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特表2022-533028ペレットおよびマルチユニットペレットシステム(MUPS)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】ペレットおよびマルチユニットペレットシステム(MUPS)
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/58 20060101AFI20220713BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220713BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220713BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20220713BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220713BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220713BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20220713BHJP
   A23L 33/10 20160101ALN20220713BHJP
【FI】
A61K9/58
A61K47/32
A61K45/00
A61K31/4439
A61K31/192
A61K47/38
A61K47/14
A61K47/26
A61P1/00
A61P19/00
A61P29/00
A61K9/20
A61K9/48
A23L5/00 F
A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564615
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 EP2020058534
(87)【国際公開番号】W WO2020221522
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】201941017213
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アシシュ グハ
(72)【発明者】
【氏名】シュラッダ ジョシ
(72)【発明者】
【氏名】アディティ ポッダー
(72)【発明者】
【氏名】スレシュ ドケ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018MD07
4B018ME14
4B018MF08
4B018MF14
4B035LC16
4B035LE01
4B035LE07
4B035LG04
4B035LK14
4B035LP26
4B035LP36
4C076AA36
4C076AA45
4C076AA53
4C076AA65
4C076BB01
4C076CC04
4C076CC16
4C076DD46A
4C076DD67A
4C076EE10
4C076EE12A
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4C076FF52
4C076FF61
4C076FF68
4C076FF70
4C076GG14
4C084AA17
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4C084MA37
4C084MA38
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4C084NA10
4C084ZA66
4C084ZB11
4C084ZC75
4C086AA01
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4C086BC39
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4C086MA05
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA38
4C086MA52
4C086NA10
4C086ZA66
4C086ZB35
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA10
4C206DA22
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4C206MA05
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA58
4C206MA72
4C206NA10
4C206ZA66
4C206ZB11
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、1つ以上の生物学的活性成分を含むコアと、前記コア上のコーティング層とを含むペレットであって、前記コーティング層が第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含み、前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであり、60~85質量%のエチルアクリレートと、20~40質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、50~90質量%のコア、および40~60質量%のエチルアクリレートと、40~60質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、10~50質量%のシェルを含み、前記第2のポリマーは、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートとの重合単位を含み、前記第1のポリマーの前記第2のポリマーに対する比は、約1:0.1~1:10である、前記ペレットに関する。多数のペレットを含むマルチユニットペレットシステム(MUPS)、好ましくは圧縮錠剤も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の生物学的活性成分を含むコアと、前記コア上のコーティング層とを含むペレットであって、前記コーティング層が第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含み、
前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであり、60~80質量%のエチルアクリレートと、20~40質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、50~90質量%のコア、および40~60質量%のエチルアクリレートと、40~60質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、10~50質量%のシェルを含み、
前記第2のポリマーは、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートとの重合単位を含み、
前記第1のポリマーの前記第2のポリマーに対する比は、約1:0.1~1:10である、前記ペレット。
【請求項2】
前記コアおよび/または前記コーティング層が医薬品または栄養補助品に認容性の賦形剤を含む、請求項1に記載のペレット。
【請求項3】
前記コーティング層が2質量%以下の可塑剤を含むか、または可塑剤を含まない、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項4】
前記1つ以上の生物学的活性成分が、医薬品の活性成分および栄養補助品の活性成分から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載のペレット。
【請求項5】
前記1つ以上の生物学的活性成分が、鎮痛剤、抗生物質または抗感染薬、抗体、抗てんかん薬、植物からの抗原、抗リウマチ薬、β遮断薬、ベンズイミダゾール誘導体、ベータ遮断薬、心血管薬、化学療法剤、CNS薬、ジギタリス配糖体、胃腸薬、例えばプロトンポンプ阻害薬、プロトンポンプ阻害薬と非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)との組み合わせ、酵素、ホルモン、液体または固体の天然抽出物、オリゴヌクレオチド、ペプチドホルモンタンパク質、治療用バクテリア、ペプチド、タンパク質、泌尿器科薬およびワクチンであって、塩の形態、例えばアスパラギン酸塩または塩酸塩を含む群から選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載のペレット。
【請求項6】
前記1つ以上の生物学的活性成分が、胃腸薬から、好ましくはプロトンポンプ阻害薬から、最も好ましくはエソメプラゾール、デクスランソプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾールおよびラベプラゾールまたはそれらの任意の組み合わせ、およびエソメプラゾールとナプロキセンとの組み合わせから選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載のペレット。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の多数のペレットを含む、マルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【請求項8】
前記多数のペレットがカプセル、袋または錠剤に含まれている、請求項7に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【請求項9】
前記錠剤が、マトリックスの賦形剤に埋め込まれた前記多数のペレットを含む圧縮錠剤である、請求項7または8に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【請求項10】
30~80質量%のマトリックスの賦形剤および70~20質量%のペレットを含む、圧縮錠剤である請求項9に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【請求項11】
前記マトリックスの賦形剤が、酸化防止剤、光沢剤、結合剤、緩衝剤、着香剤、流動助剤、滑剤、浸透促進剤、色素、可塑剤、ポリマー、孔形成剤および安定剤、またはそれらの組み合わせの群から選択される、圧縮錠剤である請求項10に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【請求項12】
前記マトリックスの賦形剤が、微結晶セルロース、グリセロールモノステアレートまたはラクトースを含む、圧縮錠剤である請求項9から11までのいずれか1項に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【請求項13】
ペレットからの生物学的活性成分の放出曲線と、圧縮錠剤からの放出曲線が、50以上のf2値を示す、圧縮錠剤である請求項9から12までのいずれか1項に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【請求項14】
圧縮錠剤である請求項9から13までのいずれか1項に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)の製造方法であって、
生物学的活性成分を含むコアとコーティング層とを含み、前記コーティング層が第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含むペレットにおいて、
前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであり、60~80質量%のエチルアクリレートと、20~40質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、50~90質量%のコア、および40~60質量%のエチルアクリレートと、40~60質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、10~50質量%のシェルを含み、
前記第2のポリマーは、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートから重合され、
前記第1のポリマーの前記第2のポリマーに対する比は、約1:0.1~1:10である、前記ペレットを準備すること、
マトリックスの賦形剤を添加すること、および
前記混合物を圧縮して、圧縮錠剤にすること
による、前記方法。
【請求項15】
ヒトまたは動物の体の疾患の治療および処置における薬剤として使用するための、請求項7から13までのいずれか1項に記載のマルチユニットペレットシステム(MUPS)であって、前記疾患が胃および十二指腸の潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、ヘリコバクターピロリ感染症、胃腸逆流症またはゾリンジャー・エリソン症候群、関節症、痛みおよび炎症から選択され、且つ前記生物学的活性成分がエソメプラゾール、デクスランソプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾールおよびラベプラゾールまたはそれらの任意の組み合わせから、およびエソメプラゾールとナプロキセンとの組み合わせから選択される、前記マルチユニットペレットシステム(MUPS)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペレット、および多数のそのようなペレットを含むマルチユニットペレットシステム(MUPS)、好ましくは、圧縮錠剤の分野にある。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2012/171575号(WO2012/171575A1)は、医薬品用途に適したコーティング組成物を記載している。前記コーティング組成物は、2段階乳化重合法から導出されるコアシェルポリマーを含む。
【0003】
EUDRAGIT(登録商標)FL 30 D-55(Evonik Nutrition&Care GmbH、ダルムシュタット、ドイツ)は、2段階乳化重合法からのコポリマーの市販の30質量%の水性分散液であり、70質量%のエチルアクリレートと30質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む約75質量%のコア、および50質量%のエチルアクリレートと50質量%のメタクリル酸との重合単位を含む約25質量%のシェルを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2012/171575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マルチユニットペレットシステム(MUPS)、特にMUPS錠剤を配合する場合、遭遇する最も頻発する問題は、ペレットのフィルムコートのクラック形成および/または放出プロファイルの変化である。アニオン性のアクリレート(例えばEUDRAGIT(登録商標)L 30 D-55)と中性のアクリレート(例えばEUDRAGIT(登録商標)NM 30 D-55)との物理的な組み合わせは、柔軟性と放出性に注意するために以前から記載されているが、この手法は下記のような多数の制限を欠点として有する: 1. 2つのポリマーを混合する前に中和の追加的な煩雑な段階が必要であること、2. 多量の中性のアクリレートポリマーが使用される場合、圧縮後の放出プロファイルが著しく減速すること、3. 少量の中性のアクリレートポリマーが使用される場合、圧縮後にクラックが形成され腸溶性保護の損失をみちびくこと。従って、錠剤への圧縮が意図されているマルチユニットペレットシステム(MUPS)の剤形の腸溶性コーティングのためのコーティング組成物および方法を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1つ以上の生物学的活性成分を含むコアと、前記コア上のコーティング層とを含むペレットであって、前記コーティング層が第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含み、
前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであり、60~80、好ましくは65~75質量%のエチルアクリレートと、20~40、好ましくは25~35質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、50~90、好ましくは70~80質量%のコア、および40~60、好ましくは45~55質量%のエチルアクリレートと、40~60、好ましくは45~55質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、10~50、好ましくは20~30質量%のシェルを含み、
前記第2のポリマーは、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートとの重合単位を含み、
前記第1のポリマーの前記第2のポリマーに対する比は、約1:0.1~1:10、好ましくは1:0.1~1:2.5、最も好ましくは1:0.25~1:2である、前記ペレットに関する。マルチユニットペレットシステム(MUPS)、好ましくは多数のペレットを含む圧縮錠剤も開示される。
【0007】
発明の詳細な説明
ペレット
本発明は、マルチユニットペレットシステム(MUPS)内、好ましくは圧縮錠剤内に含まれる多数のペレットの形態で使用できるコーティングを含むペレットを開示する。
【0008】
マルチユニットペレットシステム(MUPS)との用語は、薬学、製剤学または栄養補助品の技術分野の当業者に周知である。マルチユニットペレットシステム(MUPS)についての典型的な例は、1つ以上の生物学的活性成分を含むコアと、前記コア上のコーティング層とを含む多数のペレットを含む圧縮錠剤である。コーティングされたペレットは圧縮後に、医薬品または栄養補助品の賦形剤のマトリックス、例えば微結晶セルロースまたはラクトース中で結合される。そのような錠剤の圧縮段階の間、錠剤は高い機械的応力を受ける。従って、一方では圧縮段階に耐性があり、且つ他方では特定の治療の目的のために必要とされる特定の活性成分の放出プロファイルを提供する、柔軟なコーティングについての必要性がある。
【0009】
発明の開示
1つ以上の生物学的活性成分を含むコアと、前記コア上のコーティング層とを含むペレットであって、前記コーティング層が第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含み、
前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであり、60~80、好ましくは65~75質量%のエチルアクリレートと、20~40、好ましくは25~35質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、50~90、好ましくは70~80質量%のコア、および40~60、好ましくは45~55質量%のエチルアクリレートと、40~60、好ましくは45~55質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、10~50、好ましくは20~30質量%のシェルを含み、
前記第2のポリマーは、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートとの重合単位を含み、
前記第1のポリマーの前記第2のポリマーに対する比は、約1:0.1~1:10、好ましくは1:0.1~1:2.5、最も好ましくは1:0.25~1:2である、前記ペレット。
【0010】
好ましいペレットは、1つ以上の生物学的活性成分を含むコアと、前記コア上のコーティング層とを含み、前記コーティング層が第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含み、
前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであり、65~75質量%のエチルアクリレートと、25~35質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、70~80質量%のコア、および45~55質量%のエチルアクリレートと、45~55質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、20~30質量%のシェルを含み、
前記第2のポリマーは、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートとの重合単位を含み、
前記第1のポリマーの前記第2のポリマーに対する比は、1:0.1~1:2.5、最も好ましくは1:0.25~1:2である。
【0011】
前記ペレットのコアおよび/またはコーティング層は、医薬品または栄養補助品に認容性の賦形剤をさらに含み得る。
【0012】
前記錠剤は、40~90質量%のコアおよび10~60質量%のコーティング層を含み得る。
【0013】
コア
前記ペレットは、1つ以上の生物学的活性成分を含むコアを含む。
【0014】
前記ペレットのコアは、医薬品または栄養補助品に認容性の賦形剤または基材ペレット(ノンパレイユ、例えば糖ペレット)をさらに含み得る。
【0015】
前記コアは1~100、好ましくは10~50質量%の1つ以上の生物学的活性成分、および0~99、好ましくは50~90質量%の医薬品または栄養補助品に認容性の賦形剤または基材ペレット(ノンパレイユ)を含み得る。
【0016】
分離層
ペレットのコアは任意に、コアの一部として、外層としての追加的な分離層、例えば水溶性ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースの層を含み得る。分離層は、コア内の活性成分をコーティング層の酸性基から分離する機能を有することができ、且つ本質的に活性成分の放出に影響を及ぼさない。分離層の量は、コア全体の質量に対して5~60、好ましくは10~30質量%であってよい。
【0017】
コーティング層
前記ペレットは、コア上、またはコアの分離層上のコーティング層を含み、前記コーティング層は第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含んでおり、第1のポリマーの、第2のポリマーに対する比は約1:0.1~1:10、好ましくは1:0.1~1:2.5、最も好ましくは1:0.25~1:2である。
【0018】
ペレットのコーティング層は、医薬品または栄養補助品に認容性の賦形剤、例えばタルク、TiO2、ステアレートまたは色素をさらに含み得る。
【0019】
第1のポリマー
前記コーティング層は第1のポリマーを含み、前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであって、60~80、好ましくは65~75質量%のエチルアクリレートと、20~40、好ましくは25~35質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、50~90、好ましくは70~80質量%のコア、および40~60、好ましくは45~55質量%のエチルアクリレートと、40~60、好ましくは45~55質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、10~50、好ましくは20~30質量%のシェルを含む。
【0020】
適した第1のポリマーはEUDRAGIT(登録商標)FL 30 D-55(Evonik Nutrition&Care GmbH、ダルムシュタット、ドイツ)であり、それは2段階乳化重合法からのコポリマーの市販の30質量%の水性分散液であり、70質量%のエチルアクリレートと30質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む約75質量%のコア、および50質量%のエチルアクリレートと50質量%のメタクリル酸との重合単位を含む約25質量%のシェルを有する。
【0021】
第2のポリマー
前記コーティング層は、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートとの重合単位を含む、第2のポリマーを含む。前記第2のポリマーはコアシェルポリマーではない。
【0022】
前記コーティング層は、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のメチルメタクリレート(EUDRAGIT(登録商標)Lタイプ)との重合単位を含む、第2のポリマーを含み得る。
【0023】
好ましくは、前記コーティング層は、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレート(EUDRAGIT(登録商標)L 100-55タイプ)との重合単位を含む、第2のポリマーを含む。
【0024】
適した第2のポリマーはEUDRAGIT(登録商標)L 100-55(Evonik Nutrition&Care GmbH、ダルムシュタット、ドイツ)であり、それは50質量%のメタクリル酸と50質量%のエチルアクリレートとの重合単位を含むコポリマーである。EUDRAGIT(登録商標)L 30 D-55はEUDRAGIT(登録商標)L 100-55の30質量%の水性分散液である。
【0025】
第1のポリマーのコア中のポリマーの量の、第1のポリマーのシェル中のポリマーおよび第2のポリマーの量に対する比
第1のポリマーのコア中のポリマーの量の、第1のポリマーのシェル中のポリマーおよび第2のポリマーの量に対する好ましい質量比は、5:95~70:30の範囲、好ましくは20:80~60:40の範囲であってよい(実施例において、「コーティング中のNM:Lの比」と称される)。
【0026】
可塑剤
ペレットのコーティング層中の第1のポリマーおよび第2のポリマーの組み合わせは、可塑剤の本質的な添加を必要としないか、または全く添加を必要としないことが利点である。これは組成、処理を容易にし、可塑剤の添加によって場合により潜在的に引き起こされ得る不適合性または望ましくない副作用のリスクを低減する。
【0027】
コーティング層は可塑剤を本質的な量で含まず、2質量%以下(0~2質量%)の可塑剤を含み得るか、または可塑剤を全く含まない。
【0028】
可塑剤は、添加量に応じて、それらがポリマーとの物理的な相互作用を通じてガラス転移温度における減少を達成し、且つフィルムの形成を促進すると定義され得る。適した物質は通常、100~20000の分子量を有し、且つ分子中に1つ以上の親水性基、例えばヒドロキシ基、エステル基またはアミノ基を含む。
【0029】
コーティング層は、クエン酸アルキル、グリセロールエステル、フタル酸アルキル、セバシン酸アルキル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、およびポリエチレングリコールの群から選択される可塑剤を本質的な量で含まず、好ましくは2質量%以下(0~2質量%)の可塑剤を含み得る。コーティング層は好ましくは可塑剤を全く含まなくてよい。
【0030】
コーティング層は、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)、セバシン酸ジエチルおよびセバシン酸ジブチル(DBS)、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200~12,000およびヒマシ油から選択される可塑剤を本質的な量で含まず、好ましくは2質量%以下(0~2質量%)の可塑剤を含み得る。コーティング層は好ましくは可塑剤を全く含まなくてよい。
【0031】
生物学的活性成分
前記ペレットは、医薬品の活性成分および栄養補助品の活性成分から選択できる1つ以上の生物学的活性成分を含む。
【0032】
前記1つ以上の生物学的活性成分は、鎮痛剤、抗生物質または抗感染薬、抗体、抗てんかん薬、植物からの抗原、抗リウマチ薬、β遮断薬、ベンズイミダゾール誘導体、ベータ遮断薬、心血管薬、化学療法剤、CNS薬、ジギタリス配糖体、胃腸薬、例えばプロトンポンプ阻害薬、プロトンポンプ阻害薬と非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)との組み合わせ、酵素、ホルモン、液体または固体の天然抽出物、オリゴヌクレオチド、ペプチドホルモンタンパク質、治療用バクテリア、ペプチド、タンパク質、泌尿器科薬およびワクチンであって、塩の形態、例えばアスパラギン酸塩または塩酸塩を含む群から選択できる。
【0033】
好ましくは1つ以上の生物学的活性成分は、胃腸薬から、好ましくはプロトンポンプ阻害薬から、最も好ましくはエソメプラゾール、デクスランソプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾールおよびラベプラゾールまたはそれらの任意の組み合わせ、およびエソメプラゾールとナプロキセンとの組み合わせから選択できる。
【0034】
好ましくは、1つ以上の生物学的活性成分は、プロトンポンプ阻害薬とさらなる医薬品の活性成分との組み合わせから選択できる。そのような組み合わせの一例は、エソメプラゾールおよびナプロキセン(Vimovo(商標)(AstraZeneca AB、スウェーデン)から公知)であってよい。
【0035】
マルチユニットペレットシステム(MUPS)
マルチユニットペレットシステム(MUPS)との用語は、薬学、製剤学または栄養補助品の技術分野の当業者に周知である。
【0036】
「多数のペレット」との用語は、例えば、単独のカプセル、単独の袋または単独の錠剤であってよいマルチユニットペレットシステム(MUPS)の単回投与あたり約10~100,000、好ましくは約20~10,000、より好ましくは50~2,000のペレットが含まれ得ると理解されるものとする。
【0037】
マルチユニットペレットシステム(MUPS)は、開示される多数のペレットを含んでいる。
【0038】
多数のペレットが含まれるマルチユニットペレットシステム(MUPS)は、カプセル、袋または錠剤であってよい。
【0039】
ペレットの平均粒子サイズd50は、1~2000、好ましくは10~1000の範囲、最も好ましくは100~600μmの範囲であってよい。平均直径を、ふるい分けによって、またはレーザー回折によって米国薬局方36(USP)<429>章および欧州薬局方7.0(EP)2.9.31章に準拠して特定できる。レーザー回折法は、粒子が粒子サイズに依存する強度パターンで光を全ての方向に散乱する現象に基づく。適した液体または気体中に適切な濃度で分散された代表的な試料が、通常はレーザーからの単色光源のビームを通過する。様々な角度で粒子によって散乱された光がマルチエレメント検出器によって測定され、次いで散乱パターンに関連する数値を記録して引き続き分析する。次いで、適切な光学モデルおよび数学的な手順を使用して散乱の数値を変換し、体積粒子サイズ分布を形成するサイズ分類の個別の数に対する総体積の割合をもたらす(d50は、50%の積算篩下分布に相応する粒径を記載する)。
【0040】
カプセル
マルチユニットペレットシステム(MUPS)がカプセル、好ましくは硬質セルのカプセルである場合、該カプセルが多数のペレットを含んでいる。
【0041】
そのようなカプセルの剤形は特に有利であることができ、なぜなら、有効な量の可塑剤をペレットのコーティングに添加する必要がないからである。これは組成、処理を容易にし、可塑剤の添加によって引き起こされ得る不適合性または望ましくない副作用のリスクを低減する。
【0042】

袋は、医薬品または栄養補助品の賦形剤に埋め込まれた多数のペレットを含有する封止された小包の形態を有し得る。
【0043】
マルチユニットペレットシステム(MUPS)が袋である場合、その袋が多数のペレットを含んでいる。
【0044】
そのような袋の剤形は特に有利であることができ、なぜなら、有効な量の可塑剤をペレットのコーティングに添加する必要がないからである。これは組成、処理を容易にし、可塑剤の添加によって場合により潜在的に引き起こされ得る不適合性または望ましくない副作用のリスクを低減する。
【0045】
圧縮錠剤
マルチユニットペレットシステム(MUPS)が錠剤である場合、その錠剤はマトリックスの賦形剤に埋め込まれた多数のペレットを含む圧縮錠剤であってよい。
【0046】
圧縮錠剤は30~80、好ましくは40~70質量%のマトリックスの賦形剤、および70~20、好ましくは60~30質量%のペレットを含み得る。
【0047】
マトリックスの賦形剤は、酸化防止剤、光沢剤、結合剤、緩衝剤(cushioning agents)、着香剤、流動助剤、滑剤、浸透促進剤、色素、可塑剤、ポリマー、孔形成剤および安定剤、またはそれらの組み合わせの群から選択できる。
【0048】
好ましくは、マトリックスの賦形剤は、微結晶セルロース、グリセロールモノステアレート、ラクトース、シリカ、 クロスカルメロースナトリウムおよび/またはフマル酸ステアリルナトリウムを含み得る。
【0049】
圧縮錠剤は20~60質量%のペレットおよび40~8質量%のマトリックスの賦形剤を含み得る。
【0050】
圧縮錠剤の質量は、50~2000mg、好ましくは100~1000mg、および最も好ましくは200~800mgであってよい。
【0051】
圧縮工程において印加される力は、1~10kN、好ましくは2~6kNの範囲であってよい。生じる錠剤の硬さは、50~250、好ましくは80~150Nの範囲であってよい。錠剤の硬さを特定するための方法および装置は、薬学、製剤学または栄養補助品の技術分野の当業者に周知である。
【0052】
開示される圧縮錠剤は、その圧縮錠剤(それらのマトリックス中のペレットを含む)からの生物学的活性成分の放出が、ペレットからの生物学的活性成分の放出よりも高いことにおいて特徴付けられることができる。通常、そのような放出プロファイルは許容可能であり、類似係数f2の計算は不要である。
【0053】
開示される圧縮錠剤は、該圧縮錠剤(それらのマトリックス中のペレットを含む)からの生物学的活性成分の放出曲線がペレットからの生物学的活性成分の放出曲線よりも、(USPに準拠する)pH4.5の媒体においてはより速いか、またはpH6.8の媒体においてはより高いことにおいてさらに特徴付けられることができる。通常、そのような放出プロファイルは許容可能であり、類似係数f2の計算は不要である。
【0054】
開示される圧縮錠剤は、ペレットからの生物学的活性成分の放出曲線または溶出プロファイルと、圧縮錠剤(それらのマトリックス中のペレットを含む)からの生物学的活性成分の放出曲線または溶出プロファイルとが、50以上の類似係数f2値を示すことにおいても特徴付けられることができる。2つの溶出プロファイルは、f2値が≧50である場合に類似とみなされる。従って、それらの放出プロファイルも許容可能である。
【0055】
f2値
f2値は、アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)によって定義される生物学的同等性の研究のための必要事項から当業者に公知である。それらは例えば「Guidance for Industry; Waiver of In Vivo Bioavailability and Bioequivalence Studies for Immediate-Release Solid Oral Dosage Forms Based on Biopharmaceutics Classification System」(アメリカ合衆国保健福祉省、食品医薬品局、医薬品評価研究センター(CDER)、2000年8月)などの文献において、またはこの文献の他のバージョンから、またはFDAまたはCDERが関連する生物学的利用能および生物学的同等性の研究からの他の文献またはガイドラインから入手可能である。それらの全ての文献はインターネットで入手可能であり、薬学および製剤学の分野の当業者に周知である。2000年8月の上述の文献において、類似係数(f2)の計算は7ページにおいて定義されている:
試験品と参照品とを比較する際、溶出プロファイルは類似係数(f2)を使用して比較すべきである。類似係数は、二乗誤差の合計の対数の逆数の平方根変換であり、2つの曲線間の溶出のパーセント(%)における類似性の尺度である。
【0056】
f2=50・log{[1+(1/n)Σt-1n(Rt-Tt2-0.5・100}
【0057】
2つの溶出プロファイルは、f2値が≧50である場合に類似とみなされる。
【0058】
放出速度
ペレットからの1つ以上の生物学的活性成分の放出速度、および圧縮錠剤からの1つ以上の生物学的活性成分の放出速度は、好ましくは1時間後に0.1HCl中で10%以下、および2時間後、pH6.8で、引き続くpH6.8の緩衝液(USPに準拠するリン酸緩衝液(例えばUSP-42-NF-37、2019年3月))中で50%を上回るべきである。USPに準拠する放出速度の特定は当業者に周知である(USP-42-NF-37、2019年3月、装置USPタイプII(パドル)、75RPM)。
【0059】
方法
圧縮錠剤であるマルチユニットペレットシステム(MUPS)の製造方法であって、
生物学的活性成分を含むコアと、コーティング層とを含み、前記コーティング層が第1のポリマーと第2のポリマーとの混合物を含むペレットにおいて、
前記第1のポリマーはコアシェルポリマーであり、60~80、好ましくは65~75質量%のエチルアクリレートと、20~40、好ましくは25~35質量%のメチルメタクリレートとの重合単位を含む、50~90、好ましくは70~80質量%のコア、および40~60、好ましくは45~55質量%のエチルアクリレートと、40~60、好ましくは45~55質量%のメタクリル酸との重合単位を含む、10~50、好ましくは20~30質量%のシェルを含み、
前記第2のポリマーは、40~60質量%のメタクリル酸と、60~40質量%のエチルアクリレートまたはメチルメタクリレートから重合され、
前記第1のポリマーの前記第2のポリマーに対する比は、約1:0.1~1:10、好ましくは1:0.1~1:2.5である、前記ペレットを準備すること、
マトリックスの賦形剤を添加すること、
前記混合物を圧縮して、圧縮錠剤にすること
による、前記方法が開示される。
【0060】
医療用途
ヒトまたは動物の体の疾患の治療および処置における薬剤として使用するための、生物学的活性成分を含む本願内で開示されるマルチユニットペレットシステム(MUPS)、好ましくは圧縮錠剤であって、前記疾患が胃および十二指腸の潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、ヘリコバクターピロリ感染症、胃腸逆流症またはゾリンジャー・エリソン症候群、関節症、痛みおよび炎症から選択され、且つ前記生物学的活性成分がエソメプラゾール、デクスランソプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾールおよびラベプラゾールまたはそれらの任意の組み合わせから、およびエソメプラゾールとナプロキセンとの組み合わせから選択される、前記マルチユニットペレットシステム(MUPS)が開示される。
【0061】
ヒトまたは動物の体の疾患の治療および処置における薬剤として使用するための(治療方法)、生物学的活性成分を含む本願内で開示されるマルチユニットペレットシステム(MUPS)、好ましくは圧縮錠剤であって、前記疾患が胃および十二指腸の潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、ヘリコバクターピロリ感染症、胃腸逆流症またはゾリンジャー・エリソン症候群、関節症、痛みおよび炎症から選択され、且つ前記生物学的活性成分がプロトンポンプ阻害薬と非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)との組み合わせ、好ましくはエソメプラゾールとナプロキセンとの組み合わせから選択される、前記マルチユニットペレットシステム(MUPS)が開示される。
【実施例
【0062】
低溶解性活性物質を含有するMUPS配合物のためのEUDRAGIT(登録商標)FLとEUDRAGIT(登録商標)Lとの組み合わせにおける実験
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
略記: HPMC: ヒドロキシプロピルセルロース、cps: センチポアズ、TiO2: 二酸化チタン、MCC: 微結晶セルロース
実験C1~C7についての工程の詳細
(1) ペレットのコーティングC1用のコーティング溶液の調製
I. 水の一部にタルクを添加して15~20分間均質化した。
II. 水の残りを使用してホモジナイザーを濯ぎ、段階Iに添加した。
III. 段階IIの分散液を、EUDRAGIT(登録商標)FL 30 D-55に撹拌しながら添加した。
IV. 撹拌を10分まで続けた。
V. そのコーティング分散液を、40#ASTMふるい(425μm)に通した。
【0065】
(2) ペレットのコーティングC2~C7用のコーティング溶液の調製
I. 水の一部にタルクを約15~20分間均質化した。
II. 水の残りを使用してホモジナイザーを濯ぎ、段階Iに添加した。
III. 段階IIの分散液を、EUDRAGIT(登録商標)NM 30に撹拌しながら添加した。
IV. EUDRAGIT(登録商標)L 30 D-55を、1N NaOHを使用して中和した(6%)。pHを約5にした。
V. 段階IVの分散液を段階IIIに、ゆっくりと撹拌しながら添加した。
VI. 最終的なコーティング溶液を、40#ASTMふるい(425μm)に通した。
【0066】
(3) ペレットのコーティング
市販のランソプラゾールペレット(18#ー20#)をHPMCでバリアコーティングし、次いで機能性コート(配合の段落を参照)でコーティングした。
【0067】
一般的な工程パラメータを以下に示す:
【表3】
【0068】
(4) 錠剤/MUPS圧縮のための工程
I. コーティングされたペレットを錠剤化賦形剤と混合した。
II. 回転圧縮機に据え付けられたDツールを使用して圧縮を行った。
【0069】
(5) 錠剤/MUPS圧縮のための工程
III. コーティングされたペレットを錠剤化賦形剤と混合した。
IV. 回転圧縮機に据え付けられたDツールを使用して圧縮を行った。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
略記: HPMC: ヒドロキシプロピルセルロース、cps: センチポアズ、MCC: 微結晶セルロース
実験I1~I9についての工程の詳細
(1) ペレットのコーティングI1~I9用のコーティング溶液の調製
I. 水の一部にタルクを約15~20分間均質化した。
II. 水の残りを使用してホモジナイザーを濯ぎ、段階Iに添加した。
III. EUDRAGIT(登録商標)FL 30 D-55の分散液をEUDRAGIT(登録商標)L 30 D-55に、ゆっくりと撹拌しながら添加した。
IV. 段階IIIの分散液を段階IVに、撹拌しながら添加した。
V. 最終的なコーティング溶液を、40#ASTMふるい(425μm)に通した。
【0076】
(2) ペレットのコーティング
市販のランソプラゾールペレット(18#ー20#)をHPMCでバリアコーティングし、次いで機能性コート(上記の配合の段落を参照)でコーティングした。
【0077】
【表9】
【0078】
(3) 錠剤/MUPS圧縮のための工程
I. コーティングされたペレットを錠剤化賦形剤と混合した。
II. 回転圧縮機に据え付けられたDツールを使用して圧縮を行った。
【0079】
(4) 錠剤圧縮パラメータの設定
【表10】
【0080】
【表11】
【0081】
【表12】
【国際調査報告】