(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】ロボットを配送ビークルに解放可能に固定する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B60P 7/06 20060101AFI20220708BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20220708BHJP
B60P 1/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
B60P7/06 Z
B60P3/00 Z
B60P1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566261
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 US2020032252
(87)【国際公開番号】W WO2020227695
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521375324
【氏名又は名称】アジリティ ロボティクス,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AGILITY ROBOTICS,INC.
【住所又は居所原語表記】421 NE Water Ave,Suite 1100,Albany,OR 97321 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハースト,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン,ダミオン
(72)【発明者】
【氏名】アベート,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】スラッシュ,ディラン
(72)【発明者】
【氏名】バーナーズ,ミッチェル
(57)【要約】
【解決手段】 展開アセンブリは、配送ビークルに搭載されて、荷物を配送又はピックアップするために展開される自律型ロボットを保持する。アセンブリは、ベースと、ロボットをビークル内の引っ込み配置とビークル外の伸長配置に移動させる伸縮部材とを有している。このアセンブリには更に、輸送中にロボットを固定するための固定機構があり、必要に応じてロボットを再充電することもできる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットをビークルに解放可能に固定するための展開アセンブリであって、
前記ビークルに装着されるベース部と、
前記移動ロボットを受けるために前記ベース部に結合されており、引っ込み配置と伸長配置との間で移動可能である1又は複数の伸縮部材と、
前記移動ロボット及び前記ビークルのうちの1又は複数と通信するために前記展開アセンブリに配置されたセンサー及び通信リンクのうちの1又は複数と、
前記移動ロボットを解放可能に固定するために、前記1又は複数の伸縮部材に配置された少なくとも1つの固定機構と、
を備える展開アセンブリ。
【請求項2】
前記伸縮部材は、引き出しスライド及びリンクのうちの1又は複数で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項3】
前記伸縮部材は、アクチュエータを用いて複数の配置の間を移動可能である、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項4】
前記アクチュエータは、ケーブル駆動、ラックピニオン駆動、及びスクリュー駆動のうちの1又は複数に接続された電気モーターを備えている、請求項3に記載の展開アセンブリ。
【請求項5】
前記展開アセンブリは、前記移動ロボットが前記1又は複数の伸縮部材に接続され、且つ、前記引っ込み配置にある場合に、前記移動ロボットが収納される筐体を更に備えている、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの固定機構が、磁石、ラッチ、突起、凹み、マグネット、電磁石、ストラップ、及びフックのうちの1又は複数を備えている、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの固定機構は、前記移動ロボットの補完的機構と協働して前記伸縮部材の1又は複数に前記移動ロボットを固定する物理的機構を備えている、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項8】
前記移動ロボットを充電するための1又は複数の電気接続部を更に備えている、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項9】
前記ベース部は、前記ビークルから選択的に着脱可能である、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項10】
前記ベース部は、前記伸縮部材が引っ込み配置にある場合に前記移動ロボットを更に一層固定するための更なる固定機構を備えている、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項11】
前記ビークルは、前記移動ロボット用のアクセスドアを備えており、前記通信リンクは、前記アクセスドアを開閉するための信号を前記ビークルに送信するように構成されている、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項12】
前記移動ロボットは、前記1又は複数の伸縮部材が前記引っ込み配置にある場合には前記ビークル内にあり、前記1又は複数の伸縮部材が前記伸長配置にある場合には前記ビークルの外側にある、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項13】
前記通信リンクは、前記ビークルのアクセスドアを開閉する目的で前記ビークルと通信する、請求項1に記載の展開アセンブリ。
【請求項14】
自律型ロボットをビークルから展開する方法であって、前記自律型ロボットは、ベース部と1又は複数の伸縮部材とを有する展開アセンブリによってビークル内に固定されており、
前記1又は複数の伸縮部材が完全に伸ばされて前記自律型ロボットが前記ビークルの外側に配置されるまで、前記1又は複数の伸縮部材を伸ばす工程と、
前記1又は複数の伸縮部材が伸長したことを示す信号を前記自律型ロボットに送る工程と、
前記1又は複数の伸縮部材を引っ込み配置まで後退させる工程と、
を含む方法。
【請求項15】
アクセスドアを開いて前記自律型ロボットを展開し、前記自律型ロボットが展開した後に前記アクセスドアを閉じるように前記ビークルと通信する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ビークルと通信して前記アクセスドアを開く工程と、
前記自律型ロボットが前記1又は複数の伸縮部材と再係合できるように前記1又は複数の伸縮部材を伸ばす工程と、
前記1又は複数の伸縮部材を後退させる工程と、
前記ビークルと通信して前記アクセスドアを閉じる工程と、
更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記自律型ロボットは、センサーからの信号及び前記自律型ロボットからの通信のうちの1又は複数に応じて作動する作動ラッチ機構を用いて前記ビークルに固定される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年5月8日に出願された米国仮出願第62/845,220号、発明の名称「Method and Apparatus for Releasably Securing a Personal Package Delivery Device in a Delivery Vehicle」、の優先権の利益を主張する国際出願であって、その内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、商業における商品の配送に使用される自律ビークル及びシステムに関する。自律ビークルを乗客用に使用することについては多くの議論がなされてきたが、自律配送ビークルの有望な前途については未だに話がなされている。自動運転のセミトレーラートラックは、例えば、現在、アリゾナ州とその他の幾つかの西部の州とで高速道路を走っており、配送センターから別の配送センターへと貨物を大量に運搬している。しかしながら、今のところ、人間の操縦者がセミトレーラートラックに乗ることで予期しない交通状況において更なる安全レイヤを追加しており、高速道路ではない道路ではナビゲーションがより複雑になることから、トラックが目的場所の近くで高速道路を出る際にドライバーがビークルの制御を掌握する。
【0003】
高速道路以外の道路をナビゲーションすることにおいて加わる複雑さについては、多くの公表された取り組みによって研究されているが、公表された対象の大半は、旅客輸送に使用するための自動運転ビークルであった。個人向けの宅配は一般的に、人が運転するビークルを使って宅配業者が行ってきた。これは、コミュニティや都市全域レベルでの自律移動が完成されていないことだけではなく、歩道の縁石側にある配送ビークルから配送先の玄関などの指定場所に荷物を自律的に届ける人間以外の方法が今のところ存在しないことが理由である。縁石から玄関のドアまでの間には、大抵の場合、階段などの障害物が存在する。現在、人間のドライバーには、配送されるべき適切な荷物を配送ビークル内から見つけ出して、配送先で玄関先などの好ましい場所に運ぶことが今なお求められている。幾つかの企業は、食料雑貨の自律配送に向けて取り組んでいるが、大多数の配送は無人配送であるのにも拘わらず、受取人にはビークルと接触することが要求されている。ビークルから玄関先などの最終目的場所まで移動する何らかの方法が必要とされている。
【0004】
配送ビークルから配送場所の玄関先まで個人の荷物を自律的に配送するためのこれらの現実的課題を踏まえて、ドローンなどのUAVによる空中配送、自律型車輪付きコンテナによる地上配送、歩行する自律型ロボットによる地上配送など、幾つかの選択肢が出てきている。階段のような障害物のためにドローンや小型ビークルが実用的でない地域では、移動ロボットを使用することができる。しかしながら、システム全体の信頼性と予測可能性を高めるために必要なものは、配送ビークルの輸送中にロボットを安全に保管し、任意選択的に充電でき、そして、ビークルが目的場所に到着すると、縁石から玄関先の部分についてそれらを効果的に展開する装着システムである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、移動ロボットを配送ビークルに解放可能に固定するための展開アセンブリを備える。このアセンブリは、ビークルに着脱可能に装着されるベース部と、ベース部に結合されており、ロボットを解放可能に固定するように動作する少なくとも1つの固定機構を有しており、ベース部に結合された1又は複数の伸縮部材とを備える。伸縮部材は、引っ込み配置と伸長配置との間を移動するように動作し、それによって移動ロボットがビークルから展開され、又は、ロボットが帰還している場合にはビークルに格納されるように準備される。伸縮部材は、ロボットによって作動されてよく、又は、自己作動されてよい。実施形態では、ドッキングアセンブリが移動ロボットを充電し、データを交換するが、データ交換は無線で行われてよい。
【0006】
ある実施形態では、センサー及び通信リンクが、ロボット又はビークルと通信するためにアセンブリに配置される。ロボットとの通信は、伸縮部材を伸ばすか縮めるかを判断することを伴ってよい。ビークルとの通信には、ロボットを展開する又は受け取るためのアクセスドアの開閉が含まれる。通信は、無線又は有線の方法で行われてよい。
【0007】
別の実施形態では、展開アセンブリが筐体に入れられることで、ロボットが格納されている場合に安全性を確保するとともに、それを通行人の視界から隠すことができる。展開アセンブリのベース部は、ロボットをより一層固定するための追加の固定機構を更に含んでいてもよい。
【0008】
また、本発明は、配送ビークルなどのビークルから自律型ロボットを展開する方法であって、ベース部分と1又は複数の伸縮部材とを有する展開アセンブリによってロボットがビークルに固定される方法を提供する。伸縮部材は、固定機構を介してそれらにロボットが取り付けられた状態で伸ばされて、それら部材が完全に伸びると、展開アセンブリがロボットに信号を送り、これによりロボットは配送を進めることが可能となる。ロボットが荷物を持って進むと、例えば伸縮部材が引っ込められて、ビークルへのアクセスドアが閉じられる。ロボットがピックアップ又は配送を終えると、プロセスが逆で繰り返されて、その結果、ロボットはビークル内で格納配置に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を図示し、詳細な説明と併せて本発明の効果、特徴、特性を説明するものである。
【0010】
【
図1a】
図1aは、配送ビークルの後部に設置された展開アセンブリの部分透視図である。
【
図1b】
図1bは、配送ビークルの後部に設置された展開アセンブリの部分透視図である。
【0011】
【
図2】
図2は、引っ込み配置における展開アセンブリの側面図であって、折り畳み形態のロボットがアセンブリの伸縮部材にある。
【0012】
【
図3】
図3は、伸長配置での展開アセンブリの側面図であって、動作形態のロボットが展開アセンブリの伸縮部材にある。
【0013】
【
図4】
図4は、ロボットが配置された伸縮部材の実施形態を部分的に示す拡大側面図である。
【0014】
【
図5a】
図5aは、伸縮部材の別の実施形態を部分的に示す拡大側面図であって、伸縮部材は、ロボットの凹部に嵌まる形状の突出部を有する。
【
図5b】
図5bは、伸縮部材の別の実施形態を部分的に示す拡大側面図であって、伸縮部材は、ロボットの凹部に嵌まる形状の突出部を有する。
【0015】
【
図6】
図6は、自己作動式展開アセンブリの透視図であって、モーター及びケーブル駆動システムが図示されている。
【0016】
【
図7】
図7は、本発明に基づいて構成されており、ケーブル駆動部を有する展開アセンブリの透視図である。
【0017】
開示する発明の実施が例示によって本明細書に説明されているが、当業者は、記載されている実施形態又は図面に限定されないことを理解するであろう。図面と図面についての詳細な説明とは、開示される特定の形態に実施を限定することを意図しておらず、添付の特許請求の範囲によって規定される精神及び範囲内での変更、均等物、及び代替物の全てをカバーすることを意図している。本明細書で使用する表題は、明細書又は特許請求の範囲を限定するために用いられることを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の記載では、説明の目的で、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細がなくても実施形態が実施可能であることは明らかであろう。幾つかの実施例では、本発明の詳細が不明瞭にならないように、周知の方法又は構成要素は詳細に記載されていない。
【0019】
分かり易さのために、本明細書に記載された実施におけるありふれた特徴の幾つかは省略されている。本発明の実際の実施の開発においては、特定の目的を達成するためにある決定をしなければならず、様々な目的を達成するために、発明の開示から逸脱することなく、様々な決定がなされてよいことが理解されるであろう。実施には複雑で時間がかかるものもあるが、これらは、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては、日常的に遂行することであろう。
【0020】
本明細書で述べられているように、物流デポから最終目的場所まで荷物を自律的に配送するための全体的なプロセスは、荷物が配送バンに積み込まれることから始まる。幾つかの実施形態では、配送センターの作業員がこれを行うが、他の実施形態では、自律型ロボットが荷物を識別して、適切なビークルに配置する。ある実施形態では、ロボットはその後、配送ビークルに搭乗して、最初の立ち寄り先まで進んでよく、そこでビークルから展開して、目的の住所の敷地内にある特定の場所に適切な荷物を運ぶであろう。それは、その後、配送ビークルに戻って、次の配送先への移動に備えて再搭乗する。本願の主題及び対象となるのは、搭乗(boarding)及び搭乗解除(unboarding)(本明細書では展開とも呼ばれる)のプロセス及び機構である。
【0021】
図1a及び
図1bは、配送ビークル10の後部の部分透視図であって、現在開示されている発明の教示に合致するロボット展開アセンブリ20の実施形態が設置されている。
図1aを参照すると、展開アセンブリ20は完全に引っ込み配置になっており、ロボット30はドッキング形態に折り畳まれており、リフトゲート15を閉じた状態でビークル10内に収まるようにアセンブリ20に取り付けられているか、さもなければアセンブリ20に配置されている。本実施形態のロボット30は、胴部37の後ろに脚部35を折り畳むことでビークル10内に収まるように構成されているが、他のロボットは異なる構成にされてビークルに収められてよく、その場合、アセンブリ20の構成は若干変更される必要があるが、開示されている発明の態様から逸脱することはない。
【0022】
図2及び
図3は、ベース部22及び伸縮部材25を有するロボット展開アセンブリ20の一実施形態を分離して示している。
図2は、アセンブリ20が完全に引っ込められている状態を示しており、ロボット30はドッキング形態に折り畳まれてアセンブリ20に配置されている。
図3は、アセンブリ20が完全に伸ばされた模様を示しており、ロボットの脚部35は動作形態に伸ばされている。幾つかの実施形態では、アセンブリ20は、ボルト24のような適切な留め具を用いて、ビークル10のようなビークルのフロアにリアドア又はリフトゲートに隣接して固定される。他の実施形態では、アセンブリは、リアベンチシートのアンカーポイントを使用してビークルのフロアに固定され、ラッチを用いて簡単に取り付け、取り外しができる。しかしながら、他の取り付け方法は、当業者に容易に思い付くものであり、使用するビークルの種類によって異なってよい。更に別の実施形態では、アセンブリ20は、ビークルから取り外し可能である。
【0023】
実施形態では、ロボット30は、ビークル10が配送先から次の配送先へと移動する際に、運送中又は交通事故の際にロボット30が損傷を受けず、ロボットが誤ってずれることから乗客が保護されるようにしてアセンブリ20に取り外し可能に接続される。幾つかの実施形態では、アセンブリ20は、1又は複数の箇所でロボット30を支持する伸縮部材25を有する。ある支持箇所は、ロボット30の脇の下付近の領域にあってよく、ロボット30の重量と伸縮部材25の何らかの機構との組合せにより、ロボット30がドッキング形態にある場合にロボット30を所定の位置に保つことができる。幾つかの実施形態では、その機構は、ロボットが載る溝又は凹みである。
図4、
図5a、
図5bに図示されているような他の実施形態では、伸縮部材25は、伸縮部材25にロボット30を固定するのに役立つ固定機構40を含んでいる。
【0024】
ある実施形態について、
図4では、ロボット30が伸縮部材25上で静止している模様が図示されており、固定機構40は、ロボット30が伸縮部材25から外れないようにしている。固定機構40は、1又は複数の突起、くぼみ、磁石、電磁石、ロボットのアーム又は胴部を取り巻くことができるストラップ、フック、或いは、ビークル内にロボットを物理的に固定する接続ポイント又は他の手段であってよく、ロボットは輸送のために安全に接続され、又は自動的に自らを接続する。
図5a及び
図5bに示されている他の実施形態では、伸縮部材(明確にするために図示せず)の固定機構40は、ロボット30の凹部45と協働して、輸送中にロボットを伸縮部材25に固定する。別の実施形態は、作動ラッチ機構を含んでおり、当該ラッチ機構は、ロボット30又はビークル10からアセンブリ20に適切な信号が送られると、ロボット30を自動的に固定する。輸送時の安定性のために、幾つかの実施形態は、ロボット30の胸部又は骨盤部付近の領域などに、ロボット30とアセンブリ20又は伸縮部材25との間に第2の接触箇所を有してよい。
【0025】
図1bを再度参照すると、ロボット30の展開が要求されると、リフトゲート15が上昇し、伸縮部材25が伸びて、ロボット30をビークル10の後部の外側に完全に配置させる。幾つかの実施形態では、ロボット30はその後、脚部35を地面まで伸ばして地面に押し付けて胴部37を伸縮部材25から浮き上がらせることにより、伸縮部材25から離れる。
【0026】
他の実施形態では、伸縮部材25の伸長の手法は、引き出しスライドのような他の非動力式伸縮機構のような機構を採用しており、例えば、ロボットがそのアームでアセンブリ20から自らを押し出す。
図6及び
図7に関連して更に詳しく説明するような代替的な実施形態では、伸縮部材25は機械的に駆動される。
【0027】
更に別の実施形態は、伸縮部材25が4バー(4-bar)リンクなどのリンクで構成されており、ロボット30を円弧軌道で展開し、ビークル10内の静止場所から若干持ち上げて、その後、ビークル10の外側にある地面に向かってロボット30を降ろす。このような実施形態では、ロボット30は、二足歩行である必要はなく、伸縮可能な足を有する必要もないであろう。代わりに、例えば、ロボットに車輪が付けられるか、ロボットが四足歩行にされてよい。
【0028】
ロボット30がビークル10に乗るためには、基本的に逆のことが起こるであろう。ロボット30は、リフトゲート15が開いていると仮定して、ビークルの後部へと自律的に進み、ラックに対して所定の方向及び位置に自らを配置する。伸縮部材25が駆動される実施形態では、ロボット30はその後、1又は複数の部材アクチュエータを使用して伸縮部材25を伸ばすようにアセンブリに無線信号を送信する。代替的な実施形態では、ビークル又はアセンブリ20は、ロボットが所定の位置にあることを検出し、ロボット30から要求されることなく伸縮部材25を伸ばすことができる。リフトゲート15がまだ開いていない場合には、ロボット30又はアセンブリ20の何れかが、リフトゲート15を開けるようにビークル10にメッセージを送信する。その後、ロボット30を受け取るために部材25が伸びるであろう。ロボット30が伸縮部材25に接続した又はそれ自体を所定の位置に配置した後、実施形態に応じて、ロボット30は、ロボットの重量を支えるように足を持ち上げ、そして、それ自体を自己のアームでビークル10に引き込んで安全ラッチを固定するか、又は引っ込むように伸縮部材25をトリガーする。4バーリフティング機構などの他の実施形態では、展開機構が、ロボットが係合した後に持ち上げてビークルに入れる。何れの場合も、ロボット30はアセンブリ20に完全に格納されて、アセンブリ20又はロボット30の何れか、リフトゲート15を閉じるようにビークル10に信号又はメッセージを送る。本明細書で開示されているように、ロボット30の伸縮部材25へのドッキングは、人の介入又は支援なしに自律的に行われる。実施形態では、展開アセンブリ20及びロボット30は、最良のドッキングアプローチを調整する。そのアプローチは、場所まで歩く、適切な向きになる、所定の場所に静止しラッチする、確実な係合が確認されたら脚を上げる、ビークル内に収納することであってよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、一旦格納されると、ロボット30は、展開アセンブリ20の一部として構築される筐体内に収容されて、任意選択的に、ビークル10の外部から見られないようにされる。ロボット30をビークル10内の筐体に収納することの更なる利点は、ビークル事故の場合においてロボットが確実に固定されることである。更に、筐体の一部をビークルの後部ドアに取り付けてロボットと接触させることで、ロボットを輸送のために所定の位置に固定するラッチ機構としてビークルのドアを利用することも可能である。
【0030】
実施形態では、展開アセンブリ20は、1又は複数の電気接続部を備えて構成されてよく、ロボット30がドッキングしている間にロボット30のバッテリの充電を可能にすることで、軽量で安価なバッテリが使用可能とされている。幾つかの実施形態では、これらの電気的接続は、展開アセンブリ20においてアセンブリがロボット30と係合する場所に位置する金属プレートであり、ロボット30の金属接点との電気的接触を確実にするために若干バネ付勢されてもよく、一方に正の電気的接続、他方に負の電気的接続があって、ロボット30が展開アセンブリ20にある場合には何時でも充電できてよい。実施形態では、電気的接続部はまた、外部データソースとロボットの間でデータ交換を行うためのデータ接続ポイントを含んでよい。他の実施形態では、展開機構には誘導充電コイルが含まれてよく、ロボットの胸部領域と展開機構の表面のような表面が近接すると、ロボット内の対応する誘導コイルに電力を伝達することができる。この場合のデータ接続は無線であってよい。
【0031】
図6及び
図7を参照すると、アセンブリ20の別の実施形態は、ロボット30を介さずに伸縮できる伸縮部材25を用いている。これらの実施形態では、モーター60が、複数の歯車62を駆動し、これら歯車62は、伸縮部材25を作動させるケーブルプーリシステム64に接続されている。これには、部材25が自動的に引っ込められて、ロボット30が荷物を配送している最中にリフトゲート15を閉じることができるという利点がある。ケーブルプーリシステムが図示されているが、当業者であれば、部材25を伸縮させるための他の既知の駆動機構が存在することを認識するであろう。
【0032】
幾つかの実施形態では、その上、展開アセンブリ20はビークル10と通信して、適切な状況でリフトゲート15を開閉させる。これを達成するために、アセンブリ20は、ロボット30の存在を識別する圧力センサーを有してよい。他の実施形態では、アセンブリ20は、ビークルが配送場所に到着し、展開プロセスを見越して停められていることを確認するために、ビークルとデータ通信してもよい。このデータ通信は、ロボットとの物理的接続でも、ブルートゥース(登録商標)、IEEE 802.11規格の無線LAN、セルラーネットワーク、その他の無線通信のような既存の無線通信技術を用いた無線データ接続であってもよい。実施形態では、ロボット展開機構には、アクチュエータとラッチ又はセンサーの制御、ロボットの充電制御、ビークル電源とのインターフェースを行うコンピュータが搭載されている。それはまた、ビークルのセンサーと連携する場合にはビークルのコンピュータシステムとインターフェースし、ロボットとの無線通信を行うこともできる。
【0033】
ビークルから展開されるロボットの重要な役割の1つは、荷物の運搬である。特定の実施形態では、荷物は、ロボット展開アセンブリに隣接してビークルの後部に積まれて又は積み重ねられてよく、ロボットは、同様の状況で人間が行うように荷物を選択して把持することができる。他の実施形態では、荷物配置ディスペンサーは個々の荷物を含んでおり、各荷物の位置は既知であって、各荷物を個別にロボットに分配するであろう。ディスペンサーは、荷物をピックアップする場所が明確に分かっており、ロボットと無線通信して荷物を持ち上げる準備ができていることを示し、ロボットが荷物の特定の方向及び場所を識別して確実に把握して持ち上げることができるのに便利な視覚的及び物理的機構を備えていてよい。更に他の実施形態では、荷物配置機構は、ロボットの展開に先立ってロボットの把持部に荷物を配置し、これによって、ロボットがビークルから展開されたときに既にその荷物を保持しているようにして、配送に費やされる時間をできるだけ短くする。
【0034】
ビークルから展開されるロボットのもう一つの重要な役割は、人間を関連する危険にさらすことなく、即席爆発装置を無力化するなど、宅配以外の作業をビークル外で行うことである。このロボットは、装甲ビークル又は自律ビークルから展開し、既に特定された不審装置まで歩いて行き、その装置に廃棄攻撃を行うか、或いは、それを手動で取り除き、その後、ビークルに戻って、ビークル内に入れられてから攻撃を行って不審装置を廃棄する。
【0035】
本願の教示の原理を組み込んだ種々の例示的な実施形態を開示してきたが、本願の教示は、開示された実施形態に限定されない。その代わり、本願は、本発明の教示の任意の変形、使用、又は適応をカバーし、その一般原理を使用することを意図している。更に、本願は、これらの教示が関連する技術分野における既知の又は慣習的な実施の範囲内にある本開示からのそのような逸脱をカバーすることを意図している。
【国際調査報告】