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特表2022-532649リリーフバルブを備えた真空ポンプ及びリリーフバルブの組み付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】リリーフバルブを備えた真空ポンプ及びリリーフバルブの組み付け方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 19/04 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
F04D19/04 Z
F04D19/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568258
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 GB2020051154
(87)【国際公開番号】W WO2020229811
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】1906844.4
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ターナー ニール
(72)【発明者】
【氏名】タレル デイヴィッド アラン
【テーマコード(参考)】
3H131
【Fターム(参考)】
3H131BA06
3H131CA36
3H131CA38
(57)【要約】
複数ポンプ段を備えるステータと、2つの隣接するポンプ段を分離する少なくとも1つの段間仕切りとを備える多段回転真空ポンプであって、少なくとも1つの段間仕切りは、その間にキャビティを定める2つの壁を備え、上流側壁は、2つの隣接するポンプ段の上流側ポンプ段を境界付けし、下流側壁は、2つの隣接するポンプ段の下流側ポンプ段を境界付けし、キャビティは、圧力リリーフ流体流路の少なくとも一部を備え、圧力リリーフ流体流路は、上流段の出口部分から上流段の入口部分に向かう、又は排気部分に向かう経路をもたらし、圧力リリーフ流体流路は、オリフィスを備え、オリフィスは、バルブシートを備えており、多段回転真空ポンプは、圧縮状態と伸長状態との間で移動するように構成された圧力リリーフバルブをさらの備え、圧力リリーフバルブは、伸長状態でオリフィスをシールすると共に、上流段の圧力が所定値よりも高くなることに応答して、オリフィスが塞がれないように圧縮状態に移動するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ポンプ段を備えるステータと、
2つの隣接するポンプ段を分離する少なくとも1つの段間仕切りと、
を備える多段回転真空ポンプであって、
前記少なくとも1つの段間仕切りは、その間にキャビティを定める2つの壁を備え、上流側壁は、前記2つの隣接するポンプ段の上流側ポンプ段を境界付けし、下流側壁は、前記2つの隣接するポンプ段の下流側ポンプ段を境界付けし、
前記キャビティは、圧力リリーフ流体流路の少なくとも一部を備え、前記圧力リリーフ流体流路は、前記上流段の出口部分から前記上流段の入口部分に向かう又は排気部分に向かう経路を提供し、前記圧力リリーフ流体流路はオリフィスを備え、前記オリフィスはルブシートを備え、
前記多段回転真空ポンプは、
圧縮状態と伸長状態との間で移動するように構成された圧力リリーフバルブをさらに備え、前記圧力リリーフバルブは、前記伸長状態で前記オリフィスをシールすると共に、前記上流段の圧力が所定値よりも高くなることに応答して前記オリフィスが塞がれないように、前記圧縮状態に移動するように構成される、
ことを特徴とする多段回転真空ポンプ。
【請求項2】
前記圧力リリーフバルブは、前記バルブを解放可能に前記圧縮状態に保持する保持手段を備えている、
請求項1に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項3】
前記バルブの外側シール面は、前記外側シール面を回転させて前記保持手段を解放又は係合させるための工具を受け入れるための受け入れ手段を備えている、
請求項2に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項4】
前記保持手段は、フック及び前記フックを保持するためのリテーナを備え、前記フック及び前記リテーナのうちの一方は、前記バルブの固定端に取り付けられ、前記フック及び前記リテーナのうちの他方は、シール端に取り付けられており、前記バルブは、前記バルブの前記シール端の回転が、前記フックを前記リテーナに係合させるか又は前記リテーナから解放させるように構成されている、
請求項2又は3に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項5】
前記オリフィスは、前記段間仕切りの1つの壁に位置し、前記上流側ポンプ段の出口を構成する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項6】
前記キャビティは、ポンプ流体流路を備え、前記ポンプ流体流路は、前記上流段の前記出口部分から前記下流段の入口部分に向かう経路を提供し、前記ポンプ流体流路及び前記圧力リリーフ流体流路は前記流路の接合部で前記オリフィスを備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項7】
前記上流段の前記出口部分から前記オリフィスへの流体流路の一部分は、組み合わされた圧力リリーフ流体流路及びポンプ流体流路を構成する、
請求項6に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項8】
前記圧力リリーフバルブは、前記2つの壁の間に延びるように構成され、前記バルブの固定端は、前記下流側壁に取り付けられ、前記バルブのシール端は、前記バルブが前記伸長状態にある場合に前記上流側壁まで及ぶ、
請求項1から5のいずれか1項に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項9】
前記真空ポンプは、前記バルブの固定端を受け入れるための凹部を備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載の多段回転真空ポンプ。
【請求項10】
2つの隣接するポンプ段を分離する壁の間の段間キャビティの中にバルブを組み付ける方法であって、
保持手段によって圧縮状態に保持された圧力リリーフバルブを前記段間キャビティの前記壁の間に挿入するステップであって、前記圧力リリーフバルブは、圧力リリーフ流体流路の中でオリフィスのバルブシートと係合するためのシール端と、反対端とを備え、前記圧力リリーフ流体流路は、前記段間キャビティを通過し、上流段の出口部分を、前記上流段の入口部分又は排気部分のいずれかに接続する、ステップと、
前記バルブを前記流体流路の中に配置するステップと、
前記バルブが伸長状態に移動し、前記バルブのシール端が前記オリフィスの前記バルブシートとかみ合うように、前記バルブを前記圧縮状態から解放するステップと、を含む、
ことを特徴とするバルブを組み付ける方法。
【請求項11】
前記オリフィスは、前記キャビティの上流側壁内に配置され、
前記配置するステップは、前記段間キャビティの前記下流側壁内の凹部の中に前記バルブの前記反対端を配置するステップを含み、
前記バルブが伸長状態に移動し、前記シール端が前記上流側壁内の前記バルブシートとかみ合うように前記バルブを前記圧縮状態から解放する、
請求項10に記載のバルブを組み付ける方法。
【請求項12】
前記オリフィスは、前記キャビティの中のポンプ流体流路の壁内に配置され、前記オリフィスは、前記ポンプ流体流路及び前記圧力リリーフ流体流路をつなぎ、
前記配置するステップは、前記圧力リリーフ流体流路の壁内の凹部の中に前記バルブの前記反対端を配置するステップを含み、
前記バルブが伸長状態に移動し、前記シール端が前記オリフィス内の前記バルブシートとかみ合うように前記バルブを前記圧縮状態から解放する、
請求項10に記載のバルブを組み付ける方法。
【請求項13】
前記保持手段は、リテーナと回転可能に係合するようになった係合部分を備え、前記係合部分は、前記シール端及び前記反対端のうちの一方に取り付けられ、前記リテーナは、前記シール端及び前記反対端のうちの他方に取り付けられ、前記バルブを前記圧縮状態から解放するステップは、前記リテーナが前記係合部分から外れるように前記シール端を回転させるステップを含む、
請求項1から12のいずれか1項に記載のバルブを組み付ける方法。
【請求項14】
前記係合部分はフックを備えている、
請求項13に記載のバルブを組み付ける方法。
【請求項15】
前記バルブを前記圧縮状態から解放するステップは、工具を前記シール端の外面上の受け入れ手段に係合させるステップと、前記リテーナが前記係合部分から外れるまで前記工具を回転させるステップとを含む、
請求項13又は14に記載のバルブを組み付ける方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、多段ポンプ組立体のためのリリーフバルブと、そのようなバルブをポンプの段間キャビティの中に組み付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ入口の圧力上昇からポンプを保護するためのポンプシステムの中のリリーフバルブ又はブローオフバルブは、多くのシステムに設けられている。これらのバルブは、特に腐食性の流体を移送するように構成されたポンプでは、摩耗して、保守整備又は交換が必要になることがある。バルブが段間キャビティに位置する多段ポンプでは、これらのバルブにアクセスするのが困難である。ポンプの他の多くの構成要素に比べてバルブの摩耗が早いという問題を解決するために、カートリッジ式リリーフバルブが設計されており、これは、自己完結型で、複数の構成要素から構成され、作業ユニットとして目的の場所に挿入することができる。このようなカートリッジ式リリーフバルブには、素材内容物(material content)及び部品点数が非常に多いという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バルブの組み立て及び保守整備を可能にしながらより小型で部品点数の少ないリリーフバルブを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様は、複数ポンプ段を備えるステータと、2つの隣接するポンプ段を分離する少なくとも1つの段間仕切りとを備える多段回転真空ポンプを提供し、上記少なくとも1つの段間仕切りは、その間にキャビティを定める2つの壁を備え、上流側壁は、上記2つの隣接するポンプ段の上流側ポンプ段を境界付けし、下流側壁は、上記2つの隣接するポンプ段の下流側ポンプ段を境界付けし、上記キャビティは、圧力リリーフ流体流路の少なくとも一部を備え、上記圧力リリーフ流体流路は、上記上流段の出口部分から上記上流段の入口部分に向かう、又は排気部分に向かう経路をもたらし、上記圧力リリーフ流体流路は、オリフィスを備え、上記オリフィスは、バルブシートを備えており、上記多段回転真空ポンプは、圧縮状態と伸長状態との間で移動するように構成された圧力リリーフバルブをさらの備え、上記圧力リリーフバルブは、上記伸長状態で上記オリフィスをシールすると共に、上記上流段の圧力が所定値よりも高くなることに応答して、上記オリフィスが塞がれないように上記圧縮状態に移動するように構成される。
【0005】
本発明の発明者らは、交換や保守整備のためにポンプへの挿入及び取り外しを容易にするカートリッジ式バルブ組立体には利点があるが、このような構成には欠点があることを認識している。特に、これらのカートリッジは、比較的大きくかつ部品点数が多い場合がある。本発明の発明者らは、このようなカートリッジ組立体のいくつかの構成要素は、それらが挿入される機械の他の部品によって行うことができる機能を有することを認識している。従って、バルブ組立体がポンプの部品と協働するように構成されていれば、構成要素の一部を省略することができる。この点を考慮して、圧縮状態及び伸長状態を有し、伸長状態の場合にポンプの中のオリフィスをシールするように構成されたバルブ組立体が提供される。このように、バルブ組立体は、圧縮され、圧縮状態でポンプに挿入され、その後、オリフィスをシールする伸長状態に解放されることができる。
【0006】
従って、バルブシートは、ポンプ自体の一部であり、取り外し可能な構成要素であるバルブはシール及び付勢手段である。圧縮された非シール状態のバルブの一部分を提供することで、バルブは、機械に挿入すること及びそこから取り出すことができ、一方で、伸長すると所定位置に保持することができる。
【0007】
一部の実施形態では、上記圧力リリーフバルブは、上記バルブを解放可能に上記圧縮状態に保持する保持手段を備える。
【0008】
圧力リリーフバルブは、圧縮状態に保持することができるように保持手段を備えることができる。これにより、バルブは、この手順の間に圧縮状態に保持する必要なしでポンプの中に挿入すること又はそこから取り出すことができる。
【0009】
一部の実施形態では、上記バルブの外側シール面は、上記外側シール面を回転させて上記保持手段を解放又は係合させるための工具を受け入れるための受け入れ手段を備える。
【0010】
保持手段は、協働手段に解放可能に係合することができ、場合によっては、解放及び保持するための方法は、バルブ組立体の2つの部品の相対回転を伴うことができる。このような相対回転は、外側シール面上の受け入れ手段と協働する工具を用いて引き起こすことができる。外側シール面は、バルブがポンプの中にある場合にアクセス可能であり、バルブを圧縮状態に位置付けて保障管理及び交換のために取り外すのを可能にする。
【0011】
一部の実施形態では、上記保持手段は、フック及び上記フックを保持するためのリテーナを備え、上記フック及び上記リテーナのうちの一方は、上記バルブの固定端に取り付けられ、上記フック及び上記リテーナのうちの他方は、シール端に取り付けられており、上記バルブは、上記バルブの上記シール端の回転が、上記フックを上記リテーナに係合させるか又は上記リテーナから解放させるように構成されている。
【0012】
保持手段は多くの方法で形成することができるが、単純かつ有効的な方法は、フック及びこのフックのための保持手段を利用することであり、フックと保持手段との間の相対回転により、これらは圧縮状態の場合に係合することができ、圧縮状態での逆回転により、これらは外れてバルブ組立体を伸長状態に戻すことができる。
【0013】
一部の実施形態では、上記オリフィスは、上記段間仕切りの1つの壁に位置し、上記上流側ポンプ段の出口を構成する。
【0014】
オリフィスは、流路の中の複数の異なる箇所に配置することができるが、場合によっては、これは段間仕切りの外壁内である。この位置では、オリフィスは比較的アクセスが容易であり、上流側ポンプチャンバからの流路をシールする好都合な方法をもたらす。
【0015】
他の実施形態では、上記キャビティは、ポンプ流体流路を備え、上記ポンプ流体流路は、上記上流段の上記出口部分から上記下流段の入口部分に向かう経路をもたらし、上記ポンプ流体流路及び上記圧力リリーフ流体流路は、上記流路の接合部で上記オリフィスを備える。
【0016】
一部の実施形態では、上記上流段の上記出口部分から上記オリフィスへの流体流路の一部は、組み合わされた圧力リリーフ流体流路及びポンプ流体流路を構成する。
【0017】
流路の有効な再利用を可能にする代替構成では、上流段から下流段へのポンプ流体流路及び上流段の出口からの圧力リリーフ流体流路は、キャビティの中でそれらの長さの一部を共用する。場合によっては、オリフィスは、2つの経路の分岐点に位置し、圧力リリーフ流体流路は、バルブが閉鎖された場合に塞がれ、バルブが開放された場合に流路を提供する。
【0018】
一部の実施形態では、上記圧力リリーフバルブは、上記2つの壁の間に延びるように構成され、上記バルブの固定端は、上記下流側壁に取り付けられ、上記バルブのシール端は、上記バルブが上記伸長状態にある場合に上記上流側壁まで及ぶ。
【0019】
ポンプの一部であるバルブシートをシールするようになったシール面を備える圧力リリーフバルブを設けることで、バルブは、最小の構成要素で比較的小型に作ることができる。使用時にバルブが所定位置に安定的に保持されるように、一部の実施形態では、バルブは、2つの壁の間に延び、バルブ内のバネは、伸長状態の場合にシール面をバルブシートに対して押し付ける。
【0020】
一部の実施形態では、上記真空ポンプは、上記バルブの固定端を受け入れるための凹部を備える。
【0021】
バルブをこの位置に安定的に保持するために、ポンプが、シール端から離れたバルブの端部を受け入れて固定位置に保持するための凹部を備えることは好都合であろう。バルブが2つの壁の間に延びる実施形態では、下流側壁は、バルブの固定端を受け入れてこれにより所定位置を保持するための凹部を備えることができる。バルブがポンプ流体流路と圧力リリーフ流体流路との間のオリフィスをシールする場合、凹部は圧力リリーフ流体流路の壁内とすることができる。いずれの場合も、バルブは保持手段を用いて圧縮されると、凹部から取り外してポンプから取り出して、保守整備することができる。
【0022】
第2の態様は、2つの隣接するポンプ段を分離する壁の間の段間キャビティの中にバルブを組み付ける方法を提供し、本方法は、保持手段によって圧縮状態に保持された圧力リリーフバルブを上記段間キャビティの上記壁の間に挿入するステップであって、上記圧力リリーフバルブは、圧力リリーフ流体流路の中でオリフィスのバルブシートと係合するためのシール端と、反対端とを備え、上記圧力リリーフ流体流路は、上記段間キャビティを通過し、上流段の出口部分を、上記上流段の入口部分又は排気部分のいずれかに接続する、ステップと;上記バルブを上記流体流路の中に配置するステップと;上記バルブが伸長状態に移動し、上記バルブのシール端が上記オリフィスの上記バルブシートとかみ合うように、上記バルブを上記圧縮状態から解放するステップと、を含む。
【0023】
一部の実施形態では、上記オリフィスは、上記キャビティの上流側壁内に配置され;上記配置するステップは、上記段間キャビティの上記下流側壁内の凹部の中に上記バルブの上記反対端を配置するステップを含み;上記バルブが伸長状態に移動し、上記シール端が上記上流側壁内の上記バルブシートとかみ合うように上記バルブを上記圧縮状態から解放する。
【0024】
他の実施形態では、上記オリフィスは、上記キャビティの中のポンプ流体流路の壁内に配置され、上記オリフィスは、上記ポンプ流体流路及び上記圧力リリーフ流体流路をつなぎ;上記配置するステップは、上記圧力リリーフ流体流路の壁内の凹部の中に上記バルブの上記反対端を配置するステップを含み;上記バルブが伸長状態に移動し、上記シール端が上記オリフィス内の上記バルブシートとかみ合うように上記バルブを上記圧縮状態から解放する。
【0025】
一部の実施形態では、上記保持手段は、リテーナと回転可能に係合するようになった係合部分を備え、上記係合部分は、上記シール端及び上記反対端のうちの一方に取り付けられ、上記リテーナは、上記シール端及び上記反対端のうちの他方に取り付けられ、上記バルブを上記圧縮状態から解放するステップは、上記リテーナが上記係合部分から外れるように上記シール端を回転させるステップを含む。
【0026】
一部の実施形態では、上記係合部分はフックを備える。
一部の実施形態では、上記バルブを上記圧縮状態から解放するステップは、工具を上記シール端の外面上の受け入れ手段に係合させるステップと、上記リテーナが上記係合部分から外れるまで上記工具を回転させるステップとを含む。
【0027】
さらなる特定の及び好ましい態様は、独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、適宜、独立請求項の特徴と組み合わせることができ、さらに請求項に明示的に記載されている以外の組み合わせも可能である。
【0028】
装置の特徴がある機能を提供するために動作可能であると記述されている場合、その機能を提供する装置の特徴、又はその機能を提供するために適合又は構成された装置の特徴を含むことを理解されたい。
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1の実施形態によるリリーフバルブを示す。
図2図1によるリリーフバルブの位置を示すポンプを通る断面を示す。
図3】さらなる実施形態によるリリーフバルブを示す。
図4】一実施形態によるポンプ内でバルブを組み付ける方法のステップを示すフローチャートである。
図5】ポンプからバルブ組立体を取り外す方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施形態をより詳細に説明する前にまず概要を提示する。
バルブは、一例としてクラムシェル型ステータにおけるポンプの段間キャビティに挿入するように構成されている。段間は中空であり、上流段の方を向いた壁と、下流段の方を向いた他の壁とを有する。バルブは、上流段の出口部分の圧力が上昇した場合に、上流段の出口部分から上流段の入口部分に戻る圧力リリーフ流路を開閉するように構成されており、これにより、下流段を、これらの圧力上昇から保護することができる。
【0031】
バルブシートは、圧力リリーフ流路内に形成されており、一部の実施形態では、壁の一方でこの流路の一端に形成されている。壁の間のキャビティ領域は、同じ段の入口にガスを戻すための圧力リリーフ流路を提供する。
実施形態では、バルブは、プランジャー、バネ、及び案内/支持部を有する。
【0032】
図1は、第1の実施形態によるバルブ組立体を示す。バルブ組立体10は、段間キャビティの上流側壁60と下流側壁62との間で伸長した状態で示されている。
【0033】
バルブ組立体は、バルブプランジャー30を押してバネ20を圧縮することにより、圧縮状態にロックすることができるように構成されており、バネ20が圧縮されると、プランジャー30は、窪み32で工具を用いて回転させることができ、バルブステムの端部のフック40は、案内/支持部47の非対称スロット50に保持される。この状態では、組立体全体は、段間壁60、62の間のキャビティ内をスライドできるほど小さい。
【0034】
バルブ組立体は、上流側壁60に設けられたオリフィス64を構成するバルブシート開口部の反対の位置に動かされ、オリフィスはバルブシートを備える。バルブ組立体の支持端47は、下流側壁62の窪みに位置決めされ、その後、所定位置にある場合に、プランジャー30は、逆方向に回転させてフック40をスロット50から解放することができ、バルブは伸長した閉鎖位置に移動し、バルブプランジャー30は、オリフィス64のバルブシートをシールする。この位置では、バルブ組立体は所定位置に保持される。
【0035】
突出部45は、バルブ支持部47から延び、横方向又は角度方向の動きに対してバルブ組立体を安定させるように機能し、所定位置にしっかりと保持するのを助ける。上流段の圧力が所定量以上に上昇すると、プランジャー30にかかる力はバネ20を圧縮するのに十分であり、プランジャー30は、オリフィス64のバルブシートから離れ、圧力リリーフ流路が開放される。上流側の圧力がこの臨界値を下回ると、バルブは再び閉鎖して圧力リリーフ流路をシールすることになる。
【0036】
保守整備又は清浄のためにバルブを取り外すために、プランジャー30を、シート開口部64を通じて案内/支持部47に向かって押し戻し、次に、フック40がスロット50に再び係合するように窪み32を利用して回転させる。圧縮状態でロックされると、バルブは、段間から簡単に引き出すことができる。
【0037】
図2は、異なる流路を有する段間キャビティの段間壁60、62を概略的に示す。図1の実施形態によるバルブ組立体10によってシールされた圧力リリーフ流路65が存在する。圧力リリーフ流路は、上流側ポンプ段の出口部分に設けられたオリフィス64から、上流側ポンプ段の入口部分に設けられたオリフィス68まで延びる。オリフィス64は、バルブ組立体10のバルブシートを構成する。上流側ポンプ段の出口部分のオリフィス66から段間壁62のオリフィス69に流れる別のポンプ流路67があり、オリフィス69は、下流段の入口部分へのアクセスを可能にする。2つの流路65及び67は、互いに分離されている。2つの流路が互いに分離されるように何らかの方法で境界付けされるのであれば、それらはキャビティ内で異なる形態を有すことができる。
【0038】
図示されていない別の実施形態では、圧力リリーフバルブは、再循環圧力リリーフバルブではなくブローオフバルブであり、この場合、圧力リリーフ経路65は、上流側ポンプ段の入口部分のオリフィス68まで延びるのではなく、ポンプの排気通路へのオリフィスまで延びることになる。
【0039】
図3は、代替的な実施形態を概略的に示し、ポンプ流路67及び圧力リリーフ流路65は、上流側壁の出口部分のオリフィス66からの流路の初期部では同じ経路を共有している。この2つの流路は、バルブシートを備え、バルブ組立体10のプランジャー又はシール端とかみ合うオリフィス64で分岐する。バルブ組立体は、オリフィス64の下流にある圧力リリーフ経路65の一部を開閉するように機能し、この部分は、ポンプの上流段の入口部分にあるオリフィス68につながっている。ポンプ流路67は、下流段の入口部分につながる出口69に向かう。
【0040】
この実施形態では、バルブ及びオリフィスは流体流路内にあり、バルブ組立体は段間壁に接触しない。図1及び図2のバルブ組立体10と同様に、このバルブ組立体は、バネ及び保持手段(図示せず)を備えており、バネを圧縮して、バルブ組立体をポンプから取り外すために圧縮状態で保持することができる。同様に、バルブ組立体は、圧縮状態でポンプに再挿入することができ、バルブプランジャーを回転させると、保持手段が解除され、バルブが伸長状態になり、オリフィスとかみ合う。
【0041】
この実施形態では、バルブ組立体10の支持端を保持するために、流体流路に窪みが設けられている。
【0042】
図2の実施形態と同様に、この圧力リリーフバルブの代替配置(図示せず)があり、ここでは、バルブはブローオフバルブとして機能し、この場合、圧力リリーフ経路65は、上流側ポンプ段の入口部分へ延びるのではなく、ポンプの排気通路に延びる。
【0043】
図4は、実施形態によるポンプに圧力リリーフバルブを挿入する方法のステップを例示するフローチャートを示す。この方法では、バルブ組立体が圧縮状態に置かれ、この状態で、隣接するポンプ室の壁の間に位置する段間キャビティに挿入される。バルブの支持端は、段間キャビティの下流側壁に設けられた凹部内に位置付けられ、バルブのシール端を回転させて保持手段を解除すると、バルブは伸長状態になり、シール手段はポンプ内のオリフィス上のシール面でシールする。
【0044】
図5は、バルブの保守整備又は交換のために、ポンプの段間キャビティからバルブ組立体を取り外す方法のステップを例示するフローチャートを示す。この方法では、バルブ組立体を圧縮し、バルブのシール端を回転させて、バルブ組立体の保持手段を係合させ、バルブ組立体を圧縮状態で保持する。この状態で、バルブ組立体は段間キャビティから取り外すことができる。
【0045】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して本明細書で詳細に開示されるが、本発明は、詳細な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者がその中で様々な変更及び修正を行い得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0046】
10 バルブ組立体
20 バネ
30 プランジャー
32 窪み
40 フック
45 突出部
47 支持部
50 スロット
60 段間壁
62 段間壁
64 オリフィス/バルブシート
65 圧力リリーフ流路
67 ポンプ流路
66 壁60のオリフィス
68 壁60のオリフィス
69 壁62のオリフィス
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】