IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイオイ ニッセイ ドーワ インシュアランス サービシズ ユーエスエイ コーポレイションの特許一覧

特表2022-533183車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法
<>
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図1
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図2
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図3
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図4
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図5
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図6
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図7
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図8
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図9
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図10
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図11
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図12
  • 特表-車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】車両の運転者の責任を計算するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220713BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220713BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
G06Q10/06 326
G06Q50/10
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568651
(86)(22)【出願日】2020-05-17
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2020033324
(87)【国際公開番号】W WO2020236674
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】62/849,763
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】521500133
【氏名又は名称】アイオイ ニッセイ ドーワ インシュアランス サービシズ ユーエスエイ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】AIOI NISSAY DOWA INSURANCE SERVICES USA CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】藤井 謙治
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ロゾフスキー,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】島村 聡亨
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス,ダニエル
【テーマコード(参考)】
3E138
5L049
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138BA12
3E138MA01
3E138MA02
3E138MA06
3E138MB02
3E138MB03
3E138MB08
3E138MB13
3E138MC03
3E138MC12
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】
本開示の態様は、運転者の車両の操作に基づいて車両の責任および運用コストを生成または計算するシステム、装置および方法に関するものであり、本明細書に記載されている。本開示のシステムおよび方法は、車両センサ、映像入力およびオンボードの人工知能および/または機械学習アルゴリズムの組合せを使用して、車両の運転者により実行される危険な事象を特定し、車両の運転者の運転スコアを生成、計算および評価し、1または複数のエンティティに計算結果を送信することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能命令を格納する1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令が、実行時に、1または複数のプロセッサに動作を実行させるものであり、前記動作が、
車両の運転者のパフォーマンスに関連するパフォーマンスデータを複数のソースから受信するステップと、
運転者のパフォーマンスに影響を与える少なくとも1の危険な事象を特定するステップであって、前記少なくとも1の危険な事象が、パフォーマンスデータに予め設定された閾値を下回るような悪影響を与える、ステップと、
訓練された機械学習モデルを使用してパフォーマンスデータを分析し、運転者のパフォーマンスに影響を与える特定された各危険な事象の深刻度レベルを判定するステップであって、前記訓練された機械学習モデルが、パフォーマンスデータを分析するために複数のタイプの機械学習アルゴリズムを採用する、ステップと、
ユーザインターフェースを介して提示するために、パフォーマンスデータに基づいて少なくとも1のスコアを生成するステップと、
生成した少なくとも1のスコアに基づいて機械学習モデルを改良するステップであって、改良が、パフォーマンスデータに基づいて変更された訓練用コーパスの少なくとも1つに基づいて機械学習モデルを再訓練することを含む、ステップと
を含むことを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記動作が、前記ユーザインターフェースを介して、前記少なくとも1のスコアを少なくとも1人のユーザに通知するステップをさらに含むことを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
請求項1に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記パフォーマンスデータが、センサデータ、診断モジュールからのデータ、エンジン制御ユニットモジュールからのデータ、および自動運転モジュールからのデータのうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
請求項1に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記動作が、
車両に搭載されたカメラを使用した映像データの記録を開始させるステップと、
記録した映像データを、車両閾値事象を用いて分析し、前記少なくとも1の危険な事象を特定するステップとをさらに含むことを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
請求項4に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
車両に搭載されたメモリデバイスが、前記少なくとも1の危険な事象の前後に記録された10秒間の映像を保存することを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
請求項4に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記動作が、
物体検出アルゴリズムを使用して、パフォーマンスデータに影響を与える車両外部の物体を記録映像から識別するステップと、
識別した物体の緯度および経度の座標を診断モジュールプロセッサに送信して、前記少なくとも1の危険な事象に対する物体の影響を判定するための更なる処理を行うステップとをさらに含むことを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
請求項1に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記動作が、
診断モジュール、エンジン制御ユニットモジュールおよび自動運転モジュールからの車両データの保存を開始させるステップと、
保存された車両データの車両閾値事象を分析して、前記少なくとも1の危険な事象を特定するステップとをさらに含むことを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
請求項1に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記動作が、
パフォーマンスデータから事故の発生を判定するステップと、
前記事故に関連する情報を第三者に送信するステップとをさらに含むことを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
請求項1に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記少なくとも1のスコアが、車両上で生成されることを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
請求項1に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記動作が、
前記少なくとも1の危険な事象に深刻度レベルが割り当てられた後に、前記少なくとも1のスコアを更新するステップと、
更新したスコアを、車両にあるオンボードメモリデバイスに格納するステップと、
更新したスコアをリモートデータ・データベースに送信するステップとをさらに含むことを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
請求項10に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記少なくとも1のスコアが、運転者スコアおよびトリップスコアであることを特徴とする1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
コンピュータで実行される方法であって、
車両に搭載された車両モジュールのプロセッサで、車両の運転者のパフォーマンスに関するパフォーマンスデータを、車両に搭載された複数のソースから受信するステップと、
前記車両モジュールのプロセッサで、運転者のパフォーマンスに影響を与える少なくとも1の危険な事象を特定するステップであって、前記少なくとも1の危険な事象が、パフォーマンスデータに予め設定された閾値を下回るような悪影響を与える、ステップと、
前記車両モジュールのプロセッサ内の訓練された機械学習モデルを使用してパフォーマンスデータを分析し、運転者のパフォーマンスに影響を与える特定された各危険な事象の深刻度レベルを判定するステップであって、前記訓練された機械学習モデルが、パフォーマンスデータを分析するために複数のタイプの機械学習アルゴリズムを採用する、ステップと、
前記車両モジュールのプロセッサが、ユーザインターフェースを介して提示するために、パフォーマンスデータに基づいて少なくとも1のスコアを生成するステップと、
前記車両モジュールのプロセッサで、生成した少なくとも1のスコアに基づいて機械学習モデルを改良するステップであって、改良が、パフォーマンスデータに基づいて変更された訓練用コーパスの少なくとも1つに基づいて機械学習モデルを再訓練することを含む、ステップとを備えることを特徴とするコンピュータで実行される方法。
【請求項13】
請求項1に記載のコンピュータで実行される方法において、
前記プロセッサが、前記車両に搭載されたカメラを使用した映像データの記録を開始させるステップと、
前記プロセッサが、前記記録された映像データを、車両閾値事象を用いて分析し、前記少なくとも1のリスクを特定するステップとをさらに含むことを特徴とするコンピュータで実行される方法。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータで実行される方法において、
車両に搭載されたモジュールと通信する診断モジュールが、物体検出アルゴリズムを使用して、パフォーマンスデータに影響を与える車両外部の物体を記録映像から識別するステップと、
識別した物体の緯度および経度の座標を診断モジュールプロセッサに送信して、前記少なくとも1の危険な事象に対する物体の影響を判定するための更なる処理を行うステップとをさらに含むことを特徴とするコンピュータで実行される方法。
【請求項15】
請求項13に記載のコンピュータで実行される方法において、
前記プロセッサが、車両に搭載された診断モジュール、エンジン制御ユニットモジュールおよび自動運転モジュールからの車両データの保存を開始させるステップと、
前記プロセッサが、保存された車両データの車両閾値事象を分析して、前記少なくとも1の危険な事象を特定するステップとをさらに含むことを特徴とするコンピュータで実行される方法。
【請求項16】
車両に搭載されるコンピューティングデバイスであって、
インターフェースと、
前記インターフェースに結合された処理回路とを備え、前記処理回路が、
車両の運転者のパフォーマンスに関連するパフォーマンスデータを複数のソースから受信するステップと、
運転者のパフォーマンスに影響を与える少なくとも1の危険な事象を特定するステップであって、前記少なくとも1の危険な事象が、パフォーマンスデータに予め設定された閾値を下回るような悪影響を与える、ステップと、
訓練された機械学習モデルを使用してパフォーマンスデータを分析し、運転者のパフォーマンスに影響を与える特定された各危険な事象の深刻度レベルを判定するステップであって、前記訓練された機械学習モデルが、パフォーマンスデータを分析するために複数のタイプの機械学習アルゴリズムを採用する、ステップと、
ユーザに提示するために、パフォーマンスデータに基づいて少なくとも1のスコアを生成するステップと、
生成した少なくとも1のスコアに基づいて機械学習モデルを改良するステップであって、改良が、パフォーマンスデータに基づいて変更された訓練用コーパスの少なくとも1つに基づいて機械学習モデルを再訓練することを含む、ステップと
を実行するように構成されていることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【請求項17】
請求項16に記載のコンピューティングデバイスにおいて、
前記処理回路が、
車両に搭載されたカメラを使用して映像データの記録を開始させ、
記録した映像データを、車両閾値事象を用いて分析し、前記少なくとも1の危険な事象を特定するようにさらに構成されていることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【請求項18】
請求項16に記載のコンピューティングデバイスにおいて、
前記処理回路が、
物体検出アルゴリズムを使用して、パフォーマンスデータに影響を与える車両外部の物体を記録映像から識別し、
識別した物体の緯度および経度の座標を診断モジュールプロセッサに送信して、前記少なくとも1の危険な事象に対する物体の影響を判定するための更なる処理を行うようにされに構成されていることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【請求項19】
請求項16に記載のコンピューティングデバイスにおいて、
前記処理回路が、
診断モジュール、エンジン制御ユニットモジュールおよび自動運転モジュールからの車両データの保存を開始させ、
保存された車両データの車両閾値事象を分析して、前記少なくとも1の危険な事象を特定するようにさらに構成されていることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【請求項20】
請求項16に記載のコンピューティングデバイスにおいて、
前記処理回路が、
前記パフォーマンスデータから事故の発生を判定し、
前記事故に関連する情報を第三者に送信するようにさらに構成されていることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明する技術は、概して、運転者による車両の操作またはパフォーマンスを評価することによって、車両の事故リスクおよび運用コストを生成および計算するためのシステム、装置および方法に関するものである。より具体的には、個人の運転スコアが、少なくともセンサ、映像入力および人工知能アルゴリズムに基づいて生成または計算される。
【0002】
優先権主張
本出願は、2019年5月17日に米国特許商標庁に出願された仮特許出願第62/849,763号の優先権および利益を主張するものであり、その内容全体は、すべての該当する目的のために、以下に完全に記載されているかのように、引用により本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
現在、保険業界は、重複したシステムによる複雑なプロセスと、請求を処理するために人間に大きく依存する事務処理に頼っている。保険の請求処理プロセスには、多くの場合、(1)事故報告書を受け取るステップと、(2)顧客と連絡を取り、契約情報を確認するステップと、(3)手書きの事故図面を作成し、請求処理部門に送るステップと、(4)請求処理部門が顧客に連絡し、事故情報を再確認するステップと、(5)請求処理システムに情報を手動で入力するステップが含まれる。
【0004】
請求がシステムに入力された後、査定員は請求の対象となる損傷した車両を審査して事実を確認し、コスト見積もりを決定する必要がある。人身事故が報告された場合は、負傷者との面談を行う。次に、査定人が、同様の事故を手作業で確認し、予想される費用を求め、過失割合を決定して各当事者に支払いを行う。
【0005】
上述したプロセスでは、多くの手作業による処理と検討が必要となり、それにより保険会社のコストが増加し、和解に至るまでに遅延が生じる。さらに、どの査定者が請求を担当するかによって、プロセスの正確性や中立性が変わってくる。以上のことから、請求プロセスを合理化し、ターンアラウンドタイムを延ばし、プロセスに中立性を持たせる自動化されたシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
以下に、本開示の1または複数の態様の概要を、そのような態様の基本的な理解を提供するために示している。この概要は、本開示のすべての企図された特徴の広範な概要ではなく、本開示のすべての態様の主要または重要な要素を特定することも、本開示のいずれかの態様またはすべての態様の範囲を明確にすることも意図されていない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前段階として、本開示の1または複数の態様のいくつかの概念を所定の形式で提示することである。
【0007】
一態様では、本開示は、実行時に1または複数のプロセッサに動作を実行させるコンピュータ実行可能命令を格納する1または複数の非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。それらの動作は、車両の運転者のパフォーマンスに関連するパフォーマンスデータを複数のソースから受信するステップと、運転者のパフォーマンスに影響を与える少なくとも1の危険な事象を特定するステップであって、少なくとも1の危険な事象が、パフォーマンスデータに予め設定された閾値を下回るような悪影響を与える、ステップと、訓練された機械学習モデルを使用してパフォーマンスデータを分析し、運転者のパフォーマンスに影響を与える特定された各危険な事象の深刻度レベルを判定するステップであって、訓練された機械学習モデルが、パフォーマンスデータを分析するために複数のタイプの機械学習アルゴリズムを採用する、ステップと、ユーザインターフェースを介して提示するために、パフォーマンスデータに基づいて少なくとも1のスコアを生成するステップと、生成した少なくとも1のスコアに基づいて機械学習モデルを改良するステップであって、改良が、パフォーマンスデータに基づいて変更された訓練用コーパスの少なくとも1つに基づいて機械学習モデルを再訓練することを含む、ステップとを備える。
【0008】
上記動作は、ユーザインターフェースを介して、少なくとも1のスコアを少なくとも1人のユーザに通知するステップと、車両に搭載されたカメラを使用した映像データの記録を開始させるステップと、記録した映像データを、車両閾値事象を用いて分析し、少なくとも1の危険な事象を特定するステップとをさらに含むことができる。
【0009】
上記動作は、物体検出アルゴリズムを使用して、パフォーマンスデータに影響を与える車両外部の物体を記録映像から識別するステップと、識別した物体の緯度および経度の座標を診断モジュールプロセッサに送信して、少なくとも1の危険な事象に対する物体の影響を判定するための更なる処理を行うステップとをさらに含むことができる。
【0010】
上記動作は、診断モジュール、エンジン制御ユニットモジュールおよび自動運転モジュールからの車両データの保存を開始させるステップと、保存された車両データの車両閾値事象を分析して、少なくとも1の危険な事象を特定するステップとをさらに含むことができる。
【0011】
上記動作は、パフォーマンスデータから事故の発生を判定するステップと、事故に関連する情報を第三者に送信するステップとをさらに含むことができる。
【0012】
上記動作は、少なくとも1の危険な事象に深刻度レベルが割り当てられた後に、少なくとも1のスコアを更新するステップと、更新したスコアを、車両にあるオンボードメモリデバイスに格納するステップと、更新したスコアをリモートデータ・データベースに送信するステップとをさらに含むことができる。
【0013】
別の態様によれば、運転者のリスクを評価するためのコンピュータで実行される方法が提供される。この方法は、車両に搭載された車両モジュールのプロセッサで、車両の運転者のパフォーマンスに関するパフォーマンスデータを、車両に搭載された複数のソースから受信するステップと、車両モジュールのプロセッサで、運転者のパフォーマンスに影響を与える少なくとも1の危険な事象を特定するステップであって、少なくとも1の危険な事象が、パフォーマンスデータに予め設定された閾値を下回るような悪影響を与える、ステップと、車両モジュールのプロセッサ内の訓練された機械学習モデルを使用してパフォーマンスデータを分析し、運転者のパフォーマンスに影響を与える特定された各危険な事象の深刻度レベルを判定するステップであって、訓練された機械学習モデルが、パフォーマンスデータを分析するために複数のタイプの機械学習アルゴリズムを採用する、ステップと、車両モジュールのプロセッサが、ユーザインターフェースを介して提示するために、パフォーマンスデータに基づいて少なくとも1のスコアを生成するステップと、車両モジュールのプロセッサで、生成した少なくとも1のスコアに基づいて機械学習モデルを改良するステップであって、改良が、パフォーマンスデータに基づいて変更された訓練用コーパスの少なくとも1つに基づいて機械学習モデルを再訓練することを含む、ステップとを備える。
【0014】
さらに別の態様によれば、車両に搭載されるコンピューティングデバイスが提供される。このデバイスは、インターフェースと、インターフェースに結合された処理回路とを含む。処理回路は、車両の運転者のパフォーマンスに関連するパフォーマンスデータを複数のソースから受信するステップと、運転者のパフォーマンスに影響を与える少なくとも1の危険な事象を特定するステップであって、少なくとも1の危険な事象が、パフォーマンスデータに予め設定された閾値を下回るような悪影響を与える、ステップと、訓練された機械学習モデルを使用してパフォーマンスデータを分析し、運転者のパフォーマンスに影響を与える特定された各危険な事象の深刻度レベルを判定するステップであって、訓練された機械学習モデルが、パフォーマンスデータを分析するために複数のタイプの機械学習アルゴリズムを採用する、ステップと、ユーザに提示するために、パフォーマンスデータに基づいて少なくとも1のスコアを生成するステップと、生成した少なくとも1のスコアに基づいて機械学習モデルを改良するステップであって、改良が、パフォーマンスデータに基づいて変更された訓練用コーパスの少なくとも1つに基づいて機械学習モデルを再訓練することを含む、ステップとを実行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
様々な特徴、性質および利点は、図面と併せて、以下に記載の詳細な説明から明らかになるだろう。図面において、同様の符号が全体を通じてそれに応じて識別する。
図1図1は、本開示のシステムおよび方法の実施形態が見出される動作環境を示す概念図である。
図2図2は、本開示のいくつかの態様に係る、車両モジュールの例示的なハードウェア態様を示すブロック図である。
図3図3は、本開示のいくつかの態様に係る、ユーザインターフェースモジュールおよびデータプラットフォームモジュールの例示的なハードウェア態様を示すブロック図である。
図4図4は、本開示のいくつかの態様に従って通信をサポートすることができる装置(例えば、電子デバイス)の例示的なハードウェア態様を示すブロック図である。
図5図5は、本開示の1または複数の態様に従って通信するように構成されたデータプラットフォームモジュール/装置の例示的なハードウェア態様のブロック図である。
図6図6は、本開示の1または複数の態様に従って通信するように構成されたユーザインターフェースモジュール/装置の例示的なハードウェア態様のブロック図を示している。
図7図7は、車両の運転者の運転者スコアを計算するための例示的な方法を示す流れ図である。
図8図8は、運転者および車両の安全性を判定するための例示的な方法を示す流れ図である。
図9図9は、保険に関連する保険システムの全体的なプロセスを要約した図である。
図10図10は、事象を検出するプロセスを示す図である。
図11図11は、事象の検出時における車両および物体の位置および動きの推定の精度を向上させるために、複数のデバイスセンサからのデータを使用するプロセスを示す図である。
図12図12は、事故報告書を使用して、関係するエンティティに過失を割り当てる方法を示す図である。
図13図13は、当事者への請求および支払いを代行するための手作業の量を削減するプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概要
車両の運転者の操作およびパフォーマンスに基づいて、車両の責任および運用コストを生成または計算する例示的なシステム、装置および方法を本明細書で説明する。車両センサ、映像入力およびオンボードの人工知能および/または機械学習アルゴリズムの組合せを使用して、本開示のシステムおよび方法は、車両の運転者によって実行される危険な事象を識別し、車両の運転者の運転スコアおよびトリップスコアを生成、計算および評価し、1または複数のエンティティに計算結果を送信することができる。また、被保険資産の損失、盗難または損傷後に保険会社に行う最初の報告である初回損害通知(FNOL)プロセスも、より高い精度、応答時間、および低い運用コストのために自動化される。
【0017】
「センサ」という用語は、車両の動的な状態を検知するための任意のタイプの既知のセンサを指すことができる。センサは、純正機器または市販のツールであってもよい。センサは、マスエアフローセンサ、エンジン速度センサ、酸素センサ、スパークノックセンサ、冷却剤センサ、マニホールド絶対圧(MAF)センサ、燃料温度センサ、電圧センサ、カムシャフト位置センサ、スロットル位置センサ、車速センサまたは速度計、近接センサ、加速度計、全地球測位システム、走行距離計、操舵角センサ、安全システムデータ、無線検知測距(RADAR)、光検知測距(LIDAR)および診断トラブルコードなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0018】
「センサデータ」および「車両センサデータ」という用語は、それが純正機器であるか市販のツールであるかにかかわらず、車の任意のセンサから受信したデータを指している。
【0019】
「車両」という用語は、人または貨物を輸送する任意のタイプの機械を指し、それには、自動車、トラック、バス、オートバイ、飛行機およびヘリコプタが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
「危険な事象」という用語は、運転中に起こる、運転者のパフォーマンスに悪影響を及ぼす任意の出来事またはインシデントを指し、それには、特定の速度でのブレーキ、特定の速度での加速、衝突前の幅寄せの時間、特定の速度でのコーナリング、トリップの時間、トリップの距離、停止標識での不停止、ローリングストップ、完全停止、スピード違反の距離、トリップのコスト、トリップの開始時刻、トリップの停止時刻、トリップの状況およびトリップスコアが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本明細書に記載のいくつかの方法は、サーバ、ユーザインターフェースまたはデバイス、車両モジュールおよびデータモジュールなどのハードウェアに実装されるものであってもよい。それらデバイスの各々は、危険な事象が発生したか否かを判定し、運転者スコアを生成し、セルラおよび/または他のネットワーク通信によって緊急応答車両に事故データを送信することができる。
【0022】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の有形の記憶装置を指す。そのような媒体は、多くの形態をとることができ、それには、不揮発性媒体、揮発性媒体および伝送媒体が含まれるが、これらに限定されるものではない。不揮発性媒体には、例えば、NVRAM、または磁気ディスクや光ディスクなどが含まれる。揮発性媒体には、メインメモリなどの動的メモリが含まれる。コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、光磁気媒体、CD-ROM、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、メモリカードのようなソリッドステート媒体、他のメモリチップやカートリッジ、またはコンピュータが読み取り可能な他の媒体などが挙げられる。コンピュータ可読媒体がデータベースとして構成されている場合、リレーショナル、階層型および/またはオブジェクト指向型など、任意のタイプのデータベースであってよいことを理解されたい。このため、本開示は、本開示のソフトウェア実装が格納されている、有形の記憶媒体および先行技術で認められた均等物および後継媒体を含むと見なされる。
【0023】
本明細書で使用される「中央処理装置」、「プロセッサ」、「プロセッサ回路」および「処理回路」、並びにそれらのバリエーションは、交換可能に使用され、それらは、本明細書に記載された機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理コンポーネント、離散ゲートまたはトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されるものではない。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサの他に、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラまたはステートマシンを含むことができる。また、プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、多数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1または複数のマイクロプロセッサ、ASICとマイクロプロセッサ、または他の任意の数の様々な構成など、コンピューティングコンポーネントの組合せとして実装することもできる。これらのプロセッサの例は説明のためのものであり、本開示の範囲内の他の適切な構成も企図されている。さらに、プロセッサは、1または複数のプロセッサ、1または複数のコントローラ、および/または、実行可能なプログラミングを実行するように構成された他の構造として実装されるものであってもよい。
【0024】
本明細書で使用される「特定する」、「計算する」および「演算する」という用語、並びにそれらのバリエーションは、交換可能に使用され、任意のタイプの方法論、プロセス、数学操作または技術を含む。
【0025】
本明細書で使用される「モジュール」という用語は、その要素に関連する機能を実行することができる、既知のまたは後に開発されるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、人工知能、ファジーロジック、またはハードウェアとソフトウェアの組合せを指している。
【0026】
「ユーザインターフェース」および「ユーザインターフェースモジュール」という用語は、サーバ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータ、マシン、娯楽機器、または回路を有する他の電子機器内で具現化または実装することができる。本明細書に記載のシステムは、様々な物体の周りに境界ボックスを識別して描画することができる。それらの物体には、人、自転車、自動車、オートバイ、バス、列車、トラック、ボート、信号機、消火栓、停止標識および犬が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
「運転者」という用語は、人、または自動運転機能が作動している車両を指すことがある。
【0028】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。本明細書では、単数形での要素への言及が、複数形での要素への言及を意図している。
【0029】
図1は、本開示のシステムおよび方法の実施形態が見出され得る、運転者の車両の操作またはパフォーマンスに基づいて車両の責任および運用コストを生成または計算するための例示的なアーキテクチャ100を示している。このシステムは、車両モジュール104、ユーザインターフェースモジュール106、データプラットフォーム108、およびリモートファイルシステムまたはサーバ142を接続する通信ネットワーク102を含む。第三者アプリケーションプロトコルインターフェース109は、車両モジュール104およびデータプラットフォーム108上で生成されたものにアクセスすることができる。車両モジュール104、ユーザインターフェース106、データプラットフォーム108、リモートファイルシステムまたはサーバ142、および第三者アプリケーションプロトコルインターフェース109については、以下でより詳細に説明する。
【0030】
システム100は、車両から得られたデータを使用して、運転者の車両の操作に関する1または複数のリスクスコアを計算する。データは、車両センサ、映像入力、およびオンボードの人工知能/機械学習の組合せから得られる。
【0031】
いくつかの実施形態では、システム100が、ローカルデータストレージデバイス112および/またはリモートサーバ142、またはローカルおよびリモートデータストレージデバイスおよびファイルシステムの任意の組合せと遣り取りすることができる。
【0032】
ローカルファイルシステム(および/またはリモートファイルシステム)は、ローカルデータストレージデバイス112および/またはリモートデータストレージデバイス142内のデータがどのように格納および取得されるかを制御することができる。いくつかの実施形態では、ローカルデータストレージデバイス112および/またはリモートデータストレージデバイス142にデータとして記憶された情報群を管理するために使用される構造および論理規則を、「ファイルシステム」(例えば、ローカルファイルシステムおよび/またはリモートファイルシステム)と呼ぶことができる。ローカルファイルシステムおよび/またはリモートファイルシステムは、それぞれ、異なる構造およびロジック、速度、柔軟性、セキュリティ、サイズなどの特性を有することができる。いくつかの実施形態では、ローカルファイルシステムおよび/またはリモートファイルシステムの構造およびロジックが、他の既知のファイルシステムよりも改善された速度およびセキュリティを提供する。ローカルデータストレージデバイスおよび/またはリモートデータストレージデバイスは、データが記憶される同じ媒体または異なる媒体を使用することができる。媒体の例には、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスクおよび電子メモリ(フラッシュメモリなど)が含まれる。
【0033】
本明細書に記載の装置、デバイス、システム、機能、モジュール、およびサービスとサーバのいずれかまたはすべての間の通信は、1または複数の有線および/または無線通信ネットワーク134を介して行うことができる。1または複数の通信ネットワーク134の例には、公衆交換電話網(PSTN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのTCP/IPデータネットワーク、および第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表された3G、4G、LTE、および5Gネットワークなどの無線ネットワークが含まれる。1または複数の通信ネットワーク134は、それらの通信ネットワークのような2以上の通信ネットワークのうちの任意の1つまたは組合せであってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0034】
図2は、本開示のいくつかの態様に係る、オンボード車両モジュールの例示的なハードウェア態様を示すブロック図である。車両モジュール104は、車両内の運転者の行動を監視する。少なくともいくつかの実施形態によれば、車両モジュール104は、プロセッサ110と、ローカルデータストレージ112と、1または複数のセンサ114と、診断モジュール116と、エンジン制御ユニット(ECU)118と、通信インターフェース120と、車両の自動運転機能が利用可能な場合、それがいつ作動されるか、それがいつ作動されたか、運転者または車両が自動運転機能を作動させたか否か、および自動運転機能がいつ解除されたかを追跡するための自動運転スイッチ123を有する自動運転モジュール121とを含むことができる。自動運転機能が作動したか否かの情報は、危険な事象が運転者によるものか、または車両によるものかを判定するために使用することができる。
【0035】
車両モジュール104は、車両に設けられた様々なセンサ114(例えば、速度センサ、加速度計、GPSロケータ、タイヤ空気圧センサ、自動運転センサ、およびバックアップカメラなどのオーディオ/ビジュアルセンサ、盗難防止デバイス)を用いて運転者データを収集し、それらセンサは、典型的には、例えばコントローラエリアネットワーク(CAN)バスを介してECUに接続されている。集められた車両センサデータおよび/または映像メタデータから、プロセッサ110は、保険機械学習アルゴリズムおよび以前に集められた広範なデータ収集および分析に基づいて、人工知能および/または機械学習モジュール124を使用して、集められたデータをスコアに演算し、特定のトリップのリスクおよび安全性を含む運転スコアを計算する。
【0036】
一態様によれば、システムは、どの車両センサが利用可能であるかを判定し、必要に応じて、モジュールおよびセンサを無効にすることができる。システムは、モジュールおよびセンサを無効にすると、利用可能なデータ量を考慮して、それに応じてリスク計算を調整する。各車両のトリップ概要では、システムはトリップのスコアと全体のトリップ深刻度を出力することができる。時間の経過とともに、システムは平均トリップスコアに基づいて運転者のリスクプロファイルを構築することができる。このスコアは、リスクプロファイルを使用して、車両自体のコストおよびリスクを推定するとともに、車両の運転者を評価することができる。
【0037】
また、車両モジュール104には、通信ネットワーク102に接続されたユーザインターフェース106、データプラットフォーム108およびサーバ142と、通信ネットワーク102への無線通信リンクを介した通信を可能にするネットワーク通信インターフェース120も設けられている。
【0038】
機械学習モジュール124は、センサ114、診断モジュール116、エンジン制御ユニット118および自動運転モジュール121からのデータを分析して、運転者スコアおよびトリップ情報を生成するための少なくとも1の保険機械学習アルゴリズムから構成される。様々な実施形態では、機械学習モジュール124が、機械学習訓練パイプラインを使用して、機械学習モデルを生成する。
【0039】
診断モジュール116は、車両の自己診断および報告機能に関連するデータをオンボードメモリまたはローカルデータストレージ112に保存し、そこからデータを取り出すことができる。診断モジュール116は、受信したデータを分析し、潜在的な問題を診断し、ユーザ、運転者、保険会社または他のエンティティに提示するためのデータを準備することができる。診断モジュール116は、通信インターフェース120を介して、ユーザインターフェースモジュール106およびデータプラットフォームモジュール108と通信することができる。診断モジュール106は、通信インターフェース120またはプロセッサ110を介して、コマンド/命令を受信し、適切な情報を取得および/または生成し、それを、ユーザ、運転者、保険会社または他のエンティティに提示するためにデータプラットフォームモジュール108に提供することができる。
【0040】
ECU118は、エンジン室内のセンサから値を読み取ることにより、最適なエンジン性能を確保するために、内燃機関の一連のアクチュエータを制御する。それは、多次元性能マップ(ルックアップテーブルと呼ばれる)を用いてデータを解釈し、エンジンアクチュエータを調整する。ECU118は、例えば、空気燃料混合物、点火時期、アイドル回転数などを監視および設定することができる。ECU118からのデータは、機械学習モジュール124に提供され、機械学習アルゴリズムおよび事前に収集されたデータとともに使用され、それにより運転者の運転行動に基づいて運転者リスクスコアが計算される。
【0041】
図3は、本開示のいくつかの態様に係るユーザインターフェースモジュール106およびデータプラットフォームモジュール108の例示的なハードウェア態様を示すブロック図である。ユーザインターフェースモジュール106は、事故/異常分析、過失責任の割り当て、支払い代位、および請求支払いの結果として、第三者が車両および運転者のデータ情報を取得することを可能にする。この情報は、保険システムからの出力を受け入れるように構成されたAPI接続に基づいて、様々なユーザインターフェースを介して、運転者および保険会社に送信することができる。
【0042】
ユーザインターフェースモジュール106は、プロセッサ132、車両ヘッドアップディスプレイ(HUD)モジュール134、ダッシュボードモジュール136、通信インターフェース138、およびメモリまたはデータストレージモジュール140を含むことができる。ユーザインターフェースモジュールは、機械学習モジュール124(図2を参照)に直接提供されるセンサデータをユーザがロードして処理することを可能にする。
【0043】
ユーザインターフェースモジュール106は、外部または第三者が事象および異常行動データを受け取ることを可能にする。ユーザインターフェースモジュール106は、その通信インターフェースを用いて、ユーザインターフェースモジュール106上のAPIへの接続を確立し、ローカルメモリまたはリモートデータストレージ142に記憶されたデータを取得することができる。ユーザインターフェースモジュール106上の車両HUDモジュール136およびダッシュボードモジュール136は、ユーザがデータを閲覧することを可能にする。
【0044】
ユーザインターフェースモジュール106は、通信ネットワーク104に接続されており、よってネットワークコンピューティングデバイスと見なすこともできる。ユーザインターフェース106は、ユーザインターフェースモジュール106が様々なタイプの通信ネットワークを介して通信することを可能にするネットワークまたは通信インターフェース138または複数のネットワークインターフェースを含むことができる。例えば、ユーザインターフェースモジュール106は、ネットワークインターフェースカード、アンテナ、アンテナドライバ、イーサネットポートなどを含むことができる。ユーザインターフェースモジュール106の他の例には、ラップトップ、タブレット、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、シンクライアント、スーパーコンピュータ、サーバ、プロキシサーバ、通信スイッチ、セットトップボックス(STB)、スマートTVなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。プロセッサ110は、保険の機械学習アルゴリズムと、以前に収集した広範なデータ収集および分析に基づいて、人工知能および/または機械学習モジュール124を用いて収集したデータを計算し、特定のトリップのリスクと安全性を含む運転スコアを算出する。すなわち、機械学習モジュール124は、搭載された機械学習方法を使用して、以前に収集された広範なデータセットに対して評価された、取り込んだ車両センサおよび映像データに基づいて、スコア(運転者スコア、トリップスコアおよびリスクスコアなど)をローカルに(車両モジュール上で)計算する。スコアおよびトリップ概要が完了すると、車両モジュール102は、ネットワーク化されたサーバとの接続を確立して、データを送信し、それによりユーザが確立されたデータセットに対して運転者のパフォーマンスを評価できるようにする。
【0045】
データプラットフォームモジュール108に目を向けると、これは、車両モジュール104の車載処理システムと比較して、高い計算能力とメモリ能力を有している。このデータプラットフォーム108は、送られてきたデータをさらに処理するために使用され、性能、コストまたは物理的サイズの制約により車両上で実行することが困難なアルゴリズムを使用して、推定結果の精度を高めることができる。さらに、データプラットフォームモジュール108は、a)他の車両またはデバイスからデータを要求するために、b)他の車両またはデバイスからデータを収集するために、かつ/またはc)他の車両またはデバイスと通信するために、第三者との通信を可能にするプロセスを収容している。さらに、このデータプラットフォーム108は、プロセッサ126と、グラフィックプロセッシングユニット(GPU)128と、a)他の車両またはデバイスからデータを要求するために、b)他の車両またはデバイスからデータを収集するために、かつ/または、c)他の車両またはデバイスと通信するために、第三者との通信を可能にする通信インターフェース130とを含む。
【0046】
一例によれば、システムは、GPUを使用して一度に最大60秒間の映像データを保持することができる。システムが危険な事象を検出すると、GPUは、危険な事象の前後の10秒間の映像を、車両モジュールのオンボードストレージに保存することができる。データは、事象が発生したときに、システムが事象周辺のビデオクリップおよびテレメトリデータを再構築できるように保持され、それが観察される。システムは、定期的な間隔で、トリップデータでリモートデータストレージまたはサーバに更新することができる。定期的な間隔には、トリップの開始時、トリップの終了時、およびトリップの10秒ごとが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
a)事故/異常分析、b)過失責任割り当て、c)支払い代位、および/またはd)請求支払い、の結果としての情報は、保険システムからの出力を受け入れるように構成されたAPI接続に基づいて、様々なユーザインターフェースを介して、運転者および保険会社に送信することができる。
【0048】
GPU入力は、ダッシュボードカメラや運転支援カメラなどの車両カメラから受け取ることができる。ダッシュボードカメラが起動すると、システムは、カメラショットを撮ることにより、モジュールが動作可能であることを確認する。システムがカメラショットを撮ることに失敗した場合は、例えば0.01秒ごとに再試行することができる。カメラが動作していないこと、または映像撮影が終了したことをシステムが検出した場合、システムは映像撮影を分析および処理するサブプロセスにkillコマンドを送信する。映像は、車両上でローカルに処理することも、別のデバイス上で処理することもできる。
【0049】
ユーザインターフェース106は、通信ネットワーク104に接続されており、よってネットワークコンピューティングデバイスと見なすこともできる。ユーザインターフェース106は、ユーザインターフェース106が様々なタイプの通信ネットワークを介して通信することを可能にするネットワークまたは通信インターフェース138または複数のネットワークインターフェースを含むことができる。例えば、ユーザインターフェース106は、ネットワークインターフェースカード、アンテナ、アンテナドライバ、イーサネットポートなどを含むことができる。ユーザインターフェース106の他の例には、ラップトップ、タブレット、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、シンクライアント、スーパーコンピュータ、サーバ、プロキシサーバ、通信スイッチ、セットトップボックス(STB)、スマートTVなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
危険な事象は、車両のセンサまたはCANバスで観測されたデータを監視することによって検出される。システムが、予め設定された閾値レベルに近づく感覚データ、または機械学習でシミュレーションされたモデルに一致するリスクパターンを観測した場合、システムは危険または異常な状況を記録する。危険または異常な状況を記録すると、システムのセンサモジュールは、事象データと利用可能な映像記録をフィルタリングし、それらを、スコアリングモデルを扱うモジュールに引き渡す。
【0051】
図4は、本開示の1または複数の態様に従って通信するように構成された車両モジュール/装置400の例示的なハードウェア態様のブロック図を示している。車両モジュール400は、例えば、通信インターフェース402を含むことができる。通信インターフェース402は、データおよび制御の入出力を可能にすることができる。通信インターフェース402は、例えば、図1の1または複数の通信ネットワーク102と同様に、1または複数の通信ネットワークを介した通信を可能にすることができる。通信インターフェース402は、直接的または間接的に、1または複数の通信ネットワーク102に通信可能に結合され得る。車両モジュール400は、ローカルワーキングメモリデバイス404と、プロセッサシステム/機能/モジュール/デバイス(以下、プロセッサ406)とを含むことができる。プロセッサ406は、ワーキングメモリデバイス404を使用して、これから操作されるデータ、操作中のデータ、または最近操作されたデータを記憶することができる。プロセッサ406は、ワーキングメモリデバイス404上に、かつ/または、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体システム/機能/モジュール/デバイス(以下、非一時的なコンピュータ可読媒体408)などの1または複数の他のメモリ構造またはデバイス上に命令を格納することができる。命令は、プロセッサ406によって実行されると、例えば、本明細書に記載の方法の1または複数の態様をプロセッサ406に実行させることができる。
【0052】
車両モジュール400は、バス410によって一般に表されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス410は、車両モジュール400の具体的なアプリケーションおよび全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス410は、1または複数のプロセッサ(一般にプロセッサ406で表される)、ワーキングメモリデバイス404、通信インターフェース402および非一時的なコンピュータ可読媒体408を含む様々な回路を通信可能に結合することができる。また、バス410は、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、および電力管理回路およびデバイスなどの様々な他の回路およびデバイスも連結することができる。それらは当技術分野でよく知られているため、これ以上は説明しない。
【0053】
通信インターフェース402は、伝送媒体を介して他の装置と通信するための手段を提供する。いくつかの態様では、通信インターフェース402が、ネットワーク内の1または複数の通信デバイスに関して、情報の双方向の通信を容易にするように適合された回路および/またはプログラミングを含む。いくつかの態様では、通信インターフェース402が、車両モジュール400の無線通信を容易にするように適合されている。これらの態様では、通信インターフェース402を、無線通信システム内での無線通信のために、図4に示すように、1または複数のアンテナ412に結合することができる。いくつかの態様では、通信インターフェース402を、有線ベースの通信用に構成することができる。例えば、通信インターフェース402は、バスインターフェース、送信/受信インターフェース、または信号を出力および/または取得する(例えば、集積回路から信号を出力し、かつ/または集積回路に信号を受信する)ためのドライバ、バッファまたは他の回路を含む他のタイプの信号インターフェースであってもよい。通信インターフェース402は、1または複数のスタンドアロンの受信機および/または送信機、並びに、1または複数のトランシーバで構成することができる。図示の例では、通信インターフェース402が送信機414および受信機416を含む。通信インターフェース402は、受信手段および/または送信手段の一例として機能する。
【0054】
プロセッサ406は、バス410の管理と、非一時的なコンピュータ可読媒体408に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担当することができる。ソフトウェアは、プロセッサ406によって実行されると、プロセッサ406に、任意の特定の装置またはモジュールについて以下に説明する様々な機能を実行させることができる。また、非一時的なコンピュータ可読媒体408およびワーキングメモリデバイス404は、ソフトウェアを実行する際に、プロセッサ406によって操作されるデータを格納するために使用することができる。
【0055】
車両モジュール400のプロセッサ406などの1または複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに関わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして広義に解釈することができる。ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読媒体408などの非一時的なコンピュータ可読媒体に常駐することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体408は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティックまたはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータまたはプロセッサ406によりアクセスされて読み取られるソフトウェア、日付および/または命令を格納するための他の適切な非一時的な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体は、例えば、搬送波、伝送ライン、およびコンピュータまたはプロセッサ406によりアクセスされて読み取られるソフトウェアおよび/または命令を送信するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体408は、車両モジュール400(例えば、図1のローカルデータストレージデバイス112)に存在してもよいし、車両モジュール400の外部(例えば、リモートデータストレージデバイス142)に存在してもよいし、車両モジュール400を含む複数のエンティティに分散していてもよい。
【0056】
プロセッサ406は、データの取得、処理および/または送信、データのアクセスおよび記憶の制御、コマンドの発行、並びに、他の所望の動作の制御を行うように構成されている。プロセッサ406は、少なくとも1の例において、適切なメディアによって提供される所望のプログラミングを実装するように構成された回路を含むことができる。
【0057】
非一時的なコンピュータ可読媒体408は、コンピュータプログラム製品によって具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料中にコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課された全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0058】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサ406が、様々な機能のために構成された回路を含むことができる。例えば、プロセッサ406は、動作のための回路/モジュール420を含むことができ、センサおよびディスプレイの動作を管理し、インターネットウェブへのアクセスに関連する入力/出力動作を実行し、例えば、本明細書に記載の方法を実行するように構成されている。例えば、プロセッサ406は、データを格納するように構成されたデータストレージ422システム/機能/モジュール/デバイスを含むことができ、そのデータには、感覚データ、事象データ、閾値レベル、映像データ、運転者データ、スコアデータ、および以前に収集されたデータセットが含まれるが、それらに限定されるものではない。例えば、プロセッサ406は、ローカルデータストレージおよび/またはリモートデータストレージ内のデータがどのように格納および取得されるかを制御するように構成されたファイルシステム/機能/モジュール/デバイス424を含むことができる。例えば、プロセッサ406は、センサ入力および映像入力を制御するように構成されたセンサシステム/機能/モジュール/デバイス426を含むことができる。例えば、プロセッサ406は、例えば、電子メールアカウントを扱い、電子メールメッセージを処理し、送信のために電子メールをまとめ、車両の自己報告データ、記録映像を取得および保存し、例えば、本明細書に記載の方法を実行するように構成された診断システム/機能/モジュール/デバイス426を含むことができる。例えば、プロセッサ406は、車両内のサブシステムの1または複数の電気システムを外部サーバに対して制御し、例えば、本明細書に記載の方法を実行するように構成されたエンジン制御ユニットシステム/機能/モジュール/デバイス430を含むことができる。例えば、プロセッサ406は、過去の使用のモデルを構築するように構成された人工知能システム/機能/モジュール/デバイス432を含むことができる。例えば、プロセッサ406は、危険な事象のときに自動車の自動運転システムが作動していたか否か、および運転者が自動運転システムを作動させたか、または車両が自動運転機能を作動させたかどうかを判定するように構成された自動運転システム/機能/モジュール/デバイス432を含むことができる。
【0059】
本開示のいくつかの態様では、車両モジュール400の非一時的なコンピュータ可読媒体408が、プロセッサ406の様々なシステム/機能/モジュール/デバイスに本明細書に記載の方法を実行させることができる命令を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、動作のための回路/モジュール420への動作命令またはコード420を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、データストレージシステム/機能/モジュール/デバイス422に対応するデータ記憶命令436を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、ファイルシステム/機能/モジュール/デバイス424に対応するファイルシステム命令438を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、センサシステム/機能/モジュール/デバイス426に対応するセンサ命令440を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、エンジン制御ユニットシステム/機能/モジュール/デバイス430に対応する診断命令442を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、エンジン制御ユニットシステム/機能/モジュール/デバイス430に対応するエンジン制御ユニット命令444を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、人工知能システム/機能/モジュール/デバイス432に対応する人工知能命令446を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体408は、自動運転システム/機能/モジュール/デバイス433に対応する自動運転命令446を含むことができる。
【0060】
図5は、本開示の1または複数の態様に従って通信するように構成されたデータプラットフォームモジュール/装置500の例示的なハードウェア態様のブロック図を示している。データプラットフォームモジュール500は、例えば、通信インターフェース502を含むことができる。通信インターフェース502は、データおよび制御の入出力を可能にすることができる。通信インターフェース502は、例えば、図1の1または複数の通信ネットワーク102と同様に、1または複数の通信ネットワークを介した通信を可能にすることができる。通信インターフェース502は、直接的または間接的に、1または複数の通信ネットワーク102に通信可能に結合することができる。データプラットフォームモジュール500は、ワーキングメモリデバイス504と、プロセッサシステム/機能/モジュール/デバイス(以下、プロセッサ506)とを含むことができる。プロセッサ506は、ワーキングメモリデバイス504を使用して、これから操作されるデータ、操作中のデータ、または最近操作されたデータを格納することができる。プロセッサ506は、ワーキングメモリデバイス504上に、かつ/または、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体システム/機能/モジュール/デバイス(以下、非一時的なコンピュータ可読媒体508)などの1または複数の他のメモリ構造またはデバイス上に命令を格納することができる。命令は、プロセッサ506によって実行されると、例えば、本明細書に記載の方法の1または複数の態様をプロセッサ506に実行させることができる。
【0061】
データプラットフォームモジュール500は、バス510によって一般に表されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス510は、データプラットフォームモジュール500の具体的なアプリケーションおよび全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス510は、1または複数のプロセッサ(一般にプロセッサ506で表される)、ワーキングメモリデバイス504、通信インターフェース502および非一時的なコンピュータ可読媒体508を含む様々な回路を通信可能に結合することができる。また、バス510は、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、および電力管理回路およびデバイスなどの様々な他の回路およびデバイスも連結することができる。それらは当技術分野でよく知られているため、これ以上は説明しない。
【0062】
通信インターフェース502は、伝送媒体を介して他の装置と通信するための手段を提供する。いくつかの態様では、通信インターフェース502が、ネットワーク内の1または複数の通信デバイスに関して、情報の双方向の通信を容易にするように適合された回路および/またはプログラミングを含む。いくつかの態様では、通信インターフェース502が、データプラットフォームモジュール500の無線通信を容易にするように適合されている。これらの態様では、通信インターフェース502を、無線通信システム内での無線通信のために、図5に示すように、1または複数のアンテナ512に結合することができる。いくつかの態様では、通信インターフェース502を、有線ベースの通信用に構成することができる。例えば、通信インターフェース502は、バスインターフェース、送信/受信インターフェース、または信号を出力および/または取得する(例えば、集積回路から信号を出力し、かつ/または集積回路に信号を受信する)ためのドライバ、バッファまたは他の回路を含む他のタイプの信号インターフェースであってもよい。通信インターフェース502は、1または複数のスタンドアロンの受信機および/または送信機、並びに、1または複数のトランシーバで構成することができる。図示の例では、通信インターフェース502が送信機514および受信機516を含む。通信インターフェース502は、受信手段および/または送信手段の一例として機能する。
【0063】
プロセッサ506は、バス510の管理と、非一時的なコンピュータ可読媒体508に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担当することができる。ソフトウェアは、プロセッサ506によって実行されると、プロセッサ506に、任意の特定の装置またはモジュールについて以下に説明する様々な機能を実行させることができる。また、非一時的なコンピュータ可読媒体508およびワーキングメモリデバイス504は、ソフトウェアを実行する際に、プロセッサ506によって操作されるデータを格納するために使用することができる。
【0064】
車両モジュール500のプロセッサ506などの1または複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに関わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして広義に解釈することができる。ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読媒体508などの非一時的なコンピュータ可読媒体に常駐することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体508は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティックまたはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータまたはプロセッサ506によりアクセスされて読み取られるソフトウェア、日付および/または命令を格納するための他の適切な非一時的な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体は、例えば、搬送波、伝送ライン、およびコンピュータまたはプロセッサ506によりアクセスされて読み取られるソフトウェアおよび/または命令を送信するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体508は、データプラットフォームモジュール500(例えば、図1のローカルデータストレージデバイス112)に存在してもよいし、データプラットフォームモジュール500の外部(例えば、リモートデータストレージデバイス142)に存在してもよいし、データプラットフォームモジュール500を含む複数のエンティティに分散していてもよい。
【0065】
プロセッサ506は、データの取得、処理および/または送信、データのアクセスおよび記憶の制御、コマンドの発行、並びに、他の所望の動作の制御を行うように構成されている。プロセッサ506は、少なくとも1の例において、適切なメディアによって提供される所望のプログラミングを実装するように構成された回路を含むことができる。
【0066】
非一時的なコンピュータ可読媒体508は、コンピュータプログラム製品によって具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料中にコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課された全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0067】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサ506が、様々な機能のために構成された回路を含むことができる。例えば、プロセッサ506は、動作のための回路/モジュール520を含むことができ、車両モジュール104(図1)およびユーザインターフェースモジュール106(図1)から受信したデータの動作を管理し、インターネットウェブへのアクセスに関連する入力/出力動作を実行し、例えば、本明細書に記載の方法を実行するように構成されている。例えば、プロセッサ506は、データを格納するように構成されたデータストレージ522システム/機能/モジュール/デバイスを含むことができ、そのデータには、感覚データ、事象データ、閾値レベル、映像データ、運転者データ、スコアデータ、および以前に収集されたデータセットが含まれるが、それらに限定されるものではない。例えば、プロセッサ506は、ローカルデータストレージおよび/またはリモートデータストレージ内のデータがどのように格納および取得されるかを制御するように構成されたファイルシステム/機能/モジュール/デバイス524を含むことができる。例えば、プロセッサ506は、車両に搭載されたカメラでの映像入力および出力を制御するように構成されたグラフィックプロセッサシステム/機能/モジュール/デバイス526を含むことができる。
【0068】
本開示のいくつかの態様では、データプラットフォームモジュール500の非一時的なコンピュータ可読媒体508が、プロセッサ506の様々なシステム/機能/モジュール/デバイスに本明細書に記載の方法を実行させることができる命令を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体508は、動作のための回路/モジュール520に対する動作命令またはコード528を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体508は、データストレージシステム/機能/モジュール/デバイス522に対応するデータ記憶命令530を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体508は、ファイルシステム/機能/モジュール/デバイス524に対応するファイルシステム命令532を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体508は、グラフィックプロセッサシステム/機能/モジュール/デバイス526に対応するグラフィックプロセッサ命令534を含むことができる。
【0069】
図6は、本開示の1または複数の態様に従って通信するように構成されたユーザインターフェースモジュール/装置600の例示的なハードウェア態様のブロック図を示している。ユーザインターフェースモジュール600は、例えば、通信インターフェース402を含むことができる。通信インターフェース602は、データおよび制御の入出力を可能にすることができる。通信インターフェース602は、例えば、図1の1または複数の通信ネットワーク102と同様に、1または複数の通信ネットワークを介した通信を可能にすることができる。通信インターフェース602は、直接的または間接的に、1または複数の通信ネットワーク102に通信可能に結合することができる。ユーザインターフェースモジュール600は、ワーキングメモリデバイス604と、プロセッサシステム/機能/モジュール/デバイス(以下、プロセッサ606)とを含むことができる。プロセッサ606は、ワーキングメモリデバイス604を使用して、これから操作されるデータ、操作中のデータ、または最近操作されたデータを格納することができる。プロセッサ606は、ワーキングメモリデバイス604上に、かつ/または、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体システム/機能/モジュール/デバイス(以下、非一時的なコンピュータ可読媒体608)などの1または複数の他のメモリ構造またはデバイス上に命令を格納することができる。命令は、プロセッサ606によって実行されると、例えば、本明細書に記載の方法の1または複数の態様をプロセッサ606に実行させることができる。
【0070】
ユーザインターフェースモジュール600は、バス610によって一般に表されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス610は、ユーザインターフェースモジュール600の具体的なアプリケーションおよび全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス610は、1または複数のプロセッサ(一般にプロセッサ606で表される)、ワーキングメモリデバイス604、通信インターフェース602および非一時的なコンピュータ可読媒体608を含む様々な回路を通信可能に結合することができる。また、バス610は、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、および電力管理回路およびデバイスなどの様々な他の回路およびデバイスも連結することができる。それらは当技術分野でよく知られているため、これ以上は説明しない。
【0071】
通信インターフェース602は、伝送媒体を介して他の装置と通信するための手段を提供する。いくつかの態様では、通信インターフェース602が、ネットワーク内の1または複数の通信デバイスに関して、情報の双方向の通信を容易にするように適合された回路および/またはプログラミングを含む。いくつかの態様では、通信インターフェース602が、ユーザインターフェースモジュール600の無線通信を容易にするように適合されている。これらの態様では、通信インターフェース602を、無線通信システム内での無線通信のために、図6に示すように、1または複数のアンテナ612に結合することができる。いくつかの態様では、通信インターフェース602を、有線ベースの通信用に構成することができる。例えば、通信インターフェース602は、バスインターフェース、送信/受信インターフェース、または信号を出力および/または取得する(例えば、集積回路から信号を出力し、かつ/または集積回路に信号を受信する)ためのドライバ、バッファまたは他の回路を含む他のタイプの信号インターフェースであってもよい。通信インターフェース602は、1または複数のスタンドアロンの受信機および/または送信機、並びに、1または複数のトランシーバで構成することができる。図示の例では、通信インターフェース602が送信機614および受信機616を含む。通信インターフェース602は、受信手段および/または送信手段の一例として機能する。
【0072】
プロセッサ606は、バス610の管理と、非一時的なコンピュータ可読媒体608に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担当することができる。ソフトウェアは、プロセッサ606によって実行されると、プロセッサ606に、任意の特定の装置またはモジュールについて以下に説明する様々な機能を実行させることができる。また、非一時的なコンピュータ可読媒体608およびワーキングメモリデバイス404は、ソフトウェアを実行する際に、プロセッサ606によって操作されるデータを格納するために使用することができる。
【0073】
ユーザインターフェースモジュール600のプロセッサ606などの1または複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに関わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして広義に解釈することができる。ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読媒体608などの非一時的なコンピュータ可読媒体に常駐することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体608は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティックまたはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータまたはプロセッサ606によりアクセスされて読み取られるソフトウェア、日付および/または命令を格納するための他の適切な非一時的な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体は、例えば、搬送波、伝送ライン、およびコンピュータまたはプロセッサ606によりアクセスされて読み取られるソフトウェアおよび/または命令を送信するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体608は、ユーザインターフェースモジュール600(例えば、図1のローカルデータストレージデバイス112)に存在してもよいし、ユーザインターフェースモジュール600の外部(例えば、リモートデータストレージデバイス142)に存在してもよいし、ユーザインターフェースモジュール600を含む複数のエンティティに分散していてもよい。
【0074】
プロセッサ606は、データの取得、処理および/または送信、データのアクセスおよび記憶の制御、コマンドの発行、並びに、他の所望の動作の制御を行うように構成されている。プロセッサ606は、少なくとも1の例において、適切なメディアによって提供される所望のプログラミングを実装するように構成された回路を含むことができる。
【0075】
非一時的なコンピュータ可読媒体608は、コンピュータプログラム製品によって具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料中にコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課された全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0076】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサ606が、様々な機能のために構成された回路を含むことができる。例えば、プロセッサ606は、動作のための回路/モジュール620を含むことができ、車両モジュール104(図1)およびデータプラットフォームモジュール108(図1)から受信したデータの動作を管理し、インターネットウェブへのアクセスに関連する入力/出力動作を実行し、例えば、本明細書に記載の方法を実行するように構成されている。例えば、プロセッサ606は、データを格納するように構成されたデータストレージ622システム/機能/モジュール/デバイスを含むことができ、そのデータには、感覚データ、事象データ、閾値レベル、映像データ、運転者データ、スコアデータ、および以前に収集されたデータセットが含まれるが、それらに限定されるものではない。例えば、プロセッサ606は、ローカルデータストレージおよび/またはリモートデータストレージ内のデータがどのように格納および取得されるかを制御するように構成されたファイルシステム/機能/モジュール/デバイス624を含むことができる。例えば、プロセッサ606は、映像入力および出力を行うように構成された車両HUDシステム/機能/モジュール/デバイス626を含むことができる。例えば、プロセッサ606は、車両上の自動車用ヘッドアップディスプレイを制御するように構成された車両HUDシステム/機能/モジュール/デバイス626を含むことができる。
【0077】
本開示のいくつかの態様では、ユーザインターフェースモジュール600の非一時的なコンピュータ可読媒体608が、プロセッサ606の様々なシステム/機能/モジュール/デバイスに本明細書に記載の方法を実行させることができる命令を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体608は、動作のための回路/モジュール620に対する動作命令またはコード630を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体608は、データストレージシステム/機能/モジュール/デバイス622に対応するデータ記憶命令632を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体608は、ファイルシステム/機能/モジュール/デバイス624に対応するファイルシステム命令634を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体608は、車両HUDシステム/機能/モジュール/デバイス626に対応する車両HUD命令636を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体608は、車両HUDシステム/機能/モジュール/デバイス626に対応するダッシュボード命令638を含むことができる。
【0078】
図7および図8は、車両センサ、映像入力およびオンボード人工知能および/または機械学習モジュールの組合せからデータを収集し、運転者が人である場合の車両の運転者について、または運転者が自動運転機能を動作させた車両である場合の車両の運転者について、データから運転スコアおよびトリップ情報を生成、計算および評価するための例示的なプロセスを示している。また、プロセスは、計算結果を1または複数のエンティティに送信したり、1または複数のエンティティが計算結果を取得できるようにしたりすることもできる。各プロセスは、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せで実行可能な一連の動作を表す、論理フローチャートのブロックの集まりとして示されている。ソフトウェアの場合、ブロックは、1または複数のプロセッサによって実行されると、記載の動作を実行するコンピュータ実行可能命令を表している。一般に、コンピュータ実行可能命令には、特定の機能を実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネントおよびデータ構造などが含まれる。動作を説明する順序は、限定として解釈されることを意図したものではなく、記載のブロックの任意の数を任意の順序で、かつ/またはミラー配置で組み合わせて、プロセスを実装することができる。説明の目的で、本明細書のプロセスを、図1図3のアーキテクチャ100を参照して説明する。
【0079】
図7は、車両の運転者の運転者スコアを計算するための例示的な方法700を示す流れ図である。上述したように、運転者は、人であってもよいし、自動運転機能が作動している場合には車両自体であってもよい。運転者スコア計算プロセス700の実行は、車両のエンジンが始動されてトリップを開始するときに、最初に始まるようにしてもよい(702)。車両がトリップを進行するに連れて、車両に搭載された車両モジュールは、センサ、診断モジュール、エンジン制御ユニットおよび/または自動運転モジュールからデータを収集または採取する(704)。車両モジュールは、危険な事象を継続的に監視する(706)。危険な事象が検出されない場合(708)、車両モジュールは、トリップが終了したか否かを判定する(710)。
【0080】
危険な事象が検出された場合(712)、車両モジュールにおいて、異常な状況を示すために車両閾値事象により、オンボードおよびオフボード分析のために映像および/または車両データの記録が開始される(714)。一例によれば、車両モジュールは、危険な事象のピークを判定するために5~10秒のウィンドウを使用することができる。例えば、運転者が突然ブレーキをかけた場合、車両モジュールは、10秒の時間枠にわたって対応するセンサデータをチェックして、最大減速の時間を求めることができる。車両モジュールが、危険な事象が発生したと判定した場合、例えば0~3(または0~4)の深刻度レベルが割り当てられ、トリップ概要が更新される。トリップ概要は、車両に搭載された車両モジュールに保存されるだけでなく、トリップの開始時と終了時、および10秒ごとにリモートデータベースまたはサーバに送信されるようにしてもよい。トリップの過程で検出された危険な事象のすべての深刻度レベルは、トリップの深刻度を計算するために使用することができ、これは、トリップスコアの評価に使用することができる。一例によれば、システムは、トリップの構成された典型的な深刻度(または予め設定された深刻度または閾値)および1分ごとの実際の深刻度を考慮した上で、トリップスコアが0~100の数字である場合に、トリップの1分ごとに、トリップの深刻度を4と自動的に想定することができる。以下の表1は、一例による、危険な事象に関連する深刻度を示している。表1は、例示的かつ非限定的な例であることを意図しており、他の危険な事象および深刻度レベルを含むことができる。
【0081】
ある事象が検出されると、システムは、60秒の映像データを使用して、事象のタイムスタンプの前の10秒と後の10秒の映像を保存することができる。その後、車両モジュールは、記録したコンテンツを分析し、物体検出アルゴリズムを使用して、認識した各物体の周囲にボックスを描画する。物体の境界ボックスを作成した後、車両モジュールはボックスの座標をプロセッサに送り、危険な事象の処理を行う。すなわち、システムは、運転者の運転パフォーマンスに影響を与えた車外にある物体を特定することができる。ボックスは、物体検出アルゴリズムを用いて、パフォーマンスデータに影響を与えた記録映像から、車外の物体を特定する。特定した物体の緯度と経度の座標が求められ、それらの座標は、運転者パフォーマンスへの影響を判定する更なる処理のために、診断モジュールプロセッサに送信されるようにしてもよい。
【0082】
トリップから収集されたすべてのデータに基づいて、システムは、累積的な総合運転者スコアのためのトリップベースの運転者スコアリングを計算する(716)。次に、システムは、データ収集および分析に基づいて、人工知能および/または機械学習を使用して、収集した車両センサおよび/または映像メタデータを計算し、リスクおよび安全性のスコアを含む運転スコアを展開する(718)。これ以上危険な事象が検出されず、トリップが終了したと判定された場合(720)、システムはデータの収集を停止する。
【0083】
図8は、運転者および車両の安全性を判定するための例示的な方法800を示す流れ図である。安全スコア計算プロセス800の実行は、トリップ中にデータを採取、収集および/または検出することから始まる。上述したように、運転者は、人であってもよいし、自動運転機能が作動している場合には車両自体であってもよい。診断データが収集され(802)、診断データから、トリップ中にトラブルコードが発生したか否かが判定され(804)、危険な事象データが特定され(806)、危険な事象に対する深刻度レベルが割り当てられる(808)。また、運転データも収集され(810)、運転データから異常な行動が検出されたか否かが判定され(812)、危険な事象データが特定され(814)、危険な事象に対する深刻度レベルが割り当てられる(816)。収集したデータ、検出したトラブルコード、特定した危険な事象、および割り当てた事象の深刻度レベルを使用して、システムは、トリップの進行中に、中間スコアを求める(818)。トリップが終了すると(820)、トリップ深刻度が割り当てられ(822)、トリップスコアが求められる(824)。トリップ深刻度レベルおよびトリップスコアを用いて、運転者スコアが計算される(826)。
【0084】
トリップスコアを求める際に分析できる要因には、観察された運転者の行動、利用可能な車両安全システム、車両メンテナンスのレベル、および走行距離および時間が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
本開示の一態様によれば、システムは、十分な深刻度の異常を判定すると、緊急対応要員およびレッカー車に連絡して派遣し、また、医療施設および車両修理施設の選択に関与する人々を支援することができる。システムは、車両の位置と向きを追跡することができる。慣性計測ユニット(IMU)が装着されている場合は、システムは、GPSサンプルとは別にIMUデータを処理し、それにより、より詳細な車両情報を提供することができる。システムは、GPSおよびIMUから、経度、緯度、高度、速度、方向、経度の誤差(メートル)、緯度の誤差(メートル)、速度の誤差(メートル/秒)、高度の誤差(メートル)、方向の誤差(度)などの車両情報を毎秒取得することができる。
【0086】
その後、GPSモジュールは、システムが受け取る情報の精度と正確さを高めるのに役立つ、アンセンテッドカルマン・ローカライゼーションフィルタを使用して、GPSデータを処理する。ローカライゼーションフィルタ自体は、速度と方向に基づいて車両の位置を推定し、それをGPSから受信した情報と照合する。受信状態の悪い地域では、システムは、GPSデータを重視するのではなく、ローカライゼーションフィルタの予測を重視することができる。
【0087】
図9は、保険に関連する保険システムの全体的なプロセスを要約した図である。インシデントが検出されたときに行われる4つの主要なプロセスが示されている。その主なプロセスは、a)事故および他の異常の検出、b)異常の再構築と説明、c)インシデントのコストと過失の帰属、d)代位と支払いを示している。
【0088】
図10は、事故または異常、すなわちインシデントを検出するためのプロセスを示す図である。運転中は、1分間分の車両センサ情報を保持するために、割り当てられた量のデータストレージが確保される。事故または異常が検出されると、インシデントを確認した可能性のある周囲の車両およびデバイスに警告が発せられる。インシデントを視認できる可能性のある範囲内の車両およびデバイスからのデータは、更なる分析のために保険システムのデータプラットフォームに送信される。
【0089】
図11は、検出されたインシデントの時点の車両や物体の位置や動きの推定の精度を向上させるために、複数のデバイスセンサからのデータを使用するプロセスを示す図である。この図は、検出された物体の経路予測や、検出された異常/事故につながった可能性のある行動を示すような、デバイスおよび車両センサデータによって検出された物体のアクティビティを再構築するプロセスも示している。このプロセスの結果として、発生したアクティビティのインシデントレポートと事象ログが作成される。
【0090】
図12は、インシデントレポートを使用して関係するエンティティに過失を割り当てる方法を示す図である。異常タイプに基づく過去の保険金請求の結果に基づいて訓練されたモデルが、インシデントレポートで実行される。このモデルは、部品メーカや車両ソフトウェアメーカに限定されるものではないが、それらを一因とする潜在的な過失とともに、インシデントの位置で検出された物体およびエンティティに過失を割り当てる。過失が割り当てられ後、過去の保険請求情報をもとに訓練されたモデルからコストが推定される。また、運転者または同乗者が携帯電話でインシデントの写真を撮影した場合は、その写真を保険システムのデータプラットフォームにアップロードして、インシデントの画像で訓練したコスト推定モデルを実行することができる。推定されたコストとコスト推定の精度を考慮して、被保険者への支払いを自動的に行うか、または人間のエージェントに承認を要求するかを決定することができる。
【0091】
図13は、当事者への請求および支払いを代位するための手作業の量を減らすプロセスを示す図である。先ず、インシデントから生成されたデータを使用して、検出した物体に関する識別モデルが実行され、当事者の保険会社をリモートデータベースから取得するために車両のナンバープレート情報が検出される。その情報だけでは当事者を特定できない場合は、個人が携帯電話で運転免許証の写真を撮ることができる。運転免許証の画像は、書かれた文字や数字を検出するように訓練されたモデルによって、当事者の情報を抽出するために使用される。その後、過去の過失モデルの出力に基づいて、特定された当事者、その保険会社に過失割合が通知される。割り当てられた過失割合に基づいて、支払いが代位され、当事者は保険金を受け取ることになる。
【0092】
上記システムは、車両上およびデバイス上に事故データを格納することができる。
【0093】
上記システムは、利用可能なセンサおよび/またはデータ入力に対して、危険な特徴の計算および異常検出を調整するために使用することができる。
【0094】
上記システムは、フリート管理のための運転者および車両のリスク推定および安全性評価に使用することができる。
【0095】
上記システムは、事故の後、携帯電話および/または他のネットワーク接続によって緊急応答サービスに事故データを送信するために使用することができる。
【0096】
上記システムは、事故データから車両修理、保険請求および人身事故を推定するために使用することができる。
【0097】
上記システムは、運転者および/または車両の安全性分析に使用することができる。
【0098】
上述したシステムは、金融業界と保険業界の両方に適用することができる。それは、リースやローンの残価計算に使用することができる。生成されたリスク計算および推定は、動きおよび車両の走行距離を特定して車両の残価を推定するために使用することができる。その後、残価は、リース価格、フリート管理売上、車両価格、オークション価格、全損保険の査定額の見積もりに使用することができる。推定された運転者スコアおよびトリップ概要は、走行したマイルあたりのトリップのコスト、運転者の保険料の変更、および車両の損耗を計算するために使用することができる。
【0099】
結び
本開示において、「例示的」という語は、「例、事例または例示として役立つ」という意味で使用される。本明細書で「例示的」として記載される任意の態様または側面は、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましいか、または有利であると解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が記載の特徴、利点または動作モードを含むことを必要としない。本明細書では、「結合」という用語は、2つの物体間の直接的または間接的な結合を指すために使用される。例えば、物体Aが物体Bに物理的に接触し、物体Bが物体Cに接触している場合、物体Aと物体Cは、それらが直接物理的に接触していなくても、互いに結合していると見なすことができる。例えば、第1の物体が第2の物体と直接物理的に接触していなくても、第1の物体が第2の物体に結合している場合がある。「回路」および「電気回路」という用語は、広義に使用され、電子回路のタイプに限定されることなく、接続および構成されたときに本開示に記載の機能の実行を可能にする電気デバイスおよび導体のハードウェア実装と、プロセッサによって実行されたときに本開示に記載の機能の実行を可能にする情報および命令のソフトウェア実装との両方を含むことを意図している。「少なくとも1」および「1または複数」は、本明細書において交換可能に使用され得る。
【0100】
本開示において、構成要素「Aおよび/またはB」の使用は、「AまたはBまたはAおよびB」を意味することができ、代替的には「A、B、またはそれらの組合せ」または「A、B、またはその両方」と表現することができる。本開示において、構成要素「A、B、および/またはC」の使用は、「AまたはBまたはC、またはそれらの任意の組合せ」を意味することができ、代替的には「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」と表現することができる。
【0101】
本明細書に示すコンポーネント、ステップ、特徴および/または機能のうちの1または複数は、再配置し、かつ/または単一のコンポーネント、ステップ、特徴または機能に結合することができ、または複数のコンポーネント、ステップまたは機能に具現化することができる。また、本明細書で開示の新規の特徴から逸脱することなく、追加の要素、コンポーネント、ステップおよび/または機能を追加することができる。本明細書で示す装置、デバイスおよび/またはコンポーネントは、本明細書に記載の方法、特徴またはステップのうちの1または複数を実行するように構成することができる。また、本明細書に記載の新規のアルゴリズムは、ソフトウェアに効率的に実装され、かつ/またはハードウェアに組み込まれ得る。
【0102】
開示の方法におけるステップの具体的な順序または階層は、例示的なプロセスの一例であることを理解されたい。設計上の望ましさに基づいて、方法におけるステップの具体的な順序または階層を再配置できることを理解されたい。添付の方法の請求項は、様々なステップの要素を例示的な順序で提示しており、そこに具体的に記載されていない限り、提示された具体的な順序または階層に限定されることを意図するものではない。
【0103】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1または複数」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1または複数を指している。アイテムのリストの「少なくとも1の」に言及する句は、単一の部材を含む、それらアイテムの任意の組合せを指している。例えば、「a、b、またはcの少なくとも1」は、a;b;c;aおよびb;aおよびc;bおよびc;a、bおよびcを含むことが意図される。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。請求項の要素が「のための手段(means for)」という文言を使用して明示的に記載されていない限り、また、方法の請求項の場合には、「のためのステップ(step for)」という文言を使用して記載されていない限りは、何れの請求項の要素も、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【0104】
本明細書において、「特定する」という用語は、多種多様な動作を包含する。例えば、「特定する」ことは、計算すること、演算すること、処理すること、導き出すこと、調査すること、検索すること(例えば、テーブル、データベースまたは他のデータ構造で検索すること)、確認すること等を含むことができる。また、「特定する」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)等も含むことができる。また、「特定する」ことは、求めること、選択すること、選ぶこと、確立すること等も含むことができる。
【0105】
上述した開示は例示的な態様を示しているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更および修正が可能であることに留意されたい。また、本明細書に記載の態様に係る方法の請求項の機能、ステップまたは動作は、特に明記しない限り、特定の順序で実行する必要はない。さらに、要素が単数形で記載または請求されることがあるが、単数形への限定が明示されていない限り、その複数形が企図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】