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特表2022-533154つや消し剤として微粉化ポリマーを含有するコーティング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】つや消し剤として微粉化ポリマーを含有するコーティング
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20220713BHJP
   C09D 7/42 20180101ALI20220713BHJP
   E04F 13/02 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D7/42
E04F13/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568475
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 US2020033017
(87)【国際公開番号】W WO2020236537
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】62/849,580
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/931,400
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ジャブロン、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィグ、ラケシュ
【テーマコード(参考)】
4J038
【Fターム(参考)】
4J038CB012
4J038CB082
4J038CB142
4J038CD122
4J038CG001
4J038HA446
4J038KA08
4J038MA14
4J038NA01
(57)【要約】
基材に塗布するためのマット仕上げコーティングは、混合物に、コーティング物質と微粉化ポリマーつや消し剤とを含む。マット仕上げコーティングは、マット仕上げコーティングの総重量の約0.5%~約15%の量の微粉化ポリマーつや消し剤を含む。
【選択図】図1A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に塗布するためのマット仕上げコーティングであって、混合物に、
コーティング物質と、
微粉化ポリマーつや消し剤と、を含み、
前記マット仕上げコーティングが、前記マット仕上げコーティングの総重量の約0.5%~約15%の量の前記微粉化ポリマーつや消し剤を含む、マット仕上げコーティング。
【請求項2】
前記マット仕上げコーティングが、前記マット仕上げコーティングの総重量の約1.0%~約12%の量の前記微粉化ポリマーつや消し剤を含む、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項3】
前記コーティング物質が、インク組成物を含む、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項4】
前記微粉化ポリマーつや消し剤が、高密度ポリエチレン(HDPE)ポリマー又は低密度ポリエチレン(LDPE)ポリマーを含む、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項5】
前記微粉化ポリマーつや消し剤が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、又はフィッシャー・トロプシュ加工ポリマーを含む、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項6】
前記微粉化ポリマーが、つや消し剤として完全にシリカを置き換えるか、又は代替的にシリカつや消し剤を更に含む、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項7】
前記微粉化ポリマーつや消し剤の前記シリカつや消し剤との重量比が、約10:1~約1:10である、請求項6に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項8】
前記微粉化ポリマーの平均粒子直径が、約6ミクロン~約30ミクロンである、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項9】
前記微粉化ポリマーの平均粒子直径が、約10ミクロン~約25ミクロンである、請求項8に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項10】
基材であって、その少なくとも1つの表面上にコーティングされた、請求項1に記載のマット仕上げコーティングを含む、基材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、市販のコーティング、例えば、限定するものではないが、とりわけ、クリアコート、塗料、及びインクの分野に関する。より具体的には、本開示は、つや消し剤として微粉化ポリマーを含有するそのようなコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
コーティングは汎用性があり、商業用及び工業用保護コーティングとしての用途が幅広く、壁、床、及び他の表面への装飾コーティング、塗料、インク、並びに他の用途として使用される。とりわけ、金属、プラスチック、木材、フィルム、及び紙を含む、これらのコーティングを塗布することができる基材も大きく異なる。特定の用途では、硬化したコーティング膜の表面からの光の反射率を制御することが望ましい。つや消し剤は、典型的には、所望の低レベルの光沢及び艶を得るためにコーティングに添加される。しかしながら、つや消し剤はコーティングのコスト及びコーティングの物理的特性の両方に大きな効果があるため、つや消し剤の選択は注意深く行わなければならない。
【0003】
沈降シリカ又はゲルシリカは、従来、つや消し剤として使用されてきた。しかしながら、沈降シリカ又はゲルシリカは、つや消し剤として使用される場合、いくつかの望ましくない特性を有することが示されている。例えば、そのようなコーティングは、バニシング、劣悪な傷、摩擦、摩耗、及び引っかき抵抗、表面すべり及び感触の悪さ、コーティングが長期間貯蔵される場合の効率損失、貯蔵中の沈殿、破砕性、高結合剤需要量、並びに粘度上昇を呈する場合がある。したがって、部分的又は完全のいずれかでコーティング中のシリカの代わりに、前述の問題及び欠点を呈さない代替的なつや消し剤を用いることが望ましいであろう。更に、本開示の他の望ましい特徴及び特性は、後続の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を、添付の図面、発明の概要、技術分野、及び本開示の背景技術と併せることで明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0004】
1つの例示的な実施形態によれば、混合物に、コーティング物質と微粉化ポリマーつや消し剤とを含む基材への塗布のためのマット仕上げコーティングが開示される。マット仕上げコーティングは、マット仕上げコーティングの総重量の約0.5%~約15%の量の微粉化ポリマーつや消し剤を含む。
【0005】
この発明の概要は、発明の概要に記載される概念を包含する様々な実施形態により、発明を実施するための形態において更に説明される簡潔な形態で選択概念を説明するために提供される。この発明の概要は、特許請求の範囲又は他の方法を参照して、本開示の主題の重要な又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、またこの発明の概要は、本開示の様々な実施形態を参照して適切に決定される、開示される主題の全範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示のより完全な理解は、添付の図面から導かれてもよく、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0007】
図1A】60度でのクリアコート組成物に対する光沢試験の結果を示すグラフである。
図1B】85度での同じ試験を示す。つや消し剤の充填は2%であった。
【0008】
図2A】60度でのクリアコート組成物に対する光沢試験の結果を示すグラフである。
図2B】85度での同じ試験を示す。つや消し剤の充填は6%であった。
【0009】
図3A】2%のつや消し剤充填を使用したクリアコート組成物に対する摩耗試験の結果を示す写真である。
図3B】6%充填での同じ試験を示す。
【0010】
図4A】微粉化ポリマーつや消し剤と比較したシリカつや消し剤を含む様々なコーティング組成物の粘度を示すグラフである。
図4B】微粉化ポリマーつや消し剤と比較したシリカつや消し剤を含む様々なコーティング組成物の粘度を示すグラフである。
図4C】微粉化ポリマーつや消し剤と比較したシリカつや消し剤を含む様々なコーティング組成物の粘度を示すグラフである。
図4D】微粉化ポリマーつや消し剤と比較したシリカつや消し剤を含む様々なコーティング組成物の粘度を示すグラフである。
【0011】
図5A】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するバニシング試験の結果を示すグラフであり、つや消し剤の充填は5%又は8%であった。
図5B】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するバニシング試験の結果を示すグラフであり、つや消し剤の充填は5%又は8%であった。
図5C】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するバニシング試験の結果を示すグラフであり、つや消し剤の充填は5%又は8%であった。
図5D】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するバニシング試験の結果を示すグラフであり、つや消し剤の充填は5%又は8%であった。
【0012】
図6A】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するつや消し効率試験の結果を示すグラフである。
図6B】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するつや消し効率試験の結果を示すグラフである。
図6C】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するつや消し効率試験の結果を示すグラフである。
図6D】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するつや消し効率試験の結果を示すグラフである。
図6E】20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するつや消し効率試験の結果を示すグラフである。
【0013】
図7A】5%のつや消し剤充填を使用した塗料及びインク組成物に対する色移り試験及びスクラブ抵抗試験の結果を示す写真である。
図7B】5%のつや消し剤充填を使用した塗料及びインク組成物に対する色移り試験及びスクラブ抵抗試験の結果を示す写真である。
図7C】5%のつや消し剤充填を使用した塗料及びインク組成物に対する色移り試験及びスクラブ抵抗試験の結果を示す写真である。
【0014】
図8】対照コーティングに5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーの光沢の低減を示すグラフである。
【0015】
図9】対照コーティングに5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーのバニシ抵抗を示すグラフである。
【0016】
図10】対照コーティングに5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーの摩擦抵抗を示すグラフである。
【0017】
図11】対照コーティングに5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーの粘度増加を示すグラフである。
【0018】
図12A】対照コーティング(それぞれ、アクリル及びポリウレタンコーティング)に5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーの光沢の低減を示すグラフである。
図12B】対照コーティング(それぞれ、アクリル及びポリウレタンコーティング)に5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーの光沢の低減を示すグラフである。
【0019】
図13】対照コーティングに5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーのバニシ抵抗を示すグラフである。
【0020】
図14】対照コーティングに5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーの摩擦抵抗を示すグラフである。
【0021】
図15】対照コーティングに5%のポリマーを添加した後の、様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーの粘度増加を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、コーティングのためのつや消し剤として、部分的又は完全にシリカの代わりに微粉化ポリマーの使用を含む組成物及び方法の例示的な実施形態を提供する。本明細書で使用される場合、用語「例示的」は、「実施例、例、又は実例として機能する」ことを意味する。したがって、「例示」として本明細書に記載される任意のコーティング組成物又は方法の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されない。本明細書に記載される実施形態の全ては、当業者が本発明を作製又は使用することを可能にするために提供される例示的な実施形態であり、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。
コーティング組成物
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「コーティング」又は「コーティング組成物」は、乾燥及び/又は硬化後に基材上に膜を形成するために、固体基材に塗布される任意の液体材料に広く適用される。したがって、本明細書で使用する場合、「コーティング」は、保護コーティング、装飾コーティング、塗料、インクなどの様々な産業で使用される様々な組成物の形態をとり得る。
【0024】
コーティングは、一般に、1つ以上の膜形成結合剤及び1つ以上の液体キャリアを含む。コーティングはまた、100%の固体塗料系及び粉末コーティングを含み得る。コーティングは、一般に、約5~100重量%の膜形成結合剤含有量、及び対応して約0~95重量%の液体キャリアを有する。結合剤は、一般に、硬化した組成物の固体部分に寄与する全ての膜形成構成成分を含む。一般に、以下に記載される安定剤などの触媒、顔料、及び非高分子化学添加剤は、結合剤固体の一部とみなされない。顔料以外の非結合剤固体は、通常、組成物の約5~15%を超える量ではない。好適な膜形成結合剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、線状及び/若しくは分枝状アクリル及びアクリルポリオール、アクリルラテックス、水性ラテックス、アクリルマイクロゲル、水性マイクロゲル、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。一般に、溶媒は、任意の有機溶媒及び/又は水であり得る。
【0025】
コーティングの種類及び意図される機能に応じて、1つ以上の添加剤が、任意選択的に、結合剤及び液体キャリアと共に含まれてもよい。好適な添加剤としては、例えば、顔料、レオロジー制御剤、UV吸収剤、光安定剤、触媒、消泡剤、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。使用に好適な顔料は、当該技術分野において周知であり、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、二酸化ケイ素、リン酸亜鉛、硫酸バリウム、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ピロロピロール顔料、ペリレン顔料、真珠光沢顔料、金属酸化物コーティングされた金属顔料、二酸化チタンコーティングされたアルミニウム、コーティングされた雲母若しくはパールフレーク、二酸化チタンコーティングされた雲母、黒鉛効果顔料、板状酸化鉄、板状銅フタロシアニン顔料、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0026】
インクとして例示されるコーティングのいくつかの非限定的な例がここで提供される。グラビアインク:グラビアは、紙、プラスチックフィルムなどの基材上に印刷するために使用することができる主要な商業的印刷プロセスである。テキスト及び画像を印刷することができる。グラビアは、インクが印刷表面(例えば、シリンダー又は平板)内に凹んでいる非常に小さいセルから液滴として紙に転写される、凹版プロセスである。インク滴が流れ、選択的に一緒に広がってテキスト又は画像を印刷する。インク滴の表面張力が高すぎると、インクが瞬時に又は十分に広がらず、印刷がラフで粗く見える。グラビアは、活版印刷及びリソグラフィなどの他のプロセスとは区別される。グラビアインクは、蒸発により乾燥させて基材上に樹脂及び顔料の膜を残す、非常に流動的な溶媒又は共溶媒ベースのインクである。代表的な溶媒及び共溶媒としては、トルエン、キシレン、アルコール、アセトン、脂肪族炭化水素、水などが挙げられる。
【0027】
フレキソインク:フレキソ印刷インクは、一般に、水中に分散された顔料及び結合剤樹脂を含有する。結合剤は、顔料のキャリアとして機能し、印刷される表面に顔料を付着させる。フレキソインク組成物には、アクリル及びメタクリルポリマー及びコポリマー、ロジン変性フェノール樹脂、ポリスチレン樹脂、並びにダイズタンパク質を含む、多種多様な結合剤系が使用されてきた。フレキソ印刷システムは、一般に、中央インプレッションシリンダー印刷機にゴム又はフォトポリマープレート、リバースアングルドクターブレード、及びセラミックアニロックスローラーを備えたシステムである。フレキソ印刷機は、紙、プラスチックフィルムなどの基材材料上に印刷するために使用され得る。フレキソ印刷システムは、油性インク組成物よりも安価である水溶性又は水性インク組成物を使用することができるため、フレキソ印刷は、典型的には、リソグラフ印刷よりも低コストである。
【0028】
塗料として例示されるコーティングのいくつかの非限定的な例がここで提供される。塗料は、典型的には4つの基本成分、すなわち顔料、結合剤、液剤、及び添加剤を含有する。これらの成分のいずれか又は全ては、単一の構成成分であってもよく、又は複数の品目を含んでもよい。顔料は、塗料に色を提供し、また塗料を不透明にし、顔料は、通常は無機物質又は有機物起源であり、一部の顔料は人工的に製造される。「主」顔料は、色及び不透明度(不透明な被覆率)を提供する。一般的な主顔料は、二酸化チタンであり、これは白色であり、ラテックス及び油性塗料に使用される。特殊顔料又は体質顔料も使用され得る。体質顔料は、多くの場合に、つや消し、スクラブ抵抗、耐汚染性、及び白亜化抵抗性のような特性に影響を与えるために選択される。この目的のために、ミョウバン又は粘土を使用してもよい。これらの顔料を塗料に添加して、厚み、一定の光沢レベル(つや消し)、及び耐久性などの特定の特性を提供する。
【0029】
結合剤は、顔料を保持し、また基材表面に顔料を密着させ、結合剤組成物は、2つ以上の構成成分を有することができる。ラテックス塗料では、ラテックス樹脂が結合剤である。例えば、ラテックス塗料では、結合剤は、100%アクリル、ビニルアクリル(ポリ酢酸ビニル)、又はスチレン化アクリルであってもよい。顔料粒子は、不溶性であってもよく、単に結合剤中で懸濁液を形成してもよい。結合剤は、顔料を丈夫な連続膜に「結合」し、上記のように塗料が表面に密着するのを助ける。多くの実施形態では、結合剤は、乾燥又は架橋して膜になる前に、製剤中で液体として始動する。
【0030】
液剤は、顔料及び結合剤を担持し、液剤は、塗料又はコーティング製品の蒸発する部分である。液剤の役割は、塗布を容易にするために塗料を流体形態に保つことである。表面に塗布されると、液剤は蒸発して均一な膜を残し、その後、乾燥して保護コーティングを形成する。使用される液剤は、主に結合剤の溶解度によって決定される。油性及びアルキド塗料では、液剤は典型的には塗料用シンナーであり、ラテックス塗料では、液剤は典型的には水である。
【0031】
添加剤は、低濃度で使用される成分であり、例えば、限定するものではないが、防かび性、より良好な流動性及びレベリング、並びに飛び散り防止性などの特定の特性を提供する。従来の塗料製剤に使用される一般的な添加剤としては、レオロジー変性剤、界面活性剤、消泡剤、合体剤、及び殺生物剤が挙げられる。他の多くの添加剤が当該技術分野において周知であり、所望の特性を有する塗料を配合するために必要に応じて利用されてもよい。
【0032】
クリアコートとして例示されるコーティングの非限定的な例がここで提供される。クリアコートは、本明細書で、環境との外側境界面を形成する透明なコーティングを指すために、広義に使用される。このため、クリアコートは、摩耗に耐えるのに十分な耐久性があり、UV光に耐えるのに十分に化学的に安定している必要がある。クリアコートは、溶媒又は水性のいずれかであり得る。特に、クリアコート組成物によってもたらされる透明仕上げの耐候性を改善するために、紫外線光安定剤又は紫外線光安定剤の組み合わせを、結合剤の総重量に基づいて約0.1~10重量%の量でトップコート組成物に添加することができる。そのような安定剤としては、紫外線光吸収剤、スクリーナー、消光剤、及び特定のヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。また、結合剤の総重量に基づいて約0.1~5重量%で酸化防止剤を添加することができる。有用な典型的な紫外線光安定剤としては、ベンゾフェノン、トリアゾール、トリアジン、ベンゾエート、ヒンダードアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
つや消し剤としての微粉化ポリマー
【0033】
最初に上述したように、及び上記のコーティング中のつや消し剤として完全に従来のシリカを使用する場合と比較して、本開示は、シリカの一部又は全部を、つや消し剤として微粉化ポリマーに置き換える。本明細書で使用する場合、微粉化とは、固体材料の粒子の平均直径を減少させるプロセスを指す。微粉化のための技術は、粉砕及び研削などの機械的手段に重点を置く。微粉化はまた、スプレー微粉化を用いて達成されてもよい。本開示は、微粉化の特定の技術によって限定されることを意図するものではなく、したがって任意の既知の技術を用いることができる。用語微粉化は、通常、平均粒子直径をミクロンの範囲まで減少させることを指す。特に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレン、及びフィッシャー・トロプシュ加工ポリマーなどの様々なポリマーが微粉化され得る。
【0034】
微粉化ポリマーは、好ましい実施形態では、約6ミクロン~約30ミクロン、例えば、約10ミクロン~約25ミクロン、又は約14ミクロン~約18ミクロンの範囲の平均直径を有し得る。市販の微粉化ポリマーは、New Jersey,USAのHoneywell International Inc.によるACumist(登録商標)ラインの製品で入手可能である。したがって、従来のシリカと微粉化ポリマーとの間の1つの差別化要因は、前述の平均直径であり、従来のシリカ粒径は、典型的には約10ミクロン未満である。任意のより大きいシリカ粒子を使用する場合、約50ミクロン以上の塗布したままの(乾燥、硬化)膜であっても、シリカ粒子がコーティングされた膜において目に見えるようになり得るが、微粉化ポリマーはそのような懸念を呈さないことが観察されている。更に、シリカ粒子は、「積層する」傾向があり、その結果、粒径は、塗布したままの膜において二重になり得、同様の外観問題を引き起こす。また更に、塗布したままの膜に表面断裂を生じさせてつや消しを達成するシリカ粒子は、「過度の露出」に対して脆弱であり、その結果、バニシング条件下で剪断されるであろうが、本開示の微粉化ポリマーは、それよりむしろ塗布したままの膜の摩擦係数の低減をもたらし、これは摩耗及びバニシングを防止する。
【0035】
微粉化ポリマーの上記コーティング組成物(コーティング組成物の重量)への充填は、一般に、約1%~約12%又は約1.5%~約10%などの約0.5%~約15%であってもよい。したがって、特定の充填範囲は、約0.5%~約2%、又は約2%~約5%、又は約5%~約8%、又は約8%~約12%、又は約12%~約15%を含み得る。例示的な充填は、約5%、例えば、約4%~約6%である。特定のコーティング組成物に用いられる微粉化ポリマーの充填は、塗布されるコーティング組成物の所望の光沢の低減及び所望の材料特性と共に、コーティング組成物の種類及び使用に依存し得る。
つや消し剤としてのシリカ
【0036】
本開示のいくつかの実施形態によれば、シリカは、つや消し剤として微粉化ポリマーに部分的に置き換えられるのみだが、他の実施形態では、シリカは完全に置き換えられる。したがって、全てではないがいくつかの実施形態は、ある量のシリカを含む。したがって、本明細書でシリカが記載される。一般に、つや消し剤を製造するために使用されるシリカは、ゲルプロセス又は沈殿プロセスによって調製される任意のシリカであり得る。いくつかの実施形態では、珪藻土及び結晶性シリカなどの天然シリカもまた、使用することが可能である。
【0037】
シリカの上記コーティング組成物(コーティング組成物の重量)への充填は、一般に、約1%~約12%又は約1.5%~約10%又は約2%~約6%などの約0.5%~約15%であってもよい。したがって、特定の充填範囲は、約0.5%~約2%、又は約2%~約5%、又は約5%~約8%、又は約8%~約12%、又は約12%~約15%を含み得る。特定のコーティング組成物に用いられるシリカの充填は、塗布されるコーティング組成物の光沢の低減及び材料特性と共に、コーティング組成物の種類及び使用に依存し得る。
【0038】
微粉化ポリマー及びシリカの上記の範囲内で、組み合わせて使用された場合、微粉化ポリマーのシリカとの重量比は、約1:10~約10:1、例えば約1:5~約5:1、例えば約1:2~約2:1の範囲であってもよい。比率の特定の範囲は、約1:10~約1:5、又は約1:5~約1:1、又は約1:1~約5:1、又は約5:1~約10:1であってもよい。当然のことながら、シリカが微粉化ポリマーで完全に置き換えられている実施形態では、そのような比率は存在しない。特定のコーティング組成物に用いられる微粉化ポリマーとシリカとの間の充填比は、塗布されるコーティング組成物の光沢の低減及び材料特性と共に、コーティング組成物の種類及び使用に依存し得る。
例示的な実施例
【0039】
本開示は、ここで、以下の非制限的な実施例によって例示される。添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が以下の実施例及びプロセスに適用され得ることに留意されたい。したがって、以下の実施例は単なる例示として解釈されるべきであり、いかなる意味においても限定するものではないことに留意されたい。
【0040】
図1A及び図1Bは、水性のアクリルクリアコート組成物のバニシ試験の結果を示すグラフであり、図1Aでは60度で、そして図1Bでは85度で光沢が測定された。各実施例は、グラフの左側の純粋なシリカから、グラフの右側の純粋な微細化ポリマーまでの範囲の、2重量%のつや消し剤が充填され、中間のシリカ対微粉化ポリマーは、90:10、80:20、及び70:30の比率である。この実験は、Sutherland摩擦試験機を用いて実施され、各コーティングを4ポンドの重りで200回擦った。基材はLeneta Drawdownカードであり、摩耗面はタイプ用紙又はLenetaカードのいずれかであった。示されるように、バニシ抵抗において唯一性能が不良だったもの(すなわち、光沢度が著しく増加したもの)は純粋なシリカの例であったが、最大全微粉化ポリマーまでの任意の含有は、光沢の増加を実質的に防止した。したがって、図1A及び図1Bに示される実験は、本開示の実施形態によるバニシングを防止するために、シリカの代わりに微粉化ポリマーを使用することの有益な特性を示す。
【0041】
図2A及び図2Bは、つや消し剤の6%総充填での同様の結果を示す(100%シリカ、及び90:10及び80:20のシリカ対微粉化ポリマーの比が試験され示された)。
【0042】
図3A及び図3Bは、2%及び6%のつや消し剤の充填をそれぞれ使用した、本開示の実施形態の摩耗抵抗を示すための実験からの写真である。左側では、つや消し剤は純粋なシリカであったが、右側では、90:10のシリカ対微粉化ポリマーの比であった。両方の図において、右側と比較して、左側では著しくより多くの摩耗が観察される。
【0043】
図4A図4Dは、つや消し剤が添加されたときの様々なコーティングの様々な粘度を示すグラフである。透明なアクリル水性木材コーティングを表す図4Aに関して、左端のバーは対照(つや消し剤の添加なし)であり、左から右の次の3つのバーは、様々なシリカつや消し剤の5%充填を含み、最後の最も右側の8つのバーは、様々な微粉化ポリマーつや消し剤の5%充填を含む。図4B図4Dは、同様の方法で構成され、図4Bは建築用コーティングを表し、図4Cはエポキシコーティングを表し、図4Dは溶媒ベースのアルキドコーティングを表す。示されるように、粘度は、コーティングの全種類にわたって、微粉化ポリマーつや消し剤と比較して、シリカつや消し剤で非常に高い。これは、シリカに固有の高い吸油率のためであると考えられる。したがって、図4A図4Dは、本開示の実施形態によるより低い粘度の利益を示し、これは、コーティングの塗布の容易さに関連する。
【0044】
図5A図5Dは、クリアコートで観察された図1A、1B、2A、及び2Bのバニシング結果も、様々な他のコーティングにおいて観察される。例えば、図5Aのグラフに示される試験は、タイプ用紙で擦られたオフセットのペーストインクに基づく。左のバー群は対照であり、右側の次の2つのバー群は様々なシリカを用い、最も右側の5つのバー群は、様々な微粉化ポリマーを用いた。試験は、図5Aの8%のつや消し剤の充填、及び図5B図5Dの5%のつや消し剤の充填で行い、バニシ抵抗は、20、60、及び85度の光沢値で測定した。図5B図5Dは、図5Aと同様に構成され、透明な水性アクリルコーティング-サテン仕上げ(図5B)、2成分ポリウレタンコーティング-高光沢仕上げ(図5C)、及び水性建築用コーティング-つや消し仕上げ(図5D)を表す。明らかに分かるように、2ポンドの重りの300回の摩擦後に最小限の増加した光沢値は、つや消し剤として微粉化ポリマーを利用した例であった。更に、バニシング抵抗は、入射光であり、人間の目に最も顕著な85°光沢レベルで最も効果的である。したがって、85°の光沢角は、シリカよりも微粉化ポリマーを使用した光沢の低減において初期の高効率を示し、したがって微粉化ポリマーは、バニシ抵抗剤としてより高い性能を示す。
【0045】
図6A図6Eは、5%のつや消し剤充填時の、20、60、及び85度の光沢角での様々なコーティング組成物に対するつや消し効率試験の結果を示すグラフである。図6Aは、透明な水性アクリルコーティング、サテン仕上げを表す。図6Bは、透明な水性アクリルコーティング、高光沢仕上げを表す。図6Cは、水性建築用コーティング、つや消し仕上げを表す。図6Dは、溶媒のアルキドコーティング、高光沢仕上げを表し、図6Eは、2成分エポキシコーティング、高光沢を表す。各図では、左のバー群は対照であり、右側の次の1~3つのバー群は様々なシリカを用い、最も右側のバー群は、様々な微粉化ポリマーを用いた。示されるように、本開示の微粉化ポリマーを用いたコーティングは、優れたつや消し効率を呈した。
【0046】
また更に、図7A図7Cは、添加された本開示によるつや消し剤を有する塗料及びインクの文脈において、色移りの低減の利点を図示する。図6A(塗料)及び図6B(インク)に示されるように、2ポンドの重りの300回の摩擦後、左側の対照例(微粉化ポリマーの添加なし)は、5重量%の微粉化ポリマーつや消し剤の充填を含んだ右側の本発明の実施例よりも著しく多い色移りを示す。更に、図6Cは、本開示の実施形態のスクラブ抵抗を示す。
【0047】
図8図11は、光沢の低減、バニシ抵抗、摩擦抵抗、及び粘度増加に関して、粒径の差の影響を示す。例えば、図8は、水性の高光沢透明アクリルコーティングに添加したときの、特に6ミクロン~30ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーによる光沢の低減(91.9の開始85°光沢を有する対照コーティングへの5%のポリマー添加後の85°光沢測定)を示すグラフである。図9は、溶媒ベースのアルキドコーティングに添加したときの、特に6ミクロン~30ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーによるバニシ抵抗(対照コーティングに5%のポリマーを添加し、次いで、Sutherland 2000摩擦抵抗試験機で、200サイクルの間4ポンドで、80gのA4印刷用紙でバニシングした後の85°光沢測定)を示すグラフである。更に、図10は、溶媒ベースのアルキドコーティングに添加した、特に6ミクロン~30ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーによる摩擦抵抗(対照コーティングに5%のポリマーを添加し、Sutherland 2000摩擦抵抗試験機で、200サイクルの間4ポンドで、80gのA4印刷用紙で擦った後)を示すグラフである。また更に、図11は、水性建築用つや消しコーティングに添加した、特に6ミクロン~30ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径の酸化ポリエチレン微粉化ポリマーの粘度増加(対照コーティングに5%のポリマーを添加し、次いでBrookfield粘度計で対照に対する粘度差を測定した後)を示すグラフである。
【0048】
更に、図12A図15は、光沢の低減、バニシ抵抗、摩擦抵抗、及び粘度増加に関して、様々なポリマーの種類での更なる試験結果を示す。例えば、図12Aは、透明の水性アクリルコーティングに添加したときの、特に14ミクロン~18ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径の酸化ポリエチレン及びポリプロピレン微粉化ポリマーによる光沢低減(91.9の開始85°光沢を有する対照コーティングへの5%ポリマー添加後の85°光沢測定)を示すグラフである。図12Bは、2Kポリウレタンコーティングに添加したときの、特に14ミクロン~18ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径の酸化ポリエチレン及びポリプロピレン微粉化ポリマーによる光沢低減(97.9の開始85°光沢を有する対照コーティングへの5%ポリマー添加後の85°光沢測定)を示すグラフである。図13は、透明のアクリルサテン仕上げに添加したときの、特に14ミクロン~18ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーによるバニシ抵抗(対照コーティングに5%のポリマーを添加し、次いでSutherland 2000摩擦抵抗試験機で、200サイクルの間4ポンドで、80gのA4印刷用紙で擦った後の85°光沢測定)を示すグラフである。更に、図14は、エポキシコーティングに添加したときの、特に14ミクロン~18ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーの摩擦抵抗(対照コーティングに5%のポリマーを添加し、次いでSutherland 2000摩擦抵抗試験機で、200サイクルの間4ポンドで、80gのA4印刷用紙で擦った後)を示すグラフである。また更に、図15は、エポキシコーティングに添加したときの、特に14ミクロン~18ミクロンのサイズ範囲の様々な粒径のポリエチレン、酸化ポリエチレン、及びポリプロピレン微粉化ポリマーの粘度増加(対照コーティングに5%のポリマーを添加し、次いでBrookfield粘度計で対照に対する粘度差を測定した後)を示すグラフである。
【0049】
一般に、本開示の実施形態により観察することができる利点としては、バニシングに対する抵抗、良好な傷、研磨、摩耗、及び引っかき抵抗、良好な表面すべり及び感触、長期間貯蔵される間のコーティングのつや消し効率の損失が最小限であるか若しくは損失がない、貯蔵中の沈殿が最小限であるか若しくは沈殿しない、低破砕性、低結合剤需要量、低粘度上昇、並びに同等のもの、又は優れた光沢低減能力が挙げられる。更に、一般に、本開示の実施形態により回避される悪影響には、バニシング、劣悪な傷、研磨、摩耗、及び引っかき抵抗、表面すべり及び感触の悪さ、経時的なつや消し効率の損失、貯蔵時に沈殿する傾向、破砕性、高結合剤需要量、及び粘度上昇が含まれる。
【0050】
前述の詳細な説明で、少なくとも1つの例示の実施形態が提示されたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。例示的な実施形態(複数可)が、単に実施例であり、いかなる意味でも本開示の範囲、適用可能性、又は構成の限定を意図としていないこともまた理解されるはずである。むしろ、前述の「発明を実施するための形態」は、当業者らに例示的な実施形態(複数可)を実施するのに簡便なロードマップを提供するであろう。添付の特許請求の範囲及びその法的等価物に記載されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成において、様々な変更を行うことができることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に塗布するためのマット仕上げコーティングであって、混合物に、
コーティング物質と、
微粉化ポリマーつや消し剤と、を含み、
前記マット仕上げコーティングが、前記マット仕上げコーティングの総重量の約0.5%~約15%の量の前記微粉化ポリマーつや消し剤を含む、マット仕上げコーティング。
【請求項2】
前記マット仕上げコーティングが、前記マット仕上げコーティングの総重量の約1.0%~約12%の量の前記微粉化ポリマーつや消し剤を含み、
前記微粉化ポリマーつや消し剤の前記シリカつや消し剤との重量比が、約10:1~約1:10であり、
前記微粉化ポリマーの平均粒子直径が、約6ミクロン~約30ミクロンであり、
前記コーティング物質が、クリアコート組成物、着色コーティング組成物、塗料組成物、及びインク組成物からなる群から選択される、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。
【請求項3】
前記微粉化ポリマーつや消し剤が、高密度ポリエチレン(HDPE)ポリマー、低密度ポリエチレン(LDPE)ポリマー、酸化ポリエチレンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレン、及びフィッシャー・トロプシュ加工ポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載のマット仕上げコーティング。

【国際調査報告】