食事によって生じうる。表1のデータは、本発明の試験化合物が、胃のpHとは独立してより均一に吸収されることを示す。
【0161】
緩衝水溶液中の安定性評価
個々のプロドラッグの安定性試験を、約pH1(0.1M HCl)、4(酢酸緩衝液)、および6.5(リン酸緩衝液)の緩衝水溶液中の約50μg/mLの溶液によって、37℃で24時間にわたり行った。約15%v/vアセトニトリルを、これらのpH緩衝液中で共溶媒として用いて、プロドラッグの透明な溶液を得た。サンプル分析は、UV検出を備えた一般的な逆相液体クロマトグラフィー(LC)法を用いて行った。プロドラッグのピークの面積パーセント(AP)損失は、時間の関数として定量化された。親ピークの出現は、クロマトグラフィーの保持時間から特定した。プロドラッグの半減期(t1/2,h)は、AP損失対時間プロットの疑似一次方程式を用いて計算した。
【表4】
【0162】
組み換え腸アルカリホスファターゼ(rIALP)アッセイ
実施例8および9を当該アッセイで評価した。リン酸プロドラッグから親薬物を生成する可能性を評価するために、100μLのrIALPを100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.4)中に溶解させ、これを、同じ緩衝液中に調製した、100μLの新たに調製したプロドラッグ溶液(10mM)に加えた。インキュベーションは、37℃の振蕩恒温槽(Julabo, Allentown, PA)において、96ウェルプレート(Waters, Milford, MA)を用いて3回行った。基質の添加によって反応を開始する前に、プロドラッグと酵素溶液を37℃で余熱した。インキュベーションを120分間行い、0、5、10、15、30、60、90、および120分において、100μLの分取量を採取した。200μLの内部標準を含む氷冷アセトニトリルの添加、次いで4000gにおいて4分間の遠心分離によって、所定の時点においてアッセイを終了した。タンデム質量分析(UPLC-MS/MS)と組み合わせた、超高速液体クロマトグラフィーによる分析のために、上清を新しい96ウェルプレートに移した。各プロドラッグ/タンパク質の組み合わせのt1/2値は、残りの割合対時間プロットの自然対数から決定した。
【表5】
【0163】
ラットにおける選択したプロドラッグの薬物動態評価
イソフルラン麻酔下で、SDラットにおける右頸静脈に、シリコンチップを備えたPE50カテーテルを挿入することによってカニューレを挿入し(JVC)、ラットを回復させた。カニューレを挿入したラットを一晩絶食させ、水を自由に摂取させた。食事は投与後3時間で提供した。
【0164】
実施例3、6、8~10、および15(5mg/kg、または5mg/kgと同等量の親化合物)を、5mL/kgの投与量で溶液として、SDラットに投与した(N=3)。これらの研究に用いた製剤は、40% 20mM クエン酸溶液、10%エタノール、45%PEG300、および5%ポロクサマー188であった。血液サンプル(150μL)を、投与後0.25、0.5、1、3、5、7、および24時間において、頸静脈カテーテルから回収し、カテーテルをそれぞれのサンプル収集後、ヘパリン化生理食塩水で洗い流した。サンプル収集(血液)中に、血液サンプルを2% KEDTAを含むチューブに回収し、30μLのPMSF溶液を加え、すぐに4℃で10000×gで5分間遠心分離し、血漿を回収した。プロドラッグの場合、分離した血漿の分割量(30μL)をすぐに、内部標準としてリトナビル(200nM)を含む150μLのACNでクエンチした。血漿サンプルを、タンデム質量分析(UPLC/MS/MS)を組み合わせた、超高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。
【0165】
バイオアナリシスのためのサンプル調製
親およびプロドラッグの別々の検量線を、0.169から10000nMの濃度範囲の段階希釈法によってラット血漿において作成した。血漿標準/研究サンプル(PMSFを含む血液から抽出)の30μLの分割量を、150μLの内部標準(リトナビル:200nM)を含むCHCNで、オンラインクエンチした。クエンチしたサンプルを、Millipore Solvinert親水性プレートを介して濾過した。サンプルを次いで、4℃、3700rpmで3分間遠心分離した。このように得られた溶出液(4μL)を、分析のために質量分析計に注入した。UPLC-MS/MS方法:Waters Acquity UPLC(登録商標)(超高速液体クロマトグラフィー)統合システム(Milford, USA)を用いて、40±2℃に維持した逆相カラム(Waters:BEH C18、1.7ミクロン、2.1*50mm)上でサンプルを分析した。サンプルを0.5mL/分の流速で、3分の総実行時間における緩やかな勾配(溶媒A:0.1%v/v ギ酸/10mM ギ酸アンモニウム;溶媒B:0.1%v/v ギ酸/CHCN)において分析した。分離に直線的な勾配を用いて、ここで、移動相Bは10%から開始し、2.6分において90%に達した。次の0.2分において、移動相Bの濃度は10%に戻った。
【0166】
定量は、5.5kVのキャピラリー電圧および500℃の温度源において、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源を備えた、API4000 Q-Trap 質量分析計(Applied Biosystems, MDS Sciex Toronto, Canada)を用いた陽イオン多重反応モニタリング(MRM)モードにおける、MS/MS検出によって達成した。
【0167】
四重極Q1およびQ3をユニット分解に設定した。分析データをAnalystソフトウェア(バージョン1.5.0)によって取得し、処理した。較正標準の直線性は、スパイク濃度、および加重1/X直線最小二乗回帰分析を用いたそれぞれのピーク面積比に付すことによって評価した。内部標準物質の変動係数の割合が<15%であれば、バッチを受け入れた。全ての較正標準の精度は80-120%以内であった。
【0168】
データ分析
薬物動態パラメーターは、KINETICA(登録商標)ソフトウェア(バージョン5.1) ThermoFisher Scientific Corporation、Philadelphiaを用いて、ノンコンパートメント解析によって計算した。経口投与群について、ピーク濃度(Cmax)とCmax時間(Tmax)を実験観察から直接記録した。最後の測定可能な濃度(Clast)までの薬物血中濃度時間曲線(AUC0-t)は、混合対数線形台形則を用いて計算した。
【表6】

aプロドラッグの場合において、実施例10の場合を除いて、親の等用量を使用した。
【0169】
結晶構造の決定
結晶化の詳細:
実施例7:単一の結晶を、混合溶媒和水和物として溶解させるか、あるいは水和TFA塩を、オープンドラムバイアルにおいて~25℃に維持したメタノール中の実施例7の飽和溶液から調製した。溶媒を完全に蒸発させた後、透明な無色のブロック状の形状の結晶が得られた。
実施例7(M=789.78g/mol)の結晶データ:三斜晶系、空間群P-1 (第2番), a = 9.4971(8)Å, b = 13.0969(13)Å, c = 18.0138(16)Å, α = 89.263(6)°, β = 81.145(5)°, γ = 75.206(5)°, V = 2139.7(3)Å3, Z = 2, T = 296.15 K, μ(MoKα) = 0.103 mm-1, Dcalc = 1.226 g/cm3, 23363 測定反射(2.288°49.998°), 7143 ユニーク (Rint = 0.0963、Rsigma = 0.1644)、これらを全ての計算において用いた。最終的なR1は0.2685 (I > 2σ(I))であり、wR2は0.5907であった(全てのデータ)。構造モデルの単純化のためにモデル化されていない構造において、いくつかの高強度のqピークが見られた。これらのqピークはおそらく、現在のモデルにおいて割り当てられていない、無秩序な水/溶媒分子に対応するであろう。
【0170】
実施例8:単結晶は、オープンドラムバイアル内で~25℃の溶媒(エタノール:メタノール:アセトニトリル ~1:1:1)の混合物中の実施例8の飽和溶液から調製した。溶媒を完全に蒸発させた後、透明な淡黄色のブロック状の結晶が得られた。
実施例8(M=592.11g/mol)の結晶データ:三斜晶系、空間群P-1 (第2番), a = 9.8852(16)Å, b = 11.0560(16)Å, c = 29.357(4)Å, α = 85.118(8)°, β = 85.506(9)°, γ = 84.663(8)°, V = 3174.9(8)Å3, Z = 4, T = 296.15 K、μ(MoKα) = 0.231 mm-1, Dcalc = 1.239 g/cm3, 46825 反射測定 (2.792°49.998°)、11169 ユニーク (Rint = 0.2467、Rsigma = 0.3114)、これらを全ての計算において用いた。最終的なR1は0.1471 (I > 2σ(I))であり、wR2は0.4877であった(全てのデータ)。
【0171】
構造中に、高度に無秩序な溶媒分子(おそらく酢酸エチル)に対応するように思われる、いくつかの高強度のqピークが見られ、構造モデルの単純化のための微調整の間、溶媒マスクを用いた。また、非対称ユニットの2つのAPI分子の1つは、無秩序であることが観察された。
【0172】
X線回折単一結晶:
開放状態のパラトンオイルを用いて、適切な品質の単一結晶を、HAMPTON CryoLoopに取り付けた。データは、Bruker AXS SMART APEX II CCD回折計において、室温(~296K)で収集した。データの統合および削減は、SAINT v7.68A (Bruker,2009)を用いて行い、吸収補正は、BrukerソフトウェアスイートのSADABS-2008/1 (Bruker,2008)によって行った。構造は、固有のフェージングまたはSHELXS-97 (Sheldrick 2008)による直接的な方法を用いて解明し、SHELXTLにおいてSHELXL-97 (バージョン2014/7; Sheldrick 2014)を用いて微調整した。OLEX2は、構造解明、微調整、可視化、およびCIFおよび図の生成に用いた。分子間相互作用の分析には、MERCURYを用いた。全ての水素原子を幾何学的に固定し、等方的に微調整した。
【国際調査報告】