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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】無線電力レシーバのための保護回路
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20220713BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220713BHJP
   H02H 3/00 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J7/00 301D
H02H3/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569399
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 US2020034344
(87)【国際公開番号】W WO2020242990
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/852,666
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513307922
【氏名又は名称】ワイトリシティ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】WITRICITY CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダニロビッチ, ミリサフ
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー, モリス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ロックフォード, コナー
【テーマコード(参考)】
5G142
5G503
【Fターム(参考)】
5G142AB03
5G142AC01
5G142BB12
5G142EE03
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA14
5G503GB08
(57)【要約】
無線電力システムのための例示的な保護回路は、バッテリ切断回路、ロードダンプ保護回路、および/またはコイル切断回路を含むことができる。これらの保護回路のうちの1つ以上は、無線電力レシーバによって採用され得る。さらに、これらの保護回路のうちの1つ以上は、無線電力レシーバが無線電力トランスミッタから独立して自らを保護することができることを可能にし得、それによって、無線電力システムの安全性を増加させ得る。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力レシーバを保護するための方法であって、前記無線電力レシーバが、インピーダンス回路に結合された共振器コイルと、少なくとも1つのトランジスタを備える整流器と、を備え、前記インピーダンス回路が、(i)前記共振器コイルと直列に結合された第1のセットのコンデンサと、(ii)前記共振器コイルと並列に結合された第2のセットのコンデンサと、(iii)前記第2のセットのコンデンサと前記整流器の入力との間に結合された少なくとも1つのインダクタと、を備え、前記方法が、
前記共振器コイル内のコイル電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるように、前記少なくとも1つのトランジスタをオンにすることと、
一定期間後に、前記コイル電流および前記整流器への入力電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるように、前記インピーダンス回路に結合された、または前記インピーダンス回路内の少なくとも1つのリレーを開くことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記一定期間が、1ミリ秒~1秒である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのリレーが、前記共振器コイルの第1のノードと前記第1のセットのコンデンサとの間に結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのリレーが、第2のリレーを備え、前記第2のリレーが、前記共振器コイルの第2のノードに結合され、前記第2のノードが、前記第1のノードとは反対側にある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のセットのコンデンサが、前記共振器コイルの第1のノードに結合された第1のサブセットのコンデンサと、前記第1のサブセットと直列に結合された第2のサブセットのコンデンサと、を備え、
前記少なくとも1つのリレーが、前記第1のサブセットと前記第2のサブセットとの間に結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のセットのコンデンサが、前記共振器コイルの第2のノードに結合された第3のサブセットのコンデンサと、前記第3のサブセットと直列に結合された第4のサブセットのコンデンサと、を備え、前記第2のノードが、前記第1のノードとは反対側にあり、
前記少なくとも1つのリレーが、前記第3のサブセットと前記第4のサブセットとの間に結合された第2のリレーを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのリレーが、前記第1のセットのコンデンサと前記第2のセットのコンデンサとの間に結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのリレーが、前記第2のセットのコンデンサの第1のノードに結合され、
前記少なくとも1つのリレーが、前記第1のセットのコンデンサと前記コンデンサの第2のノードとの間に結合された第2のリレーを備え、前記第2のノードが、前記第1のノードとは反対側にある、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリレーが、前記第2のセットのコンデンサと前記少なくとも1つのインダクタとの間に結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのリレーが、前記第2のセットのコンデンサの第1のノードに結合され、
前記少なくとも1つのインダクタが、前記第2のセットのコンデンサの第2のノードと前記整流器の前記入力との間に結合された第2のインダクタを備え、前記第2のノードが、前記第1のノードとは反対側にあり、
前記少なくとも1つのリレーが、前記第2のノードと前記第2のインダクタとの間に結合された第2のリレーを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(i)前記第1のセットのコンデンサが、第1の容量リアクタンスを有し、(ii)前記第2のセットのコンデンサが、第2の容量リアクタンスを有し、かつ(iii)前記少なくとも1つのインダクタが、誘導リアクタンスを有し、
前記第1の容量リアクタンスの絶対値が、(a)前記第2の容量リアクタンスの絶対値、および(b)前記誘導リアクタンスの絶対値の各々に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのトランジスタを前記オンすることが、前記整流器への入力電流を増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのトランジスタが、前記整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する低側トランジスタである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのトランジスタをオンすることが、2つのトランジスタをオンすることを含み、
前記2つのトランジスタが、低側トランジスタであり、各々が、前記整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
無線電力レシーバのための保護回路であって、前記レシーバが、インピーダンス回路に結合された共振器コイルを備え、前記インピーダンス回路が、整流器に結合され、前記インピーダンス回路が、(i)前記共振器コイルと直列に結合された第1のセットのコンデンサと、(ii)前記共振器コイルと並列に結合された第2のセットのコンデンサと、(iii)前記第2のセットのコンデンサと前記整流器の入力との間に結合された少なくとも1つのインダクタと、を備え、前記保護回路が、
前記レシーバが通電されたとき、前記共振器コイル内のコイル電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるようにオンするように構成された少なくとも1つのトランジスタと、
前記インピーダンス回路に結合された、または前記インピーダンス回路内の少なくとも1つのリレーであって、前記リレーが、前記コイル電流および入力電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるように構成されている、少なくとも1つのリレーと、を備える、保護回路。
【請求項16】
一定期間が、1ミリ秒~1秒である、請求項15に記載の保護回路。
【請求項17】
前記少なくとも1つのリレーが、前記共振器コイルの第1のノードと前記第1のセットのコンデンサとの間に結合されている、請求項15に記載の保護回路。
【請求項18】
前記少なくとも1つのリレーが、前記第1のセットのコンデンサと前記第2のセットのコンデンサとの間に結合されている、請求項15に記載の保護回路。
【請求項19】
前記少なくとも1つのリレーが、前記第2のセットのコンデンサと前記少なくとも1つのインダクタとの間に結合されている、請求項15に記載の保護回路。
【請求項20】
無線電力レシーバであって、
電力を誘導的に受信するように構成された共振器コイルと、
インピーダンス回路に結合された整流器であって、前記整流器が、少なくとも1つの低側トランジスタを備える、整流器と、
前記共振器コイルと前記整流器との間に結合されたインピーダンス回路であって、前記インピーダンス回路が、(i)前記共振器コイルと直列に結合された第1のセットのコンデンサと、(ii)前記共振器コイルと並列に結合された第2のセットのコンデンサと、(iii)前記第2のセットのコンデンサと前記整流器の入力との間に結合された少なくとも1つのインダクタと、を備える、インピーダンス回路と、
前記インピーダンス回路に結合された、または前記インピーダンス回路内の少なくとも1つのリレーであって、
前記レシーバが通電されたとき、前記少なくとも1つのトランジスタが、前記共振器コイル内のコイル電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるようにオンされるように構成され、
前記トランジスタがオンになった後の一定期間後に、前記少なくとも1つのリレーが、前記コイル電流および前記整流器への入力電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるように開くように構成されている、少なくとも1つのリレーと、を備える、無線電力レシーバ。
【請求項21】
バッテリを無線電力レシーバから切断するための方法であって、前記レシーバが、(i)出力コンデンサに並列に結合された整流器であって、前記コンデンサが、前記整流器の出力で第1のノードと第2のノードとの間に結合されている、整流器と、(ii)前記整流器の入力に結合された第1のスイッチと、を備え、前記レシーバが、前記第2のノードと前記バッテリの負のノードとの間に結合されたトランジスタに結合され、前記トランジスタが、オフ時に電流レベルを低減するように構成され、前記レシーバが、前記第1のノードと前記バッテリの正のノードとの間に結合された第2のスイッチを備える切断回路に結合され、前記方法が、
(a)前記出力コンデンサにおいて電圧が増加するように、前記レシーバが通電されている時間中に前記トランジスタをオフするステップと、
(b)前記出力コンデンサにおける前記電圧が定電圧またはほぼ定電圧であるように、前記第1のスイッチを閉じるステップと、
(c)前記バッテリが前記レシーバから切断されるように、前記第2のスイッチを開くステップと、を含む、方法。
【請求項22】
前記切断回路が、第3のスイッチに直列に結合された抵抗器を備えるサブ回路をさらに備え、前記サブ回路が、前記第2のスイッチに並列に結合されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
(d)前記第3のスイッチを開くステップ、をさらに含み、
ステップ(d)が、ステップ(c)の間または後である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記切断回路が、前記トランジスタと前記バッテリの前記負のノードとの間に結合された第4のスイッチをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
(d)前記第4のスイッチを開くステップ、をさらに含み、
ステップ(d)が、ステップ(c)の間または後である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(b)が、ステップ(a)の後に実行され、ステップ(c)が、ステップ(b)の後に実行される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(a)の前に、前記第2のスイッチが閉じられ、前記トランジスタがオンであり、前記第1のスイッチが開いている、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記出力コンデンサが、抵抗器に結合され、ステップ(b)において、前記抵抗器が、前記出力コンデンサにおける前記電圧を減少させることを可能にする、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記トランジスタがコントローラに結合され、前記コントローラが、前記トランジスタをオフするように構成されている、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のスイッチが、バッテリ管理システムによって制御されている、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記バッテリ管理システムが、前記レシーバと関連付けられたコントローラに通信可能に結合されている、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記トランジスタが、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり、前記第1および第2のスイッチが、リレーである、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
無線電力レシーバのための保護回路であって、前記レシーバが、出力コンデンサに並列に結合された整流器を備え、前記コンデンサが、前記整流器の出力で第1のノードと第2のノードとの間に結合されており、前記保護回路が、
前記第2のノードとバッテリの負のノードとの間に結合されたトランジスタであって、前記トランジスタが、オフ時に電流レベルを低減するように構成されている、トランジスタと、
前記整流器の前記入力の両端に結合された第1のスイッチと、
前記第1のノードと前記バッテリの正のノードとの間に結合された第2のスイッチを備える切断回路と、を備え、
(a)前記トランジスタが、前記出力コンデンサにおいて電圧が増加するように、前記レシーバが通電されている時間中にオフするように構成されており、
(b)前記第1のスイッチが、前記出力コンデンサにおける前記電圧が定電圧またはほぼ定電圧であるように閉じるように構成されており、
(c)前記第2のスイッチが、前記バッテリが前記レシーバから切断されるように開くように構成されている、保護回路。
【請求項34】
前記切断回路が、第3のスイッチに直列に結合された抵抗器を備えるサブ回路をさらに備え、前記サブ回路が、前記第2のスイッチに並列に結合されている、請求項33に記載の保護回路。
【請求項35】
(d)前記第3のスイッチが開くように構成されており、ステップ(d)が、ステップ(c)の間または後である、請求項34に記載の保護回路。
【請求項36】
前記切断回路が、前記トランジスタと前記バッテリの前記負のノードとの間に結合された第4のスイッチをさらに備える、請求項33に記載の保護回路。
【請求項37】
(d)前記第4のスイッチが開くように構成されており、ステップ(d)が、ステップ(c)の間または後である、請求項36に記載の保護回路。
【請求項38】
ステップ(b)がステップ(a)の後に実行され、ステップ(c)がステップ(b)の後に実行される、請求項33に記載の保護回路。
【請求項39】
ステップ(a)の前に、前記第2のスイッチが閉じられ、前記トランジスタがオンであり、前記第1のスイッチが開いている、請求項33に記載の保護回路。
【請求項40】
前記出力コンデンサが、抵抗器に結合され、ステップ(b)において、前記抵抗器が、前記出力コンデンサにおける前記電圧を減少させることを可能にする、請求項33に記載の保護回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Battery Interface Circuits for Wireless Power Systems」と題され、2019年5月24日に出願された米国仮特許出願第62/852,666号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
以下の開示は、無線電力システムのための保護回路、より具体的には、バッテリ切断回路、ロードダンプ保護回路、および/またはコイル切断回路を含む、無線電力レシーバのための保護回路を対象とする。
【背景技術】
【0003】
無線電力システムは、トランスミッタとレシーバとの間の機械的接点を伴わずに、負荷(例えば、電気デバイスのバッテリ)に電力を伝送するように構成される。いくつかの状況では、無線電力システムは、1つ以上の故障モードの影響を受けやすい場合がある。例えば、負荷の挙動は、無線電力システムの制御の範囲外である場合があり、したがって、無線電力システムの構成要素において望ましくない状態を引き起こし得る。他の状況では、無線電力レシーバは、機能不全の無線電力トランスミッタまたは機械的損傷からその構成要素を保護する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本開示は、無線電力レシーバを保護するための方法を特徴とする。無線電力レシーバは、インピーダンス回路に結合された共振器コイルと、少なくとも1つのトランジスタを含む整流器とを含むことができる。インピーダンス回路は、(i)共振器コイルと直列に結合された第1のセットのコンデンサと、(ii)共振器コイルと並列に結合された第2のセットのコンデンサと、(iii)第2のセットのコンデンサと整流器の入力との間に結合された少なくとも1つのインダクタと、を含むことができる。例示的な保護方法は、共振器コイル内のコイル電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるように、少なくとも1つのトランジスタをオンすることと、一定期間後に、コイル電流および整流器への入力電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるように、インピーダンス回路に結合された、またはインピーダンス回路内の少なくとも1つのリレーを開くことと、を含むことができる。
【0005】
例示的な保護方法の様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0006】
一定期間は、1ミリ秒~1秒であり得る。少なくとも1つのリレーは、共振器コイルの第1のノードと第1のセットのコンデンサとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第2のリレーが共振器コイルの第2のノードに結合され、第2のノードが第1のノードとは反対側にある、第2のリレーを含むことができる。第1のセットのコンデンサは、共振器コイルの第1のノードに結合された第1のサブセットのコンデンサと、第1のサブセットと直列に結合された第2のサブセットのコンデンサとを含み得、少なくとも1つのリレーは、第1のサブセットと第2のサブセットとの間に結合され得る。第1のセットのコンデンサは、共振器コイルの第2のノードに結合された第3のサブセットのコンデンサと、第3のサブセットと直列に結合された第4のサブセットのコンデンサとを含み得、第2のノードは第1のノードとは反対側にあり、少なくとも1つのリレーは、第3のサブセットと第4のサブセットとの間に結合された第2のリレーを含み得る。
【0007】
少なくとも1つのリレーは、第1のセットのコンデンサと第2のセットのコンデンサとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第2のセットのコンデンサの第1のノードに結合され得、少なくとも1つのリレーは、第1のセットのコンデンサとコンデンサの第2のノードとの間に結合された第2のリレーを含み得、第2のノードは、第1のノードとは反対側にある。少なくとも1つのリレーは、第2のセットのコンデンサと少なくとも1つのインダクタとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第2のセットのコンデンサの第1のノードに結合され得る。少なくとも1つのインダクタは、第2のセットのコンデンサの第2のノードと整流器の入力との間に結合された第2のインダクタを含み得、第2のノードは、第1のノードとは反対側にあり、少なくとも1つのリレーは、第2のノードと第2のインダクタとの間に結合された第2のリレーを備える。第1のセットのコンデンサは、第1の容量リアクタンスを有し得、第2のセットのコンデンサは、第2の容量リアクタンスを有し得、少なくとも1つのインダクタは、誘導リアクタンスを有し得る。第1の容量リアクタンスの絶対値は、(i)第2の容量リアクタンスの絶対値および(ii)誘導リアクタンスの絶対値の各々に等しくてもよい。少なくとも1つのトランジスタをオンにすることは、整流器への入力電流を増加させ得る。少なくとも1つのトランジスタは、整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する低側トランジスタであり得る。少なくとも1つのトランジスタをオンにすることは、2つのトランジスタをオンにすることを含み得る。2つのトランジスタは、各々が、整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する低側トランジスタであり得る。
【0008】
別の態様では、本開示は、無線電力レシーバのための保護回路を特徴とする。レシーバは、インピーダンス回路に結合された共振器コイルを含むことができる。インピーダンス回路は、整流器に結合することができ、インピーダンス回路は、(i)共振器コイルと直列に結合された第1のセットのコンデンサと、(ii)共振器コイルと並列に結合された第2のセットのコンデンサと、(iii)第2のセットのコンデンサと整流器の入力との間に結合された少なくとも1つのインダクタと、を含むことができる。保護回路は、レシーバが通電されたとき、共振器コイル内のコイル電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるようにオンするように構成された少なくとも1つのトランジスタと、コイル電流および入力電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるようにリレーが構成された、インピーダンス回路に結合された、またはインピーダンス回路内の少なくとも1つのリレーと、を含むことができる。
【0009】
例示的な保護回路の様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。一定期間は、1ミリ秒~1秒であり得る。少なくとも1つのリレーは、共振器コイルの第1のノードと第1のセットのコンデンサとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第1のセットのコンデンサと第2のセットのコンデンサとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第2のセットのコンデンサと少なくとも1つのインダクタとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第2のセットのコンデンサの第1のノードに結合され得る。少なくとも1つのインダクタは、第2のセットのコンデンサの第2のノードと整流器の入力との間に結合された第2のインダクタを含み得、第2のノードは、第1のノードとは反対側にあり、少なくとも1つのリレーは、第2のノードと第2のインダクタとの間に結合された第2のリレーを備える。第1のセットのコンデンサは、第1の容量リアクタンスを有し得、第2のセットのコンデンサは、第2の容量リアクタンスを有し得、少なくとも1つのインダクタは、誘導リアクタンスを有し得る。第1の容量リアクタンスの絶対値は、(i)第2の容量リアクタンスの絶対値および(ii)誘導リアクタンスの絶対値の各々に等しくてもよい。少なくとも1つのトランジスタをオンにすることは、整流器への入力電流を増加させ得る。少なくとも1つのトランジスタは、整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する低側トランジスタであり得る。少なくとも1つのトランジスタをオンにすることは、2つのトランジスタをオンにすることを含み得る。2つのトランジスタは、各々が、整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する低側トランジスタであり得る。
【0010】
別の態様では、本開示は、電力を誘導的に受信するように構成された共振器コイルと、インピーダンス回路に結合された整流器とを含む無線電力レシーバを特徴とし、整流器は、少なくとも1つの低側トランジスタを含む。レシーバは、共振器コイルと整流器との間に結合されたインピーダンス回路を含むことができる。インピーダンス回路は、(i)共振器コイルと直列に結合された第1のセットのコンデンサと、(ii)共振器コイルと並列に結合された第2のセットのコンデンサと、(iii)第2のセットのコンデンサと整流器の入力との間に結合された少なくとも1つのインダクタと、を含むことができる。レシーバは、インピーダンス回路に結合された、またはインピーダンス回路内の少なくとも1つのリレーを含むことができる。レシーバが通電されたとき、少なくとも1つのトランジスタは、共振器コイル内のコイル電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるようにオンされるように構成され、トランジスタがオンになった後の一定期間後に、少なくとも1つのリレーが、コイル電流および整流器への入力電流がゼロアンペアまたはゼロアンペア付近に低減されるように開くように構成されている。
【0011】
無線電力レシーバの様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。一定期間は、1ミリ秒~1秒であり得る。少なくとも1つのリレーは、共振器コイルの第1のノードと第1のセットのコンデンサとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第1のセットのコンデンサと第2のセットのコンデンサとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第2のセットのコンデンサと少なくとも1つのインダクタとの間に結合され得る。少なくとも1つのリレーは、第2のセットのコンデンサの第1のノードに結合され得る。少なくとも1つのインダクタは、第2のセットのコンデンサの第2のノードと整流器の入力との間に結合された第2のインダクタを含み得、第2のノードは、第1のノードとは反対側にあり、少なくとも1つのリレーは、第2のノードと第2のインダクタとの間に結合された第2のリレーを備える。第1のセットのコンデンサは、第1の容量リアクタンスを有し得、第2のセットのコンデンサは、第2の容量リアクタンスを有し得、少なくとも1つのインダクタは、誘導リアクタンスを有し得る。第1の容量リアクタンスの絶対値は、(i)第2の容量リアクタンスの絶対値および(ii)誘導リアクタンスの絶対値の各々に等しくてもよい。少なくとも1つのトランジスタをオンにすることは、整流器への入力電流を増加させ得る。少なくとも1つのトランジスタは、整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する低側トランジスタであり得る。少なくとも1つのトランジスタをオンにすることは、2つのトランジスタをオンにすることを含み得る。2つのトランジスタは、各々が、整流器の出力に結合されたバッテリの負のノードに結合されたノードを有する低側トランジスタであり得る。
【0012】
別の態様では、本開示は、バッテリを無線電力レシーバから切断するための方法を特徴とする。レシーバは、(i)出力コンデンサに並列に結合され、コンデンサが整流器の出力で第1のノードと第2のノードとの間に結合されている整流器と、(ii)整流器の入力に結合された第1のスイッチとを含むことができる。レシーバは、第2のノードとバッテリの負のノードとの間に結合されたトランジスタに結合され得、トランジスタは、オフ時に電流レベルを低減するように構成されている。レシーバは、第1のノードとバッテリの正のノードとの間に結合された第2のスイッチを含む切断回路に結合され得る。本方法は、(a)出力コンデンサにおいて電圧が増加するように、レシーバが通電されている時間中にトランジスタをオフにするステップと、(b)出力コンデンサにおける電圧が定電圧またはほぼ定電圧であるように、第1のスイッチを閉じるステップと、(c)バッテリがレシーバから切断されるように、第2のスイッチを開くステップと、を含むことができる。
【0013】
例示的な方法の様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。切断回路は、第3のスイッチに直列に結合された抵抗器を備えるサブ回路を含み得、サブ回路は第2のスイッチに並列に結合されている。本方法は、(d)第3のスイッチを開くステップを含み得、ステップ(d)は、ステップ(c)の間または後である。切断回路は、トランジスタとバッテリの負ノードとの間に結合された第4のスイッチを含み得る。本方法は、(d)第4のスイッチを開くステップを含み得、ステップ(d)は、ステップ(c)の間または後である。ステップ(b)は、ステップ(a)の後に実行され得、ステップ(c)は、ステップ(b)の後に実行され得る。ステップ(a)の前に、第2のスイッチが閉じられ得、トランジスタがオンであり得、第1のスイッチが開き得る。出力コンデンサは、抵抗器に結合され得、ステップ(b)において、抵抗器は、出力コンデンサにおける電圧を減少させることを可能にし得る。トランジスタは、トランジスタをオフにするように構成されたコントローラに結合され得る。第2のスイッチは、バッテリ管理システムによって制御され得る。バッテリ管理システムは、レシーバに関連付けられたコントローラに通信可能に結合され得る。トランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であってよく、第1および第2のスイッチは、リレーであり得る。
【0014】
別の態様では、本開示は、無線電力レシーバのための保護回路を特徴とする。レシーバは、出力コンデンサに並列に結合された整流器を含むことができ、コンデンサは、整流器の出力で第1のノードと第2のノードとの間に結合されている。保護回路は、第2のノードとバッテリの負のノードとの間に結合されたトランジスタを含むことができる。トランジスタは、オフ時に電流レベルを低減するように構成することができる。保護回路は、整流器の入力の両端に結合された第1のスイッチと、第1のノードとバッテリの正のノードとの間に結合された第2のスイッチを備える切断回路とを含むことができる。ステップ(a)において、トランジスタは、出力コンデンサにおいて電圧が増加するように、レシーバが通電されている時間中にオフにすることができる。ステップ(b)において、第1のスイッチは、出力コンデンサにおける電圧が定電圧またはほぼ定電圧であるように閉じることができる。ステップ(c)において、第2のスイッチは、バッテリがレシーバから切断されるように開くことができる。
【0015】
例示的な保護回路の様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。切断回路は、第3のスイッチに直列に結合された抵抗器を含むサブ回路を含み得、サブ回路は、第2のスイッチに並列に結合されている。ステップ(d)において、第3のスイッチが開き得、ステップ(d)は、ステップ(c)の間または後である。切断回路は、トランジスタとバッテリの負ノードとの間に結合された第4のスイッチを含み得る。ステップ(d)において、第4のスイッチが開き得、ステップ(d)は、ステップ(c)の間または後である。ステップ(b)は、ステップ(a)の後に実行され得、ステップ(c)は、ステップ(b)の後に実行され得る。ステップ(a)の前に、第2のスイッチが閉じられ得、トランジスタがオンであり得、第1のスイッチが開き得る。出力コンデンサは、抵抗器に結合され得、ステップ(b)において、抵抗器は、出力コンデンサにおける電圧を減少させることを可能にする。トランジスタは、トランジスタをオフにするように構成されたコントローラに結合され得る。第2のスイッチは、バッテリ管理システムによって制御され得る。バッテリ管理システムは、レシーバに関連付けられたコントローラに通信可能に結合され得る。トランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であってよく、第1および第2のスイッチは、リレーであり得る。
【0016】
別の態様では、本開示は、無線電力レシーバからバッテリを切断するためのシステムおよび方法を特徴とする。レシーバは、(i)出力コンデンサに並列に結合され、コンデンサが整流器の出力で第1のノードと第2のノードとの間に結合されている整流器と、(ii)整流器の入力に結合された第1のスイッチとを含むことができる。レシーバは、第1のノードとバッテリの正のノードとの間に結合されたトランジスタと直列の第2のスイッチを含む切断回路に結合することができる。トランジスタは、オフ時に電流をゼロアンペアにカットするように構成することができる。本方法は、以下のステップを含むことができる。(a)レシーバが通電されたとき、出力コンデンサにおいて電圧が増加するようにトランジスタをオフするステップ、(b)出力コンデンサにおける電圧が定電圧またはほぼ定電圧であるように第1のスイッチを閉じるステップ、および(c)バッテリがレシーバから切断されるように第2のスイッチを開くステップ。
【0017】
システムおよび方法の様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。ステップ(b)は、ステップ(a)の後に実行することができ、ステップ(c)は、ステップ(b)の後に実行することができる。トランジスタは、最大40Vの定格の低電圧MOSFETであることができる。レシーバは、第2のノードとバッテリの負のノードとの間に結合された第3のスイッチを含むことができる。本方法は、バッテリがレシーバから切断されるように、第3のスイッチを開くことをさらに含むことができる。
【0018】
切断回路は、トランジスタと直列の第2のスイッチに並列に結合された分岐をさらに含むことができる。分岐は、第2のトランジスタと直列に結合されたダイオードを含むことができる。本方法は、(d)整流器からの電流が、トランジスタから第2のトランジスタに迂回されるように、第2のトランジスタをオンにするステップ、をさらに含むことができる。ステップ(d)は、ステップ(a)の後、かつステップ(b)の前に実行することができる。本方法は、(e)第2のトランジスタをオフするステップ、をさらに含むことができる。ステップ(e)は、ステップ(c)の後に実行することができる。
【0019】
別の態様では、本開示は、無線電力レシーバからバッテリを切断するためのシステムおよび方法を特徴とする。レシーバは、(i)整流器の出力において、第1のノードと第2のノードとの間の第1のトランジスタに並列に結合された整流器と、(ii)第1のノードと第2のノードとの間に結合された出力コンデンサと直列の第2のトランジスタと、を含むことができる。レシーバは、(a)第1のノードとバッテリの正のノードとの間に結合された第3のトランジスタと直列の第1のスイッチと、(b)第3のトランジスタに並列に結合されたダイオードおよび第4のトランジスタと、を含む、切断回路に結合することができる。第1、第2、第3、および第4のトランジスタは、オフ時に電流をゼロアンペアにカットするように構成することができる。本方法は、以下のステップを含むことができる。(a)レシーバが通電されたとき、整流器からの電流が第4のトランジスタを通して流れるように第4のトランジスタをオンするステップ、(b)第3のトランジスタをオフするステップ、(c)バッテリが切断されるように、第1のスイッチを開き、第4のトランジスタおよび第2のトランジスタをオフするステップ、(d)出力コンデンサでの過電圧状態を防止するために、第1のトランジスタをオンするステップであって、過電圧状態は、出力コンデンサの電圧がコンデンサの最大定格電圧よりも大きい、オンするステップ。
【0020】
システムおよび方法の様々な実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。ステップ(b)は、ステップ(a)の後に実行することができ、ステップ(c)は、ステップ(b)の後に実行することができる。切断回路は、第2のノードとバッテリの負のノードとの間に結合された第2のスイッチをさらに含むことができる。本方法は、バッテリが切断されるように、(e)第2のスイッチを開くステップをさらに含むことができる。ステップ(e)は、ステップ(d)の後に実行することができる。
【0021】
別の態様では、本開示は、無線電力レシーバからバッテリを切断するためのシステムおよび方法を特徴とする。レシーバは、(i)出力コンデンサに並列に結合された整流器、を含むことができる。コンデンサは、整流器の出力で第1のノードと第2のノードとの間に結合することができ、(ii)第1のスイッチが整流器の入力に結合される。レシーバは、第2のノードとバッテリの負のノードとの間に結合されたトランジスタに結合することができる。トランジスタは、オフ時に電流をゼロアンペアにカットするように構成することができる。レシーバは、第1のノードとバッテリの正のノードとの間に結合された第2のスイッチと、第3のスイッチに直列に結合された抵抗器を含むサブ回路と、を含む、切断回路に結合することができる。サブ回路は、第2のスイッチに並列に結合することができる。本方法は、以下のステップを含むことができる。(a)レシーバが通電されたとき、出力コンデンサにおいて電圧が増加するようにトランジスタをオフするステップ、(b)出力コンデンサにおける電圧が定電圧またはほぼ定電圧であるように第1のスイッチを閉じるステップ、および(c)バッテリがレシーバから切断されるように第2のスイッチを開くステップ。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例示的な無線電力システムのブロック図である。
図2A】バッテリに接続された無線電力レシーバのための例示的保護スキームを説明する図である。
図2B】バッテリに接続された無線電力レシーバのための例示的保護スキームを説明する図である。
図3A】伝送電力を停止するための例示的なシャットダウンプロセスのフローチャートである。
図3B】伝送電力を停止するための例示的なシャットダウンプロセスのフローチャートである。
図4】無線電力レシーバとバッテリとの間のインターフェースの概略図である。
図5A】バッテリ切断回路およびロードダンプ保護回路を含む、バッテリインターフェース回路を含む例示的なシステムの概略図である。
図5B】バッテリ切断回路およびロードダンプ保護回路を含む、バッテリインターフェース回路を含む例示的なシステムの概略図である。
図5C】バッテリ切断回路およびロードダンプ保護回路を含む、バッテリインターフェース回路を含む例示的なシステムの概略図である。
図5D図5A図5Cのシステムによってバッテリを切断するための例示的な方法のフローチャートである。
図6A】バッテリ切断回路およびロードダンプ保護回路を含む、例示的なバッテリインターフェース回路の概略図である。
図6B図6Aの例示的なインターフェース回路によってバッテリを切断するための例示的な方法のフローチャートである。
図6C図6Aのインターフェース回路の鏡像バージョンに結合されたレシーバの概略図である。
図7A】ロードダンプ保護回路が整流器の出力に結合されている、無線電力レシーバとバッテリとの間の例示的なインターフェースの概略図である。
図7B図7Aの例示的なインターフェース回路によってバッテリを切断するための例示的な方法のフローチャートである。
図8】ロードダンプ保護回路が整流器の出力に結合されている、無線電力レシーバとバッテリとの間の例示的なインターフェースの概略図である。
図9A】例示的なコイル切断回路を備えたレシーバを含む例示的な無線電力システムの概略図である。
図9B】無線電力レシーバのための例示的な整流器の概略図である。
図10】例示的なコイル切断回路の使用中の、図9Aまたは図9Bのレシーバ内の様々な信号を図示するプロットである。
図11】コイル切断回路を介して無線電力レシーバを保護するための例示的な方法のフローチャートである。
図12】様々な例示的なコイル切断回路を含む無線電力レシーバの概略図である。
図13】様々な例示的なコイル切断回路を含む無線電力レシーバの概略図である。
図14】様々な例示的なコイル切断回路を含む無線電力レシーバの概略図である。
図15】アクティブ整流を利用する例示的な無線電力システムの概略図である。
図16】本明細書に記載された方法およびシステムを実装するために使用され得る様々なハードウェアおよびソフトウェア構成要素を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
無線電力レシーバの様々な実施形態は、過電圧、過電流、過熱、電力の急激な変化、誤った電力伝送、および/またはシステムに傷害を引き起こし得る機械的損傷などの様々な状態からの保護を提供するように構成された回路を有し得る。例証する実施形態の詳細が、以下で考察される。
【0024】
無線電力システム
図1は、例示的な無線電力システム100のブロック図である。システム100は、無線電力トランスミッタ102および無線電力レシーバ104を含む。トランスミッタ104では、電源(例えば、AC主電源、バッテリなど)が、インバータ108に電力を提供する。追加の構成要素は、インバータ段108の前に力率補正(PFC)回路106を含むことができる。インバータ108は、(固定式および/または調整可能なネットワーク構成要素を有する)インピーダンス整合ネットワーク110を介して、トランスミッタ共振器コイルおよび容量性構成要素112(「共振器」)を駆動する。トランスミッタ共振器112は、レシーバ共振器114内に電圧および/または電流を誘導する振動磁場を生成する。受信されたエネルギーは、(固定式および/または調整可能なネットワーク構成要素を有する)インピーダンス整合ネットワーク116を介して整流器118に提供される。最終的に、整流された電力は、負荷120(例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車の1つ以上のバッテリ)に提供される。いくつかの実施形態では、バッテリ電圧レベルは、無線電力システム100の様々なパラメータ(例えば、インピーダンス)に影響を与えることができる。したがって、バッテリ電圧レベルは、無線電力システム100の他の部分への入力として提供されるように受信、決定、または測定され得る。例えば、電気自動車の典型的なバッテリ電圧範囲は、200~280V、200~350V、200~420Vなどを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、トランスミッタ102の1つ以上の構成要素は、レシーバ104の通信モジュールと通信するように構成された通信モジュール(例えば、Wi-Fi、無線、Bluetooth(登録商標)、インバンドシグナリング機構など)を含み得るコントローラ122に結合され得る。いくつかの実施形態では、トランスミッタ102の1つ以上の構成要素は、1つ以上のセンサ124(例えば、電流センサ、電圧センサ、電力センサ、温度センサ、故障センサなど)に結合され得る。コントローラ122およびセンサ124は、センサ124および/またはセンサ128からのフィードバック信号に基づいて、トランスミッタ102の制御部分に動作可能に結合され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、レシーバ104の1つ以上の構成要素は、トランスミッタ102の通信モジュールと通信するように構成された通信モジュール(例えば、WiFi、無線、Bluetooth(登録商標)、インバンドシグナリング機構など)を含み得るコントローラ126に結合され得る。いくつかの実施形態では、トランスミッタ104の1つ以上の構成要素は、1つ以上のセンサ128(例えば、電流センサ、電圧センサ、電力センサ、温度センサ、故障センサなど)に結合され得る。コントローラ126およびセンサ128は、センサ128および/またはセンサ124からのフィードバック信号に基づいて、トランスミッタ102の制御部分に動作可能に結合され得る。
【0027】
無線電力システムの例は、2010年6月10日に公開され、「Wireless energy transfer systems」と題された米国特許出願公開第2010/0141042号、および2012年5月10日に公開され、「Wireless energy transfer for vehicles」と題された米国特許出願公開第2012/0112535号に見出すことができ、これらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
本明細書に開示される例示的なシステムおよび方法は、車両用途に関して説明され得るが、電気によって動力供給される任意のシステムまたは装置、例えば、ロボット、産業機械、家庭用機器、民生用電子機器などにも適用され得る。大電力無線電力トランスミッタは、大電力に依存する車両、産業機械、ロボット、または電子デバイスのバッテリの給電および/または充電などの用途で無線電力を伝送するように構成され得る。例証の目的のため、以下の開示は、車両の無線電力伝送に焦点を当てている。しかしながら、本明細書に記載される実施形態のうちの任意の1つ以上は、無線電力を利用することができる他の用途に適用することができることが理解される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「コンデンサ」という用語、またはその記号は、静電容量(例えば、ファラッド)および/または容量リアクタンス(例えば、オーム)を有する1つ以上の電気的構成要素を指すことができる。例えば、コンデンサは、数十、数百などのオーダのディスクリートコンデンサであり得る1つ以上のコンデンサ(例えば、コンデンサの「バンク」内の)を指す場合がある。2つ以上のコンデンサを直列または並列に結合して、所望の静電容量および/または所望の容量リアクタンスを達成し得る。容量リアクタンスは、ここでは負の値として表され得ることに留意されたい。しかしながら、当業者は、いくつかの慣例では、容量リアクタンスはまた、正の値として表される場合があることを認識するであろう。
【0030】
本明細書で使用される場合、「インダクタ」という用語、またはその記号は、インダクタンス(例えば、ヘンリー)および/または誘導リアクタンス(例えば、オーム)を有する1つ以上の電気的構成要素を指すことができる。例えば、インダクタは、1つ以上のディスクリートインダクタまたはコイルを指す場合がある。2つ以上のインダクタを直列または並列に結合して、所望のインダクタンスおよび/または所望の誘導リアクタンスを達成し得る。誘導リアクタンスは、ここでは正の値として表され得ることに留意されたい。
【0031】
図を含む本開示は、様々な電気的構成要素について例示的な値を提供する場合あるが、構成要素の値は、特定の用途のためにカスタマイズすることができることが理解される。例えば、様々な電子構成要素の値は、無線電力トランスミッタを使用して、車両バッテリ(数千ワットのオーダ)または携帯電話バッテリ(典型的には5ワット未満)を充電するための電力を伝送するかどうかに依存し得る。
【0032】
無線電力レシーバのための例示的な保護回路
いくつかの実施形態では、無線電力システムのための保護回路は、バッテリ切断回路、ロードダンプ保護回路、および/またはコイル切断回路を含む。これらの保護回路のうちの1つ以上は、本明細書でさらに詳細に考察されるように、無線電力レシーバ104によって採用され得る。さらに、これらの保護回路のうちの1つ以上は、無線電力レシーバ104が無線電力トランスミッタ102から独立して自らを保護することができること可能にすることができる。
【0033】
例示的なバッテリ切断回路は、バッテリ120(例えば、車両のバッテリ)を無線電力レシーバ104から切断するように構成することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ切断回路は、バッテリ120をレシーバ104から切断するためのリレー、スイッチ、接触器、または他の機構を含むことができる。例示的な実施形態では、リレーは、バッテリを通る電流を迅速にシャットダウンするように構成することができる。例えば、リレーは50ミリ秒以内でゼロ(0)電流にオフ(開)にすることができる。
【0034】
例示的なロードダンプ保護回路は、レシーバ104から負荷を切断することのいくつかまたはすべての有害な影響から無線電力レシーバ102を保護するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ロードダンプ保護回路は、無線電力レシーバ104を保護するためのリレー、スイッチ、または他の機構を含むことができる。例えば、整流器がダイオード整流器であると仮定すると、ロードダンプ保護回路は、レシーバ104の整流器118を短絡させることができる。整流器118がスイッチング整流器(例えば、アクティブ整流器)である場合、整流器118の低側スイッチを短絡して、ロードダンプ保護回路として作用させることができる。いくつかの実施形態では、バッテリ切断回路は、保護を提供するためにロードダンプ保護回路と相互作用する。他の実施形態では、バッテリ切断回路およびロードダンプ保護回路は、保護を提供するために独立して動作することができる。以下のいくつかの実施例で説明するように、バッテリ切断回路とロードダンプ保護回路との間の相互作用は、重要な考慮事項である。具体的には、バッテリ切断回路およびロードダンプ保護回路の構成要素の動作のタイミングおよび順序は、レシーバのいずれかの部分における過電圧および/または過電流状態(例えば、低電圧構成要素の損傷)を防止する上で重要である。
【0035】
例示的なコイル切断回路は、1つ以上の状況において無線電力レシーバ104を保護するように構成することができる。例えば、上述したように、例示的レシーバ104は、整流器に加えてか、スイッチングまたはアクティブ整流器の低側スイッチとして統合されるかのいずれかでロードダンプ保護回路を含み得る。この場合、コイル切断回路を利用して、ロードダンプ保護回路のスイッチ(例えば、トランジスタ)を保護することができる。
【0036】
例えば、コイル切断回路を使用して、トランスミッタ102によって誘導される強い電流および/または不正な電流からレシーバ104を保護することができる。このような電流は、ロードダンプ保護回路のスイッチに傷害を及ぼす可能性がある。場合によっては、コイル切断回路を使用して、トランスミッタ102がレシーバ104に電力を伝送しているかどうかに関係なく、レシーバ104を安全にオフにし得る。この状況は、トランスミッタ102およびレシーバ104が2つの別個のエンティティによって製造されている場合に発生する可能性があり、それにより、1つのエンティティによって作製されたレシーバ104は、正常かつ安全に電力を受信するために、別のエンティティによって作製されたトランスミッタ102と相互運用する必要がある。例えば、A社は、B社によって作製されたレシーバ104と相互運用するようにトランスミッタ102を構成し得るが、最善の努力にもかかわらず、トランスミッタ102は、レシーバ104とのすべての使用事例または動作に対して完全に相互運用可能ではない場合がある。これの例は、トランスミッタ102とレシーバ104との間の通信におけるエラーまたは故障である。したがって、コイル切断回路は、トランスミッタ102との協調なしにレシーバ104の安全モードを必要とする特定の状況で使用されて得る。
【0037】
場合によっては、コイル切断回路は、トランスミッタ102がレシーバ104と協調することなく電力を伝送している状況で人間の安全性を増加させるために使用され得る。例えば、レシーバ104が電力受信を停止するように構成され、トランスミッタ102が電力を伝送し続ける場合、トランスミッタ102によって生成されたエネルギーは、車両からの絶縁を含めてレシーバの一部を損傷し得、車両に触れる人間に潜在的に危険をもたらし得る。したがって、コイル切断回路を使用して、レシーバコイル内の任意の電位エネルギーと車両との間に絶縁を生じさせ得る。場合によっては、コイル切断回路を使用して、安全性を増加させ、車両事故または他の災難中の潜在的な損傷を低減し得る。例えば、レシーバ104コイルは、便利な充電目的のために(例えば、トランスミッタ102コイルの上にレシーバ104コイルを位置付けるために)車両の下側に取り付けることができる。レシーバコイルは、トランスミッタ104からエネルギーを受け取らない場合でも、蓄えられた電位エネルギーを有する場合がある。車両事故において、レシーバコイルが他の導電性または金属材料に露出された場合(例えば、パンクによって、壊れた包装を介してなど)、電気アークが生成され、危険または有害な結果をもたらし得る。
【0038】
場合によっては、コイル切断回路は、レシーバ104が2つ以上のトランスミッタ102の近くに位置付けられる状況に対して、レシーバ104(およびその関連車両またはデバイス)を保護するために使用され得る。例えば、トランスミッタAおよびBは、電気自動車のための隣接する駐車スペースに位置付けられる。レシーバAを有する電気自動車は、トランスミッタAの上に駐車し得る。レシーバBを有する電気自動車は、隣接する駐車スペースに駐車し、トランスミッタAと誤って通信して、特定の電力レベルで電力伝送をオンにする可能性がある。トランスミッタAは、誤ってレシーバAに電力の伝送を開始し、それによってレシーバA(および/またはその関連車両)に潜在的な傷害を引き起こす可能性がある。
【0039】
本明細書で使用される場合、「コイル切断回路」は、レシーバ104の第1の部分をレシーバ104の第2の部分から切断するための回路を指し得、第1の部分はレシーバ共振器コイルを含む。いくつかの実施形態では、コイル切断回路は、レシーバ共振器(少なくとも共振器コイルおよび1つ以上のコンデンサを含む)をレシーバ104の残りの部分から切断するように構成され得る。
【0040】
例示的な保護スキーム
図2A図2Bは、バッテリ120に接続された無線電力レシーバ104のための例示的な保護スキーム200、202を説明する図である。図2Aの例示的な保護スキーム200では、ロードダンプ保護回路204aが、整流器118の入力に結合されている。バッテリ切断回路206が、整流器118の出力とバッテリ120との間に結合されている。いくつかの実施形態では、整流器118の入力に、かつバッテリ120から離れてロードダンプ保護回路204aを実装することによって、バッテリ120と無線電力レシーバ104との間のインターフェースは、より信頼性が高くなる。具体的には、ロードダンプ保護回路204aの動作をバッテリ切断回路206から独立させることにより、回路204aおよび/または206を係合するタイミングが不十分に実行される(以下の実施例で説明するステップのタイミングを参照)ことに起因する様々な構成要素(例えば、出力コンデンサ)への傷害の可能性が低減される。
【0041】
図2Bの例示的な保護スキーム202では、ロードダンプ保護回路204bが、整流器118の出力に結合され、バッテリ切断回路206が、ロードダンプ保護回路204bとバッテリ120との間に結合されている。整流器118の出力にロードダンプ保護回路204bを実装することの1つの利点は、潜在的に低コストの構成要素が使用され得ることである。具体的には、回路204a(整流器118の前)でのACまたは振動電圧用に構成された構成要素と比較して、DCまたは定電圧用に構成された構成要素を、回路204b(整流器118の後)において使用することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、スキーム200および202において、電気自動車電力コントローラ(EVPC)208は、整流器118およびバッテリ切断回路206に結合することができる。EVPC208は、例えば、アクティブ整流の動作を制御するために、保護スイッチ、および/または整流器118の器具電流、電圧、もしくは/または温度を制御するために、整流器118に結合され得る。EVPC208は、バッテリ切断回路206のリレーをオン(閉)および/またはオフ(開)にするように構成され得る。EVPC208は、無線電力レシーバ204のエンクロージャ内に含まれ得、および/または無線電力レシーバ204に直接結合され得る。いくつかの実施形態では、バッテリ管理システム(BMS)210を、バッテリ切断回路206に結合することができ、バッテリ切断回路206のリレーをオン(閉)および/またはオフ(開)にするように構成することができる。BMS210は、バッテリ120に関連付けられたバッテリコンパートメント内に含まれ得る。典型的には、バッテリコンパートメントは、車両内(例えば、乗客コンパートメントと車両の外部との間)に位置付けられる。
【0043】
好ましい実施形態では、EVPC208およびBMS210の両方が、バッテリ切断回路206のリレーをオフ(開)することが可能であるが、BMS210のみがリレーをオン(閉)することができる。これは、緊急シャットダウンの場合、EVPC208またはBMS210のいずれかが、バッテリ120を通る電流を停止することができるため、有益であり得る。BMS210のみがリレーをオン(閉)することを可能にする利点もある。例えば、EVPC208およびBMS210という2つのコントローラによってリレーに送信される制御信号の競合が低減される。具体的には、バッテリ210への電流の不注意なオンがある場合、無線電力レシーバ204、バッテリ120、および/または車両にとってより有害であり得る。さらに、BMS210は、バッテリ120への様々な制御および電力入力(例えば、車両から、別のバッテリから、コンダクティブ充電器からなど)を適切に管理するために、バッテリ120への電力の単独制御を必要とする場合がある。
【0044】
例示的なシャットダウンプロセス
図3Aは、BMS210がバッテリ120への電力を停止する要求を開始する(ステップ302)例示的なシャットダウンプロセス300を図示する。ステップ304において、無線電力レシーバ(または車両アセンブリ(VA))104は、例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、無線、またはインバンドシグナリングを介して、無線電力トランスミッタ(または地上アセンブリ(GA))102にシャットダウン要求を送信する。ステップ306において、システムは、これが電力を停止するための正規の要求であるかどうかを判定する。正規の要求であると判定された場合、システムは、バッテリ120内の電流がゼロ(0)Aよりも大きいかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、BMS210および/またはEVPC208は、電流を測定して、電流がゼロ(0)Aよりも大きいかどうかを判定することができる。ステップ306において、要求が緊急要求である場合、制御はステップ310に進む(上述のように)。ステップ308において、電流がゼロ(0)Aより大きい場合、制御はステップ310に進む。バッテリ120に電流がない場合、制御はステップ314に進む。
【0045】
ステップ310において、システム(例えば、EVPC208)は、整流器118の入力または出力にロードダンプ保護回路があるかどうかを判定する。整流器104の入力にロードダンプ保護回路(例えば、回路204a)がある場合、ステップ312において、レシーバ(VA)104は、回路204aのスイッチを閉じ、これは、トランスミッタ102上に有意な電力ステップまたは大きな過渡信号を誘導する。トランスミッタ102は、電力または過渡信号のこの変化を迅速に感知し、続いてレシーバ104への電力をオフにし得る。ステップ314において、EVPC208および/またはBMS210は、バッテリ切断回路206のリレーを開く信号を送信することができ、これは、バッテリ120内の電流をゼロにならせる。ステップ310において、システムが、整流器104の出力にロードダンプ保護回路(例えば、回路204b)があると判定した場合、次いで、ステップ316において、EVPC208および/またはBMS210は、バッテリ切断回路206のリレーを開く信号を送信することができ、これは、バッテリ120内の電流をゼロにならせる。次いで、ステップ318において、レシーバ(VA)104は、回路204aのスイッチを閉じ、これは、トランスミッタ102上に有意な電力ステップまたは大きな過渡信号を誘導する。トランスミッタ102は、電力または過渡信号のこの変化を迅速に感知し、続いてレシーバ104への電力をオフにし得る。
【0046】
図3Bは、トランスミッタ(GA)102が正規モードで動作し(ステップ322)、大きな過渡信号を検出する(ステップ324)例示的なシャットダウンプロセス320を図示する。トランスミッタ(GA)102は、この過渡信号を検出するために電流および/または電圧センサ124を含み得る。次いで、センサ124は、トランスミッタ102に結合されたコントローラ122に信号を送って、電力をシャットダウンすることができる。ステップ326において、トランスミッタ102は遮断される。ステップ324において検出された過渡信号がない場合、トランスミッタ102のコントローラ122は、シャットダウン信号(例えば、WiFiを介して)が受信されたかどうかを判定する。そうであれば、トランスミッタ102はシャットダウンされる。そうでない場合、制御はステップ324に戻る。
【0047】
他の実施形態では、車両は、無線電力レシーバ104のコントローラ(例えば、EVPC208)に信号を送信して、バッテリへの電流をシャットダウンし得る。次いで、無線電力レシーバ104は、例えば、回路204aまたは204b内のスイッチを閉じることによって、ロードダンプ保護回路204aまたは204bを作動させることによって反応することができる。
【0048】
例示的なバッテリインターフェース回路
図4は、無線電力レシーバ104とバッテリ120との間の例示的なインターフェースの概略図である。いくつかの実施形態では、無線電力レシーバ104の構成要素(例えば、114、116、および/もしくは118)は、負荷120と共に、または負荷120とは別個に収容され得る。この例では、無線電力レシーバエンクロージャ402は、バッテリコンパートメント404とは別個であり得る。例えば、これは、レシーバ104が車両の外側下面に配設される一方で、バッテリ120が別の場所、例えば、車両の前部または後部への内部エリアに位置付けされるいくつかの車両において有利であり得る。いくつかの実施形態では、バッテリインターフェース回路406は、バッテリコンパートメント404内またはエンクロージャ402内に含まれ得る。いずれの実装でも、BMS210は、回路406のスイッチを制御する。いくつかの実施形態では、バッテリインターフェース回路406は、バッテリ切断回路206を含む。いくつかの実施形態では、バッテリ切断回路206に加えて、バッテリインターフェース回路406は、抵抗器R1およびリレーS3を含む。いくつかの実施形態では、レシーバ104およびバッテリ120は、ある距離を離れて(例えば、1メートルから数十メートルのオーダで)位置付けられ得、したがって、バッテリインターフェース回路406は、距離を収容するためのケーブルおよび端子を含み得る。
【0049】
バッテリインターフェース回路406は、ノード408aとバッテリ120の正ノードとの間に結合された第1のスイッチS1を含み得る。回路406は、ノード408bとバッテリ120の負ノードとの間に結合された第2のスイッチS2を含み得る。いくつかの実施形態では、スイッチS1およびS2は、高電流負荷デバイス(例えば、バッテリ120)に接続されるように構成された電気的制御スイッチである接触器であり得る。回路406は、ノード408aとバッテリ120の正ノードとの間に結合され、S1と並列の第3のスイッチS3(例えば、リレー、トランジスタ、接触器など)を含み得る。第3のスイッチS3は、抵抗器R1と直列に結合され得る。抵抗器R1は、数kΩ(例えば、2kΩ~10kΩ)~数十kΩ(例えば、20kΩ~100kΩ)のオーダであり得る。スイッチS1、S2、および/またはS3は、バッテリ管理システム210に結合することができる。一部の実施形態では、スイッチS1、S2、および/またはS3は、EVPC208に結合することができる。例示的な実施形態では、スイッチS2は、バッテリインターフェース回路406に実装されない場合がある。
【0050】
いくつかの実施形態では、トランスミッタ102が電力を伝送していないとき、スイッチS1、S2、およびS3は、バッテリ120が無線電力レシーバ104から切断されるように開放されている。開放状態の例示的なスイッチS1、S2、およびS3は、バッテリ120とレシーバ104との間に数十MΩのオーダのインピーダンスを提供することができる。プリ充電段階(バッテリ120の充電が開始する前)において、スイッチS2およびS3は、抵抗器R1を介して、バッテリ120を充電出力コンデンサCDCに接続する。コンデンサCDCが充電された後、スイッチS1が閉じ、スイッチS3が開き、バッテリ120を充電することができる。充電段階中、スイッチS1およびS2は、無線電力レシーバ104とバッテリ120との間に低損失接続を提供する。充電が完了すると、次いでS1およびS2を切り替え、バッテリ120をレシーバ104から切断する。
【0051】
整流器入力での負荷切断保護-実施例1
図5Aは、バッテリ切断回路およびロードダンプ保護回路を含む例示的なバッテリインターフェース回路502を図示する。回路410は、Nチャネルエンハンスメント型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)Q1と直列に結合された第1のスイッチS1を含む。トランジスタQ1は、オフ時にゼロアンペアに電流を遮断するように構成されている。構成要素S1およびQ1は、ノード408a(コンデンサC1のハイサイドの)とバッテリ120の正のノードとの間に結合されている。回路502は、ノード408b(コンデンサC1のローサイドの)とバッテリ120の負のノードとの間に結合された第2のスイッチをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、スイッチS1およびS2はリレーである。レシーバ104は高電流レベルで動作しているため、リレーは、バッテリ120をレシーバから切断しようとするときに電流をゼロにカットすることができない場合がある。例えば、11kWをバッテリに伝送するように構成された無線電力システムでは、高電流レベルは、25A超、30A超、または35A超となり得る。したがって、バッテリインターフェース回路502は、非常に小さな損失(例えば、無効力)を無線電力システム100に挿入しながら、電流を適切にカットすることができるMOSFET Q1を含み得る。一実施例では、安価な、最大40V定格の低電圧MOSFETをQ1に使用することができる。
【0053】
図5Bの例示的なシステムでは、トランジスタQ1は、充電器エンクロージャ402内でノード408bとバッテリ120の負のノードとの間に結合されている。この実施形態において、トランジスタQ1は、EVPC208によって制御される。トランジスタQ1を使用して、バッテリ120への電流レベルをゼロ(0)アンペアに低減することができる。いくつかの実施形態では、トランジスタQ1は、整流器出力短絡保護として使用することができる。
【0054】
図5Cの例示的なシステムでは、トランジスタQ1は、充電器エンクロージャ402内でノード408aとバッテリ120の正のノードとの間に結合されている。この実施形態において、トランジスタQ1は、EVPC208によって制御される。トランジスタQ1を使用して、バッテリ120への電流をゼロ(0)アンペアにカットすることができる。いくつかの実施形態では、トランジスタQ1は、整流器出力短絡保護として使用することができる。
【0055】
場合によっては、トランジスタQ1が整流器の負のレールを基準とするように、かつ/または既存の電源を使用してトランジスタQ1を駆動することができるように、トランジスタQ1は、好ましくは、上部分岐(ノード408aとバッテリ120の正のノードとの間)と比較して、下部分岐(ノード408bとバッテリ120の負のノードとの間)に結合されることに留意されたい。これにより、システム内のコストを低減する効果を有することができる。
【0056】
図5Dは、図5A図5B、および図5Cに図示されたシステムによってバッテリ120を切断するための例示的な方法504を説明する。
【0057】
充電状態:スイッチS1がオン(閉)、
オプションのスイッチS2がオン(閉)、
MOSFET Q1がオン(短絡)、かつ
入力ロードダンプ保護(LDP)204aがオフ(開)である。
【0058】
ステップ506-バッテリへの電流をカット
MOSFET Q1をオフ(開)する。
コンデンサC1の電圧が増加する。
【0059】
ステップ508-ロードダンプ保護回路を係合することによって、MOSFET Q1の過電圧状態を防止する
入力ロードダンプ保護回路204aのリレーをオン(閉)する。
コンデンサC1の電圧は、一定またはほぼ一定であるか、またはブリーディング抵抗を通してゆっくりと垂下する。
【0060】
ステップ510-バッテリ切断
スイッチS1をオフ(開)し、
オプションのスイッチS2をオフ(開)する。
【0061】
出力短絡保護-実施例1
いくつかの実施形態では、何らかの理由で出力が短縮された場合、Q1スイッチが開くことができ、LDP204aが閉じることができ、出力での短絡を通る電流がゼロにカットされる。
【0062】
整流器入力での負荷切断保護-実施例2
図6Aは、バッテリ切断回路を含む例示的なバッテリインターフェース回路602を図示する。回路602は、ノード408aとバッテリ120の正のノードとの間に結合された第1の分岐604aを含む。分岐604aは、スイッチS1と、Nチャネルエンハンスメント型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)Q1とを含む。回路602は、第1の分岐604aに並列に結合され、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)Q2と直列のダイオードD1を含む第2の分岐604bをさらに含む。いくつかの実施形態では、回路602は、分岐604a、604bと並列に結合され、抵抗器R1およびスイッチS3を含む第3の分岐604c(例えば、プリ充電回路として)をさらに含む。スイッチS2が、ノード408bとバッテリ120の負のノードとの間に結合されている。構成要素S1、S2、S3、Q1、およびQ2は、コントローラ(例えば、バッテリ管理システム210)に結合され得る。トランジスタQ1、Q2は、オフ時に電流をゼロアンペアに遮断するように構成されている。
【0063】
図6Bは、インターフェース回路602によってバッテリ120を切断するための例示的な方法606を説明する。以下のプロセスは、第3の分岐604cが回路602に含まれていないか、またはスイッチ3がオフ(開)であることを前提としていることに留意されたい。
【0064】
充電状態:スイッチS1がオン(閉)、
オプションのスイッチS2がオン(閉)、
MOSFET Q1がオン(短絡)、
MOSFET Q2がオフ(開)であり、
入力ロードダンプ保護(LDP)204aがオフ(開)である。
【0065】
ステップ608-切断することを準備
MOSFET Q2をオン(短絡)する。
【0066】
ステップ610-ダイオードD1およびMOSFET Q2に電流を迂回させる
MOSFET Q1をオフ(開)する。
ダイオードD1およびMOSFET Q2を通して電流が流れる
【0067】
ステップ612-バッテリ切断
スイッチS1をオフ(開)し、
スイッチS1が確実にオフになるために最大数十ミリ秒待つ
MOSFET Q2をオフ(開)にし、
オプションのスイッチS2をオフ(開)する。
コンデンサC1で電圧が増加する。
【0068】
ステップ614-ロードダンプ保護係合
入力ロードダンプ保護回路204aのリレーをオン(閉)する。
入力回路204aをオンにすることは、コンデンサC1の過電圧状態(およびその結果としての損傷)を防止する。
【0069】
図6Cは、図6Aの回路602の鏡像バージョン616を図示する。回路616において、第1の分岐604aは、ノード408bとバッテリ120の負のノードとの間に結合されている。上記で考察されたように、第2の分岐604bは、分岐604aに並列に結合される。いくつかの実施形態では、回路506は、分岐604aおよび604bに並列に結合された第3の分岐604cを含むことができる。鏡像回路616の1つの利点は、それがコンデンサC1の負の側(ノード408bにある)を基準としていることである。これは、MOSFET Q1での絶縁ゲートドライバの必要性を回避する。
【0070】
整流器出力でのロードダンプ保護-実施例1
図7Aは、ロードダンプ保護回路204bが整流器118の出力に結合されている、無線電力レシーバ104とバッテリ120との間の例示的なインターフェース700を図示する。この例では、ロードダンプ保護回路204bは、整流器118の出力に並列に接続された金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)Q3を含む。Q3に並列に接続されているのは、IGBT Q4と直列の出力コンデンサC1である。ノード702aとバッテリ120の正のノードとの間に結合されているのは、バッテリ120をレシーバ104から切断するように構成された回路704である。回路704は、IGBT Q2に並列に結合されたMOSFET Q1を含む。IGBT Q2は、ダイオードD1と直列に結合されている。ダイオードD1は、バッテリ120がIGBT Q2の本体ダイオードを通して電流を伝導することを防止し得る。いくつかの実施形態では、回路704は、D1およびQ2と並列にサブ回路を含む。サブ回路は、抵抗器R1およびスイッチS3を含み得る。インターフェース700は、ノード702aと回路704との間に結合されたスイッチS1をさらに含む。いくつかの実施形態では、インターフェース600は、ノード702bとバッテリ120の負のノードとの間に結合されたスイッチS2をさらに含む。トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4は、オフ時に電流をゼロ(0)アンペアに遮断するように構成されている。
【0071】
図7Bは、インターフェース回路700によってバッテリ120を切断するための例示的な方法706を説明する。
【0072】
初期状態:MOSFET Q1がオン(短絡)、
IGBT Q2がオフ(開)、
MOSFET Q3がオフ(開)、
IGBT Q4がオン(短絡)、
スイッチS1がオン(閉)、そして
オプションのスイッチS2がオン(閉)である。
【0073】
ステップ708および710-電流がダイオードD1を通って流れる
IGBT Q2をオン(短絡)する。
その後すぐに、MOSFET Q1をオフ(開)する。
整流された電流は、ダイオードD1およびIGBT Q2を通過する。
【0074】
ステップ712および714-バッテリ切断
スイッチS1をオフ(開)し、
スイッチS1が確実にオフになるために数十ミリ秒待つ
IGBT Q2およびQ4をオフ(開)し、
オプションのスイッチS2をオフ(開)する。
コンデンサC1の電圧が増加する。
【0075】
ステップ716-ロードダンプ保護係合
MOSFET Q3をオン(短絡)する。
C1の電圧はブリーディング抵抗器によってブリーディングされる
【0076】
いくつかの実施形態では、上記のステップ716において、IGBT Q4は、いくらかの循環電流を有し得る。したがって、ロードダンプ保護回路204bは、回路604がバッテリ120を切断した(すなわち、Q1およびQ2が開いている)後に係合する(すなわち、Q3がオンする)。
【0077】
整流器出力でのロードダンプ保護-例2
図8は、ロードダンプ保護回路204bが整流器118の出力に結合されている、無線電力レシーバ104とバッテリ120との間の例示的なインターフェース600を図示する。この例では、ロードダンプ保護回路204bは、整流器118の出力に並列に接続されたMOSFET Q3を含む。Q3に並列に接続されているのは、IGBT Q4と直列の出力コンデンサC1である。ノード702aとバッテリ120の正のノードとの間に結合されているのは、トランジスタ(例えば、MOSFETまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT))Q1である。バッテリ120の正のノードとノード702cとの間に連結されているのは、回路704である。回路704は、ダイオードD1と直列に結合されたIGBT Q2を含む上部分岐を含む。上部分岐と並列に、抵抗器R1と直列のスイッチS3(例えば、低電圧スイッチ)を含む下部分岐がある。インターフェース700は、ノード702aとMOSFET Q1との間に結合されたスイッチS1をさらに含む。いくつかの実施形態では、インターフェース700は、ノード702bとバッテリ120の負のノードとの間に結合されたスイッチS2をさらに含む。トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4は、オフ時に電流をゼロアンペアに遮断するように構成されている。
【0078】
以下の例示的な方法は、レシーバ104からバッテリ120を接続および切断する際に使用することができる。
【0079】
電源投入前の動作。この段階の間、1つの目標は、どの構成要素にも損傷を与えることなく、バッテリ120を整流器118および平滑化コンデンサC1に接続することである。バッテリ120を整流器118に接続する前に、バッテリ120の正のノードが高ノード(例えば、ノード702a)に接続されて、突入電流を防止し、無線電力システム100における過渡現象を防止することを保証することが重要である。突入電流および過渡現象を防止するために、回路704が、バッテリ120の正のノードとノード702cとの間に結合される。この段階の間、スイッチS3およびS2が閉じられ、コンデンサC1をバッテリ120から充電するのを可能にする。残りのスイッチS1およびトランジスタQ1、Q2、Q3、Q4は開いたままであることに留意されたい。
【0080】
充電動作。コンデンサC1が充電されると、整流器118は、突入電流(スイッチS1での)が最小化または防止され得るので、バッテリ120に給電することができる。充電中、スイッチS3およびトランジスタQ2、Q4は開かれ、一方、スイッチS1およびトランジスタQ1、Q4は閉じられる。いくつかの実施形態では、トランジスタQ1およびQ4は、スイッチS1の前に閉じられる。これにより、バッテリ120が充電されることが可能になる。いくつかの実施形態では、スイッチS3およびトランジスタQ2、Q4は、充電段階中に損失を誘発するが、閉じたままであることができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、コンデンサC1の両端の電圧および/または通過する電流を監視することによって、コンデンサC1上の電荷を監視することができる。充電中、コンデンサC1は、整流器出力をフィルタリングするように構成された平滑コンデンサとして作用する。
【0081】
負荷を切断するコマンド。バッテリ120が充電を終了したため、または無線電力トランスミッタ102またはレシーバ104の故障のために、バッテリ120を切断するコマンドがレシーバコントローラ(例えば、EVPC208)に送信され得る。スイッチS1は、高電圧が横切っている間は開かないことが重要である。コントローラがバッテリを切断するコマンドを発行した後、スイッチS3およびトランジスタQ3が開かれる。次いで、トランジスタQ2を閉じて、Q2を通して充電を迂回させる。代替的または追加的に、トランジスタQ2を通る電流は、短絡したトランジスタQ4および/またはQ4と並列のイオードを通過する。次に、低電圧トランジスタQ1を開くことができる。次いで、スイッチS1の両端に低電圧(例えば、5V未満、2V未満など)があるときに、スイッチS1を開くことができる。続いて、または同時に、トランジスタQ4およびQ2を開いて、バッテリ120の充電を停止することができる。無線電力トランスミッタ102が電力を遮断しておらず、トランスミッタ102とレシーバ104との間に結合がある場合、コンデンサC1は充電される。C1コンデンサが充電されると、トランジスタQ3を短絡することによって、保護のために整流器118を短絡することができる。
【0082】
例示的なレシーバコイル切断回路
図9Aは、例示的なコイル切断回路902を有する無線電力レシーバ104を含む無線電力システム100を図示する。例示的なコイル切断回路902は、少なくとも1つのスイッチまたはリレー(例えば、REL1および/またはREL2)を含む。高電力無線電力レシーバ用のコイル切断回路902のための例示的なリレー(例えば、バッテリ12に数十kWを送達するように構成された)は、1,000ボルト以上の定格のリレーを含む。例示的なリレーは、オン(閉)時にフルコイル電流を伝導するように構成することができ、かつ/またはリレーがオフ(開)時にその電源端子にわたって数百ボルトのオーダの高電圧をサポートするように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つのリレー(例えば、REL1またはREL2)をコイル切断回路902で使用して、レシーバ104内の電流を低減し得る(例えば、ゼロまたはゼロ付近まで)。いくつかの実施形態では、2つのリレー(例えば、REL1およびREL2)を使用して、レシーバ104を車両からガルバニックに絶縁するように、レシーバ104内の電位を低減し得る(例えば、ゼロまたはゼロ付近まで)。リレーREL1またはREL2は、レシーバ104の上部分岐または下部分岐に結合され得る。いくつかの実施形態では、コイル切断回路902は、上部分岐におけるリレーREL1および下部分岐におけるリレーREL2の両方を含む。
【0083】
様々な実施形態において、リレーREL1、REL2は、スイッチREL1、REL2に結合されたコントローラ(例えば、コントローラ126および/またはEVPC208)によって提供され得るコイル切断信号CDによって制御される。図9Bは、単一のトランジスタ904を含む例示的な整流器903の概略図である。この単一のトランジスタ904は、本明細書に記載の保護システムおよび方法を可能にするように構成することができる。この整流器903は、図9Aの整流器118の代わりに用いられ得ることに留意されたい。特に、整流器903は、電圧VAC+、VAC-を有するノードで結合され得る。図10A図10Fは、コイル切断回路を介したレシーバ104の保護に関連する、レシーバ104内の様々な例示的な信号を図示するプロットのセットである。図11は、コイル切断回路を介してレシーバ104を保護するための例示的な方法のフローチャートである。
【0084】
簡略化のため、以下の考察では、図9図11を併せて参照する。加えて、本明細書に記載される例示的な方法(例えば、方法1100)は、図12図14のコイル切断回路と共に使用され得る。
【0085】
方法1100のステップ1102では、トランジスタQ7、Q8(または904)がオン(短絡)される。これは、コイル電流I1rをゼロアンペアまたはその近くまで低減させ得る。いくつかの実施形態では、トランジスタQ7、Q8(または904)をオンにすることは、整流器への入力電流I3rを増加させ得る。この挙動は、共振器コイルL1rと整流器118との間に結合されたインピーダンス回路の構成に少なくとも部分的に起因する。特に、インピーダンス回路は、(a)共振器コイルL1rと直列の第1のセットのコンデンサC1rAおよび/またはC1rB、(b)共振器コイルL1rと並列の第2のセットのコンデンサC2r、ならびに(c)コンデンサC2rと整流器118との間に結合された1つ以上のインダクタL3rAおよび/またはL3rBを含むことができる。第1のセットのコンデンサC1rAおよび/またはC1rBは、第1のリアクタンスX1rを有し、第2のセットのコンデンサC2rは、第2のリアクタンスX2rを有し、インダクタL3rAおよび/またはL3rBは、第3のリアクタンスX3rを有する。いくつかの実施形態では、インピーダンス回路はまた、インダクタL3rAおよび/またはL3rBと直列に1つ以上のコンデンサを含み得る。これらのコンデンサは、(i)C2rとインダクタL3rA、L3rBとの間に直列に結合され得、かつ/または(ii)インダクタL3rA、L3rBと整流器118の入力との間に結合され得る。いくつかの実施形態では、インピーダンス回路の他の構成要素と組み合わせたときに、インピーダンス回路の総リアクタンスが(これらの直列コンデンサがない場合と同様に)同じままであるように、コンデンサおよび/またはインダクタL3rA、L3rBの値を選択することができる。いくつかの実施形態では、トランジスタQ7、Q8(または904)が短絡したときに、コイル電流I1rがゼロまたはゼロ付近に低減される他のインピーダンス整合構成が存在し得ることに留意されたい。
【0086】
この実施形態では、レシーバ104のリアクタンスは、以下のように、第1のリアクタンスの絶対値、第2のリアクタンスの絶対値、および第3のリアクタンスの絶対値に等しい。
レシーバ=|X1r|=|X2r|=|X3r
【数1】
レシーバ=ωL3r
【0087】
無線電力システムのインピーダンスは、以下のように、トランジスタQ7、Q8(または904)を短絡する(オンする)効果を説明するために使用することができる。レシーバインピーダンス回路(上記で考察されたような)と、トランスミッタ102のコイルL1tとレシーバ104のコイルL1rとの間の相互インピーダンスXとの間の関係は、以下のように定義することができる。
【数2】
ここで、Racはアクティブ整流器118の等価抵抗である。トランジスタQ7およびQ8(または904)が短絡している場合、Racはゼロになる。したがって、|X2r|=|X3r|のため、この項
【数3】
は非常に高くなる。したがって、X1tが有限値であるため、電流I1rはゼロになる。Rac=0で、以下の式は、トランスミッタコイル電流I1tと入力電流I3rとの間の関係を表す。
【数4】
I3rが高くなり、トランジスタQ7、Q8(または904)および/またはインダクタL3rA、L3rBの過熱につながる可能性があることを示す。いくつかの実施形態では、レシーバ104にインピーダンス不整合が存在する場合、電流I1rは完全にゼロに低減しない場合があり、代わりに、無線電力レシーバのパラメータ(例えば、インピーダンス回路の構成要素値、電流、電圧、および/または電力レベルなど)に応じて、およそ1アンペア以下の電流値に低減する場合があることに留意されたい。
【0088】
図10Aにおいて、電圧信号1002(例えば、PWM7、PWM8)は、時間t1でトランジスタQ7、Q8(または904)を短絡するために使用される。図10Bにおいて、およそ時間t1に、整流器118の入力の両端の電圧1004は、ゼロまたはゼロ付近に向かう。図10Cにおいて、整流器118への入力電流I3r1006は、時間t1の後に増加する。図10Dは、コイル電流I1r1008がゼロになるか、またはゼロに近づくことを示す。
【0089】
ステップ1104において、一定期間後(例えば、時間t1と時間t2との間)、コイルL1rが切断され、コイル電流I1rおよび入力電流I3rがゼロまたはゼロ付近に低減されるように、リレーREL1および/またはREL2が開かれる。この期間中、コイル電流は、リレーREL1および/またはREL2を安全に開くことができるように、小さな値、例えば、1ARMSまで低下し得る。図10Eは、信号CD1012が時間t2でリレーREL1および/またはREL2を開くことを示している。時間t2において、コイル電流I1r1008は、リレーREL1、REL2が安全かつ/または確実にオフ(開)することを可能にするのに十分に低くなければならないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、時間t1と時間t2との間の期間は、1ミリ秒~1秒であり得る。例示的な実施形態では、一定期間は、およそ1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、4ミリ秒、5ミリ秒、10ミリ秒、20ミリ秒、50ミリ秒などである。リレーREL1および/またはREL2を開く前に一定期間が経過することは、レシーバ104にとって有益である。図10Fに図示されるように、レシーバコイルL1r電圧(信号1010)は、低減した電流の結果として、時間t1において低減する。言い換えると、この期間は、レシーバコイルL1r内で電流が減少することを可能にし、それによって、リレーを開くことをより安全にする。図10Cは、入力電流I3r(信号1006)がゼロになるか、またはゼロに近づくことを示す。コイル電流I1rおよび入力電流I3rの両方がゼロまたはゼロ付近に低減されると、無線電力レシーバ104は、比較的安全な状態になり、過熱が防止される。特に、レシーバコイルL1rは、レシーバ104の残りの部分、バッテリ120、および/または車両から隔離され、それによって、上記で考察されたように車両の安全性を増加させる。
【0090】
図9Aに図示された例示的な実施形態では、スイッチREL1および/またはREL2は、第1のセットのコンデンサ(例えば、C1rAまたはC1rB)と第2のセットのコンデンサ(例えば、C2r)との間に結合されている。図12は、リレーREL1および/またはREL2が、レシーバコイルL1rと第1のセットのコンデンサC1rA、C1rBとの間に結合されている、コイル切断回路902の例示的な実施形態を図示する。1つ以上のリレーがレシーバコイルL1rに隣接して構成されている場合、リレーは、C2rにより近い第1のセットのコンデンサC1rA、C1rB(またはサブセットC1rA1、C1rB1)に隣接して位置付けされている場合と比較して、より高い電圧定格を必要とし得ることに留意されたい。図13は、リレーREL1および/またはREL2が、コンデンサC1rA1、C1rB1の第1のサブセットとコンデンサC1rA2、C1rB2の第2のサブセットとの間に結合されている、コイル切断回路902の例示的な実施形態を図示する。図14は、リレーREL1および/またはREL2が、第2のセットのコンデンサC2rとインダクタL3rAとの間に結合されている、コイル切断回路902の例示的な実施形態を図示する。図9および図12図14のインピーダンス回路の各々において、上部分岐および下部分岐のリアクタンス成分は必ずしもバランスが取れていないことに留意されたい。換言すると、いくつかの実施例では、上部分岐のみがコンデンサC1rAを有し得(対応する下部分岐コンデンサC1rBなしで)、下部分岐のみがインダクタL3rBを含み得る(対応する上部分岐コンデンサL3rAなしで)など。いくつかの実施形態では、リレーREL1およびリレーREL2は、非対称の様態で位置付けられ得る。例えば、リレーREL1は、レシーバコイルL1rとコンデンサC1rAとの間に結合され得、リレーREL2は、コンデンサC1rBとコンデンサC2rとの間に結合され得る。
【0091】
ワイヤレス電力レシーバのアクティブ整流
例示的な無線電力レシーバでは、アクティブ整流を使用して、負荷に給電するため、またはバッテリ120を充電するために所望のDC信号を生成することができる。アクティブ整流は、整流器を形成するように結合された能動制御スイッチを採用する。スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、MOSFET、BJT、IGBTなど)を含むことができる。例示的な無線電力システムでは、アクティブ整流器を使用して、無線電力レシーバで受信された振動電流(AC)を直流電流(DC)に変換することができ、これは、以下でさらに説明されるように、エネルギーを負荷に最終的に伝達するために使用することができる。
【0092】
図15は、アクティブ整流を利用する例示的な無線電力システム1500の概略図である。例示的なシステム1500は、無線電力トランスミッタ1502およびレシーバ1504を含む。例示的なトランスミッタ1502は、フィルタ回路1508(例えば、1つ以上の誘導性構成要素L3tA、L3tB、1つ以上の容量性構成要素などを含むことができる)に結合されたインバータ1506(例えば、ハーフブリッジインバータ、フルブリッジインバータなど)を含む。インバータ1506は、2つ以上のスイッチ(例えば、トランジスタQ1、Q2、Q3、およびQ4)を含むことができる。スイッチQ1、Q2、Q3、Q4は、それぞれの制御信号PWM1、PWM2、PWM3、PWM4を介して制御され得る。フィルタ1508は、上述したように、伝送共振器および/または整合回路1510(コンデンサC2t、C1tA、C1tB、および共振器コイルL1tを含む)にさらに結合され得る。
【0093】
この例示的なシステム1500では、トランスミッタ1502からレシーバ1504に無線で電力を伝送するように、回路208の共振器コイルL1tは、受信共振器および/または整合回路1512(コンデンサC1rA、C1rB、C2r、およびインダクタL1rを含む)の共振器コイルL1rに誘導結合され得る。トランスミッタコイルL1tは、レシーバコイルL1rに振動電流を誘導することができる振動磁場を生成することに留意されたい。この電流は、例えば85kHzの周波数を有することができる。多くの場合、電流I3rは、インバータ1506起因する高調波を含み得る。いくつかの実施形態では、電流I3rの特性(例えば、位相、振幅、形状、高調波成分など)は、レシーバ1504の1つ以上の構成要素によってさらに影響を受ける可能性がある(例えば、成形、歪みなど)。例えば、回路1512および1514は、電流I3rの位相または形状を変えることができる誘導性および/または容量性の構成要素を含むことができる。場合によっては、以下でさらに説明するように、電流I3rの歪みは、整流器スイッチの動作に課題を生じ得る。
【0094】
例示的なレシーバ1504は、受信共振器および/または整合回路1512に結合されたフィルタ回路1514(例えば、1つ以上の誘導性構成要素L3rA、L3rB、1つ以上の容量性構成要素などを含む)を含むことができる。フィルタ回路1514は、電流I3rの特性を変更する(例えば、歪みを低減する)ことができる。
【0095】
フィルタ回路1514は、2つ以上のスイッチ(例えば、トランジスタQ5、Q6、Q7、およびQ8)を含むことができる整流器1516(例えば、ハーフブリッジインバータ、フルブリッジインバータなど)に結合することができる。例示的な整流器1516は、負荷1518(例えば、バッテリ)に直接的または間接的に結合することができる。いくつかの実施形態では、電流センサ1520は、電流I3rの特性を判定する(例えば、測定する、感知するなど)ことができる。電流センサ1520は、フィルタ1514の出力および/または整流器1516の入力に結合することができる。例えば、電流センサ1520は、整流器1516の入力における電流I3rの位相を判定し得る。センサ信号は、処理のためにプロセッサおよび/またはコントローラ(例えば、コントローラ126)に提供され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサおよび/またはコントローラは、電流センサ1520信号に基づいて整流器1516の1つ以上のスイッチを制御するための制御信号(例えば、PWM信号)を生成し得る。プロセッサおよび/またはコントローラは、制御信号(例えば、PWM5、PWM6、PWM7、PWM8)を、整流器1516の1つ以上のスイッチ(例えば、それぞれ、Q5、Q6、Q7、Q8)に提供することができる。いくつかの実施形態では、電流センサ1520は、電流I3rによるゼロ交差を検出するように構成されたゼロ交差検出器を含むことができる。検出器信号は、スイッチの制御信号を決定するためにコントローラ(例えば、コントローラ126)に提供され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、制御信号は、整流器スイッチを様々なモードで動作させ得る。モードは、ハードスイッチングおよびソフトスイッチング(例えば、ゼロ電圧スイッチング)を含むことができる。いくつかの実施形態では、整流器スイッチは、第1の期間中に1つのモードで動作し、第2の期間中に別のモードで動作することができる。場合によっては、スイッチは、所与の期間中に2つのモード間で交互に行われ得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、無線電力レシーバにおいてアクティブ整流を採用することによって、レシーバおよび/またはトランスミッタにおける調整可能なインピーダンス整合構成要素を無線電力システムから排除することができる。これは、無線電力システムに関連付けられたサイズ、重量、および/またはコストを低減するという利点を有することができる。
【0098】
ハードウェアおよびソフトウェアの実装
いくつかの実施例では、上述の処理の一部またはすべては、1つ以上の集中型コンピューティングデバイスで実行することができる。いくつかの実施例では、いくつかのタイプの処理が1つのデバイス上で発生し、他のタイプの処理が別のデバイス上で発生する。いくつかの実施例では、上述のデータの一部またはすべては、1つ以上の集中型コンピューティングデバイスでホストされているデータストレージに、またはクラウドベースストレージを介して記憶することができる。いくつかの実施例では、一部のデータは、1つの場所に記憶され、他のデータは、別の場所に記憶される。いくつかの実施例では、量子コンピューティングを使用することができる。いくつかの実施例では、関数型プログラミング言語を使用することができる。いくつかの実施例では、フラッシュベースのメモリなどの電気メモリを使用することができる。
【0099】
図16は、本文書に記載の技術を実装するために使用され得る例示的なコンピュータシステム1600のブロック図である。汎用コンピュータ、ネットワーク機器、モバイルデバイス、または他の電子システムが、システム1600の少なくとも一部分を含み得る。システム1600は、プロセッサ1610、メモリ1620、ストレージデバイス1630、および入力/出力デバイス1640を含む。構成要素1610、1620、1630、および1640の各々は、例えば、システムバス1650を使用して相互接続され得る。プロセッサ1610は、システム1600内で実行するための命令を処理することができる。いくつかの実装形態では、プロセッサ1610は、シングルスレッドプロセッサである。いくつかの実装形態では、プロセッサ1610は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ1610は、メモリ1620内またはストレージデバイス1630上に記憶された命令を処理することができる。
【0100】
メモリ1620は、システム1600内の情報を記憶する。いくつかの実装形態では、メモリ1620は、非一時的コンピュータ可読媒体である。いくつかの実装形態では、メモリ1620は、揮発性メモリユニットである。いくつかの実装形態では、メモリ1620は、不揮発性メモリユニットである。
【0101】
ストレージデバイス1630は、システム1600のために大容量記憶を提供することができる。いくつかの実装形態では、ストレージデバイス1630は、非一時的コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態において、ストレージデバイス1630は、例えば、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、ソリッドデイトドライブ、フラッシュドライブ、またはいくつかの他の大容量ストレージデバイスを含み得る。例えば、ストレージデバイスは、長期データ(例えば、データベースデータ、ファイルシステムデータなど)を記憶し得る。入力/出力デバイス1640は、システム1600のための入力/出力動作を提供する。いくつかの実装形態では、入力/出力デバイス1640は、1つ以上のネットワークインターフェースデバイス、例えば、イーサネット(登録商標)カード、シリアル通信デバイス、例えば、RS-232ポート、および/もしくは無線インターフェースデバイス、例えば、802.11カード、3G無線モデム、または4G無線モデムを含み得る。いくつかの実装形態では、入力/出力デバイスは、入力データを受信し、出力データを他の入力/出力デバイス、例えば、キーボード、プリンタ、およびディスプレイデバイス1660に送信するように構成されたドライバデバイスを含み得る。いくつかの実施例では、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス、および他のデバイスが使用され得る。
【0102】
いくつかの実装形態では、上述のアプローチの少なくとも一部は、実行時に1つ以上の処理デバイスに上述のプロセスおよび機能を実行させる命令によって実現され得る。そのような命令は、例えば、スクリプト命令、または実行可能コードなどのインタプリタ命令、または非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された他の命令を含み得る。ストレージデバイス1630は、サーバファームまたは広範囲に分散されたサーバのセットなどのネットワークを介して分散方式で実装され得、または単一のコンピューティングデバイスに実装され得る。
【0103】
例示的な処理システムが図16に記載されているが、本明細書に記載の主題、機能的動作およびプロセスの実施形態は、他のタイプのデジタル電子回路、有形に具体化されたコンピュータソフトウェアまたはファームウェア、本明細書に開示されている構造およびそれらの構造的等価物を含むコンピュータハードウェア、またはそれらの1つ以上の組み合わせで実装することができる。本明細書に記載の主題の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、有形の不揮発性プログラムキャリア上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装することができる。代替的または追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝播信号、例えば、データ処理装置による実行のために好適な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される機械で生成された電気信号、光信号、または電磁信号上で符号化することができる。コンピュータ記憶媒体は、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせであることができる。
【0104】
「システム」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、またはマルチプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械を包含し得る。処理システムは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)といった特殊目的論理回路を含み得る。ハードウェアに加えて、処理システムは、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含み得る。
【0105】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、またはコードとも称されるか、または記載され得る)は、コンパイルまたはインタプリタ言語、または宣言型または手続き型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書かれ得、それは、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとして含む任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応し得るが、対応しなくてもよい。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の単一のファイル、または複数のコーディネートされたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで、もしくは1つのサイトに位置する、または複数のサイトにわたって分散されており、通信ネットワークによって相互に接続されている複数のコンピュータで、実行されるように展開され得る。
【0106】
本明細書に記載のプロセスおよび論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を行うように、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なコンピュータによって行うことができる。プロセスおよび論理フローはまた、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって行うことができ、装置もまた、特殊目的論理回路として実装することができる。
【0107】
コンピュータプログラムの実行に好適なコンピュータは、例として、汎用もしくは特殊目的のマイクロプロセッサもしくはその両方、または任意の他の種類の中央処理ユニットを含むことができる。一般に、中央処理ユニットは、読み取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリ、またはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータは、概して、命令を果たすまたは実行するための中央処理ユニットと、命令およびデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスとを含む。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上のマスストレージデバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクを含み、それらからデータを受信するか、データを転送するか、または両方のために動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータはそのようなデバイスを有さなくてもよい。
【0108】
コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するために好適なコンピュータ可読媒体には、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスが含まれる。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補完されるか、または組み込まれ得る。
【0109】
本明細書に記載の主題の実施形態は、例えばデータサーバのようなバックエンド構成要素を含む、または、例えばアプリケーションサーバなどのミドルウェア構成要素を含む、または、例えばユーザが本明細書に記載の主題の実装形態と対話することができるグラフィカルユーザインターフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素を含む、または1つ以上のそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせのコンピューティングシステムに実装することができる。システムの構成要素は、例えば通信ネットワークなどの任意の形態または媒体のデジタルデータ通信によって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、例えばインターネットが挙げられる。
【0110】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に互いに離れており、典型的には、通信ネットワークを通して対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント/サーバ関係を有する、コンピュータプログラムによって生じる。
【0111】
本明細書は多くの特定の実施態様の詳細を含むが、これらは特許請求の範囲の制限として解釈されるべきではなく、むしろ特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されている特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈において説明されている様々な特徴はまた、複数の実施形態で別個に、または任意の好適なサブ組み合わせで実装することもできる。さらに、特徴が、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、そのように最初に特許請求されていても、特許請求された組み合わせから1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、サブ組み合わせまたはサブ組み合わせの変形を対象とし得る。
【0112】
同様に、動作が特定の順序で図面に描かれているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続した順序で行われること、またはすべての図示された動作が行われることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利である場合がある。さらに、上述の実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されるプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に共に統合されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることができることを理解されるべきである。
【0113】
主題の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。例えば、特許請求の範囲に列挙されたアクションは、異なる順序で行うことができ、依然として所望の結果を達成することができる。一例として、添付の図に描かれているプロセスは、所望の結果を達成するために、示された特定の順序、または連続した順序を必ずしも必要としない。特定の実装形態では、マルチタスクおよび並列処理が有利である場合がある。記載されたプロセスから、他のステップまたは段階が提供される場合があり、またはステップまたは段階が削除される場合がある。したがって、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
【0114】
用語
本明細書で使用される語法および用語は、説明を目的としたものであり、限定的なものと見なされるべきではない。
【0115】
「およそ」という用語、「およそ等しい」という句、および本明細書および特許請求の範囲で使用される他の同様の句(例えば、「Xは、およそYの値を有する」または「Xは、およそYに等しい」)は、1つの値(X)が別の値(Y)の所定の範囲内にあることを意味すると理解されるべきである。所定の範囲は、別段の指示がない限り、プラスまたはマイナス20%、10%、5%、3%、1%、0.1%、または0.1%未満であり得る。
【0116】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、明示的に反対が示されない限り、「a」および「an」という不定冠詞は、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「および/または」という句は、このように結合された要素、すなわち、いくつかの場合において結合的に存在し、他の場合において分離的に存在する要素のうちの「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じ方法、すなわち、このように結合された要素の「1つ以上」で解釈されるべきである。他の要素が、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかどうかにかかわらず、「および/または」条項によって具体的に識別された要素以外に、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「備える(comprising)」などの拡張可能な言語と併せて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的に、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的に、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意選択的に、他の要素を含む)などを指すことができる。
【0117】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内のアイテムを分離する場合、「または」もしくは「および/または」は、包括的であると解釈されなければならず、すなわち、要素の数またはリストのうちの少なくとも1つであるが、1つを超えるものを含み、任意選択的に、追加のリストされていないアイテムを含む。「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」など、または特許請求の範囲で使用される場合、「からなる」などの、相いれないものを明確に示した用語のみが、数または要素のリストの正確に1つの要素の包含を指すであろう。一般に、使用される「または」という用語は、「いずれか」、「のいずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、または「のうちの正確な1つ」などの排他性の用語が先行する場合、排他的代替案(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「本質的にからなる」は、特許請求の範囲で使用されるとき、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0118】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、1つ以上の要素のリストに関して「少なくとも1つ」という句は、要素のリスト内の要素のいずれか1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも要素のリスト内に具体的に列挙された各々およびすべての要素のうちの少なくとも1つを含むものではなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に識別された要素以外の要素が、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択的に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または等価的に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または等価的に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上のAを含み、Bが存在しない(および任意選択的にB以外の要素を含む)を指すことができ、別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上のBを含み、Aが存在しない(および任意選択的にA以外の要素を含む)を指すことができ、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上のAを含み、少なくとも1つ、任意選択的に2つ以上のBを含む(および任意選択的に他の要素を含む)指すことができるなど。
【0119】
「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「関与する(involving)」、およびそれらの変形形態の使用は、その後に列挙される項目および追加の項目を包含することを意味する。
【0120】
請求項要素を修飾するための特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」などの順序用語の使用は、それ自体が、ある請求項要素が別の請求項要素よりもいずれの優先権、優先順位、もしくは順序を有すること、または方法の行為が行われる時間的順序を意味しない。順序用語は、請求項要素を区別するために、特定の名前を有する1つの請求項要素を同じ名前を有する別の要素(ただし、順序用語を使用する)と区別するために、単にラベルとして使用される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】