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特表2022-532753電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するためのシステムおよび方法
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  • 特表-電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するためのシステムおよび方法 図1
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  • 特表-電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するためのシステムおよび方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-19
(54)【発明の名称】電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 7/02 20060101AFI20220711BHJP
   B60L 7/24 20060101ALI20220711BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20220711BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20220711BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20220711BHJP
   B60K 8/00 20060101ALI20220711BHJP
   B60B 21/12 20060101ALN20220711BHJP
【FI】
B60L7/02
B60L7/24 D
B60L50/60
B60L58/10
H02K7/18 A
B60K8/00
B60B21/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021568337
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 IB2020054576
(87)【国際公開番号】W WO2020230077
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019000006848
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521497062
【氏名又は名称】ロズミーノ,カルロ
【氏名又は名称原語表記】ROSMINO, Carlo
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100224627
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 稔
(72)【発明者】
【氏名】ロズミーノ,カルロ
【テーマコード(参考)】
3D235
5H125
5H607
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB19
3D235CC42
3D235GA03
3D235GA13
3D235GA47
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC01
5H125BC03
5H125BD00
5H125CB01
5H125CB07
5H125EE31
5H125FF02
5H607AA12
5H607BB02
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB17
5H607DD02
5H607FF21
5H607JJ04
5H607KK07
(57)【要約】
車輪の回転運動により生成された運動エネルギーを回収して電流に変換するために電気自動車およびハイブリッド自動車の充電をするためのシステムは、タイヤ支持リム(1A)の内面に一体に設けられたローターと、ブレーキとタイヤ支持リム(1A)の内面との間の容積において車輪支持ハブの固定部に固定されたステーター(2A,4C)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪の回転運動により生成された運動エネルギーを回収して電流に変換する、電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するためのシステムであって、
タイヤを支持するように構成されたタイヤ支持リム(1A)と、
前記タイヤ支持リム(1A)の内面に組み込まれたローター、および前記タイヤ支持リム(1A)に対して回転可能に固定され、車輪支持ハブに機械的に連結されたブレーキ要素(3D,4D)と前記タイヤ支持リム(1A)との間の容積において前記車輪支持ハブの固定部に固定されるように構成されたステーター(2A,4C)を有する発電機と、
前記発電機に電気的に接続され、前記発電機によって生成された電流を供給可能な蓄電手段と、
前記蓄電手段に電気的に接続され、前記発電機によって生成された電流を用いて供給可能な電子制御装置と
を備え、
前記電子制御装置は、前記発電機から前記蓄電手段への電流の流れを排他的に通過させるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記電子制御装置は、前記発電機から前記蓄電手段への電流の流れの電圧および強さを調整するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タイヤ支持リム(1A)の前記内面にポリウレタン樹脂を用いて固定されている永久磁石(1B,4B)を備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
円筒形状の前記ステーター(2A,4C)は、固形の最終状態を有するポリウレタン樹脂からなり、エナメル銅線(2C)を含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記タイヤ支持リムを回転可能に支持する前記車輪支持ハブと、
前記車輪支持ハブに機械的に接続され、前記タイヤ支持リム(1A)にブレーキトルクを付加するように構成された前記ブレーキ要素(3D,4D)と
を更に備える、請求項1から4までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電する方法であって、
以下のステップ:
a)請求項1から5までのいずれか1項に記載のシステムを準備し、
b)ステップa)に係る前記システムが取り付けられた少なくとも1つの車輪を有する車両を準備し、
c)前記車両の走行中に前記電子制御装置を用いて前記発電機で生成された電流を前記ステーターから前記バッテリーに伝達する
ことを含む、方法。
【請求項7】
ステップc)は、前記電子制御装置を用いて前記発電機から前記蓄電手段に流れる電流の電圧および強さを調整することで実行される、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持続可能なモビリティーの開発という背景の中にあり、電気自動車およびハイブリッド自動車の技術分野、特にそのパワーバッテリーを充電し、その充電状態を維持することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両を使用することで生成される汚染物質の排出量を徐々に低減することは、車両の開発および将来における使用だけでなく、人や物が自由に流通することと理解されるモビリティー自体にとっても重要であることが知られている。この方向性で、都市部および郊外での車両の移動を制限する基準が、イタリアおよび海外の街や都市の当局によって採用されることが増えており、時間とともにますます拡大および拡張している。空気の質が重要なレベルに達したときの緊急措置としてしばしば採用されるこれらのタイプの措置は、汚染物質を減らす目的を達成することに構造的に貢献しない限定的で一時的な利益のみを保証する。カープーリングおよびカーシェアリングのようなシェアリングサービスの利用は、自動車のより責任ある利用を提案しており(実際には自動車の流通台数を制限しようとしている)、必然的に利用者の数の減少させることにしかならないため、ほとんど効果がない。
【0003】
高効率ソリューションの開発に最も積極的で直接的に影響されるのは、疑うことなく生産部門および技術革新部門である。消費量および汚染物質の排出量の両方を減少させる燃焼エンジンが開発されて使用されているため、電気モータを燃焼エンジンと組み合わせてハイブリッド自動車に使用すること、あるいは電気モータを単独のエンジンとして電気自動車に使用することが普及している。
【0004】
現在までに、持続可能なモビリティーという目的を達成する最も具体的な可能性は、完全にまたは部分的に燃料が不要なこれらの電気自動車およびハイブリッド自動車であると考えられてきた。
【0005】
しかし、メーカーが提案する新モデルが増加し、巨大な市場シェアを獲得しているにも関わらず、このタイプの車両の大規模な流通を依然として妨げている限界を忘れてはならない。
【0006】
実際、搭載されている様々なタイプのバッテリーの容量と密接に関連した自律性/ランタイムの低下は、中長距離の車両の利用に影響する。
【0007】
さらに、家庭用電力網に接続されていない場所でバッテリーを充電する時間および可能性により、まだ広く普及していない充電ポイントで長時間停車する必要がある。充電ステーション自体の設置は、インフラへの大きな介入を伴い、特に大都市圏では、休憩施設の更なる減少を伴う。
【0008】
したがって、これまで再生可能資源から生成されていた割合が非常に少ない電流の必要量の増加は、電気自動車およびハイブリッド自動車の使用が増加することにより生じたエコロジー効果を相殺する。
【0009】
当然のことながら、これらの制限は、より持続可能なモビリティーのための技術およびソリューションの出現を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、自動車を推進のための電気モータの無公害性を十分に発揮するソリューションを提供することを目的とする。また、本発明は、実施が容易であり、これにより設計および生産コストを低減し、現在の設計思想および技術を変更することなく、最小限の介入で市場に既に存在するモデルに統合できるソリューションを提供することを目的とする。
【0011】
これらの目的は、本発明に係る電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するためのシステムおよび方法により達成される。
【0012】
車両は、車輪の回転運動により生じた運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに供給することで、走行中に充電される。これは、回転運動を新しい発電機に伝達するための追加の機械要素、例えばシャフトまたはタイミングベルトを追加することなく達成される。シャフトまたはタイミングベルトは、電気モータの効率性を相殺し、車両を動かすために必要な力の損失に関わる摩擦およびブレーキ力を発生させる。
【0013】
本発明で提案するソリューションは、ホイール内に既に存在する空間と、運動エネルギーを電流に変換するために有効な時間とを特定することである。リムはタイヤと車両との間の接続要素であるため、リムの内部構造は、ローターとなり、発電機の第1基礎要素となる。鋼または一般的に使用される合金からなるリムと、鋼または特別に設計・形成された合金からなるリムとの両方は、永久磁石の配置を最適化するのに適していることがわかっている。
【0014】
これらの永久磁石は、リムの内面に(その円周の全部または一部に沿って)好適に配置されており、リムの寸法特性、つまり直径、ハブへの固定面、およびオフセットに応じて、材料の種類、数、大きさおよび形状、吸引力、および向きが異なってもよい。
【0015】
永久磁石は、固形の最終状態を有するポリウレタン樹脂を用いてリムの内部に好適に固定されており、これによりホイールの回転時の不動性と一体性が保証される。
【0016】
発電機の第2基礎要素を構成するステーターは、(永久磁石が取り付けられる)リムの内面と、車両の固定部に接続されたブレーキ支持プレートとの間の空間に好適に配置される。
【0017】
ローターと同様に、ステーターの大きさは、リムの寸法特性に直接的につながっており、安全かつ正常な車輪の回転を保証することに適している2つの要素の間隔を残している。
【0018】
ステーターは、円筒形状を有しており、固形の最終状態を有する特定のポリウレタン樹脂から好適になり、ブレーキ支持プレートの固定部またはこの目的のために形成された他の支持部に固定される。用意された穴およびアクセサリーを好適に使用して締結するタイプのものは、車両に通常搭載されているブレーキシステムであるディスクブレーキシステムとドラムブレーキシステムの両方に組み込まれてもよい。
【0019】
ステーターの内部には、エナメル銅巻線が、電流の生成に必要な量、大きさ、及び向きで設けられている。ステーターにより生じる電流は、バッテリーの充電プロセスを管理し、これにより電流の流れの電圧および強さを調整する電子制御装置にエナメル銅巻線を使用して好適に伝達される。
【0020】
本発明の一態様によれば、添付の特許請求の範囲に定義された特徴を有するシステムおよび方法により、上述の目的および利点、並びに他の目的および利点が達成される。
【0021】
本発明に係るシステムおよび方法のいくつかの好ましい実施形態の機能的および構造的な特徴を説明する。以下の添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ1C内に設けられ、内面に沿って永久磁石1Bが配置されたリム1Aの模式的な斜視図である。
図2】ステーター2Aを示す図であり、ステーター2Aに含まれる浮き彫りにされた巻線2Cの一部、ブレーキ要素2B、および車輪が回転できるようにリムとステーター2Aとに配置された有用な空間2Dを示す。
図3】ステーターを示す図であり、制御装置に向けた電気信号の伝達のための浮き彫りになった配線出口3Aと、その内部容積に収容されたブレーキ要素3Dと、ステーターに締結するための点3Bを用いて車両の固定部に固定されるブレーキ支持プレート3Cとを示す。
図4】本発明の一実施形態に係るタイヤ4Aと、永久磁石4Bを含むリムと、ステーター4Cと、ブレーキ要素4Dとを備える車輪の全体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
一例として図面を参照すると、本発明に係る車輪の回転運動により生成された運動エネルギーを回収して電流に変換する、電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するためのシステムは、タイヤ1C,4Aを支持するように構成されたタイヤ支持リム1Aと、タイヤ支持リム1Aの内面に組み込まれたローター、およびタイヤ支持リム1Aに対して回転可能に固定され、車輪支持ハブに機械的に連結されたブレーキ要素3D,4Dとタイヤ支持リム1Aとの間の容積において車輪支持ハブの固定部に固定されるように構成されたステーター2A,4Cを有する発電機とを備える。
【0024】
このシステムには、蓄電手段(好適には、従来のバッテリ)が更に設けられており、蓄電手段は、発電機に電気的に接続され、発電機によって生成された電流を供給可能である。
【0025】
システムは、蓄電手段に電気的に接続され、発電機によって生成された電流を供給可能な電子制御装置(好適には、それ自体が既知のタイプの電子制御ユニット)を更に備える。
【0026】
この電子制御装置は、発電機から蓄電手段への電流の流れのみを許容するように設計されている(すなわち、蓄電手段から発電機へ電流が流れることを防止する)。このようにして、本発明に係るシステムは、バッテリーの充電という唯一の機能を果たしており、したがって、関連する車輪に回転運動を負荷する駆動機械として動作するのに適していない。
【0027】
好適には、電子制御装置は、発電機から蓄電手段への電流の流れの電圧および強さを調整するように構成されている。
【0028】
好ましい実施形態によれば、タイヤ支持リム1Aの内面に(好適にはポリウレタン樹脂を用いて)固定された永久磁石1B,4Bを備える。
【0029】
好適には、ステーター2A,4Cは、円筒状であり、固形の最終状態を有するポリウレタン樹脂からなり、エナメル銅巻線2Cを含む。
【0030】
一実施形態によれば、システムは、タイヤ支持リム1Aを回転可能に支持する車輪支持ハブと、車輪支持ハブに機械的に接続され、タイヤ支持リム1Aにブレーキトルクを付加するように構成されたブレーキ要素3D,4Dとを更に備える。
【0031】
上述のシステムは、車両のエネルギー必要量に基づいて車両の1つまたは複数の車輪に設置されてもよく、システムのエネルギー効率を向上させるようにバッテリーを充電するための電流を生成する。電流の生成量および消費量は、車両の走行状態に応じて変化し、したがって、速度および走行タイプの変化によって徐々に増加または減少する。管理コストの低減に加えて、車両の最終価格が大幅に下がることも想定でき、適切な走行距離を保証するために必要なバッテリーの数を制限できる。見込みでは、体積および重量を見直す将来のモデルの新しい開発ソリューションに加えて、車両により少ないバッテリーを搭載することで、バッテリーのライフサイクルの終わりにおいてより適切な環境持続可能性を提供できる。
【0032】
本発明の一態様によれば、電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電する方法であって、上述の実施形態のうちの1つに係る充電システムを準備するステップと、このシステムが関連付けられた少なくとも1つのホイールを有する車両を準備するステップと、車両の走行中に電子制御装置を用いて発電機で生成された電流をステーターからバッテリーに伝達するステップとを有する方法を提供する。
【0033】
一実施形態によれば、上記の最後のステップは、電子制御装置を通って発電機から蓄電手段に流れる電流の電圧および強さを調整することで実行される。
【0034】
本発明に係る電気自動車およびハイブリッド自動車のバッテリーを充電するシステムおよび方法の様々な態様および実施形態を説明した。それぞれの実施形態は、他の実施形態と組み合わされてもよい。さらに、本発明は、説明された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって決定される範囲内において改変してもよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】