(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】歯の治療装置
(51)【国際特許分類】
A61C 1/08 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
A61C1/08 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569286
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 US2020033837
(87)【国際公開番号】W WO2020236953
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512125116
【氏名又は名称】ソネンド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハクプール,メールザド
(72)【発明者】
【氏名】ベルクハイム,ビャーネ
(72)【発明者】
【氏名】パルハム,テイト レイ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ミナッシャン,デヴィッド
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA01
4C052AA06
4C052AA15
4C052AA16
4C052CC01
4C052CC11
4C052CC21
(57)【要約】
歯を治療するための装置であって、壁と、前記壁によって少なくとも部分的に画定されるチャンバとを有する流体プラットフォームを有する。前記流体プラットフォームは、歯に対して配置されて前記チャンバ内に流体を保持し、アクセスポートを介して前記歯の治療領域と前記チャンバとの間の流体連通を提供する。前記チャンバは中心軸を有する。流体供給ポートは、前記中心軸に対して非平行な流れ軸に沿って前記チャンバを横切るように流体の流れを方向付ける、ように配置される。吸引ポートは、前記チャンバに露出する。前記チャンバは、前記中心軸に実質的に直交する平面内において最大横寸法を有し、前記平面は、境界に沿って前記壁によって画定される。前記平面上への前記吸引ポートの投影が、前記チャンバの前記中心軸よりも前記境界に近い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯を治療するための装置であって、
壁と、前記壁によって少なくとも部分的に画定されるチャンバとを有する流体プラットフォームであって、前記流体プラットフォームは、歯に対して配置されて前記チャンバ内に流体を保持し、アクセスポートを介して前記歯の治療領域と前記チャンバとの間の流体連通を提供し、前記チャンバは中心軸を有する、流体プラットフォームと、
前記中心軸に対して非平行な流れ軸に沿って前記チャンバを横切るように流体の流れを方向付ける、ように配置される流体供給ポートと、
前記チャンバに露出する吸引ポートと、
を有し、
前記チャンバは、前記中心軸に実質的に直交する平面内において最大横寸法を有し、前記平面は、境界に沿って前記壁によって画定され、前記平面上への前記吸引ポートの投影が前記チャンバの前記中心軸よりも前記境界に近い、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記流体供給ポートは、前記流体の流れを、前記チャンバを横切って前記流体供給ポートの反対側の壁の一部に衝突するように方向付ける、ように配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チャンバおよび前記治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される圧力波発生器をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記圧力波発生器は、流体ジェットを形成するように構成されたノズルを含む流体ジェットデバイスを有し、前記流体供給ポートは前記ノズルを有し、前記流体の流れは前記流体ジェットを含むことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記圧力波発生器は、前記チャンバの外側に配置されることを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記中心軸は、前記アクセスポートの中心を実質的に通ることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記中心軸は、前記流れ軸に対して実質的に直交する第2の平面上にあり、前記流れ軸は、前記境界よりも前記中心軸に近い位置で前記第2の平面と交差することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記吸引ポートは、前記流れ軸が前記第2の平面と交差する位置よりも前記境界に近いことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記流れ軸が前記第2の平面と交差する前記位置は、前記吸引ポートよりも前記中心軸に近いことを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記流れ軸は、前記中心軸と交差することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記流れ軸は、前記中心軸に実質的に垂直であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記流体供給ポートは、前記流体の流れを、前記チャンバの横方向中心領域を通るよう
に方向付ける、ように配置されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記壁は、上壁と、前記上壁から延在する側壁とを有し、前記吸引ポートは、前記チャンバの前記中心軸よりも前記側壁の近くに配置されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記吸引ポートは、前記側壁に当接する、または前記側壁によって少なくとも部分的に画定されることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記吸引ポートは、幅および前記幅よりも長い長さを有する長尺の吸引ポートを有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記チャンバに露出する第2の吸引ポートをさらに有し、前記第2の吸引ポートは前記吸引ポートの横方向反対側に配置されることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記吸引ポートと前記第2の吸引ポートとは、前記中心軸に対して対称に配置されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記吸引ポートは、前記流体供給ポートに対して円周方向にオフセットされることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記吸引ポートは、前記流体供給ポートから円周方向に90°オフセットされていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記吸引ポートは、湾曲していることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
周囲空気に暴露されるベントをさらに有し、前記ベントは、前記吸引ポートに接続される送出ラインと流体連通し、前記吸引ポートの下流の位置で前記送出ラインに沿って位置付けられることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
ハンドピースに取り外し可能に接続するように構成されたコネクタを有する先端デバイスをさらに有し、前記先端デバイスは、前記流体プラットフォームと前記流体供給ポートと前記吸引ポートとを有することを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
歯を治療するための装置であって、
上壁と、前記上壁から延在する側壁と、前記上壁および前記側壁によって少なくとも部分的に画定されるチャンバとを有する流体プラットフォームであって、前記流体プラットフォームは、歯に対して配置されて前記チャンバ内に流体を保持し、アクセスポートを介して前記歯の治療領域と前記チャンバとの間に流体連通を提供し、前記チャンバは、実質的に前記アクセスポートの中心を通る中心軸を有する、流体プラットフォームと、
ノズルであって、前記ノズルは、流体ジェットを、流れ軸に沿って前記チャンバを横切って前記ノズルの反対側の側壁の一部に衝突するように方向付ける、ように配置され、前記流れ軸は、前記中心軸に非平行であり、前記中心軸は、前記流れ軸に実質的に直交する平面上にあり、前記流れ軸は、前記側壁よりも前記中心軸に近い位置で前記平面と交差する、ノズルと、
前記チャンバに露出した吸引ポートであって、前記吸引ポートは、前記チャンバの前記
中心軸よりも前記側壁に近い前記上壁に配置される、吸引ポートと、
を有することを特徴とする装置。
【請求項24】
前記チャンバおよび前記治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される圧力波発生器をさらに有することを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記圧力波発生器は、前記ノズルを有することを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記吸引ポートは、前記流れ軸が前記平面と交差する位置よりも前記側壁に近いことを特徴とする請求項23から25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記流れ軸が前記平面と交差する位置は、前記吸引ポートよりも前記中心軸に近いことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記流れ軸は、前記中心軸と交差することを特徴とする請求項23から27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記流れ軸は、前記中心軸に実質的に垂直であることを特徴とする請求項23から28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記吸引ポートは、前記側壁に当接する、または前記側壁によって少なくとも部分的に画定されることを特徴とする請求項23から29のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記吸引ポートは、幅および前記幅よりも長い長さを有する長尺の吸引ポートを有することを特徴とする請求項23から30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記チャンバに露出する第2の吸引ポートをさらに有し、前記第2の吸引ポートは前記吸引ポートの横方向反対側に配置されることを特徴とする請求項23から31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
前記吸引ポートと前記第2の吸引ポートとは、前記中心軸に対して対称に配置されることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記吸引ポートは、前記流体供給ポートに対して円周方向にオフセットされることを特徴とする請求項23から33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
前記吸引ポートは、前記ノズルから円周方向に90°オフセットされていることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記吸引ポートは、湾曲していることを特徴とする請求項23から35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
周囲空気に暴露されるベントをさらに有し、前記ベントは、前記吸引ポートに接続される送出ラインと流体連通し、前記吸引ポートの下流の位置で前記送出ラインに沿って位置付けられることを特徴とする請求項23から36のいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
ハンドピースに取り外し可能に接続するように構成されたコネクタを有する先端デバイスをさらに有し、前記先端デバイスは、前記流体プラットフォームと前記流体供給ポートと前記吸引ポートとを有することを特徴とする請求項23から37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記側壁は、前記側壁と前記上壁との間に角が形成されるような角度で、前記上壁から延在することを特徴とする請求項23から38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項40】
前記側壁は、前記側壁と前記上壁との間に湾曲した表面を有するように、前記上壁から延在することを特徴とする請求項23から38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
歯を治療するための装置であって、
先端デバイスであって、
歯の領域に対して位置決めされる流体プラットフォームであって、前記流体プラットフォームは、前記歯の治療領域と流体連通するチャンバを少なくとも部分的に画定する、流体プラットフォームと、
前記流体プラットフォームに接続された圧力波発生器であって、前記圧力波発生器は、前記治療領域に設けられた流体に圧力波を発生させるように構成されている、圧力波発生器と、
前記チャンバから前記流体を搬送するための流体アウトレットと、
前記先端デバイスをハンドピース本体に取り外し可能に接続するコネクタと、
を有する先端デバイス
を有することを特徴とする装置。
【請求項42】
前記先端デバイスは、周囲空気が流体アウトレットの下流の送出ラインに引き込まれることを可能にするように構成された1つまたは複数のベントを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記圧力波発生器は、流体ジェットデバイスを含むことを特徴とする請求項41または42に記載の装置。
【請求項44】
前記圧力波発生器は、レーザデバイスを含むことを特徴とする請求項41または42に記載の装置。
【請求項45】
前記コネクタは、前記ハンドピース本体の対応するねじ山と係合する雌ねじ山を有することを特徴とする請求項41から44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記先端デバイスは、流体送入ラインの第1の部分を有し、前記第1の部分は、前記コネクタが前記ハンドピース本体に接続されたときに前記ハンドピース本体内に配置された前記流体送入ラインの第2の部分と整列するように構成されていることを特徴とする請求項41から45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記先端デバイスは、バーブコネクタを有し、前記バーブコネクタは、前記流体送入ラインの前記第1の部分内に位置決めされた第1の端部と、前記流体送入ラインの前記第2の部分内に取り外し可能に受け入れられるように構成された第2の端部とを有することを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記バーブコネクタの前記第2の端部は、前記コネクタが前記ハンドピース本体に接続されたときに前記バーブコネクタと前記ハンドピース本体との間にシールを形成するOリングを有することを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記ハンドピース本体をさらに有し、前記流体送入ラインの前記第2の部分は、前記バーブコネクタを受け入れるように構成された面取りされたボアを有すること特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項50】
前記先端デバイスは、前記流体アウトレットと連通する流体送出ラインの第1の部分を有し、前記第1の部分は、前記コネクタが前記ハンドピース本体に接続されたときに前記ハンドピース本体内に配置された前記流体送出ラインの第2の部分と整列するように構成されていることを特徴とする請求項41から49のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記コネクタは、面シールを有することを特徴とする請求項41から50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記コネクタは、前記ハンドピース本体の対応するねじ山と係合する雄ねじを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項53】
前記コネクタは、前記ハンドピース本体の放射状に配置された壁から延在する複数の突起に係合する複数のレセプタクルを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項54】
前記コネクタは、クイックコネクトカップリングを介して前記ハンドピース本体に接続するように構成されることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項55】
前記コネクタは、スナップフィッティングを介して前記ハンドピース本体に接続するように構成されることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項56】
前記コネクタは、前記ハンドピース本体の凹部に受け入れられて前記コネクタを前記ハンドピース本体に対して所定の向きで固定するように位置決めされた1つまたは複数の突起を有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項57】
前記突起は、半球形状の突起であることを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記コネクタは、前記ハンドピース本体のスロット内に受け入れられて前記コネクタを前記ハンドピース本体に対して所定の向きで固定するように位置決めされた摺動ロックを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項59】
前記コネクタは、前記ハンドピース本体の摺動ロックを受け入れて、前記コネクタを前記ハンドピース本体に対して所定の向きで固定するように位置決めされたスロットを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項60】
ロック機構をさらに有し、前記ロック機構は、前記コネクタを前記ハンドピース本体に対して所定の向きで固定するように構成された1つ以上のボール戻り止めを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項61】
前記先端デバイスは、前記先端デバイスに関連付けられた固有の識別子を記憶する追跡機構を有することを特徴とする請求項41から60のいずれか1項に記載の装置。
【請求項62】
前記追跡機構は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、バーコード、QR(Quick Response)コード(登録商標)またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のいずれかであることを特徴とする請求項61に記載
の装置。
【請求項63】
前記圧力波発生器は、長尺のガイド管を有し、前記長尺のガイド管は、前記チャンバを通って延在し、前記流体プラットフォームが歯の領域に対して位置付けられるときに前記歯の前記チャンバ内に部分的に位置付けられる大きさであることを特徴とする請求項41
から62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項64】
前記流体プラットフォームは、前歯または小臼歯と、前記歯の予め形成された側面開口部を通して相互作用するように構成され、前記圧力波発生器は、前記流体プラットフォームが前記前歯または前記小臼歯と相互作用するとき、前記前歯または前記小臼歯の外側に配置されることを特徴とする請求項41から62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項65】
前記流体プラットフォームは、前記チャンバが、前記歯の外面において、う蝕領域の周囲に密閉体積を画定するように、前記う蝕領域にわたって、前記歯の前記外面に対して位置付けられ、かつ少なくとも部分的に前記外面に対して密閉するような大きさであることを特徴とする請求項41から62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項66】
前記圧力波発生器は、前記流体プラットフォームが前記歯の前記外面に接続されると、前記う蝕領域の外側に位置付けられることを特徴とする請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記圧力波発生器の少なくとも一部は、前記チャンバ内に位置付けられることを特徴とする請求項65に記載の装置。
【請求項68】
前記流体プラットフォームは、上壁と、前記上壁から延在する側壁とを備え、前記上壁および前記側壁は、前記チャンバを少なくとも部分的に画定し、前記チャンバは、中心軸を有し、前記流体アウトレットは、前記流体プラットフォームの前記上壁に吸引ポートを備え、前記吸引ポートは、前記チャンバの前記中心軸よりも前記側壁の近くに配置されることを特徴とする請求項41から62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項69】
前記圧力波発生器は、流体の流れを、前記中心軸に非平行な流れ軸に沿って前記チャンバを横切るように方向付ける、ように構成され、前記中心軸は、前記流れ軸に対して実質的に直交する平面上にあり、前記流れ軸は、前記側壁よりも前記中心軸に近い位置で前記平面と交差することを特徴とする請求項68に記載の装置。
【請求項70】
1つ以上の歯を治療するためのシステムであって、
複数の先端デバイスに取り外し可能かつ選択的に接続するように構成されるコネクタを有するハンドピース本体であって、
臼歯を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスと、
前歯または小臼歯を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスと、
を有するハンドピース本体
を有することを特徴とするシステム。
【請求項71】
前記複数の先端デバイスは、
1つ以上の歯の外面上のう蝕領域を治療するように構成される少なくとも1つの先端デバイスと、
根管を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスと、
を含むことを特徴とする請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前歯または小臼歯を治療するように構成された前記少なくとも1つの先端デバイスは、
第1のチャンバを有する第1の流体プラットフォームであって、前記第1の流体プラットフォームは、第1の歯に当接されて前記第1のチャンバ内に流体を実質的に保持し、前記第1の歯の第1の治療領域と前記第1のチャンバとの間の連通を提供する、第1の流体プラットフォームと、
前記第1のチャンバと連通する第1の圧力波発生器であって、前記第1の圧力波発生器は、治療手技時に前記第1の歯の外側に位置付けられ、前記第1のチャンバおよび前記第
1の治療領域内で圧力波および流体運動を発生させるように構成される、第1の圧力波発生器と、
を有することを特徴とする請求項70または71に記載のシステム。
【請求項73】
前記第1の流体プラットフォームは、上壁と、前記上壁から延在する側壁とを備え、前記上壁および前記側壁は、前記第1のチャンバを少なくとも部分的に画定し、前記第1のチャンバは、中心軸を有し、前記第1の流体プラットフォームは、前記チャンバの前記中心軸よりも前記側壁に近い位置で前記上壁に配置された吸引ポートを有することを特徴とする請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記第1の圧力波発生器は、流体の流れを、前記中心軸に非平行な角度で流れ軸に沿ってチャンバを横切るように方向付ける、ように構成され、前記中心軸は、前記流れ軸に実質的に直交する平面上にあり、前記流れ軸は、前記側壁よりも前記中心軸に近い位置で平面と交差することを特徴とする請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
臼歯を治療するように構成された前記少なくとも1つの先端デバイスは、
第2の治療領域と連通する第2のチャンバを形成するように第2の歯に対して位置付けられる第2の流体プラットフォームであって、前記第2のチャンバは、前記第2の流体プラットフォームおよび前記第2の歯の一部によって少なくとも部分的に画定される、第2の流体プラットフォームと、
前記第2の流体プラットフォームと接続される第2の圧力波発生器であって、前記第2の圧力波発生器は、前記第2の歯の中に少なくとも部分的に延在し、前記第2の治療領域内で圧力波および流体運動を発生させるように構成される、第2の圧力波発生器と、
を有することを特徴とする請求項72から74のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項76】
前記複数の先端デバイスの少なくとも1つは、流体ジェットデバイスを含むことを特徴とする請求項70から75のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項77】
前記複数の先端デバイスの少なくとも1つは、レーザデバイスを含むことを特徴とする請求項70から75のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項78】
前記複数の先端デバイスのそれぞれは、流体送入ラインの第1の部分を有し、前記ハンドピース本体は、前記ハンドピース本体が前記複数の先端デバイスのそれぞれに接続されたときに前記流体送入ラインの前記第1の部分と整列するように構成された、前記流体送入ラインの第2の部分を有することを特徴とする請求項70から77のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項79】
前記コネクタは、前記流体送入ラインの前記第2の部分内に面取りされたボアを有し、前記面取りされたボアは、前記複数の先端デバイスのそれぞれから延在するバーブコネクタを受け入れるように構成されることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記複数の先端デバイスのそれぞれは、流体送出ラインの第1の部分を有し、前記コネクタは、前記ハンドピース本体が前記複数の先端デバイスのそれぞれに接続されたときに前記流体送出ラインの前記第1の部分と整列するように構成された、前記流体送出ラインの前記第2の部分を有することを特徴とする請求項70から79のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項81】
前記コネクタは、前記複数の先端デバイスのそれぞれの対応する雌ねじと係合する雄ねじを有することを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項82】
前記コネクタは、面シールを有することを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項83】
前記コネクタは、前記複数の先端デバイスのそれぞれの対応する雄ねじと係合する雌ねじを有することを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項84】
前記コネクタは、放射状に配置された壁から延在する複数の突起を有することを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項85】
前記コネクタは、クイックコネクトカップリングを有することを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項86】
前記クイックコネクトカップリングは、複数の格納式のボールベアリングを含むことを特徴とする請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記クイックコネクトカップリングは、摺動カラーを含むことを特徴とする請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記コネクタは、スナップフィットを介して前記複数の先端のそれぞれに接続することを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項89】
前記コネクタは、1つ以上の凹部を有し、前記1つ以上の凹部は、前記複数の先端デバイスのそれぞれから1つ以上の突起を受け入れて、前記コネクタを前記複数の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで固定するように構成されていることを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項90】
前記凹部は、半球形状の凹部であることを特徴とする請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記コネクタは、摺動ロックを有し、前記摺動ロックは、前記複数の先端デバイスのそれぞれのスロットに受け入れられて、前記複数の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで前記コネクタを固定するように位置決めされていることを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項92】
前記コネクタは、スロットを有し、前記スロットは、前記複数の先端デバイスのそれぞれの摺動ロックを受け入れて、前記コネクタを前記複数の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで固定するように位置決めされていることを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項93】
ロック機構をさらに有し、前記ロック機構は、前記コネクタを前記複数の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで固定するように構成された1つ以上のボール戻り止めを有することを特徴とする請求項70から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項94】
1つ以上の歯を治療するためのシステムであって、
複数の先端デバイスに取り外し可能かつ選択的に接続するように構成されるコネクタを有するハンドピース本体であって、前記複数の先端デバイスが、
第1の先端デバイスであって、
第1のチャンバを有する第1の流体プラットフォームであって、第1の歯に当接されて第1のチャンバ内に流体を実質的に保持し、前記第1の歯の第1の治療領域と前記第1のチャンバとの間の連通を提供する、第1の流体プラットフォームと、
前記第1のチャンバと連通して治療手技中に前記第1の歯の外側に位置付けられる
第1の圧力波発生器であって、前記第1の圧力波発生器は、前記第1のチャンバおよび前記第1の治療領域内で圧力波および流体運動を発生させるように構成される、第1の圧力波発生器と、
を有する第1の先端デバイスと、
第2の先端デバイスであって、
第2の歯に対して位置付けられて第2の治療領域と連通する第2のチャンバを形成する第2の流体プラットフォームであって、前記第2のチャンバは、前記第2の流体プラットフォームおよび前記第2の歯の一部によって少なくとも部分的に画定される、第2の流体プラットフォームと、
前記第2の流体プラットフォームに接続される第2の圧力波発生器であって、前記第2の圧力波発生器は、前記第2の歯の中に少なくとも部分的に延在し、前記第2の治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される、第2の圧力波発生器と、
を有する第2の先端デバイスと、
を有するハンドピース本体
を有することを特徴とするシステム。
【請求項95】
前記第1の圧力波発生器および前記第2の圧力発生器の少なくとも一方は、流体ジェットデバイスを含むことを特徴とする請求項94に記載のシステム。
【請求項96】
前記第1の圧力波発生器および前記第2の圧力発生器の少なくとも一方は、レーザデバイスを含むことを特徴とする請求項94または95に記載のシステム。
【請求項97】
前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれは、流体送入ラインの第1の部分を有し、前記ハンドピース本体は、前記ハンドピース本体が前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれに接続されたときに前記流体送入ラインの前記第1の部分と整列するように構成された、前記流体送入ラインの第2の部分を有することを特徴とする請求項94から96のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項98】
前記コネクタは、前記流体送入ラインの前記第2の部分内の面取りされたボアを有し、前記面取りされたボアは、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれから延在するバーブコネクタを受け入れるように構成されることを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれは、流体送出ラインの第1の部分を有し、前記コネクタは、前記ハンドピース本体が前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれに接続されたときに前記流体送出ラインの前記第1の部分と整列するように構成された、前記流体送出ラインの第2の部分を有することを特徴とする請求項94から98のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項100】
前記コネクタは、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれの対応する雌ねじと係合する雄ねじを有することを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項101】
前記コネクタは、面シールを有することを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項102】
前記コネクタは、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれの対応する雄ねじと係合する雌ねじを有することを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項103】
前記コネクタは、照射状に配置された壁から延在する複数の突起を有することを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項104】
前記コネクタは、クイックコネクトカップリングを含むことを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項105】
前記クイックコネクトカップリングは、複数の格納式のボールベアリングを含むことを特徴とする請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記クイックコネクトカップリングは、摺動カラーを含むことを特徴とする請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記コネクタは、スナップフィッティングを介して前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれに接続するように構成されることを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項108】
前記コネクタは、1つ以上の凹部を有し、前記1つ以上の凹部は、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれから1つ以上の突起を受け入れて、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで前記コネクタを固定するように構成されたことを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項109】
前記凹部は、半球形状の凹部であることを特徴とする請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
前記コネクタは、摺動ロックを有し、前記摺動ロックは、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれのスロットに受け入れられて前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで前記コネクタを固定するように位置決めされていることを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項111】
前記コネクタは、スロットを有し、前記スロットは、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれの摺動ロックを受け入れて前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで前記コネクタを固定するように位置決めされていることを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項112】
ロック機構をさらに有し、前記ロック機構は、前記第1の先端デバイスおよび前記第2の先端デバイスのそれぞれに対して所定の向きで前記コネクタを固定するように構成された1つまたは複数のボール戻り止めを有することを特徴とする請求項94から99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項113】
前記第1の流体プラットフォームは、上壁と、前記上壁内の吸引ポートと、前記上壁から延在する側壁とを有し、前記チャンバは、前記上壁および前記側壁によって少なくとも部分的に画定され、前記チャンバは、中心軸を有し、前記圧力波発生器は、流体の流れを、前記中心軸に非平行な流れ軸に沿ってチャンバを横断するように方向付ける、ように構成され、前記吸引ポートは、前記チャンバの前記中心軸よりも前記側壁の近くに配置されることを特徴とする請求項94から112のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項114】
前記中心軸は、前記流れ軸に対して実質的に直交する平面上にあり、前記流れ軸は、前記側壁よりも前記中心軸に近い位置で前記平面と交差することを特徴とする請求項113
に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年5月20日に出願された仮特許出願第62/850,467号および2019年6月7日に出願された仮特許出願第62/858,851号の優先権主張の利益を主張するものであり、それらの記載内容を本明細書に引用して援用する。
【背景技術】
【0002】
本件の技術分野は、歯を治療するための装置に関する。
【0003】
従来の歯科治療や歯内治療では、ドリル、ヤスリ、ブラシなどの機械器具を使用して歯の不健康な物質を洗浄する。例えば、歯科医は、通常、ドリルを使用して、歯の表面のう蝕領域(例えば、空洞)を機械的に壊す。このような処置は、しばしば、患者にとって痛みを伴い、病変したすべての物質が除去されないこともある。さらに、従来の根管治療では、病変した歯の歯冠に開口を穿孔し、歯内ファイルを根管系に挿入して、根管空間を開き、その中の有機物質を除去する。そして、根管をガッタパーチャまたは流動性閉塞物質などの固形物で満たし、歯を修復する。しかしながら、この処置によって管腔からすべての有機物質が除去されないことがあり、処置後の合併症(感染症など)につながり得る。加えて、歯内膜および/または他の陽圧源の動きにより、有機物質が押されて先端開口部から歯尖周囲組織に移動する可能性もある。場合によっては、歯内治療ファイル自体の端部が、先端開口部から中に入る可能性もある。そのような場合は、根尖開口部付近の軟組織に対する外傷をもたらす可能性があり、処置後の合併症が発生する可能性がある。したがって、改善された歯科治療や歯内治療が継続的に求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の装置、方法、および構成要素の特徴を例示するために、本開示の非限定的な種々の態様について説明する。歯内治療のための装置、方法、および構成要素の例について説明する。
【0005】
一実施形態では、歯を治療するための装置について開示する。当該装置は、壁と、壁によって少なくとも部分的に画定されるチャンバとを備える流体プラットフォームを含む。流体プラットフォームは、チャンバ内に流体を保持し、アクセスポートを介して歯の治療領域とチャンバとの間に流体連通を提供するように、歯に対して配置される。チャンバは、中心軸を有する。流体供給ポートは、中心軸に平行でない流れ軸に沿ってチャンバを横切って流体の流れを方向付けるように配置することができる。吸引ポートをチャンバに露出させることができる。チャンバは、中心軸を実質的に直交する平面内において最大横寸法を有することができ、平面は、境界に沿って壁によって画定される。平面上への吸引ポートの投影が、チャンバの中心軸よりも境界に近いものとすることができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、流体供給ポートは、流体供給ポートの反対側の壁の一部に衝突するようにチャンバを横切って流体の流れを方向付けるように配置することができる。当該装置は、チャンバおよび治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される、圧力波発生器を有してもよい。圧力波発生器は、流体ジェットを形成するように構成されたノズルを含む流体ジェットデバイスを備えることができ、流体供給ポートはノズルを備え、流体の流れは流体ジェットを備える。中心軸は、アクセスポートの中心を実質的に直交する方向に通る。中心軸は、流れ軸に対して実質的に直交する第2の平面上に位置し、流れ軸は、境界よりも中心軸に近い位置で第2の平面と交差する。吸引ポートは、流れ軸が第2の平面と交差する位置よりも境界に近くすることができる。流れ軸が第2の
平面と交差する場所は、吸引ポートよりも中心軸に近くすることができる。いくつかの実施形態では、流れ軸は中心軸と交差することができる。流れ軸は、中心軸に実質的に垂直であり得る。流体供給ポートは、チャンバの横方向中央領域を通して流体の流れを方向付けるように配置することができる。壁は、上壁と、上壁から延在する側壁とを備えることができ、吸引ポートは、チャンバの中心軸よりも側壁の近くに配置される。吸引ポートは、側壁に当接するか、または側壁によって少なくとも部分的に画定することができる。吸引ポートは、幅および幅よりも長い長さを有する長尺の吸引ポートを有してもよい。本装置は、チャンバに露出された第2の吸引ポートを有し、第2の吸引ポートは、吸引ポートの横方向反対側に配置される。吸引ポートおよび第2の吸引ポートは、中心軸を中心として対称的に配置されてもよい。吸引ポートは、流体供給ポートに対して円周方向にオフセットしてもよい。吸引ポートは、流体供給ポートから円周方向に90°オフセットしてもよい。吸引ポートは湾曲可能であってもよい。本装置は、周囲空気に暴露されるベントを有し、ベントは、吸引ポートに接続された送出ラインと流体連通し、ベントは、吸引ポートの下流の場所で送出ラインに沿って位置付けられる。装置は、ハンドピースに取り外し可能に接続するように構成されるコネクタを有する先端デバイスを有し、先端デバイスは、流体プラットフォームと、流体供給ポートと、吸引ポートとを備える。
【0007】
別の実施形態では、歯を治療するための装置が開示される。本装置は、上壁と、上壁から延在する側壁と、上壁および側壁によって少なくとも部分的に画定されるチャンバとを備える、流体プラットフォームを有する。流体プラットフォームは、チャンバ内に流体を保持し、アクセスポートを介して歯の治療領域とチャンバとの間に流体連通を提供するように、歯に対して配置される。チャンバは、アクセスポートの中心を通って実質的に横方向に延在する中心軸を有する。装置は、流れ軸に沿ってチャンバを横切って流体ジェットを方向付けるように配置されたノズルを有し、流れ軸は、中心軸に平行ではなく、中心軸は、流れ軸に対して実質的に直交する平面上にあり、流れ軸は、側壁よりも中心軸に近い位置で平面と交差する。装置は、チャンバに露出された吸引ポートを有し、吸引ポートは、チャンバの中心軸よりも側壁に近い上壁に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、装置は、チャンバおよび治療領域内で圧力波および流体運動を生成する圧力波発生器を有してもよい。いくつかの実施形態では、圧力波発生器は、ノズルを有してもよい。吸引ポートは、流れ軸が平面と交差する位置よりも側壁に近い位置に設けることができる。流れ軸が平面と交差する位置は、吸引ポートよりも中心軸に近い位置とすることができる。いくつかの実施形態では、流れ軸は中心軸と交差することができる。いくつかの実施形態では、流れ軸は、中心軸に実質的に垂直であり得る。吸引ポートは、側壁に当接するか、または側壁によって少なくとも部分的に画定することができる。吸引ポートは、幅および幅よりも長い長さを有する長尺の吸引ポートを有してもよい。本装置は、チャンバに露出された第2の吸引ポートを有し、第2の吸引ポートは、吸引ポートの横方向反対側に配置される。吸引ポートおよび第2の吸引ポートは、中心軸を中心として対称に配置することができる。吸引ポートは、ノズルに対して円周方向にオフセットすることができる。吸引ポートは、ノズルから円周方向に90°オフセットすることができる。吸引ポートは湾曲することができる。本装置は、周囲空気に暴露されるベントを有し、ベントは、吸引ポートに接続された送出ラインと流体連通し、ベントは、吸引ポートの下流の場所で送出ラインに沿って位置付けられる。本装置は、ハンドピースに取り外し可能に接続するように構成されるコネクタを有する先端デバイスを有し、先端デバイスは、流体プラットフォームと、ノズルと、吸引ポートとを有してもよい。いくつかの実施形態では、側壁は、側壁と上壁との間の角がある角度で上壁から延在することができる。いくつかの実施形態では、側壁は、側壁と上壁との間に湾曲表面を伴って上壁から延在することができる。
【0009】
別の実施形態では、歯を治療するための装置が開示される。当該装置は、先端デバイス
を有してもよい。先端デバイスは、歯の領域に対して位置付けられる流体プラットフォームを有し、流体プラットフォームは、歯の治療領域と流体連通するチャンバを少なくとも部分的に画定する。先端デバイスは、プラットフォームに接続された圧力波発生器を有し、圧力波発生器は、治療領域で提供される流体内に圧力波を生成する。先端デバイスは、チャンバから流体を搬送するための流体アウトレットを有してもよい。先端デバイスは、先端デバイスをハンドピース本体に取り外し可能に接続するコネクタを有してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、先端デバイスは、周囲空気が流体アウトレットの下流の送出ラインに引き込まれることを可能にするように構成された1つまたは複数のベントを有する。圧力波発生器は、いくつかの実施形態では、流体ジェットデバイスを有する。圧力波発生器は、いくつかの実施形態では、レーザデバイスを有してもよい。コネクタは、ハンドピース本体の対応するねじ山と係合する雌ねじ山を有してもよい。先端デバイスは、コネクタがハンドピース本体に接続されたときにハンドピース本体内に配置された流体送入ラインの第2の部分と整列するように構成された流体送入ラインの第1の部分を有してもよい。先端デバイスは、流体送入ラインの第1の部分内に位置決めされた第1の端部と、流体送入ラインの第2の部分内に取り外し可能に受け入れられるように構成された第2の端部とを有するバーブコネクタ(barbed connector)を有してもよい。バーブコネクタの第2の端部は、コネクタがハンドピース本体に接続されたときにバーブコネクタとハンドピース本体との間にシールを形成するOリングを有してもよい。装置は、ハンドピース本体を有し、流体送入ラインの第2の部分は、バーブコネクタを受け入れるように構成された面取りされたボアを有してもよい。先端デバイスは、流体アウトレットと連通し、コネクタがハンドピース本体に接続されたときにハンドピース本体内に配置された流体送出ラインの第2の部分と整列するように構成された流体送出ラインの第1の部分を有してもよい。コネクタは、面シールを有してもよい。コネクタは、ハンドピース本体の対応するねじ山と係合する雄ねじを有してもよい。コネクタは、ハンドピース本体の半径方向壁から延在する複数の突起に係合する複数のレセプタクルを有してもよい。コネクタは、クイックコネクトカップリングを介してハンドピース本体に接続するように構成することができる。コネクタは、スナップフィッティングを介してハンドピース本体に接続するように構成することができる。コネクタは、ハンドピース本体の凹部に受け入れられてコネクタをハンドピース本体に対して固定された向きに固定するように位置決めされた1つまたは複数の突起を有してもよい。突起は半球形状の突起とすることができる。コネクタは、ハンドピース本体のスロットに受け入れられてコネクタをハンドピース本体に対して固定された向きに固定するように位置決めされた摺動ロックを備えることができる。コネクタは、ハンドピース本体の摺動ロックを受け入れて、コネクタをハンドピース本体に対して固定された向きに固定するように位置決めされたスロットを有してもよい。ロック機構は、コネクタをハンドピース本体に対して固定された向きに固定するように構成された1つ以上のボール戻り止めを有してもよい。先端デバイスは、先端デバイスに関連付けられた固有の識別子を記憶する追跡機構を有してもよい。追跡機構は、無線周波数識別(RFID)タグ、バーコード、QR(Quick Response)コード(登録商標)、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のうちの1つとすることがで
きる。圧力波発生器は、チャンバを通って延在し、流体プラットフォームが歯の領域に対して位置付けられるときに歯のチャンバ内に部分的に位置付けられる大きさの長尺のガイド管を備えることができる。流体プラットフォームは、予め形成された歯の側面開口部を通って前歯または小臼歯と相互作用するように構成することができ、圧力波発生器は、流体プラットフォームが前歯または小臼歯と相互作用するときに前歯または小臼歯の外側に配置することができる。流体プラットフォームは、チャンバが、歯の外面において、う蝕領域の周囲に密閉体積を画定するように、う蝕領域にわたって、歯の外面に対して位置付けられ、かつ少なくとも部分的にそれに対して密閉するような大きさとすることができる。圧力波発生器は、流体プラットフォームが歯の外面に接続されるときに、う蝕領域の外側に位置決めすることができる。圧力波発生器の少なくとも一部は、チャンバ内に配置す
ることができる。流体プラットフォームは、上壁と、上壁から延在する側壁とを備えることができ、上壁および側壁は、チャンバを少なくとも部分的に画定し、チャンバは、中心軸を有し、流体アウトレットは、流体プラットフォームの上壁内に吸引ポートを備えることができ、吸引ポートは、チャンバの中心軸よりも側壁の近くに配置される。圧力波発生器は、中心軸に対して平行でない流れ軸に沿ってチャンバを横切って流体の流れを方向付けるように構成することができ、中心軸は、流れ軸に対して実質的に直交する平面上に位置することができ、流れ軸は、側壁よりも中心軸に近い位置で平面と交差することができる。
【0011】
別の実施形態では、1つ以上の歯を治療するためのシステムが開示される。システムは、複数の先端デバイスに取り外し可能かつ選択的に接続するように構成されるコネクタを備えるハンドピース本体を有してもよい。複数の先端デバイスは、大臼歯を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスと、前歯または小臼歯を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスとを有してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の先端デバイスは、1つまたは複数の歯の外面上のう蝕領域を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスと、根管を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスとを備える。前歯または小臼歯を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスは、第1のチャンバを備える第1の流体プラットフォームを含むことができ、第1の流体プラットフォームは、第1のチャンバ内に流体を実質的に保持し、第1の歯の第1の治療領域と第1のチャンバとの間の連通を提供するために、第1の歯に当接される。前歯または小臼歯を治療するように構成された少なくとも1つの先端デバイスは、第1のチャンバと連通し、治療処置中に第1の歯の外側に位置する第1の圧力波発生器を有してもよく、第1の圧力波発生器は、第1のチャンバおよび第1の治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される。第1の流体プラットフォームは、上壁と、上壁から延在する側壁とを有し、上壁および側壁は、第1のチャンバを少なくとも部分的に画定し、第1のチャンバは、中心軸を有し、第1の流体プラットフォームは、チャンバの中心軸よりも側壁に近い場所で上壁に配置された吸引ポートを有してもよい。第1の圧力波発生器は、中心軸に対して非平行な角度で流れ軸に沿ってチャンバを横切って流体の流れを方向付けるように構成することができ、中心軸は、流れ軸に対して実質的に直交する平面上に位置することができ、流れ軸は、側壁よりも中心軸に近い位置で平面と交差することができる。臼歯を治療するように構成される少なくとも1つの先端デバイスは、第2の治療領域と連通する第2のチャンバを形成するように、第2の歯に対して位置付けられる第2の流体プラットフォームを有してもよく、第2のチャンバは、第2の流体プラットフォームおよび第2の歯の一部によって少なくとも部分的に境界付けられる。臼歯を治療するように構成される少なくとも1つの先端デバイスは、第2の流体プラットフォームに接続される第2の圧力波発生器を有してもよく、第2の圧力波発生器は、少なくとも部分的に第2の歯の中へ延在し、第2の治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される。複数の先端デバイスのうちの少なくとも1つは、流体ジェットデバイスを有してもよい。複数の先端デバイスのうちの少なくとも1つは、レーザデバイスを有してもよい。複数の先端デバイスの各々は、流体送入ラインの第1の部分を有してもよく、ハンドピース本体は、ハンドピース本体が複数の先端デバイスの各々に接続されたときに流体送入ラインの第1の部分と整列するように構成された流体送入ラインの第2の部分を有してもよい。コネクタは、複数の先端デバイスのそれぞれから延在する返し付きコネクタを受け入れるように構成される、流体送入ラインの第2の部分内の面取りされたボアを有してもよい。複数の先端デバイスの各々は、流体送出ラインの第1の部分を有してもよく、コネクタは、ハンドピース本体が複数の先端デバイスの各々に接続されたときに流体送出ラインの第1の部分と整列するように構成された流体送出ラインの第2の部分を有してもよい。コネクタは、複数の先端デバイスの各々の対応する雌ねじと係合する雄ねじを有してもよい。コネクタは、面シールを有してもよい。コネ
クタは、複数の先端デバイスの各々の対応する雄ねじと係合する雌ねじを有してもよい。コネクタは、半径方向壁から延在する複数の突起を有してもよい。コネクタは、クイックコネクトカップリングを有してもよい。クイックコネクトカップリングは、複数の格納式のボールベアリングを有してもよい。クイックコネクトカップリングは、摺動カラーを有してもよい。コネクタは、スナップフィッティングを介して複数の先端部の各々に接続するように構成することができる。コネクタは、複数の先端デバイスのそれぞれから1つ以上の突起を受け入れ、複数の先端デバイスのそれぞれに対して固定配向でコネクタを固定するように構成される、1つ以上の凹部を有してもよい。凹部は半球形状の凹部とすることができる。コネクタは、複数の先端デバイスの各々に対して固定された向きでコネクタを固定するために、複数の先端デバイスの各々のスロットに受け入れられるように位置決めされた摺動ロックを有してもよい。コネクタは、複数の先端デバイスの各々に対して固定された向きでコネクタを固定するために、複数の先端デバイスの各々の摺動ロックを受け入れるように位置決めされたスロットを有してもよい。ロック機構は、複数の先端デバイスのそれぞれに対して固定配向でコネクタを固定するように構成される、1つ以上のボール戻り止めを有してもよい。
【0013】
別の実施形態では、1つ以上の歯を治療するためのシステムが開示される。システムは、複数の先端デバイスに取り外し可能かつ選択的に接続するように構成されるコネクタを備えるハンドピース本体を有してもよい。複数の先端デバイスは、第1の先端デバイスを有してもよい。第1の先端デバイスは、第1のチャンバを備える第1の流体プラットフォームを有してもよく、第1の流体プラットフォームは、第1の歯に当接されて、第1のチャンバ内に流体を実質的に保持し、第1の歯の第1の治療領域と第1のチャンバとの間の連通を提供する。第1の先端デバイスは、第1のチャンバと連通し、治療手技中に第1の歯の外側にあるように位置付けられる、第1の圧力波発生器を有してもよく、第1の圧力波発生器は、第1のチャンバおよび第1の治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される。システムは、第2の先端デバイスを有してもよい。第2の先端デバイスは、第2の治療領域と連通する第2のチャンバを形成するように、第2の歯に対して位置付けられる第2の流体プラットフォームを有してもよく、第2のチャンバは、第2の流体プラットフォームおよび第2の歯の一部によって少なくとも部分的に境界付けられる。第2の先端デバイスは、第2の流体プラットフォームに接続された第2の圧力波発生器を有してもよく、第2の圧力波発生器は、第2の歯の中に少なくとも部分的に延在し、第2の治療領域内で圧力波および流体運動を生成するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の圧力波発生器および第2の圧力波発生器のうちの少なくとも1つは、流体ジェットデバイスを有してもよい。第1の圧力波発生器および第2の圧力波発生器のうちの少なくとも1つは、レーザデバイスを有してもよい。第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれは、流体送入ラインの第1の部分を有してもよく、ハンドピース本体は、ハンドピース本体が第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれに接続されたときに流体送入ラインの第1の部分と整列するように構成された流体送入ラインの第2の部分を有してもよい。コネクタは、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれから延在する返し付きコネクタを受け入れるように構成される、流体送入ラインの第2の部分内の面取りされたボアを有してもよい。第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれは、流体送出ラインの第1の部分を有してもよく、コネクタは、ハンドピース本体が第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれに接続されたときに流体送出ラインの第1の部分と整列するように構成された流体送出ラインの第2の部分を有してもよい。コネクタは、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスの各々の対応する雌ねじと係合する雄ねじを有してもよい。コネクタは、面シールを有してもよい。コネクタは、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスの各々の対応する雄ねじと係合する雌ねじを有してもよい。コネクタは、半径方向壁から延在する複数の突起を備えることができる。コネクタは、クイックコネクトカップリン
グを有してもよい。クイックコネクトカップリングは、複数の格納式のボールベアリングを有してもよい。クイックコネクトカップリングは、摺動カラーを有してもよい。コネクタは、スナップ嵌合を介して第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれに接続するように構成することができる。コネクタは、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれから1つ以上の突起を受け入れて、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれに対して固定された向きでコネクタを固定するように構成された1つ以上の凹部を有してもよい。凹部は半球形状の凹部とすることができる。コネクタは、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスの各々に対して固定された向きでコネクタを固定するために、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスの各々のスロットに受け入れられるように位置決めされた摺動ロックを有してもよい。コネクタは、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスの各々に対して固定された向きでコネクタを固定するために、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスの各々の摺動ロックを受け入れるように位置決めされたスロットを有してもよい。ロック機構は、第1の先端デバイスおよび第2の先端デバイスのそれぞれに対して固定配向でコネクタを固定するように構成される、1つ以上のボール戻り止め(ball detent)を有してもよい。第1の流体プラッ
トフォームは、上壁と、上壁内の吸引ポートと、上壁から延在する側壁とを有してもよく、チャンバは、上壁および側壁によって少なくとも部分的に画定され、中心軸を有し、圧力波発生器は、中心軸に非平行な流れ軸に沿ってチャンバを横断して流体の流れを方向付けるように構成される。吸引ポートは、チャンバの中心軸よりも側壁の近くに配置される。中心軸は、流れ軸に対して実質的に直交する平面上に位置することができ、流れ軸は、側壁よりも中心軸に近い位置で平面と交差することができる。
【0015】
上記概要は、特定の開示された発明の特定の態様、利点、および新規な特徴を要約したものである。必ずしもすべてのそのような利点が本発明の任意の特定の実施形態に従って達成されるわけではない。したがって、例えば、本明細書に開示される発明が、本明細書で説明または示唆する他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に開示された1つまたは複数の利点を達成するように実現・実施され得ることは、当業者が理解するところである。さらに、上記の記載は、開示される特定の発明を要約することを目的とするものであって、本明細書に開示される発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
歯を治療する(例えば、歯を洗浄する)装置および方法の実施形態の上記および他の特徴、側面、および利点について、種々の実施形態の図面を参照しながら以下に詳細を説明するが、当該説明は本発明の実施形態を例示することを目的とするものであって、限定することを目的とするものではない。
【0017】
図面全体を通して、特に断りのない限り、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために繰り返し用いられる。また、図面は、本明細書に記載される例示的な実施形態を例示することを目的として提供され、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
【0018】
【
図1A】
図1Aは、根管歯から不健康なまたは望ましくない物質を除去することができる構成要素を有するシステムの概略図である。
【
図1B】
図1Bは、歯の外面上の治療領域から不健康なまたは望ましくない物質を除去することができる構成要素を有するシステムの概略図である。
【
図2A】
図2Aは、一実施形態による処置器具の概略斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aの処置器具のハンドピースの遠位端部分に配置された流体プラットフォームの拡大概略斜視図である。
【
図2E】
図2Eは、流体プラットフォームの拡大底面斜視断面図である。
【
図2G】
図2Gは、
図2Aの断面2G-2Gに沿った流体プラットフォームの概略側断面図である。
【
図2H】
図2Hは、
図2Fの断面2H-2Hに沿った流体プラットフォームの上面斜視断面図である。
【
図2I】
図2Iは、
図2Fの断面2I-2Iに沿った流体プラットフォームの上面斜視断面図である。
【
図2J】
図2Jは、断面2J-2Jに沿った流体プラットフォームの上面図である。
【
図2K】
図2Kは、断面2I-2Iに沿った流体プラットフォームの上面図である。
【
図3A】
図3Aは、別の実施形態による、コントラアングルハンドピース本体を有する処置器具の概略斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、種々の実施形態による、治療器具の概略底部右側斜視図である。
【
図5】
図5は、種々の実施形態による歯科治療器具の概略図である。
【
図6】
図6は、種々の実施形態による歯科治療器具の概略図である。
【
図7】
図7は、種々の実施形態による歯科治療器具の概略図である。
【
図8】
図8は、種々の実施形態による歯科治療器具の概略正面斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8の処置器具のコネクタの概略拡大斜視図である。
【
図12】
図12は、種々の実施形態において提供され得る1つ以上のベントを示す、
図8の器具のコネクタの概略部分断面図である。
【
図13G】
図13Gは、追加のカバー部材が先端デバイスの外面に設けられている
図8の先端デバイスの概略斜視図である。
【
図15】
図15は、種々の実施形態による歯科治療器具の概略断面図である。
【
図19】
図19は、種々の実施形態による先端デバイスの概略側断面図である。
【
図20】
図20は、種々の実施形態による先端デバイスの概略背面斜視図である。
【
図21】
図21は、種々の実施形態による先端デバイスの概略背面斜視図である。
【
図22】
図22は、種々の実施形態による先端デバイスの概略正面斜視図である。
【
図23】
図23は、種々の実施形態による先端デバイスの概略正面斜視図である。
【
図24】
図24は、先端デバイスのコネクタの実施形態を示す概略背面斜視図である。
【
図25】
図25は、種々の実施形態による先端デバイスの斜視図である。
【
図26】
図26は、ロック機構の実施形態の概略部分図である。
【
図27】
図27は、先端デバイス用カバーの種々の実施形態の斜視図である。
【
図28A】
図28Aは、種々の実施形態によるハンドピース本体の概略正面斜視図である。
【
図29】
図29は、ハンドピース本体のコネクタの実施形態の概略部分図である。
【
図30】
図30は、ロック機構の一実施形態のハンドピース本体部分の概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、歯科および/または歯内処置を行うための装置、方法、および組成物について説明する。本明細書に開示される種々の実施形態は、歯の治療領域から、例えば、歯内から、および/または歯の外側表面から、不健康な物質を効果的かつ安全に除去することができる。特に、本明細書に開示される実施形態は、健康な象牙質またはエナメル質を実質的に損傷することなく、治療領域から、不健康な有機物質、無機物質、歯髄組織、う蝕、染み、歯石、プラーク、バイオフィルム、細菌、膿、崩壊した歯の物質、および食物残留物等の不健康な物質を除去することができる。例えば、本開示の装置、方法、および組成物は、有利には、例えば、根管系から有機および/または無機物質等の不健康なまたは望ましくない物質を効率的に除去するため、および/または根管系を消毒するために、根管洗浄処理とともに使用されてもよい。本開示の実施形態はまた、歯の外面上のう蝕領域を治療する(例えば、腐敗した物質を除去する)ために使用されてもよい。有機物質(または有機物)は、健全であるか、炎症を起こしているか、感染しているか、罹患しているか、壊死しているか、または分解しているかにかかわらず、健康なまたは罹患した歯または根管系、例えば、軟組織、歯髄、血管、神経、結合組織、細胞物質、膿、および微生物
に典型的な有機物質が含まれる。無機物には、歯根管系に頻繁に存在する石灰化組織および石灰化構造が含まれる。いくつかの実施形態では、根管は、根管の治療後に閉塞物質(例えば、固体または半固体状態に硬化可能な流動性閉塞物質、ガッタパーチャ、または他の固体もしくは半固体物質)で充填することができる。
【0020】
I.本開示の種々の実施形態の概要
図1Aは、歯110から不健康なまたは望ましくない物質を除去することができる構成要素を含むシステム100の概略図である。
図1Aに示す歯110は、小臼歯、例えば、ヒトなどの哺乳動物の犬歯と臼歯との間に位置する歯である。図示の歯110は小臼歯を含むが、治療される歯110は、大臼歯または前歯(例えば、切歯または犬歯)などの任意の種類の歯であってよい。歯110は、象牙質の硬質層116およびエナメル質の非常に硬質の外層117を含む硬質の構造および保護層を含む。歯髄空洞111は、象牙質116内に画定される。歯髄腔111は、各根112の頂点114に向かって延在する1つ以上の根管113を有する。歯髄腔111および根管113は、神経、血管、結合組織、象牙質芽細胞、ならびに他の組織および細胞成分を含む軟らかい血管組織である歯髄を有する。血管および神経は、根管113に、根112の頂部114の先端付近の小さな開口部、頂端孔または頂端開口部115を通って出たり入ったりする。本明細書で例示する歯110は小臼歯であるが、本明細書に開示される実施形態は、臼歯、犬歯、切歯等を含む、任意の好適な種類の歯を治療するために好適に使用することができる。
【0021】
図1Aに示すように、システム100は、歯110の内部から、例えば歯110の根管113から、不健康な物質(有機物や無機物など)を除去するために使用することができる。例えば、歯内治療用アクセス開口部118は、歯110内に、例えば、咬合表面上に、または頬側表面もしくは舌側表面などの側面上に形成することができる。アクセス開口部118は、歯110の歯髄腔111の一部へのアクセスを提供する。システム100は、コンソール102と、圧力波発生器10と、歯110の治療領域の上またはそれに対して位置付けられるように適合する流体プラットフォーム2とを備える、治療器具1とを有する。流体プラットフォーム2は、その中に流体を保持するように構成されたチャンバ6を画定することができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、医師によって歯110に対して保持または押圧可能なハンドピースに取り外し可能に接続される、取り外し可能な先端デバイスの一部であり得る。他の実施形態では、流体プラットフォーム2は、ハンドピースに取り外し可能に接続されなくてもよく、例えば、流体プラットフォーム2は、ハンドピースと一体的に形成されてもよく、または取り外しできない形態でハンドピースに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、例えば接着剤を使用して歯に取り付けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、ハンドピースと共に使用されなくてもよい。1つ以上の導管104は、コンソール102を流体プラットフォーム2および圧力波発生器10と電気的、機械的、および/または流体的に接続することができる。コンソール102は、治療手技中に圧力波発生器10を動作させるように構成される、制御システムおよび種々の流体管理システムを有する。システム100において使用可能なシステム構成要素のさらなる例については、米国特許第9,504,536号明細書に開示され、その記載内容全体が、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。
【0022】
本明細書で説明するように、システム100は、根管系全体を実質的に洗浄するための洗浄処置に使用することができる。例えば、本明細書に開示される種々の実施形態において、圧力波発生器10は、単一周波数または複数の周波数で圧力波を発生させることができる。単一の周波数は、可聴範囲を下回る低周波数、可聴範囲内の周波数、または可聴範囲を上回る比較的高い周波数であってもよい。例えば、本明細書に開示される種々の実施形態では、圧力波発生器10は、チャンバ6内に流体運動24を生成するのに十分な電力および比較的低い周波数の圧力波23を生成することができ、したがって、本明細書に開
示される圧力波発生器10は、流体運動発生器として作用することができ、歯の表面上に表面効果キャビテーションを生成するのに十分な電力および比較的高い周波数の圧力波を生成することができる。歯の内側または外側のいずれか。すなわち、例えば、本明細書に開示される圧力波発生器10は、流体運動発生器として作用し、歯110の中または付近に大規模またはバルク流体運動24を発生させることができ、また、より高い周波数でより小規模の流体運動を発生させることもできる。いくつかの構成では、チャンバ6内の流体運動24は、歯110および根管113内に渦75、渦巻、無秩序的または乱流等の誘発流体運動を生成することができ、これは、根管113を洗浄および/または充填することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、システム100は、上記に加えてまたは上記の代わりに、歯の治療された領域を充填するために、例えば、治療された根管系を閉塞するために、充填手技に使用することができる。処置器具1は、流動性の充填材料で処置領域を実質的に充填させることができる圧力波および流体運動を発生させることができる。流動性充填材料は、硬化させて歯を修復することができる。治療領域を充填するために圧力波発生器10を利用するシステムのさらなる詳細については、米国特許第9,877,801号明細書に記載されており、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0024】
図1Bは、歯の外面119上の治療領域から不健康または望ましくない物質を除去することが可能な構成要素を含む、システム100の概略図である。例えば、
図1Aのように、システム100は、流体プラットフォーム2および圧力波発生器10を含む処置器具1を有する。流体プラットフォーム2は、1つ以上の導管104を介してコンソール102と通信することができる。しかしながら、
図1Aのシステム100とは異なり、流体プラットフォーム2は、歯10の外面119上の治療領域に接続される。例えば、
図1Bのシステム1を作動させて、歯110の外部表面、例えば、歯110のう蝕領域を洗浄することができる。そのような実施形態では、医師は、病変組織を含む歯110の任意の表面または領域上にチャンバ6を提供し、圧力波発生器10と治療領域との間の流体連通を提供することができる。
図1Aの実施形態と同様に、流体運動24は、流体プラットフォーム2およびチャンバ6内で生成することができ、これは、歯110の治療領域を洗浄するように作用することができる。さらに、これに追加してあるいは代わりに、上記で説明したように、システム100は、治療領域、例えば、歯110の外面119上の治療されたう蝕領域を充填するために使用することができる。
【0025】
本明細書で説明するように、本開示の圧力波発生器10は、歯から望ましくない物質を洗浄するのに十分なエネルギーを有する圧力波23を発生させることができる。圧力波発生器10は、1つの形態のエネルギーを処理液内の圧力波23に変換する装置とすることができる。圧力波発生器10は、種々の現象の中でも特に、(例えば、チャンバ6内における)処理液の流体力学的運動、流体循環、乱流その他、歯110の洗浄を可能にする他の条件を誘発することができる。本明細書で説明する各図に開示の圧力波発生器10は、任意の好適な種類の圧力波発生器であってもよい。
【0026】
圧力波発生器10は、治療液を通して、例えば、流体プラットフォーム2内に少なくとも部分的に保持される治療流体を通して伝搬する圧力波23を生成することによって、歯110を清掃するために使用することができる。いくつかの実装形態では、圧力波発生器10は、キャビテーション、音響ストリーミング、衝撃波、乱流などを生成することもできる。種々の実施形態では、圧力波発生器10は、広帯域パワースペクトルを有する圧力波23または音響エネルギーを発生させることができる。例えば、圧力波発生器10は、1つまたはいくつかの周波数のみとは対照的に、複数の異なる周波数で音響波を発生させることができる。理論的な制約を考慮しなければ、複数の周波数での電力の発生は、種々
の周波数で異なる材料または物理的特性を有する種々の種類の有機および/または無機材料を除去するのに役立つ可能性があると考えられる。
【0027】
いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、流体ジェットデバイスを備えることができる。流体ジェットは、高圧流体をオリフィスに通すことによって生成することができる。流体ジェットは、処理液内に圧力波23を生成することができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、コヒーレントなコリメートされた流体ジェットを含む。流体の噴流は、実質的に密閉された容積(例えば、チャンバ6)および/または衝突部材(例えば、ガイドチューブの遠位端上の遠位衝突プレート、またはチャンバ壁の湾曲表面)内の流体と相互作用して、圧力波23を生成することができる。加えて、ジェットと治療流体との相互作用、ならびに衝突部材に当たることによって生じる噴霧と治療流体との相互作用は、キャビテーションおよび/または他の音響効果を作り出して歯を洗浄するのを助けることができる。他の実施形態では、圧力波発生器10は、本明細書で説明されるように、レーザデバイスを備えることができる。機械的デバイスなどの他の種類の圧力波発生器も好適である。
【0028】
本明細書に開示の圧力波発生器10は、複数の周波数を有する広帯域音響スペクトルを有する圧力波を発生させることができる。圧力波発生器10は、例えば、約1KHz~約1000KHz(例えば、帯域幅は約1000KHzであり得る)の範囲内の有意な電力を含む、約1Hz~約1000KHzの有意な電力を伴う音響電力の広帯域電力スペクトルを発生させることができる。音響エネルギースペクトルの帯域幅は、場合によっては、3デシベル(3dB)帯域幅(例えば、音響パワースペクトルの半値全幅またはFWHMである)において測定可能である。種々の例では、広帯域音響パワースペクトルは、約1Hz~約500KHzの範囲、約1KHz~約500KHzの範囲、約10KHz~約100KHzの範囲、または何らかの他の周波数範囲の帯域幅に有意なパワーを含むことができる。いくつかの実装形態では、広帯域スペクトルは、約1MHzを上回る音響出力を含み得る。有利には、音響出力の広帯域スペクトルは、キャビテーションクラウド内および歯の表面上に比較的広い範囲の気泡サイズを生成することができ、これらの気泡の破裂は、狭いサイズ範囲を有する気泡よりも組織を破壊するのにより効果的であり得る。比較的広帯域の音響出力はまた、音響エネルギーが、例えば、細胞規模から組織規模まで、ある範囲の長さ規模で作用することを可能にし得る。したがって、広帯域音響パワースペクトル(例えば、流体ジェットのいくつかの実施形態)を生成する圧力波発生器は、狭帯域音響パワースペクトルを生成する圧力波発生器よりも、いくつかの治療のための歯の洗浄においてより効果的であり得る。広帯域音響出力を生成する圧力波発生器のさらなる例は、
図2A~
図2B-2および米国特許第9,675,426号明細書における関連する記載、ならびに
図13A~
図14および米国特許第10,098,717号明細書における関連する記載により説明されており、これらそれぞれの記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。
【0029】
本明細書に開示される歯科治療は、任意の好適な種類の治療流体、例えば、洗浄液とともに使用することができる。充填手技では、治療流体は、治療領域を充填するように硬化させることができる流動性充填材料を含むことができる。本明細書に開示される治療流体は、例えば、水、生理食塩水等を含む、任意の好適な流体であることができる。いくつかの実施形態では、治療流体は、脱気されることができ、これは、いくつかの治療において、キャビテーションを改善し、および/または気泡の存在を低減させ得る。いくつかの実施形態では、溶存ガス含有量は、約1体積%未満とすることができる。例えば、組織溶解剤(例えば、NaOCl)、消毒剤(例えば、クロルヘキシジン)、麻酔、フッ化物療法剤、EDTA、クエン酸、および任意の他の好適な化学物質を含む、種々の化学物質が、治療溶液に添加されることができる。例えば、任意の他の抗菌、脱灰、消毒、ミネラル化、またはホワイトニング溶液も同様に使用され得る。種々の溶液を、適切な濃度で同時に
または連続して組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学物質および化学物質の濃度は、患者の転帰を改善するために、医師および/またはシステムによって、手技全体を通して変動させることができる。圧力波発生器10によって生成される圧力波23および流体運動24は、治療領域全体を通して望ましくない材料を除去することができる、低周波バルク流体運動および/または高周波音響波を誘発することによって、洗浄の有効性を有益に改善することができる。
【0030】
いくつかのシステムおよび方法では、システム100とともに使用される治療流体は、流体の正常ガス含有量(normal gas content)と比較すると低減された溶解ガス含有量(dissolved gas content)を有する脱気流体を含むことができる。脱気された治療流体の
使用においては、流体内に気泡が存在することで、音響エネルギーの伝搬が妨害され、洗浄の有効性が低減する可能性があるため、洗浄性を有益に改善することができる。いくつかの実施形態では、脱気流体は、(例えば、脱気前に)流体源から送達される正常ガス含有量の約10%~40%に低減される溶解ガス含有量を有する。他の実施形態では、脱気流体の溶解ガス含有量は、流体の正常ガス含有量の約5%~50%または1%~70%に低減することができる。いくつかの処理では、溶解ガス含有量は、通常のガス量の約70%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、または約1%未満であり得る。いくつかの実施形態では、脱気された流体は、オゾン等の特定の種類のガスに暴露され、例えば、気泡の形態で、ガス(例えば、オゾン)の一部を治療領域内に送ってもよい。治療領域では、気泡により治療領域がガス(例えば、オゾン)に暴露され、領域内がさらに消毒される。脱気された処理液の使用に関する詳細については、米国特許第9,675,426号明細書に記載され、その記載内容全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用する。
【0031】
II. 処置器具の例
本明細書に開示される種々の実施形態は、歯110の治療領域を洗浄および/又は充填するように構成された歯科治療器具1に関する。本明細書に開示される治療器具は、歯110の外面の根管空間ならびに関連する細管およびう蝕領域を含む、歯110の洗浄における改善された有効性を提供する。
【0032】
図2A~
図2Kは、そのような処置器具1の例を示す。特に、
図2Aは、一実施形態による処置器具1の概略斜視図である。
図2Bは、
図2Aの処置器具1のハンドピース12の遠位端部分に配置された流体プラットフォーム2の拡大概略斜視図である。
図2Cは、
図2Aの処置器具1の概略底面斜視図である。
図2Dは、
図2Aの断面2D-2Dに沿った
図2Aの処置器具1の概略側断面図である。
図2Eは、流体プラットフォーム2の拡大底面斜視断面図である。
図2Fは、
図2Dの断面に示される流体プラットフォーム2の拡大図である。
図2Gは、
図2Aの断面2G-2Gに沿った流体プラットフォーム2の概略側断面図である。
図2Hは、
図2Fの断面2H-2Hに沿った流体プラットフォーム2の上面斜視断面図である。
図2Iは、
図2Fのセクション2I-2Iに沿った流体プラットフォーム2の上面斜視断面図である。
図2Jは、断面2J-2Jに沿った流体プラットフォーム2の上面図である。
図2Kは、断面2I-2Iに沿った流体プラットフォーム2の上面図である。
【0033】
図2A~
図2Kの処置器具1は、医師によって把持される大きさおよび形状のハンドピース12を含む。流体プラットフォーム2は、ハンドピース12の遠位部分に接続することができる。本明細書で説明されるように、いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、ハンドピース12に取り外し可能に接続することができる取り外し可能な先端デバイス11(以下参照)の一部を形成することができる。他の実施形態では、流体プラットフォーム2は、ハンドピース12に取り外しできないように取り付けることができ、またはハンドピース12と一体的に形成することができる。さらに他の実施形態では、流
体プラットフォーム12は、ハンドピースに接続しなくてもよく、代わりに、ハンドピースを使用することなく、歯に密着する(または別様に接続または位置付けられる)、治療キャップとしての役割を果たしてもよい。
図2Aに示すように、ハンドピース12の近位端部分にインターフェース部材14を設けることができ、これは1つまたは複数の導管104に取り外し可能に接続して、コンソール102と処置器具1との間の流体連通を提供することができる。
【0034】
図2A~
図2Bを参照しながら説明するように、送出ライン4(上記の少なくとも1つの導管104を含む)と周囲空気との間の流体連通を提供するために、ハンドピース12の一部を通してベント7を設けることができる。本明細書で説明するように、ベント7は、流体プラットフォーム2内の圧力を調節する役割を果たすことができ、処置器具1の安全性および有効性を改善することができる。
図2Cに示すように、流体プラットフォーム2によって画定されるチャンバ6と歯110の治療領域との間に流体連通を提供するために、流体プラットフォーム2の遠位部分にアクセスポート18を設けることができる。例えば、
図1Aで説明したように、根管洗浄処置では、流体プラットフォーム2の遠位部分の封止キャップ3を、アクセス開口部118の上方で歯110に対して位置決めして、チャンバ6と歯110の内部との間の流体連通(例えば、歯髄腔111および根管113)を提供することができる。他の実施形態では、
図1Bで説明したように、密封キャップ3を、歯110の外面119のう蝕領域の上方で歯110に対して位置決めして、チャンバ6と治療されるう蝕領域との間の流体連通を提供することができる。圧力波23および流体運動24は、治療領域全体に伝播して治療領域を洗浄することができる。
【0035】
図2D~
図2Gを参照すると、流体プラットフォーム2は、チャンバ6を画定する1つまたは複数の壁を有することができる。例えば、
図2E~2Gに示すように、流体プラットフォーム2は、湾曲した側壁13と、アクセスポート18の反対側のチャンバ6の上端に配置された上壁17とを含む少なくとも1つの壁を備えることができる。図示の実施形態では、湾曲側壁13は、概して円形の断面を有する概して円筒形のチャンバ6を画定することができ、上壁17からある角度で延在することができる。しかしながら、他の実施形態では、湾曲側壁13は、楕円形であり得るか、または他の湾曲または角度付き表面を有することができる。側壁13は、上壁17に対して非平行に(例えば、実質的に直交するように)延在することができる。側壁13は、任意の好適な非ゼロ角度で、例えば、いくつかの実施形態では約90°だけ上壁17から延在することができる。他の実施形態では、側壁13は、上壁17から90°より大きいまたはより小さい角度で延在することができる。他の実施形態では、側壁13は、チャンバ6の形状が不規則または非対称であり得るように、側壁13の周囲に沿って異なる角度量だけ上壁17から延在することができる。図示の実施形態では、上壁17と側壁13との間の内角は、角度又は角を含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、上壁17と側壁13との間の内部界面は、角のない湾曲した又は滑らかな表面を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の壁は、準球状プロファイル等の湾曲プロファイルを備えることができる。
【0036】
封止キャップ3は、プラットフォーム2と接続または形成され得る。図に示すように、例えば、フランジ16は、対向する側面を有するU字形の支持体を備えることができ、封止キャップ3は、フランジ16内に配置することができる。フランジ16は、シールキャップ3をハンドピース12の遠位部分に機械的に接続することができる。アクセスポート18は、チャンバ6の遠位端部分に設けることができ、チャンバ6が歯に接続(例えば、歯に押し付けられるか、歯に密着されるか、または別の方法で歯に接続される)されると、チャンバ6を歯110の治療領域と流体連通させる。例えば、密閉キャップ3は、歯の治療領域を実質的に密閉するように、医師が歯に押し付けることができる。
【0037】
チャンバ6は、任意の好適な外形を有するように成形することができる。種々の実施形
態では、図示のように、チャンバ6は、湾曲した側壁13を有することができるが、他の実施形態では、チャンバ6は、傾斜した内部コーナーを形成することができる複数の傾斜した側壁13を有することができる。したがって、チャンバ6は、断面平面図(例えば、底部断面図)において、例えば、
図2Cおよび2Jに示されるように、丸く、例えば、略円形とすることができる。いくつかの実施形態では、チャンバ6は、断面平面図(例えば、底部断面図)において、楕円形、多角形であり、または不規則な形状の境界を有してもよい。
【0038】
チャンバ6は中心軸Zを有することができる。例えば、
図2Dに示すように、中心軸Zは、アクセスポート18の中心(例えば、幾何学的中心)を通って実質的に横方向に延在することができる(例えば、少なくとも部分的にアクセスポート18によって画定されるチャンバ6の最遠位平面を通る)。種々の実施形態では、
図2Dに示されるように、円形(または略円形)断面を有するチャンバ6の場合(底面図に示すように)、中心軸Zは、チャンバ6の遠位部分を少なくとも部分的に画定するアクセスポート18および/またはチャンバ6の上部を少なくとも部分的に画定する上壁17の略中心を実質的に通ることができる。例えば、中心軸Zは、85°~95°の範囲の角度で、89°~91°の範囲の角度で、または89.5°~90.5°の範囲の角度で、上壁17および/またはアクセスポート18の幾何学的中心を実質的に横方向に通過することができる。
【0039】
上記で説明したように、図示のチャンバ6は、概してまたは略円形の断面を有するが、チャンバ6は、下から上へ見た種々の断面において他の好適な形状を有してもよい。そのような実施形態では、チャンバ6のアクセスポート18の開口部の平面(これは、チャンバ6の最遠位平面にあってもよい)に平行な複数の平面(例えば、2つ、3つ、またはそれ以上の平面)は、チャンバの側壁13によって境界を定められる。中心軸Zは、アクセスポート18に平行な有界平面の各々のおおよその幾何学的中心を通過することができる。例えば、チャンバ6は、上壁17に対して非横方向に傾斜した側壁13を有してもよく、および/又はチャンバ6の高さHに沿って変化するプロファイルを有する側壁13を有してもよい。中心軸Zは、複数の平行な有界平面の各々の幾何学的中心を通ることができる。
【0040】
圧力波発生器10(流体運動発生器として機能することができる)は、チャンバ6内に圧力波および回転流体運動を発生させるように配置することができる。圧力波発生器10は、治療処置中に歯の外側に配置することができる。圧力波発生器10は、チャンバ6(例えば、チャンバ6を完全に横切って、圧力波発生器10又は供給ポートの反対側の側壁13の一部に衝突する)を横切って流体の流れ(流体ジェットなど)を送達して圧力波および流体運動を発生させることができる流体供給ポートを備えることができる。例えば、圧力波発生器10は、オリフィス又はノズル9を含む流体ジェットデバイスを含むことができる。加圧された流体22は、送入ライン5に沿ってノズル9に移送することができる。送入ライン5は、例えば、1つ以上の導管104を介して、コンソール102内の流体源に接続することができる。ノズル9は、高速でコヒーレントなコリメートされた流体ジェットを形成するように選択された直径を有することができる。ノズル9は、送入ライン5の遠位端に配置することができる。本明細書に開示される種々の実施形態では、ノズル9は、59ミクロン~69ミクロンの範囲、60ミクロン~64ミクロンの範囲、又は61ミクロン~63ミクロンの範囲の直径を有する開口部を有することができる。例えば、一実施形態では、ノズル9は、約62ミクロンの直径を有する開口部を有することができ、これは、歯を洗浄するのに特に有効である流体ジェットを生成することが分かっている。図示した実施形態は、流体ジェット(例えば、コヒーレントなコリメートされたジェット)を形成するように構成されているが、他の実施形態では、流体の流れは、ジェットを含まず、代わりに、流れの運動量が流れ軸に概ね平行である流体の流れを含んでもよい。
【0041】
図2Dおよび2Fに示されるように、ノズル9は、中心軸Zに平行ではない(例えば、実質的に垂直である)噴射軸X(流れ軸とも呼ばれる)に沿って、チャンバ6の横方向中央領域を通して横方向に流体ジェット20を含む流体の流れを方向付けるように構成することができる。いくつかの実施形態では、噴射軸Xは中心軸Zと交差することができる。種々の実施形態では、流体の流れ(例えば、ジェット20)は、中心軸Zと交差することができる。他の実施形態では、噴射軸Xは中心軸Zからわずかにオフセットすることができる。流体ジェット20は、治療領域(例えば、根管全体、歯の外面上のう蝕領域全体などである。)全体にわたって伝搬して、不健康な物質に作用して除去することができる、流体運動24(例えば、渦)を生成することができる。流体運動発生器10はまた、圧力波発生器として作用し、チャンバ6内の流体を通して広帯域圧力波を発生させ、治療領域を洗浄することができる。
【0042】
図2Fおよび
図2Jに示すように、ノズル9は、ノズル9とチャンバ6との間に配置されたガイドチャネル15に沿って通過することができるコヒーレントなコリメートされた流体ジェット20を形成することができる。ガイドチャネル15により、製造可能性が改善され、チャンバ6への流体ジェット20のためのガイドとしての役割を果たす。動作中、チャンバ6は、流体ジェット20(および/またはチャンバ6への追加の入口)によって供給される処理液で充填することができる。ジェット20は、ガイドチャネル15からチャンバ6に入ることができ、チャンバ6内に保持された流体と相互作用することができる。流体ジェット20とチャンバ6内の流体との間の相互作用は、治療領域全体にわたって伝搬することができる圧力波23(
図1A~
図1B参照)を生成することができる。流体ジェット20は、噴射軸Xに沿ってノズル9の反対側の位置でチャンバ6の側壁13に衝突することができる。チャンバ6の側壁13は、ジェット20が側壁13に作用または衝突するとき、側壁13の湾曲または傾斜表面が、側壁13、上壁17に沿って、および/またはチャンバ6内に保持される流体内で流体運動を生成するように、衝突表面としての役割を果たすことができる。さらに、側壁13によって方向転換されたジェット20および/または流体の流れの移動は、チャンバ6内および処理領域を通る流体運動24を誘発することができる。
【0043】
理論的に限定されるものではないが、例えば、チャンバ6内の中心位置でジェット20を噴射軸Xに沿ってチャンバ6を横切って(例えば、チャンバ6を完全に横切って)方向付けることは、チャンバ6の中心軸Zに非平行な(例えば、垂直な)軸の周りで回転する渦を含む流体運動24を誘発することができる。渦は、治療領域を通して伝搬することができ、望ましくない材料(例えば、崩壊した有機物質)を治療領域から洗い流すバルク流体運動を提供することができる。渦流体運動24および生成された圧力波23の組み合わせは、治療領域の大きいおよび小さい空間、亀裂、および隙間から、あらゆる形状および大きさの望ましくない材料を効果的に除去することができる。流体運動24は、本質的に乱流であってもよく、複数の軸の周囲で回転してもよく、それは、流れの無秩序性を増加させ、治療有効性を改善することができる。
【0044】
図2G、
図2H、および
図2Kに示すように、治療器具1は、システムコンソール102内に配置可能な、廃棄物リザーバに廃棄物または流出液19を運搬するための排出ラインまたは送出ライン4を含むことができる。吸引ポート8または流体アウトレットは、中心軸Zからオフセットされたチャンバ6の壁に沿ってチャンバ6に露出することができる。例えば、
図2Gに示すように、吸引ポート8は、アクセスポート18の反対側のチャンバ6の上壁17に沿って配置することができる。真空ポンプ(図示せず)は、排出ライン4に沿って真空力を印加して、廃棄物または流出液19をチャンバ6から吸引ポート8を通して排出ライン4に沿って廃棄物リザーバに引き出すことができる。いくつかの実施形態では、1つの吸引ポート8のみを設けることができる。しかしながら、
図2Hおよび
図2Kの実施形態に示されるように、器具1は、互いに横方向に対向して配置された複数(
例えば、2つ)の吸引ポートを含むことができる。いくつかの実施形態では、3つ以上の吸引ポートを設けることができる。吸引ポート8は、互いに横方向に対向して、例えば中心軸Zに対して対称的に配置することができる。図示のように、吸引ポート8は、側壁13またはその近くで、例えばチャンバ6の中心軸Zよりも側壁13の近くで、上壁17を貫通して配置することができる。図示される実施形態では、吸引ポート8は、側壁13に当接するか、またはそれによって少なくとも部分的に画定されることができる。他の実施形態では、吸引ポート8は、側壁13から横方向に差し込むことができる。さらに他の実施形態では、吸引ポート8は、チャンバ6の側壁13に配置することができる。
【0045】
したがって、種々の実施形態では、チャンバ6は、中心軸Zを実質的に直交して(例えば、中心軸Zに対して85°~95°の範囲の角度、89°~91°の範囲の角度、または89.5°~90.5°の範囲の角度で)延在する第1の平面内に最大横寸法を有することができる。第1の平面は、壁の境界に沿って、チャンバの壁によって画定することができる。第1の平面上への吸引ポート8の投影は、チャンバ6の中心軸Zよりも境界に近いものとすることができる。例えば、図示の実施形態では、チャンバ6は、略円形の底部断面を備えることができ、中心軸Zを実質的に直交する第1の平面は、略円形の境界によって側壁13に沿って区切ることができる。第1の平面上への吸引ポート8の投影は、中心軸Zよりも略円形の境界に近くすることができる。
【0046】
図に示すように、吸引ポート8は、長尺の湾曲した(例えば、腎臓形状の)開口部を備えることができる。吸引ポート8の曲率は、いくつかの実施形態では、チャンバ6の側壁13の曲率と略同一とすることができる。他の実施形態では、吸引ポート8は湾曲しなくてもよく、多角形(例えば矩形)であってもよい。好適には、開口部の長さが幅よりも大きい長尺の吸引ポート8を使用することで、大きな粒子によって吸引ポート8および/または送出ライン4が詰まるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、吸引ポート8は、上壁17と同一平面の開口部を備えることができる。他の実施形態では、吸引ポート8は、チャンバ6内に部分的に突出することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、圧力波発生器10および吸引ポート8は、治療手技における治療器具1の動作中に、歯の治療領域(例えば、先端で測定される歯の根管内)における圧力が50mmHG~-500mmHGの範囲内に維持されるように、チャンバ6に対して成形および位置付けられることができる。治療領域における圧力を所望の範囲内に維持することにより、患者の痛みのリスクを低減し、先端開口部115から先端に流体が押し出されるのを防止し、および/又は洗浄効果を向上させることができる。例えば、圧力波発生器10および吸引ポート8は、治療処置における治療器具1の動作中に、頂部114および頂部開口部115またはその近傍における頂部圧力が50mmHG未満、5mmHG未満、-5mmHG未満に維持されるように、チャンバ6に対して成形および配置することができる。-5mmHG~-200mmHGの範囲内、-5mmHG~-55mmHGの範囲内、または-10mmHG~-50mmHGの範囲内である。先端圧力をこれらの範囲内に維持することにより、患者の痛みのリスクを低減し、先端開口部115から先端に流体が押し出されるのを防止し、および/又は洗浄効果を向上させることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、先端圧力を調節するために、吸引ポート8は、ノズル9から円周方向にオフセットすることができる。例えば、図示の実施形態では、吸引ポート8は、ノズル9から円周方向に約90°オフセットすることができる。
【0049】
さらに、チャンバ6は、上壁17からアクセスポート18まで延在する幅W(例えば、チャンバ6の直径または他の主要な横寸法)および高さHを有することができる。幅Wおよび高さHは、根尖に生じる圧力を所望の範囲内に維持しながら効果的な洗浄結果をもたらすように選択することができる。種々の実施形態では、例えば、チャンバ6の幅Wは、
2mm~4mmの範囲、2.5mm~3.5mmの範囲、又は2.75mm~3.25mmの範囲(例えば、約3mm)とすることができる。チャンバ6の高さHは、約1mm~30mmの範囲、約2mm~10mmの範囲、または約3mm~5mmの範囲であり得る。
【0050】
圧力波発生器10(例えば、ノズル9)は、歯を治療するのに十分な流体運動24を生成する位置にチャンバ6に対して配置することができる。図に示すように、圧力波発生器10(例えば、ノズル9を含む)は、チャンバ6の外側(例えば、チャンバ6から凹んだ位置)に配置することができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、チャンバ6に暴露される(またはそれと洗い流される)ことができるが、チャンバ6の中へ延在しなくてもよい。さらに他の実施形態では、圧力波発生器10の少なくとも一部分は、チャンバ6内に延在してもよい。圧力波発生器10(例えば、ノズル9を含む)は、吸引ポート8の下方又は遠位に配置することができる。さらに、図示の実施形態では、ジェット20は、中心軸Z(噴射軸Xと中心軸Zとの間の角度は約90°である)に対して実質的に垂直に向けることができる。ジェット20は、チャンバの中心軸Zに近接して通過することができ、例えば、チャンバ6の横方向中央領域を通過することができる。例えば、いくつかの実施形態では、噴射軸Xまたは流体ジェット20は、チャンバの中心軸Zと交差することができる。いくつかの実施形態では、ジェット20は、チャンバ6の横方向中央領域を通過してもよいが、中心軸Zからわずかにオフセットされてもよい。例えば、中心軸Zは、噴射軸X(例えば、第2の平面は、噴射軸Xに対して85°~95°の範囲、89°~91°の範囲、又は89.5°~90.5°の範囲の角度を有することができる)に対して実質的に直交する第2の平面内に位置することができる。流れ軸または噴射軸Xは、側壁13よりも中心軸Zに近い位置で第2の実質的に直交する平面と交差することができる。
【0051】
したがって、上述したように、チャンバ6は、中心軸Zに対して実質的に直交する方向に延在する第1の平面内に最大横寸法を有することができ、中心軸Zは、流れ軸または噴射軸Xに対して実質的に直交する方向に延在する第2の平面内に位置することができる。第1の平面は、壁の境界に沿ってチャンバ6の壁(例えば、側壁13)によって画定することができる。上記で説明したように、吸引ポート8は、中心軸Zよりも境界(例えば、いくつかの実施形態では、側壁13である)に近くすることができる。また、吸引ポート8は、流れ軸または噴射軸Xが第2の平面と交差する位置よりも境界に近くてもよい。さらに、流れ軸または噴射軸Xが第2の平面と交差する場所は、吸引ポート8(あるいは、第2の平面上への吸引ポート8の投影)よりも中心軸Zに近くすることができる。本明細書に図示される壁は、上部壁およびそこから延在する側壁を有することができるが、他の実施形態では、壁は、単一の湾曲壁を有してもよく、または任意の他の好適な形状を有してもよい。
【0052】
上記で説明したように、ベント7は、プラットフォーム2を通して設けることができ、周囲空気に曝すことができる。ベント7は、吸引ポート8に流体接続される排出ライン4と流体連通することができる。ベント7は、吸引ポート8の下流の位置で排出または送出ライン4に沿って配置することができる。ベント7は、チャンバ6および治療領域における過剰加圧を有利に防止又は低減することができる。例えば、外部環境からの周囲空気は、流出ライン4に沿って除去された流出液19に伴って流れる。ベント7は、静的陰圧の印加を可能にすることによって、治療領域内の圧力を調節することができる。例えば、ベント7の大きさは、治療領域において所望の量の静的陰圧を提供するように選択することができる。ベント7は、周囲空気がチャンバ6および/または歯110の治療領域に入るのを防止するように、送出ライン4に沿った位置に位置決めすることができる。通気式流体プラットフォームに関するさらなる詳細は、米国特許第9,675,426号明細書全体に記載されており、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用される。
【0053】
有利には、
図2A~
図2Kの実施形態および同様の実施形態は、治療領域全体の完全な洗浄を提供するのに十分な流体運動および圧力波を生成することができる。圧力波発生器10、チャンバ6、吸引ポート10、ベント7等の構成要素は、他のデバイスと比較して、効果的な治療(例えば、効果的な洗浄または充填)、改良された圧力調節(例えば、治療領域における圧力を適切な範囲内に維持する)、および改良された患者転帰を提供するように、図示された実施形態で説明するように配列することができる。
【0054】
本明細書に開示される処置器具1の実施形態は、米国特許第10,363,120号明細書を通して図示および説明される特徴と組み合わせて使用することができ、その記載内容全体は、本明細書に付加され、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用される。
【0055】
図3A~
図3Cは、別の実施形態による処置器具1を示す。特に断りのない限り、
図3A~
図3Cの構成要素は、
図2A~
図2Kの同一符号の構成要素と同じであるか、または類似の構成要素である。処置器具1は、ハンドピース12と、ハンドピース12に接続されるかまたは共に形成される流体プラットフォーム2とを含むことができる。しかしながら、
図2A~
図2Kの実施形態とは異なり、ハンドピース12は、コントラアングル(contra-angled)ハンドピース本体21を含む。コントラアングルハンドピース本体21は
、上向きに湾曲することができ、これにより、医師によるハンドピース12の操作性および/または扱いやすさが向上する。
【0056】
図4Aは、種々の実施形態による処置器具1の概略的な底部右側斜視図である。
図4Bは、
図4Aの処置器具1の概略左上斜視図である。
図4Cは、
図4A~
図4Bの処置器具の概略側面斜視断面図である。特に断りのない限り、
図4A~
図4Cの構成要素は、
図2A~
図2Kの同一符号の構成要素と同じであるか、または類似の構成要素である。
図4A~
図4Bでは、ハンドピース本体は、処置器具の他の構成要素の図示を容易にするために図示されていない。
図4A~
図4Cの実施形態では、吸引ポート8は、多角形(例えば、長方形)の長尺の開口部を備えてもよい。さらに、
図4A~
図4Cの実施形態では、アクセスポート18は、アクセスポート18の上方または近位に配置されたチャンバ6の直径または主要寸法よりも小さい直径または主要寸法を有することができる。他の実施形態では、アクセスポート18は、アクセスポート18の上方または近位に配置されたチャンバ6の直径または主要寸法よりも大きいかまたは実質的に同じ直径または主要寸法を有する。
【0057】
III.取り外し可能な先端デバイスを有する処置器具の例
図5は、種々の実施形態による歯科治療器具1の概略図である。特に断らない限り、
図5の構成要素は、
図2A~
図2K、
図3A~
図3C、または
図4A~
図4Cの同一符号の構成要素と同じであるか、または類似の構成要素である。歯科治療器具1は、先端デバイス11と、ハンドピース本体12Aを有するハンドピース12とを含むことができる。先端デバイス11は、ハンドピース本体12Aの遠位部分に取り外し可能に接続することができる。種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、ハンドピース本体12Aを先端デバイス11に取り外し可能に接続するコネクタ225を含むことができる。先端デバイス11は、先端デバイス11をハンドピース本体12Aに取り外し可能に接続するコネクタ226を含むことができる。コネクタ225は、先端デバイス11をハンドピース本体12Aに取り外し可能に接続するためにコネクタ226と接続することができる。先端デバイス11は、歯を治療するために(例えば、歯の治療領域を洗浄および/または充填するために)治療領域に対してまたは治療領域上に位置決めされるように構成することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、コネクタ225は、コネクタ226の対応する雌ねじと係合する雄ねじを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ225は、コネクタ226の対応する雄ねじと係合する雌ねじを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ225は、コネクタ226の複数のレセプタクルに係合するための複数の突起を含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ225は、コネクタ226の複数のレセプタクルに係合するように係合するように放射状に配置された壁から延びる複数の突起を含むことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、コネクタ225は、クイックコネクトカップリングを介してコネクタ226に接続することができる。いくつかの実施形態では、クイックコネクトカップリングは、複数の格納式のボールベアリングを含む。いくつかの実施形態では、クイックコネクトカップリングは摺動カラーを含む。いくつかの実施形態では、コネクタ225または226のうちの1つの上の摺動カラーは、接続軸に沿って摺動し、玉軸受が格納されることを可能にする。カラーが前方に摺動されると、ボールベアリングは、他のコネクタ225または226上の構成要素に押し込まれ、それによって、使い捨て先端の離脱を防止することができる。いくつかの実施形態では、クイックコネクトカップリングは、ハンドピース本体12A上のアクティブコネクタ(例えば、ボールベアリングを有するカラー)またはパッシブコネクタ(例えば、ベアリングとインターフェースする固定された幾何学的形状)を用いて実装することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、効果的な除染および滅菌を容易にするためにパッシブコネクタを有益に含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、コネクタ225は、スナップフィッティングを介してコネクタ226に接続することができる。コネクタ225またはコネクタ226のいずれかは、1つ以上のスナップ機構を含むことができ、このスナップ機構は、機構を押圧または圧迫することによって押し下げることができる。他のコネクタ225または226上の相補的な嵌合構成要素は、スナップ機構が係合する構成要素またはアンダーカットを含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、コネクタ226は、コネクタ225の対応する雄ねじと係合する雌ねじを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ226は、コネクタ225の対応する雌ねじと係合する雄ねじを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ226は、コネクタ225の対応する突起に係合するための複数のレセプタクルを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ226は、コネクタ225の放射状に配置された壁から延びる対応する突起に係合する複数のレセプタクルを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ226は、コネクタ225の対応するレセプタクルに係合するための複数の突起を含む。
【0062】
したがって、種々の実施形態では、先端デバイス11は、処置手技の前にハンドピース本体12Aに接続することができる。先端デバイス11がハンドピース本体12Aに接続された後、医師は、洗浄処置などの処置手技を行うことができる。治療手技の後、医師は、ハンドピース本体12Aから治療先端デバイス11を取り外すことができる。
【0063】
種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、複数の手技、例えば、所定数の手技で使用することができる。種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、複数の先端デバイス11に接続するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、同じ構成を有する複数の先端デバイス11に接続するように構成することができる。他の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なる構成を有する複数の先端デバイス11に接続するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なる種類の歯の治療のために構成される複数の
先端デバイス11、例えば、大臼歯の治療のための第1の先端デバイスおよび前歯または小臼歯の治療のための第2の先端デバイスに接続することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なるタイプの治療領域の治療のために構成される複数の先端デバイス、例えば、根管の治療のための第1の先端デバイスおよび外部のう蝕領域の治療のための第2の先端デバイスに接続することができる。
【0064】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、使い捨てであることができる。有利には、概して再利用可能なハンドピース本体12Aと併せて使い捨て先端デバイス11を提供することは、医師が、単回使用後にハンドピース本体12Aを配置することに関連する費用を削減することを可能にする。
【0065】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、歯の領域に対して位置付けられるように構成される、流体プラットフォーム2を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、歯の治療領域に対して、例えば、歯の根管(例えば、米国特許第9,675,426号明細書および米国特許第10,363,120号明細書のそれぞれの記載内容全体をあらゆる目的で適用することができる)へのアクセスを提供するアクセス開口部の上に位置付けられるような大きさを決定および選択することができる。他の実施形態では、流体プラットフォーム2は、歯の外面上のう蝕領域(例えば、米国特許第2015/0044632号公報の内容は、その記載内容全体をあらゆる目的で適用することができる)の上に配置することができる。
【0066】
流体プラットフォーム2は、歯の治療領域と流体連通するチャンバ6を少なくとも部分的に画定することができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、治療処置中にチャンバ6内に流体を実質的に保持するために歯に当接可能な大きさにすることができる。いくつかの実施形態では、治療領域は、う蝕領域である。他の実施形態では、治療領域は、根管である。いくつかの実施形態では、流体プラットフォームが歯の領域に対して位置決めされるとき、チャンバ6の少なくとも一部分は歯の外側に位置決めされる。
【0067】
いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、治療処置中にチャンバ6内に流体を実質的に保持するために大臼歯に当接可能な大きさにすることができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、治療処置中にチャンバ6内に流体を実質的に保持するために、前歯または小臼歯に当接可能な大きさにすることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、チャンバ6が、歯の外面において、う蝕領域の周囲に密閉体積を画定するように、う蝕領域を覆うように、歯の外面に対して位置付けられ、少なくとも部分的に外面に対して密閉するような大きさにすることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、流体保持器またはキャップと、治療領域の一部と接触するように構成された接触部材とを含むことができる。使用時に、医師は、治療領域を実質的に密閉するように、接触部材(これは、可撓性部材、スポンジなどを含むことができる。)を治療領域に押し付けることができる。いくつかの実施形態では、医師は、治療領域を実質的に密閉するように、流体プラットフォーム2を治療領域に接着するか、または接続することができる。
【0070】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、歯の治療領域で提供される流体に圧力波および/または流体運動を生成するように構成される、圧力波発生器10を含むことができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器は、圧力波発生器10から離れた場所で圧力波および/または流体運動を発生させることができる。いくつかの実施形態では、圧力波
発生器10は、プラットフォーム2に接続することができる。
【0071】
種々の実施形態では、圧力波発生器10は、少なくとも米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、又は米国公開第2015/0044632号公報に記載されているように、歯の治療領域(例えば、根管またはう蝕領域)を洗浄するために使用することができ、それらの記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。種々の実施形態では、圧力波発生器10は、少なくとも米国特許第9,877,801号明細書に記載されているように、歯の治療領域(例えば、根管またはう蝕領域)を充填するために使用することができ、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0072】
いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、流体ジェットデバイスを含むことができる。流体ジェットデバイスは、チャンバ6内および/又は治療領域内の流体と相互作用して、治療領域内に圧力波および流体運動を発生させることができる流体ジェットを生成することができる。生成された圧力波および流体運動は、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報(それらの記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する)に記載された種々の手技において、治療領域を洗浄するために使用することができる。いくつかの構成では、生成された圧力波および流体運動は、米国特許第9,8
77,801号明細書に記載された手技等、治療領域を充填するために使用することがで
き、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0073】
いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、レーザデバイスを含むことができる。レーザデバイスは、チャンバ6内および/又は治療領域内の流体と相互作用して治療領域内に圧力波および流体運動を生成することができるレーザビームを生成することができる。生成された圧力波および流体運動は、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報(それらの記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する)に記載された種々の手技において、治療領域を洗浄するために使用することができる。いくつかの構成では、生成された圧力波および流体運動は、米国特許第9,877,801号明細書に記載された手技等、治療領域を充填するために使用されることができ、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0074】
他の実施形態では、圧力波発生器10は、例えば、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120明細書、米国特許第9,877,801号明細書、米国特許第9,504,536号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報に記載された他のタイプの圧力波発生器を備えることができ、それらの記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。圧力波発生器10は、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、米国特許第9,
877,801号明細書、米国特許第9,504,536号明細書、および米国公開第20
15/0044632号公報に記載されているように、複数の周波数で広帯域圧力波を発生させるように構成することができ、それらの記載内容全体は、治療領域の洗浄または充填に有益なあらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。種々の実施形態では、脱気された処理液は、例えば、治療領域の洗浄を向上させるために、圧力波発生器10と協働して使用することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、流体プラットフォーム2が歯に当接されるときに歯の外側に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2が、う蝕領域にわたって歯の外面に対して位置付けられ、かつ少なくとも部分的に外面に対して密閉するような大きさとすることができ、圧力波発生器は、流体プラ
ットフォームが歯の外面に接続されると、う蝕領域の外側に位置決めすることができる。根管治療処置などのいくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、歯の空洞内に延在することができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、歯の治療領域内に延在することができる。いくつかの実施形態では、例えば、歯が前歯または小臼歯である場合、流体プラットフォーム2は、歯の予め形成された側面開口部を通して前歯または小臼歯と相互作用するように構成することができ、流体プラットフォームが前歯または小臼歯と相互作用するとき、圧力波発生器を前歯または小臼歯の外側に配置することができる。
【0076】
種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、先端デバイス11への流体、電気、および/またはデータ通信を提供することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、先端デバイス11の1つまたは複数の導管と連通している1つまたは複数の導管を含むことができる。ハンドピース本体12Aの導管は、先端デバイス11の導管への流体、電気、および/またはデータ通信を提供することができる。
【0077】
図6は、種々の実施形態による歯科治療器具1の概略図である。特に断りのない限り、
図6の構成要素は、
図2A~
図2K、
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、または
図5の同一番号の構成要素と同じであるか、または同様の構成要素である。
図6に示すように、いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、ハンドピース本体12Aが先端デバイス11に接続されたときに流体送入ライン5を形成するために先端デバイス11の導管5Bと連通するように構成された導管5Aを含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、ライン5は、圧力波発生器に接続することができる。いくつかの実施形態では、ライン5は、流体流入ラインまたは流体送入ラインとすることができる。例えば、圧力波発生器10が流体ジェットデバイスを含む実施形態では、ライン5は流体ジェットデバイスに流体を送達することができる。
【0079】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、チャンバ6から流体を送るための1つ以上の流体アウトレットまたは吸引ポート8を含むことができる。吸引ポート8は、吸引ポンプ(例えば、コンソール内に配置してもよい)と連通することができる。吸引ポンプが作動しているとき、流体は、チャンバ6からポート8を通って送出ライン4に引き出すことができ、送出ラインは、除去された流体を、例えばコンソール内に配置可能な廃棄物容器に送ることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、ハンドピース本体12Aが先端デバイス11に接続されたときにライン4を形成するように先端デバイス11の導管4Bと連通する導管4Aを含むことができる。ライン4は、ポート8に接続されて流体送出ライン4を形成することができる。
【0081】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、周囲空気がポート8の下流でライン4の中に引き込まれることを可能にするように構成される、1つ以上のベント7を含むことができる。ベント7は、例えば、特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報に説明されるように、圧力調節機能を有利に提供することができ、それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0082】
種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、1つ以上のシール224を含むことができる。シール224は、ハンドピース本体12Aと先端デバイス11との間に流体シールを提供することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のシール224は、1つ以上のOリングを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシール224は、1つまたは複数の面シールを含むことができる。いくつかの実施形態では、
1つまたは複数のシール224は、1つまたは複数のエラストマースリーブを含むことができる。
【0083】
種々の実施形態では、歯科治療器具1は、遠位先端デバイス11をハンドピース本体12Aに対して固定された向きで取り外し可能に固定するためのロック機構231を含むことができる。特定の実施形態では、先端デバイス11は、ハンドピース本体12Aの対応するロック部材230と接続して、遠位先端デバイス11をハンドピース本体12Aに対して固定された向きに固定するように構成されたロック部材229を含むことができる。いくつかの実施形態では、係止部材230は、コネクタ225に、またはその一部に接続することができる。いくつかの実施形態では、係止部材229は、コネクタ226に、またはその一部に接続することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、ロック部材230は、ロック部材229の1つまたは複数の凹部に受け入れられるように位置決めされた1つまたは複数の突起を含むことができる。いくつかの実施形態では、突起は半球形状の突起であり得る。いくつかの実施形態では、ロック部材229は、ロック部材230の1つまたは複数の凹部に受け入れられるように位置決めされた1つまたは複数の突起を含むことができる。いくつかの実施形態では、突起は半球形状の突起であり得る。いくつかの実施形態では、ロック部材229は、ロック部材230のスロットに受け入れられるように位置決めされた摺動ロックを含むことができる。いくつかの実施形態では、係止部材230は、係止部材229のスロット内に受け入れるように位置付けられる摺動係止を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロック機構231は、ハンドピース本体12Aに対して固定された向きで先端デバイス11を固定するように構成された1つまたは複数のボール戻り止めを含むことができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、コネクタ225と226との間の接続は、少なくとも10,
200psi、および少なくとも15,000psiの圧力に耐えることが可能である。
いくつかの実施形態では、コネクタ225と226との間の接続は、流入口5が加圧されている間は緩まない、すなわち自然には取り外されないように十分に固定される。他の実施形態では、例えば、コネクタ225および226がねじ山であるいくつかの実施形態では、ロック機構231は、コネクタ225および226の脱離を制限または防止するために採用されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ225および226ならびにシール224は、先端デバイス11が完全に取り外される前にシールが破られるように設計することができる。そのような機構は、詰まりまたは閉塞の事象において、ライン5内の蓄積された圧力が、先端デバイス11の完全な機械的分離に先立って確実に解放することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、先端デバイス11は、先端デバイス11に関連付けられた固有の識別された識別子を記憶する追跡機構または通信デバイス219を含むことができる。通信デバイスは、RFID(Radio-Frequency Identification)タグ、バーコード、
QR(Quick Response)コード(登録商標)、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のうちの1つまたは複数であり得る。米国特許第
9,504,536号明細書で説明されるように、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用され、通信デバイス219は、先端デバイス11の状態および/または治療手技を監視するように構成される処理回路を備えることができる、リーダと無線あるいはその他の方法で通信することができる。種々の実施形態では、システムは、許可された先端デバイス11のみがハンドピース本体12Aとともに使用されることを確実にするように構成することができる。種々の実施形態では、システムは、先端デバイス11が単一の手技のみで使用されることを確実にするように構成することができる。他の実施形態では、システムは、先端デバイス11が何回の処置で使用されたかを決定するように構成することができる。通信デバイス219は、米国特許第9,504,53
6号明細書に開示されるRFIDデバイスに関連して説明されるものを含む、種々の他の機能を果たすことができ、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。同様に、特定の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、ハンドピース本体12Aの状態および/又は治療手技をモニタするように構成された処理回路を備えることができるリーダと無線で又は他の方法で通信することができる追跡機構又は通信デバイスを含むことができる。ある実施形態では、通信デバイス219は、コンソールが先端デバイス11の以前の使用を検出することを可能にするデータを提供するように、書き込み可能またはプログラム可能であり得る。ある実施形態では、通信デバイス219は、先端デバイス11内に、先端デバイス11用の保護カバー内に、または先端デバイス11のパッケージ内に統合することができる。
【0087】
図7は、圧力波発生器10がレーザデバイスを備える、種々の実施形態による歯科治療装置または器具1の概略図である。特に断りのない限り、
図7の構成要素は、
図2A~
図2K、
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5、または
図6の同一の番号の構成要素と同じであるか、または概して同様である。
図7を参照しながら上述したように、導管5Aおよび5Bは、処理液(例えば、洗浄液)を処理領域に送達することができる。さらに、
図7では、光入力ライン65は、ハンドピース本体12A内の第1の光入力ライン65Aと、先端デバイス内の第2の光入力ライン65Bとを備えることができる。光入力線65A、65Bは、光カプラ233によって接続された光ファイバを含むことができる。いくつかの実施形態では、入力ライン65Aおよび65Bの一方または両方は、導波路、光ファイバなどとすることができる。光カプラ233は、光ファイバコネクタ、ばね式コネクタ、屈折率整合材料、ねじ式コネクタ、スナップ式コネクタ、プッシュプルカップリング、バヨネットコネクタ、キー付きコネクタ、クリップコネクタ、または光入力ライン65Aおよび65Bを接続するための任意の他の適切なタイプの光カプラ233とすることができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、第2の入力ライン65Bの遠位部分に遠位先端を備えることができる。例えば、遠位ファイバ先端は、円錐形先端、または任意の他の好適な形状の光ファイバ先端を備えることができる。レーザ光は、入力ライン65A、65Bに沿って伝搬することができ、圧力波発生器10の遠位先端を通してチャンバ6内に保持される流体内に出射することができる。いくつかの実施形態では、流体に放出される電磁エネルギーは、治療領域を伝搬して歯を治療する光音響波を生成することができる。
図7には示されていないが、
図7の流体プラットフォーム2は、排出物または流出流体を処理領域およびチャンバから排出ライン4に沿って廃棄物リザーバに運ぶ吸引ポート8を含むことができる。加えて、
図7には示されていないが、流体プラットフォーム2は、周囲空気に曝され、吸引ポート8の下流で送出ライン4と流体連通するベント7を備えることができる。
【0088】
種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、コンソールまたは他のデバイスと流体連通する1つ以上の導管に接続する近位コネクタを含むことができる。近位コネクタは、導管およびコンソールとの流体、電気、および/またはデータ通信を提供することができる。本明細書に開示される処置器具1の部分のさらなる詳細は、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、米国特許第9,877,801号明細書、米国特許第9,504,536号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報を通して見出すことができ、それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。例えば、米国特許第9,675,426号明細書および米国特許第10,363,120号明細書に記載された装置(それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する)と同様に、器具1は、歯の根管を洗浄するために使用することができる。いくつかの実施形態では、歯には大臼歯が含まれる(例えば、米国特許第9,675,426号明細書の記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する)。他の実施形態では、歯は、前歯または小臼歯(例えば、米国特許第10,363,120号明細書の記載内容全体は、あらゆる目的のために
、参照により本明細書に援用する)を含むことができる。他の実施形態では、器具1は、歯の外側領域上のう蝕領域を洗浄するように構成することができる(例えば、米国公開第2015/0044632号公報の記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する)。さらに他の実施形態では、器具1は、米国特許第9,877,801号明細書で説明されるように、歯の治療領域を充填または閉塞するように構成することができ、その記載あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。
【0089】
図8は、種々の実施形態による歯科治療器具1の概略正面斜視図である。特に断らない限り、
図8の構成要素は、
図2A~
図2K、
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5、
図6、または
図7の同一の番号の構成要素と同じであってもよく、または概して同様であってもよい。歯科治療器具1は、ハンドピース本体12Aと、ハンドピース本体12Aの遠位部分またはコネクタ225に取り外し可能に接続するように構成される治療先端デバイス11とを含むことができる。したがって、種々の実施形態では、処置先端デバイス11は、処置手技の前にハンドピース本体12Aに接続することができる。次いで、医師は、洗浄処置または充填処置などの処置を行うことができる。治療手技の後、医師は、ハンドピース本体12Aから治療先端デバイス11を取り外すことができる。種々の実施形態では、先端デバイス11は、先端デバイス11が単回使用後に配設されるように、単回使用デバイスとすることができる。しかしながら、他の実施形態では、先端デバイス11は、複数回使用することができる。種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、複数の手技、例えば、所定の数の手技で使用することができる。好適には、再利用可能なハンドピース本体12Aと併せて使い捨て先端デバイス11を提供することは、医師が、単回使用後にハンドピース本体12Aを配置することに関連する費用を削減することができる。
【0090】
ハンドピース本体12Aは、コンソールまたは他のデバイス(同様に図示せず)と流体連通する1つ以上の導管(図示せず)に接続する近位コネクタ204および近位コネクタ206を含むことができる。近位コネクタ204および206は、導管およびコンソールとの流体、電気、および/またはデータ通信を提供することができる。本明細書に開示される処置器具1の部分のさらなる詳細については、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、米国特許第9,877,801号明細書、米国特許第9,504,536号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報で確認することができ、それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。例えば、米国特許第9,675,426号明細書および米国特許第10,3
63,120号明細書に記載された装置(それら記載内容全体は、あらゆる目的のために
、参照により本明細書に援用する)と同様に、器具1は、歯の根管を洗浄するために使用することができる。いくつかの実施形態では、歯には大臼歯が含まれる(例えば、米国特許第9,675,426号明細書の記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する)。さらに他の実施形態では、器具1は、米国特許第9,877,801号明細書で説明されるように、歯の治療領域を充填または閉塞するように構成することができ、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。いくつかの実施形態では、
図8に示すように、コネクタ225にカバー部材220の一部を設けることができる。他の実施形態(
図10参照)では、カバー部材がなくてもよい。
【0091】
図9は、
図8に示す処置具1のコネクタ225の概略拡大斜視図である。
図10は、処置具1のコネクタ225の概略斜視断面図である。
図11は、先端デバイス11の概略斜視断面図である。
図12は、器具のコネクタ225の概略部分断面図であり、種々の実施形態において提供され得る1つ以上のベント7を示す。
図13Aは、先端デバイス11の概略正面上面斜視図である。
図13Bは、
図13Aの先端デバイス11の概略背面底面斜視図である。
図13Cは、
図13Aの先端デバイス11の概略上面図である。
図13Dは、
図13Aの先端デバイス11の概略底面図である。
図13Eは、
図13Aの先端デバイス11の概略正面図である。
図13Fは、
図13Aの先端デバイス11の概略左側面図で
ある。
図13Gは、追加のカバー部材220Aが先端デバイス11の外面に設けられている先端デバイス11の概略斜視図である。種々の実施形態では、例えば、カバー部材220Aは、器具が使用されていないときに先端デバイス11を保護および/又は封止するために設けることができる。いくつかの実施形態では、通信デバイス219は、カバー部材220A内に埋め込むことができる。
【0092】
先端デバイス11は、例えば、歯の根管へのアクセスを提供するアクセス開口部を覆って、歯の治療領域に対して位置付けられるように大きさが選択される、流体プラットフォーム2を含むことができる。流体プラットフォーム2は、流体保持器またはキャップ3と、治療領域の一部と接触するように構成された接触部材210とを含むことができる。使用中、医師は、治療領域を実質的に密閉するように、接触部材210(これは、可撓性部材、スポンジなどを含むことができる)を治療領域に押し付けることができる。いくつかの実施形態では、医師は、治療領域を実質的に密閉するように、流体プラットフォーム2を治療領域に密着させるか、または他の方法で接続することができる。流体プラットフォーム2は、流体を保持することができるチャンバ6を少なくとも部分的に画定することができる。
【0093】
流体プラットフォーム2は、圧力波発生器10から離れた場所を含む、歯の治療領域において圧力波および/または流体運動を発生させるように構成された圧力波発生器10を含むか、またはそれに接続することができる。種々の実施形態では、圧力波発生器10は、歯の治療領域(例えば、根管)を洗浄するために使用されることができる。種々の実施形態では、圧力波発生器10は、歯の治療領域(例えば、根管)を充填するために使用されることができる。図示の実施形態では、圧力波発生器10は流体ジェットデバイスを備える。他の実施形態では、圧力波発生器10は、例えば、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、米国特許第9,877,801号明細書、米国特許第9,504,536号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報に記載される他のタイプの圧力波発生器を備えることができ、それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。圧力波発生器10は、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、米国特許第9,877,801号明細書、米国特許第9,504,536号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報に説明されるように、複数の周波数で広帯域圧力波を発生させるように構成されることができ、それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。種々の実施形態では、脱気された処理液は、例えば、治療領域の洗浄を向上させるために、圧力波発生器10と協働して使用することができる。
【0094】
本明細書に開示される圧力波発生器10の流体ジェットデバイスは、ノズル9と、ノズル9の遠位に延在するガイドチューブ211とを含むことができる。ハンドピース本体12Aの送入ライン5は、ノズル9に処理液を供給することができる。ノズル9は、コヒーレントなコリメートされた流体ジェットを形成するように流体を加圧することができる。ガイドチューブ211は、チャンバ6を通って延在することができ、接触部材210の遠位に配置された遠位端を有することができる。治療手技時に、ガイドチューブ211は、例えば、根管治療において、歯の中へ延在することができる。流体ジェットは、ガイドチューブ211のチャネルに沿って通過することができ、ガイドチューブ211の遠位端において衝突プレート213に衝突することができる。1つまたは複数の開口部212は、ジェットと治療領域との間の流体連通を提供することができる。流体ジェットデバイスのさらなる詳細は、例えば、米国特許第9,675,426号明細書に記載され、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。ジェットは、チャンバ6内および/または治療領域内の流体と相互作用して、治療領域内に圧力波および流体運動を発生させることができる。生成された圧力波および流体運動は、米国特許第9,6
75,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、および米国公開第20
15/0044632号公報(それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する)に説明される種々の手技において、治療領域を洗浄するために使用することができる。いくつかの構成では、生成された圧力波および流体運動を使用して、治療領域を充填することができる。
【0095】
流体プラットフォーム2はさらに、吸引ポンプ(例えば、コンソール内に配置されてもよい)と流体連通する1つ以上の吸引ポート8を含むことができる。ポート8は、ガイドチューブ211に隣接して、または少なくとも部分的にその周囲に配置することができる。吸引ポンプが起動されると、流体は、チャンバ6からポート8を通ってハンドピース本体12A内の送出ライン4に引き出すことができ、これにより、除去された流体が、例えば、コンソール内に配置された廃棄物容器に搬送される。さらに、
図9および
図12に示すように、1つまたは複数のベント7は、周囲空気とライン4との間の流体連通を提供することができる。例えば、
図11に示すように、第2の上部チャンバ222は、ベント7と、ポート8および送出ライン4を通って流れる流体の流れとの間の流体連通を提供することができる。ベント7は、例えば、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報に記載された、圧力調節機能を有利に提供することができ、それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0096】
いくつかの実施形態では、先端デバイス11は、通信デバイス219(無線周波数識別、またはRFID等のデバイス)を備えることができる。通信デバイス219は、先端デバイス11の状態および/又は治療手技を監視するように構成された処理回路を備えることができるリーダと無線で又は他の方法で通信することができる。種々の実施形態では、システムは、許可された先端デバイス11のみがハンドピース本体12Aとともに使用されることを確実にするように構成することができる。種々の実施形態では、システムは、先端デバイス11が単一の手技のみで使用されることを確実にするように構成することができる。他の実施形態では、システムは、先端デバイス11が何回の処置で使用されたかを決定するように構成することができる。通信デバイス219は、米国特許第9,504,536号明細書に開示されるRFIDデバイスに関連して説明されるものを含む、種々の他の機能を果たすことができ、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0097】
図13Hは、コネクタ226およびガイドチューブ211を示す概略側面図である。
図10、
図11および
図13Hに示すように、先端デバイス11は、任意の適切な方法でハンドピース本体12Aのコネクタ225に取り外し可能に接続することができるコネクタ226を備えることができる。図示の実施形態では、例えば、コネクタ226は、その外面にねじ山228を有する上方に延びるフランジ227を備えることができる。コネクタ226上のねじ山は、ハンドピース本体12Aのコネクタ225における対応する雌ねじ山と螺合可能に係合することができる。したがって、医師は、手技前に先端部材11をハンドピース本体12Aのコネクタ225にねじ込むことができ、処置後に先端部材11をコネクタ225から外すことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ226は、ハンドピース本体12Aの雄ねじと係合する雌ねじを有することができることを理解されたい。他の実施形態では、スナップ嵌めコネクタなどの異なるタイプのコネクタ226を使用することができる。
【0098】
図13Hに示されるように、ねじ山228は、コネクタ226の近位端223から遠位にオフセットされてもよく、これにより、近位端223は、ハンドピース本体12Aの開口部に所定の挿入量だけ挿入することができ、ねじ山228は、ハンドピース本体12Aの対応するねじ山と係合することができる。シール224(Oリングなど)は、ハンドピース本体12Aと先端デバイス11との間に流体シールを提供することができる。移行部
分217は、コネクタ226とガイドチューブ211とを機械的に接続することができる。いくつかの実施形態では、移行部分217、コネクタ226、およびガイドチューブ211は、互いに機械的に接続される(例えば、接着、溶接など)別個の部材とすることができる。他の実施形態では、移行部分217、コネクタ226、およびガイドチューブ211のうちの2つ以上は、一体的に形成することができる。
【0099】
【0100】
【0101】
図16Aは、ハンドピース本体12Aの概略正面斜視図である。
図16Bは、ハンドピース本体12Aの背面斜視図である。
図16Cは、ハンドピース本体12Aの正面図である。
図16Dは、ハンドピース本体12Aの背面図である。
図16Eは、ハンドピース本体12Aの概略斜視断面図である。
図16Fは、ハンドピース本体12Aの側面断面図である。
図16Gは、ハンドピース本体12Aの遠位部分の概略右上斜視図である。
図16Hは、ハンドピース本体12Aの遠位部分の概略上面斜視図である。
図16Iは、ハンドピース本体12Aの遠位部分の概略左上斜視図である。
【0102】
図17Aは、先端デバイス11の断面側面図である。
図17Bは、先端デバイス11の断面上面図である。
図15および
図17A~
図17Bの治療先端デバイス11は、
図2A~
図2Kおよび
図3A~
図3Cに示す実施形態に示す方法とほぼ同様の方法で位置決めされるノズル9を備える圧力波発生器10を含むことができる。例えば、ノズル9は、チャンバ6を横切ってチャンバ6の中央領域を通過する噴射軸に沿って流体ジェットを方向付けることができ、例えば、噴射軸はチャンバの中心軸と交差することができる。噴射軸は、中心軸に実質的に垂直であってもよい。さらに、
図15の治療先端デバイス11は、チャンバ6の側壁13またはその付近のチャンバ6の上壁17に1つまたは複数(例えば、2つ)の吸引ポート8を備えることができる。吸引ポート8は、上述のように、中心軸よりも側壁の近くに配置することができる。上記で説明したように、吸引ポート8は、長尺の湾曲した吸引ポートを備えることができる。上記で説明したように、治療先端デバイス11は、任意の適切な種類の歯(例えば、大臼歯、小臼歯、前歯)の根管を洗浄するように構成することができる。治療先端デバイス11は、加えて、または代替として、歯の外面上のう蝕領域を洗浄するために使用することができる。これに加えてあるいは代わりに、治療先端デバイス11は、治療領域を充填するために使用することができる。
図17A、
図17Bの圧力波発生器10、チャンバ、吸引ポート8、および他の特徴には、
図2A~
図4Cの構成要素と同じあるいは同様の構成が採用されてよい。
【0103】
図15に示すように、先端デバイス11は、ハンドピース本体12Aの遠位部分に取り外し可能に接続することができる。種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、ハンドピース本体12Aを先端デバイス11に取り外し可能に接続するコネクタ225を含むことができる。先端デバイス11は、先端デバイス11をハンドピース本体12Aに取り外し可能に接続するコネクタ226を含むことができる。コネクタ225は、先端デバイス11をハンドピース本体12Aに取り外し可能に接続するためにコネクタ226と接
続することができる。
【0104】
図16Aに示すように、コネクタ225は、
図17Aおよび
図17Bに示すコネクタ226の対応する雌ねじ236と係合するように構成された雄ねじ235を含む。したがって、医師は、処置手技の前に先端デバイス11をハンドピース本体12Aのコネクタ225にねじ込んで、処置手技の後に先端部材11をコネクタ225から外すことができる。
【0105】
図16A、
図16B、
図16E、
図16G~
図16Iに示すように、外部ねじ山235は、二重螺旋ねじ山の形態とすることができる。すなわち、雄ねじ235は、開始部が約180°離れて配向された2つのねじ特徴部を含むことができる。この構成により、先端デバイス11をハンドピース本体12Aにねじ込むことができ、オプションで2つの異なる開始配向の選択で開始することができる。ねじ山235は、1回転で先端デバイス11をハンドピース本体12Aに取り付けて、接続後に先端デバイス11が、ねじ山が最初に係合されるときの向きと同じ向きを向くように設計することができる。例えば、第1の開始配向は、
図15に示されるように、先端デバイスが下方向に配向される最終配向を可能にし、第2の開始配向は、先端デバイス11が
図15の配向とは反対の上方向に配向される最終配向を可能にする。したがって、有利には、医師は、最終的な接続状態と同じ構成でハンドピース12Aに先端デバイス11を通し始めることができ、それにより、医師は、先端デバイス11の所望の向きを容易に選択することができる。
【0106】
したがって、種々の実施形態では、先端デバイス11は、処置手技の前にハンドピース本体12Aに接続することができる。先端デバイス11がハンドピース本体12Aに接続された後、医師は、洗浄処置などの処置手技を行うことができる。治療手技の後、医師は、ハンドピース本体12Aから治療先端デバイス11を取り外すことができる。
【0107】
種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、複数の手技、例えば、所定の数の手技で使用することができる。種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、複数の先端デバイス11に接続するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、同じ構成を有する複数の先端デバイス11に接続するように構成することができる。他の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なる構成を有する複数の先端デバイス11に接続するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なる種類の歯の治療のために構成される複数の先端デバイス11、例えば、大臼歯の治療のための第1の先端デバイスおよび前歯または小臼歯の治療のための第2の先端デバイスに接続することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なるタイプの治療領域の治療のために構成される複数の先端デバイス、例えば、根管の治療のための第1の先端デバイスおよび外部う蝕領域の治療のための第2の先端デバイスに接続することができる。
【0108】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、使い捨ての器具とすることができる。好適には、再利用可能なハンドピース本体12Aと併せて使い捨て先端デバイス11を提供することにより、医師は、単回使用後にハンドピース本体12Aを用意することに伴う費用を削減するができる。
【0109】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、歯の領域に対して位置付けられるように構成される、流体プラットフォーム2を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、歯の治療領域に対して、例えば、歯の根管へのアクセスを提供するアクセス開口部の上に位置付けられるように大きさを設定および選択することができる(
図1A参照)。他の実施形態では、流体プラットフォーム2は、歯の外面上のう蝕領域の上に配置することができる(
図1B参照)。
【0110】
流体プラットフォーム2は、歯の治療領域と流体連通するチャンバ6を少なくとも部分的に画定することができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、治療処置中にチャンバ6内に流体を実質的に保持するために歯に当接可能な大きさにすることができる。いくつかの実施形態では、治療領域は、う蝕領域である。他の実施形態では、治療領域は、根管である。いくつかの実施形態では、流体プラットフォームが歯の領域に対して位置決めされるとき、チャンバ6の少なくとも一部分は歯の外側に位置決めされる。
【0111】
いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、治療処置中にチャンバ6内に流体を実質的に保持するために大臼歯に当接可能な大きさにすることができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、治療処置中にチャンバ6内に流体を実質的に保持するために、前歯または小臼歯に当接可能な大きさにすることができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、チャンバ6が、歯の外面において、う蝕領域の周囲に密閉体積を画定するように、う蝕領域にわたって、歯の外面に対して位置付けられ、少なくとも部分的にそれに対して密着するように大きさが設定される。
【0113】
いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム2は、流体保持器またはキャップと、治療領域の一部と接触するように構成された接触部材とを含むことができる。使用中、医師は、治療領域を実質的に密閉するように、接触部材(可撓性部材やスポンジなどを含む)を治療領域に押し付けることができる。いくつかの実施形態では、医師は、治療領域を実質的に密閉するように、流体プラットフォーム2を治療領域に密着させたり、他の方法で接続したりすることができる。
【0114】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、歯の治療領域で提供される流体に圧力波および/または流体運動を生成するように構成される、圧力波発生器10を含むことができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器は、圧力波発生器10から離れた場所で圧力波および/または流体運動を発生させることができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器10は、プラットフォーム2に接続することができる。
【0115】
図示の実施形態に示されるように、圧力波発生器10は流体噴射装置を含む。流体ジェットデバイスは、チャンバ6内および/又は治療領域内の流体と相互作用して、治療領域内に圧力波および流体運動を発生させることができる流体ジェットを生成することができる。生成された圧力波および流体運動は、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報(それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する)に記載されたもの等の種々の手技において、治療領域を洗浄するために使用することができる。いくつかの構成では、生成された圧力波および流体運動は、米国特許第9,877,801号明細書で説明される手技等、治療領域を充填するために使用することができ、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。圧力波発生器8は、米国特許第9,675,426号明細書、米国特許第10,363,120号明細書、米国特許第9,877,801号明細書、米国特許第9,504,536号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報に記載されているように、複数の周波数で広帯域圧力波を発生させるように構成することができ、それら記載内容全体は、治療領域の洗浄または充填に有益なあらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。種々の実施形態では、脱気された処理液は、例えば、治療領域の洗浄を向上させるために、圧力波発生器8と協働して使用することができる。
【0116】
圧力波発生装置10の流体噴射装置は、ノズル9を備えている。ノズル9は、送入ライン5に沿って配置される。
図15に示すように、送入ライン5は、ハンドピース本体12
Aの導管5Aと、先端デバイス11がハンドピース本体12Aに接続されたときに連通する先端デバイス11の導管5Bとによって形成される。
【0117】
図17Aに示すように、コネクタ240は、先端デバイス11のガイドチャネル15内またはそれに隣接して位置付けることができる。送入ライン導管5Bは、コネクタ240の内壁によって画定することができる。コネクタ240は、ハンドピース本体12Aの導管5A内に延在して、流入口5内の導管5Aと導管5Bとの間に流体密封接続を形成することができる。コネクタ240がハンドピース11内に配置されたときに導管5Aと導管5Bとの間に流体密封シールを形成するために、コネクタ240の近位端のOリンググランド242内にOリング224を配置することができる。図の実施形態に示すように、ノズル9は、導管5Bの遠位端においてコネクタ240の遠位端に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、送入ライン5は、コネクタ225および226内の中央に配置されて、コネクタ240が導管5A内に位置決めされている間に、ハンドピース本体12A上への先端デバイス11のねじ込みを容易にすることができる。そのような構成は、回転を介して接続するコネクタ225および226の他の実施形態とともに使用されてもよい。
【0118】
図17Aに示されるように、コネクタ240は、概してバーブコネクタまたはスパイクの形状の近位端を備えることができる。コネクタ240は、近位端と遠位端との間に延在する移行セクション217を含むことができる。移行セクションは、全体として円筒形の形状であり得る。
【0119】
図16Fに示されるように、導管5Aの遠位端は、コネクタ240を受け入れるための面取りされたボア244を含むことができる。本明細書で説明するように、コネクタ240の近位端は、概して、バーブコネクタまたはスパイクの形状であることができる。コネクタ240の近位端は、面取りされたボア244内での接続のためにテーパ状であってもよい。
【0120】
本実施形態の図では、導管4A、4Bとの間のコネクタ240を図示していない。しかしながら、コネクタ240または同様のコネクタは、例えば、ハンドピース本体12Aと先端デバイス11との間のクイックコネクトカップリングが採用される場合に、他の実施形態において採用することができる。
【0121】
先端デバイス11は、チャンバ6から流体を搬送するための1つ以上のポート8を含むことができる。ポート8は吸引ポンプ(例えば、コンソール内に配置されてもよい)と連通することができる。吸引ポンプが作動しているとき、流体は、チャンバ6からポート8を通って送出ライン4に引き出すことができ、送出ラインは、除去された流体を、例えばコンソール内に配置することができる廃棄物容器に運ぶことができる。送出ライン4は、先端デバイス11がハンドピース本体12Aに接続されたときに先端デバイス11の導管4Bと連通するハンドピース本体12A内の導管4Aを含む。
図15に示されるように、シール224Aは、先端デバイス11とハンドピース本体12Aとの間に流体シールを形成し、流体送出ライン4からの流体の漏出を防止することができる。シール224Aは、面シールとすることができる。いくつかの実施形態では、シール224Aは、ガスケットまたはOリングを含む。いくつかの実施形態では、シール224Aは、ハンドピース本体12Aに接続することができる。他の実施形態では、シール224Aは、先端デバイス11に接続することができる。
【0122】
種々の実施形態では、先端デバイス11は、周囲空気が流体ポート8の下流で送出ライン4の中に引き込まれることを可能にするように構成される、1つ以上のベント(図示せず)を含むことができる。ベントは、例えば、米国特許第9,675,426号明細書、米
国特許第10,363,120号明細書、および米国公開第2015/0044632号公報に説明されるように、圧力調節機能を提供することができ、それら記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0123】
図示される実施形態では、歯科治療器具1は、先端デバイス11から延在する1つ以上の突起245と、ハンドピース本体12A内に延在する1つ以上の切り欠き凹部246とによって画定される、ロック機構を含む。突起245は凹部246と接続して、先端デバイス11がハンドピース本体に接続されたときに先端デバイス11をハンドピース本体12Aに対して所定の向きに固定することができる。
【0124】
種々の実施形態では、ハンドピース本体12Aは、コンソールまたは他のデバイス(同様に図示せず)と流体連通する流体送入ライン5に接続する近位コネクタ204を含むことができる。ハンドピース本体12Aはまた、流体送出ライン4をコンソールまたは他のデバイスと流体連通して接続する近位コネクタ206を含む。
【0125】
IV.取り外し可能な先端デバイスの追加例
図18Aおよび
図18Bは、種々の実施形態による、先端デバイス11の概略側面断面図および概略上部断面図を図示する。特に断りのない限り、
図18Aの先端デバイスの構成要素は、
図15~
図17Bの先端デバイス11の同一の符号の構成要素と同じであるか、概ね同様である。例えば、先端デバイス11は、ハンドピース本体12Aの雄ねじ235などのハンドピース本体の雌ねじに接続することができる雌ねじ236を有するコネクタ226を含む。また、先端デバイス11は、歯の領域に対して配置されるチャンバ6を画定する流体プラットフォーム2を含む。圧力波発生器10は、治療領域において圧力波および流体運動を発生させるために設けることができる。圧力波発生器は、チャンバ6に流体を供給するためのノズル9を有する流体ジェットを含むことができる。吸引ポート8は、チャンバ6から流体を引き込むことができる。圧力波発生器10は、治療処置中に歯の外側に配置することができる。先端デバイス11はまた、送入ライン5の一部を形成する導管5B内に配置することができるコネクタ240を含むことができる。
【0126】
図15~
図17Bの実施形態とは異なり、
図18A、
図18Bの実施形態におけるチャンバ6に導入される流体は、噴射軸Xがチャンバ6の中心軸Zに対して大きくオフセットされるように、偏心して(例えば、中心を外れて)導入することができる。流体の導入は、チャンバ6を下って処理領域に移動する旋回運動を生む。さらに、
図18A、
図18Bに示すように、吸引ポート8は、中心軸Zが吸引ポート8およびアクセスポート18を通過するように中央に配置することができる。流出液(放出液)は、旋回流入流の内部に引き込むことができ、吸引ポート8を介してチャンバ6から送出することができる。
【0127】
さらに、
図15~
図17Bの実施形態とは異なり、
図18A、
図18Bの先端デバイス11は、切頭円錐形の端部250を含む。いくつかの実施形態では、切頭円錐形端部250は、治療処置中に歯のアクセス開口部内に位置決めされるように構成することができる。
【0128】
先端デバイス11は、歯の根管またはう蝕領域を治療するために使用することができる。そのような旋回プロファイルを形成する治療デバイスのさらなる詳細は、米国特許第10,363,120号明細書に記載されており、その記載内容全体は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に援用する。
【0129】
図19は、種々の実施形態による先端デバイス11の概略側断面図を示す。特に断りのない限り、
図18Aの先端デバイス11の構成要素は、
図8~
図14および/又は
図15~
図17Bの先端デバイス11の同一の符号の構成要素と同じであるか、概ね同様である
。例えば、先端デバイス11は、ハンドピース本体12Aの雄ねじ235などのハンドピース本体の雌ねじに接続することができる雌ねじ236を有するコネクタ226を含む。また、先端デバイス11は、歯の領域に対して配置されるチャンバ6を画定する流体プラットフォーム2を含む。圧力波発生器10は、治療領域において圧力波および流体運動を発生させるために設けることができる。圧力波発生器は、流体をチャンバ6に供給するためのノズル9およびガイドチューブ211を有する流体噴射装置を含むことができる。吸引ポート8は、チャンバ6から流体を引き込むことができる。いくつかの実施形態では、吸引ポート8は、ガイドチューブ211の周囲に配置された環状ポートを備えることができる。ガイドチューブ211は、チャンバ6を貫通して外側に延びることができる。先端デバイス11は、例えば、大臼歯の根管を治療するように構成することができる。治療処置中、ガイドチューブ211は、歯の空洞内に延在する(例えば、歯の歯髄室に入る)ことができる。また、ベントは、上記の説明と概ね同様の方法で先端デバイス11に設けることができる。
【0130】
また、先端デバイス11は、送入ライン5の一部を形成する導管5B内に配置されたコネクタ240を含むことができる。しかしながら、
図15~
図17Bのコネクタ240とは異なり、
図19のコネクタ240は、コネクタ240の遠位端においてガイドチューブ211に接続される。また、移行セクション217も、概して湾曲している。
【0131】
図20は、種々の実施形態による先端デバイス11の概略背面斜視図を示す。特に断りのない限り、
図20の先端デバイスの構成要素は、
図18A、
図18Bの先端デバイス11の同一の符号の構成要素と同じであるか、概ね同様である。
図18A、
図18Bの先端デバイスとは異なり、コネクタ226は、ハンドピース本体12Aのコネクタ226の対応する雌ねじと係合する雄ねじ235を含む。先端デバイス11は、歯の外面上の根管またはう蝕領域を治療するように構成することができる。
【0132】
図21は、種々の実施形態による先端デバイス11の概略背面斜視図を示す。特に断りのない限り、
図21の先端デバイスの構成要素は、
図19の先端デバイス11の同一の符号の構成要素と同じであるか概ね同様である。
図19の先端デバイス11とは異なり、コネクタ226は、ハンドピース本体112Aのコネクタ226の対応する雌ねじと係合する雄ねじ235を含む。
【0133】
図22は、種々の実施形態による先端デバイス11の概略正面斜視図を示す。特に断りのない限り、
図22の先端デバイスの構成要素は、
図18Aおよび
図18Bの先端デバイス11の同一の符号の構成要素と同じであるか概ね同様である。
図18A、
図18Bの先端デバイスとは異なり、
図22の先端デバイス11は、統合通信デバイス219を含む。
【0134】
図23は、種々の実施形態による先端デバイス11の概略正面斜視図を示す。特に断りのない限り、
図23の先端デバイスの構成要素は、
図19の先端デバイス11の同一の符号の構成要素と同じであるか概ね同様である。
図19の先端デバイスとは異なり、
図23の先端デバイス11は、統合通信デバイス219を含む。
【0135】
図24は、先端デバイス11のコネクタ226の代替実施形態を示す概略背面斜視図である。コネクタ226は、先端デバイス11の本体に成形、形成、または機械加工された1つ以上のバヨネット式チャネル260を有する。バヨネット式は、先端デバイス11が、確実な停止に到達するまで、ハンドピース本体12A上に螺着されることを可能にする。ポジティブストップは、ハンドピース本体12Aのコネクタ225の円筒形突起を、チャネル260を通して、チャネル内のリップまたは縁を覆って回転させ、次いで、安定した係止位置を提供するように、ポッキングまたは凹部区域の中へ回転させることによって達成することができる。この設計は、装置が圧力下にある間に先端デバイス111のねじ
を外したり先端デバイス111を取り外したりできないように選択することができる。
【0136】
図25は、種々の実施形態による先端デバイス11の斜視図を示す。特に断りのない限り、
図25の先端デバイスの構成要素は、
図19の先端デバイス11の同一の符号の構成要素と同じであるか概ね同様である。
図19の実施形態とは異なり、先端デバイス111のコネクタ226は、1つ以上の接続構成要素(例えば、ねじ山、バヨネットなど)を統合する、ルアーロックの回転ナット等の回転構成要素265を含む。この機構は、先端デバイス11のハンドピース12Aへの接続を容易にすることができ、これにより、これら2つの向きは、取り付け全体を通して維持される。これは、流体送入ライン5を封止するために使用される封止機構が回転運動にさらされ得ない場合に有益である。
【0137】
図26は、ロック機構231の代替的な実施形態の概略部分図を示す。
図26のコネクタ226は、嵌合スロット268を備える。嵌合スロット268は、ハンドピース本体12Aのコネクタ225の摺動ロック269を受け入れるように構成することができる。摺動ロック269と組み合わせて、スロット268は、遠位先端デバイス11をハンドピース本体12Aに対して固定配向で取り外し可能に固定することができる。
【0138】
(使い捨てチップカバー)
図5~
図25を参照しながら説明した先端デバイス11は、カバー270を備えることができ、そのいくつかの実施形態が
図27に示されている。いくつかの実施形態では、カバー270は、ガイドチューブ211を好適に保護することができる。また、カバー270は、先端デバイス11を封止してもよい。また、カバーは、ベント7を閉塞することができ、コンソールは、ハンドピース本体12A上の先端11の存在を検出するための自己診断を行うことができる。
【0139】
カバー270は、先端デバイス11の遠位端を包むエラストマーキャップ、先端デバイス11の遠位端を封入するプラスチックグローブ、またはガイドチューブ211から離隔し、流体ポートを遮断するスナップオン構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、通信デバイス219(例えば、RFID)は、カバー270の設計に統合されてもよい。
【0140】
V. 再使用可能なハンドピースの追加例
図28Aおよび
図28Bは、それぞれ、種々の実施形態による、ハンドピース本体12Aの概略正面斜視図および概略断面斜視図を示す。特に断らない限り、
図28A~Bのハンドピース本体12Aの構成要素は、
図15~
図16Fのハンドピース本体12Aの同一の符号の構成要素と同じであるか概ね同様である。
図15~
図16Fのハンドピース本体12Aとは異なり、
図28Aおよび
図28Bのハンドピース本体12Aのコネクタ225は、先端デバイス11の雄ねじと接続するための雌ねじ236を有するボアを含む。また、ハンドピース12Aは、例えば、流体導管5Aを先端デバイス11の流体導管5Bに接続するために先端デバイス11のボア内に受け入れるためのコネクタ240と同様のコネクタ240Aを含むことができる。
【0141】
上記の通り、
図26は、ロック機構231の代替実施形態の概略部分図を図示する。
図25のコネクタ225は、摺動ロック269を含む。摺動ロック269は、ハンドピース本体12Aのコネクタ226の嵌合スロット268内に受け入れられるように構成することができる。組み合わせて、摺動ロック269およびスロット268は、ハンドピース本体12Aに対して固定配向で遠位先端デバイス11を取り外し可能に固定することができる。
【0142】
図29は、ハンドピース本体12Aのコネクタ225の代替的な実施形態の概略部分図
を示す。コネクタ225は、コネクタ225の外側の周りに放射状に配置されたラグまたはシリンダの形態の1つまたは複数の突起262を含む。突起262は、バヨネット式の突起であってもよく、例えば、
図24を参照しながら説明されるように、先端デバイス11のバヨネット式チャネル260の中に受け入れられるように構成することができる。
【0143】
図30は、ロック機構231の代替の実施形態のハンドピース本体部分の概略部分図を示す。
図30に示すように、ハンドピース本体12Aは、先端デバイス11の凹部に受け入れられるように構成された1つまたは複数の半球形状の突起272を含むことができる。半球形状の突起272および凹部は、組み合わせることで、ハンドピース本体12Aに対して所定の向きで先端デバイス11を取り外し可能に固定することができる。
【0144】
VI.取り外し可能な先端デバイスの使用
ハンドピース本体12Aと接続することができる取り外し可能な先端デバイス11の種々の実施形態について、本明細書で説明する。先端デバイス11が取り外し可能であることにより、単一のハンドピース本体12Aを複数の先端デバイス11を有する複数の処置で使用することができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、第1の先端デバイス11は、処置手技の前にハンドピース本体12Aに接続することができる。第1の先端デバイス11がハンドピース本体12Aに接続された後、医師は、洗浄処置などの処置手技を行うことができる。治療手技の後、医師は、第1の先端デバイス11をハンドピース本体12Aから取り外すことができる。第1の先端デバイス11を取り外した後、第2の先端デバイス11をハンドピース本体12に接続することができ、第2の処置手技を実施することができる。いくつかの実施形態では、第2の先端デバイス11は、第1の先端デバイス11と同一の構成であってもよいし同様の構成であってもよい。他の実施形態では、第2の先端デバイス11は、第1の先端デバイス11とは異なる構成であってもよい。例えば、第1の先端デバイス11を
図17Aおよび
図17Bの先端デバイス11とし、第2の先端デバイスを
図18Aおよび
図18Bの先端デバイスとすることができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なる種類の歯の治療のために構成される複数の先端デバイス11、例えば、大臼歯の治療のための第1の先端デバイスおよび前歯または小臼歯の治療のための第2の先端デバイスに接続することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース本体12Aは、異なる種類の治療領域の治療のために構成される複数の先端デバイス、例えば、根管の治療のための第1の先端デバイスおよび外部う蝕領域の治療のための第2の先端デバイスに接続することができる。
【0147】
本明細書に開示される実施形態において使用される材料には、任意の好適な種類の材料を用いることができる。例えば、処置器具1の材料には、種々の処置に用いられる流体への繰り返しの曝露に適する材料を選択することができる。処置器具1の材料は、オートクレーブまたは他の臨床的に利用される滅菌プロセスへの繰り返しの曝露に好適な材料である。本開示の実施形態では、先端デバイス11の材料は、処置流体への1回の曝露に好適な材料である。先端デバイス11の材料は、ガンマ線滅菌または任意の他の好適な滅菌プロセスへの曝露に好適な材料である。
【0148】
本明細書全体を通じて、「いくつかの実施形態」または「ある実施形態」についての説明は、実施形態に関連して記載した特定の特徴、構造、要素、行為、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体における「いくつかの実施形態では」または「ある実施形態では」という文言は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らず、同じまたは異なる実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態を指し得る。さらに、特定の特徴、構造、要素、行為、または特性は、他の実施形態
において、任意の好適な形態(図示または説明されるものとは異なる形態を含む)で組み合わせることができる。さらに、種々の実施形態では、特徴、構造、要素、行為、または特性は、組み合わせる、統合する、再配置する、並べ替える、あるいは完全に除外することができる。したがって、単一の特徴、構造、要素、行為、または特徴、構造、要素、行為、または特徴のグループは、それぞれ実施形態において必要である場合もあり必要ではない場合もある。すべての可能な組み合わせおよび部分的な組み合わせは、本開示の技術範囲に含まれるものである。
【0149】
本明細書で使用する用語「備える」、「含む」、「有する」などは、同義語であり、包括的に、非限定的な方法で使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外するものではない。また、「または」という用語は、その包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用され、例えば、一連の要素において使用される場合、「または」という用語は、それら一連の要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味する。
【0150】
同様に、実施形態の上記の説明では、本開示を合理化し、種々の発明の態様のうちの1つまたは複数の理解を助ける目的で、種々の特徴が単一の実施形態、図、またはその説明においてまとめられるものである。しかしながら、本開示の方法は、特許請求の範囲の任意の請求項が、その請求項に明示的に列挙されるよりも多くの特徴を要求するという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の態様は、任意の単一の実施形態におけるすべての特徴よりも少ない特徴を組み合わせた態様であってよい。
【0151】
上記の説明では、本明細書に開示される本発明の種々の例示的な実施形態および他の例示的であり非限定的な実施形態について記載する。当該説明は、開示される発明の組み合わせ、モード、および使用に関する詳細を示すものである。実施形態の開示された特徴および態様の他の変形、組み合わせ、修正、均等物、モード、使用、実装、および/または適用もまた、本明細書を読めば当業者に明らかになるものを含む、本開示の範囲内である。さらに、本発明の特定の目的および利点が本明細書に記載される。そのような目的または利点の必ずしもすべてが、任意の特定の実施形態で達成されるわけではないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者は、本発明が、本明細書で開示または示唆される他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で開示される1つの利点または複数の利点を達成または最適化する様式で具現化または実現されることを認識するであろう。また、本明細書に開示される任意の方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスを構成する処理または動作は、任意の好適な順序で行われてもよく、必ずしも、任意の特定の開示される順序に限定されない。
【国際調査報告】