特表 2022-532606 液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置及びその方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-07-15

(54)【発明の名称】液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置及びその方法

(51)【国際特許分類】

   B65B 61/00 20060101AFI20220708BHJP

【ＦＩ】

B65B61/00

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021567932

(86)(22)【出願日】2020-05-06

(85)【翻訳文提出日】2022-01-11

(86)【国際出願番号】 EP2020062510

(87)【国際公開番号】W WO2020229246

(87)【国際公開日】2020-11-19

(31)【優先権主張番号】19174364.0

(32)【優先日】2019-05-14

(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP

(81)【指定国・地域】

【公序良俗違反の表示】

（特許庁注：以下のものは登録商標）

１．ＴＥＴＲＡ ＰＡＫ

(71)【出願人】

【識別番号】391053799

【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ

【住所又は居所原語表記】７０ Ａｖｅｎｕｅ Ｇｅｎｅｒａｌ Ｇｕｉｓａｎ，ＣＨ－１００９ Ｐｕｌｌｙ，Ｓｗｉｔｚｅｒｌａｎｄ

(74)【代理人】

【識別番号】100151105

【弁理士】

【氏名又は名称】井戸川 義信

(72)【発明者】

【氏名】マッツ・オーケソン

(72)【発明者】

【氏名】アンナ・ハーダー

(72)【発明者】

【氏名】ロイ・エイデバッケン

(72)【発明者】

【氏名】ダニエル・セダーストレム

(72)【発明者】

【氏名】マッツ・クヴァフォード

【テーマコード（参考）】

3E056

【Ｆターム（参考）】

3E056AA02

3E056BA01

3E056BA10

3E056BA14

3E056DA01

3E056EA10

3E056FA02

3E056FH20

(57)【要約】

液体食品製品を保持するパッケージ（１１２）のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置（２００）が提示される。包装材料は、パッケージ（１１２）の外面を形成するように適合された第１の側面（２０４）及びパッケージ（１１２）の内面を形成するように適合された第２の側面（２０６）を有する。装置（２００）は、第１の側面（２０４）の法線ベクトルが第１の方向（Ｄ１）に方向付けされた状態で包装材料のウェブ（１０２）を受領するように構成された入口（２０７）、ウェブ（１０２）を、入口（２０７）から且つ装置（２００）を通して供給するように配置されたウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）であって、少なくとも１つの駆動ユニット（２１０、２２４）及び少なくとも１つのウェブ方向付けデバイス（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１９）を含むウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）、ウェブ（１０２）の第１の側面（２０４）上に食品用インクを提供するように配置された印字ヘッドを備えた複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）であって、ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）は、第１の側面（２０４）の法線ベクトルが第２の方向（Ｄ２）に方向付けされ、及び第１の側面（２０４）が印字ヘッドに向いているように、入口（２０７）を介して受領された後にウェブ（１０２）を回転させるように配置される、複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）、第１の側面（２０４）上に提供された食品用インクを硬化させるように配置された硬化ヘッドを備えた複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）であって、ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）は、第１の側面（２０４）の法線ベクトルが第３の方向（Ｄ３）に方向付けされ、及び第１の側面（２０４）が硬化ヘッドに向いているように、食品用インクが印字ヘッドによって提供された後にウェブ（１０２）を回転させるように配置される、複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）、包装材料のウェブ（１０２）を装置（２００）から外に移動させるように構成された出口（２２７）を含む。
【選択図】 図２ａ

【特許請求の範囲】

【請求項1】

液体食品製品を保持するパッケージ（１１２）のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置（２００）であって、
前記包装材料は、前記パッケージ（１１２）の外面を形成するように適合された第１の側面（２０４）及び前記パッケージ（１１２）の内面を形成するように適合された第２の側面（２０６）を有し、
前記装置（２００）は、
前記第１の側面（２０４）の法線ベクトルが第１の方向（Ｄ１）に方向付けされた状態で前記包装材料のウェブ（１０２）を受領するように構成された入口（２０７）、
前記ウェブ（１０２）を、前記入口（２０７）から且つ前記装置（２００）を通して供給するように配置されたウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）であって、少なくとも１つの駆動ユニット（２１０、２２４）及び少なくとも１つのウェブ方向付けデバイス（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１９）を含むウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）、
前記ウェブ（１０２）の前記第１の側面（２０４）上に食品用インクを提供するように配置された印字ヘッドを備えた複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）であって、前記ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）は、前記第１の側面（２０４）の前記法線ベクトルが第２の方向（Ｄ２）に方向付けされ、及び前記第１の側面（２０４）が前記印字ヘッドに向いているように、前記入口（２０７）を介して受領された後に前記ウェブ（１０２）を回転させるように配置される、複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）、
前記第１の側面（２０４）上に提供された前記食品用インクを硬化させるように配置された硬化ヘッドを備えた複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）であって、前記ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）は、前記第１の側面（２０４）の前記法線ベクトルが第３の方向（Ｄ３）に方向付けされ、及び前記第１の側面（２０４）が前記硬化ヘッドに向いているように、前記食品用インクが前記印字ヘッドによって提供された後に前記ウェブ（１０２）を回転させるように配置される、複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）、
前記包装材料のウェブ（１０２）を前記装置（２００）から外に移動させるように構成された出口（２２７）
を含む、装置（２００）。

【請求項2】

前記複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）の前記印字ヘッドは、下方を向いており、及び／又は前記硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）の前記硬化ヘッドは、上方を向いている、請求項１に記載の装置。

【請求項3】

前記硬化ヘッドから放射されたエネルギーが前記印字ヘッドに達することが妨げられるように、前記印字ヘッドと前記硬化ヘッドとを物理的に分離する遮蔽構成（２２２）を更に含む、請求項１又は２に記載の装置。

【請求項4】

前記遮蔽構成（２２２）は、前記インクが前記複数の印字バーによって提供されるとき、及び／又は前記インクが前記複数の硬化デバイスによって硬化されるとき、前記ウェブが引張されることを提供するウェブ引張構成（２２０）の一部を形成する、請求項３に記載の装置。

【請求項5】

前記複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）の少なくとも一部は、前記複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）の少なくとも一部の上方に置かれる、請求項１～４のいずれか一項に記載の装置。

【請求項6】

前記ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）は、前記ウェブ（１０２）の第１のスラック（２１２）が前記入口（２０７）の下流及び前記複数の印字バー（２１６、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）の上流に形成されるように、且つ／又は前記ウェブ（１０２）の第２のスラック（２２６）が前記複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）の下流及び前記出口（２２７）の上流に形成されるように配置される、請求項１～５のいずれか一項に記載の装置。

【請求項7】

前記硬化ヘッドは、紫外（ＵＶ）光である、請求項１～６のいずれか一項に記載の装置。

【請求項8】

液体食品製品を保持するパッケージ（１１２）のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法（３００）であって、
前記包装材料は、前記パッケージ（１１２）の外面を形成するように適合された第１の側面（２０４）及び前記パッケージ（１１２）の内面を形成するように適合された第２の側面（２０６）を有し、
前記方法（３００）は、
前記第１の側面（２０４）の法線ベクトルが第１の方向（Ｄ１）に方向付けされた状態で入口（２０７）を介して前記包装材料のウェブ（１０２）を受領すること（３０２）と、
前記入口（２０７）から且つ装置（２００）を通してウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）を使用することにより、前記ウェブ（１０２）を、前記入口（２０７）から且つ前記装置（２００）を通して供給すること（３０４）であって、前記ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）は、少なくとも１つの駆動ユニット（２１０、２２４）及び少なくとも１つのウェブ方向付けデバイス（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１９）を含む、供給すること（３０４）と、
前記第１の側面（２０４）の前記法線ベクトルが第２の方向（Ｄ２）に方向付けされ、及び前記第１の側面（２０４）が複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ）の印字ヘッドに向いているように、前記入口（２０７）を介して受領された後に前記ウェブ（１０２）を再方向付けすること（３０６）と、
前記印字ヘッドを備えた前記複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）を使用することにより、前記ウェブ（１０２）の前記第１の側面（２０４）上に食品用インクを提供すること（３０８）と、
前記第１の側面（２０４）の前記法線ベクトルが第３の方向（Ｄ３）に方向付けされ、及び前記第１の側面（２０４）が複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）の硬化ヘッドに向いているように、前記食品用インクが前記印字ヘッドによって提供された後に前記ウェブ（１０２）を再方向付けすること（３１０）と、
前記硬化ヘッドを備えた前記複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）を使用することにより、前記第１の側面（２０４）上に提供された前記食品用インクを硬化させること（３１２）と、
出口（２２７）を介して前記ウェブ（１０２）を前記装置（２００）から外に移動させること（３１４）と
を含む、方法（３００）。

【請求項9】

前記複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）の前記印字ヘッドは、下方を向いており、及び／又は前記硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）の前記硬化ヘッドは、上方を向いている、請求項８に記載の方法。

【請求項10】

前記印字ヘッドと前記硬化ヘッドとを物理的に分離する遮蔽構成（２２２）を使用することにより、前記硬化ヘッドから放射されたエネルギーが前記印字ヘッドに達することを妨げること（３１６）を更に含む、請求項８又は９に記載の方法。

【請求項11】

前記インクが前記複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）によって提供されるとき、及び／又は前記インクが、ウェブ引張構成（２２４）を使用することにより、前記複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）によって硬化されるとき、前記ウェブ（１０２）を引張すること（３１８）を更に含み、前記遮蔽構成（２２２）は、ウェブ引張構成（２２４）の一部を形成する、請求項１０に記載の方法。

【請求項12】

前記複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）の少なくとも一部は、前記複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）の少なくとも一部の上方に置かれる、請求項８～１１のいずれか一項に記載の方法。

【請求項13】

前記ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）を使用することによって前記入口（２０７）の下流及び前記複数の印字バー（２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ）の上流に第１のスラック（２１２）を形成することにより、且つ／又は前記ウェブ供給アセンブリ（２０８ａ、２０８ｂ、２０８ｃ、２１０、２１９、２２４）を使用することによって前記複数の硬化デバイス（２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃ）の下流及び前記出口（２２７）の上流に第２のスラック（２２６）を形成することにより、前記装置（２００）の速度の変化を補償すること（３２０）を更に含む、請求項８～１２のいずれか一項に記載の方法。

【請求項14】

前記硬化ヘッドは、紫外（ＵＶ）光である、請求項８～１３のいずれか一項に記載の方法。

【請求項15】

コンピュータプログラム製品であって、コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータに、請求項８～１４のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、概して、食品包装技術などの包装技術の分野に関する。より詳細には、液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法及び装置が提示される。

【背景技術】

【0002】

今日では、様々な種類の食品製品、例えば牛乳のためにロール供給包装機を使用することが一般に公知である。ロール供給包装機は、充填機とも呼ばれ、いくつかの利点を有する。１つは、パッケージを連続生産することにより、ブランク供給包装システムに比べてより高い速度を達成できることである。別の利点は、包装材料の管を連続的に充填し、管の下端にパッケージを形成することにより、不要な微生物がパッケージに入る危険性を低下させ得ることである。

【0003】

包装材料は、今日では、カートンベースの包装材料に対して、転換工場（ｃｏｎｖｅｒｔｉｎｇ ｆａｃｔｏｒｉｅｓ）と呼ばれることもある包装材料生産センターでいわゆるフレキソ印刷を使用して印刷されることが非常に多い。印刷され、且つ食品製品を保持するために他の方法で準備され、例えば内部プラスチック層が包装材料のカートン層と食品製品との間に形成されるように積層された後、包装材料は、リールに積まれ、包装機が置かれる場所に輸送される。

【0004】

例えば、フレキソ印刷を使用することによって包装材料を印刷し、包装材料生産センターで準備する代わりに、包装材料を印刷するためにデジタル印刷を使用することが提案されている。フレキソ印刷の代わりにデジタル印刷を使用する利点は、より小さいバッチが費用効率のよい方法で印刷されてもよいことである。

【0005】

包装材料を印刷するためにデジタル印刷を使用することは、公知であるが、克服しなければならない複数の課題がある。これらの課題の１つは、デジタル印刷のための装置を、包装機及び又は包装機が置かれる建物の高額な変更及び再構築を必要とすることなく、それを既存ラインに加えることができるように設計することである。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

先行技術の上記で特定した制限の１つ又は複数を少なくとも部分的に克服することが目的である。具体的には、修正を必要とすることなく又はほとんど必要とすることなく既存の包装機に追加され得る、小型に設計される、包装材料をデジタル印刷するための装置を提供することが目的である。

【課題を解決するための手段】

【0007】

第１の態様によれば、液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置が提供され、包装材料は、パッケージの外面を形成するように適合された第１の側面及びパッケージの内面を形成するように適合された第２の側面を有し、装置は、第１の側面の法線ベクトルが第１の方向に方向付けされた状態で包装材料のウェブを受領するように構成された入口、ウェブを、入口から且つ装置を通して供給するように配置されたウェブ供給アセンブリであって、少なくとも１つの駆動ユニット及び少なくとも１つのウェブ方向付けデバイスを含むウェブ供給アセンブリ、ウェブの第１の側面上に食品用インクを提供するように配置された印字ヘッドを備えた複数の印字バーであって、ウェブ供給アセンブリは、第１の側面の法線ベクトルが第２の方向に方向付けされ、及び第１の側面が印字ヘッドに向いているように、入口を介して受領された後にウェブを回転させるように配置される、複数の印字バー、第１の側面上に提供された食品用インクを硬化させるように配置された硬化ヘッドを備えた複数の硬化デバイスであって、ウェブ供給アセンブリは、第１の側面の法線ベクトルが第３の方向に方向付けされ、及び第１の側面が硬化ヘッドに向いているように、食品用インクが印字ヘッドによって提供された後にウェブを回転させるように配置される、複数の硬化デバイス、包装材料のウェブを装置から外に移動させるように構成された出口を含む。

【0008】

複数の印字バーの印字ヘッドは、下方を向いていることができ、及び／又は硬化デバイスの硬化ヘッドは、上方を向いていることができる。

【0009】

装置は、硬化ヘッドから放射されたエネルギーが印字ヘッドに達することが妨げられるように、印字ヘッドと硬化ヘッドとを物理的に分離する遮蔽構成を更に含んでもよい。

【0010】

遮蔽構成は、インクが複数の印字バーによって提供されるとき、及び／又はインクが複数の硬化デバイスによって硬化されるとき、ウェブが引張されることを提供することができるウェブ引張構成の一部を形成してもよい。

【0011】

複数の印字バーの少なくとも一部は、複数の硬化デバイスの少なくとも一部の上方に置かれてもよい。

【0012】

ウェブ供給アセンブリは、ウェブの第１のスラックが入口の下流及び複数の印字バーの上流に形成されるように、且つ／又はウェブの第２のスラックが複数の硬化デバイスの下流及び出口の上流に形成されるように配置されてもよい。

【0013】

硬化ヘッドは、紫外（ＵＶ）光であってもよい。

【0014】

第２の態様によれば、液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法が提供され、包装材料は、パッケージの外面を形成するように適合された第１の側面及びパッケージの内面を形成するように適合された第２の側面を有し、方法は、第１の側面の法線ベクトルが第１の方向に方向付けされた状態で入口を介して包装材料のウェブを受領することと、入口から且つ装置を通してウェブ供給アセンブリを使用することにより、ウェブを、入口から且つ装置を通して供給することであって、ウェブ供給アセンブリは、少なくとも１つの駆動ユニット及び少なくとも１つのウェブ方向付けデバイスを含む、供給することと、第１の側面の法線ベクトルが第２の方向に方向付けされ、及び第１の側面が複数の印字バーの印字ヘッドに向いているように、入口を介して受領された後にウェブを再方向付けすることと、印字ヘッドを備えた複数の印字バーを使用することにより、ウェブの第１の側面上に食品用インクを提供することと、第１の側面の法線ベクトルが第３の方向に方向付けされ、及び第１の側面が複数の硬化デバイスの硬化ヘッドに向いているように、食品用インクが印字ヘッドによって提供された後にウェブを再方向付けすることと、硬化ヘッドを備えた複数の硬化デバイスを使用することにより、第１の側面上に提供された食品用インクを硬化させることと、出口を介してウェブを装置から外に移動させることとを含む。

【0015】

複数の印字バーの印字ヘッドは下方を向いていることができ、及び／又は硬化デバイスの硬化ヘッドは、上方を向いていることができる。

【0016】

方法は、印字ヘッドと硬化ヘッドとを物理的に分離する遮蔽構成を使用することにより、硬化ヘッドから放射されたエネルギーが印字ヘッドに達することを妨げることを更に含んでもよい。

【0017】

方法は、インクが複数の印字バーによって提供されるとき、及び／又はインクが、ウェブ引張構成を使用することにより、複数の硬化デバイスによって硬化されるとき、ウェブを引張することを更に含んでもよく、遮蔽構成は、ウェブ引張構成の一部を形成する。

【0018】

複数の印字バーの少なくとも一部は、複数の硬化デバイスの少なくとも一部の上方に置かれてもよい。

【0019】

方法は、ウェブ供給アセンブリを使用することによって入口の下流及び複数の印字バーの上流に第１のスラックを形成することにより、且つ／又はウェブ供給アセンブリを使用することによって複数の硬化デバイスの下流及び出口の上流に第２のスラックを形成することにより、装置の速度の変化を補償することを更に含んでもよい。

【0020】

硬化ヘッドは、紫外（ＵＶ）光であってもよい。

【0021】

第３の態様によれば、コンピュータプログラム製品であって、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに、第１の態様による方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。

【0022】

更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。

【0023】

ここで、実施形態について、添付の概略図を参照して例として説明する。

【図面の簡単な説明】

【0024】

【図1】ロール供給包装機の一般的な図である。

【図2a-2b】液体食品製品を保持するパッケージのためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための装置の２つの実施形態の側面図である。

【図3】カートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法を示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0025】

図１を参照すると、包装機１００は、充填機と呼ばれることもあり、例として一般的に示されている。包装機１００は、カートンベースのパッケージ内に液体食品製品を包装するために使用されるロール供給包装機である。すでに１９４０年代には、この種の包装機は、Ｔｅｔｒａ Ｐａｋによって紹介されており、それは、今日では、牛乳及び他の液体食品製品を安全且つ費用効率のよい手法で包装するための周知の方法である。一般的な方法は、ポテトチップスなどの非液体食品製品にも使用することができる。

【0026】

今日では、包装材料は、転換工場とも呼ばれる包装材料生産センターで印刷及び準備されることが多く、包装機１００が置かれる場所、例えば乳製品製造場に輸送される。通常、包装材料は、移動される前にリール上に積まれる。現地に到着後、リールは、図１に示されるように包装機内に置かれる。

【0027】

生産中、包装材料のウェブ１０２は、リールから包装機を通してウェブ供給方向Ａに供給することができる。図１に示されていないが、包装材料は、ウェブ１０２に不要な微生物がないことを確実にするために、殺菌デバイス、例えば過酸化水素浴又はＬＶＥＢ（低電圧電子ビーム）ステーションを通過してもよい。食品製品を提供する前に、チューブは、縦シールを形成することによりウェブ１０２から形成することができる。食品製品は、パイプ１０４を介してチューブ内に供給されてもよく、弁１０６は、パイプ１０４を通る流れを調節するために使用されてもよい。チューブの下端１０８は、横シールが作成される折りデバイス１１０中に供給することができ、チューブは、弱化線又は折罫線とも呼ばれる折り線に従って折り畳まれ、パッケージ１１２を生成することができるように切断される。折りデバイス１１０は、単一デバイスとして示されているが、折りデバイス１１０は、複数の異なるデバイスを含んでもよい。

【0028】

包装材料のウェブ１０２を包装材料生産センターで印刷する、すなわち現地外で印刷する代わりに、ウェブ１０２は、現地で、例えば図２ａ及び２ｂに示されるように、装置２００内でデジタル印刷を使用して印刷することができる。装置２００は、ウェブ１０２が装置２００を介して包装機１００内に供給されるように配置することができる。

【0029】

包装材料は、リール２０２を介して装置２００内に供給されてもよい。包装材料は、部分的に印刷されてもよく、すなわち、包装材料の一部は、包装材料生産センターで印刷されるか、又は包装材料は、全ての印刷が装置２００によって行われるように印刷されなくてもよい。

【0030】

包装材料は、パッケージ１１２の外面を形成するように適合された第１の側面２０４が外方を向いており、パッケージ１１２の内面を形成するように適合された第２の側面２０６が内方を向いているようにリール２０２に積まれてもよい。ウェブ１０２は、第１の側面２０４を下方に向けて入口２０７を介して装置２００内に供給することができる。

【0031】

装置２００では、ウェブ１０２は、ウェブ供給アセンブリによって前方に供給されてもよい。ウェブ供給アセンブリは、第１のローラ２０８ａ、第２のローラ２０８ｂ、第３のローラ２０８ｃ又は任意の他の種類のウェブ方向付けデバイス及び第１の駆動ユニット２１０を含んでもよく、ウェブが装置２００を通して供給されるだけでなく、リール２０２から取り外されることを一緒に提供する。装置２００における異なるステップが、異なる機会に異なる期間にわたって必要であり得ることを補償することができるように、ウェブ１０２は、第１の駆動ユニット２１０の下流に第１のスラック２１２を形成してもよい。第１のスラック２１２は、入口２０７と前処理デバイス２１４との間に形成されてもよい。

【0032】

第１のスラック２１２から、ウェブ１０２は、前処理デバイス２１４中に供給されてもよく、その中では、包装材料は、印刷が前処理デバイス２１４の下流の連続したステーションで行われ得るように前処理される。示されるように、印刷は、複数の印字バー、本明細書では例として４つの印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄを、初期硬化を提供する複数のピン止めデバイス、本明細書では例として４つのピン止めデバイス２１７ａ、２１７ｂ、２１７ｃ、２１７ｄと組み合わせて使用することによって提供されてもよい。印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄは、第１の側面２０４が印字バーを通るときに食品用インクで印刷されることをこれらが提供することができるように、下方を向いている印字ヘッドを備えてもよい。

【0033】

図２ａに示されるように、印刷された後、ウェブは、第１の側面２０４が下方を向いているように回転されてもよい。複数の硬化デバイス、本明細書では例として３つの硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃを使用することにより、印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄによって提供された食品用インクを硬化させることができる。硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃは、硬化ヘッドが包装材料の第１の側面２０４に向いているように、上方を向いている硬化ヘッドを備えることができる。硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃは、硬化するエネルギー、例えば電子ビーム又はＵＶ光であってもよい。

【0034】

ウェブ１０２は、第４のローラ２１９又は印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄの下流及び硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃの上流に置かれた任意の他の種類のウェブ方向付けデバイスを使用することによって回転されてもよい。第４のローラ２１９は、ウェブ１０２が印刷し、ピン止めし、且つ／若しくは硬化するときに引張されることを提供するために使用され得るウェブ引張構成２２０の一部を形成してもよく、及び／又は第４のローラ２１９は、ウェブ供給アセンブリの一部を形成してもよい。

【0035】

ウェブ引張構成２２０は、硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃからの例えばＵＶ光の放射が印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄの印字ヘッドに達することを妨げる遮蔽構成２２２を含んでもよい。遮蔽構成２２２は、例えば、硬化ヘッドと印字ヘッドとの間に置かれた金属板であってもよい。

【0036】

ウェブ引張構成２２０は、様々な方法で具現化されてもよい。例として図２ａ及び２ｂに示されるように、ウェブ１０２は、ウェブが引張又は弛緩される。

【0037】

硬化した後、ウェブ１０２は、ウェブ供給アセンブリの一部を形成することができる第２の駆動ユニット２２４を介して第２のスラック２２６に供給され、その後、出口２２７を介して装置２００から出ることができる。第２のスラック２２４の利点は、これにより、下流に置かれた包装機１００内のわずかな停止だけでなく、装置２００内の速度変化も補償することを可能にすることである。

【0038】

装置２００の一般的な利点は、印字バー２１６ａ、２１６ａ、２１６ｃ、２１６ｄが硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃの上方に置かれ得ることであり、これにより、小型設計を達成することができる。更に、ウェブを２回再方向付けすることにより、包装材料は、今日と同じ手法で提供することができ、すなわち第１の側面２０４を外方に向けてリール２０２上に提供し、包装機１００も今日と同じ手法で提供することができ、すなわち第１の側面２０４を下方に向けたウェブを受領する。従って、設計の別の利点は、包装機１００及び包装材料生産センターで修正する必要がほとんどないか又はないことである。

【0039】

図２ａに示されるように且つ上で説明されたように、ウェブ１０２は、例えば、印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄを硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃの上方に置くことができるように、印字ヘッドを通過した後及び硬化ヘッドを通過する前に１８０度回転されてもよい。換言すれば、第１の側面２０４の法線ベクトルは、入口２０７を介して装置２００中に供給されるとき、第１の方向Ｄ１に向けられてもよい。ウェブ供給アセンブリを使用することにより、ウェブ１０２は、印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄの印字ヘッドに達するとき、法線ベクトルが第２の方向Ｄ２に向けられるように再方向付けされてもよい。印刷後、すなわち印字ヘッドの下流において、ウェブ１０２は、第１の側面２０４の法線ベクトルが第３の方向Ｄ３に向けられるように再方向付けされてもよい。印字バーが、図２ａに示されるように硬化デバイスの上方に置かれている場合、第２の方向Ｄ２及び第３の方向Ｄ３は、２つの対向する方向、すなわち互いに１８０度離れて提示されてもよい。

【0040】

図２ｂは、装置が設計され得る方法の別の例を示す。図２ｂに示される例では、印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄは、印字ヘッドが、図２ａに示される装置２００の印字ヘッドと並んで下方を向いているように置かれてもよいが、図２ａに示される装置２００と異なり、硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃは、ウェブ１０２が垂直に、より具体的にはこの例では下方に移動している間に硬化され得るように、硬化ヘッドが水平に向いているように置かれる。換言すれば、第１の側面２０４の法線ベクトルが、図２ａに示されるように、１８０度移動されるようにウェブ１０２を再方向付けする代わりに、法線ベクトルは、９０度再方向付けされる。

【0041】

更に、示されていないが、印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄ及び硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃの両方を水平に置いて互いに対向させ、印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄの下流及び硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃの上流でウェブを１８０度再方向付けすることも可能である。

【0042】

上の例は、印字ヘッドの下流及び硬化ヘッドの上流で法線ベクトルを９０又は１８０度再方向付けすることに関連するが、これは、例に過ぎず、ウェブ１０２は、これらの特定の例、例えば９０度未満のいくつかのわずかなステップのみに従わずに方向付けされてもよいことを理解されたい。

【0043】

図３では、例として液体食品製品を保持するパッケージ１１２のためのカートンベースの包装材料をデジタル印刷するための方法を示すフローチャートが提示されている。第１のステップ３０２では、ウェブ１０２は、第１の側面２０４の法線ベクトルが第１の方向Ｄ１に方向付けられた状態で受領されてもよい。第２のステップ３０４では、ウェブは、装置２００を通して供給されてもよい。第３のステップ３０６では、ウェブ１０２は、第１の側面の法線ベクトルが方向Ｄ２に方向付けされるように再方向付けされてもよい。第４のステップ３０８では、インクは、印字ヘッドを備えた印字バー２１６ａ、２１６ｂ、２１６ｃ、２１６ｄにより、第１の側面２０４上に提供されてもよい。その後、第５のステップ３１０では、ウェブ１０２は、第１の側面の法線ベクトルが第３の方向Ｄ３に方向付けされるように再方向付けされてもよい。第６のステップ３１２では、第１の側面２０４上に提供されたインクは、硬化ヘッドを備えた硬化デバイス２１８ａ、２１８ｂ、２１８ｃによって硬化されてもよい。第７のステップ３１４では、ウェブは、装置２００から外に移動されてもよい。

【0044】

任意選択的に、第８のステップ３１６では、硬化デバイス３１８ａ、３１８ｂ、３１８ｃから放射されたエネルギーは、遮蔽構成２２２により、印字ヘッドに達することを妨げられ得る。

【0045】

任意選択的に、第９のステップ３１８では、ウェブは、ウェブ引張構成２２０により、印刷及び／又は硬化中に引張され得る。遮蔽構成２２２は、このウェブ引張構成２２０の一部を形成してもよい。

【0046】

任意選択的に、第１０のステップ３２０では、第１のスラック２１２は、装置２００内の速度の変化が補償され得るように形成されてもよい。

【0047】

任意選択的に、第１１のステップ３２２では、第２のスラック２２６は、装置２００内の速度の変化が補償され得るように形成されてもよい。

【0048】

特定の順で記載されているが、停止は、この順で行われる必要がないことを理解されたい。

【0049】

上記の記述から、本発明の様々な実施形態が記述され、示されてきたが、本発明は、それに限定されず、以下の特許請求の範囲で定義される主題の範囲内の他の方法で具現化されてもよい。

【図1】

【図2a】

【図2b】

【図3】

【国際調査報告】