(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-19
(54)【発明の名称】サーマルドローイング用の構造化プリフォーム
(51)【国際特許分類】
B29C 67/02 20170101AFI20220711BHJP
B29B 11/10 20060101ALI20220711BHJP
B29C 48/305 20190101ALI20220711BHJP
B29C 48/21 20190101ALI20220711BHJP
【FI】
B29C67/02
B29B11/10
B29C48/305
B29C48/21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568263
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 US2020033195
(87)【国際公開番号】W WO2020232376
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518169772
【氏名又は名称】エヴェリックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】バナエイ エスマエイル
(72)【発明者】
【氏名】ボガ ジャスティン
【テーマコード(参考)】
4F201
4F207
4F213
【Fターム(参考)】
4F201AC03
4F201AG01
4F201AG03
4F201AH73
4F201BA03
4F201BC02
4F201BC21
4F201BD05
4F201BM02
4F201BM06
4F201BM13
4F207AG01
4F207AG03
4F207AH73
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4F207KB26
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4F207KW23
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4F213AC03
4F213AG01
4F213AG03
4F213AH73
4F213WA06
4F213WA15
4F213WA43
4F213WA63
4F213WB01
4F213WB21
(57)【要約】
本発明の装置は、サーマルドローイング(加熱延伸)用のスラブ形プリフォーム中にくっつけることができるシートの多層スタックを生じさせることが可能である。シートは、下層(サブレーヤ)を含むのが良い。下層状化されたシートを積み重ねることにより、その結果として、最終作製プリフォーム中に層の堆積が生じる。積み重ねプロセスは、シートの配置およびスタックの作製を支援するために機械的並進・運搬方式を使用するのが良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
押出し出力部を備えた押出しダイを有し、前記押出し出力部は、膜を生じさせるようスリットの形をしており、
プリフォーム組立プラットフォームを有し、
並進ステージを有し、前記並進ステージによる運動によって、前記押出し出力部と前記プリフォーム組立プラットフォームとの間に相対運動が生じ、
前記並進ステージに通信可能に結合されたコントローラ回路系を有し、前記コントローラ回路系は、運動指令を前記並進ステージに送って前記プリフォーム組立プラットフォームを位置決めし、その結果、前記押出しダイによって得られた現フィルムが前記押出しダイによって得られた先のフィルムの頂部上に層状化されてプリフォームスタックを作るようになっている、装置。
【請求項2】
前記押出しダイは、前記押出し出力部に結合された多数の押出し入力部をさらに有し、
オプションとして、前記押出しダイは、最高12個までの入力部を有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記押出しダイ出力部は、チャネルによって前記多数の押出し入力部に結合され、前記チャネルは、前記押出し出力部のところに多下層膜を生じさせるよう材料を前記多数の押出し入力部から前記押出し出力部のための単一の流れに押し込む、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
部分集合をなす前記多数の押出し入力部は各々、前記膜内に多数の同種材料の下層を生じさせるよう単一の材料供給ラインに結合されている、請求項1~3のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項5】
前記部分集合は、奇数番目の膜下層の押出し入力部を含む、請求項1~4のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項6】
補集合をなす押出し入力部は各々、別の単一の材料供給ラインに結合され、前記補集合は、前記部分集合の補集合を含み、
オプションとして、前記補集合は、偶数番目の膜下層の押出し入力部を含む、請求項1~5のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項7】
前記押出し出力部に対してある位置に固定されたローラをさらに有し、前記位置は、前記膜が前記出力部を出た後に前記ローラが垂直圧力を前記膜に及ぼすよう選択されている、請求項1~6のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項8】
前記押出し出力部に対してある位置に固定されたカッタをさらに有し、前記カッタは、前記コントローラ回路系に通信可能に結合され、オプションとして、前記コントローラ回路系は、さらに、
前記並進ステージが前記プリフォームスタックのための層終了走行点に達したことを確認し、
前記並進ステージが前記層終了走行点に位置している時点において、切断指令を出して前記カッタが切断作用を前記膜に加えるようにし、
オプションとして、前記並進ステージのための層開始点を定め、そして、
オプションとして、前記切断指令の実行後、運動指令を出して前記並進ステージが前記層開始点まで動くようにするよう構成されている、請求項1~7のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項9】
前記カッタは、エッジカッタ、レーザカッタ、および/またはヒータを含む、請求項1~8のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項10】
前記プリフォーム組立プラットフォームおよび前記押出し出力部周りに配置された防塵シールドをさらに有する、請求項1~9のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項11】
前記プリフォーム組立プラットフォームおよび前記押出し出力部の周りに設けられたエンクロージャをさらに有し、
オプションとして、前記エンクロージャは、防塵性かつ/あるいは耐湿性であり、
オプションとして、前記エンクロージャは、前記コントローラ回路系に通信可能に結合されたヒータを収容し、前記コントローラ回路系は、包囲指令を出して前記エンクロージャ温度を前記ヒータが前記プリフォームスタックのための層接着温度に保持するよう構成され、
オプションとして、前記エンクロージャは、少なくとも低真空状態に保持された真空封止エンクロージャを含む、請求項1~10のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項12】
前記押出し出力部は、厚さが10ミクロン~1,000ミクロンである、請求項1~11のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項13】
前記プリフォームスタックは、光フィルタプリフォームスタックを含む、請求項1~12のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項14】
前記押出しダイは、ポリマー材料、ガラス材料、またはこれら両方の材料のための押出しダイを含む、請求項1~13のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項15】
装置であって、
シートリザーバと、
プリフォーム組立プラットフォームと、
遠位端部にシートグリップが設けられた組立ロボットアームと、
加熱状態のプレスプレートを備えたプレスと、
コンベヤと、
前記ロボットアーム、前記コンベヤ、および前記プレスに通信可能に結合されたコントローラ回路系とを有し、前記コントローラ回路系は、
ピックアンドプレース指令を前記ロボットアームに出して前記シートリザーバからシートを選択して前記プリフォーム組立プラットフォーム上にシートの垂直スタックを構築し、
前記ピックアンドプレース指令を送った後、運搬指令を前記コンベヤに出して、前記プリフォーム組立体を前記プレスに至る前記プリフォーム組立プラットフォームまで並進させ、そして、
前記運搬指令を送った後、プレス指令を前記プレスに送って熱および圧力を前記シートの垂直スタックに加えるよう構成されている、装置。
【請求項16】
前記シートリザーバは、各々が異なる種類のシートを入れる多数のビン、前記ビンは、オプションとして、アレイの状態に配列され、
積み立て順序で積み重ねられたシートを入れるビン、
積み立て順序で積み重ねられたシートが積まれるコンベヤベルト、
シートの多数のカートリッジを入れるカルーセル、
各々が異なる種類のシートを入れる多数の軌道、または
これらの任意の組み合わせを有する、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記プリフォーム組立プラットフォームは、前記シートの垂直スタックを保持するトレーを有する、請求項15または16記載の装置。
【請求項18】
前記シートグリップは、クランプ、吸引カップ、またはこれら両方を含む、請求項15~17のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項19】
前記ピックアンドプレース指令は、シートを繰り返しパターンで積み重ねるための指令を含む、請求項15~17のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項20】
前記繰り返しパターンは、2種類のシートの交互配列パターンを含む、請求項15~19のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項21】
前記ロボットアームは、平面を有し、
オプションとして、前記ピックアンドプレース指令は、前記平面を用いて水平圧力を加えて前記シートのスタックを強化するための指令を含む、請求項15~20のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項22】
前記プリフォーム組立プラットフォームは、シート位置合わせスリーブを有し、
オプションとして、前記シート位置合わせスリーブは、取り外し可能であり、
オプションとして、前記運搬指令、前記ピックアンドプレース指令、またはこれら両方の指令は、前記シート積み重ねが完了した後に、前記シート位置合わせスリーブを取り外すための指令を含む、請求項15~21のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項23】
前記プレスは、
トッププレスプレート、
ボトムプレスプレート、
真空チャンバ、または
これらの任意の組み合わせを有し、
オプションとして、前記プレス指令は、前記垂直スタックを真空下、加熱下、またはこれら両方の状況下においてサンドイッチ状態で加圧するための指令を含む、請求項15~22のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項24】
前記プレス指令は、前記加熱状態のプレスプレートが前記シートの垂直スタックのための層接着温度まで昇温するようにするための指令を含み、
オプションとして、前記層接着温度は、前記シートの垂直スタックの前記材料の組成に基づいて選択される、請求項15~23のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項25】
前記コンベヤは、コンベヤベルト、ロボットアーム、またはこれら両方を含む、請求項15~24のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項26】
第1のローラアームをさらに有し、
オプションとして、前記コントローラ回路系は、ローラ指令を送って、シートが前記ピックアンドプレース指令に従って配置された後に前記第1のローラアームが前記シートの垂直スタックを水平に横切って転動するようにするよう構成され、
オプションとして、前記装置は、第2のローラアームを有し、
オプションとして、前記ローラ指令は、前記第2のローラアームが前記シートの垂直スタックの反対側で前記第1のローラアームと平行に転動するようにするための指令をさらに含む、請求項15~25のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項27】
クリーニングステーションをさらに有し、
オプションとして、前記ピックアンドプレース指令は、前記ロボットアームが前記シートの垂直スタック上への配置に先立って、クリーニングのために前記シートを前記クリーニングステーション内に配置するようにするための指令を含み、
オプションとして、前記クリーニングステーションは、ダストピックアップロール、イオン化エアガン、またはこれら両方を含む、請求項15~26のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項28】
方法であって、
押出しダイを通って膜を押出し出力部に押し出すステップと、
前記押出しと協調された状態で、プリフォーム組立プラットフォームを前記押出し出力部に対して並進させるステップとを含み、前記膜は、前記プリフォーム組立プラットフォーム上のプリフォームスタック上に落下し、前記膜は、前記プリフォームスタックの先の層の頂部上に前記プリフォームスタックの現層を形成し、前記先の層もまた、前記押出しダイを通って押し出されている、方法。
【請求項29】
多数の押出し入力部を経て前記押出しダイを送るステップをさらに含み、
オプションとして、前記押出しダイを送る前記ステップは、最高12個の入力部を通って前記押出しダイを送るステップを含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記押出しダイを送る前記ステップは、チャネル経由で前記押出しダイを送るステップを含み、前記チャネルは、前記押出し出力部のところに多下層膜を生じさせるよう材料を前記多数の押出し入力部から前記押出し出力部のための単一の流れに押し込む、請求項28または29記載の方法。
【請求項31】
前記押出しダイを送る前記ステップは、部分集合をなす前記多数の押出し入力部を単一の材料送りラインから送って前記膜内に多数の同種材料の下層を生じさせるステップを含む、請求項28、29、または30記載の方法。
【請求項32】
前記部分集合は、奇数番目の膜下層の押出し入力部を含む、請求項28~31のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項33】
前記押出しダイを送る前記ステップは、補集合をなす押出し入力部を別の単一の材料供給ラインから送るステップを含み、前記補集合は、前記部分集合の補集合を含み、
オプションとして、前記補集合は、偶数番目の膜下層の押出し入力部を含む、請求項28~32のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項34】
ローラを前記現層の頂部上に当てて垂直圧力を前記プリフォームスタックに及ぼすステップをさらに含む、請求項28~33のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項35】
前記先の層を覆った後、前記現層を切断するステップをさらに含み、
オプションとして、前記方法は、
前記先の層が層終了走行点に達した前記プリフォーム組立プラットフォームに応動して被覆されたことを確認するステップと、
前記並進ステージが前記層終了走行点に位置している時点において、カッタが前記切断を実行するようにするステップと、
オプションとして、前記プリフォーム組立プラットフォームのための層開始点を定めるステップと、
オプションとして、前記切断後、前記プリフォーム組立プラットフォームが前記層開始点まで動くようにするステップとをさらに含む、請求項28~34のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項36】
前記カッタは、エッジカッタ、レーザカッタ、および/またはヒータを含む、請求項28~35のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項37】
前記プリフォームスタックを前記プリフォーム組立スタック上に位置している間、ダストから遮蔽するステップをさらに含む、請求項28~36のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項38】
プリフォーム作製中、前記プリフォームスタックの周りに設けられたエンクロージャを閉鎖するステップをさらに含み、
オプションとして、前記エンクロージャは、防塵性および/または耐湿性エンクロージャを含み、
オプションとして、前記エンクロージャは、少なくとも低真空状態に保持された真空封止エンクロージャを含む、請求項28~37のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項39】
前記プリフォーム組立プラットフォームを層接着温度まで加熱するステップをさらに含む、請求項28~38のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項40】
前記膜を押し出す前記ステップは、厚さ10ミクロン~1,000ミクロンの膜を押し出すステップを含む、請求項28~39のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項41】
前記プリフォームスタックは、光フィルタプリフォームスタックを含む、請求項28~40のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項42】
前記膜を押し出す前記ステップは、ポリマー材料、ガラス材料、またはこれら両方の材料を押し出すステップを含む、請求項28~41のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項43】
方法であって、請求項1~27のうちいずれか一に記載の前記装置のうちの任意のものを使用するステップを含む、方法。
【請求項44】
プリフォームを作製するための請求項1~27に記載された前記装置および/または請求項28~43に記載された前記方法のうちの任意のものを実施する製造方法であって、
オプションとして、前記プリフォームは、光フィルタプリフォームである、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容(本発明)は、サーマルドローイング(thermal drawing:加熱延伸)向きの構造化プリフォームに関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2019年5月15日に出願された米国特許仮出願第62/848,243号(代理人事件番号:16030‐37)の優先権主張出願であり、米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。本願はまた、2020年5月14日に出願された米国特許仮出願第63/024,892号(代理人事件番号:16030‐56)の優先権主張出願でもあり、この仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイ技術、エネルギー効率、および種々の他の光学素子における強い顧客要望によって促された急激な進歩の結果として、光学材料(または光媒体)が普及した。一例として、世界全体を通じて、何百万平方メートルという光フィルタがフラットスクリーンディスプレイやフレキシブルスクリーンディスプレイにおいて必要となっている。光媒体品質および生産速度の向上は、需要を引き続き高めるであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一観点によれば、装置であって、
押出し出力部を備えた押出しダイを有し、押出し出力部は、膜を生じさせるようスリットの形をしており、
プリフォーム組立プラットフォームを有し、
並進ステージを有し、並進ステージによる運動によって、押出し出力部とプリフォーム組立プラットフォームとの間に相対運動が生じ、
並進ステージに通信可能に結合されたコントローラ回路系を有し、コントローラ回路系は、運動指令を並進ステージに送ってプリフォーム組立プラットフォームを位置決めし、その結果、押出しダイによって得られた現フィルムが押出しダイによって得られた先のフィルムの頂部上に層状化されてプリフォームスタックを作るようになっていることを特徴とする装置が提供される。
【0005】
本発明の別の観点によれば、装置であって、
シートリザーバと、
プリフォーム組立プラットフォームと、
遠位端部にシートグリップが設けられた組立ロボットアームと、
加熱状態のプレスプレートを備えたプレスと、
コンベヤと、
ロボットアーム、コンベヤ、およびプレスに通信可能に結合されたコントローラ回路系とを有し、コントローラ回路系は、
ピックアンドプレース指令をロボットアームに出してシートリザーバからシートを選択してプリフォーム組立プラットフォーム上にシートの垂直スタックを構築し、
ピックアンドプレース指令を送った後、運搬指令をコンベヤに出して、プリフォーム組立体をプレスに至るプリフォーム組立プラットフォームまで並進させ、そして、
運搬指令を送った後、プレス指令をプレスに送って熱および圧力をシートの垂直スタックに加えるよう構成されていることを特徴とする装置が提供される。
【0006】
本発明のさらに別の観点によれば、方法であって、
押出しダイを通って膜を押出し出力部に押し出すステップと、
押出しと協調された状態で、プリフォーム組立プラットフォームを押出し出力部に対して並進させるステップとを含み、膜は、プリフォーム組立プラットフォーム上のプリフォームスタック上に落下し、膜は、プリフォームスタックの先の層の頂部上にプリフォームスタックの現層を形成し、先の層もまた、押出しダイを通って押し出されていることを特徴とする方法が提供される。
【0007】
本発明のさらに別の観点によれば、方法であって、上記装置のうちの任意のものを使用するステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0008】
本発明のさらに別の観点によれば、プリフォームを作製するための上記装置および/または上記方法のうちの任意のものを実施する製造方法であって、
オプションとして、プリフォームは、光フィルタプリフォームであることを特徴とする製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】プリフォーム作製のための例示の装置を示す図である。
【
図2】
図1のプリフォームの製作装置の作動に関する対応の論理回路を示す図である。
【
図6】トップローラアームのさらに別の拡大図である。
【
図9】
図7の例示の押出し装置の作動に関する例示の対応の論理回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
多層光学膜の作製のための同時押出し用の種々のシステムでは、同時押出しライン内における同時押出し送りブロックおよび層マルチプライヤーユニットの内壁から材料の流れに加わる有限摩擦の結果として、薄膜層の健全性およびコンシステンシーに悪影響を及ぼす場合のある層の歪みが生じる。これは、幾つかの場合、最終の作成済み光学部品の光学性能に悪影響を及ぼす場合がある。自己組織化高分子およびポリマー安定化キラル液晶を用いるシステムを使用するのが良い。しかしながら、自己組織化は、層の数が数十、数百および/または数千であるシステムを製作する上で難題をもたらす場合がある。上記技術に対する種々の改造が構造化層の多様性、最高数十、数百/数千以上の層、および作製時における高レベルの光学的品質を達成するよう実施されている場合がある。例えば、以下に説明するように、同時押出し、スタックアンドドロー(stack and draw)、および/または他の技術を用いると、第1段(ステージ)のスラブ状プリフォームを作ることができ、次に、かかるプリフォームを加熱延伸して最終の作製状態の光学部品を作る。
【0011】
種々のシステムでは、スラブ状プリフォームを第1の延伸段において中サイズの膜またはシートの状態に延伸することができる。これらシートを層状化ナノまたはミクロスケールシートの状態に延伸するための多層第2段スラブ状プリフォームの形態に積み重ねるのが良い。例えば、構造化膜(多段延伸後)は、屈折率が互いに異なる2つの互いに位置する材料の100個の四分の一波長層(50個のバイレーヤ(bi-layer))の多層スタックであるのが良い。例示では、全厚25mmの2つの層を備えた厚手のプリフォームをまず最初に、2つの層の比が2つの材料の屈折率の比に反比例することができるよう組み立てるのが良い。2層プリフォームを熱的かつ化学的に適合性のある材料から組み立てるのが良く、その結果、これら材料は、加熱および加圧下において(材料の軟化点および/または融点よりも少し高い温度で)または他の接着方法により互いに結合するようになる。次に、この例示の2層プリフォームの延伸度を250倍にして厚さ0.1mmの2下層(two-sublayer:ツーサブレーヤ)膜の状態にするのが良い。次に、厚さが同一の50枚のかかる2下層膜を加熱および加圧下で互いの頂部上に積み重ねて全多層厚さが5mmの100層第2段プリフォームを作るのが良い。これら多層を外側管内に埋め込まれている場合が多いフォトニック結晶ファイバ(PCF)ケインに類似してジャケット層内に埋め込まれるのが良い。次いで、この第2段プリフォームの延伸度を500倍にして各内部バイレーヤがいまや、スペクトルの赤外範囲(層の屈折率に応じた波長)内の四分の一波長ブラッグ反射器に対応して200nmになることができるようになっている。この技術を種々の仕方で上述の例示を越えて拡張することができる。例えば、この技術は、3つ以上の層または3種類以上の材料で第1段膜を用いることができる。一例において、この技術を用いると、四分の一波長スタックとして使用可能な層厚さ比とは別の層厚さ比を備えたフィルタを作ることができ、例えば、長周期グレーティング、半波、全波、またはサブ波長メタ物質を形成することができる。
【0012】
追加的にまたは代替的に、第1段膜(例えば、膜内に下層(サブレーヤ)を形成する第1段膜がプリフォームスタックを形成する)を延伸以外の技術で作ることができる。例示として、同時押出しプロセスにより僅かな層から成る第1段膜を作ることができる。一例として、同時押出し送りブロックおよびダイを最大4種類までの互いに異なる材料の最大12個の下層について(例えば、4つの互いに異なる送りライン連結入力部から)用いることができる。ダイは、個々のダイスリットの各々の厚さの調節を支援することができ、その結果、膜内の多数の下層の各々(各下層は次に、プリフォームを構成するよう積み重ねられる)を別個独立にカスタマイズすることができる。幾つかの場合、3の比の値が最小下層厚さと最大下層厚さとの間で達成可能である。同時押出しされた膜またはシートを次に、多くの層から成るプリフォームのサーマルドローイングのために第2段プリフォームの状態に組み立てることができる。
【0013】
その後において構造化膜またはシートへの延伸を可能にするためにかかる構造化プリフォームを提供して作る種々の技術およびアーキテクチャについて説明する。
【0014】
種々の具体化例では、スタック組み立て装置を用いて多層プリフォームを組み立て、その後サーマルドローイングを行うのが良い。
【0015】
第1段では、互いに異なる厚さ、互いに異なる材料、互いに異なる下層構成、または他の特性を備えた種々のシートをシートリザーバ内に貯蔵するのが良い。シートは、単一の長さおよび幅のものであっても良く(非一様な厚さのシートであっても良く)、その結果、これらシートを両側部が平坦である同一平面上にあるスタックの状態に組み合わせることができる。幾つかの場合、ロボットアーム上の平面または組み立てプラットフォーム上のシートスリーブは、シート同一平面上に押すよう用いるのが良い。幾つかの場合、シートスリーブは、組み立てプラットフォームから取り外し可能であるのが良く、その結果、シートスリーブをこれらシートが接着を達成するよう加圧される前に取り外すことができるようになっている。シートを吸引リフトグリップ(他の積み重ねシステム、例えば横方向に走行する収集プラットフォーム付きの多数の平行なコンベヤ軌道)を備えたピックアンドプレースロボットアームによって前方に持ち出すことができる。次に、シートをダストピックアップローラ組立体を含むシートクリーニングシステム、イオン化圧力エアクリーニング、または他のクリーニングシステムにより置くのが良い。しかしながら、ピックアンドプレース順序づけ後にクリーニングを行う必要性は、シートリザーバ内のダストおよび/または水分レベルに依存する場合がある。したがって、幾つかの場合、シートのクリーニングがシステムにおいて行われなくても良く、あるいは測定条件(例えば、空気品質条件、大気中のダストレベル、または他の条件)を満たしたときにスキップされても良い。
【0016】
第2段では、シートをプリフォームの状態に組み立てるのが良い。ピックアンドプレースロボットアーム(または第2のクリーニング後積み重ねシステム)は、第1段で選択されて順序づけされたシートをプリフォート組み立てプラットフォーム上に配置するのが良い。例示では、一連の吸引アームが一直線の状態に垂直または水平に整然と並べられ、その結果、これら吸引アームは、クリーニングされたシートがクリーニングセグメントから出たときにクリーニング済みシートの第1の縁を保持して動かすようになっている。アームのうちの最後のアームは、シートを2つの水平方向(例えば、長さおよび幅方向)においてプリフォーム組み立てプラットフォーム(または組み立て中の不完全なプリフォーム)上の正確な位置に整列させるのが良い。幾つかの場合、プリフォームプラットフォームは、組み立て中のプリフォームの頂面をピックアンドプレースシステムについて選択された高さまで至らせて次のシートを配置するための垂直並進段を有するのが良い。
【0017】
この例示では、2本のアーム(幾つかの場合、別々のかつ/あるいは平行な)を用いることができる。例示では、トップアームは、軟質クリーニングローラを有し、ボトムアームは、真空吸引バーを有する。次に、2本のアームは、シートの長さに沿って水平に動く。このプロセスは、下向きの垂直加圧力をシートに及ぼして取り込まれた空気を除去しながら頂面をクリーニングする。真空バーは、ダスト/空気除去プロセスをさらに助ける。この例示では、ピックアンドプレースシステムは、アームまたは他の障害物を2本のアームが2本のアームによってスタックを横切る妨げられない状態の走行を可能にするために邪魔にならないように動かすのが良い。
【0018】
プリフォームスタックがいったん組み立てられると、第3のピックアンドプレースシステム(例えば、ロボットアーム、コンベヤシステム、または他のピックアンドプレースシステム)は、プリフォームを真空チャンバ中に移送するのが良く、この真空チャンバは、加熱状態のトッププレートおよびボトムプレートを備えている。加熱状態のプレートは、プリフォームスタックをサンドイッチして真空下において制御された圧力を加えることができる。
【0019】
次に
図1を参照すると、プリフォーム作製のための例示の装置100が示されている。装置100は、プリフォーム組立プラットフォーム105、シートリザーバ110、ピックアンドプレースシステム120、クリーニングシステム130、コンベヤ140、およびプレス150を有する。また
図2を参照すると、プリフォーム作製装置の作動のための対応の論理回路200が示されている。論理回路200は、コントローラ回路系上で具体化されるのが良い。
【0020】
追加の説明のため、
図3もまた参照するが、この図は、装置100の別の図である。
【0021】
シートリザーバ110は、シートの多数のビン114を備えたカルーセル112を有するのが良い(例えば、
図1の例示の装置100に示されているように)。種々の具体化例では、シートリザーバは、種々のシート貯蔵および提供システムにより具体化されるのが良い。例えば、シートリザーバ110は、各々が異なる型式のシートを入れる多数のビン114を有するのが良い。幾つかの場合、ビンは、アレイの状態に配列されるのが良い。例えば、アレイは、特定のシート種類について規定された位置を有するのが良い。かくして、ピックアンドプレースシステムは、ビンの位置とシート種類を相関させることができる。かくして、特定の積み重ね順序(例えば、シートがプリフォームスタック中に配置される順序)は、シートをアレイ中の特定の位置から順番に取り出すことによって実施されるのが良い。
【0022】
幾つかの具体化例では、シートリザーバは、あらかじめ配置された積み重ね順序でシートを入れたビンを有するのが良い。例えば、シートは、シートをプリフォームスタック中に配置することができる順序(または逆の順序)でシートリザーバのビンの中に装入されるのが良い。積み重ね順序は、繰り返しパターン、交互配列パターン、数列をなしたパターン(例えば、回折格子パターン)、無作為化擬似、無作為化パターンまたは光学素子向きの他のパターンを含むのが良い。
【0023】
幾つかの具体化例では、リザーバは、シートが積み重ねられる入力コンベヤベルトを有するのが良い。幾つかの場合、シートは、コンベヤベルト上に積み重ね順序をなして到着するのが良い。
【0024】
幾つかの具体化例では、カルーセルを用いるのが良い。幾つかの場合、カルーセルは、垂直であっても良く水平であっても良い。幾つかの場合、多数の平行カルーセルを用いることができる(例えば、種々のシートを積み重ね順序で収集するようカルーセルの間を走行する横方向走行式ピックアンドプレースシステムで)。
【0025】
幾つかの場合、多数のコンベヤ軌道を用いるのが良く、例えば、互いに異なる種類のシートが互いに異なる軌道上に載せられる。横方向走行式ピックアンドプレースシステムは、シートを互いに異なる軌道から積み重ね順序で収集するよう使用されるのが良い。
【0026】
例示のピックアンドプレースシステム120は、ロボットアーム122を含むのが良く、ロボットアーム122の遠位端部にはシートグリップ124が設けられており、この例示のピックアンドプレースシステム120は、論理回路200から送られた指令を受け取ってシートリザーバ110からのシートを積み重ね順序でプリフォーム組立プラットフォーム105上に積み重ねることができる(202)。種々のシステムでは、シートグリップは、吸引カップシステム、クランプ、静的クリングシステム(static cling system )またはシートを把持する他のシステムを有するのが良い。プリフォームスタック101の組み立て時点では、クリーニングシステム130は、プリフォーム組立プラットフォーム105と同一の場所に配置されるのが良い。幾つかの場合、プリフォーム組立プラットフォーム105は、クリーニングシステム130の出力部のところに配置されるのが良い。幾つかの場合、プリフォーム組立プラットフォーム105は、ベルトによって運搬できるとともに/あるいはスタックをシートが互いにくっつく前にユニットとして搬送することができるロボットアームによってピックアップできるトレーを有するのが良い。幾つかの場合、ピックアンドプレースシステムは、シートスタックの側部を平坦に加圧してシートが適正に整列するようにするための可動平面を含むのが良い。
【0027】
例示のクリーニングシステム130は、例えば上述した2アームシステムを含むのが良い。追加の説明のため、
図4~
図6もまた参照し、これらの図は、トップローラアーム132の拡大図である。幾つかの場合、クリーニングシステムは、イオン化空気圧力クリーニング、洗浄システム(洗浄流体、例えばアルコールまたは他の流体を用いる)、または他のクリーニングシステムを含むのが良い。
【0028】
プリフォームスタックを組み立てた後、コンベヤシステム140は、論理回路200によって送られた指令を受け取ってプリフォームスタックをプレス150まで運搬するのが良い(204)。コンベヤシステムは、コンベヤベルトを含むのが良い。追加的にまたは代替的に、コンベヤシステム140は、ロボットアームまたは別のピックアンドプレースシステムを含む。
【0029】
プリフォームスタックがプレス150内に位置しているとき、論理回路200は、プレス指令をスタックに送って圧力(例えば、トップおよび/またはボトムプレスプレートで)プリフォームスタックに加えるのが良い(206)。幾つかの場合、プレス指令は、熱を加えるための(例えば、プリフォームスタックを層接着温度まで加熱するための)指令をさらに含むのが良い。層接着温度は、隣り合うシートが互いにくっつくとともに/あるいは融着する温度を含むのが良い。幾つかの場合、接着温度は、隣り合うシートが変形してくっつくようにすることができる軟化温度(シート材料にとっての)よりも少しだけ高い温度であるように選択されるのが良い。幾つかの場合、接着温度は、隣り合うシートが融解(または部分融解)および再凝固(例えば、凍結)により互いにくっつくことができるようにする融点(シート材料および/またはシート材料のサブセットについての)よりも高い温度であるのが良い。幾つかの具体化例では、プレス指令は、プレスチャンバを排気して加圧が真空下で(または加熱および真空下で)起こることができるようにするための指令をさらに含むのが良い。
【0030】
上述したように、同時押出し第1段膜をプリフォーム組立プラットフォーム上で互いの頂部上に直接押し出すのが良い。
【0031】
同時押出し機は、各々が厚さ数十マイクロメートルの多数の層を含む高品質膜を生じさせることができる。本明細書において説明する技術は、同時押出しプロセスを用いて第1段膜を生じさせてこれらを互いの頂部上に直接布設して多層プリフォームを生じさせ、それにより薄膜フィルタ延伸が行われる。
【0032】
同時押出し装置は、材料の各々のための1つ以上の押出し機送りラインにより多材料第1段膜を生じさせるための多数の押出しラインを有するのが良い。多種類の材料は、組み合わさり、次に、材料の流れを互いに各材料の少なくとも1つの層を含む流れ中に押し込むよう設計されたスリットダイ中に押し込まれる。同時押出しダイは、多数の入力材料を最高12個までの互いに異なる層中に送るのが良い。幾つかの具体化例では、各スリットの開口部の寸法は、リップをスリット相互間で動かして材料の相対流量を調節し、したがって相対厚さを調節することによって調節可能である。
【0033】
多層プリフォームを組み立てるこの形態では、スリット調節は、スリット開口部およびこれらの相対寸法を制御回路系からの指令に基づいて調節することができるよう電動化されるのが良い。幾つかの場合、相対寸法は、層順序および/または他の特性をさらに含むプリフォーム仕様の一部分を含むのが良い。
【0034】
同時押出し装置では、多数の下層から成る膜がダイをいったん出ると、この多下層膜は、この膜を圧延するための冷却ローラを含む多数のローラを通過するのが良い。
【0035】
押し出された多下層膜をプリフォーム組立プラットフォームの頂部上にまたは組み立て中の不完全なプリフォーム上に布設するのが良い。
【0036】
種々のシステムでは、プリフォーム組立プラットフォームは、1本以上の軸線、例えば1本の長手方向水平および1本の垂直軸線に沿って動いて水平層布設および垂直積み重ねを支援するのが良い。垂直位置は、ダイ出口が組み立て中の(または、第1の層、組立プラットフォームのための)不完全なプリフォームの頂面から僅かな距離を置いたところに位置するよう調節されるのが良い。プリフォームに追加される各層に関し、プリフォームプラットフォームは、各追加の層について同一の押出し出力部‐頂部層距離を維持するよう垂直にシフトされるのが良い。ダイ温度は、押し出された材料が、出口のところで、変形せずまたは厚さを変えないほど硬質であるが、組み立て中、プリフォームの頂面にくっつくに足るほど依然として軟質であるよう調節されるのが良い。プリフォーム組立体もまた、接着を容易にする温かい背景温度を提供するエンクロージャ内に位置するのが良い。このエンクロージャは、追加的にまたは代替的に、これらの層が中間層気泡のない状態で定着する傾向があるように真空を提供するのが良い。
【0037】
膜に垂直圧力(僅かな、例えば、軟化した材料中の気泡または他の変形部を除去するのに十分な圧力)を加えるためにローラを押出しダイに対して固定するのが良い。真空バーを(追加的にまたは代替的に)利用してガスおよび/またはダスト粒子を除去し、それにより変形およびデブリのない層の接着を助けるのが良い。幾つかの場合、トップローラからダイ出力部までの距離、ローラ温度、およびローラが加える垂直圧力を調節すると、膜がプリフォームの頂部にくっつけられているときの膜の変形を最小限に抑えることができる。
【0038】
上述したように、多層押出しダイは、ダイスリットおよびかくして膜の内部下層の厚さ調節を可能にする。押出し速度は、シート内の内部厚さの比を変更することなく、押し出されたシートの厚さを調節するために利用されるのが良い。したがって、プリフォームが組み立てられているとき、シート厚さおよび/または内部下層厚さの比を動的に層ごとに調節することができる。
【0039】
いま、
図7を参照すると、押出しのための例示の装置700が示されている。この装置は、材料送りライン720に連結された押出し出力部712および押出し入力部714を備えた押出しダイ710を有する。ローラ760が押出し出力部712に対して取り付けられている。装置700は、プリフォーム組立プラットフォーム730および並進段またはステージ740をさらに有する。エンクロージャ750がプリフォーム組立プラットフォーム730および押出し出力部712を含む装置700の諸部分を包囲している。引き続き
図7を参照しながら、以下の説明は、
図8もまた参照しており、
図8は、押出しを利用したプリフォーム作製のための例示の補完的技術800を示しており、以下の説明はまたさらに、
図9を参照しており、
図9は、例示の押出し装置700の作動のための例示の対応の論理回路900を示している。
【0040】
追加の説明のため、次に、
図10~
図12を参照し、これらの図は、装置700を別の角度から見た図である。
【0041】
押出しダイ710は、押出し出力部712を通って材料を押出してフィルムを生じさせるのが良い(804)。種々の具体化例では、押出し出力部712は、スリットの形をしているのが良い。材料は、押出し入力部714を経て押出し出力部712に送られるのが良い。幾つかの場合、押出し入力部は、押出しダイ710の内側に位置するのが良い。幾つかの場合、多数の押出し入力部(内部であれ外部であれいずれによせよ)は、同一の材料を提供する単一の送りラインまたは同種の材料を提供する多数の送りラインに連結されるのが良い。幾つかの場合、互いに異なる入力部は、互いに異なる材料を提供する互いに異なる送りラインに連結されるのが良い。幾つかの場合、押出しダイは、12個の下層を押し出された膜内に支持するために最高12個までの入力部を備えるのが良く、この場合、膜は、作製されたプリフォームの層となる。幾つかの具体化例では、論理回路900は、流量および/または押出し速度を制御する押出し指令を送るのが良い(902)。幾つかの場合、押出し指令は、相対的下層厚さを制御するための押出しシステムのパラメータ、例えばアパーチュアを調節するための指令を含むのが良い。種々の具体化例では、押し出された膜は、厚さが10ミクロン未満から1000ミクロン以上までの範囲にわたるのが良い。幾つかの場合、押し出された膜は、厚さが300~400ミクロンであるのが良い。
【0042】
種々の具体化例では、送りライン中の材料としては、ポリマー、例えば液晶ポリマーまたは他のポリマー材料、ガラス、金属、または光フィルタおよび/または他の光学素子の作製のための他の材料が挙げられる。
【0043】
膜を押し出すため、押出しダイは、1つ以上の押出し入力部から材料を押出し、そしてチャネルに通して押出し出力部まで押し出すのが良い。幾つかの場合、多数の入力部が設けられている場合、チャネルは、互いに異なる流れからの材料を出力部のための単一の流れに押し込むのが良い。したがって、入力が異種材料を有する場合、組み合わされた流れは、多種類の材料で構成される場合がある。
【0044】
種々の具体化例では、多種類の材料は、パターンをなして、例えば交互パターン(奇数番目の層が同種の材料を有し、偶数番目の層が別の第2の材料を有する)に配列されるのが良い。繰り返しパターン、数列をなすパターンまたは他のパターンの採用が可能である。幾つかの場合、層は、選択された順序(例えば、オペレータによって)または無作為/擬似無作為順序であっても良い。幾つかの2材料から成る場合、下層の部分集合は、第1の材料を有するよう選択されるのが良く、補集合(例えば、膜中の残りの下層が部分集合の一部をなさない)が第2の材料を有するよう選択されるのが良い。
【0045】
並進段740は、膜がプリフォームスタックの現在の層713を形成するプリフォームスタックの頂部に布設されるようプリフォームプラットフォーム730を位置決めすることができる(806)。プリフォームスタックの頂部は、先の層715によって形成される。現層713は、現時点において押し出されている層(膜として)であり、先の層715は、先に押し出されてプリフォームスタック上に布設された層を含む。並進段は、現層がプリフォームスタックを覆うよう(例えば、端から端まで)プリフォームスタックを動かす。論理回路900は、並進指令を並進段740に送って本明細書において説明する並進段の動きを生じさせる(904)。
【0046】
例えば、並進段は、層開始点から層終点まで水平に(例えば、一水平方向に)走行することができる。
【0047】
層終点に達すると、押出しが終了/中断して現層の端部を形成することができる。幾つかの場合(例えば、押出しダイ710に設けられている)が現層713を切断してこれを押出し出力部712から分離する。カッタとしては、膜を裁断することができる切れ刃またはブレード、分離を生じさせるようアブレーションし、溶解させるとともに/あるいは燃やす切断レーザ、ヒータ、または押出し出力部のところの膜を現層から分離するための別の切断装置が挙げられる。カッタは、切断指令により制御されるのが良い(906)。
【0048】
層終点に達して押出し出力部のところの膜を現層から分離した後、並進段740は、垂直方向下方に歩進し(例えば、完成したばかりの現層713の厚さだけ)、そしてレーザ開始点まで戻ることができる。次に、例示の装置700は、押出しを再開して新たな現層を生じさせることができる。
【0049】
種々の具体化例では、装置700は、現層713が布設されている間、垂直方向下向きの圧力を現層に及ぼして変形部/気泡を除去して現層713を頂部の先の層715にくっつけるのを助けることができるローラ760を有するのが良い。幾つかの場合、ローラ760の底部と押出し出力部との間の垂直距離は、及ぼされる圧力レベルを制御するよう調節可能である(手動でかつ/あるいは例えばローラ指令によって動的に(908))。追加的にまたは代替的に、水平距離は、押出し出力部に対する垂直圧力が押出し出力部に対して及ぼされる場所を制御するよう同様に調節可能であるのが良い。幾つかの場合、垂直/水平位置決めは、変形部または不完全な中間層接着性を除去/極小化/減少させるよう選択可能である。幾つかの場合、ローラ760は、中間層接着を助ける層接着温度まで加熱されるのが良い。幾つかの場合、中間層接着のための加熱は、押出しダイ710によって調整可能であり、例えば、その結果、押出し出力部のところで出る際に、膜は、中間接着に用いられた温度の状態になる。
【0050】
種々の具体化例では、押出し出力部およびプリフォームプラットフォームは、エンクロージャ750内に閉じ込められるのが良く(802)またはダストシールドによって覆われるのが良い。幾つかの場合、エンクロージャ750は、防湿性であり、防塵性であり、かつ/あるいは気密性であるのが良い。幾つかの場合、エンクロージャは、低真空、中程度の真空、および/または高真空を支援するよう封止されるのが良い。真空ポンプ752を用いると、エンクロージャを排気することができる。エンクロージャ750は、エンクロージャを層接着温度まで加熱するためのヒータまたは加熱器を(代替的にまたは追加的に)有するのが良い。論理回路900は、エンクロージャ指令を送ってエンクロージャ内の温度状態および/または真空状態を制御することができる(910)。
【0051】
上記説明は、光学材料、装置、およびシステムに関する。「光学」という用語は、可視光、赤外光、紫外光、およびX線を意味しており、さらに、画像化、検出、または他の光学用途で用いられるテラヘルツ放射線および他の放射線帯に関する。
【0052】
上述の方法、技術、処理、および論理回路は、多種多様な仕方でかつハードウェアとソフトウェアの多種多様な組み合わせの状態で具体化できる。例えば、具体化例の全てまたは一部一部は、命令プロセッサ、例えば中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、プログラム可能論理回路(PLD)またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはアナログ回路部品、ディジタル回路部品、もしくはこれら両方、またはこれらの任意の組み合わせを含む個別論理または他の回路部品を含む回路系を含む回路系であるの良い。回路系は、個別相互接続ハードウェア部品を含んでも良くかつ/あるいは多数の集積回路ダイ中に分散配置された単一の集積回路ダイ上に組み合わされても良くまたは例示として共通パッケージ内に多数の集積回路ダイのマルチプル・チップ・モジュール(MCM)の状態に具体化されても良い。
【0053】
回路系は、この回路系によって実行可能な命令をさらに含むのが良くまたはこれら命令に接近するのが良い。これら命令は、信号および/またはデータストリームとして埋め込まれるのが良くかつ/あるいは一過性信号以外のタンジブル記憶媒体、例えばフラッシュメモリ、読み取り書き込み記憶装置(RAM)、読み取り専用記憶装置(ROM)、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)内にまたは磁気または光ディスク、例えばコンパクトディスク読み取り専用記憶装置(CD‐ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)または他の磁気もしくは光ディスク上に、あるいは別の機械可読媒体内または機械可読媒体上に記憶可能であるのが良い。製品、例えばコンピュータプログラム製品は、特に、記憶媒体およびこの記憶媒体内にまたはこの記憶媒体上に記憶される命令を含むのが良く、かかる命令がデバイス内の回路系によって実行されると、デバイスは、上述しまたは図面に示された処理のうちの任意のものを実行することができる。
【0054】
具体化例は、回路系、例えばハードウェアおよび/または多数のシステムコンポーネント中のオプションとして多分散型処理システムを含む多数のプロセッサおよびメモリのうちのハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして分散配置されるのが良い。パラメータ、データベース、および他のデータ構造は、別々に記憶されて管理されても良く、単一のメモリまたはデータベース中に組み込まれても良く、多種多様な仕方で局所的にかつ物理的に組織化されても良く、例えばリンクされたリスト、ハッシュ表、アレイ、記録、オブジェクト、または暗黙的記憶機構体のようなデータ構造として含まれる多種多様な仕方で具体化されても良い。プログラムは、単一のプログラム、別々のプログラムの諸部分(例えば、サブルーチン)であっても良く、幾つかのメモリおよびプロセッサにわたって分散されていても良く、あるいは多種多様な仕方で例えばライブラリ、例えば共用ライブラリ(例えば、ダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL))で具体化されても良い。例えば、DLLは、回路系によって実行されると、上述しまたは図面に示された処理のうちの任意のものを実行する命令を記憶しているのが良い。
【0055】
種々の具体化例が本明細書において説明されている。他の具体化例が可能である。種々の実施態様項について以下に明示的に説明する。
【0056】
〔実施態様項E1〕
一実施態様において、装置が、押出し出力部を備えた押出しダイを有し、上記押出し出力部は、膜を生じさせるようスリットの形をしており、上記装置は、プリフォーム組立プラットフォームと、並進ステージとをさらに有し、上記並進ステージによる運動によって、上記押出し出力部と上記プリフォーム組立プラットフォームとの間に相対運動が生じ、上記装置は、上記並進ステージに通信可能に結合されたコントローラ回路系をさらに有し、上記コントローラ回路系は、運動指令を上記並進ステージに送って上記プリフォーム組立プラットフォームを位置決めし、その結果、上記押出しダイによって得られた現フィルムが上記押出しダイによって得られた先のフィルムの頂部上に層状化されてプリフォームスタックを作るようになっている、装置。
【0057】
〔実施態様項E2〕
上記押出しダイは、上記押出し出力部に結合された多数の押出し入力部をさらに有し、オプションとして、上記押出しダイは、最高12個までの入力部を有する、実施態様項E1記載の装置。
【0058】
〔実施態様項E3〕
上記押出しダイ出力部は、チャネルによって上記多数の押出し入力部に結合され、上記チャネルは、上記押出し出力部のところに多下層膜を生じさせるよう材料を上記多数の押出し入力部から上記押出し出力部のための単一の流れに押し込む、実施態様項E1またはE2記載の装置。
【0059】
〔実施態様項E4〕
部分集合をなす上記多数の押出し入力部は各々、上記膜内に多数の同種材料の下層を生じさせるよう単一の材料供給ラインに結合されている、実施態様項E1~E3のうちいずれか一に記載の装置。
【0060】
〔実施態様項E5〕
上記部分集合は、奇数番目の膜下層の押出し入力部を含む、実施態様項E1~E4のうちいずれか一に記載の装置。
【0061】
〔実施態様項E6〕
補集合をなす押出し入力部は各々、別の単一の材料供給ラインに結合され、上記補集合は、上記部分集合の補集合を含み、オプションとして、上記補集合は、偶数番目の膜下層の押出し入力部を含む、実施態様項E1~E5のうちいずれか一に記載の装置。
【0062】
〔実施態様項E7〕
上記押出し出力部に対してある位置に固定されたローラをさらに有し、上記位置は、上記膜が上記出力部を出た後に上記ローラが垂直圧力を上記膜に及ぼすよう選択されている、実施態様項E1~E6のうちいずれか一に記載の装置。
【0063】
〔実施態様項E8〕
上記押出し出力部に対してある位置に固定されたカッタをさらに有し、上記カッタは、上記コントローラ回路系に通信可能に結合され、オプションとして、上記コントローラ回路系は、さらに、上記並進ステージが上記プリフォームスタックのための層終了走行点に達したことを確認し、上記並進ステージが上記層終了走行点に位置している時点において、切断指令を出して上記カッタが切断作用を上記膜に加えるようにし、オプションとして、上記並進ステージのための層開始点を定め、そして、オプションとして、上記切断指令の実行後、運動指令を出して上記並進ステージが上記層開始点まで動くようにするよう構成されている、実施態様項E1~E7のうちいずれか一に記載の装置。
【0064】
〔実施態様項E9〕
上記カッタは、エッジカッタ、レーザカッタ、および/またはヒータを含む、実施態様項E1~E8のうちいずれか一に記載の装置。
【0065】
〔実施態様項E10〕
上記プリフォーム組立プラットフォームおよび上記押出し出力部周りに配置された防塵シールドをさらに有する、実施態様項E1~E9のうちいずれか一に記載の装置。
【0066】
〔実施態様項E11〕
上記プリフォーム組立プラットフォームおよび上記押出し出力部の周りに設けられたエンクロージャをさらに有し、オプションとして、上記エンクロージャは、防塵性かつ/あるいは耐湿性であり、オプションとして、上記エンクロージャは、上記コントローラ回路系に通信可能に結合されたヒータを収容し、上記コントローラ回路系は、包囲指令を出して上記エンクロージャ温度を上記ヒータが上記プリフォームスタックのための層接着温度に保持するよう構成され、オプションとして、上記エンクロージャは、少なくとも低真空状態に保持された真空封止エンクロージャを含む、実施態様項E1~E10のうちいずれか一に記載の装置。
【0067】
〔実施態様項E12〕
上記押出し出力部は、厚さが10ミクロン~1,000ミクロンである、実施態様項E1~E11のうちいずれか一に記載の装置。
【0068】
〔実施態様項E13〕
上記プリフォームスタックは、光フィルタプリフォームスタックを含む、実施態様項E1~E12のうちいずれか一に記載の装置。
【0069】
〔実施態様項E14〕
上記押出しダイは、ポリマー材料、ガラス材料、またはこれら両方の材料のための押出しダイを含む、実施態様項E1~E13のうちいずれか一に記載の装置。
【0070】
〔実施態様項E15〕
一実施態様において、装置が、シートリザーバと、プリフォーム組立プラットフォームと、遠位端部にシートグリップが設けられた組立ロボットアームと、加熱状態のプレスプレートを備えたプレスと、コンベヤと、上記ロボットアーム、上記コンベヤ、および上記プレスに通信可能に結合されたコントローラ回路系とを有し、上記コントローラ回路系は、ピックアンドプレース指令を上記ロボットアームに出して上記シートリザーバからシートを選択して上記プリフォーム組立プラットフォーム上にシートの垂直スタックを構築し、上記ピックアンドプレース指令を送った後、運搬指令を上記コンベヤに出して、上記プリフォーム組立体を上記プレスに至る上記プリフォーム組立プラットフォームまで並進させ、そして、上記運搬指令を送った後、プレス指令を上記プレスに送って熱および圧力を上記シートの垂直スタックに加えるよう構成されている、装置。
【0071】
〔実施態様項E16〕
上記シートリザーバは、各々が異なる種類のシートを入れるオプションとしてアレイの状態に配列された多数のビン、積み立て順序で積み重ねられたシートを入れるビン、積み立て順序で積み重ねられたシートが積まれるコンベヤベルト、シートの多数のカートリッジを入れるカルーセル、各々が異なる種類のシートを入れる多数の軌道、またはこれらの任意の組み合わせを有する、実施態様項E15記載の装置。
【0072】
〔実施態様項E17〕
上記プリフォーム組立プラットフォームは、上記シートの垂直スタックを保持するトレーを有する、実施態様項E15またはE16記載の装置。
【0073】
〔実施態様項E18〕
上記シートグリップは、クランプ、吸引カップ、またはこれら両方を含む、実施態様項E15~E17のうちいずれか一に記載の装置。
【0074】
〔実施態様項E19〕
上記ピックアンドプレース指令は、シートを繰り返しパターンで積み重ねるための指令を含む、実施態様項E15~E17のうちいずれか一に記載の装置。
【0075】
〔実施態様項E20〕
上記繰り返しパターンは、2種類のシートの交互配列パターンを含む、実施態様項E15~E19のうちいずれか一に記載の装置。
【0076】
〔実施態様項E21〕
上記ロボットアームは、平面を有し、オプションとして、上記ピックアンドプレース指令は、上記平面を用いて水平圧力を加えて上記シートのスタックを強化するための指令を含む、実施態様項E15~E20のうちいずれか一に記載の装置。
【0077】
〔実施態様項E22〕
上記プリフォーム組立プラットフォームは、シート位置合わせスリーブを有し、オプションとして、上記シート位置合わせスリーブは、取り外し可能であり、オプションとして、上記運搬指令、上記ピックアンドプレース指令、またはこれら両方の指令は、上記シート積み重ねが完了した後に、上記シート位置合わせスリーブを取り外すための指令を含む、実施態様項E15~E21のうちいずれか一に記載の装置。
【0078】
〔実施態様項E23〕
上記プレスは、トッププレスプレート、ボトムプレスプレート、真空チャンバ、またはこれらの任意の組み合わせを有し、オプションとして、上記プレス指令は、上記垂直スタックを真空下、加熱下、またはこれら両方の状況下においてサンドイッチ状態で加圧するための指令を含む、実施態様項E15~E22のうちいずれか一に記載の装置。
【0079】
〔実施態様項E24〕
上記プレス指令は、上記加熱状態のプレスプレートが上記シートの垂直スタックのための層接着温度まで昇温するようにするための指令を含み、オプションとして、上記層接着温度は、上記シートの垂直スタックの上記材料の組成に基づいて選択される、実施態様項E15~E23のうちいずれか一に記載の装置。
【0080】
〔実施態様項E25〕
上記コンベヤは、コンベヤベルト、ロボットアーム、またはこれら両方を含む、実施態様項E15~E24のうちいずれか一に記載の装置。
【0081】
〔実施態様項E26〕
第1のローラアームをさらに有し、オプションとして、上記コントローラ回路系は、ローラ指令を送って、シートが上記ピックアンドプレース指令に従って配置された後に上記第1のローラアームが上記シートの垂直スタックを水平に横切って転動するようにするよう構成され、オプションとして、上記装置は、第2のローラアームを有し、オプションとして、上記ローラ指令は、上記第2のローラアームが上記シートの垂直スタックの反対側で上記第1のローラアームと平行に転動するようにするための指令をさらに含む、実施態様項E15~E25のうちいずれか一に記載の装置。
【0082】
〔実施態様項E27〕
クリーニングステーションをさらに有し、オプションとして、上記ピックアンドプレース指令は、上記ロボットアームが上記シートの垂直スタック上への配置に先立って、クリーニングのために上記シートを上記クリーニングステーション内に配置するようにするための指令を含み、オプションとして、上記クリーニングステーションは、ダストピックアップロール、イオン化エアガン、またはこれら両方を含む、実施態様項E15~E26のうちいずれか一に記載の装置。
【0083】
〔実施態様項E28〕
一実施態様において、方法が、押出しダイを通って膜を押出し出力部に押し出すステップと、上記押出しと協調された状態で、プリフォーム組立プラットフォームを上記押出し出力部に対して並進させるステップとを含み、上記膜は、上記プリフォーム組立プラットフォーム上のプリフォームスタック上に落下し、上記膜は、上記プリフォームスタックの先の層の頂部上に上記プリフォームスタックの現層を形成し、上記先の層もまた、上記押出しダイを通って押し出されている、方法。
【0084】
〔実施態様項E29〕
多数の押出し入力部を経て上記押出しダイを送るステップをさらに含み、オプションとして、上記押出しダイを送る上記ステップは、最高12個の入力部を通って上記押出しダイを送るステップを含む、実施態様項E28記載の方法。
【0085】
〔実施態様項E30〕
上記押出しダイを送る上記ステップは、チャネル経由で上記押出しダイを送るステップを含み、上記チャネルは、上記押出し出力部のところに多下層膜を生じさせるよう材料を上記多数の押出し入力部から上記押出し出力部のための単一の流れに押し込む、実施態様項E28またはE29記載の方法。
【0086】
〔実施態様項E31〕
上記押出しダイを送る上記ステップは、部分集合をなす上記多数の押出し入力部を単一の材料送りラインから送って上記膜内に多数の同種材料の下層を生じさせるステップを含む、実施態様項E28、E29、またはE30記載の方法。
【0087】
〔実施態様項E32〕
上記部分集合は、奇数番目の膜下層の押出し入力部を含む、実施態様項E28~E31のうちいずれか一に記載の方法。
【0088】
〔実施態様項E33〕
上記押出しダイを送る上記ステップは、補集合をなす押出し入力部を別の単一の材料供給ラインから送るステップを含み、上記補集合は、上記部分集合の補集合を含み、オプションとして、上記補集合は、偶数番目の膜下層の押出し入力部を含む、実施態様項E28~E32のうちいずれか一に記載の方法。
【0089】
〔実施態様項E34〕
ローラを上記現層の頂部上に当てて垂直圧力を上記プリフォームスタックに及ぼすステップをさらに含む、実施態様項E28~E33のうちいずれか一に記載の方法。
【0090】
〔実施態様項E35〕
上記先の層を覆った後、上記現層を切断するステップをさらに含み、オプションとして、上記方法は、上記先の層が層終了走行点に達した上記プリフォーム組立プラットフォームに応動して被覆されたことを確認するステップと、上記並進ステージが上記層終了走行点に位置している時点において、カッタが上記切断を実行するようにするステップと、オプションとして、上記プリフォーム組立プラットフォームのための層開始点を定めるステップと、オプションとして、上記切断後、上記プリフォーム組立プラットフォームが上記層開始点まで動くようにするステップとをさらに含む、実施態様項E28~E34のうちいずれか一に記載の方法。
【0091】
〔実施態様項E36〕
上記カッタは、エッジカッタ、レーザカッタ、および/またはヒータを含む、実施態様項E28~E35のうちいずれか一に記載の方法。
【0092】
〔実施態様項E37〕
上記プリフォームスタックを上記プリフォーム組立スタック上に位置している間、ダストから遮蔽するステップをさらに含む、実施態様項E28~E36のうちいずれか一に記載の方法。
【0093】
〔実施態様項E38〕
プリフォーム作製中、上記プリフォームスタックの周りに設けられたエンクロージャを閉鎖するステップをさらに含み、オプションとして、上記エンクロージャは、防塵性および/または耐湿性エンクロージャを含み、オプションとして、上記エンクロージャは、少なくとも低真空状態に保持された真空封止エンクロージャを含む、実施態様項E28~E37のうちいずれか一に記載の方法。
【0094】
〔実施態様項E39〕
上記プリフォーム組立プラットフォームを層接着温度まで加熱するステップをさらに含む、実施態様項E28~E38のうちいずれか一に記載の方法。
【0095】
〔実施態様項E40〕
上記膜を押し出す上記ステップは、厚さ10ミクロン~1,000ミクロンの膜を押し出すステップを含む、実施態様項E28~E39のうちいずれか一に記載の方法。
【0096】
〔実施態様項E41〕
上記プリフォームスタックは、光フィルタプリフォームスタックを含む、実施態様項E28~E40のうちいずれか一に記載の方法。
【0097】
〔実施態様項E42〕
上記膜を押し出す上記ステップは、ポリマー材料、ガラス材料、またはこれら両方の材料を押し出すステップを含む、実施態様項E28~E41のうちいずれか一に記載の方法。
【0098】
〔実施態様項E43〕
方法であって、実施態様項E1~E27のうちいずれか一に記載の上記装置のうちの任意のものを使用するステップを含む、方法。
【0099】
〔実施態様項E44〕
プリフォームを作製するための実施態様項E1~E27に記載された上記装置および/または実施態様項E28~E43に記載された上記方法のうちの任意のものを実施する製造方法であって、オプションとして、上記プリフォームは、光フィルタプリフォームである、製造方法。
【0100】
本明細書または上記において引用した米国特許仮出願で用いられている見出しおよび/小見出しは、読者が説明した具体化例を理解するのを助けることを意図しているに過ぎない。
【国際調査報告】