(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】カートンベースの材料をデジタル印刷するための装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
B65B 61/02 20060101AFI20220708BHJP
B41J 3/407 20060101ALI20220708BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
B65B61/02
B41J3/407
B41J2/01 305
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567931
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2020062509
(87)【国際公開番号】W WO2020229245
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】マッツ・オーケソン
(72)【発明者】
【氏名】アンナ・ハーダー
(72)【発明者】
【氏名】ロイ・エイデバッケン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・セダーストレム
(72)【発明者】
【氏名】マッツ・クヴァフォード
【テーマコード(参考)】
2C056
3E056
【Fターム(参考)】
2C056EC12
2C056FB01
2C056HA29
2C056HA42
2C056HA44
3E056AA02
3E056BA01
3E056CA02
3E056CA04
3E056DA01
3E056EA05
3E056FA01
(57)【要約】
液体食品製品を保持するパッケージ(112)のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置(200)が提供される。包装材料は、パッケージ(112)の外面を形成するように適合された第1の側面(204)及びパッケージ(112)の内面を形成するように適合された第2の側面(206)を有する。装置(200)は、包装材料のウェブ(102)を受領するように構成された入口(207)及び包装材料のウェブ(102)を装置(200)から外に移動させるように構成された出口(227)、ウェブ(102)を、入口(207)から装置(200)を通して出口(227)にウェブ供給方向(A)において供給するように配置されたウェブ供給アセンブリ(208a、208b、208c、210、211、219、224、225)であって、少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイス(208a、208b、208c、219)を含むウェブ供給アセンブリ(208a、208b、208c、210、211、219、224、225)、ウェブ(102)の第1の側面(204)上に食品用インクを提供するように配置された印字ヘッドを備えた複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)を含み、少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイス(208a、208b、208c、219)は、ウェブ(102)の第1の側面(204)が印字ヘッドの方を向いているように、入口(207)を介して受領された後にウェブ(102)を回転させるための第1のウェブ回転構成(228)と、食品用インクが印字ヘッドによって提供された後にウェブ(102)を回転させるための第2のウェブ回転構成(230)とを提供し、第1のウェブ回転構成(228)は、複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)の上流に第1のスラックを提供し、及び第2のウェブ回転構成(230)は、複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)の下流に第2のスラックを提供する。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体食品製品を保持するパッケージ(112)のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置(200)であって、
前記包装材料は、前記パッケージ(112)の外面を形成するように適合された第1の側面(204)及び前記パッケージ(112)の内面を形成するように適合された第2の側面(206)を有し、
前記装置(200)は、
前記包装材料のウェブ(102)を受領するように構成された入口(207)及び前記包装材料のウェブ(102)を前記装置(200)から外に移動させるように構成された出口(227)、
前記ウェブ(102)を、前記入口(207)から前記装置(200)を通して前記出口(227)にウェブ供給方向(A)において供給するように配置されたウェブ供給アセンブリ(208a、208b、208c、210、211、219、224、225)であって、少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイス(208a、208b、208c、219)を含むウェブ供給アセンブリ(208a、208b、208c、210、211、219、224、225)、
前記ウェブ(102)の前記第1の側面(204)上に食品用インクを提供するように配置された印字ヘッドを備えた複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)
を含み、
前記少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイス(208a、208b、208c、219)は、前記ウェブ(102)の前記第1の側面(204)が前記印字ヘッドの方を向いているように、前記入口(207)を介して受領された後に前記ウェブ(102)を回転させるための第1のウェブ回転構成(228)と、前記食品用インクが前記印字ヘッドによって提供された後に前記ウェブ(102)を回転させるための第2のウェブ回転構成(230)とを提供し、
前記第1のウェブ回転構成(228)は、前記複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)の上流に第1のスラックを提供し、及び前記第2のウェブ回転構成(230)は、前記複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)の下流に第2のスラックを提供する、装置(200)。
【請求項2】
前記印字バー(216a、216b、216c、216d)の上流及び前記第1のスラック(212)の下流に配置された前処理デバイス(214)を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)は、下流での外部停止後、前記ウェブを前記第1のスラック(212)と前記第2のスラック(226)との間で前記ウェブの逆ウェブ供給方向(A’)に供給するように配置される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)は、前記ウェブ(102)を前記第1のスラック(212)と前記第2のスラック(226)との間で前記逆方向(A’)に供給した後、前記ウェブ(102)が前記入口(207)と前記出口(227)との間で前記ウェブ供給方向(A)に供給される前に、前記ウェブ(102)を前記第1のスラック(212)と前記第2のスラック(226)との間で前記ウェブ供給方向Aにおいて所定の期間にわたって供給するように配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)は、前記装置(200)内での内部停止後又は上流での外部停止後、前記ウェブ(102)を前記第2のスラック(226)と前記出口(227)との間で前記ウェブ供給方向(A)において所定の期間にわたって供給するように配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)は、前記上流での外部停止後、前記ウェブ(102)を前記第1のスラック(212)と前記出口(227)との間で前記ウェブ供給方向(A)に供給するように配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ウェブ(102)が前記印字ヘッドに対する設定点に従って置かれ、且つ前記第1のスラック(212)の下流及び前記第2のスラック(226)の上流に置かれることを提供するように配置されたウェブ引張構成(220)を更に含み、
前記ウェブ引張構成(220)によって引き起こされる前記ウェブ(102)の引張又は弛緩は、前記第1及び/又は第2のスラック(212、226)によって補償される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の側面(204)上に提供された前記食品用インクを硬化させるように配置される、硬化ヘッドを備えた複数の硬化デバイス(218a、218b、218c)を更に含み、前記硬化ヘッドは、前記印字ヘッドの下流及び前記第2のスラック(226)の上流に置かれる、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のウェブ回転構成(228)は、前記ウェブ(102)を180度回転させるように構成され、及び/又は前記第2のウェブ回転構成(230)は、前記ウェブ(102)を180度回転させるように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)の少なくとも一部は、前記複数の硬化デバイス(218a、218b、218c)の少なくとも一部の上方に置かれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
液体食品製品を保持するパッケージ(112)のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法(300)であって、前記包装材料は、前記パッケージ(112)の外面を形成するように適合された第1の側面(204)及び前記パッケージ(112)の内面を形成するように適合された第2の側面(206)を有し、前記方法(300)は、
入口(207)を介して包装材料のウェブ(102)を受領すること(302)と、
少なくとも1つの駆動ユニット(210、211、224、225)及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイス(208a、208b、208c、219)を含むウェブ供給アセンブリ(208a、208b、208c、210、211、219、224、225)を使用することにより、前記ウェブ(102)を前記入口(207)から出口(227)にウェブ供給方向(A)において供給すること(304)と、
前記ウェブ供給アセンブリの一部を形成する第1のウェブ回転構成(228)を使用することにより、前記ウェブ(102)の前記第1の側面(204)が印字バー(216a、216b、216c、216d)の印字ヘッドの方を向いているように、前記入口(207)を介して受領された後に前記ウェブを回転させること(306)と、
前記ウェブ(102)の第1のスラック(212)を形成すること(308)であって、前記第1のスラック(212)は、前記印字ヘッドの上流に置かれる、形成すること(308)と、
前記印字ヘッドを備えた前記複数の印字バー(216a、216b、216c、216d)を使用することにより、前記ウェブ(102)の前記第1の側面(204)上に食品用インクを提供すること(310)と、
前記第1の側面(204)上に前記食品用インクを提供した後、前記ウェブ供給アセンブリの一部を形成する第2のウェブ回転構成(230)を使用することにより、前記ウェブを回転させること(312)と、
前記ウェブ(102)の第2のスラック(226)を形成すること(314)であって、前記第2のスラック(212)は、前記印字ヘッドの下流及び前記出口(227)の上流に置かれる、形成すること(314)と、
前記出口(227)を介して前記ウェブ(102)を移動させること(316)と
を含む、方法(300)。
【請求項12】
前記印字バー(216a、216b、216c、216d)の上流及び前記第1のスラック(212)の下流に配置された前処理デバイス(214)を使用することにより、前記ウェブ(102)を前処理すること(318)を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
下流での外部停止の場合において、
前記ウェブ(102)を前記第1のスラック(212)と前記第2のスラック(226)との間で逆ウェブ供給方向(A’)に供給すること(320)と、
前記ウェブを前記第1のスラック(212)と前記第2のスラック(226)との間で前記ウェブ供給方向(A)において所定の期間にわたって供給すること(322)と、
前記ウェブを前記入口(207)と前記出口(227)との間で前記ウェブ供給方向(A)に供給すること(324)と
を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
内部停止又は上流での外部停止の場合において、
前記ウェブ(102)を前記第2のスラック(226)と前記出口(227)との間で前記ウェブ供給方向(A)において所定の期間にわたって供給すること(326)
を更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記上流での外部停止の場合において、
前記ウェブ(102)を前記第1のスラック(212)と前記出口(227)との間で前記ウェブ供給方向(A)に供給すること(328)
を更に含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、食品包装技術などの包装技術の分野に関する。より詳細には、液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法及び装置が提示される。
【背景技術】
【0002】
今日では、様々な種類の食品製品、例えば牛乳のためにロール供給包装機を使用することが一般に公知である。ロール供給包装機は、充填機とも呼ばれ、いくつかの利点を有する。1つは、パッケージを連続生産することにより、ブランク供給包装システムに比べてより高い速度を達成できることである。別の利点は、包装材料のチューブを連続的に充填し、チューブの下端にパッケージを形成することにより、不要な微生物がパッケージに入る危険性を低下させることである。
【0003】
包装材料は、今日では、カートンベースの包装材料に対して、転換工場(converting factories)と呼ばれることもある包装材料生産センターでいわゆるフレキソ印刷を使用して印刷されることが非常に多い。印刷され、且つ食品製品を保持するために他の方法で準備され、例えば内部プラスチック層が包装材料のカートン層と食品製品との間に形成されるように積層された後、包装材料は、リールに積まれ、包装機が置かれる場所に輸送される。
【0004】
例えば、フレキソ印刷を使用することによって包装材料を印刷し、包装材料生産センターで準備する代わりに、包装材料を印刷するためにデジタル印刷を使用することが提案されている。フレキソ印刷の代わりにデジタル印刷を使用する利点は、より小さいバッチが費用効率のよい方法で印刷されてもよいからである。
【0005】
包装材料を印刷するためにデジタル印刷を使用することは、公知であるが、克服しなければならない複数の課題がある。これらの課題の1つは、デジタル印刷のための装置を、包装機及び又は包装機が置かれる建物の高額な変更及び再構築を必要とすることなく、それを既存ラインに加えることができるように設計することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術の上記で特定した制限の1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することが目的である。具体的には、小型に設計され、且つ費用効率のよい包装処理を確実なものにする、包装材料をデジタル印刷するための装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置が提供され、包装材料は、パッケージの外面を形成するように適合された第1の側面及びパッケージの内面を形成するように適合された第2の側面を有し、装置は、包装材料のウェブを受領するように構成された入口及び包装材料のウェブを装置から外に移動させるように構成された出口、ウェブを、入口から装置を通して出口にウェブ供給方向において供給するように配置されたウェブ供給アセンブリであって、少なくとも1つの駆動ユニット及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイスを含むウェブ供給アセンブリ、ウェブの第1の側面上に食品用インクを提供するように配置された印字ヘッドを備えた複数の印字バーを含み、少なくとも1つの駆動ユニット及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイスは、ウェブの第1の側面が印字ヘッドの方を向いているように、入口を介して受領された後にウェブを回転させるための第1のウェブ回転構成と、食品用インクが印字ヘッドによって提供された後にウェブを回転させるための第2のウェブ回転構成とを提供し、第1のウェブ回転構成は、複数の印字バーの上流に第1のスラックを提供し、及び第2のウェブ回転構成は、複数の印字バーの下流に第2のスラックを提供する。
【0008】
装置は、印字バーの上流及び第1のスラックの下流に配置された前処理デバイスを更に含んでもよくる。
【0009】
少なくとも1つの駆動ユニットは、下流での外部停止後、ウェブを第1のスラックと第2のスラックとの間でウェブの逆ウェブ供給方向(A’)に供給するように配置されてもよい。
【0010】
少なくとも1つの駆動ユニットは、ウェブを第1のスラックと第2のスラックとの間で逆方向に供給した後、ウェブが入口と出口との間でウェブ供給方向に供給される前に、ウェブを第1のスラックと第2のスラックとの間でウェブ供給方向において所定の期間にわたって供給するように配置されてもよい。
【0011】
少なくとも1つの駆動ユニットは、装置内での内部停止後又は上流での外部停止後、ウェブを第2のスラックと出口との間でウェブ供給方向において所定の期間にわたって供給するように配置されてもよい。
【0012】
少なくとも1つの駆動ユニットは、上流での外部停止後、ウェブを第1のスラックと出口との間でウェブ供給方向に供給するように配置されてもよい。
【0013】
装置は、ウェブが印字ヘッドに対する設定点に従って置かれ、且つ第1のスラックの下流及び第2のスラックの上流に置かれることを提供するように配置されたウェブ引張構成を更に含んでもよく、ウェブ引張構成によって引き起こされるウェブの引張又は弛緩は、第1及び/又は第2のスラックによって補償される。
【0014】
装置は、第1の側面上に提供された食品用インクを硬化させるように配置される、硬化ヘッドを備えた複数の硬化デバイスを更に含んでもよく、硬化ヘッドは、印字ヘッドの下流及び第2のスラックの上流に置かれる。
【0015】
第1のウェブ回転構成は、ウェブを180度回転させるように構成されてもよく、及び/又は第2のウェブ回転構成は、ウェブを180度回転させるように構成されてもよい。
【0016】
複数の印字バーの少なくとも一部は、複数の硬化デバイスの少なくとも一部の上方に置かれてもよい。
【0017】
第2の態様によれば、液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法が提供され、包装材料は、パッケージの外面を形成するように適合された第1の側面及びパッケージの内面を形成するように適合された第2の側面を有し、方法は、入口を介して包装材料のウェブを受領することと、少なくとも1つの駆動ユニット及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイスを含むウェブ供給アセンブリを使用することにより、ウェブを入口から出口にウェブ供給方向において供給することと、ウェブ供給アセンブリの一部を形成する第1のウェブ回転構成を使用することにより、ウェブの第1の側面が印字バーの印字ヘッドの方を向いているように、入口を介して受領された後にウェブを回転させることと、ウェブの第1のスラックを形成することであって、第1のスラックは、印字ヘッドの上流に置かれる、形成することと、印字ヘッドを備えた複数の印字バーを使用することにより、ウェブの第1の側面上に食品用インクを提供することと、第1の側面上に食品用インクを提供した後、ウェブ供給アセンブリの一部を形成する第2のウェブ回転構成を使用することにより、ウェブを回転させることと、ウェブの第2のスラックを形成することであって、第2のスラックは、印字ヘッドの下流及び出口の上流に置かれる、形成することと、出口を介してウェブを移動させることとを含む。
【0018】
方法は、印字バーの上流及び第1のスラックの下流に配置された前処理デバイスを使用することにより、ウェブを前処理することを更に含んでもよい。
【0019】
方法は、下流での外部停止の場合において、ウェブを第1のスラックと第2のスラックとの間で逆ウェブ供給方向に供給することと、ウェブを第1のスラックと第2のスラックとの間でウェブ供給方向において所定の期間にわたって供給することと、ウェブを入口と出口との間でウェブ供給方向に供給することとを更に含んでもよい。
【0020】
方法は、内部停止又は上流での外部停止の場合において、ウェブを第2のスラックと出口との間でウェブ供給方向において所定の期間にわたって供給することを更に含んでもよい。
【0021】
方法は、上流での外部停止の場合において、ウェブを第1のスラックと出口との間でウェブ供給方向に供給することを更に含んでもよい。
【0022】
更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0023】
ここで、実施形態について、添付の概略図を参照して例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2a-2b】液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置の2つの実施形態の側面図である。
【
図3】カートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、包装機100は、充填機と呼ばれることもあり、例として一般的に示されている。包装機100は、カートンベースのパッケージ内に液体食品製品を包装するために使用されるロール供給包装機である。すでに1940年代には、この種の包装機は、Tetra Pakによって紹介されており、それは、今日では、牛乳及び他の液体食品製品を安全且つ費用効率のよい手法で包装するための周知の方法である。一般的な方法は、ポテトチップスなどの非液体食品製品にも使用することができる。
【0026】
今日では、包装材料は、転換工場とも呼ばれる包装材料生産センターで印刷及び準備されることが多く、包装機100が置かれる場所、例えば乳製品製造場に輸送される。通常、包装材料は、移動される前にリール上に積まれる。現地に到着後、リールは、
図1に示されるように包装機内に置かれる。
【0027】
生産中、包装材料のウェブ102は、リールから包装機を通してウェブ供給方向Aに供給することができる。
図1に示されていないが、包装材料は、ウェブ102に不要な微生物がないことを確実にするために、殺菌デバイス、例えば過酸化水素浴又はLVEB(低電圧電子ビーム)ステーションを通過してもよい。食品製品を提供する前に、チューブは、縦シールを形成することによりウェブ102から形成することができる。食品製品は、パイプ104を介してチューブ内に供給され、弁106は、パイプ104を通る流れを調節するために使用されてもよい。チューブの下端108は、横シールが作成される折りデバイス110中に供給することができ、チューブは、弱化線又は折罫線とも呼ばれる折り線に従って折り畳まれ、パッケージ112を生成することができるように切断される。折りデバイス110は、単一デバイスとして示されているが、折りデバイス110は、複数の異なるデバイスを含んでもよい。
【0028】
包装材料のウェブ102を包装材料生産センターで印刷する、すなわち現地外で印刷する代わりに、ウェブ102は、現地で、例えば
図2a及び2bに示されるように、装置200内でデジタル印刷を使用して印刷することができる。装置200は、ウェブ102が装置200を介して包装機100内に供給されるように配置することができる。
【0029】
包装材料は、リール202を介して装置200内に供給されてもよい。包装材料は、部分的に印刷されてもよく、すなわち、包装材料の一部は、包装材料生産センターで印刷されるか、又は包装材料は、全ての印刷が装置200によって行われるように印刷されなくてもよい。
【0030】
包装材料は、パッケージ112の外面を形成するように適合された第1の側面204が外方を向いており、パッケージ112の内面を形成するように適合された第2の側面206が内方を向いているようにリール202に積まれてもよい。ウェブ102は、第1の側面204を下方に向けて入口207を介して装置200内に供給することができる。
【0031】
装置200では、ウェブ102は、ウェブ供給アセンブリによって前方に供給されてもよい。ウェブ供給アセンブリは、第1のローラ208a、第2のローラ208b、第3のローラ208c又は任意の他の種類のウェブ方向付けデバイス並びに第1の駆動ユニット210、第2の駆動ユニット211、第3の駆動ユニット224及び第4の駆動ユニット225を含んでもよく、それらは、ウェブが装置200を通して供給されるだけでなく、リール202から取り外されることを一緒に提供する。装置200における異なるステップが、異なる機会に異なる期間にわたって必要であり得ることを補償することができるように、ウェブ102は、第1の駆動ユニット210の下流に第1のスラック212を形成してもよい。第1のスラック212は、入口207と前処理デバイス214との間に形成されてもよい。
【0032】
第1のスラック212から、ウェブ102は、前処理デバイス214中に供給され、その中では、包装材料は、印刷が前処理デバイス214の下流の連続したステーションで行われ得るように前処理される。印刷は、複数の印字バー、本明細書では例として4つの印字バー216a、216b、216c、216dを、初期硬化を提供する複数のピン止めデバイス、本明細書では例として4つのピン止めデバイス217a、217b、217c、217dと組み合わせて使用することによって提供されてもよい。印字バー216a、216b、216c、216dは、第1の側面204が印字バーを通るときに食品用インクで印刷されることを提供できるように、下方を向いている印字ヘッドを備えてもよい。
【0033】
図2aに示されるように、印刷された後、ウェブは、第1の側面が下方を向いているように回転されてもよい。複数の硬化デバイス、本明細書では例として3つの硬化デバイス218a、218b、218cを使用することにより、印字バー216a、216b、216c、216dによって提供された食品用インクを硬化させることができる。硬化デバイス218a、218b、218cは、硬化ヘッドが包装材料の第1の側面204に向いているように、上方を向いている硬化ヘッドを備えることができる。硬化デバイス218a、218b、218cは、硬化するエネルギー、例えば電子ビーム又はUV光であってもよい。
【0034】
ウェブ102は、第4のローラ219又は印字バー216a、216b、216c、216dの下流及び硬化デバイス218a、218b、218cの上流に置かれた任意の他の種類のウェブ方向付けデバイスを使用することによって回転されてもよい。第4のローラ219は、ウェブ102が印刷し、ピン止めし、且つ/若しくは硬化するときに引張されることを提供するために使用されてもよいウェブ引張構成220の一部を形成してもよく、及び/又は第4のローラ219は、ウェブ供給アセンブリの一部を形成してもよい。
【0035】
ウェブ引張構成220は、硬化デバイス218a、218b、218cからの例えばUV光の放射が印字バー216a、216b、216c、216dの印字ヘッドに達することを妨げる遮蔽構成222を含んでもよい。遮蔽構成222は、例えば、硬化ヘッドと印字ヘッドとの間に置かれた金属板であってもよい。
【0036】
ウェブ引張構成220は、様々な方法で具現化されてもよい。例として
図2a及び2bに示されるように、ウェブ102は、ウェブが引張又は弛緩され、次いでウェブ102が印字ヘッド及び/又は硬化ヘッドに対して正確に置かれ得るように、第4のローラ219を移動させることによって引張されてもよい。換言すれば、ウェブ引張構成220は、ウェブ102が設定点に従って置かれることを提供してもよい。
【0037】
硬化した後、ウェブ102は、ウェブ供給アセンブリの一部を形成することができる第3の駆動ユニット224を介して第2のスラック226に供給され、その後、出口227を介して装置200から出ることができる。第2のスラック226の利点は、これにより、下流に置かれた包装機100内のわずかな停止だけでなく、装置200内の速度変化も補償することを可能にすることである。
【0038】
装置200の一般的な利点は、印字バー216a、216a、216c、216dが硬化デバイス218a、218b、218cの上方に置かれ得ることであり、これにより、小型設計を達成することができる。更に、ウェブを2回再方向付けすることにより、包装材料は、今日と同じ手法で提供することができ、すなわち第1の側面204を外方に向けてリール202上に提供し、包装機100も今日と同じ手法で提供することができ、すなわち第1の側面204を下方に向けたウェブを受領する。従って、設計の別の利点は、包装機100及び包装材料生産センターで修正する必要がほとんどないか又はないことである。
【0039】
図2aに示されるように且つ上で説明されたように、ウェブ102は、例えば、印字バー216a、216b、216c、216dを硬化デバイス218a、218b、218cの上方に置くことができるように、印字ヘッドを通過した後及び硬化ヘッドを通過する前に180度回転されてもよい。換言すれば、第1の側面204の法線ベクトルは、入口207を介して装置200中に供給されるとき、第1の方向D1に向けられてもよい。ウェブ供給アセンブリを使用することにより、ウェブ102は、印字バー216a、216b、216c、216dの印字ヘッドに達するとき、法線ベクトルが第2の方向D2に向けられるように再方向付けされてもよい。印刷後、すなわち印字ヘッドの下流において、ウェブ102は、第1の側面204の法線ベクトルが第3の方向D3に向けられるように再方向付けされてもよい。印字バーが、
図2aに示されるように硬化デバイスの上方に置かれている場合、第2の方向D2及び第3の方向D3は、2つの対向する方向、すなわち互いに180度離れて提示されてもよい。
【0040】
図2bは、装置が設計されてもよい方法の別の例を示す。
図2bに示される例では、印字バー216a、216b、216c、216dは、印字ヘッドが、
図2aに示される装置200の印字ヘッドと並んで下方を向いているように置かれるが、
図2aに示される装置200と異なり、硬化デバイス218a、218b、218cは、ウェブ102が垂直に、より具体的にはこの例では下方に移動している間に硬化されてもよいように、硬化ヘッドが水平に向いているように置かれる。換言すれば、第1の側面の法線ベクトルが、
図2aに示されるように、180度移動されるようにウェブ102を再方向付けする代わりに、法線ベクトルは、90度再方向付けされる。
【0041】
更に、示されていないが、印字バー216a、216b、216c、216d及び硬化デバイス218a、218b、218cの両方を水平に置いて互いに対向させ、印字バー216a、216b、216c、216dの下流及び硬化デバイス218a、218b、218cの上流でウェブを180度再方向付けすることも可能である。
【0042】
上の例は、印字ヘッドの下流及び硬化ヘッドの上流で法線ベクトルを90又は180度再方向付けすることに関連するが、これは、例に過ぎず、ウェブ102は、これらの特定の例、例えば90度未満のいくつかのわずかなステップのみに従わずに方向付けされてもよいことを理解されたい。
【0043】
第1及び第2のスラック212、226を有する利点は、上流での外部停止が有効に処理されてもよく、例えば、印刷及び硬化が、ウェブの供給がリール202を交換することにより中断されても続けられてもよいことである。第1のスラック212を有することにより、すなわちウェブを入口207から第1のスラック212に供給することを停止し得るが、ウェブ102を第1のスラック212から印字ヘッド及び装置200全体に引き続き供給することができる。入口207と第1のスラック212との間でウェブ102の供給を停止する効果は、第1のスラック212が低減され、すなわち第1のスラック212内に提供される包装材料が少ないことである。第1のスラック内の包装材料が低減したことを補償するために、入口207と第1のスラック212との間の供給が再開すると、第1のスラック内に提供された包装材料が、入口と第1のスラックとの間の供給が停止する前に保持した基準まで増加するように、ウェブを入口と第1のスラックとの間でより高速で一定期間にわたって供給することができる。第1のスラック212及び第2のスラック226は、少なくとも1つのパッケージ112に対応する包装材料を含んでもよく、第1のスラック212及び第2のスラック226内の包装材料の最大量は、包装材料が自由に垂れることができるように設定されてもよく、すなわち、包装材料の最大量は、装置200の可能な設計に基づいて設定されてもよい。
【0044】
従って、ウェブ102を回転又は再方向付けすることは、それぞれの設置面積からの利益、すなわち小型設計が達成できること及び包装機100に必要な修正がないか又はほとんどないことだけでなく、第1及び第2のスラック212、226が、中断を有効に処理して補償することができるように形成されてもよいことにもある。
【0045】
内部停止の場合において、例えばウェブ102を第1のスラック212と第2のスラック226との間で停止する必要がある品質管理を行う場合、これは、ウェブ102を入口207から第1のスラック212に引き続き供給し、その結果、第1のスラック212内に保持された包装材料が増加し、及び/又は第2のスラック226内の包装材料が低減するように、ウェブ102を第2のスラック226から出口227に引き続き供給することによって処理されてもよい。
【0046】
下流での外部停止の場合において、例えば充填機100が停止した場合、ウェブ102も同様に停止されてもよく、その後、ウェブ102は、第2のスラック226と第1のスラック112との間で逆方向A’に供給されてもよい。この利点は、前処理デバイス214によって前処理されているが、印刷も硬化もされていないウェブ102の一部が、前処理と印刷との間の時間が充填機100の停止に起因して延長されないように再度前処理されてもよいことである。前処理と印刷との間の時間が時間閾値より延長する場合、印刷は、すなわち、悪影響を受けることになる。
【0047】
従って、下流での外部停止の場合において、ウェブ102は、第2のスラック226と第1のスラック212との間で逆方向A’に供給され、その後、第1及び第2のスラックの包装材料の基準が、下流での外部停止前に保持された基準に逆戻りするように、第1のスラック212と第2のスラック226との間で方向Aに供給されてもよい。第1及び第2のスラック212、226の基準を調節し、下流での外部停止が取り除かれた後、ウェブ102は、入口207と出口227との間で方向Aに供給されてもよい。
【0048】
図2a及び2bに示されるように、ウェブ102は、第1の側面204が印字ヘッドの方を向いているように、第1及び第2の駆動ユニット210、211を使用することによって回転されてもよい。これらの2つは、使用される他のウェブ方向付けデバイスと一緒に、総じて第1のウェブ回転構成228と呼ばれ得る。第4のローラ219は、
図2a及び2bに示されるように、食品用インクが印字ヘッドによって提供された後にウェブ102を回転させるように配置された第2のウェブ回転構成230の一部を形成してもよい。第2のウェブ回転構成230は、
図2aに示されるように、単一ローラ、この具体例では第4のローラ219を使用することにより、ウェブ102を180度回転させてもよい。別の選択肢は、
図2bに示されるように、数段階でウェブ102を回転させることである。
図2bに示されるように、ウェブ102は、第4のローラ219を使用することにより90度回転され、その後、別のローラを使用して90度回転される。更に、例として、第1のウェブ回転構成228によって提供された第1のスラック212は、ウェブの回転の一部として提供されてもよいか、又は第2のスラック226を提供する第2のウェブ回転構成230の場合、第2のスラック226は、ウェブ102が回転した後に提供されてもよい。
【0049】
図3では、例として液体食品製品を保持するパッケージ112のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法を示すフローチャートが提示されている。第1のステップ302では、包装材料のウェブ102は、入口207を介して受領されてもよい。第2のステップ304では、ウェブ102は、少なくとも1つの駆動ユニット210、211、224、225及び少なくとも1つのウェブ方向付けデバイス208a、208b、208c、219を含むウェブ供給アセンブリ208a、208b、208c、210、211、219、224、225を使用することにより、入口207から出口227にウェブ供給方向Aにおいて供給されてもよい。第3のステップ306では、ウェブは、ウェブ供給アセンブリの一部を形成する第1のウェブ回転構成228を使用することにより、ウェブ102の第1の側面204が印字バー216a、216b、216c、216dの印字ヘッドの方を向いているように、入口207を介して受領された後に回転されてもよい。第4のステップ308では、ウェブ102の第1のスラック212が形成されてもよく、第1のスラック212は、印字ヘッドの上流に置かれる。第5のステップ310では、食品用インクは、印字ヘッドを備えた複数の印字バー216a、216b、216c、216dを使用することにより、ウェブ102の第1の側面204上に提供されてもよい。第6のステップ312では、ウェブは、第1の側面204上に食品用インクが提供された後、ウェブ供給アセンブリの一部を形成する第2のウェブ回転構成230を使用することによって回転されてもよい。第7のステップ314では、ウェブ102の第2のスラック226が形成されてもよく、第2のスラック212は、印字ヘッドの下流及び出口227の上流に置かれてもよい。第8のステップ316では、ウェブは、出口227を介して移動されてもよい。
【0050】
任意選択的に、第9のステップ318では、ウェブ102は、印字バー216a、216b、216c、216dの上流及び第1のスラック212の下流に配置された前処理デバイス214を使用することによって前処理されてもよい。
【0051】
任意選択的に、上流での外部停止の場合において、第10のステップ320では、ウェブ102は、第1のスラック212と第2のスラック226との間で逆ウェブ供給方向A’に供給されてもよい。その後、第11のステップ322では、ウェブは、第1のスラック212と第2のスラック226との間でウェブ供給方向Aにおいて所定の期間にわたって供給されてもよく、第12のステップ324では、ウェブは、入口207と出口227との間でウェブ供給方向Aに供給されてもよい。
【0052】
任意選択的に、内部停止又は上流での外部停止の場合において、第13のステップ326では、ウェブ102は、第2のスラック226と出口227との間でウェブ供給方向Aにおいて所定の期間にわたって供給されてもよい。
【0053】
任意選択的に、上流での外部停止の場合において、第14のステップ328では、ウェブ102は、第1のスラック212と出口227との間でウェブ供給方向Aに供給されてもよい。
【0054】
特定の順で記載されているが、停止は、この順で行われる必要がないことを理解されたい。
【0055】
上記の記述から、本発明の様々な実施形態が記述され、示されてきたが、本発明は、それに限定されず、以下の特許請求の範囲で定義される主題の範囲内の他の方法で具現化されてもよい。
【国際調査報告】