(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549651
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 CN2020086493
(87)【国際公開番号】W WO2020233338
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】201910419984.X
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】馮 貴剛
(72)【発明者】
【氏名】何 秋波
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062BB30
3H062CC02
3H062DD01
3H062GG06
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
電子膨張弁は、弁口(11)を有する弁体(10)と、弁体内に移動可能に設けられ、収容室を有する弁ヘッド(21)及び押圧スリーブ(22)を含み、収容室の弁口に近い一端には底壁を有し、底壁に貫通孔(211)が設けられ、弁ヘッドが弁口を閉鎖するために用いられる弁ヘッド部と、弁体内に設けられ、弁ヘッド部が内部に設けられるガイドスリーブ(60)と、弁体内に移動可能に設けられ、端部が押圧スリーブを貫通し、端部及び押圧スリーブに通路が設けられ、通路、収容室、及び貫通孔が弁ヘッド部を貫通する均等化通路を共に形成する駆動部と、収容室内に設けられ、一端が底壁に係合され、他端が駆動部の端部によって圧縮可能である弾性部材(40)と、弁ヘッド部とガイドスリーブとの間に設けられる密封部材(80)と、を含む。この電子膨張弁は、従来技術における電子膨張弁の製造コストが高く、サイズが大きいという問題を解決することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁口(11)を有する弁体(10)と、
前記弁体(10)内に移動可能に設けられ、収容室を有する弁ヘッド(21)及び押圧スリーブ(22)を含み、前記収容室の前記弁口(11)に近い一端に底壁を有し、前記底壁に貫通孔(211)が設けられ、前記弁ヘッド(21)が前記弁口(11)を閉鎖するために用いられる弁ヘッド部と、
前記弁体(10)内に設けられ、前記弁ヘッド部が内部に設けられるガイドスリーブ(60)と、
前記弁体(10)内に移動可能に設けられ、端部が前記押圧スリーブ(22)を貫通し、前記端部及び前記押圧スリーブ(22)に通路が設けられ、前記通路、前記収容室、及び前記貫通孔(211)が前記弁ヘッド部を貫通する均等化通路を共に形成する駆動部と、
前記収容室内に設けられ、一端が前記底壁に係合され、他端が前記駆動部の前記端部によって圧縮可能である弾性部材(40)と、
前記弁ヘッド部と前記ガイドスリーブ(60)との間に設けられる密封部材(80)と、
を含む電子膨張弁。
【請求項2】
前記駆動部はロッド状部材(31)及び弁スリーブ(32)を含み、前記ロッド状部材(31)は軸方向に移動可能であり、前記ロッド状部材(31)の端部と前記弁スリーブ(32)とが接続され、前記弁スリーブ(32)と前記弁ヘッド部の前記弁口(11)から離れた一端とが係合され、前記弾性部材(40)の他端と前記弁スリーブ(32)とが当接される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記弁スリーブ(32)は前記ロッド状部材(31)の前記端部に固定され、前記弁スリーブ(32)の外周面は第1制限段差を有し、前記弾性部材(40)の他端と前記第1制限段差とが当接される、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記弁ヘッド(21)の前記弁口(11)から離れた一端は前記収容室に連通する開口を有し、前記押圧スリーブ(22)が前記開口に設けられ、前記弁スリーブ(32)と前記押圧スリーブ(22)とが当接される、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記ロッド状部材(31)は、前記押圧スリーブ(22)の内側に設けられ、前記押圧スリーブ(22)を通過し、前記押圧スリーブ(22)の外周面は第2制限段差を有し、前記押圧スリーブ(22)の一部は前記収容室内に設けられ、前記弁ヘッド(21)の端面と前記第2制限段差とが当接される、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記弁スリーブ(32)の内壁と前記ロッド状部材(31)との間に第1逃げ孔(321)を有し、前記押圧スリーブ(22)の内壁と前記ロッド状部材(31)との間に第2逃げ孔(221)を有し、前記第1逃げ孔(321)及び前記第2逃げ孔(221)が前記通路を形成し、前記貫通孔(211)、前記収容室、前記第1逃げ孔(321)、及び前記第2逃げ孔(221)が順に連通される、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記ロッド状部材(31)は、互いに接続される第1ロッドセグメント(311)及び第2ロッドセグメント(312)を含み、前記第2ロッドセグメント(312)の断面積は前記第1ロッドセグメント(311)の断面積より小さく、前記第2ロッドセグメント(312)は前記押圧スリーブ(22)及び前記弁スリーブ(32)内に設けられ、前記弁スリーブ(32)の内壁と前記第2ロッドセグメント(312)との間に前記第1逃げ孔(321)を有し、前記押圧スリーブ(22)の内壁と前記第2ロッドセグメント(312)との間に前記第2逃げ孔(221)を有する、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記第2ロッドセグメント(312)の径方向断面は弓状である、請求項7に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記駆動部に雄ねじを有する電子膨張弁であって、
雌ねじを有し、前記雄ねじと前記雌ねじとが係合されるナットアセンブリ(50)を更に含む、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記駆動部の端部が前記弁ヘッド部内に挿入される長さは、前記弁ヘッド部の長さの半分以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、バルブの技術分野に関し、具体的には電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子膨張弁において、弁ヘッドとスクリュとの接続構造が複雑なために加工工程が煩雑であり、製造コストが高く、且つ弁ヘッド及びスクリュのサイズは共に長いが、製品の寿命及び強度確保のため、より薄く、より細くすることができないため、現在の電子膨張弁の全体のサイズを更に圧縮させることができず、製品の小型化が進む傾向に適合しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、従来技術における電子膨張弁の製造コストが高く、サイズが大きいという問題を解決するための電子膨張弁を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の問題を解決するために、本出願は、弁口を有する弁体と、弁体内に移動可能に設けられ、収容室を有する弁ヘッド及び押圧スリーブを含み、収容室の弁口に近い一端に底壁を有し、底壁に貫通孔が設けられ、弁ヘッドが弁口を閉鎖するために用いられる弁ヘッド部と、弁体内に設けられ、弁ヘッド部が内部に設けられるガイドスリーブと、弁体内に移動可能に設けられ、端部が押圧スリーブを貫通し、端部及び押圧スリーブに通路が設けられ、通路、収容室、及び貫通孔が弁ヘッド部を貫通する均等化通路を共に形成する駆動部と、収容室内に設けられ、一端が底壁に係合され、他端が駆動部の端部によって圧縮可能である弾性部材と、弁ヘッド部とガイドスリーブとの間に設けられる密封部材と、を含む電子膨張弁を提供している。
【0005】
更に、駆動部はロッド状部材及び弁スリーブを含み、ロッド状部材は軸方向に移動可能であり、ロッド状部材の端部と弁スリーブとが接続され、弁スリーブと弁ヘッド部の弁口から離れた一端とが係合され、弾性部材の他端と弁スリーブとが当接される。
【0006】
更に、弁スリーブはロッド状部材の端部に固定され、弁スリーブの外周面に第1制限段差を有し、弾性部材の他端と第1制限段差とが当接される。
【0007】
更に、弁ヘッドの弁口から離れた一端には収容室に連通する開口を有し、押圧スリーブが開口に設けられ、弁スリーブと押圧スリーブとが当接される。
【0008】
更に、ロッド状部材は、押圧スリーブの内側に設けられ、押圧スリーブを通過し、押圧スリーブの外周面には第2制限段差を有し、押圧スリーブの一部は収容室内に設けられ、弁ヘッドの端面と第2制限段差とが当接される。
【0009】
更に、弁スリーブの内壁とロッド状部材との間に第1逃げ孔を有し、押圧スリーブの内壁とロッド状部材との間に第2逃げ孔を有し、第1逃げ孔及び第2逃げ孔が通路を形成し、貫通孔、収容室、第1逃げ孔、及び第2逃げ孔が順に連通される。
【0010】
更に、ロッド状部材は、互いに接続される第1ロッドセグメント及び第2ロッドセグメントを含み、第2ロッドセグメントの断面積は第1ロッドセグメントの断面積より小さく、第2ロッドセグメントは押圧スリーブ及び弁スリーブ内に設けられ、弁スリーブの内壁と第2ロッドセグメントとの間に第1逃げ孔を有し、押圧スリーブの内壁と第2ロッドセグメントとの間に第2逃げ孔を有する。
【0011】
更に、第2ロッドセグメントの径方向断面は弓状である。
【0012】
更に、駆動部は雄ねじを有し、電子膨張弁はナットアセンブリを更に含み、ナットアセンブリには雌ねじを有し、雄ねじと雌ねじとが係合される。
【0013】
更に、駆動部の端部が弁ヘッド部内に挿入される長さは、弁ヘッド部の長さの半分以下である。
【0014】
本出願の技術態様を適用すると、駆動部によって弁ヘッド部を駆動して移動させて、弁ヘッドで弁口を開閉することができ、弾性部材によって弁ヘッド部に作用力を加えて、弁口を閉鎖するときの密封性を高めることができる。駆動部の端部と弁ヘッド部の弁口から離れた一端とが係合され、弾性部材が駆動部の端部と弁ヘッド部の収容室の底壁との間に位置するため、弁ヘッド部及び駆動部の長さを減少させ、構造を簡略化することができ、これにより、加工工程を簡略化し、加工難易度を低減させ、電子膨張弁の製造コストを低減させることができる。そして、駆動部の端部及び押圧スリーブ内の空隙が共に形成する通路、収容室、及び弁ヘッドの貫通孔によって、弁ヘッド部を貫通する均等化通路が形成されており、このようにすることで、弁ヘッド部の両端の領域が圧力バランスを保つことができると同時に、製品のサイズもより小さくすることができる。ガイドスリーブによって、弁ヘッドをガイドすることができ、密封部材によって、密封性を高めて、内部漏れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであって本出願を不適切に限定するものではない。
【0016】
【
図1】本出願の実施例によって提供される電子膨張弁の断面図を示す。
【
図3】
図1における一部の部品の構成模式図を示す。
【0017】
ここで、上記図面は以下の符号を含む。
10 弁体、11 弁口、21 弁ヘッド、211 貫通孔、22 押圧スリーブ、221 第2逃げ孔、31 ロッド状部材、311 第1ロッドセグメント、312 第2ロッドセグメント、32 弁スリーブ、321 第1逃げ孔、40 弾性部材、50 ナットアセンブリ、60 ガイドスリーブ、71 第1チャンバ、72 第2チャンバ、80 密封部材。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様について、明確且つ完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、実際には例示にすぎず、本出願及びその適用又は使用に対する如何なる制限とされるものではない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護の範囲に属する。
【0019】
図1から
図3に示すように、本出願の実施例は、弁口11を有する弁体10と、弁体10内に移動可能に設けられ、収容室を有する弁ヘッド21及び押圧スリーブ22を含み、収容室の弁口11に近い一端には底壁を有し、底壁に貫通孔211が設けられ、弁ヘッド21が弁口11を閉鎖するために用いられる弁ヘッド部と、弁体10内に移動可能に設けられ、端部が押圧スリーブ22を貫通し、端部及び押圧スリーブ22に通路が設けられ、通路、収容室、及び貫通孔211が弁ヘッド部を貫通する均等化通路を共に形成する駆動部と、収容室内に設けられ、一端が底壁に係合され、他端が駆動部の端部によって圧縮可能である弾性部材40と、を含む電子膨張弁を提供している。
【0020】
本実施例の技術態様を適用すると、駆動部によって弁ヘッド部を駆動して移動させて、弁ヘッド21で弁体10の弁口11を開閉することができ、弾性部材40によって弁ヘッド部に作用力を加えて、弁口を閉鎖するときの密封性を高めることができる。駆動部の端部と弁ヘッド部の弁口11から離れた一端とが係合され、弾性部材40が駆動部の端部と弁ヘッド部の収容室の底壁との間に位置するため、弁ヘッド部及び駆動部の長さを減少させ、構造を簡略化することができ、これにより、加工工程を簡略化し、加工難易度を低減させ、電子膨張弁の製造コストを低減させることができる。そして、駆動部の端部及び押圧スリーブ22内の空隙が共に形成する通路、弁ヘッド21の収容室、及び弁ヘッド21の貫通孔211によって、弁ヘッド部を貫通する均等化通路が形成されており、このようにすることで、弁ヘッド部の両端の領域が圧力バランスを保つことができると同時に、製品のサイズもより小さくすることができる。均等化通路を設けることによって、弁ヘッド部の両端の領域内の流体の圧力を一致させることができ、このようにすることで、弁ヘッド部が弁口11を閉鎖した後、弁ヘッド部の両側に圧力差が存在することによって閉鎖が緩くなることを防ぐことができる。そして、このようにすることで、弁口11の開放が容易となる。
【0021】
電子膨張弁は、弁体10内に設けられ、弁ヘッド部が内部に穿設される(設けられる)ガイドスリーブ60を更に含む。ガイドスリーブ60によって、弁ヘッド21をガイドすることができる。
【0022】
本実施例において、電子膨張弁は、弁ヘッド部とガイドスリーブ60との間に設けられる密封部材80を更に含む。密封部材80によって、密封性を高めて、内部漏れを防ぐことができる。具体的には、ガイドスリーブ60の内壁に環状溝を有し、環状溝内に環状の密封部材80を有し、環状の密封部材80によって、電子膨張弁の密封性を確保するように、弁ヘッド21の外壁を密封することができる。
【0023】
本実施例において、駆動部の端部が弁ヘッド部内に挿入される長さは、弁ヘッド部の長さの半分以下であり、このようにすることで、駆動部の長さを減少させることができ、加工が容易となる。
【0024】
本実施例において、弁ヘッド21は円柱状であり、収容室は円形孔状であり、これにより、弁ヘッド21の構造が簡易になり、加工及び関連部品・部材との組立が容易となる。
【0025】
本実施例において、駆動部はロッド状部材31及び弁スリーブ32を含み、ロッド状部材31は軸方向に移動可能であり、ロッド状部材31の端部と弁スリーブ32とが接続され、弁スリーブ32と弁ヘッド部の弁口11から離れた一端とが係合され、弾性部材40の他端と弁スリーブ32とが当接される。このようにすることで、ロッド状部材31の移動によって弁スリーブ32を動かすことができ、弁スリーブ32が弁口11に近づく方向に移動する際に、弁ヘッド部を動かして弁口11を閉鎖することができ、弁スリーブ32が弁口11から離れる方向に移動する際に、弁ヘッド部を動かして弁口11を開放することができる。
【0026】
図1に示すように、弁スリーブ32はロッド状部材31の端部に固定され、弁スリーブ32の外周面には第1制限段差を有し、弾性部材40の他端と第1制限段差とが当接される。第1制限段差によって、弾性部材40を位置決め及び制限することができる。そして、弁スリーブ32によって、ロッド状部材31と弾性部材40とが直接接触することを回避して、ロッド状部材31の摩耗を低減することができる。具体的には、弁スリーブ32は、レーザ溶接によってロッド状部材31の端部と接続することができ、このような方法は、加工が容易であり、接続を堅牢なものにする。本実施例において、弾性部材40はバネとして設けられてもよい。
【0027】
上記の技術態様を採用すると、電子膨張弁の構造を簡略化することができるだけでなく、駆動部の軸方向のサイズを減少させ、電子膨張弁の全体の長さを減少させることができ、これにより、電子膨張弁の構造がよりコンパクトになり、小型化が実現される。
【0028】
本実施例において、弁ヘッド21の弁口11から離れた一端には収容室に連通する開口を有し、押圧スリーブ22が開口に設けられ、弁スリーブ32と押圧スリーブ22とが当接される。このようにすることで、押圧スリーブ22によって弁スリーブ32を制限することができ、弁スリーブ32がロッド状部材31の駆動下で弁口11から離れる方向に移動する際に弁ヘッド部を動かすようにする。
【0029】
具体的には、ロッド状部材31の先端は、押圧スリーブ22に穿設されてそれを通過し、押圧スリーブ22の外周面には第2制限段差を有し、押圧スリーブ22の一部は収容室内に穿設され、弁ヘッド21の端面と第2制限段差とが当接される。このようにすることで、第2制限段差によって押圧スリーブ22及び弁ヘッド21を制限して組み立てることができ、押圧スリーブ22と弁ヘッド21との位置決め及び組立が容易となる。好ましくは、レーザ溶接によって押圧スリーブ22と弁ヘッド21とを接続することができ、このようにすることで、操作が容易であり、接続が堅牢なものとなる。具体的には、第2制限段差は、収容室内に設けられる狭い部分、及び弁ヘッド21の上端面に当接される広い部分を含む。
【0030】
具体的には、本実施例において、弁スリーブ32の内壁とロッド状部材31との間に第1逃げ孔321を有し、押圧スリーブ22の内壁とロッド状部材31との間に第2逃げ孔221を有し、第1逃げ孔321及び第2逃げ孔221が上記通路を共に形成する。貫通孔211、収容室、第1逃げ孔321、及び第2逃げ孔221が順に連通される。このようにすることで、貫通孔211、収容室、第1逃げ孔321、及び第2逃げ孔221によって均等化通路を構成して、弁ヘッド部の両端の領域を連通させることができる。上記方法を採用すると、弁スリーブ32及び押圧スリーブ22上の孔を利用することができ、加工が容易となる。本実施例において、弁ヘッド21は円柱形であり、弁ヘッド21内に段差孔を有し、ここで、直径が大きい方の孔が収容室を形成し、直径が小さい方の孔が貫通孔211を形成する。このような方法を採用すると、弁ヘッド21の構造を簡略化することができ、弁スリーブ32及び押圧スリーブ22等も加工及び組立が容易となる。
【0031】
本実施例において、ロッド状部材31は、互いに接続される第1ロッドセグメント311及び第2ロッドセグメント312を含み、軸方向において、第2ロッドセグメント312の断面積は第1ロッドセグメント311の断面積より小さい。本実施例において、第1ロッドセグメント311は軸方向における断面が円形であり、第2ロッドセグメント312は、第1ロッドセグメント311を基に一部が切り取られたものであって、軸方向における断面が弓状であり、第2ロッドセグメント312は押圧スリーブ22及び弁スリーブ32内に穿設され、弁スリーブ32の内壁と第2ロッドセグメント312との間に上記第1逃げ孔321を有し、押圧スリーブ22の内壁と第2ロッドセグメント312との間に上記第2逃げ孔221を有する。加工の際に、一体に成形された一本のロッドをロッド状部材31として採用して、ロッド状部材31の一端から軸方向に沿って一部を削り取って、第2ロッドセグメント312を作製することができ、このようにすることで、加工が容易となり、製造コストが低くなる。
【0032】
図示しない他の実施例において、第2ロッドセグメント312の断面は任意の面積の扇形又は他の不規則な図形であってもよく、その断面は第1ロッドセグメント311より小さいことが好ましい。勿論、第2ロッドセグメント312の断面積は第1ロッドセグメント311の断面積より大きくてもよく、第2ロッドセグメント312と押圧スリーブ22、弁スリーブ32との間に隙間が形成されれば、本態様の目的を達成することができる。
【0033】
本実施例において、第2ロッドセグメント312の下端部には第3制限段差を有し、第3制限段差の端面と押圧スリーブ22の端面とが面一であり、弁スリーブ32の端面と第3制限段差の端面とが当接される。このようにすることで、第2ロッドセグメント312、押圧スリーブ22、及び弁スリーブ32の位置決め及び組立が容易となる。弁スリーブ32は、第3制限段差に固定して取り付けられて、ロッド状部材31の移動に従って移動し、弁スリーブ32が上方に向けて押圧スリーブ22の位置まで移動した場合、押圧スリーブ22に固定された弁ヘッド21を動かして共に上方に向けて移動して、弁口11を開放することができる。
【0034】
更に、本実施例において、第2ロッドセグメント312の径方向断面は弓状である。このようにすることで、第2ロッドセグメント312の加工が容易となり、第2ロッドセグメント312の構造の強度を確保するために、第2ロッドセグメント312の径方向断面を優弧弓とすることができる。
【0035】
本実施例において、駆動部は雄ねじを有し、電子膨張弁はナットアセンブリ50を更に含み、ナットアセンブリ50には雌ねじを有し、雄ねじと雌ねじとが係合される。本実施例において、電子膨張弁は磁気ロータを更に含み、磁気ロータは駆動部を回転させることができ、駆動部がナットアセンブリ50にねじ嵌めされることによって、駆動部に軸方向の移動を発生させることができ、これにより、弁ヘッド部が動かされる。具体的には、雄ねじはロッド状部材31上に位置する。
【0036】
図3に示すように、ガイドスリーブ60、ロッド状部材31、押圧スリーブ22、及びナットアセンブリ50の間の領域は第1チャンバ71であり、弁口11が配置される孔が弁ヘッド21の下方に位置する部分は第2チャンバ72であり、貫通孔211、収容室、第1逃げ孔321、及び第2逃げ孔221によって、第1チャンバ71と第2チャンバ72とを連通することができる。
【0037】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされた如何なる修正、同等な置換、改善等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】