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特表2022-532688シーン及びニア・アイ・ディスプレイを観るための透明ライトガイド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-19
(54)【発明の名称】シーン及びニア・アイ・ディスプレイを観るための透明ライトガイド
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20220711BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20220711BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B7/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021506543
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(85)【翻訳文提出日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 IB2020054289
(87)【国際公開番号】W WO2020225747
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/843,644
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/844,771
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518105275
【氏名又は名称】ルーマス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ゲルベルグ
(72)【発明者】
【氏名】ツィオン・アイゼンフェルト
【テーマコード(参考)】
2H044
2H199
【Fターム(参考)】
2H044AD01
2H199CA02
2H199CA03
2H199CA24
2H199CA42
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA82
(57)【要約】
実際のシーンとライトガイド光学素子(LOE (Light-guide Optical Element))に導入された投影イメージの同時観察のためのライトガイド光学素子であって、透明ブロックにして、これに沿って投影イメージを搬送する光が内部反射により伝搬する透明ブロックと、斜めに配向され、光の一部を外部結合するように構成された複数の内部の部分的に反射する面を有し、部分的に反射する面それぞれの反射率は、外部結合される光の全パワーが、LOEに導入された光の全パワーの1/3未満になるように設定される。幾つかの実施形態においては、投影イメージの光が偏光され、直交方位に偏光された光に関して部分的に反射する面の反射率がかなり低減される。幾つかの実施形態においては、観者に到達しない光について部分的に反射する面の反射率がかなり低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観者の目による、実際のシーンとライトガイド光学素子(LOE (Light-guide Optical Element))に導入された投影イメージの同時観察のためのライトガイド光学素子であって、
第1主面と前記第1主面に平行な第2主面を有する透明材料のブロックにして、前記ライトガイド光学素子に導入された投影イメージを搬送する光が、前記第1及び第2主面で内部反射により前記ライトガイド光学素子内で伝搬する、ブロックと、
前記ブロック内にあり、前記第1主面に対して斜めに配向された、複数のお互いに平行な部分的に反射する面にして、当該部分的に反射する面は、前記第2主面を介して前記光の一部を外部結合するように構成される、複数のお互いに平行な部分的に反射する面を備え、
前記部分的に反射する面それぞれの反射率は、前記外部結合される光の全パワーが、前記ライトガイド光学素子に導入された前記投影イメージを搬送する前記光の全パワーの1/3未満になるように設定される、ライトガイド光学素子。
【請求項2】
前記部分的に反射する面それぞれの反射率は、前記外部結合される光の全パワーが、前記ライトガイド光学素子に導入された前記投影イメージを搬送する前記光の全パワーの1/5未満になるように設定される、請求項1に記載のライトガイド光学素子。
【請求項3】
前記部分的に反射する面それぞれの反射率は、前記外部結合される光の全パワーが、前記ライトガイド光学素子に導入された前記投影イメージを搬送する前記光の全パワーの1/10未満になるように設定される、請求項1に記載のライトガイド光学素子。
【請求項4】
前記部分的に反射する面それぞれの反射率が13%未満である、請求項1に記載のライトガイド光学素子。
【請求項5】
前記部分的に反射する面それぞれの反射率が5%未満である、請求項1に記載のライトガイド光学素子。
【請求項6】
観者の目による、実際のシーンと、第1方位に偏光され、かつライトガイド光学素子(LOE (Light-guide Optical Element))に導入された光により搬送される投影イメージの同時観察のためのライトガイド光学素子であって、
第1主面と前記第1主面に平行な第2主面を有する透明材料のブロックにして、前記ライトガイド光学素子に導入された投影イメージを搬送する光が、前記第1及び第2主面で内部反射により前記ライトガイド光学素子内で伝搬する、ブロックと、
前記ブロック内にあり、前記観者の目に向けて前記光の一部を外部結合するように前記第1主面に対して斜めに配向された、複数のお互いに平行な部分的に反射する面を備え、
前記第1方位に直交する第2方位に偏光された光に関する前記第1及び第2主面に垂直な方向における前記部分的に反射する面それぞれの反射率は、前記第1方位に偏光された光に関する前記方向におけるその反射率の1/3未満である、ライトガイド光学素子。
【請求項7】
前記第1偏光方位が、前記部分的に反射する面に関してS偏光である、請求項6に記載のライトガイド光学素子。
【請求項8】
前記部分的に反射する面は、前記第1主面に垂直な方向を含む少なくとも約30度の角度範囲についてP偏光を実質的に透過する、請求項7に記載のライトガイド光学素子。
【請求項9】
観者の目による、実際のシーンとライトガイド光学素子(LOE (Light-guide Optical Element))に導入された投影イメージの同時観察のためのライトガイド光学素子であって、
第1主面と前記第1主面に平行な第2主面を有する透明材料のブロックにして、前記ライトガイド光学素子に導入された投影イメージを搬送する光が、前記第1及び第2主面で内部反射により前記ライトガイド光学素子に沿って第1方向に伝搬し、前記第1主面の外部で、かつこれに平行な平面において、所定サイズのアイ・モーション・ボックス(eye motion box)が定義される、ブロックと、
前記ブロック内にあると共に、前記第1方向に沿って順に配置され、かつ前記アイ・モーション・ボックスに向けて前記光の一部を外部結合するべく前記第1主面に対して斜めに配向された、複数のお互いに平行で部分的に反射する面を備え、
前記アイ・モーション・ボックス内の任意の点に向けてそこから外部結合される前記光の一部に関する前記部分的に反射する面の配列の最後のものの反射率が、前記第1及び第2主面に垂直な方向に伝搬する光に関するその反射率の少なくとも2倍である、ライトガイド光学素子。
【請求項10】
前記アイ・モーション・ボックス内の任意の点に向けてそこから外部結合される前記光の一部に関する前記部分的に反射する面の配列の最後のものの反射率が、前記第1及び第2主面に垂直な方向に伝搬する光に関するその反射率の少なくとも4倍以上である、請求項9に記載のライトガイド光学素子。
【請求項11】
前記ブロックは、前記部分的に反射する面を通過した前記ライトガイド光学素子内を伝搬する光が入射する端面を有し、当該端面は、前記ライトガイド光学素子内に導入されて外部結合されない光を吸収するように構成された光吸収層で被覆される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のライトガイド光学素子。
【請求項12】
前記光吸収層は、粗い端面に付与された黒色塗料として実施される、請求項11に記載のライトガイド光学素子。
【請求項13】
観者による自然シーンとニア・アイ・イメージ・プロジェクタ(near-eye image projector)上のイメージの同時観察のための光学システムであって、当該光学システムは、
(a)請求項1乃至10のいずれか一項に記載のライトガイド光学素子;及び
(b)前記観者の少なくとも一つの目に対向する位置で前記ライトガイド光学素子を前記観者の頭部に支持するために設けられたサポート構造を備える、光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ヘッドマウント・ディスプレイ装置に関し、特には、そのような装置の一部であるライトガイド光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
実際のシーンとディスプレイ装置からの投影イメージの同時観察のために観者により装着される装置が周知であり、「ヘッドマウント・ディスプレイ」(HMD(head-mounted display))又は「ニア・アイ・ディスプレイ」(NED(near-eye display))として一般的に呼ばれている。そのような装置は、一般的に、ゴーグル又はめがね、若しくは、ヘルメット又はバイザー(visor)として構築されて観者の頭部に装着され、また、一つ又は二つのイメージ・プロジェクタ(各々が、電気光学ディスプレイ部品を含む)と、観者の目に投影イメージを伝送する光学部品を含む。本分野で知られているHMDの幾つかの構成においては、そのような光学部品の一つは、観者の目それぞれの前に位置付けられるライトガイドである。
【0003】
そのようなライトガイド(「導波路」又は「基板」と代替して言及される)は、視野(即ち、ディスプレイ部品のスクリーンの角度サイズ)と観察窓(即ち、この窓の範囲内で観者の目がディスプレイ・スクリーンの全体を見るように位置付けられ、「アイ・モーション・ボックス(eye motion box)」としても知られる)を拡大するように働く。一般的に、そのようなライトガイドは、透明材料のブロック(又はスラブ)であり、2つの平行な主面を有し、ディスプレイ部品から投射されて平行化されたイメージを搬送する光がそれらの主面に沿って全内部反射により伝搬する。ブロックは、対応する観者の目に向けて主面の一つを介してその光の一部が外部結合されるように機能する、構造的な外部結合器(structural coupling-out arrangement)を含む。
【0004】
回折ライトガイドとして知られるライトガイドの幾つかの構成においては、外部結合器は、主面の一つ又は両方に回折構造を含む。反射ライトガイドや特には「ライトガイド光学素子(LOE(lightguide optical elements))」として知られる他の構成では、外部結合器は、斜めに角度付けられ、お互いに平行な部分的に反射する面のセットを含み、ファセットとしても代替的に知られ、ブロック内にある。
【0005】
HMDが眼鏡の形態にあるといった幾つかの場合、外部結合器は、外部の観察者に見られ難く、又は目に見えないことが望ましいだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)で用いられるライトガイドに改善を提供することを目指し、さもなければ、外部の観察者が、HMDを装着している観者の顔をそのようなライトガイドを介して観察する時に経験するような望まない視覚効果を低減する。そのような効果は、観者の目と顔から反射される光の一部がライトガイド内に結合されることにより生じ、従って、外部の観察者に到達する光を弱め、外部の観察者の視界においてライトガイドが明確に暗くなり、観者の顔と目をマスクする。先行技術のライトガイドにおける別の望まない視覚効果は、端面で反射されて後方に伝搬するライトガイド内の光により生じ、外部の観察者に向けて外部結合され、グレアとして感受される。従って、本発明の実施形態は、観者の顔と外部の観察者の間のライトガイドを介した光の透過を高め、外部の観察者に向けてライトガイドから放射される他の光の量を低減する様々な技術を提供する。
【0007】
非排他的な例として、部分的に反射する面を含むライトガイドの構成の実施形態に関する改善が記述される。そのような反射ライトガイド、又は従来のライトガイド光学素子(LOE)が、例えば、「基板により導光される光学ビーム拡大器」と題された米国特許第6,829,095号に記述されており、参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本発明に係る改善は、全体又は部分において、HMD用のライトガイドの他の実施形態及び構成に適用可能である。
【0008】
詳細には、観者の目による、実際のシーンとライトガイド光学素子(LOE(Light-guide Optical Element))に導入された投影イメージの同時観察のためのライトガイド光学素子が開示され、当該LOEが、第1主面と前記第1主面に平行な第2主面を有する透明材料のブロックにして、前記ライトガイド光学素子に導入された投影イメージを搬送する光が、前記第1及び第2主面で内部反射により前記ライトガイド光学素子内で伝搬する、ブロックと、前記ブロック内にあり、前記第1主面に対して斜めに配向された、複数のお互いに平行な部分的に反射する面にして、当該部分的に反射する面は、前記第2主面を介して前記光の一部を外部結合するように構成される、複数のお互いに平行な部分的に反射する面を備え、
前記部分的に反射する面それぞれの反射率は、前記外部結合される光の全パワー(the total power of the light)が、前記ライトガイド光学素子に導入された前記投影イメージを搬送する前記光の全パワーの1/3未満になるように設定される。
【0009】
幾つかの実施形態においては、前記部分的に反射する面それぞれの反射率は、前記外部結合される光の全パワーが、前記ライトガイド光学素子に導入された前記投影イメージを搬送する前記光の全パワーの1/5未満、幾つかの実施形態では1/10未満になるように設定される。
【0010】
幾つかの実施形態においては、前記部分的に反射する面それぞれの反射率が13%未満、幾つかの実施形態においては、5%未満である。
【0011】
観者の目による、実際のシーンと、第1方位(a first orientation)に偏光され、かつライトガイド光学素子(LOE(Light-guide Optical Element))に導入された光により搬送される投影イメージの同時観察のためのライトガイド光学素子も開示され、当該LOEが、第1主面と前記第1主面に平行な第2主面を有する透明材料のブロックにして、前記ライトガイド光学素子に導入された投影イメージを搬送する光が、前記第1及び第2主面で内部反射により前記ライトガイド光学素子内で伝搬する、ブロックと、前記ブロック内にあり、前記観者の目に向けて前記光の一部を外部結合するように前記第1主面に対して斜めに配向された、複数のお互いに平行な部分的に反射する面を備え、
前記第1方位に直交する第2方位に偏光された光に関する前記第1及び第2主面に垂直な方向における前記部分的に反射する面それぞれの反射率は、前記第1方位に偏光された光に関する前記方向におけるその反射率の1/3未満である。
【0012】
第1偏光方位が、前記部分的に反射する面に関してS偏光であり得る。幾つかの実施形態においては、前記部分的に反射する面は、前記第1主面に垂直な方向を含む少なくとも約30度の角度範囲についてP偏光を実質的に透過する。
【0013】
観者の目による、実際のシーンとライトガイド光学素子(LOE(Light-guide Optical Element))に導入された投影イメージの同時観察のためのライトガイド光学素子も開示され、当該LOEが、第1主面と前記第1主面に平行な第2主面を有する透明材料のブロックも開示され、第1主面と前記第1主面に平行な第2主面を有する透明材料のブロックにして、前記ライトガイド光学素子に導入された投影イメージを搬送する光が、前記第1及び第2主面で内部反射により前記ライトガイド光学素子内で第1方向に伝搬し、前記第1主面の外部で、かつこれに平行な平面において、所定サイズのアイ・モーション・ボックス(eye motion box)が定義される、ブロックと、前記ブロック内にあると共に、前記第1方向に沿って順に配置され、かつ前記アイ・モーション・ボックスに向けて前記光の一部を外部結合するべく前記第1主面に対して斜めに配向された、複数のお互いに平行で部分的に反射する面を備え、
前記アイ・モーション・ボックス内の任意の点に向けてそこから外部結合される前記光の一部に関する前記部分的に反射する面の配列の最後のものの反射率が、前記第1及び第2主面に垂直な方向に伝搬する光に関するその反射率の少なくとも2倍である。
【0014】
幾つかの実施形態においては、前記アイ・モーション・ボックス内の任意の点に向けてそこから外部結合される前記光の一部に関する前記部分的に反射する面の配列の最後のものの反射率が、前記第1及び第2主面に垂直な方向に伝搬する光に関するその反射率の少なくとも4倍以上である。
【0015】
実施形態の幾つかにおいては、前記ブロックは、前記部分的に反射する面を通過した前記ライトガイド光学素子内を伝搬する光が入射する端面を有し、当該端面は、前記ライトガイド光学素子内に導入されて外部結合されない光を吸収するように構成された光吸収層で被覆される。光吸収層は、粗い端面に付与された黒色塗料として実施され得る。
【0016】
観者による自然シーンとニア・アイ・イメージ・プロジェクタ(near-eye image projector)上のイメージの同時観察のための光学システムも開示され、当該光学システムが、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のライトガイド光学素子;及び前記観者の少なくとも一つの目に対向する位置で前記ライトガイド光学素子を前記観者の頭部に支持するために設けられたサポート構造を備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、次の添付図面を参照して単なる例として本明細書で記述される。
図1A図1Aは、ヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)において用いられるような例示のライトガイド光学素子(LOE)の部分上面図である。
図1B図1Bは、外部の観察者により知覚される図1AのLOEの概略的な前面図である。
図2図2は、従来のLOEのものと比較した、本発明に係るLOEに沿う部分的に反射する面の典型的な反射率の値を示すグラフである。
図3A図3Aは、従来のLOEにおける部分的に反射する面の2つの異なる直交の偏光方位(polarization orientations)に関する典型的な反射率の値を示すグラフである。
図3B図3Bは、本発明に係るLOEにおける部分的に反射する面の2つの異なる直交の偏光方位に関する典型的な反射率の値を示すグラフである。
図4A図4Aは、ある光線軌跡を示す図1AのLOEの部分上面図である。
図4B図4Bは、図4AのLOEにおける詳細の拡大図である。
図4C図4Cは、図1BのLOEの3つの部分的に反射する面における方向の関数としての反射率のグラフである。
図5A図5Aは、図4AのLOEの部分上面図であり、光吸収層無しの端面を示す。
図5B図5Bは、図4AのLOEの部分上面図であり、光吸収層有りの端面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1Aは、前置きとして、この例において観者により装着される眼鏡として形成されたヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)を概略的に示し、HMDを装着する時に観者の目20の前に位置付けられる部分的に反射する面を有するライトガイド光学素子(LOE)10を含む。加えて、そこに供給される信号に応じてイメージを生成するように動作するイメージ・プロジェクタ22(これは、従って、電気光学ディスプレイ装置、又はLCOS装置といった空間光変調器を含む)と、平行化された状態のイメージに対応して光を投射するように構成されたコリメート光学アセンブリ(全て不図示)と、LOE10に投影イメージを結合するカップリング光学系24を含む。
【0019】
HMDの幾つかの構成においては、単眼に関連して単一のイメージ・プロジェクタが設けられ、他の構成においては、観者の両目の一つに対応して各々が関連付けられた2つのイメージ・プロジェクタが設けられ、また更なる他の構成においては、対応の両目に関連付けられた2つのLOE内、又は、両方の目の前を延びる単一の長いLOE内にイメージを投射するように構成された単一のイメージ・プロジェクタが設けられる。
【0020】
ライトガイド光学素子(LOE)10が図1Aに水平断面図で図示され、LOE内を伝搬し、観者に向けて放出されるように平行化されたイメージの選択された光線がトレースされる。LOE10は、基本的には長尺なブロック11であり、透明材料から構成され、2つのお互いに平行な主面、前面12及び後面14を有する。ブロック11の一端の近くには、入射窓に関連した内部結合器(coupling-in arrangement)が設けられ、これを介して平行化されたイメージがLOE内に導入される。この例においては、それは、傾斜反射面18であり、後面14においてそこに隣接して入射窓19が規定される。他のLOEでは、例えば、入射窓は、主面の一つに取り付けられた角度付けられたプリズムであり、又は、入射窓は、ブロックの一端面であり得る。ブロック11には、傾斜した部分的に反射する面16の配列が埋め込まれ、全てがお互いに平行であり、「ファセット」と呼ばれる。部分的に反射する面16の全集合に隣接して、後面14からある距離に及びそれに平行に、視界範囲17が規定され、アイ・モーション・ボックスとしても知られており、イメージの全体を見ることができるように観者の目が配置される領域を示し、目の動きと目20に関するHMDの場所に幾らかの自由度を許容する。
【0021】
図示例では入射窓が後面にあるが、HMDの他の構成では、対応のLOEが前面上又はブロック11の端面上に入射窓を有するように構成され得ることに留意されたい。本発明は、そのような構成も取り扱う。
【0022】
選択された光線により表されるように、カップリング光学系24からのイメージ搬送光は、入射窓19を介してブロック11に入射し、この例では、傾斜反射面18により偏向されて主面12及び14からの全内部反射を受けながらブロック11に沿って伝搬する。入射窓が端面上にある構成では、そこに入射した光は、直線的に進行し(即ち、偏向されず)、そのブロックに沿って伝搬する。この伝搬過程において、光は、部分的に反射する面(ファセット)16により途中で捉えられ、観察窓(アイ・モーション・ボックス)17内へ、その一部が偏向され、又は外部結合される。
【0023】
(仮想現実装置や拡張現実装置といった)任意のニア・アイ・ディスプレイ装置(near-eye display device)のためのLOEの設計の主要な課題の一つは、エネルギー消費を低減するために光源から観者の目への光学的なスループットを最大化し、従って、バッテリー時間を長期化することにある。従って、最先端の反射LOE設計の一般的対策では、ファセットの全部の反射率を最大化し、観者の目に到達するイメージ強度を最大化している。同時に、観者により知覚される視野及び観察窓に亘って均一な強度のイメージを達成するために、ファセットの反射率が、典型的には、それらの間で変化する。より詳細には、ブロック11に沿って光が伝搬し、その一部が第1ファセットにより外部結合されるため、残りの光の強度が減じ、次のファセット以降が、同等の割合でより高い反射率を有するように求められ、外部結合される光の強度が一定に保たれる;即ち、光が交差する最後のファセットは、最大の反射率を有するべきである。
【0024】
HMDのパーツのものに特有のLOE設計における別の課題は、観者が自然シーンも明確に見ることができるのに十分な透明性を有しなければならないことである。この要求は、高い反射率が実際には低い透過率に等しく、従って、自然シーンから観者の目に到達する光が弱められることにおいて、上述したファセットの最大反射率の要求と対立する。従って、HMDのための従来のLOE設計は、妥協し、ファセットの反射率は、自然シーンからの光に関する透過率の値が所望の最小値を達成するように比例して減じられていた。
【0025】
また、ある従来のLOE設計においては、(上述の解決すべき手段の項で言及したように)ファセットが外部の観察者により実質的に可視されるものである。これは、それらの透過率が相対的に低いためであり、従って、外部の観察者の目(不図示)へその主面12及び14に概して垂直な方向でLOEのブロック11を介して観者の顔及び目20から反射された光を減じられる。この効果が図1Bで概略的に証明されており、これは、外部の観察者の目に映るLOE10の前面図である。ここで、ファセット16は、暗さが変化する細片(strip)として見られ、観者の顔をぼんやりとさせる;最も左のファセットが最も暗く、なぜなら、最大の反射率、従って、最小の透過率に設計されているためである。これらの設計においては、ファセットは、外部の観察者により見られるグリアも生成することがあり、これは、残部の伝搬光が、ブロック11の端面15で反射され、その観察者の目に向けて前主面12を通じてファセット16により外部結合されるためである。
【0026】
後述において、外部の観察者によるファセットの視認といった、上述の効果を低減するように設計された新規な特徴を含むライトガイド光学素子の例示の実施形態が記述される。これらの特徴は、それぞれ適切な例示の実施形態に関して記述されるが、幾つかの他の実施形態は、当業者により容易に想到されるように、2つ以上のこれらの特徴を同時に含むことができる。更には、幾つか又は全てのこれらの特徴は、様々な構成のLOEの実施形態、特には、反射及び回折LOEにおいて含まれることができる。
【0027】
本発明のある実施形態の指針となる原理は、ファセット群の反射率を低減し、LOEを横切って透過する光に関してそれらの全体の透過率を高め、それらを透明に見えるようにし、外部の観察者に見えないようにすることである。
【0028】
更には、従来の典型的な最適化された反射LOE設計においては、ファセットの反射率は、対象の入射角の範囲、偏光方位及び波長バンドにおいて、第1から最後に入射するファセットへ、LOEに沿って変化し、典型的には10%~25%に亘る。入射角の対象の範囲は、LOE及びLOEが一つのパーツであるHMDの設計において光学幾何学的な考察により決定される。偏光方位及び波長バンドの関心の範囲は、イメージ・プロジェクタの特性によって又は動作要求によって大きく決定される。光学的な設計は、これらの関心の範囲内でファセットの反射率を最適化することを模索するが、これらの範囲外の入射角、偏光方位及び波長バンドのどの値の反射率の値も、典型的には、設計において制約されない。従って、本発明のある実施形態の更なる指針となる原理は、これらの範囲の一つ以上の外部のファセットの反射率を低減又は可能な範囲で最小化することにあり、LOEに亘る光に関してそれらの透過率を高める。
【0029】
本発明の第1の例示の実施形態においては、若しくは本発明の第1の側面によれば、対象の角度範囲内のもの、偏光状態及び波長バンドを含む、各ファセットの全体的な反射率が、上述の先行技術の設計のものと比較して、設計により実質的に低減される。
【0030】
図2は、LOE沿いに伝搬する光の強度(下降線群)とファセットの反射率の値(上昇線群)の比較プロットである。横軸は、LOE沿いの相対的な距離であり、縦軸は、最大値のパーセントである。点線は、仮想現実装置(これは、本発明の範囲外である)での使用のために設計されたLOEに関する最適値を表す。ここで、最適な設計は、LOEに入射した光エネルギーの全部を外部結合することであり、外部結合された光の強度を均一に維持しつつ、ディスプレイイメージを見ることの効率を最大化する。従って、伝搬光の強度を表す線31が直線的にゼロ付近まで下降し、配列されたファセットらの反射率を表す線32が反射率の対応の増加でほぼ指数的に上昇する。結果として、観者に向かって外部結合される光の強度は、おおよそ均一である。線らが最適な設定値を表すこと;実際には、傾斜線は、ファセットらに対応して部分的に段差に似ることに留意されたい。
【0031】
破線は、ヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)での使用のために設計された従来のLOEに関する典型的な値を表し、反射率は、自然シーンの相対的にクリアなビューを提供するために選択されている。これらの線は、点線に類似するものと見られるが、傾斜が減じられている。従って、ここでも(LOEに入射する光の最大の強度を意味する)100で開始する直線的な下降線34は、末端ではたった約50%に到達し、伝搬光エネルギーの約50%だけが(観察窓に向けて)外部結合されたことを意味する。対応して、上昇線35は、たったの約42に到達し、最後のファセットの反射率がたった約42%であることを意味する。これにより、その透過率が適切な入射角で約58%になり、それに沿って自然シーンが見られるLOEを横切る方向でも同じ程度で高いことが見込まれ、そのシーンが満足にクリアに見える程に十分に高い。
【0032】
上述のように、後者の透過率は、外部の観察者へのHMDのユーザーの顔及び目のぼかしとファセットに付随の可視性を回避するのに十分に高くない。これを訂正するため、本発明の第1側面に対応する本発明の例示の実施形態のファセットの反射率は、図2のプロット実線により表されるように更に十分に低減される。ここで、上昇実線38は、たったの約13に到達し、最後の(即ち、最大反射率)ファセットの全反射率が好ましくは、約13%を超えず(幾つかの特定の好適な実施形態では、約5%を超えない)、直線的な実線39は、たったの約63まで下降し、伝搬する光エネルギーのたった約37%が外部結合されることを意味する。結果として、最後のファセットの透過率がおよそ87%まで上がり、これは、ユーザーの顔を観察する外部の観察者へのファセットの可視性を顕著に低減する;他のファセットの透過率は、更に大きい。また、結果として、この好適な例において、LOE内に結合されるイメージ強度の少なくとも63%が最後のファセットを超えてLOEに沿って伝搬することを継続し、従って、無駄になる。他の特定の好適な例においては、最後のファセットを超えて伝搬する内部結合照明(coupled-in illumination)の比率は、2/3よりも大きく、ある特定の好適な場合、80%又は90%をも超える。従って、この実施形態においては、直感に反する設計の妥協が為され、外部の観察者により観察されるファセットの可視性をかなり低減又は不可視にするためにLOEの光学的な効率が顕著に低減される。
例示の実施形態においては、最後のファセットの反射率の低減は、先行技術の設計のその値に対して、13%/42%=0.31の係数であることに留意されたい。より一般的には、本発明のこの第1側面に係る実施形態において、ファセットの反射率は、従来の光学設計と比較して、0.5と0.1の間、好ましくは、0.4と0.25の間の係数で低減される。
【0033】
本発明の第2の例示の実施形態においては、本発明の第2の側面に対応し、LOEに入射した(又はLOE内に結合された)イメージ搬送光がファセットに関してS偏光されているものとする。これは、幾つかのHMD群においては、本来的に偏光された光を放射するイメージ・プロジェクタ(例えば、液晶ディスプレイ)それ自体のため、又は、イメージ・プロジェクタ(又はコリメートアセンブリ)とLOEの間で光路に挿入された偏光フィルターのためであり得る。この第2側面の新規な特徴によれば、P偏光に関するファセットの反射率が、S偏光に関するそれらの反射率と比較して、最小化され、又はかなり低減される。幾つかの実施形態においては、ファセットは、第1主面に垂直な光入射方向を含む少なくとも約30度の角度範囲においてP偏光に実質的に透明である。これによりP偏光に関するファセットの透過率が最大化され、観者の顔から発出されるより多くの光を外部の観察者に到達させ、従って、ファセットをより透明にし、その者にとって見難くする。この特徴は、従来の手法によるか、若しくは、本発明の第1側面に係るS偏光に関する反射率の最適化に加えて適用されることに留意されたい。「実質的に透明」との用語は、その通常の意味において用いられる。量的には、それは、典型的には95%を超え、最も好ましくは98%を超える透過率を示す。
【0034】
図3Aは、例として、入射光線の角度の関数として、2つの偏光方位、端的には、P偏光とこれに直交するS偏光の従来のLOEにおける典型的なファセットの反射率を示す。図3Bは、本発明の第2側面に対応する例示の実施形態におけるLOEに関する反射率の同様のプロットである。この実施形態においては、関心の入射角の範囲内のS偏光の入射光の反射率が、効率的なディスプレイイメージ伝送と自然シーン可視性の間のバランス、即ち、典型的には10%~25%の範囲内、又は、上述の本発明の第1側面に係る低減された反射率を表す値に最適化される。しかしながら、図5Aと比較して図5Bに明らかに見られるように、ブロック主面に垂直な方向における又はこれに近いP偏光の入射光の反射率がかなり低減される。好ましくは、この低減は、少なくとも4倍、より好ましくは、少なくとも8倍である。追加又は代替として、その方向におけるP偏光に関する反射率の値は、好ましくは、S偏光に関するファセットの対応の反射率の値の1/3、より好ましくは1/5を超えない。
【0035】
先の2つの側面の一つ又は両方に組み合わせ可能である本発明の第3側面に対応する本発明の第3の例示の実施形態においては、LOEに沿って伝搬し、到来したイメージ搬送光を着用者の目に向けて、より一般的にはアイ・モーション・ボックスに向けて偏向する入射角の範囲とは異なる入射角でのファセットのいずれかの反射率が、かなり低減される。そのように反射率が低減される範囲の入射角の範囲は、特には、観者の顔及び目から外部の観察者に向かうといったLOEを横切って透過する光の方向に対応するものを含む。これは、その方向に沿う透過率の増加に等しく、ファセットを見難くする。
【0036】
ここで本発明の第3側面を更に説明し、例えば、図4Aを参照すると、例示の典型的なLOE10の部分図が示され、ディスプレイ信号の光線(即ち、イメージ搬送光)が左端からそこを通じて伝搬し、5つのファセット16らによって偏向(又は外部結合)される。図示の光線は、元々、表示されたイメージを亘るように選択された三点から発出された中心光線であり、端的には:実線42で図示された光線がイメージの中央点から発出し、長い破線41で図示された光線が(観者から観て)イメージの最も右から発出し、短い破線43で図示された光線が(観者から観て)イメージの最も左から発出する。明確に図示に見られるように、異なるイメージ点からの光線が異なるファセットを介して目20に到達する。例えば、最も左の点から目に到達する光線(短い破線)が主に第1の(最も左の)ファセット16aを通過し、中央点(実線)から目に到達する光線が主に第3の(中央の)ファセット16bを通過し、最も右の点から目に到達する光線(長い破線)が主に第5の(最も右の)ファセット16cを通過する。そのような光線について、対応のファセットで固有の入射角がある。より一般的には、各ファセットについて、アイ・モーション・ボックス(EMB)17内の任意の点に向けて光線を向ける所定範囲の入射角(イメージの対応の部分からの)があり、そこで目20に光線が入射する。
【0037】
ここでイメージ搬送光が伝搬するファセットの配列において最後の(最も右の)ファセット16cに注目すると、これは、(上述し、また、例えば、図2のプロットの右端に示されるように)設計により最も高い反射率を有する;従って、LOEに亘って通過する光に慣例的に最小の透過率を持つものであり、(例えば、図1Bの最も左のバンドにより実証されるように)外部の観察者にとって最も目に見える。このファセット16cとこれにより反射される光線が図4Bに拡大して図示され、図4Aに詳細と付記された円領域が示される。図面に記入されたように、代表的な3つの光線が固有の入射角で到達することが観察できる。従って、本例においては、イメージ左からの光線(短い破線)が約30度で入射し、イメージ中央からの光線(実線)が約23度で入射し、イメージ右からの光線(長い破線)が約16度で入射する。同一の入射角が他のファセットの全てにも適用することに留意されたい。
【0038】
この場合、イメージの右側から(長い破線)のものだけが関心の光線であり、それだけがEMB17に到達する。より一般的には、16度近くの入射角の範囲でイメージの領域の近くから発出する光線がEMB17内に反射される。これは、設計により反射率が高く維持されなければならない(又は、本発明の第1及び/又は第2側面により可能性として低減された)範囲である。他方、上述した設計範囲とはかなり異なる角度で到来する光信号に関するファセット16cの反射率は、本発明の第3側面によれば、設計範囲の反射率の値に対して低減される。
【0039】
図4Aを再び参照すると、外部の観察者に向けて観者の顔から反射される光といった垂直矢印45により示される方向の上方にLOEを横切る光が見られ、(他の全ファセットと同様)上述した範囲とはかなり異なる入射角でファセット16cを通過する。図4Bに観察されるように、この角度は、約23度である。従って、本例においては、約23度の入射角の範囲が、ファセット16cの反射率がかなり低減されるべきものであり、横断方向(矢印45)の透過率を高め、従って、ファセットの可視性が低減される。
【0040】
より一般的には、本発明の第3側面に係る実施形態においては、配列の最後のファセットの反射率は、そこからアイ・モーション・ボックス内の任意の点に向けて外部結合される光の部分について、好ましくは、主面に垂直な方向に伝搬する光に関するその反射率の少なくとも2倍である。
【0041】
図4Cは、図4Aのファセット16cに関する設計目標を概略的に図示し、端的には、長方形51により図示されるように、(EMBに到達する光線について)16~21度の範囲内の入射角に関して反射率が相対的に高く、垂直線52らにより図示されるように、高い入射角、好ましくは、22~25度の範囲内の入射角に関して反射率が相対的に低い。図4Aのファセット16cについて反射率対入射角のプロット53(実線)がこれらの要件を満足するように図4Cにも見られ、従来のファセットに関して類似のプロット54(破線)と比較される。
【0042】
LOEにおける他のファセットにも類似の設計的な検討が適用され、外部の観察者へのその可視性が更に低減され得ることに留意されたい。
【0043】
単独で有用であり、又は本発明の上述の側面の任意の一つ又は複数のものと組み合わされ、又は、(回折導波路を含む)ライトガイドの全構成に適用可能である、本発明の更なる側面が、ここで図5A及び図5Bを参照して開示される。図5Aに図示されるように、LOE10に沿って伝搬し、観察窓に向けて外部結合されない残余のイメージ搬送光は、伝搬を継続してLOEの端面15♯に到達する。この光の少なくとも一部がその端面で反射して戻され、LOEに沿って反対方向25に伝搬し、そこで、外部結合器が、典型的には、その光の一部をユーザーから離れる外方27に結合する。これは、LOEから発出して外部の観察者に見られる望まない輝き又はグレアに帰結し得る。この効果は、本発明の第1側面に係るLOEで特に明言でき、なぜなら、注入されたイメージ強度の相対的に大部分が、ファセットの全てを伝搬して端面15に到達するためである。
【0044】
この効果を低減するため、本発明の本側面によれば、また、図5Bに図示されるように、光吸収コーティングフィルム又は層35がLOE10の端面15に塗布される。光吸収コーティングは、有利には、LOEの他の3つの側面のいずれにも塗布され得る。光吸収コーティング35は、黒色塗料の層として都合良く実施可能である。幾つかの実施形態においては、コーティングは、粗面を持つように構成され、これは、塗料の塗布前にLOEのエッジを粗面化することにより可能であり、又は、光学的な接着剤又は同種のものを用いてLOEの関連の側面に結合される粗いフィルム又は層を採用することで可能である。
図面に図示されたLOEの配向は、「サイド注入」型の実施と見なされ、ここでは、LOEに入射するイメージ照明が、サイドエッジ近くから入射し、横向きに伝搬することに留意されたい。図示の全ての特徴は、イメージがLOEの上面から注入されて下方に伝搬し、本発明の範囲内のものでもある「トップダウン」型の実施にも同等に適用可能であることに留意されたい。場合によっては、他の中間の配向も適用可能であり、明確に除外されない限り本発明の範囲内に含まれる。
上述の数値例は、単なる例であり、設計最適化過程において変化するものと理解される。本発明の様々な実施形態においては、2つ又はこれを超える本発明の側面が最適化された設計において組み合わされると理解される。
上述の記述は、単なる例だけの役割であることが意図され、添付請求項で規定されたように本発明の範囲内で多くの他の実施形態が可能であると理解される。
【0045】
添付請求項が多項従属なしで起草される限りにおいて、これは、そのような多項従属を許容しない裁判管轄における形式的な要件を満足するためだけに為されたものである。請求項を多項従属とすることにより示唆される特徴の全ての可能な組み合わせが明確に予期され、また、本発明の一部と考えられるべきであることに留意されたい。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
【国際調査報告】