(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-19
(54)【発明の名称】コネクタ用の雌端子位置保証(TPA)装置及びその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20220711BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
H01R13/42 E
H01R43/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021516480
(86)(22)【出願日】2019-04-27
(85)【翻訳文提出日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 US2019029535
(87)【国際公開番号】W WO2020176119
(87)【国際公開日】2020-09-03
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】デマラトス デイビッド
【テーマコード(参考)】
5E051
5E087
【Fターム(参考)】
5E051BA02
5E087EE07
5E087FF08
5E087GG16
5E087GG26
5E087GG31
5E087GG32
5E087GG33
5E087RR06
5E087RR26
(57)【要約】
雌端子位置保証(TPA)装置は、非常に重要な二次ロックを提供し、端子が雌ハウジング内でロックされたままであることを保証する際にはるかに高い保持力をもたらす。雌TPA装置はまた、端子が雌ハウジング内に完全に挿入、又は設置されていない場合に必要な検知を提供し、そのような検知が行われた場合、雌TPA装置によって提供される二次ロックが発生しないようにする。すなわち、端子が雌ハウジングに完全に挿入され、雌ハウジング内の端子に一次ロックが発生したことが検知されると、雌TPA装置を雌ハウジングに挿入することができ、これにより、端子に二次ロックが提供され、端子が雌ハウジング内でロックされたままであることがより確かなものとなる。雌TPA装置は、雌TPA装置が雌ハウジング内でプレロック位置、又は完全ロック位置にある間、雌ハウジングとの複数のロックをさらに含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌ハウジングを有する雌コネクタ組立体用の雌端子位置保証(TPA)装置であって、
丸みを帯びた部材と、
前記丸みを帯びた部材の上部から下部に延びる中間部材と、
前記丸みを帯びた部材の両側からそれぞれ延びて、その各前端に、対応する前方下向き延長部材を有する、前方延長部材と、
上部後方延長部材及び下部後方延長部材と、を特徴とする、雌端子位置保証(TPA)装置。
【請求項2】
前記丸みを帯びた部材は、その両側に一組の下部ノッチ及び上部ノッチを含むことを特徴とする、請求項1に記載の雌TPA装置。
【請求項3】
前記前方延長部材のそれぞれの前記対応する前方下向き延長部材は、前記雌TPA装置が完全ロック位置にあるときに、前記雌ハウジング内に挿入された対応する端子の1つを阻止することを特徴とする、請求項1に記載の雌TPA装置。
【請求項4】
前記丸みを帯びた部材の対応する側の前記下部ノッチは、前記雌TPA装置が前記雌ハウジング内でプレロック位置にあるときに、前記雌ハウジングの前記対応する可撓性ロックアームのロック用小突起と係合するか、又はロック用小突起をロックすることを特徴とする、請求項2に記載の雌TPA装置。
【請求項5】
前記丸みを帯びた部材の対応する側の前記上部ノッチは、前記雌TPA装置が前記雌ハウジング内で完全ロック位置にあるときに、前記雌ハウジングの前記対応する可撓性ロックアームのロック用小突起と係合するか、又はロック用小突起をロックすることを特徴とする、請求項4に記載の雌TPA装置。
【請求項6】
前記上部及び下部後方延長部材は前記雌ハウジング内にロックされることを特徴とする、請求項4に記載の雌TPA装置。
【請求項7】
前記上部及び下部後方延長部材は前記雌ハウジング内にロックされることを特徴とする、請求項5に記載の雌TPA装置。
【請求項8】
前記丸みを帯びた部材は、前記雌ハウジングの前記可撓性ロックアームからそれぞれ延びるロック部材によってロックされることを特徴とする、請求項6に記載の雌TPA装置。
【請求項9】
前記丸みを帯びた部材は、前記雌ハウジングの前記可撓性ロックアームからそれぞれ延びるロック部材によってロックされることを特徴とする、請求項7に記載の雌TPA装置。
【請求項10】
雌ハウジングを有する雌コネクタ組立体に雌端子位置保証(TPA)装置を組み立てる方法であって、
前記雌ハウジングに少なくとも端子を挿入するステップと、
前記雌TPA装置の丸みを帯びた部材を、前記雌ハウジングの可撓性ロックアームに向かってスライドさせるステップと、
前記端子が前記雌ハウジング内で一次ロック位置にあるかどうかを検知するステップと、
前記端子が前記雌ハウジング内で前記一次ロックにある場合、前記雌TPA装置を前記雌ハウジング内で押し下げて、前記雌ハウジング内で前記端子に二次ロックを提供するステップと、を特徴とする、方法。
【請求項11】
前記端子を前記雌ハウジング内に挿入する前記ステップは、前記雌ハウジング内の突出部材を前記端子のノッチ内に収容し、その後、前記雌ハウジング内で前記端子に前記一次ロックを提供するステップ、を含むことを特徴とする、請求項10に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項12】
前記丸みを帯びた部材を前記雌ハウジングの前記可撓性ロックアームに向かってスライドさせる前記ステップは、前記雌ハウジング内で前記雌TPA装置の少なくとも後方延長部材をロックするステップを含むことを特徴とする、請求項10に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項13】
前記端子が前記雌ハウジング内で前記一次ロックにあるかどうかを検知する前記ステップは、前記雌TPA装置の対応する前方延長部材の前方下向き延長部材が前記端子のノッチ内に収容され、それにより、前記端子が前記雌ハウジングから引き出されるのを阻止し、前記雌ハウジング内で前記端子に前記二次ロックを提供することを可能にするステップを含むことを特徴とする、請求項10に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項14】
前記雌TPA装置を押し下げる前記ステップは、前記雌TPA装置を前記雌ハウジング内でプレロック位置に、続いて完全ロック位置に押すステップを含むことを特徴とする、請求項10に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項15】
前記雌TPA装置を押し下げる前記ステップは、前記雌TPA装置を完全ロック位置にさらに押すステップを含むことを特徴とする、請求項10に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項16】
前記雌TPA装置を前記プレロック位置に、続いて前記完全ロック位置に押す前記ステップは、前記雌ハウジングの前記可撓性ロックアームの対応する1つから延びるロック用小突起を、前記雌TPA装置の対応する側の、下部ノッチの内側、続いて上部ノッチの内側にロックするステップを含むことを特徴とする、請求項14に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項17】
前記雌TPA装置を前記完全ロック位置に押す前記ステップは、前記雌ハウジングの前記可撓性ロックアームの対応する1つから延びるロック用小突起を、前記雌TPA装置の対応する側の上部ノッチの内側にロックするステップを含むことを特徴とする、請求項15に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項18】
前記雌ハウジングの両側からそれぞれ延びるロック部材は、前記雌TPA装置が前記雌ハウジング内で前記プレロック位置にあり、続いて前記完全ロック位置にある場合、前記雌TPA装置の前記丸みを帯びた部材の両側をそれぞれロックすることを特徴とする、請求項16に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【請求項19】
前記雌ハウジングの両側からそれぞれ延びるロック部材は、前記雌TPA装置が前記雌ハウジング内で前記完全ロック位置にある場合、前記雌TPA装置の前記丸みを帯びた部材の両側をそれぞれロックすることを特徴とする、請求項17に記載の前記雌コネクタ組立体に前記雌TPA装置を組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この特許出願は、2019年2月25日出願の米国仮特許出願第62/810,179号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
雌コネクタ組立体では、その中の端子は、一次ロックを提供されることに加えて、雌ハウジング内部で二次ロックをさらに提供されることが望ましい。端子の二次ロックは、(一次ロックのみと比較して)はるかに高い保持力を提供し、端子が雌ハウジング内でロックされたままであることをより確かなものとする。さらに、端子が雌ハウジング内に完全に挿入、又は取り付けられていない場合に検知し、そのような検知が行われた場合は、端子に二次ロックが機能しないようにすることが望ましい。
【0003】
本発明の雌端子位置保証(TPA)装置は、はるかに高い保持力を提供するために非常に重要な二次ロックと、端子が雌ハウジング内でロックされたままであるというより高い保証とを提供する。本発明の雌TPA装置はまた、端子が雌ハウジング内に完全に挿入、又は設置されていない場合に必要な検知を提供し、そのような検知が行われた場合、雌TPA装置によって提供される二次ロックが生じさせないようにする。すなわち、端子が雌ハウジングに完全に挿入され、雌ハウジング内の端子に一次ロックが発生したことが検知されると、本発明の雌TPA装置を雌ハウジングに挿入することができ、これにより、端子に二次ロックが提供され、端子が雌ハウジング内でロックされたままであることがより確かなものとなる。本発明の雌TPA装置は、雌TPA装置がプレロック位置、又は完全ロック位置にある間、雌ハウジングとの複数のロックをさらに備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、雌コネクタ組立体用の、好ましくは高電圧雌コネクタ組立体用の雌TPA装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の雌TPA装置は、対応する端子が雌コネクタ組立体に完全に挿入、又は取り付けられていないことを検知した場合、雌コネクタ組立体内でロックしない。同時に、対応する端子が雌コネクタ組立体内で完全ロック位置にない場合、端子は雌TPA装置が雌コネクタ組立体内でロックされるのを阻止、又は防止する。本発明の雌TPA装置は、雌TPA装置がプレロック位置、又は完全ロック位置にある間、雌ハウジングとの複数のロックをさらに備える。
【0006】
さらに、雌TPAが雌コネクタ組立体内で完全ロック位置にない場合、雌コネクタ組立体は雄コネクタ組立体と嵌合できない。完全ロック位置にある場合、雌TPA装置は、雌コネクタ組立体内で端子をロック及び保持するために必要な保持力に対して高い保証を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】雌コネクタ組立体で使用するための本発明の雌端子位置保証(TPA)装置の正面斜視図である。
【
図5】プレロック位置で雌ハウジングに取り付けられた本発明の雌TPA装置の斜視図である。
【
図6】完全ロック位置で雌ハウジングに取り付けられた本発明の雌TPA装置の斜視図である。
【
図7】
図5の断面線7-7に沿って取られた断面図であり、雌ハウジング内部のプレロック位置にある雌TPA装置の対応する前方延長部材の対応する前方下向き延長部材を備える対応する端子を示す。
【
図8】
図6の断面線8-8に沿って取られた断面図であり、雌ハウジング内部の完全ロック位置にある雌TPA装置の対応する前方延長部材の対応する前方下向き延長部材を備える対応する端子を示す。
【
図9】プレロック位置にある、雌ハウジング内の雌TPA装置の側面立面図である。
【
図10】完全ロック位置にある、雌ハウジング内の雌TPA装置の側面立面図である。
【
図11A】雌TPA装置が雌ハウジングに入る方法を示す斜視図であり、分解図において、雌ハウジングに挿入される準備ができている雌TPA装置を示す。
【
図11B】雌TPA装置が雌ハウジングに入る方法を示す斜視図であり、雌ハウジングに入った雌TPA装置を示す。
【
図11C】雌TPA装置が雌ハウジングに入る方法を示す斜視図であり、雌TPA装置が雌ハウジングにほぼ半分挿入されていることを示す。
【
図11D】雌TPA装置が雌ハウジングに入る方法を示す斜視図であり、プレロック位置にある、雌ハウジング内の雌TPA装置を示す。
【
図11E】雌TPA装置が雌ハウジングに入る方法を示す斜視図であり、完全ロック位置にある、雌ハウジング内の雌TPA装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一般に参照番号1と呼ばれる、雌端子位置(TPA)装置の正面斜視図を示している。雌TPA装置1は、中間部材3及び丸みを帯びた部材5を含む。中間部材3は、丸みを帯びた部材5の上部7から下部9まで延びる。丸みを帯びた部材5は、その両側に、そこから前方に延びる部材10、12を有する。
【0009】
図2に示されているのは、上部後方延長部材13及び下部後方延長部材15である。前方延長部材10、12のそれぞれの前端には、対応する前方下向き延長部材20、22がある。また、前方延長部材10、12のそれぞれは、対応する上部部材25、27を有し、上部部材25、27のそれぞれは、対応する傾斜路状の前端部29、30を有する。
【0010】
図3に示されているのは雌TPA装置1の上面立面図であり、前方延長部材10、12、それぞれそこから延びる対応する上部部材25、27、及び上部部材25、27のそれぞれの傾斜路状の前端部29、30を示している。また、上部後方延長部材13及び下部後方延長部材15も示されている。上部後方延長部材13は、そこから延びる上部棘状部材35を有し、一方、下部後方延長部材15は、そこから延びる下部棘状部材37を有する。
図4に示すように、雌TPA装置1の両側を通過するのは、中間部材3を間に挟んだ開口部40、42である。
【0011】
図5は、雌ハウジング50に挿入されて取り付けられている間のプレロック位置にある雌TPA装置を示している。雌ハウジング50は、前部53及び後部55を有する。
図6は、雌ハウジング50に挿入されて取り付けられている間の完全ロック位置にある雌TPA装置1を示している。
【0012】
以下、雌ハウジング50内の端子60の一次ロックについて説明する。
図7に示すように、突出部材62は、雌ハウジング50の下部から延びている。突出部材62は、傾斜路状の先端65を含む。そして、端子60の先端部分68はノッチ70を備え、端子60が雌ハウジング50に完全に挿入されると、ノッチ70は突出部材62の傾斜路状の先端65を容易に通過する。端子60が雌ハウジング50に完全に挿入されると、雌ハウジング50の突出部材62は、端子60の先端部分68のノッチ70に嵌り、それにより、端子60を雌ハウジング50の内側にロック(一次ロック)する。
【0013】
図7はさらに、
図5の線7-7に沿って取られた断面図を示しており、雌TPA装置1はプレロック位置にある。上記のように、雌ハウジング50内の突出部材62が端子60の先端部分68のノッチ70に嵌る、又は入ると、端子60はロックされる(一次ロック)。その結果、端子60は雌ハウジング50から引き抜くことができず、そのようなとき、端子60の上部ノッチ80は、前方下向き延長部材20、22の対応する1つをその中に受け入れるか、又は収容するために利用可能になる。すなわち、端子60が雌ハウジング50内で一次ロックにあり、端子60の上部ノッチ80が前方下向き延長部材20、22の対応する1つを受け入れるか、又は収容するために利用可能でない限り、前方下向き延長部材20、22は、雌ハウジング50内で端子60に必要な二次ロックを提供することができない。言い換えれば、端子60が雌ハウジング50内で一次ロックにない場合、雌TPA装置1は、端子60の先端部分68の上部85によって、さらに押し下げられるのを防止される。その結果、端子60の先端部分68の上部85が雌TPA装置を阻止する(より具体的には、雌TPA装置1の前方下向き延長部材20、22を阻止する)場合、雌TPA装置1は、さらに押し下げられることができず、したがって、雌ハウジング50内で端子60に二次ロックを提供することができない(すなわち、雌TPA装置1をさらに押し下げて完全ロック位置にすることができない)ことを検知する。
【0014】
図8は、雌ハウジング50内で完全ロック位置にある雌TPA装置1を示している。ここで、端子60の上部ノッチ80は、雌TPA装置1の前方下向き延長部材20、22の対応する1つをその中に収容するために利用可能になる。したがって、端子60の上部ノッチ80のそれぞれの1つの内側に挿入されると、雌TPA装置1の前方下向き延長部材20、22は、それぞれ、端子60が内部ハウジング50から引き出されるのを阻止し、したがって、雌ハウジング50内で端子60に二次ロックを提供することができる。
【0015】
雌TPA装置1のプレロック位置に関して
図5及び
図7に示されていることに加えて、
図9は、プレロック位置にあるときの雌TPA装置1のさらに別の機構、又は構造的配置をさらに示す。
【0016】
図9では、雌TPA装置1が雌ハウジング50内に押し下げられると、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5の下部ノッチ90の対応する1つは、雌ハウジング50の対応する可撓性ロックアーム51から延びるロック用小突起部材93をその中に収容し、ロック用小突起部材93は下部ノッチ90の対応する1つに入る。同様の機構、又は構造的配置が、丸みを帯びた部材5の反対側で生じる。すなわち、丸みを帯びた部材5の反対側において、対応する下部ノッチ90がその上に配置され、雌TPA装置1がプレロック位置に押し込まれると、対応するロック用小突起部材93も同様に雌TPA装置1の対応する反対側の対応する下部ノッチ90に入る。
【0017】
雌TPA装置1の完全ロック位置に関して
図6及び
図8に示されていることに加えて、
図10は、完全ロック位置にあるときの雌TPA装置1のさらに別の機構、又は構造的配置をさらに示す。
【0018】
図10では、雌TPA装置1が雌ハウジング50内にさらに押し下げられると、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5の側面の上部ノッチ95は、雌ハウジング50の対応する可撓性ロックアーム51から延びるロック用小突起部材93をその中に収容する。同様の構造的配置は、丸みを帯びた部材5の反対側にある。すなわち、丸みを帯びた部材5の反対側において、雌TPA装置1が完全ロック位置にさらに押し下げられると、対応する上部ノッチ95も同様に、雌ハウジング50の反対側で対応する可撓性ロックアーム52から延びるロック用小突起部材93をその中に収容する。
【0019】
また、
図9及び10には、雌ハウジング50の両側から延びるロック部材105が示され、各ロック部材105は傾斜路状の先端106を有し、これにより雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5は、雌ハウジング50の前部53に沿って、雌ハウジング50の可撓性ロックアーム51、52に向かって横切る、又は移動することができる。その結果、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5が雌ハウジング50のロック部材105を通過すると、雌ハウジング50の前部53に沿って雌TPA装置1を引っ込めることが困難になる。
【0020】
雌ハウジング50内で端子60に二次ロックを提供するために雌ハウジング50内に雌TPA装置1を組み立てる、又は操作するための方法を以下に説明する。以下に説明するのは、
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、及び
図11Eに関連して、雌TPA装置1を雌ハウジング50とともに組み立てる、又は操作するための方法ステップである。以下
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、及び
図11Eで説明する雌ハウジング50内で端子60をロックするための雌TPA装置1のプレロック及び完全ロック位置は、
図5及び
図7(プレロック位置にある雌TPA装置1)並びに
図6及び
図8(完全ロック位置にある雌TPA装置1)に関して上に図示及び説明したのと同様に、一次ロックにある雌ハウジング50内の端子60(
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、及び
図11Eには示されていないが)のそれぞれを含むことに留意されたい。
【0021】
図11Aは、雌TPA装置1及び雌ハウジング50の分解図である。ここで、上部後方延長部材13及び下部後方延長部材15は、雌ハウジング50に挿入、又は取り付けられる準備ができている雌ハウジング50の前部53に面している。より具体的には、上部後方延長部材13及び下部後方延長部材15は、実質的に雌ハウジング50の長さに沿って部分的に延びるスリット100に挿入する準備ができている。
【0022】
図11Bでは、雌ハウジング50は、雌TPA装置1の開口部40、42に入り、一方、上部後方延長部材13及び下部後方延長部材15は、両方とも、雌ハウジング50のスリット100に入っている。
図11Cでは、雌TPA装置1は、前部53に沿って雌ハウジング50の中間部材110に向かってさらに押されており、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5は、現在、雌ハウジング50の前部53のほぼ中間にある。以下、雌TPA装置1は、
図11Dに示すように、前部53に沿って雌ハウジング50の中間部材110に向かってさらに押し込まれる。
【0023】
図11Dは、雌ハウジング50内でプレロック位置にある雌TPA装置1を示している。雌TPA装置のこのプレロック位置において、端子60が雌TPA装置1及び雌ハウジング50に関連して配置される
図5及び
図7に関して説明される方法の説明は、
図11Dに示される構造的配置においても同様に適用可能である。言い換えれば、
図1Dでは、端子60は、
図5及び
図7に関して先に説明及び図示されたのと同様の方法で、雌ハウジング50内で一次ロックにあると推定される。
【0024】
図11Dでは、上部後方延長部材13の上部棘状部材35及び下部後方延長部材15の下部棘状部材37(
図11Aを参照)の両方が、雌ハウジング50の中間部材110の後ろの空間108に入っており、空間108は、雌ハウジング50の後部55に配置されている。したがって、上部棘状部材35及び下部棘状部材37は、雌ハウジング50の中間部材110と係合するようになった。その結果、雌TPA装置1を、雌ハウジング50の前部53に沿って、雌ハウジング50の中間部材110から離れるように引っ込めることが困難になる。同様に、
図11Dでは、
図9及び
図10に関して上で論じたように、雌ハウジング50の両側から延びるロック部材105(例えば、
図11Cを参照)(各ロック部材105は、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5が雌ハウジング50の前部53に沿ってその可撓性ロックアーム51、52に向かって横断、又は移動することを可能にする傾斜路状の先端106(例えば、
図9及び
図11Cを参照)を有する)はそれぞれ、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5を中間部材110、より具体的には、内部ハウジング50の可撓性ロックアーム51、52にロックする。その結果、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5が雌ハウジング50のロック部材105を通過すると、雌TPA装置1を雌ハウジング50の前部53に沿って雌ハウジング50の中間部材110から離れるように引っ込めることがさらに困難になる。
【0025】
図11Eは、雌ハウジング50内で完全ロック位置にある雌TPA装置1を示している。雌TPA装置1のこの完全ロック位置において、端子60がTPA装置1及び雌ハウジング50に関連して配置される
図6及び
図8に関して説明される方法の説明は、
図11Eに示される構造的配置においても同様に適用可能である。言い換えれば、
図11Eでは、端子60は、
図6及び
図8に関して説明及び図示されたのと同様の方法で、雌ハウジング50内で一次ロックにあると推定される。
【0026】
図11Dにおけるプレロック位置で上に説明したのと同様に、
図11Eに示す構造的配置では、雌TPA装置1の上部棘状部材35及び下部棘状部材37は雌ハウジングの50の空間108に入っており、上部棘状部材35及び下部棘状部材37は、雌ハウジング50の中間部材110と係合するようになった。また、雌ハウジング50のロック部材105はそれぞれ、雌TPA装置1の丸みを帯びた部材5を、雌ハウジング50の可撓性ロックアーム51、52にロックしている。
図11Dに関連して、雌TPA装置1は(
図6及び
図8に関して先に説明したように、及び
図11Dに示したように)さらに押し下げられる。その結果、
図11Eに示すように、雌TPA装置1は、完全ロック位置にあり、端子60に二次ロックを提供し、雌ハウジング50の可撓性ロックアーム51、52と係合し、その後方延長部材13、15は、雌ハウジング50の後部55の内側にロックされている。
【0027】
本発明の雌TPA装置1は、典型的なISLのTPA装置とは異なり、雌ハウジング50の本体の外側にプレロック及び完全ロック位置を提供する。本発明はまた、より大きな端子である高電圧端子にも非常に適しており、長い前方延長部材10、12を提供する。この構造的配置は、大きな端子を使用することで「フィンガープルーフ」を支援する。小さな端子の場合、必要な開口部は本質的に小さいため、非常に小さな指でも開口部に挿入することができず、そのため、端子に接触することができない。しかしながら、本発明では、この構造的配置を大きな高電圧端子に使用することにより、開口部も大きくすることができ、小さな指を挿入して端子と接触することができる。本発明の上記の特徴により、「クリーページ」(コネクタ内の所与の回路から任意の(通常は隣接する)他の回路への表面に沿った最短経路の測定値)、及び「クリアランス」(例えば、コネクタの所与の回路内の露出した導電性要素から同じコネクタ内の異なる回路内の他の導電性要素までの最短の電気経路の測定値として定義される)が有利に増加する。
【0028】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の範囲、又は同等物から逸脱することなく、設計、構造的配置などの様々な修正を使用することができる。
【国際調査報告】