(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】神経信号を利用した遺伝子制御のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220713BHJP
A61B 5/37 20210101ALI20220713BHJP
A61B 5/374 20210101ALI20220713BHJP
【FI】
G06F3/01 515
A61B5/37
A61B5/374
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567924
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 AU2020050475
(87)【国際公開番号】W WO2020227774
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521494256
【氏名又は名称】シンクロン オーストラリア ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ピーター,エリ
【テーマコード(参考)】
4C127
5E555
【Fターム(参考)】
4C127AA03
4C127GG11
5E555AA46
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555BC09
5E555CB69
5E555CB70
5E555CC01
5E555FA00
(57)【要約】
ユニバーサル・スイッチ・モジュール、ユニバーサル・スイッチ、およびそれらを使用する方法が開示されており、これには、ヒトを電子デバイスやソフトウェアとのインターフェースとするために準備する方法も含まれる。例えば、ヒトがタスクに関連しない思考を生成したときに、ヒトの脳関連信号を測定して、第1の検知された脳関連信号を取得することを含むことができる方法が開示されている。この方法は、第1の検知された脳関連信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、タスクに関連しない思考および第1の検知された脳関連信号をN個の入力コマンドに関連付けることを含むことができる。この方法は、タスクに関連しない思考、第1の検知された脳関連信号、およびN個の入力コマンドを電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトが第1のタスクに関連しない思考を生成したときに、前記ヒトの神経関連信号を測定して第1の検知された神経信号を取得する、神経関連信号測定ステップと、
前記第1の検知された神経信号を処理部に送信するステップと、
前記第1のタスクに関連しない思考および前記第1の検知された神経信号を第1の入力コマンドに関連付けるステップと、
前記第1のタスクに関連しない思考、前記第1の検知された神経信号、および前記第1の入力コマンドを電子データベースにコンパイルするステップと、を含む、ヒトを電子デバイスまたはソフトウェアとのインターフェースとするために準備をする方法。
【請求項2】
前記第1の入力コマンドは、第1のエンド・アプリケーションの入力コマンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のタスクに関連しない思考および前記第1の検知された神経信号を、第2の入力コマンドに関連付けるステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の入力コマンドは、第2のエンド・アプリケーションの入力コマンドである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の検知された神経信号を検知すると、前記第1の入力コマンドにより前記第1のエンド・アプリケーションを制御するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の検知された神経信号を検知すると、前記第2の入力コマンドにより前記第2のエンド・アプリケーションを制御するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のタスクに関連しない思考、前記第1の検知された神経信号、および前記第2の入力コマンドを前記電子データベースにコンパイルするステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の検知された神経信号は、第1の検知された電気的脳活動である、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒトの神経関連信号を測定するステップは、移植された血管内装置により前記ヒトの神経関連信号を測定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の検知された神経信号について前記ヒトを監視するステップと、
前記第1の検知された神経信号を検知すると、前記第1の入力コマンドを前記第1のエンド・アプリケーションまたは前記第2のエンド・アプリケーションに電気的に送信するステップと、
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の検知された神経信号について前記ヒトを監視するステップと、前記第1の検知された神経信号を検知すると、前記第1の入力コマンドを前記第1のエンド・アプリケーションおよび前記第2のエンド・アプリケーションに電気的に送信するステップと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ヒトが第2のタスクに関連しない思考を生成したときに、前記ヒトの神経関連信号を測定して第2の検知された神経信号を取得するステップと、
前記第2の検知された神経信号を前記処理部に送信するステップと、
前記第2のタスクに関連しない思考および前記第2の検知された神経信号を第3の入力コマンドに関連付けるステップであって、前記第3の入力コマンドは、前記第1のエンド・アプリケーションの入力コマンド、前記第2のエンド・アプリケーションの入力コマンド、または第3のエンド・アプリケーションの入力コマンドである、関連付けステップと、
前記第2のタスクに関連しない思考、前記第2の検知された神経信号、および前記第3の入力コマンドを前記電子データベースにコンパイルするステップと、
前記第2の検知された神経信号を検知すると、前記第3の入力コマンドを前記第1のエンド・アプリケーション、前記第2のエンド・アプリケーション、または前記第3のエンド・アプリケーションに電気的に送信するステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ヒトがタスクに関連しない思考を生成したときに、前記ヒトの神経関連信号を測定して、検知された神経信号を取得する、神経関連信号測定ステップと、
前記検知された神経信号をプロセッサーに送信するステップと、
前記プロセッサーを介して、前記検知された神経信号を第1のデバイス入力コマンドおよび第2のデバイス入力コマンドに関連付けるステップと、
前記検知された神経信号を前記第1のデバイス入力コマンドおよび前記第2のデバイス入力コマンドに関連付けると、前記第1のデバイス入力コマンドを前記第1のデバイスに電気的に送信するか、または前記第2のデバイス入力コマンドを前記第2のデバイスに電気的に送信するステップと、
を含む、第1のデバイスおよび第2のデバイスを制御する方法。
【請求項14】
前記検知された神経信号を前記第1のデバイス入力コマンドおよび前記第2のデバイス入力コマンドに関連付けると、前記第1のデバイス入力コマンドを前記第1のデバイスに電気的に送信するとともに前記第2のデバイス入力コマンドを前記第2のデバイスに電気的に送信するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記タスクに関連しない思考、前記第1の検知された神経信号、前記第1の入力コマンドを電子データベースにコンパイルするステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記タスクに関連しない思考、前記検知された神経信号、前記第1のデバイス入力コマンド、および前記第2のデバイス入力コマンドを電子データベースにコンパイルするステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記検知された神経信号は検知された電気的な脳活動である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒトの神経関連信号を測定するステップは、移植された血管内装置により前記ヒトの神経関連信号を測定するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
ヒトが第1のタスクを思い浮かべてタスク固有の思考を生成したときに、前記ヒトの脳関連信号を測定して検知された脳関連信号を取得する、脳関連信号測定ステップと、
前記検知された脳関連信号を処理部に送信するステップと、
前記処理部を介して、前記検知された脳関連信号を、第1のデバイス・タスクに関連付けられた第1のデバイス入力コマンドに関連付けるステップであって、前記第1のデバイス・タスクは前記第1のタスクとは異なる、関連付けるステップと、
前記処理部を介して、前記検知された脳関連信号を、第2のデバイス・タスクに関連付けられた第2のデバイス入力コマンドに関連付けるステップであって、前記第2のデバイス・タスクは、前記第1のデバイス・タスクおよび前記第1のタスクとは異なる、関連付けるステップと、
前記検知された脳関連信号を前記第1のデバイス入力コマンドおよび前記第2のデバイス入力コマンドに関連付けると、前記第1のデバイス入力コマンドを第1のデバイスに電気的に送信して、前記第1のデバイス入力コマンドに関連付けられる前記第1のデバイス・タスクを実行するステップ、または、前記第2のデバイス入力コマンドを第2のデバイスに電気的に送信して、前記第2のデバイス入力コマンドに関連付けられる前記第2のデバイス・タスクを実行するステップと、
をさらに含む、ヒトを第1のデバイスおよび第2のデバイスとのインターフェースとするために準備をする方法。
【請求項20】
前記検知された脳関連信号を前記第1のデバイス入力コマンドおよび前記第2のデバイス入力コマンドに関連付けると、前記第1のデバイス入力コマンドを前記第1のデバイスに電気的に送信して、前記第1のデバイス入力コマンドに関連付けられる前記第1のデバイス・タスクを実行するステップ、または、前記第2のデバイス入力コマンドを前記第2のデバイスに電気的に送信して、前記第2のデバイス入力コマンドに関連付けられる前記第2のデバイス・タスクを実行するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、神経関連信号を使用する方法に関する。より詳細には、本開示は、ユニバーサル・スイッチとして神経信号を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)では、ユーザーは、与えられたターゲット・タスクを実行するためにタスクに関連した精神的タスクを実行するよう求められるか(例えば、ターゲット・タスクがカーソルを動かすことである場合、カーソルを動かしてみる)、または与えられたターゲット・タスクを実行するためにタスクに関連しない精神的タスクを実行するよう求められる(例えば、カーソルを右に動かすために手を動かしてみる)。さらに、今日のBCIでは、研究者があらかじめ設定したターゲット・タスクを制御するために、思考(例えば、タスクに関連する精神的タスクやタスクに関連しない精神的タスクなど)を利用することしかできない。本開示では、BCIユーザーが、ソフトウェアおよびデバイスを含む様々なエンド・アプリケーションを独立して制御するために、与えられたタスクに関連しない思考を利用することを準備し、可能にする新規の方法およびシステムについて説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
神経関連信号を用いた制御のシステムおよび方法が開示されており、ユニバーサル・スイッチおよびその使用方法も含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
電子デバイスやソフトウェアとのインターフェースをとるためにヒトを準備する方法が開示されている。例えば、ヒトが第1のタスクに関連しない思考を生成したときに、ヒトの神経関連信号を測定して、第1の検知された神経信号を得ることを含むことができる方法が開示されている。この方法は、第1の検知された神経信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、第1のタスクに関連しない思考および第1の検知された神経信号を、第1の入力コマンドに関連付けることを含むことができる。この方法は、第1のタスクに関連しない思考、第1の検知された神経信号、および第1の入力コマンドを電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。
【0005】
第1のデバイスおよび第2のデバイスを制御する方法が開示されている。例えば、ヒトがタスクに関連しない思考を生成したときに、ヒトの神経関連信号を測定して、検知された神経信号を得ることを含むことができる方法が開示されている。この方法は、検知された神経信号をプロセッサーに送信することを含むことができる。この方法は、プロセッサーにより、検知された神経信号を、第1のデバイス入力コマンドおよび第2のデバイス入力コマンドに関連付けることを含むことができる。この方法は、検知された神経信号を第1のデバイス入力コマンドおよび第2のデバイス入力コマンドに関連付ける際に、第1のデバイス入力コマンドを第1のデバイスに電気的に送信すること、または第2のデバイス入力コマンドを第2のデバイスに電気的に送信することを含むことができる。
【0006】
第1のデバイスおよび第2のデバイスとのインターフェースをとるためにヒトを準備する方法が開示されている。例えば、ヒトが第1のタスクを思い浮かべることによってタスク固有の思考を生成したときに、ヒトの脳関連信号を測定して、検知された脳関連信号を得ることを含むことができる方法が開示されている。この方法は、検知された脳関連信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、処理部により、検知された脳関連信号を、第1のデバイス・タスクに関連付けられる第1のデバイス入力コマンドに関連付けることを含むことができる。第1のデバイス・タスクは第1のタスクとは異なる。この方法は、処理部により、検知された脳関連信号を、第2のデバイス・タスクに関連付けられる第2のデバイス入力コマンドに関連付けることを含むことができる。第2のデバイス・タスクは、第1のデバイス・タスクおよび第1のタスクとは異なる。この方法は、検知された脳関連信号を第1のデバイス入力コマンドおよび第2のデバイス入力コマンドに関連付ける際に、第1のデバイス入力コマンドを第1のデバイスに電気的に送信して、第1のデバイス入力コマンドに関連付けられる第1のデバイス・タスクを実行すること、または、第2のデバイス入力コマンドを第2のデバイスに電気的に送信して、第2のデバイス入力コマンドに関連付けられる第2のデバイス・タスクを実行することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】
図1Aは、一態様におけるユニバーサル・スイッチ・モジュールを例示する図である。
【
図1B】
図1Bは、患者が思考をしているときの
図1Aの一態様によるユニバーサル・スイッチ・モジュールを例示する図である。
【
図1C】
図1Cは、
図1Aおよび
図1Bのユニバーサル・スイッチ・モジュールのホストデバイスの一態様によるユーザー・インターフェースを例示する図である。
【
図2A】
図2A乃至2Dは、エンド・アプリケーションと通信する一態様によるユニバーサル・スイッチ・モデルを示す図である。
【
図2B】
図2A乃至2Dは、エンド・アプリケーションと通信する一態様によるユニバーサル・スイッチ・モデルを示す図である。
【
図2C】
図2A乃至2Dは、エンド・アプリケーションと通信する一態様によるユニバーサル・スイッチ・モデルを示す図である。
【
図2D】
図2A乃至2Dは、エンド・アプリケーションと通信する一態様によるユニバーサル・スイッチ・モデルを示す図である。
【
図3】
図3は、エンド・アプリケーションと通信する一態様による無線ユニバーサル・スイッチ・モジュールを示す図である。
【
図4】
図4は、患者の神経関連信号を記録するために使用される一態様によるユニバーサル・スイッチ・モジュールを例示する図である。
【
図5】
図5は、一態様による
図1A乃至1Cのユニバーサル・スイッチ・モジュールで行われる方法を例示する図である。
【
図6】
図6は、一態様による
図1A乃至1Cのユニバーサル・スイッチ・モジュールで行われる方法を例示する図である。
【
図7】
図7は、一態様による
図1A乃至1Cのユニバーサル・スイッチ・モジュールで行われる方法を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
示され、説明された図面は、例示的な実施形態であり、非限定的である。同様の参照符号は、全体的に同一または機能的に同等の要素を示している。
【0009】
ユニバーサル・スイッチ・モジュール、ユニバーサル・スイッチ、およびそれらを使用する方法が開示されている。例えば、
図1A乃至1Cは、患者8(例えば、BCIユーザー)が思考9を思い浮かべることで1つ以上のエンド・アプリケーション12を制御するために使用可能な一態様におけるユニバーサル・スイッチ・モジュール10を例示している。モジュール10は、神経インターフェース14およびホストデバイス16を備えることができる。モジュール10(例えば、ホストデバイス16)は、1つ以上のエンド・アプリケーション12と有線および無線のうちの少なくともいずれか一方で通信することができる。神経インターフェース14は、生物媒質信号検知器(例えば、電気伝導体、生化学センサー)とすることができ、ホストデバイス16は、コンピューター(例えば、ラップトップ、スマートフォン)とすることができ、エンド・アプリケーション12は、任意の電子デバイスまたはソフトウェアとすることができる。神経インターフェース14は、1つ以上のセンサーを介して、生物媒質の神経関連信号17を監視することができる。モジュール10のプロセッサーは、検知された神経関連信号17を分析して、検知された神経関連信号17がエンド・アプリケーション12の入力コマンド18に割り当てられた思考9に関連付けられているかどうかを判断することができる。入力コマンド18に割り当てられている思考9が神経インターフェース14によって検知され、プロセッサーによって入力コマンド18に関連付けられると、入力コマンド18は、その入力コマンド18が関連付けられているエンド・アプリケーション12に(例えば、プロセッサー、制御部、またはトランシーバーを介して)送信することができる。思考9は、複数のエンド・アプリケーション12のコマンド18の入力に割り当てることができる。これにより、モジュール10により、有利には、患者8は1つの思考(例えば、思考9)で複数のエンド・アプリケーション12、例えば、第1のエンド・アプリケーションおよび第2のエンド・アプリケーションを独立して制御することができ、思考9は、異なる時間にかつ/または同時に第1のアプリケーションおよび第2のアプリケーションを制御するために使用することができる。このようにして、モジュール10は、同じ思考9を使って複数のエンド・アプリケーション12(例えば、ソフトウェアおよびデバイス)を制御することができる、ユニバーサル・スイッチ・モジュールとして機能することができる。思考9は、任意のエンド・アプリケーション12の任意の入力コマンド18に(例えば、第1のエンド・アプリケーションの入力コマンド18に、および第2のエンド・アプリケーションの入力コマンド18に)割り当て可能なユニバーサル・スイッチとすることができる。第1のエンド・アプリケーションは、第1のデバイスまたは第1のソフトウェアとすることができる。第2のエンド・アプリケーションは、第2のデバイスまたは第2のソフトウェアとすることができる。
【0010】
患者8が思考9を思い浮かべると、思考9に関連付けられた入力コマンド18は、モジュール10によって(例えば、プロセッサー、制御部、またはトランシーバーを介して)対応するエンド・アプリケーション12に送信することができる。例えば、思考9が第1のエンド・アプリケーションの入力コマンド18に割り当てられている場合、患者8が思考9を思い浮かべたときに第1のエンド・アプリケーションの入力コマンド18を第1のエンド・アプリケーションに送信することができ、思考9が第2のエンド・アプリケーションの入力コマンド18に割り当てられている場合、患者8が思考9を思い浮かべたときに第2のエンド・アプリケーションの入力コマンド18を第2のエンド・アプリケーションに送信することができる。それにより、思考9は、ユニバーサル・コントローラー(例えば、患者の脳)上のユニバーサル・ボタン(例えば、思考9)のように機能することができるように、複数のエンド・アプリケーション12とのインターフェースとなる、またはこれらを制御することができる。任意の数の思考9をスイッチとして使用可能である。スイッチとして使用される思考9の数は、例えば、エンド・アプリケーション12を制御するために必要または所望される制御(例えば、入力コマンド18)の数に対応することができる。
【0011】
ビデオゲーム・コントローラーを例に挙げると、患者の思考9は、コントローラの任意の個々のボタン、任意のボタンの組み合わせ、および任意の方向の動き(例えば、ジョイスティックの、方向パッドなどのコントロールパッドの)に関連付けられる任意の入力コマンド18に割り当てることができ、これにより、患者8は、従来の物理的なコントローラーの存在の有無にかかわらず、思考9を使用して任意のビデオゲーム・システムの任意のゲームをプレイすることができる。ビデオゲーム・システムは、エンド・アプリケーション12の一例に過ぎない。患者の思考9を任意のソフトウェアまたはデバイスの制御にマッピングできるように、モジュール10により、思考9を任意のエンド・アプリケーション12の入力コマンド18に割り当てることができる。これにより、モジュール10は、患者の思考9を、本質的には普遍的であるが、一旦入力コマンド18に割り当てられると実行が特定される、割り当て可能なスイッチのグループに整理することができる。エンド・アプリケーション12の追加の例としては、モビリティ・デバイス(例えば、車両、車椅子、車椅子リフト)、義肢(例えば、義手、義足)、電話(例えば、スマートフォン)、スマート家電、スマート家庭システムなどがある。
【0012】
神経インターフェース14は、思考9に関連付けられるものと、思考9に関連付けられないものとを含む、神経関連信号17を検知することができる。例えば、神経インターフェース14は、患者8が思考9を思い浮かべたときに患者8の生物媒質によって生成されるものを含むとともに思考9に関連付けられていない患者8の生物媒質によって生成されるもの(例えば、思考9に関連付けられていない刺激に反応する患者を形成する)を含む神経関連信号17を検知(取得、検出、記録、測定ともいう)することができる1つ以上のセンサーを有することができる。神経インターフェース14のセンサーは、患者8の生物媒質からの信号を記録し、かつ/または生物媒質を刺激することができる。生物媒質は、例えば、神経組織、血管組織、血液、骨、筋肉、脳脊髄液、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。センサーは、例えば、電極であり、電極は、生物媒質の電気的活動を検知するための任意の電気伝導体とすることができる。センサーは、例えば、生化学センサーであってもよい。神経インターフェース14は、単一種類のセンサー(例えば、電極のみ)、または複数種類のセンサー(例えば、1つ以上の電極および1つ以上の生化学センサー)を有することができる。
【0013】
神経関連信号は、生物媒質から検知可能な任意の信号(例えば、電気的、生化学的)とすることができ、検知された神経関連信号から(例えば、コンピューター・プロセッサーを介して)抽出された任意の1つ以上の要素とすることができ、またはその両者とすることができ、ここで、抽出された要素は、異なる思考9を互いに区別することができるように、患者8の思考9に関する特徴的な情報とすることができ、またはこれを含むことができる。別例として、神経関連信号は、電気信号とすることができ、電気信号によって引き起こされる任意の信号(例えば、生化学的信号)とすることができ、検知された神経関連信号から(例えば、コンピューター・プロセッサーを介して)抽出された任意の1つ以上の要素とすることができ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。神経関連信号としては、脳波などの神経信号が考えられる。生物媒質が患者の頭蓋骨内にある場合、神経関連信号は、例えば、患者8が思考9を思い浮かべることに起因する、または思い浮かべることによって引き起こされる脳信号(例えば、脳組織から検知されたもの)とすることができる。このように、神経関連信号は、患者の脳の任意の1つ以上の部分(例えば、運動野、感覚野)からの電気信号などの脳関連信号とすることができる。生物媒質が患者の頭蓋骨の外側にある場合、神経関連信号は、例えば、患者8が思考9を思い浮かべることに起因する、または思い浮かべることによって引き起こされる、(例えば、まぶた、目、鼻、耳、指、腕、足指、脚などの身体の一部の)筋肉の収縮に関連付けられる電気信号とすることができる。神経関連信号が脳組織から検知されているときに患者8が思い浮かべる思考9(例えば、身体の一部の動き、記憶、タスク)は、神経関連信号が非脳組織から検知されているときに患者8が思い浮かべる思考9と同じであっても異なっていてもよい。神経インターフェース14は、患者の脳の内部、患者の脳の外部、またはその両者に配置可能である。
【0014】
モジュール10は、1つ以上の神経インターフェース14を含むことができ、例えば、この範囲内の神経インターフェースを1増分ごと(例えば、1つの神経インターフェース、2つの神経インターフェース、10の神経インターフェース)を含み、各神経インターフェース14は、神経関連信号(例えば、神経信号)を検知するように構成された1つ以上のセンサー(例えば、電極)を有することができる。神経インターフェース14の位置は、例えば、信号が最も強い箇所、ノイズからの干渉が最小化される箇所、神経インターフェース14の患者8への移植または係合(例えば、外科手術による)によって生じる患者8への外傷が最小化される箇所、またはそれらの任意の組み合わせを選択するなど、神経関連信号の記録を最適化するように選択することができる。例えば、神経インターフェース14は、脳の電気的活動を検知するための1つ以上の電極を有する血管内デバイス(例えば、ステント)などのブレイン・マシン・インターフェースとすることができる。複数の神経インターフェース14が使用される場合、神経インターフェース14は、互いに同じであっても異なっていてもよい。例えば、2つの神経インターフェース14が使用される場合、神経インターフェース14の両者が、電極を有する血管内装置(例えば、電極を有する伸縮自在のステント)とすることができ、あるいは、2つの神経インターフェース14の一方を、電極を有する血管内装置とし、2つの神経インターフェース14のうちの他方を、電極を有する血管内装置とは異なる、センサーを有する装置とすることができる。
【0015】
図1Aおよび
図1Bは、モジュール10が、神経インターフェース14と通信するように構成された遠隔測定ユニット22と、神経インターフェース14と遠隔測定ユニット22との間の通信を容易にするための通信管路24(例えば、ワイヤ)とを含むことができることをさらに示している。ホストデバイス16は、遠隔測定ユニット22と有線通信および/または無線通信をするように構成することができる。ホストデバイス16は、遠隔測定ユニット22と有線および/または無線で通信することができる。
【0016】
図1Aおよび
図1Bは、遠隔測定ユニット22が、内部遠隔測定ユニット22aおよび外部遠隔測定ユニット22bを含むことができることをさらに示している。内部遠隔測定ユニット22aは、外部遠隔測定ユニット22bと有線または無線で通信することができる。例えば、外部遠隔測定ユニット22bは、患者の皮膚を横断して内部遠隔測定ユニット22aに無線で接続することができる。内部遠隔測定ユニット22aは、神経インターフェース14と無線または有線で通信することができ、神経インターフェース14は、通信管路24を介して内部遠隔測定ユニット22aに電気的に接続することができる。通信管路24は、例えば、ステント・リードのようなワイヤとすることができる。
【0017】
モジュール10は、神経インターフェース14によって検知された神経関連信号を解析およびデコードすることができるプロセッサー(処理部とも呼ぶ)を有することができる。プロセッサーは、コンピュータ・プロセッサー(例えば、マイクロプロセッサー)とすることができる。プロセッサーは、数学的アルゴリズムまたはモデルを適用して、患者8が思考9を生成するときに対応する神経関連信号を検知することができる。例えば、一旦神経関連信号17が神経インターフェース14によって検知されると、プロセッサーは、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、検知された神経関連信号17を検知、デコード、および/または分類することができる。別例として、一旦神経関連信号17が神経インターフェース14によって検知されると、プロセッサーは、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、検知された神経関連信号17の情報を検知、デコード、および/または分類することができる。一旦神経インターフェース14によって検知された神経関連信号17がプロセッサーによって処理されると、プロセッサーは、処理された情報(例えば、検知され、デコードされ、かつ/または分類された神経関連信号17、および/または検知された神経関連信号17の検知され、デコードされ、かつ/または分類された情報)をエンド・アプリケーション12の入力コマンド18に関連付けることができる。
【0018】
神経インターフェース14、ホストデバイス16、および/または遠隔測定ユニット22は、プロセッサーを有することができる。別例として、神経インターフェース14、ホストデバイス16、および/または遠隔測定ユニット22は、プロセッサー(例えば、上述のプロセッサーなど)を有することができる。例えば、ホストデバイス16は、プロセッサーを介して、神経インターフェース14によって検知された神経関連信号17を解析するとともにデコードすることができる。神経インターフェース14は、ホストデバイス16と有線または無線で通信することができ、ホストデバイス16は、エンド・アプリケーション12と有線または無線で通信することができる。別例として、神経インターフェース14は、遠隔測定ユニット22と有線または無線で通信することができ、遠隔測定ユニット22は、ホストデバイス16と有線または無線で通信することができ、ホストデバイス16は、エンド・アプリケーション12と有線または無線で通信することができる。データは、神経インターフェース14から遠隔測定ユニット22へ、遠隔測定ユニット22からホストデバイス16へ、ホストデバイス16から1つ以上のエンド・アプリケーション12へ、またはそれらの任意の組み合わせで渡すことができ、例えば、思考9を検知して入力コマンド18をトリガーすることができる。別例として、データは、例えば、1つ以上のエンド・アプリケーション12からホストデバイス16へ、ホストデバイス16から遠隔測定ユニット22へ、遠隔測定ユニット22から神経インターフェース14へ、またはそれらの任意の組み合わせで、逆の順序で渡すことができ、例えば、1つ以上のセンサーを介して生物媒質を刺激することができる。データは、プロセッサーによって収集または処理されたデータとすることができ、例えば、神経関連信号および/またはそこから抽出された特徴を含む。データが例えばプロセッサーからセンサーに向かって流れている場合、そのデータは、刺激の命令を含むことができ、これにより、刺激の命令が神経インターフェース14によって処理されると、神経インターフェースのセンサーが生物媒質を刺激することができる。
【0019】
図1Aおよび
図1Bは、患者8が思考9を思い浮かべると、患者8の生物媒質(例えば、頭蓋骨内の生物媒質、頭蓋骨外の生物媒質、またはその両者)が、神経インターフェース14によって検知可能な神経関連信号17を生成できることをさらに示している。神経インターフェース14のセンサーは、患者8が思考9を思い浮かべるときに、思考9に関連付けられる神経関連信号17を検知することができる。思考9に関連付けられた神経関連信号17、これらの神経関連信号17から抽出された特徴、またはその両者は、ユニバーサル・スイッチ・モジュール10により制御可能なエンド・アプリケーション12のうちの任意のもののための任意の入力コマンド18に割り当てられるか、または関連付けられる。これにより、検知可能な神経関連信号17および/またはその抽出された特徴のそれぞれは、任意のエンド・アプリケーション12のための任意の入力コマンド18に割り当て可能なユニバーサル・スイッチとして有利に機能することができる。このようにして、神経インターフェース14によって思考9が検知されると、その思考9に関連付けられた入力コマンド18がトリガーされ、トリガーされた入力コマンド18が関連付けられているエンド・アプリケーション12に送信されることができる。
【0020】
例えば、思考9が神経インターフェース14によって(例えば、検知された神経関連信号17によって)検知されると、プロセッサーは、検知された神経関連信号17を解析(例えば、検知、デコード、分類、またはそれらの任意の組み合わせ)し、検知された神経関連信号17および/またはそれから抽出された特徴を、対応する割り当てられた入力コマンド18と関連付けることができる。これにより、プロセッサーは、思考9(例えば、検知された神経関連信号17およびそこから抽出された特徴のうちの少なくともいずれか一方)が、入力コマンド18のいずれかに関連付けられているかどうかを判断することができる。思考9が入力コマンド18に関連付けられていると判断されると、プロセッサーまたは制御部は、入力コマンド18を活性化(トリガーとも呼ぶ)することができる。一旦入力コマンド18がモジュール10によって(例えば、ホストデバイス16のプロセッサーまたは制御部によって)トリガーされると、トリガーされた入力コマンド18をその対応するエンド・アプリケーション12に送信して、そのエンド・アプリケーション12(例えば、車椅子、義手、コーヒーマシンなどのスマート家電)をトリガーされた入力コマンド18で制御できるようにすることができる。一旦エンド・アプリケーション12がトリガーされた入力コマンド18を受信すると、エンド・アプリケーション12は、入力コマンド18の1つ以上の命令を実行することができる(例えば、車椅子を秒速1メートルで前進させる、義手の親指と人差し指を一緒につまむ、スマートコーヒーマシンをオンにするなど)。このように、思考9(例えば、検知された神経関連信号17および/またはそれから抽出された特徴)が入力コマンド18に関連付けられていると判断されると、入力コマンド18をその対応するエンド・アプリケーション12に送信することができる。
【0021】
抽出される特徴は、検知された神経関連信号17の成分であればよく、例えば、検知された神経関連信号17の電圧変動のパターン、検知された神経関連信号17の中に埋め込まれた特定の周波数帯の電力の変動、またはその両者を含むものである。例えば、神経関連信号17は、患者8が思考9を思い浮かべるときに対応する様々な範囲の振動周波数を有することができる。特定の帯域の周波数には、特定の情報が含まれ得る。例えば、高帯域周波数(例えば、65Hz乃至150Hz)は、運動に関連する思考と相関する情報を含むことができ、したがって、この高帯域周波数範囲の特徴は、神経イベント(例えば、思考9)を分類および/またはデコードするために、(例えば、検知された神経関連信号17から抽出または識別されて)使用することができる。
【0022】
思考9は、ユニバーサル・スイッチとすることができる。思考9は、ユニバーサル・スイッチとして機能(例えば、として使用)することができ、思考9は、任意の入力コマンド18に割り当てることができ、その逆も可能である。思考9は、それに関連付けられる検知可能な神経関連信号17およびそれから抽出可能な特徴のうちの少なくともいずれか一方によって、ユニバーサル・スイッチ・モジュール10により制御可能なエンド・アプリケーション12のうちの任意のものの任意の入力コマンド18に割り当てまたは関連付けることができる。患者8は、患者8が所望する入力コマンド18に関連付けられる思考9を思い浮かべることで、所望の入力コマンド18を活性化することができる。例えば、特定の入力コマンド18(例えば、車椅子を前進させる)に割り当てられている思考9(例えば、患者の9回目の誕生日パーティーの記憶)が神経インターフェース14によって検知されると、(例えば、ホストデバイス16の)プロセッサーは、その思考9(例えば、9回目の誕生日パーティーの記憶)およびそこから抽出された特徴のうちの少なくともいずれか一方に関連付けられる神経関連信号17を、対応する割り当てられた入力コマンド18(例えば、車椅子を前進させる)に関連付けることができる。検知された神経関連信号(例えば、および/またはそれに関連付けられて抽出された特徴)が、割り当てられた入力コマンド18に関連付けられている場合、ホストデバイス16は、プロセッサーまたは制御部を介して、その入力コマンド18を、入力コマンド18が関連付けられているエンド・アプリケーション12に送信して、患者8が思考9を思い浮かべることによってトリガーした入力コマンド18によりエンド・アプリケーション12を制御することができる。
【0023】
思考9が複数のエンド・アプリケーション12に割り当てられ、エンド・アプリケーション12のうちの1つのみがアクティブ(例えば、電源オンおよび/または実行中)である場合、ホストデバイス16は、トリガーされた入力コマンド18をアクティブなエンド・アプリケーション12に送信することができる。別例として、思考9が複数のエンド・アプリケーション12に割り当てられ、エンド・アプリケーション12の一部がアクティブ(例えば、電源オンまたは実行中)であり、エンド・アプリケーション12の一部が非アクティブ(例えば、電源オフまたはスタンバイモード)である場合、ホストデバイス16は、アクティブなエンド・アプリケーション12および非アクティブなエンド・アプリケーション12の両者に、トリガーされた入力コマンド18を送信することができる。アクティブなエンド・アプリケーション12は、アクティブなエンド・アプリケーション12が入力コマンド18を受信したときに、入力コマンド18を実行することができる。非アクティブなエンド・アプリケーション12は、非アクティブなアプリケーション12がアクティブになった(例えば、電源が入った、または、実行を開始した)ときに、入力コマンド18を実行することができ、または、入力コマンド18は、非アクティブなアプリケーション12がアクティブになったときに実行されるように、(例えば、モジュール16またはエンド・アプリケーション12によって)キューに入れられる。さらなる別例として、思考9が複数のエンド・アプリケーション12に割り当てられ、エンド・アプリケーション12のうちの2つ以上、例えば、第1のエンド・アプリケーションおよび第2のエンド・アプリケーションがアクティブ(例えば、電源オンおよび/または実行中)である場合、ホストデバイス16は、第1のエンド・アプリケーションに関連付けられたトリガーされた入力コマンド18を第1のエンド・アプリケーションに送信することができ、第2のエンド・アプリケーションに関連付けられたトリガーされた入力コマンド18を第2のエンド・アプリケーションに送信することができ、または、モジュール10は、患者8に、患者8がどのトリガーされた入力コマンド18を送信したいかの選択肢を与えることができる(例えば、第1のエンド・アプリケーションに関連付けられたトリガーされた入力コマンド18のみを送信する、第2のエンド・アプリケーションに関連付けられたトリガーされた入力コマンド18のみを送信する、またはトリガーされた入力コマンド18の両者を送信する)。
【0024】
思考9は、あらゆる思考や思考の組み合わせが可能である。例えば、患者8が思い浮かべる思考9は、1つの思考、複数の思考、複数の思考の連続、同時に複数の思考、異なる持続時間を有する思考、異なる周波数を有する思考、1つ以上の順序の思考、1つ以上の組み合わせの思考、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。思考9は、タスクに関連する思考、タスクに関連しない思考、またはその両者であり、タスクに関連する思考は、患者8の意図するタスクに関連し、タスクに関連しない思考は、患者8の意図するタスクに関連しない。例えば、思考9を第1のタスクのものとし、患者8は例えばモジュール10を使用することで、第2のタスク(意図されたタスクおよびターゲット・タスクとも呼ぶ)を完了するために第1のタスクを思い浮かべることができる。第1のタスクは、第2のタスクと同じであっても異なっていてもよい。第1のタスクが第2のタスクと同じである場合、思考9はタスクに関連した思考とすることができる。第1のタスクが第2のタスクとは異なる場合、思考9はタスクに関連しない思考とすることができる。例えば、患者8が思い浮かべる第1のタスクが体肢(例えば、腕、脚)の移動であり、第2のタスクが第1のタスクと同じ、すなわち、例えば義体肢の体肢(例えば、腕、脚)の移動である場合、思考9(例えば、第1のタスクの思考)は、タスクに関連する思考とすることができる。義体肢は、例えば、患者8が思考9で制御しているエンド・アプリケーション12とすることができる。例えば、タスクに関連する思考としては、ターゲット・タスクがカーソルを動かすことであれば、患者8はカーソルを動かすことを思い浮かべることができる。これに対し、患者8が第1のタスクとして体の手足(例えば、腕)を動かすことを思い浮かべるタスクに関連しない思考9の場合、第2のタスクは、第1のタスクとは異なる任意のエンド・アプリケーションのタスクとすることができ、これにより、第2のタスクを、体の手足(例えば、腕)を動かすという第1のタスクとは異なる任意のエンド・アプリケーション12のタスクとすることができる。例えば、タスクに関連しない思考としては、ターゲット・タスクがカーソルを右に移動させることである場合に、患者8は体の一部(例えば、手)を右に移動させることを思い浮かべることができる。これにより、患者8は、任意の第2のタスクを達成するために第1のタスク(例えば、思考9)を思い浮かべることができ、ここで、第2のタスクは、第1のタスクと同じであっても異なっていてもよい。第2のタスクは、任意のエンド・アプリケーション12の任意のタスクとすることができる。例えば、第2のタスクは、任意のエンド・アプリケーション12の任意の入力コマンド18とすることができる。思考9(例えば、第1のタスク)は、任意の第2のタスクに割り当て可能である。思考9(例えば、第1のタスク)は、任意の第2のタスクに割り当て可能である。これにより、患者8は、任意のエンド・アプリケーション12の任意の入力コマンド18(例えば、任意の第2のタスク)をトリガーするために、第1のタスクを思い浮かべることができる。これにより、第1のタスクはユニバーサル・スイッチとして有利に機能することができる。各思考9は、神経インターフェース14によって検知可能にしてかつ反復可能な神経関連信号(例えば、検知可能な神経関連信号17)を生成することができる。各検知可能な神経関連信号および/またはそこから抽出可能な特徴は、スイッチとすることができる。スイッチは、例えば、患者8が思考9を思い浮かべ、スイッチが作動したことをセンサが検知したとき、および/または、検知された神経関連信号から1つ以上の抽出された特徴が存在するとプロセッサーが判断したときに、活性化させることができる(トリガーとも呼ぶ)。このスイッチは、任意の入力コマンド18、例えば、任意の入力コマンドの組に割り当て可能、かつ再割り当て可能なユニバーサル・スイッチとすることができる。入力コマンド18は、入力コマンドの任意の組に追加、削除、および/または修正することができる。例えば、各エンド・アプリケーション12は、思考9の神経関連信号17を割り当てることができる、それに関連付けられる入力コマンド18の組を有することができる。
【0025】
思考9の一部は、タスクに関連しない思考(例えば、カーソルを右に移動させるために患者8が手を動かしてみる)とすることができ、思考9の一部は、タスクに関連する思考(例えば、ターゲット・タスクがカーソルを移動させることであるときに患者8がカーソルを移動させてみる)とすることができ、思考9の一部は、タスクに関連しない思考およびタスクに関連する思考の両者、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。思考9がタスクに関連しない思考およびタスクに関連する思考の両者である場合、思考9は、タスクに関連しない思考(例えば、患者8がカーソルを右に動かすために手を動かしてみる)およびタスクに関連する思考(例えば、ターゲット・タスクがカーソルを動かすことである場合に、患者がカーソルを動かしてみる)の両者として使用することができ、これにより、思考9は、複数の入力コマンド18と関連付けることができ、それらの入力コマンド18のうちの1つ以上は、思考9にタスク関連であることができ、それらの入力コマンド18のうちの1つ以上は、思考9にタスク関連しないものであるとすることができる。
【0026】
このようにして、思考9は、任意のエンド・アプリケーション12の任意の入力コマンド18に割り当て可能なユニバーサル・スイッチとすることができ、各思考9は、1つ以上のエンド・アプリケーション12に割り当てることができる。モジュール10により、各患者8は自分の思考9をコントローラー(例えば、ビデオゲームのコントローラー、任意の制御インターフェース)のボタンのように使用して、患者8が所望する任意のエンド・アプリケーション12を有利に制御することができる。例えば、エンド・アプリケーション12の各入力コマンド18に思考9を割り当て、割り当てられた入力コマンド18をコントローラー上のボタンのように任意の組み合わせで使用して、エンド・アプリケーション12を制御することができる。例えば、エンド・アプリケーション12が4つの入力コマンド18(例えば、コントローラー上の4つのボタンのように、第1の入力コマンド、第2の入力コマンド、第3の入力コマンド、および第4の入力コマンド)を有する場合、4つの入力コマンド18のそれぞれに異なる思考9を割り当てることができ(例えば、第1の思考9を第1の入力コマンド18に割り当て、第2の思考9を第2の入力コマンド18に割り当て、第3の思考9を第3の入力コマンド18に割り当て、第4の思考9を第4の入力コマンド18に割り当てることができ)、これにより、患者8はこれらの4つの思考9を使用して4つの入力コマンド18およびその組み合わせ(例えば、4つの入力コマンド18の任意の順序、数、頻度、および持続時間)を活性化してエンド・アプリケーション12を制御できる。例えば、4つの入力コマンド18を有するエンド・アプリケーション12の場合、4つの入力コマンド18は、第1、第2、第3、および第4の入力コマンド18に割り当てられた4つの思考9の任意の組み合わせを使用してエンド・アプリケーション12を制御するために使用することができ、例えば、各入力コマンドの単独での活性化、各入力コマンドの複数の活性化(例えば、5秒内に2つの活性化、10秒内に3つの活性化)、複数の入力コマンド18の組み合わせ(例えば、第1の入力コマンドおよび第2の入力コマンドの同時または直列)、またはそれらの任意の組み合わせである。個別の思考9の各々と同様に、思考9の組み合わせの各々は、ユニバーサル・スイッチとして機能することができる。患者8は、第1、第2、第3、および第4の思考9により複数のエンド・アプリケーション12を制御することができる。例えば、第1の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第1の入力コマンド18に割り当てることができ、第1の思考9は、第2のエンド・アプリケーション12の第1の入力コマンド18に割り当てることができ、第2の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第2の入力コマンド18に割り当てることができ、第2の思考9は、第2のエンド・アプリケーション12の第2の入力コマンド18に割り当てることができ、第3の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第3の入力コマンド18に割り当てることができ、第3の思考9は、第2のエンド・アプリケーション12の第3の入力コマンド18に割り当てることができ、第4の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第4の入力コマンド18に割り当てることができ、第4の思考9は、第2のエンド・アプリケーション12の第4の入力コマンド18に割り当てることができ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。例えば、第1の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第1の入力コマンド18および第2のエンド・アプリケーション12の第1の入力コマンド18に割り当てることができ、第2の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第2の入力コマンド18および第2のエンド・アプリケーション12の第2の入力コマンド18に割り当てることができ、第3の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第3の入力コマンド18および第2のエンド・アプリケーション12の第3の入力コマンド18に割り当てることができ、第4の思考9は、第1のエンド・アプリケーション12の第4の入力コマンド18および第2のエンド・アプリケーション12の第4の入力コマンド18に割り当てることができ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。第1、第2、第3、および第4の思考9は、任意のアプリケーション12に(例えば、第1および第2のエンド・アプリケーションに)割り当てることができる。ある思考は1つのアプリケーション12にのみ割り当てられ、またある思考は複数のアプリケーション12に割り当てられてもよい。思考9が1つのアプリケーション12にしか割り当てられていない場合でも、患者8が必要に応じてまたは所望に応じて思考9(例えば、1つのエンド・アプリケーション12にしか割り当てられていない)の普遍的な適用性を利用できるように、1つのアプリケーション12にしか割り当てられていない思考を複数のアプリケーション12に割り当てることができる。別例として、すべての思考9が複数のエンド・アプリケーション12に割り当てられてもよい。
【0027】
エンド・アプリケーション12のための各入力コマンド18または入力コマンドの組み合わせの機能は、患者8によって定義することができる。別例として、エンド・アプリケーション12のための各入力コマンド18または入力コマンドの組み合わせの機能は、エンド・アプリケーション12によって定義することができ、これにより、第三者がそのエンド・アプリケーションの入力コマンド18を患者の反復思考9の組またはサブの組に接続および割り当て可能(マッピング可能とも呼ぶ)にすることができる。これにより、サードパーティ製のプログラムは、患者8ごとに異なる要望やニーズ、能力に合わせて、よりアクセスしやすくなる。モジュール10は、有利には、第三者がインターフェースとすることができるアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)とすることができ、これにより、患者8の思考9を様々な入力コマンド18に割り当てたり、再割り当てしたりすることができ、ここで、本明細書に記載されているように、患者8が活性化を所望する入力コマンド18に割り当てられている思考9を患者8が思い浮かべることによって、各入力コマンド18を活性化することができる。
【0028】
患者の思考9は、人(例えば、患者または他の人)、コンピューター、またはその両者を介して、エンド・アプリケーション12の入力コマンド18に割り当てることができる。例えば、患者8の思考9(例えば、思考9に関連付けられた検知可能な神経関連信号および/または抽出可能な特徴)は、患者8によって入力コマンド18を割り当てることができ、コンピューター・アルゴリズムによって(例えば、思考9に関連付けられる検知可能な神経関連信号の信号強度に基づいて)割り当てることができ、患者8によって変更(例えば、再割り当て)することができ、アルゴリズムによって(例えば、スイッチの相対的な信号強度または新しい反復可能な思考9の利用可能性に基づいて)変更することができ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。入力コマンド18および/または入力コマンド18に関連付けられる機能は、入力コマンド18を活性化することに関連付けられる思考9とは関連しないものとすることができるが、そうである必要はない。例えば、
図1A乃至1Cは、例示的な一態様において、第三者が接続することができ、思考9(例えば、思考9に関連付けられる検知可能な神経関連信号および/または抽出可能な特徴)を様々な入力コマンド18に割り当てたり、再割り当てしたりすることができる、非特異的な、または普遍的な、モード切り替えプログラム(例えば、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API))を示している。思考9が割り当てられた入力コマンド18を割り当てることで、またはその逆を行うことで、患者8は、同じかまたは異なるエンド・アプリケーション12における様々な入力コマンド18に対して、同じ思考9を使用することができる。同様に、思考9が割り当てられている入力コマンド18を再割り当てすることで、またはその逆を行うことで、患者8は、同じかまたは異なるエンド・アプリケーション12における様々な入力コマンド18に対して同じ思考9を使用することができる。例えば、義手(例えば、第1のエンド・アプリケーション)を開かせる入力コマンド18に割り当てられた思考9は、コンピューター上でカーソル(例えば、第2のエンド・アプリケーション)に何かをさせる別の入力コマンド18に割り当てることができる(例えば、コンピューターのマウスやタッチパッドに関連付けられたカーソルに関連付けられる任意の機能であり、例えば、左クリックおよび右クリックなどのカーソルの移動およびカーソルを用いた選択などを含む)。
【0029】
図1A乃至1Cは、患者8が異なるエンド・アプリケーション12を使用するたびに入力コマンド18を再割り当てすることなく、患者8が複数のエンド・アプリケーション12の間で切り替えることができるように、患者8の思考9を複数のエンド・アプリケーション12に割り当てることができることをさらに示している。例えば、思考9は、同時に複数のエンド・アプリケーション12に割り当てることができる(例えば、第1のエンド・アプリケーションおよび第2のエンド・アプリケーションの両者に割り当てることができ、思考9を第1のエンド・アプリケーションおよび第2のエンド・アプリケーションの両者に割り当てるプロセスは、同時に発生することができるが、必ずしも同時に発生する必要はない)。これにより、患者の思考9は、例えば、外部のゲーム機器や様々な家電製品およびデバイス(例えば、照明スイッチ、家電製品、施錠、サーモスタット、セキュリティーシステム、ガレージドア、窓、シェード、を含む、任意のスマートデバイスまたはシステムなど)を含む、任意のエンド・アプリケーション12を有利に制御することができる。これにより、神経インターフェース14は、エンド・アプリケーション12の入力コマンド18に関連付けられる機能に対してタスクに関連しない神経関連信号17(例えば、脳信号)を検知することができ、ここで、エンド・アプリケーション12は、患者の体の内部および外部のうちの少なくともいずれか一方にあるデバイスを含む、任意の電子デバイスまたはソフトウェアとすることができる。別例として、神経インターフェース14は、これにより、エンド・アプリケーション12の入力コマンド18に関連付けられる機能に対してタスクに関連する神経関連信号17(例えば、脳信号)を検知することができ、ここで、エンド・アプリケーション12は、患者の体の内部および外部のうちの少なくともいずれか一方にあるデバイスを含む、任意の電子デバイスまたはソフトウェアとすることができる。さらなる別例として、神経インターフェース14は、これにより、タスクに関連する思考、タスクに関連しない思考、またはタスクに関連する思考およびタスクに関連しない思考の両者に関連付けられる神経関連信号17(例えば、脳信号)を検知することができる。
【0030】
思考9の一部は、タスクに関連しない思考(例えば、カーソルを右に移動させるために患者8が手を動かしてみる)とすることができ、思考9の一部は、タスクに関連する思考(例えば、ターゲット・タスクがカーソルを移動させることであるときに患者8がカーソルを移動させてみる)とすることができ、思考9の一部は、タスクに関連しない思考およびタスクに関連する思考の両者、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。思考9がタスクに関連しない思考およびタスクに関連する思考の両者である場合、思考9は、タスクに関連しない思考(例えば、患者8がカーソルを右に動かすために手を動かしてみる)およびタスクに関連する思考(例えば、ターゲット・タスクがカーソルを動かすことである場合に、患者がカーソルを動かしてみる)の両者として使用することができ、これにより、思考9は、複数の入力コマンド18と関連付けることができ、それらの入力コマンド18のうちの1つ以上は、思考9にタスク関連であることができ、それらの入力コマンド18のうちの1つ以上は、思考9にタスク関連しないものであるとすることができる。別例として、思考9のすべてがタスクに関連しない思考であるものとすることができる。タスクに関連しない思考9、および/または、タスクに関連しない思考として患者8に使用された思考9(例えば、思考9に関連しない入力コマンド18に割り当てられた思考9)は、患者8(例えば、BCIユーザー)が、所定のタスクに関連しない思考(例えば、思考9)を利用して、ソフトウェアおよびデバイスを含む様々なエンド・アプリケーション12を独立して制御する。
【0031】
図1A乃至1Cは、例えば、患者8が思考9について考えて(例えば、思考9について思い浮かべるように言われても言われなくても)、その後休むことができることを示している。この思考9を思い浮かべるというタスクにより、患者が思い浮かべていた思考9に対応する検知可能な神経関連信号を生成することができる。思考9について考えてから休むというタスクは、例えば、患者8がエンド・アプリケーション12を制御するために思考9を思い浮かべるときに、一度だけ行うことができる。別例として、思考9を思い浮かべるタスクは、例えば、患者8が思考9を思い浮かべることでエンド・アプリケーション12を制御しているときや、患者が思考9を使ってエンド・アプリケーション12を制御する方法を訓練しているときなど、複数回繰り返すことができる。神経信号などの神経関連信号(例えば、脳関連信号)が記録されている場合、その信号自体(例えば、時間ドメイン信号)から特徴を抽出(例えば、スペクトル・パワー/時間周波数ドメイン)したり、識別したりすることができる。これらの特徴は、思考9に関する特徴的な情報を含むことができ、思考9を識別するため、複数の思考9を互いに区別するため、またはその両者のために使用することができる。別例として、これらの特徴は、機械学習法などを用いて、神経信号を生成した思考のタイプを予測可能な数学的モデルまたは数学的アルゴリズムを策定または訓練するために使用可能である。このアルゴリズムおよびモデルのうちの少なくともいずれか一方を使用することで、患者8が何を思い浮かべているかをリアルタイムで予測し、この予測を所望する任意の入力コマンド18に関連付けることができる。患者8が同じ思考9について思い浮かべるプロセスは、例えば、アルゴリズムおよびモデルのうちの少なくともいずれか一方によって提供される予測が、患者8の思考9と一致するまで繰り返すことができる。このようにして、患者8は、エンド・アプリケーション12を制御するために使用する思考9のそれぞれを、入力コマンド18に割り当てられた思考9のそれぞれが神経インターフェース14によって検知可能な反復可能な神経関連信号を生成するように、較正させることができる。アルゴリズムは、予測が実際に思い浮かべるべき思考9と一致するかどうかのフィードバック19を患者8に提供することができ、フィードバックは視覚、聴覚、および/または触覚で行うことができ、これにより、患者8は試行錯誤しながら学習することができる。機械学習法および数学的アルゴリズムを使用して、検知された神経関連信号17から抽出された特徴および特定された特徴のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、思考9を分類することができる。例えば、患者8が休息および思考を複数回繰り返すトレーニングデータセットを記録し、プロセッサーが検知した神経関連信号17から関連する特徴を抽出し、このデータに基づいて休息と思考とを区別するために使用される数学的モデルまたは数学的アルゴリズムのパラメータおよびハイパーパラメータを、リアルタイム信号を予測するために最適化することができる。そして、リアルタイム信号を予測するために調整された同じ数学的モデルまたは数学的アルゴリズムにより、モジュール10は、有利に思考9をリアルタイムのユニバーサル・スイッチに変換することができる。
【0032】
図1Aは、神経インターフェース14が、監視されている組織(例えば、神経組織)からの電気信号など、生物媒質(例えば、脳)を監視できることをさらに示している。
図1Aは、神経関連信号17を脳関連信号とすることができることをさらに示している。脳関連信号は、例えば、患者の脳の任意の1つ以上の部分(例えば、運動野、感覚野など)からの電気信号とすることができる。別例として、脳関連信号を、頭蓋骨内で検知可能な任意の信号(例えば、電気的、生化学的)とすることができ、検知された脳関連信号から(例えば、コンピューター・プロセッサーを介して)抽出された任意の1つ以上の特徴とすることができ、またはその両者とすることができる。さらなる別例として、脳関連信号を、電気信号とすることができ、電気信号に起因する任意の信号(例えば、生化学信号)とすることができ、検知された脳関連信号から(例えば、コンピューター・プロセッサーを介して)抽出された任意の1つ以上の特徴とすることができ、あるいはそれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0033】
図1Aは、エンド・アプリケーション12が、モジュール10とは個別であるが、有線または無線で通信可能であることをさらに示している。別例として、モジュール10(例えば、ホストデバイス16)は、エンド・アプリケーション12に恒久的にまたは取り外し可能に取り付けられるか、または取り付け可能である。例えば、ホストデバイス16は、アプリケーション12(例えば、モジュール10が通信可能なソフトウェアを有するデバイス)と取り外し可能にドッキングすることができる。ホストデバイス16は、アプリケーション12と係合可能なポートを有することができ、あるいはその逆も可能である。ポートは、充電ポート、データポート、またはその両者とすることができる。例えば、ホストデバイスがスマートフォンの場合、ポートはライトニング・ポート(登録商標)とすることができる。さらなる別例として、ホストデバイス16は、アプリケーション12と、例えばケーブルによりテザー接続を行うことができる。ケーブルは、電源ケーブル、データ転送ケーブル、またはその両者とすることができる。
【0034】
図1Bは、患者8が思考9を思い浮かべるときに、神経関連信号17が思考9に対応する脳関連信号となり得ることをさらに示している。
図1Bは、ホストデバイス16が、プロセッサー(例えば、マイクロプロセッサー)を有することができることをさらに示しており、プロセッサーは、神経インターフェース14から受信した神経関連信号17を解析(例えば、検知、デコード、分類、またはそれらの任意の組み合わせ)し、神経インターフェース14から受信した神経関連信号17をそれらの対応する入力コマンド18に関連付け、神経インターフェース14から受信した神経関連信号17自体から抽出された特徴(例えば、スペクトル・パワー/時間周波数ドメイン)または識別された特徴(例えば、時間ドメイン信号)をそれらの対応する入力コマンド18に関連付け、神経インターフェース14から受信した神経関連信号17を保存し、信号解析(例えば、神経関連信号17から抽出された特徴または神経関連信号17で識別された特徴)を保存し、神経関連信号17を入力コマンド18に関連付けたものを保存し、神経関連信号17から抽出された特徴または神経関連信号17で識別された特徴を入力コマンド18に関連付けたものを保存し、またはそれらの任意の組み合わせを行う。
【0035】
図1Bは、ホストデバイス16がメモリを有することができることをさらに示している。プロセッサーによって保存されたデータは、ローカルのメモリに保存することも、サーバー(例えば、クラウド)上に保存することも、あるいはその両者も可能である。思考9とそれに起因するデータ(例えば、検知された神経関連信号17、抽出された特徴量、またはその両者)は、参照ライブラリとして機能することができる。例えば、一旦思考9が較正されると、較正された思考および/またはそのシグネチャ(抽出されたともいう)特徴に関連付けられる神経関連信号17を保存することができる。思考9は、例えば、神経関連信号17および/またはその中から抽出された特徴が、神経関連信号17が神経インターフェース14によって検知されたときに、プロセッサーによって識別可能な反復可能なシグネチャまたは特徴を有する場合に、較正されたと考えることができる。リアルタイムで監視・検知されている神経関連信号は、続いてこの保存された較正データとリアルタイムで比較することができる。検知された信号17および/またはその抽出された特徴のうちの1つが較正された信号と一致するたびに、較正された信号に関連付けられる対応する入力コマンド18を、対応するエンド・アプリケーション12に送信することができる。例えば、
図1Aおよび
図1Bは、患者8が、自分の思考9に関連付けられる神経関連信号17を較正し、それらの較正を参照ライブラリに格納することによって、モジュール10を使用するように訓練されることができることを示している。訓練では、患者8へのフィードバック19を行うことができる。
【0036】
図1Cは、ホストデバイス16の例示的なユーザー・インターフェース20をさらに示している。ユーザー・インターフェース20は、コンピューター画面(例えば、タッチスクリーン、非タッチスクリーン)とすることができる。
図1Cは、選択可能なシステム13、選択可能な入力コマンド18、および選択可能なエンド・アプリケーション12を含む、ユーザー・インターフェース20の例示的な表示を示している。システム13は、1つ以上のエンド・アプリケーション12のグループ化とすることができる。システム13は、ホストデバイス16に追加したり、ホストデバイス16から取り払ったりすることができる。エンド・アプリケーション12は、ホストデバイス16に追加したり、ホストデバイス16から削除したりすることができる。エンド・アプリケーション12は、システム13に追加したり、システム13から削除したりすることができる。各システム13は、対応する組のエンド・アプリケーション12に割り当てることができる対応する組の入力コマンド18を有することができる。別例として、ユーザー・インターフェース20は、活性化されたエンド・アプリケーション12(例えば、リモート)のそれぞれに対する入力コマンド18を示すことができる。さらなる別例として、ユーザー・インターフェース20は、活性化されたエンド・アプリケーション(例えば、リモート)および/または非活性化されたエンド・アプリケーション12(例えば、刺激スリーブ、電話、スマートホームデバイス、車椅子)に対する入力コマンド18を示すことができる。これにより、有利なことに、モジュール10は任意のエンド・アプリケーション12を制御することができる。ユーザー・インターフェース20により、複数のエンド・アプリケーション12の様々な入力コマンド18に思考9を容易に割り当てることができる。エンド・アプリケーションのシステムグループ化(例えば、システム1およびシステム2)により、有利には、患者8はユーザー・インターフェース20を使用してエンド・アプリケーション12を統合して整理することができる。既製のシステム13をモジュールにアップロードすることができ、かつ/または、患者8は独自のシステム13を作成することもできる。例えば、第1のシステムは、患者8が使用する、移動に関連付けられるすべてのエンド・アプリケーション12(例えば、車椅子、車椅子リフト)を有することができる。別例として、第2のシステムは、義肢に関連付けられる患者8が使用するすべてのエンド・アプリケーション12を有することができる。さらなる別例として、第3のシステムは、患者8が使用する、スマート家電に関連付けられるすべてのエンド・アプリケーション12を有することができる。さらなる別例として、第4のシステムは、患者8が職業のために使用するソフトウェアまたはデバイスに関連付けられる、患者8が使用するすべてのエンド・アプリケーション12を有することができる。エンド・アプリケーション12は、1つ以上のシステム13に備えることができる。例えば、エンド・アプリケーション12(例えば、車椅子)は、システム1および/またはシステム2の両者に備えることができる。このような組織的な効率化により、患者8はエンド・アプリケーション12を容易に管理することができる。モジュール10は、1つ以上のシステム13を有することができ、例えば、1乃至1000以上のシステム13を有することができ、これは、この範囲内のシステム13を1増分ごと(例えば、1つのシステム、2つのシステム、10のシステム、100のシステム、500のシステム、1000のシステム、1005のシステム、2000のシステム)を含む。例えば、
図1Cは、モジュール10が、第1のシステム13a(例えば、システム1)および第2のシステム13b(例えば、システム2)を有することができることを示している。また、
図1Cでは、エンド・アプリケーション12を様々なシステム13にグループ化することができ、各システムが1つ以上のエンド・アプリケーション12を有することを示しているが、別例として、ユーザー・インターフェース20は、エンド・アプリケーションをシステム13にグループ化しなくてもよい。
【0037】
図1Cは、ホストデバイス16を用いて入力コマンド18に思考9を割り当てることができることをさらに示している。例えば、思考9、思考9に関連付けられた神経関連信号17、思考9に関連付けられた神経関連信号17の抽出された特徴、またはこれらの任意の組み合わせを、システム13の入力コマンド18に割り当てることができる。例えば、これは、入力コマンド18を選択して(例えば、左矢印)、選択された入力コマンド18に割り当てることができる思考9および/またはそれに関連付けられるデータ(例えば、思考9に関連付けられる神経関連信号17、思考9に関連付けられる神経関連信号17の抽出された特徴、またはその両者)を示すドロップダウンメニューから選択することにより、行うことができる。
図1Cは、思考9またはそれに関連付けられるデータによって入力コマンド18がトリガーされた場合、フィードバック(例えば、視覚的、聴覚的および/または触覚的フィードバック)を患者8に提供することができることをさらに示している。
図1Cは、1つ以上のエンド・アプリケーション12をシステム13内で活性化および非活性化できることをさらに示している。活性化されたエンド・アプリケーション12は、電源オン状態、電源オフ状態、またはスタンバイ状態にあってもよい。活性化されたエンド・アプリケーション12は、トリガーされた入力コマンド18を受信することができる。非活性化されたエンド・アプリケーション12は、電源オン状態、電源オフ状態、またはスタンバイ状態にあってもよい。一例では、非活性化されたエンド・アプリケーション12は、エンド・アプリケーション12が活性化されない限り、患者8の思考9によって制御可能ではない。ユーザー・インターフェース20を用いてエンド・アプリケーション12を活性化すると、エンド・アプリケーション12の電源を入れることができる。ユーザー・インターフェース20を使用してエンド・アプリケーション12を非活性化することにより、非活性化されたエンド・アプリケーション12を電源オフするか、あるいは非活性化されたエンド・アプリケーション12からモジュール10を非連結にして、プロセッサーが神経関連信号17を非活性化されたエンド・アプリケーション12に割り当てられた思考9に関連付けないようにすることができる。例えば、
図1Cは、5つのエンド・アプリケーション12を有する例示的なシステム1を示しており、5つのエンド・アプリケーションは、5つのデバイス(例えば、リモート、刺激スリーブ、電話、スマートホームデバイス、車椅子)を含み、そのうちの1つ(例えば、リモート)が活性化され、他が非活性化されている。一旦「開始」が選択されると(例えば、アイコン20aを介して)、患者8は、システム1のエンド・アプリケーション12に関連付けられる入力コマンド18を用いて、(例えば、リモートで)活性化されるシステム(例えば、システム1)のエンド・アプリケーション12を制御することができる。
図1Cはユーザー・インターフェース20を用いて行われた変更はいずれも、保存アイコン20bを用いて保存することができ、また、ユーザー・インターフェース20を用いて行われた変更はいずれも、キャンセルアイコン20cを用いてキャンセルすることができることをさらに示している。
図1Cは、エンド・アプリケーション12を電子デバイスとすることができることをさらに示している。
【0038】
図1A乃至1Cは、同じ特定の組の思考9を使用して複数のエンド・アプリケーション12(例えば、複数のエンドデバイス)を制御することができ、これにより、モジュール10がユニバーサル・スイッチ・モジュールとなることを示している。モジュール10により、有利なことに、患者8(例えば、BCIユーザー)は、所定のタスクに関連しない思考(例えば、思考9)を利用して、例えば、複数のソフトウェアおよびデバイスを含む様々なエンド・アプリケーション12を独立して制御することができる。モジュール10は、(例えば、神経インターフェース14を介して)神経関連信号を取得することができ、(例えば、プロセッサーを介して)取得された神経関連信号をデコードすることができ、(例えば、プロセッサーにより)取得された神経関連信号17および/またはこれらの信号から抽出された特徴を、(例えば、プロセッサーにより)1つ以上のエンド・アプリケーション12の対応する入力コマンド18に関連付けることができ、(例えば、モジュール10により)複数のエンド・アプリケーション12を制御することができる。モジュール10を使用して、思考9は複数のエンド・アプリケーション12を制御するために有利に使用することができる。例えば、モジュール10は、複数のエンド・アプリケーション12を制御するために使用することができ、ここでは、1つのエンド・アプリケーション12を一度に制御することができる。別例として、モジュール10は、複数のエンド・アプリケーションを同時に制御するために使用することができる。思考9は、複数のエンド・アプリケーション12の入力コマンド18に割り当てることができる。このようにして、思考9はユニバーサル・デジタルスイッチとして機能することができ、モジュール10は患者の運動野を効果的に再編成してデジタルスイッチを表現することができ、ここで思考9の各々をデジタルスイッチとすることができる。これらのデジタルスイッチは、各スイッチが複数のエンド・アプリケーション12の任意の入力コマンド18(例えば、第1のエンド・アプリケーションの入力コマンドおよび第2のエンド・アプリケーションの入力コマンド)に(例えば、モジュール10を介して)割り当て可能であるため、患者8が複数のエンド・アプリケーション12を制御するために使用可能なユニバーサル・スイッチとすることができる。モジュール10は、プロセッサーを介して、異なる思考9の間(例えば、異なるスイッチの間)を判別することができる。
【0039】
モジュール10は、例えば、1乃至1000以上のエンド・アプリケーション12とのインターフェースとすることができ、これは、この範囲内のエンド・アプリケーション12の1増分ごと(例えば、1つのエンド・アプリケーション、2つのエンド・アプリケーション、10のエンド・アプリケーション、100のエンド・アプリケーション、500のエンド・アプリケーション、1000のエンド・アプリケーション、1005のエンド・アプリケーション、2000のエンド・アプリケーション)を含む。例えば、
図1Cは、第1のシステム13aが、第1のエンド・アプリケーション12a(例えば、リモート)、第2のエンド・アプリケーション12b(例えば、刺激スリーブ)、第3のエンド・アプリケーション12c(例えば、電話)、第4のエンド・アプリケーション12d(例えば、スマートホームデバイス)、および第5のエンド・アプリケーション12e(例えば、車椅子)を有することができることを示している。
【0040】
各エンド・アプリケーションは、例えば、患者8の思考9に関連付けることができる1乃至1000個以上の入力コマンド18、または別例として、患者8の思考9に関連付けることができる1乃至500個以上の入力コマンド18、またはさらなる別例として、患者8の思考9に関連付けることができる1乃至100個以上の入力コマンド18を有することができ、これらの範囲内の入力コマンド18を1増分ごと(例えば、1個の入力コマンド、2個の入力コマンド、10個の入力コマンド、100個の入力コマンド、500個の入力コマンド、1000個の入力コマンド、1005個の入力コマンド、2000個の入力コマンド)を含み、これらの範囲内の任意のサブ範囲(例えば、1乃至25個以下の入力コマンド18、1乃至100個以下の入力コマンド18、25乃至1000個以下の入力コマンド18)を含み、これにより、任意の数の入力コマンド18を患者の思考9によってトリガーすることができ、任意の数は、例えば、患者8の思考9が割り当てられる入力コマンド18の数とすることができる。例えば、
図1Cは、第1のエンド・アプリケーション第1入力コマンド18a(例えば、左矢印)、第1のエンド・アプリケーション第2入力コマンド18b(例えば、右矢印)、および第1のエンド・アプリケーション第3入力コマンド18c(例えば、入力)を含む、1つ以上の活性化されたエンド・アプリケーション12(例えば、第1のエンド・アプリケーション12a)に関連付けられる入力コマンド18の例示的な組を示している。別例として、
図1Cは、第2のエンド・アプリケーション第1入力コマンド18d(例えば、出力を選択する)を含む、1つ以上の非活性化されたエンド・アプリケーション12(例えば、第2のエンド・アプリケーション12b)に関連付けられる入力コマンド18の例示的な組を示しており、第2のエンド・アプリケーション第1入力コマンド18dはまだ選択されていないが、第2のエンド・アプリケーション12bの任意の入力コマンド18とすることができる。第1のエンド・アプリケーション第1入力コマンド18aは、第1のエンド・アプリケーション12aの第1の入力コマンド18aとも呼ぶ。第1のエンド・アプリケーション第2入力コマンド18bは、第1のエンド・アプリケーション12aの第2の入力コマンド18bとも呼ぶ。第1のエンド・アプリケーション第3入力コマンド18cは、第1のエンド・アプリケーション12aの第3の入力コマンド18cとも呼ぶ。第2のエンド・アプリケーション第1入力コマンド18dは、第2のエンド・アプリケーション12bの第1の入力コマンド18dとも呼ぶ。
【0041】
患者8が思考9を思い浮かべると、モジュール10(例えば、プロセッサーを介して)は、思考9に関連付けられた神経関連信号17およびそこから抽出された特徴のうちの少なくともいずれか一方を、思考9が割り当てられた入力コマンド18に関連付けることができ、思考9に関連付けられた入力コマンド18は、モジュール10(例えば、プロセッサー、制御部、またはトランシーバーを介して)によって、それらの対応するエンド・アプリケーション12に送信することができる。例えば、第1のエンド・アプリケーション18aの第1の入力コマンド18aに思考9が割り当てられている場合は、患者8が思考9を思い浮かべたときに第1のエンド・アプリケーション12aの第1の入力コマンド18aを第1のエンド・アプリケーション12aに送信することができ、第2のエンド・アプリケーション12bの第1の入力コマンド18dに思考9が割り当てられている場合は、患者8が思考9を思い浮かべたときに第2のエンド・アプリケーション12bの第1の入力コマンド18dを第2のエンド・アプリケーション12bに送信することができる。これにより、1つの思考(例えば、思考9)は、複数のエンド・アプリケーション12(第1および第2のエンド・アプリケーション12a、12b)とのインターフェースとすることができ、またはこれら複数のエンド・アプリケーション12を制御するために使用することができる。任意の数の思考9をスイッチとして使用可能である。スイッチとして使用される思考9の数は、例えば、エンド・アプリケーション12を制御するために必要または所望される制御(例えば、入力コマンド18)の数に対応することができる。思想9は、複数のエンド・アプリケーション12に割り当て可能である。例えば、第1の思考に関連付けられる神経関連信号17およびそれから抽出される特徴のうちの少なくともいずれか一方は、第1のエンド・アプリケーション第1入力コマンド18aに割り当てることができ、かつ、第2のエンド・アプリケーション第1入力コマンド18dに割り当てることができる。別例として、第2の思考に関連付けられる神経関連信号17およびそれから抽出された特徴のうちの少なくともいずれか一方は、第1のエンド・アプリケーション第2入力コマンド18aに割り当てることができ、かつ、第3のエンド・アプリケーション第1入力コマンドに割り当てることができる。第1の思考と第2の思考とは異なってもよい。複数のエンド・アプリケーション12(例えば、第1および第2のエンド・アプリケーション12a、12b)は、互いに独立して作動させることができる。モジュール10が1つのエンド・アプリケーション(例えば、第1のエンド・アプリケーション12a)を制御するために使用される場合、第1の思考は、複数の入力コマンド18に割り当て可能である。例えば、第1の思考のみで第1の入力コマンドを活性化し、第1の思考と第2の思考とを合わせて、第1の入力コマンドとは異なる第2の入力コマンドを活性化することができる。これにより、思考9は、1つの思考を他の思考と組み合わせて追加のスイッチを形成することができるため、1つのエンド・アプリケーション12のみがモジュール10によって制御されている場合でも、ユニバーサル・スイッチとして機能することができる。別例として、1つの思考を他の思考と組み合わせて、複数のエンド・アプリケーション12が思考9を介してモジュール10によって制御可能な任意の入力コマンド18に割り当て可能な追加のユニバーサル・スイッチを形成することができる。
【0042】
図2A乃至2Dは、神経インターフェース14をステント101とすることができることを示している。ステント101は、ストラット108およびセンサー131(例えば、電極)を有することができる。ステント101は、折り畳み可能であるとともに拡張可能である。
【0043】
図2A乃至2Dは、ステント101が、人の脳の血管、例えば、人の上矢状静脈洞を横断する血管に移植できることをさらに示している。
図2Aは、例示的なモジュール10を示し、
図2B乃至2Dは、
図2Aのモジュール10の3つの拡大図を示す。ステント101は、例えば、頸静脈を介して、一次運動野を覆う上矢状静脈洞(SSS)に留置され、脳信号を受動的に記録し、かつ/または組織を刺激することができる。ステント101は、センサー131を介して、思考9に関連付けられる神経関連信号17を検知することができるので、例えば、神経学的な損傷や病気のために麻痺している人が、エンド・アプリケーション12などの支援技術により直接脳を制御することによって、コミュニケーションを取ったり、移動性を向上させたり、潜在的に自立を実現できる。
図2Cは、通信管路24(例えば、ステントリード)が、ステント101から延び、頸静脈の壁を通過し、皮膚の下を鎖骨下の袋までトンネルすることができることを示している。このようにして、通信管路24により、ステント101と遠隔測定ユニット22との間を容易に通信することができる。
【0044】
図2A乃至2Dは、エンド・アプリケーション12を車椅子とすることができることをさらに示している。
【0045】
図3は、神経インターフェース14(例えば、ステント101)を、ホストデバイス16と無線通信可能な(例えば、遠隔測定ユニット22なしの)無線センサーシステム30とすることができることを示している。
図3は、患者8の運動野の上にある血管104内のステント101が、神経関連信号を拾い、この情報をステント101上に設置された無線送信機32に中継している態様を示している。ステント101によって記録された神経関連信号は、患者の頭蓋骨を通して無線トランシーバー34(例えば、頭部に配置)に無線で送信することができ、このトランシーバーは、続いて取得した神経関連信号をデコードしてホストデバイス16に送信する。別例として、無線トランシーバー34は、ホストデバイス16の一部とすることができる。
【0046】
図3は、エンド・アプリケーション12を義手とすることができることを示している。
【0047】
図4は、神経インターフェース14(例えば、ステント101)を使用して、脳からの、例えば、上矢状静脈洞(SSS)または分岐皮質静脈のニューロンからの神経関連信号17を記録することができることを示すものである。これは、(a)神経インターフェース14を脳内の血管104(例えば、上矢状静脈洞、分岐皮質静脈)に埋め込むステップと、(b)神経関連信号を記録するステップと、(c)記録された神経関連信号を表すデータを生成するステップと、(d)データをホストデバイス16に送信するステップ(例えば、遠隔測定ユニット22を用いて、または用いずに)とを含む。
【0048】
2018年8月3日に出願された米国特許出願第16/054,657号のすべては、そこに開示されているすべてのシステム、デバイス、および方法を含み、そこに開示されている特徴および操作の任意の組み合わせを含む、すべての目的のために、その全体がここに開示されたものとする。例えば、神経インターフェース14(例えば、ステント101)は、例えば、2018年8月3日に出願された米国特許出願第16/054,657号に開示されたステント(例えば、ステント101)のいずれかとすることができる。
【0049】
モジュール10を使用することで、患者8は複数のエンド・アプリケーション12とのインターフェースとなる準備をすることができる。モジュール10を使用することで、患者8は、特定のタスクに関連しない思考(例えば、思考9)の機能である1種類の電子コマンドを使用して、複数のタスクを実行することができる。例えば、モジュール10を用いて、患者8は、1つのタスクに関連しない思考(例えば、思考9)により複数のタスクを実行することができる。
【0050】
例えば、
図5は、一態様における、作動52、54、56、および58を有する、電子デバイスまたはソフトウェアと(例えば、エンド・アプリケーション12と)インターフェースするためにヒトを準備する方法50を示す。
図5は、方法50が、作動52において、ヒトが第1のタスクに関連しない思考を生成したときに、ヒトの神経関連信号を測定して、第1の検知された神経信号を取得することを含むことができることを示している。方法50は、作動54において、第1の検知された神経信号を処理部に送信することを含むことができる。方法50は、作動56において、第1のタスクに関連しない思考および第1の検知された神経信号を、第1の入力コマンドに関連付けることを含むことができる。方法50は、作動58において、第1のタスクに関連しない思考、第1の検知された神経信号、および第1の入力コマンドを電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。
【0051】
別例として、
図6は、一態様において、作動62、64、66、および68を有する、第1のデバイスおよび第2のデバイス(例えば、第1および第2のエンド・アプリケーション12a、12b)を制御する方法60を示す。
図6は、方法60が、作動62において、ヒトがタスクに関連しない思考を生成したときに、ヒトの神経関連信号を測定して、検知された神経信号を取得することを含むことができることを示している。方法60は、作動64において、検知された神経信号をプロセッサーに送信することを含むことができる。この方法は、作動66において、プロセッサーを介して、検知された神経信号を、第1のデバイス入力コマンドおよび第2のデバイス入力コマンドに関連付けることを含むことができる。この方法は、作動68において、検知された神経信号を第1のデバイス入力コマンドおよび第2のデバイス入力コマンドに関連付ける際に、第1のデバイス入力コマンドを第1のデバイスに電気的に送信すること、または第2のデバイス入力コマンドを第2のデバイスに電気的に送信することを含むことができる。
【0052】
別例として、
図7は、一態様において、作動72、74、76、78、および80を有する第1のデバイスおよび第2のデバイス(例えば、第1および第2のエンド・アプリケーション12a、12b)とのインターフェースとするためにヒトを準備する方法70を示す。
図7は、方法70が、作動72において、ヒトが第1のタスクを思い浮かべることによってタスク固有の思考を生成したときに、ヒトの脳関連信号を測定して、検知された脳関連信号を取得することを含むことができることを示している。この方法は、作動74において、検知された脳関連信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、作動76において、処理部を介して、検知された脳関連信号を、第1のデバイス・タスクに関連付けられる第1のデバイス入力コマンドと関連付けることを含むことができる。第1のデバイス・タスクは、第1のタスクとは異なっていてもよい。この方法は、作動78において、処理部を介して、検知された脳関連信号を、第2のデバイス・タスクに関連付けられる第2のデバイス入力コマンドに関連付けることを含むことができる。第2のデバイス・タスクは、第1のデバイス・タスクおよび第1のタスクとは異なっていてもよい。この方法は、作動80において、検知された脳関連信号を第1のデバイス入力コマンドおよび第2のデバイス入力コマンドに関連付ける際に、第1のデバイス入力コマンドを第1のデバイスに電気的に伝送して、第1のデバイス入力コマンドに関連付けられる第1のデバイス・タスクを実行するか、または第2のデバイス入力コマンドを第2のデバイスに電気的に伝送して、第2のデバイス入力コマンドに関連付けられる第2のデバイス・タスクを実行することを含むことができる。
【0053】
別例として、
図5乃至7は、ユニバーサル・スイッチ(例えば、思考9)により複数のエンド・アプリケーション12を制御する方法の変形例を示している。
【0054】
別例として、
図5乃至7に示された作動は、任意の順序および任意の組み合わせで実行および反復することができる。
図5乃至7は、図示された方法や、記載されている特定の作動順序に、本開示を何ら限定するものではない。例えば、方法50、60、および70に記載されている作動は、任意の順序で行うことができ、1つ以上の作動を省略または追加することができる。
【0055】
別例として、一態様における、モジュール10を用いた方法は、ヒトがタスクに関連しない思考(例えば、思考9)を生成したときに、ヒトの脳関連信号を測定して、第1の検知された脳関連信号を取得することを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、処理部が、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、ヒトが思考9を生成するときに対応する脳関連信号を検知することを含むことができる。この方法は、タスクに関連しない思考および第1の検知された脳関連信号を、1つ以上のN個の入力コマンド18に関連付けることを含むことができる。この方法は、タスクに関連しない思考(例えば、思考9)、第1の検知された脳関連信号、およびN個の入力コマンド18を電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号についてヒトを監視すること(例えば、神経インターフェースを使用すること)、および第1の検知された脳関連信号を検知すると、N個の入力コマンド18のうちの少なくとも1つを制御システムに電気的に送信することを含むことができる。制御システムは、エンド・アプリケーション12の制御システムとすることができる。N個の入力コマンド18は、例えば、1乃至100個の入力コマンド18とすることができ、この範囲内の1個の増分ごとの入力コマンド18を含む。N個の入力コマンドは、Y個のエンド・アプリケーション12に割り当て可能であり、Y個のエンド・アプリケーションは、例えば、1乃至100個のエンド・アプリケーション12とすることができ、この範囲内のエンド・アプリケーション12の1増分ごとを含む。別例として、Y個のエンド・アプリケーション12は、例えば、この範囲内のエンド・アプリケーション12の1増分ごとを含む、2乃至100個のエンド・アプリケーション12とすることができる。Y個のエンド・アプリケーション12は、例えば、マウスカーソルの制御、車椅子の制御、およびスペラーの制御のうちの少なくとも1つを含むことができる。N個の入力コマンド18は、タスクに関連しない思考に関連付けられたバイナリ入力、タスクに関連しない思考に関連付けられた段階化された入力、およびタスクに関連しない思考に関連付けられた連続的な軌道入力のうちの少なくとも1つとすることができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号のM個の検知値をN個の入力コマンド18に関連付けることを含むことができ、ここでMは1乃至10以下の検知値である。例えば、Mが1個の検知値である場合、タスクに関連しない思考(例えば、思考9)および第1の検知された脳関連信号は、第1の入力コマンド(例えば、第1の入力コマンド18a)に関連付けることができる。別例として、Mが2個の検知値である場合、タスクに関連しない思考(例えば、思考9)および第1の検知された脳関連信号は、第2の入力コマンド(例えば、第1の入力コマンド18b)に関連付けることができる。さらなる別例として、Mが3個の検知値である場合、タスクに関連しない思考(例えば、思考9)および第1の検知された脳関連信号は、第3の入力コマンド(例えば、第3の入力コマンド18c)に関連付けることができる。第1、第2、および第3の入力コマンドは、1つ以上のエンド・アプリケーション12に関連付けることができる。例えば、第1の入力コマンドは、第1のエンド・アプリケーション用の入力コマンドとすることができ、第2の入力コマンドは、第2のエンド・アプリケーション用の入力コマンドとすることができ、第3の入力コマンドは、第3のアプリケーション用の入力コマンドとすることができ、これにより、1つの思考9が複数のエンド・アプリケーション12を制御することができる。思考9のM個の検知値の各数は、複数のエンド・アプリケーションに割り当てることができ、これにより、M個の検知値の最後までの数(end number)(例えば、1、2、または3個の検知値)は、任意の入力コマンド18に割り当て可能なユニバーサル・スイッチとして機能することができる。第1、第2、および第3の入力コマンドは、それぞれ異なる機能に関連付けることができる。第1、第2、および第3の入力コマンドは、第1の入力コマンドが機能第1パラメータに関連付けられ、第2の入力コマンドが機能第2パラメータに関連付けられ、第3の入力コマンドが機能第3パラメータに関連付けられるように、同じ機能に関連付けることができる。第1、第2、および第3のパラメータは、例えば、速度、音量、またはその両者を段階的に変化させることができる。段階的な速度は、例えば、車椅子の動き、画面上のマウスカーソルの動き、またはその両者に関連付けることができる。段階的な音量レベルは、例えば、自動車のサウンドシステムの音量、コンピューターの音量、電話機の音量、またはそれらの組み合わせに関連付けることができる。N個の入力コマンド18のうちの少なくとも1つは、コンピューター・マウスに関連付けられるクリックおよびホールドコマンドとすることができる。この方法は、タスクに関連しない思考の組み合わせ(例えば、思考9)をN個の入力コマンド18に関連付けることを含むことができる。この方法は、Z個のタスクに関連しない思考の組み合わせをN個の入力コマンド18に関連付けることを含むことができ、ここで、Z個のタスクに関連しない思考は、2乃至10個以上のタスクに関連する思考、または、より広義には、1乃至1000個以上のタスクに関連する思考とすることができ、これらの範囲内の1単位増分ごとを含む。Z個のタスクに関連しない思考のうちの少なくとも1つは、タスクに関連しない思考とすることができ、タスクに関連しない思考は、第1のタスクに関連しない思考とすることができ、これにより、この方法は、ヒトが第2のタスクに関連しない思考を生成するときに、ヒトの脳関連信号を測定して、第2の検知された脳関連信号を取得することと、第2の検知された脳関連信号を処理部に送信することと、第2のタスクに関連しない思考および第2の検知された脳関連信号をN2個の入力コマンドに関連付けることであって、第1および第2の検知された脳関連信号の組み合わせが順次または同時に得られた場合、その組み合わせをN3個の入力コマンドに関連付けることとを含むことができる。タスクに関連しない思考は、体の手足を動かすと言う思考とすることができる。第1の検知された脳関連信号は、脳組織の電気的活動および脳組織の機能的活動のうちの少なくともいずれか一方とすることができる。この例示的な方法における任意の作動は、任意の組み合わせおよび任意の順序で行うことができる。
【0056】
別例として、一態様による、モジュール10を使用する方法は、ヒトが第1のタスクを思い浮かべることによって(例えば、思考9を思い浮かべることによって)第1のタスク固有の思考を生成するときに、ヒトの脳関連信号を測定して、第1の検知された脳関連信号を取得することを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、処理部が、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、ヒトが思考を生成するときに対応する脳関連信号を検知することを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号を、第2のタスクに関連付けられた第1のタスク固有の入力コマンド(例えば、入力コマンド18)に関連付けることを含むことができ、ここで、第2のタスクは、第1のタスクとは異なる(例えば、これにより、思考9は、入力コマンド18が、実行するように構成されたタスクとは異なるタスクを含む)。第1のタスク固有の思考は、関連付けステップとは関連しないものとすることができる。この方法は、第1のタスクとは関連なく、第2のタスクを第1のタスク固有のコマンド命令に割り当てるステップを含むことができる。この方法は、第1のタスクおよび第2のタスクとは関連なく、第3のタスクを第1のタスク固有のコマンド命令に再割り当てするステップを含むことができる。この方法は、第1のタスク固有の思考、第1の検知された脳関連信号、および第1のタスク固有の入力コマンドを電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号についてヒトを監視することと、第1の検知された脳関連信号を検知すると、第1のタスク特定入力コマンドを制御システムに電気的に送信することとを含むことができる。第1のタスク特有の思考は、例えば、物理的なタスクに関するもの、非物理的なタスクに関するもの、またはその両者に関するものとすることができる。生成される思考は、例えば、1つの思考であっても、複合的な思考であってもよい。複合的な思考は、2つ以上の非同時的な思考、2つ以上の同時的な思考、および/または2つ以上の同時的な思考の連続とすることができる。この例示的な方法における任意の作動は、任意の組み合わせおよび任意の順序で行うことができる。
【0057】
別例として、一態様における、モジュール10を用いた方法は、ヒトが第1の思考をしたときにヒトの脳関連信号を測定して第1の検知された脳関連信号を取得することを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、処理部が、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、ヒトが思考を生成するときに対応する脳関連信号を検知することを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号に基づいて、第1のコマンド信号を生成することを含むことができる。この方法は、第1の思考とは無関係に、第1のコマンド信号に第1のタスクを割り当てることを含むことができる。この方法は、第1の思考を第1の検知された電気的脳活動から切り離すことを含むことができる。この方法は、第1の思考および第1のタスクとは関連なく、第2のタスクを第1のコマンド信号に再割り当てすることを含むことができる。この方法は、第1の思考、第1の検知された脳関連信号、および第1のコマンド信号を電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。この方法は、第1の検知された脳関連信号についてヒトを監視することと、第1の検知された脳関連信号を検知すると、第1の入力コマンドを制御システムに電気的に送信することとを含むことができる。第1の思考には、例えば、実際のまたは想像上の筋収縮、実際のまたは想像上の記憶、またはその両者についての思考、または任意の抽象的な思考が含まれ得る。第1の思考は、例えば、1つの思考としたり、複合的な思考としたりすることができる。この例示的な方法における任意の作動は、任意の組み合わせおよび任意の順序で行うことができる。
【0058】
別例として、一態様における、モジュール10を用いた方法は、ヒトが第1の思考をしたときにヒトの脳組織の電気的活動を測定して第1の検知された電気的脳活動を取得することを含むことができる。この方法は、第1の検知された電気的脳活動を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、処理部が、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、ヒトが思考を生成するときに対応する脳関連信号を検知することを含むことができる。この方法は、第1の検知された電気的脳活動に基づいて、第1のコマンド信号を生成することを含むことができる。この方法は、第1のタスクおよび第2のタスクを第1のコマンド信号に割り当てることを含むことができる。第1のタスクは第1のデバイスに関連付けることができ、第2のタスクは第2のデバイスに関連付けることができる。第1のタスクは、第1のデバイスの第1のアプリケーションに関連付けることができ、第2のタスクは、第1のデバイスの第2のアプリケーションに関連付けることができる。この方法は、第1の思考とは関連なく、第1のタスクを第1のコマンド信号に割り当てることを含むことができる。この方法は、第1の思考とは関連なく、第2のタスクを第1のコマンド信号に割り当てることを含むことができる。この方法は、第1の思考、第1の検知された電気的脳活動、および第1のコマンド信号を電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。この方法は、第1の検知された電気的脳活動についてヒトを監視することと、第1の検知された電気的脳活動を検知すると、第1のコマンド信号を制御システムに電気的に送信することとを含むことができる。この例示的な方法における任意の作動は、任意の組み合わせおよび任意の順序で行うことができる。
【0059】
別例として、一態様における、モジュール10を用いた方法は、ヒトがタスクに関連しない思考を生成したときに、ヒトの神経関連信号を測定して第1の検知された神経信号を取得することを含むことができる。この方法は、第1の検知された神経信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、処理部が、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、ヒトがタスクに関連しない思考を生成したときに対応する脳関連信号を検知することを含むことができる。この方法は、タスクに関連しない思考および第1の検知された神経信号を、第1の入力コマンドに関連付けることを含むことができる。この方法は、タスクに関連しない思考、第1の検知された神経信号、および第1の入力コマンドを電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。この方法は、第1の検知された神経信号についてヒトを監視することと、第1の検知された神経信号を検知すると、第1の入力コマンドを制御システムに電気的に送信することとを含むことができる。神経関連信号は、脳関連信号とすることができる。神経関連信号は、ヒトの脳内の神経組織から測定することができる。この例示的な方法における任意の作動は、任意の組み合わせおよび任意の順序で行うことができる。
【0060】
別例として、一態様における、モジュール10を用いた方法は、ヒトが第1のタスクを思い浮かべることによって第1のタスク特有の思考を生成したときに、第1の検知された神経関連信号を得るために、ヒトの神経関連信号を測定することを含むことができる。この方法は、第1の検知された神経関連信号を処理部に送信することを含むことができる。この方法は、処理部が、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを適用して、ヒトが思考を生成するときに対応する脳関連信号を検知することを含むことができる。この方法は、第1の検知された神経関連信号を、第2のタスクに関連付けられた第1のタスク固有の入力コマンドに関連付けることを含むことができ、ここで第2のタスクは第1のタスクとは異なり、それによって、ユーザーが生成した1つの思考により、異なるタスク固有の入力を有する複数のタスクを制御するメカニズムをユーザーに提供することができる。この方法は、タスクに関連しない思考、第1の検知された神経信号、第1の入力コマンド、および対応するタスクを電子データベースにコンパイルすることを含むことができる。この方法は、電子データベースのメモリを利用して、タスクに関連しない思考と、検知された脳関連信号と、タスク、脳関連信号または思考に基づく1つ以上のN個の入力との組み合わせを自動的にグループ化し、使用するためのシステムの自動セットアップのための制御機能を自動的にマッピングすることを含むことができる。神経関連信号は、脳組織の神経関連信号とすることができる。この例示的な方法における任意の作動は、任意の組み合わせおよび任意の順序で行うことができる。
【0061】
モジュール10は、任意の方法の任意の組み合わせを実行することができ、本明細書に開示されている任意の方法の任意の動作を実行することができる。
【0062】
特許請求の範囲は、図面に示された例示的な態様に限定されるものではなく、これに代えて、本開示全体で開示または企図された任意の要素を請求することができる。本明細書で単数形として記載されている要素は、複数形にすることができる(すなわち、「1つ」として記載されているものは、複数にすることができる)。ある属人的要素の種要素は、その属人的要素の他の種要素の特性または要素を有することができる。図を分かりやすくするために、いくつかの要素が省略されている場合がある。上述した本開示を実施するための構成、要素または完全なアセンブリ、および方法とその要素、ならびに本開示の態様の変形例は、任意の組み合わせで互いに組み合わせて変形することができ、各組み合わせをここに明示的に開示する。本明細書に記載されているすべてのデバイス、装置、システム、および方法は、医療(例えば、診断、治療、リハビリなど)または非医療目的で使用することができる。「may」および「can」は入れ替え可能である(例えば、「may」は「can」に、「can」は「may」に置き換えることができる)。開示された任意の範囲は、開示された範囲の任意のサブ範囲を含むことができ、例えば、1乃至10単位の範囲は、2乃至10単位、8乃至10単位、または他の任意のサブ範囲を含むことができる。「Aおよび/またはB」の構文を含む任意のフレーズは、(1)A単独、(2)B単独、(3)AおよびBの両者、または(1)、(2)、(3)の任意の組み合わせを意味し、例えば、(1)と(2)、(1)と(3)、(2)と(3)、および(1)と(2)と(3)を意味する。例えば、本開示における「モジュール10(例えば、ホストデバイス16)は、1つ以上のエンド・アプリケーション12と有線および無線のうちの少なくともいずれか一方で通信することができる」という文章には、(1)モジュール10(例えば、ホストデバイス16)は、1つ以上のエンド・アプリケーション12と有線で通信することができる、(2)モジュール10(例えば、ホストデバイス16)は、1つ以上のエンド・アプリケーション12と無線で通信することができる、(3)モジュール10(例えば、ホストデバイス16)は、1つ以上のエンド・アプリケーション12と有線および無線で通信することができる、または(1)、(2)、および(3)の任意の組み合わせを含むことができる。
【国際調査報告】