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特表2022-533164回転窯シールシステム及び回転窯設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】回転窯シールシステム及び回転窯設備
(51)【国際特許分類】
   F27B 7/33 20060101AFI20220713BHJP
   F27D 7/06 20060101ALI20220713BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20220713BHJP
   F16J 3/04 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
F27B7/33
F27D7/06 B
C09K3/10 Z
F16J3/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568552
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 CN2020107522
(87)【国際公開番号】W WO2021196484
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202010253033.2
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515198452
【氏名又は名称】河南竜成煤高効技術応用有限公司
【氏名又は名称原語表記】HENAN LONGCHENG COAL HIGH EFFICIENCY TECHNOLOGY APPLICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Industry Cluster District,Hongshiqiao Village,Huiche Town,Xixia County,Nanyang,Henan,China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】チュー シューチョン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シーピン
(72)【発明者】
【氏名】リュー イェンウー
(72)【発明者】
【氏名】リー チンフォン
(72)【発明者】
【氏名】リー ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヨンシン
【テーマコード(参考)】
3J045
4H017
4K061
4K063
【Fターム(参考)】
3J045AA20
3J045BA02
3J045BA04
3J045CB14
3J045CB30
3J045EA10
4H017AA01
4H017AD03
4H017AE05
4K061AA08
4K061BA06
4K061BA12
4K061CA21
4K061FA06
4K061HA05
4K063AA05
4K063AA18
4K063BA09
4K063BA13
4K063CA02
4K063DA15
4K063DA23
4K063DA24
(57)【要約】
回転窯シールシステム及び回転窯設備は、シーリング技術の分野に属する。回転窯シールシステムは、第1ハウジング(3212)と第2ハウジング(3222)とを備え、第2ハウジング(3222)が空間的に第1ハウジング(3212)の外部に環装され、第1ハウジング(3212)と第2ハウジング(3222)との間に第1隙間が設けられ、第2ハウジング(3222)の外部に弾性エキスパンションジョイント(323)が設置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムと回転窯材料排出部カバー排気シールシステムとを備え、
前記回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムが、順に連通する材料排出口と、材料排出シール機構と、受入タンクとを備え、
前記回転窯材料排出部カバー排気シールシステムが、順に連通する排気口と、石炭ガスシール機構と、石炭ガスパイプとを備え、
前記材料排出シール機構及び前記石炭ガスシール機構がいずれも第1ハウジングと第2ハウジングとを備え、前記第2ハウジングが空間的に前記第1ハウジングの外部に環装され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間に第1隙間が設けられ、
前記第1ハウジングの一端に第1フランジが固定接続され、前記第2ハウジングの、前記第1フランジから離間する方向において第2フランジが固定接続され、前記第1ハウジングの、前記第1フランジから離間する他端が前記第2フランジ内に位置する自由端であり、前記第2ハウジングの、第1フランジに近接する端と前記第1フランジとの間に第2隙間が設けられ、
前記第2ハウジングの外部に弾性エキスパンションジョイントが設置され、前記弾性エキスパンションジョイントの両端がそれぞれ前記第1フランジ及び前記第2フランジとシール接続し、前記弾性エキスパンションジョイントと、前記第1フランジと、前記第2フランジとがシールチャンバーを形成するように構成され、前記第1フランジと前記第2フランジとの間隔が増減可能であり、
前記第1ハウジングの、前記第2フランジに近接する端面に第1環状板が固定接続され、前記第1ハウジングと、前記第1フランジと、前記第1環状板とがチャンバー構造を形成するように構成され、前記第2ハウジングの、前記第1フランジに近接する端面に第2環状板が固定接続され、前記第2ハウジングと、前記第2フランジと、前記第2環状板とがチャンバー構造を形成するように構成される
ことを特徴とする回転窯シールシステム。
【請求項2】
第1水入口と、第1水出口と、第2水入口と、第2水出口とをさらに備え、
前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングのいずれの内部にも水冷シールチャンバーが設けられ、
前記第1水入口及び前記第1水出口が前記第1ハウジングの外周壁に設けられ、前記第1水入口及び前記第1水出口がいずれも前記第1ハウジングの水冷シールチャンバーに連通し、
前記第2水入口及び前記第2水出口が前記第2ハウジングの外周に設けられ、前記第2水入口及び前記第2水出口がいずれも前記第2ハウジングの水冷シールチャンバーに連通し、
前記第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口が前記弾性エキスパンションジョイントを穿通し、前記第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口がいずれも前記弾性エキスパンションジョイントとシール接続する
ことを特徴とする請求項1に記載の回転窯シールシステム。
【請求項3】
前記弾性エキスパンションジョイントは、弾性ゴム製品又は金属製ベローズエキスパンションジョイントである
ことを特徴とする請求項2に記載の回転窯シールシステム。
【請求項4】
前記弾性エキスパンションジョイントが金属製ベローズエキスパンションジョイントである場合、前記第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口がいずれも3つの接続管からなり、前記3つの接続管が、順に連通する第1金属硬管と第1可撓管と第2金属硬管であり、
前記第1水入口及び前記第1水出口のそれぞれにおける第1金属硬管が前記第1ハウジングと接続し、前記第2水入口及び第2水出口のそれぞれにおける第1金属硬管が前記第2ハウジングと接続し、前記第1水入口、前記第1水出口、前記第2水入口及び前記第2水出口のそれぞれにおける第2金属硬管が、いずれも前記弾性エキスパンションジョイントと接続する
ことを特徴とする請求項3に記載の回転窯シールシステム。
【請求項5】
前記弾性エキスパンションジョイントが弾性ゴム製品である場合、前記第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口がいずれも2つの接続管からなり、前記2つの接続管が、互いに連通する第3金属硬管と第2可撓管であり、
前記第1水入口及び前記第1水出口のそれぞれにおける第3金属硬管が前記第1ハウジングと接続し、前記第2水入口及び第2水出口のそれぞれにおける第3金属硬管が前記第2ハウジングと接続し、前記第1水入口、前記第1水出口、前記第2水入口及び前記第2水出口のそれぞれにおける第2可撓管が、いずれも前記弾性エキスパンションジョイントと接続する
ことを特徴とする請求項3に記載の回転窯シールシステム。
【請求項6】
前記第1ハウジング内に第1保温層が設置され、前記第2ハウジング内に第2保温層が設置される
ことを特徴とする請求項1に記載の回転窯シールシステム。
【請求項7】
前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングのぞれぞれの外周に通気孔が開設される
ことを特徴とする請求項6に記載の回転窯シールシステム。
【請求項8】
前記第1ハウジングと第1フランジとの接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられ、前記第2ハウジングと第2フランジとの接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられる
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の回転窯シールシステム。
【請求項9】
前記第1ハウジングと前記第1環状板との接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられ、前記第2ハウジングと前記第2環状板との接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられる
ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の回転窯シールシステム。
【請求項10】
前記第1ハウジング内に第1保温層が設置され、前記第2ハウジング内に水冷チャンバーが設けられ、
前記回転窯シールシステムは、第2水入口と第2水出口とをさらに備え、前記第2水入口及び前記第2水出口が前記第2ハウジングの外周に設けられ、前記第2水入口及び前記第2水出口がいずれも前記水冷チャンバーに連通し、
第2水入口及び第2水出口が前記弾性エキスパンションジョイントを穿通し、前記第2水入口及び第2水出口がいずれも前記弾性エキスパンションジョイントとシール接続する
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の回転窯シールシステム。
【請求項11】
前記第1フランジ及び前記第2フランジが環状を呈し、前記第2フランジの内周半径をDとし、前記第1フランジの内周半径をBとし、前記第1フランジの側壁の厚さをCとし、前記第1隙間の間隔をAとする場合、D>A+B+Cを満たす
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の回転窯シールシステム。
【請求項12】
前記第2環状板の厚さをFとし、第2隙間の間隔をEとする場合、E>A+Fを満たす
ことを特徴とする請求項11に記載の回転窯シールシステム。
【請求項13】
前記第1水入口及び前記第1水出口がいずれも前記第1ハウジングの下部に設けられ、
前記回転窯シールシステムは、オーバーフロー管をさらに備え、前記オーバーフロー管が前記第1ハウジング内に設置され、前記オーバーフロー管の一端が前記第1ハウジングの頂部まで延在し、前記オーバーフロー管の他端が前記第1水出口に連通する
ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の回転窯シールシステム。
【請求項14】
回転窯窯尻と、回転窯材料排出部カバーと、請求項1~13のいずれか1項に記載の回転窯シールシステムとを備え、
前記回転窯窯尻と前記回転窯材料排出部カバーとが接続し、前記回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム及び前記回転窯材料排出部カバー排気シールシステムがいずれも前記回転窯材料排出部カバーに取り付けられる
ことを特徴とする回転窯設備。
【請求項15】
前記回転窯材料排出部カバー排気シールシステムの排気口は、前記材料排出部カバーの端面に設けられる
ことを特徴とする請求項14に記載の回転窯設備。
【請求項16】
回転窯材料排出部カバー排気シールシステムと回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムとを備え、
前記回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムが、順に連通する材料排出口と、材料排出シール機構と受入タンク口とを備え、前記回転窯材料排出部カバー排気シールシステムが、排気口と石炭ガスパイプとを備え、前記排気口の一端が前記受入タンク口に連通し、前記排気口の他端が前記石炭ガスパイプに連通し、前記排気口が、前記受入タンク口内のガスを前記石炭ガスパイプ内にガイドするように構成され、
前記材料排出シール機構が、第1ハウジングと第2ハウジングとを備え、前記第2ハウジングが空間的に前記第1ハウジングの外部に環装され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間に第1隙間が設けられ、前記第1ハウジングの一端に第1フランジが固定接続され、前記第2ハウジングの、前記第1フランジから離間する方向において第2フランジが固定接続され、前記第1ハウジングの、前記第1フランジから離間する他端が、前記第2フランジ内に位置する自由端であり、前記第2ハウジングの、第1フランジに近接する端と前記第1フランジとの間に第2隙間が設けられ、前記第2ハウジングの外部に弾性エキスパンションジョイントが設置され、前記弾性エキスパンションジョイントの両端がそれぞれ前記第1フランジ及び前記第2フランジとシール接続し、前記弾性エキスパンションジョイントと、前記第1フランジと前記第2フランジによりシールチャンバーを形成するように構成され、前記第1フランジと前記第2フランジとの間隔が増減可能であり、
前記第1ハウジングの、前記第2フランジに近接する端面に第1環状板が固定接続され、前記第1ハウジングと、前記第1フランジと、前記第1環状板とがチャンバー構造を形成するように構成され、前記第2ハウジングの、前記第1フランジに近接する端面に第2環状板が固定接続され、前記第2ハウジングと、前記第2フランジと、前記第2環状板とがチャンバー構造を形成するように構成される
ことを特徴とする回転窯設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本開示は、2020年04月01日に中国専利局に提出された出願番号が2020102530332であり、名称が「回転窯シールシステム及び回転窯設備」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その全ての内容は、参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、シーリング技術の分野に属し、具体的に、回転窯シールシステム及び回転窯設備に関する。
【背景技術】
【0003】
回転窯が始動するとき、回転窯の軸線の真直度が最も悪く、回転窯の振れも最も激しく、そして、回転窯の長時間作動に従って、真直度が直線に近い真直度になりつつあり、回転窯の振れがますます小さくなるが、振れ現象が常に存在しており、回転窯材料排出部カバーが回転窯の回転に従って上下左右に揺動し、材料排出口が材料排出部カバーの上下左右の揺動に従って揺動し、石炭又はオイルシェール又はバイオマスの中低温熱での熱分解において、石炭ガスが毒性を有するとともに安全性にも大きな問題があるため、確実なシーリングが要求される。材料排出部カバーと回転窯窯尻との間の確実なシーリングが要求されるだけでなく、材料排出部カバーの材料排出口と受入タンク口との間の材料排出シール機構に、上下左右に揺動可能であるとともにシーリングの要求を満たすことも要求される。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、材料排出シール機構が、上下左右に揺動可能であるとともに、シーリングの要求を満たすことができる技術的問題を解決できる回転窯シールシステム及び回転窯設備を提供する。
【0005】
本開示の実施例は、下記のように実現される。
【0006】
本開示の実施例による回転窯シールシステムは、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムと、回転窯材料排出部カバー排気シールシステムとを備え、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムが、順に連通する材料排出口と、材料排出シール機構と、受入タンクとを備え、回転窯材料排出部カバー排気シールシステムが、順に連通する排気口と、石炭ガスシール機構と、石炭ガスパイプとを備え、回転窯シールシステムが、第1ハウジングと第2ハウジングとを備え、第2ハウジングが空間的に第1ハウジングの外部に環装され、第1ハウジングと第2ハウジングとの間に第1隙間が設けられ、第1ハウジングの一端に第1フランジが固定接続され、第2ハウジングの、第1フランジから離間する方向において第2フランジが固定接続され、第1ハウジングの、第1フランジから離間する他端が、第2フランジ内に位置する自由端であり、第2ハウジングの、第1フランジに近接する端と第1フランジとの間に第2隙間が設けられ、第2ハウジングの外部に弾性エキスパンションジョイントが設置され、弾性エキスパンションジョイントの両端がそれぞれ第1フランジ及び第2フランジとシール接続し、弾性エキスパンションジョイントと、第1フランジと、第2フランジとがシールチャンバーを形成するように構成され、第1フランジと第2フランジとの間隔が増減可能であり、
第1ハウジングの、第2フランジに近接する端面に第1環状板が固定接続され、第1ハウジングと、第1フランジと、第1環状板とがチャンバー構造を形成するように構成され、第2ハウジングの、第1フランジに近接する端面に第2環状板が固定接続され、第2ハウジングと、第2フランジと、第2環状板とがチャンバー構造を形成するように構成される。
【0007】
回転窯材料排出部カバーが回転窯の回転に従って上下左右に変位するとき、回転窯シールシステムを接続することにより、回転窯シールシステムの変位を補償できるとともに、材料排出システムの確実なシーリングを保証することができる。
【0008】
具体的に、回転窯材料排出部カバーが回転窯の回転に従って上下左右に変位するとき、本開示の実施例による回転窯シールシステムを接続すれば、上下左右の変位が第1フランジと第2フランジとの間に設置される弾性エキスパンションジョイントにより変位緩衝が実現され、第1ハウジングと第2ハウジングとの衝突を防止するため、第1ハウジングと第2ハウジングとの間に第1隙間を設けることにより、十分な変位空間を確保する。また、第2ハウジングの端面と第1フランジとの接触、衝突を防止するため、第2ハウジングの、第1フランジに近接する端と第1フランジとの間に第2隙間が設けられる。
【0009】
二層のハウジング(第1ハウジング及び第2ハウジング)と弾性エキスパンションジョイントの設置により、回転窯シール機構が、材料排出部カバーに従って回転窯回りに回動するとき、変位が制限されないとともに、シール機構の確実なシーリングの要求を満たすことができる。
【0010】
回転窯シールシステムは、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムと、回転窯材料排出部カバー排気シールシステムとを備え、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムが、順に連通する材料排出口と、材料排出シール機構と、受入タンクとを備え、回転窯材料排出部カバー排気シールシステムが、順に連通する排気口と、石炭ガスシール機構と、石炭ガスパイプとを備える。
【0011】
本開示の選択可能な実施形態において、第1ハウジング及び第2ハウジングのいずれの内部にも水冷チャンバーが設けられ、第1ハウジングの外周壁に第1水入口及び第1水出口が設けられ、第2ハウジングの外周壁において第2水入口及び第2水出口が設けられ、第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口が弾性エキスパンションジョイントを穿通し、第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口が弾性エキスパンションジョイントとシール接続する。
【0012】
第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口の第1ハウジング又は第2ハウジングの外周壁における位置は、実際のニーズに応じて調整することができる。
【0013】
第1ハウジング及び第2ハウジング内に熱交換媒体を格納するチャンバー室が設けられる。二層の構造ハウジング(第1ハウジング及び第2ハウジング)により、弾性エキスパンションジョイントが接触したり、受けたりする石炭の熱分解による輻射熱がほとんど二層構造ハウジングにより吸収され、外部の弾性エキスパンションジョイント材料をより自由に選択することができる。
【0014】
また、回転窯シールシステムの外部に最も近いチャンバーにより、弾性エキスパンションジョイントが、受ける内部からの輻射熱が小さくなり、その材料をより自由に選択することができる。
【0015】
弾性エキスパンションジョイントは、弾性ゴム製品又は金属製ベローズエキスパンションジョイントである。
【0016】
本開示の選択可能な実施形態において、上記の弾性エキスパンションジョイントが金属製ベローズエキスパンションジョイントである場合、前記第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口がいずれも3つの接続管からなり、前記3つの接続管が、順に連通する第1金属硬管と第1可撓管と第2金属硬管であり、前記第1水入口及び前記第1水出口のそれぞれにおける第1金属硬管が前記第1ハウジングと接続し、前記第2水入口及び第2水出口のそれぞれにおける第1金属硬管が前記第2ハウジングと接続し、前記第1水入口、前記第1水出口、前記第2水入口及び前記第2水出口のそれぞれにおける第2金属硬管が、いずれも前記弾性エキスパンションジョイントと接続する。
【0017】
本開示の選択可能な実施形態において、上記の金属製ベローズエキスパンションジョイントは金属製伸縮ジョイントであり、材質がステンレス鋼であり、厚さが1~2mmである。
【0018】
第1可撓管は、回転窯シール機構の位置変化に追従する機能を備える。
【0019】
本開示の選択可能な実施形態において、上記の弾性エキスパンションジョイントが弾性ゴム製品である場合、前記第1水入口、第1水出口、第2水入口及び第2水出口がいずれも2つの接続管からなり、前記2つの接続管が、互いに連通する第3金属硬管と第2可撓管であり、前記第1水入口及び前記第1水出口のそれぞれにおける第3金属硬管が前記第1ハウジングと接続し、前記第2水入口及び第2水出口のそれぞれにおける第3金属硬管が前記第2ハウジングと接続し、前記第1水入口、前記第1水出口、前記第2水入口及び前記第2水出口のそれぞれにおける第2可撓管が、いずれも前記弾性エキスパンションジョイントと接続する。
【0020】
他の実施形態において、第1ハウジング内に第1保温層が設置され、第2ハウジング内に第2保温層が設置される。二重の保温構造により、弾性伸縮ジョイントが接触し及び/又は受ける石炭の熱分解による輻射熱がほとんど二重の保温構造により断熱される。
【0021】
一実施形態として、第1ハウジング及び第2ハウジングのそれぞれの外周に通気孔が開設される。通気孔は少なくとも1つあり、このようにすれば、ハウジング内において、熱膨張・収縮のときにハウジング内の保温構造におけるガスの出入りが可能であり、密閉したハウジング内のガスの存在でハウジングの熱膨張・収縮による変形を引き起こすことがない。
【0022】
一実施形態として、第1ハウジングと第1フランジとの接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられ、第2ハウジングと第2フランジとの接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられる。
【0023】
一実施形態として、第1ハウジングと第1環状板との接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられ、第2ハウジングと第2環状板との接続箇所に少なくとも1つの通気隙間が設けられる。
【0024】
他の実施形態において、第1ハウジング内に第1保温層が設置され、第2ハウジング内にハウジングが設けられ、第2ハウジングの外周壁に第2水入口及び第2水出口が設けられ、第2水入口及び第2水出口が弾性エキスパンションジョイントを穿通し、第2水入口及び第2水出口がいずれも弾性エキスパンションジョイントとシール接続する。
【0025】
第2ハウジングに水冷チャンバーが設けられ、循環水によりハウジング内の輻射熱を吸収し、断熱の要求を満たすことができる。
【0026】
本開示の選択可能な実施形態において、上記の第1フランジ及び第2フランジが環状を呈し、第2フランジの内周半径をDとし、第1フランジの内周半径をBとし、第1フランジの側壁の厚さをCとし、第1隙間の間隔をAとする場合、D>A+B+Cを満たす。
【0027】
第2フランジの内周半径Dが、D<A+B+Cを満たす場合、第1ハウジングと第2ハウジングとが衝突する恐れがあり、回転窯シール機構の正常な使用が影響される。
【0028】
(第1隙間)Aの値を、回転窯材料排出部カバーの、回転窯窯尻の回転に従う上下左右の振れの最大値にする。Aの値が過小であれば、第1ハウジングと第2ハウジングとの衝突よる損壊を招くことがある。
【0029】
本開示の選択可能な実施形態において、上記の第2環状板の厚さをFとし、第2隙間の間隔をEとする場合、E>A+Fを満たす。
【0030】
本開示の選択可能な実施形態において、上記の第2ハウジングと、第2フランジと、第2環状板とが溶接によりチャンバー構造を形成するように構成される。
【0031】
本開示の選択可能な実施形態において、上記の第1ハウジングの、第2フランジに近接する端面に第1環状板が固定接続され、第1ハウジングと、第1フランジと、第1環状板とがチャンバー構造を形成するように構成される。
【0032】
本開示の実施例は回転窯設備をさらに提供し、該回転窯設備は、回転窯窯尻と、回転窯材料排出部カバーと、回転窯シールシステムとを備える。前記回転窯窯尻と前記回転窯材料排出部カバーとが接続し、前記回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムと前記回転窯材料排出部カバー排気シールシステムがいずれも前記回転窯材料排出部カバーに取り付けられる。材料排出シールシステムが回転窯の回転に従って上下左右に変位するとき、本開示の実施例による回転窯シールシステムを接続すれば、上下左右の変位が第1フランジと第2フランジとの間に設置される弾性エキスパンションジョイントにより変位緩衝が実現される。
【0033】
回転窯材料排出部カバー排気シールシステムの排気口は、材料排出部カバーの上部に開設される。
【0034】
他の実施形態において、回転窯材料排出部カバー排気シールシステムの排気口は、材料排出部カバーの端面に設けられる。
【0035】
本開示の実施例はさらに回転窯設備を提供し、前記回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステムが、順に連通する材料排出口と、材料排出シール機構と、受入タンク口とを備え、前記回転窯材料排出部カバー排気シールシステムが、排気口と石炭ガスパイプとを備え、前記排気口の一端が前記受入タンク口に連通し、前記排気口の他端が前記石炭ガスパイプに連通し、前記排気口が、前記受入タンク内のガスを前記石炭ガスパイプ内にガイドするように構成され、
【0036】
前記材料排出シール機構が、第1ハウジングと第2ハウジングとを備え、前記第2ハウジングが空間的に前記第1ハウジングの外部に環装され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間に第1隙間が設けられ、前記第1ハウジングの一端に第1フランジが固定接続され、前記第2ハウジングの、前記第1フランジから離間する方向において第2フランジが固定接続され、前記第1ハウジングの、前記第1フランジから離間する他端が、前記第2フランジ内に位置する自由端であり、前記第2ハウジングの、第1フランジに近接する端と前記第1フランジとの間に第2隙間が設けられ、前記第2ハウジングの外部に弾性エキスパンションジョイントが設置され、前記弾性エキスパンションジョイントの両端がそれぞれ前記第1フランジ及び前記第2フランジとシール接続し、前記弾性エキスパンションジョイントと、前記第1フランジと前記第2フランジによりシールチャンバーを形成するように構成され、前記第1フランジと前記第2フランジとの間隔が増減可能であり、
前記第1ハウジングの、前記第2フランジに近接する端面に第1環状板が固定接続され、前記第1ハウジングと、前記第1フランジと、前記第1環状板とがチャンバー構造を形成するように構成され、前記第2ハウジングの、前記第1フランジに近接する端面に第2環状板が固定接続され、前記第2ハウジングと、前記第2フランジと、前記第2環状板とがチャンバー構造を形成するように構成される。
【0037】
石炭ガスと固体材料がともに回転窯材料排出システムを通過したあと、受入タンクで石炭ガスを分離させる。
【0038】
従来技術に比べて、本開示の実施例は、下記の有益効果を有する。
【0039】
本開示の実施例は、回転窯シールシステム及び回転窯設備を提供し、第1ハウジングと、第2ハウジングと、弾性エキスパンションジョイントとを設置することにより、回転窯シールシステムの外部からの確実な密封が実現され、二層ハウジング構造が、上下左右において十分な移動調整範囲が設けられ、したがって、回転窯シールシステムが材料排出部カバーに取り付けられれば、回転窯の回転に従う動きが制限されない。弾性エキスパンションジョイントによれば、揺動変位に対する補償が実現される。また、二層ハウジング構造によれば、石炭の熱分解による輻射熱を吸収することができるため、外部の密封の弾性エキスパンションジョイントの材料をより自由に選択することができ、使用寿命がより長い。本開示の実施例による構造によれば、外部の弾性エキスパンションジョイントが輻射熱に接触することに起因する使用寿命の短縮が避けられる。したがって、本開示の実施例による回転窯設備は、上下左右に揺動可能であるとともに、シーリングの要求を満たすことができる。
【0040】
本開示における実施例の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本開示のいくつかの実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに、他の関連図面を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本開示の実施例による第1種の回転窯設備の模式図である。
図2】本開示の実施例による第1種の材料排出シール機構の内部模式図である。
図3】本開示の実施例による第1種の石炭ガスシール機構の内部模式図である。
図4】本開示の実施例による第2種の材料排出シール機構の内部模式図である。
図5】本開示の実施例による第2種の石炭ガスシール機構の内部模式図である。
図6】本開示の実施例による第2種の回転窯設備の模式図である。
図7】本開示の実施例による第3種の石炭ガスシール機構の内部模式図である。
図8】本開示の実施例による第4種の石炭ガスシール機構の内部模式図である。
図9】本開示の実施例による第5種の石炭ガスシール機構の内部模式図である。
図10】本開示の実施例による第3種の材料排出シール機構の内部模式図である。
図11】本開示の実施例による第4種の材料排出シール機構の内部模式図である。
図12】本開示の実施例による第5種の材料排出シール機構の内部模式図である。
図13】本開示の実施例による第3種の回転窯設備の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするため、本開示の実施例に用いられる図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に説明し、説明される実施例が本開示の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは無論である。ここで図面に示した本開示の実施例における部品は、様々な配置方法で配置、設計することが可能である。
このため、以下の図面に示された本開示の実施例に対する詳細な説明は、本開示の選択された実施例にすぎず、保護しようとする本開示の範囲を限定するものではない。本開示の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の実施例も、本開示の保護範囲に属する。
【0043】
なお、同様な符号は、図面において同様なものを示すので、1つの図面で定義された場合、その他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。
【0044】
本開示の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、或いは、該発明製品の通常の配置方向又は位置関係であり、本開示を簡単及び簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置又は要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたりすることを明示又は暗示するものではないため、本開示を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示又は暗示するものではない。
【0045】
また、「水平」、「縦方向」、「鉛直」等の用語は、部品を絶対的な水平又は鉛直に設置すると意味するのではなく、少し傾斜してもよい。例えば「水平」とは、該当構成の方向が、「縦方向」に対する水平となるように、必ず完全水平になるのではなく、少し傾斜してもよい。
【0046】
本開示の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「設置」、「取付」、「連係」、「接続」を、広義的に理解すべきである。例えば固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本開示における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0047】
図1及び図2に示すように、本実施例による回転窯設備は、回転窯窯尻1と、回転窯材料排出部カバー2と、回転窯シールシステム5とを備える。回転窯シールシステム5は、回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4と、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3とを備える。回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4を利用して石炭ガスを排出し、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3を利用して固体材料を排出する。
【0048】
本実施例において、回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4が回転窯材料排出部カバー2の頂部に設置され、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3が回転窯材料排出部カバー2の底部に設置される。
【0049】
回転窯材料排出部カバー2は横向き筒体21と端面22からなり、横向き筒体21と端面22とが固定溶接され、回転窯材料排出部カバー2が回転窯窯尻1の外周に設置され、使用するとき、回転窯材料排出部カバー2が回転窯窯尻1の回転に従って上下左右に振れ、振れの最大振幅をAとし、Aが50mm未満である。
【0050】
回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3は、材料排出口31と、材料排出シール機構32と、受入タンク口33とを備え、材料排出口31の一端が横向き筒体21の底端とシール接続し、材料排出口31のチャンバーと横向き筒体21のチャンバーとが連通し、材料排出口31の他端が材料排出シール機構32を介して受入タンク口33と接続する。材料排出口31と、材料排出シール機構32と、受入タンク口33とがフランジを介して互いに接続される。
【0051】
使用するとき、材料が材料排出口31から材料排出シール機構32に送られ、受入タンク口33から排出される。
【0052】
図2に示すように、本実施例において、材料排出シール機構32は、第1ハウジング3212と第2ハウジング3222とを備え、第2ハウジング3222が空間的に第1ハウジング3212の外部に環装され、弾性エキスパンションジョイント323が第2ハウジング3222の外部に位置し、第1ハウジング3212の一端に第1フランジ3211が固定接続され、第1ハウジング3212の、第1フランジ3211から離間する他端が、第2フランジ3221内に位置する自由端であり、該自由端が第1ハウジング3212の長手方向に沿って上下変位可能であり、第1隙間内で左右変位可能である。第2ハウジング3222の、第1フランジ3211から離間する方向において第2フランジ3221が固定接続され、弾性エキスパンションジョイント323の両端がそれぞれ第1フランジ3211及び第2フランジ3221とシール接続することにより、第1フランジ3211と第2フランジ3221との間隔が自在に増減可能である。第1ハウジング3212と第2ハウジング3222との間に第1隙間が設けられ、第2ハウジング3222の、第1フランジ3211に近接する端と第1フランジ3211との間に第2隙間が設けられる。
【0053】
本実施例において、第1隙間の間隔をAとする。該第1隙間の最大値は、第1ハウジング3212の外壁と第2ハウジング3222の内壁との間隔の最大値である。
【0054】
第2フランジ3221の内周直径が第1フランジ3211の内周直径より大きい。第1フランジ3211の内周半径値をBとし、第1ハウジング3212が、第1フランジ3211の内周下端面に沿って設置されて第2フランジ3221の端面まで下へ延在し、第1ハウジング3212の下端面において第1環状板3213がシール溶接され、第1ハウジング3212と第1フランジ3211と第1環状板3213とにより溶接シール構造として形成される。第1ハウジング3212の側壁の厚さをCとし、第2フランジ3221の内周半径Dが、D>A+B+Cを満たす。
【0055】
第2ハウジング3222は、第2フランジ3221の内周に沿って設置され、第1フランジの下端面との間隔(第2隙間)がEになるように上へ延在し、第2ハウジング3222の上端面において第2環状板3223がシール溶接される。第2環状板3223の厚さをFとする場合、E>A+Fを満たす。第2ハウジング3222と、第2フランジ3221と、第2環状板3223とにより溶接シール構造として形成される。
【0056】
第1ハウジング3212の外周壁に第1水入口3214及び第1水出口3215が設けられ、第1水入口3214と第1水出口3215とが連通する。ハウジング3222の外周壁に第2水入口3224及び第2水出口3225が設けられ、第2水入口3224と第2水出口3225とが連通する。
【0057】
第1水入口3214と、第1水出口3215と、第2水入口3224と、第2水出口3225がいずれも弾性エキスパンションジョイント323を穿通する。
【0058】
第1フランジ3211と第2フランジ3221との間において、第2ハウジング3222の外周に弾性エキスパンションジョイント323が設置され、弾性エキスパンションジョイント323の上端及び下端がそれぞれ第1フランジ3211及び第2フランジ3221とシール接続する。弾性エキスパンションジョイント323と、第1フランジ3211と、第2フランジ3221とによりシールチャンバーを形成する。
【0059】
本実施例において、弾性エキスパンションジョイント323は、金属製ベローズエキスパンションジョイントである。また、他の実施例において、弾性エキスパンションジョイント323はゴム製品であってもよく、弾性的に補償する機能を備えれば本開示の保護範囲に属する。
【0060】
本実施例において、図2に示すように、第1水入口3214及び第1水出口3215が第1ハウジング3212の頂部に設けられ、第2水入口3224及び第2水出口3225が第2ハウジング3222の頂部に設けられる。使用するとき、外部へ放出する熱輻射量を低減させるように、熱交換媒体(水)によりシール機構における材料の降温を実現させる。
【0061】
本実施例において、第1水入口3214、第1水出口3215、第2水入口3224及び第2水出口3225がいずれも3つの接続管からなっている。該3つの接続管は、順に連通する第1金属硬管と第1可撓管と第2金属硬管であり、第1水入口3214及び第1水出口3215のそれぞれにおける第1金属硬管が第1ハウジング3212と接続し、第2水入口3224及び第2水出口3225のそれぞれにおける第1金属硬管が第2ハウジング3222と接続し、第1水入口3214、第1水出口3215、第2水入口3224及び第2水出口3225のそれぞれにおける第2金属硬管が、いずれも弾性エキスパンションジョイント323と接続する。図1に示すように、回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4は、順に連通する排気口41と石炭ガスシール機構42と石炭ガスパイプ43とを備え、排気口41のチャンバーが回転窯材料排出部カバー2の頂部と連通し、使用するとき、石炭ガスが回転窯材料排出部カバー2の頂部から導出され、石炭ガスシール機構42を通過して石炭ガスパイプ43から導出される。石炭ガスパイプ43に外部の石炭ガス收集装置又は浄化装置を接続することができる。
【0062】
本実施例において、石炭ガスシール機構42の構造は、図3に示すように、図3における矢印Xで示す方向に沿って石炭ガスシール機構42がフランジを介して図1に示された排気口41に接続され、石炭ガスシール機構42の第1フランジ3211が図1に示された排気口41と接続される。
【0063】
図3に示すように、石炭ガスシール機構42は、第1ハウジング3212と第2ハウジング3222とを備え、第2ハウジング3222が空間的に第1ハウジング3212の外部に環装され、弾性エキスパンションジョイント323が第2ハウジング3222の外部に位置する。
【0064】
第1ハウジング3212の底端に第1フランジ3211が固定接続され、第2ハウジング3222の頂端に第2フランジ3221が固定接続され、弾性エキスパンションジョイント323の両端のそれぞれが第1フランジ3211及び第2フランジ3221とシール接続することにより、第1フランジ3211と第2フランジ3221との間隔が自在に増減可能である。第1ハウジング3212と第2ハウジング3222との間に第1隙間が設けられ、第2ハウジング3222の、第1フランジ3211に近接する端と第1フランジ3211との間に第2隙間が設けられる。
【0065】
図3に示すように、第1ハウジング3212の下部に第1水入口3214が設けられ、水が第1水入口3214から第1ハウジング3212内に進入する。第1ハウジング3212内にオーバーフロー管32121が埋設され、オーバーフロー管32121がL字形を呈し、オーバーフロー管32121の一端が第1ハウジング3212のチャンバー室の頂部まで延在し、オーバーフロー管32121の他端が、第1ハウジング3212の外部に位置する第1水出口3215に連通する。
【0066】
使用するとき、冷却水が、第1ハウジング3212の下部における第1水入口3214から第1ハウジング3212のチャンバー室内に進入し、液面が上昇し、冷却水の液面がオーバーフロー管32121の入口の高さまで上昇したとき、水がオーバーフロー管32121内に流入し、そして第1ハウジング3212の下部における第1水出口3215から流出する。このようにすれば、冷却断熱の熱交換が実現される。
【0067】
石炭ガスシール機構42の第2ハウジング3222内にも水冷チャンバーが設けられ、第2ハウジング3222における対向する両側にそれぞれ第2水入口3224及び第2水出口3225が設けられる。本実施例において、石炭ガスシール機構42における第2水入口3224及び第2水出口3225がいずれも第2ハウジング3222の上部に設けられる。使用するとき、図3に示された第2ハウジング3222における左側の第2水入口3224から水が入り、液面の高さが第2水出口3225の高さを超えたとき、水が第2ハウジング3222の外部に流出する。
【0068】
本実施例において、図2及び図3における二層水冷ハウジング構造より材料及び石炭ガスによる輻射熱を吸収する。
【0069】
他のいくつかの実施例において、図4及び図5に示すように、石炭ガスシール機構42及び材料排出シール機構32のそれぞれにおける弾性エキスパンションジョイント323は、いずれも弾性ゴム製品である。図2及び図3では、石炭ガスシール機構42及び材料排出シール機構32のそれぞれにおける弾性エキスパンションジョイント323は、いずれも金属製ベローズエキスパンションジョイントである。
【0070】
他のいくつかの実施例において、図4及び図5を参照し、図4に示された材料排出シール機構32と図2に示された材料排出シール機構32との相違点として、図4において、材料排出シール機構32の第2水入口3224が第2ハウジング3222の底部に設けられ、材料排出シール機構32の第2水出口3225が第2ハウジング3222の頂部に設けられ、図2において、材料排出シール機構32の第2水入口3224及び第2水出口3225がいずれも第2ハウジング3222の頂部に設けられる。
【0071】
また、図4において、材料排出シール機構32における第1水入口3214、第1水出口3215、第2水入口3224及び第2水出口3225がいずれも2つの接続管からなっている。該2つの接続管は、互いに連通する第3金属硬管と第2可撓管であり、第1水入口3214及び第1水出口3215のそれぞれにおける第3金属硬管が第1ハウジング3212と接続し、第2水入口3224及び第2水出口3225のそれぞれにおける第3金属硬管が第2ハウジング3222と接続し、第1水入口3214、第1水出口3215、第2水入口3224及び第2水出口3225のそれぞれにおける第2可撓管が、いずれも弾性エキスパンションジョイント323を穿通するとともに、弾性エキスパンションジョイント323とシール接続する。第2可撓管は、材料排出機構の位置変化を補償する機能を備える。
【0072】
図5に示された石炭ガスシール機構42は、図3に示された石炭ガスシール機構42に対して、石炭ガスシール機構42の第2ハウジング3222における第2水入口3224が第2ハウジング3222の底部に設けられることが相違している。
【0073】
図5において、石炭ガスシール機構42が石炭ガス熱交換を行うとき、冷水を第2ハウジング3222の底部の第2水入口3224に導入し、第2ハウジング3222における液面が第2水出口3225の高さまで上昇したとき、水が第2水出口3225から流出する。第1ハウジングにおいて、冷却水が第1ハウジング3212の下部における第1水入口3214から第1ハウジング3212のチャンバー室内に進入し、液面がオーバーフロー管32121の高さまで上昇したとき、オーバーフロー管32121内に流入し、第1ハウジング3212の下部における第1水出口3215から流出する。このようにすれば、冷却断熱の熱交換が実現される。
【0074】
他のいくつかの実施例において、図6に示すように、図6に示された回転窯設備と図1に示された回転窯設備との相違点として、図6に示された回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4が回転窯材料排出部カバー2の端面に配置され、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3が回転窯材料排出部カバー2の底端に位置し、これに対して、図1における回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4が回転窯材料排出部カバー2の頂端に位置する。
【0075】
他のいくつかの実施例において、図7に示すように、図7に示された石炭ガスシール機構42は、図3における石炭ガスシール機構42に対して、二層のハウジングに第1水入口3214、第1水出口3215、第2水入口3224及び第2水出口3225が設けられていないことが相違している。二層のハウジングのいずれの内部にも保温層が設置され、具体的に、第1ハウジング3212内に第1保温層が設置され、第2ハウジング3222内に第2保温層が設置される。
【0076】
他のいくつかの実施例において、第1フランジ3211及び第1環状板3213との溶接接続箇所で少なくとも1箇所の通気隙間を設け、第2ハウジング3222と第2フランジ3221と第2環状板3223との溶接接続構造で少なくとも1箇所の通気隙間を設けるようにしてもよい。
【0077】
本実施例において、石炭ガスシール機構42の第1ハウジング3212の外層ハウジングに2つの通気孔が設けられ、第2ハウジング3222の外層ハウジングに2つの通気孔が設けられる。
【0078】
図8において、石炭ガスシール機構42の第1ハウジング3212内に第1保温層が設置され、第1ハウジング3212の構造が図7における第1ハウジング3212の構造と同じである。図8において、第2ハウジング3222内に水冷チャンバーが設けられ、第2ハウジング3222の両側にそれぞれ第2水入口3224及び第2水出口3225が設けられる。
【0079】
図8において、第2水入口3224及び第2水出口3225がいずれも第2ハウジング3222の頂部に設けられる。使用するとき、第2水入口3224から水が入り、水冷チャンバー内の液面の高さが第2水出口3225の高さを超えたとき、循環水が第2水出口3225から流出する。
【0080】
他のいくつかの実施例において、図9に示された石炭ガスシール機構42は、図8における石炭ガスシール機構42に対して、図8において、第2ハウジング3222の第2水入口3224が第2ハウジング3222の下部に設けられることが相違している。
【0081】
他のいくつかの実施例において、図10に示すように、図10における材料排出シール機構32は、回転窯窯尻1と、回転窯材料排出部カバー2と、回転窯シールシステム5とを備える。回転窯シールシステム5は、回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4と、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3とを備える。
【0082】
回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3は、材料排出口31と、材料排出シール機構32と、受入タンク口33とを備える。材料排出シール機構32の構造が図10に示すようになる。第1ハウジング3212内に、第1保温層が設置され、水冷チャンバー、第1水入口3214及び第1水出口3215が設けられていない。
【0083】
第1ハウジング3212の外層と第1環状板3213との接続箇所に1つの通気隙間が設けられる。回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4は、順に連通する排気口41と、石炭ガスシール機構42と石炭ガスパイプ43とを備える。
【0084】
石炭ガスシール機構42の構造は、実施例1に用いられる図3に示すように、図3における矢印Xで示す方向に沿って石炭ガスシール機構42がフランジを介して図1に示された排気口41に接続され、石炭ガスシール機構42の第1フランジ3211が図1に示された排気口41と接続される。
【0085】
他のいくつかの実施例において、図11に示された材料排出シール機構32の第2ハウジング3222の外部の第2水入口3224が第2ハウジング3222の下部に設けられ、第2水出口3225が第2ハウジング3222の上部に設けられる。他のいくつかの実施例において、図12における材料排出シール機構32の構成は、図10における材料排出シール機構の構成に対して、第2ハウジング3222内に第2保温層が充填され、第2ハウジング3222の外側に1つの通気孔(図示しない)が設けられる。
【0086】
他のいくつかの実施例において、図13図1との相違点として、図1における回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4が回転窯材料排出部カバー2の頂部に位置し、回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3が回転窯材料排出部カバー2の底部に位置し、図13における回転窯材料排出部カバー排気シールシステム4と回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム3が材料排出シール機構32を共用する。受入タンク口33の底部に材料排出タンク34が固定接続され、材料排出タンク34の縁部に排気口41が設けられ、排気口41が石炭ガスパイプ43に連通する。
【0087】
使用するとき、ガス及び材料がともに材料排出シール機構32から材料排出タンク34に進入し、ガスが分離されたあと、材料排出タンク34の頂部の排気口41から排出される。
【0088】
上記の説明は、本開示の具体的な実施例にすぎず、本開示を限定するものではない。当業者にとって、本開示に各種の変更や変化を有してもよい。本開示の精神及び主旨から逸脱しない限り、行ったすべての変更、均等置換、改良なども、本開示の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0089】
上記のように、本開示に係る回転窯シールシステム及び回転窯設備は、異なる方向での揺動可能であるとともに、シーリングの要求を満たすことができる。
【符号の説明】
【0090】
1 回転窯窯尻
2 回転窯材料排出部カバー
3 回転窯材料排出部カバー材料排出シールシステム
4 回転窯材料排出部カバー排気シールシステム
5 回転窯シールシステム
21 横向き筒体
22 端面
31 材料排出口
32 材料排出シール機構
33 受入タンク口
34 材料排出タンク
3211 第1フランジ
3221 第2フランジ
3212 第1ハウジング
32121 オーバーフロー管
3213 第1環状板
3214 第1水入口
3215 第1水出口
3222 第2ハウジング
3223 第2環状板
3224 第2水入口
3225 第2水出口
323 弾性エキスパンションジョイント
41 排気口
42 石炭ガスシール機構
43 石炭ガスパイプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】