(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】無ハンドルドア付きの車両に使用されるアクセス意図の認識を決定する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B60J 5/00 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
B60J5/00 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560335
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 IB2019000424
(87)【国際公開番号】W WO2020201803
(87)【国際公開日】2020-10-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440563
【氏名又は名称】インテヴァ プロダクツ フランス エスエーエス
【氏名又は名称原語表記】INTEVA PRODUCTS FRANCE SAS
(71)【出願人】
【識別番号】592097392
【氏名又は名称】マルクアルト ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】MARQUARDT GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブレイナート, フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】シェラミー, ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ベルモンド, ジャン―マルク
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ, パスカル
(72)【発明者】
【氏名】フッペンバウアー, オリヴァー,
(72)【発明者】
【氏名】ベッヒャー, アンドレアス
(57)【要約】
車両(10)の無ハンドルドアエントリシステム(12)である。システムは、第1の検出構成要素(26)及び第2の検出構成要素(28)を含む、乗員検出構成要素(24)を含み、第1の検出構成要素(26)は、無ハンドルドアエントリシステム(12)の予め定められた距離内のデバイス(27)を検出するように構成され、第2の検出構成要素(28)は、無ハンドルドアエントリシステム(12)に接近する物体又は個人の意図を検出するように構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)の無ハンドルドアエントリシステム(12)であって、
第1の検出構成要素(26)及び第2の検出構成要素(28)を含む乗員検出構成要素(24)を備え、前記第1の検出構成要素(26)が、前記無ハンドルドアエントリシステム(12)の予め定められた距離内のデバイス(27)を検出するように構成され、前記第2の検出構成要素(28)が、前記無ハンドルドアエントリシステム(12)に接近する物体又は個人の意図を検出するように構成される、
無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項2】
前記第1の検出構成要素(26)が、前記デバイス(27)とのワイヤレス通信が可能なデバイスであり、前記ワイヤレス通信が、無線周波数(RF)通信、低周波数(LF)通信、Bluetooth(登録商標)(BT)通信、超高周波電波送信、近距離無線通信(NFC)のいずれかである、請求項1に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項3】
前記第2の検出構成要素(28)が、一対のビデオカメラを備える、請求項1又は2に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項4】
前記第2の検出構成要素(28)が、レーダ又はパルスマイクロ波レーダである、請求項1又は2に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項5】
ドアラッチ制御装置(18)に動作可能に結合された車両ラッチ(16)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項6】
前記車両ラッチ(16)が、電気機械ラッチである、請求項5に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項7】
ドアプレゼンタ(20)と、前記車両ラッチ(16)に動作可能に結合されたセンサ(22)と、をさらに備える、請求項5又は6に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項8】
前記デバイス(27)が、携帯電話に常駐するデジタル署名である、請求項1~7のいずれか一項に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の無ハンドルドアエントリシステム(12)を有する車両(10)であって、車両ドア(14)をさらに備え、前記車両ドアの外面にハンドルがない、車両(10)。
【請求項10】
前記第2の検出構成要素(28)が、前記車両(10)のセンタピラー又はBピラーに配置されている、請求項9に記載の車両(10)。
【請求項11】
前記第2の検出構成要素(28)が、前記車両(10)のすぐ近くの半球形体積(30)内の移動及び静止物体を分析するように構成され、かつ/又は、前記第2の検出構成要素(28)が、前記車両のウインドレギュレータの制御装置に動作可能に結合されており、前記第2の検出構成要素(28)が、前記ウインドレギュレータの閉じる窓のすぐ近くに物体又は個人を検出した場合、前記ウインドレギュレータの動作を阻止する、請求項9又は10に記載の車両(10)。
【請求項12】
車両(10)の無ハンドルドアエントリシステム(12)を動作させる方法であって、
乗員検出構成要素(24)の第1の検出構成要素(26)によって、前記無ハンドルドアエントリシステム(12)の予め定められた距離内のデバイス(27)を検出するステップと、
前記検出するステップ後に実行され、第2の検出構成要素(28)によって、前記無ハンドルドアエントリシステム(12)に接近する物体又は個人の意図を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記決定するステップが、前記車両の車両ドア(14)に前記個人が接近するときの前記個人の手の位置を決定することをさらに含む、かつ/又は、前記決定するステップが、前記車両ドア(10)に接近する前記物体若しくは個人の速度及び/若しくは向き及び/若しくは距離/位置を決定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記無ハンドルドアエントリシステム(12)が、前記物体又は個人の形状の検出された形状から外に動く前記個人の手の動きを識別すると、前記無ハンドルドアエントリシステム(12)のドアプレゼンタ(20)を作動させ、前記動きが、前記車両ドア(10)のドア把持領域の方に向かう動きである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の検出構成要素(26)が、前記デバイス(27)とのワイヤレス通信が可能なデバイスであり、前記ワイヤレス通信が、無線周波数(RF)通信、低周波数(LF)通信、Bluetooth(登録商標)(BT)通信、超高周波電波送信、近距離無線通信(NFC)のいずれかであり、前記第2の検出構成要素(28)が、一対のビデオカメラを備えるか、又はレーダである、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
[0001]本開示の例示的な実施形態は、車両ドアラッチの技術に関し、特に、無ハンドルドアに関連する車両ドアラッチに関する。
【0002】
[0002]無ハンドルドアは、ドア内部に配置されたラッチとは独立した、又はそれと一体になった、「ドアプレゼンタ(door presenter)」と称されるアクチュエータを必要とする。このアクチュエータは、最終使用者が手動でのドアの開放を達成することができるように、ドアフランジ/縁を掴むために彼又は彼女の指を挿入することができる程度に、ドアを若干回転/開放する。
【0003】
[0003]いくつかの適用例では、ドアプレゼンタは、車両と許可されたスマートキーフォブとの間の、典型的には無線周波数(RF)通信ループである通信ループの使用によりワイヤレスで動作するように構成される。別法として、又はそれに加えて、ドアプレゼンタは、近距離無線通信(NFC)アンテナ、又はNFCアンテナによりドアエントリシステムのスマートキーフォブを検出する他の均等のデバイスの使用により、ワイヤレスで動作するように構成される。予め定められた範囲内でスマートキーフォブを検出すると、ドアエントリシステムは、車両運転者が車両ドアを開けることができるように、ドアプレゼンタを作動させる。一実施形態では、予め定められた距離は、例えば0~3メートルとすることができる。予め定められた距離は、使用されるデバイスのタイプにより変えることができ、例えば無線周波数(RF)通信ループは、近距離無線通信ループより広い範囲を有することができる。
【0004】
[0004]しかし、車両運転者が車両ドアの開放に関係ない作業を行う(例えば、トランク内に荷物を置く、パーキングメータの支払いをする、又は車両の脇に沿って歩くなどの)目的で車両のすぐ近くにいる場合、スマートキーフォブが車両ドアラッチのすぐ近くにあっても、車両ドアラッチのドアプレゼンタを作動させないことが望ましい。さらに、スマートキーフォブを携行している車両運転者が車両のすぐ近くにいる間、車両に接近する他の者(例えば、舗道上の、車両を通り過ぎる歩行者)によってドアプレゼンタが自動的に作動してはならない。
【0005】
[0005]したがって、無ハンドルドアとともに使用されるアクチュエータ又はプレゼンタの改善を提供することが望まれる。
【簡単な説明】
【0006】
[0006]車両の無ハンドルドアエントリシステムが開示される。システムは、第1の検出構成要素及び第2の検出構成要素を含む、乗員検出構成要素を含み、第1の検出構成要素が、無ハンドルドアエントリシステムの予め定められた距離内のデバイスを検出するように構成され、第2の検出構成要素が、無ハンドルドアエントリシステムに接近する物体又は個人の意図を検出するように構成される。
【0007】
[0007]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、第1の検出構成要素は、上記デバイスとのワイヤレス通信が可能なデバイスであり、このワイヤレス通信が、無線周波数(RF)通信、低周波数(LF)通信、Bluetooth(登録商標)(BT)通信、UHF(超高周波)電波送信、近距離無線通信(NFC)のいずれかである。
【0008】
[0008]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、第2の検出構成要素が、一対のビデオカメラを含む。
【0009】
[0009]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、第2の検出構成要素が、レーダ又はパルスマイクロ波レーダである。
【0010】
[0010]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、無ハンドルドアエントリシステムが、ドアラッチ制御装置に動作可能に結合された車両ラッチを含む。
【0011】
[0011]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、車両ラッチが、電気機械ラッチである。
【0012】
[0012]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、無ハンドルドアエントリシステムが、ドアプレゼンタと、車両ラッチに動作可能に結合されたセンサとをさらに備える。
【0013】
[0013]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、デバイスが、携帯電話に常駐するデジタル署名である。
【0014】
[0014]さらに、前記請求項のいずれか一項に記載の無ハンドルドアエントリシステムを有する車両であって、車両ドアをさらに備え、車両ドアの外面にハンドルがない、車両が開示される。
【0015】
[0015]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、第2の検出構成要素が、車両のセンタピラー又はBピラーに配置されている。
【0016】
[0016]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、第2の検出構成要素が、車両のすぐ近くの半球形体積内の移動及び静止物体を分析するように構成され、かつ/又は、第2の検出構成要素が、車両のウインドレギュレータの制御装置に動作可能に結合されており、第2の検出構成要素が、ウインドレギュレータの閉じる窓のすぐ近くに物体又は個人を検出した場合、ウインドレギュレータの動作を阻止する。
【0017】
[0017]さらに、車両の無ハンドルドアエントリシステムを動作させる方法であって、乗員検出構成要素の第1の検出構成要素によって、無ハンドルドアエントリシステムの予め定められた距離内のデバイスを検出するステップと、検出するステップ後に実行され、第2の検出構成要素によって、無ハンドルドアエントリシステムに接近する物体又は個人の意図を決定するステップとを含む、方法が開示される。
【0018】
[0018]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、決定するステップが、車両の車両ドアに個人が接近するときの個人の手の位置を決定することをさらに含む、かつ/又は、決定するステップが、車両ドアに接近する物体若しくは個人の速度及び/若しくは向き及び/若しくは距離/位置を決定することをさらに含む。
【0019】
[0019]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、無ハンドルドアエントリシステムが、物体又は個人の形状の検出された形状から外に動く個人の手の動きを識別すると、無ハンドルドアエントリシステムのドアプレゼンタを作動させ、この動きは、車両ドアのドア把持領域の方に向かう動きである。
【0020】
[0020]上述の特徴のうちの1つ若しくは複数に加えて、又は上述の実施形態のいずれかの代替として、第1の検出構成要素が、上記デバイスとのワイヤレス通信が可能なデバイスであり、ワイヤレス通信が、無線周波数(RF)通信、低周波数(LF)通信、Bluetooth(登録商標)(BT)通信、UHF(超高周波)電波送信、近距離無線通信(NFC)のいずれかであり、第2の検出構成要素が、一対のビデオカメラを備える、又はレーダである。
【0021】
[0021]以下の説明は、いかなる点においても限定と考えられるべきではない。添付の図面を参照すると、同じ要素には同様の数字が付いている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の無ハンドルドアシステムを含む車両の側面図である。
【
図2】本開示の無ハンドルドアシステムを含む車両の斜視図である。
【
図3】本開示の無ハンドルドアシステムを動作させる方法を示す流れ図である。
【詳細な説明】
【0023】
[0025]図面を参照して、開示の装置及び方法の1つ又は複数の実施形態の詳細な説明は、例示として本明細書に示され、限定のためではない。
【0024】
[0026]
図1には、無ハンドルドアエントリシステム12を含む車両10が示されている。一実施形態では、無ハンドルドアエントリシステム12は、車両ドア14を開けるように構成される。無ハンドルドアエントリシステム12は、車両ドアの外面にハンドルがない車両ドアの外面を製造することができるように、車両ドア14内に配置される。
【0025】
[0027]車両ドア14は、無ハンドルのドアであり、運転席側ドア、助手席側ドア、又は後部乗員席側ドアとして取り付けることができる。車両ドア14は、例えばリフトゲート、トランク又はテールゲートなど、車両の後部ドアとして取り付けることもできる。無ハンドルドアエントリシステム12は、ドア(又は、リフトゲート、トランク、テールゲートなど)を閉位置で保持するように、及び使用者が車両ドア14を開位置へと動かすことができるように車両ドアを解放するように、車両ドア14に動作可能に結合されている。
【0026】
[0028]一実施形態では、無ハンドルドアエントリシステム12は、ドアラッチ制御装置18に動作可能に結合された車両ラッチ16を含む。例示の実施形態では、ドアラッチ制御装置18は、ドアエントリシステム12の動作を制御する制御アルゴリズムを実行するためのコンピュータ読取可能データ又はプログラムの命令を実行することができる、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は他の均等の処理装置を備える。定められた機能及び所望の処理、並びにそのための演算(例えば、フーリエ解析アルゴリズム(複数可)、本明細書で定められる制御プロセスなどの実行)を実行するために、制御装置は、これらに限定されないが、プロセッサ(複数可)、コンピュータ(複数可)、メモリ、記憶装置、レジスタ(複数可)、刻時装置(timing)、割込み装置(複数可)、通信インターフェース、主エネルギー供給インターフェース、蓄電器、バッテリー又はその組合せによる外部又は内部非常用エネルギー供給装置、入/出力信号インターフェース、及び前述のうちの少なくとも1つを備える組合せを含むことができる。例えば、制御装置は、通信インターフェースからのそうした信号の正確なサンプリング及び変換又は取得を可能にする入力信号フィルタリングを含むことができる。
【0027】
[0029]一実施形態では、車両ラッチ16は、電気機械ラッチであり、無ハンドルドアエントリシステム12は、ドアプレゼンタ20、センサ22、及び乗員検出構成要素24をさらに備える。乗員検出構成要素24は、無ハンドルドアエントリシステム12との通信が可能なデバイス27を検出する第1の検出構成要素26をさらに備える、又は第1の検出構成要素26に動作可能に結合されている。非限定的な一実施形態では、デバイス27は、無ハンドルドアエントリシステム12のスマートキーフォブとすることができる。さらに他の実施形態では、デバイス27は、無ハンドルドアエントリシステム12とのワイヤレス通信が可能な任意の物体とすることができる。非限定的な一実施形態では、デバイス27は、RF受信機-エミッタである。他又は代替の実施形態では、デバイス27は、携帯電話又は任意の他の均等のデバイス(例えば、スマートウォッチ、デジタルデバイスなど)に常駐するデジタル署名とすることができる。非限定的な一実施形態では、第1の検出構成要素26は、近距離無線通信(NFC)アンテナ、無線周波数(RF)送信機/受信機、(RF)通信ループを実現するように許可されたデバイス27の送信機/受信機と通信する若しくは他の方法でデバイス27と第1の検出構成要素26との間で通信するように構成される任意のタイプの無線周波数送信機/受信機若しくはワイヤレス送信機/受信機、又は他の均等のデバイスである。そのような送信機/受信機及びデバイス27のタイプの非限定的な例としては、これらに限定されないが、無線周波数(RF)通信、低周波数(LF)通信、Bluetooth(登録商標)(BT)通信、UHF(超高周波)電波送信、近距離無線通信(NFC)、及びその均等のことができるものが挙げられる。
【0028】
[0030]予め定められた範囲内でデバイス27を検出すると、無ハンドルドアエントリシステム12は、接近する個人又は使用者の意図を確認した後、車両の運転者が車両ドアを開けることができるようにドアプレゼンタ20を作動させる。非限定的な一実施形態では、予め定められた範囲は、0~3メートルとすることができる。予め定められた範囲は、使用するデバイスのタイプにより変えることができ、例えば、無線周波数(RF)通信ループは、近距離無線通信ループより広い範囲を有することができる。当然のことながら、他の範囲も本開示の範囲内にあることが意図される。一実施形態では、ドアプレゼンタ20が作動されると、車両ドア14が車両本体から若干開いた位置になり、それによって使用者又は運転者が車両ドア14の一部分を掴むことができるようになる。一実施形態では、車両ドア14がドアプレゼンタ20の動作により車両本体から若干開いた位置にあるとき、使用者が、車両ドア14を掴むと、センサ22に接触することになり、それによって信号がドアラッチ制御装置18にもたらされ、車両ラッチ16が車両ドア14の開放を達成することができる。
【0029】
[0031]本開示の一実施形態では、乗員検出構成要素24は、第2の検出構成要素28をさらに備える。第2の検出構成要素28は、第1の検出構成要素26と相まって、デバイス27を保持している者が車両ドア14を開けようとしているかどうかを決定する。例えば、第2の検出構成要素28は、無ハンドルドアエントリシステム12に接近する物体又は個人の意図を検出することができるデバイスである。
【0030】
[0032]一実施形態では、第2の検出構成要素28は、一対のビデオカメラを備える。或いは、別法として第2の検出構成要素28は、非限定的な一実施形態では第2の検出構成要素28が車両の側部における動きを監視又は検出することができるようにする、車両10のある範囲内に配置された(非限定的な一実施形態では典型的な周波数範囲が60~100GHzである)パルスマイクロ波レーダであってもよいレーダ装置である。当然のことながら、本開示の様々な実施形態によれば、あらゆるタイプのレーダ装置の使用が企図される。非限定的な一実施形態では、第2の検出構成要素28は、車両10のセンタピラー又はBピラーに配置される。当然のことながら、他の場所も企図される。
【0031】
[0033]第2の検出構成要素28を車両10の側部に配置することによって、第2の構成要素28は、車両10のすぐ近くの半球形体積30内の移動及び静止物体を分析することができるようになる。例えば
図2を参照されたい。第2の検出構成要素28の使用によって、車両に接近する物体は、接近物体に対する距離及び角度によって定められるそれらの位置及びサイズを有する。例えば、感知システムは、接近する物体の意図を決定するために使用され得る、物体の形状及び距離を定める角錐(レーダ)/円錐(ビデオピクセル)のスタック/連結である3Dマップを構築することによって周囲状況を感知する。第2の検出構成要素28の精度は、物体が車両に接近するほど向上する。接近する物体(複数可)の動き、サイズ及び位置の分析によって、1)接近する物体に車両10のドア14を開ける意図があるか、及び、2)障害物がドア14の開放を妨げる/制限することがあり得るかどうか、ということのうちの少なくとも1つを知ることが可能になる。
【0032】
[0034]したがって、使用者又は車両運転者が車両10に接近しデバイス27が予め定められた検出範囲内にあるとき、無ハンドルドアエントリシステム12は、第1の検出構成要素26によって、デバイス27が例えば上述した範囲である予め定められた範囲内にあるときのデバイス27を検出する。この時点でデバイス27が検出されると、無ハンドルドアエントリシステム12のドアロックは、車両ラッチ16に動作可能に結合されたドアラッチ制御装置18の動作によってロック解除される。その後、第2の検出構成要素28が、例えば車両10に接近するときの個人の手の位置、並びにそれらが車両10に接近する速度及び向きによって、車両10の側部に接近する個人の意図を探す。デバイス27の検出によりドアは第1の検出構成要素26によってロック解除されているので、第2の検出構成要素28が個人又は使用者の必要な意図を検出すると、ドアプレゼンタ20は、動作可能に結合されているドアラッチ制御装置18の動作によって作動される。或いは、無ハンドルドアエントリシステム12のドアロックは、第2の検出構成要素28が個人又は使用者の必要な意図を検出すると、ドアプレゼンタ20の作動前にロック解除される。
【0033】
[0035]次に、
図3を参照すると、接近する物体のドア14を開ける意図があるかどうかを決定するため、無ハンドルドアエントリシステム12によって以下のステップが実行される。最初のステップ40で、無ハンドルドアエントリシステム12は、第1の検出構成要素26によってデバイス27を捜索する。上述のように、第1の検出構成要素26がデバイス27を検出すると、そのデバイス27が例えば上述の範囲である予め定められた範囲内にあるとき、ドアロックは解除される。決定ノード42でのデバイス27の検出及びそれに続く無ハンドルドアエントリシステム12のロック解除後、ステップ44で、無ハンドルドアエントリシステム12は、接近する物体の意図を捜索する。一方、ノード42でデバイス27が検出されなかった場合、システムは、第1の検出構成要素26によるキーフォブの捜索を継続する。決定ノード46で、無ハンドルドアエントリシステム12は、第2の検出構成要素28によって、検出物体又は使用者の意図が車両ドア14を開ける意図であるかどうかを決定する。決定ノード46で、検出物体又は使用者に車両ドア14を開ける意図があると決定された場合、ステップ48で、無ハンドルドアエントリシステム12は、ドアプレゼンタ20を作動させ、それによって車両ドア14は車両本体から若干開いた位置になり、使用者又は運転者は車両ドア14の一部分を掴み、センサ22に接触することができ、センサ22によって信号がドアラッチ制御装置18にもたらされ、それによって車両ラッチ16が車両ドア14の解放を達成することができる。
【0034】
[0036]一方、車両ドア14を開ける意図が検出されなかった場合、無ハンドルドアエントリシステム12の動作は、ステップ40に戻る。この時点で、無ハンドルドアエントリシステム12がロック解除されていた場合、無ハンドルドアエントリシステム12のドアラッチ制御装置18は、使用者又は個人が必要な意図を示さなかった(例えば、使用者又は運転者が車両から遠ざかるように歩いた)ので、無ハンドルドアエントリシステム12を再ロックする。
【0035】
[0037]無ハンドルドアエントリシステム12のステップ44及びステップ46の動作の間、以下である、1)車両ドア14のそれと比較された使用者又は物体の速度及び向き、2)ドア把持領域に対する距離及び位置においての物体又は使用者の位置、並びに3)例えばセンサ22が配置されているドアの把持領域の方に向けて進む使用者の手又は物体の手の動きに対応する第2の形状変更(secondary shape modification)を検出するように使用者又は物体の周りの領域を監視すること。ステップ3で、第2の検出構成要素28は、個人若しくは使用者の手又は検出物体の手の、それらの身体に対する位置を決定し、その手の位置が、使用者又は検出物体がドア14の把持領域の方へ差し出していることを示しているかを決定する。そうであるならば、無ハンドルドアエントリシステム12は、ドアプレゼンタ20を作動させ、それによってドア14は使用者による把持の用意が整うことになる。
【0036】
[0038]一代替実施形態では、無ハンドルドアエントリシステム12は、車両ドアの窓を閉めるときに挟まる危険を監視することに使用することができる。例えば、第2の検出構成要素28は、ウインドレギュレータの制御装置に動作可能に結合されており、閉じる窓のすぐ近くに物体を検出した場合、ウインドレギュレータの動作を阻止する。例えば、非限定的な一実施形態では、第2の検出構成要素28は、閉じる窓のすぐ近くに物体を検出した場合、自動的に動作するウインドレギュレータ(例えば、遠隔エントリの作動)の動作を阻止する。
【0037】
[0039]「約」という用語は、本出願を提出するときに利用可能な機器に基づいた特定の量の測定に関する誤差の程度を含むことを意図する。
【0038】
[0040]本明細書で使用される術語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示の限定を意図するものではない。本明細書で使用されるような「a」、「an」、及び「the」という単数形は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、複数形も含むことを意図する。「備える」及び/又は「備えている」という用語は、この明細書で用いる場合、述べる特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はその群の存在又は追加を排除するわけではないことがさらに理解される。
【0039】
[0041]例示的な1つ又は複数の実施形態を参照して本開示を述べてきたが、当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であり、またそれらの要素を均等物で置き換えてもよいことを理解されよう。さらに、特定の状況又は材料を本開示の教示に適応させるために、その本質的な範囲から逸脱することなく多くの修正を行うことができる。したがって、本開示は、本開示を実施するために想定される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本開示は、特許請求の範囲に入るすべての実施形態を含むことが意図される。
【国際調査報告】