(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(54)【発明の名称】モバイルIoTネットワークのアクティブ試験システム、及びその試験システムを用いた試験方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/06 20090101AFI20220714BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20220714BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20220714BHJP
H04W 92/10 20090101ALI20220714BHJP
H04W 92/14 20090101ALI20220714BHJP
【FI】
H04W24/06
H04W88/02 150
H04W4/70
H04W92/10
H04W92/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568671
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2020063233
(87)【国際公開番号】W WO2020229496
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019207051.5
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521500328
【氏名又は名称】ジーゴス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】フー シーチェン
(72)【発明者】
【氏名】タラガノフ ゴーチェ
(72)【発明者】
【氏名】ブラトゥ ヴラド
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
LPWA(Low Power Wide Area)技術のモバイルIoT(MIoT)デバイスに接続性及びサービスを提供するモバイルIoTネットワーク(2)のためのアクティブ試験システム(1)が提示される。
試験システムは、LTE-Uuインタフェース(5)を介して、MIoTネットワーク(2)に接続された少なくとも1つの試験プローブ(3)、及び/又は、S1インタフェースを介して、MIoTネットワークに接続された少なくとも1つの試験プローブを有する。
中央試験ユニット(5a)は、無線バックホールネットワーク又は固定IPネットワーク(7)を介して、少なくとも1つの試験プローブ(3)に接続される(8)。
SIMマルチプレクサ(12)は、試験フィールドの少なくとも1つの試験プローブ(3)にSIMデータを転送するために提供される。機能が強化された試験システムは、モバイルIoTエクスペリエンスを保証する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LPWA(Low Power Wide Area)技術のモバイルIoT(MIoT)デバイスに、接続性とサービスを提供するモバイルIoTネットワーク(2)のためのアクティブ試験システム(1;15;20)において、
- 前記試験システムは、試験対象である前記サービングMIoTネットワークのMIoTサービスの品質を試験するため、及び、MIoTサービスの可用性を試験するために設計され、
-- LTE-Uuインタフェース(5)を介して、前記MIoTネットワーク(2)に接続された少なくとも1つの試験プローブ(3;3、3’)、及び/又は、
-- S1インタフェース(17)を介して、前記MIoTネットワーク(2)に接続された少なくとも1つの試験プローブ(3;3、3’)と、
- 無線バックホールネットワーク又は固定IPネットワーク(7)を介して、前記少なくとも1つの試験プローブ(3;3、3’)に接続された中央試験ユニット(5a)と、
- 試験フィールドの前記少なくとも1つの試験プローブ(3;3、3’)にSIMデータを転送するためのSIMマルチプレクサ(12)と、を有し、
- 前記試験システムは、試験対象の前記サービングMIoTネットワーク内のEPSアタッチに試験プローブを設定及び開始して、試験手順の完了を検証し、すべての試験イベントを監視及び記録し、及び、試験スケジュールに従って上記の試験手順を繰り返すことを特徴とするアクティブ試験システム。
【請求項2】
シグナリングメッセージを交換し、IPデータ、非IPデータ、SMSのいずれかを試験対象の前記MIoTネットワーク(2)との間で伝送するように構成された、請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの試験プローブ(3;3、3’)は、サービングネットワーク、すなわち、国内MIoTサービス試験のための試験対象のホームIoTネットワーク(2、HPMN)、又は、国際MIoTローミングサービス試験のための試験対象の訪問MIoTネットワーク(2、VPMN)に、配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の試験システム。
【請求項4】
MME、S-GW、P-GW、SCEF、IWK-SCEF、SCS、ASを介して、及びローミングインタフェースS6a、S8、SGd、T7を越えて、異なるMIoTネットワーク(2)コンポーネントにわたる異なる試験接続及び通信経路上で、試験対象のMIoTサービングネットワークを試験するように構成された、請求項3に記載の試験システム。
【請求項5】
MQTT/MQTT-SNメッセージを介して、試験対象のMIoTプラットフォーム(6)と通信し、
前記下層のMIoTネットワークを介した前記MIoTプラットフォーム(6)の可用性及び接続性と、エンドツーエンドのデータ転送と、前記MIoTプラットフォーム(6)と前記モバイルIoTデバイスとの間のデータの整合性とを検証するように構成された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の試験システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の試験システムを用いた、試験対象の前記サービングMIoTネットワークのMIoTサービス品質を試験するための試験方法。
【請求項7】
MIoTサービスの可用性を試験し、
- 試験対象の前記サービングMIoTネットワークにおけるEPSアタッチに試験プローブを設定し、開始するステップと、
- 前記アタッチ手順の完了を検証するステップと、
- すべての試験イベントを監視し、記録するステップと、
- 試験スケジュールに従って上記の試験ステップを繰り返すステップと、
を含む、請求項6に記載の試験方法。
【請求項8】
IoTネットワークの接続保持性を試験し、
- 前記試験プローブを開始して、試験対象の前記サービングMIoTネットワーク内のサーバにpingを実行するステップと
- 前記ping手順の完了を検証するステップと、
- すべての試験イベントを監視し、記録するステップと、
- 上記の試験ステップを試験スケジュールに従って繰り返すステップと、
を含む、請求項6乃至7のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項9】
試験対象の前記MIoTサービングネットワークによって管理される省電力機能を試験し、
- PSM(省電力モード)を有効にして、それによってT3324アクティブタイマ及び拡張されたT3412タイマの値を前記試験プローブで設定するステップと、
- 前記サービングMIoTネットワークにおける前記試験プローブのEPSアタッチを開始するステップと、
- 前記アタッチ手順の完了を検証するステップと、
- 前記タイマの値が、前記サービングMIoTネットワークによって受け入れられるどうかを、それら値と前記試験プローブが要求した値とを比較することで検証するステップと、
- 拡張された定期的なTAU(トラッキングエリアアップデート)手順が受け入れられるかどうかを検証するステップと、
- すべての試験イベントを監視し、記録するステップと、
- 上記の試験ステップを試験スケジュールに従って繰り返すステップと、
を含む、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項10】
試験対象の前記サービングIoTネットワークによって管理されるeDRX機能を試験し、
- eDRX(Extended Discontinuous Reception)を有効にして、それによって前記試験プローブでeDRXサイクル長とページングタイムウインドウ(PTW)の値を設定するステップと、
- 試験対象の前記サービングIoTネットワークにおける、前記試験プローブのEPSアタッチを開始するステップと、
- 前記アタッチ手順の完了を検証するステップと、
- 前記eDRXサイクル長及び前記PTWの値が、前記サービングIoTネットワークが受けられるかどうかを、それら値と前記試験プローブが要求した値と比較して検証するステップと、
- すべての試験イベントを監視し、記録するステップと、
- 上記の試験ステップを試験スケジュールに従って繰り返すステップと、
を含む、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項11】
IoTネットワークの前記接続保持性を試験し、
- EPSアタッチ後、又はモバイル発信(MO)、又はモバイル着信(MT)データ転送後に、前記試験プローブがデタッチのために前記サービングIoTネットワークから要求されているかどうかを検証するステップと、
- この検証ステップを複数回繰り返すステップと、
- 前記複数回の試験結果を集計して、デフォルトEPSベアラコンテキスト・カットオフ比を示すステップと、
を含む、請求項6乃至10のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項12】
試験対象の前記サービングIoTネットワークによって提供されるIoTモバイル発信(MO)データ転送を試験し、
- TCPトランスポートプロトコルを展開するステップと、
- 前記試験プローブから前記ホームネットワーク(HPMN)内に配置されたアプリケーションサーバへ、モバイル発信のIoTデータ転送を開始するステップと、
- 前記IoTデータが前記アプリケーションサーバによって正しく受信されるかどうかを検証するステップと、
- この検証ステップを複数回繰り返すステップと、
- 前記複数回の試験結果を集計して、前記デフォルトEPSベアラコンテキスト・カットオフ比を示すステップと、
- UDPトランスポートプロトコルを展開するステップと、
- IoT MOデータ転送試験を繰り返すステップと、
- NASシグナリング上の非IPデータ配信メカニズムを展開するステップと、
- IoT MOデータ転送試験を繰り返すステップと、
を含む、請求項6乃至11のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項13】
試験対象の前記サービングIoTネットワークによって提供されるIoTモバイル着信(MT)データ転送を試験し、
- TCPトランスポートプロトコルを展開するステップと、
- 前記ホームネットワーク(HPMN)内に配置されたアプリケーションサーバを開始して、IoTデータを前記試験プローブに送信するステップと、
- 前記IoTデータが前記試験プローブによって完全に受信されるかどうかを検証するステップと、
- この検証ステップを複数回繰り返すステップと、
- 前記複数回の試験結果を集計して、前記デフォルトEPSベアラコンテキスト・カットオフ比を示すステップと、
- UDPトランスポートプロトコルを展開するステップと、
- IoT MTデータ転送試験を繰り返すステップと、
- NASシグナリング上の非IPデータ配信メカニズムを展開するステップと、
- IoT MTデータ転送試験を繰り返すステップと、
を含む、請求項6乃至12のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項14】
試験対象の前記サービングIoTネットワークを介してMO SMS送信を試験し、
- 前記試験プローブを開始して、前記ホームネットワーク(HPMN)内のパートナー試験プローブにSMSを送信するステップと、
- 前記SMSが、前記パートナー試験プローブに正しく配信されるかどうかを検証するステップと、
- 前記試験を複数回繰り返すステップと、
- 前記複数回の試験結果を集計するステップと、
を含む、請求項6乃至13のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項15】
試験対象の前記サービングIoTネットワークを介してMT SMS配信を試験し、
- ホームネットワーク内のパートナー試験プローブを開始して、前記サービングIoTネットワーク内の前記試験プローブにSMSを送信するステップと、
- 前記パートナー試験プローブによって送信された前記SMSが、前記サービングIoTネットワーク内の前記試験プローブに正しく配信されるかどうかを検証するステップと、
- 前記試験を複数回繰り返すステップと、
- 前記複数回の試験結果を集計するステップと、
を含む、請求項6乃至14のいずれか一項に記載の試験方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、ドイツ特許出願DE 10 2019 207 051.5及び米国特許出願US 16/412 459の優先権を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、モバイルIoTネットワークのアクティブ試験システムに関する。また本発明は、その試験システムを用いた試験方法に関する。
【0003】
モバイルネットワークの試験システムは、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3から知られている。
【0004】
特許文献4は、モバイル通信ネットワーク内の無線セグメントを分離するための方法及び装置を開示している。特許文献5は、モバイル通信ネットワーク内のモバイル試験装置を認証する方法及び試験システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 10,097,981 B1
【特許文献2】US 7,831,249 B2
【特許文献3】WO 2004/049746 A1
【特許文献4】US 9,768,893 B1
【特許文献5】DE 10 2005 027 027 B4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、モバイルネットワークを試験するためのこのような試験システムの性能を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その目的は、請求項1の特徴を含むアクティブ試験システムによって満たされる。
【0008】
本発明による試験システムは、モバイルIoT(MIoT)デバイスに接続してサービスを提供するモバイルIoT(Internet of Things)ネットワークの試験を実行できる。このような試験は、アクティブ試験であり、すなわち、少なくとも1つのコンポーネントがそれぞれの試験方法をアクティブに開始することを要求する。例えば、中央試験ユニット又はその一部は、その試験方法をアクティブに開始するためのコンポーネントであり得る。
【0009】
試験対象のモバイルIoTネットワークは、デバイスの省電力化、カバレッジの強化、少量のデータの送信、許容遅延のためにLPWA(Low Power Wide Area)技術で強化された設置済み4Gネットワークのサブタイプ見なされる。
【0010】
搭載されるLPWA技術は、LTE-M及び/又はNB-IoTとすることができる。MIoTネットワークに接続されるLPWAモバイルデバイスは、スマートメータ、ホームオートメーション装置、ビルディングオートメーション装置、スマートグリッドの一部、工業生産ライン又はパイプライン管理の一部、自動車の一部、輸送装置や物流の一部、ドローン、ホームセキュリティ装置の一部、患者モニタリング装置の一部、灌漑や影付け(シャドーイング)などを行う農業機器の一部、街路照明装置の一部、追跡機器の一部、産業資産管理装置の一部、小売/POS機器の一部、又はウェアラブルデバイスの一部(例:腕時計の一部又はスマートフォンの一部)であり得る。また、LTE-M経由の音声サービスの試験もできる。
【0011】
モバイルIoTネットワークは、アプリケーションサーバを介して、MIoTアプリケーションプラットフォーム及び/又はIoTアプリケーションプラットフォームに接続されていてもよい。
【0012】
このような試験システムを用いて、MIoTネットワークの接続性試験、及び/又は、MIoTアプリケーションプラットフォームの試験を行うことができる。試験システムは、IoTネットワークアーキテクチャとスケーラビリティに応じて適応され、1つ以上の試験プローブを導入できる。試験プローブは、単一のIoTネットワーク内、又は複数の相互接続されたネットワーク間の異なる場所(試験フィールド)に設置できる。特に、モバイルIoTデバイスのSIMによって具現化されるデータ通信は、LTE-Uu無線インタフェース又はS1コアネットワークインタフェースのいずれかによってシミュレート及び/又はエミュレートできる。
【0013】
SIMマルチプレクサは、SIMデータを仮想的及び/又は安全に少なくとも1つの試験プローブに転送できる。
【0014】
SIMマルチプレクサは、複数のSIM、例えば最大3枚、もしくはそれ以上のSIMを運ぶための支持体(サポート)として具現化できる。
【0015】
試験システムは、少なくとも1つの試験プローブと試験対象のMIoTネットワークとの間で、エンドツーエンドのアクティブ試験方法論を展開するモバイルIoT試験手順を実行するように構成できる。試験システムは、中央試験ユニットを含む特定のアクティブ試験プラットフォームを介して、試験プローブ(複数可)を制御するように構成できる。さらに、中央試験ユニットを介して、試験システムは、IoT試験手順を自動的に実行し、試験結果を収集し、試験レポートやダッシュボードを作成することができる。
【0016】
試験システム内では、試験方法と試験シーケンスが展開され、試験対象のMIoTネットワークによって提供されるIoTコネクティビティ(接続性)を超えて実行しているMIoTアプリケーション及び/又はサービスを試験する。
【0017】
「エンドツーエンド」試験とは、MIoTデバイスとMIoTアプリケーションサーバとの間の接続性と、MIoTアプリケーションによってMIoTデバイスに提供されるサービスとが、MIoTデバイスとの往復間の、特にMIoTデバイスを代理及びシミュレートする少なくとも1つの試験プローブとの往復間のデータ転送を使用して、試験されることを意味する。
【0018】
特に、アプリケーションのサービスデータフローが、開始から完了まで期待通りに動作しているかどうかが試験される。特に、アプリケーション及び/又はサービスのすべてのステップが試験される。
【0019】
ダウンロード及びアップロードのデータ速度、及び/又はダウンロード又はアップロードの帯域幅を試験できる。
【0020】
データ転送試験は、送受信されるデータの異なるサイズ、特にデータパケットの異なる数、及び/又は異なるデータ量で実施できる。
【0021】
データ転送品質及びデータ転送の整合性を試験することができる。
【0022】
さらに、試験システムは、省電力モード(PSM)及び/又はMIoTアプリケーションのための拡張不連続受信(eDRX)の展開におけるMIoTネットワークの性能を試験するために設計できる。
【0023】
試験システムは、試験対象のサービングMIoTネットワークにおいて、省電力モード(PSM)又は拡張不連続受信(eDRX)モードのグループの少なくとも1つをトリガして開始するために、少なくとも1つの試験プローブを構成し、開始するように設計できる。試験システムは、特に、試験対象のサービングMIoTネットワークにおける進化したパケットシステム(EPS)アタッチへの試験プローブの構成及び起動と組み合わせて、省電力モード及びeDRXモードのネゴシエーションを行うように設計できる。
【0024】
試験システムは、様々なプロトコルを使用して、又は、デバイス固有のインタフェースを介して、IoTアプリケーションサーバにアクセスして問い合わせを行うために、少なくとも1つの試験プローブを構成して起動するように設計できる。様々なプロトコルとして、oneM2M、Hypercat、制約つきアプリケーションプロトコル(constrained application protocol;CoAP)、MQTT/MQTT-SN(message queuing telemetry transport)、リアルタイム・ストリーミング・プロトコル(RTSP)を含むが、これらに限定されない。また、デバイス特有のインタフェースには、JavaScript(登録商標) Object Notation(JSON)及び/又はHTTPを介したエクステンシブル・マークアップ・ランゲージ(XML)などがある。
【0025】
oneM2Mプロトコルに関する文献は、www.onem2m.orgからアクセスできる。プロトコル「Hypercat」に関する情報は、John Davies,Hypercat:resource discovery on the Internet of Things(January 12,2016):IEEE Internet of Things,March 2,2017. http://iot.ieee.orgから取得可能である。プロトコル「CoAP」に関する情報は、RFC7252に記載されている。これは、https://tools.ietf.org/html/rfc7252から取得可能である。JSONに関する情報は、RFC8259及びECMA-404に記載されている。RTSPに関する情報は、RFC2326に記載されている。
【0026】
請求項2に記載の信号及びデータ交換は、試験システムを用いて、最も一般的な信号メッセージ及びデータタイプの試験を可能にする。
【0027】
請求項3に記載の構成は、最も一般的な試験要件に不可欠であることが証明されている。
【0028】
これは特に、請求項4による試験システムに当てはまる。
【0029】
請求項5に記載のメッセージ構造は、IoTアプリケーションプラットフォームの試験に適している。代替的又は追加的に、このような試験システムと通信するために適用可能なプロトコル及び/又はインタフェースは、oneM2M、Hypercat、CoAP、RTSP、JSON、XMLである。
【0030】
請求項6に記載の試験方法は、本発明に係る試験システムに関して上記した利点を有する。この試験方法は、特にエンドツーエンドの試験方法である。この試験方法は、特にIoTアプリケーションプラットフォーム、特に当該プラットフォームのサーバを試験することを含む。
【0031】
請求項7に記載の方法では、IoTネットワーク内で試験プローブを用いてそれぞれのモバイルIoT機器をシミュレート/エミュレートすることで、ネットワークのIoTサービスの有用性を試験できる。試験ステップは、試験方法の間、定期的に繰り返されてもよい。記録された試験結果は集約されてもよく、さらに統計的に評価されてもよい。
【0032】
請求項8の試験方法では、モバイルIoTの接続性が実行され得る。ここでも、繰り返しステップを定期的に繰り返し、試験結果を集計してさらに統計的な評価を行ってもよい。
【0033】
このようなping試験により、ping試験プローブのIoTネットワークアクセス性及び/又はping/echoのラウンドトリップタイムを評価できる。
【0034】
請求項9に記載の試験方法では、それぞれのモバイルIoT機器の省電力機能を試験できる。ここでも、繰り返しステップを定期的に繰り返し、試験結果を集計してさらに統計的な評価を行ってもよい。
【0035】
このような省電力試験方法の一部として、試験対象のIoTサービングネットワークによって管理される省電力機能と組み合わせたモバイル終端データ転送は、T3324アクティブタイマ実行中に試験プローブに向けてダウンリンクデータを送信し、試験プローブが完全なダウンリンクデータパケットを受信することを検証し、すべての試験イベントを監視及び記録し、所定のスケジュールに従って上記試験を繰り返すことによって試験してもよい。ここでも、繰り返しステップを定期的に繰り返し、試験結果を集計してさらに統計的な評価を行ってもよい。
【0036】
さらに、このような省電力試験では、試験対象のIoTサービングネットワークによって管理される省電力機能と組み合わせたモバイル終端SMSは、T3324アクティブタイマ実行中に試験プローブにSMSを送信し、試験プローブがSMSを受信することを検証し、すべての試験イベントを監視及び記録し、所定の試験スケジュールに従って上記試験を繰り返すことによって試験できる。ここでも、繰り返しステップを定期的に繰り返し、試験結果を集計してさらに統計的な評価を行ってもよい。
【0037】
請求項10に記載の試験方法では、eDRXの機能を試験し、その結果、さらなる省電力機能の能力を評価することができる。ここでも、繰り返しステップを定期的に繰り返し、試験結果を集計してさらに統計的な評価を行ってもよい。
【0038】
このようなeDRX試験方法では、試験対象のIoTサービングネットワークによって管理されるeDRx機能と組み合わせたモバイル終端データ転送を、ページングタイムウィンドウ(PTW)内で試験プローブに向けてダウンリンクデータを送信し、試験プローブが完全なダウンリンクデータパケットを受信することを検証し、すべての試験イベントを監視及び記録し、所定の試験スケジュールに従って上記試験を繰り返すことによって試験できる。ここでも、繰り返しステップを定期的に繰り返し、試験結果を集計してさらに統計的な評価を行ってもよい。
【0039】
さらに、このようなeDRX試験方法では、試験対象のIoTサービングネットワークが管理するeDRX機能と組み合わせたモバイル終端SMSが、ページングタイムウィンドウ(PTW)内で試験プローブにSMSを送信し、試験プローブがSMSを受信することを検証し、すべての試験イベントを監視及び記録し、所定の試験スケジュールに従って上記試験を繰り返すことによって試験してもよい。ここでも、繰り返しステップを定期的に繰り返し、試験結果を集計してさらに統計的な評価を行ってもよい。
【0040】
請求項11に記載の試験方法では、接続保持性と未承諾のネットワーク開始型デタッチ要求を試験できる。
【0041】
請求項12に記載の試験方法では、モバイル発信(MO)データ転送を試験できる。
【0042】
請求項13に記載の試験方法では、モバイル着信(MT)データ転送を試験できる。
【0043】
請求項14に記載の試験方法では、モバイル発信のSMS送信を試験できる。
【0044】
請求項15に記載の試験方法では、モバイル着信SMS配信を試験できる。
【0045】
データ及びSMSデータの配信は、省電力モード後及び省電力モード中に試験できる。
【0046】
本発明の例示的な実施形態を、添付図面を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】モバイルIoT(Internet of Things)ネットワーク用のアクティブ試験システムの主要コンポーネントであって、無線インタフェースを介してIoTネットワークに接続された少なくとも1つの試験プローブを含む。
【
図2】
図1と同様の図であり、S1インタフェースを介してIoTネットワークに接続された試験プローブを含む、モバイルIoTネットワーク用の試験システムのさらなる実施形態である。
【
図3】
図1と同様の図であり、ローミングインタフェースを介した試験接続パスでIoTサービングネットワークを試験するように構成された、試験システムの一実施形態である。
【
図4】MQTT/MQTT-SNメッセージを介してIoTサービスのIoTアプリケーションプラットフォームと通信するように構成された2つの試験プローブを含む、試験システムの一実施形態の主要コンポーネントである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、
図1に示される様々な通信回線で表されるモバイルIoT(Internet of Things)ネットワーク2のためのアクティブ試験システム1の主要コンポーネントを示している。通信回線は、純粋なシグナリング経路、IoTデータを埋め込んだシグナリング経路、又はIoTデータトランスポート経路のいずれかである。モバイルIoT(MIoT)ネットワーク2は、LPWA(Low Power Wide Area)技術のモバイルIoT機器に接続性とサービスを提供する。使用されるLPWAの周波数帯域は、定期的にライセンスされた周波数帯にある。導入されるLPWA技術は、LTE-M、及び/又はNB-IoTであってもよい。
【0049】
本出願全体を通して、特にIoTネットワークの標準化された仕様に関しては、以下の文献を参照している。
- GSMアソシエーション;公式文書CLP.28-NB-IoT Deployment Guide to Basic Feature set Requirements,version 1.0, August 2, 2017(GSMA白書).
- 技術仕様書 3GPP TS 23.682,V.15.8.0,Release 15, March 2019.
【0050】
試験システム1を介して試験するモバイルIoTネットワークはまた、EC-GSM-IoT(Extended Coverage GSM IoT)を搭載してもよい。また、機械間通信の追加的なネットワークアクセスのために、他の通信技術を使用してもよい。例えば、短距離での無線通信の例として、Bluetooth(登録商標) Mesh Networking、Light-Fidelity(Li-Fi)、近距離無線通信(Near-Field Communication;NFC)、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)又はZ-Waveなどが挙げられる。中距離無線通信の例として、LTE-Advanced又はLTE-Standard、長距離無線通信の例として、Lo-RaWan、Sigfox、又はWeightless、又は超小型地上局(VSAT)、有線通信の例として、イーサネット又は電力線通信が挙げられる。
【0051】
図1の試験システム1は、試験システム1のローカルユニット4のコンポーネントである1つ又は複数の試験プローブ3を含む。
図1には、そのようなローカルユニット4の幾つかの例が示されている。ローカルユニット4は、1~4個又はそれ以上の、例えば最大で15個もしくはそれ以上の試験プローブ3を含んでいてもよい。試験プローブ3は、無線インタフェース5を介してIoTネットワーク2に接続されている。それぞれのインタフェース5は、LTE RAN(無線アクセスネットワーク)と伴に、
図1に模式的に示されており、複数のアンテナサイトによって具現化されてもよい。
【0052】
中央試験ユニット5aは、インターネット網7、8を介して試験プローブ3に接続されている。このような接続は、例えば、VPNサーバとLTE/GPRS/EDGE/HSPAモデムを介した恒久的なセキュアIP接続であってもよいし、試験中に必要なときにVPNサーバを介して確立される準恒久的なIP接続であってもよい。
【0053】
図1の実施形態では、無線バックホールネットワーク又は固定IPネットワークであるネットワーク7は、インターネット8を含み、さらに、3GPP LTE通信規格のEPC(Evolved Packet Core)のコンポーネントを含む。一般に、ネットワーク7のコンポーネントは、IoTネットワーク2のコンポーネントでもあるが、これは必須ではなく、ネットワーク7のコンポーネントのいくつかは、IoTネットワーク2から独立していてもよい。
【0054】
図1の左側に示されている試験システム1のさらなる部分は、試験システム1のネットワーク7、8にも接続されている試験クライアント5bである。
【0055】
図1には、試験プローブ3と、IoTプラットフォームとして機能するアプリケーションサーバ(AS)6との間の2つの主要な試験通信経路が示されている。まず、NB-IoT試験通信回線9は、帰属するローカル無線インタフェース5からMME(Mobile Management Entity)を経由して延び、さらに2つの分岐方法として、サービングゲートウェイ(S-GW)とパケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)とネットワーク7を経由して、AS/IoTプラットフォーム6に到る(いわゆるダイレクトモード)と、試験回線11、SCEF(Service Capa-bility Exposure Function)、SCS(Services Capability Server)、及びネットワーク7を経由して、AS/IoTプラットフォーム6に至る(いわゆるインダイレクトモード)とがある。
【0056】
さらなるLTE-M試験通信経路10は、ローカル無線インタフェース5からS-GWに直接(すなわち、MMEを経由せずに)延び、さらにサービングゲートウェイ(S-GW)とパケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)とネットワーク7を経由して、AS/IoTプラットフォーム6に至る。
【0057】
すべての試験プローブにはSIMが搭載されている。SIMマルチプレクサ12は、インターネット8に接続されており、完全に安全で信頼できる方法でSIMデータを個々の試験プローブに仮想的に送信する。試験システム1の一部であるSIMマルチプレクサは、特許文献5から知られている。
【0058】
ローカルユニット4及びローカルユニット16は、SIMマルチプレクサのサポートを備えている。
【0059】
SIMマルチプレクサのサポートの代わりに、ローカルユニット4は、複数のSIM、例えば最大3枚以上のSIMを運ぶためのサポートを含んでもよい。
【0060】
ローカルユニット4は、所定の試験フィールドに置かれ、試験システムに接続される。実際には、複数の試験プローブ3は、異なる所に配置され、特に全国又は国家間のエリアをカバーする広範囲の場所に配置される。結果として、少なくとも1つの試験プローブ3は、国内IoTサービス試験用の試験対象のホームIoTネットワーク、又は国際IoTローミングサービス試験用の試験対象の訪問IoTネットワークのいずれかに配置されるように構成されている。
【0061】
試験システム1は、少なくとも1つの試験プローブ3と試験対象のIoTネットワーク2との間で、エンドツーエンドのアクティブ試験方法を展開するモバイルIoT試験手順を実行するように構成されている。
【0062】
さらに、試験システム1は、少なくとも1つの試験プローブ3を制御するように構成され、IoT試験手順を自動的に実行するように構成され、試験結果を収集するように構成され、さらに試験レポート及び/又はダッシュボードを作成するように構成されている。
【0063】
試験システム1は、シグナリングメッセージを交換するように構成されており、試験対象のIoTネットワーク2との間で、IPデータ及び/又は非IPデータ及び/又はSMSを伝送するように構成されている。
【0064】
試験プローブ3とIoTプラットフォーム6との間のインターネットネットワーク8を介した試験通信経路は、MQTT/MQTT-SNクライアント/サーバ構造を含み、試験プローブ3がMQTTクライアントであり、IoTプラットフォーム6がサーバ/MQTTブローカーである。IoTプラットフォームに格納されたIoTアプリケーションデータは、メッセージングプロトコルMQTT(Message Queuing Telemetry Transport)を介して取得、評価、及び検証することができる。
【0065】
ネットワーク及び/又は通信経路内のさらなるコンポーネントとして、SCS(Service Capability Server)及び/又はAS(Application Server)が機能してもよい。このようなSCS/ASの配置に関しては、技術仕様書3GPP TS 23.682、特に
図4.2-1aを参照されたい。
【0066】
さらに可能なインタフェースは、標準化されたS6a、S8、SGd、又はT7ローミングインタフェースに従って動作してもよい。
【0067】
試験システム1によって実施される試験方法又は試験手順を介して、試験対象のサービングIoTネットワーク2の可用性及び品質を試験できる。サービスの可用性試験の間、特に、それぞれの試験イベントのタイミングは、中央試験ユニット5aにおいて監視及び記録できる。
【0068】
説明した試験方法は、特に示されていない限り、中央試験ユニット5aによって制御される。
【0069】
このような試験方法の一例は、以下のステップを含む。
【0070】
それぞれの試験プローブ3は、試験クライアント5bを介して設定され、試験対象のサービングIoTネットワーク2におけるEPS(Evolved Packet System)アタッチに開始される。EPSアタッチの開始後、アタッチ手順の完了、試験プローブ3による試験対象のIoTネットワークからの受信メッセージが、中央試験ユニット5aによって検証される。
【0071】
設定、開始、及び検証のステップの間の、すべての試験イベントが監視され、記録される。これらの試験ステップは、所定の試験スケジュールに従って繰り返される。特に、このような繰り返しは、試験ステップの定期的な再実行であってもよい。さらに、このような複数の試験結果は集約され、統計的評価に転送され、試験クライアント5bを介して試験結果が試験者(ヒューマンテスター)に提示される。
【0072】
特定の試験方法において、試験プローブは、試験対象のサービングIoTネットワーク2に導入されたサーバ、又はIoTネットワークコンポネント(例えばP-GW)にネットワーク接続を確認(ping)するために開始される。
【0073】
この「ping」は、それぞれのIPソフトウェアユーティリティを使用して行われる。
【0074】
このようなping手順の後、その完了が検証され、再びすべての試験イベントが監視及び記録され、所定の試験スケジュールに従って試験ステップが繰り返される。
【0075】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2が管理する省電力機能を試験できる。このような省電力機能の試験は、それぞれの試験プローブ3で省電力モード(PSM)を有効にすることを含み、これにより、T3324アクティブタイマ及びローカルユニット4の試験プローブ3で拡張されたT3412タイマの値を設定する。その後、サービングIoTネットワーク2における試験プローブ3のEPSアタッチを開始し、アタッチ手順の完了を検証する。さらに、タイマ値がサービングIoTネットワーク2に受け入れられているか否かが検証される。これは、これらの値をそれぞれの試験プローブ3によって要求された値と比較することで行われる。さらに、拡張された定期的なトラッキングエリアアップデート(TAU)手順が完了したか否かが検証される。この場合も、この試験方法の間ですべての試験イベントが監視及び記録され、所定のスケジュールに従って上記の試験が繰り返される。
【0076】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2によって管理される省電力機能(PSM)と組み合わせたモバイル終端データ転送が試験される。この目的のために、T3324アクティブタイマが動作している時間帯に、それぞれの試験プローブ3へのダウンリンクデータを送信する。それぞれの試験プローブ3が完全なダウンリンクデータパケットを受信することが検証される。
【0077】
PSMによって、それぞれの試験プローブ3が省電力状態から通信状態にウェイクアップできるかどうかが検証される。このようなウェイクアップは、例えば、1週間に1回、2分間行われる。EPSアタッチ手順では、このようなウェイクアップのデューティサイクルが取り決めされる。試験方法では、ウェイクアップ機能と、特に省電力状態と通信状態の間の状態変更が試験される。
【0078】
この場合も、この試験方法の間ですべての試験イベントが監視及び記録され、所定の試験スケジュールに従って上記の試験が繰り返される。
【0079】
試験対象のサービングIoTネットワーク2で管理される省電力機能と組み合わせてモバイル終端SMSを試験するさらなる試験方法では、SMSがT3324アクティブタイマの実行中に試験プローブ3に送信される。
【0080】
そして、そのSMSが試験プローブに正しく届いているかどうかが検証される。この試験方法の間の、すべての試験イベントが再び監視及び記録され、所定の試験スケジュールに従って上記の試験方法が繰り返される。
【0081】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2で管理されるeDRX(Extended Discontinuous Reception)機能が試験される。この方法では、eDRXが有効になり、ローカルユニット4のそれぞれの試験プローブ3でeDRXサイクル長とページングタイムウィンドウ(PTW)の値が設定される。さらに、試験対象のサービングIoTネットワーク2における試験プローブ3のEPSアタッチが開始される。このようなアタッチ手順の完了が検証される。さらに、eDRXサイクル長及びPTW値がサービングIoTネットワーク2に受け入れられているか否かが、これらの値とそれぞれの試験プローブ3が要求した値とを比較して検証される。この方法のすべての試験イベントは監視及び記録され、所定の試験スケジュールに従って上記の試験方法が繰り返される。
【0082】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2が管理するeDRX機能と組み合わせたモバイル終端データ転送が試験される。ここでは、PTW(ページングタイムウィンドウ)内で、ダウンリンクデータがそれぞれの試験プローブ3に向けて送信される。試験プローブ3が完全なダウンリンクデータパケットを受信しているかどうかが検証される。この試験方法のすべての試験イベントは監視及び記録され、所定の試験スケジュールに従って上記試験方法が繰り返される。
【0083】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2が管理するeDRX機能と組み合わせたモバイル終端SMSが試験される。ここでは、PTW内で、それぞれの試験プローブ3にSMSが送信される。SMSが試験プローブに正しく配信されるかどうかが検証される。この試験方法中のすべての試験イベントが監視され、記録される。上記の試験方法は、所定の試験スケジュールに従って繰り返される。さらなる試験方法では、IoTネットワーク2の接続保持性が試験される。ここでは、EPSアタッチ後、又はモバイル発信(MO)、若しくはモバイル着信(MT)のデータ転送後に、それぞれの試験プローブ3が、サービングIoTネットワーク2から、デタッチを要求されているかどうかが検証される。この検証ステップは複数回繰り返される。この試験方法の複数の試験結果は、集計される。この集計から、デフォルトのEPSベアラコンテキスト・カットオフ比が算出される。
【0084】
さらなる方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2が提供するIoT MOデータ転送が試験される。ここでは、TCP(Transmission Control Protocol)トランスポートプロトコルが展開される。さらに、それぞれの試験プローブ3から、ホームネットワーク(HPMN)に配置されたアプリケーションサーバ6に対して、モバイル発信のIoTデータ転送が開始される。IoTデータがアプリケーションサーバ6で正しく受信されたかどうかが検証される。この検証ステップを複数回繰り返し、複数の試験結果を集計して、デフォルトのEPSベアラコンテキスト・カットオフ比を示している。また、UDP(ユーザ・データグラム・プロトコル)が導入され、上記のIoT MOデータ転送試験が繰り返される。さらに、NAS(非アクセス層)シグナリング上の非IPデータ配信メカニズムが導入される。再び、IoT MOデータ転送試験が繰り返される。
【0085】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2によって提供されるIoT MT(モバイルターミネーション)データ転送が試験される。ここでは、TCPトランスポートプロトコルの展開後、アプリケーションサーバ、すなわちホームネットワーク内に配置されたIoTプラットフォーム6のサーバが、それぞれの試験プローブ3にIoTデータを送信するために開始される。そのIoTデータがそれぞれの試験プローブ3によって完全に受信されるかどうかが検証される。UDPトランスポートプロトコルの展開及びNASシグナリング上の非IPデータ配信メカニズムの展開を含む、この試験方法のさらなるステップは、MOデータ転送試験方法に関して上で説明したものに対応する。
【0086】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2を介したMO SMS送信が試験される。ここでは、それぞれの試験プローブ3が、ホームネットワーク(HPMN)内のローカルユニット4のパートナー試験プローブ3にSMSを送信するように開始される。そして、そのSMSがパートナー試験プローブ3で正しく受信されたかどうかが検証される。この試験を複数回繰り返し、複数回の試験結果を集計してさらに統計的な評価を行う。
【0087】
さらなる試験方法では、試験対象のサービングIoTネットワーク2を介したMT SMS配信が試験される。ここでは、ホームネットワーク(HPMN)内のパートナー試験プローブ3が、サービングIoTネットワーク2内の試験プローブ3にSMSを送信するように開始される。パートナー試験プローブ3’が送信したSMSが、サービングIoTネットワーク2内のそれぞれの試験プローブ3に正しく配信されているかどうかが検証される。ここでも、この試験が複数回繰り返され、複数の試験結果が集計される。
【0088】
図2に関して、モバイルIoTネットワーク用の試験システム15のさらなる実施形態を説明する。
図1に関して上で説明したものと対応するコンポーネント及び機能は、同じ参照数字を示し、再び詳細に説明しない。ローカルユニットに加えて、試験システム15に存在してもよい中央試験ユニット、試験クライアント、及びSIMマルチプレクサは、
図2に示されていない。
【0089】
試験システム15では、試験プローブ3を含むローカルユニット16が、S1インタフェース17を介してIoTネットワーク2に接続されているS1コアユニットとして具現化されている。このS1インタフェース17を介した通信回線18は、エミュレートされたeNodeB(Evolved NodeB)として実現されている。S1インタフェース及びそのプロトコルの実施形態に関する詳細は、3GPP TS 36.413 V.15.5.0, Release 15, March 2019: “Evolved Universal Terrestrial Access Network(E-UTRAN);S1 Application Protocol(S1AP)”に記載されている。
【0090】
図3は、試験システム20の別の実施形態を示している。
図1及び
図2に関して既に説明したものに対応するコンポーネント及び機能は、同じ参照数字を有しており、再び詳細に説明しない。
【0091】
試験システム20は、ローミング状態のモバイルIoTデバイスへの接続性及びサービスに対する試験を提供する。ここでは、回線9、10、及び11を介した通信が、境界21を挟んでホームパブリックモバイルネットワーク(Home Public Mobile Network;HPMN)と訪問パブリックモバイルネットワーク(Visiting Public Mobile Network;VPMN)の間で行われる。このため、通信回線11には、HPMNのSCEFモジュールに加えて、さらにインターワーキングSCEF(IWK-SCEF)モジュールが、VPMNに配置されている。
【0092】
このローミング方式は、
図3に再度示されている無線インタフェース5と、
図2(
図3では不図示)によるS1インタフェース17とで可能である。
【0093】
図4は、異なる試験プローブ3、3’間の試験データ転送に関する詳細を含む、モバイルIoTネットワークのための試験システムのさらなる実施形態のコンポーネントを示している。このような異なる試験プローブ3、3’は、異なる、例えば、ホーム/訪問パブリックモバイルネットワークによるものとしてもよい。
図1から
図3に関して上で説明したものに対応するコンポーネント及び機能は、同じ参照数字を有しており、再度詳細に説明しない。
【0094】
試験プローブの内の1つ目である試験プローブ3は、無線インタフェース5又はS1インタフェース17を含み得る試験通信回線22を介してIoTプラットフォーム6に接続されている。試験プローブ3は、通信回線22を介して、試験対象のIoTプラットフォーム6のMQTT/MQTT-SNサーバ/ブローカー24と通信を行うMQTT/MQTT-SNクライアント23を含む。
【0095】
もう一つの試験プローブである試験プローブ3’は、
図4において、同じく無線インタフェース5又はS1インタフェース17を含み得るもう一つ試験通信回線25を介して、試験対象のIoTプラットフォーム6と通信する。この目的のために、さらなる試験プローブ3’は、MQTT/MQTT-SNクライアント23’も含む。
【0096】
MQTT/MQTT-SNに代えて、又はそれに加えて、以下のさらなるプロトコルの少なくとも1つ、及び/又は以下の装置固有のインタフェースの1つが使用されてもよい:oneM2M、Hypercat、CoAP、RTSP、JSON、XML。
【0097】
特定のプロトコル/インタフェースの使用は、それぞれのIoTデバイス及び/又はそれぞれのアプリケーションによって決まる。一例として、CoAPは、低帯域幅及び低電力を有する制約のあるネットワークに適している。
【0098】
試験プローブ3、3’は、移動デバイスの一部であってもよく、すなわち、車両(例えば、自転車又は自動車)の一部であってもよい。この場合、それぞれの試験プローブ3がMIoTネットワーク2内の新しいトラッキングエリアに入るたびに、試験デバイスは、トラッキングエリアの更新を開始してもよい。このようなトラッキングエリアの更新の後、PSMに割り当てられたデータ及び/又はeDRX機能に割り当てられたデータは、試験システムの開始によって再交渉及び/又は上書きされてもよい。
【0099】
上で説明した試験方法のうち特に1つを使用することにより、試験プローブ3によって送信され、被試験プラットフォーム6に格納されている、関連のあるIoTデータは、試験プローブ3’によって読み出すことができる。読み出されたデータは、送信された元のデータと比較される。対応する試験判定を割り当てることができる。
【0100】
試験プローブ3、3’は、同じホームネットワーク内に置かれてもよい。代わりに、
図4に示すように、試験プローブ3、3’を別々のネットワーク内に配置してもよい。例えば、
図4に示すように、試験プローブ3が、訪問パブリックネットワークVPMNに配置され、さらなる試験プローブ3’が、ホームパブリックモバイルネットワークHPMNに配置されてもよい。このような構成により、上記で説明したIoTデバイスローミング下でのIoTアプリケーションプラットフォーム試験をグローバルに実施できる。
【符号の説明】
【0101】
1、15、20 アクティブ試験システム
2 IoTネットワーク
3、3’ 試験プローブ
4 ローカルユニット
5 無線インタフェース
5a 中央試験ユニット
5b 試験クライアント
6 AS/IoTプラットフォーム
7、8 インターネット網
9 NB-IoT試験通信回線
10 LTE-M試験通信回線
11、18 通信回線
12 SIMマルチプレクサ
16 ローカルユニット
17 S1インタフェース
21 境界
22、25 試験通信回線
23、23’ MQTT/MQTT-SNクライアント
24 MQTT/MQTT-SNサーバ/ブローカー
【国際調査報告】