(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】家具駆動装置
(51)【国際特許分類】
E05F 1/12 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
E05F1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568614
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 AT2020060152
(87)【国際公開番号】W WO2020232484
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ホルツアプフェル
【テーマコード(参考)】
2E050
【Fターム(参考)】
2E050BA03
2E050CA04
2E050EA02
2E050EB02
(57)【要約】
家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)を動かすための家具駆動装置(4)であって、組み付けられた状態で、少なくとも所定の領域で、家具本体(2)の家具板(6)の凹部(11)の内側に収容されるように形成されたケーシング(9)、可動の家具部分(3)を動かすための作動アーム装置(5)を含んでおり、家具駆動装置(4)のケーシング(9)にはカバー(12)が設けられていて、カバーは、側方に突出する、実質的にリング状に形成された少なくとも1つのフランジ(12a)を有している家具駆動装置(4)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)を動かすための家具駆動装置(4)であって、
-組み付けられた状態で、少なくとも所定の領域で、前記家具本体(2)の家具板(6)の凹部(11)の内側に収容されるように形成されたケーシング(9)、
-前記可動の家具部分(3)を動かすための作動アーム装置(5)
を含む、家具駆動装置(4)において、
前記家具駆動装置(4)の前記ケーシング(9)にはカバー(12)が設けられていて、前記カバーは、側方に突出する、実質的にリング状に形成された少なくとも1つのフランジ(12a)を有していることを特徴とする、家具駆動装置(4)。
【請求項2】
前記カバー(12)の、前記側方に突出するフランジ(12a)の背面(28)は、前記家具板(6)に、好適には前記家具板(6)の端面(6a)に当接可能な、前記家具駆動装置(4)の前記ケーシング(9)のための奥行き方向ストッパを形成する、請求項1記載の家具駆動装置。
【請求項3】
前記家具駆動装置(4)の前記ケーシング(9)は、第1のケーシング壁(9a)と、前記第1のケーシング壁(9a)から少なくとも所定の領域で離間された第2のケーシング壁(9b)とを有している、請求項1または2記載の家具駆動装置。
【請求項4】
前記第1のケーシング壁(9a)と前記第2のケーシング壁(9b)との間には開口(23)が形成されていて、前記開口(23)の領域に前記カバー(12)が配置されている、請求項3記載の家具駆動装置。
【請求項5】
前記作動アーム装置(5)は、可動に支持された少なくとも1つの作動アーム(5a,5b,5c)を有していて、前記作動アームは、少なくとも1つの相対位置において、前記ケーシング(9)の前記開口(23)を通って突出している、請求項4記載の家具駆動装置。
【請求項6】
前記カバー(12)は、前記ケーシング(9)の前記開口(23)を実質的にリング状に取り囲んでおり、前記ケーシング(9)の前記開口(23)を通って突出する前記作動アーム(5a,5b,5c)は、少なくとも1つの相対位置において、リング状の前記カバー(12)を通って延在している、請求項4または5記載の家具駆動装置。
【請求項7】
前記カバー(12)は、組み付けられた状態で、前記家具本体(2)を前方から見た図において、実質的に長方形状に形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項8】
前記カバー(12)は少なくとも所定の領域でL字型区分を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項9】
前記カバー(12)の前記L字型区分の第1の脚(24a)は、前記家具駆動装置(4)の組み付けられた状態で、前記家具板(6)の端面(6a)に当接している、請求項8記載の家具駆動装置。
【請求項10】
前記カバー(12)の前記L字型区分の第1の脚(24a)は、前記家具駆動装置(4)の組み付けられた状態で、前記家具板(6)の前記端面(6a)から後退した溝(27)に当接していて、これにより、前記カバー(12)の前記L字型区分の前面(29)は、前記家具板(6)の前記端面(6a)と同一平面をなしている、請求項8記載の家具駆動装置。
【請求項11】
前記カバー(12)の前記L字型区分の第2の脚(24b)は、前記家具駆動装置(4)の組み付けられた状態で、前記家具板(6)の内部に入り込んでいる、請求項9または10記載の家具駆動装置。
【請求項12】
前記カバー(12)は、前記家具駆動装置(4)の前記ケーシング(9)と共に一体に形成されているか、または前記ケーシング(9)とは別体の構成部分として形成されており、この場合、好適には、前記カバー(12)は前記ケーシングに取外し可能に接続可能、好適にはスナップ式に被せ嵌め可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項13】
前記カバー(12)は、前記ケーシング(9)とは異なる、好適にはニッケルメッキされた材料から形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項14】
家具本体(2)と、前記家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)と、前記可動の家具部分(3)を動かすための、請求項1から13までのいずれか1項記載の家具駆動装置(4)と、を備えた家具(1)であって、前記家具駆動装置(4)のケーシング(9)は、少なくとも所定の領域で、前記家具本体(2)の家具板(6)の凹部(11)の内側に収容されている、家具(1)。
【請求項15】
前記家具駆動装置(4)の組み付けられた状態において、カバー(12)の、側方に突出するフランジ(12a)が、前記ケーシング(9)と、前記凹部(11)の内壁(11a)との間に存在するギャップ(25)をカバーする、請求項14記載の家具。
【請求項16】
前記家具駆動装置(4)の組み付けられた状態において、前記カバー(12)の、側方に突出する前記フランジ(12a)が、前記家具板(6)の端面(6a)と、前記凹部(11)の内壁(11a)との間に位置する、前記家具板(6)の縁部(26)をカバーする、請求項14または15記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具本体に対して相対的に可動に支持された家具部分を動かすための家具駆動装置であって、
-組み付けられた状態で、少なくとも所定の領域で、家具本体の家具板の凹部の内側に収容されるように形成されたケーシング、
-可動の家具部分を動かすための作動アーム装置、
を含む家具駆動装置に関する。
【0002】
さらに本発明は、家具本体と、家具本体に対して相対的に可動に支持された家具部分と、可動の家具部分を動かすための上述した形式の家具駆動装置とを備えた家具に関する。
【0003】
このような家具駆動装置のケーシングは、通常、家具本体の側壁表面に取り付けられており、家具駆動装置の作動アーム装置は、少なくとも1つ蓄力器によって予荷重をかけられていて、組み付けられた状態で可動の家具部分と接続されている。
【0004】
近年、家具駆動装置のケーシングは、(例えば、国際公開第2019/091968号に示されているように)少なくとも部分的に、家具本体の家具板の凹部の内側に組み込まれるように移行されてきており、これにより家具駆動装置は、もはや殆ど視界には入らない。このような組込み状態では、家具板には、例えば、袋孔の形態の凹部が設けられ、組み付けの際にケーシングをこの袋孔内に挿入することができる。凹部は、例えば、フライス加工によって製作され、この場合、木材の繊維が粗い場合には特に、凹部の視界に入る縁部にささくれが生じ、結果として見栄えが悪くなってしまう危険性が大いにある。さらに、凹部内にケーシングが組み込まれている場合には、ケーシングと、凹部の壁との間にギャップが残るので、凹部の内側におけるケーシングの位置決めは困難を伴う。
【0005】
独国実用新案第202017102812号明細書には、ケーシングを備えた家具駆動装置が示されており、この家具駆動装置は、組付け状態で完全に、家具本体の側壁の内側に収容されている。
図3には、前側の端面区分(符号21)が示されており、この端面区分は、組付け状態で、側壁の細い端面と同一平面をなして配置されている。端面区分21は長方形状の凹部を有していて、この凹部を通って、旋回アーム装置の旋回アームがガイドされている。
【0006】
国際公開第2008/031814号には、可動の家具部分のための開閉装置が示されており、この場合、磁気的なエレメントが、直線的に摺動可能なスライダに配置されている。この装置の前方の端部領域は、拡幅されたフランジを備えたスリーブによって閉鎖されていて、このフランジは、組み付けられた状態で家具本体に当接している。
【0007】
本発明の課題は、上述した欠点のうちの少なくとも1つを回避する冒頭で述べた形式の家具駆動装置を提供することである。
【0008】
この課題は、本発明によれば、特許請求項1の特徴により解決される。本発明のさらなる実施例は、従属特許請求項に記載されている。
【0009】
本発明によれば、家具駆動装置のケーシングにはカバーが設けられていて、カバーは、側方で突出する、実質的にリング状に形成された少なくとも1つのフランジを有していることが想定されている。
【0010】
カバーの側方のフランジは、家具駆動装置の組込み状態に応じて、以下の利点を有することができる。
【0011】
1)カバーの、側方に突出するフランジの背面は、家具板に、好適には家具板の端面に当接可能な、家具駆動装置のケーシングのための奥行き方向ストッパを形成することができる。このようにして、家具駆動装置のケーシングは、組み付けられた状態で、家具板に対して規定された奥行き位置を占める。
【0012】
2)カバーの、側方に突出するフランジは、家具駆動装置の組み付けられた状態で、ケーシングと、凹部の内壁との間に存在するギャップをカバーすることができる。これにより、このギャップはそれ以上、視界には現れなくなる。
【0013】
3)カバーの、側方に突出するフランジは、家具駆動装置の組み付けられた状態で、家具板の端面と、凹部の壁との間に位置する家具板の縁部をカバーすることができる。このようにして、この縁部にささくれのようなものが生じていたとしても、この縁部の手間のかかる後処理を省くことができる。
【0014】
4)側方に突出するフランジの一区分は、家具駆動装置の組み付けられた状態で、家具板の端面から後退した溝に当接することができ、これにより、フランジの前面は、家具板の端面と同一平面をなす。フランジの前面と家具板の端面との間の同一平面の形成の他に、フランジの外縁は、溝に当接可能な側方ストッパを形成することができる。このようにして、家具駆動装置のケーシングは、組み付けられた状態で、家具板に対して規定された側方位置および/または高さ位置を占める。
【0015】
「組み付けられた状態」の概念は、本発明の範囲では、常に、家具駆動装置の規定された通りの通常の組込み位置であると理解される。
【0016】
家具駆動装置のカバーは、家具駆動装置が組み付けられた状態で、可動の家具部分に面していて、ケーシングの前方領域に配置されている。
【0017】
家具駆動装置のケーシングは、例えば実質的に直方体状に形成されていてよく、この場合、カバーは、ケーシングの組み付けられた状態で、家具板に接して直方体状のケーシングの前側の細い面に配置されている。
【0018】
1つの実施例によれば、家具駆動装置のケーシングは、第1のケーシング壁と、第1のケーシング壁から少なくとも所定の領域で離間された第2のケーシング壁とを有していることが想定されていてよい。第1のケーシング壁と第2のケーシング壁との間には開口が形成されていて、この開口の領域にカバーが配置されている。家具駆動装置の作動アーム装置は、可動に支持された少なくとも1つの作動アームを有していてよく、作動アームは、少なくとも1つの相対位置において、ケーシングの開口を通って突出している。
【0019】
カバーは、ケーシングの開口を実質的にリング状に取り囲むことができ、ケーシングの開口を通って突出する、作動アーム装置の作動アームは、少なくとも1つの相対位置において、リング状のカバーを通って延在している。
【0020】
カバーは、組み付けられた状態で、家具本体を前方から見た図において、実質的に長方形状に形成されていてよい。
【0021】
カバーは、少なくとも所定の領域でL字型区分を有していてよく、この場合、L字型区分の第1の脚は、家具駆動装置の組み付けられた状態で、家具板の端面に当接する。代替的に、L字型区分の第1の脚は、家具駆動装置の組み付けられた状態で、家具板の端面から後退した溝に当接していて、これにより、L字型区分の外面は、家具板の端面と同一平面をなすことが想定されてよい。これに対して、L字型区分の第2の脚は、家具駆動装置の組み付けられた状態で、家具板の内部に入り込んでいてよい。
【0022】
カバーは、家具駆動装置のケーシングに結合されてよく、または代替的には、ケーシングに取外し可能に接続可能である。これは、例えば、少なくとも1つのスナップ式接続部で行われてよく、このような接続部により工具を使用せずに、カバーをケーシングに接続することができ、ケーシングから取り外すことができる。
【0023】
カバーは、ケーシングとは異なる、好適には、ニッケルメッキされた材料(例えば、金属、プラスチック、または複合材料)から形成されてよい。
【0024】
本発明のその他の詳細および利点は、以下の図面の説明により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1a】可動の家具部分を有した家具を示す斜視図である。
【
図1b】可動の家具部分を有した家具を示す分解図である。
【
図2a】家具駆動装置を第1のケーシング壁と共に示す斜視図である。
【
図2b】家具駆動装置を第2のケーシング壁と共に示す斜視図である。
【
図4a】家具板に取り付けられた家具駆動装置の実施例を示す水平断面図である。
【
図4b】家具板に取り付けられた家具駆動装置の別の実施例を示す水平断面図である。
【0026】
図1aは、家具1の斜視図を示し、この家具は、家具本体2と、家具本体2に対して相対的に可動に支持された家具部分3と、この可動の家具部分3を動かすための少なくとも1つの家具駆動装置4とを有している。家具1は、側壁の形態の家具板6と、上面7と、下面8とを有している。図示した実施例では、家具駆動装置4は、少なくとも部分的に、好適には実質的に完全に、家具板6として形成された側壁内に組み込まれており、可動の家具部分3は、家具本体2を遮蔽する閉鎖位置と、家具本体2に対して相対的に持ち上げられた開放位置との間で可動に支持されている。勿論、家具駆動装置4を、水平に延在する家具板、すなわち、例えば上面7内に、下面8内に、かつ/または上面7と下面8との間に配置された棚板内に、組み込むこともできる。このような場合、可動の家具部分3は、組付け状態で垂直に延在する軸を中心として、家具本体2に対して相対的に旋回可能に支持されている。家具駆動装置4は、可動の家具部分3を動かすための作動アーム装置5と、作動アーム装置5に力を発揮させるための少なくとも1つの蓄力器10(
図1b)とを有している。
【0027】
図1bは、家具1を分解状態で示しており、可動の家具部分3を動かすための、好適には同一に形成された2つの家具駆動装置4が設けられている。家具駆動装置4は、それぞれ1つのケーシング9を有していて、ケーシングは、組付け状態で、少なくとも所定の領域で、好適には実質的に完全に、家具板6として形成された側壁の凹部11の内側に収容されている。ケーシング9は、組み付けられた状態で、家具板6の端面6aと実質的に同一平面をなしている。凹部11は、例えば、袋孔として形成されていてよく、組み付けの際に、ケーシング9を前方から(すなわち、家具板6の細い端面6aを起点として)、ポケット状の凹部11内へと挿入することができる。ケーシング9内には、作動アーム装置5に力を発揮させるための少なくとも1つの蓄力器10(例えば、1つ以上の圧縮ばね)が配置されている。ケーシング9の前方の端部領域にはカバー12が設けられており、作動アーム装置5の、可動に支持された少なくとも1つの作動アーム5a,5b,5c(
図2a)は、相対位置を変えて、カバー12を通して案内可能である。
【0028】
図2aは、家具駆動装置4を斜視図で示しており、ケーシング9は、好適には実質的に平坦に形成された少なくとも1つのケーシング壁9aを有している。ケーシング壁9aには、軸13を中心として旋回可能な支持部分14が配置されていて、この支持部分では、蓄力器10の第1の端部領域を支持することができる。蓄力器10は、少なくとも1つのコイルばねを、好適には少なくとも1つの圧縮ばねを含んでいてよい。蓄力器10の第2の端部領域は押圧部材20に作用していて、この押圧部材20は、作用個所18を介して、ジョイント軸15を中心として旋回可能な中間レバー16に枢着結合されている。調節エレメント19の回転により、作用個所18の位置は、ねじスピンドル17に沿って調節可能であり、これにより作動アーム装置5に作用する、蓄力器10の力を調節することができる。作動アーム装置5は、可動の家具部分3を動かすための、少なくとも1つの、好適には複数の作動アーム5a,5b,5cを含む。可動の家具部分3には、金具部材21を取り付けることができ、この場合、金具部材21は少なくとも1つのまたは複数の取付個所22を有していて、作動アーム装置5に取外し可能にロック可能である。
図2aでは、作動アーム装置5と金具部材21との間のロック状態が示されている。
【0029】
ケーシング壁9aの前方の端部にはカバー12が設けられていて、このカバーは側方で突出する少なくとも1つのフランジ12aを有している。図示した実施例では、フランジ12aは実質的にリング状に形成されていて、家具板6の端面6aに当接可能な、ケーシング9のための奥行き方向ストッパを形成している。
【0030】
図2bは、
図2aの家具駆動装置4を示しており、この場合、ケーシング9は第2のケーシング壁9bによって閉鎖されている。第1のケーシング壁9aと第2のケーシング壁9bとはそれぞれ平坦に形成されていて、実質的に直方体状のケーシング9を一緒に形成している。ケーシング壁9a,9bは、間隔を置いて互いに平行に位置していて、この場合、ケーシング壁9a,9bの間には前側の開口23が形成されていて、この開口23の領域にカバー12が配置されている。作動アーム装置5の少なくとも1つの作動アーム5a,5b,5cは、少なくとも1つの相対位置において、好適には、可動の家具部分3が完全に開放されている位置において、ケーシング9の開口23を通って、さらにカバー12を通って突出している。
【0031】
図3は、家具駆動装置4を分解図で示している。カバー12は、ケーシング9(ケーシング壁9a,9b)と共に一体に形成されていてよく、または代替的にケーシング9とは別体の構成部分として形成されていてよい。1つの実施例によれば、カバー12は、ケーシング壁9a,9bとは異なる材料から成っていてよく、これにより、美観的な全体の印象を改善させることができる。カバー12は、ケーシング9に取外し可能に取付可能であってよく、これは例えば、少なくとも1つのスナップ結合により行うことができる。
【0032】
図4aは、家具板6に配置されたケーシング9を水平断面図で示している。家具板6には、ケーシング9を収容するための凹部11が、好適には袋孔が設けられている。カバー12の、側方に突出するフランジ12aの背面28は、家具板6に、好適には家具板6の端面6aに当接可能な、家具駆動装置4のケーシング9のための奥行き方向ストッパを形成することができる。このようにして、家具駆動装置4のケーシング9は、組み付けられた状態で、家具板6に対して規定された奥行き位置を占める。カバー12の、側方に突出するフランジ12aは、家具駆動装置4の組み付けられた状態で、ケーシング9と、凹部11の内壁11aとの間に存在するギャップ25をカバーすることができる。これにより、このギャップ25はそれ以上、視界には現れなくなる。カバー12の、側方に突出するフランジ12aは、家具駆動装置4の組み付けられた状態で、家具板6の端面6aと、凹部11の内壁11aとの間に位置する家具板6の縁部26をカバーすることができる。このようにして、この縁部26の、ささくれが生じている場合には特に、手間のかかる後処理を省くことができる。
【0033】
カバー12は、少なくとも所定の領域でL字型区分を有していてよい。この場合、カバー12のL字型区分の第1の脚24aは、家具駆動装置4の組み付けられた状態で、家具板6の端面6aに当接することが想定されていてよい。これに対して、L字型区分の第2の脚24bは、家具駆動装置4の組み付けられた状態で、家具板6の内部に入り込んでいてよい。
【0034】
図4bは、家具板6に配置されたケーシング9を水平断面図で示しており、この場合、家具板6には、端面6aから後退した溝27が設けられている。この実施例では、カバー12の第1の脚24aは、家具駆動装置4の組み付けられた状態で、家具板6の端面6aから後退した溝27に当接していて、これにより、L字型区分の前面29は、家具板6の端面6aと同一平面をなしている。これにより、ケーシング9は、凹部11に関して、奥行き方向でだけではなく、側方方向でも、フランジ12aがリング状に形成されている場合には高さ方向でも、規定されたストッパによって位置決め可能であるという利点が得られる。
【国際調査報告】