(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】エアロゾル送達装置用登録済みカートリッジによる年齢確認
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20220708BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20220708BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20220708BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/40
A24F40/65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568713
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 US2020033096
(87)【国際公開番号】W WO2020236572
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ドーアティ,ショーン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB17
4B162AB23
4B162AC46
4B162AD41
(57)【要約】
電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置が、エアロゾルを発生させる、喫煙物品等のエアロゾル送達装置を含んでよい。装置は、エアロゾル発生用カートリッジを含んでよい。カートリッジには固有識別子が割り当てられ、固有識別子は、ユーザ又はそのユーザの装置に関して承認され、カートリッジ及び/又は装置は、承認された場合のみ動作する。固有識別子は、ユーザの識別、追跡、及び年齢確認に役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの年齢を確認するように構成された年齢確認システムと、
前記ユーザにエアロゾルを提供し、複数の消耗品のうちの1つの消耗品を含むように構成されたエアロゾル送達装置であって、前記複数の消耗品のそれぞれに固有識別子が割り当てられ、前記固有識別子は、前記固有識別子を、前記ユーザに関連付けられた固有識別子の承認済みリストと比較することによって前記ユーザを認証することに使用され、更に、前記エアロゾル送達装置が動作する為には、前記ユーザが年齢確認され、前記消耗品が認証されることが必要である、前記エアロゾル送達装置と、
を含むシステム。
【請求項2】
前記消耗品のそれぞれは、
エアロゾル前駆体組成物と、
前記エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルにするように構成された加熱素子と、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エアロゾル送達装置は更に、
バッテリを含むバッテリ部であって、前記消耗品のうちの1つと結合するように構成された前記バッテリ部
を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記バッテリは前記加熱素子に電力を供給する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電力が前記加熱素子に供給されるのは、前記エアロゾル送達装置での使用を承認されている前記固有識別子により前記消耗品が認証されている場合だけである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記認証は、前記固有識別子を、前記エアロゾル送達装置用の固有識別子の前記承認済みリストと比較することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記承認済みリストは、前記ユーザによって購入され、前記ユーザに対して登録された消耗品の固有識別子を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記認証は、前記ユーザが最初に年齢確認されることを必要とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記認証は、前記消耗品が交換又は再充填されるたびに必要とされる、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記エアロゾル送達装置と結合され、前記年齢確認システムと結合されたホスト装置であって、前記ホスト装置は、固有識別子の前記承認済みリストを保管する、前記ユーザのユーザプロファイルにアクセスする、前記ホスト装置
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ユーザプロファイルはネットワーク上に保管され、前記ホスト装置によってアクセスされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ホスト装置はモバイル装置を含み、前記ユーザプロファイルは、前記モバイル装置上のアプリケーションによってアクセスされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ホスト装置はネットワークを介して前記年齢確認システムと通信する、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
エアロゾル送達装置で使用されるカートリッジを登録する方法であって、
前記エアロゾル送達装置のユーザの年齢確認を受け取るステップと、
前記カートリッジのうちの少なくとも1つに関連付けられた固有識別子の要求を受け取るステップと、
前記カートリッジのうちの前記少なくとも1つに対応する前記固有識別子を、前記ユーザの承認済みリストに追加するステップと、
前記カートリッジのうちの1つのカートリッジの前記固有識別子を前記承認済みリストと比較することの要求を受け取るステップであって、そのカートリッジの前記固有識別子が前記承認済みリストにある場合に、そのカートリッジは前記エアロゾル送達装置から電力を受ける、前記要求を受け取るステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記カートリッジのうちのそれぞれのカートリッジの前記固有識別子は、製造時に割り当てられて購入後に提供される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記承認済みリストは、購入された各カートリッジの固有識別子で更新される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
消費された全てのカートリッジの前記固有識別子が前記承認済みリストから削除される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
固有識別子の前記要求は、ユーザが前記カートリッジのバーコードをスキャンすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記承認済みリストはユーザプロファイルの一部であり、前記ユーザプロファイルは又、前記ユーザの前記年齢確認を含み、ネットワーク上に保管される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記年齢確認は更に、
前記ユーザの前記年齢確認を受け取る為に年齢確認システムとネットワーク経由で通信すること
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記承認済みリストは、ブロックチェーン技術を使用してネットワークに保管される、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
エアロゾルの発生の為の電力を供給するように構成された制御部本体と、
前記エアロゾルの前記発生の為に前記制御部本体と結合されるように構成された、複数の消耗品のうちの1つの消耗品であって、前記複数の消耗品のそれぞれに固有識別子が割り当てられ、前記固有識別子は、前記固有識別子を固有識別子の承認済みリストと比較することによって認証に使用され、更に、前記制御部本体が動作する為には年齢確認及び前記認証が必要である、前記1つの消耗品と、
を含むエアロゾル送達装置。
【請求項23】
前記承認済みリストは、前記ユーザによって購入され、前記ユーザに対して登録された消耗品の固有識別子を含み、前記ユーザに対する前記登録は前記年齢確認を含む、請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾルを発生させる、喫煙物品等のエアロゾル送達装置を含む電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置用のカートリッジに固有シリアル番号を割り当てることに関する。シリアル番号は、特定のユーザに対して登録されることが可能であり、年齢確認を含む、ユーザの認証の為の機能性を提供することが可能である。
【背景技術】
【0002】
使用する為にはタバコを燃焼させる必要がある喫煙製品の改良又は代替として、長年にわたって様々な装置が提案されてきた。代替物の例を幾つか挙げると、固体燃料又は液体燃料を燃焼させて熱をタバコに移す装置や、化学反応を利用してそのような熱源を実現する装置がある。更なる代替例では、タバコ及び/又は他の、エアロゾルを発生させる基材物質を加熱する為に電気的エネルギを使用する。これについては、例えば、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第9,078,473号(ワーム等(Worm et al.))に記載がある。一般に、電気エネルギを使用してタバコ又は他の物質を加熱する装置を電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置と呼ぶことがある。
【0003】
それらの装置の多くは、紙巻きタバコ、葉巻、又はパイプによる喫煙を連想させる感覚を提供しながらも、タバコの燃焼に起因する、かなりの量の不完全燃焼生成物及び熱分解生成物を送達しないことを意図して設計されてきた。この目的の為に様々な代替喫煙製品、風味発生器、及び医療用吸入器が提案されており、それらは、電気エネルギを利用して揮発性物質を蒸発させたり加熱したりするものや、タバコを燃焼させることなく紙巻きタバコ、葉巻、又はパイプによる喫煙の感覚をかなりの程度まで提供しようとするものである。例えば、米国特許第8,881,737号(コレット等(Collett et al.))、米国特許出願公開第2013/0255702号(グリフィス Jr.等(Griffith Jr. et al.))、同第2014/0000638号(セバスチャン等(Sebastian et al.))、同第2014/0096781号(シアーズ等(Sears et al.))、同第2014/0096782号(アムポリーニ等(Ampolini et al.))、同第2015/0059780号(デイヴィス等(Davis et al.))、及び米国特許出願第15/222,615号(ワトソン等(Watson et al.)、2016年7月28日出願)(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載の背景技術において説明されている様々な代替喫煙物品、エアロゾル送達装置、及び熱発生源を参照されたい。又、例えば、参照によって組み込まれている米国特許第5,388,594号(カウンツ等(Counts et al.))及び同第8,079,371号(ロビンソン等(Robinson et al.))の背景セクションに記載の、製品及び加熱構成の様々な実施態様を参照されたい。
【0004】
上述の喫煙物品は、年齢制限を含む何らかの制限を受けることになる。幾つかの国々では、ENDS装置のカートリッジを含むそれらの物品の使用はユーザの年齢に基づいて制限される。識別済み且つ年齢確認済みのユーザによるカートリッジの購入及び使用のプロセスの改善が必要であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、エアロゾルを発生させる、喫煙物品等のエアロゾル送達装置を含んでよい電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置用のカートリッジに固有シリアル番号を割り当てることに関する。ENDS又はエアロゾル送達装置は、シリアル番号を割り当てられてよい交換可能カートリッジを含む。シリアル番号は、ユーザの識別、追跡、及び年齢確認に使用されてよい。ENDS装置は、エアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル送達装置を含み、これらは、電子タバコ、非燃焼加熱タバコ(又は非燃焼加熱装置)、又は非燃焼非加熱装置と呼ばれてよい。説明は、ENDS装置用カートリッジに適用されるものとして行うが、これは、ユーザの識別、追跡、及び年齢確認に使用可能なシリアル番号登録プロセスの一例に過ぎない。以下で述べる実施形態は、カートリッジ以外のコンポーネントを固有識別することに適用されてよい。更に、以下で述べる実施形態は、ENDS装置以外の装置(例えば、任意の年齢制限装置の為の他のコンポーネント)に適用されてよい。本開示は、限定でなく、以下の例示的実施態様を含む。
【0007】
幾つかの実施形態では、一システムが、ユーザの年齢を確認するように構成された年齢確認システムを含み、ユーザにエアロゾルを提供し、複数の消耗品のうちの1つの消耗品を含むように構成されたエアロゾル送達装置を含み、複数の消耗品のそれぞれに固有識別子が割り当てられ、固有識別子は、固有識別子を、ユーザに関連付けられた固有識別子の承認済みリストと比較することによってユーザを認証することに使用される。エアロゾル送達装置が動作する為には、ユーザが年齢確認され、消耗品が認証されることが必要であってよい。消耗品は、エアロゾル前駆体組成物と、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルにするように構成された加熱素子と、を含んでよい。
【0008】
エアロゾル送達装置は、バッテリを含むバッテリ部を含んでよい。バッテリ部は、消耗品のうちの1つと結合するように構成されている。バッテリは加熱素子に電力を供給する。エアロゾル送達装置での使用を承認されている固有識別子により消耗品が認証されている場合に、電力が加熱素子に供給される。
【0009】
認証は、固有識別子を、エアロゾル送達装置用の固有識別子の承認済みリストと比較することを含む。承認済みリストは、ユーザによって購入され、ユーザに対して登録された消耗品の固有識別子を含む。認証は、ユーザが最初に年齢確認されることを必要としてよい。認証は、消耗品が交換又は再充填されるたびに必要とされてよい。
【0010】
本システムは、エアロゾル送達装置と結合され、年齢確認システムと結合されたホスト装置を含んでよい。ホスト装置は、固有識別子の承認済みリストを保管する、ユーザのユーザプロファイルにアクセスする。ユーザプロファイルはネットワーク上に保管され、ホスト装置によってアクセスされる。ホスト装置はモバイル装置を含み、ユーザプロファイルは、モバイル装置上のアプリケーションによってアクセスされる。ホスト装置はネットワークを介して年齢確認システムと通信する。
【0011】
幾つかの実施形態では、エアロゾル送達装置で使用されるカートリッジを登録する一方法が、エアロゾル送達装置のユーザの年齢確認を受け取るステップと、カートリッジのうちの少なくとも1つに関連付けられた固有識別子の要求を受け取るステップと、カートリッジのうちのその少なくとも1つに対応する固有識別子を、ユーザの承認済みリストに追加するステップと、カートリッジのうちの1つのカートリッジの固有識別子を承認済みリストと比較することの要求を受け取るステップと、を含む。そのカートリッジの固有識別子が承認済みリストにある場合に、そのカートリッジはエアロゾル送達装置から電力を受ける。
【0012】
カートリッジのうちのそれぞれのカートリッジの固有識別子は、製造時に割り当てられて購入後に提供される。承認済みリストは、購入された各カートリッジの固有識別子で更新される。消費された全てのカートリッジの固有識別子が承認済みリストから削除される。固有識別子の要求は、ユーザがカートリッジのバーコードをスキャンすることを含む。承認済みリストはユーザプロファイルの一部であり、ユーザプロファイルは又、ユーザの年齢確認を含み、ネットワーク上に保管される。年齢確認は、ユーザの年齢確認を受け取る為に年齢確認システムとネットワーク経由で通信することを含む。承認済みリストは、ブロックチェーン技術を使用してネットワークに保管されてよい。
【0013】
幾つかの実施形態では、エアロゾル装置が、エアロゾルの発生の為の電力を供給するように構成された制御部本体を含み、エアロゾルの発生の為に制御部本体と結合されるように構成された、複数の消耗品のうちの1つの消耗品を含む。複数の消耗品のそれぞれに固有識別子が割り当てられ、固有識別子は、固有識別子を、固有識別子の承認済みリストと比較することによって認証することに使用される。制御部本体が動作する為には年齢確認及び認証が必要であってよい。承認済みリストは、ユーザによって購入され、ユーザに対して登録された消耗品の固有識別子を含む。ユーザに対する登録は年齢確認を含む。本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点については、後述の詳細説明を添付図面と併せて読むことにより明らかになるであろう。添付図面については以下で簡単に説明する。本開示は、本開示に記載の2つ、3つ、又は4つ以上の特徴又は要素の任意の組み合わせを包含し、これは、そのような特徴又は要素が本明細書に記載の具体的な例示的実施態様において明示的に組み合わされているか他の形で記載されているかにかかわらずである。本開示は、その態様及び例示的実施態様のいずれにおいても、本開示の文脈が明らかに別の意味でない限り、本開示のいかなる分割可能な特徴又は要素も組み合わせ可能であると見なされるべきであるように、全体論的に読まれるべきであるものとする。
【0014】
従って、当然のことながら、この「発明の概要」は、本開示の幾つかの態様の基本的理解が得られるように幾つかの例示的実施態様の概要を示すことを目的としているに過ぎない。従って、当然のことながら、上述の例示的実施態様は、実施例にすぎず、いかなる形でも本開示の範囲又は趣旨を狭めるように解釈されるべきではない。他の例示的実施態様、態様、及び利点も、後述の詳細説明を添付図面と併せて読むことにより明らかになるであろう。添付図面は、記載された幾つかの例示的実施態様の原理を実施例の形で示している。
【0015】
以上、本開示の諸態様を上述のように大まかに説明してきたが、以下では添付図面について言及する。これらの図面は必ずしも正しい縮尺では描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一例示的実施態様による、互いに結合されているカートリッジ及び制御部本体を含むエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図2】一例示的実施態様による、カートリッジ及び制御部本体が互いに切り離されている、
図1のエアロゾル送達装置の部分切り欠き図である。
【
図4】本開示の別の例示的実施態様による、制御部本体及びエアロゾル源部材が互いに結合されているエアロゾル送達装置、及び互いに切り離されているエアロゾル送達装置の斜視図をそれぞれ示す。
【
図6】一例示的実施態様による、
図3及び4のエアロゾル送達装置の正面図及び断面図をそれぞれ示す。
【
図8】例示的実施態様による、カートリッジが制御部本体と結合されたエアロゾル送達装置の側面図及び部分切り欠き図をそれぞれ示す。
【
図9】本開示の様々な例示的実施態様によるエアロゾル送達装置の回路図を示す。
【
図10】本開示の一例示的実施態様による信号調整回路の回路図を示す。
【
図11c】カートリッジ認証の例示的システム図を示す。
【
図12】カートリッジに対する固有識別子の割り当てを示す。
【
図14】カートリッジ登録プロセスを示すフローチャートである。
【
図15】購入時のユーザ確認を伴うカートリッジ登録プロセスを示すフローチャートである。
【
図16】年齢確認システムからの確認の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本開示の例示的実施態様を参照しながら本開示をより詳細に説明していく。これらの例示的実施態様については、本開示が綿密且つ完全であるように、且つ、本開示の範囲が当業者に完全に伝わるように説明する。実際、本開示は、多様な形態で実施されてよく、本明細書に記載の実施態様に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施態様は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書、及び添付の特許請求項において使用される単数形「a」、「an」、「the」等は、文脈が明らかに別の意味でない限り、複数の指示物を包含する。又、本明細書では定量的尺度、値、幾何学的関係等に言及する場合があるが、特に断らない限り、これらのうちの全てでなければ任意の1つ以上が絶対的であってよく、又は、起こりうる許容されるばらつき(例えば、エンジニアリング公差等に起因するばらつき)を考慮して近似的であってもよい。
【0018】
以下で述べるように、本開示は、エアロゾル送達装置を含んでよい年齢制限装置(例えば、電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置)を使用することに関してユーザを識別及び認証し、ユーザの年齢を確認することに関する。年齢制限装置は、年齢制限装置の操作に必要なコンポーネント(例えば、ENDS装置におけるカートリッジ)を含んでよい。それらのコンポーネントに固有識別を与えることにより(例えば、カートリッジにシリアル番号を与えることにより)、年齢確認により、年齢制限装置を識別済み又は認証済みのユーザに限定することが可能である。
【0019】
ENDSは、年齢制限のような制限を伴いうる装置の一例である。他の例として、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、植物性薬剤、薬物、及び/又は他の活性成分の送達装置がある。従って、当然のことながら、ENDS装置(エアロゾル送達装置等)は全体を通して様々な実施形態の応用例として使用されているが、この例は、本明細書に開示の発明概念が、他の医薬成分及び/又は活性成分をユーザに送達する為に使用可能なエアロゾル送達装置、又は無煙タバコ又は他のタバコ製品を包含しうるエアロゾル送達装置を含む、ENDS装置以外の装置についても使用可能であるように非限定的であるものとする。
【0020】
カートリッジに固有番号を割り当て、その固有番号を特定のユーザに関連付けることを、カートリッジの登録と呼んでよい。ユーザに関連付けることは、ユーザが年齢確認を行うことに追加して行われてよく、又はユーザが年齢確認を行うことの前提条件として必要とされてよい。年齢確認が行われていないユーザは、関連付けられることができず、カートリッジを登録できない。カートリッジの登録は認証プロセスの一部であってよく、認証プロセスでは、ユーザは、年齢制限製品を利用する為に自身を定期的に認証しなければならない。認証要件は、未成年者が年齢制限製品を使用することの予防になる。ユーザの年齢を確認すること、及び/又はカートリッジのシリアル番号が適正なユーザ及び/又は装置によって使用されていることを確認することを行う年齢確認システムがあってよい。
【0021】
年齢確認の為の固有番号割り当ては、年齢制限がある任意の装置又は物質に適用可能であってよく、そのようなものとして、ニコチン、タバコ、酒、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、CBDオイル、大麻/マリファナ、植物性薬剤、薬物、及び/又は他の年齢制限製品がある。シリアル番号登録は、エアロゾル送達装置以外の年齢制限装置に適用可能であってよい。同様に、年齢は充電器アクセサリが確認する制限の一例であるが、装置の少なくとも1つのコンポーネントに固有番号を割り当てることによって確認される、装置に対する他のタイプの制限があってよい。
【0022】
エアロゾル送達装置は、制限されてよい装置の一例であり、認証は、少なくとも1つのコンポーネントにシリアル番号を割り当てることによって支援されてよい。エアロゾル送達装置については
図1~10に関して詳述する。一実施例では、エアロゾル送達装置のカートリッジは、固有の識別子又はシリアル番号を割り当てられるコンポーネントである。他の実施例では、装置は、カートリッジではなくエアロゾル源部材を消耗品として使用する非燃焼加熱装置であってよい。エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物(吸入可能物質媒体と呼ばれることもある)からエアロゾル(吸入可能物質)を発生させるように構成されてよい。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ物質、半固体タバコ物質、又は液体エアロゾル前駆体組成物のうちの1つ以上を含んでよい。幾つかの実施態様では、エアロゾル送達装置は、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱してエアロゾルを発生させるように構成されてよい。追加又は代替として、エアロゾル前駆体組成物は、上述の1つ以上の物質(植物性物質、薬用物質、アルコール、グリセリンを含み、これらに限定されない)を含んでよく、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、又は他の活性成分を含んでよい。そのようなエアロゾル送達装置は、いわゆる電子タバコを含んでよい。他の実施態様では、エアロゾル送達装置は非燃焼加熱装置を含んでよい。更に他の実施態様では、エアロゾル送達装置は非燃焼非加熱装置を含んでよい。
【0023】
液体エアロゾル前駆体組成物(蒸気前駆体組成物又は「イーリキッド(e-liquid)」とも呼ばれる)は、電子タバコ及び非燃焼非加熱装置に特に有用である。液体エアロゾル前駆体組成物は様々な成分を含んでよく、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、又はこれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、及び/又は香味料を含んでよい。幾つかの例では、エアロゾル前駆体組成物はグリセリン及びニコチンを含む。他の例では、組成物は、追加又は代替として、アルコール、他の植物性物質、他の薬用物質を含んでよく、或いは、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、又は他の活性成分、又はこれらの何らかの組み合わせを含んでよい。
【0024】
様々な実施態様とともに使用可能な幾つかの液体エアロゾル前駆体組成物として、1つ以上の酸があってよく、例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸、安息香酸、フマル酸、これらの組み合わせ等があってよい。ニコチンを含む液体エアロゾル前駆体組成物に酸を含めることにより、塩形態のニコチンを含むプロトン化液体エアロゾル前駆体組成物の提供が可能になる。液体エアロゾル前駆体成分及び製剤の代表的なタイプが、米国特許第7,726,320号(ロビンソン等(Robinson et al.))、米国特許第9,254,002号(チョン等(Chong et al.))、及び米国特許出願公開第2013/0008457号(チェン等(Zheng et al.))、同第2015/0020823号(リポヴィッチ等(Lipowicz et al.))、及び同第2015/0020830号(コラー(Koller))、並びに国際特許出願公開第WO2014/182736号(ボーウェン等(Bowen et al.))及び米国特許第8,881,737号(コレット等(Collett et al.))(これらの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている)に記載され、特性化されている。使用可能な他のエアロゾル前駆体には、上記で明らかにされた多数の代表的製品のいずれかに組み込まれたエアロゾル前駆体が含まれる。ジョンソン・クリーク・エンタプライゼスLLC(Johnson Creek Enterprises LLC)から入手可能になっている、電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。更に別の例示的エアロゾル前駆体組成物が、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR. CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT. BAKER VAPOR、及びJIMMY THE JUICE MANというブランド名で販売されている。発泡性物質の実施態様がエアロゾル前駆体とともに使用可能であり、この実施態様は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2012/0055494号(ハント等(Hunt et al.))に記載されている。更に、発泡性物質の使用については、例えば、米国特許第4,639,368号(ニアジ等(Niazi et al.))、同第5,178,878号(ヴェーリング等(Wehling et al.))、同第5,223,264号(ヴェーリング等(Wehling et al.))、同第6,974,590号(パサー等(Pather et al.))、同第7,381,667号(ベルククイスト等(Bergquist et al.))、同第8,424,541号(クロフォード等(Crawford et al.))、同第8,627,828号(ストリックランド等(Strickland et al.))、及び同第9,307,787号(サン等(Sun et al.))、並びに米国特許出願公開第2010/0018539号(ブリンクレー等(Brinkley et al.))、及び国際特許出願公開第WO 97/06786号(ジョンソン等(Johnson et al.))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0025】
エアロゾル前駆体を支持する基材、リザーバ、又は他の成分の代表的なタイプについて、米国特許第8,528,569号(ニュートン(Newton))、米国特許出願公開第2014/0261487号(チャップマン等(Chapman et al.))、同第2015/0059780号(デイヴィス等(Davis et al.))、及び同第2015/0216232号(ブレス等(Bless et al.,))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。更に、様々なウィッキング物質、及び特定タイプの電子タバコ中のそれらのウィッキング物質の形態及び動作について、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,910,640号(シアーズ等(Sears et al.))に記載されている。
【0026】
他の実施態様では、エアロゾル送達装置は非燃焼加熱装置を含んでよく、これは、固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、押し出しタバコロッド)又は半固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリン入りタバコペースト)を加熱するように構成されている。エアロゾル前駆体組成物は、タバコ含有ビード、タバコ細片、タバコストラップ、再構成タバコ材料、又はこれらの組み合わせ、及び/又は、微粉砕タバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、又は他の形態のタバコに任意選択の無機物質(炭酸カルシウム等)、任意選択の風味、及びほぼ固体の又は成形可能な(例えば、押し出し可能な)基材を形成する為のエアロゾル形成材料を混合した混合物を含んでよい。固体及び半固体のエアロゾル前駆体組成物及び製剤の代表的なタイプが、米国特許第8,424,538号(トーマス等(Thomas et al.))、同第8,464,726号(セバスチャン等(Sebastian et al.))、米国特許出願公開第2015/0083150号(コナー等(Conner et al.))、同第2015/0157052号(アデメ等(Ademe et al.))、及び同第2017/0000188号(ノードスコグ等(Nordskog et al.))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に開示されている。固体及び半固体のエアロゾル前駆体組成物及びアレンジメントの更なる代表的なタイプとして、ブリティッシュアメリカンタバコ(British American Tobacco)のGLO(商標)製品の為のNEOSTIKS(商標)消耗品エアロゾル源部材や、フィリップモリスインターナショナルインク(Philip Morris International, Inc.)のIQOS(商標)製品の為のHEETS(商標)消耗品エアロゾル源部材において見られるものがある。
【0027】
様々な実施態様では、吸入可能物質は特に、タバコ成分又はタバコ由来物質(即ち、タバコ内に自然に存在して、タバコから直接分離されるか合成調製されることが可能な物質)であってよい。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ抽出物又はその抽出留分を不活性基材と組み合わせたものを含んでよい。エアロゾル前駆体組成物は更に、未燃タバコ又は未燃タバコを含む組成物を含んでよく、これは、その燃焼温度より低い温度まで加熱されると吸入可能物質を放出する。幾つかの実施態様では、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ凝縮物又はその凝縮留分(即ち、タバコの燃焼によって発生した煙の、風味及び(おそらくは)ニコチンが抜けた凝縮成分)を含んでよい。
【0028】
他の実施態様では、ENDS装置よりむしろ、無煙タバコ及び他のタバコ製品が年齢制限製品の例であってよい。市場で販売されている代表的な無煙タバコ製品として、R.J.レイノルズタバコカンパニー(R. J. Reynolds Tobacco Company)製のCAMEL Snus、CAMEL Orbs、CAMEL Strips、及びCAMEL Sticks、アメリカンスナッフカンパニーLLC(American Snuff Company, LLC)製のGRIZZLYモイストタバコ、KODIAKモイストタバコ、LEVI GARRETTルースタバコ、及びTAYLOR'S PRIDEルースタバコ、スウィッシャーインターナショナルインク(Swisher International, Inc.)製のKAYAKモイストスナッフ及びCHATTANOOGA CHEW噛みタバコ、ピンカートンタバコカンパニー(Pinkerton Tobacco Co. LP)製のREDMAN噛みタバコ、ユーエススモークレスタバコカンパニー(U.S. Smokeless Tobacco Company)製のCOPENHAGENモイストタバコ、COPENHAGEN Pouches、SKOAL Bandits、SKOAL Pouches、RED SEALロングカット、及びREVEL Mint Tobacco Packs、並びにフィリップモリスユーエスエー(Philip Morris USA)製のMARLBORO Snus及びTabokaと呼ばれているものがあってよい。スナッフ製品(一般に「スヌース」と呼ばれる)の代表的なタイプは、欧州(特にスエーデン)で製造されるものであってよく、例えば、スウェディッシュマッチ(Swedish Match AB)、フィードラーアンドラングレン(Fiedler & Lundgren AB)、グスタフ(Gustavus AB)、スカンジナビアンタバコグループ(Skandinavisk Tobakskompagni A/S)、及びロッカープロダクション(Rocker Production AB)等の企業によって又はこれらを通して製造されるものであってよい。米国内で以前に又は現在入手可能なスヌース製品は、R.J.レイノルズタバコカンパニーによって、CAMEL Snus Frost、CAMEL Snus Original、及びCAMEL Snus Spice、CAMEL Snus Mint、CAMEL Snus Mellow、CAMEL Snus Winterchill、及びCAMEL Snus Robust等の商品名で販売されてきている。無煙タバコ製品は、ブリキ製容器、「パック(puck)」、又は「ポット」にパッケージされてきた。他の製品例として、ニコチン薬用ドロップ(例えば、REVELニコチン薬用ドロップ(R.J.レイノルズベイパーカンパニー(R.J. Reynolds Vapor Company)製品))、及び禁煙ニコチンパウチ製品(例えば、スウェディッシュマッチ及びLYFT製のZyn)がある。
【0029】
本開示に有用なタバコ材料は様々であってよく、例えば、煙道乾燥タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコ又はメリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコ及びルスティカタバコ、並びに他のレアタバコ又はスペシャリティタバコ、又はこれらのブレンドがあってよい。タバコ材料は又、いわゆる「ブレンド」形態及び加工された形態を含んでよく、例えば、加工タバコステム(例えば、カットロールステム又はカットパフステム)、体積膨張タバコ(例えば、好ましくはカットフィラー形態のパフタバコ(ドライアイス膨張タバコ(DIET)等))、再構成タバコ(例えば、製紙型又はキャストシート型の加工により製造される再構成タバコ)を含んでよい。様々な代表的なタバコタイプ、タバコの加工タイプ、及びタバコブレンドのタイプについて、米国特許第4,836,224号(ローソン等(Lawson et al.))、同第4,924,888号(ペルフェッティ等(Perfetti et al.))、同第5,056,537号(ブラウン等(Brown et al.))、同第5,159,942号(ブリンクレー等(Brinkley et al.))、同第5,220,930号(ゲントリ(Gentry))、同第5,360,023号(ブレイクリー等(Blakley et al.))、同第6,701,936号(シェーファー等(Shafer et al.))、同第7,011,096号(リ等(Li et al.))、同第7,017,585号(リ等(Li et al.))、及び同第7,025,066号(ローソン等(Lawson et al.))、米国特許出願公開第2004/0255965号(ペルフェッティ等(Perfetti et al.))、国際特許出願公開第WO02/37990号(ベレマン(Bereman))、ボンビック等(Bombick et al.)著、ファンダメンタル アンド アプライド トキシコロジー(Fund. Appl. Toxicol.)、39、11-17頁(1997年)(これらは参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。本開示によるものを含む喫煙装置において有用でありうる更なる例示的タバコ組成物が、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第7,726,320号(ロビンソン等(Robinson et al.))に開示されている。
【0030】
更に又、エアロゾル前駆体組成物は、吸入可能物質(又はその前駆体)が組み込まれた又は別の形で堆積した不活性基材を含んでよい。例えば、吸入可能物質を含む液体が不活性基材に塗布又は吸収又は吸着されてよく、これにより、熱が印加されると、吸入可能物質は、正圧又は負圧の印加によって本発明物品から取り出し可能な形態で放出される。幾つかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、風味豊かで香りのよい複数のタバコのブレンドをカットフィラー形態で含んでよい。別の態様では、エアロゾル前駆体組成物は、米国特許第4,807,809号(プライア等(Pryor et al.))、同第4,889,143号(プライア等(Pryor et al.))、及び同第5,025,814号(レイカー(Raker))(これらの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されているような再構成タバコ材料を含んでよい。適切なエアロゾル前駆体組成物に関する更なる情報については、参照によって本明細書に組み込まれている、2018年3月9日に出願された米国特許出願第15/916,834号(サー等(Sur et al.))を参照されたい。
【0031】
エアロゾル前駆体組成物のタイプに関係なく、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル発生コンポーネントを含んでよい。電子タバコ又は非燃焼加熱装置の場合には、例えば、エアロゾル発生コンポーネントは加熱素子であってよく、又は加熱素子を含んでよい。非燃焼非加熱装置の場合には、幾つかの例では、エアロゾル発生コンポーネントは、振動可能な圧電メッシュ又は圧磁メッシュであってよく、又はこれを含んでよい。言い換えると、エアロゾル発生用加熱素子はなくてよい。幾つかの実施形態のエアロゾル送達装置は、エアロゾル発生コンポーネントを実現する為に複数の素子の組み合わせを含んでよく、これは、加熱素子及び追加素子の両方を含んでよく、追加素子は、例えば、振動式エアロゾル発生コンポーネント(例えば、振動可能な圧電セラミック及び/又は他の圧電又は圧磁材料)であり、加熱素子及び追加素子は連係してエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させる。
【0032】
適切な加熱素子の一例が誘導加熱器である。そのような加熱器は、誘導トランスミッタ及び誘導レシーバを含むことが多い。誘導トランスミッタは、交流電流が通されると振動磁界(例えば、時間とともに周期的に変化する磁界)を発生させるように構成されたコイルを含んでよい。誘導レシーバは、少なくとも一部が誘導トランスミッタ内にあるか収容されていてよく、導電性材料(例えば、強磁性体材料又はアルミニウム被膜材料)を含んでよい。誘導トランスミッタに交流電流を通すことにより、誘導による渦電流を誘導レシーバ内に発生させることが可能である。誘導レシーバを画定している材料の抵抗を流れる渦電流により、誘導レシーバがジュール加熱によって(即ち、ジュール効果により)加熱されることが可能である。誘導レシーバは、アトマイザを定義してよく、無線加熱されて、誘導レシーバの近傍に位置するエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成してよい。誘導加熱器を有するエアロゾル送達装置の様々な実施態様が、米国特許出願公開第2017/0127722号(デイヴィス等(Davis et al.))、同第2017/0202266号(サー等(Sur et al.))、米国特許出願第15/352,153号(サー等(Sur et al.)、2016年11月15日出願)、同第15/799,365号(セバスチャン等(Sebastian et al.)、2017年10月31日出願)、及び同第15/836,086号(サー(Sur))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0033】
本明細書に特に記載されているものを含む他の実施態様では、加熱素子は、電気抵抗加熱器の場合のような導電性加熱器である。このような加熱器は、電流が流されると熱を発生させるように構成されてよい。様々な実施態様では、導電性加熱器は様々な形態で提供されてよく、例えば、フォイル、フォーム、ディスク、スパイラル、ファイバ、ワイヤ、フィルム、ヤーン、ストリップ、リボン、又は円筒の形態で提供されてよい。そのような加熱器は金属材料を含むことが多く、電気抵抗と、電流が材料を通り抜けることとが関連し合うことの結果として熱を発生させるように構成されている。そのような抵抗加熱器は、エアロゾル前駆体組成物の近傍に配置されてこれを加熱することによりエアロゾルを発生させることが可能である。本開示とともに使用可能でありうる様々な導電性基材が、上述の米国特許出願公開第2013/0255702号(グリフィス等(Griffith et al.))に記載されている。
【0034】
幾つかの実施態様では、エアロゾル送達装置は、いわゆる電子タバコ又は非燃焼非加熱装置の場合には制御部本体及びカートリッジを含んでよく、非燃焼加熱装置の場合には制御部本体及びエアロゾル源部材を含んでよい。カートリッジは装置用の消耗品の一例であってよく、カートリッジへの言及は他の消耗品を包含してよい。エアロゾル源部材の他の例として「スティック」があってよく、これは、例えば、タバコ、タバコ抽出物、エアロゾルフォーマ、ニコチン、及び/又は他の、非燃焼加熱装置において使用可能な活性成分を収容してよい。例えば、ブリティッシュアメリカンタバコ(British American Tobacco)のGLO(商標)製品の為のNEOSTIKS(商標)消耗品エアロゾル源部材、及びフィリップモリスインターナショナルインク(Philip Morris International, Inc.)のIQOS(商標)製品の為のHEETS(商標)消耗品エアロゾル源部材がある。
【0035】
電子タバコ又は非燃焼加熱装置のいずれかの場合には、制御部本体は再利用可能であってよく、一方、カートリッジ/エアロゾル源部材は、限られた回数だけ使用されるように構成されてよく、且つ/又は使い捨てであるように構成されてよい。様々な機構によってカートリッジ/エアロゾル源部材が制御部本体と接続されてよく、結果として、ねじ嵌合、圧力嵌合、干渉嵌合、摺動嵌合、磁気嵌合等が行われてよい。
【0036】
制御部本体及びカートリッジ/エアロゾル源部材は、それぞれ別々のハウジング又は外側ボディを含んでよく、これらは多様な材料のいずれで形成されてもよい。ハウジングは、任意の適切な、構造的に堅固な材料で形成されてよい。幾つかの例では、ハウジングは、金属又は合金(例えば、ステンレス綱、アルミニウム等)で形成されてよい。他の適切な材料として、様々なプラスチック(例えば、ポリカーボネート)、プラスチック上の金属めっき、セラミック等がある。
【0037】
カートリッジ(即ち、エアロゾル源部材)は、エアロゾル前駆体組成物を含んでよい。エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させる為に、エアロゾル発生コンポーネント(例えば、加熱素子、圧電/圧磁メッシュ)は、エアロゾル前駆体組成物に接触又は近接して配置されてよく、例えば、制御部本体とカートリッジにまたがって配置されてよく、或いは制御部本体内に配置されてよく、制御部本体内にはエアロゾル源部材が配置されてよい。制御部本体は電源を含んでよく、電源は充電可能又は交換可能であってよく、それによって、制御部本体は、複数のカートリッジ/エアロゾル源部材に対して再利用されてよい。
【0038】
制御部本体は又、エアロゾル送達装置を活性化する手段を含んでよく、例えば、装置を手動で制御する為の押しボタン、タッチ感応式表面等を含んでよい。追加又は代替として、制御部本体は、ユーザがカートリッジ/エアロゾル源部材を吸ったことを検出してエアロゾル送達装置を活性化する為に流れセンサを含んでよい。幾つかの実施形態では、他の実施形態では消耗品又はカートリッジの中にある加熱素子が制御部本体に含まれてよい。
【0039】
様々な実施態様では、本開示によるエアロゾル送達装置は全体形状が様々であってよく、その中で、限定ではないが、全体形状は、ほぼ棒状として、又はほぼ管状として、又はほぼ円筒状として画定されてよい。添付図面に示し、その添付図面を参照して説明する実施態様では、エアロゾル送達装置の断面がほぼ円形であるが、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形等)も本開示によって包含される。物品の物理的形状を記述するそのような言い回しは、制御部本体及びカートリッジ/エアロゾル源部材を含む、物品の個別コンポーネントにも適用されてよい。他の実施態様では、制御部本体は、別の手持ち可能な形状(例えば、小箱形状)を有してよい。
【0040】
より具体的な実施態様では、制御部本体及びカートリッジ/エアロゾル源部材の一方又は両方が使い捨て又は再利用可能であるとされてよい。例えば、制御部本体は電源を有してよく、例えば、交換可能バッテリ又は充電可能バッテリ、SSB、薄膜SSB、充電可能スーパキャパシタ、リチウムイオン又はハイブリッドリチウムイオンスーパキャパシタ等を有してよい。電源の一例が、タディランバッテリーズGmbHオブジャーマニー(Tadiran Batteries GmbH of Germany)製のTKI-1550充電可能リチウムイオンバッテリである。別の実施態様では、有用な電源として、三洋電機株式会社(Sanyo Electric Company, Ltd., of Japan)製のN50- AAA CADNICAニッケルカドミウム電池があってよい。他の実施態様では、(例えば、1個当たり1.2ボルトを供給する)複数のそのようなバッテリが直列につながれてよい。幾つかの実施態様では、電源は出力電圧を供給するように構成されている。電源は、エアロゾル発生コンポーネントに電力を供給することが可能であり、このコンポーネントは、電力を供給されてエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させることが可能である。電源は、任意のタイプの充電技術に接続されてよく、例えば、後で詳述する充電アクセサリに接続されてよい。
【0041】
電源の例が、米国特許第9,484,155号(ペッケラー等(Peckerar et al.))及び米国特許出願公開第2017/0112191号(サー等(Sur et al.)、2015年10月21日出願)(これらの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。適切な電源の他の例が、米国特許出願公開第2014/0283855号(ホーズ等(Hawes et al.))、同第2014/0014125号(フェルナンド等(Fernando et al.))、同第2013/0243410号(ニコルス等(Nichols et al.))、同第2010/0313901号(フェルナンド等(Fernando et al.))、及び米国特許第9,439,454号(フェルナンド等(Fernando et al.))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。流れセンサに関しては、エアロゾル送達装置用の、様々なマイクロコントローラ、センサ、及びスイッチを含む代表的な定電流コンポーネント及び他の電流制御コンポーネントが、米国特許第4,735,217号(ガース等(Gerth et al.))、同第4,922,901号(ブルックス等(Brooks et al.))、同第4,947,874号(ブルックス等(Brooks et al.))、同第4,947,875号(ブルックス等(Brooks et al.))、同第5,372,148号(マカファーティ等(McCafferty et al.))、同第6,040,560号(フライシュハウアー等(Fleischhauer et al.))、同第7,040,314号(グェン等(Nguyen et al.))、同第8,205,622号(パン(Pan))、米国特許出願公開第8,881,737号(コレット等(Collet et al.))、米国特許第9,423,152号(アムポリーニ等(Ampolini et al.))、同第9,439,454号(フェルナンド等(Fernando et al.))、及び米国特許出願公開第2015/0257445号(ヘンリー等(Henry et al.))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0042】
電子エアロゾル送達物品及び本物品において使用可能な開示の材料又はコンポーネントに関連する更なるコンポーネント例として、米国特許第4,735,217号(ガース等(Gerth et al.))、同第5,249,586号(モーガン等(Morgan et al.))、同第5,666,977号(ヒギンス等(Higgins et al.))、同第6,053,176号(アダムス等(Adams et al.))、同第6,164,287号(ホワイト(White))、同第6,196,218号(ヴォージュ(Voges))、同第6,810,883号(フェルター等(Felter et al.))、同第6,854,461号(ニコルス(Nichols))、同第7,832,410号(ホン(Hon))、同第7,513,253号(コバヤシ(Kobayashi))、同第7,896,006号(ハマノ(Hamano))、同第6,772,756号(シャヤン(Shayan))、同第8,156,944号(ホン(Hon))、同第8,375,957号(ホン(Hon))、同第8,794,231号(トーレンス等(Thorens et al.))、同第8,851,083号(オグレスビ等(Oglesby et al.))、同第8,915,254号(モンシーズ等(Monsees et al.))、同第8,925,555号(モンシーズ等(Monsees et al.))、同第9,220,302号(デピアーノ等(DePiano et al.))、米国特許出願公開第2006/0196518号(ホン(Hon))、同第2009/0188490号(ホン(Hon))、同第2010/0024834号(オグレスビ等(Oglesby et al.))、同第2010/0307518号(ワン(Wang))、国際特許出願公開第WO2010/091593号(ホン(Hon))、及び同第WO2013/089551号(フー(Foo))(これらのそれぞれは、参照によって本明細書に組み込まれている)がある。更に、米国特許出願公開第2017/0099877号(ワーム等(Worm et al.))が、エアロゾル送達装置に含めることが可能なカプセル、及びエアロゾル送達装置の為のフォブ形状構成を開示しており、参照によって本明細書に組み込まれている。前掲の文書で開示されている様々な材料が、様々な実施態様において本装置に組み込まれてよく、前掲の開示は全て、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0043】
更に他の、本開示のエアロゾル送達装置に組み込まれることが可能な特徴、制御部、又はコンポーネントが、米国特許第5,967,148号(ハリス等(Harris et al.))、同第5,934,289号(ワトキンス等(Watkins et al.))、同第5,954,979号(カウンツ等(Counts et al.))、同第6,040,560号(フライシュハウアー等(Fleischhauer et al.))、同第8,365,742号(ホン(Hon))、同第8,402,976号(フェルナンド等(Fernando et al.))、米国特許出願公開第2005/0016550号(カタセ(Katase))、米国特許第8,689,804号(フェルナンド等(Fernando et al.))、米国特許出願公開第2013/0192623号(タッカー等(Tucker et al.))、米国特許第9,427,022号(レーヴェン等(Leven et al.))、米国特許出願公開第2013/0180553号(キム等(Kim et al.))、同第2014/0000638号(セバスチャン等(Sebastian et al.))、同第2014/0261495号(ノヴァク等(Novak et al.))、及び米国特許第9,220,302号(デピアーノ等(DePiano et al.))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0044】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の様々なコンポーネントを提供するキットを対象としうる。例えば、キットは、制御部本体と1つ以上のカートリッジ又はエアロゾル源部材とを一緒に含んでよい。キットは更に、1つ以上のバッテリが付属する後述の充電アクセサリと、1つ以上のカートリッジを有する制御部本体と、を含んでよい。キットは更に、後述の充電アクセサリと、1つ以上のカートリッジを有する制御部本体と、を含んでよい。キットは更に、後述の充電アクセサリを、1つ以上のバッテリとともに含んでよい。別の実施形態では、キットは複数のカートリッジを含んでよい。キットは更に、複数のカートリッジと、1つ以上のバッテリ及び/又は後述の充電アクセサリと、を含んでよい。上述の実施形態では、カートリッジ又は制御部本体は加熱部材を内蔵してよい。本発明のキットは更に、さらなるキットコンポーネントの1つ以上を収容するケース(又は他の、パッケージング用、携帯用、又は貯蔵用のコンポーネント)を含んでよい。或いは、充電アクセサリは、それらのキットのうちの1つではケースであってよい。ケースは、再利用可能な、硬質又は軟質の容器であってよい。更に、ケースは、シンプルに箱又は他のパッケージング構造であってよい。
【0045】
図1及び2はエアロゾル送達装置の実施態様を示しており、これは、電子タバコの場合には制御部本体及びカートリッジを含む。この点において、
図1及び2は、本開示の一例示的実施態様によるエアロゾル送達装置100を示す。図示のように、エアロゾル送達装置は、制御部本体102及びカートリッジ104を含んでよい。後述のように、カートリッジ104は、ユーザの認証及び年齢確認の用途で使用される固有シリアル番号を有するコンポーネントであってよい。他のコンポーネントも使用制限のシリアル番号で登録されてよいが、カートリッジは後述の実施例である。制御部本体及びカートリッジは、永続的又は取り外し可能に一直線に並べられて、機能する関係になることが可能である。この点において、
図1は、結合した形態でのエアロゾル送達装置の斜視図を示しており、一方、
図2は、分離した形態でのエアロゾル送達装置の部分切り欠き側面図を示している。エアロゾル送達装置は、例えば、幾つかの実施態様では、制御部本体及びカートリッジを組み立てた形態ではほぼ棒状、又はほぼ管状、又はほぼ円筒状であってよい。
【0046】
制御部本体102とカートリッジは、様々な接続(例えば、圧力嵌合(又は干渉嵌合)接続、ねじ接続、磁気接続等)によって互いに係合するように構成されてよい。従って、制御部本体は第1の係合エレメント(例えば、カプラ)を含んでよく、これは、カートリッジ上にある第2の係合エレメント(例えば、コネクタ)と係合するように適合されている。第1の係合エレメント及び第2の係合エレメントは、逆も可能であってよい。一例として、第1の係合エレメント又は第2の係合エレメントのいずれかが雄ねじであってよく、他方が雌ねじであってよい。別の例として、第1の係合エレメント又は第2の係合エレメントのいずれかが磁石であってよく、他方が金属又は逆極性の磁石であってよい。特定の実施態様では、係合エレメントは、制御部本体及びカートリッジの既存のコンポーネントによって直接画定されてよい。例えば、制御部本体のハウジングは、カートリッジの少なくとも一部分(例えば、カートリッジの貯蔵タンク又は他のシェル形成要素)を受けるように構成されたキャビティをハウジングの端部に画定してよい。具体的には、カートリッジのマウスピースが制御部本体のキャビティの外側に露出したままで、カートリッジの貯蔵タンクの少なくとも一部分が制御部本体のキャビティ内で受けられてよい。カートリッジは、制御部本体ハウジングによって形成されたキャビティ内に保持されてよく、例えば、(例えば、カートリッジの外側表面と、制御部本体キャビティを形成している壁の内側表面との間で干渉係合を形成するデテント及び/又は他のフィーチャを使用する)干渉嵌合によって、又は(例えば、制御部本体のキャビティ内に配置された磁石及び/又は磁性金属と、カートリッジ上に配置された磁石及び/又は磁性金属とを使用する)磁気係合によって、又は他の適切な技術によって保持されてよい。
【0047】
図2に示した切り欠き図に見られるように、制御部本体102及びカートリッジ104はそれぞれがそれぞれのコンポーネントを幾つか含む。
図2に示した各コンポーネントは、制御部本体及びカートリッジにおいて存在しうるコンポーネントのうちの代表的なものであり、本開示によって包含されるコンポーネントの範囲を限定するものではない。図示のように、例えば、制御部本体102は、ハウジング206(制御部本体シェルと呼ぶこともある)に制御コンポーネント208(例えば、処理回路等)、流れセンサ210、電源212(例えば、バッテリ、スーパキャパシタ)、及びインジケータ214(例えば、LED、量子ドットベースLED)が含まれて形成されてよく、これらのコンポーネントは様々に位置合わせされてよい。電源は充電可能であってよく、制御コンポーネントは、スイッチと、流れセンサ及びスイッチと結合された処理回路と、を含んでよい。処理回路は、年齢確認ステータスに応じて装置へのアクセスを阻止(装置をロック)するように構成されてよい。一実施形態では、制御部本体102をバッテリ部と呼ぶことがある。
【0048】
カートリッジ104は、ハウジング216(カートリッジシェルと呼ぶこともある)が、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ218を囲み、加熱素子220(エアロゾル発生コンポーネント)を内蔵することによって形成されてよい。様々な構成では、この構造はタンクと呼ばれてよく、従って、「カートリッジ」、「タンク」等の用語は、エアロゾル前駆体組成物用リザーバを囲み、加熱素子を内蔵するシェル又は他のハウジングを参照する為に区別なく使用されてよい。
【0049】
図示のように、幾つかの実施例では、リザーバ218は、リザーバハウジング内に貯蔵されているエアロゾル前駆体組成物を加熱素子220まで毛管作用又は他の方法で給送するように適合された液体給送要素222と流体連通していてよい。幾つかの実施例では、リザーバと加熱素子との間に弁が配置されてよく、弁は、リザーバから加熱素子へと通過する、即ち送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてよい。
【0050】
加熱素子220を形成する為に、電流が印加されて通過すると熱を発生させるように構成された材料の様々な実施例が使用されてよい。これらの実施例における加熱素子は、ワイヤコイル、マイクロヒータ等の抵抗加熱素子であってよい。加熱素子を形成することが可能な材料の例として、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス綱、インジウムスズ酸化物、タングステン、二ケイ化モリブデン(MoSi2)、ケイ化モリブデン(MoSi)、アルミニウムドープ二ケイ化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、チタン、白金、銀、パラジウム、銀パラジウム合金、グラファイト及びグラファイトベースの材料(例えば、炭素ベースのフォーム又はヤーン)、導電性インク、ボロンドープシリカ、及びセラミック(例えば、正又は負の温度係数のセラミック)がある。加熱素子は、抵抗加熱素子、又は誘導により熱を発生させるように構成された加熱素子であってよい。加熱素子は、熱伝導性セラミックでコーティングされてよく、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素、又はこれらの複合物でコーティングされてよい。本開示によるエアロゾル送達装置において有用な加熱素子の例示的実施態様については後で詳述するが、そのような実施態様は、本明細書に記載のエアロゾル送達装置のような装置に組み込まれてよい。
【0051】
形成されたエアロゾルがカートリッジ104から出ていくことを可能にする開口部224がハウジング216(の、例えば、口端部)に存在してよい。
【0052】
カートリッジ104は又、1つ以上の電子コンポーネント226を含んでよく、これは、集積回路、メモリコンポーネント(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ)、センサ等を含んでよい。電子コンポーネントは、制御コンポーネント208及び/又は外部装置と有線又は無線の手段で通信するように適合されてよい。電子コンポーネントは、カートリッジ又はカートリッジのベース228の中の任意の場所に配置されてよい。
【0053】
図では制御コンポーネント208と流れセンサ210が別々になっているが、当然のことながら、制御コンポーネント及び流れセンサを含む様々な電子コンポーネントが、電子コンポーネントを支持し電子コンポーネント同士を電気的に接続する回路基板(例えば、PCB)の上で組み合わされてよい。更に回路基板は、
図1のイラストに対して水平方向に配置されてよく、即ち、回路基板は、制御部本体の中心軸に平行な長手方向にあってよい。幾つかの実施例では、空気流れセンサは、それ自体の回路基板、又は他の、空気流れセンサを取り付け可能なベース要素を含んでよい。幾つかの実施例では、フレキシブル回路基板が利用されてよい。フレキシブル回路基板は、ほぼ管状を含む様々な形状になるように構成されてよい。幾つかの実施例では、フレキシブル回路基板は、加熱器基板の一部又は全てと組み合わされてよく、又は加熱器基板の一部又は全ての上に積層されてよく、又は加熱器基板の一部又は全てを形成してよい。
【0054】
制御部本体102及びカートリッジ104は、それらの間の流体係合を促進するように適合されたコンポーネントを含んでよい。
図2に示したように、制御部本体は、中にキャビティ232を有するカプラ230を含んでよい。カートリッジのベース228は、カプラと係合するように適合されてよく、キャビティ内に嵌まるように適合された突起部234を含んでよい。そのような係合は、制御部本体とカートリッジとの間の安定した接続を促進するとともに、制御部本体内の電源212及び制御コンポーネント208と、カートリッジ内の加熱素子220との間の電気的接続を確立することが可能である。更に、ハウジング206は空気取入口236を含んでよく、空気取入口236はハウジングにあるノッチであってよく、ノッチはカプラとつながって、周囲空気がカプラ周辺を通ってハウジングに入ることを可能にしており、その後、空気はカプラのキャビティ232を通り抜け、突起部234を通ってカートリッジに入る。
【0055】
本開示に従って有用なカプラ及びベースが、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2014/0261495号(ノヴァク等(Novak et al.))に記載されている。例えば、カプラ230は、
図2に見られるように、ベース228の内周面240と嵌合するように構成された外周面238を画定してよい。一実施例では、ベースの内周面は、カプラの外周面の半径とほぼ等しいか、それより若干大きい半径を画定してよい。更に、カプラは、外周面に1つ以上の凸部242を画定してよく、これらの凸部は、ベースの内周面に画定された1つ以上の凹部244と係合するように構成されている。但し、ベースをカプラに結合する為には、他の様々な、構造、形状、及びコンポーネントの実施例が使用されてよい。幾つかの実施例では、カートリッジ104のベースと制御部本体102のカプラとの間の接続はほぼ永続的であってよく、一方、他の実施例では、それらの間の接続は取り外し可能であってよく、例えば、制御部本体が、使い捨て及び/又は再充填可能であってよい1つ以上の別のカートリッジで再利用できるように取り外し可能であってよい。
【0056】
図2に示したリザーバ218は容器であってよく、或いは本明細書に記載のように繊維性リザーバであってよい。例えば、リザーバは、この実施例では、ハウジング216の内部を取り巻く管の形状にほぼ成形された、不織繊維の1つ以上の層を含んでよい。リザーバ内にエアロゾル前駆体組成物が保持されてよい。例えば、液体コンポーネントがリザーバによって吸着保持されてよい。リザーバは、液体給送要素222と流体連通していてよい。液体給送要素は、リザーバに貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を、毛細管作用(又はマイクロポンプ)によって、この実施例では金属ワイヤコイルの形態である加熱素子220まで給送することが可能である。従って、加熱素子は、液体給送要素とともに加熱機構を形成している。
【0057】
幾つかの実施例では、マイクロ流体チップがリザーバ218に埋め込まれてよく、リザーバから送達されるエアロゾル前駆体組成物の量及び/又は質量は、マイクロポンプ(例えば、微小電子機械システム(MEMS)技術をベースとするマイクロポンプ)によって制御されてよい。本開示によるエアロゾル送達装置において有用なリザーバ及び給送要素の他の例示的実施態様について本明細書で詳述するが、そのようなリザーバ及び/又は給送要素は、本明細書に記載の装置のような装置に組み込まれることが可能である。特に、本明細書において詳述する加熱部材及び給送要素の特定の組み合わせが、本明細書に記載の装置のような装置に組み込まれてよい。
【0058】
使用時には、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸うと、流れセンサ210によって空気流が検出され、加熱素子220が活性化されて、エアロゾル前駆体組成物の成分を蒸発させる。エアロゾル送達装置の口端部を吸うことにより、周囲空気が空気取入口236に入り、カプラ230のキャビティ232、及びベース228の突起部234の中央開口部を通り抜ける。カートリッジ104では、吸い込まれた空気が、形成された蒸気と一緒になってエアロゾルを形成する。エアロゾルは、はたかれるか吸引されるか他の方法で加熱素子から引き離され、エアロゾル送達装置の口端部の開口部224から出る。
【0059】
電子タバコの場合の、制御部本体及びカートリッジを含むエアロゾル送達装置の実施態様に関する更なる詳細については、やはり参照によって本明細書に組み込まれている、既に引用した米国特許出願第15/836,086号(サー(Sur))、同第15/916,834号(サー等(Sur et al.))、並びに同第15/916,696号(サー(Sur)、2018年3月9日出願))を参照されたい。
【0060】
図3~6は、非燃焼加熱装置の場合の、制御部本体及びエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達装置の実施態様を示す。より具体的には、
図3は、本開示の一例示的実施態様によるエアロゾル送達装置300を示す。エアロゾル送達装置は、制御部本体302及びエアロゾル源部材304を含んでよい。様々な実施態様では、エアロゾル源部材及び制御部本体は、永続的又は取り外し可能に一直線に並べられて、機能する関係になることが可能である。この点において、
図3は、結合した形態でのエアロゾル送達装置を示しており、一方、
図4は、分離した形態でのエアロゾル送達装置を示している。
【0061】
図4に示すように、本開示の様々な実施態様では、エアロゾル源部材304は、制御部本体302に挿入されるように構成された加熱端部406と、エアロゾルを形成する為にユーザが吸う口端部408と、を含んでよい。様々な実施態様では、加熱端部の少なくとも一部分がエアロゾル前駆体組成物410を含んでよい。
【0062】
様々な実施態様では、エアロゾル源部材304又はその一部分は、外側上包材料412で包まれてよく、外側上包材料412は、エアロゾル源部材に構造及び/又は支持を追加することに有用な任意の材料で形成されてよい。様々な実施態様では、外側上包材料は、熱が伝わりにくい材料を含んでよく、そのような材料として、紙又は他の繊維性材料(例えば、セルロース材料)があってよい。外側上包材料は又、繊維性材料内に埋め込まれるか分散する少なくとも1つの充填材料を含んでよい。様々な実施態様では、充填材料は非水溶性粒子の形態であってよい。更に、充填材料に無機成分が組み込まれてよい。様々な実施態様では、外側上包は複数の層から形成されてよく、例えば、下層のバルク層と、上層の、例えば、タバコの典型的な包み紙とから形成されてよい。そのような材料は、例えば、軽量の「くず繊維」、例えば、亜麻、大麻、サイザル麻、稲わら、及び/又はエスパルトを含んでよい。外側上包は又、従来の紙巻きタバコのフィルタエレメントに典型的に使用される材料(例えば、セルロースアセテート)を含んでよい。
【0063】
更に、エアロゾル源部材の口端部408における上包の余分な長さが、単純にエアロゾル前駆体組成物410を消費者の口から引き離すように、又は後述のようにフィルタ材料を配置する為のスペースを設けるように、又は物品を吸うことに影響を及ぼすように、又は吸っている間に装置から出る蒸気又はエアロゾルの流れ特性に影響を及ぼすように働いてよい。本開示とともに使用されてよい上包材料の構成に関する更なる議論が、既に引用した米国特許第9,078,473号(ワーム等(Worm et al.))に見られる。
【0064】
様々な実施態様では、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410と口端部408との間に他のコンポーネントが存在してよく、口端部はフィルタ414を含んでよく、フィルタ414は、例えば、セルロースアセテート又はポリプロピレン材料で作られてよい。フィルタは、追加又は代替として、参照によって完全な形で本明細書に組み込まれている米国特許第5,025,814号(レイカー等(Raker et al.))に記載されているようなタバコ含有材料のストランドを含んでよい。様々な実施態様では、フィルタは、エアロゾル源部材の口端部の構造的完全性を高めることが可能であり、且つ/又は必要に応じてフィルタリング容量を提供することが可能であり、且つ/又は吸引に対する抵抗を提供することが可能である。幾つかの実施態様では、エアロゾル前駆体組成物と口端部との間に、エアギャップ、空気を冷却する為の相変化物質、風味放出媒体、選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維、フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子、及び他の適切な物質のうちのいずれか又はこれらの任意の組み合わせが配置されてよい。
【0065】
本開示の様々な実施態様は、1つ以上の導電性加熱素子を使用して、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱する。様々な実施態様では、加熱素子は様々な形態で提供されてよく、例えば、フォイル、フォーム、メッシュ、中空球、半球、ディスク、スパイラル、ファイバ、ワイヤ、フィルム、ヤーン、ストリップ、リボン、又は円筒の形態で提供されてよい。そのような加熱素子は金属材料を含むことが多く、電気抵抗と、電流が材料を通り抜けることとが関連し合うことの結果として熱を発生させるように構成されている。そのような抵抗加熱素子は、エアロゾル源部材、具体的には、エアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物に直接接触して位置するか、その近傍に位置してよい。加熱素子は、制御部本体内及び/又はエアロゾル源部材内に位置してよい。様々な実施態様では、エアロゾル前駆体組成物は、基材部分に埋め込まれるか別の形態で基材部分の一部になって、加熱アセンブリとして働くか加熱アセンブリの機能を促進することが可能な成分(即ち、熱伝導成分)を含んでよい。様々な加熱部材及び加熱素子の幾つかの実施例が米国特許第9,078,473号(ワーム等(Worm et al.))に記載されている。
【0066】
様々な加熱素子構成の幾つかの非限定的な実施例として、加熱素子がエアロゾル源部材304の近傍に配置される構成がある。例えば、幾つかの実施例では、加熱素子の少なくとも一部分がエアロゾル源部材の少なくとも一部分を包囲してよい。他の実施例では、エアロゾル源部材が制御部本体302に挿入されたときに1つ以上の加熱素子がエアロゾル源部材の外側に隣接配置されてよい。他の実施例では、エアロゾル源部材が制御部本体に挿入されたときに、加熱素子の少なくとも一部分がエアロゾル源部材の少なくとも一部分に突き刺さってよい(例えば、1つ以上のプロング及び/又はスパイクがエアロゾル源部材に突き刺さってよい)。場合によっては、エアロゾル前駆体組成物は、加熱素子として働くか加熱素子の機能を促進することが可能な、エアロゾル前駆体組成物と接触している構造物、又はエアロゾル前駆体組成物に埋め込まれた複数のビード又は粒子、又は別の形態の、エアロゾル前駆体組成物の一部分を含んでよい。
【0067】
図5は、本開示の一例示的実施態様によるエアロゾル送達装置300の正面図を示し、
図6は、
図5のエアロゾル送達装置の断面図を示す。具体的には、図示の実施態様の制御部本体302は、ハウジング516に、ハウジング516の係合端部に画定された開口部518と、流れセンサ520(例えば、吹かしセンサ又は圧力スイッチ)と、制御コンポーネント522(例えば、処理回路等)と、電源524(例えば、バッテリ、スーパキャパシタ)と、インジケータ526(例えば、LED)を含む端部キャップと、が含まれて構成されている。電源は充電可能であってよく、制御コンポーネントは、スイッチと、流れセンサ及びスイッチと結合された処理回路と、を含んでよい。処理回路は、後で詳述するように、年齢確認が失敗する場合にはスイッチによる操作を妨げるように構成されてよい。
【0068】
一実施態様では、インジケータ526は、1つ以上のLED、量子ドットベースLED等を含んでよい。インジケータは、制御コンポーネント522と通信していてよく、例えば、制御部本体302と結合されたエアロゾル源部材304をユーザが吸ったときに(これは流れセンサ520で検出される)点灯してよい。
【0069】
図示の実施態様の制御部本体302は、1つ以上の加熱アセンブリ528(個別に又はまとめて加熱アセンブリと呼ばれる)を含み、加熱アセンブリ528は、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するように構成されている。本開示の様々な実施態様の加熱アセンブリは様々な形態をとることが可能であるが、
図5及び6に示した特定の実施態様では、加熱アセンブリは外側円筒530及び加熱素子532(エアロゾル発生コンポーネント)を含み、加熱素子532は、この実施態様では、受けベース534から延びる複数の加熱プロングを含む(様々な構成では、加熱アセンブリ、より具体的には、加熱プロングは加熱器と呼ばれてよい)。図示の実施態様では、外側円筒は、加熱プロングによって発生した熱を外側円筒内で維持する為、より具体的には、加熱プロングによって発生した熱をエアロゾル前駆体組成物内で維持する為に、ステンレス綱で作られた二重壁の真空の管を含む。様々な実施態様では、加熱プロングは、1つ以上の導電性材料で作られてよく、例えば、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、グラファイト、又はこれらの任意の組み合わせで作られてよく、これらに限定されない。
【0070】
図示のように、加熱アセンブリ528は、ハウジング516の係合端部のすぐ近くまで延びてよく、エアロゾル前駆体組成物410を含むエアロゾル源部材304の加熱端部406の一部分をほぼ包囲するように構成されてよい。そのような方法で、加熱アセンブリは、ほぼ管状の形態を画定してよい。
図5及び6に示したように、加熱素子532(例えば、複数の加熱プロング)が外側円筒530に包囲されて、受けチャンバ536が作成される。そのような方法で、様々な実施態様では、外側円筒は、非導電性絶縁材料及び/又は構築物を含んでよく、これは、絶縁性ポリマー(例えば、プラスチック又はセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁真空構造、又はこれらの任意の組み合わせを含み、これらに限定されない。
【0071】
幾つかの実施態様では、加熱アセンブリ528の1つ以上の部分又はコンポーネントが、エアロゾル前駆体組成物410と組み合わされてよく、且つ/又はエアロゾル前駆体組成物410とともにパッケージされてよく、且つ/又はエアロゾル前駆体組成物410と一体化されてよい(例えば、エアロゾル前駆体組成物410に埋め込まれてよい)。例えば、幾つかの実施態様では、エアロゾル前駆体組成物は、上述の材料から形成されてよく、1つ以上の導電性材料がその中で混合されてよい。これらの実施態様の幾つかでは、エアロゾル前駆体組成物に接点が直接接続されてよく、それによって、エアロゾル源部材が制御部本体の受けチャンバに挿入されたときにそれらの接点が電気エネルギ源と電気的に接続される。代替として、これらの接点は、電気エネルギ源と一体化されてよく、且つ受けチャンバの中まで延びてよく、それによって、エアロゾル源部材が制御部本体の受けチャンバに挿入されたときにそれらの接点がエアロゾル前駆体組成物と電気的に接続される。エアロゾル前駆体組成物中に導電性材料が存在することにより、電気エネルギ源からエアロゾル前駆体組成物に電力が印加されると、電流が流れて導電性材料から熱が発生することが可能になる。従って、幾つかの実施形態では、加熱素子は、エアロゾル前駆体組成物と一体化しているように記述されてよい。非限定的な一実施例として、グラファイト又は他の適切な導電性材料が、エアロゾル前駆体組成物を形成している材料と混合されるか、この材料に埋め込まれるか、又は他の形態でこの材料の表面又は中に直接存在することによって、加熱素子が媒体と一体化することが可能である。
【0072】
上述のように、図示の実施態様では、外側円筒530は、エアロゾル源部材304がハウジング516に挿入されたときにエアロゾル源部材304の適切な位置決めを促進するように働くことも可能である。様々な実施態様では、加熱アセンブリ528の外側円筒は、ハウジングの内側表面と係合することにより、加熱アセンブリをハウジングに対して位置合わせすることが可能である。それにより、加熱アセンブリとハウジングとの間の固定結合の結果として、加熱アセンブリの長手軸が、ハウジングの長手軸にほぼ平行に延びてよい。具体的には、支持円筒がハウジングの開口部518から受けベース534まで延びることによって受けチャンバ536が形成されることが可能である。
【0073】
エアロゾル源部材304の加熱端部406は、制御部本体302に挿入されるようなサイズ及び形状になっている。様々な実施態様では、制御部本体の受けチャンバ536は、内側表面及び外側表面を有する壁によって画定されるものとして特性化されてよく、内側表面は受けチャンバの内部容積を画定する。例えば、図示の実施態様では、外側円筒530は内側表面を画定し、内側表面は受けチャンバの内部容積を画定する。図示の実施態様では、外側円筒の内径が、対応するエアロゾル源部材の外径よりわずかに大きいかほぼ同じであってよく(これは、例えば、摺動嵌合を形成する為である)、これにより、外側円筒は、エアロゾル源部材を、制御部本体に対して適切な位置(例えば、横方向位置)までガイドするように構成される。従って、エアロゾル源部材の最大外径(又は、実施態様の特定の断面形状に応じた他の寸法)は、制御部本体の受けチャンバの開放端の壁の内側表面における内径(又は他の寸法)より小さいサイズであってよい。幾つかの実施態様では、エアロゾル源部材が受けチャンバ内にぴったりフィットするように、且つ、摩擦力によって、エアロゾル源部材が力をかけない限り動くことがないように、それぞれの径の差が十分小さくてよい。一方、この差は、必要以上の力を必要とせずにエアロゾル源部材が摺動して受けチャンバを出入りすることを可能にするのに十分であってよい。
【0074】
図示の実施態様では、エアロゾル源部材304が制御部本体302に挿入されたときに、加熱素子532(例えば、加熱プロング)が、エアロゾル源部材の加熱端部406のエアロゾル前駆体組成物410の少なくとも一部分のほぼ半径方向中心に位置するように、制御部本体302が構成されている。そのような方法で、固体又は半固体のエアロゾル前駆体組成物と併せて使用される場合には、加熱プロングは、エアロゾル前駆体組成物と直接接触してよい。他の実施態様では、例えば、管構造を画定する押し出しエアロゾル前駆体組成物と併せて使用される場合には、加熱プロングは、押し出し管構造の内側表面によって画定されるキャビティの内側に位置してよいが、押し出し管構造の内側表面に接触することはない。
【0075】
使用時には、消費者は、加熱アセンブリ528、具体的には、エアロゾル前駆体組成物410(又はその特定の層)に近接する加熱素子532の加熱を開始する。エアロゾル前駆体組成物を加熱することにより、エアロゾル源部材304内の吸入可能物質が放出されて、吸入可能物質がもたらされる。消費者がエアロゾル源部材の口端部408を吸入すると、空気が空気取入口538(例えば、制御部本体302の開口部又はアパーチャ)からエアロゾル源部材に取り込まれる。取り込まれた物質がエアロゾル源部材の口端部から出るときに、取り込まれた空気と放出された吸入可能物質との混合物が消費者によって吸入される。幾つかの実施態様では、消費者は、加熱を開始する為に、加熱アセンブリの加熱素子がバッテリ又は他のエネルギ源から電気エネルギを受けることを引き起こす押しボタン又は同様のコンポーネントを手動で作動させてよい。電気エネルギは、所定の時間長にわたって供給されてよく、又は手動で制御されてよい。
【0076】
幾つかの実施態様では、電気エネルギの流れは、吹かしと吹かしの間は装置300上をほとんど進まない(但し、エネルギ流は、周囲温度より高いベースライン温度(例えば、活性加熱温度までの急速加熱を促進する温度)を維持するように進むことが可能である)。しかしながら、図示の実施態様では、1つ以上のセンサ(例えば、流れセンサ520)を使用することにより、消費者の吹かし動作によって加熱が開始される。吹かしが続かなくなると、加熱は止まるか低下する。消費者が、十分な量(例えば、典型的な喫煙エクスペリエンスに相当する量)の吸入可能物質が放出されるほど十分な回数の吹かす動作を実施したら、エアロゾル源部材304は、制御部本体302から取り外されて廃棄されてよい。幾つかの実施態様では、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願第15/707,461号(フィリップス等(Phillips et al.))において論じられているように、更なるセンシング素子(例えば、容量性センシング素子及び他のセンサ)が使用されてよい。
【0077】
様々な実施態様では、エアロゾル源部材304は、適切な形状(例えば、管形状)を形成及び維持すること、並びにその中にエアロゾル前駆体組成物410を保持することに適する任意の材料で形成されてよい。幾つかの実施態様では、エアロゾル源部材は、単一の壁で形成されてよく、或いは他の実施態様では複数の壁で形成されてよく、少なくとも、電気加熱素子によって与えられる加熱温度である温度においてその構造的完全性を保持するような(例えば、劣化しないような)、耐熱性の材料(天然材料又は合成材料)で形成されてよい。これについては本明細書で更に論じる。幾つかの実施態様では耐熱性ポリマーが使用されてよいが、他の実施態様では、紙(例えば、ほぼ藁状の紙)からエアロゾル源部材が形成されてよい。本明細書で更に論じるが、エアロゾル源部材は、蒸気の通過の動きをほぼ阻止するように働く、エアロゾル源部材に関連付けられた1つ以上の層を有してよい。一例示的実施態様では、エアロゾル源部材の1つの表面にアルミニウムフォイル層が積層されてよい。セラミック材料も使用されてよい。別の実施態様では、エアロゾル前駆体組成物から熱が無駄に逃げないように断熱材料が使用されてよい。上述の機能を実現する為に使用可能なコンポーネント及び材料、又は上述の材料及びコンポーネントの代替として使用可能なコンポーネント及び材料の別の例示的タイプとして、米国特許出願公開第2010/00186757号(クルックス等(Crooks et al.))、同第2010/00186757号(クルックス等(Crooks et al.))、同第2011/0041861号(セバスチャン等(Sebastian et al.))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載のタイプのコンポーネント及び材料があってよい。
【0078】
図示の実施態様では、制御部本体302は、電気加熱素子532に電力を供給する機能を含む、エアロゾル送達装置300の様々な機能を制御する制御コンポーネント522を含む。例えば、制御コンポーネントは、導電性ワイヤ(図示せず)で電源524に接続されている処理回路(これは、本明細書で詳述するように、別のコンポーネントに接続されてよい)を含んでよい。様々な実施態様では、処理回路は、消費者が吸入する吸入可能物質を放出する為に、加熱アセンブリ528、具体的には加熱プロングがいつどれだけの電気エネルギを受けてエアロゾル前駆体組成物410を加熱するかを制御してよい。幾つかの実施態様では、そのような制御は、既に詳述したように、流れセンサ520によって活性化されてよい。
【0079】
図5及び6に見られるように、図示の実施態様の加熱アセンブリ528では、外側円筒530及び加熱素子532(例えば、複数の加熱プロング)が受けベース534から延びる。幾つかの実施態様、例えば、エアロゾル前駆体組成物410が管構造を含むような実施態様では、加熱プロングは、エアロゾル前駆体組成物の内側表面によって画定されたキャビティの中へ延びるように構成されてよい。他の実施態様、例えば、エアロゾル前駆体組成物が固体又は半固体を含む図示の実施態様では、複数の加熱プロングは、エアロゾル源部材304が制御部本体302に挿入されたときに、エアロゾル源部材304の加熱端部406に収容されているエアロゾル前駆体組成物に突き刺さるように構成されてよい。そのような実施態様では、加熱プロング及び/又は受けベースを含む、加熱アセンブリのコンポーネントのうちの1つ以上が、ノンスティック性又は耐スティック性の材料で作られてよく、例えば、特定のアルミニウム、銅、ステンレス綱、炭素鋼、及びセラミック材料で作られてよい。他の実施態様では、加熱プロング及び/又は受けベースを含む、加熱アセンブリのコンポーネントのうちの1つ以上が、ノンスティック性コーティング(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティング(テフロン(登録商標)等)を含む)、又は他のコーティング、例えば、耐スティック性エナメルコーティング、又はセラミックコーティング(グレブロン(登録商標)又はサーモロン(商標)等)を含んでよい。
【0080】
更に、図示の実施態様では複数の加熱プロング532が受けベース534の辺りにほぼ均一に分布しているが、他の実施態様では、わずか1つを含む任意の数の加熱プロングが他の任意の適切な空間構成で使用されてよいことに留意されたい。更に、様々な実施態様では、加熱プロングの長さが様々であってよい。例えば、幾つかの実施態様では、加熱プロングは小さな突起で構成されてよいが、他の実施態様では、加熱プロングは、受けチャンバ536の長さの任意の割合まで延びてよく、例えば、受けチャンバの長さの約25%まで、又は約50%まで、又は約75%まで、又は約100%まで延びてよい。更に他の実施態様では、加熱アセンブリ528は他の構成であってよい。上述の議論に従って本発明で使用されるように適合されうる他の加熱器構成の例として、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第5,060,671号(カウンツ等(Counts et al.))、同第5,093,894号(ディービ等(Deevi et al.))、同第5,224,498号(ディービ等(Deevi et al.))、同第5,228,460号(スプリンケル Jr.等(Sprinkel Jr., et al.))、同第5,322,075号(ディービ等(Deevi et al.))、同第5,353,813号(ディービ等(Deevi et al.))、同第5,468,936号(ディービ等(Deevi et al.))、同第5,498,850号(ダス(Das))、同第5,659,656号(ダス(Das))、同第5,498,855号(ディービ等(Deevi et al.))、同第5,530,225号(ハジャリゴル(Hajaligol))、同第5,665,262号(ハジャリゴル(Hajaligol))、及び同第5,573,692号(ダス等(Das et al.))、並びに米国特許第5,591,368号(フライシュハウアー等(Fleischhauer et al.))に記載のものがあってよい。
【0081】
様々な実施態様では、制御部本体302は、周囲空気が受けチャンバ536の内部に入ることを可能にする空気取入口538(例えば、1つ以上の開口部又はアパーチャ)をその中に含んでよい。幾つかの実施態様では、受けベース534もそのような方法で空気取入口を含んでよい。従って、幾つかの実施態様では、消費者がエアロゾル源部材304の口端部を吸うと、空気は、制御部本体及び受けベースの空気取入口から受けチャンバに取り込まれて、エアロゾル源部材に入り、エアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物410を通り抜けて、消費者によって吸入されることが可能である。幾つかの実施態様では、取り込まれた空気は、吸入可能物質を運んで任意選択のフィルタ414を通り抜けて、エアロゾル源部材の口端部408の開口部から外に出る。加熱素子532がエアロゾル前駆体組成物の内部に位置する状態で、加熱プロングは、活性化されて、エアロゾル前駆体組成物を加熱し、エアロゾル源部材からの吸入可能物質の放出を引き起こすことが可能である。
【0082】
既に
図5及び6を参照して具体的に述べたように、本開示の様々な実施態様では、導電性加熱器を使用してエアロゾル前駆体組成物410を加熱する。又、既に示したように、他の様々な実施態様では、誘導加熱器を使用してエアロゾル前駆体組成物を加熱する。これらの実施態様の幾つかでは、加熱アセンブリ528は、誘導トランスミッタ及び誘導レシーバを有するトランスフォーマを含む誘導加熱器として構成されてよい。加熱アセンブリが誘導加熱器として構成される実施態様では、外側円筒530は誘導トランスミッタとして構成されてよく、受けベース534から延びる加熱素子532(例えば、複数の加熱プロング)は誘導レシーバとして構成されてよい。様々な実施態様では、誘導トランスミッタ及び誘導レシーバの一方又は両方が、制御部本体302及び/又はエアロゾル源部材304の中に位置してよい。
【0083】
様々な実施態様では、誘導トランスミッタ及び誘導レシーバとしての外側円筒530及び加熱素子532は、1つ以上の導電性材料で作られてよく、別の実施態様では、誘導レシーバは、コバルト、鉄、ニッケル、及びこれらの組み合わせを含みこれらに限定されない強磁性体材料で作られてよい。一例示的実施態様では、フォイル材料は導電性材料で作られ、加熱プロングは強磁性体材料で作られる。様々な実施態様では、受けベースは、非導電性及び/又は絶縁性の材料で作られてよい。
【0084】
誘導トランスミッタとしての外側円筒530は、支持円筒を包囲するフォイル材料を有する積層物を含んでよい。幾つかの実施態様では、フォイル材料は表面に電気的トレースが印刷されてよく、例えば、誘導レシーバとしての加熱素子532の周囲にフォイル材料が配置されたときに(幾つかの実施態様では)らせんコイルパターンを形成することが可能な1つ以上の電気的トレースが印刷されてよい。フォイル材料及び支持円筒は、それぞれが管状形態を画定してよい。支持円筒は、フォイル材料が動いて加熱プロングに接触して短絡を引き起こすことがないように、フォイル材料を支持するように構成されてよい。そのような方法で、支持円筒は非導電性材料を含んでよく、これは、フォイル材料によって発生する振動磁界に対してほぼ透過的であってよい。様々な実施態様では、フォイル材料は、支持円筒に埋め込まれるか別の形態で支持円筒と結合してよい。図示の実施態様では、フォイル材料は支持円筒の外側表面と係合しているが、他の実施態様では、フォイル材料は、支持円筒の内側表面に位置するか支持円筒に完全に埋め込まれてよい。
【0085】
外側円筒530のフォイル材料は、交流電流が通されると振動磁界(例えば、時間とともに周期的に変化する磁界)を発生させるように構成されてよい。加熱素子532の加熱プロングは、少なくとも一部分が外側円筒内に位置するか外側円筒に受け入れられてよく、導電性材料を含んでよい。フォイル材料に交流電流を通すことにより、誘導による渦電流を加熱プロング内に発生させることが可能である。加熱プロングを画定している材料の抵抗を流れる渦電流により、加熱プロングがジュール加熱によって(即ち、ジュール効果により)加熱されることが可能である。加熱プロングは、無線で加熱されて、加熱プロングの近傍に位置するエアロゾル前駆体組成物410からエアロゾルを形成してよい。
【0086】
エアロゾル送達装置、制御部本体、及びエアロゾル源部材の他の実施態様が、既に引用した米国特許出願第15/916,834号(サー等(Sur et al.))、同第15/916,696号(サー(Sur))、及び同第15/836,086号(サー(Sur))に記載されている。
【0087】
図7及び8はエアロゾル送達装置の実施態様を示しており、これは、非燃焼非加熱装置の場合には制御部本体及びカートリッジを含む。この点において、
図7は、本開示の様々な例示的実施態様によるエアロゾル送達装置700の側面図を示しており、装置700は制御部本体702及びカートリッジ704を含む。具体的には、
図7は、互いに結合された制御部本体及びカートリッジを示している。制御部本体及びカートリッジは、取り外し可能に一直線に並べられて、機能する関係になることが可能である。
【0088】
図8は、幾つかの例示的実施態様によるエアロゾル送達装置700をより具体的に示している。ここに示した切り欠き図に見られるように、この場合も、エアロゾル送達装置は制御部本体702及びカートリッジ704を含んでよく、これらのそれぞれはそれぞれのコンポーネントを幾つか含む。
図8に示した各コンポーネントは、制御部本体及びカートリッジにおいて存在しうるコンポーネントのうちの代表的なものであり、本開示によって包含されるコンポーネントの範囲を限定するものではない。図示のように、例えば、制御部本体は、制御部本体ハウジング又はシェル806に制御コンポーネント808(例えば、処理回路等)、入力装置810、電源812、及びインジケータ814(例えば、LED、量子ドットベースLED)が含まれて形成されてよく、これらのコンポーネントは様々に位置合わせされてよい。ここで、適切な制御コンポーネントの具体例として、マイクロチップテクノロジーインク(Microchip Technology Inc.)製のPIC16(L)F1713/6マイクロコントローラがあり、これについては、参照によって組み込まれているマイクロチップテクノロジーインク著「AN2265, Vibrating Mesh Nebulizer Reference Design(メッシュ式ネブライザーの基準設計)」 (2016年)で説明されている。
【0089】
カートリッジ704は、ハウジング(カートリッジシェル816と呼ぶこともある)が、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ818を囲み、圧電/圧磁メッシュを有するノズル820(エアロゾル発生コンポーネント)を内蔵することによって形成されてよい。上記と同様に、様々な構成において、この構造はタンクと呼ばれてよい。
【0090】
図8に示したリザーバ818は容器であってよく、或いは本明細書に記載のように繊維性リザーバであってよい。リザーバは、リザーバハウジングに貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をノズル820に給送する為にノズル820と流体連通していてよい。形成されたエアロゾルがカートリッジ704から出ていくことを可能にする開口部822がカートリッジシェル816(の、例えば、口端部)に存在してよい。
【0091】
幾つかの実施例では、リザーバ818とノズル820との間に給送要素が配置されてよく、給送要素は、リザーバからノズルへと通過する、即ち送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてよい。幾つかの実施例では、マイクロ流体チップがカートリッジ704に埋め込まれてよく、リザーバから送達されるエアロゾル前駆体組成物の量及び/又は質量は、1つ以上のマイクロ流体コンポーネントによって制御されてよい。マイクロ流体コンポーネントの一例は、マイクロポンプ824(例えば、微小電子機械システム(MEMS)技術をベースとするマイクロポンプ)である。適切なマイクロポンプの例として、シンエックスエックスエスマイクロテクノロジAG(thinXXS Microtechnology AG)製のモデルMDP2205マイクロポンプその他、バーテルスマイクロテクニークGmbH(Bartels Mikrotechnik GmbH)製のmp5及びmp6モデルマイクロポンプその他、及びタカサゴフルイディックシステムズ(Takasago Fluidic Systems)製の圧電マイクロポンプがある。
【0092】
又、図示のように、幾つかの実施例では、ノズルに送達されるエアロゾル前駆体組成物を濾過する為に、マイクロポンプ824とノズル820との間にマイクロフィルタ826が配置されてよい。マイクロポンプと同様に、マイクロフィルタもマイクロ流体コンポーネントである。適切なマイクロフィルタの例として、ラボオンチップ(LOC)技術を使用して製造されたフロースルーマイクロフィルタがある。
【0093】
使用時には、エアロゾル送達装置を活性化するユーザ入力を入力装置810が検出すると、圧電/圧磁メッシュが活性化されて振動し、それによって、エアロゾル前駆体組成物が引き寄せられてメッシュを通る。これによってエアロゾル前駆体組成物の液滴が形成され、これが空気と混ざり合ってエアロゾルが形成される。エアロゾルは、はたかれるか吸引されるか他の方法でメッシュから引き離され、エアロゾル送達装置の口端部の開口部822から出る。
【0094】
エアロゾル送達装置700は、エアロゾル発生が必要になったとき(例えば、使用中の吸入時)のノズル820の圧電/圧磁メッシュへの電力の供給を制御する為に、スイッチ、センサ、又は検出器等の入力装置810が組み込まれてよい。従って、例えば、エアロゾル送達装置が使用中であって吸入されないときにメッシュへの電力をオフにすること、並びに吸入時にエアロゾルの発生及びノズルからの小出し供給を作動させるかトリガする為に電力をオンにすることの方式又は方法が提供される。センシング又は検出の機構の更なる代表的なタイプ、それらの構造及び構成、それらのコンポーネント、それらの動作の一般的な方法については既に述べており、又、米国特許第5,261,424号(スプリンケル Jr.等(Sprinkel, Jr.))、同第5,372,148号(マカファーティ等(McCafferty et al.))、及び国際特許出願公開第WO2010/003480号(フリック(Flick))(これらは全て、参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0095】
非燃焼非加熱装置の場合のエアロゾル送達装置の上述及び他の実施態様に関する詳細については、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願第15/651,548号(サー(Sur)、2017年7月17日出願)を参照されたい。
【0096】
上述のように、電子タバコ、非燃焼加熱装置、又は非燃焼非加熱装置の文脈において、更には、電子タバコ、非燃焼加熱装置、又は非燃焼非加熱装置のうちの1つ以上が有する機能性を含む装置の場合において、例示的実施態様のエアロゾル送達装置は様々な電子コンポーネントを含んでよい。
図9は、本開示の様々な例示的実施態様によるエアロゾル送達装置100、300、700のうちの任意の1つ以上のエアロゾル送達装置であってよいエアロゾル送達装置900、又はその任意の1つ以上のエアロゾル送達装置の機能性を組み込んでよいエアロゾル送達装置900の回路図を示す。
【0097】
図9に示すように、エアロゾル送達装置900は制御部本体902を含み、制御部本体902は電源904及び制御コンポーネント906を有しており、これらは、制御部本体102、302、702、電源212、524、812、及び制御コンポーネント208、522、808のそれぞれに対応しうるか、それぞれが有する機能性を含みうる。エアロゾル送達装置は又、エアロゾル発生コンポーネント916を含み、これは、加熱素子220、532、又はノズル820の圧電/圧磁メッシュに対応しうるか、それらが有する機能性を含みうる。制御部本体902は、エアロゾル発生コンポーネント916、又はエアロゾル発生コンポーネントを制御部本体につなぐように構成された端子918を含んでよい。
【0098】
幾つかの実施態様では、制御部本体902は、空気流の測定値を生成するように構成されたセンサ908を含む。センサ908は、流れセンサ210、520、又は入力装置810に対応しうるか、それらが有する機能性を含みうる。これらの実施態様では、制御コンポーネント906は、電源904とエアロゾル発生コンポーネント916との間にあってそれらと結合されているスイッチ910を含む。制御コンポーネントは又、センサ及びスイッチと結合された処理回路912を含む。スイッチは、酸化金属半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)スイッチであってよい。センサは、処理回路のインターインテグレーテッドサーキット(I2C)、Vcc、及び/又は接地に接続されてよい。
【0099】
幾つかの実施態様では、処理回路912は、ユーザの年齢を確認すること、並びに、エアロゾル発生時間の間にエアロゾル発生コンポーネントに電力を供給する為に、電源904からの出力電圧を切換可能にエアロゾル発生コンポーネント916に接続したり、エアロゾル発生コンポーネント916から切断したりすることをスイッチ910に行わせる(矢印922で示されたような)信号を出力することを行うように構成されている。幾つかの実施態様では、処理回路912は、パルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成されている。出力電圧を切換可能にエアロゾル発生コンポーネントに接続したりエアロゾル発生コンポーネントから切断したりすることをスイッチに行わせる為に、PWM信号のデューティサイクルは調節可能である。接続をいつ行うかを決定する為に年齢確認及び認証のプロセスが使用されてよい。ユーザの確認又は認証が行われない場合には、エアロゾル発生コンポーネントに電圧が供給されるのを阻止する為にスイッチが切断されてよい。或いは、スイッチが切断状態にあって、ユーザの確認又は認証が行われない場合には、スイッチは切断状態のままになる。同様に、ユーザの確認又は認証が行われた場合には、電流が充電アクセサリから装置に流れることが可能になるようにスイッチが接続を確立してよい。言い換えると、ユーザの確認又は認証が行われた場合には、出力電圧は、エアロゾル発生コンポーネントに供給されることを許可される。
【0100】
図示していないが、処理回路912及び/又は信号調整回路914は、取り付けられたカートリッジが正しく登録されているかどうかの判定に基づいて認証又は確認の為の信号と結合されてよく又は認証又は確認の為の信号を受信してよい。確認又は認証の信号が受信されて、それが正しい場合には、処理回路912は、スイッチ910をオンにして、エアロゾル送達装置の動作を可能にしてよい。代替又は追加として、確認信号が受信されないか、それが正しくない場合には、処理回路912は、スイッチ910をシャットオフして、エアロゾル送達装置900の動作を阻止してよい。カートリッジのシリアル番号の登録及び年齢確認の為の構造、動作、及び通信については、
図11~16に詳細に示すとともに、これらの図を参照して詳述する。米国特許第8,689,804号(フェルナンド等(Fernando et al.)では喫煙装置用識別システムが開示されており、この開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている。幾つかの実施態様では、制御コンポーネント906は更に、センサ908及び処理回路912と結合された信号調整回路914を含む。そのような実施態様の信号調整回路は、スイッチ910の動作をマニピュレートするように構成されてよい。信号調整回路については、以下で
図10を参照して詳述する。
【0101】
図10は、本開示の一例示的実施態様による、信号調整回路914に対応しうる信号調整回路1000の回路図を示す。図示のように、幾つかの実施態様では、信号調整回路1000は、信号調整チップ1001と、双方向電圧レベル変換器1002とを含む。適切な信号調整チップの一例が、ザップテックコーポレーション(Zap-Tech corporation)製のモデルZAP 3456である。そして、適切な双方向電圧レベル変換器の一例が、NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)製のモデルNVT 2003双方向電圧レベル変換器である。
【0102】
一実施例では、
図10に示すように、信号調整チップ1001は双方向電圧レベル変換器1002に接続されてよく、双方向電圧レベル変換器は、処理回路912の5V入力及び接地に接続されてよい。なお、
図10に示した値(例えば、電圧、抵抗、及び静電容量)は例示を目的としているに過ぎず、特に断らない限り、これらの値は本開示における限定として解釈されるべきではない。
【0103】
図11a、
図11b、及び
図11cは、カートリッジ登録の例示的システム図を示す。
図11aは、ユーザの年齢確認を行う為に装置1106が年齢確認システム1102と通信する様子を示しており、これは、装置1106を定期的に認証することにも使用されてよい。装置1106は、上述のようなエアロゾル送達装置を含む任意の電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置であってよい。一実施形態では、装置1106は、米国特許第____________号、件名「エアロゾル送達装置の為の認証及び年齢確認(AUTHENTICATION AND AGE VERIFICATION FOR AN AEROSOL DELIVERY DEVICE)」(事件番号16004-54)(これは、2019年4月2日付けの米国特許仮出願第62/282,222号の優先権を主張するものであり、これらのそれぞれの開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている)に記載のアクセサリのような充電アクセサリであってよく、又はそのような充電アクセサリを含んでよい。様々な実施形態との組み合わせで使用されてよい他の例の充電器又は充電アクセサリが更に、米国特許公開第2019/0089180号(ラジェシュ サー(Rajesh Sur))、同第2015/0224268号(ヘンリー等(Henry et al.))、及び米国特許第10,206,431号)サー等(Sur et al.))(これらのそれぞれは参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0104】
装置1106はカートリッジ1108を含む。カートリッジ1108は、
図1~10に関して説明したカートリッジであってよい(例えば、カートリッジ104、エアロゾル源部材304、カートリッジ704、又はエアロゾル発生コンポーネント916であってよい)。カートリッジ又はカートリッジのグループには、
図12に関して説明するような、認証及び/又は年齢確認に使用される固有識別子が割り当てられてよい。他の実施形態では、固有識別子は、カートリッジ以外のコンポーネントに割り当てられてよい。
【0105】
記載のように、年齢確認システム1102は、(例えば、年齢制限製品の為の)年齢確認を行うことが可能であるだけでなく、装置1106用のカートリッジ1108に割り当てられた固有識別子に基づく(例えば、実購入の為又は盗難防止の為の)認証又はユーザ識別を提供することも可能である。後述の認証は、最初に年齢確認を行い、次に固有識別子を使用する後続の認証の為に年齢確認を参照することを前提としてよい。但し、年齢確認のみ以外の他の確認メカニズムがあってよい。例えば、幾つかの実施形態では、年齢確認の代わりにユーザ識別が行われてよく、ユーザ識別にはカートリッジ用固有識別子が使用されてよい。固有識別子は、特定のタイプに関してのみ固有であってよい。例えば、全ての消耗品が固有識別子を有してよく、全てのカートリッジが固有識別子を有してよいが、消耗品とカートリッジとが(即ち、タイプの異なるもの同士が)同じ識別子を有することがあってよい。つまり、識別子は、異なる製品及びタイプごとに繰り返されてよい。他の実施形態では、固有性は、製品の特定の風味/タイプ/サイズ等に基づいてよい。例えば、多くの異なる風味のカートリッジがあってよく、それらの風味の中でのみ識別子が固有である。
【0106】
年齢確認システム1102はデータベースを含んでよく、このデータベースは、ユーザを年齢とともに追跡し、同時に、カートリッジごとの固有識別子と、それらのカートリッジに対してどの装置又はユーザが承認されているか、とのレコードを保持する。レコードは、暗号化されてよく、且つ/又は、ユーザごとに匿名識別子(例えば、番号、文字、又は任意の英数字識別子)を使用してよい。
図16に関して述べるような年齢確認を含むユーザプロファイルが(例えば、装置1106上に、又はホスト装置1104上のアプリケーション又はアプリから)保管されてよい。ホスト装置1104上のアプリは、ネットワーク経由でユーザプロファイルにアクセスできる。ユーザが最初に、年齢確認システムデータベースにおいて確認される形で年齢確認されたら、そのユーザのユーザプロファイルが生成及び保存されてよく、それにより、その後の確認(即ち「認証」)はこのデータベースに対する呼び出しだけでよい。ユーザプロファイルは又、特定のユーザに関連付けられた装置、並びにやはりそのユーザに関連付けられたカートリッジのリストを含んでよい。ユーザの年齢確認及び認証が済んでいるとすると、ユーザの登録済みカートリッジは、そのユーザの装置とともに使用されることを承認されなければならない。一実施例では、カートリッジが交換されるたびにユーザはその新しいカートリッジを認証することが必要になる場合があり、これには、ユーザプロファイルをチェックして、カートリッジに関連付けられた固有識別子がそのユーザに対して承認されていることを確認することが含まれる。幾つかの実施形態では、カートリッジの再認証は、特定の回数だけ装置11106を吹かした後に必要になってよく、又は時間の経過に基づいて(例えば、1時間、1日、1週間、1か月等に1回)行われてよい。オンラインデータベースは、認証の要求を追跡し、ユーザごとに限度を設定してよい。これにより、単一ユーザが他の未成年ユーザの装置をロック解除する詐欺行為の可能性を無くすことが可能である。又、これにより、登録済みカートリッジの再分配が阻止されることになる。装置、充電器、及び/又は認証の数に関して妥当な限度を設けることにより、この詐欺行為の可能性を無くすことが可能である。例えば、限度は、1か月間に10カートリッジまでであってよい。
【0107】
図11bは、年齢確認システム1102と装置1106とにホスト装置1104が結合された実施形態を示す。ホスト装置1104は、任意のコンピュータ装置であってよく、例えば、スマートフォン、タブレット、又はコンピュータであってよい。ホスト装置1104は、カートリッジ1108が承認済みかどうかに関して装置1106と通信してよく又は装置1106に命令してよい。カートリッジの承認は、
図14~15に関して述べるように、認証済み又は年齢確認済みのユーザに正しく関連付けられているカートリッジに関連付けられた固有識別子に基づいてよい。幾つかの実施形態では、ホスト装置1104は、装置1106に直接つながって、例えば、装置1106に電力を供給したり装置1106と通信したりしてよい。一実施形態では、装置1106からの通信は、ホスト装置1104を通り抜けることが可能である。ホスト装置1104は、ネットワーク(例えば、ネットワーク1103)経由で通信するように既に構成されている場合があり、その場合、装置1106は、同レベルの通信機能を必要としなくてよい。ホスト装置1104がその機能を提供するからである。幾つかの実施形態では、ホスト装置1104は、年齢確認システム1102と通信すると直ちに、カートリッジ1108を装置1106で使用することを阻止することが可能である。
【0108】
認証は、ユーザが既に年齢確認済みである場合にそのユーザの識別を確認するプロセスであってよい。ユーザが年齢確認を行わない場合、認証プロセスは失敗することになる。記載のように、認証プロセスは、カートリッジ1108が装置1106で使用されるように登録されていることを、固有識別子の割り当て(例えば、カートリッジに割り当てられたシリアル番号)に基づいて確認することを含んでよい。年齢確認プロセスは、認証プロセスより少ない頻度で(例えば、装置購入時に)行われてよく、認証プロセスはカートリッジが交換されるたびに行われてよい。代替実施例では、より多い頻度で認証プロセスが必要とされてよく、これは、カートリッジに割り当てられた固有識別子を含んでも含まなくてもよい。その認証プロセスは、使用ごとに必要とされてよく、又は吹かし回数又は吹かし時間に基づいてよい。認証プロセスが失敗したら、装置1106が動作しなくなってよい。例えば、カートリッジ1108の固有識別子が装置1106での使用を承認されていない場合には、カートリッジ1108は、加熱に必要な電気を受けることを阻止されてよい。
【0109】
年齢確認システム1102は、ユーザが、エアロゾル送達装置を含む電子ニコチン送達システム(「ENDS」)装置(これらは両方とも装置1106の例である)のような特定の製品を使用できる年齢であるかどうかについて示す。年齢確認システム1102の少なくとも幾つかのコンポーネント又は機能は、装置1106又はホスト装置1104の一部であってよい。例えば、年齢確認システム1102からの処理及び判定は、リモートデータベースにアクセスした後にローカルで行われてよい。一代替実施形態では、年齢確認システム1102は、
図11cに関して述べるように、リモートに配置されてネットワーク経由でアクセス可能であってよい。
【0110】
図11cは、ネットワーク1103を介して接続された年齢確認システム1102の一実施形態を示す。
図11aでは装置1106が認証の為に年齢確認システム1102と結合されており、
図11bではホスト装置1104が認証の為に年齢確認システム1102と結合されているのに対し、
図11cは、年齢確認システム1102がネットワーク1103を介してホスト装置1104と結合されている実施形態を示している。図示していないが、年齢確認システム1102は、ネットワーク1103を介して装置1106と結合されてよい。
【0111】
本開示は、命令を含むか、伝搬信号に応答して命令を受け取って実行するコンピュータ可読媒体を想定している為、ネットワークに接続している装置が音声、ビデオ、オーディオ、画像、又は他の任意のデータをネットワーク経由で伝達することが可能である。装置1106、ホスト装置1104、又は年齢確認システム1102は、1つ以上の通信ポートからネットワーク経由で命令を出力してよい。通信ポートは、ソフトウェアの形で作成されてよく、又はハードウェアの形での物理的接続であってよい。ネットワークとの接続は、有線イーサネット接続等の物理的接続であってよく、又は後述のように無線で確立されてよい。同様に、他のコンポーネントとの接続は、物理的接続であってよく、又は無線で確立されてよい。装置1106又はホスト装置1104は、ネットワーク1103を含むがこれに限定されないネットワークを通して通信してよい。例えば、認証回路1302は、年齢確認システム1102と結合されるようにネットワーク機能を含んでよい。これらのコンポーネントは、ネットワーク(例えば、ネットワーク1103)と接続するように構成された通信ポートを含んでよい。
【0112】
ネットワーク(例えば、ネットワーク1103)は、装置同士をつないで通信の交換が可能になるようにしてよく、例えば、装置1106、ホスト装置1104、及び/又は年齢確認システム1102の間で可能になるようにしてよく、例えば、無線ネットワークを介してつながった他の無線装置同士の間でも可能になるようにしてよい。記載のように、分析対象のデータを保管するマシンのクラスタが、1つ以上のネットワーク(例えば、ネットワーク1103)を介して接続されてよい。ネットワークは又、マスストレージを含んでよく、例えば、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ストレージエリアネットワーク(SAN)、又は他の形態のコンピュータ可読媒体又はマシン可読媒体等を含んでよい。ネットワークは、インターネット、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、1つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、有線型接続、無線型接続、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。同様に、異なるアーキテクチャを使用していてよいサブネットワークや、異なるプロトコルに準拠しているかそれと互換であってよいサブネットワーク等のサブネットワーク同士が大きなネットワークの中で相互運用していてよい。様々なタイプの装置が、例えば、異なるアーキテクチャ又はプロトコルに対して相互運用可能な機能を提供する為に利用可能にされてよい。一例示的実施例として、ルータが、それぞれ別個で独立している複数のLANの間のリンクを提供してよい。通信リンク又は通信チャネルとしては、例えば、アナログ電話回線(ツイストワイヤペア等)、同軸ケーブル、フルデジタル回線又はフラクショナルデジタル回線(T1、T2、T3、又はT4型回線を含む)、統合サービスデジタル通信網(ISDN)、デジタル加入者線(DSL)、無線リンク(衛星リンクを含む)、又は他の、当業者には周知であろうような通信リンク又は通信チャネルがあってよい。更に、コンピューティング装置又は他の関連電子機器が(例えば、電話回線又は電話リンク等を介して)リモートでネットワークに結合されてよい。
【0113】
装置同士、例えば、装置1106、ホスト装置1104、及び年齢確認システム1102が無線ネットワークで結合されてよい。ネットワーク1103は、無線ネットワークを含んでよく、スタンドアロンアドホックネットワーク、メッシュネットワーク、無線LAN(WLAN)ネットワーク、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、セルラネットワーク等を使用してよい。無線ネットワークは更に、端末、ゲートウェイ、ルータ等が無線ラジオリンク等で結合されたシステムを含んでよく、これらは自由に動くことが可能であり、ランダムに動くことが可能であり、又は任意の編成になることが可能であり、それによって、ネットワークトポロジが時々(場合によっては急激に)変化することが可能である。無線ネットワークは更に、複数のネットワークアクセス技術を使用してよく、そのようなものとして、ロングタームエボリューション(LTE)、WLAN、無線ルータ(WR)メッシュ、第2世代、第3世代、又は第4世代(2G、3G、4G、5G以降)のセルラ技術等がある。ネットワークは、1つ以上のネットワークアクセス技術によりRF型又は無線型の通信を可能にでき、そのような技術として、モバイル通信用グローバル システム(Global System for Mobile communication )(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System)(UMTS)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Services)(GPRS)、拡張データGSM環境(Enhanced Data GSM Environment)(EDGE)、3GPPロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、広帯域符号分割多重接続(Wideband Code Division Multiple Access)(WCDMA(登録商標))、Bluetooth、802.11b/g/n、Zigbee、Z Wave、IEEE 802.16(例えば、WiMax)、及び/又は他のWWAN/WMAN技術等(上述の技術のいずれかの将来バージョンを含む)がある。無線ネットワークは、装置間の信号伝達を可能にする、ほぼあらゆるタイプの無線通信メカニズムを包含してよい。幾つかの実施形態では、上掲の通信プロトコルは、装置1106とホスト装置1104との間の通信に使用されてよく、そしてホスト装置1104は、同じ通信プロトコル又は別の通信プロトコルで年齢確認システム1102と通信する。
【0114】
ネットワーク(例えば、ネットワーク1103、又は関係する複数のデジタル通信ネットワークのネットワーク)を介して伝達される信号パケットは、1つ以上のプロトコルと互換であってよく、又はそれらのプロトコルに準拠してよい。使用されるシグナリングのフォーマット又はプロトコルとして、例えば、TCP/IP、UDP、DECnet、NetBEUI、IPX、Appletalk等があってよい。インターネットプロトコル(IP)のバージョンは、IPv4又はIPv6を含んでよい。インターネットは、複数のネットワークの分散型グローバルネットワークを意味する。インターネットは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線ネットワーク、又は(例えば、信号パケットがLAN間で伝達されることを可能にする)ロングホールパブリックネットワークを含む。信号パケットは、ネットワークのノード間で伝達されてよく、例えば、ローカルネットワークアドレスを使用する1つ以上のサイト等に伝達されてよい。信号パケットは、例えば、ユーザサイトから、インターネットと結合されたアクセスノードを介して、インターネット上を伝達されてよい。同様に、信号パケットは、例えば、ネットワークアクセスノードを介してネットワークと結合されたターゲットサイトへ、ネットワークノードを介して転送されてよい。インターネット経由で伝達される信号パケットは、例えば、ゲートウェイ、サーバ等のパスを経由してルーティングされてよく、そのパスは、ターゲットアドレスと、ターゲットアドレスまでのネットワークパスの可用性とに従って信号パケットをルーティングすることが可能である。この信号パケット通信は、装置1106、ホスト装置1104、及び/又は年齢確認システム1102の間のデータ通信に適用可能であってよい。
【0115】
図11cは、装置1106がネットワーク(例えば、ネットワーク1103)に直接接続可能であってよいことを示している。或いは、装置1106は、ホスト装置1104であると見なされてよく、又はホスト装置1104によって与えられる機能を有してよい。具体的には、装置1106は、ネットワークインタフェース(上述の実施例)を含んでよく、年齢確認システム1102との通信をネットワーク1103経由で提供してよい。一実施例では、ネットワークインタフェースはWPAN(例えば、Bluetooth)であってよく(その場合はやはりホストがあってよい)、又はネットワークインタフェースはWLANであってよい。
【0116】
図12は、カートリッジに対する固有識別子の割り当てを示す。装置1106は、動作に必要なカートリッジ1108を有してよい。ENDS装置の場合、カートリッジは使い捨て且つ交換可能であってよい。従って、カートリッジは単品又はパックで販売されてよい。例えば、ユーザは、風味又はニコチン含有量が異なる複数のカートリッジが入ったパッケージ又はパックを購入してよい。一実施形態では、(カートリッジ1、カートリッジ2、…、カートリッジnとラベル付けされた)全てのカートリッジ1108が固有識別子1209を有してよい。固有識別子1209は、n個のカートリッジのそれぞれを個別に識別するシリアル番号又は他の固有表現であってよい。
図12は、各カートリッジ(カートリッジ1~n)に関連付けられた固有シリアル番号(シリアル#1、シリアル#2、…、シリアル#n)があることを示している。一代替実施例では、カートリッジのパックごとに固有識別子に関連付けられてよく、これにより、1つのパックの全てのカートリッジがその固有識別子に関連付けられることになる。そのパックの固有識別子が特定の装置用又はユーザ用として承認されたら、そのパックにある全てのカートリッジがその装置で動作することになる。
【0117】
固有識別子又はシリアル番号は、製造工程中にカートリッジに割り当てられてよい。別の実施例では、販売代理店又は他のサプライチェーンエンティティがカートリッジに割り当ててよい。海外で製造されたカートリッジは、流通の為の入荷時に割り当てられてよい。
図14~15に関して述べるように、ユーザは年齢確認済みである必要があり(例えば、
図16)、カートリッジの購入時又は登録時に固有識別子がそのユーザ及びそのユーザの装置に関連付けられる。一実施形態では、各ユーザはユーザプロファイルを有してよく、これは、ネットワーク経由でアクセス可能であるかコンピューティング装置(例えば、モバイル装置又はコンピュータ)に保管され、固有識別子を使用して更新される。一代替実施例では、装置1106は、ユーザプロファイル又はユーザプロファイルのコピーを保管してよく、ユーザは、装置1106を使用して、パスワード、指紋、又は顔認識で認証される。カートリッジ1108が装置1106に対して承認済みであるとしてユーザプロファイルにリストされない限り、カートリッジ1108はその装置1106で動作可能にならない。
【0118】
ユーザのプロファイルは、ホスト装置1104上にあってよく(例えば、
図13のメモリ1306に保管されてよく)、又はネットワーク経由で年齢確認システム1102からアクセス可能であってよい。
図14~15に関して述べるように、カートリッジの固有識別子はユーザプロファイルに関連付けられる。一実施例では、装置1106は、カートリッジ1108に動作用電力を供給するスイッチ(例えば、
図13の1308)を開いてよい。カートリッジ1108は、承認されていない場合には、特定の装置1106で動作することができない。
【0119】
カートリッジ1108が装置1106に接続されると、その固有識別子が装置1106によってスキャンされるか、カートリッジと装置とのインタフェースの二次データピンを通って送られてよい。代替実施例では、装置1106がカートリッジ1108から固有識別子を取り出すことが、バーコードの光学的読み取り、無線周波数(RF)識別、近距離無線通信(NFC)通信、磁気ストリップ読み取り器、(例えば、クレジットカード読み取り器によく似た)チップ読み取り器、有線通信、又は無線通信によって行われてよい。バーコードの例として任意のタイプのスキャン可能な識別子があってよく、例えば、ユニバーサル製品コード(UPC)、データマトリックスコード、及び/又はクイックレスポンス(QR)コードがあってよい。コードとしては、任意の1次元(1D)コード、2次元(2D)コード、3次元(3D)コード、又は他のタイプのコードがあってよい。RFIDによる通信及び認証の例が米国特許第10,015,987号(ヘンリー等(Henry et al.))、及び米国特許公開第2017/0020191号(ラム等(Lamb et al.))に記載されており、これらのそれぞれは参照によって本明細書に組み込まれている。NFCによる通信及び認証の例が米国特許第9,864,947号(サー等(Sur et al.))に記載されており、これは参照によって本明細書に組み込まれている。他の属性識別子の例が更に、米国特許公開第2019/0000144号(ブレス等(Bless et al.))に記載されており、これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【0120】
一代替実施例では、装置とカートリッジとのインタフェースに、カートリッジ1108の固有識別子を伝達するデータ接続がない場合、固有識別子は、与えられた信号又はピンコードに基づいて、電力接続を通して装置1106に伝達されてもよい。例えば、カートリッジ1108は、装置1106のメモリ(例えば、
図13の1306)に情報を送る為に装置1106のバッテリからの電力を利用してよい。装置1106は、確認済みの固有識別子を、通信しているカートリッジ1108の固有識別子と比較してよい。固有識別子が一致した場合は、スイッチ(例えば、
図13の1308)が閉じられて、電流が装置1106からカートリッジ1108の内部の加熱器に流れることが可能になる。固有識別子が一致しない場合、カートリッジ1108は装置1106から拒否され、電流が流れることが可能にならない。カートリッジが識別子を運ぶタグ、チップ等を含む場合、カートリッジは、アクティブタグ/チップ、パッシブタグ/チップ、又はこれらの組み合わせを含んでよい。アクティブタグは、パッシブタグと異なり、(例えば、内部バッテリにより)事前に電力を供給されていて自動的に通信してよく、パッシブタグは内部電源がなくてよく、装置によってスキャンされたときに活性化される必要がある。具体的には、パッシブタグは読み取り器が存在すると電力を供給され、例えば、磁場活性化電源により電力を供給される。カートリッジが内部電源を含まない場合でも、バッテリ部との接続によって電力を供給されるアクティブタグがあってよい。
【0121】
一実施形態では、装置1106は上述のように充電アクセサリであってよく、又は充電アクセサリを含んでよい。その実施形態では、カートリッジの固有識別子が装置に対して承認されない限り、充電アクセサリは、その装置又はカートリッジに電力を供給しなくてよい。言い換えると、カートリッジの固有識別子は、充電アクセサリが年齢確認又は認証に使用してよく、これは、固有識別子が承認されない限り、充電アクセサリが装置に電荷を与えない(又は装置をロック解除しない)ことによって行われる。具体的には、ホストが購入済みカートリッジのシリアル番号を、充電アクセサリのデータピンを通して装置のメモリに送ってよい。
【0122】
承認済みカートリッジ/消耗品のアクティブリストが保管され、ユーザ(例えば、ユーザプロファイル)に関連付けられてよい。このリストは又、そのユーザが(例えば、ユーザプロファイルとともに)所有する全ての装置を含んでよい。このリストは、ローカルで又はネットワーク上に(「クラウドに」)保管されたテーブル又はデータベースであってよい。一実施形態では、ユーザプロファイル及び/又はアクティブリストのストレージは、2019年4月24日に出願された米国特許仮出願第62/838,272号、件名「タバコ製品用分散型識別ストレージ(DECENTRALIZED IDENTITY STORAGE FOR TOBACCO PRODUCTS)」の優先権を主張するものである米国特許出願第_________号、件名「タバコ製品用分散型識別ストレージ(DECENTRALIZED IDENTITY STORAGE FOR TOBACCO PRODUCTS)」(事件番号16004-56)(これらのそれぞれの開示全体が参照によって組み込まれている)に記載のように、ブロックチェーン技術を使用して分散型ネットワークストレージに保管されてよい。共用を防ぐ為に、アクティブ装置の数及び/又はアクティブカートリッジの数に限度があってよい。リストされたカートリッジはリストされた装置とだけ動作することが可能であり、リストされた装置はリストされたカートリッジだけを受け入れることが可能である。承認済みカートリッジのアクティブリストは、ユーザが追加のカートリッジを購入し、それらがリストに追加されるたびに更新されてよい。同様に、カートリッジが使用済みになると、そのカートリッジの固有識別子がアクティブリストから削除される。一実施形態では、リストは、そのカートリッジを消費されたものとして識別してよい。装置は、カートリッジの寿命の終わりを検出し、そのカートリッジのステータスを自動的に更新してよい。寿命の終わりの検出又は計算は、各カートリッジの吹かし回数に基づいてよく、カートリッジの寿命の終わりを正確に特定するために、一定期間ごとの平均吹かし長さ及び平均吹かし回数の計算を含んでよい。一代替実施形態では、寿命の終わりの計算/検出は、クーロン/エネルギの監視/計数に基づいて、又は装置の温度に基づいて行われてよい。寿命の終わりの推定は、エネルギ使用量又は温度に基づいて行われてよい。カートリッジが再充填可能であれば、カートリッジは、共用を防ぐ為に、再充填されるたびにアクティブリストと比較されることが必要となる場合がある。
【0123】
図13は、認証回路1302の一実施形態を示す。認証回路1302は、装置1106又はホスト装置1104の一部であってよい。認証回路1302は、カートリッジ1108に登録された固有識別子に基づいて装置1106及び/又はカートリッジ1108の認証を実施する機能を含んでよい。認証回路1302は又、年齢確認機能を含んでよく、年齢確認は、固有識別子登録とは別に実施されてよく、又は登録プロセスの一部であってよい。認証回路1302は、プロセッサ1304、メモリ1306、及びスイッチ1308を含んでよい。
【0124】
認証回路1302中のプロセッサ1304は、1つ以上のチップ上にあってよく、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他のタイプの処理装置を含んでよい。プロセッサ1304は、1つ以上の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、サーバ、ネットワーク、デジタル回路、アナログ回路、これらの組み合わせ、又は他の、現在知られている又は今後開発される、データの解析及び処理を行う装置であってよい。プロセッサ1304は、ソフトウェアプログラム、例えば、手動で生成された(即ち、プログラムされた)コードとともに動作してよい。
【0125】
プロセッサ1304は、メモリ1306と結合されてよく、又はメモリ1306は、独立したコンポーネントであってよい。メモリ1306はコンピュータ可読記憶媒体を含んでよいがこれに限定されず、コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、様々なタイプの揮発性及び不揮発性の記憶媒体であり、これには、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ、電気的プログラム可能読み出し専用メモリ、電気的消去可能読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、磁気テープ又は磁気ディスク、光学式媒体等が含まれる。メモリ1306は、プロセッサ1304用ランダムアクセスメモリを含んでよい。代替として、メモリ1306は、プロセッサ1304とは別個であってよく、例えば、プロセッサのキャッシュメモリ、システムメモリ、又は他のメモリであってよい。メモリ1306は、記録されたアドデータ又はユーザデータを保管する外部ストレージ装置又はデータベースであってよい。例として、ハードドライブ、コンパクトディスク(「CD」)、デジタルビデオディスク(「DVD」)、メモリカード、メモリスティック、フロッピーディスク、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)メモリデバイス、又は他の任意の、アドデータ又はユーザデータを記憶するように動作する装置がある。メモリ1306は、プロセッサ1304によって実行可能な命令を記憶するように動作可能である。
【0126】
図示した又は本明細書に記載の機能、動作、又はタスクは、メモリ1306に記憶された命令を実行する、プログラムされたプロセッサによって実施されてよい。具体的には、年齢確認システム1102の動作、又はカートリッジ1108の固有識別子の登録の動作は、メモリ1306にある命令に基づいてプロセッサ1304によって実施されてよい。それらの機能、動作、又はタスクは、命令セット、記憶媒体、プロセッサ、又は処理ストラテジの特定のタイプに依存せず、単独又は組み合わせで動作するソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード等によって実施されてよい。同様に、処理ストラテジは、多重処理、マルチタスク、並列処理等を含んでよい。
【0127】
プロセッサ1304は、年齢確認システム1102用としてカートリッジ1108に割り当てられた固有識別子に基づいてユーザの年齢確認又は後続の認証動作を行う命令を含むソフトウェアを実行するように構成されてよい。具体的には、プロセッサ1304がユーザの年齢を確認できない場合、又は装置1106が認証されていない場合(例えば、カートリッジ1108に割り当てられた固有識別子が装置1106に対して承認されない場合)、スイッチ1308は、装置1106の動作を阻止するように活性化されてよい。幾つかの実施形態では、スイッチ1308は、装置1106からカートリッジ1108に電力を供給することに使用されてよい。そのスイッチ1308は、確認又は認証が承認されない限り、デフォルトでオフであってよい。スイッチ1308は、年齢確認からの認証が通った場合に電流が流れることが可能になるように、カートリッジ1108への電流を制御してよい。一方、認証又は年齢確認が失敗した場合には電流が止められてよい。スイッチ1308は、認証回路1302の一部であるように図示されているが、別の実施形態では独立したコンポーネントであってよい。
【0128】
図14は、カートリッジ登録プロセスを示すフローチャートである。ブロック1402で、装置1106のユーザがカートリッジ又はカートリッジのパックを購入する。購入されたカートリッジは、固有識別子(各カートリッジに対する固有識別子、又はパックの全てのカートリッジに対して1つの固有識別子)に関連付けられている。ユーザは、購入したカートリッジをユーザ又はユーザの装置に関連付ける必要がある。一実施形態では、パック上にユーザがスキャンするスキャン可能なタグ/コード(例えば、上述のコード又はタグのいずれか)があってよく、これによって、シリアル番号が自動的にユーザに関連付けられる。この実施例の目的の為に、スキャン可能なタグ/コードはQRコード(登録商標)であってよく、ユーザは、ユーザのプロファイルに関連付けられたアプリケーション又はアプリを携帯電話(例えば、ホスト装置1104)上に有してよく、このアプリケーション又はアプリは、スキャンされたQRコード又はシリアル番号を受け取る(例えば、ブロック1408)。そしてこのアプリは、シリアル番号をユーザ及びユーザの装置に関連付けることが可能である。ユーザはブロック1406で年齢を確認される必要があるが、年齢確認は、ユーザが装置1106を購入した時点又はユーザプロファイルをセットアップした時点で既に行われている場合がある。ユーザの年齢確認(1406)については
図16に関して詳述する。ブロック1408で、確認済みユーザに関して、カートリッジのシリアル番号が、特定のユーザ、装置、又は複数の装置による使用を承認されたものとしてリストされる。ブロック1410で、この、承認済みカートリッジのリストが装置1106又はホスト装置1104に提供される。ブロック1412で、カートリッジ1108が装置1106に接続されると直ちに、装置は、カートリッジ1108のシリアル番号を特定し、これをアクティブ/承認済みリストと比較する。カートリッジ1108のシリアル番号がアクティブ/承認済みリストにあれば、ブロック1414で、カートリッジ1108が装置1106で動作する。カートリッジ1108のシリアル番号がアクティブ/承認済みリストにない場合は、ブロック1416で、カートリッジ1108が装置1106から拒否される。
【0129】
図15は、購入時のユーザ確認を伴うカートリッジ登録プロセスを示すフローチャートである。
図15は
図14と似ており、異なる点として、ブロック1502で年齢確認が購入時に行われてよい。ユーザは、小売り場所又はキオスクでの購入時に、年齢確認を行う為に自身の識別(例えば、運転免許証又はパスポート)をスキャンし、カートリッジパックをスキャンしてよい。カートリッジパックのスキャンによってシリアル番号が得られ、これがブロック1504で承認済みリストに追加される。言い換えると、年齢確認及びカートリッジのシリアル番号登録は両方とも購入時に行われてよい。一実施例では、購入に必要な年齢確認が年齢確認として使用されてよい。年齢確認及びカートリッジのシリアル番号は、自動的にアップロードされてよい。別の実施例では、オンライン購入の場合、年齢確認は購入時に行われてよく、又は購入を完了することの条件として行われてよく、オンラインで購入されたカートリッジのシリアル番号は、年齢確認済みユーザ及びそのユーザの装置に自動的に関連付けられる(即ち、アクティブリストに承認済みとしてリストされる)。カートリッジが承認済みリストに追加され、ユーザが年齢確認されたら、
図15の残りのステップは
図14のブロック1410~1416と同じである。
【0130】
図16は、年齢確認システム1102からの確認の実施例を示す。年齢確認は、ユーザプロファイルに保管されてよく、又はユーザに関連付けられてよい。そのユーザプロファイル及びユーザとの関連付けは又、そのユーザが所有する装置と、そのユーザが購入したカートリッジの固有識別子と、を含んでよい。装置を特定のカートリッジとともに使用することの認証プロセスは、そのカートリッジの固有識別子を、ユーザプロファイルにリストされているかホスト装置により保管されていてよい承認済みカートリッジと比較することを含む。カートリッジの認証を行う為には、ユーザは、最初に年齢を確認されることが必要であってよい。年齢確認は1度だけ行われてよく、又は定期的に更新されることが必要であってよく、一方、認証はより頻繁に(例えば、カートリッジが交換されるたびに)必要とされてよい。
【0131】
年齢確認システム1102は、ユーザの年齢を確認する機能を備える。年齢確認は、特定のユーザが使用する複数の装置に適用されるように、そのユーザに対するものであってよいが、それでも個々の装置ごとに認証を必要としてよい。幾つかの実施形態では、各装置は、後続の認証に加えて年齢確認プロセスを必要としてよい。確認の実施例1601は、ユーザの年齢を確認するメカニズムの実施例である。最初の年齢確認として、年齢確認システム1102は、ユーザの年齢を証明する幾つかの識別文書1606を必要としてよい。例えば、ユーザの年齢を証明する為に運転免許証又はパスポートがアップロードされてよい。その文書からの画像が今後の年齢確認に使用されてよく、年齢確認は、その画像を使用して顔認識1608を実施することによって行われる。顔認識技術では、2つの画像を解析して、識別一致を確認するか、識別確認を却下するか、更なる識別情報を必要とするというフラグを確認結果に立てることが可能である。代替実施形態では、確認ステップは、ユーザからの音声入力を含んでよく、例えば、元気であることの確認の為に数字、数列、又はコードを暗唱することを含んでよい。別の確認の実施例1601はヘルプデスク1607電話呼を含み、この場合は、ユーザがユーザ情報を提供又は確認することによって識別確認を行うことが可能である。一実施形態では、ヘルプデスク1607は、識別文書1606において提供された情報を確認することに使用されてよい。カートリッジに関して本明細書に記載した実施例は、他の消耗品にも適用されてよく、例えば、
図3~6に示した装置で使用可能なエアロゾル源部材にも適用されてよい。カートリッジは装置用の消耗品の一例であってよく、カートリッジへの言及は他の消耗品を包含してよい。エアロゾル源部材の他の例として「スティック」があってよく、これは、例えば、タバコ、タバコ抽出物、エアロゾルフォーマ、ニコチン、及び/又は他の、非燃焼加熱装置において使用可能な活性成分を収容してよい。
【0132】
本物品の使用の上述の説明は、小幅な修正で本明細書に記載の様々な例示的実施態様に適用可能であり、そのことは、当業者であれば、本明細書において提供される更なる開示に照らして明らかであろう。しかしながら、使用の上述の説明は、本物品の使用を限定するものではなく、本開示の全ての必要な開示要件に適合するように与えられている。
図1~16に示した、本物品中に示される要素又は他の形で上述された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれてよい。
【0133】
本明細書に記載の開示が属する技術分野の当業者であれば、上述の説明及び関連図面において示された教示の利益を有する、それらの発明の様々な修正形態及び他の実施態様が思い浮かぶであろう。従って、当然のことながら、本開示は、開示された特定の実施態様に限定されるものではなく、修正形態及び他の実施態様は、添付の特許請求項の範囲に包含されるものとする。更に、上述の説明及び関連図面は要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせのコンテキストにおける例示的実施態様について説明しているが、当然のことながら、添付の特許請求項の範囲から逸脱しない限り、要素及び/又は機能の別の組み合わせが代替実施態様によって与えられてよい。この点において、例えば、明示的に上述されたものと異なる、要素及び/又は機能の組み合わせも、添付の特許請求項のうちの幾つかにおいて記載されうるものとして想定される。本明細書では具体的な用語が使用されているが、これらは限定目的ではなく包括的且つ説明的な意味でのみ使用されている。
【国際調査報告】