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特表2022-533114ロボット化システム用アダプタ交換システム
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  • 特表-ロボット化システム用アダプタ交換システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】ロボット化システム用アダプタ交換システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/04 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
B25J15/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568171
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2020063169
(87)【国際公開番号】W WO2020229459
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】19382374.7
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520047624
【氏名又は名称】オープン マインド ベンチャーズ エス.エル.ユー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルセルズ マルカデ アントニ
(72)【発明者】
【氏名】ギマラー ペドロラ アントニ
(72)【発明者】
【氏名】カレール ビベス ホセ エメ
(72)【発明者】
【氏名】バルセルズ ビベス ベルナト
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707GS03
3C707HT34
(57)【要約】
ツール(2)がその端部の一方に設けられたロボットアーム(1)を備えた、ロボット化システム用アダプタ交換システムであり、前記ツール(2)は、前記ロボットアーム(1)の前記端部に接続された少なくとも1つのアクチュエータ(3)と、前記少なくとも1つのアクチュエータ(3)に着脱可能に接続された少なくとも1つのアダプタ(4)とを備えている。これにより、ツール全体を交換するのではなく、ツールのアクチュエータのアダプタを交換することができるアダプタ交換システムを提供でき、複雑性が低減された、より経済的な解決法を提供できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツール(2)がその端部の一方に設けられたロボットアーム(1)を備えた、ロボット化システム用アダプタ交換システムにおいて、
前記ツール(2)が、前記ロボットアーム(1)の前記端部に接続された少なくとも1つのアクチュエータ(3)と、前記少なくとも1つのアクチュエータ(3)に着脱可能に接続された少なくとも1つのアダプタ(4)と、を備えている
ことを特徴とする、ロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項2】
前記アダプタ(4)が固定部品(71,81)及び交換可能部品(72,82)を含む、
請求項1に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項3】
前記アダプタ(4)の各前記固定部品(71,81)が、前記交換可能部品(72,82)を組み付けるための準備領域(9)を含む、
請求項2に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項4】
前記準備領域(9)がキャビティである、
請求項3に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項5】
前記交換可能部品(72,82)が、前記固定部品(71,81)の前記準備領域(9)に固定される少なくとも1つの連結要素(10)を含む、
請求項3に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項6】
前記連結要素(10)がクリップ又は磁石である、
請求項5に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項7】
前記アクチュエータ(3)が可動タブ(5)を含む、
請求項1に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項8】
前記アダプタ(4)の前記固定部品(71,81)が前記アクチュエータ(3)の前記可動タブ(5)の1つに固定されている、
請求項2及び7に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項9】
前記交換可能部品(72,82)が安全要素を含む、
請求項2に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項10】
前記安全要素がメカニカルヒューズ又は磁石である、
請求項9に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項11】
また、アダプタ交換ベース(11)も備えている、
請求項1~10のいずれか一項に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項12】
前記アダプタ交換ベース(11)が前記アダプタ用の複数のハウジング(12)を含む、
請求項11に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項13】
前記アダプタ用の前記ハウジング(12)の各々が、前記連結要素(10)を補完するピース(13)を含む、
請求項6及び12に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項14】
前記アクチュエータ(3)がクランプである、
請求項1に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項15】
対象物を把持及び輸送するタスクに使用される、
請求項1~14のいずれか一項に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【請求項16】
把持及び輸送される前記対象物が柔軟な層状材料層のブロックである、
請求項15に記載のロボット化システム用アダプタ交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット化システム用アダプタ交換システムに関する。
【0002】
現在、異なるツールを使用して異なるタスクを実行するロボット化された(ロボット化)システムが知られている。上記ロボット化システムは非常に汎用性が高く、上記ツールの特殊化により異なるタスクを実行できる。
【0003】
上記ツールは、幾つかのタイプのアクチュエータ、例えばモータ、クランプ、空気圧ピストン、電磁石などを組み込んでいてもいなくてもよい。アクチュエータを組み込む場合、上記ツールには、特定の実行されるべきアプリケーションのためのアダプタが必要である。当該アダプタは、タスクが実行される対象物に接触するツールの最終部分であり、上記アプリケーションに特有である(例えば、上記アプリケーションが、球状の対象物を把持して移動させることから成る場合、クランプなどのアクチュエータが必要であり、球状の対象物を把持するためのクランプの特別なアダプタが、対象物を移動中に落下させないようにする)。
【0004】
ツールがアクチュエータを組み込んでいるか否かに関わらず、ツール全体が交換される自動ツール交換システムが知られており、すなわち、ツールに何らかのタイプのアクチュエータが組み込まれている場合、アクチュエータがツールと共に交換される。
【0005】
これは、重大な欠点を有する、例えば、
-アプリケーション全体のコスト:上記アクチュエータは、ツールの総コストに対して非常に高価である。すなわち、異なるツールで異なるタスクを実行しなければならないロボットシステムが存在する場合、コストが増大する。なぜなら、多くの場合同じアクチュエータモデルであるが、各ツールに独自のアクチュエータを組み込む必要があるからである。
-機構の複雑性:アクチュエータを組み込んだツールにおいては、上記アクチュエータをロボット化システムの残りの部分に接続するために強力な締結が必要であり、すなわち、ツールの交換には、上記締結の組立て及び分解に必要な力を与え得ることが必須である。しかし、アダプタとアクチュエータとの締結は、それほど強力である必要はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ツール全体を交換するのではなく、ツールのアクチュエータのアダプタを交換することで複雑性を低減し、より経済的な解決法を提供するアダプタ交換システムの必要性が明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアダプタ交換システムにより、上述の欠点が解決され、以下に述べるその他の利点が提供される。
【0008】
本発明によるロボット化システム用アダプタ交換システムは、ツールがその端部の一方に設けられたロボットアームを備え、前記ツールは、前記ロボットアームの前記端部に接続された少なくとも1つのアクチュエータと、前記アクチュエータに着脱可能に接続された少なくとも1つのアダプタとを備えている。
【0009】
この特性により、前記アクチュエータは全てのタイプのツールにおいて同一であるため、ツール全体を交換する必要はなく、アダプタのみを交換すればよい。
【0010】
好ましい実施形態によれば、前記アクチュエータはクランプであり、前記アダプタの自動化された連結解除を可能にする可動タブを含む。
【0011】
前記可動タブは、好ましくは溝の内部に配置される。
【0012】
さらに、前記アダプタは、好ましくは2つの分離された半部を含む。詳細には、前記アダプタの前記各半部は、有利には、固定された部品(固定部品)及び交換可能部品を含む。
【0013】
好ましくは、前記アダプタの前記各半部の各固定部品は、前記交換可能部品を組み付けるための準備領域(準備された領域)を含み、前記交換可能部品は、前記固定部品の前記準備領域に固定されるための少なくとも1つの連結要素を含む。
【0014】
好ましい実施形態によれば、前記準備領域はキャビティであり、前記連結要素はクリップ又は磁石である。
【0015】
さらに、前記アダプタの前記半部分の各々の前記固定部品は、有利には、前記アクチュエータの前記可動タブの1つに固定されている。
【0016】
本発明によるロボット化システム用アダプタ交換システムは、また、有利には、アダプタ交換ベースも備えている。
【0017】
前記アダプタ交換ベースは、前記アダプタ用の複数のハウジングを含み、前記アダプタのための各ハウジングは、前記アダプタの前記交換可能部品の連結解除を可能にするための、前記連結要素を補完するピースを含む。
【0018】
上述の内容がより良好に理解されるように、実際の実施形態を概略的に、且つ単に非限定的な例として示した図面を添付する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明によるアダプタ交換システムを備えたロボットアームの斜視図である。
図2】本発明による交換システムのアクチュエータが見られる、図1のロボットアームの端部の斜視図である。
図3】ツールがより詳細に示された、図1のロボットアームの一端の斜視図である。
図4図3のロボットアームの端部にアダプタの固定部品を取り付けた状態の斜視図である。
図5】アダプタの上半部の側面図である。
図6】アダプタの下半部の側方断面図である。
図7】本発明による交換システムを備えたロボットアームがアダプタを交換ベースのハウジングに配置しているときの斜視図である。
図8】本発明による交換システムを備えたロボットアームがアダプタを交換ベースのハウジングに配置しているときの斜視図である。
図9】本発明による交換システムを備えたロボットアームがアダプタを交換ベースのハウジングに配置しているときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上述のように、本発明の目的は、ロボット化システムのためのアダプタ交換システムであって、ツールの一部分(本明細書において「アダプタ」と称する)のみを交換することを可能にし、ツールの残りの部分(本明細書において「アクチュエータ」と称する)と一緒に交換する必要がないアダプタ交換システムを提供することである。
【0021】
アダプタ交換システムは、ロボットアーム1を備え、ロボットアーム1の端部の一方に、ツール(全体を参照番号2で示す)が配置されている。
【0022】
図示されている実施形態によれば、ツール2は、アクチュエータ3、及び、少なくとも1つのアダプタ4を含む。前記アクチュエータ3は、例えば、ロボットアームの端部の一方に固定されたクランプである(図1)。
【0023】
しかし、1つのツールが2つ以上のアクチュエータ及び2つ以上のアダプタを含み得ることを指摘しておく。
【0024】
前記アクチュエータ3は2つの可動タブ5を含み、これらのタブ5は両溝6(図2)に収容されている。アクチュエータ3の外方向への移動のために、前記タブ5は、電動モータにより共に動かされ、また互いに離間されてクランプ動作を行う。
【0025】
前記タブ5に、図3に見られるように、ツールのアダプタ4が取り付けられる。前記アダプタ4は、2つの半部、すなわち上半部7及び下半部8により形成され、これらの各々がアクチュエータ3の両タブ5に固定される。
【0026】
そして、各半部7,8は2つの部品により形成されており、これらは、アクチュエータ3に固定された1つの部品71,81と、1つの交換可能部品72,82とである。前記交換可能部品72,82は、ロボットシステムにより操作される最終的な対象物と相互作用し、交換可能部品72,82の形状は、対象物及び交換可能部品72,82が実行しなければならないタスクに応じて変化する。
【0027】
アダプタ4の前記固定部品71,81はアクチュエータ3内にあるため、アクチュエータ3のタブ5に強固な組立方法で、例えばねじ14を用いて組み付けられる。
【0028】
そして、前記固定部品71,81は、交換可能部品72,82を連結するためのキャビティの形態の準備領域9を有する。前記交換可能部品72,82は、固定部品71,82への少なくとも1つの迅速な連結要素10、例えばクリップ又は磁石を含み、これらは図5及び図6においてより良く見られる。
【0029】
さらに、前記交換可能部品72,82は、障害物に出会ったときに安全のために、固定部品71,82から、例えばメカニカル(破断可能な)ヒューズ又は(再使用可能な)磁石により分離されることができる。別の実施形態では、安全要素は、交換可部品72,82と固定部品71,81との接続部にあるのではなく、交換可能部品72,82自体に組み込まれることができる。
【0030】
図7図9にアダプタ交換ベース11が示されており、アダプタ交換ベース11は、ロボットシステムがアダプタ4の交換可能部品72,82を分解できるようにツール2を担持する場所である。
【0031】
前記アダプタ交換ベース11は、ツール2のアダプタ4の交換可能部品72,82を固定及びロック解除するための手段を含む。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、アダプタ4の交換可能部品72,82をロック解除するための前記手段は、交換可能部品72,82の連結要素10を押圧するピース13であり、前記ピース13は前記アダプタ4のためのハウジング12に配置されている。
【0033】
アダプタ交換ベース11は、アダプタの異なる交換可能部品72,82を保管する場所であるアダプタストアの一部を形成でき、また、組み立てられたアダプタ4が存在しないときに、ロボットシステムが、次に必要とされるアダプタを探す場所でもある。
【0034】
本明細書中で図示された好ましい表現は、対象物を把持及び搬送するためのツールを示しており、対象物が単一であるか、又は異なる要素で形成されている(例えば柔軟な層状材料の複数の層で形成されたブロック)かに関係ない。前記柔軟な層状材料は様々な異なる形状に成り得、異なるテクスチャ及び剛性を有し得る。その結果、異なるブロックを把持することができるように、ツールの異なるアダプタを有することが必要であり、本発明に示されたものような、迅速で経済的な交換システムが必要である。
【0035】
本発明の特定の実施形態に言及してきたが、当業者には、同封の特許請求の範囲により定義される保護の範囲から逸脱せずに、記載されたアダプタ交換システムに多数の変型及び変更を加えることができ、また、上述の全ての詳細をその他の技術的均等物に置き換え得ることが明らかであろう。
【符号の説明】
【0036】
1 ロボットアーム
2 ツール
3 アクチュエータ
4 アダプタ
5 可動タブ
6 溝
9 準備領域
10 連結要素
71 固定部品
72 交換可能部品
81 固定部品
82 交換可能部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】