(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】密封容器からの漏れを検出する方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
G01M3/20 W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568220
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 IB2020054554
(87)【国際公開番号】W WO2020230066
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019000006918
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517110483
【氏名又は名称】エッフェティ システム ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】FT SYSTEM S.R.L.
【住所又は居所原語表記】VIA LEONARDO DA VINCI 117,I-29010 ALSENO (PC)(IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】フォレステリ,ファビオ
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA44
2G067CC04
2G067DD17
(57)【要約】
密封容器からの流体の漏れを検出する方法であって、密封容器(CT)が配置される検出区域(13)を定めるステップと、検出区域(13)を少なくとも1つのダクト(21)を介して少なくとも1つの気体センサ(19;219a、219b)と連通させるステップと、少なくとも1つのダクト(21)を通してフラッシング気体を検出区域(13)に導入するステップと、検出区域(13)内に容器(CT)を配置するステップと、ダクト(21)を介して検出区域(13)から気体を吸い込むステップ、および気体を容器(CT)内の気体漏れの存在を突き止めるセンサ(19;219a、219b)へ伝達するステップと、を含む方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封容器からの漏れを検出する方法であって、
- 密封容器(CT)が配置される検出区域(13)を定めるステップと、
- 前記検出区域(13)を少なくとも1つのダクト(21a、21b)を介して少なくとも1つの気体センサ(19;219a、219b)と連通するステップと、
- 第1の方向に前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)を通してフラッシング気体を流すことによって前記フラッシング気体を前記検出区域(13)に導入するステップと、
- 前記検出区域(13)内に容器(CT)を配置するステップと、
- 前記検出区域(13)から気体を吸い込むステップ、および前記気体を前記容器(CT)内の気体漏れの存在を突き止める前記センサ(19;219a、219b)へ伝達するステップと、を含み、前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)を介して前記気体を流すことによって、前記気体は、前記検出区域(13)から前記センサ(19;219a、219b)へ伝達される、方法。
【請求項2】
前記検出区域(13)は、前記大気と連通する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器に設けることができる開口部を通しての前記容器(CT)からの流体のあり得る流出を促すために、前記容器(CT)を、前記検出区域(13)に配置されるときに、絞りにかけるステップがさらに用意される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記導入するステップおよび吸い込むステップは、それぞれフラッシング気体送風機(23)および吸込ファン(25)によって実行され、両方は、前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)を介して前記検出区域(13)と連通する、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
前記導入するステップでは、前記検出区域(13)に導入される前記フラッシング気体は、前記フラッシング気体を含む制御された環境からとられ、前記吸い込むステップでは、前記検出区域(13)から吸い込まれた前記気体は、制御されていない環境へ排出される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記導入するステップおよび吸い込むステップは、切替弁(33)を備えるとともに前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)を介して前記検出区域(13)と連通する流れ反転回路により、吸込ファンとして働くとともにフラッシング気体送風機として働く単一のユニット(31)によって実行される、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項7】
前記導入するステップおよび吸い込むステップは、吸込ファンとして働くとともに送風機として働く単一のユニット(31’)によって実行され、前記単一のユニット(31’)は、
- 前記吸い込むステップでは、前記検出区域(13)と連通する前記ダクト(21a、21b)を前記単一のユニット(31’)の入口ポート(31’a)と、および前記単一のユニット(31’)の出口ポート(31’b)を外部環境と、または
- 前記導入するステップでは、前記検出区域(13)と連通する前記ダクト(21a、21b)を前記単一のユニット(31’)の前記出口ポート(31’b)と、および前記単一のユニット(31’)の前記入口ポート(31’a)をフラッシング気体を含む制御された環境と
連通させるようになされた弁(27’)を備えた回路に接続される、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項8】
密封容器からの漏れを検出する装置であって、
- 密封容器(CT)を受け入れるように適合された検出区域(13)と、
- 気体センサ(19;219a、219b)と、
- 前記検出区域(13)および前記気体センサ(19;219a、219b)と連通する少なくとも1つのダクト(21a、21b)と、
- 前記フラッシング気体のための出口ポート(23a)を備えたフラッシング気体送風機(23)であって、前記出口ポート(23a)は、前記ダクト(21a、21b)と連通し、前記送風機(23)は、第1の方向に前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)を通してフラッシング気体を流すことによって前記フラッシング気体を前記検出区域(13)に導入するように構成されている、フラッシング気体送風機(23)と、
- 空気を吸い込む入口ポート(25a)を備えた吸込ファン(25)であって、前記入口ポート(25a)は、前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)と連通し、前記吸込ファン(25)は、前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)を通して前記気体を流すことによって前記検出区域(13)からの気体を吸い込むように構成されている、吸込ファン(25)とを備える、装置。
【請求項9】
前記送風機(25)は制御されていない環境に接続され、前記送風機(25)は前記検出区域(13)から吸い込まれた前記気体を前記制御されていない環境へ排出し、前記フラッシング気体送風機(23)は制御された環境に接続され、前記フラッシング気体送風機(23)は前記制御された環境からフラッシング気体をとる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記送風機および前記吸込ファンは、単一のユニット(31’)であり、前記単一のユニット(31’)は、弁(27’)を備えた回路に接続され、前記弁は、
- 前記ダクト(21a、21b)を前記単一のユニット(31’)の入口ポート(31’a)と、および前記単一のユニット(31’)の出口ポート(31’b)を外部環境と、または
- 前記ダクト(21a、21b)を前記単一のユニット(31’)の前記出口ポート(31’b)と、および前記単一のユニット(31’)の前記入口ポート(31’a)をフラッシング気体を含む制御された環境と
連通させるように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記気体センサ(19;219a、219b)は、前記検出区域(13)と前記吸込ファン(25)または送風機(23)との間の前記少なくとも1つのダクト(21a、21b)に沿って位置する、請求項8から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記ダクト(21a、21b)は、少なくとも1つの拡散器(29)を介して前記検出区域(13)と連通する、請求項8から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
気体を吸い込むおよび導入するための複数のスロット(73)を備える吸込ヘッド(71a...71d)は、前記検出区域(13)内に配置される、請求項8から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記スロット(73)は、試料容器が前記検出区域(13)を通過するときに、前記試料容器全体を実質的に取り囲む周辺バンドに沿って配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ダクト(21)のセグメント(21e)によって互いに直列に接続された一対のセンサ(219a、219b)を備え、前記セグメント(21e)の内容積は、知られており、前記セグメント(21e)は、前記検出区域(13)と連通する前記ダクト(21)に沿った気体伝搬における対応するディレイラインを決定し、2つの前記センサ(219a、219b)から来る対応する信号(M
1、M
2)は、比較器(210)へ送られ、それによって前記比較器(210)によって出力された前記信号(M
3)は、前記第2のセンサ(219b)の信号が、同じ時刻に前記第1のセンサの可変信号によって決定される浮動閾値を超えるときに、前記検出区域(13)内に存在する容器からの漏れの存在を示す、請求項8から14のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封容器からの漏れを検出する方法および装置に関する。本発明による方法および装置は、密封容器からの流体の液漏れを検出することができる。より詳細には、排他的ではないが、流体は、気体または蒸気状態にあってもよく、気体または気体混合物からなり得る、または蒸気または蒸気混合物からなり得る、あるいは気体および蒸気混合物からなり得る。容器は、例えば、ガラス瓶またはボトルなどの硬質の容器と、例えば、様々な種類のプラスチックタブ、バッグ、および可撓性パッケージなどの少なくとも1つの可撓性の壁部を有する容器との両方であり得る。
【背景技術】
【0002】
今のところ、多くの飲料、および他の用途向けの食料として使用するための製品は、以下のパッケージングのやり方のうちの1つを主に用いることによって保存される。
【0003】
主に液体を保存するために使用される第1のやり方によれば、硬質または半硬質の容器は、容器に設けられた適切な開口部を通して保存される物質で充填される。続いて、開口部は、適切な閉鎖要素、例えば、キャップによって密封される。他の場合には、保存される製品は、リボンまたはフィルムによって巻かれるか、または可撓性のプラスチック材料のチューブに導入され、続いてこのようにして得られたパッケージが、1つまたは複数の接合線に沿って溶着することによって密封される。さらに他の場合には、予め形成されたプラスチック材料のタブを使用することが知られている。タブは、そこに設けられた開口部を通して充填され、続いてこの開口部は、タブ壁に溶着されたプラスチックフィルムによって密封される。
【0004】
より一般的には、食料製品は、それだけではないが、パッケージング時に製品が有する化学的物理的特性をできるだけ時間で変化させずに保存する目的で密封パッケージ内に保存される。
【0005】
したがって、前述の方法を適用する際に遭遇する主な問題の1つは、外部環境との汚染を避けるためにパッケージの最適な密封を得るやり方である。多くの用途では、最適な密封は、パッケージが維持される外部圧力で、またはいずれにせよ、通常の使用中、輸送中、および保管中にパッケージが受ける圧力で実質的に気密でなければならない閉鎖を生じる。例えば、食料製品の場合には、パッケージの内部の環境が外部環境と連通し、それにより物質および空気が一方の環境から他方へ通るのを防ぎ、したがって包装された製品を汚染するリスクおよびその官能的特性の衰退を防ぐために、大気圧にあるとき、パッケージは実質的に気密でなければならない。
【0006】
溶着によって密封される容器の場合には、パッケージの気密密封は、例えば、溶着プロセスの間違った実行により、例えば、不完全な溶着によって危うくされる場合がある。溶接温度の設定の誤り、接着溶着材の間違った選択、溶着エリア内の接触面の不完全な平面性、および溶着エリア内の不純物または異物の存在は、容器の気密密封の達成を損ない得るどれも要因である。
【0007】
キャップによって閉鎖されるボトルなどの硬質または半硬質の容器の場合には、よく知られているように、気密密封は、例えば、キャップが施される領域におけるそのキャップまたはボトルの形状不良によって、あるいはキャップ付け機の動作問題、例えば、キャップを施すステップにおけるアライメントの問題によって、危うくなる場合がある。
【0008】
一般に、容器閉鎖における明らかな不完全により生じる容器からの物質の喪失は、注意深い作業者によって目視でも容易に検出することができる。そのような喪失は、一般に、容器からの物質の明らかな流出を必然的に伴う。したがって、そのような状況下では、包装ラインの監督を担当している注意深い作業者は、主に、それを処分してこれが消費者に提供されるのを防ぐために、またはそれをさらなる検査または修理に委ねるために、充填および密封ステップのすぐ下流で不完全な容器を容易に識別し、必要に応じてそれを取り除くことができる。
【0009】
容易に理解できるように、容器からの漏れの検出は、マイクロクラックおよびマイクロ穴による漏れの場合と同じように、漏れが小さくなるにつれて作業者にとってより難しくなる。これらの漏れは、マイクロリーク、すなわち、容器からのとても少量のリークと定められ、これらは、それらが液体または他の物質の明らかな流出を必然的に伴わないので直ちに検出可能ではなく、長い目で見ればそれらは製品の品質を損ない得る。概して、そのようなマイクロリークは、数十ミクロン程度のクラックによって、さらには数ミクロン、例えば3~7μm程のクラックによっても引き起こされる。
【0010】
密封容器からのマイクロリークの存在を有効に検出するやり方の問題を解決するために、いくつかの解決策が、これまで提案されてきた。
【0011】
ヒートシール容器からの漏れを検出するやり方の問題に対する第1の知られている解決策は、例えば、米国特許第3708949(A)号に開示されている。この文献は、ヒートシールされた包みの気密を形成し、続いて検査する方法および装置を開示する。そのような文献に開示された方法は、調整大気導入後に容器が密封されるステップと、容器が機械的ストレスにかけられるステップであって、容器の壁によって囲まれる体積を減少させ、容器内に囲まれる気体の圧力を増加させ、結果的に、それによってマイクロクラックが存在する場合に気体の流出を促進する、容器が機械的ストレスにかけられるステップと、調整大気中に存在するトレーサガスの存在を気体検出器が容器の外部で検出するステップと、検査を通ることができなかった容器が取り除かれるステップとを実質的に含む。
【0012】
熱密封容器の気密を検査する別の知られている方法は、WO2013/011329(A2)に開示されている。この文献の教示によれば、容器は、ことによると密封エリア内に存在するマイクロクラックを通しての気体流出を促進するために、トレーサガスが充填され、圧縮にかけられる。電極の対を含む適切な検出器は、気体マイクロリークが生じる可能性が高い容器の領域の近くに位置する。検出器電極における電圧の変化により、トレーサガスの存在を検出する。
【0013】
WO2017125386(A2)は、典型的には細片の形態にある化学物質が容器に施される方法を開示する。物質は、その物理的特性および/または化学的特性が、物質に接触する気体、例えば酸素の濃度に依存して変化するようになっている。物質の特性の変化は、容器の外部に位置する検出器によって検出可能な発せられた電磁放射の周波数、波長、または位相の変化を引き起こす。
【0014】
DK201570808(A1)は、トレーサガスが導入されている密封容器からの気体リークを検出する装置を開示する。装置は、気密試験中に容器が受け入れられる分析チャンバと、チャンバの内部に真空を作り出すことができるデバイスとを含む。気体検出器は、トレーサガスの存在を検出するためにチャンバと連通状態で配置される。
【0015】
したがって、先行技術の教示によれば、マイクロリークを検出するステップは、一般に、容器が密封される前に容器に導入されるトレーサガス、典型的には二酸化炭素(CO2)、ヘリウム(He)、または水素(H2)の助けを借りて実行される。CO2漏れを検出するために、容器の外部のトレーサガスの存在が、通常、液体またはトレーサガス(例えば、He)が検出されるときに、検出器、例えば、電極によって、あるいは非分散型赤外(NDIR)技法または他の技法に基づく動作をする検出器によって一般に検出される。
【0016】
絞り出し可能な密封容器からの気体漏れの検出の分野では、検査される試料が配置される区域を、例えば、以前の試料の通過に起因するまたは検出区域を取り囲む外部環境から来る気体によって引き起こされる汚染に起因するあり得る微量の望ましくない気体から清浄にするやり方の問題も知られている。
【0017】
EP2755015(A1)は、検出区域を清浄するためにいわゆる圧縮されたエアカーテンを使用することを教示する。また、この文献は、検出区域を汚染し、それによって漏れ検出を変え得る外部気体、より具体的にはCO2のあり得る流れから検出区域を遮るために、複数のエアカーテンを使用することも教示する。本文献の明細書によれば、圧縮空気源から来る空気は、専用ダクト回路を通って装置へ送り届けられ、適切に成形された開口部またはスロットによって拡散されるときに、平面上に実質的に広がり、流速のおかげで、拡散器からある距離にわたってそのような構成を維持する対応するエアカーテンまたはブレード、すなわち気流を定めるように構成された一組のノズルを介して検出区域に出るようになされている。
【0018】
エアカーテンは、検出区域の清浄(フラッシングとも呼ばれる)のために用いられる。だがしかし、エアカーテンは、測定トンネルの始まりと終わりに位置し、機能的な干渉に関する明確に明らかな理由から、エアカーテンは、吸込ファンのすぐ近くに位置することができない。したがって、エアカーテンの有効性は、部分的なものにすぎず、エアカーテンが吸込ファンのすぐ近くに位置することができると仮定するとしても、これは、理論上の仮説にすぎないが、エアカーテンは、吸込ダクトの内部でフラッシングすることができない。したがって、現在知られている技術によるエアカーテンによって実行されるフラッシングは、検出区域に限定されるのに対して、この種類の装置に一般に存在する検出器と連通するダクトなどの装置の他の部分は、何ら空気の変化を受けず、したがって、例えば、工業プラント内の製品進行ラインをスローダウンさせないために、特に、リーク量が小さくまたはとても小さく、試験がとても迅速に実行されなければならない場合に、試料容器からのリークの正確な検出にとって有害であり得る異質な気体によって汚染される可能性が依然としてある。
【0019】
FR2522820(A1)は、容器の近くでベルが検出区域を取り囲む容器からの気体漏れを検出する方法および装置を開示する。気体漏れ測定ステップ中、ベルは、検出される気体の濃度を測定することができる検出器を含む閉回路内で接続される。より詳細には、閉回路は、検出器出口をベル入口に接続する第1のダクトと、ベル出口を検出器入口に接続する第2のダクトとを備える。検出器とベルの間で第1のダクト内で接続されたサーキュレータは、回路の内部で気体循環を引き起こす。容器は、長い期間にわたってベルの下で維持され、したがって、次第に増加する、測定される気体の量が蓄積され、それによってそのような気体は、したがって検出器を通って、回路内で数回循環することができる。新しい測定の前に検出器およびベルを清浄することを可能にするために、閉回路が開かれ、第1のダクト内で測定される気体とは異なる気体が流れるようになされる。だが、そのよう気体は、第2のダクト中で流れるようにされず、したがって、第2のダクトは、以前の測定の気体によって汚染される可能性が依然としてある。
【0020】
したがって、前述の方法は、閉回路内で同じ気体が繰り返し通過することによって検査される気体の均質化をもたらす。また、教示された方法は、装置全体の有効かつ迅速な清浄を可能にしないという欠点を有し、それによってある容器および続く容器からの気体漏れの測定間の動作をスローダウンさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の第1の目的は、先行技術に関して上述された制約および欠点の影響を受けない密封容器からの漏れを検出する方法および装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、リークが少量またはとても少量である、すなわち、リークがマイクロリークに相当し、数ミクロンの開口部によって引き起こされる場合でも、可撓性タイプの硬質の、容器が機械的に絞られている、または容器が機械的に絞られていない様々な種類の容器からの漏れを検出することを可能にする上記種類の方法および装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、もしあれば、漏れのより高速な検出を可能にし、したがって生産または容器処理プラントの稼働速度を最大にすることを可能にする方法および装置である、先行技術と比較した場合に改善された稼働速度を可能にする密封容器からの漏れを検出する方法および装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらに別の目的は、周囲環境の条件の乱れまたは変化が存在する場合でも、漏れ検出におけるより高い精度を可能にする上記種類の方法および装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる(ただし、最後ではない)目的は、大規模な工業的利用を方法および装置が有することができるように、信頼できるとともに安価なやり方で使用できる方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記または他の目的は、添付の特許請求の範囲に記載された方法および装置によって実現される。
【0027】
本発明の説明
密封容器からの漏れを検出する方法は、気密が検査される容器が検出区域内に配置されるステップと、検出区域内に存在する空気が検出区域と連通する少なくとも1つの吸込ダクトを介して吸い込まれるステップとを主に含む。本発明によれば、吸込ステップは、ダクトおよび検出区域をフラッシングするステップによって先行され、このフラッシングステップは、フラッシング気体を検出区域に導入することによって、および吸込ステップ中に吸い込まれた空気が流れる方向とは反対の方向に上述した同じダクトを介してフラッシング気体を流すことによって実行される。また、好ましくは、検出区域は、大気と連通している。
【0028】
本発明の一実施形態では、吸込ステップおよびフラッシングステップは、それぞれ、ダクトと連通する吸込ポートを有する吸込ファンによって、および同じダクトと連通する出口ポートを有する送風機によって実行される。電気機械弁、例えば、三方弁が、吸込ステップ中にダクトを吸込ファンと連通し、フラッシングステップ中に送風機と連通するためにさらに設けられる。同じ三方弁は、吸込ステップ中にダクトと送風機の間の連通を閉鎖し、フラッシングステップ中にダクトと吸込ファンの間の連通を閉鎖する。したがって、本実施形態によれば、検出区域およびフラッシングからの空気吸込は、それぞれ例えば三方弁を介してダクトおよび検出区域と排他的に連通される2つの別個で独立したユニット、すなわち、吸込ファンおよび送風機によって実行される。好ましくは、導入ステップでは、検出区域に導入されたフラッシング気体は、フラッシング気体を含む制御された環境からとられ、および吸込ステップでは、検出区域から吸い込まれた気体は、制御されていない環境へ排出される。
【0029】
本発明の代替実施形態では、検出区域からの空気吸込およびフラッシングは、したがって吸込ファンとして働くとともに送風機として働く単一のユニットによって実行される。ユニットは、
- (検出区域からの空気吸込のステップでは)検出区域と連通するダクトをユニットの入口ポートと、およびユニットの出口ポートを外部環境と、または代替では、
- (フラッシングステップでは)検出区域と連通するダクトをユニットの出口ポートと、およびユニットの入口ポートをフラッシング気体または気体混合物を含む制御された環境と
連通させるようになされた弁を備えた回路に接続される。
【0030】
本発明のさらなる実施形態では、検出区域からの空気吸込およびフラッシングは、代替として、単一のインペラのブレードの動きを逆にすることによって吸込ファンとして動作するとともに送風機として動作することができる単一の逆転可能なユニットによって実行される。また、本実施形態では、好ましくは、吸込ステップでは、単一の逆転可能なユニットは、吸い込んだ気体を外部環境へ排出し、一方、フラッシングステップでは、単一の逆転可能なユニットは、それを含む制御された環境からフラッシング気体をとる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの気体センサが、検出区域と吸込ユニットまたは送風機の間で吸込およびフラッシングダクトに沿って設けられ、このセンサは、検出区域から来るダクトを通って流れ、センサをかすめる気流中の所与の気体または気体混合物の存在を示す電気信号を生成するように配置される。
【0032】
したがって、本発明によれば、漏れを検出する方法は、好ましくは、
- 密封容器が配置される検出区域を定めるステップと、
- 検出区域をダクトを介して気体センサと連通させるステップと、
- 第1の方向にダクトを通してフラッシング気体または気体混合物を流すことによってフラッシング気体または気体混合物を検出区域に導入するステップと、
- 検出区域内に容器を配置するステップと、
- 検出区域から気体試料を吸い込むステップ、および気体試料を容器内の気体漏れの存在を突き止めるセンサへ伝達するステップと、を含み、第1の方向とは反対の第2の方向にダクトを介して気体を流すことによって、気体は、検出区域からセンサへ伝達される。
【0033】
本発明によれば、容器を検出区域内に配置するステップは、フラッシング気体の導入の前または後に行われ得る。好ましくは、しかしながら、検出区域内へのフラッシング気体の導入は、検査される容器が検出区域内に配置された後に中止される。
【0034】
本発明の特定の態様によれば、検査される密封容器を受け入れるようになされている検出区域を定めるステップ、およびフラッシングステップは、検出区域内に一定の濃度を有するおよび乱流がほぼない気体雰囲気を生成するように実行される。本発明によれば、一定の濃度を有し、乱流のない1種または複数種の気体を含む大気は、大気中の気体濃度にできるだけ類似する混合物を有する環境を形成することによって、または検出される気体がないまたは気体が限られたおよび安定した濃度で存在する制御された環境から好ましくは来る気体または気体混合物を、好ましくは拡散器によって、検出区域に導入することによって得ることができる。本発明によれば、検出区域に導入される気体の流れは、できるだけ層流で乱流がない流れでなければならないことが好ましい。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、容器は、1つまたは複数の拡散器が設けられているトンネルの内部のコンベヤベルト上で変位するようになされており、好ましくは、これらは、同じ容器の任意の部分におけるあり得るリークの存在を監視するために、ベルトが進行しつつ試料の外形全体を分析するように配置される。
【0036】
また、本発明によれば、絞る手段が、容器が検出区域内にあるときに容器からのあり得る気体流出を促すために設けられることが好ましい。また、実行された検査の結果に応じて容器を処分する手段は、検出区域の下流に設けられてもよい。
【0037】
この第1の態様によれば、本発明は、容器の内部の大気中のトレーサガスの濃度が周囲環境における濃度とは異なるときに、密封容器から気体のマイクロリークを検出することを可能にする。
【0038】
また、適宜、本発明は、容器の近くで大気中に存在する気体混合物の濃度を修正する可能性も与える。したがって、本発明は、容器内部の大気中のトレーサガス濃度が調整前の周囲環境におけるものと同じであるとき、容器からの気体のマイクロリークの検出を可能にする。
【0039】
容器を密封する前に容器に導入されるトレーサガスの一例として例によってCO2を参照すると、本発明は、記載された第1の態様によれば、大気の濃度を超える濃度(典型的には400ppm)の容器内部のCO2の存在を与え、記載された第2の態様によれば、大気の濃度とほぼ同じ濃度のCO2を与える。第2の場合には、前述したように、本発明は、検出区域内に調整大気、すなわち、CO2の濃度が低いまたはCO2がない大気を定めることを与える。本発明のこの第2の態様は、例えば、窒素などの純粋な気体を検出区域に導入することによって実現することができる。
【0040】
以下、CO2は、しばしば、検出されるトレーサガスと呼ばれるが、本発明は、O2、H2などの任意の他のトレーサガス、および目的に適した他の気体または気体混合物を使用することができる。
【0041】
本発明によれば、検査される密封容器は、好ましくは容器を検出区域へ伝達することができる少なくとも1つのコンベヤベルトまたは円形コンベヤ、あるいはコンベヤまたは任意の他の装置を含む位置決め組立体によって検出区域内に配置される。位置決め組立体は、検出区域内に容器を正確に配置する一対のサイドガイドを含むことがさらに好ましい。
【0042】
位置決め組立体は、それぞれ、容器を検出区域に導入するまたは入れるための、および検出区域から容器を取り出すまたは出すための一対のコンベヤベルトをさらに含むことが好ましい。
【0043】
マイクロ穴が存在する場合に、気体流出を促すために、密封中の検査される容器を絞ることができる絞り組立体が、検出区域内に適宜設けられてもよい。好ましくは、絞り組立体は、検査される製品の進行方向に対して好ましくは横方向に配置され、製品が進行する平面にほぼ平行な回転軸を有する一対の回転可能なローラを含む。検査される製品がコンベヤベルト上で進行するとき、好ましくは、回転可能なローラは、ベルトの進行方向を横切る回転軸を備えて、ベルト平面に平行な平面上に配置される。好ましい実施形態では、各ローラは、一対のフローティングアームに吊り下げられ、検出区域内に位置する容器を絞るのに適した圧力をアーム上へ、したがってローラ上へ付与できる対応する空気圧シリンダに接続されている。駆動ベルトを介してローラを回転させるモータが、各アームの枢動軸に設けられる。アームの枢動軸は、検出装置の構造に対して固定され、一方、ローラの回転軸の空間位置は、容器が検出区域内を通っている間に空気圧シリンダによって付与される圧力に応じて変化し得る。絞り組立体のアーム、空気圧シリンダ、および関連したローラを備えた記載した組立体は、全体的に第3種てこを定める。その瞬間に検出区域内に存在する試料容器に対してのアームの角度位置、およびしたがってローラの位置を示す電気信号を生成することができる角度ポテンショメータは、各アームの枢動軸で装置の定常構造へ設けられる。角変位は、検出を受ける試料容器の存在を示す。アームおよびローラの角変位は、試料が存在し、絞られていることを示す。試料が絞られていない場合、例えば、試料が非常に絞られた状態に到達している場合、その試料は、処分される。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、絞り組立体のローラは、側部保護のための一対の端板によって境界付けられる中央部が定められる円筒体を含む。ローラが吊り下げられるフローティングアームの1つの枢動軸に対応して位置するモータによって付与される動きを伝達するベルトによって係合される溝付きプーリは、端板の1つの外側に設けられる。
【0045】
好ましくは、ローラの中央部は、断面で見られるとき、内側から始まって半径方向外側に向かうとき、例えば鋼鉄またはアルミニウム製のほぼ硬質および中空の内側中央スリーブと、例えば発泡ゴム製のソフト層と、試料容器をスリップさせることなく進めさせるために、通る試料容器の表面に対して強い摩擦を及ぼすことができる滑り止め材の外側コーティング、すなわち、高いグリップを有する材料、例えば、天然ゴムと、を含む。シャフトは、その端部が端板および外側プーリと一体であり、中央スリーブの内部に設けられる。
【0046】
代替例では、絞り組立体のローラは、中空ゴムスリーブを含み、その外面は、滑り止め特性を有し、その空洞は、ローラの下を通っている間に試料容器が対抗する絞りに対する抵抗力により、外部半径方向スラストによっていくらかの柔らかさおよび圧縮能力を決定する。
【0047】
本発明の好ましい実施形態によれば、気体を吸い込むための複数のスロットを備える吸込ヘッドは、検出区域内に位置する。有利には、スロットは、試料容器が検出区域内を通っている間に、試料容器全体を実質的に取り囲む周辺バンドに沿って配置される。スロットは、試料の進行方向にほぼ直交する平面内にある周辺バンドにわたって分散されることが有利である。したがって、全体的に、スロットは、周辺バンドの上面、2つの側面、および下面に沿って配置される。例えば、3つの上スロットおよび3つの下スロットが設けられてもよく、一方、側面スロットは、側面ごとに設けられ、合計2つの側面スロットになる。また、各スロットは、それぞれのダクトと連通し、気体センサと連通する。
【0048】
検出区域は、拡散器をさらに備え、エアカーテンまたはブレードはこれを通って吹かれ、周囲環境から来る気体による汚染から検出区域を隔絶するのに貢献する。
【0049】
本発明の好ましい実施形態によれば、検出ヘッドが検出区域内を通る試料容器全体をほぼ取り囲む周辺バンドに沿って延びることを考慮に入れるとスロットバンドの下面のスロットからのおよびそこへの気流を許すための遊びの区域をコンベヤベルトの中断時に作り出すように、コンベヤベルトを中断するのが好ましい。したがって、好ましくは、コンベヤベルトは、試料を区域に配置し、スロットのバンドの内部で試料を通させるように検出区域に向かう方向に進行する入力セクションと、検出区域から離れる方向に進行する出力セクションとを含み、それによって試料を容器処理プラント内の続く目的地に向かって区域から移動させる。周辺バンドの下面内のスロットは、入力セクションの終わりと出力セクションの始まりの間でコンベヤベルトの中断に対応して位置する。代替では、コンベヤベルトは、通気性材料で作製されてもよく、または検出区域からの気流および検出区域への気流を可能にする他の手段が、試料製品を運ぶために使用されてもよい。
【0050】
好ましくは、上面上に位置し、検出ヘッドの側面に沿っているスロットは、様々なサイズを有する容器の存在に対処するように高さが調整可能である。
【0051】
好ましくは、上面に沿って位置するスロットは、周辺バンドの周辺に対して斜めに配置され、バンドの平面に対して約15°から30°の範囲の角度だけ傾斜している。好ましくは、周辺バンドの側面に沿って位置するスロットは、それぞれの側面にほぼ直交して、および試料の進行方向に平行に配置される。好ましくは、下面に位置するスロットは、下面に平行であり、試料の進行方向に直交する。好ましくは、下スロットは、例えば3つのチャネルをスロットごとに1つ有する吸込組立体内に定められる。下側吸込組立体は、台形の断面形状を有する細長い本体を有する。対応するスロットをそれぞれの気体出口ポートと連通させる空洞は、細長い本体の内部に定められる。この場合には、全体的に3つのスロットが設けられ、それらは、細長い本体の長さよりも短い長さを有し、2つの平行なライン上に配置される。また、スロットは、細長い本体の全長にわたって吸込みの連続性を確実にするようにそうオフセットされる。スロットを通して吸い込まれた流体をそれぞれの出口ポートに向かって運ぶ吸込ダクトを定める細長い本体の内部空洞は、鋭角を避け、そこを通って流れる流体の層流を促すように構成されている。
【0052】
上面に位置するスロットは、2つのチャネルをスロットごとに1つ有する上側吸込組立体内に定められる。上側吸込組立体は、ほぼ平行六面体の形状を有する細長い本体を有する。対応するスロットをそれぞれの気体出口ポートと連通させる2つの空洞は、細長い本体の内部に定められる。2つのスロットは、全体的に設けられ、それらは、細長い本体の長さよりも短い長さを有し、試料の進行方向に直交する平面上にスロットの突出部の重なり合いがあるように斜めに配置され、細長い本体の幅全体にわたって吸込みの連続性を確実にするようになっている。スロットを通して吸い込まれた流体をそれぞれの出口ポートに向かって運ぶための吸込ダクトを定める細長い本体の内部空洞は、鋭角を避け、その中を流れる流体の層流を促すように構成されている。
【0053】
好ましくは、各側面に位置するスロットは、1つのチャネルを有するそれぞれの側部吸込組立体に定められ、1つの組立体は、各側面に設けられる。側部吸込組立体は、ほぼ平行六面体の形状を有するプリズム本体を有する。対応するスロットをそれぞれの気体出口ポートと連通させる空洞は、本体の内部に定められる。吸込体とほぼ同じ長さを有し、試料の進行方向に平行に配置された単一のスロットがある。スロットを通して吸い込まれた流体をそれぞれの出口ポートに向かって運ぶ吸込ダクトを定める細長い本体の内部空洞は、鋭角を避け、そこを通って流れる流体の層流を促すように構成されている。
【0054】
本発明の第1の利点は、検出区域のフラッシングが、気体が検出区域から吸い込まれるのと同じダクトを通して行われることによる。したがって、本発明によれば、ダクトは、双方向のやり方で使用され、これは共に、検出区域からの気体の吸込みのため、およびセンサに向かっての気体の移送のため、ならびにフラッシング気体または気体混合物を検出区域に導入するためである。このような構成は、検出区域とセンサとの間、およびセンサと吸込ファンとの間に配置されるダクトによって定められる望ましくない気体のあり得る存在に関してより重要な、試料が通る検出区域からと区域からとの両方から望ましくない気体を迅速なやり方で洗い流すことを可能にする。また、これは、外部環境への強制的でない拡散によって、望ましくない気体が区域を去るのを待つが必要なく、作業のスピードアップを可能にする。また、常にそのような配置のおかげで、また、センサが位置する空間、および同じセンサの内部空間は、フラッシング気体または気体混合物の作用によってフラッシュされる。そのような配置のおかげで、これにより、試料が通り、ダクトが気体をセンサに向かって運ぶ環境が、先の試料の通過により望ましくない気体によって汚染されるリスクを最小にし、したがって、微視的量、すなわち、マイクロリークの漏れを検出する能力がかなり改善される。
【0055】
有利には、本発明は、容器の可撓性壁に偶然に存在する数ミクロン、例えば3~7μm程度ほどのサイズである(マイクロ穴である)小さいサイズでも穴からの気体または気体混合物のマイクロリークである漏れを少量でも検出することを可能にする。
【0056】
また、本発明は、検出の感度自体をかなり増加させることができる検出方法を実施する可能性を適宜もたらす。そのような検出方法は、検出感度を有利に増加させることを可能にし、したがって、検出区域内に存在する大気中の試料容器からのトレーサガスのマイクロリークにより、わずかなトレーサガス濃度の存在を検出することを可能にする。
【0057】
したがって、本発明は、トレーサガス濃度が外部環境のトレーサガス濃度と大差ない容器から気体のマイクロリークを検出することが可能にする。本発明によれば、そのような検出方法は、容器の近くで気体混合物の組成を変更する機能なしで、またはこの機能と組み合わせて実施することができる。
【0058】
本発明のそのようなさらなる実施形態によれば、少なくとも2つのセンサが設けられ、トレーサガスの存在を示すそれぞれの信号を生成するようになされている。両センサは、検出区域から吸い込まれた同じ気体の流れによって直列に通過され、続いて第2のセンサ、すなわち、第1のセンサの下流に位置するものが、第1のセンサに対して遅延した信号を生成する。
【0059】
そのような実施形態の代替では、単一のセンサが設けられ、遅延は、検出区域から来る同じ気体の流れを、まず、このセンサ中をある方向に通し、次いで反対方向に通すことによって得られる。
【0060】
本発明のいくつかの好ましい実施形態を、下記添付図面を参照して、非限定の例によって与える。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図2A】本発明の好ましい実施形態による装置の側面斜視図である。
【
図2B】
図2Aに示された装置の検出区域の側面斜視図である。
【
図3A】第1の実施形態による絞りローラの斜視図である。
【
図3B】端板が取り除かれている、
図3Aに示された絞りローラの斜視図である。
【
図4】変形実施形態による絞りローラの断面斜視図である。
【
図8】本発明による装置の第2の実施形態の概略図である。
【
図10】異なる強度の2つのトレーサガス濃度信号を含むグラフである。
【
図11A】漏れを示していない気体濃度信号としてのグラフである。
【
図11B】漏れを示していない気体濃度信号としてのグラフである。
【
図11C】漏れを示していない気体濃度信号としてのグラフである。
【
図12】本発明の第2の実施形態の比較回路の図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態における一対のセンサによって生成される一対の気体濃度信号のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
全ての図において、同じ参照番号は、等しいまたは機能的に均等な構成要素を示すために用いられている。
【0063】
図1Aを参照すると、本発明の好ましい実施形態により作製され、検出区域13を備える検出装置11が概略的に示されている。検出区域13は、すなわち、容器CTの内容物を容器の外部の周囲環境と連通することができる開口部に関する可能性のある漏れの存在を突き止めるために検査される密封容器CTを受け入れるようになされている。本発明の好ましい実施形態によれば、検出区域13は、フレーム17を含む支持構造15によって定められ、それは、外部環境と連通する。
【0064】
装置11は、センサ19を通過する気体混合物中の特定の気体の存在を示す電気信号を生成するようになされている気体センサデバイス19をさらに備える。本発明の特定の実施形態では、気体はCO2であり、センサ19は、IRエミッタおよび対応する光検出器を備えた測定セルを含む赤外線CO2センサである。分析される気体混合物は、センサ19中の測定セルを通過するときに、光検出器に関連した電気回路中を通る電気信号の少なくとも1つのパラメータの変化を引き起こす。変化は、存在しているCO2の量に、すなわち、センサ19を通過する混合物のCO2濃度に比例する。他の実施形態では、異なるタイプの気体センサは、様々なモダリティでCO2を検出するように、または様々な種類の気体、例えばHeまたはH2を検出するように設けられ得る。そのようなセンサは、当業者に知られており、したがってそれらはより詳細には説明されない。
【0065】
装置11は、検出区域13および気体センサ19と連通するダクト21をさらに含む。本発明によれば、それが以下の説明からより明らかになるように、気体は、検出区域13からの気体吸込のステップにおいて検出区域13からセンサ19へ第1の方向(矢印f1)にダクト21を通って流れ、気体フラッシングステップにおいてセンサ19から検出区域13へ第1の方向とは反対の第2の方向矢印(f2)に流れる。
【0066】
図1Aに示された本発明の実施形態によれば、装置11は、フラッシング気体が出る、ダクト21と連通する出口ポート23aと、フラッシング気体を含む制御された環境(図示せず)に接続された吸い込んだ気体の入口のための入口ポート23bとを備えたフラッシング気体送風機23を備える。図示の実施形態では、装置11は、空気が吸い込まれ、ダクト21と連通する入口ポート25aと、制御されていない環境、例えば、外部環境に吸い込まれた空気を排出するための出口ポート25bとを有する吸込ファン25をさらに備える。常に、図示の実施形態を参照して、ダクト21は、検出区域13とセンサ19の間に接続された第1のセグメント21aと、センサ19と三方切替弁27の第1のポートとの間に接続された第2のセグメント21bと、弁27の第2のポート27bと送風機23の間および弁27の第3のポート27cと吸込ファン25の間でそれぞれ接続された2つのセグメント21cおよび21dとを備える。
【0067】
本発明のこの好ましい実施形態では、セグメント21aは、拡散器29を通して検出区域13と連通する。本発明によれば、単一の検出区域13は、複数の拡散器29を備えることができる。例えば、区域13内を通る容器CTを取り囲む拡散器29が、区域13内を通る容器CTの側面のほぼ全体が拡散器29による空気吸込の影響を受けるように設けることができる。
【0068】
図1Bを参照すると、本発明の特定の実施形態では、拡散器29は、並列に配置されたダクト21のそれぞれのセグメント21aを介して単一のセンサ19と連通する。
【0069】
図1Cを参照すると、別の実施形態では、複数の拡散器29が設けられ、各々は、それぞれのセンサ19、送風機23、吸込ファン25、および弁27を備えた独立したおよび別個の検出システムに属する。
【0070】
図1Dを参照すると、本発明のさらに別の実施形態では、前述されたもの同士間の中間の構成が設けられ、各拡散器29は専用センサ19を備え、各センサ19は、ダクト21のそれぞれのセグメント21bを介して、単一の送風機23および単一の吸込ファン25に関連した単一の弁27と連通する。
【0071】
常に本発明によれば、例えば、上述した構成の組合せから生じる他の実施形態が考えられ得る。
【0072】
また、好ましくは、各拡散器29は、区域13、およびこの区域13内を通って検査される容器CTの幾何学的形状にフィットするように構成および方向付けされてもよい。
【0073】
好ましくは、送風機23が気体を吸い込む制御された環境は、特定の気体、例えば、検査される容器内に存在するトレーサガスとは異なる気体、または検査される容器内に存在するこの種類の気体の濃度が容器内の同じ気体の濃度よりも低い気体混合物の混合物を含む。
【0074】
図1Aから
図1Dに戻ってみると、送風機23および吸込ファン25がダクト21ごとに設けられている本発明の実施形態が示されている。送風機23は、ダクト21のセグメント21cを介してダクト21と連通する出口ポート23aを有し、吸込ファン25は、同じダクト21のセグメント21dを介してダクト21と連通する入口または吸込ポート25aを有する。三方弁27は、吸込ステップ中にダクト21を吸込ファン25と連通させ、フラッシングステップ中にダクト21を送風機23と連通させるようにさらに設けられる。同じ三方弁27は、吸込ステップ中ダクト21と送風機23の間の連通を閉鎖し、フラッシングステップ中ダクト21と吸込ファン25の間の連通を閉鎖する。したがって、本発明の本実施形態によれば、検出区域13からの空気吸込およびフラッシングは、三方弁27を介してダクト21および検出区域13と排他的に連通される2つの別個で独立したユニット23、25によって実行される。
【0075】
図1Eを参照すると、検出区域13からの空気吸込およびフラッシングステップが、したがって吸込ファンとして働くとともにフラッシング気体送風機として働く単一のユニット31によって実行される、本発明による装置11の代替実施形態が概略的かつ部分的に示されている。ユニット31は、ユニット31の入口/出口ポート31aまたは出口/入口ポート31bと代替的に連通する検出区域13にダクト21を連通させるようになされる弁33を組み込む。ユニット31は、例えば、逆転可能なブロワユニットまたは圧縮機からなり得る。また、吸込ステップ中、単一のユニット31は、吸い込まれた気体を外部環境へ排出する一方、フラッシングステップでは、単一のユニット31は、フラッシング気体を含む制御された環境からフラッシング気体をとる。
【0076】
図1Fを参照すると、検出区域13からの空気吸込およびフラッシングステップが、したがって吸込ファンとして働くとともにフラッシング気体送風機として働く単一のユニット31’によって実行される、本発明による装置11の別の代替実施形態が概略的かつ部分的に示されている。ユニット31’は、
- (検出区域13からの空気吸込のステップ時に)ダクト21のセグメント21bをユニット31’の入口ポート31’aと、およびユニット31’の出口ポート31’bを外部環境と、または代替では、
- (フラッシングステップ時に)ダクト21のセグメント21bをユニット31’の出口ポート31’bと、およびユニット31’の入口ポート31’aをフラッシング気体を含む制御された環境と
連通させるようになされた弁27’、好ましくは五方弁と連通する。
【0077】
本発明のさらなる実施形態では、検出区域13からの空気吸込およびフラッシングは、吸込ファンとして、またはその動作の動きの方向を逆にすることによって送風機として動作することができる単一の逆転可能なユニットによって実行される。
【0078】
図2Aから
図2Dを参照すると、図示された本発明の実施形態によれば、検査される試料容器は、位置決め組立体51によって装置11内に定められた検出区域13内に配置される。本実施形態によれば、位置決め組立体51は、それぞれ、容器を検出区域13に導入するまたは入れるための、および検出区域13から容器を取り出すまたは出すための一対のコンベヤベルト53、55を備える。好ましくは、位置決め組立体51は、検出区域13内に、好ましくは、区域13の中央に容器を正確に位置決めする一対のサイドガイド55a、55bをさらに備える。
【0079】
常に、本実施形態を参照すると、絞り組立体57が、検出区域13内にさらに設けられ、絞り組立体57は、コンベヤベルト53、55の進行方向「d」を横切って配置され、検査される試料容器が配置されるベルト53、55によって定められる平面にほぼ平行な回転軸「S1」を有する一対の回転可能なローラ59a、59bを含む。各ローラ59a、59bは、一対のフローティングアーム61に対して吊り下げられ、それぞれの空気圧シリンダ63にそれぞれ接続され、検出区域13内に位置する容器を絞るのに適した圧力をアーム61上へ、およびしたがってローラ59a、59b上へかけることができ、開口部が容器内に存在する場合、容器の内部から区域13内の周囲環境に向かう気体漏れを促すことができる。
【0080】
駆動ベルト67を介してローラ59a、59bを回転させるモータ65が、各アーム61の枢動軸「S2」に対応して設けられている。アーム61の枢動軸「S2」の位置は、装置11の構造15に対して固定されるのに対して、ローラ59a、59bの回転軸「S1」の位置は、容器が検出区域13内を通っている間に空気圧シリンダ63によってかけられる圧力に応じて変化し得る。アーム61、対応する空気圧シリンダ63、および説明された絞り組立体57のアームに関連したローラ59a、59bを備える説明された組立体は、全体的に、第3種てこを定める。関連したアーム61の角度位置、結果的にその瞬間に検出区域13内に存在する試料容器に対するローラ59a、59bの位置を示す電気信号を生成することができる角度ポテンショメータ69が、各アーム61の枢動軸「S2」に対応して装置11の定常構造15のフレーム17上へ設けられる。角変位は、区域13内の検査される試料容器の存在を示す。アーム61および関連したローラ59a、59bの角変位は、試料が区域13内に存在すること、および試料が絞り組立体57によって部分的に変形されたことを示す。試料が絞られていない場合、例えば、容器が重大なリークを受けており、したがって容器はぐにゃぐにゃまたはしぼんでいるために、例えば、容器がすでにとても平らになっている場合、その試料は処分される。
【0081】
気体吸込のための複数のスロット73を備えたそれぞれの吸込ヘッド71a、71b、71c、71dをそれぞれ含む複数の拡散器29a、29b、29c、29dが、検出区域13内に位置する。スロット73は、試料容器が検出区域13内で移動している間に、試料容器を実質的に取り囲む周辺バンドに沿って概して配置される。また、周辺バンドは、ベルト53、55上の試料の進行方向「d」にほぼ直交する平面「P1」上に配置される。スロット73は、周辺バンドの上面、一対の側面、および下面に沿って概して配置される。2つのスロット73は、上面に位置し、上拡散ヘッド71aに属し、4つのスロット73は下面に位置し、下拡散ヘッド71dに属し、1つのスロット73が、各側面に位置し、合計で2つの側面スロット73であり、これは、それぞれ側部拡散ヘッド71bおよび71cに属する。また、各スロット73は、スロットを備えた対応するヘッドに形成されたそれぞれのダクトと連通し、このダクトは、ポート75を介して気体センサ19と連通する。本発明のこの特定の実施形態に対して説明および関連した構成によれば、周辺バンドに沿った各スロット73は、それぞれのポート75に関連している。ポート75は、
図1Aから
図1Dに関連して上述した実施形態の1つにより、同数のセンサ19または単一のセンサ19に接続され得る。
【0082】
検出区域13は、補助的な拡散器77をさらに備え、エアカーテンまたはブレードはこれを通って吹かれ、周囲環境から来る気体による汚染から検出区域13を隔絶するのに貢献する。
【0083】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、絞り組立体57のローラ59a、59bは、一対の側端板81b、81cによって境界付けられる中央部81aが定められる円筒体81を含む。溝付きプーリ83は、対応するローラ59a、59bが吊り下げられるフローティングアーム61の1つの枢動軸「S2」に対応して位置するモータ65によって付与される動きを伝達するベルト67によって係合されているためにそのような端板の1つの外側に設けられる。
【0084】
ローラ59a、59bの中央部81aは、断面で見られるとき、内側から始まって半径方向外側に向かうとき、例えば鋼鉄またはアルミニウム製のほぼ硬質および中空の内側中央スリーブ85aと、例えば発泡ゴム製の中間ソフト層85bと、および検出区域13内で絞られている間、それをスリップさせることなく進めさせるために通る試料容器の表面に対して強い摩擦を及ぼすことができる滑り止め材、すなわち高いグリップを有する滑り止め材、例えば天然ゴムの外側コーティング85cとを含む。シャフト87は、その端部が側端板81b、81cおよび外側プーリ83と一体であり、中央スリーブ85aの内部に設けられる。
【0085】
代替例では、
図4を参照する、絞り組立体57のローラ59a、59bは、中空ゴムスリーブ91を含み、その外面91aは、スリーブの材料の性質のおかげで滑り止め特性を有し、その内部空洞91bは、ローラ59a、59bの下を通っている間に試料容器が対抗する絞りに対する抵抗力により、外部の半径方向スラストによってスリーブ91のある柔らかさおよび圧縮能力を決定する。
【0086】
図2Aから
図2Dに戻ると、試料容器が検出区域13内を通っている間、検出区域13が試料容器を取り囲む吸込スロット73の周辺バンドを含むことを考慮に入れると、コンベヤベルトを中断する必要が生じる。つまり、コンベヤベルト53、55は、試料を区域13に配置し、スロット73のバンドの内部で通させるように検出区域13に向かう方向に進行する入力セクション53と、検出区域13から離れる方向に進行する出力セクション55とを含み、それによって試料を容器処理プラント内で区域13の下流の目的地に向かって区域13から移動させる。目的地は、パッケージプラント内で容器を含んでいる優先的な目的地、または気密密封における欠陥を示した容器が処分される除外目的地のいずれかであり得る。下拡散ヘッド71dに属する周辺バンドの下面内のスロット73は、入力セクション53の終わりと出力セクション55の始まりの間でコンベヤベルトの断絶に位置する。したがって、セクション53、55は、下拡散ヘッド71dによる空気吸込を可能にするのに十分な距離だけベルト進行の縦方向に相互に離間しているが、試料容器の滑らかな移送を危うくすることなく、すなわち、そのような断絶が試料に関するジャミングまたは方向の変化を引き起こす可能性がないようになっている。
【0087】
上面におよび周辺バンドの側面に沿って位置するスロット73は、検出区域13内の異なるサイズを有する試料容器の存在に対処するために高さの調整が可能である。
【0088】
上部ヘッド71aに属するスロット73は、したがって周辺バンドの上面に沿って位置しており、バンドの平面に対して斜めに配置され、この平面に対して約15°から30°の範囲の角度だけ傾斜している。側部ヘッド71b、71cに属するスロット73は、したがって周辺バンドの側面に沿って位置しており、バンドの平面にほぼ直交して、および試料の進行方向「d」に平行に配置される。下部ヘッド71dに属するスロット73は、したがって周辺バンドの下面に沿って位置しており、バンドの平面に平行であり、試料の進行方向「d」に直交している。
【0089】
図5Aおよび
図5Bからより良く理解できるように、下スロット73は、スロット73ごとに1つで、4つのチャネルを有する吸込ヘッドまたは組立体71dに定められる。下側吸込組立体71dは、ほぼ台形の断面形状を有する細長い本体を有する。対応するスロット73をそれぞれの気体出口ポート75に連通させる4つの別個の空洞101は、細長い本体の内部に定められる。4つのスロット73は、全体的に下側吸込ヘッド71dに設けられ、それらは、細長い本体の長さよりも短い長さを有し、ラインごとに一対のスロットで、2つの平行なライン上に配置される。また、スロット73は、ヘッド71dの細長い本体の全長にわたって吸込みの連続性を確実にするようにそうオフセットされる。スロット73を通して吸い込まれた流体をそれぞれの出口ポート75に向かって運ぶ吸込ダクトを定める細長い本体の内部空洞101は、鋭角を避け、そこを通って流れる流体の層流を促すように構成されている。
【0090】
図6Aから
図6Cを参照すると、周辺バンドの上面に位置するスロット73は、2つのチャネルをスロット73ごとに1つ有する上部ヘッド71aまたは上側吸込組立体内に定められる。上側吸込組立体71aは、ほぼ平行六面体の形状を有する細長い本体を有する。対応するスロット73をそれぞれの気体出口ポート75と連通させる2つの空洞105は、本体の内部に定められる。2つのスロット73は、全体的に与えられ、それらは、ヘッド71aの細長い本体の長さよりも短い長さを有し、試料の進行方向「d」に直交する平面上のスロットの突出部の重なり合いがあるように斜めに配置され、上部ヘッド71aの細長い本体の幅全体にわたって吸込みの連続性を確実にするようになされている。スロット73を通して吸い込まれた流体をそれぞれの出口ポート75に向けて運ぶ吸込ダクトを定める細長い本体の内部空洞105は、鋭角を避け、そこを通って流れる流体の層流を促すように構成されている。
【0091】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、各側面に位置するスロット73は、側面ごとに1つのチャネル、1つの組立体で、それぞれの側部ヘッド71b、71cまたは側部吸込組立体に定められる。側部吸込組立体71b、71cは、ほぼ平行六面体の形状を有するプリズム本体を有する。対応するスロット73をそれぞれの気体出口ポート75と連通させる空洞109は、本体の内部に定められる。側部ヘッド71b、71cごとに単一の空洞73があり、それは、対応する吸込体とほぼ同じ長さを有し、試料の進行方向「d」にほぼ平行に配置される。吸い込まれた流体をスロット73を介してそれぞれの出口ポート75に向けて運ぶ吸込ダクトを定める細長い本体の内部空洞109は、鋭角を避け、そこを通って流れる流体の層流を促すように構成されている。
【0092】
図1Aに戻ると、本発明による密封容器からの漏れを検出する方法の好ましい実施形態が、以下に説明される。
【0093】
方法は、気密が検査される容器が検出区域13内に配置されるステップと、検出区域13中に存在する空気が、検出区域13と連通する少なくとも1つの吸込ダクト21を通して吸い込まれるステップとを主に含む。本発明によれば、吸込ステップは、ダクト21および検出区域13がフラッシュされるステップによって先行され、このステップは、同じダクト21を通過する流れを逆にすることによって実行される。
【0094】
第1の態様によれば、本発明は、好ましくは、容器に囲まれる種類のトレーサガスが一定の濃度で存在する検出区域13内に乱流がほぼない所定の気体雰囲気を定めるステップを含む。有利には、以上に説明された拡散器29の形状および配置が、区域13内の乱流が関係していない限り、所望の結果を達成することを可能にする。そのような第1の態様によれば、本発明は、容器の内部のトレーサガス濃度が、周囲環境の濃度とは異なるときに、容器からの気体のマイクロリークを検出することを可能にする。
【0095】
また、本発明は、適宜、検出区域13内の容器の近くでフラッシングステップによる気体混合物の組成を変更する可能性も与え、それによって密封容器内で囲まれているトレーサガスに対応する気体の濃度を変更する。したがって、本発明は、フラッシングステップ中に変更が実行される前に、気体組成が周囲環境における組成とほぼ同じであるとき、容器からの気体のマイクロリークを検出することを可能にする。
【0096】
容器を密封する前に容器に導入されるトレーサガスとしてCO2を一例として参照すると、本発明は、記載した第1の態様の態様によれば、大気の濃度を超える濃度(典型的には400ppm)の容器内部のCO2の存在を与え、記載した第2の態様によれば、大気の濃度とほぼ同じ濃度のCO2を与える。第2の場合には、前述したように、本発明は、フラッシングステップによって、検出区域13に変更された大気、すなわち、CO2の濃度が減少し、またはCO2がない大気を定めることを与える。本発明のこの第2の態様は、例えば、窒素などの純粋な気体を検出区域に導入することによって実現することができる。
【0097】
本発明の好ましい実施形態では、吸込ステップおよびフラッシングステップは、それぞれ、ダクト21と連通する吸込ポート25aを有する吸込ファン25によって、および同じダクト21と連通する出口ポート23aを有する送風機23によって実行される。三方弁27は、吸込ステップ中にダクト21を吸込ファン25と連通し、フラッシングステップ中にダクト21を送風機23と連通するためにさらに設けられる。同じ三方弁27は、吸込ステップ中にダクト21と送風機23の間の連通を閉鎖し、フラッシングステップ中にダクト21と吸込ファン25の間の連通を閉鎖する。
【0098】
本発明によれば、気体センサ19は、検出区域13と吸込ユニット25または送風機23の間で吸込およびフラッシングダクト21に沿って設けられ、検出区域から来るダクト21内を流れ、センサ19をかすめる気流中の所与の気体の存在を示す電気信号を生成するようになされている。有利には、検出区域13に隣接して気体センサ19を配置することで、気体センサの測定感度を増加させることを可能にする。実際には、吸込ユニット25によって検出区域13から吸い込まれた気体は、吸込ユニット25を予め通って流れることなく、気体センサ19に直接到着し、これは、吸い込まれた気体試料における検出される気体の均質化を引き起こす。
【0099】
したがって、本発明によれば、漏れを検出する方法は、主におよび好ましくは、
- 密封容器が配置される検出区域13を定めるステップと、
- 検出区域13をダクト21を介して気体センサ19と連通させるステップと、
- 第1の方向にダクト21を通してフラッシング気体または気体混合物を流すことによってフラッシング気体または気体混合物を検出区域13に導入するステップと、
- 検出区域13内に容器を配置するステップと、
- 検出区域13から気体試料を吸い込むステップ、および気体を容器内の気体漏れの存在を突き止めるセンサ19へ伝達するステップと、を含み、第1の方向とは反対の第2の方向に同じダクト21を介して気体を流すことによって、気体は、検出区域13からセンサ19へ伝達される。
【0100】
また、好ましくは、吸込ステップは、フラッシングステップを停止した後、すぐに、すなわち、ほぼ途切れのないやり方で開始される。
【0101】
適宜、本発明による方法は、あり得る気体流出を促すために、試料容器が圧縮または絞るステップを受けるステップを含む。好ましくは、絞るステップは、前述された絞り組立体57によって実行される。
【0102】
本発明の特定の実施形態によってなされる、および検出の感度自体をかなり増加させることができる検出方法を実施するようになされる装置11’の好ましい実施形態を説明するために、次に、
図8の参照がなされる。
【0103】
図8において、参照番号219aおよび219bは、同じダクト21において直列に接続される2つの気体センサを示す。本発明の本実施形態によれば、2つのセンサ219a、219bを接続するダクトセグメント21eは、検出区域13から来てダクト21内を流れる気体混合物と混合されるトレーサガスの存在のセンサ219bによるシグナリングにおいて、ダクトセグメント21eの下流に位置するセンサ219aによって生成される信号に対して遅延を引き起こす。
【0104】
以下、本発明による検出方法の本変形例の動作原理をより詳細に説明する。
【0105】
図9Aを参照すると、
図1Aから
図1Eを参照して説明された本発明の第1の実施形態において実施される種類のCO
2センサ19によって生成される指示信号によって測定されたCO
2濃度の変化の時間に対するグラフが示されている。
図9Aのグラフは、検査される試料が存在しないとき、または試料が完全に気密であるとき、すなわち、全く漏れがないときの本発明による装置11の運転サイクルに関する。
【0106】
発明による方法の好ましい実施形態によれば、時間T0で、本発明により作製された装置11の検出区域13に、送風機23から来るフラッシング気体の流れが到着する。フラッシング気体は、例えば、高い窒素濃度を有する窒素または気体混合であり得る。フラッシング気体の流れは、拡散器29を介して検出区域13に導入される。フラッシング気体の流れは、検出区域13の方向にダクト21を通って流れ、気体センサ19をかすめ、これは、窒素がセンサをかすめる実質的に唯一の気体であるので、0ppmのCO2を検出する。
【0107】
時間T1で、フラッシング気体の流れはほぼ途切れのないやり方で停止し、吸込ステップが、区域13のフラッシングが実行される同じ拡散器29を常に通して検出区域13から空気を吸い込むように開始される。吸込ファン25によって検出区域13から吸い込まれた空気は、フラッシング気体の流れが以前流された同じダクト21を通ってさらに流れ、これが、センサ19によって捉えられ、これにより、例えば400ppm、すなわち、CO2の典型的な大気濃度を検出する。
【0108】
時間T2で、吸込ステップは停止し、送風機23から来る窒素が検出区域13に導入されるフラッシングステップが再び開始する。窒素は、先のステップで吸い込まれた空気に対して反対方向に同じダクト21を通って再び流れ、それは、センサ19をかすめる唯一の気体はやはり窒素であるので、0ppmのCO2を再び検出するセンサ19によって捉えられる。時間T3で、サイクルは停止する。
【0109】
図9Bを参照すると、次に、CO
2であると仮定されるトレーサガスを含む装置11の検出区域13内を通る検査される試料容器の参照がなされる。
【0110】
図9Bは、CO
2センサ19によって生成される指示信号によって測定されるCO
2濃度の変化に関する時間に対するグラフを示す。運転サイクルは、先の場合と実質的に同じであるが、時間T
1で、CO
2がリークするマイクロ穴を有する検査される試料容器は、検出区域13内を一定速度で通るようになされている。T
1とT
2の間の間隔において、
図9Bから理解できるように、センサ19は、CO
2リークを検出する。センサ19におけるCO
2濃度は、最大まで次第に増加し、次いで、通る試料、およびしたがってマイクロ穴が、検出区域13から離れるように移動しているのにつれて減少する。容器が検査されている時間T
2は、検出区域13をすでに通過しており、したがって、マイクロリークは、気体が吸い込まれた拡散器29を越えて動いてしまっており、吸込みは停止し、純粋な窒素、すなわち、0ppmのCO
2を実質的に含む気体の導入に関するフラッシングステップが、再び開始される。時間T
3で、サイクルが停止する。
【0111】
図9Aおよび
図9Bを参照して上述された装置11の運転サイクルは、フラッシング気体として、純粋な窒素(
図9Bのグラフにおける実線)の代わりに、圧縮空気(400ppm、
図9Bの図おける破線)を用いて、またはCO
2濃度が検出されたマイクロリークによるものよりも低い場合に他の気体混合物を用いることによって実行することもできる。
【0112】
図9Cを参照すると、2つの通る試料が異なる量の気体リーク、すなわち、少量(破線)と大量(実線)の気体リークを示している場合のセンサ19で測定されたCO
2濃度の変化に関する時間に対するグラフが示されている。理解できるように、トレーサガス(CO
2)の濃度の変化を示す信号の曲線の形状は、図示の例において、ほぼいつも同じである。以下の説明からよりいっそう明らかになるように、実行された実験は、間隔T
1~T
2における気体濃度を示す信号のグラフの外観がガウス分布のような挙動を有することの決定を実際に可能にした。明らかに異なるものは、信号強度であり、これは、もしあれば、漏れを引き起こす開口部のサイズ、容器から漏れる気体混合物のトレーサガス濃度、および試料が絞り組立体57によって機械的に応力を受けたか、およびどのくらい試料が機械的に応力を受けたのか(絞りが強くなるほど、センサ19によって検出される漏れの強度が高くなる)に依存する。
【0113】
図9Dおよび
図9Eを参照すると、示された例において周囲CO
2であるトレーサガスの濃度の乱れが間隔T
1~T
2の区域13で生じるときの試料が高速で通る場合のCO
2濃度の変化に関する時間に対するグラフが示されている。
【0114】
図9Dを特に参照すると、不定のオフセットを伴って、トレーサガス(特定の場合にはCO
2)のとても高くて一定のバックグラウンド値が、間隔T
1~T
2に存在するときに、2つの通る試料が異なる量の気体リーク、すなわち、少量(破線)と大量(実線)の気体リークを示している場合のセンサ19で測定されたCO
2濃度の変化の時間に対するグラフが示されている。
【0115】
図9Eを特に参照すると、強い乱流および不定のオフセットを伴って、トレーサガス(特定の場合にはCO
2)のとても高くて非常に変動するバックグラウンド値が、間隔T
1~T
2に存在するときに、2つの通る試料が異なる量の気体リーク、すなわち、少量(破線)と大量(実線)の気体リークを示している場合のセンサ19で測定されたCO
2濃度の変化の時間に対するグラフが示されている。
【0116】
図10から理解できるように、トレーサガス濃度に関する一定の閾値に基づく検出方法は、いくつかの制限を有する。第1に、閾値が一定であるとき、そのような検出方法は、バックグラウンドの気体のオフセットにとても敏感である。第2に、センサによって発せられるトレーサガス濃度を示す信号が一定の閾値を超え、したがってリークの発生のシグナリングを引き起こす瞬間は、リーク量に応じているトレーサガス濃度に応じて変化する。少量(破線)および大量(実線)のリークを示す信号が示され、閾値が水平実線Thによって特定される
図10を常に参照すると、リークの発生がシグナリングされる瞬間は、トレーサガス濃度が変化するにつれて変化する時間シフトT→T’を実際に有する。
【0117】
また、気体センサによって生成される信号に対して一定の閾値が設定されるそのような手法は、とても少量のマイクロリークの場合にほとんど性能が良くなく、誤検知、すなわち、リーク発生の間違ったシグナリングの問題を生じさせる。より具体的には、
図11Aを参照すると、容器内のマイクロ開口部による気体センサにおけるトレーサガス濃度の小さい変化が、容器が正しく密封されていない、したがってことによると処分されるという認識を可能にするには十分でないという例を示している。
図11Bは、容器の外部の原因による、容器内に導入されるトレーサガスと同じ種類の気体の濃度の変動が、気体センサにおいて一定の設定閾値を超える値を有する信号をそれが生成するのに十分であるので、リークとして誤解されてしまった一例を示す。
図11Cは、容器の外部の原因によるバックグラウンド気体乱流が、リークとして誤解された先のものに類似する一例を示す。
【0118】
したがって、あまりに低い一定の閾値は、大部分であるバックグラウンドノイズによるものからマイクロリークによる遷移を区別することを実際的に不可能にさせる。したがって、バックグラウンドノイズの存在は、閾値をゼロとはかなり異なる値に、いずれにせよ、ノイズの「ピーク」よりも高い絶対値を用いて、設定することを強いる。特定の場合では、したがって、これは、その量がバックグラウンド変動よりもずっと大きい場合にのみリークが検出されることを意味する。
【0119】
検出の感度自体をかなり増加させることができる本発明の代替実施形態による検出方法は、リークが生じた瞬間、すなわち、タイミングを正確に確立することを可能にする原理を利用する。リーク発生をシグナリングする正確で繰り返し可能なタイミングを確立することによって、検出されるリークによって影響を受ける試料容器の通過の近くで移動する試料に対する測定の分析の間隔をかなり狭めることを可能にする。正確なタイミングセクションは、検出方法を、リークの信号特性にとても類似しており、したがってリーク指示信号と誤解され得る信号を作り出し得る周囲の乱流に敏感でないものにさせる。
【0120】
図10を参照して前述したように、一定の閾値Thを仮定することによって、それを超えることでトレーサガスの存在をシグナリングすることをトリガし、リークによって作り出される気体の存在を示す信号の振幅が変化すると、閾値を超えることによりリークが信号される瞬間T、T’の遅延も変わる。より詳細には、信号振幅が減少するにつれてそのような遅延は増大する。センサ19によって生成される信号が、比較器の入力信号の強度が設定閾値未満であるときに論理信号「0」を生成し、比較器の入力信号の強度が設定閾値を超えるときに論理信号「1」を生成するようになされている比較器デバイスへ送られると仮定すると、論理状態「0」から「1」への遷移間の時間間隔は、上で指摘した遅延によりセンサにおけるトレーサガス濃度の変化が生じた正しい時間間隔に対応しない。信号振幅にタイミング依存するこの影響は、科学文献において「ウォーク」効果と呼ばれ、上で指摘されたように、一定の閾値に基づくタイミング技法は、かなりの「ウォーク」効果による影響を受ける。
【0121】
また、気体センサによって生成される信号は、かなりのバックグラウンドノイズによって概して影響を受け、これは、同様にかなりの「ジッタ」の影響、すなわち、タイミングの変動を引き起こす。
【0122】
センサに到達する気体混合物のトレーサガス濃度を示す信号の曲線形状の実質的な類似性は、信号振幅の変化であるにも関わらず、有利なことに、タイミング論理信号の遷移を生じさせることにより、信号が閾値を超えるときに、例えば、信号が半分のその最終的な振幅を達成するときに、信号ごとに、曲線の定められた最大の割合に理想的に適合する、ほぼウォークのないタイミング技法の採用を可能にした。
【0123】
そのような「浮動」閾値を設けることによって、いわゆる「コンスタントフラクションタイミング」または「コンスタントフラクションディスクリミネーション」(CFD:Constant Fraction Discrimination)に匹敵する。
【0124】
次に、検出の感度自体をかなり増加させることができる検出方法を実施するようにされた本発明の特定の実施形態により作製される装置11’の好ましい実施形態を説明するために、
図8の参照を再び行う。
【0125】
以上に開示されたように、装置11’は、ダクトセグメント21eによって互いに接続された一対のセンサ219aおよび219bを含み、ダクトセグメント21eの内部容積は知られており、すなわち、ダクトセグメント21eの長さおよび断面サイズは知られており、一定である。センサ219aおよび219bを隔てるそのようなダクト21eは、ダクト21に沿って気体伝搬における対応するディレイラインを実質的に形成する。
【0126】
図12を再び参照すると、2つのセンサ219aおよび219bから来る対応する信号M
1およびM
2は、比較器210へ送られ、比較器10の出力信号M
3は、第2のセンサ219bの信号が同じ時刻において第1のセンサの可変信号によって決定される浮動閾値を超えるとき、通る容器からのリークの発生を示す。
【0127】
この技法は、振幅から独立しているとともにジッタおよびウォークに敏感でない識別時刻を有することを可能にするので有利である。
【0128】
また、CFD識別は、低強度リーク信号の場合にシステムをより性能の良いものにし、測定感度を増加させる。さらに、検出方法は、外部CO2のバックグラウンドの変化または乱流の影響によってあまり影響を受けない。また、この検出技法は、誤検知を防ぐことを可能とし、すなわち、外部変動がリークの測定として誤解されるのを防ぐことを可能にする。
【0129】
図13に示される例では、2つのスイッチ、すなわち、比較器の2つの遷移0→1が適切な測定間隔で生じているが、そのようなスイッチは、読み込みが行われる瞬間とは異なる時刻に生じる。スイッチがあまりに近い瞬間に生じる場合、スイッチは、システムによってバックグラウンドノイズによるものとみなされ、CO
2のリークによって決定されるイベントとはみなされない。
【0130】
本発明のこの特定の実施形態により作製された装置の代替実施形態では、第2のセンサの信号は、第1のセンサの第2の信号によって置き換えられ、気体の流れは、第2の時間で反対方向に流れるようにされる。言い換えれば、そのような代替実施形態によれば、検出区域13から来る気体の流れは、吸込ファン25に向かって第1の方向にダクトに沿って流れ、次いでセンサ19に向かって反対方向に流れることによって、第1のセンサ19を通過する。本実施形態において明らかなことに、単一のおよび固有のセンサがさらに設けられてもよい。
【0131】
以下、本発明の実施形態に適用することができる特定の信号処理モダリティが説明されており、少なくとも2つの気体センサ、好ましくは並列に接続された6つのセンサが設けられ、検出区域13から対応するダクト21に沿って来る気体の流れを妨げるようになされている。そのような信号処理モダリティは、例えば、
図1Cに示された装置11の実施形態に適用することができる。そのような特定の処理モダリティは、センサ対に適用される畳み込み法によって並列に接続された複数のセンサの信号を相関させることをもたらす。相関の程度があるファクタ(例えば>+0.8または<-0.8)を超える場合、前処理作業が信号に関して実行され、複数のセンサに共通であり、一定のオフセットまたはリニア(増加または減少する)信号として現れるノイズ信号または外乱信号を各信号から減じることを可能にするものである。
【0132】
前処理ステップは、2つのチャネルの信号、およびしたがって2つの気体センサの信号強度SS1およびSS2をサンプリングすることを含む。各信号SS1は、それがデジタル化されると、サンプリングおよび測定の継続期間に依存した長さを有する点の配列として表すことができる。ピアソン相関係数は、共分散が2つの変数の標準偏差σの積によって除算されるものとして定義され、信号対ごとに検討される。
ρSS1 SS2=σSS1 SS2/(σSS1,σSS2)
ただし、σSS1 SS2は、2つの信号SS1とSS2の間の共分散であり、σSS1およびσSS2は、2つの標準偏差である。
【0133】
ピアソン係数が+0.8を超えるまたは-0.8未満であるとき、強い相関関係が存在する。ピアソン係数は、信号SSNの対の全ての組合せの間で計算される。
【0134】
チャネル数をNで示しており、独立した組合せは、(N・(N-l))/2によって与えられる。
【0135】
例えば、N=6の場合(すなわち、6は、本発明の好ましい実施形態による独立したチャネル数である)、15個の以下の対が得られる。
(1 2)(1 3)(1 4)(1 5)(1 6)
(2 3)(2 4)(2 5)(2 6)
(3 4)(3 5)(3 6)
(4 5)(4 6)
【0136】
全ての組合せについて、全てのピアソン係数が+0.8を超え、または-0.8未満である場合、信号は相互に相関させられ、これは、バックグラウンドの変化が存在することを示す。
【0137】
そのような場合には、全チャネルの平均信号SSmのアレイが、全ての信号SSnから減じられ、新しい値*SSNは、
*SS1:=SS1-SSm
*SS2:=SS2-SSm
……………
*SSn:=SSn-SSm
となる。
【0138】
本発明によれば、そのような検出方法は、上で開示されたおよびフラッシングステップで作動された容器の近くで気体混合物を修正する機能なしでまたはその機能と組み合わせて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、圧縮可能なまたは硬質のほぼ任意の種類の容器からリークおよびマイクロリークを検出するいくつかの分野において工業的な用途を見出す。本発明は、加圧された硬質の容器からの液体(例えば、水または飲料)の漏れを検出するために適用することもできる。
【0140】
説明および図示された本発明は、同じ発明の原理の範囲内に入るいくつかの変更および修正を受けることができる。
【国際調査報告】