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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-20
(54)【発明の名称】固定配置
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/12 20060101AFI20220712BHJP
   H01R 25/16 20060101ALI20220712BHJP
   H01R 25/14 20060101ALI20220712BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20220712BHJP
   F16B 2/22 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
F16B5/12 T
H01R25/16
H01R25/14 Z
F16B5/06 F
F16B2/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561846
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(85)【翻訳文提出日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 EP2020059978
(87)【国際公開番号】W WO2020233894
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】102019113620.2
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514159380
【氏名又は名称】エルカメット カンストストッフテクニーク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロート、ハルトムート
【テーマコード(参考)】
3J001
3J022
【Fターム(参考)】
3J001FA05
3J001GB01
3J001GC07
3J001HA04
3J001JC02
3J001JC13
3J001KA05
3J001KA07
3J001KA11
3J001KB08
3J022DA12
3J022DA16
3J022EA04
3J022EB03
3J022EC16
3J022FA05
3J022FB08
3J022FB12
3J022HA03
3J022HB03
(57)【要約】
本発明は、第2構成要素(14)に繰り返し取り外し可能な方法で固定することができる第1構成要素(12)と、また、枢動接合部の周りで枢動可能であり、第1構成要素(12)の接合部(16)が第2構成要素(14)の受入部(22)に接合可能な開動作位置と、第1構成要素の接合部(16)が第2構成要素(14)の受入部(22)に受け入れられた閉動作位置の間で枢動できる追加部品(38)とを含み、動作位置間の移動中に、追加部品(38)が不安定な死点位置を通過する、固定配置(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2構成要素(14)に繰り返し取り外し可能に固定可能である第1構成要素(12)を含む固定配置(10)であって、
枢動接合部(42,44)の周りで枢動可能であり、かつ、前記第1構成要素(12)の接合部(16)が前記第2構成要素の受入部(22)に接合可能である開動作位置と、前記第1構成要素(12)の接合部(16)が前記第2構成要素(14)の受入部(22)に受け入れられた閉動作位置との間で枢動可能である追加部品(38,40)であって、前記動作位置の間の移行中に、不安定な死点位置を通過する追加部品(38,40)、
を特徴とする固定配置(10)。
【請求項2】
前記枢動接合部(42,44)は、前記追加部品(38,40)の凸状の接合部(34,36)と、前記第2構成要素(14)の凹状の周辺に開いた接合部(30,32)とにより形成され、
前記接合部(34,30;36,32)は、互いにもたれ合う、
ことを特徴とする請求項1に記載の固定配置。
【請求項3】
前記追加部品(38,40)の接合部(34,36)の曲率半径は、前記第2構成要素(14)の接合部(30,32)の曲率半径以下である、
ことを特徴とする請求項2に記載の固定配置(10)。
【請求項4】
前記追加部品(38,40)の前記接合部(34,36)は、断面が一部円形である突起(74,76)によって形成されている、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の固定配置(10)。
【請求項5】
前記接合部(34,30;36,32)は、前記追加部品(38,40)の枢動方向(68,70)から見て、180°より大きい角度(78)に亘って延びている、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項6】
前記追加部品(38,40)は、互いに角度をなして配置された2つの脚部(46,50;48,52)を有する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項7】
前記枢動接合部(42,44)は、前記2つの脚部(46,50;48,52)を連結する領域内、又は、前記領域に配置されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の固定配置(10)。
【請求項8】
前記追加部品(38,40)の残りの部分の弛緩状態において、前記脚部(46,50;48,52)は、第1の広がり角(66)を画定し、それらは、前記追加部品(38,40)の前記開及び閉動作位置の間の少なくとも1つの一時的な状態において、前記第1の広がり角(66)よりも大きい第2の広がり角(72)を画定する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の固定配置(10)。
【請求項9】
前記一時的な状態は、前記追加部品(38,40)の前記死点位置に対応する、
ことを特徴とする請求項8に記載の固定配置(10)。
【請求項10】
前記追加部品(38,40)の前記死点位置において、前記第1構成要素(12)の接合部(16)は、前記追加部品(38,40)の両脚部にもたれる、
ことを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項11】
前記追加部品(38,40)の1つの脚部(46,48)は、断面で見て、実質的に真っ直ぐな平面内に延びている、
ことを特徴とする請求項6~10のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項12】
前記追加部品(38,40)の1つの脚部(50,52)は、断面で見て、湾曲形状を有する、
ことを特徴とする請求項6~11のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項13】
前記追加部品(38,40)の前記閉動作位置において、前記追加部品(38,40)の1つの脚部(50,52)の自由端が、前記第1構成要素(12)及び/又は前記接合部(16)のアンダーカット領域(60,62)内に受け入れられた、
ことを特徴とする請求項6~12のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項14】
前記アンダーカット領域(60,62)は、前記第2構成要素(14)に対向する第1構成要素(12)の境界面(18)の一部と前記接合部(16)の拡幅部(56,58)との間に配置されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の固定配置(10)。
【請求項15】
前記第2構成要素(14)は、好ましくは、前記追加部品(38,40)の前記閉動作位置における枢動範囲を制限するのに有効である、前記受入部(22)の境界面(24,26)の形態である、突き当て部を有する、
ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項16】
前記第2構成要素(14)は、好ましくは、前記追加部品(38,40)の前記開動作位置における枢動範囲を制限するのに有効である、止め具(86、88)の形態である、突き当て部を有する、
ことを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項17】
前記第2構成要素(14)は、前記追加部品(38,40)を前記開動作位置に保持するための保持力(84)を生成する少なくとも1つの保持装置(80)を有する、
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項18】
正確に1つの追加部品(38)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項19】
それぞれ互いに反対の枢動方向(68,70)に、それぞれの動作位置の間で移動可能な2つの追加部品(38,40)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項20】
前記2つの追加部品(38,40)は、連結部(90)によって相互接続されている、
ことを特徴とする請求項19に記載の固定配置(10)。
【請求項21】
前記死点位置は、前記連結部(90)の最大圧縮又は圧縮荷重を伴う、
ことを特徴とする請求項20に記載の固定配置(10)。
【請求項22】
前記第1構成要素(12)、及び/又は、前記第2構成要素(14)は、角柱形状である、
ことを特徴とする請求項1~21のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項23】
前記追加部品(38,40)は、角柱形状である、
ことを特徴とする請求項1~22のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項24】
前記第2構成要素(14)は、スロット付きプロファイルストリップであるか、又は、スロット付きプロファイルストリップを有する、
ことを特徴とする請求項1~23のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項25】
前記第2構成要素(14)は、自動車のフロントガラスに永久的に接続するためのプロファイルストリップである、
ことを特徴とする請求項1~24のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項26】
前記第1構成要素(12)は、前記プロファイルストリップに着脱自在に接続するための空気吸込パネルである、
ことを特徴とする請求項25に記載の固定配置(10)。
【請求項27】
前記構成要素(12,14)のうちの1つが、照明器具ハウジング、支持構造体、又は照明器具の取り付けレールである、及び/又は、前記構成要素(12,14)のうちの1つが、前記照明器具ハウジング、前記支持構造体、又は前記取り付けレールへの着脱可能な接続のための照明器具カバーである、
ことを特徴とする請求項1~24のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項28】
前記追加部品(38,40)は、第1の電気的な接触部(128,130)を有し、
前記第1構成要素(12)又は前記第2構成要素(14)は、第2の電気的な接触部(132,134)を有し、
前記第1の接触部(128,130)及び前記第2の接触部(132,134)は、前記追加部品(38,40)の前記開動作位置において電気的に絶縁され、
前記追加部品(38,40)の前記閉動作位置において、前記第1の接触部(128,130)及び前記第2の接触部(132,134)は、前記追加部品(38,40)と、前記第1構成要素(12)又は前記第2構成要素(14)との間に、電気伝導機能を提供する、
ことを特徴とする請求項1~27のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項29】
前記第2構成要素(14)又は前記第1構成要素(12)は、第3の接触部(136,138)を有し、
前記追加部品(38,40)の閉動作位置において、前記第1の接触部(128,130)、前記第2の接触部(132,134)及び前記第3の接触部(136,138)は、前記第1構成要素(12)、前記追加部品(38,40)及び前記第2構成要素(14)の間に電気伝導機能を提供する、
ことを特徴とする請求項28に記載の固定配置(10)。
【請求項30】
前記追加部品(38,40)の前記開動作位置から開始して、第1構成要素(12)は、接合方向(64)に沿って前記接合部(16)と共に、好ましくは、前記第2構成要素(14)の受入部(22)に向かって、未だ離れている前記第1構成要素(12)の境界面(18)及び第2構成要素(14)の(20)に対して垂直に、移動可能である、
ことを特徴とする請求項1~29のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項31】
少なくとも1つの前記追加部品(38,40)がその閉動作位置を仮定する前記第1構成要素(12)及び前記第2構成要素(14)の組立状態から開始して、前記第1構成要素(12)は、前記接合方向(64)と逆向きに配向された分解力の印加によって、前記第2構成要素(14)から分離可能である、
ことを特徴とする請求項30に記載の固定配置(10)。
【請求項32】
前記第1構成要素(12)の前記接合部(16)は、前記第2構成要素(14)に対向する第1構成要素(12)の境界面(18)から突出する、
ことを特徴とする請求項1~31のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項33】
前記第2構成要素(14)は、前記第1構成要素(12)に対向する境界面(20)を有し、
前記受入部(22)は、凹部の形態に構成され、前記第2構成要素(14)の境界面(20)を起点とする、
ことを特徴とする請求項1~32のいずれか1項に記載の固定配置(10)。
【請求項34】
少なくとも1つの前記追加部品(38,40)がその閉動作位置を仮定する第1構成要素(12)及び第2構成要素(14)の組立状態において、境界面(18)及び(20)は、互いに平行である、及び/又は、互いにもたれ合う、
ことを特徴とする、請求項32に戻って参照する請求項33に記載の固定配置(10)。
【請求項35】
少なくとも請求項1、2、6、7及び13の特徴を含む、固定配置。
【請求項36】
少なくとも請求項32、33及び34の特徴を更に含む、請求項35に記載の固定配置。
【請求項37】
少なくとも請求項30及び31に記載の特徴を更に含む、請求項36に記載の固定配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、第2構成要素に繰り返し取り外し可能に固定可能な第1構成要素を含む固定配置に関する。
【0002】
本発明の目的は、安価で、構築が簡単で、工具なしで操作可能な固定配置を提供することである。
【0003】
最初に述べたタイプの固定配置では、この目的は、枢動接合部を中心に枢動可能であり、かつ、第1構成要素の接合部が第2構成要素の受入部に接合可能である開動作位置と、第1構成要素の接合部が第2構成要素の受入部において受け入れられた閉動作位置との間で枢動可能である追加部品によって達成される。追加部品は、動作位置の間における遷移の間に、不安定な死点位置を通過する。
【0004】
本発明による固定配置は、追加部品の枢動可能性が、2つの定義された動作位置の間の切替を可能にする、特に単純な設計を有する。第1の動作位置は、第1構成要素の接合部を第2構成要素の受入部に接合することができる開動作位置である。第2の動作位置は、第1構成要素の接合部が第2構成要素の受入部に受け入れられた閉動作位置である。2つの動作位置の間における遷移の間、追加部品は、不安定な死点位置の形態の中間位置を通過する。その結果、追加部品は、開動作位置から閉動作位置への遷移中も、閉動作位置から開動作位置への遷移中も、前述した中間位置に留まらない。死点位置の不安定性のために、追加部品は、開動作位置に向かって、又は閉動作位置に向かって、いずれかに、付勢される。
【0005】
取り付け具は、追加部品の不安定な死点位置を抵抗として判断し、それの克服が、それぞれの他の動作位置への遷移を導く。
【0006】
閉動作位置において、第1構成要素と第2構成要素との間に作用する接合力は、好ましくは、組立力に依存しない。アセンブリの力は、追加部品の死点位置に対応する最大アセンブリの力を克服するだけで十分でなければならない。しかしながら、取り付け具が僅かに高いアセンブリの力のみを印加するか、又は著しく高いアセンブリの力を印加するかにかかわらず、追加部品の閉動作位置で作用する接合力には、ひいては、アセンブリプロセスの品質には、影響は生じない。
【0007】
更に、追加部品の不安定な死点位置のために、2つの動作位置のうちの1つから開始して、死点位置に到達され、克服されたという触覚、及び/又は、触覚的なフィードバックを取り付け具は受け取る。
【0008】
本発明の特に好ましい実施の形態は、前記枢動接合部が、前記追加部品の凸状の接合部と前記第2構成要素の凹状の周辺に開いた接合部とによって形成され、前記接合部が互いにもたれ合うことを提供する。これは、第2構成要素の追加部品の対面で接触する接合部のみを含み、複数の接合部が一緒になって摩擦接合部(ヒンジ接合部又は人間の肘関節と同等)を形成する、特に単純で枢動可能な配置を生成する。追加部品の凸状の接合部は、第2構成要素の凹状の接合部上で自身を支持することができ、追加部品は、第2構成要素の凹状の接合部上に枢動可能に取り付けられ、枢動角度は、例えば90°、より好ましくは60°の最大枢動角度に制限されることが好ましい。
【0009】
前記追加部品の前記接合部の曲率半径は、前記第2構成要素の前記接合部の曲率半径以下であることが好ましい。曲率半径が少なくともほぼ等しい場合には、接合部間の接触面積が増加するので、特に、耐摩耗性を有しかつ安定した配置が提供される。追加部品の接合部の曲率半径が、第2構成要素の接合部の曲率半径より小さい場合、異なる形状を有する第2構成要素に対して、同一形状の追加部品を使用することが可能である。
【0010】
更に、前記追加部品の接合部は、断面が一部円形である突起によって形成されていることが好ましい。これにより、枢動接合部の簡便でコンパクトで安定したデザインが可能となる。
【0011】
接合部は、追加部品の枢動方向に見て、360°未満、好ましくは240°未満の角度に亘って延在する。
【0012】
接合部は、追加部品の枢動方向に見て、180°よりも大きな角度に亘って延びることが可能である。これにより、追加部品を枢動接合部の領域内の第2構成要素上に位置的に固定することを可能にするアンダーカット配置を作成することが可能になる。
【0013】
追加部品は、好ましくは、互いに角度をなして配置された2つの脚部を有する。上述した枢動接合部は、好ましくは、2つの脚部を接続する領域内又は領域に配置される。脚部は、特に、後述する機能を実装することができる。
【0014】
例えば、追加部品の残りの部分の弛緩状態において、脚部は第1の広がり角を定義することが可能であり、追加部品の開及び閉動作位置の間の少なくとも1つの一時的な状態において、それらは、第1の広がり角よりも大きい第2の広がり角を定義することが可能である。このようにして、追加部品の弾性変形能を使用して、前記一時的な状態において追加部品に変形エネルギーを導入することができ、その変形エネルギーは、その不安定な死点位置から2つの動作位置のいずれかへの追加部品の遷移の間、及び/又は、遷移を引き起こすために、解放可能である。
【0015】
上述の一時的な状態が追加部品の死点位置に対応する場合、特に好ましい。したがって、脚部の最大広がりに必要なアセンブリの力は、最大抵抗として取り付け具によって判断され得る。この状態は、特に、追加部品の両脚に対して同時にもたれる第1構成要素の接合部によって生じる。したがって、取り付け具は、第1構成要素及びその接合部を操作することができ、第1構成要素の操作の間、取り付け具は、第1構成要素の接合部の助けを借りて、2つの脚部を離して広げる。
【0016】
好ましい実施形態では、追加部品の1つの脚部は、断面で見て、実質的に真っ直ぐな平面内に延びている。このような脚部は、特に、閉動作位置における第2構成要素の受入部の境界面にもたれることができる。
【0017】
また、追加部品の1つの脚部は、断面で見て、湾曲した形状を有することが好ましい。これは、特に、追加部品の開動作位置においては第1構成要素に対して移動可能であると共に、閉動作位置においては第1構成要素と好ましくは連動して相互作用する脚部である。
【0018】
追加部品の閉動作位置において、追加部品の1つの脚部の自由端が、第1構成要素のアンダーカット領域及び/又は接合部の中に受け入れられることが、更に好ましい。アンダーカット領域は、例えば、第1構成要素の接合部の一部によって、境界付けされても、又は、定義されてもよい。特に、アンダーカット領域は、第2構成要素に対向する第1構成要素の境界面の一部と接合部の拡幅部との間に配置される。しかしながら、アンダーカット領域は、接合部とは別個に、又は、接合部と接合部とは別個の第1構成要素の一部とによって共同に設けられてよい。
【0019】
追加部品の動作位置を定義する目的で、第2構成要素は、閉動作位置における枢動範囲を制限するのに有効な突き当て部を有すること、及び/又は、第2構成要素は、追加部品の開動作位置における枢動範囲を制限するのに有効な突き当て部を有することが好ましい。
【0020】
閉動作位置において有効となる突き当て部は、例えば、第2構成要素の受入部の境界面であってもよい。このような境界は、特に、追加部品の閉動作位置において、追加部品の相補的な真っ直ぐな平面と相互作用する真っ直ぐな平面内に延在する。この真っ直ぐな平面は、例えば、断面で見て、実質的に真っ直ぐな平面内に延在する脚部によって定義される。
【0021】
さらなる開発は、第2構成要素が、追加部品を開動作位置に保持するための保持力を生成する少なくとも1つの保持装置を有することを提供する。この保持力は、第1構成要素との相互作用がない限り、第2構成要素に対する好ましい位置として、追加部品の開動作位置を定義する。このようにして、追加部品は、開動作位置に保持される;第1構成要素の接合は、上述したアセンブリの力に加えて、保持装置の保持力を克服しなければならないという要件を含む。しかしながら、この保持力は、例えば、一端においては第2構成要素に、かつ、他端においては追加部品にもたれ、開動作位置に向かって付勢する比較的弱いバネを使用する場合には、比較的低いものとすることができる。保持装置が、追加部品の開動作位置では相互作用するが追加部品の閉動作位置では無視できる影響を有する磁気的相互作用部分を有する場合、追加部品を開動作位置に保持することも可能である。
【0022】
本発明によれば、正確に1つの追加部品を設けることが可能であり、それによって、構築が特に単純で堅牢かつコンパクトな固定配置を作ることが可能である。しかしながら、2つの反対の枢動方向においてそれぞれの動作位置の間で移動可能な2つの追加部品を設けることも可能である。これにより、取り付け面の両側で、かつ、対称に、アセンブリの力を均等にすることが可能になる。上述の「正確に1つの追加部品」及び「2つの追加部品」という2つの表現は、それぞれ、正確に1つの追加部品の枢動軸に垂直に、又は、2つの追加部品のそれぞれの枢動軸に垂直に向けられた固定配置の断面を指す。これは、1つの枢動軸に沿って、又は、複数の枢動軸に沿って見て、いくつかの追加部品を設けることができることを意味する。
【0023】
2つの追加部品は、それぞれの動作位置にかかわらず、互いに分離して配置され、互いに接触しないようにすることが可能である。しかしながら、2つの追加部品が互いに動作結合されるように、連結部によって2つの追加部品を相互接続することも可能である。このような連結部は、追加部品とは別に設けられてもよく、例えば、好ましくは弾性金属材料で作られてもよい。しかしながら、連結部は、プラスチック材料、エラストマー、又は繊維強化プラスチック複合材料で構成することもできる。この場合、少なくとも1つの追加部品、好ましくは両方の追加部品を有する一体構造が好ましい。プラスチック製の2つの追加部品の場合には、連結部もフィルムヒンジの形態であってもよい。このような構成は、好ましくは、押し出し、又は、共押し出しプロセスで製造される。別の可能な製造プロセスは、射出成形である。
【0024】
連結部は、動作位置間の移行を可能にするように変形可能であるだけでなく、例えば、2つの追加部品及び連結部を含むアセンブリを第2構成要素の受入部に挿入可能にするために、より大きな変形能を示すことが好ましい。これに関連して、アセンブリがコンパクトな挿入構成を一時的に仮定することを可能にする連結部の、特定の葉形状であって可逆的に曲げ可能又はねじれ可能な設計が、特に好ましい。この連結部は、アセンブリを第2構成要素の受入部に挿入開口部を通って挿入するために必要であり、連結部が、強く変形し、特に、折れ曲がったりねじれたりしている。
【0025】
上述のような連結部が設けられる場合には、2つの追加部品の死点位置は、連結部の最大圧縮、寸法の圧縮縮小及び/又は圧縮荷重を伴うことが好ましい。
【0026】
上述した全ての固定配置について、少なくとも1つの追加部品がその閉動作位置を仮定する組立状態から開始して、第1構成要素を第2構成要素から再分離することができることを保持する。この目的のために、少なくとも1つの追加部品は、その閉動作位置から開動作位置まで、枢動接合部の周りで枢動される。このプロセスにおいても、追加部品は、前述した死点位置を通過する。
【0027】
本発明による固定配置は、特に、第1構成要素及び/又は第2構成要素が、例えば、プロファイル要素、ストリップ又はパネルに対して角柱形状である、角柱配置に好適である。
【0028】
従って、追加部品は角柱形状であることが好ましい。これにより、アセンブリの力を、追加部品の延長線に沿って、第1構成要素と第2構成要素との間に提供することができる。
【0029】
好ましい固定配置では、第1構成要素、第2構成要素、及び追加部品は、枢動接合部の枢動軸に平行な延長の主軸に沿って延び、延長の主軸は、少なくとも5cm、好ましくは少なくとも10cm、より好ましくは少なくとも100cmの長さを有する。
【0030】
特に好ましくは、第2構成要素は、スロット付きプロファイルストリップであるか、又はスロット付きプロファイルストリップを有する。このようなスロット付きプロファイルストリップは、例えば、機械工学において又は装置の製造において構造プロファイルとして使用されるプロファイル要素(例えば、ドイツ、ゾーリンゲンのItem Industrietechnik GmbH社のいわゆる「ITEM」プロファイル、又はドイツ、ローアムメインのBosch Rexroth AG社のいわゆる「BOSCH」プロファイル)であってもよい。
【0031】
特に好ましい実施形態では、第2構成要素は、取り付け位置で、自動車のフロントガラスの下縁部に永久的に接続するためのプロファイルストリップであり、第1構成要素は、プロファイルストリップに着脱自在に接続するための空気吸込パネルであることが好ましい。従って、言及された構成要素(プロファイルストリップ及び空気吸込パネル)は、1つの付加的な構成要素(追加部品)のみを設けることによって、互いに着脱自在に接合することができる。
【0032】
別の好ましい実施形態は、構成要素の1つが、照明器具ハウジング、支持構造体、又は照明器具の取り付けレールであること、及び/又は構成要素の1つが、照明器具ハウジング、支持構造体、又は取り付けレールへの着脱自在な接続のための照明器具カバーであることを提供する。これは、特に、2つの構成要素のうちの一方が既に現場に設置されており(例えば、壁又は天井に取り付けられている)、次いで、他方の構成要素をその上に押し付けるだけで取り付けることができるが、必要に応じて取り外すこともできる場合に有利である。
【0033】
別の実施形態は、追加部品が第1の電気的な接触部を有し、第1構成要素又は第2構成要素が第2の電気的な接触部を有し、第1の接触部及び第2の接触部が追加部品の開動作位置において電気的に絶縁され、追加部品の閉動作位置において、第1の接触部及び第2の接触部が追加部品と、第1構成要素又は第2構成要素と、の間に電気伝導機能を提供することを提供する。このようにして、固定配置の機械的接合機能は、付加的な操作工程を必要とすることなく、追加部品と第1構成要素との間、又は追加部品と第2構成要素との間の電気接触機能で補完することができる。
【0034】
第2の接触部は、例えば、第1構成要素の接合部上に配置されるか、又は第2構成要素の受入部内又は上に配置され、追加部品の閉動作位置において、第1の接触部と相互作用する。
【0035】
第2構成要素又は第1構成要素が第3の接触部を有し、追加部品の閉動作位置において、第1の接触部、第2の接触部、及び第3の接触部が、第1構成要素、追加部品、及び第2構成要素の間に電気伝導機能を提供する場合、特に好ましい。このようにして、固定配置の機械的接合機能は、追加の操作工程を必要とすることなく、第1構成要素と第2構成要素との間の電気接触機能(追加部品がそれらの間に電気的に介在する)で補完することができる。
【0036】
追加部品の開動作位置から開始して、第1構成要素は、接合方向に沿って、かつ、好ましくは第2構成要素の受入部に向かって、第1及び第2構成要素の未だ離れている境界面に垂直に、接合部と共に移動可能であることが好ましい。これにより、第1及び第2構成要素を容易に組み立てることができる。
【0037】
同様に、少なくとも1つの追加部品がその閉動作位置を仮定する第1及び第2構成要素の組立状態から開始して、第1の構成要素が、接合方向と反対の方向を向いている分解力の印加によって、第2構成要素から分離可能であることが好ましい。これにより、第1及び第2構成要素の容易な分解が可能になる。
【0038】
更に、前記第1構成要素の接合部が前記第2構成要素に対向する前記第1構成要素の境界面から突出している場合に好ましい。これにより、接合部を第1構成要素の設計から実質的に独立して構成することが可能となる。
【0039】
同様に、前記第2構成要素が前記第1構成要素に対向する境界面を有し、前記受入部が前記第2構成要素の前記境界面を起点とした凹部の形態で構成されている場合に好ましい。これにより、受入部を第2構成要素の設計から実質的に独立して構成することが可能となる。
【0040】
特に、少なくとも1つの追加部品がその閉動作位置を仮定する第1及び第2構成要素の組立状態において、第1及び第2構成要素の上述の境界面が互いに平行であり、かつ/又は互いにもたれ合う場合に好ましい。これにより、コンパクトで安定した固定配置を提供することができる。
【0041】
特に好ましい特徴の組み合わせは、従属請求項35乃至37に記載されている。
【0042】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の説明及び好ましい例示的な実施形態の図示から明らかであろう。
【0043】
図面において、
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は、開動作位置を仮定する固定配置の2つの追加部品を備える固定配置の第1の実施形態を示し;
図2図2は、不安定な死点位置を仮定する追加部品を備える図1の固定配置を示し;
図3図3は、閉動作位置を仮定する追加部品を備える図1の固定配置を示し;
図4図4は、付加的な保持装置を含む図1の固定配置の変形例を示し;
図5a図5aは、開動作位置を仮定する固定配置の追加部品を備える固定配置の第2の実施形態を示し;
図5b図5bは、閉動作位置を仮定する追加部品を備える図5aの固定配置を示し;
図6図6は、図5a及び5bの固定配置の変形を示し;
図7図7は、開動作位置を仮定する固定配置の追加部品を備える固定配置の第3の実施形態を示し;
図8図8は、閉動作位置を仮定する固定配置の追加部品を備える図7の固定配置を示し;
図9図9は、開動作位置を仮定する固定配置の追加部品を備える固定配置の第4の実施形態を示し;
図10a図10aは、自動車アセンブリの追加部品が異なる位置で示されている自動車アセンブリの第1の例の形態の固定配置の実施形態を示し;
図10b図10bは、自動車アセンブリの追加部品が異なる位置で示されている自動車アセンブリの第1の例の形態の固定配置の実施形態を示し;
図10c図10cは、自動車アセンブリの追加部品が異なる位置で示されている自動車アセンブリの第1の例の形態の固定配置の実施形態を示し;
図11a図11aは、自動車アセンブリの追加部品が異なる位置で示されている自動車アセンブリの第2の例の形態の固定配置の実施形態を示し;
図11b図11bは、自動車アセンブリの追加部品が異なる位置で示されている自動車アセンブリの第2の例の形態の固定配置の実施形態を示し;
図11c図11cは、自動車アセンブリの追加部品が異なる位置で示されている自動車アセンブリの第2の例の形態の固定配置の実施形態を示し;
図12a図12aは、照明器具アセンブリの形態の固定配置の実施形態を示し;
図12b図12bは、照明器具アセンブリの形態の固定配置の実施形態を示し;
図13a図13aは、構造プロファイルを含む固定配置の実施形態を示し;
図13b図13bは、構造プロファイルを含む固定配置の実施形態を示し;
図13c図13cは、構造プロファイルを含む固定配置の実施形態を示し;
図13d図13dは、構造プロファイルを含む固定配置の実施形態を示し;
図13e図13eは、構造プロファイルを含む固定配置の実施形態を示し;
図14a図14aは、電気的な接触部を含む固定配置の実施形態を示し;
図14b図14bは、電気的な接触部を含む固定配置の実施形態を示し;
図15a図15aは、電気的な接触部を含む固定配置の別の実施形態を示す。
図15b図15bは、電気的な接触部を含む固定配置の別の実施形態を示す。
【0045】
図1乃至図4は、第2構成要素14に繰り返し取り外し可能に固定することができる第1構成要素12が設けられた固定配置10の第1の実施形態を示す。構成要素12,14は、特に角柱形状である。
【0046】
第1構成要素12は、接合部16を有する。接合部16は、第2構成要素14に対向する第1構成要素12の境界面18から突出する。
【0047】
第2構成要素14は、第1構成要素12に対向する境界面20を有する。境界面18及び20は、少なくとも構成要素12及び14(図3参照)の組立状態で、互いに平行であることが好ましい。更に、第2構成要素14は、境界面20を起点として、凹部の形態に構成された受入部22を有する。
【0048】
受入部22は、互いに角度をなしかつ境界面20に対して内側にオフセットして配置された境界面24,26を有する。境界面24及び26は、好ましくは、領域28内で、味わる。
【0049】
互いに離れて対向するそれらの横方向端部において、境界面24及び26は、凹状の接合部30,32に隣接する。これらの接合部は、それぞれの追加部品38,40の凸状の接合部34,36と相互作用する。2つの各接合面30、34及び32、36は、それぞれ、一緒に、摩擦接合部(図2参照)の形態で、それぞれの枢動接合部42,44を形成する。
【0050】
追加部品38及び40は、各々、互いに角度をなして配置された2つの脚部、すなわち、受入部22のそれぞれの境界面24、26に対向するそれぞれの第1の脚部46,48、及びそれぞれの第2の脚部50,52を有する。
【0051】
第1の脚部46,48は、好ましくは、断面で見て、実質的に真っ直ぐな平面内に延在する。第2の脚部50,52は、好ましくは、断面で見て、湾曲した形状を有する。
【0052】
接合部16は、追加部品38,40の第1の脚部46,48の自由端と相互作用する押圧部54を有する。接合部16は、更に、第2の脚部50,52の自由端と相互作用する拡幅部56、58を有する。
【0053】
第1構成要素12は、境界面18のそれぞれの部分と接合部16の拡幅部56、58との間に配置された2つのアンダーカット領域60,62を有する。
【0054】
図1では、追加部品38,40が、開動作位置で示されている。この開動作位置では、第1の脚部46,48は、受入部22のそれぞれの境界面24、26から離れている。更に、第2の脚部50,52の自由端は、接合部16が、その拡幅部56、58と共に、構成要素12,14の境界面18、20に垂直な接合方向64に沿って、第2の脚部50,52の自由端の間に画定された装着空間内に入ることができるように、遠く離れて配置されている。
【0055】
追加部品38,40の開動作位置において、追加部品38,40のそれぞれの脚部46,50及び48,52は、第1の広がり角66(図1参照)を画定する。この広がり角66は、追加部品38,40の残りの部分の変形していない状態における追加部品38,40の前述した脚部によって画定される。
【0056】
追加部品38,40は、接合部16の押圧部54と第1の脚部46,48(図2参照)の自由端との接触によって、枢動接合部42,44に対して、反対の枢動方向68,70で枢動される。開動作位置とは異なる死点位置において、押圧部54は、第1の脚部46,48の端部にもたれ、同時に、拡幅部56、58は、第2の脚部50,52の自由端にもたれ、第1の脚部46と第2の脚部50との間、及び第1の脚部48と第2の脚部52との間のそれぞれの広がり角を第2の広がり角72まで増大させる。第1の広がり角66から第2の広がり角72への増加は、追加部品38及び40の弾性変形、より正確には、脚部46及び/又は50、及び、48及び/又は52の、それぞれの撓みを伴う。
【0057】
最大広がり角72に到達した状態から開始して、第1構成要素12は、接合方向64に沿って第2構成要素14に向かって更に移動することができ、その結果、追加部品38及び40がその死点位置を乗り越え、追加部品38,40が閉動作位置(図3参照。)に到達するまで、それらの枢動方向68,70において更に枢動する。追加部品38,40の閉動作位置では、第1の脚部46,48は、受入部22のそれぞれの境界面24、26にもたれる。
【0058】
追加部品38,40の閉動作位置において、脚部50,52の自由端は、第1構成要素12のアンダーカット領域60,62内に連動して受け入れられる。第1の脚部46と第2の脚部50との間、及び第1の脚部48と追加部品38,40(図3には示されていない)の第2の脚部52との間の広がり角は、次いで、第2の広がり角72よりも小さく、好ましくは、再び、追加部品38,40の残りの部分の変形していない状態の第1の広がり角66に対応する。第1構成要素12及び第2構成要素14の対向する境界面18、20は、互いにもたれ合う。追加部品38,40の閉動作位置において、接合部16の押圧部54は、第1脚部46,48の自由端と係合したままであり、その結果、完全にゼロクリアランスである配置が生成される。
【0059】
追加部品38,40の各接合部34,36は、断面が一部円形である突起74、76(図3参照)によって形成されている。この部分円形突起は、追加部品38,40の枢動方向68,70で見た場合、180°よりも小さい角度に亘って延びることが可能である。
【0060】
しかしながら、固定配置10(図4参照)の変形例では、部分円形突起74、76が180°より大きい角度78に亘って延びることも可能である。これにより、追加部品38,40の凸状の接合部34,36を、第2構成要素14のそれぞれの凹状の接合部30,32に連動して受け入れることができる。
【0061】
図1乃至図3を参照して説明した実施形態の要素に加えて、図4に示す固定配置10の変形例は、保持装置80を更に有する。保持装置80は、例えば、一端が第2構成要素14に対してもたれ、他端が追加部品38,40の第1脚部46,48と相互作用する圧縮ばね82であり、従って、保持力が追加部品38,40をそれらの開動作位置に向かって付勢する保持力84を各追加部品38,40に働かせる。追加部品38,40の開動作位置は、第2構成要素14の接合部30,32の円周方向境界によって形成され得る止め具86、88によって制限されることが好ましい。
【0062】
固定配置10を閉動作位置に移すためには、追加部品38,40の開動作位置から開始して、第1の力と第2の力の和よりも大きい接合力が接合方向64に沿って加えられなければならず、第1の力は、追加部品38,40の脚部の最大広がり(図1から図3の上述を参照)に必要であり、スプリング82を圧縮するために必要な第2の力は、追加部品38,40の開動作位置から開始して、それらの閉動作位置を仮定する程度である。
【0063】
さらなる例示的実施形態の以下の説明では、機能的に同一又は機能的に同等の構成要素は、図1から図4の実施形態におけるものと同じそれぞれの参照番号で示される。さらなる例の特別な特徴が議論されない限り、図1から図4の上述の説明を参照する。
【0064】
図5a及び図5bの実施形態では、2つの追加部品38及び40も設けられているが、これらは、しかしながら、連結部90によって相互接続されている。連結部90は、例えば、追加部品38及び40の第1脚部46及び48の自由端に、平ばねレセプタクル92及び94で受け入れられる平ばねの形態である。
【0065】
連結部90は、金属製であってもよい。しかしながら、代替的に、それは、プラスチック材料、エラストマー、又は繊維強化プラスチック複合材料で作られてもよい。追加部品38,40もプラスチック材料で作製される場合、連結部90は、1つの追加部品38又は40と一体的に、特に追加部品38及び40の両方と一体的に、例えば、追加部品38及び/又は40を連結部90と一緒に押し出し、又は、共押し出しすることによって、作製することもできる。
【0066】
また、図5a及び図5bに示す平ばねの形態の連結部90の代わりに、プラスチック材料又はエラストマーからなるのが好ましい連結部90を用いてもよい。これは、図6の例として示されている。連結部90は、例えば、断面が円形又は楕円形であってもよく、又は、部分的に円形、又は、部分的に楕円形の断面領域を有してもよい。図示からの逸脱において、平坦であり、特に断面が薄いフィルムヒンジの形態の連結部90を用いることも可能である。
【0067】
更に、図5a及び図5bに示される例示的な実施形態を参照すると、第1構成要素12の接合部16は、拡幅部56、58を有さず、押圧部54を有さない。接合部16は、第1構成要素12の境界面18に隣接するアンダーカット領域60及び62を形成する。
【0068】
追加部品38,40の開動作位置では、第1構成要素12の境界面18は、追加部品38,40の第2脚部50,52の突き当て部に、もたれる。接合部16は、連結部90から離れている。第1構成要素12が、第1構成要素12と第2構成要素14との平行な境界面18及び20間の距離が減少されるように、接合方向64に沿って第2構成要素14に向かって移動されるとき、追加部品38,40の第2の脚部50,52の突き当て部は、接触領域96、98内の第1の境界面18に沿ってスライドし、同時に、追加部品38及び40は、枢動接合部42,44を中心として枢動方向68,70で枢動する。その結果、連結部90は、追加部品38,40の死点位置(図示せず)で最大限に圧縮された状態になるまで圧縮される。この状態では、第1脚部46及び48の自由端は、最小間隔で離れており、第1脚部は、互いに実質的に平行に配向されている。この状態から開始して、接合方向64に沿った構成要素12のさらなる変位によって、追加部品38,40が閉動作位置(図5b参照)に向かって更に枢動され、それによって、連結部90に蓄積された変形エネルギーの少なくとも一部が、不安定な死点位置から閉動作位置に追加部品38,40を移すように解放される。閉動作位置では、第2脚部50,52の自由端は、接合部16のアンダーカット領域60,62に受け入れられる。第1脚部46及び48は、第2構成要素14の受入部22の境界面24、26にもたれる。
【0069】
上述した実施形態からの脱却において、固定配置の連結領域(図7乃至図12b参照)に、1つの追加部品38のみを配置することも可能である。
【0070】
追加部品38が1つだけ使用される場合、第1構成要素の接合部16は、拡幅部56に加えて、拡幅部56とは反対を向いているその側に支持面100を有し、支持面は、真っ直ぐな平面内に延在し、第2構成要素14の合わせ面102と相互作用することが好ましい(図7、8、及び10aから12bを参照)。
【0071】
弛緩した追加部品38の開動作位置において、追加部品38の脚部46,50は、第1の広がり角66を画定する(図7、10a、11a、12a参照)。開動作位置から開始して、追加部品38は、接合部16と共に、接合方向64に沿って、かつ、構成要素12及び14の未だ離れている境界面18及び20に垂直に、第2構成要素14の受入部22に向かって移動される。これが生じる間に、第1構成要素12の接合部16の支持面100は、第2構成要素14の合わせ面102上を滑り落ちる。接合方向64は、支持面100及び合わせ面102に対して平行であることが好ましい。同時に、追加部品38(例えば、図7参照)の開動作位置から開始して、接合部16の押圧部54は、第1脚部46を、受入部22の境界面24に向かって枢動接合部42を中心として枢動方向68に沿って移動させる。
【0072】
追加部品38の中間位置(例えば、図10b、11b参照)では、図2の追加部品38の死点位置に対応し、脚部46と50との間の広がり角は、第1の広がり角66よりも大きい第2の広がり角72に広がる。広がりは、接合部16の押圧部54と、脚部46の自由端及び拡幅部56と、第2脚部50の自由端との同時接触によって、上述した方法で行われる。死点位置から閉動作位置への追加部品38の遷移(図8、10c、11c、12b参照)中、脚部46と50の間の広がり角は減少し、その結果、追加部品38の脚部46,50の広がりによって以前に蓄積されたエネルギーは、少なくとも部分的に解放される。
【0073】
追加部品38の閉動作位置(図8、10c、11c、12b参照)では、第1の脚部46は、第2構成要素14の受入部22の境界面24に、もたれる。追加部品38の第2脚部50の自由端は、アンダーカット領域60内に受け入れられる。第1構成要素12及び第2構成要素14の対向する境界面18及び20は、互いにもたれる。更に、接合部16の支持面100は、第2構成要素14の合わせ面102に、もたれる。接合部16の押圧部54は、第1脚部46の自由端に、もたれる。
【0074】
1つの追加部品38又はいくつかの追加部品38,40が使用されるかにかかわらず、磁石要素104、106(図9参照)を有する保持装置80を、ばね82(図4参照)の形態の保持装置80の代わりに使用することもできる。磁石要素104、106のうちの少なくとも1つは、追加部品38上に配置される。磁石要素104、106の残りは、第2構成要素14上に配置される。枢動接合部42のすぐ近くに保持装置80を配置することにより、追加部品38を、その開動作位置に特に容易に保持することができる。磁石要素104、106の間に作用する保持力84は、枢動接合部42の枢動軸の周りに作用する保持トルクを発生する。この保持トルクは、接合方向64に沿って加えられる接合力によって、追加部品38を枢動方向68に枢動させるための作動トルクと反対方向に作用する。
【0075】
図10a乃至11cに示される固定配置10は、空気吸込パネルの形態の第1構成要素12と、プロファイルストリップの形態の第2構成要素14とを含む自動車アセンブリである。プロファイルストリップは、取り付け位置で、自動車のフロントガラス112の下縁部に、接続部108と接着接合部とを介して、永久的に接続される。
【0076】
第2構成要素14は、プロファイルストリップの形態であり、部分114によって接続部108に向かって、かつ、他端では自由部分116によって境界付けされる、U字状の受入部22を有する。この構成は、プロファイルストリップとは別に設けられ、枢動接合部42を中心として枢動可能である追加部品38を含み、枢動接合部42は、部分114に隣接して配置される。接合部16の支持面100と相互作用する合わせ面102は、自由部分116上に配置される。
【0077】
空気吸込パネルの形態の第1構成要素12をフロントガラスの延長部に垂直な接合方向64で適所に押し込むことによって、プレナムチャンバカバーは、プロファイルストリップの形態の第2構成要素14に上述した方法で接合することができる。このプロセスでは、追加部品38は、開動作位置(図10a、11a参照)から不安定な死点位置(図10b、11b参照)を介して閉動作位置(図10c、11c参照)に移される。
【0078】
図10a乃至図10cによる実施形態からの逸脱において、追加部品38の枢動接合部42を自由部分116に隣接して配置することが可能であり、接合部16の支持面100と相互作用する合わせ面102を部分114上に配置することが可能である(図11a乃至図11c参照)。
【0079】
上述の固定原理は、照明器具アセンブリの形態のアセンブリにとって有利でもある。例えば、第2構成要素14は、照明器具ハウジングの形態で提供され、このハウジングは、建物の上又は中に搭載可能、又は搭載され、例えば、天井(図12a参照)の上である。照明器具カバーの形態の第1構成要素12を第2構成要素14に接合する目的で、2つの空間的に分離した接続領域が設けられ、各々は追加部品38を有する。追加部品38は、開動作位置(図12a参照)から閉動作位置(図12b参照)に移るように、それぞれの枢動接合部42を中心に枢動可能である。
【0080】
接続領域を可能な限り目立たない方法で一体化できるようにするために、第1構成要素12の接合部16が、第1構成要素12のディフューザ120からウェブ118だけ離れていれば好ましい。ディフューザ120は、第2構成要素の境界面20と相互作用する境界面18を有する。
【0081】
追加部品38の第2脚部52の自由端がその閉動作位置に受け入れられるアンダーカット領域60は、ディフューザ120から(ウェブ118の長さに対応する距離だけ)離れている。これにより、ディフューザ120を天井に比較的近接して第2構成要素14に取り付けることができる。
【0082】
逆に、図12a及び図12bを参照して説明した実施形態からの逸脱において、第1構成要素12が照明器具ハウジングの形態で設けられ、第2構成要素14が照明器具カバーの形態をとることも可能である。
【0083】
図13a乃至図13eに示される実施形態は、図5a及び図5bの実施形態のものと同等の設計を有するが、好ましくは、その周囲に沿って見て、複数の受入部22を有する構造プロファイルによって形成される第2構成要素14を備える。追加部品38及び40は、連結部90によって相互接続され、実質的に円形の断面を有し、断面の円周のそれぞれの部分は、それぞれの枢動接合部42又は44(図13a参照)の凸状の接合部34又は36(図13b参照)を形成する。第2構成要素14の凹状の接合部30,32は、凸状の接合部34,36と比較して、より大きな曲率半径を有する。
【0084】
接合部16は、図5a及び図5bの実施形態のように断面が中実であってもよく、又は図13a及び図13bに例示されているように、追加部品の脚部50,52のそれぞれの1つと相互作用する2つの隣接する接合部16a及び16bを有してもよく、その対向する側面は接合部16のスロット17を固着している。
【0085】
第2構成要素14の受入部22は、追加部品38,40の円周の一部にもたれるホールドダウン124及び126によって境界付けされる挿入開口部122(図13c参照)を有し、これらは、開動作位置(図13a参照)及び追加部品38,40の閉動作位置(図13b参照)の両方にある。
【0086】
追加部品38及び40を組み立てる目的で、連結部90は、葉形状であり、可逆的に曲げ可能又はねじれ可能である。追加部品38,40の一方が挿入開口部122を通って受入部22に挿入された、少なくとも実質的に変形していない状態(図13c参照)から開始して、連結部90がねじれ得られ(図13d参照)、その結果、追加部品38,40及び(次いで強くねじれた)連結部90を含むアセンブリのコンパクトな挿入構成において、追加部品38,40の他方を受入部22に挿入することもできる(図13e参照)。図13a及び13bに図示される変形例と比較して、図13cから13eに図示される追加部品38,40は、受入部への挿入に必要なコンパクトな挿入構成をアセンブリが一時的に仮定することを可能にする、変更された(しかし、依然として実質的に円形の)断面を有する。
【0087】
図14a及び図14b並びに図15a及び図15bに示される実施形態は、図1から図3の実施形態のものと同等の設計を有するが、電気的な接触部を更に含む。
【0088】
追加部品38,40は、第1の接触部128,130を有し、これらは、各々、例えば、追加部品38,40(図14a及び14b参照)の脚部50,52に沿って延びるか、又は追加部品38の2つの脚部50及び46の間、及び/又は、追加部品40の2つの脚部52及び48の間に延びる(図15a及び15b参照)。
【0089】
第2の接触部132,134は、第1構成要素12上に設けられる。第3の接触部136,138は、第2構成要素14上に設けられる。
【0090】
第3の接触部136,138は、それぞれの第1の接触部128又は130に面し、第1の接触部128,130の自由端と接触する接触面140、142を有する。すなわち、これらの接触面は、追加部品38,40の2つの位置のうちの1つのみ、例えば閉動作位置において、永久的に、かつ、図14a及び図14bの例示的な実施形態における又は図15a及び図15bの例示的な実施形態における追加部品38,40の位置と無関係である。
【0091】
追加部品38,40(図14a及び図15a参照)の開動作位置では、電気的な接触部128及び132並びに電気的な接触部130及び134は、電気接触閉がないように互いに離れている。
【0092】
追加部品38,40(図14b及び図15b参照)の閉動作位置では、電気的な接触部128及び132並びに電気的な接触部130及び134が互いにもたれ合うので、追加部品38,40及び第1構成要素12の間で有効な電気接触閉が形成される。この接触閉は、第1構成要素12を第2構成要素14に実装する際に形成される。このプロセスでは、追加部品38及び40が、それらの開からそれらの閉動作位置まで枢動し、それによって、それぞれの追加部品38,40の脚部50,52の自由端が、それぞれのアンダーカット領域60,62に挿入され、インターロック接続を生成し、同時に、第1の接触部128,130をそれぞれの第2の接触部132,134と係合させる。
【0093】
追加部品38,40が開動作位置から閉動作位置へ枢動すると、第1の接触部128,130と第3の接触部136,138との間の電気接触が維持される(図14a及び14b参照)。
【0094】
あるいは、第1の接触部128,130と第3の接触部136,138との間の電気接触は、追加部品38,40(図15b参照)の閉動作位置でのみ形成され、追加部品38,40の開動作位置では、第1の接触部128,130の自由端は、第3の接触部136,138の接触面140、142から離れて配置される。
【0095】
構成要素12及び14の接合中に形成される、図14aから15bを参照して上述したような電気接触閉は、特に、図12a及び12bを参照して例として説明したような照明器具アセンブリの場合に有利であり得る。
【0096】
説明される全ての実施形態において、少なくとも1つの追加部品38,40が閉動作位置を仮定するそれぞれの組立状態から開始して、第1構成要素12は、接合方向64と反対の方向を向いている分解力の印加によって、第2構成要素14から再分離され得ることが理解される。この目的のために、少なくとも1つの追加部品38,40は、閉動作位置から開動作位置(それぞれの枢動方向68,70とは反対の方向)に枢動接合部42,44を中心に枢動される。このプロセスでは、追加部品38,40も、上述した死点位置を通過する。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11a
図11b
図11c
図12a
図12b
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図14a
図14b
図15a
図15b
【国際調査報告】