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特表2022-533341歩行ブーツ、チェイフアセンブリ、押しボタン解放弁のための保護リム、および関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(54)【発明の名称】歩行ブーツ、チェイフアセンブリ、押しボタン解放弁のための保護リム、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/052 20060101AFI20220714BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
A61F5/052
A61F5/01 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567915
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2020031314
(87)【国際公開番号】W WO2020231663
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】62/847,175
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/885,690
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/894,362
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515258365
【氏名又は名称】ディージェーオー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ジュントーリ,デイビッド エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヘルド,リャン
(72)【発明者】
【氏名】クロック,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ムラリー,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ドティー,アレクシス
(72)【発明者】
【氏名】ベハラノ,ロバート
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA01
4C098BB11
4C098BB16
4C098BC13
4C098BC18
4C098BC42
4C098BC43
4C098BD13
(57)【要約】
歩行用装具(100、200、3100、3200、3300)が提供される。歩行用装具は、手で曲げられた形状を保持するように構成されたU字形可鍛ステイ(215、3115、3215、3315)を含む。歩行用装具は、一体部分を含む。一体部分は、中敷き(260、3160、3260、3360)と、中敷きの第1の側面に配置された第1の直立部と、中敷きの第2の側面(260、3160、3260、3360)に配置された第2の直立部(110、210、3110、3210、3310)とを含む。一体部分は、U字形可鍛ステイ(215、3115、3215、3315)が中敷き(260、3160、3260、3360)、第1の直立部および第2の直立部(110、210、3110、3210、3310)の各々を通って延びるように、U字形可鍛ステイ(215、3115、3215、3315)の上にオーバーモールドされる。他の歩行用装具が提供されており、一体部分は、U字形可鍛ステイ(215、3115、3215、3315)が中敷き(260、3160、3260、3360)、第1の直立部および第2の直立部(110、210、3110、3210、3310)の各々を通って延びるように、一体部分の下側でU字形可鍛ステイ(215、3115、3215、3315)を受け入れるように構成されたポケットを含む。歩行用装具を製造する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行用装具であって、
手で曲げられた形状を保持するように構成されたU字形可鍛ステイと、
中敷きと、前記中敷きの第1の側面に配置された第1の直立部と、前記中敷きの第2の側面に配置された第2の直立部とを備える一体部分であって、前記U字形可鍛ステイが前記中敷き、前記第1の直立部、および前記第2の直立部の各々を通って延びるように、前記U字形可鍛ステイの上にオーバーモールドされた一体部分と、
を備える歩行用装具。
【請求項2】
前記U字形可鍛ステイが金属製である、請求項1に記載の歩行用装具。
【請求項3】
前記U字形可鍛ステイがアルミニウムを含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項4】
前記U字形可鍛ステイが半剛性プラスチックを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項5】
前記U字形可鍛ステイが、前記中敷きにてそれらの間に間隙を有する一対の隣接して配置されたL字形可鍛ステイを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項6】
前記第1の直立部の頂部にスナップ留めするように構成された第1の直立延長部と、
前記第2の直立部の頂部にスナップ留めするように構成された第2の直立延長部であって、前記U字形可鍛ステイの第1の末端が前記第1の直立延長部の第1のポケットに挿入するように構成され、前記U字形可鍛ステイの第2の末端が前記第2の直立延長部の第2のポケットに挿入するように構成された第2の直立延長部と、
をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項7】
前記第1および第2の直立延長部の各々が、前記延長部の内向きの表面および前記延長部の外向きの表面のうちの少なくとも一方に配置された第1スロット、第2スロット、および面ファスナを備え、少なくとも1つのストラップが、前記第1および第2スロットを通過し、前記面ファスナに固定されるように構成されている、請求項6に記載の歩行用装具。
【請求項8】
前記面ファスナは、前記第1および第2の直立延長部に成形される、請求項7に記載の歩行用装具。
【請求項9】
前記第1および第2の直立部がそれぞれ、前記直立部の上部から前記直立部の下部まである角度で後方に延びる後部ガセットを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項10】
トウカバーと、
前記トウカバーに取り付けられ、前記歩行用装具のストラップまたはライナの少なくとも一方に結合するように構成された第1のトウカバーストラップ、および
前記トウカバーに取り付けられ、前記歩行用装具のインソールまたは前記ライナの少なくとも一方に結合するように構成された第2のトウカバーストラップ
の少なくとも一方と、
をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項11】
インソールをさらに備え、前記インソールが、複数の隆起部と、前記複数の隆起部の間に配置された複数の空気チャネルとを備え、使用者の足によって前記インソールに加えられる力が、前記複数の隆起部および前記複数の空気チャネルを変形させ、それによって空気を前記インソールに押し通す、請求項1から10のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項12】
インソールをさらに備え、前記インソールが、取り外されたときに前記歩行用装具の使用者の足の低部アキレス領域へのアクセスをもたらす取り外し可能なアキレス踵部を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項13】
アンダーブーツソールの少なくともいくつかの他の部分と比較して、より厚い厚さおよび増大した耐衝撃性を有するヒールストライク領域を備えるアンダーブーツソールをさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項14】
ライナをさらに備え、前記ライナは、
流体ポンプと、
解放弁と、
前記ライナの内部に配置され、前記流体ポンプおよび前記解放弁と流体連通する少なくとも1つの膨張可能キャビティであって、前記流体ポンプは、前記歩行用装具の使用者が、前記ライナの外側にある自分の親指と、前記ライナの内側にある同じ手の別の指との間で前記流体ポンプを挟み、それによって前記少なくとも1つの膨張可能キャビティの膨張を調整するのに、前記ライナの頂端の十分近くに配置される、膨張可能キャビティと、
を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項15】
前記解放弁が、解放ボタンと、前記解放ボタンの外面よりも遠くに延びる縁部を有し、それによって前記解放ボタンを偶発的な押圧から保護する保護リムとを備える、請求項14に記載の歩行用装具。
【請求項16】
前記歩行用装具の少なくとも一部に配置された複数の開口と、
複数の回転可能なチェイフアセンブリであって、それぞれが、
チェイフであって、
ストラップを受け入れるためのスロットを有するヘッドと、
ロック端部と、
前記ヘッドを前記ロック端部に結合するネックであって、前記ヘッドから前記ロック端部に向かって狭まり、それによって前記ストラップによって及ぼされる張力の方向に前記ネックが屈曲して延びることを可能にする、ネックと
を備えるチェイフと、
チェイフロックであって、
キャップと、
前記キャップの下に配置され、前記チェイフの前記ロック端部を受け入れるように構成されたスロットと、
前記チェイフロックを前記複数の開口のそれぞれ1つに、また前記チェイフの前記ロック端部を前記チェイフロックの前記スロットに回転可能に固定するように構成された複数のスナップクリップと、
を備える、チェイフロックと、
を備える、チェイフアセンブリと、
をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項17】
前記チェイフの前記ロック端部が、実質的に卵形または楕円形の断面を有する実質的に円筒形の特徴である、請求項16に記載の歩行用装具。
【請求項18】
前記チェイフロックの前記キャップは、前記複数の開口のうちの前記それぞれ1つの少なくとも近位部分に直接接触するように構成され、前記スナップクリップは、前記複数の開口のうちの前記それぞれ1つの裏側の周りにスナップ留めするように構成される、請求項16または17のいずれか一項に記載の歩行用装具。
【請求項19】
歩行用装具であって、
手で曲げられた形状を保持するように構成されたU字形可鍛ステイと、
中敷きと、前記中敷きの第1の側面に配置された第1の直立部と、前記中敷きの第2の側面に配置された第2の直立部と、前記U字形可鍛ステイが前記中敷きの下方で、前記第1の直立部および前記第2の直立部の各々を通って延びるように、前記U字形可鍛ステイを前記一体部分の下側で受け入れるように構成されたポケットとを備える一体部分と、
を備える歩行用装具。
【請求項20】
歩行用装具を製造する方法であって、
手で曲げられた形状を保持するように構成されたU字形可鍛ステイを設けるステップと、
中敷きと、前記中敷きの第1の側面に配置された第1の直立部と、前記中敷きの第2の側面に配置された第2の直立部とを形成し、前記U字形可鍛ステイが前記中敷き、前記第1の直立部、および前記第2の直立部の各々を通って延びるようにする、前記U字形可鍛ステイのまわりに前記歩行用装具の一体部分をオーバーモールドするステップと、
を含む方法。
【請求項21】
前記U字形可鍛ステイが金属製である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記U字形可鍛ステイがアルミニウムを含む、請求項20または21の一項に記載の方法。
【請求項23】
前記U字形可鍛ステイが半剛性プラスチックを含む、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記U字形可鍛ステイが、前記中敷きにてそれらの間に間隙を有する一対の隣接して配置されたL字形可鍛ステイを備える、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の直立部の頂部にスナップ留めするように構成された第1の直立延長部を設けるステップと、
前記第2の直立部の頂部にスナップ留めするように構成された第2の直立延長部であって、前記U字形可鍛ステイの第1の末端が前記第1の直立延長部の第1のポケットに挿入するように構成され、前記U字形可鍛ステイの第2の末端が前記第2の直立延長部の第2のポケットに挿入するように構成された第2の直立延長部を設けるステップと、
をさらに備える、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記延長部の内向きの表面および前記延長部の外向きの表面のうちの少なくとも一方に面ファスナを配置するステップであって、前記第1および第2の直立延長部の各々は、第1スロットおよび第2スロットをさらに備える、配置するステップと、
前記第1および第2スロットを通過し、前記面ファスナに固定されるように構成された少なくとも1つのストラップを設けるステップと、
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記面ファスナは、前記第1および第2の直立延長部に成形される、請求項25または26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1および第2の直立部がそれぞれ、前記直立部の上部から前記直立部の下部まである角度で後方に延びる後部ガセットを備える、請求項20から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
トウカバーを設けるステップと、
前記歩行用装具のストラップまたはライナの少なくとも一方に結合するように構成された、前記トウカバーへの第1のトウカバーストラップ、および
前記歩行用装具のインソールまたは前記ライナの少なくとも一方に結合するように構成された、前記トウカバーへの第2のトウカバーストラップ
のうちの少なくとも1つを取り付けるステップと、
をさらに含む、請求項20から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
複数の隆起部と、前記複数の隆起部の間に配置された複数の空気チャネルとを備えるインソールを設けるステップであって、使用者の足によって前記インソールに加えられる力が、前記複数の隆起部および前記複数の空気チャネルを変形させ、それによって空気を前記インソールに押し通す、設けるステップをさらに含む、請求項20から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
取り外されたときに前記歩行用装具の使用者の足の低部アキレス領域へのアクセスをもたらす取り外し可能なアキレス踵部を備えるインソールを設けること、をさらに含む、請求項20から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
アンダーブーツソールの少なくともいくつかの他の部分と比較して、より厚い厚さおよび増加した耐衝撃性を有するヒールストライク領域を備える前記アンダーブーツソールを形成するステップをさらに含む、請求項20から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
流体ポンプ、
解放弁、
前記ライナの内部に配置され、前記流体ポンプおよび前記解放弁と流体連通する少なくとも1つの膨張可能キャビティであって、前記流体ポンプは、前記歩行用装具の使用者が、前記ライナの外側にある自分の親指と、前記ライナの内側にある同じ手の別の指との間で前記流体ポンプを挟み、それによって前記少なくとも1つの膨張可能キャビティの膨張を調整するのに、前記ライナの頂端の十分近くに配置される、膨張可能キャビティ
を備える、ライナを設けるステップ
をさらに含む、請求項20から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記解放弁が、解放ボタンと、前記解放ボタンの外面よりも遠くに延びる縁部を有し、それによって前記解放ボタンを偶発的な押圧から保護する保護リムとを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記歩行用装具の少なくとも一部の複数の開口を形成するステップ、および
複数の回転可能なチェイフアセンブリであって、それぞれが、
チェイフであって、
ストラップを受け入れるためのスロットを有するヘッドと、
ロック端部と、
前記ヘッドを前記ロック端部に結合するネックであって、前記ヘッドから前記ロック端部に向かって狭まり、それによって前記ストラップによって及ぼされる張力の方向に前記ネックが屈曲して延びることを可能にする、ネックと
を備えるチェイフ、および
チェイフロックであって、
キャップと、
前記キャップの下に配置され、前記チェイフの前記ロック端部を受け入れるように構成されたスロットと、
前記チェイフロックを前記複数の開口のそれぞれ1つに、また前記チェイフの前記ロック端部を前記チェイフロックの前記スロットに回転可能に固定するように構成された複数のスナップクリップと
を備える、チェイフロック
を備える、チェイフアセンブリを設けるステップ
をさらに含む、請求項20から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記チェイフの前記ロック端部が、実質的に卵形または楕円形の断面を有する実質的に円筒形の特徴である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記チェイフロックの前記キャップは、前記複数の開口のうちの前記それぞれ1つの少なくとも近位部分に直接接触するように構成され、前記スナップクリップは、前記複数の開口のうちの前記それぞれ1つの裏側の周りにスナップ留めするように構成される、請求項35または36のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
整形外科用装置の分野において、本発明は、改良された歩行用装具、そのような歩行用装具の直立部分に固定されるように構成可能な改良された回転可能なチェイフ(chafe)、および/またはそのような歩行用装具の少なくとも一部を膨張させるための保護リムおよび押しボタン解放弁、ならびにそれらのいずれかを使用および/または製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行ブーツは、一般に、下腿および足をそのような装置に固定するために何らかのタイプのストラップを使用する。ブーツ自体への一般的なストラップの取り付けは、ブーツの縁部のスロット、および/またはブーツ直立部を含むことができ、それにおいてストラップがチェイフ上のリベットを通過することができ、これは通常はプラスチックで、ブーツの縁部、一般的には回転を許容しないスロットで、特徴にスナップ留めする手段を有する。回転するそのようなストラップの取り付けは、ストラップが解剖学的構造上に容易に締め付けられることを可能にしない。チェイフは、曲がったり、回転したり、ヒンジで動いたり、かつ/または屈曲したりしないため、細い脚をそのような歩行ブーツに適切にしっかりと締め付けることができない。
【0003】
したがって、耐久性があり、カスタマイズ可能であり、包帯などの余分なバルクに対応することができる改良された歩行ブーツが必要とされている。さらに、そのような歩行用装具の少なくとも一部を膨張させるための改良された押しボタン解放弁が必要とされている。さらに、歩行用装具の直立部分に固定されるように構成可能な、改良された回転可能な、可撓性の、ヒンジで動く、かつ/または屈曲可能なチェイフが必要とされている。
【0004】
この背景技術は、特許請求される主題の範囲を決定するのを助けることを意図するものではなく、特許請求される主題を上で提示された欠点または問題のいずれかまたはすべてを解決する実装形態に限定するものと見なされるものでもないことに留意されたい。この背景技術のセクションにおける任意の技術、文書、または参考文献の議論は、記載された材料が本明細書で特許請求される主題のいずれかに対する先行技術であることの承認として解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態によれば、歩行用装具が提供される。装具は、手で曲げられた形状を保持するように構成されたU字形可鍛ステイ(a U-shaped malleable stay)を含む。装具は一体部分を含む。一体部分は、中敷きと、中敷きの第1の側面に配置された第1の直立部と、中敷きの第2の側面に配置された第2の直立部とを含む。一体部分は、U字形可鍛ステイが中敷き、第1の直立部および第2の直立部の各々を通って延びるように、U字形可鍛ステイの上にオーバーモールドされる。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、歩行用装具が提供される。装具は、手で曲げられた形状を保持するように構成されたU字形可鍛ステイを含む。装具は一体部分を含む。一体部分は、中敷きと、中敷きの第1の側面に配置された第1の直立部と、中敷きの第2の側面に配置された第2の直立部と、U字形可鍛ステイが中敷きの下方で、第1の直立部および第2の直立部の各々を通って延びるように、U字形可鍛ステイを一体部分の下側で受け入れるように構成されたポケットとを備える。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、歩行用装具を製造する方法が提供される。本方法は、手で曲げられた形状を保持するように構成されたU字形可鍛ステイを設けるステップを含む。方法は、中敷きと、中敷きの第1の側面に配置された第1の直立部と、中敷きの第2の側面に配置された第2の直立部とを形成し、U字形可鍛ステイが中敷き、第1の直立部、および第2の直立部の各々を通って延びるようにする、U字形可鍛ステイのまわりに歩行用装具の一体部分をオーバーモールドするステップを含む。
【0008】
本技術の様々な構成が本開示から当業者に明らかになり、本技術の様々な構成が例示として示され説明されることが理解される。理解されるように、本技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本技術の範囲から逸脱することなく、他の様々な点で修正が可能である。したがって、概要、図面および詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定するものではないと見なされるべきである。
【0009】
様々な実施形態は、有利な特徴を強調することに重点を置いて、以下に説明する図面と併せて詳細に説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的としており、そこに描写され得るいかなるスケールも、開示される技術の範囲を限定するものではない。これらの図面は以下の図を含み、それにおいて同様の符号は同様の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、いくつかの例示的な実施形態による歩行用装具を示す。
【0011】
図2図2は、いくつかの例示的な実施形態による歩行用装具の斜視図を示す。
【0012】
図3A-B】図3Aは、いくつかの例示的な実施形態による、短い歩行用装具の側面図を示す。
【0013】
図3Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図3Aの歩行用装具と比較して背の高い歩行用装具の側面図を示す。
図3C-D】図3Cは、いくつかの実施形態による、図3Bの切断線A-A’に沿った装具200の切欠図を示し、対して図3Dは、点線の矩形のボックスによって囲まれた図3Cの部分の拡大図を示す。
【0014】
図4A-B】図4Aは、いくつかの実施形態による、背の高い歩行用装具の実施形態の、より背の高い直立延長部の正面図、側面図、および背面図を示す。
【0015】
図4Bは、いくつかの実施形態による、相対的に短い歩行用装具の実施形態の、相対的に短い直立延長部の正面図、側面図、および背面図を示す。
【0016】
図4C図4Cは、いくつかの例示的な実施形態による、直立延長部に成形された締結具を示す。
【0017】
図4D図4Dは、いくつかの例示的な実施形態による、ライナを図4Cの直立延長部に直接固定する図4Cの締結具を示す。
【0018】
図5図5は、いくつかの例示的な実施形態による、単一の内部U字形金属ステイを利用する装具の直立部の少なくとも一部の斜視切欠図を示す。
【0019】
図6図6は、いくつかの例示的な実施形態による、装具の直立部の内部で同様に利用するための代替的な鏡像のL字形金属ステイの対の斜視図を示す。
【0020】
図7A-B】図7A-Bは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の予め成形された部分に金属ステイを設置するための例を示す。
図7C図7Cは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の予め成形された部分に金属ステイを設置するための例を示す。
【0021】
図8図8は、いくつかの実施形態による、歩行用装具の直立部に追加の前方の支持を設けるためのガセット(gusset)の斜視図を示す。
【0022】
図9図9は、いくつかの実施形態による、図8のガセットの側面図を示す。
【0023】
図10図10は、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具用のトウカバーの拡大斜視図を示す。
【0024】
図11図11は、いくつかの例示的な実施形態による、図10のトウカバーの拡大斜視切欠図を示す。
【0025】
図12A-B】図12Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具用の成形されたインソールの少なくとも一部の斜視図を示す。
【0026】
図12Bは、いくつかの実施形態による、踵の形状に折り畳まれた図12Aの成形されたインソールの斜視図を示す。
【0027】
図13A-B】図13Aは、いくつかの実施形態による、圧力がほとんどまたは全く加えられていないときの図12Aの成形されたインソールの拡大側面図を示す。
【0028】
図13Bは、いくつかの実施形態による、かなりの圧力が加えられたときの図12Aの成形されたインソールの拡大側面図を示す。
【0029】
図14A-B】図14Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の少なくとも一部の中に配置された成形されたインソールの正面図を示す。
【0030】
図14Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図14Aの成形されたインソールの斜視図を示す。
【0031】
図15A-D】図15Aは、いくつかの例示的な実施形態による、成形されたインソールを歩行用装具に設置するための例を示す。図15Bは、いくつかの例示的な実施形態による、成形されたインソールを歩行用装具に設置するための例を示す。図15Cは、いくつかの例示的な実施形態による、成形されたインソールを歩行用装具に設置するための例を示す。図15Dは、いくつかの例示的な実施形態による、成形されたインソールを歩行用装具に設置するための例を示す。
【0032】
図16A-B】図16Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具のアンダーソールの摩耗パターンおよび衝撃損傷を示す。図16Bは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具のアンダーソールの摩耗パターンおよび衝撃の損傷を示す。
【0033】
図17図17は、いくつかの例示的な実施形態による、アンダーソールのヒールストライク部分に強化された衝撃領域を有するアンダーソールの斜視図を示す。
【0034】
図18A-B】図18Aは、いくつかの例示的な実施形態による、ポンプおよび解放弁を含む歩行用装具のライナの一部の斜視図を示す。
【0035】
図18Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図18Bのライナの断面図を示す。
【0036】
図19A-B】図19Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の内部に配置されたライナの斜視図を示す。
【0037】
図19Bは、図19Aの点線の矩形のボックス内のライナおよび歩行用装具の一部の拡大図を示す。
【0038】
図20A図20Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具用ライナの概略図を示す。
【0039】
図20B図20Bは、図20Aのライナのいくつかの斜視図および正面概略図を示す。
【0040】
図21図21は、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具用ライナの内部に配置されたポンプおよび解放弁の斜視図を示す。
【0041】
図22図22は、図21の解放弁の斜視図を示す。
【0042】
図23A-C】図23Aは、図21の解放弁の側面の概略図を示す。
【0043】
図23Bは、図21の解放弁を図23Aの「B」で示される方向から見た別の側面の概略図を示す。
【0044】
図23Cは、図23AのC-C’で示される切断線に沿って見た図21の解放弁の断面の概略図を示す。
【0045】
図24図24は、従来のチェイフを示す。
【0046】
図25図25は、いくつかの例示的な実施形態による、複数のチェイフアセンブリを含む歩行用装具を示す。
【0047】
図26A-D】図26Aは、いくつかの例示的な実施形態による、可撓性の回転可能なチェイフの側面図を示す。
【0048】
図26Bは、図26Aの視点D-D’からの図26Aのチェイフの上面図を示す。
【0049】
図26Cは、図26Bと比べて反対の視点からの図26Aのチェイフの底面図を示す。
【0050】
図26Dは、図26Cの切断線E-E’に沿った図26Aのチェイフの断面図を示す。
【0051】
図27A-C】図27Aは、いくつかの例示的な実施形態による、チェイフロックの斜視図を示す。
【0052】
図27Bは、図27Aのチェイフロックの底面図を示す。
【0053】
図27Cは、図27Aのチェイフロックの側面図を示す。
【0054】
図27D-E】図27Dは、図27Aのチェイフロックの上面図を示す。
【0055】
図27Eは、図27Dの切断線F-F’に沿った、図27Aのチェイフロックの断面図を示す。
【0056】
図28A-B】図28Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の開口へのチェイフの設置を示す。
【0057】
図28Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図28Aのチェイフのロック端部へのチェイフロックの設置を示す。
【0058】
図28C-D】図28Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図28Aおよび図28Bのチェイフのチェイフロックおよびロック端部の歩行用装具の開口への固定を示す。
【0059】
図28Dは、図28A図28Cに記載されるようなチェイフおよびチェイフロックを各々が備える複数のチェイフアセンブリを有する歩行用装具を示す。
【0060】
図29A-B】図29Aは、いくつかの例示的な実施形態による、図26A図26Dのチェイフの可撓性の特徴を示す。 図29Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図26A図26Dのチェイフの可撓性の特徴を示す。
【0061】
図30A図30Aは、いくつかの例示的な実施形態による、図26A図27Eのチェイフおよびチェイフロックの回転可能特徴を示す。
図30B-C】図30Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図26A図27Eのチェイフおよびチェイフロックの回転可能特徴を示す。 図30Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図26A図27Eのチェイフおよびチェイフロックの回転可能特徴を示す。
【0062】
図31A-C】図31Aは、いくつかの例示的な実施形態による、代替の歩行用装具の斜視図を示す。
【0063】
図31Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図31Aの代替の歩行用装具の側面図を示す。
【0064】
図31Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図31Aおよび図31Bの代替の歩行用装具の中敷きのプロファイルを示す。
【0065】
図32A-C】図32Aは、いくつかの例示的な実施形態による、別の代替の歩行用装具の斜視図を示す。
【0066】
図32Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図32Aの代替の歩行用装具の側面図を示す。
【0067】
図32Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図32Aおよび図32Bの代替の歩行用装具の中敷きのプロファイルを示す。
【0068】
図33A-C】図33Aは、いくつかの例示的な実施形態による、さらに別の代替の歩行用装具の斜視図を示す。
【0069】
図33Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図33Aの代替の歩行用装具の側面の切欠図を示す。
【0070】
図33Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図33Aおよび図33Bの代替の歩行用装具の中敷きのプロファイルを示す。
【0071】
図34図34は、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の1つまたは複数の後部ストラップの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下の説明および例は、開示された発明のいくつかの例示的な実施態様、実施形態、および配置を詳細に示す。当業者は、本発明の範囲に包含される本発明の多数の変形および修正があることを認識するであろう。したがって、特定の例示的な実施形態の説明は、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。
【0073】
本明細書では、比較的低いプロファイルを依然として備えながら、快適さおよび安定性のためにより広いフットベッドを有する歩行用装具(ブーツ)について説明する。自然な歩行を促進し、足底の圧力を低下させるのに役立つロッカボトムも提供される。クッション性のインナーソールおよびアウターソールは、衝撃の吸収をもたらし、歩行中、患者の快適さを促進する。本明細書に開示される歩行用装具は、他の適切な使用の中でも、下腿の疲労骨折、軟組織損傷、足および足首の安定型骨折および損傷、バニオン切除術、ならびに中足骨の骨折に関連して使用することができる。さらに、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態によれば、歩行用装具は、下腿の解剖学的構造および包帯を収容するために手で曲げることができる直立部を備える。例えば、そのような歩行用装具は、アルミニウムステイの上にオーバーモールドされた、プラスチックで有利に構成された、成形可能な直立部を含むことができる。
【0074】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による歩行用装具100を示す。歩行用装具100は、2つのアルミニウム直立部110と、複数の直立ストラップ120と、複数の下部ストラップ(アンクルストラップ122、近位ストラップ124、および遠位ストラップ126を含む)と、複数のチェイフ130と、ライナ140と、インソール150と、アンダーブーツソール170を有するブーツ160とを有するものとして示されている。本開示の残りの図は、図1の歩行用装具100にわたる1つまたは複数の進歩を図示、説明、および/または提示する。
【0075】
図2は、いくつかの例示的な実施形態による歩行用装具200の斜視図を示す。歩行用装具200は、図1の歩行用装具100にわたる前進である。歩行用装具200は、中敷き260と、装具200の両側の直立部210とを形成する連続的なプラスチック材料を備える。いくつかの実施形態では、この連続プラスチック材料は、可撓性アルミニウムステイ215の上にオーバーモールドされる。このようなワンピースの連続的なプラスチックのオーバーモールドは、成形可能なアルミニウム直立バーを剛性プラスチックのブーツの中敷きに典型的にリベット留めする必要性を排除する。
【0076】
いくつかの実施形態では、金属ステイ215は、その曲げられた形態を保持するように構成された単一のU字形のアルミニウムステイを含む。このような実施形態では、金属ステイ215は、左から右に連続している。いくつかの実施形態では、そのような「U」字形のアルミニウムステイは、製造および/または組み立て時に、ブーツ中敷き260にインサート成形することができる。いくつかの代替的な実施形態では、そのような「U」字形のステイは、図7A図7Cに関連してより詳細に示すように、ブーツ200が成形された後に設置することができる。いくつかの他の実施形態では、ステイ215は、図6に関連してより詳細に説明するように、互いに対向し、互いが実質的に鏡像のバージョンであり、互いの間に間隙を配置することができ、実質的な「U」形状を形成するように構成された、2つの「L」形状のアルミニウム片215a、215bを含むことができる。
【0077】
直立部210を曲げるため手で力を加えることにより直立部210を成形できるのは、歩行用装具200には役立つ。適用時には、装具200に加えられる歩行による力に抵抗するのに十分な剛性を有する直立部210と、下腿の包帯に対応するのに十分に曲がるおよび/または変形するのに十分に順応性がある直立部210との間でバランスをとらなければならない。金属ステイ215を中敷き260および直立部210と一体化することにより、ブーツ200の歩行による力を、直立部210および金属ステイ215のプラスチックによって共有することができる。
【0078】
交換可能な直立延長部280の高さ、長さ、および/またはサイズは、直立部210の上部に一方向スナップ留めされ、歩行用装具200の高さを少なくとも部分的に決定する。有利にも、歩行用装具200は、各々が所望の装具のサイズに応じて高さが変化する複数のそのような延長部280を含むことができる。これらのサイズは、超小(XS)、小(S)、中(M)、大(L)、および超大(XL)を含むことができ、それぞれ対応する所定の高さ、長さ、および/またはサイズに関連付けられ、および/またはそれらを有する。例えば、図3Aは、図2および図3Bに示す相対的に大きな交換可能な直立延長部280と比較して、相対的に短い交換可能な直立延長部380を利用する、歩行用装具200の短いバージョンの側面図を示す。図3Bはまた、他の特徴の中でも、図3Cおよび図3Dにおいてより詳細に金属ステイ215を示す切断面A-A’を含む。
【0079】
図2に戻ると、歩行用装具200は、使用者の下腿を装具200に固定するように構成された、少なくとも1つの直立ストラップ220を備える。直立ストラップ220は、直立延長部280、380の少なくとも一部に結合することができ、かつ/またはそれに通すことができる。例えば、少なくとも図3Aに示すように、相対的に短い直立延長部380を利用するいくつかの実施形態では、1つの直立ストラップ220のみが、相対的に短い直立延長部380の少なくとも一部に結合され、かつ/または通される。少なくとも図2および図3Bに示すように、相対的に長い直立延長部280を利用するいくつかの他の実施形態では、2つ以上の直立ストラップ220を、相対的に長い直立延長部280の少なくとも一部に結合することができ、かつ/または通すことができる。しかし、本開示はそのように限定されず、任意の数の直立ストラップ220を、本明細書に記載の任意のサイズの直立延長部と共に利用することができる。
【0080】
装具200は、複数の下部ストラップをさらに含み、例えば、使用者の足首の周りに、かつ/または使用者の足首に対して少なくとも部分的に巻き付くように構成されたアンクルストラップ222を含む。いくつかの実施形態では、複数の下部ストラップは、使用者の足の近位部分の周りに、かつ/または使用者の足の近位部分に対して少なくとも部分的に巻き付くように構成された近位足ストラップ224を含む。いくつかの実施形態では、複数の下部ストラップは、上述の近位部分に対して遠位の使用者の足の部分の周りに、かつ/または遠位の使用者の足の部分に対して少なくとも部分的に巻き付くように構成された遠位足ストラップ226を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、ストラップ222、224、226のうちの1つ以上は、複数のチェイフ230のうちのそれぞれの1つに結合するように構成され、それぞれは、それぞれのストラップの片側を装具200に回転可能にかつ/または柔軟に固定するように構成される。チェイフ230は、少なくとも図25図30Cに関連して以下により詳細に説明される。
【0082】
いくつかの実施形態では、装具200は、使用者の少なくとも一方のつま先を覆うように構成されたトウカバー229をさらに含む。図2の点線の矩形のボックスの内部にあるトウカバー229の拡大図を示す少なくとも図10および図11に関連して、トウカバー229の例を、より詳細に説明する。
【0083】
装具200は、中敷き260の上面の長さに沿って延びるように配置され構成されたインソール250をさらに備えることができる。装具200は、アンダーブーツソール270をさらに備えてもよい。アンダーブーツソール270の例は、少なくとも図16A図17に関連して、より詳細に説明される。
【0084】
装具200は、使用者の足および下腿を支持するように、かつ/またはパッドで覆うように構成された、柔らかく、吸収性で、場合によっては通気性の材料を含むライナ240をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、ライナ240は、空気ポンプ290と、圧力解放弁292と、その中に配置された1つまたは複数の気密膨張可能キャビティ(図2には図示せず)とを有し、所望の量の圧力および/または支持を、1つまたは複数の膨張可能キャビティのそれぞれに関連する使用者の足および/または下腿の1つまたは複数の物理的位置に設けることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、ライナ240および/またはその同様のバージョンの高さは、装具200の高さおよび/または直立延長部280の高さに少なくとも部分的に基づいて、依存および/または選択することができる。例えば、図3Aは、相対的に短い直立延長部380を有する装具200と共に利用されるように、第1の高さを有するものとしてライナ340を示し、一方、図3Bは、相対的に長い直立延長部280を有する装具200と共に利用されるように、第1の高さよりも高い第2の高さを有するライナ240を示す。ライナ240、空気ポンプ290、圧力解放弁292、および/または膨張可能キャビティのうちの1つまたは複数のさらなる例、態様および/または利点は、以下の少なくとも図18A図23Cに関連して、より詳細に説明される。
【0086】
ここで、直立延長部280、380のいくつかの態様についての考察に移る。図4Aおよび図4Bは、いくつかの実施形態による、ストラップ締結具420が直立延長部380、280の内向きおよび外向きの表面にそれぞれ配置される実施形態を示す。例えば、直立延長部280、380の各々は、直立延長部280、380の一方の縁部に沿って配置された第1スロット432と、直立延長部280、380の反対側の縁部に沿って配置された第2スロット434とを備えることができる。第1および第2スロット432、434の各々は、直立ストラップ220のうちの1つ以上を受けるように構成され、それにより、ストラップ220が適切な使用者の支持および/または快適性のために上および/または下に動くことを可能にする。
【0087】
さらに、直立延長部280、380のそれぞれは、少なくとも図2に関連して前述したように、ポケットの下端から金属ステイ215の端部を受け入れるように構成されたステイポケット410を含む。いくつかの実施形態では、一方向スナップ機構は、ポケット410の内部に金属ステイ215をさらに固定するために、直立延長部280、380のいずれかの下端部に、さらに企図される。金属ステイ215が直立延長部280、380の内部に続くことにより、直立延長部280、380と直立部210の下部との間の接合部が補強される。
【0088】
図4A図4Bに示すように、フック型(または、例えば相補的ループ型)締結具420は、直立延長部280、380の内向き(ライナに面する)または外向きの表面の一方または両方に配置することができる。締結具420は、ストラップ220を直立延長部280、380の定位置に保持するように構成される。いくつかの実施形態では、締結具はベルクロ(登録商標)状であってもよい。しかし、本開示はそのように限定されず、締結具420は任意の適切な種類の締結具を含むことができる。いくつかの実施形態では、締結具420は、第1および第2スロット432、434の内側の直立延長部280、380の外向きの側面の一部に配置される。いくつかの実施形態では、締結具420は、またおよび/または代替的に、第1および第2スロット432、434の外側部分を含む直立延長部280、380の内向きの側面の実質的にすべてに配置される。
【0089】
いくつかの実施形態では、例えば、図4Cおよび図4Dに示すように、締結具420は、直立延長部280、380の表面に単に配置されるのではなく、直立延長部280、380に成形することができる。そのような実施形態では、直立延長部280、380は、直立延長部280、380の内向きの側面に成形された締結具420が、第1および第2スロット432、434の上縁部と底縁部との間に延びる内向きの側面の実質的にすべてを覆うことができることを除いて、図4Aおよび図4Bに関連して実質的に説明したとおりとすることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、直立延長部280、380の内向き側に配置された締結具420は、少なくとも図4Dに示すように、ストラップ220を直立延長部280、380の定位置に保持するのを補助するだけでなく、ライナ240を直立延長部280、380に直接締結するのを補助するように構成することができる。
【0091】
図3Cおよび図3Dに戻ると、図3Cは、いくつかの実施形態による、図3Bの切断線A-A’に沿った装具200の切欠図を示し、対して図3Dは、点線の矩形のボックスによって囲まれた図3Cの部分の拡大図を示す。U字形金属ステイ215は、直立部210の内部に少なくとも部分的に配置されるものとして示されている。金属ステイ215の少なくとも末端部分は、直立部210の端部を越えて延びるように示されており、その結果、末端部分は、直立延長部280、380のポケット410の内部に滑り込んで結合するように構成される。図3Dの拡大図は、直立延長部280、380の少なくとも外向きの表面に沿って配置された、少なくとも1つの直立ストラップ220をさらに示す。
【0092】
図5および図6に移ると、図5は、いくつかの例示的な実施形態による、単一のU字形金属ステイ215を利用する直立部210の少なくとも一部の斜視の切欠図を示し、一方で図6は、直立部210内で同様に利用するための代替的な鏡像化されたL字形金属ステイ215a、215bの対の斜視図を示す。少なくとも図2に関連して前述したように、図5は単一のU字形金属ステイ215の使用を示しており、これは装具200、具体的には直立部210の少なくとも一部に埋め込まれ、または後で挿入され、U字形金属ステイ215の各端部の少なくとも端子部分が、直立部210の端部を越えて突出するようにする。単一のU字形金属ステイ215の代替として、図6は、装具200、具体的には直立部210の少なくともそれぞれの部分に埋め込まれるかまたは後で挿入されるように、またL字形金属ステイ215a、215bのそれぞれの少なくとも末端部分が直立部210の端部を越えて突出するように構成されたL字形金属ステイ215a、215bの鏡像の対の使用を示す。いくつかのそのような実施形態では、上述の端子部分とは反対側のL字形金属ステイ215a、215bの端部間に横方向間隙602が形成される。いくつかの実施形態では、U字形金属ステイ215および/またはL字形金属ステイ215a、215bの幅は、ステイの上端に向かって徐々に減少してもよい。このような漸進的な幅の減少は、場合によっては、直立部210および/または直立延長部280のプラスチック部分に及ぼされる応力の量を減少させることができる。
【0093】
図7A図7Cは、いくつかの例示的な実施形態による、単一のU字形金属ステイ215または鏡像の対のL字形金属ステイ215a、215bを装具200の少なくとも予め成形された部分に設置する方法のいくつかのステップを示す。例えば、図7Aに示すように、単一のU字形ステイ215を、少なくとも直立部210を含む装具200の予め成形された部分の下側に配置されたポケットの中にスライドさせることができる。鏡像の対のL字形金属ステイ215a、215bも、同じまたは同様の形状のポケットにスライドさせることができる。金属ステイ215または215a、215bが装具200の予め成形された部分の内部に適切に配置されると、図7Bに示すように、アンダーブーツソール270が装具200の予め成形された部分および金属ステイ215または215a、215bの下側に接着され、それにより、図7Cに示すように、金属ステイ215または215a、215bが定位置に固定される。
【0094】
図8および図9に移ると、直立部210は、横方向に形成可能であるように設計されているが、歩行の負荷を支持するために、直立部210はまた、前後方向に剛性にすべきである。所望の横方向の成形性および前方の剛性を達成するために、後部ガセット802を、各直立部210の中に、その上に、それに沿って、および/またはその一部として、成形することができる。後部ガセット802は、直立部210に前方の支持を追加する。いくつかの実施形態では、各ガセット802は、直立延長部280、380に隣接する直立部210の上部から、アンダーブーツソール270に隣接する直立部210の底部、後縁部または部分まで、ある角度で延びる。例えば、少なくとも図8および図9に示すように、ガセット802は、直立部210を有する実質的に三角形の形状または配置を形成することができる。
【0095】
上述の配置は、直立部210が使用者の適合性に見合うように必要に応じて外側の横方向に曲げられるときに、ガセット802が直立部210と共に横方向に曲がることを可能にする。しかし、歩行は、装具200に、例えば直立部210および/または直立延長部280、380に、ガセット802の延伸方向に沿って張力および/または圧縮を引き起こす力を課す。このようにして、前後方向における直立部210の適切な剛性が達成される。
【0096】
次に、図10および図11に考察を移すと、歩行用装具200の保護トウカバー229の拡大斜視図および切欠図が示されている。トウカバー229は、有利にも硬質成形プラスチックから構成される。しかし、本開示はそのように限定されず、カバー229は、ゴムを含むがこれに限定されない任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、トウカバー229は装具200から取り外し可能である。トウカバー229は、1つまたは複数のストラップ、例えばフックおよびループストラップを利用して定位置に固定することができる。第1のトウカバーストラップ1002は、トウカバー229の少なくとも頂部を遠位ストラップ226およびライナ240の一方または両方に結合することができる。第2のトウカバーストラップ1004は、トウカバー229の少なくとも前方部分をインソール250およびライナ240の下側の一方または両方に結合することができる。いくつかの実施形態では、第2のトウカバーストラップ1004なしで第1のトウカバーストラップ1002を利用することにより、トウカバー229を取り外し可能にし、遠位ストラップ226が解放されたときに遠位ストラップに追従させることができる。しかし、トウカバーは、第1および第2のトウカバーストラップ1002、1004の両方を利用して依然として取り外し可能であってもよい。第1および第2のトウカバーストラップ1002、1004の両方を利用する構成よりもわずかに安全性が低いが、そのような一方のトウカバーストラップ構成は、トウカバー229への潜在的により単純な入口および出口を設ける。
【0097】
ここで、図2のインソール205についての考察に移る。いくつかの実施形態では、インソール205は、初期および/または最終形状に射出成形、圧縮成形、または鋳造することができる。いくつかの実施形態では、インソール205は発泡体で作られる。しかし、本開示はそのように限定されず、インソール205は、任意の適切な材料、例えば、限定するものではないが、ゴム状材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、インソール205は、少なくとも図12A図13Bに関連して図示および説明したように、空気チャネルを含むことができる。
【0098】
ボディパディングに関する問題は、一般に、皮膚の隣に閉じ込められた熱である。パディングを通る穿孔は、閉じ込められた熱を逃がすのを促すことができるが、この技術は、穿孔が皮膚から周囲空気まで広がる場合にのみ機能する。直接的な通気を妨げるパディングの後ろに中実構造があると、従来のインソールは、着用者にとって暖かくなり得る。したがって、本開示の一態様は、隆起部のワッフル状パターンと、間に配置された通気チャネルとを有するインソールを備えており、従来のパディングの穿孔が装具の他の実質的に中実な部分による通気への不浸透性バリアを提示される場合であっても、チャネルに沿って通気も供給しながら、使用者の足を快適に支持することを可能にする。
【0099】
図12A図13Bは、いくつかの例示的な実施形態による歩行用装具のための成形されたインソールの少なくとも一部の様々な斜視図および側面図を示している。いくつかの実施形態では、図12A図13Bに示すインソールは、歩行用装具200のインソール205の少なくとも一部である。いくつかの実施形態では、図12Aに示すように、インソール205は、複数の空気チャネル1204によって互いに分離された複数の隆起部1202を備える、実質的に平坦な成形されたインソールである。図12Bは、使用者の踵を支持するように構成された形状に折り畳まれ、成形され、かつ/または他の様態で曲げられた、図12Aのインソール205の一部を示す。いくつかの他の実施形態では、インソール205は、その最終形状に折り畳まれるか、そうでなければ曲げられるというよりむしろ、所望の形状に直接成形することができる。
【0100】
図13Aは、いくつかの例示的な実施形態による、圧力がほとんどまたは全く加えられていない図12Aおよび図12Bのインソール205の側面図を示し、対して図13Bは、圧力がかなり加えられたインソール205の側面図を示す。図13Aに示されるように、インソール205に圧力がほとんどまたは全く加えられないとき、隆起部1202および空気チャネル1204は、それらの静止した歪みのない形状にある。しかし、インソール205にかなりの圧力を加えると、図13Bに示すように、隆起部1202および空気チャネル1204がそれらの静止した形状から歪む。使用者の足によるインソール205のこの圧縮および解放は、チャネル1204を介して空気を強制的に流し、これは、身体によって作り出された湿った高温の空気を周囲空気と交換し、それによってパッドで覆っている皮膚領域を冷却する。
【0101】
図14Aおよび図14Bは、直立部210の間で中敷き206の上にある、装具200の予め成形された部分の内部に配置された(図12A図13Bに関連して前述したような)インソール205の踵部分の正面図および斜視図をそれぞれ示している。有利にも、インソール205は、図14Aおよび図14Bの太線1402によって示される領域全体を覆うように構成される。いくつかの実施形態では、インソール205は、インソール205を所定の位置に固定するために、図示のように装具200の予め成形された部分に接着またはスナップ留めされる。
【0102】
図15A図15Dは、いくつかの例示的な実施形態による、インソール205を装具200の少なくとも予め成形された部分に設置する方法のいくつかのステップを示す。例えば、図15Aは、インソール205の側面図、上方からの斜視図、および下方からの斜視図を示す。いくつかの実施形態では、インソール205は、少なくとも図15Aおよび図15Dに示すように、使用者のアキレス腱が静止するように構成されている取り外し可能領域1502をさらに含む。図15Bに示すように、インソール205は、挿入されて、次いで、図15Cに示すように、中敷き206の少なくとも一部分に固定され、あるいは接着され得る。さらに、インソール205の取り外し可能領域1502は、包帯を収容するために、かつ/または使用者の足の低部アキレス領域にアクセスするために切り取ってもよい。
【0103】
次に、装具200のヒールストライク(heel strike)/衝撃吸収の強化についての考察に移る。使用済みブーツの典型的な摩耗パターンは、図16Aおよび図16Bの点線の矩形のボックス1602、1604に示されるソールの損傷によって示されるように、初期のヒールストライクがソールの後縁部で発生しているということを示している。したがって、そのようなヒールストライクの衝撃を低減するために、アンダーブーツソール270は衝撃吸収材を含む。いくつかの実施形態では、図16Aおよび図16Bのソール損傷領域1602、1604に対応するアンダーブーツソール270の領域に、より厚い滑り止め材料が適用される。
【0104】
例えば、図17に示すように、アンダーブーツソール270は、使用者が歩くときに床へのヒールストライクを吸収するために、アンダーブーツソール270の少なくともいくつかの他の部分よりも厚いゴム状材料を含むヒールストライク領域1702を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒールストライク領域1702は、アンダーブーツソール270の後部全体を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、ヒールストライク領域1702は、アンダーブーツソール270のそのような後部の中心に向かって周囲および所定の距離に沿って延びる部分を含むことができ、その結果、アンダーブーツソール270の後部の少なくとも中央部分は、より厚いヒールストライク領域1702に含まれない。いくつかの実施形態では、少なくともヒールストライク領域1702の表面は、滑り止め材料でテクスチャ加工および/または形成することができる。
【0105】
ここで、考察はライナ240、ポンプ290、およびライナ240およびその中に配置された少なくとも1つの膨張可能キャビティによって供給される圧力および/または支持の量を調整するための解放弁292に移る。図18Aのライナ240の斜視図および図18Bのライナ240の断面図に示すように、ライナ240は、空気ポンプ290と、圧力解放弁292と、空気ポンプ290および圧力解放弁292と流体連通する1つまたは複数の気密膨張可能キャビティ(図19Aおよび図20Aを参照)とを備えることができ、所望の調整可能な量の圧力および/または支持を、1つまたは複数の膨張可能キャビティのそれぞれに関連する使用者の足および/または下腿の1つまたは複数の物理的位置に設けることができる。
【0106】
図18Aおよび図18Bに示すように、ポンプ290および解放弁292は、ライナ240の内部に、かつライナの上縁に十分に近接して配置することができ、使用者がポンプ290および/または解放弁292をライナの外側から押すことによって、ライナ240の内部の1つまたは複数の膨張可能キャビティの膨張量を、容易かつ快適に調整することができるようにする。ポンプ290および解放弁292をライナ240の上縁に十分に近接して配置する別の利点は、使用者がライナ240の外側および内側から同時に圧力を加えることによって、ポンプのバルブを交互に挟むことができることである。ポンプ290および/または解放弁292の、そのような挟むことによる作動は、部分的に伸長したアームの長さにおいて作動が影響を受けるとき、典型的にはアームのより弱い力に頼るのではなく、手の力を利用することが作動に直接影響を及ぼすことを可能にする。対照的に、例えば、使用者の親指の全長の内側よりも、装具および/またはライナの下方のより遠くに配置されたポンプおよび/または解放弁は、そのようなポンプおよび/または解放弁のそのような代替の挟むことによる作動を可能にしない。
【0107】
図19Aは、上述したように、ライナ240を示し、ライナ240が装具200の内部に配置される少なくとも1つの膨張可能キャビティ1902をさらに示す。図19Bは、図19Aの点線の矩形のボックス部分の拡大図を提示している。図示のように、ポンプ290は、解放弁292と流体連通している。ポンプ290および解放弁292の一方または両方はまた、ライナ240の内部に配置された膨張可能キャビティ1902と流体連通している。いくつかの実施形態では、膨張可能キャビティ1902は、使用者の足の一部に当接するように構成されたライナ240の一部に配置されてもよい。しかし、本開示はそのように限定されず、任意の数の膨張可能キャビティを利用することができ、そのような膨張可能キャビティをライナ240の任意の適切な部分の内部に配置することができる。
【0108】
図20Aは、ポンプ290、解放弁292、および少なくとも1つの膨張可能キャビティ1902の例示的な向きを示すライナ240の平坦な概略図を示す。図20Bは、図20Aに示すようなライナ240の正面およびいくつかの斜視の概略図を示す。図示のように、ポンプ290は解放弁292と流体連通しており、解放弁292はチューブ2002を介して膨張可能キャビティ1902と流体連通している。図20Aでは、膨張可能キャビティ1902は、使用者の足の内側および外側、ならびに使用者の足首の少なくとも一部に当接するように構成されたライナ240の複数の部分に実質的に沿って、またその複数の部分の内部に延びるように示されているが、いくつかの実施形態ではまた、使用者の下腿の一部に当接するように構成されている。いくつかの実施形態では、膨張可能キャビティ1902は、ライナ240の内部に対称的に配置されており、ライナ240の垂直中心線の一方の側に延びる膨張可能キャビティ1902の一部が、垂直中心線の他方の側に延びる膨張可能キャビティ1902の一部の実質的な鏡像であるようにする。しかし、本開示はそのように限定されず、膨張可能キャビティ1902および/または任意の他の膨張可能キャビティは、ライナ240の任意の他の適切な部分に、任意の適切な向きで、配置することができる。
【0109】
ここで、考察は少なくとも図21図23Cに関連して、解放弁292の周囲に配置され、ライナ240の1つまたは複数の膨張可能キャビティ1902の偶発的または不用意な収縮を防止するように構成された保護リムに移る。
【0110】
歩行用装具200のライナ240の膨張可能キャビティ1902の不用意な収縮は、損傷の周囲および下方に、不快感、および場合により体液の「液溜まり」を引き起こす可能性がある。膨張可能キャビティ1902は、快適さをもたらし、そのような体液の「液溜まり」を軽減するのに役立つ。そのような膨張可能キャビティ1902は、バルブ状のハンドポンプとすることができるポンプ290を利用して手動で膨張される。空気および/または他の流体は、押しボタン作動弁を含むことができる解放弁292を利用して、膨張可能キャビティ1902から放出することができる。そのような押しボタンは、使用が容易であり、ねじりノブタイプの解放弁を使用するときに一層一般的に起こり得るように、過回転から漏れたり損傷を受けたりする可能性が低い。しかし、そのような押しボタンタイプの解放弁は、偶発的に作動しがちである。
【0111】
解放ボタンの偶発的な押し込みを防止するための最も一般的な方法は、ボタンを覆う保護キャップを設けることである。機能的ではあるが、そのような保護キャップは、解放弁にコストおよび複雑さを加える。さらに、保護キャップが破損または損傷する可能性がある。対照的に、解放弁構造の一部に作られた保護リムは、静止しており、移動も撓みもなく、容易に損傷を受けない。
【0112】
したがって、膨張可能キャビティ1902からの空気または他の流体の偶発的な放出を防止するために、解放弁292は、少なくとも図21および図23Cに示すように、小円鋸歯状のリム2102をさらに含むことができる。図22は、リム2102および解放弁292の拡大図をさらに示し、一方、図23A図23Cは、ポンプ290、解放弁292および/またはリム2102のいくつかの側面図および切欠図を示す。
【0113】
リム2102は、解放弁292のボタンのほぼ全周に沿って延びることができ、また、例えば、限定するものではないが、解放弁292のボタンの上面または外面から0.02インチ(0.5ミリメートル)上方で、解放弁292のボタンの上面または外面よりわずかに高い高さまで延びることができる。さらに、少なくとも図23Cに示すようないくつかの実施形態では、解放弁292のボタンは、実質的に凹形状を有することができ、解放弁292のボタンの中心の位置に関する触覚フィードバックをもたらす。
【0114】
ここで、考察は、装具200などの歩行用装具の1つ以上のストラップの引っ張り方向にチェイフが整列することを可能にするように構成された、チェイフおよびチェイフロック機構に移る。
【0115】
図24は、従来式のチェイフ2400の上面図を示す。チェイフ2400は、チャープ2404とも呼ばれる取り付け機構と、それに結合された金属またはプラスチックループ2402とを備えるアセンブリである。ループ2402は、ストラップまたはウェビングの固定に対応するように構成される。様々な設計のチャープまたは「キャップ」をそのようなループに取り付けることができ、典型的には、例えばベルトバックルとしてベルトに利用するために、プレートの形態で製造される。しかし、従来のチェイフ2400は、典型的には、固定を必要とするアイテムにリベット留めされ、回転したり、ヒンジで動いたり、屈曲したり、または他の方法で曲がったりするように構成されておらず、したがって、ループ2402に結合された1つまたは複数のストラップの引っ張り方向と整列するように構成されていない。したがって、このような従来のチェイフ2400は、例えば細い脚を歩行用装具、例えば歩行用装具200にしっかりと結合することができない。
【0116】
本開示は、チェイフと、チェイフのループに結合されたストラップの引っ張り方向にチェイフが整列することをともに可能にするチェイフロックとを備える代替のチェイフアセンブリを企図している。そのようなチェイフアセンブリの設置は工具を必要とせず、完全に手作業であり、一旦チェイフがそのロックに固定されると、ロックはその取り付け開口内で回転するように構成され、これにより、チェイフのヒンジ領域がねじれるのを防止する一方で、チェイフが屈曲して、チェイフのループに結合されたストラップの引っ張り方向と整列することを依然として可能にする。
【0117】
図25は、いくつかの例示的な実施形態による、装具200の1つ以上のストラップを固定するための複数の回転可能なチェイフアセンブリ2500を有する歩行用装具200を示す。チェイフアセンブリ2500は、例えば少なくとも図26A図26Dに関連してより詳細に説明するようなチェイフ2600と、例えば少なくとも図27A図27Eに関連してより詳細に説明するようなチェイフロック2700とを備える。ここで、考察は図26A図26Dに関連してチェイフ2600に移る。
【0118】
図26Aは、いくつかの例示的な実施形態による、チェイフ2600の側面図を示す。図26Bは、図26Aの視点D-D’から見たチェイフ2600の上面図を示す。図26Cは、図26Bとは反対の視点から見たチェイフ2600の底面図を示す。また、図26Dは、図26Cの切断線E-E’に沿って見たチェイフ2600の断面図を示す。いくつかの例示的な寸法が、チェイフ2600の特定の態様に関して説明されるが、本開示はまた、任意の他の適切な寸法および/または構造を有するチェイフ2600を企図する。
【0119】
チェイフ2600は、ヘッド2602と、ネック2604と、ロック端部2606とを備える。ヘッド2602は、例えば、ストラップ222、224、226のいずれかを受け入れるように構成されたスロット2608を備える。いくつかの実施形態では、スロット2608は、約1.5インチの幅wおよび約0.216インチの長さLを有する。しかし、上述したように、他の幅、例えば限定するものではなく2インチなども考えられる。いくつかの実施形態では、スロット2608の遠位壁は、ヘッド2602の上面に対して実質的に90°の角度で形成され、それらの間に約0.06インチの曲率半径rを有することができる。いくつかの実施形態では、スロット2608の遠位壁は、約0.02インチの曲率半径rでL長手方向に沿って隣接する側壁の実質的に垂直な向きに移行することができる。いくつかの実施形態では、スロット2608の近位壁は、ヘッド2602の上面に対して実質的に45°の角度で形成され、それらの間に約0.02インチの曲率半径rを有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ヘッド2602の側壁は、スロット2608とヘッド2602の横方向外側縁部との間の幅方向(w)に沿って測定して、0.23インチの厚さを有することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、ヘッド2602は、例えば0.3インチの幅w、および例えば0.04から0.05インチの厚さTに狭めることによってネック2604に移行することができる。いくつかの実施形態では、ヘッド2602からネック2604への第1の移行部は、移行部の裏側で測定した場合に、例えば0.1インチの曲率半径rに沿うことができ、ネック2604は、ヘッド2602の上面に対して例えば30°の角度でヘッド2602から離れるように延びることができる。いくつかの実施形態では、ネック2604は、約0.451インチの長さLにわたって第1の移行部から延び、次いで再び、第2の移行部の裏側で測定した場合に、例えば0.1インチの曲率半径rに沿ってネック2604からロック端部2606まで、例えば約90°さらに屈曲して移行することができる。特に曲率半径rの部分およびそれに隣接する部分におけるネック2604の相対的な薄さは、ネック2604の十分な曲げおよび/または屈曲を可能にし、チェイフ2600がスロット2608の内部に結合されたストラップによって加えられる張力の方向に実質的に延びるようにして、それによって歩行用装具200のより確実な嵌合を可能にする。
【0121】
いくつかの実施形態では、ロック端部2606は、実質的に卵形または楕円形の断面を有する実質的に円筒形の特徴を含む。いくつかのそのような実施形態では、ロック端部2606の実質的に円筒形の特徴は、例えば0.11±0.003インチの大径D、例えば0.063±0.003インチの小径Dを有することができ、例えば0.135インチの距離dだけネック2604の背面からオフセットされてもよい。したがって、実質的に円筒形の特徴は、その表面の異なる部分に沿って様々な曲率半径を有することができる。例えば、大径Dに沿って延びる部分に沿った曲率半径rは、例えば0.065インチであってもよく、小径Dに沿って延びる部分に沿った曲率半径rは、例えば0.025インチであってもよく、実質的に円筒形の特徴とネック2604との間の移行部における曲率半径rは、例えば0.01インチであってもよい。この実質的に円筒形の特徴は、図27A図27Eに関連してより詳細に説明するように、チェイフロック2700のスロットにスライドするように構成される。
【0122】
図27Aは、いくつかの例示的な実施形態による、チェイフロック2700の斜視図を示す。図27Bは、チェイフロック2700の底面図を示す。図27Cは、チェイフロック2700の側面図を示す。図27Dは、チェイフロック2700の上面図を示す。また、図27Eは、図27Dの切断線F-F’に沿って見たチェイフロック2700の断面図を示す。
【0123】
チェイフロック2700は、キャップ2702と、キャップ2702の下に配置されたスロット2704と、キャップ2702およびスロット2704の下に配置された複数のスナップクリップ2706とを備える。スロット2604は、ロック端部2606上を横方向にスライドすることによって、チェイフ2600のロック端部2606、具体的には上述の実質的に卵形または楕円形の断面を有する実質的に円筒形の特徴を受け入れるように構成され、実質的に円筒形の特徴がスロット2604の内部に固定されるようにする。キャップ2702の下側は、歩行用装具200内の開口の第1の側面に当接するように構成され、一方、複数のスナップクリップ2706は、開口の第2の側面を通って延びてその周りをスナップするように構成され、それにより、開口の内部にチェイフロック2700を固定するとともに、チェイフロック2700および取り付けられたチェイフ2600が、開口の内部で自由に回転できるようにする。いくつかの実施形態では、開口、チェイフロック2700および/またはチェイフ2600は、チェイフロック2700および取り付けられたチェイフ2600が開口内の所定の所望の回転範囲内で自由に回転するように構成され、その所定の所望の回転範囲を超えてまたはその範囲外で回転することを防止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような所望の回転範囲は、チェイフ2600が開口に対して実質的に所望の方向および/または向きに常に向くことを可能にし、使用者の利便性を高める。いくつかの例示的な寸法が、チェイフロック2700の特定の態様に関して説明されるが、本開示はまた、任意の他の適切な寸法および/または構造を有するチェイフロック2700を企図する。
【0124】
キャップ2702は、実質的に円形の形状を有することができ、例えば0.445インチの直径D、および例えば約0.09インチの厚さTを有することができる。いくつかの実施形態では、キャップ2702は、その縁部に、例えば0.639インチの主要曲率半径rおよび例えば0.03インチの副次曲率半径r10を有する凸状上面を有する。
【0125】
いくつかの実施形態では、スロット2704は、例えば0.068±0.003インチの内部深さd、例えば0.115±0.003インチの内部幅w、および例えば0.05±0.003インチの開口幅wを有する。開口幅wが内部幅wよりも狭いことにより、スロット2704は、チェイフ2600のロック端部2606を受け入れて保持することができる。いくつかの実施形態では、スロット2704の開口は、その上縁部に例えば0.008インチの曲率半径r12を有し、その下縁部に例えば0.002インチの曲率半径r13を有することができる。いくつかの実施形態では、スロット2704の側壁は、例えば0.04インチの厚さT、およびそれらの間の例えば0.028インチの曲率半径r11を有することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、複数のスナップクリップ2706は、キャップ2702の中心線を実質的に中心とする実質的に円形または円筒形の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、スナップクリップ2706は、例えば0.353±0.003インチの外円直径Dを有することができ、例えば0.02±0.003インチの距離dだけ外円直径から外側に延びる、傾斜した下縁部を有する突起をさらに備えることができる。キャップ2702の下側とこれらの突起の上側との間の距離dは、チェイフロック2700が固定されるように構成された装具200の開口の深さまたは厚さよりもわずかに大きくてもよく、例えば0.19±0.005インチであってもよい。したがって、スナップクリップ2706は、それらが装具200の開口内に押し込まれたときにわずかに撓むことを可能にするが、突起が開口の裏側を通り過ぎるとそれらの元の形状および向きにスナップバックすることを可能にするのに適した厚さを有することができ、それによって開口内にチェイフロック2700を回転可能に固定する。
【0127】
次に、図28A図28Dに関連して、歩行用装具200の開口にチェイフ2600およびチェイフロック2700を固定する例示的な方法を説明する。図28Aに示すように、チェイフ2600のロック端部2606は、歩行用装具200の開口2802を通って押される。いくつかの実施形態では、歩行用装具200の開口2802は、直立部210に配置されてもよい。図28Bに示されるように、チェイフロック2700は、開口2802を通って突出するチェイフ2600のロック端部2606の部分の上にスライドされる。具体的には、ロック端部2606の実質的に円筒形の特徴は、チェイフロック2700のスロット2704内に横方向にスライドされる。図28Cに示されるように、チェイフ2600は開口2802から引き、その結果チェイフロック2700が開口2802の内部に引き込まれて、回転可能に固定されるように戻される。具体的には、チェイフ2600のヘッド2602を開口2802から引き離すことにより、チェイフロック2700のキャップ2702の下側が開口2802の少なくとも近位部分と直接接触し、複数のスナップクリップ2706の突起が開口2802の裏側の周りの定位置にスナップ留めされ、それにより、チェイフロック2700を開口2802の内部に回転可能に固定する。図28Dは、実質的に上述したように、歩行用装具200のそれぞれの開口内に回転可能に固定されたチェイフ2600およびチェイフロック2700を各々が含む複数のチェイフアセンブリを示す。
【0128】
図29Aおよび図29Bに示すように、チェイフ2600は、様々な程度に曲がるか屈曲し、ヘッド2602に結合されたストラップによってチェイフ2600に及ぼされる張力の方向に実質的に延びるように構成される。この可撓性は、上述したように、少なくとも部分的に、チェイフ2600のネック2604の相対的な狭さによってもたらされる。
【0129】
さらに、図30A図30Cに示されるように、チェイフ2600およびチェイフロック2700は、少なくとも、チェイフ2600のロック端部2606がチェイフロック2700のスロット2704の内部に固定され、またチェイフロック2700が開口2802の内部に回転可能に固定されることにより、開口2802の内部に固定されながら回転するようにさらに構成される。具体的には、チェイフロック2700のキャップ2702の下側は、開口2802の近位縁部と直接物理的に接触しており、スナップクリップ2706の突起は、開口2802の裏側の周りの所定の位置にスナップ留めされる。さらに、チェイフ2600のロック端部2606は、少なくともスロット2704を塞ぐ開口2802の側壁が、チェイフロック2700のスロット2704から滑り落ちるのを防止している。
【0130】
前述の実施形態に対する変更も同様に企図される。歩行用装具は、3つの代替的な構成のうちの1つを使用して着用者の手足に固定されてもよい。本開示のどこかに記載されている特徴の任意の組み合わせも企図される。
【0131】
図31A図31Cは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の第1の追加的および/または代替的な構成を示す。例えば、図31Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具3100の斜視図を示す。図31Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図31Aの装具3100の側面図を示す。また、図31Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図31Aの装具3100の中敷きのプロファイルの上面図を示す。
【0132】
歩行用装具3100は、連続的なプラスチック、EVA、または中敷き3160、アウターソール3170、および半剛性の金属製またはプラスチック製のステイ3115上にオーバーモールドされた装具3100の両側の直立部3110を形成する他の適切な材料を含む。いくつかの実施形態では、アウターソール3170は滑り止めであり、EVA発泡体に形成されたトレッドパターンを含む。あるいは、滑り止めトレッドをアウターソール3170に接着することができる。このようなワンピースの連続的なプラスチックのオーバーモールドは、成形可能なアルミニウム直立バーを剛性プラスチックのブーツの中敷きに典型的にリベット留めする必要性を排除する。金属ステイ3115を中敷き3160および直立部3110と一体化することにより、ブーツ3100の歩行による力を、直立部3110および金属ステイ3115のプラスチックによって共有することができる。いくつかの実施形態では、金属ステイ/バー2115は、焼きなましたアルミニウムを含むことができる。しかし、本開示はそのように限定されず、任意の適切な金属および/または半剛性プラスチック材料も企図される。図31Aおよび図31Bに示すように、オーバーモールド材料はまた、一体型のトウカバー229および一体型のヒールカバー3102を形成し、これらの一方または両方は「バンプ」の保護を設けることができる。いくつかの実施形態では、トウカバー3129およびヒールカバー3102は、一方または両方を切断、取り外し、および/または別様で引き裂くことによって取り除くことができる。
【0133】
歩行用装具3100は、使用者の下腿を装具3100に固定するように構成された、少なくとも1つの直立ストラップ3120を備える。直立ストラップ3120は、直立部3110の少なくとも一部に結合することができ、かつ/またはそれに通すことができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の直立ストラップ3120は、直立延長部3110の少なくとも一部を介して結合することができ、かつ/または通すことができる。図31Aに示すように、歩行用装具3100は、直立部3110の内面に、いずれのフック/ループストリップまたは締結具を含まない。
【0134】
装具3100は、複数の下部ストラップ、例えば、使用者の足の近位部分の周りに、かつ/または使用者の足の近位部分に対して少なくとも部分的に巻き付くように構成された近位足ストラップ3124をさらに含む。いくつかの実施形態では、複数の下部ストラップは、上述の近位部分に対して遠位の使用者の足の部分の周りに、かつ/または遠位の使用者の足の部分に対して少なくとも部分的に巻き付くように構成された遠位足ストラップ3126を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、ストラップ3124、3126のうちの1つ以上は、複数のチェイフ3130のうちのそれぞれの1つに結合するように構成され、それぞれは、それぞれのストラップの片側を装具3100に回転可能にかつ/または柔軟に固定するように構成される。チェイフ3130は、本開示における任意のチェイフに関連して説明したようにすることができる。あるいは、チェイフ3130は、装具3100に成形されたDリングを備えることができるが、結合された1つまたは複数のストラップによって及ぼされる張力の方向に曲がるのに十分な可撓性を依然として保持する。
【0136】
装具3100は、使用者の足および下腿を支持するように、かつ/またはパッドで覆うように構成された、柔らかく、吸収性で、場合によっては通気性の材料を含むライナ3140をさらに備えてもよい。ライナ3140は、本開示のいずれかで前述したような任意のライナを含むことができる。
【0137】
図32A図32Cは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の第2の追加的および/または代替的な構成を示す。例えば、図32Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具3200の斜視図を示す。図32Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図32Aの装具3200の側面図を示す。また、図32Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図32Aの装具3200の中敷き3260のプロファイルの上面図を示す。
【0138】
歩行用装具3200は、連続的なプラスチック、EVA、または中敷き3260、インナーソール3250、アウターソール3270、および、例えば、歩行用装具3200の実質的に高さ全体に延びるのではなく、歩行用装具3200の足首部にまたがる半剛性の金属またはプラスチックのステイ3215の上にオーバーモールドされた装具3200の両側の直立部3210を形成する、他の適切な材料を含む。いくつかの実施形態では、アウターソール3270は滑り止めであり、EVA発泡体に形成されたトレッドパターンを含む。あるいは、滑り止めトレッドをアウターソール3270に接着することができる。このようなワンピースの連続的なプラスチックのオーバーモールドは、成形可能なアルミニウム直立バーを剛性プラスチックのブーツの中敷きに典型的にリベット留めする必要性を排除する。金属ステイ3215を中敷き3260および直立部3210と一体化することにより、ブーツ3200の歩行による力を、直立部3210および金属ステイ3215のプラスチックによって共有することができる。図32Aおよび図32Bに示すように、オーバーモールド材料はまた、前方/後方の方向の剛性をさらに高めるための三角形または三角形のフレーム3275、一体型のトウカバー229および一体型のヒールカバー3202を形成し、一方または両方のカバーは「バンプ」の保護を設ける。いくつかの実施形態では、トウカバー3229およびヒールカバー3202は、一方または両方を切断、取り外し、および/または別様で引き裂くことによって取り除くことができる。
【0139】
歩行用装具3200は直立延長部3280をさらに備えることができ、前述の直立延長部280、380と同様であり得る。図示されるように、直立延長部3280、直立部3210、および/または三角形フレーム3275は、本開示の任意のチェイフに関連して説明したような、1つ以上の可撓性/回転可能なチェイフ3230、または代替的に、それに結合された1つ以上のストラップによって加えられる張力の方向に曲がるのに十分な可撓性を依然として保持する、成形されたDリングを、さらに備えることができる。
【0140】
歩行用装具3200は、使用者の下腿を装具3200の内部に固定するように構成された少なくとも1つの直立ストラップ3220と、少なくとも1つの下部ストラップ、例えば、使用者の足の一部の周りに、かつ/または使用者の足の一部に少なくとも部分的に巻き付くように構成された足ストラップ3226とを備える。ストラップ3220、3226は、チェイフおよび/または成形されたDリング3230に結合されるように構成される。
【0141】
装具3200は、使用者の足および下腿を支持するように、かつ/またはパッドで覆うように構成された、柔らかく、吸収性で、場合によっては通気性の材料を含むライナ3240をさらに備えてもよい。ライナ3240は、本開示のいずれかで前述したような任意のライナを含むことができる。
【0142】
図33A図33Cおよび図34は、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具の第3の追加的および/または代替的な構成を示す。例えば、図33Aは、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具3300の斜視図を示す。図33Bは、いくつかの例示的な実施形態による、図33Aの装具3300の側面の切欠図を示す。図33Cは、いくつかの例示的な実施形態による、図33Aの装具3300の中敷き3360のプロファイルの上面図を示す。また、図34は、いくつかの例示的な実施形態による、歩行用装具3300の1つ以上の後部ストラップの斜視図を示す。
【0143】
歩行用装具3300は、連続的なプラスチック、EVA、または中敷き3360、インナーソール3350、アウターソール3370、および、歩行用装具3300の実質的に高さ全体にわたって延びる半剛性の金属またはプラスチック構造体3315の上にオーバーモールドされた装具3300の両側の直立部3310を形成する他の適切な材料を含む。いくつかの実施形態では、オーバーモールド材料は、一体型のトウカバー3329および一体型のヒールカバー3302をさらに備え、一方または両方のカバーが「バンプ」の保護をもたらす。いくつかの実施形態では、トウカバー3329およびヒールカバー3302は、一方または両方を切断、取り外し、および/または別様で引き裂くことによって取り除くことができる。いくつかの実施形態では、アウターソール3370は滑り止めであり、EVA発泡体に形成されたトレッドパターンを含む。あるいは、滑り止めトレッドをアウターソール3370に接着することができる。
【0144】
図示のように、金属および/またはプラスチック構造体3315は、足首領域に配置された三角形フレーム3375を含む。三角形フレーム3375は、前述の三角形フレーム3275と実質的に同じ機能を有することができる。金属および/またはプラスチック構造体3315は、一体のヒンジとして作用し、結合された1つまたは複数のストラップによって加えられる張力の方向に曲がるのに十分な可撓性を保持する、1つまたは複数の成形されたDリングをさらに含む。このようなワンピースの連続的なプラスチックのオーバーモールドは、成形可能なアルミニウム直立バーまたはDリングを剛性プラスチックのブーツフレームに典型的にリベット留めする必要性を排除する。金属構造体3315を中敷き3360および直立部3310と一体化することにより、ブーツ3300上の歩行による力を、直立部3310および金属ステイ3315のプラスチックによって共有することができる。図33Aおよび図33Bに示すように、金属および/またはプラスチック構造体3315は、装具3300の足首領域に沿って配置され、前後方向の剛性を高めるように構成された金属インサート3318によってさらに支持される。
【0145】
いくつかの実施形態では、装具3300は、直立延長部3380をさらに含み、それ自体はまた、一体ヒンジとしても作用し、結合された1つまたは複数のストラップによって加えられる張力の方向に曲がるのに十分な可撓性を保持する1つまたは複数の成形されたDリングをさらに含む金属および/またはプラスチック構造体3315の一部を含むことができる。有利にも、直立部3380の利用の有無が、2つの高さを有する装具3300をもたらす。より低いベースの高さは、直立延長部3380のない装具3300を利用することができるが、直立延長部3380を利用することによってより高い高さを有することができる。いくつかの実施形態では、直立延長部3380は、直立部3310にスナップ留めすることができる。しかし、本開示はそのように限定されず、直立延長部3380と直立部3310との間の任意の取り付け方法も企図される。
【0146】
歩行用装具3300は、直立部3310および直立延長部3380の一方または両方の成形されたDリング3330に結合し、装具3300の前側に巻き付き、使用者の下腿を装具3300内に固定するように構成された複数のストラップ3320を備える。直立部3310および/または直立延長部3380のオーバーモールドは、使用者の下腿の裏側に巻き付き、使用者の下腿を裏側から装具3300に固定するように構成された少なくとも1つの後部ストラップをさらに備える。いくつかの実施形態では、後部ストラップ3312は、締結具、例えば面ファスナ(a hook and loop fastener)を含むことができる。いくつかの実施形態では、図34にさらに示すように、装具3300の後部ストラップ3312は、直立部3310および/または直立延長部3380に固定されたプラスチックの「マッシュルーム」形状のポスト3404上に引き伸ばされるように構成された複数の穴3402を備え、それによって使用者の下腿を裏側から装具3300内に固定する。
【0147】
本明細書に記載の技術の実施態様は、一般に、様々な固有の特徴を有する歩行ブーツを対象とする。本明細書に記載の様々な実施形態の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下にさらに定義する。
【0148】
本開示の一般的な解釈原理
新規なシステム、装置、および方法の様々な態様が、添付の図面を参照して以下により十分に説明される。しかし、教示の開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本開示を通して提示されるいずれかの特定の構造または機能に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本開示の範囲が、本開示の任意の他の態様と独立して実施されるか、または組み合わせられるかにかかわらず、本明細書に開示される新規のシステム、装置、および方法の任意の態様を網羅することを意図していることを理解するはずである。例えば、システムまたは装置が実装されてもよく、または方法が、本明細書に記載の態様のうちの任意の1つまたは複数を使用して実施されてもよい。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載の本開示の様々な態様に加えて、またはそれ以外の他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施される、そのようなシステム、装置、または方法を網羅することを意図している。本明細書に開示された任意の態様は、特許請求の範囲の1つまたは複数の要素に記載され得ることを理解されたい。好ましい態様のいくつかの利益および利点が言及されているが、本開示の範囲が特定の利点、使用、または目的に限定されることを意図するものではない。詳細な説明および図面は、限定するものではなく本開示の単なる例示であり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0149】
本明細書における複数対単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数から単数へ、および/または単数から複数へと変換することができる。様々な単数/複数の置換は、明確にするために本明細書に明示的に記載され得る。
【0150】
本明細書に記載されたものまたは行為の特徴または特性の絶対的な値を説明する場合、「実質的(substantial)」、「実質的に(substantially)」、「本質的に」、「およそ」という用語および/または程度の他の用語または語句は、数値範囲の特定の列挙なしに使用され得る。本明細書に記載のものまたは行為の特徴または特性に適用される場合、これらの用語は、その特徴または特性に関連する所望の機能を提供することと一致する特徴または特性の範囲を指す。
【0151】
特徴または特性に対して単一の数値が与えられる場合、それは、与えられた数値の有効数字1桁以内のその値の偏差を少なくともカバーすると解釈されることを意図している。
【0152】
本明細書に記載のものまたは行為の特徴または特性を定義するために数値または数値範囲が提示される場合、その値または範囲が程度の用語で限定されるか否かにかかわらず、特徴または特性を測定する特定の方法も本明細書で定義することができる。特徴または特性を測定する特定の方法が本明細書で定義されておらず、特徴または特性について異なる一般に受け入れられている測定方法がある場合、測定方法は、特徴または特性の説明および文脈を考慮すると、当業者によって採用される可能性が最も高い測定方法として解釈されるべきである。さらなる場合には、特徴または特性を測定するために当業者によって採用される可能性が等しくある2つ以上の測定方法があり、値または値の範囲は、どの測定方法が選択されるかにかかわらず満たされると解釈されるべきである。
【0153】
本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、特に明記しない限り、「オープンな」用語として意図されることが、当業者によって理解されよう(例えば、「含む(including)」という用語は、「含むがこれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「含むがこれに限定されない(includes but not limited to)」と解釈されるべきである、などである)。
【0154】
特定の数の導入された請求項の記載が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記載を導入するための導入句「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の使用を含むことができる。しかし、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項列挙の導入が、そのように導入された請求項の列挙を含む任意の特定の請求項を、同じ請求項が導入句「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「1つの(a)」および/または「1つの(an)」は、典型的には、「少なくとも1つの(at least one)」または「1つまたは複数の(one or more)」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合であっても、1つのそのような列挙のみを含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない。特許請求の範囲の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。さらに、たとえ特定の数の導入された請求項の記載が明示的に記載されているとしても、当業者は、そのような記載が典型的には少なくとも記載された数(例えば、他の修飾語を含まない「2つの列挙」のそのままの列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう。
【0155】
「A、B、Cの少なくとも1つ」に類似した慣例が使用される場合、そのような構築は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、CなしでAとB、BなしでAとC、AなしでBとC、ならびにA、B、Cを一緒に有するシステムを含む。2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の選言的な単語および/または句は、明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれかにかかわらず、用語の1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を考慮すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されよう。例えば、「AまたはB」という語句は、Bを含まないA、Aを含まないB、ならびにAとBを一緒に含むと理解される。
【0156】
本開示に記載された実施態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施態様に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に示される実施態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲、原理、および本明細書に開示される新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。「例示的」という用語は、本明細書では「例、事例、または説明としての役割を果たす」を意味するために専ら使用される。本明細書で「例示的」として説明されるいずれかの実施態様が他の実施態様よりも好ましいまたは有利であると、必ずしも解釈されるものではない。
【0157】
別個の実施態様の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴は、単一の実施態様において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施態様の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施態様において別々に、または任意の適切な部分的な組み合わせで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明することができ、さらには最初にそのように特許請求されることができるが、特許請求される組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除することができ、特許請求される組み合わせは、部分的な組み合わせまたは部分的な組み合わせの変形を対象とすることができる。
【0158】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された方法を達成するための1つまたは複数のステップまたは動作を含む。方法ステップおよび/または動作は、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換することができる。言い換えれば、ステップまたは動作の特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく変更することができる。
図1
図2
図3A-B】
図3C-D】
図4A-B】
図4C
図4D
図5
図6
図7A-B】
図7C
図8
図9
図10
図11
図12A-B】
図13A-B】
図14A-B】
図15A-D】
図16A-B】
図17
図18A-B】
図19A-B】
図20A
図20B
図21
図22
図23A-C】
図24
図25
図26A-D】
図27A-C】
図27D-E】
図28A-B】
図28C-D】
図29A-B】
図30A
図30B-C】
図31A-C】
図32A-C】
図33A-C】
図34
【国際調査報告】