(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】真空計のブリッジ電圧反転回路及びブリッジ電圧反転回路を有する圧力計センサ
(51)【国際特許分類】
G01L 21/00 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
G01L21/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568285
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2020029487
(87)【国際公開番号】W WO2020231613
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501356112
【氏名又は名称】スミトモ (エスエイチアイ) クライオジェニックス オブ アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sumitomo(SHI)Cryogenics of America,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】タン,ハワード エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, スコット マイケル
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB08
2F055CC02
2F055DD20
2F055EE25
2F055FF07
2F055FF11
2F055GG31
(57)【要約】
本発明は、真空計のブリッジ電圧反転回路及び前記ブリッジ電圧反転回路を有する圧力計センサを提供する。圧力計のための前記ブリッジ電圧反転回路は、基準コンデンサと、センサコンデンサと、一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、を含む。前記基準コンデンサは、前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続され、前記センサコンデンサは、前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続される。前記センサコンデンサは、圧力を感知して反応し、前記センサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小である。真空時の前記センサコンデンサの静電容量は前記基準コンデンサの静電容量よりも小さい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力計のためのブリッジ電圧反転回路であって、前記ブリッジ電圧反転回路は、
一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、
前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された基準コンデンサと、
前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続されたセンサコンデンサと、
を含み、
前記センサコンデンサは、圧力を感知して反応し、前記センサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小であり、前記基準コンデンサ及び前記センサコンデンサは、真空時の前記センサコンデンサの静電容量が前記基準コンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択され、前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力は、フルスケール圧力よりも大きいことを特徴とする圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項2】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器を駆動する基準信号を出力する回路と、
前記変圧器の前に信号利得を調整する利得設定ブロックと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項3】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記基準信号及びブリッジ電圧信号を受信して多重化し、多重化された信号をアナログデジタル変換器に出力するアナログ多重化装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項4】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記ブリッジ電圧を受信してバッファリングするバッファを含むことを特徴とする請求項3に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項5】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記基準信号を増幅するパワーオペアンプ(OPAMP)ドライバを含み、
増幅された前記基準信号は、前記変圧器の前記一次巻線に供給されることを特徴とする請求項2に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項6】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器の前記二次巻線に接続され、前記ブリッジ電圧信号を受信して増幅する増幅器を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項7】
前記センサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項8】
前記基準コンデンサの静電容量は、フルスケールの前記センサコンデンサの静電容量より10%大きいことを特徴とする請求項1に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項9】
圧力計のためのブリッジ電圧反転回路であって、前記ブリッジ電圧反転回路は、
一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、
前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された第1のセンサコンデンサと、
前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続された第2のセンサコンデンサと、
を含み、
前記第1及び第2のセンサコンデンサは、圧力を感知して反応し、前記第2のセンサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小であり、前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、真空時の前記第2のセンサコンデンサの静電容量が真空時の前記第1のセンサコンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択され、前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力は、フルスケール圧力よりも大きいことを特徴とする圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項10】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器を駆動する基準信号を出力する回路と、
前記変圧器の前に信号利得を調整する利得設定ブロックと、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項11】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記ブリッジ電圧を受信してバッファリングするバッファを含むことを特徴とする請求項9に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項12】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記基準信号を増幅するパワーオペアンプ(OPAMP)ドライバを含み、
増幅された前記基準信号は、前記変圧器の前記一次巻線に供給されることを特徴とする請求項10に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項13】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器の前記二次巻線に接続され、ブリッジ電圧信号を受信して増幅する増幅器を含むことを特徴とする請求項9に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項14】
前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサであることを特徴とする請求項9に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項15】
圧力計センサであって、前記圧力計センサが、
一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、
一端に圧力が加えられて他端が前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された第1のセンサコンデンサと、
一端に圧力が加えられて他端が前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続された第2のセンサコンデンサと、
を含み、
前記第1及び第2のセンサコンデンサは、圧力を感知して反応し、前記第2のセンサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小であり、前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、真空時の前記第2のセンサコンデンサの静電容量が真空時の前記第1のセンサコンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択され、前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力は、フルスケール圧力よりも大きいことを特徴とする圧力計センサ。
【請求項16】
前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサであることを特徴とする請求項15に記載の圧力計センサ。
【請求項17】
前記圧力計センサがさらに、
基準信号を増幅するパワーオペアンプ(OPAMP)ドライバを含み、
増幅された前記基準信号は、前記変圧器の前記一次巻線に供給されることを特徴とする請求項15に記載の圧力計センサ。
【請求項18】
前記圧力計センサがさらに、
前記変圧器の前記二次巻線に接続され、ブリッジ電圧信号を受信して増幅する増幅器を含むことを特徴とする請求項15に記載の圧力計センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年5月15日に出願された「BRIDGE VOLTAGE INVERSION CIRCUIT FOR VACUUM GAUGE AND METHODS OF OPERATING SAME」という名称の米国仮特許出願62/848,326の優先権を主張するものであり、この出願は参照されることにより、本出願に援用される。
【0002】
本発明は、一般的に、現在の真空計(例えば、WYDEゲージ)ユニットのアナログ基板内に見つけられるセンサアナログフロントエンド回路(sensor analog front end circuits)に関し、より詳しくは、より良い製造性を達成しながらより少ない回路部品表(bill of material)(BOM)及びより少ない電力消費を有するWYDEゲージユニットのアナログ基板の性能向上に関する。基本概念は他の型のゲージにも拡張することができる。
【背景技術】
【0003】
現在の真空計(例えば、WYDEゲージ)のアナログフロントエンド電子設計において、
図1に図示されているように、圧力示度は、トランス回路の二次巻線のブリッジノード上に現れる信号振幅の直接的結果である。しかしながら、電圧振幅及び加圧力間の比例する性質により、
図2に図示されているように、低圧力時に、信号増幅が多くの場合必要である。真空圧力又は真空圧力に近い圧力において、デジタル化のためにアナログデジタル変換器(ADC)に提出される前の信号増幅は多くの場合非常に高い必要がある。この高いレベルの信号増幅は、不要なノイズの導入及び増幅器の非線形性とともに、増幅信号波自体及び基準波間の予測不可能な位相関係の問題を生成する。結果的に、信号利得が多すぎることなく、真空時に最高の信号品質を有することが望ましい。
【0004】
ブリッジ電圧上に現れる信号振幅は、変圧器の一次側信号振幅の関数であり、同様に、圧力変化による基準静電容量に関連するセンサ静電容量の変化である。これらの問題に対する従来技術の解決策には以下のものが含まれる。
【0005】
・多重高価利得/位相調整ブロック(Multiple, expensive gain/phase adjust blocks)
多重高価利得/位相調整集積回路(IC)は、1)増幅による位相関係の不確実性を解消し、2)基準コンデンサを微調整し、又は真空圧力又は真空圧力に近い圧力における振幅をゼロにするために使用される。これらの集積回路部分は信号増幅の直接的結果であり、真空圧力レベルにおいて基準コンデンサ及びセンサコンデンサを一致させる必要があるから、これらの集積回路部分は必要である。
【0006】
・各増幅ディケード間の不連続性を修正する煩雑なファームウェア(Cumbersome firmware fixing the discontinuity between each amplification decades)
離散ステップ時の有限利得とともに増幅する可変利得により、多くの場合、各利得ステージ間の曲線部の直線性は、切替点の不正確性により不連続性を示すことがある。そのような複雑性を処理するために多数のファームウェアコードが書き込まれている。より悪いことに、デジタル信号プロセッサ(DSP)基板内のマイクロプロセッサは、特定の増幅率における信号レベルを認識する必要があり、さもなければ次の増幅ステージに信号振幅が過剰に供給される危険がある。
【0007】
・信号ノイズ比(SNR)が低いことによる信号自体とともにノイズ信号の増幅
真空圧力レベルにおいて、効果的な信号ノイズ比は非常に低く、多くの場合、増幅率が高いと、
図3に図示されているように、アナログデジタル変換器ではもはや純粋な正弦波は見られない。その結果、増幅及びノイズの結果として信号品質が損なわれる。残念ながら、この問題は1トル(133.322パスカル)以下で動作する低圧圧力計において悪化してしまう。
【0008】
・信号平均値算出
低圧力レベルにおける水準以下の信号ノイズ比により、デジタルドメイン内の信号平均値算出数を増加する必要がある。このことは圧力過渡反応を遅くする負の効果を有する。
【0009】
・追加回路ノイズの導入
信号経路に沿って導入可能な可変利得ブロックのひずみに伴って、アナログデジタル変換器に提供される前の接地及び電源等の場所からノイズが導入される他の機会が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在のWYDEゲージユニットのアナログ基板内に見つけられる既存のセンサアナログフロントエンド回路の改良が必要である。ここに記載の実施形態は、より少ない回路部品表で性能の向上を提供し、したがって、より良い製造性を達成しながらより少ない電力消費を有する。本実施形態は、低圧力の信号ノイズ比の要件に挑戦することを特に目的とするものである。本実施形態は、以前のものと比べて同等又はより優れた性能を維持しながら、製造性、簡易性、及び回路要素の節約等の領域において従来技術に対して多くの利点を提供する。また、本実施形態は、1トル(133.322パスカル)以下のフルスケールの低圧圧力計において非常に貴重である。従来技術と違い、本実施形態は、真空において最高の信号品質を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ブリッジ電圧反転回路の実施形態は、従来技術の欠点を克服し、上記利点を提供する。これらの利点及び他の利点は、例えば、一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された基準コンデンサと、前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続されたセンサコンデンサと、を含む、圧力計のためのブリッジ電圧反転回路により達成される。前記センサコンデンサは、圧力を感知して反応する。前記センサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小である。前記基準コンデンサ及び前記センサコンデンサは、真空時の前記センサコンデンサの静電容量が前記基準コンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択される。前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力(fold-over pressure)は、フルスケール圧力(full-scale pressure)よりも大きい。
【0012】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、前記変圧器を駆動する基準信号を出力する回路と、前記変圧器の前に信号利得を調整する利得設定ブロックと、を含む。前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、前記基準信号及びブリッジ電圧信号を受信して多重化し、多重化された信号をアナログデジタル変換器に出力するアナログ多重化装置を含む。前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、前記ブリッジ電圧を受信してバッファリングするバッファを含む。前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、前記基準信号を増幅するパワーオペアンプ(OPAMP)ドライバを含む。増幅された前記基準信号は、前記変圧器の前記一次巻線に供給される。前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、前記変圧器の前記二次巻線に接続され、前記ブリッジ電圧信号を受信して増幅する増幅器を含む。前記センサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサでもよい。基準コンデンサの静電容量は、フルスケールのセンサコンデンサの静電容量より10%大きくてもよい。
【0013】
これらの利点及び他の利点は、例えば、一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された第1のセンサコンデンサと、前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続された第2のセンサコンデンサと、を含む、圧力計のためのブリッジ電圧反転回路により達成される。前記第1及び第2のセンサコンデンサは、圧力を感知して反応する。前記第2のセンサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小である。前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、真空時の前記第2のセンサコンデンサの静電容量が真空時の前記第1のセンサコンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択される。前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力(fold-over pressure)は、フルスケール圧力(full-scale pressure)よりも大きい。前記第1及び第2のセンサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサでもよい。
【0014】
これらの利点及び他の利点は、例えば、一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、一端に圧力が加えられて他端が前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された第1のセンサコンデンサと、一端に圧力が加えられて他端が前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続された第2のセンサコンデンサと、を含む、圧力計センサにより達成される。前記第1及び第2のセンサコンデンサは、圧力を感知して反応する。前記第2のセンサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小である。前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、真空時の前記第2のセンサコンデンサの静電容量が真空時の前記第1のセンサコンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択される。ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力(fold-over pressure)は、フルスケール圧力(full-scale pressure)よりも大きい。
【0015】
図面には、本発明の概念に従う1以上の実施が単に例として、限定することなく、図示されている。図面において、同様の参照番号は同じ又は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来技術のWYDEゲージ真空計アナログフロントエンド回路の回路図である。
【
図2】
図1の回路における電圧振幅及び加圧力の関係を示すグラフである。
【
図3】基準信号及び従来技術の真空計からのノイジー信号を示す図である。
【
図4】真空計フロントエンド回路内に使用されるブリッジ電圧反転回路の実施形態の回路図である。
【
図5】基準信号及び
図4に図示されているブリッジ電圧反転回路の実施形態からのクリーン信号を示す図である。
【
図6】
図4に図示されているブリッジ電圧反転回路の実施形態の電圧振幅及び加圧力の関係を示すグラフである。
【
図7】多電極センサとともに使用されるブリッジ電圧反転回路の実施形態の回路図である。
【
図8A】ブリッジ電圧反転回路を採用する例示的なセンサの構造を示す図である。
【
図8B】ブリッジ電圧反転回路を採用する例示的なセンサの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここでは、本発明のいくつかの実施形態が、本発明の好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照にしてより完全に記載されている。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で具現化することができ、ここに記載の実施形態に限定されるとみなされるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が完全なものとなり、当業者に発明の範囲が伝達されるように提供されているものである。本明細書及び図面を通して、同様の符号は同様の要素を示しており、代替実施形態における同様の要素を示すためにプライム記号が使用されている。
【0018】
真空圧力計/センサのブリッジ電圧反転回路の実施形態がここに記載されている。ブリッジ電圧反転回路の実施形態は、真空時に最高の信号品質を提供する。上述のように、圧力示度はブリッジ電圧の信号振幅に比例し、基準コンデンサの電流に対するセンサコンデンサの電流の不一致が圧力示度を提供する。基準コンデンサは固定静電容量を有する。圧力が変化すると、センサコンデンサのブリッジ電圧が、圧力の変化に比例して、変化する。真空圧力時に、ノイズの存在により、ブリッジ電圧の振幅は損失し、基準コンデンサ及びセンサコンデンサ間の不一致に依拠することが困難になる。しかしながら、真空時に最高の信号を有することが最も望ましい。実施形態は、信号を反転することによりこの要求を達成し、それにより、真空圧力時に、最小ではなく、最大の静電容量差(ΔC)となる。
【0019】
現在、より低圧のフルスケール(FS)圧力計(例えば、1トル(133.322パスカル)以下)を業界全体で促進している。このことは、より高圧の圧力計(例えば、10トル(1333.22パスカル)以上)の内部作用に精通しているセンサ設計者に新たなレベルの挑戦を確かに提供している。基本的な検知の電気的アーキテクチャを変更することなく、この挑戦に応えるために、ブリッジ電圧反転回路の実施形態は、反転振幅(INA)ブリッジ電圧を有するセンサ回路を提供する。
【0020】
ここで
図4を参照すると、ブリッジ電圧を反転させるブリッジ回路408を含む真空圧力計フロントエンド回路400の実施形態が図示されている。
図1に図示されている従来技術の回路を含む真空圧力計フロントエンド回路において、センサ電子機器は、同軸ケーブルの一次巻線及び二次巻線に基づくトランス回路設計から成る。このトランス回路設計は、いわゆる「ブリッジ回路」408を形成する。本開示における用語「ブリッジ」は、変圧器410のいずれかの側にインダクタンス-キャパシタンス共振回路が存在することを意味している。変圧器410は、一次巻線421及び二次巻線422を含む。ブリッジ電圧は、二次巻線からの出力である。ブリッジ回路408の一方の側には、接地する基準コンデンサ412及び変圧器410の二次巻線422からのインダクタンスの1/2が存在する。ブリッジ回路408の他方の側には、接地するセンサコンデンサ414(例えば、圧力増加に伴い静電容量が増加するセンサコンデンサ)及び変圧器410の二次巻線422からのインダクタンスの他方の1/2が存在する。基準コンデンサ412は、変圧器410の二次巻線422の第1の側に接続され、センサコンデンサ414は、変圧器410の二次巻線422の第2の側に接続される。センサコンデンサ414は、ダイヤフラムコンデンサでもよいが、コンデンサに加えられる圧力に基づいて静電容量が変化する任意のコンデンサであることができる。基準コンデンサ412は、一定の静電容量を有する固定コンデンサである。ブリッジ回路408の各々の側からの共振回路のインダクタンス(L)及びキャパシタンス(静電容量)(C)の値が同じである場合、ブリッジ電圧はゼロである。静電容量値が不一致である場合、静電容量の不一致の量に比例する振幅を含む正弦波が生成される。
【0021】
即ち、圧力及び振幅間の変換は、圧力、センサの静電容量(C
センサ)、静電容量差(ΔC)、及びブリッジ電圧の順に行われる。
図1に図示されているような従来技術の回路において、基準コンデンサ及びセンサコンデンサの静電容量値は、ブリッジ電圧(V
振幅)が圧力に比例するように選択される。例えば、基準コンデンサの静電容量はC
基準であり、真空時のセンサコンデンサの静電容量はC
センサである。その結果、圧力が増加すると、正ΔC=C
基準-C
センサという結果になる。真空時に、C
基準-C
センサの静電容量差(ΔC)は最大である。ここで、用語「フルスケール圧力」は圧力計の精度仕様がまだ保証される最大圧力を示している。例えば、現在市販されている多くの圧力計は10トル(1333.22パスカル)又は100トル(13332.2パスカル)の範囲のフルスケールを有する。
【0022】
続けて
図4を参照して、ブリッジ電圧を反転するブリッジ回路408を有する真空圧力計フロントエンド回路400の実施形態において、基準コンデンサ412及びセンサコンデンサ414の静電容量値は、V
振幅が圧力に反比例するように選択される。例えば、基準コンデンサの静電容量は、フルスケールのセンサコンデンサの静電容量よりも10%大きくてもよい。代替的に、基準コンデンサ412の静電容量(C
基準)は、真空時のセンサコンデンサ414の静電容量(C
センサ)よりも50%大きくてもよい。例えば、基準コンデンサ412の静電容量(C
基準)は約300pFであり、真空時のセンサコンデンサ414の静電容量(C
センサ)は約200pFである。センサコンデンサ414の静電容量は、センサの圧力増加に伴い増加する。したがって、ブリッジ回路408を有する真空圧力計フロントエンド回路400の実施形態において、静電容量差(ΔC)は真空時に最もマイナスであり、静電容量差(ΔC)はフルスケール圧力でゼロ(0)に近づく。
【0023】
真空圧力計フロントエンド回路400の実施形態を駆動するために正弦波が使用される。実施形態において、基板に実装されたDSPエンジンがデジタルアルゴリズム、例えばV基準及びV信号間の「共通」ノイズをデジタル的にフィルターで除去するアルゴリズムを実行するために、信号スペクトル純度が保証される必要がある。信号発生器402により生成された正弦波信号は、信号利得を調整するために使用される利得設定ブロック404を通過する。その後、信号は、変圧器410を駆動するパワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ406を通過する。パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ406は信号を増幅し、増幅された信号は変圧器410の一次巻線421に供給される。信号はまた、V基準として真空圧力計フロントエンド回路400の出力に送られる。
【0024】
続けて
図4を参照して、ブリッジ回路408の出力、即ちブリッジ電圧は、増幅器(パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ)416により増幅され、順に、V
信号としてアナログデジタル変換器(ADC)420を通過し、V
基準として(不図示の)基板に実装されたDSPエンジンに送られる。アナログ多重化装置418は、基準正弦波及びブリッジ電圧信号を受信し、基準正弦波及びブリッジ電圧信号を多重化し、多重化された信号をアナログデジタル変換器に出力する。図示されている実施形態において、変圧器410の巻線は、シールドケーブル(例えば、同軸ケーブル)から成り、センタコアがブリッジ電圧信号V
振幅を伝達し、シールドは、センタコア信号のレプリカを有するユニティゲインバッファ(unity gain buffer)417により駆動される。このことは、電流漏れ経路を形成する静電容量を通した中心導体及びシールド間の漏れ電流を最小化するために実施される。また、シールドは、外部電磁干渉(EMI)源が巻線の中心導体の信号品位に干渉することも防止する。
【0025】
従来技術の真空圧力計/センサの場合、
図1に図示されているようなブリッジ回路では、ブリッジ電圧の振幅及び位相を同調するために、追加利得/位相調整及びオペアンプ回路が必要である。振幅及び位相を同調する必要性は、ブリッジ電圧振幅が最小である真空時に、適切なアナログデジタル(AD)変換のために追加の信号利得が必要であることから生じている。残念ながら、信号利得が大幅に増加する時は、常にV
基準及びV
信号間の位相関係が変化する危険がある。V
基準及びV
信号間の位相関係が予測不可能になると、V
基準及びV
信号間のデジタルアルゴリズムは適切に作用できない。
図4に図示されているブリッジ電圧反転回路の本実施形態では、これらの問題は最大臨界圧力レベル(即ち、真空又は真空に近い圧力)においても回避され、
図1に図示されている追加利得/位相調整及び可変利得回路は省くことができる。
【0026】
図5を参照すると、V
基準(基準波)及びV
信号(クリーンで大きい信号波)の正弦波が図示されている。
図5に図示されているクリーンで大きい信号波は、
図1に図示されている従来技術のブリッジ回路により生成された
図3に図示されているノイジーで小さい信号波と比べて非常に好ましいものである。
【0027】
図6を参照すると、
図4に図示されているブリッジ電圧反転回路の実施形態の電圧振幅及び加圧力の関係を示す電圧圧力グラフが図示されている。
図2の電圧圧力グラフと比べて、ブリッジ信号電圧V
振幅が真空時に最大(V
最大)であり、最小に向かって徐々に減少している(C
基準がおよそC
センサになるまで、即ちΔCがゼロに近づくまで、圧力がC
センサを増加させる)ことが分かる。C
センサがC
基準よりも大きくなる更なる圧力増加は、ΔCを再び増加させ、
図6にP
最大として示されているセンサコンデンサ414がショートする(コンデンサ極板接触(capacitor plates touch))までV
最大に近づく。
図6に図示されているように、ブリッジ電圧は、C
基準及びC
センサ間の静電容量差ΔCの絶対値から生成される。その結果、C
基準及びC
センサにおいて、ΔCは真空時にC
基準-C
センサであり、P
_fo(折り返し圧力)においてC
センサがC
基準に近づくにつれて、ゼロまで減少する。C
センサがC
基準よりも上に増加すると、ここに記載されているようにC
センサが増加を続けるにつれてΔCは再び増加する。
【0028】
ここに記載されているように、ブリッジ電圧反転回路の実施形態は、真空圧力時又は真空に近い圧力時により高い性能を有する他にいくつかの追加の利点をもたらす。
【0029】
・増幅不要
INAアナログセンサ回路は、追加の増幅ステージを必要としない。このことは、ブリッジ上の振幅反転、即ち圧力増加時に電圧が低下することの直接の結果である。ブリッジ電圧反転回路の実施形態は、真空時により高電圧を生成するので、真空時の信号ノイズ比が大幅に向上される。
【0030】
・利得及び位相調整不要
圧力低下時にブリッジ電圧回路信号が増幅される必要がないので、ここでは利得及び位相調整はもはや不要であり、また、静電容量の精密な整合も不要である。
【0031】
・電圧対圧力の直線性単調性が保証される
信号経路に分離した利得ステージが無いので、電圧圧力曲線は真空圧力計のフルスケール範囲全体にわたって継続する1つの曲線であることができる。この特性は、ディケード毎に電圧圧力曲線を「つなぎ合わせる」ことを回避し、それによりファームウェアの設計が非常に簡略化される。
【0032】
・信号ノイズ比向上
図6に図示されている電圧圧力図から分かるように、低圧力時に、信号ノイズ比は大幅に向上される。圧力がどんどん増加するにつれて、ブリッジ電圧振幅(V
振幅)は減少する。ブリッジ電圧振幅は、フルスケール記号P
_fs(フルスケール圧力)を超えて減少し続け、圧力が「折り返し」点P
_foに達する時に最終的にゼロまで減少する。折り返し点P
_foを超えると、V
振幅はV
最大に達するまで再び増加する。より高圧力時の減少した信号振幅は、より高圧力時の読取誤差率を低下させるべきものではない。
【0033】
・信号平均値算出
低圧力レベルにおいてV振幅がV最大であるかV最大に近くなる、向上された信号ノイズ比(SNR)により、デジタルドメイン内の信号平均値算出数を増加する必要がない。
【0034】
・基準コンデンサ選択
基板組み立て工程中に、ゼロ振幅圧力がフルスケールを超えるP_foにおいて、基準コンデンサ412はセンサコンデンサ414と一致する必要がある。P_foの正確な位置はP_fsと関連し、P_foがP_fsよりも大きい限り、特定の固定標準寸法のコンデンサを十分な許容誤差を組み込んで選択することができるほど十分に適応性がある。
【0035】
・製造性
慣習的な静電容量サイズを使用することができる容易さは、センサの製造性を大幅に向上させる。真空圧力レベルにおける静電容量の精密な整合のための振幅同調回路が不要である。
【0036】
・利得設定ブロック及び短絡保護
ブリッジ電圧反転回路400のINA構成において、利得設定ブロック404は、変圧器410の一次振幅を調整するために使用される。この利得設定ブロック404の目的は、過剰圧力による圧力センサのショート時にブリッジ電圧振幅の追加制御を可能にすることである。短絡保護のための利得設定ブロック404を使用するもう1つの利点は、過圧状態において基準コンデンサ412に同量の電力伝送を維持することである。
【0037】
ここで
図7を参照して、ブリッジ電圧反転回路700の実施形態は、多電極センサとともに使用することができる。
図7に図示されているように、ブリッジ電圧反転回路700は、1つのセンサコンデンサ及び基準コンデンサではなく2つのセンサコンデンサ712及び714を使用している。信号発生器702により生成された正弦波信号は、信号利得を調整するために使用される利得設定ブロック704を通過する。その後、信号は、変圧器710を駆動するパワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ706を通過する。パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ706は信号を増幅し、増幅された信号は変圧器710の一次巻線721に供給される。このトランス710回路設計がブリッジ回路708を形成する。変圧器710は一次巻線721及び二次巻線722を含む。第1のセンサコンデンサ712及び第2のセンサコンデンサ714は、多電極センサの一部であり、両方とも圧力変化時に変化することができる。第1のセンサコンデンサ712及び第2のセンサコンデンサ714はダイヤフラムコンデンサでもよいが、コンデンサに加えられる圧力に基づいて静電容量が変化する任意のコンデンサであることができる。第1のセンサコンデンサ712は、変圧器710の二次巻線722の第1の側に接続され、第2のセンサコンデンサ714は、変圧器710の二次巻線722の第2の側に接続される。ブリッジ電圧反転回路700の実施形態において、真空時の第1のセンサコンデンサ712の静電容量C
センサ1は、真空時の第2のセンサコンデンサ714の静電容量C
センサ2よりも大きい。条件C
センサ1>C
センサ2はP
最大まで常に正しいので、ブリッジ電圧反転回路700を使用することができる。真空計センサの多電極は、外部の基準コンデンサが使用されないセンサ構造である。全てのセンサ関連静電容量は、センサ構造自体内に統合される。ブリッジ回路708の出力、即ちブリッジ電圧は、増幅器(パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ)716により増幅され、順に、変圧器710からのブリッジ電圧出力を受信してバッファリングするバッファ717に送られる。バッファ717からの出力ブリッジ信号は、アナログデジタル変換器(ADC)720に送られ、さらに(不図示の)基板に実装されたDSPエンジンに送られる。
【0038】
ここで
図8A及び
図8Bを参照すると、本発明のブリッジ電圧反転回路を採用する例示的センサの構造が図示されている。
図8Aには、例示的センサの側面図が図示され、
図8Bには、例示的センサの正面図が図示されている。センサ800は、内側コンデンサ801及び外側コンデンサ802を含む。その結果、反転振幅(INA)手法が
図4に図示されているセンサコンデンサ/基準コンデンサセンサ構造に適用されるだけでなく、この概念を
図7に図示されている統合された多電極を有するセンサにまで拡張することができる。より具体的には、
図8に図示されている同軸円構造(他の幾何学的変形も可)を有する内側及び外側電極の場合に、共通接地面に対する内側電極811(センサコンデンサ801)及び外側電極812(センサコンデンサ802)間の静電容量は、多くの場合、製造工程中に完全に一致させることができない。反転振幅(INA)手法の意図的な不一致は、このタイプのセンサ電極構造において非常に役立つものである。
図8に図示されている例示的センサにおいて、内側コンデンサ801は、
図7に図示されている第1のセンサコンデンサ712に相当し、外側コンデンサ802は、第2のセンサコンデンサ714に相当する。センサの2つの側の間の静電容量差は、ダイヤフラムの張力、ダイヤフラム及び電極間の間隔、各電極の寸法及び形状等の、他の多くの要素に基づいて設計的に選択することができる。したがって、一般的に言って、両電極の静電容量間の差がより大きくなるにつれて、真空条件で見込まれる信号振幅がより大きくなる。
【0039】
結論として、圧力に反比例する信号振幅を生成する反転ブリッジ電圧振幅法が、WYDEゲージプラットフォームの一部として提供される。この方法は、以前のものと比べて同等又はより優れた性能を維持しながら、製造性、簡易性、及び回路要素の節約等の領域において、従来技術に比べて多くの利点を提供する。また、本実施形態は、1トル(133.322パスカル)以下のフルスケールの低圧圧力計において非常に貴重である。
【0040】
ここで使用されている用語及び記載は、単に例として記載されているものであり、限定することを意味するものではない。本発明の概念及び範囲内で多くの変形が可能であることは当業者には理解されるものである。
【符号の説明】
【0041】
400 真空圧力計フロントエンド回路、ブリッジ電圧反転回路
402 信号発生器
404 利得設定ブロック
406 パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ
408 ブリッジ回路
410 変圧器
412 基準コンデンサ
414 センサコンデンサ
416 増幅器(パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ)
417 ユニティゲインバッファ
418 アナログ多重化装置
420 アナログデジタル変換器
421 一次巻線
422 二次巻線
700 ブリッジ電圧反転回路
702 信号発生器
704 利得設定ブロック
706 パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ
708 ブリッジ回路
710 変圧器、トランス
712 第1のセンサコンデンサ
714 第2のセンサコンデンサ
716 増幅器(パワーオペアンプ(OpAmp)ドライバ)
717 バッファ
720 アナログデジタル変換器
721 一次巻線
722 二次巻線
800 センサ
801 内側コンデンサ、センサコンデンサ
802 外側コンデンサ、センサコンデンサ
811 内側電極
812 外側電極
【手続補正書】
【提出日】2022-01-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力計のためのブリッジ電圧反転回路であって、前記ブリッジ電圧反転回路は、
一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、
前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された基準コンデンサと、
前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続されたセンサコンデンサと、
を含み、
前記センサコンデンサは、圧力を感知して反応し、前記センサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小であり、前記基準コンデンサ及び前記センサコンデンサは、真空時の前記センサコンデンサの静電容量が前記基準コンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択され、前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力は、フルスケール圧力よりも大きいことを特徴とする圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項2】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器を駆動する基準信号を出力する回路と、
前記変圧器の前に信号利得を調整する利得設定ブロックと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項3】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記基準信号及びブリッジ電圧信号を受信して多重化し、多重化された信号をアナログデジタル変換器に出力するアナログ多重化装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項4】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記ブリッジ電圧を受信してバッファリングするバッファを含むことを特徴とする請求項3に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項5】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記基準信号を増幅するパワーオペアンプ(OPAMP)ドライバを含み、
増幅された前記基準信号は、前記変圧器の前記一次巻線に供給されることを特徴とする請求項2
~4のいずれか1つに記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項6】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器の前記二次巻線に接続され、前記ブリッジ電圧信号を受信して増幅する増幅器を含むことを特徴とする請求項1
~5のいずれか1つに記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項7】
前記センサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサであることを特徴とする請求項1
~6のいずれか1つに記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項8】
前記基準コンデンサの静電容量は、フルスケールの前記センサコンデンサの静電容量より10%大きいことを特徴とする請求項1
~7のいずれか1つに記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項9】
圧力計のためのブリッジ電圧反転回路であって、前記ブリッジ電圧反転回路は、
一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、
前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された第1のセンサコンデンサと、
前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続された第2のセンサコンデンサと、
を含み、
前記第1及び第2のセンサコンデンサは、圧力を感知して反応し、前記第2のセンサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小であり、前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、真空時の前記第2のセンサコンデンサの静電容量が真空時の前記第1のセンサコンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択され、前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力は、フルスケール圧力よりも大きいことを特徴とする圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項10】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器を駆動する基準信号を出力する回路と、
前記変圧器の前に信号利得を調整する利得設定ブロックと、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項11】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記ブリッジ電圧を受信してバッファリングするバッファを含むことを特徴とする請求項9
又は10に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項12】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記基準信号を増幅するパワーオペアンプ(OPAMP)ドライバを含み、
増幅された前記基準信号は、前記変圧器の前記一次巻線に供給されることを特徴とする請求項10
又は11に記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項13】
前記ブリッジ電圧反転回路はさらに、
前記変圧器の前記二次巻線に接続され、ブリッジ電圧信号を受信して増幅する増幅器を含むことを特徴とする請求項9
~12のいずれか1つに記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項14】
前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサであることを特徴とする請求項9
~13のいずれか1つに記載の圧力計のためのブリッジ電圧反転回路。
【請求項15】
圧力計センサであって、前記圧力計センサが、
一次巻線及びブリッジ電圧を出力する二次巻線を含む変圧器と、
一端に圧力が加えられて他端が前記変圧器の前記二次巻線の第1の側に接続された第1のセンサコンデンサと、
一端に圧力が加えられて他端が前記変圧器の前記二次巻線の第2の側に接続された第2のセンサコンデンサと、
を含み、
前記第1及び第2のセンサコンデンサは、圧力を感知して反応し、前記第2のセンサコンデンサの静電容量は、真空圧力時に最小であり、前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、真空時の前記第2のセンサコンデンサの静電容量が真空時の前記第1のセンサコンデンサの静電容量よりも小さくなるように選択され、前記ブリッジ電圧は、真空圧力時に最大振幅であり、前記ブリッジ電圧が最小振幅である折り返し圧力は、フルスケール圧力よりも大きいことを特徴とする圧力計センサ。
【請求項16】
前記第1のセンサコンデンサ及び前記第2のセンサコンデンサは、ダイヤフラムコンデンサであることを特徴とする請求項15に記載の圧力計センサ。
【請求項17】
前記圧力計センサがさらに、
基準信号を増幅するパワーオペアンプ(OPAMP)ドライバを含み、
増幅された前記基準信号は、前記変圧器の前記一次巻線に供給されることを特徴とする請求項15
又は16に記載の圧力計センサ。
【請求項18】
前記圧力計センサがさらに、
前記変圧器の前記二次巻線に接続され、ブリッジ電圧信号を受信して増幅する増幅器を含むことを特徴とする請求項15
~17のいずれか1つに記載の圧力計センサ。
【国際調査報告】