(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(54)【発明の名称】半二重インターフェースのための双方向リドライバ
(51)【国際特許分類】
H04L 25/52 20060101AFI20220714BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
H04L25/52 Z
G06F3/00 L
G06F3/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568500
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 US2020033352
(87)【国際公開番号】W WO2020232429
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(71)【出願人】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(72)【発明者】
【氏名】ウィン ナイング マウン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ マイケル キャンベル
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029DD30
(57)【要約】
回路(102)は、第1のデバイス(108)に結合する第1のポート(152)、第2のデバイス(110)に結合する第2のポート(154)、第1のポートに結合される入力(138)と第2のポートに結合される出力(142)とを有し、信号をリドライブしてリドライブされた信号を出力する第1のチャネル(137)、第2のポートに結合される入力(144)と第1のポートに結合される出力(148)とを有し、信号をリドライブしてリドライブされた信号を出力する第2のチャネル(143)、及びコントローラ(150)を含む。コントローラは、第1のポートで信号エッジを検出することに応答して、第1のチャネルをイネーブルし第2のチャネルをディセーブルし、第2のポートで信号エッジを検出することに応答して、第2のチャネルをイネーブルし第1のチャネルをディセーブルし、第1のチャネルがイネーブルされる間、第1のポートで受信される信号がディアサートされる場合、第1のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、第2のチャネルがイネーブルされる間、第2のポートで受信される信号がディアサートされる場合、第2のポートにおけるインピーダンスをサンプリングするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リドライバ回路であって、
第1のバスによって第1のデバイスに結合するように構成される第1のポートと、
第2のバスによって第2のデバイスに結合するように構成される第2のポートと、
前記第1のポートに結合される入力と、前記第2のポートに結合される出力とを有し、入力信号をリドライブし、前記リドライブされた入力信号を出力するように構成される第1の通信チャネルと、
前記第2のポートに結合される入力と、前記第1のポートに結合される出力とを有し、入力信号をリドライブし、前記リドライブされた入力信号を出力するように構成される第2の通信チャネルと、
コントローラと、
を含み、
前記コントローラが、
前記第1のポートにおいて第1の信号エッジを検出することに応答して、前記第1の通信チャネルをイネーブルし、前記第2の通信チャネルをディセーブルし、
前記第2のポートにおいて第1の信号エッジを検出することに応答して、前記第2の通信チャネルをイネーブルし、前記第1の通信チャネルをディセーブルし、
前記第1の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第1のポートにおいて受信される前記入力信号がディアサートされることに応答して、前記第1のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、
前記第2の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第2のポートにおいて受信される前記入力信号がディアサートされることに応答して、前記第2のポートにおけるインピーダンスをサンプリングする、
ように構成される、
リドライバ回路。
【請求項2】
請求項1に記載のリドライバ回路であって、
前記第1のデバイスが第1の電圧ドメインにあり、
前記第2のデバイスが第2の電圧ドメインにあり、
前記第1の通信チャネルが、前記第1のポートから受信される前記入力信号を、前記第1の電圧ドメインから前記第2の電圧ドメインにレベルシフトするように構成され、
前記第2の通信チャネルが、前記第2のポートから受信される前記入力信号を、前記第2の電圧ドメインから前記第1の電圧ドメインにレベルシフトするように構成される、
リドライバ回路。
【請求項3】
請求項1に記載のリドライバ回路であって、
前記第1の通信チャネルが、
前記第1のポートに結合される入力と、出力とを有する第1のレシーバと、
前記第1のレシーバの前記出力に結合される入力と、出力とを有する第1の遅延要素と、
前記第1の遅延要素の前記出力に結合される入力と、前記第2のポートに結合される出力とを有する第1のドライバと、
を含み、
前記第2の通信チャネルが、
前記第2のポートに結合される入力と、出力とを有する第2のレシーバと、
前記第2のレシーバの前記出力に結合される入力と、出力とを有する第2の遅延要素と、
前記第2の遅延要素の前記出力に結合される入力と、前記第1のポートに結合される出力とを有する第2のドライバと、
を含む、
リドライバ回路。
【請求項4】
請求項1に記載のリドライバ回路であって、更に、
前記第1のポートに結合される第1の電流源と、
前記第1のポートに結合される非反転入力及び第1の基準電圧源に結合される反転入力を含む第1のコンパレータと、
前記第2のポートに結合される第2の電流源と、
前記第2のポートに結合される非反転入力及び第2の基準電圧源に結合される反転入力を含む第2のコンパレータと、
を含み、
前記第1のバスが、或るインピーダンスを有し、第1のプルダウン抵抗器に結合され、前記第1のプルダウン抵抗器が接地ノードに結合され、
前記第2のバスが、或るインピーダンスを有し、第2のプルダウン抵抗器に結合され、前記第2のプルダウン抵抗器が前記接地ノードに結合される、
リドライバ回路。
【請求項5】
請求項4に記載のリドライバ回路であって、
前記コントローラが、前記第1のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングするとき、前記コントローラが、
前記第1の電流源に、電流を前記第1のポートに注入させ、
前記第1のコンパレータの出力を監視する、
ように構成され、
前記コントローラが前記第2のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングするとき、前記コントローラが、
前記第2の電流源に、電流を前記第2のポートに注入させ、
前記第2のコンパレータの出力を監視する、
ように構成され、
前記第1のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第1のポートにおける高インピーダンス状態を示し、これに応答して、前記コントローラが前記第1の通信チャネルをディセーブルするように構成され、
前記第2のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第2のポートにおける高インピーダンス状態を示し、これに応答して、前記コントローラが前記第2の通信チャネルをディセーブルするように構成される、
リドライバ回路。
【請求項6】
請求項1に記載のリドライバ回路であって、
前記コントローラが更に、
前記第1の通信チャネルがイネーブルされている間、バスアービトレーション開始状況が前記第1のポートにおいて検出されること、又は、前記第2の通信チャネルがイネーブルされている間、前記バスアービトレーション開始状況が前記第2のポートにおいて検出されることに応答して、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間のバスアービトレーションを促進し、
前記バスアービトレーションが完了したことに応答して、前記第1及び第2の通信チャネルをディセーブルする、
ように構成される、リドライバ回路。
【請求項7】
リドライバ回路であって、
第1のクロックバスによって第1のデバイスに結合するように構成される第1のポートと、
第2のクロックバスによって第2のデバイスに結合するように構成される第2のポートと、
第1のデータバスによって前記第1のデバイスに結合するように構成される第3のポートと、
第2のデータバスによって前記第2のデバイスに結合するように構成される第4のポートと、
前記第1のポートから受信される入力クロック信号を、前記第2のポートへ出力クロック信号としてリドライブするように構成される第1の通信チャネルと、
前記第2のポートから受信される入力クロック信号を、前記第1のポートへ出力クロック信号としてリドライブするように構成される第2の通信チャネルと、
前記第3のポートから受信される入力データ信号を、前記第4のポートへ出力データ信号としてリドライブするように構成される第3の通信チャネルと、
前記第4のポートから受信される入力データ信号を、前記第3のポートへ出力データ信号としてリドライブするように構成される第4の通信チャネルと、
コントローラと、
を含み、
前記コントローラが、
前記第1のポートにおいてクロック信号エッジの開始を検出することに応答して、前記第1の通信チャネルをイネーブルし、前記第2の通信チャネルをディセーブルし、
前記第2のポートにおいてクロック信号エッジの開始を検出することに応答して、前記第2の通信チャネルをイネーブルし、前記第1の通信チャネルをディセーブルし、
前記第3のポートにおいてデータ信号エッジの開始を検出することに応答して、前記第3の通信チャネルをイネーブルし、前記第4の通信チャネルをディセーブルし、
前記第4のポートにおいてデータ信号エッジの開始を検出することに応答して、前記第4の通信チャネルをイネーブルし、前記第3の通信チャネルをディセーブルし、
前記第1の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第1のポートにおいて受信される前記入力クロック信号がディアサートされることに応答して、前記第1のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、
前記第2の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第2のポートにおいて受信される前記入力クロック信号がディアサートされることに応答して、前記第2のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、
前記第3の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第3のポートにおいて受信される前記入力データ信号がディアサートされることに応答して、前記第3のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、及び、
前記第4の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第4のポートにおいて受信される前記入力データ信号がディアサートされることに応答して、前記第4のポートにおけるインピーダンスをサンプリングする、
ように構成される、
リドライバ回路。
【請求項8】
請求項7に記載のリドライバ回路であって、
前記第1のデバイスが第1の電圧ドメインにあり、
前記第2のデバイスが第2の電圧ドメインにあり、
前記第1の通信チャネルが、前記第1のポートから受信される前記入力クロック信号を、前記第1の電圧ドメインから前記第2の電圧ドメインにレベルシフトするように構成され、
前記第2の通信チャネルが、前記第2のポートから受信される前記入力クロック信号を、前記第2の電圧ドメインから前記第1の電圧ドメインにレベルシフトするように構成され、
前記第3の通信チャネルが、前記第3のポートから受信される前記入力データ信号を、前記第1の電圧ドメインから前記第2の電圧ドメインにレベルシフトするように構成され、
前記第4の通信チャネルが、前記第4のポートから受信される前記入力データ信号を、前記第2の電圧ドメインから前記第1の電圧ドメインにレベルシフトするように構成される、
リドライバ回路。
【請求項9】
請求項7に記載のリドライバ回路であって、
前記第1の通信チャネルが、
前記第1のポートから前記入力クロック信号を受信するための第1のレシーバと、
前記第1のレシーバから信号を受信するための第1の遅延要素と、
前記第1の遅延要素から信号を受信し、前記第2のポートに対し前記出力クロック信号を駆動するための第1のドライバとを含み、
前記第2の通信チャネルが、
前記第2のポートから前記入力クロック信号を受信するための第2のレシーバと、
前記第2のレシーバから信号を受信するための第2の遅延要素と、
前記第2の遅延要素から信号を受信し、前記第1のポートに対し前記出力クロック信号を駆動するための第2のドライバとを含み、
前記第3の通信チャネルが、
前記第3のポートから前記入力データ信号を受信するための第3のレシーバと、
前記第3のレシーバから信号を受信するための第3の遅延要素と、
前記第3の遅延要素から信号を受信し、前記第4のポートに対し前記出力データ信号を駆動するための第3のドライバとを含み、
前記第4の通信チャネルが、
前記第4のポートから前記入力データ信号を受信するための第4のレシーバと、
前記第4のレシーバから信号を受信するための第4の遅延要素と、
前記第4の遅延要素から信号を受信し、前記第3のポートに対し前記出力データ信号を駆動するための第4のドライバとを含む、
リドライバ回路。
【請求項10】
請求項7に記載のリドライバ回路であって、更に、
前記第1のポートに結合される第1の電流源と、
前記第1のポートに結合される非反転入力及び第1の基準電圧源に結合される反転入力とを含む第1のコンパレータと、
前記第2のポートに結合される第2の電流源と、
前記第2のポートに結合される非反転入力及び第2の基準電圧源に結合される反転入力とを含む第2のコンパレータと、
前記第3のポートに結合される第3の電流源と、
前記第3のポートに結合される非反転入力及び第3の基準電圧源に結合される反転入力とを含む第3のコンパレータと、
前記第4のポートに結合される第4の電流源と、
前記第4のポートに結合される非反転入力及び第4の基準電圧源に結合される反転入力とを含む第4のコンパレータと、
を含み、
前記第1のクロックバスが第1のプルダウン抵抗器に結合され、前記第1のプルダウン抵抗器が接地ノードに結合され、
前記第2のクロックバスが第2のプルダウン抵抗器に結合され、前記第2のプルダウン抵抗器が前記接地ノードに結合され、
前記第1のデータバスが第3のプルダウン抵抗器に結合され、前記第3のプルダウン抵抗器が前記接地ノードに結合され、
前記第2のデータバスが第4のプルダウン抵抗器に結合され、前記第4のプルダウン抵抗器が前記接地ノードに結合される、
リドライバ回路。
【請求項11】
請求項10に記載のリドライバ回路であって、
前記コントローラが前記第1のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングするとき、前記コントローラが、
前記第1の電流源に、電流を前記第1のポートに注入させ、
前記第1のコンパレータの出力を監視する、
ように構成され、
前記コントローラが前記第2のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングするとき、前記コントローラが、
前記第2の電流源に、電流を前記第2のポートに注入させ、
前記第2のコンパレータの出力を監視する、
ように構成され、
前記コントローラが前記第3のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングするとき、前記コントローラが、
前記第3の電流源に、電流を前記第3のポートに注入させ、
前記第3のコンパレータの出力を監視する、
ように構成され、
前記コントローラが前記第4のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングするとき、前記コントローラが、
前記第4の電流源に、電流を前記第4のポートに注入させ、
前記第4のコンパレータの出力を監視する、
ように構成され、
前記第1のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第1のポートにおける高インピーダンス状態を示し、これに応答して、前記コントローラが前記第1の通信チャネルをディセーブルするように構成され、
前記第2のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第2のポートにおける高インピーダンス状態を示し、これに応答して、前記コントローラが前記第2の通信チャネルをディセーブルするように構成され、
前記第3のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第3のポートにおける高インピーダンス状態を示し、これに応答して、前記コントローラが前記第3の通信チャネルをディセーブルするように構成され、
前記第4のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第4のポートにおける高インピーダンス状態を示し、これに応答して、前記コントローラが前記第4の通信チャネルをディセーブルするように構成される、
リドライバ回路。
【請求項12】
請求項7に記載のリドライバ回路であって、前記コントローラが更に、
前記第1及び第3の通信チャネルがイネーブルされている間、バスアービトレーション開始状況が前記第1のポート及び前記第3のポートにおいて検出されること、又は、前記第2及び第4の通信チャネルがイネーブルされている間、前記バスアービトレーション開始状況が前記第2のポート及び前記第4のポートにおいて検出されることに応答して、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間のバスアービトレーションを促進し、
前記バスアービトレーションが完了したことに応答して、前記第3及び第4の通信チャネルをディセーブルする、
ように構成される、
リドライバ回路。
【請求項13】
請求項12に記載のリドライバ回路であって、
前記第1のポート及び前記第3のポートにおいて検出される前記バスアービトレーション開始状況が、前記第3のポートにおいて受信される前記入力データ信号がアサートされる一方で、前記第1のポートにおいて受信される前記入力クロック信号が、少なくともバスターンアラウンド時間の間ディアサートされることを含み、
前記第2のポート及び前記第4のポートにおいて検出される前記バスアービトレーション開始状況が、前記第4のポートにおいて受信される前記入力データ信号がアサートされる一方で、前記第2のポートにおいて受信される前記入力クロック信号が、少なくとも前記バスターンアラウンド時間の間ディアサートされることを含む、
リドライバ回路。
【請求項14】
方法であって、
第1のバスによって第1のデバイスに結合するように構成される第1のポートにおいて第1の信号エッジを検出すること、又は、第2のバスによって第2のデバイスに結合するように構成される第2のポートにおいて第1の信号エッジを検出すること、
前記第1のポートにおいて前記第1の信号エッジを検出することに応答して、
前記第1のポートから受信される入力信号を、第2のポートへ出力信号としてリドライブするように構成される第1の通信チャネルをイネーブルし、
前記第2のポートから受信される入力信号を、前記第1のポートへ出力信号としてリドライブするように構成される第2の通信チャネルをディセーブルすること、
前記第2のポートにおいて前記第1の信号エッジを検出することに応答して、
前記第2の通信チャネルをイネーブルし、
前記第1の通信チャネルをディセーブルすること、
前記第1の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第1のポートにおいて受信される前記入力信号がディアサートされることに応答して、前記第1のポートにおけるインピーダンスをサンプリングすること、及び、
前記第2の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第2のポートにおいて受信される前記入力信号がディアサートされることに応答して、前記第2のポートにおけるインピーダンスをサンプリングすること、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記第1のデバイスが第1の電圧ドメインにあり、
前記第2のデバイスが第2の電圧ドメインにあり、
前記方法が更に、
前記第1の通信チャネルがイネーブルされるとき、前記第1のポートから受信される前記入力信号を、前記第1の電圧ドメインから前記第2の電圧ドメインにレベルシフトすること、及び、
前記第2の通信チャネルがイネーブルされるとき、前記第2のポートから受信される前記入力信号を、前記第2の電圧ドメインから前記第1の電圧ドメインにレベルシフトすることを含む、
方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
第1の電流源が前記第1のポートに結合され、
第1のコンパレータが、前記第1のポートに結合される非反転入力と、第1の基準電圧源に結合される反転入力とを含み、
第2の電流源が前記第2のポートに結合され、
第2のコンパレータが、前記第2のポートに結合される非反転入力と、第2の基準電圧源に結合される反転入力とを含み、
前記第1のバスが第1のプルダウン抵抗器に結合され、前記第1のプルダウン抵抗器が接地ノードに結合され、
前記第2のバスが第2のプルダウン抵抗器に結合され、前記第2のプルダウン抵抗器が前記接地ノードに結合される、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記第1のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングすることが更に、
前記第1の電流源に、電流を前記第1のポートに注入させること、及び、
前記第1のコンパレータの出力を監視することを含み、
前記第2のポートにおける前記インピーダンスをサンプリングすることが更に、
前記第2の電流源に、電流を前記第2のポートに注入させること、及び、
前記第2のコンパレータの出力を監視することを含み、
前記方法が更に、
前記第1のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第1のポートにおける高インピーダンス状態を示すことに応答して、前記第1の通信チャネルをディセーブルすること、及び、
前記第2のコンパレータの前記出力がアサートされることが、前記第2のポートにおける高インピーダンス状態を示すことに応答して、前記第2の通信チャネルをディセーブルすること、
を含む、方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であって、更に、
前記第1の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第1のポートにおいてバスアービトレーション開始状況を検出すること、又は、前記第2の通信チャネルがイネーブルされている間、前記第2のポートにおいて前記バスアービトレーション開始状況を検出することに応答して、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間のバスアービトレーションを促進すること、及び、
前記バスアービトレーションが完了したことに応答して、前記第1及び第2の通信チャネルをディセーブルすること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
いくつかの例において、リドライバ回路が、第1のバスによって第1のデバイスに結合するように構成される第1のポート、及び、第2のバスによって第2のデバイスに結合するように構成される第2のポートを含む。また、リドライバ回路は、第1のポートに結合される入力と、第2のポートに結合される出力とを有し、入力信号をリドライブし、リドライブされた入力信号を出力するように構成される第1の通信チャネル、第2のポートに結合される入力と、第1のポートに結合される出力とを有し、入力信号をリドライブし、リドライブされた入力信号を出力するように構成される第2の通信チャネル、及び、コントローラを含む。コントローラは、第1のポートにおいて第1の信号エッジを検出することに応答して、第1の通信チャネルをイネーブルし、第2の通信チャネルをディセーブルし、第2のポートにおいて第1の信号エッジを検出することに応答して、第2の通信チャネルをイネーブルし、第1の通信チャネルをディセーブルし、第1の通信チャネルがイネーブルされている間、第1のポートにおいて受信される入力信号がディアサートされることに応答して、第1のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、第2の通信チャネルがイネーブルされている間、第2のポートにおいて受信される入力信号がディアサートされることに応答して、第2のポートにおけるインピーダンスをサンプリングするように構成される。
【0002】
別の例において、リドライバ回路が、第1のクロックバスによって第1のデバイスに結合するように構成される第1のポート、第2のクロックバスによって第2のデバイスに結合するように構成される第2のポート、第1のデータバスによって第1のデバイスに結合するように構成される第3のポート、第2のデータバスによって第2のデバイスに結合するように構成される第4のポート、第1のポートから受信される入力クロック信号を、第2のポートへ出力クロック信号としてリドライブするように構成される第1の通信チャネル、第2のポートから受信される入力クロック信号を、第1のポートへ出力クロック信号としてリドライブするように構成される第2の通信チャネル、第3のポートから受信される入力データ信号を、第4のポートへ出力データ信号としてリドライブするように構成される第3の通信チャネル、第4のポートから受信される入力データ信号を、第3のポートへ出力データ信号としてリドライブするように構成される第4の通信チャネル、及び、コントローラを含む。コントローラは、第1のポートにおいてクロック信号エッジの開始を検出することに応答して、第1の通信チャネルをイネーブルし、第2の通信チャネルをディセーブルし、第2のポートにおいてクロック信号エッジの開始を検出することに応答して、第2の通信チャネルをイネーブルし、第1の通信チャネルをディセーブルし、第3のポートにおいてデータ信号エッジの開始を検出することに応答して、第3の通信チャネルをイネーブルし、第4の通信チャネルをディセーブルし、第4のポートにおいてデータ信号エッジの開始を検出することに応答して、第4の通信チャネルをイネーブルし、第3の通信チャネルをディセーブルし、第1の通信チャネルがイネーブルされている間、第1のポートにおいて受信される入力クロック信号がディアサートされることに応答して、第1のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、第2の通信チャネルがイネーブルされている間、第2のポートにおいて受信される入力クロック信号がディアサートされることに応答して、第2のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、第3の通信チャネルがイネーブルされている間、第3のポートにおいて受信される入力データ信号がディアサートされることに応答して、第3のポートにおけるインピーダンスをサンプリングし、及び、第4の通信チャネルがイネーブルされている間、第4のポートにおいて受信される入力データ信号がディアサートされることに応答して、第4のポートにおけるインピーダンスをサンプリングするように構成される。
【0003】
更に別の例において、或る方法が、第1のバスによって第1のデバイスに結合するように構成される第1のポートにおいて第1の信号エッジを検出すること、又は、第2のバスによって第2のデバイスに結合するように構成される第2のポートにおいて第1の信号エッジを検出することを含む。また、この方法は、第1のポートにおいて第1の信号エッジを検出することに応答して、第1のポートから受信される入力信号を、第2のポートへ出力信号としてリドライブするように構成される第1の通信チャネルをイネーブルすることと、第2のポートから受信される入力信号を、第1のポートへ出力信号としてリドライブするように構成される第2の通信チャネルをディセーブルすることとを含む。また、この方法は、第2のポートにおいて第1の信号エッジを検出することに応答して、第2の通信チャネルをイネーブルすることと、第1の通信チャネルをディセーブルすることとを含む。また、この方法は、第1の通信チャネルがイネーブルされている間、第1のポートにおいて受信される入力信号がディアサートされることに応答して、第1のポートにおけるインピーダンスをサンプリングすることと、第2の通信チャネルがイネーブルされている間、第2のポートにおいて受信される入力信号がディアサートされることに応答して、第2のポートにおけるインピーダンスをサンプリングすることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
次に、種々の例の詳細な説明のために、添付の図面を参照する。
【0005】
【
図1】種々の例におけるシステムのブロック図を示す。
【0006】
【
図2】種々の例におけるリドライバ回路の概略図を示す。
【0007】
【
図3】種々の例における
図2のリドライバ回路のための状態図を示す。
【0008】
【
図4】種々の例における
図2のリドライバ回路の動作を示すタイミング図を示す。
【0009】
【
図5】種々の例における
図2のリドライバ回路のための別の状態図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
通信インターフェースが最近の電子機器において普及している。通信インターフェースには単方向(例えば、一方向のみのデータフロー)のものもあれば、一方で、通信インターフェースには双方向(例えば、両方向のデータフロー)のものもある。半二重通信システムは双方向通信インターフェースを用いる。半二重通信システムでは、デバイスは互いに通信し得るが、同時ではない。例えば、通信は一度に一方向のみで生じる。
【0011】
コンピュータ及び他の電子デバイスは、接続されたデバイス間のデータの転送を提供するために、一般的に、シリアル通信インターフェースを用いる。ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースは、電子デバイスをインターフェースするために用いられる種々のシリアルバスの一つである。システムパワーマネジメントインターフェース(SPMI)は、電子デバイスをインターフェースするために用いられる別のシリアルバスである。SMPIとは、例えば、プロセッサに供給される電圧と、プロセッサに結合される補助的構成要素の電力管理とを制御するための、双方向の二線式シリアルバスインターフェースである。その他のシリアルインターフェースも本開示の範囲内にある。特定のタイプのインターフェースに関係なく、そのようなインターフェースを用いて通信する電子デバイスには、例えば、コンピュータ、スマートフォン、ビデオゲーム機、及び、他のコンピューティングデバイスが含まれる。また、周辺デバイスが、そのようなインターフェースを用いて通信し、例えば、フラッシュドライブ、プリンタ、キーボード、スマートフォン、カメラ、タブレット、及び、種々の他のデバイスを含む。
【0012】
双方向の半二重シリアル通信インターフェースを用いて通信する特定のタイプのデバイスに関係なく、いくつかの例において、入力/出力(I/O)電圧レベルは、デバイスタイプによってそれぞれ異なる。例えば、プロセス技術がプロセッサ(例えば、システムオンチップ(SoC))のために小さくなるにつれて、プロセッサのためのI/O電圧制限も低減される。一例として、5nmプロセス技術を用いるプロセッサが、約1.2VのI/O電圧制限を有し得、一方で、3nmプロセス技術を用いるプロセッサが、約1.0VのI/O電圧制限を有し得る。また、いくつかの例において、プロセッサが、SPMI(例えば、1.8VのI/O電圧制限)又はUSB(例えば、3.3VのI/O電圧制限)などの一層高電圧のインターフェースとインターフェースする。第1の電圧ドメインにおけるデバイス(例えば、約1.2VのI/O電圧制限を有するプロセッサ)が、第2の電圧ドメインにおけるデバイス(例えば、1.8VのI/O電圧制限を有するSPMIデバイス)と通信するために、レベルシフトが、一方の電圧ドメインから他方の電圧ドメインに信号の電圧レベルをシフトさせるために用いられる。また、通信信号が、リドライバ回路によってリドライブされること、又は受信及び再送信されることから利益を得る。例えば、デバイス間のリドライバ回路によって信号をリドライブすることが、デバイス間の許容範囲を増大させる一方で、通信バスの二つの側を隔離し、これによって、リドライバ回路の一方の側からのバス静電容量が、リドライバ回路の他方の側上のバスにロードされることが防止される。いくつかの例において、専用のハブ又はブリッジデバイスが、信号のそのようなレベルシフト及びリドライブを達成するが、専用のハブは、実装のために空間を消費しコストがかかる。例えば、専用のハブ又はブリッジデバイスが、バスアービトレーションプロセスに能動的に参加し得、スレーブ向けマスターデバイスとマスター向けスレーブデバイスとの両方をエミュレートし得る。バスアービトレーションへの能動的参加及びそのようなマスター/スレーブエミュレーションは、ペイロードの一層複雑なパケット化解除及び再パケット化を伴い、これが全体的なデバイス複雑性を増加させる。
【0013】
いくつかの例は、異なる電圧ドメインにおけるデバイス間の通信を促進するために信号電圧をレベルシフトするように、及び/又は、デバイス間のこれらの通信信号をリドライブするように機能するリドライバ回路を二つの電圧ドメイン間に含む。特に、リドライバ回路は半二重通信を促進し、いくつかの例において、レベルシフトは、通信トラフィックの方向に関係なく両方向において生じる。好ましくは、リドライバ回路は、電圧ドメインの一方におけるデバイスから、信号送信の開始を示す第1の信号エッジ(例えば、クロック及び/又はデータバスによって搬送される信号の立ち上がりエッジ)を検出するように構成される。しかし、リドライバ回路は、信号送信の開始を示す他の技法を用いてもよい。第1の信号エッジが、二つの電圧ドメインの第1のものから(例えば、リドライバ回路の第1のポートに結合される第1のバス上で)検出される場合、リドライバ回路は、第1の電圧ドメインから、二つの電圧ドメインの第2のものへの第1の通信チャネルをイネーブルするように構成される。第1の信号エッジが、第2の電圧ドメインから(例えば、リドライバ回路の第2のポートに結合される第2のバス上で)検出される場合、リドライバ回路は、第2の電圧ドメインから第1の電圧ドメインへの第2の通信チャネルをイネーブルするように構成される。下記で更に説明されるように、通信チャネルは、一方の電圧ドメインから他方への信号電圧のレベルシフト及び/又は信号のリドライブを促進する。例えば、いくつかのケースでは、各電圧ドメインのためのI/O電圧制限はほぼ同じであり、それゆえ、リドライバ回路は、電圧ドメイン間で信号(例えば、クロック及び/又はデータ信号)を駆動するように機能するが、電圧ドメイン間の信号のレベルシフトを必ずしも行うわけではない。
【0014】
また、リドライバ回路は、リドライバ回路に通信信号(例えば、この通信信号を、リドライバ回路が、他方の電圧ドメインにおけるデバイスへレベルシフト及び/又はリドライブする)を提供しているデバイスに結合されるバスのインピーダンスをサンプリングするように構成される。リドライバ回路は、デバイスが通信信号を依然として提供しているかどうか、又はデバイスが通信信号を提供することをやめたかどうかを判定するために、バスのインピーダンスをサンプリングする。やめている場合、そのデバイスに結合されるバスは高インピーダンス状態にある。一例において、リドライバ回路は、-例えば、バス上のクロック及び/又はデータ信号がロー状態に遷移するとき-、電流を(例えば、電流源を制御することによって)バスに注入することによって、及び、注入された電流に応答してバス上の電圧を監視することによって、バスのインピーダンスをサンプリングする。或る例において、プルダウン抵抗器がバスに結合される。バスが依然として駆動されている場合、注入される電流は、バスの電圧に比較的小さな影響を与える。しかし、バスが駆動されていない(例えば、高インピーダンス状態にある)場合、注入される電流は、プルダウン抵抗器に起因してバスの電圧に一層大きな影響を与え、これをリドライバ回路が(例えば、コンパレータを用いて)検出する。バスが高インピーダンス状態にあるときにプルダウン抵抗器の電圧が検出されるように、但し、そのような電圧がバス上のハイ信号又はアサートされた信号と解釈されるほど充分に高くないように、プルダウン抵抗器の値及び注入される電流の量が選択される。高インピーダンス状態が或るバス上で検出されるとき、そのバスからの信号をレベルシフト及び/又はリドライブしていた通信チャネルがディセーブルされ、上述したように、リドライバ回路は再び第1の信号エッジを監視する。このようにして、リドライバ回路は、バスの両側を監視し、データ送信の方向において通信信号のレベルシフト及び/又はリドライブを行うために、通信信号の方向を検出する。
【0015】
図1は、いくつかの例におけるシステム100のブロック図を示す。システム100は、リドライバ回路102、第1の電圧ドメイン104、及び第2の電圧ドメイン106を示す。各電圧ドメイン104、106は、他方の電圧ドメインにおけるデバイスと通信する、それぞれ一つ又は複数のデバイス108、110を含む。それゆえ、リドライバ回路102は、第1のバス107aによって、第1の電圧ドメイン104における一つ又は複数のデバイス108に、及び、第2のバス107bによって、第2の電圧ドメイン106における一つ又は複数のデバイス110に結合し、第1及び第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110間の通信を促進する。バス107a、107bは別個に参照されるが、いくつかの例において、バス107a、107bは、第1の電圧ドメイン104におけるデバイス108を、第2の電圧ドメイン106におけるデバイス110に結合する、クロックバス又はデータバスなどの、同じバスの部分である。他の例において、リドライバ回路102は、二つ以上のバスによって、各電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110に結合される。二線式バス(例えば、クロック信号バス及びデータ信号バス)を用いるSPMIインターフェースの特定の例において、リドライバ回路102は、二つのバスによって、各電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110に結合される。上述したように、リドライバ回路102は双方向通信を可能にし、一方で、第1の電圧ドメイン104或いは第2の電圧ドメイン106からの信号送信の開始を検出することによって(好ましくは、入力信号の第1の信号エッジを検出することによって)半二重通信を促進する。
【0016】
上述したように、いくつかの例において、第1の電圧ドメイン104におけるデバイス108は第1のI/O電圧レベルで動作し、一方で、第2の電圧ドメイン106におけるデバイス110は、第1のI/O電圧レベルとは異なる第2のI/O電圧レベルで動作する。これらの例において、リドライバ回路102は、第1の信号エッジが最初に検出された電圧ドメイン104、106から発生する信号のレベルシフトとリドライブとの両方をする。他の例において、第1及び第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110は、同じI/O電圧レベル近辺で動作し、それゆえ、リドライバ回路102は、第1の信号エッジが最初に検出された電圧ドメイン104、106からの信号をリドライブするが、電圧ドメイン104、106間の信号のレベルシフトを必ずしも行わない。いくつかの例において、電圧シフトが無い場合であっても、信号をリドライブすることによって、リドライバ回路102がデバイス108、110間に存在しない場合よりも一層大きな容量性負荷を駆動することが可能になる。
【0017】
また、下記で更に詳細に説明されるように、リドライバ回路102は、リドライバ回路102に通信信号を提供しているデバイスに結合されるバス107a、107bのインピーダンスをサンプリングするように構成される。リドライバ回路102は、デバイス108、110が通信信号を依然として提供しているかどうか、又は、デバイス108、110が通信信号を提供することをやめたかどうかを判定するために、バス107a、107bのインピーダンスをサンプリングする。やめている場合、そのデバイス108、110に結合されるバス107a、107bは高インピーダンス状態(例えば、アイドル状態)にある。高インピーダンス状態がバス107a、107b上で検出されるとき、リドライバ回路102は、そのバス107a、107bからの信号をレベルシフト及び/又はリドライブしていた通信チャネルをディセーブルし、上述したように、リドライバ回路102は再び第1の信号エッジを監視する。このようにして、リドライバ回路は、バス107a、107bの両側を監視し、データ送信の方向において通信信号のレベルシフト及び/又はリドライブを行うために、通信信号の方向を検出する。
【0018】
図2は、リドライバ回路102の概略図を更に詳細に含む、
図1に関して上述したシステム100を示す。
図2の例において、リドライバ回路102は例示のSPMIインターフェースにおいて用いられ、第1の電圧ドメイン104における複数のデバイス108a~108nに及び第2の電圧ドメイン106における複数のデバイス110a~110nに結合されるものとして示される。他の例において、第1の電圧ドメイン104には単一のデバイス108及び/又は第2の電圧ドメイン106には単一のデバイス110のみがある。いくつかの例において、デバイス108、110間で通信プロトコルを実装するため、デバイス108、110は、マスター或いはスレーブとして機能するように構成される。また、
図2の例において、リドライバ回路102は、(例えば、二線式SPMIインターフェースの)第1のクロックバス112及び第1のデータバス114によってデバイス108a~108nに結合する。同様に、リドライバ回路102は、第2のクロックバス116及び第2のデータバス118によってデバイス110a~110nに結合する。プルダウン抵抗器120、122、124、126が、それぞれ、バス112、114、116、118に結合される。また、プルダウン抵抗器120、122、124、126は接地ノードに結合される。
【0019】
リドライバ回路102は、本願で説明される種々の機能を行うように構成されるコントローラ150を含む。いくつかの例において、コントローラ150は、集積回路又は処理デバイスである。本開示の範囲は、コントローラ150の特定の形態によって限定されない。コントローラ150の機能は、下記で一層充分に説明される。
【0020】
リドライバ回路102は、第1のクロックバス112に結合するように構成される第1のポート152、第2のクロックバス116に結合するように構成される第2のポート154、第1のデータバス114に結合するように構成される第3のポート156、及び第2のデータバス118に結合するように構成される第4のポート158を含む。ポート152、154、156、158を介して、リドライバ回路102は、それぞれ、第1及び第2の電圧ドメイン104、106における種々のデバイス108、110に通信信号を送信し得、及びそこから通信信号を受信し得る。コントローラ150は、ポート152、154、156、158の各々に、及び、下記で更に説明されるように、リドライバ回路102の種々の他の要素に結合される。
【0021】
リドライバ回路102は、レシーバ138と、遅延要素140と、ドライバ142とを含む第1の通信チャネル137を含む。第1の通信チャネル137は、第1のポート152から受信される入力信号を、出力信号として、第2のポート154へリドライブするように構成される。
図2の特定の例において、第1の通信チャネル137への入力信号及び第1の通信チャネル137からの出力信号は、クロック信号である。また、いくつかの例において、第1の通信チャネル137は、第1のポート152から受信される入力クロック信号を、第1のI/O電圧制限(V
IOA)を有する第1の電圧ドメイン104から、第2のI/O電圧制限(V
IOB)を有する第2の電圧ドメイン106にレベルシフトするように構成される。
【0022】
リドライバ回路102は、レシーバ144と、遅延要素146と、ドライバ148とを含む第2の通信チャネル143を含む。第2の通信チャネル143は、第2のポート154から受信される入力信号を、出力信号として、第1のポート152へリドライブするように構成される。
図2の特定の例において、第2の通信チャネル143への入力信号及び第2の通信チャネル143からの出力信号は、クロック信号である。また、いくつかの例において、第2の通信チャネル143は、第2のポート154から受信される入力クロック信号を、第2の電圧ドメイン106(V
IOB)から第1の電圧ドメイン104(V
IOA)にレベルシフトするように構成される
【0023】
また、リドライバ回路102は、(レシーバ168と、遅延要素170と、ドライバ172とを含む)第3の通信チャネル167、及び、(レシーバ174と、遅延要素176と、ドライバ178とを含む)第4の通信チャネル173を含み、これらは、第1のポート152及び第2のポート154ではなく、第3のポート156及び第4のポート158に結合されることを除いて、上述した第1及び第2の通信チャネル137、143と機能が類似している。
図2の特定の例において、第3及び第4の通信チャネル167、173への入力信号及び第3及び第4の通信チャネル167、173からの出力信号は、データ信号である。また、いくつかの例において、第3の通信チャネル167は、第3のポート156から受信される入力データ信号を、第1の電圧ドメイン104(V
IOA)から第2の電圧ドメイン106(V
IOB)にレベルシフトするように構成される。また、同様に、第4の通信チャネル173は、第4のポート158から受信される入力データ信号を、第2の電圧ドメイン106(V
IOB)から第1の電圧ドメイン104(V
IOA)にレベルシフトするように構成される。
【0024】
レシーバ138、144、168、174の各々は同じように機能する。特に、レシーバ138は、第1のポート152から入力信号を受信するように構成される。同様に、レシーバ144は、第2のポート154から入力信号を受信するように構成され、レシーバ168は、第3のポート156から入力信号を受信するように構成され、レシーバ174は、第4のポート158から入力信号を受信するように構成される。レシーバ138、144、168、174は、受信した入力信号に基づいて信号を生成し、生成された信号を、それぞれの遅延要素140、146、170、176に提供する。一例において、レシーバ138、144、168、174は、SPMI規格によって規定された特定の閾値レベルを満たすコンパレータである。
【0025】
遅延要素140、146、170、176は、制御パス(例えば、コントローラ150によって行われる機能)が(例えば、通信チャネル137、143、167、173を介した)データパスより速いことを確実にするために、通信チャネル137、143、167、173の各々に遅延を導入し、その結果、コントローラ150は、通信チャネル137、143、167、173のうちの適切な一つをイネーブルし得、一方で、電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110間の信号データの損失を避ける。遅延を導入する目的は、下記で更に詳細に説明される。各遅延要素140、146、170、176は、その遅延信号を、それぞれのドライバ142、148、172、178に提供する。一例において、遅延要素140、146、170、176は、インバータチェーンであり、インバータ段の数及びそのインバータ段のRC負荷を調節することによってプログラム可能であり得る。
【0026】
ドライバ142、148、172、178は、各々、出力信号を、それぞれ、それらの関連するポート154、152、158、156に駆動し、いくつかのケースでは、そのそれぞれの遅延要素140、146、170、176から受信される信号に対してレベルシフトを行う。例えば、ドライバ142、172は、遅延要素140、170からの信号を、第1の電圧ドメイン104から第2の電圧ドメイン106にレベルシフトする。同様に、ドライバ148、178は、遅延要素146、176からの信号を、第2の電圧ドメイン106から第1の電圧ドメイン104にレベルシフトする。或る例において、イネーブル信号が、ドライバ142(ENCLKB)、148(ENCLKA)、172(ENDATB)、178(ENDATA)の一つ又は複数に提供され得る。イネーブル信号が提供されると、イネーブル信号は、対応するドライバ142、148、172、178(及びそれゆえ、それぞれの通信チャネル137、143、167、173)をイネーブルする。このようにして、通信チャネル137、143、167、173の各々は、信号を、一方の電圧ドメイン104、106から他方へリドライブするように、及び、これらの信号を、第1の電圧ドメイン104から第2の電圧ドメイン106に又は逆の場合も同様にレベルシフトするように構成され、デバイス108、110間の双方向通信を促進する。また、下記で更に詳細に説明されるように、一度に第1の通信チャネル137及び第2の通信チャネル143の一つのみがイネーブルされる。同様に、一度に第3の通信チャネル167及び第4の通信チャネル173の一つのみがイネーブルされる。このように、リドライバ回路102は、デバイス108、110間の半二重通信も促進する。
【0027】
コントローラ150は、リドライバ回路102の他の部分から幾つかの信号を受信するように、及び、これらの受信される信号に少なくとも部分的に基づいて、リドライバ回路102の種々の態様を制御するように構成される。例えば、コントローラは、ポート152、154、156、158の一つにおいて受信される信号がアサートされるかどうかの表示を(例えば、下記で更に説明される、ポートに結合される或るコンパレータから)、ポート152、154、156、158の一つにおいて受信される信号がディアサートされるかどうかの表示を(例えば、下記で更に説明される、ポートに結合される他のコンパレータから)、及び/又は、ポート152、154、156、158の一つに結合されるバス112、116、114、118が、高インピーダンス状態にあるかどうかの表示を(例えば、下記で更に説明される、コンパレータ134、136、164、166の一つから)受信する。コントローラ150によって受信される信号に基づいて、コントローラ150は、種々の通信チャネル137、143、167、173をイネーブル又はディセーブルするように、及び、同じく下記で更に説明される種々の電流源130、132、160、162を制御するように構成される。
【0028】
リドライバ回路102のコントローラ150は、バス112、114、116、118上で信号送信の開始を示す第1の信号エッジを検出するように構成される。簡潔にするために図示しないが、一例において、コンパレータが、ポート152、154、156、158の各々に結合される。これらのコンパレータは、ポート152、154、156、158における電圧を基準電圧と比較するように構成される。或る例において、基準電圧は、信号が特定の電圧ドメイン104、106のためにアサートされることを示すレベルを上回って設定される。例えば、基準電圧は、ポート152、154、156、158が結合するように構成される電圧ドメイン104、106のためのI/O電圧制限よりわずかに小さい(例えば、10パーセント以内の)値である。
【0029】
例えば、第1又は第3のポート152、156に結合されるコンパレータが、それらの電圧を、第1の電圧ドメイン104のためのI/O電圧制限よりわずかに小さい基準電圧(VBIASA)と比較して、受信される信号電圧が第1の電圧ドメイン104のためのアサートされる信号(例えば、これは、立ち上がりエッジに対応する)を示すときに、第1又は第3のポート152、156に結合されるコンパレータの出力がアサートされるようにする。一方の電圧ドメイン104が1.8VのI/O電圧制限を有するSPMIインターフェースに対応する特定の例において、コンパレータは、ポート152、156において受信される信号の電圧を、(例えば、1.8Vより10パーセント小さい)約1.62Vの基準電圧と比較する。同様に、第2又は第4のポート154、158に結合されるコンパレータが、それらの電圧を、第2の電圧ドメイン106のためのI/O電圧制限よりわずかに小さい基準電圧(VBIASB)と比較して、受信される信号電圧が第2の電圧ドメイン106のためのアサートされる信号(例えば、これは立ち上がりエッジに対応する)を示すときに、第2又は第4のポート154、158に結合されるコンパレータの出力がアサートされるようにする。他方の電圧ドメイン106が、1.2VのI/O電圧制限を有するプロセッサ/SoCインターフェースに対応する例において、コンパレータは、ポート154、158において受信される信号の電圧を、(例えば、1.2Vより10パーセント小さい)約1.08Vの基準電圧と比較する。いくつかの例において、クロック及びデータ信号は、異なる電圧でアサートされ得、それゆえ、それらの基準電圧も同様に異なる。しかし、説明を簡潔にするため、電圧ドメイン104、106の一つからのクロック及びデータ信号の両方は、ほぼ同じ電圧でアサートされると想定する。
【0030】
また、リドライバ回路102のコントローラ150は、バス112、114、116、118から受信される信号がディアサートされるときを検出するように構成される。ここでも簡潔にするために図示しないが、一例において、付加的なコンパレータが、ポート152、154、156、158の各々に結合される。これらのコンパレータは、ポート152、154、156、158における電圧を基準電圧と比較するように構成され、基準電圧は、信号がディアサートされたことを示すレベルを下回って設定される。例えば、基準電圧は、接地ノード電圧よりわずかに(例えば、0.1V)高い値である。これらのコンパレータの出力は、受信される信号電圧がディアサートされる信号を示すときにアサートされ、一方で、これらのコンパレータの出力は、受信される信号電圧がアサートされる信号を示すときにディアサートされる。
【0031】
また、ポート152、154、156、158においてアサートされる信号(又は立ち上がりエッジ)及びディアサートされる信号(又は立ち下がりエッジ)を検出することに加えて、コントローラ150は、種々のポート152、154、156、158におけるインピーダンスをサンプリングするように構成される。特に、下記で更に詳細に説明されるように、コントローラ150は、ポート152、154、156、158の一つにおける信号がディアサートされる一方で、そのポートの対応するチャネルがイネーブルされることに応答して、種々のポート152、154、156、158におけるインピーダンスをサンプリングするように構成される。例えば、第1の通信チャネル137がイネーブルされる場合、コントローラ150は、第1のポート152への入力信号(例えば、クロック信号)がディアサートされることを検出することに応答して、第1のポート152におけるインピーダンスをサンプリングするように構成される。コントローラ150は、それぞれ、他のポート154、156、158及びそれらの対応する通信チャネル143、167、173のために同様に機能する。
【0032】
コントローラ150は、例えば、第1のポート152に結合される第1のクロックバス112の高インピーダンス状態を検出するために、上述したように、第1のポート152におけるインピーダンスをサンプリングするように構成される。この高インピーダンス状態は、第1のクロックバス112に結合されるデバイス108が第1のクロックバス112をもはや駆動していないことを示す。一例において、電流源130が第1のポート152に結合される。コントローラ150は、例えば、電流を第1のポート152に注入するために、電流源130を制御するように構成される。また、他の例において、注入される電流の量は、コントローラ150によって制御可能である。コンパレータ134が、第1のポート152に結合される非反転端子と、基準電圧源(その値は、VBIASAによって与えられる)に結合される反転端子とを含む。
【0033】
例えば、第1のクロックバス112に結合されるデバイス108が第1のクロックバス112を駆動しているとき、第1のポート152において見られるインピーダンスは、デバイス108のドライバのインピーダンスであり、比較的低い(例えば、約50オーム)ものである。しかし、デバイス108が第1のクロックバス112を駆動していないとき、デバイス108のドライバは高インピーダンス状態にあり、それゆえ、第1のポート152において見られるインピーダンスは、ほぼ、プルダウン抵抗器120の抵抗であり、例えば、約125kオームの最小値を有し得る。それゆえ、デバイス108が第1のクロックバス112を駆動しているときに、コントローラ150が電流源130に電流(例えば、約2uA)を第1のポート152に注入させる場合、デバイス108のドライバのインピーダンスがプルダウン抵抗器120のインピーダンスより一層低いので、プルダウン抵抗器120で降下される電圧は比較的小さい(例えば、VBIASAを下回る)。その結果、コンパレータ134出力はアサートされない。しかし、デバイス108が第1のクロックバス112を駆動していないときに、コントローラ150が電流源130に電流を第1のポート152に注入させる場合、デバイス108のドライバそれ自体がこの際に高インピーダンス状態にあるので、プルダウン抵抗器で降下される電圧は一層大きい(例えば、VBIASAを上回る)。その結果、コンパレータ134の出力がアサートされ、第1のクロックバス112が高インピーダンス状態(例えば、アイドル状態)にあることを示す。プルダウン抵抗器120の抵抗の特定の値、電流源130によって注入される電流、及び電圧VBIASAは例示的なものであり、高インピーダンスバス状態を検出するために説明される機能を依然として実現する限り、上述したものと異なってもよい。
【0034】
また、或る例において、コントローラ150は、VBIASAの値を制御するように構成される。上述したように、プルダウン抵抗器120は、第1のクロックバス112に及び接地ノードに結合される。それゆえ、第1のクロックバス112がデバイス108によって駆動されておらず(例えば高インピーダンス状態にあり)、電流が電流源130によって第1のポート152に注入されるとき、電圧がプルダウン抵抗器120で降下される。しかし、第1のクロックバス112がデバイス108によって駆動されているとき、第1のポート152への電流の注入は、第1のクロックバス112の電圧に比較的影響がない。上述したように、第1のクロックバス112が高インピーダンス状態にあるときにプルダウン抵抗器120の電圧が検出されるように、但し、そのような電圧が第1のクロックバス112上でハイ信号又はアサートされる信号と解釈されるほど充分に高くないように、プルダウン抵抗器120の値及び電流源130によって注入される電流の量が選択される。或る例において、第1のクロックバス112が高インピーダンス状態にあるときに電流源130によって電流を注入することに応答する抵抗器120の電圧が、コンパレータ134にその出力をアサートさせるように、コントローラ150はVBIASAの値を設定する。しかし、また、第1のクロックバス112がデバイス108によって駆動されるときに電流源130によって電流を注入することに応答する、第1のクロックバス112上の電圧増加が、コンパレータ134にその出力をアサートさせないように、VBIASAの値が設定される。電流源132、160、162及びコンパレータ136、164、166は、第1のポート152に関して上述した電流源130及びコンパレータ134と同様に、ポート154、156、158に対して機能する。
【0035】
コントローラ150及びリドライバ回路102の機能が、概して、
図3~
図5に関して更に説明される。一例において、上述したように、リドライバ回路102はSPMIインターフェースにおいて用いられ、ここで、バス112、116及びバス114、118は、SPMIインターフェースの二線式バスを含む。
図3は、第1の電圧ドメイン104におけるデバイス108と第2の電圧ドメイン106におけるデバイス110との間の(例えば、バス112、116上の)クロック信号のレベルシフト及び/又はリドライブを促進することに関して、コントローラ150及びリドライバ回路102の機能を図示する状態
図300を示す。或る例において、マスターであるデバイス108、110が、対応するスレーブデバイスへの及びそこからの通信に用いられるクロック信号を提供する。例えば、デバイス108、110が、リドライバ回路102にクロック信号を提供するとき(リドライバ回路102によって第1の信号エッジとして検出される)、そのデバイス108、110は、駆動されたクロックバス112、116が高インピーダンス状態に遷移するまでマスターであることが想定される。それゆえ、リドライバ回路102は、駆動されたクロックバス112、116が高インピーダンス状態に遷移するまで、最初に検出されるクロック信号を、一方の電圧ドメイン104、106から他方へ駆動し続ける。
図4は、この機能に対応するタイミング
図400を示す。タイミング
図400は、第1のクロックバス112上の信号(SCLKA)及び第2のクロックバス116上の信号(SCLKB)と、電流源130によって注入される電流のための制御信号(ICC_ENCLKA)及び電流源132によって注入される電流のための制御信号(ICC_ENCLKB)と、第1の通信チャネル137のためのイネーブル信号(ENCLKB、第1の通信チャネル137のドライバ142をイネーブルする)及び第2の通信チャネル143のためのイネーブル信号(ENCLKA、第2の通信チャネル143のドライバ148をイネーブルする)とを表す波形を含む。
【0036】
初期的に、例えば
図4の部分402に図示するように、電圧ドメイン104、106及びリドライバ回路102を包含するデバイスのパワーオン又はリセット事象の際、状態
図300は状態302において始まる。状態302において、クロックバス112、116の両方が高インピーダンス状態にある(例えば、いずれのデバイス108、110によっても駆動されていない)。デバイス108、110がクロックバス112、116を駆動しておらず、それゆえ、リドライバ回路102の第1の通信チャネル137も第2の通信チャネル143もイネーブルされず、それゆえ、コントローラ150はENCLKA又はENCLKBをアサートしない。また、状態302において、クロックバス112、116の両方が高インピーダンス状態にあることが(例えば、パワーオン又はリセット事象に起因して)判定されており、それゆえ、コントローラ150は、電流源130或いは132に電流を注入させず、それゆえ、ICC_ENCLKA及びICC_ENCLKBもまたディアサートされる。
【0037】
その後、時間領域408の間、コントローラ150はクロックバス112上で第1の信号エッジを検出し、それゆえ、状態
図300は状態304へ続く。説明のため、第1の信号エッジが第1のクロックバス112上で最初に検出されるのは、SCLKAがSCLKBより前にハイになる又はアサートされるときであると想定され、それゆえ、状態
図300は状態306へ続く。状態306において、コントローラ150は(同じく時間領域408において)ENCLKBをアサートすることによって、第1の通信チャネル137をイネーブルし、これが第1の通信チャネル137のドライバ142をイネーブルする。イネーブルされるとき、ドライバ142は、第1のクロックバス112から受信されるクロック信号を第2のクロックバス116にレベルシフト及び/又はリドライブする。これを、信号のリドライブとして
図4の部分402に図示する。第2の通信チャネル143はディセーブルされたままである(例えば、ENCLKAはディアサートされる)。上述したように、第1の通信チャネル137における遅延要素140は、コントローラ150に、状態変化を生じさせる第1のポート152からの信号(例えば、第1の信号エッジ)がドライバ142に到達する前に、ENCLKBをアサートするための充分な時間を提供する。これがタイミング
図400に反映されており、SCLKBはSCLKAから遅延されている。
【0038】
その後、状態
図300は状態308に進む。状態308において、第1のクロックバス112(SCLKA)は、SCLKAがディアサートされたかどうかを検出するために、コントローラ150によって監視される。上述したように、或る例において、コントローラ150は、第1のクロックバス112上の信号がローになる又はディアサートされるときにアサートされるコンパレータ出力を監視する。SCLKAがハイであるか又はアサートされたままである間、状態
図300は状態306及び308にとどまる。しかし、SCLKAがローになる又はディアサートされるとき、状態
図300は状態310へ続く。
【0039】
状態310において、コントローラ150は、上述したように、第1のクロックバス112に結合される第1のポート152におけるインピーダンスをサンプリングする。特に、コントローラ150は、電流源130に、電流を第1のポート152に注入させるために、ICC_ENCLKAをアサートする。これはタイミング
図400において反映されており、ここでは、ICC_ENCLKAが(例えば、二つのパルス410、412として)アサートされ、一方で、SCLKAがディアサートされる。状態
図300は状態312において継続し、状態312において、コントローラ150は、例えば、上述したようにコンパレータ134の出力を監視することによって、第1のクロックバス112が高インピーダンス状態にあるかどうかを判定する。例えば、第1のクロックバス112がデバイス108によって駆動されているとき、第1のポート152への電流の注入は、第1のクロックバス112の電圧を、コンパレータ134のための基準電圧VBIASAを上回って上昇させない。これはタイミング
図400に反映されており、ここでは、デバイス108がSCLKAをローに駆動しているので、ICC_ENCLKAの第1のアサートは、SCLKAの電圧を、VBIASAを上回って上昇させない。状態312において、コントローラ150が、第1のクロックバス112が高インピーダンス状態にないことを判定する(例えば、コントローラ150が、HIZCLKAが高い値でないことを判定する)場合、状態
図300は、状態308に戻り、SCLKAがローであるか又はディアサートされたかどうかによって、上述した状態306、310の一つに戻る。
【0040】
しかし、第1のクロックバス112がデバイス108によって駆動されていないとき、第1のポート152への電流の注入が、コンパレータ134のための基準電圧VBIASAより大きい電圧(406において反映される)を、プルダウン抵抗器120で降下させ、これが、コンパレータ134の出力をアサートさせる。それゆえ、コントローラ150は、コンパレータ134の出力がアサートされることに応答して、第1のクロックバス112が高インピーダンス状態にあることを判定する。これがタイミング
図400に反映されており、ここでは、(破線によって示される、SCLKAが高インピーダンス状態に遷移した後の)ICC_ENCLKAの第2のアサート412の結果、SCLKAの電圧が406においてVBIASAを超えることとなる。状態312において、コントローラ150が、第1のクロックバス112が高インピーダンス状態にあることを判定する場合、状態
図300は状態302に戻り、コントローラ150は第1の通信チャネル137をディセーブルし、それぞれ、第1又は第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110から第1の信号エッジを受信するために待機する。
【0041】
状態304に戻って参照すると、別の例において、SCLKBがSCLKAより前にハイになるか又はアサートされるとき、コントローラ150は、第2のクロックバス116からの第1の信号エッジを検出する。これが、タイミング
図400の部分404の時間領域413の間に反映されている。この場合、状態
図300は状態314へ続く。状態314、316、318、及び320は、上述の状態306、308、310、312に概ね類似するが、通信の進行方向は反対である。例えば、状態314において、コントローラ150は、(同じく時間領域413の間)ENCLKAをアサートすることによって第2の通信チャネル143をイネーブルし、これが第2の通信チャネル143のドライバ148をイネーブルする。イネーブルされるとき、ドライバ148は、第2のクロックバス116から受信されるクロック信号を第1のクロックバス112にレベルシフト及び/又はリドライブする。タイミング
図400の部分404の例が、一層高い電圧レベルから一層低い電圧レベルへのクロック信号のレベルシフトを図示する。第1の通信チャネル137はディセーブルされたままである(例えば、ENCLKBがディアサートされる)。上述したように、第2の通信チャネル143における遅延要素146は、コントローラ150に、状態変化を生じさせる第2のポート154からの信号(例えば、第1の信号エッジ)がドライバ148に到達する前にENCLKAをアサートするための充分な時間を提供する。これが、タイミング
図400の部分404に反映されており、ここでは、SCLKAはSCLKBから遅延される。
【0042】
その後、状態
図300は状態316に進む。状態316において、第2のクロックバス116(SCLKB)は、SCLKBがディアサートされたかどうかを検出するために、コントローラ150によって監視される。上述したように、或る例において、コントローラ150は、第2のクロックバス116上の信号がローになるか又はディアサートされるときにアサートされるコンパレータ出力を監視する。SCLKBがハイである又はアサートされたままである間、状態
図300は状態314及び316にとどまる。しかし、SCLKBがローになるか又はディアサートされるとき、状態
図300は状態318へ続く。
【0043】
状態318において、コントローラ150は、上述したように、第2のクロックバス116に結合される第2のポート154におけるインピーダンスをサンプリングする。特に、コントローラ150は、電流源132に、電流を第2のポート154に注入させるために、ICC_ENCLKBをアサートする。これが、タイミング
図400において反映されており、ここでは、ICC_ENCLKBが(例えば、二つのパルス414、416として)アサートされる一方、SCLKBがディアサートされる。状態
図300は状態320において継続し、状態320において、コントローラ150は、第2のクロックバス116が高インピーダンス状態にあるかどうかを、例えば、上述したように、コンパレータ136の出力を監視することによって判定する。例えば、第2のクロックバス116がデバイス110によって駆動されているとき、第2のポート154への電流の注入は、第2のクロックバス116の電圧を、コンパレータ136のための基準電圧VBIASBを上回って上昇させない。これがタイミング
図400の418において反映されており、ここでは、デバイス110がSCLKBをローに駆動しているので、ICC_ENCLKBのアサート414は、SCLKBの電圧を、VBIASBを上回って上昇させない。状態320において、コントローラ150が、第2のクロックバス116が高インピーダンス状態にないことを判定する場合、状態
図300は状態316に戻り、SCLKBがローであるか又はディアサートされるかどうかによって、上述した状態314、318の一つに戻る。
【0044】
しかし、第2のクロックバス116がデバイス110によって駆動されていないとき、第2のポート154への電流の注入は、コンパレータ136のための基準電圧VBIASBより大きい電圧を、プルダウン抵抗器124で降下させ、これが、コンパレータ136の出力をアサートさせる。それゆえ、コントローラ150は、コンパレータ136の出力がアサートされることに応答して、第2のクロックバス116が高インピーダンス状態にあることを判定する。これが、タイミング
図400のポイント420において反映されている。状態320において、コントローラ150が、第2のクロックバス116が高インピーダンス状態にあることを判定する場合、状態
図300は状態302に戻り、コントローラ150は第2の通信チャネル143をディセーブルし、それぞれ、第1又は第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110から第1の信号エッジを受信するために待機する。
【0045】
上述したように、リドライバ回路102はクロックバス(例えば、第1のクロックバス112及び第2のクロックバス116)の両側を監視し、それぞれ、第1又は第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110から到達する第1の信号エッジを検出することによって、受信される通信信号の方向を検出する。リドライバ回路102は、データ送信の方向において通信信号のレベルシフト及び/又はリドライブを行う。同時に、リドライバ回路102は、一度に第1の通信チャネル137及び第2の通信チャネル143の一つのみをイネーブルすることによって、反対方向のデータ送信を防止し、それぞれ、第1及び第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110間の双方向の半二重通信を可能にする。
【0046】
図5は、第1の電圧ドメイン104におけるデバイス108と第2の電圧ドメイン106におけるデバイス110との間の(例えば、データバス114、118上の)データ信号のレベルシフト及び/又はリドライブを促進することに関する、コントローラ150及びリドライバ回路102の機能を図示する状態
図500を示す。或る例において、マスターであるデバイス108、110は、データ信号と共に(上述したような)クロック信号を提供し、それらは、対応するスレーブデバイスへ及びそこからの通信のために用いられる。しかし、常にマスターによって提供されるクロック信号とは異なり、双方向通信インターフェースにおいては、マスターもまた、一つ又は複数のスレーブからデータを受信することを期待する。また、リドライバ回路102自体はバスアービトレーション機能を行わないが、リドライバ回路102は、異なる電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110間の双方向の半二重通信を依然として促進する一方で、デバイス108、110がそのようなバスアービトレーションを行うことを可能にするように構成される。
【0047】
図3に関して上述したように、電圧ドメイン104、106及びリドライバ回路102を包含するデバイスのパワーオン又はリセット事象の際、状態
図500は状態502において始まる。状態502において、データバス114、118の両方が高インピーダンス状態にある(例えば、いずれのデバイス108、110によっても駆動されていない)。デバイス108、110がデータバス114、118を駆動しておらず、それゆえ、リドライバ回路102の第3の通信チャネル167も第4の通信チャネル173もイネーブルされず、それゆえ、コントローラ150はENDATA又はENDATBをアサートしない。また、状態502において、データバス114、118の両方が高インピーダンス状態にあることが(例えば、パワーオン又はリセット事象に起因して)判定されており、それゆえ、コントローラ150は、電流源160或いは162に電流を注入させず、それゆえ、ICC_ENDATA及びICC_ENDATBもまたディアサートされる。
【0048】
その後、コントローラ150は、データバス114、118の一つ上で第1の信号エッジを検出し、それゆえ、状態
図500は状態504へ続く。説明のため、第1の信号エッジは、SDATAがSDATBより前にハイになる又はアサートされるときに、第1のデータバス114上で最初に検出されると想定され、それゆえ、状態
図500は状態506へ続く。状態506において、コントローラ150は、ENDATBをアサートすることによって第3の通信チャネル167をイネーブルし、これが、第3の通信チャネル167のドライバ172をイネーブルする。イネーブルされるとき、ドライバ172は、第1のデータバス114から受信されるデータ信号を第2のデータバス118にレベルシフト及び/又はリドライブする。第4の通信チャネル173は、ディセーブルされたままである(例えば、EDATAがディアサートされる)。上述したように、第3の通信チャネル167における遅延要素170は、コントローラ150に、状態変化を生じさせる第3のポート156からの信号(例えば、第1の信号エッジ)がドライバ172に到達する前にENDATBをアサートするための充分な時間を提供する。遅延要素170の効果は、
図4に図示し上述したものと同様である。
【0049】
その後、状態
図500は状態508に進む。状態508において、コントローラ150は、バスアービトレーション開始状況が生じたかどうかを判定する。上述したように、リドライバ回路102自体はバスアービトレーション機能を行わないが、リドライバ回路102は、デバイス108、110がそのようなバスアービトレーションを行うことを可能にするように構成される。リドライバ回路102がSPMIインターフェースにおいて用いられる例において、バスアービトレーション開始状況は、(例えば、第1のデータバス114から受信される)データ信号がアサートされたままであり、一方で、(例えば、第1のクロックバス112から受信される)クロック信号が、少なくともバスターンアラウンド時間(T
BT)の間ディアサートされたままであることによって示される。或る例において、T
BTの値は、SPMI規格によって決定される。このバスアービトレーション開始状況の発生は、バスアービトレーションがデバイス108、110間で起こることをコントローラ150に示し、それゆえ、状態
図500はブロック510に進む。
【0050】
コントローラ150は、種々のバスアービトレーション方式を促進するように構成され、例えば、そうした方式は、リドライバ回路102が通信を促進するインターフェースのための一つ又は複数の規格において規定される。一例において、状態510において生じるバスアービトレーション方式は、予め決められた持続時間(例えばクロックサイクルの数)の間継続する。それゆえ、状態510において、コントローラ150は、バスアービトレーション方式を(例えば、その方式に応じて第3及び第4の通信チャネル167、173をイネーブル及びディセーブルすることによって)促進し、予め決められた持続時間が経過したとき、バスアービトレーションは完了し、状態図は上述の状態502に進む。
【0051】
状態508において、コントローラ150が、バスアービトレーション開始状況が生じていないことを判定する場合、状態
図500はブロック512へ続く。例えば、SDATAがディアサートされる場合、SCLKAがアサートされる場合、又は、SCLKAが、T
BTより短い間ディアサートされる場合、バスアービトレーション開始状況は生じない。状態512において、コントローラ150は、ENDATBをアサートすることによって第3の通信チャネル167をイネーブルし続け、一方で、ENDATAをディアサートすることによって第4の通信チャネル173をディセーブルし続ける。状態512から、状態
図500は状態514に進む。状態514において、第1のデータバス114(SDATA)及び第1のクロックバス112(SCLKA)は、SDATA及びSCLKAがいずれもディアサートされたかどうかを検出するために、コントローラ150によって監視される。上述したように、コントローラ150がコンパレータ出力を監視する例において、出力の一つは、第1のクロックバス112上の信号がローになる又はディアサートされるときにアサートされ、出力の別のものは、第1のデータバス114上の信号がローになる又はディアサートされるときにアサートされる。SDATA及び/又はSCLKAがハイであるか又はアサートされたままである間、状態
図500は状態512及び514にとどまる。しかし、SDATA及びSCLKAがローになる又はディアサートされるとき、状態
図500は状態516へ続く。
【0052】
状態516において、コントローラ150は、上述したように、第1のデータバス114に結合される第3のポート156におけるインピーダンスをサンプリングする。特に、コンパレータ164は、電流源160に、電流を第3のポート156に注入させるために、ICC_ENDATAをアサートする。状態
図500は状態518において継続する。状態518において、コントローラ150は、第1のデータバス114が高インピーダンス状態にあるかどうかを、例えば、上述したようにコンパレータ164の出力(HIZDATA)を監視することによって判定する。例えば、第1のデータバス114がデバイス108によって駆動されているとき、第3のポート156への電流の注入は、第1のデータバス114の電圧を、コンパレータ164のための基準電圧VBIASAを上回って上昇させない。状態518において、コントローラ150は、第1のデータバス114が高インピーダンス状態にないことを判定する。状態
図500は状態514に戻り、SDATA及びSCLKAがローである又はディアサートされるかどうかに従って、上述した状態512、516の一つに戻る。
【0053】
しかし、第1のデータバス114がデバイス108によって駆動されていないとき、第3のポート156への電流の注入は、コンパレータ164のための基準電圧VBIASAより大きい電圧を、プルダウン抵抗器122で降下させ、これが、コンパレータ164の出力をアサートさせる。それゆえ、コントローラ150は、コンパレータ164の出力がアサートされることに応答して、第1のデータバス114が高インピーダンス状態にあることを判定する。状態518において、コントローラ150が、第1のデータバス114が高インピーダンス状態にあることを判定する場合、状態
図500は状態502に戻り、コントローラ150は第3の通信チャネル167をディセーブルし、それぞれ、第1又は第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110から第1の信号エッジを受信するために待機する。
【0054】
状態504に戻って参照すると、別の例において、コントローラ150は、SDATBがSDATAより前にハイになる又はアサートされるとき、第2のデータバス118から第1の信号エッジを検出する。この場合、状態
図500は状態520へ続く。状態520、522、524、526、528、530、及び532は、上述の状態506、508、510、512、514、516、及び518と概ね類似するが、通信の進行方向は反対である。例えば、状態520において、コントローラ150は、ENDATAをアサートすることによって第4の通信チャネル173をイネーブルし、これが、第4の通信チャネル173のドライバ178をイネーブルする。イネーブルされると、ドライバ178は、第2のデータバス118から受信されるデータ信号を、第1のデータバス114にレベルシフト及び/又はリドライブする。第3の通信チャネル167はディセーブルされたままである(例えば、ENDATBはディアサートされる)。上述したように、第4の通信チャネル173における遅延要素176は、コントローラ150に、状態変化を生じさせる第4のポート158からの信号(例えば、第1の信号エッジ)がドライバ178に到達する前に、ENDATAをアサートするための充分な時間を提供する。
【0055】
その後、状態
図500は状態522に進む。状態522において、コントローラ150は、バスアービトレーション開始状況が生じたかどうかを判定する。上述したように、一例において、バスアービトレーション開始状況は、(例えば、第2のデータバス118から受信される)データ信号がアサートされたままであり、一方で、(例えば、第2のクロックバス116から受信される)クロック信号が、少なくともT
BTの間ディアサートされたままであることによって示される。このバスアービトレーション開始状況の発生は、バスアービトレーションがデバイス108、110間で起こることをコントローラ150に示し、それゆえ、状態
図500はブロック524に進む。上述したように、状態524において、コントローラ150は、バスアービトレーション方式を(例えば、その方式に応じて第3及び第4の通信チャネル167、173をイネーブル及びディセーブルすることによって)促進し、予め決められた持続時間が経過したとき、バスアービトレーションは完了し、状態図は上述の状態502に進む。
【0056】
状態522において、コントローラ150が、バスアービトレーション開始状況が生じていないことを判定する場合、状態
図500はブロック526へ続く。例えば、SDATBがディアサートされる場合、SCLKBがアサートされる場合、又は、SCLKBが、T
BTより短い間ディアサートされる場合、バスアービトレーション開始状況は生じない。状態526において、コントローラ150は、ENDATAをアサートすることによって第4の通信チャネル173をイネーブルし続け、一方で、ENDATBをディアサートすることによって第3の通信チャネル167をディセーブルし続ける。状態526から、状態
図500は状態528に進む。状態528において、第2のデータバス118(SDATB)及び第2のクロックバス116(SCLKB)は、SDATB及びSCLKBがいずれもディアサートされたかどうかを検出するために、コントローラ150によって監視される。上述したように、コントローラ150がコンパレータ出力を監視する例において、出力の一つが、第2のクロックバス116上の信号がローになる又はディアサートされるときにアサートされ、出力の別のものが、第2のデータバス118上の信号がローになる又はディアサートされるときにアサートされる。SDATB及び/又はSCLKBがハイ又はアサートされたままである間、状態
図500は状態526及び528にとどまる。しかし、SDATB及びSCLKBがローになる又はディアサートされるとき、状態
図500は状態530へ続く。
【0057】
状態530において、コントローラ150は、上述したように、第2のデータバス118に結合される第4のポート158におけるインピーダンスをサンプリングする。特に、コントローラ150は、電流源162に、電流を第4のポート158に注入させるために、ICC_ENDATBをアサートする。状態
図500は状態532において継続する。状態532において、コントローラ150は、例えば、上述したように、コンパレータ166の出力(HIZDATB)を監視することによって、第2のデータバス118が高インピーダンス状態にあるかどうかを判定する。例えば、第2のデータバス118がデバイス110によって駆動されているとき、第4のポート158への電流の注入は、第2のデータバス118の電圧を、コンパレータ166のための基準電圧VBIASBを上回って上昇させない。状態532において、コントローラ150が、第2のデータバス118が高インピーダンス状態にない(HIZDATBがハイでない)ことを判定する場合、状態
図500は状態528に戻り、SDATB及びSCLKBがローであるか又はディアサートされるかどうかに従って、上述した状態526、530の一方に戻る。
【0058】
しかし、第2のデータバス118がデバイス110によって駆動されていないとき、第4のポート158への電流の注入は、コンパレータ166のための基準電圧VBIASBより大きい電圧を、プルダウン抵抗器126で降下させ、これが、コンパレータ166の出力をアサートさせる。それゆえ、コントローラ150は、コンパレータ166の出力がアサートされることに応答して、第2のデータバス118が高インピーダンス状態にあることを判定する。状態532において、コントローラ150が、第2のデータバス118が高インピーダンス状態にある(HIZDATBがハイである)ことを判定する場合、状態
図500は状態502に戻り、コントローラ150は第4の通信チャネル173をディセーブルし、それぞれ、第1又は第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110から第1の信号エッジを受信するために待機する。
【0059】
上述したように、リドライバ回路102は、このように、データバス(例えば、第1のデータバス114及び第2のデータバス118)の両側を監視し、それぞれ、第1又は第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110から到達する第1の信号エッジを検出することによって、受信される通信信号の方向を検出する。リドライバ回路102は、データ送信の方向の通信信号のレベルシフト及び/又はリドライブを行う。また、リドライバ回路102は、バスアービトレーション開始状況を検出すること、バスアービトレーションが生じることを可能にすること、及び、完了したときに、デバイス108、110間のデータ送信を促進し続けることによって、デバイス108、110間のバスアービトレーション方式を促進する。一方向のデータ送信を促進する一方で、リドライバ回路102はまた、一度に第3の通信チャネル167及び第4の通信チャネル173の一つのみをイネーブルすることによって、反対方向のデータ送信を防止する。このように、リドライバ回路102は、それぞれ、第1及び第2の電圧ドメイン104、106におけるデバイス108、110間の双方向の半二重データ通信も可能にする。
【0060】
本記載及び特許請求の範囲において、「含む」という用語は非限定的であり、それゆえ「~を含むが、それに限定されない」という意味である。また、「結合する」という用語は、間接的或いは直接的な接続を意味する。それゆえ、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、そうした接続は、直接的な接続を介するもの、又は、他のデバイス及び接続を介した間接的な接続を介するものであり得る。同様に、第1の構成要素又は位置と第2の構成要素又は位置との間に結合されるデバイスは、直接的な接続を介するもの、又は、他のデバイス及び接続を介した間接的な接続を介するものであり得る。或るタスク又は機能を行う「ように構成される」要素又は特徴は、製造業者による製造時にそうした機能を行うように構成され得(例えば、プログラムされ得、又は構造的に設計され得)、及び/又は、そうした機能及び/又は他の付加的な又は代替の機能を行うように、製造後、ユーザによって構成可能(又は再構成可能)であり得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングを介して、ハードウェア構成要素の構成及び/又はレイアウト並びにデバイスの相互接続を介して、又はこれらの組み合わせを介して成され得る。また、「接地」又はこれに類似する表現は、シャシ接地、アース接地、浮動接地、仮想接地、デジタル接地、共通接地、及び/又は、本記載の教示に適応可能であるか又は適している接地接続の任意の他の形態を含む。特に記載がない限り、値の前にある「約」とは、述べられた値の+/-10パーセントを意味する。
【0061】
特許請求の範囲内で、説明される実施形態における改変が可能であり、他の実施形態が可能である。
【国際調査報告】