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特表2022-533314メイクアップ除去のための組成物および物品
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  • 特表-メイクアップ除去のための組成物および物品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(54)【発明の名称】メイクアップ除去のための組成物および物品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220714BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
A61K8/31
A61Q1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562300
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 US2020033513
(87)【国際公開番号】W WO2020242814
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】16/422,976
(32)【優先日】2019-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チオウ,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ハラ,リュウジ
(72)【発明者】
【氏名】ハート,ジャン‐パスカル
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AB032
4C083AB051
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC341
4C083AC342
4C083AC371
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD211
4C083AD241
4C083AD261
4C083AD262
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD571
4C083BB01
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB32
4C083BB33
4C083BB51
4C083CC23
4C083CC24
4C083CC29
4C083CC38
4C083DD12
4C083DD23
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
メイクアップ除去組成物は、C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカン、400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬、水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤、および少なくとも1つの界面活性剤を、油相および水相を含む水性エマルジョン/懸濁液系において含み、水相は組成物の約70重量%~約85重量%で存在する水を含む。物品は、合成材料から形成された、または天然生分解性で持続的起源の天然由来繊維、天然繊維、または再生されたもしくはリサイクルされた天然繊維から形成された、非水溶性基材中に注入された組成物を含む。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i.C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカン;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬;
iii.水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤;
iv.少なくとも1つの界面活性剤;および
v.組成物の約70重量%~約85重量%で存在する水
を含む、メイクアップ除去組成物。
【請求項2】
i.C11~C20の炭素鎖長を有する前記少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンの各々は、前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在し;
ii.400g/mol以下の分子量を有する前記少なくとも1つの極性皮膚軟化薬の各々は、前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在し;
iii.水性系のための前記少なくとも1つのポリマー増粘剤の各々は、前記組成物の約0.01重量%~約2重量%で存在し;ならびに
iv.アルキル化グリセロールエステルを含む前記少なくとも1つの界面活性剤の各々は、前記組成物の最大約2重量%で存在する、
請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項3】
i.C11~C20の炭素鎖長を有する前記少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、イソヘキサデカンを含み;
ii.400g/mol以下の分子量を有する前記少なくとも1つの極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピルを含み;
iii.水性系のための前記少なくとも1つのポリマー増粘剤は、カルボマーおよびアクリレート/C10-30アクリル酸アルキルクロスポリマーを含み;ならびに
iv.アルキル化グリセロールエステルを含む前記少なくとも1つの界面活性剤は、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルを含む、
請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項4】
C11~C20の炭素鎖長を有する前記分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、イソヘキサデカン、C15-19アルカン、イソドデカン、ウンデカン、トリデカンおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項5】
前記分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在する、請求項4に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項6】
400g/mol以下の分子量を有する前記少なくとも1つの極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリリルエーテル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セテアリル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、アジピン酸ジイソプロピル、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項7】
400g/mol以下の分子量を有する前記少なくとも1つの極性皮膚軟化薬は、前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在する、請求項6に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つのポリマー増粘剤は、カルボマー、アクリレーツ/C10-30アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、微結晶セルロース(および)セルロースガム、キサンタンガム、デンプングリコール酸ナトリウム、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム、キサンタンガム(および)イナゴマメ(キャロブ)ガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム、スクレロチウムガム、キサンタンガム(および)スクレロチウムガム(および)レシチン(および)プルラン、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポリマー増粘剤は、前記組成物の約0.01重量%~約2重量%で存在する、請求項8に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つのポリマー増粘剤は、カルボマーおよびアクリレーツ/C10-30アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、微結晶セルロース(および)セルロースガム、キサンタンガム、デンプングリコール酸ナトリウム、スクレロチウムガム(および)キサンタンガムの少なくとも1つまたは組み合わせを含む、請求項8に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つの界面活性剤は、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、PEG-7カプリル/カプリン酸グリセリズ、PEG-6カプリル/カプリン酸グリセリズ、ココイルグルタミン酸二ナトリウム(および)ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココベタイン、カプリリル/カプリルグルコシド、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、カプリン酸ポリグリセリル-4、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項12】
アルキル化グリセロールエステルを含む前記少なくとも1つの界面活性剤は、前記組成物の最大約2重量%で存在する、請求項11に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項13】
グリセリンを含む少なくとも1つの保水剤、ならびにヒドロキシアセトフェノンおよびカプリリルグリコールの1つまたは組み合わせを含む少なくとも1つの保存剤から選択される添加物の1つまたは組み合わせを含む、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項14】
前記組成物は、シリコーンを本質的に含まない、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項15】
a.非水溶性基材;
b.下記を含む、前記非水溶性基材に含浸されたクレンジング組成物;
i.C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンであって、各々が前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在する、液体アルカン;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬であって、各々が前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在する、極性皮膚軟化薬;
iii.水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤であって、各々が前記組成物の約0.01重量%~約2重量%で存在する、ポリマー増粘剤;ならびに
iv.前記組成物の最大約2重量%で存在する総量の界面活性剤
を含む、メイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項16】
前記クレンジング組成物は、前記基材の重量に対し250重量%~400重量%の前記クレンジング組成物の浸漬率で前記非水溶性基材上に含浸される、請求項15に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項17】
前記物品は、不織繊維を含む化粧品除去ワイプであり、前記繊維は、下記から選択される天然生分解性で持続的起源の繊維から形成される、請求項15に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品:(1)パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿の1つまたは組み合わせを含む天然由来繊維、(2)ヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、およびパイナップルの1つまたは組み合わせを含む天然繊維、および(3)綿を含む再生もしくはリサイクル繊維、およびこれらの組み合わせ。
【請求項18】
前記組成物は、シリコーンを本質的に含まない、請求項15に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項19】
C11~C20の炭素鎖長を有する、前記分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、イソヘキサデカン、C15-19アルカン、イソドデカン、ウンデカン、トリデカンおよびそれらの組み合わせから選択され、400g/mol以下の分子量を有する、前記少なくとも1つの極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリリルエーテル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セテアリル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、アジピン酸ジイソプロピル、およびそれらの組み合わせから選択され、前記少なくとも1つのポリマー増粘剤は、カルボマー、アクリレーツ/C10-30アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、微結晶セルロース(および)セルロースガム、キサンタンガム、デンプングリコール酸ナトリウム、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム、キサンタンガム(および)イナゴマメ(キャロブ)ガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム、スクレロチウムガム、キサンタンガム(および)スクレロチウムガム(および)レシチン(および)プルラン、およびそれらの組み合わせから選択され、前記少なくとも1つのアルキル化グリセロールエステルは、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、PEG-7カプリル/カプリン酸グリセリズ、PEG-6カプリル/カプリン酸グリセリズ、ココイルグルタミン酸二ナトリウム(および)ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココベタイン、カプリリル/カプリルグルコシド、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、カプリン酸ポリグリセリル-4、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項15に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項20】
a.化粧ワイプを含む非水溶性基材;
b.下記を含む、前記非水溶性基材に含浸されたクレンジング組成物であって;
i.C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンであって、各々が前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在し、イソヘキサデカンを含む、液体アルカン;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬であって、各々が前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在し、ミリスチン酸イソプロピルを含む、極性皮膚軟化薬;
iii.水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤であって、各々が前記組成物の約0.01重量%~約2重量%で存在し、カルボマーを含む、ポリマー増粘剤;ならびに
iv.前記組成物の最大約2重量%で存在する総量の界面活性剤であって、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルを含む、界面活性剤;
を含む、メイクアップ除去およびクレンジング物品であって、 前記クレンジング組成物は、前記基材の重量に対し250重量%~400重量%の前記クレンジング組成物の浸漬率で前記非水溶性基材上に含浸される、メイクアップ除去およびクレンジング物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許出願は、「COMPOSITIONS AND ARTICLES FOR MAKEUP REMOVAL」と題する、2019年5月25日に出願された米国特許出願番号第16/422,976号についての優先権の恩典を主張し、その開示は、本明細書で完全に書き改めたかのように参照により組み込まれる。
【0002】
分野
この発明は、少なくとも1つの非水溶性基材、特にワイプを有する物品上に含浸されたメイクアップ除去およびクレンジング液汁組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
頑固なメイクアップの除去は、特にウォータープルーフのマスカラ、長持ちのファンデーション、およびより長持ちするリップ製品について、常に課題でありおよび消費者のなかなか解決しない問題である。典型的なメイクアップ除去製品は、頑固なメイクアップの除去において無効であり、よって、皮膚および/または繊細な目の領域を繰り返し強く引っ張り、こする必要があり、刺激作用を引き起こす。いくつかのオイル系メイクアップ除去製品は、メイクアップ除去を容易にする可能性があるが、不快でベタベタする皮膚感触を後に残す。したがって、使用後のきれいで新鮮な皮膚感触に加え簡単で有効なメイクアップ除去を提供する、組成物およびクレンジングワイプ物品が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、様々な実施形態で、下記を含むメイクアップ除去組成物を提供する:
i.C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカン;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬;
iii.水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤;
iv.少なくとも1つの界面活性剤;および
v.組成物の約70重量%~約85重量%で存在する水。
【0005】
様々な実施形態によれば、本開示による組成物は、C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカン、400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬、水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤、および少なくとも1つのアルキル化グリセロールエステルを、油性相および水相を含む水性エマルジョン/懸濁液系において含み、水相は組成物の約70重量%~約85重量%で存在する水を含む。様々な実施形態では、組成物は、成分の各々の1超を含んでよく、美容的に許容される添加物の中で特に、保水剤、保存剤、芳香剤、活性物質、およびpH調整剤を含む1つ以上の添加物をさらに含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態によれば:
i.C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンの各々は、組成物の約5重量%~約10重量%で存在し;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬の各々は、組成物の約5重量%~約10重量%で存在し;
iii.水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤の各々は、組成物の約0.01重量%~約2重量%で存在し;ならびに
iv.アルキル化グリセロールエステルを含む少なくとも1つの界面活性剤の各々は、組成物の最大約2重量%で存在する。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つ以上の各アルキル化グリセロールエステルの総量は、組成物の合計約2重量%を超えない。
【0008】
いくつかの実施形態によれば:
i.C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、イソヘキサデカンを含み;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピルを含み;
iii.水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤は、カルボマーを含み;ならびに
iv.アルキル化グリセロールエステルを含む少なくとも1つの界面活性剤は、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルを含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば:
i.C11~C20の炭素鎖長を有する分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、イソヘキサデカン、C15-19アルカン、イソドデカン、ウンデカン、トリデカンおよびそれらの組み合わせから選択され;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリリルエーテル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セテアリル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、アジピン酸ジイソプロピル、およびそれらの組み合わせから選択され;
iii.少なくとも1つのポリマー増粘剤は、カルボマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、微結晶セルロース(および)セルロースガム、キサンタンガム、デンプングリコール酸ナトリウム、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム、キサンタンガム(および)イナゴマメ(キャロブ)ガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム、スクレロチウムガム、キサンタンガム(および)スクレロチウムガム(および)レシチン(および)プルラン、およびそれらの組み合わせから選択され;
iv.少なくとも1つの界面活性剤は、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、PEG-7(カプリル/カプリン酸)グリセリズ、PEG-6(カプリル/カプリン酸)グリセリズ、ココイルグルタミン酸二ナトリウム(および)ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココベタイン、(カプリリル/カプリル)グルコシド、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、カプリン酸ポリグリセリル-4、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリマー増粘剤は、カルボマー、および、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、微結晶セルロース(および)セルロースガム、キサンタンガム、デンプングリコール酸ナトリウム、スクレロチウムガム(および)キサンタンガムの少なくとも1つまたは組み合わせを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物は、グリセリンを含む少なくとも1つの保水剤、ならびにヒドロキシアセトフェノンおよびカプリリルグリコールの1つまたは組み合わせを含む少なくとも1つの保存剤から選択される添加物の1つまたは組み合わせを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、組成物は、シリコーンを本質的に含まない。
【0013】
いくつかの実施形態では、メイクアップ除去およびクレンジング物品が、
a.化粧ワイプを含む非水溶性基材;
b.下記を含む、非水溶性基材に含浸されたクレンジング組成物であって;
i.C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンであって、各々が組成物の約5重量%~約10重量%で存在し、イソヘキサデカンを含む、液体アルカン;
ii.400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬であって、各々が組成物の約5重量%~約10重量%で存在し、ミリスチン酸イソプロピルを含む、極性皮膚軟化薬;
iii.水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤であって、各々が組成物の約0.01重量%~約2重量%で存在し、カルボマーを含む、ポリマー増粘剤;ならびに
iv.組成物の最大約2重量%で存在する総量のアルキル化グリセロールエステルを含む少なくとも1つの界面活性剤であって、アルキル化グリセロールエステルがヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルを含む、界面活性剤、
を含んで、提供され、 クレンジング組成物は、基材の重量に対して250重量%~400重量%のクレンジング組成物の浸漬率で非水溶性基材上に含浸される。
【0014】
様々な実施形態によれば、メイクアップ除去およびクレンジング物品は、合成材料から形成され、または天然生分解性および持続的起源の天然由来繊維、天然繊維、または再生もしくはリサイクル天然繊維から形成される。
【0015】
いくつかの特定の実施形態では、メイクアップ除去およびクレンジング物品は、不織繊維を含み、繊維は、下記から選択される天然生分解性および持続的起源の繊維から形成される:(1)パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿の1つまたは組み合わせを含む天然由来繊維、(2)ヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、およびパイナップルの1つまたは組み合わせを含む天然繊維、および(3)綿を含む再生もしくはリサイクル繊維、およびこれらの組み合わせ。
【0016】
本発明のこれらのおよび他の態様は、添付の特許請求の範囲で提示され、発明の詳細な説明においてより詳細に記載される。
【0017】
この開示は、一般的発明概念に従う例示的な実施形態を記載し、決して本発明の範囲を制限することを意図しない。実際、明細書で記載される発明は、本明細書で明記される例示的な実施形態よりも広く、これにより制限されず、本明細書で使用される用語は、それらの完全に普通の意味を有する。
【0018】
上記概要および下記詳細な説明はどちらも、例示であり、説明にすぎず、本開示を制限しようとするものではないことが理解されるべきである。
【0019】
一般的発明概念の特徴および利点は、添付の図面を参照してなされた下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示による発明の組成物および比較組成物のメイクアップ除去効力を示す2Dグラフの形態のデータプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
「物品」という用語はここでは、非水溶性支持体および支持体上に含浸された組成物から構成される組み合わせを意味すると理解される。この物品は特に、ワイプであってよいが、それはまた、以下で記載されるものを含む任意の形態を有してよい。非水溶性基材は、吸収性であり、その使用中に崩壊しないように十分強い。上で規定される物品の使用は、皮膚または髪の手入れおよび/または皮膚からのメイクアップのクリーニングおよび/または除去および/または皮膚のスクラビングのためである。
【0022】
いくつかの実施形態では、物品は、PET(ポリエチレンテレフタレート、またはポリエステル)およびPP(ポリプロピレン)などの、合成材料から形成され得、それらは単独で、または自然ベース材料と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、物品は、下記などの起源からの持続可能なおよび生分解性の基材から形成され得る:(1)天然由来繊維ベースの不織布、例えばパルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、綿、(2)天然繊維ベースの不織布、例えばヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、パイナップル、および(3)再生もしくはリサイクル繊維ベースの不織布、例えば綿。
【0023】
ワイプなどの多くの従来の化粧用物品は、PET(ポリエチレンテレフタレート、またはポリエステル)およびPP(ポリプロピレン)などの化石ベースのポリマー材料から形成され、それらは単独で、または自然ベース材料と組み合わせて使用され得る。そのような合成基材は、それらが比較的より安価で良好な引張強さを生成し供給するので望ましいが、しかしながら、それらは本質的に決して分解しないので、それらは環境に悪影響を与える。化粧品業界における持続可能性への焦点が増すにつれ、(1)天然由来繊維ベースの不織布、例えばパルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、綿、(2)天然繊維ベースの不織布、例えばヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、パイナップル、および(3)再生もしくはリサイクル繊維ベースの不織布、例えば綿、などの源から得られた固体基材を使用する化粧用物品が必要である。本明細書では、「天然由来繊維」という用語は、天然繊維に基づく誘導体にする化学処理により形成された繊維材料を指し;「天然繊維」は、天然繊維の非誘導形態を意味し、「再生/リサイクル」は、そのような繊維で形成された品物から再生利用される天然繊維を意味する。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書における物品は、持続可能な起源から得られ生分解性である基材から形成される。いくつかの特定の実施形態では、これらの材料は、パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿などの繊維を使用する、不織布へと形成された天然由来繊維から選択される。ある実施形態では、化粧用物品を形成するために使用される基材は、リヨセルの不織布である。天然生分解性および持続的起源の繊維を含むそれらの実施形態によれば、実現される明らかな利益は、環境負荷を低減させる機会である。他の利益もまた、持続可能なおよび生分解性の基材を使用して達成され得る。さらに本明細書で記載されるように、持続可能なおよび生分解性の基材、特にリヨセル不織布を使用する例示された物品は、合成材料を使用する競合化粧用物品と比べて予想外の機械、テクスチャ、および吸収特性ならびに著しく増強された性能を示す。また、本明細書で記載されるように、持続可能なおよび生分解性の基材、特にリヨセル不織布を使用する例示された物品は、合成基材に染みこませたこの発明の組成物と比べても、増強された性能を示す。
【0025】
本開示による物品は、しっとり感がある。それは、皮膚への適用中に心地よく、油性相の存在のため栄養効果を有するという利点を示す。それがメイクアップの皮膚からのクリーニングまたは除去のために使用される場合、本開示による物品は、皮膚に行き渡り、その間おそらく、メイクアップ製品が物品の含浸組成物に溶解するのに十分な時間の間適用されたままにされ、次いで皮膚が拭き取られる。皮膚はまた任意で、その後すすがれてよい。本発明による物品は好ましくは、顔、身体、または手の皮膚を手入れするために、および/または処理するために、およびメイクアップを顔および/または身体の皮膚からクリーニングまたは除去するために適切な化粧用物品である。それはまた、髪の手入れおよびメイクアップの目からの除去のために使用されてよい。
【0026】
本開示による物品は、所望の目的に適切な任意の形態を有してよい。それは、一重、多重であってよく、折り畳まれても、折り畳まれていなくてもよい、一般に長方形、正方形または他の形状を有するワイプを構成できる。物品はまた、手袋、ミトンの形態または顔または身体上での実用的用途に適切な任意の他の形態、例えば、目、鼻および/または口の部位に穴の開いた顔の形、またはまつげからのメイクアップの除去での適用のためのメイクアップ-除去指サックの形態、または、片面または特に、異なる組成物が含浸された2面を含んでよい両面ディスクの形態であってよい。物品はまた、皮膚の剥脱(スクラビング)を可能にする粗い表面を含んでよい。
【0027】
「角質基質」および「角質組織」としては各々、皮膚、髪、および爪が挙げられるが、それらに限定されない。
【0028】
「美容的に許容される」は、いずれの角質基質とも適合する担体を意味する。
【0029】
「シリコーンを含まない」という用語は、本明細書では、組成物の総活性重量に基づき、5重量%未満の、3重量%未満などの、1重量%未満などのシリコーン、例えばシリコーンポリマー(例えばジメチコンおよび他のシリコーン油、およびシリコンエラストマーから選択される)を含むことを意味する。
【0030】
本開示によれば、発明の組成物は先行技術の欠点を克服し、全体のメイクアップ除去の容易さ、容易なファンデーション除去、皮膚感触をきれいで新鮮、柔らかく滑らかなものとすること、こすらない容易なマスカラ除去(標準およびウォータープルーフ)、基材(ワイプ)の満足のいくサイズおよび厚さ、あまり乾燥しない、ベタベタしない、残渣および心地よい芳香を残さないことを含む、予想外の利益を提供する。
【0031】
メイクアップ除去効力の専門家評価により、本開示による組成物は、現在市販されているメイクアップ除去ワイプ、例えばNeutrogena(商標)メイクアップリムーバークレンジングタオレット(Makeup Remover Cleansing Towelettes)およびGarnier(商標)スキンアクティブクリーン+リフレッシングリムーバークレンジングタオレット(SkinActive Clean+ Refreshing Remover Cleansing Towelettes)(どちらもクレンジング組成物が染み込んだ合成繊維基材を用いて形成される)と比べて、ウォータープルーフのマスカラおよび長持ちのファンデーションの除去において著しく良好な性能を示した。
【0032】
消費者研究では、本開示による発明の組成物は、ファンデーションおよびマスカラの両方の除去における改善された性能を含む、メイクアップ除去効力におけるより良好な性能を示しただけでなく、より心地良く、使用後比較的良好な皮膚感触をもたらす経験を消費者試験者に提供した。天然繊維を用いて形成された発明物品は、比較組成物に比べて、また合成繊維基材に染み込ませた同じ発明組成物と比べて、同様の増強された性能を示した。本開示による組成物は、適用時にきれいで新鮮な感触を有し、ベタベタするまたはべとべとする皮膚感触を残さない。
【0033】
本開示による組成物は、C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカン、400g/mol以下の分子量を有する少なくとも1つの極性皮膚軟化薬、水性系のための少なくとも1つのポリマー増粘剤、および少なくとも1つのアルキル化グリセロールエステルを、油性相および水相を含む水性エマルジョン/懸濁液系において含み、水相は組成物の約70重量%~約85重量%で存在する水を含む。様々な実施形態では、組成物は、成分の各々の1超を含んでよく、美容的に許容される添加物の中で特に、保水剤、保存剤、芳香剤、活性物質、およびpH調整剤を含む1つ以上の添加物をさらに含み得る。
【0034】
(I)分枝したまたは直鎖の、液体アルカン
本開示によれば、組成物は、C11~C20の炭素鎖長を有する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンを含む。様々な実施形態では、液体アルカンは、C11~C20の炭素鎖長を有するものから選択され得る。液体アルカンは、C11~C20、またはC15~C19、またはC11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18~C19の1つの炭素鎖長を有するものから選択され得る。いくつかの特定の実施形態では、本開示により使用され得る好適な液体アルカンとしては、8~16個の炭素原子を含む炭化水素ベース油、とりわけ分枝C8-C16アルカン、例えばC8-C16イソアルカンが挙げられる。いくつかの例示的な実施形態では、そのような液体アルカンは、イソパラフィン、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、イソデカン、およびイソヘキサデカンから選択され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、イソヘキサデカン、C15-19アルカン、イソドデカン、ウンデカン、トリデカンおよびそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、2つ以上の分枝したまたは直鎖の、液体アルカンを含む。いくつかのそのような実施形態では、分枝したまたは直鎖の、液体アルカンは、イソヘキサデカンを含む。
【0036】
組成物中に存在する少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンの各々の量は、組成物の重量に基づき、重量で、約1重量%~約12重量%、または約3重量%~約11重量%、または約5%~約10%の範囲、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲である。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲に含まれることを認識するであろう。
【0037】
よって、組成物中の少なくとも1つの分枝したまたは直鎖の、液体アルカンの各々は、組成物の総重量に基づき、重量で、約1、2、3、4、5、6、7、8、9~約10パーセント(その中およびその間のインクリメントおよび範囲を含む)で存在し得る。
【0038】
(ii)極性皮膚軟化薬
本開示によれば、組成物は、少なくとも1つの極性皮膚軟化薬を含む。皮膚軟化薬はエステル、トリグリセリド、エーテル、カーボネート、アルコール、油、バター、脂肪酸、およびそれらの組み合わせから選択される油相材料成分である。様々な実施形態では、極性皮膚軟化薬は、400g/mol以下の分子量を有するものから選択され得る。さらに、一般に、極性皮膚軟化薬は、約50g/mol~約350g/molの範囲の分子量を有し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、本開示により使用され得る好適な極性皮膚軟化薬としては、C12-C50脂肪酸、好ましくはC16-C22飽和脂肪酸、および一価アルコールから誘導されるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、そのようなエステルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸エチルヘキシル、オレイン酸エチルヘキシル、イソノナン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、カプリン酸/カプリル酸2-エチルヘキシル(またはカプリン酸/カプリル酸オクチル)、2-パルミチン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸および12または13個の炭素原子を含む脂肪アルコールのエステル、炭酸ジカプリリルおよびそれらの混合物から選択され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つ以上の極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリリルエーテル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セテアリル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、アジピン酸ジイソプロピル、およびそれらの組み合わせの1つを含む。いくつかの特定の実施形態では、1つ以上の極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、2つ以上の極性皮膚軟化薬を含む。いくつかのそのような実施形態では、極性皮膚軟化薬は、ミリスチン酸イソプロピルおよび1つ以上の追加の極性皮膚軟化薬を含む。
【0041】
少なくとも1つの極性皮膚軟化薬の各々の量は、組成物の重量に基づき、重量で、約1重量%~約12重量%、または約3重量%~約11重量%、または約5%~約10%の範囲またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲で組成物中に存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲に含まれることを認識するであろう。
【0042】
よって、組成物中の少なくとも1つの極性皮膚軟化薬の各々は、組成物の総重量に基づき、重量で、約1、2、3、4、5、6、7、8、9~約10パーセント(その中およびその間のインクリメントおよび範囲を含む)で存在し得る。
【0043】
(iii)ポリマー増粘剤
様々な実施形態によれば、組成物は、1つ以上のポリマー増粘剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の増粘剤は、天然ガムおよび合成ポリマーの1つ以上、例えばデンプン(トウモロコシ、コメ、タピオカ、ジャガイモ)、ガム(キサンタンカラゲナン、ジェラン、スクレロチウム(sclerotium)、タラビオテク(tarabiotech)発酵物)から選択され得る。いくつかの特定の実施形態では、増粘剤は、アクリレーツ/C10-30アクリル酸アルキルクロスポリマー、カルボマー、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルグアー、イナゴマメ(キャロブ)ガム、ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス-25クロスポリマー、およびポリアクリレートクロスポリマー-6から選択され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、ポリマー増粘剤は、カルボマー、アクリレーツ/C10-30アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、微結晶セルロース(および)セルロースガム、キサンタンガム、デンプングリコール酸ナトリウム、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム、キサンタンガム(および)イナゴマメ(キャロブ)ガム(50/50)、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、スクレロチウムガム(および)キサンタンガム(75/25)、スクレロチウムガム、キサンタンガム(および)スクレロチウムガム(および)レシチン(および)プルラン、およびそれらの組み合わせの1つである。
【0045】
いくつかの実施形態では、組成物は、2つ以上のポリマー増粘剤を含む。いくつかのそのような実施形態では、ポリマー増粘剤は、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーおよびカルボマーの1つまたは両方、ならびに任意で1つ以上の追加のポリマー増粘剤を含む。
【0046】
少なくとも1つのポリマー増粘剤の各々の量は、組成物の重量に基づき、重量で、約0.01%~約2%、または約0.01%~約1.5%、または約0.3%~約1.2%の範囲、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲で組成物中に存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲に含まれることを認識するであろう。
【0047】
いくつかの実施形態では、組成物中に存在するポリマー増粘剤の総量は、組成物の重量に基づき、重量で、約0.01%~約5%、または約0.02%~約2%、または約0.03%~約1.5%、または約0.1%~約0.2%、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲である。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲に含まれることを認識するであろう。
【0048】
よって、1つ以上のポリマー増粘剤は、組成物の総重量に基づき、重量で、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.5、4.0、4.5~約5.0パーセント(その中およびその間のインクリメントおよび範囲を含む)で存在する。
【0049】
(iv)アルキル化グリセロールエステル/界面活性剤
様々な実施形態によれば、組成物は、少なくとも1つのアルキル化グリセロールエステル/界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、ポリオールの、例えば8~24個の炭素原子(例えば、12~22個の炭素原子)を含む飽和もしくは不飽和鎖を有する脂肪酸とのエステル、およびそのアルコキシル化誘導体、例えばC8-C24脂肪酸または酸のグリセリルエステルおよびそのアルコキシル化誘導体、C8-C24脂肪酸または酸のポリエチレングリコールエステルおよびそのアルコキシル化誘導体、C8-C24脂肪酸または酸のソルビトールエステルおよびそのアルコキシル化誘導体、C8-C24脂肪酸または酸の糖(スクロース、グルコース、アルキルグリコース)エステルおよびそのアルコキシル化誘導体、脂肪アルコールのエーテル、糖およびC8-C24脂肪アルコールまたはアルコールのエーテル、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの、およびいくつかの実施形態では、2つ以上のアルキル化グリセロールエステルを含む。いくつかのそのような実施形態では、アルキル化グリセロールエステルは、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、PEG-7カプリル/カプリン酸グリセリズ、PEG-6カプリル/カプリン酸グリセリズ、ココイルグルタミン酸二ナトリウム(および)ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココベタイン、カプリリル/カプリルグルコシド、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、カプリン酸ポリグリセリル-4、およびそれらの組み合わせの1つ以上を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、組成物中の少なくとも1つのアルキル化グリセロールエステルの各々は、組成物の重量に基づき、重量で、約0.1%~約2%、または約0.2%~約1.5%、または約0.5%~約1%、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲で存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲に含まれることを認識するであろう。
【0052】
いくつかの特定の実施形態では、アルキル化グリセロールエステル/界面活性剤の総量は、最大約2%で存在する。いくつかの実施形態では、アルキル化グリセロールエステル/界面活性剤の総量は、約2%を超えない。いくつかの特定の実施形態では、アルキル化グリセロールエステル/界面活性剤の総量は、約2%未満である。
【0053】
よって、少なくとも1つのアルキル化グリセロールエステルの各々は、組成物の総重量に基づき、重量で、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.7、0.75、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9~約2.0パーセント(その中およびその間のインクリメントおよび範囲を含む)で存在する。
【0054】
(v)溶媒/水
様々な実施形態によれば、水は、組成物の重量に基づき、重量で、約60%~約90%、または約65%~約85%、または約70%~約85%、または約75%~約80%の範囲、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲で組成物中に存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲に含まれることを認識するであろう。よって、水は、組成物の総重量に基づき、重量で、約60、65、70、75、80、85~約90重量パーセント(その中およびその間のインクリメントおよび範囲を含む)で存在する。
【0055】
使用される水は、下記であってよい:無菌脱塩水および/またはフローラルウォーター、例えばバラ香水、ヤグルマギク水、カモミール水またはライム水、および/または、天然温泉水もしくはミネラル水、例として:Vittel由来の水、Vichy basin由来の水、Uriage由来の水、La Roche Posay由来の水、La Bourboule由来の水、Enghien-les-Bains由来の水、Saint Gervais-les-Bains由来の水、Neris-les-Bains由来の水、Allevar-les-Bains由来の水、Digne由来の水、Maizieres由来の水、Neyrac-les-Bains由来の水、Lons-le-Saunier由来の水、Eaux Bonnes由来の水、Rochefort由来の水、Saint Christau由来の水、Les Fumades由来の水、Tercis-les-Bains由来の水またはAvene由来の水など。水相はまた、再構成された温泉水、すなわち、微量元素、例えば亜鉛、銅、マグネシウム、などを含み、温泉水の特性を再構成する、水を含み得る。
【0056】
組成物のpHは、制限されないが、一般に、2~12であり、いくつかの実施形態では、3~11、および5~9、および6~8の1つであり、いくつかの実施形態では7である。pHは、組成物に、塩基(有機または無機)、例えばアンモニアまたは一級、二級もしくは三級(ポリ)アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミンまたは1,3-プロパンジアミンを添加することにより、あるいは、無機または有機酸、便宜的に、例としてクエン酸などの、カルボン酸を添加することにより、所望の値に調整できる。
【0057】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の溶媒、例えば、一価C-Cアルコールなどのモノアルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、およびベンジルアルコール、およびフェニルエチルアルコールを含み得る。
【0058】
保水剤/水和剤
本開示によれば、もう1つの保水剤が、組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、保水剤は、下記を含む、1つ以上のポリオールを含んでよい:グリセリン、グリセロール、グリコール、例えばカプリリルグリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコールおよびポリエチレングリコール、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリコールエーテル、例えばモノプロピレン、ジプロピレンおよびトリプロピレングリコールアルキル(C1-C4)エーテル、スクアラン、トリアセチン、糖、例えばグルコース、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、スクロースペンタエリスリトール、イノシトール、ピロリドンカルボン酸、乳酸、塩化リチウム、アセトアミドMEA、乳酸ナトリウム、尿素、ジシアナミド、ヒアルロン酸、アロエベラ、蜂蜜、および海藻抽出物。
【0059】
いくつかの実施形態では、組成物は、グリセリンを含む保水剤を含む。
【0060】
様々な実施形態によれば、組成物中に存在する保水剤の量は、組成物の重量に基づき、重量で、約1%~約10%、または約1%~約8%、または約1%~約5%、または約2%~約3%の範囲、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲であってよい。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲に含まれることを認識するであろう。
【0061】
よって、保水剤のいずれか1つまたは組み合わせは、組成物の総重量に基づき、重量で、約1、2、3、4、5、6、7、8、9~約10重量パーセント(その中およびその間のインクリメントおよび範囲を含む)で存在し得る。
【0062】
任意的な添加物
組成物はまた、本発明による組成物の特性に影響しない、化粧品分野において使用される少なくとも1つの添加物を含んでよく、芳香剤、真珠光沢剤、シリカ、保存剤、タンパク質、タンパク質加水分解物、ビタミン、パンテノール、シリコーン、臭気吸収体および着色材料など;限定はされないが、カプリロイルグリシンおよびサリチル酸ナトリウムを含む、抗菌成分;精油;果実抽出物、例えばピルスマルス(Pyrus Malus)(リンゴ)果実抽出物、およびアロエベラ葉汁粉末;クエン酸、塩化ナトリウム;中和またはpH調整剤(例えば、トリエチルアミン(TEA)および水酸化ナトリウム)、保存剤、およびそれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態では、組成物は、ヒドロキシアセトフェノンおよびカプリリルグリコールの1つまたは組み合わせを含む少なくとも1つの保存剤を含む。
【0063】
任意的な活性添加物が例として提供されるが、当技術分野で知られる化粧品用途と適合する他の任意的な成分も使用され得ることが認識されるであろう。任意的な添加物が例として提供されるが、当技術分野で知られる化粧品用途と適合する他の任意的な成分も使用され得ることが認識されるであろう。
【0064】
様々な実施形態によれば、組成物中に単独で、または組み合わせて存在する1つ以上の活性物質および添加物の量は、組成物の総重量に基づき、重量で、約0.001重量%~約20重量%、または約0.005重量%~約0.01重量%、または約0.01重量%~約0.1重量%、または約0.15重量%~約5重量%、または約0.40重量%~約4重量%、または約0.5重量%~約2.5重量%、または約1重量%~約2重量%の範囲、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、または部分範囲で本開示による組成物中に存在してよい。
【0065】
よって、活性物質および添加物のいずれか1つまたは組み合わせは、組成物の総重量に基づき、重量で、存在してよく、各1つまたは組み合わせが約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.20、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.0、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~約20重量パーセント(その中およびその間のインクリメントおよび範囲を含む)で存在する。
【0066】
基材
様々な実施形態によれば、発明のメイクアップ除去組成物が染み込んだ固体基材を含む物品が提供される。メイクアップ除去およびクレンジング物品は、合成材料から形成され、または、天然生分解性のおよび持続的起源の天然由来繊維、天然繊維、または再生されたもしくはリサイクルされた天然繊維から形成される。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、基材は、不織材料である。不織材料の概要は、Riedel “Nonwoven Bonding Methods and Materials”, Nonwoven World (1987)において提供される。これらの基材は、不織材料の調製のための技術の通常の方法により得られる。
【0068】
基材が不織材料である場合、ボールにならず、かつ皮膚への適用時に崩壊せずかつ綿毛状にならないよう十分頑丈である、不織材料が使用され得る。それは、メイクアップを特に目から除去するために少なくとも片面が吸収性で柔らかくなくてはならない。適切な不織材料として、例えば、Ultraloft 15285-01、Ultraloft 182-008、Ultraloft 182-010およびUltraloft 182-016という名称で、BBAにより、Vilmed M1519 Blau、Vilmed M1550Nおよび112-132-3でFreudenbergにより販売されるもの、Norafin 11601-010Bという名称でJacob Holm Industriesにより販売されるもの、Univel109およびUnivel119という名称でUni Flockageにより販売される植毛不織材料およびSandlerにより供給されるビスコース/PLAで製造されたものに言及できる。
【0069】
物品を含むいくつかの実施形態によれば、不水溶性基材が、使用される。非水溶性基材は、1つ以上の層を含んでよく、それは、シート、ボール、またはフィルムとして、織物材料、不織材料、フォーム、スポンジ、詰物からなる群より選択できる。それは特に、天然起源(亜麻、羊毛、綿、絹、ビスコース、竹製繊維)または合成起源(セルロース誘導体、ポリビニル誘導体、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PET)またはポリプロピレン、ポリアミド、例えばナイロン、またはアクリル誘導体)の繊維およびそれらの混合物、例えばビスコース/PET、ポリ乳酸(PLA)またはビスコース/ポリ乳酸(ビスコース/PLA)に基づく不織基材であってよい。
【0070】
1つの実施形態によれば、基材は、ハイドロエンタングルメントプロセスにより、ビスコースから構成される不織材料またはビスコース/ミクロビスコース混合物から構成される不織材料である。
【0071】
いくつかの特定の実施形態では、メイクアップ除去およびクレンジング物品は、不織繊維を含み、繊維は、下記から選択される天然生分解性のおよび持続的起源の繊維から形成される:(1)パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿の1つまたは組み合わせを含む天然由来繊維、(2)ヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、およびパイナップルの1つまたは組み合わせを含む天然繊維、および(3)綿を含む再生されたもしくはリサイクルされた繊維、およびこれらの組み合わせ。
【0072】
1つの実施形態によれば、基材は、生分解性材料、例えばリヨセルから形成される不織材料である。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、基材は、同一であるまたは異なる特性を有し、弾性および柔らかさの特性および所望の使用に適切な他の特性を有する1つ以上の層を含んでよい。基材は、例えば、文書WO-A-99/13861号に記載されるように、異なる弾性特性を有する2つの部分を含んでよく、または、文書WO-A-99/25318号に記載されるように、異なる密度を有する単一層を含んでよく、または、文書WO-A-98/18441号に記載されるように、異なるテクスチャーの2つの層を含んでよい。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、物品が身体のために使用される場合、基材は、同時に、皮膚をマッサージする、または皮膚をごしごしこすることを可能にするための、少なくとも1つの粗い側を含んでよい。
【0075】
様々な実施形態によれば、基材は、所望の目的に適切な任意のサイズおよび任意の形状を有してよい。さらに、それは一般に、0.005m~0.1m、または0.01m~0.05mの表面積を有する。基材の重量は、30gsm~200gsm(グラム毎平方メートル)、または40gsm~60gsmの範囲であってよい。
【0076】
様々な実施形態によれば、組成物の基材上への含浸率は一般に、基材の重量の100~1000%、いくつかの実施形態では約150%~約700%、または約250%~約400%の範囲である。基材を組成物で含浸させるための技術はよく知られており、全てを、本発明において適用できる。一般に、含浸組成物は、加熱され、浸漬、コーティング、噴霧、などを含む1つ以上の技術により基材に付加される。
【0077】
本発明による下記の実施例は、例として提供され、制限する性質を有しない。名称は、化学名またはINCI名である。量はその中では、別記されない限り、重量%として与えられる。
【0078】
実施例
実施例1:原料
【表1】
【0079】
実施例2:発明組成物:
発明の組成物および物品の様々な代表的な実施形態を、本明細書において例示する。場合によっては、組成物は「液汁」と呼ばれる。液汁形態(基材に染み込ませていない)の発明組成物は、識別番号(例えば、「発明組成物1」または「INV 1」)で指定され;物品形態の発明組成物(基材に染み込ませている)は、識別英数字で指定される(例えば、「発明組成物1A」または「INV 1A」(生分解性リヨセル不織布に染み込ませた液汁);「発明組成物1B」または「INV 1B」(合成不織基材に染み込ませた液汁))。
【表2】
【0080】
実施例3:発明の調製手順:
液汁処方物の調製:1.室温でポリマー増粘剤を水に徐々に添加することにより相Aを調製し、均一で塊またはゲル体がなくなるまで、Cowlesブレードを有するオーバーヘッドプロペラミキサを用いてよく混合する(500-800rpmで20-30分間)。2.撹拌子を用いてB材料成分を混合することにより相B(水相)を調製し、全ての固体が溶解し、濁っているが、均一で無色の液体が得られるまで、55-60℃に加熱する。加熱を、止める。3.BをAに添加し、よく混合する。4.水酸化ナトリウムを水中で混合することによりpH調整剤を調製し(相C)、ABに添加する。よく混合する。5.D(油相)、E(界面活性剤)およびF(芳香剤)を、ABC(800rpm)に一度に1材料成分、またはビーカー中で予混合して添加する。6.室温でよく混合し、バッチを滴下する。仕様を取る(pH、粘度)。
【0081】
メイクアップ除去ワイプの調製:選択した不織基材を、1:4(基材:液汁処方物)の重量パーセント比様式で液汁製剤に均一に浸す。ウェット基材を、所望の形状に折り畳み、折り畳んだウェットワイプを積み重ね、使いやすさのために好適なパッケージに詰める。
【表3】
【0082】
実施例4:比較組成物
【表4】
【表5】
【0083】
実施例5:専門家評価:頑固なメイクアップおよびマスカラ除去における発明組成物対比較組成物の有効性の証明
研究を、固体基材内に注入された一般に同様の成分を有する市販のメイクアップ除去ウェットワイプ(比較組成物)と比較した発明の組成物の有効性を評価するために実施した。研究において、液汁組成物を含浸させたワイプ基材を、熟練した/専門のエステティシャンにより使用して、濃いフェースメイクアップ(Maybelline(商標)Super Stay Full Coverage Foundation)、およびマスカラ(Maybelline(商標)Colossal Big Shot Waterproof Mascara)を除去した。クレンジングワイプを、液体クリーニング組成物をワイプ基材に、特定の重量パーセンテージ比、典型的に4:1(液汁:基材)で、浸漬することにより調製した。メイクアップ除去効力を、エステティシャンが頑固なメイクアップ製品を六(6)人のコーカサス人女性に適用するプロトコルに従うことにより決定した。30分後に、エステティシャンは、試験製品(発明および比較)を用いてメイクアップを除去し、除去の程度を、最大6個の化粧綿について1つの化粧綿上に2mLの、Lancome(商標)Bi-Facil(商標)メイクアップリムーバー(2相メイクアップ除去製品)を用いることにより除去した、残留メイクアップの量により評価した。試験処方物のメイクアップ除去効力が高いほど、除去するためのBi-Facil(商標)を有する化粧綿が少なくてすみ、なぜなら残留メイクアップがより少ないからである。メイクアップ除去効力データを、2Dグラフを用いてプロットし、図1として示す;図1で示されるデータを、表6に表す。
【表6】
【0084】
試験した発明組成物はどちらも、ファンデーションおよびマスカラ除去において、比較組成物の各々と比べてより効率的であり、どちらの発明組成物も、審美的に許容される結果を提供した。
【0085】
実施例6:消費者が選択したメイクアップおよびマスカラの除去における発明組成物対比較組成物1(Neutrogena(商標))の有効性の証明;在宅使用者評価
研究を、メイクアップ除去ワイプとして市販された比較組成物(比較1)と比較して、注入されたワイプ物品として提供される代表的な発明組成物の有効性を評価するために実施した。
【0086】
下記の判断基準を満たす消費者が、試験に参加する契約をした:
年齢18-55の女性;ファンデーション(頑固または標準的)およびマスカラ(ウォータープルーフまたは標準的)を1週間あたり3日超の間つけ;Neutrogena(商標)Ultra Softメイクアップ除去ワイプ(青色パック)を1週間に少なくとも1回使用する。
【0087】
実施例6A:消費者が選択したメイクアップおよびマスカラの除去における発明組成物対比較組成物1(Neutrogena(商標))の有効性の証明;在宅使用者評価
3群の参加者(各群に60人の女性)が、1週間の期間にわたり発明Ex1B、発明Ex2B、または比較1から選択される試験製品を使用し、1週の使用の後、オンライン調査に参加した。発明の組成物の一般に匹敵するまたは優れた性能を示す結果を、表7に示す。
【表7】
【0088】
実施例6B:消費者が選択したメイクアップおよびマスカラの除去における異なる基材上の発明組成物対比較組成物1(Neutrogena(商標))の有効性の証明;在宅使用者評価
3群の参加者が、3週間の期間にわたって発明Ex1A(リヨセル基材)-62名参加者/被験者、発明Ex1B(PET/ビスコース/PP基材)-61名参加被験者、または比較1-54名参加被験者から選択される試験製品を使用し、第1週の使用後に、オンライン調査に参加した。発明の組成物の一般に匹敵するまたは優れた性能を示す結果を、表8に示す。驚いたことに、発明Ex1A(リヨセル基材)は、発明Ex1B(PET/ビスコース/PP基材)よりも、良好なメイクアップ除去効力および良好な皮膚感触を示し、リヨセル基材を用いた場合の優れた性能を示す。
【表8】
【表9】
【0089】
本開示について、好ましい実施形態を参照して記載してきたが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な変更が可能であり、等価物がその要素の代わりに置換され得ることが理解されるであろう。加えて、特定の状況または材料を、その必須範囲から逸脱せずに本開示の教示に適合させるために、多くの改変が可能であり得る。よって、本開示は、この開示を実施するために企図された最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本開示は添付の特許請求の範囲の範囲内に包含される全ての実施形態を含むことが意図される。
【0090】
「1つの(a、an)」という冠詞は本明細書では、明細書および特許請求の範囲において記載される本開示の実施形態における任意の特徴に適用される場合、1つ以上を意味する。「1つの(a、an)」の使用は、そのような制限が特定的に述べられない限り、意味を単一の特徴に制限しない。単数または複数名詞または名詞句に先行する「その(the)」という冠詞は、特別に特定された1つまたは複数の特徴を示し、それが使用される文脈によって、単数または複数の意味合いを有し得る。「任意の(any)」という形容詞は、どんな量であっても無差別に1つ、いくつか、または全てを意味する。
【0091】
「少なくとも1つの」は本明細書では、1つ以上を意味し、よって個々の成分ならびに混合物/組み合わせを含む。
【0092】
「含む」、「から本質的に構成される」および「から構成される」という移行用語は、添付の特許請求の範囲において、原形態および補正形態で使用される場合、どの列挙されていない追加の請求要素または工程(存在すれば)が請求の範囲(複数可)から排除されるかに関し特許請求の範囲を規定する。「含む」という用語は、包括的、または制限なしであることが意図され、いずれの追加の、列挙されていない要素、方法、工程または材料も排除しない。「から構成される」という用語は、特許請求の範囲において特定されたもの以外の全ての要素、工程または材料を排除し、後者の場合、不純物は通常、特定材料(複数可)と関連する。「から本質的に構成される」という用語は、特許請求の範囲を特定された要素、工程または材料(複数可)、ならびに、特許請求される開示の基本特性および新規特性(複数可)に実質的に影響しないものに制限する。本開示を具体化する、本明細書で記載される全ての材料および方法は、別の実施形態では、「含む」、「から本質的に構成される」および「から構成される」という移行用語のいずれかにより、より特定的に規定できる。
【0093】
「含まない」および「欠く」という用語は、確実に測定可能な排除される材料が組成物中に存在しない、典型的には組成物の総重量に基づき0重量%であることを示す。「本質的に含まない」という用語は、排除される材料が組成物中に存在しないことが好ましいが、発明の組成物中に非常に少量の排除される材料が存在することは可能であり、ただし、これらの量が組成物の有利な特性に実質的に影響しないことを条件とすることを意味する。特に、「本質的に含まない」は、排除される材料が、組成物の総重量に基づき、約0.1重量%未満の量で組成物中に存在してよいことを意味する。
【0094】
動作例における場合、または、別段の指示がある場合以外では、材料成分の量および/または反応条件を表す全ての数値は、全ての場合において「約」という用語により修飾されるものとして理解されるべきであり、示された数値の10%以内を意味する(例えば「約10%」は、9%-11%を意味し、「約2%」は、1.8%-2.2%を意味する)。
【0095】
全てのパーセンテージおよび比は、別記されない限り重量で計算される。全てのパーセンテージは、別記されない限り総組成物に基づき計算される。一般に、本明細書で明示的に別記されない限り、材料成分のパーセント量に関して本明細書で使用される「重量」または「量」は、材料成分を含む原料の量を示し、原料は、100%未満の、および最大100%の材料成分の活性を含むと、本明細書で記載され得る。よって、組成物中の活性物質の重量パーセントは、使用される活性物質を含む原料の量として表され、活性物質の最終パーセンテージを反映しても、しなくてもよく、活性物質の最終パーセンテージは、原料中の活性物質の重量パーセントに依存する。
【0096】
本明細書で与えられる全ての範囲および量は、任意の開示された点を終点として使用する部分的範囲および量を含むことが意図される。よって、「1%~10%、例えば2%~8%、例えば3%~5%」の範囲は、「1%~8%」、「1%~5%」、「2%~10%」などの範囲を包含することが意図される。全ての数値、量、範囲、などは、そのように明示的に述べられているかどうかに関係なく、「約」という用語により修飾されることが意図される。同様に、「約1%~10%」の与えられた範囲は、1%および10%の終点両方を修飾する「約」という用語を有することが意図される。さらに、成分の量が与えられた場合、別に特定的に記載されない限り、活性材料の量を表すと意図されることが理解される。
【0097】
本開示の広い範囲を明記する数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、別記されない限り具体例で明記された数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それらの個々の試験測定において見出される標準偏差に必然的に起因するある一定の誤差を本質的に含む。後に続く例は、本開示の実施形態を説明するように機能するが、しかしながら、本質的には制限的でない。
【0098】
この明細書において引用される全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が、参照により組み込まれると特定的にかつ個々に示されたかのように、参照により、いずれかのおよび全ての目的のために、本明細書に組み込まれる。本開示と参照により本明細書に組み込まれるいずれかの刊行物または特許出願との間に矛盾がある場合には、本開示が規制する。
図1
【国際調査報告】