(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(54)【発明の名称】糖尿病性足潰瘍の監視および治療のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220714BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20220714BHJP
A61F 13/04 20060101ALI20220714BHJP
A61F 13/06 20060101ALI20220714BHJP
A61F 13/08 20060101ALI20220714BHJP
A61F 13/10 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
A61B5/11
A61F13/04 Z
A61F13/06 Z
A61F13/06 A
A61F13/08
A61F13/10 S
A61F13/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568707
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2020064228
(87)【国際公開番号】W WO2020234429
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397070118
【氏名又は名称】ティージェイ スミス アンド ネフュー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルディング、ジョナサン、エドワード、ミーカ
(72)【発明者】
【氏名】ダジェボス ヴァン リジ、ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ハント、アラン、ケニス、フレイザー、グルージオン
(72)【発明者】
【氏名】レイ、ジョナソン、サイモン
(72)【発明者】
【氏名】クイスト、ブライアン、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ダミアン、ローソン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB11
4C038VB14
4C038VB31
4C038VC20
4C117XB01
4C117XB04
4C117XC11
4C117XD11
4C117XD31
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE27
4C117XE33
4C117XH01
4C117XH16
4C117XQ18
(57)【要約】
【解決手段】 いくつかの態様では、センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するためのコンピュータ実装方法が開示されている。コンピュータ実装方法は、コンピュータネットワークを介して、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表すセンサ特徴データを受信することと、センサ特徴データおよび活動分類モデルを使用して、活動分類モデル出力データを生成することであって、活動分類モデル出力データは、センサ特徴データが複数の異なる活動分類の各々に対応する可能性を表す、生成することと、活動分類モデル出力データから活動分類を決定することと、コンピュータネットワークを介して、活動分類を表す表示データを、表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに送信することと、を含み得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するためのシステムであって、前記システムが、コンピュータ可読メモリおよび1つ以上のプロセッサを備え、前記システムが、
特徴データの第1のセットおよび特徴データの第2のセットを含むセンサ特徴データを取得することであって、前記特徴データの第1のセットが、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表し、前記特徴データの第2のセットが、前記四肢に着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、取得することと、
前記特徴データの第1のセットおよび活動分類モデルを使用して、活動分類を決定することであって、
前記特徴データの第1のセットが複数の異なる活動分類の各々に対応する程度を前記活動分類モデルが決定するように構成されている、決定することと、
前記特徴データの第1のセット、前記特徴データの第2のセット、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、負荷軽減使用状況分類を決定することであって、
前記ユーザセンサの動きが前記負荷軽減デバイスセンサの動きに対応する程度を前記負荷軽減使用状況モデルが決定するように構成されている、決定することと、
前記活動分類または前記負荷軽減使用状況分類のうちの少なくとも1つを表す表示データを生成することと、
前記表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに前記表示データを送信することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項2】
前記皮膚傷害が、糖尿病性足潰瘍または静脈性下肢潰瘍を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザセンサが、第1の加速度計および第1の磁気計を備え、前記負荷軽減デバイスセンサが、第2の加速度計および第2の磁気計を備え、前記センサ特徴データが、前記第1の加速度計、前記第2の加速度計、前記第1の磁気計、および前記第2の磁気計からの出力を表す、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
特徴データの第3のセットおよび前記活動分類モデルを使用して、後続の活動分類を決定することであって、前記特徴データの第3のセットが、前記ユーザセンサの出力を表す、決定することと、
前記活動分類および前記後続の活動分類から、前記ユーザの活動の変化が発生したことを決定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
特徴データの第3のセット、特徴データの第4のセット、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、後続の負荷軽減使用状況分類を決定することであって、
前記特徴データの第3のセットが、前記ユーザセンサの出力を表し、前記特徴データの第4のセットが、前記負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、決定することと、
前記負荷軽減使用状況分類および前記後続の負荷軽減使用状況分類から、前記ユーザによる前記負荷軽減デバイスの変化使用状況が発生したことを決定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記特徴データの第1のセットを使用して、活動モデル入力データを生成することと、
前記活動モデル入力データおよび前記活動分類モデルを使用して、活動分類モデル出力データを生成することと、
前記活動分類モデル出力データから、分類基準を満たす値を有するデータ要素を識別して、前記活動分類を決定することであって、前記活動分類が、前記データ要素と関連付けられている、決定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の異なる活動分類が、動き分類、静止重量を伴う動きなしの分類、力の変動を伴う動きなしの分類、および横になる分類を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザセンサの動きおよび配向が、前記負荷軽減デバイスセンサの動きおよび配向に対応する程度を決定するように前記負荷軽減使用状況モデルが構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記活性分類モデルが、決定ツリー、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記活動分類モデルが、前記特徴データの第1のセットを複数の異なる活動分類のうちの1つに割り当てるように構成された第1の決定ツリーを備え、前記負荷軽減使用状況モデルは、前記ユーザセンサの動きおよび配向が、前記負荷軽減デバイスセンサの動きおよび配向に対応するか否かを決定するように構成された第2の決定ツリーを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記負荷軽減デバイスが、取り外し可能なギプスを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法が、
コンピュータネットワークを介して、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表すセンサ特徴データを受信することと、
1つ以上のコンピュータプロセッサによって、前記センサ特徴データおよび活動分類モデルを使用して、活動分類モデル出力データを生成することであって、前記活動分類モデル出力データは、前記センサ特徴データが複数の異なる活動分類の各々に対応する可能性を表し、
前記複数の異なる活動分類が、
前記四肢の動きを表す第1の活動分類、および
前記四肢に重量負荷を伴う前記四肢の動きなしを表す、第2の活動分類を含む、生成することと、
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって、前記活動分類モデル出力データから活動分類を決定することと、
前記コンピュータネットワークを介して、前記活動分類を表す表示データを、前記表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに送信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって、前記皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こす前記リスクを識別することをさらに含み、前記皮膚傷害が、糖尿病性足潰瘍または静脈性下肢潰瘍である、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記活動分類を前記決定することは、前記ユーザの前記四肢上の力の変動を伴う動きなしを表す第3の活動分類に前記センサ特徴データが対応する可能性があることを前記活動分類モデル出力データが示すことを決定することを含む、請求項12または13に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記決定することは、前記活性分類モデル出力データが、前記ユーザが横になっていることを表す第4の活動分類に前記センサ特徴データが対応する可能性があることを示すことを決定することを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって、第2のセンサ特徴データおよび前記活動分類モデルを使用して、後続の活動分類を決定することであって、前記第2のセンサ特徴データが、前記ユーザセンサの出力を表す、決定することと、
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって前記活動分類および前記後続の活動分類から、前記ユーザの活動の変化が発生したことを決定することと、をさらに含む、請求項12~15のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記コンピュータネットワークを介して、前記四肢に着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって、前記センサ特徴データ、前記第2のセンサ特徴データ、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、負荷軽減使用状況分類を決定することと、をさらに含み、
前記負荷軽減使用状況モデルは、前記ユーザセンサの動きが、前記負荷軽減デバイスセンサの動きに対応する程度を決定するように構成されている、請求項12~16のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記負荷軽減使用状況モデルは、前記ユーザセンサの動きおよび配向が、前記負荷軽減デバイスセンサの動きおよび配向に対応する程度を決定するように構成されている、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記コンピュータネットワークを介して、前記四肢に着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって、前記第2のセンサ特徴データおよび前記負荷軽減使用モデルを使用して、後続の負荷軽減使用状況分類を決定することであって、前記第2のセンサ特徴データが、前記負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、決定することと、
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって前記負荷軽減使用状況分類および前記後続の負荷軽減使用状況分類から、前記ユーザによる前記負荷軽減デバイスの使用状況の変化が発生したことを決定することと、をさらに含む、請求項12~18のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって、前記活動分類モデルを読み込むことをさらに含み、前記活動分類モデルが、決定ツリー、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを含む、請求項12~19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって、前記活動分類モデルを読み込むことをさらに含み、前記活動分類モデルが、前記複数の異なる活動分類のうちの1つに前記センサ特徴データを割り当てるように構成された決定ツリーを含む、請求項12~20のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するために記憶されたアプリケーションを有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記アプリケーションは、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、
コンピュータネットワークを介して、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表すセンサ特徴データを受信することと、
前記センサ特徴データおよび活動分類モデルを使用して、活動分類モデル出力データを生成することであって、前記活動分類モデル出力データは、前記センサ特徴データが複数の異なる活動分類の各々に対応する可能性を表し、
前記複数の異なる活動分類が、
前記四肢の動きを表す第1の活動分類、および
前記四肢に重量負荷を伴う前記四肢の動きなしを表す、第2の活動分類を含む、生成することと、
前記活動分類モデル出力データから活動分類を決定することと、
前記コンピュータネットワークを介して、前記活動分類を表す表示データを、前記表示データを提示するように構成された第2のコンピューティングデバイスに送信することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記複数の異なる活性分類が、前記四肢上の力の変化を伴う前記四肢の動きなしを表す第3の活性分類を含む、請求項22に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記複数の異なる活性分類は、前記ユーザが横になっていることを表す第3の活性分類を含む、請求項22または23に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記活性分類モデルが、決定ツリー、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記活動分類モデルが、前記複数の異なる活動分類のうちの1つに前記センサ特徴データを割り当てるように構成された決定ツリーを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記アプリケーションは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、
第2のセンサ特徴データおよび前記活動分類モデルを使用して、後続の活動分類を決定することであって、前記第2のセンサ特徴データが、前記ユーザセンサの出力を表す、決定することと、
前記活動分類および前記後続の活動分類から、前記ユーザの活動の変化が発生したことを決定することと、を行わせる、請求項22~26のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記アプリケーションは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、
前記コンピュータネットワークを介して、前記四肢によって着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、
前記センサ特徴データ、前記第2のセンサ特徴データ、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、負荷軽減使用状況分類を決定することと、を行わせ、
前記負荷軽減使用状況モデルは、前記ユーザセンサの動きが、前記負荷軽減デバイスセンサの動きに対応する程度を決定するように構成されている、請求項22~27のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記負荷軽減使用状況モデルは、前記ユーザセンサの動きおよび配向が、前記負荷軽減デバイスセンサの動きおよび配向に対応する程度を決定するように構成されている、請求項28に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記アプリケーションは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、
前記コンピュータネットワークを介して、前記四肢によって着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、
第2のセンサ特徴データおよび前記負荷軽減使用状況モデルを使用して、後続の負荷軽減使用状況分類を決定することであって、前記第2のセンサ特徴データが、前記負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、決定することと、
前記負荷軽減使用状況分類および前記後続の負荷軽減使用状況分類から、前記ユーザによる前記負荷軽減デバイスの使用状況の変化が発生したことを決定することと、を行わせる、請求項22~29のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項31】
本明細書に開示または例示される装置、システム、方法、または非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月23日に出願された英国仮特許出願第1907260.2号、同第1907254.5号、2019年8月21日に出願された米国仮特許出願第62/889955号に対する優先権を主張するものであり、それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、ユーザ活動監視デバイスを用いて創傷を管理するための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
また、褥瘡、床ずれ、または褥瘡性潰瘍としても知られ得る圧迫潰瘍は、毛細管充満圧(約32mmHg)を超える皮膚、軟部組織、筋肉、または骨への長期にわたる圧力から結果的に生じる皮膚および下層組織の損傷である。
【0004】
足で発症する1つのタイプの圧迫潰瘍は、糖尿病性足潰瘍(DFU)として知られ、これは、糖尿病集団においてより高い頻度および強度で生じる傾向がある。糖尿病性足潰瘍の管理および治療は、サポートブーツ、ギプス、靴などのクッション付き履物を使用することによって、糖尿病性足潰瘍を負荷軽減することを必要とする。負荷軽減が効果的であり得るが、一方で、負荷軽減デバイスの非遵守または不使用が、糖尿病性足潰瘍の遅延した治癒の大きな原因となり得ることが見出されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術のアプローチおよびシステムは、個人のライフスタイルおよび負荷軽減デバイスの遵守に関する情報をほとんどまたは全く提供しない。個人のライフスタイルに関する洞察を得ることは、圧迫潰瘍の予防および治癒に重要であり得る。しかしながら、これらの制限のために、先行技術のアプローチおよびシステムを使用した圧迫潰瘍の予防および治癒は、遅延するか、またはさらに悪いことには、悪化して、長期にわたる不快感、入院、もしくは手術にさえつながり得る。
【0006】
いくつかの態様では、センサデータを収集および処理して、四肢上の既存の潰瘍に影響を与えるリスクまたは四肢上の新たな潰瘍を引き起こすリスクのある事象を識別するためのシステムが開示されている。システムは、メモリデバイスおよびプロセッサを含むことができる。メモリデバイスは、ユーザの運動または配向を監視するように構成された第1のセンサ、および負荷軽減デバイスの運動または配向を監視するように構成された第2のセンサによって収集されたセンサデータを記憶し得る。プロセッサは、センサデータの第1のセットから、四肢の既存の潰瘍に影響を与えるリスクがあったか、または四肢に新たな腫瘍を引き起こすリスクがあった負荷力が、ユーザの四肢に適用されたことを決定することと、第1の事象を第1のリストに追加することであって、負荷力が四肢に適用されたことを第1の事象が示す、追加することと、センサデータの第2のセットから、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを決定することと、第2の事象を第2のリストに追加することであって、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを第2の事象が示す、追加することと、を行い得る。
【0007】
前段落に記載のシステムは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。プロセッサは、第1のリスト、および第2のリストのサブセットを、ディスプレイ上における提示のためにコンピュータネットワークを介してコンピューティングデバイスに送信し得る。第1のセンサは、第1の加速度計および第1の磁気計を含み得、第2のセンサは、第2の加速度計および第2の磁気計を含み得、センサデータが、第1の加速度計、第2の加速度計、第1の磁気計、および第2の磁気計からのセンサデータを含む。プロセッサは、負荷力が四肢に適用されたと決定することに応答して第1の事象を第1のリストに追加することと、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、および(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを決定することに応答して、第2の事象を第2のリストに追加することと、を行い得る。プロセッサは、センサデータの第1のセットの加速度値を加速度閾値と比較して、負荷が四肢に適用されなかったと決定することと、センサデータの第2のセットの加速度値を加速度閾値と比較して、負荷力が四肢に適用されなかったと決定することと、を行い得る。活動は、起立、歩行、または車両の運転を含み得る。
【0008】
いくつかの態様では、アプリケーションが記憶されている非一時的コンピュータ可読媒体が開示され、アプリケーションは、電子デバイスのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、コンピュータネットワークを介して、ユーザの運動または配向を監視するように構成された第1のセンサ、および負荷軽減デバイスの運動または配向を監視するように構成された第2のセンサによって収集されたセンサデータを受信することと、センサデータの第1のセットから、四肢の既存の潰瘍に影響を与えるリスクがあったか、または四肢に新たな腫瘍を引き起こすリスクがあった負荷力が、ユーザの四肢に適用されたことを決定することと、第1の事象を第1のリストに追加することであって、負荷力が四肢に適用されたことを第1の事象が示す、追加することと、センサデータの第2のセットから、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを決定することと、第2の事象を第2のリストに追加することであって、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを第2の事象が示す、追加することと、を行わせ得る。
【0009】
前段落に記載の非一時的コンピュータ可読媒体は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、第1のリスト、および第2のリストのサブセットを、コンピュータネットワークを介してコンピューティングデバイスに送信させ得る。第1のセンサは、第1の加速度計および第1の磁気計を含み得、第2のセンサは、第2の加速度計および第2の磁気計を含み得、センサデータが、第1の加速度計、第2の加速度計、第1の磁気計、および第2の磁気計からのセンサデータを含む。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、センサデータの第1のセットの加速度値を加速度閾値と比較して、負荷が四肢に適用されなかったと決定することと、センサデータの第2のセットの加速度値を加速度閾値と比較して、負荷力が四肢に適用されなかったと決定することと、を行わせ得る。加速度閾値は、少なくとも18m/s2とすることができる。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、時間を第1のリストを追加させ得、時間は、少なくともセンサデータの第1のセットに基づいて、四肢が負荷力を経験したときを示す。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、持続時間を第1のリストを追加させ得、持続時間は、少なくともセンサデータの第1のセットに基づいて、四肢が負荷力を経験した長さを示す。活動は、ユーザが四肢を持ち上げた状態で横になる以外のものであってもよい。四肢は、脚であってもよい。コンピュータネットワークは、セルラー通信ネットワークとすることができるか、またはそれを含み得る。第1のリストおよび第2のリストは、同じリストであってもよく、既存の潰瘍に影響を与えるリスクがあったか、または新たな潰瘍を引き起こすリスクがあった複数の事象を識別してもよく、複数の事象が、第1の事象および第2の事象を含む。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、活動の持続時間にわたる加速度値を、加速度閾値と比較して、ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったと決定させ得、活動持続時間は、センサデータの第2のセットによって示される。センサデータの第1のセットは、第1の期間にわたって第1のセンサおよび第2のセンサによって収集された第1のセンサデータに対応し得、センサデータの第2のセットは、第1の期間と重複しない第2の期間にわたって第1のセンサおよび第2のセンサによって収集された第2のセンサデータに対応し得る。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、センサデータの第1のセットから、負荷力が四肢に適用されたことを決定することに応答して、第1の事象を第1のリストに追加することと、センサデータの第2のセットから、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、および(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを決定することに応答して、第2の事象を第2のリストに追加することと、センサデータの第3のセットから、四肢の既存の潰瘍に影響を与えるリスクがあったか、または四肢に新たな潰瘍を引き起こすリスクがあった負荷力が適用されたことを決定することであって、センサデータの第3のセットが、センサデータの第1のセットとは異なる、決定することと、センサデータの第3のセットから、負荷力が四肢に適用されたことを決定することに応答して第3の事象を第1のリストに追加することであって、第3の事象が、第1の事象とは異なる、追加することと、センサデータの第4のセットから、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、および(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを決定することであって、センサデータの第4のセットが、センサデータの第2のセットとは異なる、決定することと、第4の事象を第2のリストに追加することであって、第4の事象が、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、および(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを示し、第4の事象が、第2の事象とは異なる、追加することと、を行わせ得る。負荷軽減デバイスは、負荷軽減デバイスがユーザによって着用されたとき、適用された力を四肢上の既存の潰瘍から離れて四肢に分配し得る。負荷軽減デバイスは、取り外し可能なギプスとすることができる。
【0010】
いくつかの態様では、方法が開示されている。方法は、コンピュータネットワークを介して、ユーザの運動または配向を監視するように構成された第1のセンサ、および負荷軽減デバイスの運動または配向を監視するように構成された第2のセンサによって収集されたセンサデータを受信することと、プロセッサによって、センサデータの第1のセットから、四肢の既存の潰瘍に影響を与えるリスクがあったか、または四肢に新たな腫瘍を引き起こすリスクがあった負荷力が、ユーザの四肢に適用されたことを決定することと、プロセッサによって、第1の事象を第1のリストに追加することであって、負荷力が四肢に適用されたことを第1の事象が示す、追加することと、プロセッサによって、センサデータの第2のセットから、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを決定することと、プロセッサによって、第2の事象を第2のリストに追加することであって、(i)負荷力が四肢に適用されなかったこと、(ii)ユーザが閾値持続時間を超えて活動に関わったこと、(iii)ユーザが負荷軽減デバイスを着用していなかったことを第2の事象が示す、追加することと、を含み得る。
【0011】
前述の段落に記載の方法は、第1のリスト、および第2のリストのサブセットを、ディスプレイ上における提示のためにコンピュータネットワークを介してコンピューティングデバイスに送信することをさらに含み得る。
【0012】
いくつかの態様では、センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するためのシステムが開示されている。システムは、コンピュータ可読メモリおよび1つ以上のプロセッサを含み得る。システムは、特徴データの第1のセットおよび特徴データの第2のセットを含むセンサ特徴データを取得することであって、特徴データの第1のセットが、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表し、特徴データの第2のセットが、四肢に着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、取得することと、特徴データの第1のセットおよび活動分類モデルを使用して、活動分類を決定することと、特徴データの第1のセット、特徴データの第2のセット、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、負荷軽減使用状況分類を決定することと、活動分類または負荷軽減使用状況分類のうちの少なくとも1つを表す表示データを生成することと、表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに表示データを送信することと、を行い得る。
【0013】
前段落に記載のシステムは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。活動分類モデルは、特徴データの第1のセットが複数の異なる活動分類の各々に対応する程度を決定し得る。負荷軽減使用状況モデルは、ユーザセンサの動きまたは配向が、負荷軽減デバイスセンサの動きまたは配向に対応する程度を決定し得る。皮膚傷害は、糖尿病性足潰瘍または静脈性下肢潰瘍であり得る。ユーザセンサは、第1の加速度計および第1の磁気計を含み得、負荷軽減デバイスは、第2の加速度計および第2の磁気計を含み得、センサ特徴データが、第1の加速度計、第2の加速度計、第1の磁気計、および第2の磁気計からの出力を表す。システムは、特徴データの第3のセットおよび活動分類モデルを使用して、後続の活動分類を決定することであって、特徴データの第3のセットが、ユーザセンサの出力を表す、決定することと、活動分類および後続の活動分類から、ユーザの活動の変化が発生したことを決定することと、を行うようにさらに構成され得る。システムは、特徴データの第3のセット、特徴データの第4のセット、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、後続の負荷軽減使用状況分類を決定することであって、特徴データの第3のセットが、ユーザセンサの出力を表し、特徴データの第4のセットが、負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、決定することと、負荷軽減使用状況分類および後続の負荷軽減使用状況分類から、ユーザによる負荷軽減デバイスの変化使用状況が発生したことを決定することと、を行うようにさらに構成され得る。システムは、特徴データの第1のセットを使用して、活動モデル入力データを生成することと、活動モデル入力データおよび活動分類モデルを使用して、活動分類モデル出力データを生成することと、活動分類モデル出力データから、分類基準を満たす値を有するデータ要素を識別して、活動分類を決定することであって、活動分類が、データ要素と関連付けられている、決定することと、を行うようにさらに構成され得る。複数の異なる活動分類が、動き分類、静止重量を伴う動きなしの分類、力の変動を伴う動きなしの分類、および横になる分類を含み得る。活動分類モデルは、決定ツリー、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを含み得る。負荷軽減デバイスは、取り外し可能なギプスとすることができる。活動分類モデルは、特徴データの第1のセットを複数の異なる活動分類のうちの1つに割り当てるように構成された第1の決定ツリーを含み得、負荷軽減使用状況モデルは、ユーザセンサの動きおよび配向が、負荷軽減デバイスセンサの動きおよび配向に対応するか否かを決定するように構成された第2の決定ツリーを含み得る。
【0014】
いくつかの態様では、センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するためのコンピュータ実装方法が開示されている。コンピュータ実装方法は、コンピュータネットワークを介して、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表すセンサ特徴データを受信することと、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、センサ特徴データおよび活動分類モデルを使用して、活動分類モデル出力データを生成することと、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、活動分類モデル出力データから活動分類を決定することと、コンピュータネットワークを介して、活動分類を表す表示データを、表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに送信することと、を含み得る。
【0015】
前段落に記載のコンピュータ実装方法は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。活動分類モデル出力データは、センサ特徴データが、複数の異なる活動分類の各々に対応する可能性を表し得る。複数の異なる活動分類は、四肢の動きを表す第1の活動分類と、四肢を負荷する重量を伴う四肢の動きなしを表す第2の活動分類と、を含み得る。コンピュータ実装方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別することをさらに含み得、皮膚傷害が、糖尿病性足潰瘍または静脈性下肢潰瘍である。活動分類を決定することは、ユーザの四肢上の力の変動を伴う動きなしを表す第3の活動分類にセンサ特徴データが対応する可能性があることを活動分類モデル出力データが示すことを決定することを含み得る。決定は、ユーザが横になっていることを表す第4の活動分類にセンサ特徴データが対応する可能性があることを活動分類モデル出力データが示すと決定することを含む。コンピュータ実装方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、第2のセンサ特徴データおよび活動分類モデルを使用して、後続の活動分類を決定することであって、第2のセンサ特徴データが、ユーザセンサの出力を表す、決定することと、1つ以上のコンピュータプロセッサによって活動分類および後続の活動分類から、ユーザの活動の変化が発生したことを決定することと、をさらに含み得る。コンピュータ実装方法は、コンピュータネットワークを介して、四肢に着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、センサ特徴データ、第2のセンサ特徴データ、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、負荷軽減使用状況分類を決定することと、をさらに含み得、負荷軽減使用状況モデルは、ユーザセンサの動きまたは配向が、負荷軽減デバイスセンサの動きまたは配向に対応する程度を決定するように構成されている。コンピュータ実装方法は、コンピュータネットワークを介して、四肢に着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、第2のセンサ特徴データおよび負荷軽減使用モデルを使用して、後続の負荷軽減使用状況分類を決定することであって、第2のセンサ特徴データが、負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、決定することと、1つ以上のコンピュータプロセッサによって負荷軽減使用状況分類および後続の負荷軽減使用状況分類から、ユーザによる負荷軽減デバイスの使用状況の変化が発生したことを決定することと、をさらに含み得る。コンピュータ実装方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、活動分類モデルを読み込むことをさらに含み得、活動分類モデルが、決定ツリー、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを含む。コンピュータ実装方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって、活動分類モデルを読み込むことをさらに含み得、活動分類モデルが、複数の異なる活動分類のうちの1つにセンサ特徴データを割り当てるように構成された決定ツリーを含む。
【0016】
いくつかの態様では、センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するために記憶されたアプリケーションを有する非一時的コンピュータ可読媒体が開示されている。アプリケーションは、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに、コンピュータネットワークを介して、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表すセンサ特徴データを受信することと、センサ特徴データおよび活動分類モデルを使用して、活動分類モデル出力データを生成することと、活動分類モデル出力データから活動分類を決定することと、コンピュータネットワークを介して、活動分類を表す表示データを、表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに送信することと、を行わせ得る。
【0017】
前段落に記載の非一時的コンピュータ可読媒体は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。活動分類モデル出力データは、センサ特徴データが、複数の異なる活動分類の各々に対応する可能性を表し得る。複数の異なる活動分類は、四肢の動きを表す第1の活動分類と、四肢を負荷する重量を伴う四肢の動きなしを表す第2の活動分類と、を含み得る。複数の異なる活性分類は、四肢上の力の変化を伴う四肢の動きなしを表す第3の活性分類を含み得る。複数の異なる活動分類は、ユーザが横になっていることを表す第3の活動分類を含み得る。活動分類モデルは、決定ツリー、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを含み得る。活動分類モデルは、センサ特徴データを複数の異なる活動分類のうちの1つに割り当てるように構成された決定ツリーを含み得る。アプリケーションは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに、第2のセンサ特徴データおよび活動分類モデルを使用して、後続の活動分類を決定することであって、第2のセンサ特徴データが、ユーザセンサの出力を表す、決定することと、活動分類および後続の活動分類から、ユーザの活動の変化が発生したことを決定することと、を行わせ得る。アプリケーションは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに、コンピュータネットワークを介して、四肢によって着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、センサ特徴データ、第2のセンサ特徴データ、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、負荷軽減使用状況分類を決定することと、を行わせ得、負荷軽減使用状況モデルは、ユーザセンサの動きまたは配向が、負荷軽減デバイスセンサの動きまたは配向に対応する程度を決定するように構成されている。アプリケーションは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに、コンピュータネットワークを介して、四肢によって着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す第2のセンサ特徴データを受信することと、第2のセンサ特徴データおよび負荷軽減使用モデルを使用して、後続の負荷軽減使用状況分類を決定することであって、第2のセンサ特徴データが、負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、決定することと、負荷軽減使用状況分類および後続の負荷軽減使用状況分類から、ユーザによる負荷軽減デバイスの使用状況の変化が発生したことを決定することと、を行わせ得る。
【0018】
いくつかの態様では、センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するためのシステムが開示されている。システムは、コンピュータ可読メモリおよび1つ以上のプロセッサを含み得る。システムは、特徴データの第1のセットおよび特徴データの第2のセットを含むセンサ特徴データを取得することであって、特徴データの第1のセットが、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表し、特徴データの第2のセットが、四肢に着用されるように構成されている負荷軽減デバイスに結合された負荷軽減デバイスセンサの出力を表す、取得することと、特徴データの第1のセットおよび活動分類モデルを使用して、活動分類を決定することであって、活動分類モデルが、特徴データの第1のセットを複数の異なる活動分類のうちの1つに割り当てるように構成された第1の決定ツリーを含み得る、決定することと、特徴データの第1のセット、特徴データの第2のセット、および負荷軽減使用状況モデルを使用して、負荷軽減使用状況分類を決定することであって、ユーザセンサの動きおよび配向が負荷軽減デバイスセンサの動きおよび配向に対応するか否かを決定するように構成された第2の決定ツリーを負荷軽減使用状況モデルが含み得る、決定することと、活動分類または負荷軽減使用状況分類のうちの少なくとも1つを表す表示データを生成することと、表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに表示データを送信することと、を行い得る。
【0019】
いくつかの態様では、センサデータを収集および処理して、皮膚傷害に影響を与えるか、またはそれを引き起こすリスクを識別するためのシステムが開示されている。システムは、コンピュータ可読メモリおよび1つ以上のプロセッサを含み得る。システムは、ユーザの四肢に着用されるように構成されたユーザセンサの出力を表す特徴データのセットを含むセンサ特徴データを取得することと、特徴データのセットおよび活動分類モデルを使用して、活動分類を決定することであって、活動分類モデルが、複数の異なる活動分類のうちの1つに特徴データのセットを割り当てるように構成された決定ツリーを含み得る、決定することと、活動分類を表す表示データを生成することと、表示データを提示するように構成されたコンピューティングデバイスに表示データを送信することと、を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の実施形態は、単に例示として、添付図面を参照して、ここで以下に記載される。
【0021】
【
図1】
図1は、活動監視デバイスおよび負荷軽減監視デバイスを含む、例示的なユーザ活動監視システムを例示する。
【
図2】
図2は、
図1の活動監視デバイスの例示的な構成要素を例示する。
【
図3】
図3は、
図1の活動監視デバイスおよび負荷軽減監視デバイスを含む、例示的なコンピューティング環境を例示する。
【
図4】
図4は、
図3のコンピューティング環境内で実施可能な例示的なデータ処理を例示する。
【
図5】
図5は、
図3のコンピューティング環境内で実施可能な事象記録プロセスを例示する。
【
図6】
図6は、
図3のコンピューティング環境内にデバイスまたはシステムのうちの1つ以上を構築するために使用可能な例示的なコンピュータシステムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ユーザ活動監視の概説
ユーザの活動は、創傷予防および監視を含む様々な理由のために、活動監視デバイスによって望ましくは監視され得る。一例では、ユーザが圧迫潰瘍などの創傷に陥りやすいか、または既に創傷を有し得るとき、ユーザの活動が監視され得る。活動監視デバイスによって収集されるユーザの活動に関する情報は、圧迫潰瘍の予防または治療を支援するのに役立ち得る。加えて、活動監視デバイスによって収集された活動に関する情報は、治療レジメンの遵守をチェックするために有用であり得る。
【0023】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、ヒトまたは動物の体に対する創傷監視または治療に関する。そのため、本明細書における創傷へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体上の創傷を指すことができ、本明細書における体へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体を指し得る。開示された技術は、生理学的組織もしくは生体組織への損傷を防止もしくは最小化すること、または損傷した組織(例えば、本明細書に説明される創傷)の治療に関し得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「創傷」という表現は、切断、強打、または他の衝撃、典型的には皮膚が切断または破損される衝撃によって引き起こされ得る、生体組織への傷害を含み得る。創傷は、慢性または急性の傷害であり得る。急性創傷は、手術または外傷の結果として生じる。それらは、予測される時間フレーム内で治癒の段階を進行する。慢性創傷は、典型的には、急性創傷として始まる。急性創傷は、治癒段階に従わないときに慢性創傷となり得、長期化した回復を結果的にもたらす。急性創傷から慢性創傷への遷移は、患者が免疫不全状態であることに起因し得ると考えられる。
【0025】
慢性創傷は、例えば、慢性創傷の大部分を占め、主に高齢者に影響を及ぼす静脈性潰瘍(脚で発生するものなど)、糖尿病性潰瘍(例えば、足または足首潰瘍)、末梢動脈疾患、圧迫潰瘍、または表皮水疱症(EB)を含み得る。
[
【0026】
他の創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、痛み、糖尿病性潰瘍、圧迫潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0027】
創傷は、深部組織傷害を含み得る。深部組織傷害は、固有の形態の圧迫潰瘍を説明するために、米国褥瘡諮問委員会(National Pressure Ulcer Advisory Panel(NPUAP))によって提案された用語である。これらの潰瘍は、紫色の圧迫潰瘍、悪化する可能性のある潰瘍、および骨隆起のあざなどの用語で、長年にわたって臨床医によって説明されてきた。
【0028】
創傷はまた、本明細書で考察されるように、創傷になるリスクがある組織を含み得る。例えば、リスクがある組織は、切断される潜在性を有し得る(例えば、関節置換/外科的変更/再建)骨隆起の上の組織(深部組織傷害/損傷のリスクがある)または外科手術前の組織(例えば、膝組織)を含み得る。
【0029】
いくつかの態様は、高機能の履物、患者の寝返り、オフロード(例えば、糖尿病性足部潰瘍のオフロード)、感染症の治療、システミックス、抗菌剤、抗生物質、手術、組織の除去、血流への影響、理学療法、運動、入浴、栄養、水分補給、神経刺激、超音波、電気刺激、酸素療法、マイクロ波療法、活性剤オゾン、抗生物質、抗菌剤などのうちの1つ以上と組み合わせて、本明細書に開示された技術を用いて創傷を監視および治療する方法に関する。
【0030】
代替的にまたは追加的に、創傷は、局所陰圧または適用された陰圧の使用によって支援されない従来の高度な創傷ケア(非陰圧療法とも称され得る)を使用して治療され得る。
【0031】
本開示は、圧迫潰瘍、足潰瘍などを指し得るが、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、静脈性下肢潰瘍などの任意のタイプの皮膚損傷または創傷を予防、監視、または治療するために使用され得る。
ユーザ活動監視システム
【0032】
図1は、身体部位110に取り付けられた活動監視デバイス120を含む、ユーザ活動監視システム100を例示する。活動監視デバイス120は、ストラップ、接着剤、または他の結合機構を使用して身体部位110に取り付けられ得、身体によって着用または支持され得る。
【0033】
身体部位110は、膝112および足114を含む脚などの、ユーザの四肢であってもよい。例示されるように、活動監視デバイス120は、膝112に近接するなどの、膝112と足114との間の位置で身体部位110によって支持され得る。他の態様では、活動監視デバイス120は、膝112の上または他の箇所などの、身体部位110の別の部位によって支持され得る。活動監視デバイス120は、活動監視デバイス120または活動監視デバイス120の1つ以上の他のセンサの位置、運動、または配向からなど、身体部位110の活動(例えば、歩行、跳躍、着座、横たわる、走る、しゃがむ、または起立)を監視および記録し得る。活動監視デバイス120は、例えば、足114の負荷の負荷監視に使用され得る。特定の実施態様では、複数の身体部位が活動監視デバイス120によって監視され得、異なるセンサが、異なる身体部位を監視するために使用され得る。活動監視デバイス120の、またはそれと通信する、個々のセンサは、ユーザセンサ、またはユーザ動きセンサとも呼ばれ得る。
【0034】
身体部位110は、取り外し可能なギプスなどの、負荷軽減デバイス130を着用し、それによって部分的に覆われていることが示されている。負荷軽減デバイス130は、身体部位110を支持し、ユーザが起立しているか、他の活動に関わっているときに、足114に加わる圧力を低減し得る。負荷軽減デバイス130は、負荷軽減デバイスが着用されたとき、適用された力を傷害から離れて身体部位110に分配し得る。負荷軽減監視デバイス132は、負荷軽減デバイス130に取り付けられ得る。負荷軽減監視デバイス132は、活動監視デバイス120と同一または類似であり、負荷軽減デバイス130の活動を監視および記録し得る。負荷軽減監視デバイス132は、ストラップ、接着剤、または他の結合機構を使用して、負荷軽減デバイス130によって支持され得る。負荷軽減監視デバイス132は、負荷軽減デバイス130の内面または外面に取り付けられ得る。
図1に示されていないが、負荷軽減監視デバイス132は、ユーザによって着用されていない負荷軽減デバイス(例えば、ケーンまたは歩行器)に取り付けられ得る。さらに、活動監視デバイス120は、負荷軽減デバイス130が着用され得るか否かに関係なく、着用され得る。負荷軽減監視デバイス132の、またはそれと通信する、個々のセンサは、負荷軽減デバイスセンサ、または負荷軽減デバイス動きセンサとも呼ばれ得る。
【0035】
ユーザ活動監視システム100は、追加的または代替的に、活動監視デバイス120または負荷軽減監視デバイス132のうちの1つ以上を、負荷軽減デバイス130によって支持される位置、身体部位110の別の部分、ケーンまたは歩行器などの別のデバイス、または他の箇所などの、他の位置に含んでもよい。活動監視デバイス120または負荷軽減監視デバイス132のうちの1つ以上の追加または代替は、負荷軽減デバイス130、身体部位110の別の部位、または身体の活動を監視および記録し得る、活動監視デバイス120と同じまたは類似であってもよい。
【0036】
図2は、活動監視デバイス120の例示的な構成要素を例示する。活動監視デバイス120は、ハウジング200、コントローラ202、メモリデバイス204、ユーザインターフェース206、電源208、1つ以上のセンサ210、および互いに電気的などで通信するように構成されている通信インターフェース212を含み得る。電源208は、活動監視デバイス120の1つ以上の構成要素に電力を提供し得る。
【0037】
活動監視デバイス120の構成要素のうちの1つ以上は、ハウジング200内に収容されるか、またはそれによって支持され得る。ハウジング200は、一緒に封止される上部分および底部分から構成され得、上部分または底部分は、硬質または軟質とすることができる。ハウジング200は、可撓性とすることができ、ハウジング200内の構成要素のショルダ付きキー溝位置合わせを提供する機械的構造および設計特徴を有し得る。ハウジング200は、その内側で回路基板を支持し得、回路基板の上に、活動監視デバイス120の1つ以上の構成要素が位置付けられ得る。
【0038】
ハウジング200は、フォトポリマー3D印刷材料からの立体リソグラフィ(SLA)またはポリジェットによって、または80Aのショア硬度を有するエンジニアリング樹脂からの3D印刷によって作製され得る。ハウジング200は、エラストマー、熱可塑性エラストマーを含むか、または射出成形によって構築され得る。ハウジング200の成形部は、白色の液体シリコーンゴムから作製され得る。接着剤(例えば、プラスチックおよびエラストマー材料を取り付けるためのもの)が、ハウジング200の上部分および底部分を一緒に接着するために使用され得、広範な他の接着剤(例えば、シアノアクリレート、シリコーン、エポキシ、ハイドロゲル、親水コロイド、シーラントシステム)または他の技術(例えば、両面接着剤テープ、超音波溶接、ステーキングの使用)が使用され得る。
【0039】
コントローラ202は、少なくともメモリデバイス204に記憶された命令に従って、活動監視デバイス120の1つ以上の他の構成要素(例えば、メモリデバイス204、ユーザインターフェース206、電源208、1つ以上のセンサ210、または通信インターフェース212)の操作を制御し得る。コントローラ202は、例えば、身体の重量または身体部位110の位置付けによる身体部位110の負荷の監視を制御し、身体部位110の負荷または身体部位110の位置付けを示すデータをメモリデバイス204に記録し得る。
【0040】
ユーザインターフェース206は、ユーザ出力をユーザに提供する、視覚的フィードバックデバイス(例えば、発光ダイオード)、触覚的フィードバックデバイス、または聴覚的デバイス(例えば、スピーカ)などの、1つ以上の出力要素を含み得る。1つ以上の出力要素は、活動監視デバイス120が正常に機能しているか、または別のデバイスとの正常に構成された通信を有するか否かのようなステータス情報をユーザに伝達し得る。ユーザインターフェース206は、活動監視デバイス120を構成するためのユーザ入力を受信するための、ボタン、スイッチ、ダイヤル、タッチパッド、マイクロフォン、またはタッチ画面などの1つ以上の入力要素を含み得る。いくつかの態様では、ユーザインターフェース206は、ユーザ入力を受信して、活動監視デバイス120をアクティブ化および非アクティブ化するか、または1つ以上の他の機能を実施するための、ボタンなどの1つ以下のユーザ入力要素を有し得る。
【0041】
1つ以上のセンサ210は、活動監視デバイス120の動きもしくは配向、または活動監視デバイス120のもしくはその周囲の他の特性を検出および監視するために使用され得る。1つ以上のセンサ210は、例えば、身体部位110の負荷または位置付けを含む、活動監視デバイス120のユーザの活動を検出および監視するために使用され得る。1つ以上のセンサ210は、他のタイプのセンサの中でも、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、インピーダンスセンサ、サーミスタ、圧力センサ、または光学センサを含み得る。1つ以上のセンサ210は、身体部位110に近接してハウジングによって位置付けられ得るか、または身体部位110の特性を監視するために依然として使用可能に、身体部位110から遠隔であってもよい。
【0042】
コントローラ202および1つ以上のセンサ210は、データウィンドウ上の活動監視デバイス120による運動またはその配向を示す複数の特徴を決定するために使用され得る。例えば、コントローラ202は、1つ以上のセンサ210の加速度計(x軸、y軸、およびz軸の加速度を感知する)および磁気計(x軸、y軸、およびz軸の磁界変動を感知する)を使用して、1、2、5、10、20、または30秒の時間経過などの、個々のデータウィンドウを含む、表1に列挙されたデータ特徴の1つ以上または全てを決定し得る。加速度計データから決定されるデータ特徴は、その名称に「Acc」を含み得、磁気計データから決定されるデータ特徴は、その名称に「Mag」を含み得る。
【表1】
【0043】
表1のデータ特徴は、例えば、少なくとも表2に提供される方程式に従って計算され得る。
【表2】
【0044】
表1のtGravity_vectorのデータ特徴は、活動監視デバイス120のユーザが起立しているときなどの、身体部位110が垂直であり得るとき、活動監視デバイス120に対する相対的な重力の方向を示し得る。tGravity_vectorのデータ特徴は、重力に対するハウジング200の特定の配置または配向を確保する活動監視デバイス120の較正ステップを有することなく、身体部位110に対するハウジング200の配置または配向(および身体部位110のサイズまたは形状の潜在的な変動)を説明するために使用され得る。tGravity_vectorのデータ特徴は、ユーザが歩行していると決定され得る(例えば、ユーザが、1つ以上のセンサ210を使用した1つ以上のステップまたは高加速度の検出からコントローラ202によって歩行していると決定され得る)間、複数の検出された重力ベクトルの平均(例えば、過去2、5、10、20、50、200、または500ベクトルの移動平均)から定期的(例えば、0.2、0.5、1、2、または5秒毎)などの、経時的に1つ以上のセンサ210によって複数の検出された重力ベクトルから計算され得る。tGravity_vectorのデータ特徴の値は、身体部位110からの活動監視デバイス120の取り外しなどの、身体部位110に対する活動監視デバイス120の位置の変化に応じてリセットすることができる。
【0045】
表3および4は、一緒に、tGravity_vectorのデータ特徴の例示的な計算を例示する。表3は、20個の例示的なデータサンプルを含み、各サンプルに対して検出された重力ベクトルのx、y、およびz成分、ならびにユーザがサンプルの時点で歩行していたか否かの各サンプルに1つの指示を含む。
【表3】
【0046】
表4は、表3の20個のデータサンプルに対するtGravity_vectorの例示的な値を含む。成分GVx、GVy、およびGVzを含み得るtGravity_vectorの計算は、<x=-0.353、y=-0.928、z=0.121>などの、開始またはデフォルトベクトルで初期化され得る。SUM(X)、SUM(Y)、およびSUM(Z)列は、ユーザがサンプルの時点で歩行していたことを示す各サンプルの1つの検出された重力ベクトルのx、y、およびzのサンプルにわたる、開始またはデフォルトベクトルを含む、累積和を提供し得る。WCount列は、1に初期化され得、ユーザがサンプルの時点で歩いていた間のサンプルの数の累積和を提供する。GVx、GVy、およびGVz列は、tGravity_vectorの計算された値を提供し得、これらは、WCount列のそれぞれの値で除算されたSUM(X)、SUM(Y)、およびSUM(Z)列の値であり得る。分かるように、tGravity_vectorの値は、ユーザが歩行している可能性があるときに、それに応じて更新され得るが、ユーザが歩行していない可能性があるときには更新されない。
【表4】
【0047】
コントローラ202および1つ以上のセンサ210は、例えば、表5に列挙されたデータ収集または処理設定のうちの1つ以上に従って、データ特徴下で動作するか、またはそれを計算し得る。
【表5】
【0048】
表5に列挙された設定は、有利には、特定の態様では、活動監視デバイス120が少なくとも7日間動作することを可能にし得、これは、メモリデバイス204および電源208が、少なくとも7日間、不具合なしで(メモリオーバーフローまたは不十分な電力に起因するなどの)動作し続け得ることを意味し得る。活動監視デバイス120は、いくつかの態様では、7日を大きく超えて続かないように設計または構築され得る。例えば、活動監視デバイス120は、メモリデバイス204が10、12、14、16、18、20、22、または24日後にオーバーフローするように動作し得る。別の例として、活動監視デバイス120は、電源が10、12、14、16、18、20、22、または24日後に故障すると予想され得るように動作し得る。いくつかの実施態様では、活動監視デバイス120は、5日、10日、12日などの、7日未満または7日を超えて動作するように設計または構築されてもよい。
【0049】
表1に列挙されたデータ特徴は、いくつかの態様では、制限されたデータソート能力などの、処理制限を有するコントローラ202にも関わらず、コントローラ202によって処理されることが望ましい場合がある。活動監視デバイス120は、携帯可能であり、かつコンパクトなサイズまたは形態を有するように設計され得るため、コントローラ202は、結果として、いくつかの他のコントローラよりも少ない処理機能または計算能力を有し得る、コンパクトなサイズまたは形態を有するように選択され得る。さらに表1に列挙されたデータ特徴が、活動監視デバイス120によって経験される高加速度を正確に(例えば、約90%または95%の信頼度)検出すること、活動監視デバイス120を着用しているユーザが関わった活動を分類すること、または活動監視デバイス120を着用しているユーザによる負荷軽減デバイス使用状況を検出すること、のために共に有用であり得るため、表1に列挙されたデータ特徴は、追加のデータ特徴の中から選択された可能性がある。いくつかの事例では、より低い検出精度が許容可能であり得る場合、表1(または代替的な特徴)に列挙されたデータ特徴の全てよりも少ないデータ特徴が使用されてもよい。
【0050】
コントローラ202は、メモリデバイス204のデータ特徴の決定を、損失なく、または精度の損失を伴って(例えば、無損失、または損失性)記憶され得る。無損失記憶アプローチは、有利には、特定の態様では、活動監視デバイス120が監視および記録を開始すると、活動監視デバイス120の使用全体を通じて、データ特徴の決定が継続的に監視および記録されることを確保し得る。コントローラ202は、x軸加速度計データまたはz軸磁気計データなどの未加工のセンサデータをメモリデバイス204に記憶してもよく、または記憶しなくてもよい。コントローラ202は、いくつかの態様では、少なくとも、メモリデバイス204の利用を制限し、メモリデバイス204が、別様に使用され得るよりも少ないメモリ容量を有するように選択されることを可能にするために、メモリデバイス204に未加工のセンサデータを記憶しなくてもよい。
【0051】
通信インターフェース212は、無線波を介して無線などの、他のデバイスと通信するために使用され得る。通信は、Bluetooth(商標)Low EnergyのようなBluetooth(商標)プロトコルなどの、通信プロトコルに従って実施され得る。通信インターフェース212は、例えば、他のデバイスと通信およびペアリングし、他のデバイスにデバイス使用状況またはセンサデータ([i]データウィンドウ上の表1に列挙されたデータ特徴のうちの1つ以上の決定された値を含むセンサ由来データ、[ii]監視された読み込みまたは位置付け、[iii]警報、または[iv]活動監視デバイス120によって実施される監視または治療プログラムに対する変化など)を送信し得る。通信インターフェース212は、他のデバイスからコマンドを含むデータを受信するために使用され得る。通信インターフェース212は、通信チャネルが別のデバイスと通信するように構成されると(例えば、デバイスペアリングによって)、別のデバイスとの通信(例えば、別のデバイスへのデータの転送、または別のデバイスからの処理コマンドの転送)を可能にし得る。通信インターフェース212は、いくつかの態様では、通信インターフェース212から10メートル、30メートル、または100メートル超離れて通信することができない場合がある。
【0052】
図3は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132を含む、コンピューティング環境300を例示する。コンピューティング環境300は、ユーザ操作デバイス310および臨床医操作デバイス320と通信する活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132、ならびにネットワーク330を介してデバイス管理システム340と通信するユーザ操作デバイス310および臨床医操作デバイス320を示す。
【0053】
ユーザ操作デバイス310は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132の着用者などのユーザによって操作され得る。ユーザ操作デバイス310は、ユーザが、ユーザ操作デバイス310を使用して、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集されたデータを収集、プロセス、レビュー、または送信することを可能にし得る。一方で、臨床医操作デバイス320は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132を使用するユーザを監督、支援、または介護する個人などの、ユーザのための臨床医によって操作され得る。臨床医操作デバイス320は、臨床医が、臨床医操作デバイス320を使用して、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集されたデータを収集、プロセス、レビュー、または送信することを可能にし得る。
【0054】
ユーザ操作デバイス310および臨床医操作デバイス320は、各々、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの、コンピューティングデバイスとすることができる。いくつかの態様では、ユーザ操作デバイス310および臨床医操作デバイス320は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集されたデータ、またはそこから決定されたデータを受信、送信、提示、およびアクセスするが、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集されたデータを、データの特性を分析するために処理しなくてもよい(例えば、ユーザが負荷軽減デバイスを使用したときをデータから識別するために、またはユーザが関わった活動の持続時間を計算するために)。
【0055】
ユーザ操作デバイス310は、ユーザアプリケーション312、通信インターフェース314(例えば、通信インターフェース212の特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る)、およびユーザインターフェース316(例えば、ユーザインターフェース206の特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る)を含み得る。ユーザアプリケーション312は、ユーザ操作デバイス310のプロセッサによって実行されるプログラムとすることができる。ユーザアプリケーション312は、ユーザ操作デバイス310が、通信インターフェース314を介して、活動監視デバイス120、負荷軽減監視デバイス132、およびデバイス管理システム340と通信することを可能にし得る。ユーザアプリケーション312は、(i)決定された特徴データ、センサデータ、警報、監視された負荷もしくは位置付け、または監視もしくは治療プログラムに対する変更などの、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集または決定されたデータ、(ii)ユーザ観察、目標情報、またはユーザが関わった活動の識別などの、ユーザアプリケーション312によって収集または決定されたデータ、あるいは(iii)ユーザがアクティブであった持続時間、ユーザが負荷軽減デバイスを使用した時間の一部分、またはユーザの傷害が、ユーザによる活動または負荷軽減デバイスの不使用に起因してリスクにあり得る時間量などの、デバイス管理システム340によって収集または決定されたデータを、受信、収集、プロセス、レビュー、または送信し得る。さらに、ユーザアプリケーション312は、ユーザインターフェース316のディスプレイまたはタッチ画面などの、ユーザインターフェース316と共に、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースをユーザに提示し得る。
【0056】
ユーザアプリケーション312は、ユーザの足が、足の既存の潰瘍に悪影響を与えるリスク、または足の新たな潰瘍を引き起こすリスクのある負荷力を経験した可能性があるときに、どのようなタイプの活動にユーザが関わったかを理解することを支援するために、ユーザから情報を収集するために使用され得る。ユーザアプリケーション312は、活動監視デバイス120からのセンサデータが、足の既存の潰瘍に悪影響を及ぼすか、または足の新たな潰瘍を引き起こすリスクのある負荷力を経験したことを示す時間をデバイス管理システム340から受信し得、ユーザアプリケーション312は、その時間における活動監視デバイス120の地理的場所を示し得る、ユーザ操作デバイス310の地理的場所を決定し得る(ユーザ操作デバイス310の全地球測位システム(GPS)受信機またはネットワーク330を介してユーザ操作デバイス310によって受信された通信からなど)。ユーザアプリケーション312は、ユーザ操作デバイス310の時間および地理的場所を、その時間および地理的場所でユーザが関わった活動のタイプをユーザが識別する要求と共に出力し得る。活動のタイプは、例えば、移動手段のタイプ、運動のタイプ、レジャーのタイプ、趣味のタイプ、または仕事のタイプを含み得る。要求は、ユーザが関わった活動のタイプを選択することを支援するために、ユーザが一般的に関わる活動のタイプのセットをリスト化し得る。
【0057】
ユーザアプリケーション312は、ユーザアプリケーション312とのユーザエンゲージメントの量または頻度を増加させることを求める特徴およびインターフェースを含み得る。ユーザアプリケーション312は、ユーザの足が、足の既存の潰瘍に有害な影響を与えるリスクまたは足の新たな潰瘍を引き起こすリスクのある負荷力を経験した可能性がある理由の追跡または理解を支援するために、コンテキスト情報(活動監視デバイス120の着用中にユーザが関わった活動の識別、またはユーザがどのように感じているかのユーザによる指示など)を要求し得る。
【0058】
臨床医操作デバイス320は、臨床医アプリケーション322、通信インターフェース324(例えば、通信インターフェース212の特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る)、およびユーザインターフェース326(例えば、ユーザインターフェース206の特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る)を含み得る。臨床医アプリケーション322は、臨床医操作デバイス320のプロセッサによって実行されるプログラムとすることができる。臨床医アプリケーション322は、臨床医操作デバイス320が、通信インターフェース324を介して、活動監視デバイス120、負荷軽減監視デバイス132、およびデバイス管理システム340と通信することを可能にし得る。臨床医アプリケーション322は、(i)決定された特徴データ、センサデータ、警報、監視された負荷もしくは位置付け、または監視もしくは治療プログラムに対する変更などの、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集または決定されたデータ、(ii)ユーザ観察、目標情報、またはユーザが関わった活動の識別などの、ユーザアプリケーション312によって収集または決定されたデータ、あるいは(iii)ユーザがアクティブであった持続時間、ユーザが負荷軽減デバイスを使用した時間の一部分、またはユーザの傷害が、ユーザによる活動または負荷軽減デバイスの不使用に起因してリスクにあり得る時間量などの、デバイス管理システム340によって収集または決定されたデータを、受信、収集、プロセス、レビュー、または送信し得る。臨床医アプリケーション322は、ユーザインターフェース326のディスプレイまたはタッチ画面などの、ユーザインターフェース326と共に、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースを臨床医に提示し得る。
【0059】
いくつかの態様では、臨床医操作デバイス320は、活動監視デバイス120または負荷軽減監視デバイス132と直接通信しない場合がある。代わりに、臨床医操作デバイス320は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集されたか、またはそれと関連付けられた任意のデータをデバイス管理システム340から受信し得る。そのような設計は、望ましくは、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132から直接データを受信し得るデバイス(ユーザ操作デバイス310以外の)の数を制限し、それによって、データのセキュリティを強化し、データへのアクセスを制限し得る。
【0060】
デバイス管理システム340は、サーバなどのコンピューティングデバイスとすることができ、互いに通信し得る、通信管理システム342、データ処理システム344、およびデータ記憶装置346を含み得る。デバイス管理システム340は、例えば、Amazon Web Services(商標)(AWS)、Microsoft(商標)Azure(商標)、Google Cloud Platform(商標)(GCP)、またはOracle(商標)Cloud Infrastructure(OCI)によって提供されるクラウド基盤を使用するなど、部分的にまたは完全にサーバ基盤またはクラウドアーキテクチャから構築され得る。サーバ基盤およびクラウド基盤は、HIPAA(1996年の医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)の要件に準拠し得、デバイス管理システム340によって収集、処理、または決定されるデータの潜在的に機密性の高い性質を考慮して、データプライバシおよびセキュリティ保護を提供し得る。
【0061】
通信管理システム342は、デバイス管理システム340が、ネットワーク330を介して、ユーザ操作デバイス310および臨床医操作デバイス320と通信することを許可し得る。通信管理システム342は、その通信を容易にするために、クラウドAPIなどのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を含み得る。
【0062】
データ処理システム344は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集または決定されたデータ(決定された特徴データ、センサデータ、警報、監視された負荷もしくは位置付け、または監視もしくは治療プログラムに対する変更など)、ならびにユーザアプリケーション312によって収集または決定されたデータ(ユーザ観察、目標情報、またはユーザが関わった活動の識別)を収集、プロセス、提示、記憶(データ記憶装置346内などに)、および送信し得る。例えば、データ処理システム344は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集されたデータを処理して、データが収集された様々な期間中にユーザが関わった可能性が高い活動、ならびにデータが収集された様々な期間中に、ユーザが負荷軽減デバイスを着用した可能性が高いか否かを決定し得る。決定された可能性の高い活動または負荷軽減デバイスの使用は、デバイス管理システム340によって、ユーザ操作デバイス310または臨床医操作デバイス320と共有され得る。別の例として、データ処理システム344は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって収集されたデータを処理して、身体部位110に加えられている過剰な圧力を示し得る事象などの、関心対象の事象を識別し得、関心対照の事象をユーザ操作デバイス310または臨床医操作デバイス320と共有し得る。
【0063】
ネットワーク330は、セルラー通信ネットワークなどのコンピュータネットワークとすることができるか、またはセルラー通信ネットワークを含み得る。ネットワーク330は、1つの接続されたネットワークとして示されているが、ネットワーク330は、互いに直接通信しない場合がある1つ以上の別個のネットワークに細分され得る。例えば、デバイス管理システム340は、デバイス管理システム340が臨床医操作デバイス320と通信するために使用するネットワークとは別個の異なるネットワークを介して、ユーザ操作デバイス310と通信し得る。
【0064】
コンピューティング環境300内の特定のデータ処理は、活動監視デバイス120、負荷軽減監視デバイス132、ユーザ操作デバイス310、臨床医操作デバイス320、またはデータ処理システム344によって実施されるものとして説明され得るが、特定のデータ処理は、コンピューティング環境300内の異なるデバイスまたはシステムにシフトされてもよい。例えば、ユーザ操作デバイス310は、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって提供されるデータを処理しないものとして説明されてもよく、代わりに、データを分析するためにデータ処理システム344に頼ることができるが、ユーザ操作デバイス310は、追加的または代替的に、データ処理システム344に対する類似または異なるアプローチまたはアルゴリズムを使用して、データを分析してもよい。
【0065】
図4は、データ処理システム344による例示的なデータ処理400を例示する。例示されるように、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420は、データ処理システム344によって受信され得る。活動監視データ410および負荷軽減監視データ420は、次に、高加速度検出430、活動分類432、およびデータ処理システム344の負荷軽減使用状況検出434によって処理され得る。高加速度検出430、活動分類432、および負荷軽減使用状況検出434は、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420の個々のセットを並列または直列で処理し得る。
【0066】
個々のセットは、例えば、個々のデータウィンドウに対する活動監視データ410または負荷軽減監視データ420によって決定されるデータ特徴の値を含み得る。データウィンドウは、10、25、50、または100ミリ秒、1、2、5、10、20、または30秒のウィンドウなどの、逐次発生時間ウィンドウに対応し得る。例えば、30秒のデータウィンドウが使用される場合、1分間のデータに対して2つの別個のウィンドウ、すなわち、1~30秒を包含する第1のデータウィンドウ、および31~60秒を包含する第2のデータウィンドウが存在し得る。次いで、次のデータウィンドウは、次の1分のデータの1~30秒を包含し得る。データウィンドウは、個々のデータウィンドウの合計長さ未満である定期的な間隔で進行する、スライドする時間ウィンドウに対応し得る。例えば、30秒のスライドするデータウィンドウが使用される場合、ウィンドウが1秒間隔で進行すると、1~30秒を包含する第1のデータウィンドウ、2~31秒を包含する第2のデータウィンドウ、3~32秒を包含する第3のデータウィンドウ、および31~60秒を包含する第31のデータウィンドウまで続く、データの1分内で完全に発生する31個の別個のデータウィンドウが存在し得る。次いで、次のデータウィンドウは、1分間のデータの32~60秒、ならびに次の1分間のデータの1秒を包含し得る。
【0067】
高加速度検出430、活動分類432、および負荷軽減使用状況検出434の出力は、データ処理システム344の事象検出436に提供され得る。事象検出436は、最大1、2、5、10、20、30、45、または60分毎に事象を潜在的に検出するなどの、定期的に個々の事象を監視し得る。事象検出436の出力は、データ処理システム344の事象優先順位付け438に提供され得る。事象優先順位付け438の出力は、事象データ440であり得、これは、データ処理システム344によってさらに処理されるか、データ記憶装置346に記憶されるか、または処理もしくは表示のためにユーザ操作デバイス310または臨床医操作デバイス320に送信され得る(データ処理システム344のアプリケーションプログラムインターフェース(API)を介してなど)。
【0068】
高加速度検出430、活動分類432、負荷軽減使用状況検出434、事象検出436、および事象優先順位付け438は、各々、いくつかの態様では、データ処理システム344の1つ以上のプロセッサによって実装されるアルゴリズムとすることができる。
【0069】
活動監視データ410および負荷軽減監視データ420は、通信管理システム342によって、ユーザ操作デバイス310からなど、ネットワーク330を介して取得され得る。活動監視データ410は、活動監視デバイス120によって収集または決定されたデータ(決定された特徴データ、センサデータ、警報、監視された負荷もしくは位置付け、または監視もしくは治療プログラムに対する変更など)、ならびにユーザアプリケーション312によって収集または決定されたデータ(ユーザ観察、目標情報、ユーザが関わった活動の識別、活動監視デバイス120に関するユーザによって提供される他の情報)を含み得る。負荷軽減監視データ420は、負荷軽減監視デバイス132によって収集または決定されたデータ(決定された特徴データ、センサデータ、警報、監視された負荷もしくは位置付け、または監視もしくは治療プログラムに対する変更など)、ならびにユーザアプリケーション312によって収集または決定されたデータ(ユーザ観察、目標情報、ユーザが関わった活動の識別、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132に関するユーザによって提供される他の情報)を含み得る。高加速度検出430、活動分類432、および負荷軽減使用状況検出434は、デバイス管理システム340による、活動監視データ410、負荷軽減監視データ420、またはそれらのセットの正常な受信または記憶時に開始され得る。
【0070】
高加速度検出430は、活動監視データ410を処理して、活動監視デバイス120が、個々のデータウィンドウに対して、高い瞬時加速度または高い平均加速度などの、高加速度を経験したか否かを決定し得る。高加速度検出430は、個々のデータウィンドウに対する活動監視データ410の1つ以上の加速度値を、加速度閾値と比較することによって実施されて、1つ以上の加速度値が加速度閾値を満たすか否かを決定し得る。加速度閾値は、例えば、重力に起因する標準加速度の1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5倍などの、重力に起因する標準加速度の倍数(g0とも呼ばれ、およそ9.807m/s2の値を有する)として定義され得る。高加速度検出430の出力は、活動監視デバイス120が、個々のデータウィンドウにわたってデータ取り込み中に高加速度を経験したか否かの指示であり得る。高加速度検出430の出力は、例えば、センサID、ユーザID、tBodyAcc_mag、センサタイムスタンプ、または評価時間のうちの1つ以上を含み得る。出力は、個々のデータウィンドウに対する表、リスト、または配列に編成され得る。
【0071】
活動分類432は、活動監視データ410を処理して、活動監視デバイス120の着用または支持中に関わった活動を決定し得る。活動分類432は、例えば、個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウ(30もしくは45秒、または1、2、3、5、もしくは10分のデータの期間にわたるセンサ検出に対応するデータ用などの)に対する活動を、[i]動き(歩行またはランニングなど)、[ii]静止重量を伴う動作なし(起立など)、[iii]力の変動を伴う動作なし(自動車の運転など)、または[iv]横になる(平面上に横になるなど)のうちの1つとして分類し得る。概して、身体部位に重量の負荷が全くまたはほとんどないことに起因して、横になることは、既存の傷害(身体部位の潰瘍など)に対する、または新たな傷害を引き起こすリスクがない姿勢であると考えられ得るが、一方、動き、静的重量に伴う動き、または力の変動を伴う動きは、既存の損傷に対する、または新たな傷害を引き起こすリスクがある姿勢であると考えられ得る。
【0072】
活動分類432は、機械学習技術(勾配ブースティングなど)、決定ツリーベースアプローチ、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを使用して実施され得る。活動分類432は、活動分類432によって使用される活動分類モデル433(活動モデルまたはいくつかの事例では、訓練された活動分類モジュールとも呼ばれ得る)に基づいて動作して、[i]動き、[ii]静止重量を伴う動きなし、[iii]力の変動を伴う動きなし、[iv]横になるを、表1のデータ特徴のうちの1つ以上または全てについての決定された特徴データからなどの、活動監視データ410から認識または区別し得る。活動分類モデル433は、一例では、2つ以上の異なる活動のうちの1つに対応する可能性があるとして、活動監視データ410の個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウを識別するために、活動分類432によって使用される決定ツリーとすることができる。別の例として、活動分類モデル433は、活動監視データ410の個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウが、2つ以上の異なる活動の各々に対応する程度を決定するために、活動分類432によって使用され得、活動分類432は、個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウに対する分類された活動である、最も可能性がある異なる活動を選択し得る。
【0073】
活動分類432は、決定ツリーを含み得る、活動分類モデル433を使用して、活動監視データ410を分析して、活動分類を決定し得る。決定ツリーは、例えば、活動監視データ410がユーザの脚が上昇され得ることを示す場合、ユーザが、動き中、静止重量に伴う動きなし、または力の変動を伴う動きなしではなく、横になっている可能性があることを提供し得る。活動分類432は、ベクトルxおよびyのドット積から導出された方程式1を使用して、検出された重力ベクトルと重力基準用ベクトルとの間の角度を決定することによるなどの、活動監視データ410の検出された重力ベクトルおよび重力基準用ベクトル(tGravity_vectorなど)から脚が上昇され得るか否かを決定し得る。一例では、活動分類432は、検出された重力ベクトルと重力基準用ベクトルとの間の角度が少なくとも30°、45°、または60°であり得るときに、脚が上昇され得ると決定し得る。決定ツリーは、追加的または代替的に、活動監視データ410が経時的に閾値を超える揺動量を示す場合、ユーザが静止重量を伴う動きなしではない可能性があることを提供し得る。
【数1】
【0074】
活動分類432は、活動監視データ410から活動モデル入力データを生成し得る。例えば、活動モデル入力データは、特定のデータウィンドウについて、表1のデータ特徴、またはそのいくつかのサブセットを表すデータ要素を含む特徴ベクトルなどの、特徴データを含み得る。活動分類432は、活動分類モデル433を使用して、活動モデル入力データを分析して、活動分類を決定し得る。活動分類モデル433は、活動モデル入力データが生成された、活動監視データ410の可能性がある活動分類を表す、活動モデル出力データを生成し得る。例えば、活動モデル出力データは、ベクトル、配列、または他のデータ要素のセットであってもよい。セットの個々のデータ要素は、活動分類モデル433が検出するように訓練される、個々の活動分類に対応し得る。活動モデル出力データの個々の要素の値は、個々のデータ要素が対応する活動分類内の活動を活動モデル入力データが表す可能性を表し得る。1つ以上の分類基準を満たす活動モデル出力データ要素に対応する活動分類は、現在のデータウィンドウの活動分類として選択され得る。分類基準を適用する例は、活動モデル出力データの他のデータ要素に対する最高値を有する活動モデル出力データ要素を選択すること、または閾値を満たす値を有する活動モデル出力データ要素を選択することを含み得る。本明細書に説明される活動分類モデル433を使用した活動監視データ410の例示的な処理は、例示的であり、限定または網羅的であることを意図するものではない。代替的または追加的な動作が、活動分類モデル433の構造、活動監視データ410の構造、または利用可能なコンピューティングリソースを含む、様々な因子のいずれかに依存して使用され得る。
【0075】
活動分類432は、データウィンドウ(例えば、個々の期間または時間インスタンスに対する)に対して決定された活動分類に関するデータを記憶し得る。活動分類432は、活動分類の変化を検出し、活動分類の変化に応答して新しいデータを出力するために、2つ以上のデータウィンドウに対して決定された2つ以上の活動分類を使用し得る。活動分類432の出力は、例えば、活動記録ID、ユーザID、活動開始時刻、活動終了時刻、活動持続時間、活動強度、または評価時刻のうちの1つ以上を含み得る。最大活動変化頻度(例えば、活動分類が30秒または1、2、5、もしくは10分毎により頻繁に変化し得るように)は、ユーザによって設定され得るか、または以前にもしくは新たに決定された活動に依存して、活動分類432の感度を変化に制限し得る。活動分類432は、HyperText Transfer Protocol(HTTP)ラッパーを有し、URLへのHTTP要求を介してアクセス可能であってもよい。
【0076】
負荷軽減使用状況検出434は、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420を処理して、負荷軽減デバイスが、活動監視デバイス120を着用または支持している間に着用されたか否かを決定し得る。負荷軽減使用状況検出434は、例えば、個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウ(例えば、30もしくは45秒、または1、2、3、5または10分の期間のデータにわたるセンサ検出に対応するデータに対するなどの)にわたる活動監視データ410および負荷軽減監視データ420の相関などの、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420の比較から負荷軽減デバイスが着用されたか否かを決定し得る。追加的または代替的に、負荷軽減使用状況検出434は、機械学習技術(勾配ブースティングなど)、決定ツリーベースアプローチ、ニューラルネットワーク、またはサポートベクトルマシンを使用して実施され得る。検出は、個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウにわたって行われ得る。
【0077】
負荷軽減使用状況検出434は、負荷軽減使用状況検出434によって使用される負荷軽減使用状況モデル435に基づいて動作して、活動監視デバイス120および負荷軽減監視デバイス132によって生成された表1のデータ特徴のうちの1つ以上または全てについての決定された特徴データからなどの、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420から、負荷軽減デバイスの使用または不使用を認識または区別し得る。負荷軽減使用状況モデル435は、一例では、活動監視データ410または負荷軽減監視データ420の個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウが、負荷軽減デバイスの使用または不使用に対応するか否かを決定するために、負荷軽減使用状況検出434によって使用される決定ツリーであり得る。別の例として、負荷軽減使用状況モデル435は、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420の個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウが負荷軽減デバイスの使用または不使用に対応する程度を決定するために、負荷軽減使用状況検出434によって使用され得、負荷軽減使用状況検出434は、個々のデータウィンドウまたは複数のデータウィンドウに対する使用状況決定であるように、負荷軽減デバイスの使用または不使用のより可能性が高い方を選択し得る。
【0078】
負荷軽減使用状況モデル435は、負荷軽減デバイスが特定のデータウィンドウの間に使用された可能性があったか否かを決定するためにプログラムまたは訓練され得る。例えば、負荷軽減使用状況検出434は、負荷軽減監視データ420の特定のデータウィンドウに対して、表1のデータ特徴、またはそのいくつかのサブセットを表すデータ要素を含む、特徴ベクトルを生成し得る。特徴ベクトルは、同じまたは対応するデータウィンドウに対する活動監視データ410のデータ特徴を表すデータ要素、同じデータウィンドウに対する活動分類モデル433の出力を表す1つ以上のデータ要素、または同じデータウィンドウに対する活動分類432によって決定された活動分類を表す1つ以上のデータ要素を含み得る。負荷軽減使用状況モデル435は、負荷軽減使用状況モデル出力データを生成し得る。負荷軽減使用状況モデル出力データは、負荷軽減デバイスがデータウィンドウ中に着用された可能性、または活動監視データ410および負荷軽減監視データ420が相関する程度などを表し得る。負荷軽減使用状況検出434は、負荷軽減デバイスがデータウィンドウに対応する時点で着用された可能性があったか否かを示す負荷軽減使用状況分類を決定するために、負荷軽減使用状況モデル出力データを使用し得る。
【0079】
追加的または代替的に、負荷軽減使用状況検出434は、負荷軽減使用状況モデル435を使用して、負荷軽減使用状況モデル入力データを分析して、負荷軽減監視データ420用の活動分類を決定し得る。活動分類は、同じデータウィンドウに対する活動監視データ410に対して決定された活動分類と比較され得る。活動分類が1つ以上の相関基準に合致するか、またはそれを別様に満たす場合、負荷軽減使用状況検出434は、負荷軽減デバイスがデータウィンドウに対応する時点で着用されている可能性があったと決定し得る。そうでなければ、活動分類が1つ以上の相関基準に合致しないか、またはそれを別様に満たさない場合、負荷軽減使用状況検出434は、負荷軽減デバイスがデータウィンドウに対応する時点で着用されていない可能性があったと決定し得る。データウィンドウに対応する時点で負荷軽減デバイスが着用された可能性があったか否かの最終的な決定は、負荷軽減使用状況分類であり得る。
【0080】
負荷軽減使用状況決定434のための代替的または追加的な動作は、負荷軽減使用状況モデル435の構造、活動監視データ410もしくは負荷軽減監視データ420の構造、または利用可能なコンピューティングリソースを含む、様々な因子のいずれかに依存して使用され得る。
【0081】
負荷軽減使用状況検出434は、データウィンドウ(例えば、個々の期間または時間インスタンス)に対する、負荷軽減使用状況決定に関するデータを記憶し得る。負荷軽減使用状況検出434は、2つ以上のデータウィンドウに対して、2つ以上の負荷軽減使用状況決定を使用して、負荷軽減使用状況検出における可能性のある変化を検出し、負荷軽減使用状況検出における変化に応答して新しいデータを出力し得る。負荷軽減使用状況検出434の出力は、例えば、記録ID、ユーザID、評価時刻、検出開始時刻、検出終了時刻、または検出持続時間のうちの1つ以上を含み得る。最大負荷軽減使用状況変化頻度(例えば、負荷軽減使用状況検出が30秒または1、2、5、もしくは10分毎よりも頻繁に変化しなくてもよいように)は、変化する負荷軽減使用状況検出434の感度を制限するようにユーザによって設定され得る。相関ウィンドウサイズは、負荷軽減デバイスの使用または不使用を決定するために負荷軽減使用状況検出434によって処理され得る、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420の各々からのサンプルの数を制御するために、ユーザによって設定され得る。
【0082】
事象検出436は、高加速度検出430、活動分類432、および負荷軽減使用状況検出434からの出力を処理して、1つ以上の事象を識別し得る。1つ以上の事象は、例えば、各々、(i)高加速度検出430によって決定された高加速度、または(ii)活動分類432によって決定された活動分類および負荷軽減使用状況検出434によって決定された負荷軽減デバイス不使用と共に、高加速度検出430によって決定された低加速度の事例であり得る。いくつかの場合、事象検出436は、横になることの活動分類432による決定、または使用されている負荷軽減デバイスの負荷軽減使用状況検出434による決定に応答して、事象を識別しない場合がある。事象検出436の出力は、例えば、事象記録ID、事象開始時刻、事象終了時刻、事象ピーク時刻、事象持続時間、事象影響フラグ、事象分類、または事象負荷軽減使用パーセンテージのうちの1つ以上を含み得る。最大事象変化頻度(例えば、検出された事象が30秒、または1、2、5、10、20、30、45、もしくは60分毎よりも頻繁に変化しなくてもよいように)は、変化する事象検出436の感度を制限するために、または1日あたり検出される事象変化の数を制限するために、ユーザによって設定され得る。事象検出436は、活動分類432によって分類された活動の変化、負荷軽減使用状況検出434によって決定された負荷軽減デバイス使用状況の変化、または高加速度検出430による高加速度の検出に応答して、新しいデータを記憶および出力し得る。
【0083】
事象優先順位付け438は、事象検出436によって識別された1つ以上の事象を編成して、1つ以上の事象のレビューを支援し得る。事象優先順位付け438は、例えば、高加速度のインスタンスである任意の事象、および低加速度のインスタンスであるが低加速度を有する他の事象と比較して最高の関連加速度の大きさを有する任意の事象の選択された数(5、10、または15など)を優先順位付けし得る。事象優先順位付け438は、1つ以上の事象をソートまたはフィルタ処理して、ユーザまたは臨床医にとって最も関心のある可能性がある1つ以上の事象が、ユーザまたは臨床医の注意を引き得ることを確保するのを助け得る。
【0084】
図5は、事象を識別し、事象と関連付けられた事象データを記録するための、事象記録プロセス500を例示する。便宜上、事象記録プロセス500は、データ処理システム344によって実施されるように、かつコンピューティング環境300の文脈で説明されるが、代わりに、本明細書に説明される他の構成要素またはシステムに、または示されていない他のコンピューティングシステムによって、実装されてもよい。事象記録プロセス500は、有利には、特定の態様では、個人が、既存の傷害(足の潰瘍など)に悪影響を与えるリスクがあったか、または新たな損傷(足の新たな潰瘍など)を引き起こすリスクがあった負荷力を経験した間の事象の検出、および関連付けられた事象情報の記録を容易にし得る。事象情報は、次に、ユーザのライフスタイルにおいて、既存の傷害または新たな傷害に何が影響し得るかを理解し、ユーザのライフスタイルの変化を促進することを助けるために使用され得る。
【0085】
ブロック510では、事象記録プロセス500は、センサデータセットを取得し得る。センサデータセットは、例えば、活動監視データ410および負荷軽減監視データ420を含み得、これらは、活動監視デバイス120または負荷軽減監視デバイス132によって決定された特徴データを含み得る。センサデータセットは、ユーザ操作デバイス310から、またはデータ記憶装置346からなど、ネットワーク330を介して、データ処理システム344によって受信され得る。センサデータセットは、持続時間(例えば、1、2、5、10、20、30、45、または60秒)にわたって、活動監視デバイス120または負荷軽減監視デバイス132による動きまたはそれらの配向に対応し、それらを示し得る。
【0086】
ブロック520では、事象記録プロセス500は、センサデータセットについての加速度、活動持続時間、および負荷軽減使用状況を決定し得る。加速度、活動持続時間、および負荷軽減使用状況は、例えば、本明細書に説明されるデータ処理システム344の高加速検出430、活動分類432、および負荷軽減使用状況検出434を使用して決定され得る。
【0087】
ブロック530では、事象記録プロセス500は、ブロック520で決定される加速度が高加速度であるか否かを決定し得る。例えば、事象検出436は、高加速度検出430からの出力が、加速度が高加速度であることを示すか否かを決定し得る。
【0088】
加速度が高加速度である場合、事象記録プロセス500は、ブロック560に移行し、加速度に対応する事象を記録し得る。例えば、事象検出436は、事象データが、将来、ユーザまたは臨床医と共有され、彼らによってレビューされて、ユーザまたは臨床医が事象を理解または考察することを可能にするように、事象と関連付けられた事象データとして事象を記録し得る。事象データは、第1のリストに追加され得る。事象データは、事象検出436からの出力(または少なくともその一部)とすることができる。
【0089】
加速度が高加速度ではない場合、事象記録プロセス500は、ブロック540に移行し、ブロック520で決定される活動持続時間が延長された持続時間であるか否かを決定し得る。例えば、事象検出436は、活動分類432によって識別された活動持続時間が閾値持続時間を満たす(例えば、持続した)か否かを決定し得る。閾値持続時間は、活動持続時間の間に関わった活動分類432によって決定された活動(動き、静止重量を伴う動きなし、または力の変動を伴う動きなしなど)に依存し得る。異なる活動は、既存の傷害に負の影響を与えるか、または経時的に新たな傷害を引き起こす異なる機会を有し得るため、閾値持続時間は、経時的に個々の活動からの負の影響のリスクに対応するように、個々の活動に対して選択され得る。閾値持続時間は、ユーザ入力に従って追加的または代替的に設定され得る。活動持続時間が延長された持続時間ではない場合、事象記録プロセス500は、終了し得、センサデータセットに対していかなる事象も記録されない場合がある。
【0090】
活動持続時間が延長された持続時間である場合、事象記録プロセス500は、ブロック550に移行し、ブロック520で決定された負荷軽減使用状況が負荷軽減デバイスの使用状況を示すか否かを決定し得る。例えば、事象検出436は、負荷軽減使用状況検出434の出力が負荷軽減デバイスの使用を示すか否かを決定し得る。負荷軽減使用状況が、負荷軽減デバイスの使用を示す場合(または少なくとも、閾値持続時間、もしくは活動持続時間のパーセンテージに対する使用)、事象記録プロセス500は、終了し得、センサデータセット(またはウィンドウ)に対していかなる事象も記録されない場合がある。
【0091】
負荷軽減使用状況が、負荷軽減デバイスの不使用(または少なくとも閾値持続時間、もしくは活動持続時間のパーセンテージに対する不使用)を示す場合、事象記録プロセス500は、ブロック560に移行し、非高加速度、延長された活動持続時間、および負荷軽減デバイス不使用に対応する事象を記録し得る。この事象の事象データは、第1のリストと同じまたは異なる第2のリストに記録され得る。例えば、事象検出436は、事象データが、将来、ユーザまたは臨床医と共有され、彼らによってレビューされて、ユーザまたは臨床医が事象を理解または考察することを可能にするように、事象と関連付けられた事象データとして事象を記録し得る。事象データは、事象検出436からの出力(または少なくともその一部)とすることができる。
【0092】
事象記録プロセス500は、事象記録プロセス500が、活動監視デバイス120または負荷軽減監視デバイス132の事象を記録するために使用され得るように、1つ以上の追加のセンサデータセットに対して繰り返され得る。
【0093】
データ処理400または事象記録プロセス500は、有利には、特定の態様では、広範囲の活動監視データ410および負荷軽減監視データ420を処理して、記録または臨床医もしくはユーザへの提示のために、数百、数千、またはそれ超の事象の間で検出および優先順位付けし得る。事象は、ユーザの皮膚などの、既存の傷害に悪影響を与えるか、または新たな傷害を発生するリスクを示し得る。事象は、[i]高加速度事象または[ii]非高加速度に対応する事象と、延長された活動持続時間(横になっている以外の活動である活動を伴うなど)と、活動の持続時間中の負荷軽減デバイス不使用と、を含み得る。データ処理400または事象記録プロセス500によって優先順位付けされた事象は、望ましいことに、既存の傷害に悪影響を与えるか、または新たな傷害を発生するリスクを制限する挙動変化を結果的にもたらす、考察または措置を支持し得る。
コンピュータシステム構成要素
【0094】
図6は、
図3のコンピューティング環境300内に、デバイス(例えば、ユーザ操作デバイス310または臨床医操作デバイス320)、システム(例えば、デバイス管理システム340)、サーバなどのうちの1つ以上を構築するために使用可能なコンピュータシステム600を例示する。
【0095】
図6に示されるように、コンピュータシステム600は、(i)プロセッサ(CPU)610と、(ii)ユーザが、情報を入力および出力すること、およびコンピュータシステム600と対話すること、ならびにデータを転送および受信すること、または画像センサのような1つ以上のセンサを用いてデータを取り込むように構成された入力/出力デバイス620と、(iii)データまたはプログラムの不揮発性記憶装置を提供するための読み出し専用メモリデバイス(ROM)630または等価物と、(iv)コンピュータモニタまたは他のディスプレイデバイスなどのディスプレイ650と、(v)コンピュータシステム600が他のシステム、サーバ、またはポータブルデバイス、ならびにメモリスペース660およびデータベース690に接続することを可能にするように構成されたネットワーク接続640およびネットワークインターフェース642と、を含み得る。データベース690は、サブデータベース690A~690Nとしてさらに分割または分散され得、サブデータベースは、特定の特徴または機能と関連付けられた特徴または機能固有情報を記憶する。
図6に示される様々な構成要素は、コンピュータ670内に組み込まれ得る。データベース690を含む、
図6に示される様々な構成要素は、典型的には、コンピュータ660の一部として含まれるが、いくつかの実施形態では、それらは、コンピュータ670の外部にあってもよいことに留意されたい。例えば、データベース690は、コンピュータ670の外部にあってもよく、別個のデータベースコンピュータシステムまたはネットワーク化されたデータベースシステムの一部であってもよい。いくつかの事例では、コンピュータシステム600は、デスクトップコンピュータ、携帯電話、またはサーバのようなコンピューティングデバイスであってもよい。
【0096】
メモリスペース660は、オペレーティングシステム662、アプリケーションプログラム664、およびデータ668を記憶するように構成された、DRAM、SRAM、フラッシュ、ハードディスクドライブ、またはメディアドライブ680などの他のメモリ記憶デバイスを含み得、メモリスペース660は、データベース690のメモリ記憶容量と共有されるか、分散されるか、または重複し得る。いくつかの態様では、メモリスペース660は、データベース690を含んでもよく、いくつかの態様では、データベース690は、メモリスペース660に示されるように、データ668を含んでもよい。メモリスペース660またはデータベース690内に記憶されたデータは、センサデータ、ペアリングプログラム情報、データ処理ルーチン、または本明細書に説明される他のタイプのデータなどの情報を含み得る。
他の変形例および用語
【0097】
本明細書に説明されるもの以外の多くの他の変形例が、本開示から明らかであろう。例えば、実施形態によっては、本明細書に説明されるアルゴリズムのいずれかの特定の作用、事象、または機能は、異なる順序で実施され得、また全体として、追加、融合、または除外され得る(例えば、アルゴリズムの実践に全ての説明された作用または事象が必要となるわけではない)。さらに、特定の実施形態では、作用または事象は、例えば、マルチスレッド処理、割込処理、または複数のプロセッサもしくはプロセッサコアを通じて、または他のパラレルアーキテクチャ上で、シーケンシャルにではなく、同時に実施され得る。加えて、異なるタスクまたはプロセスは、共に機能し得る異なる機械またはコンピューティングシステムによって実施され得る。
【0098】
本開示に説明される1つ以上のユーザ入力は、1つ以上の異なる機構を使用して受信され得る。例えば、ユーザインターフェース制御は、他のユーザインターフェース入力選択肢の中でも、マウス、タッチ画面入力、またはキーボード入力などの1つ以上の入力選択肢を使用して、ユーザによって選択され得る。ユーザによって選択されたユーザインターフェース制御は、ボタン、ドロップダウンボックス、選択ボックス、テキストボックス、チェックボックス、スライダ制御、または他のユーザインターフェース制御のうちの1つ以上を含み得る。
【0099】
本明細書に開示される実施形態と関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、およびステップは、それらの機能に関して、概して上記に説明されている。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアとして実装されているか否かは、システム全体に課される特定のアプリケーションおよび設計上の制約に依存する。説明される機能は、各特定の用途に対して様々な方式で実装され得るが、そのような実装決定は、本開示の範囲から逸脱するものとして解釈されるべきではない。
【0100】
本明細書に開示される実施形態と関連して説明される様々な例示的な論理ブロックおよびモジュールは、機械、マイクロプロセッサ、状態機械、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、または本明細書に説明される機能を実施するように設計されたそれらの任意の組み合わせによって、実装または実施され得る。ハードウェアプロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路またはデジタル論理回路を含み得る。別の態様では、プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理することなく、論理操作を実施するFPGAまたは他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、コンピューティングデバイス、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装されてもよい。コンピューティング環境は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、または機器内の計算エンジンなどに基づくコンピュータシステムを含むが、これらに限定されない、任意のタイプのコンピュータシステムを含み得る。
【0101】
本明細書に開示される実施形態と関連して説明される方法、プロセス、またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、1つ以上のメモリデバイスに記憶され、かつ1つ以上のプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはそれら2つの組み合わせで直接具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で既知の非一時的コンピュータ可読記憶媒体、媒体、もしくは物理コンピュータ記憶装置の任意の他の形態の中に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込み得るように、プロセッサに結合され得る。代替例では、記憶媒体は、プロセッサに統合されてもよい。記憶媒体は、揮発性または不揮発性であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。
【0102】
「し得る(can)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、ある特定の態様が、ある特定の特徴、要素、または状態を含む一方で、他の態様は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、そのような条件付き言い回しは、概して、特徴、要素、もしくは状態が1つ以上の態様に多少なりとも必要とされるということ、またはこれらの特徴、要素、もしくは状態が任意の特定の態様に含まれているかどうか、もしくは任意の特定の態様で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無に関わらず決定するための論理が、1つ以上の態様に必然的に含まれているということを示唆することを意図するものではない。「備える」、「含む」、および「有する」等の用語は、同義語であり、包含的に、オープンエンドの様式で使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを排除するものではない。また、「または」という用語は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用されることにより、例えば、要素の列記をつなぐのに使用される場合、「または」という用語は、列記内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。さらに、「各々」という用語は、本明細書で使用される場合、その通常の意味を有することに加えて、「各々」という用語が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0103】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という語句などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、X、Y、またはZのいずれかであり得ることを示唆するのに一般的に使用される文脈によって、別途解釈されるものである。したがって、そのような連言的言い回しは、概して、ある特定の実施形態が、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、および少なくとも1つのZの存在を必要とするということを示唆することを意図するものではない。
【0104】
本明細書で使用される程度を表す言い回し、例えば、本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近似した値、量、または特性を表す。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内である量を指し得る。別の例として、特定の実施形態では、「概して平行」および「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度、5度、3度、1度、または0.1度逸脱する値、量、または特性を指す。
【0105】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に適用されるような新規の特徴を示し、説明し、指摘してきたが、本開示の趣旨から逸脱することなく、例示されたデバイスまたはアルゴリズムの形態および詳細における様々な省略、置換、および変更が行われ得ることが理解されるであろう。認識されるように、本明細書に説明される特定の実施形態は、いくつかの特徴が、他の特徴とは別々に使用または実践され得るため、本明細書に記載される特徴および利益の全てを提供しない形態内に具現化されてもよい。
【国際調査報告】