(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(54)【発明の名称】低レベルの中鎖から長鎖の直鎖アルコールを有する高発泡洗剤用の界面活性剤パッケージ
(51)【国際特許分類】
C11D 3/20 20060101AFI20220714BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20220714BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20220714BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20220714BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20220714BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20220714BHJP
C11D 3/34 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
C11D3/20
C11D1/02
C11D1/75
C11D1/66
C11D17/08
C11D1/83
C11D3/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569097
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 US2020033703
(87)【国際公開番号】W WO2020236873
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ビクター フク-ポン マン
(72)【発明者】
【氏名】アマンダ アール.ブラットナー
(72)【発明者】
【氏名】デリック アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】カン プー
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB15
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC15
4H003BA12
4H003DA05
4H003DA17
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB22
4H003ED02
4H003FA13
4H003FA21
4H003FA30
4H003FA36
4H003FA39
(57)【要約】
【課題】本発明は、高発泡洗浄組成物で使用するための界面活性剤ブースターに関する。
【解決手段】本発明の一態様では、組成物の表面活性、泡特性、および湿潤特性を高めるために、非常に少ない量のC6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールが添加される。アルコールは、約1:100~1:200のアルコールと界面活性剤の量を添加され、かつ直鎖でなければならない。別の態様では、本発明は、固体または液体であり得る硬水での使用に好適な、鍋およびフライパン浸漬組成物、食器洗い組成物、食品および飲料発泡性クリーナー、車両洗浄等のような新規の洗浄組成物に関する。本発明はさらに、これらの組成物を作製する方法、およびこれらの組成物を採用する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤系を含む、洗浄組成物であって、前記界面活性剤系は、
前記組成物中に約1重量%~約15重量%存在する高発泡アニオン性界面活性剤と、
C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールブースターと、を含み、直鎖アルコールとアニオン性界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、洗浄組成物。
【請求項2】
アミンオキシド界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
カップリング剤、二価カチオン、保湿剤、および非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数をさらに含む、請求項1または2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記洗浄組成物が、液体であり、前記アニオン性界面活性剤が、前記洗浄組成物の約20重量%~約50重量%を構成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記カップリングが、約0.05重量%~約5重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記二価イオンが、約0.1重量%~約8重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記保湿剤が、約4重量%~約30重量%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記組成物が、非直鎖アルコールを本質的に含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
前記組成物が、C6よりも短いアルコールを本質的に含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
補助組成物が、C12よりも長いアルコールを本質的に含まない、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
前記組成物が、プロピレングリコールを含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
高発泡界面活性剤を含む界面活性剤系と、
カップリング剤と、
二価イオンと、
保湿剤と、
中鎖の直鎖アルコールと
を含む、洗浄組成物であって、直鎖アルコールと発泡界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、洗浄組成物。
【請求項14】
前記高発泡界面活性剤が、アニオン性界面活性剤およびアミンオキシド界面活性剤、またはそれらの両方のうちの一つ又は複数である、請求項10に記載の洗浄組成物。
【請求項15】
前記界面活性剤が、前記組成物の約20重量%~約50重量%であり、前記カップリング剤が、前記組成物の約0.05重量%~約5重量%であり、前記半極性界面活性剤が、前記組成物の約1重量%~約40重量%であり、前記保湿剤が、前記組成物の約4重量%~約30重量%である、請求項10または11に記載の洗浄組成物。
【請求項16】
前記カップリング剤が、芳香族スルホネートを含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項17】
前記カップリング剤が、キシレンスルホン酸ナトリウムである、請求項10~13のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項18】
前記保湿剤が、ヘキシレングリコールである、請求項10~14のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項19】
前記界面活性剤が、前記組成物の約24重量%~約45重量%であり、前記カップリング剤が、芳香族スルホネートを含み、かつ前記組成物の約0.1重量%~約3重量%であり、前記半極性界面活性剤が、前記組成物の約5重量%~約35重量%であり、前記保湿剤が、前記組成物の約8重量%~約25重量%である、請求項10~15のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項20】
濃縮洗浄組成物と水の約1:2~約1:250の比率で濃縮洗浄組成物を水で希釈して、使用溶液を形成することであって、前記濃縮洗浄組成物が、高発泡アニオン性界面活性剤からなる界面活性剤と、カップリング剤と、二価イオンと、保湿剤と、C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールブースターを含み、直鎖アルコールとアニオン性高発泡界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、形成することと、
表面を前記使用溶液と接触させることと、
前記表面をすすぐことと、を含む、表面を洗浄する方法。
【請求項21】
アミンオキシド界面活性剤をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記界面活性剤が、前記濃縮洗浄組成物の約30重量%~約40重量%であり、前記カップリング剤が、前記濃縮洗浄組成物の約0.2重量%~約1重量%であり、前記半極性界面活性剤が、前記濃縮洗浄組成物の約10重量%~約30重量%であり、前記保湿剤が、前記濃縮洗浄組成物の約12重量%~約20重量%である、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
6~18個の炭素を有する脂肪アルコールの直鎖アルコールエトキシレートをさらに含み、かつ前記組成物の約0.1重量%~約20重量%である、請求項10~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
洗浄組成物中に存在するアニオン性界面活性剤用のブースターとしてのC6、C7、C8、C89、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールの使用であって、前記直鎖アルコールが、約1:100~1:200のブースターと界面活性剤の比率で存在する、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月20日に出願された米国仮特許出願第62/850,183号に対する米国特許法第119条の下での優先権を主張し、これは、本明細書、特許請求の範囲、および要約、同様にそれらの任意の図、表、または実施例を限定なく含む、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、安定した泡および高い表面活性を有する高発泡である新規の洗浄組成物に関する。この組成物は、旧来の高発泡アニオン性界面活性剤と組み合わせて、中鎖から長鎖の直鎖アルコールを採用する界面活性剤系を含む。別の態様では、本発明は、固体または液体の形態であり得る、鍋およびフライパン浸漬組成物、洗剤、食器洗い組成物、食品および飲料の発泡クリーナー、車両クリーナー、洗剤等のような新規の洗浄組成物に関する。本発明はさらに、これらの組成物を作製する方法、およびこれらの組成物を採用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
汚れがひどい皿では、皿の表面から汚れを除去するために複数の洗浄ステップが必要となり得る。フルサービスのレストランで、準備、調理、および焼きの皿に使用される鍋およびフライパンは、皿の表面に焼き付けられたキャラメル化された汚れに起因して、食器洗い機での洗浄が特に困難であり得る。いくつかのフルサービスレストランでは、食器洗い機で鍋およびフライパンを洗う前段階として、鍋およびフライパンを浸漬するための3コンパートメントシンクを使用することで、この問題を克服しようと試みた。例示的な浸漬溶液には、水、鍋およびフライパン洗剤溶液、または銀製品の予備浸漬が含まれる。これらの組成物の成分には、典型的には、金属保護剤、界面活性剤、アルカリ源などが含まれる。界面活性剤は、洗浄製品における単一の最も重要な洗浄成分である。界面活性剤は、液気界面で吸着することによって水の表面張力を減少させる。界面活性剤はまた、液液界面で吸着することによって油と水との間の界面張力も減少させる。水に溶解すると、界面活性剤は、表面から汚れを除去する能力を製品に付与する。各界面活性剤分子は、水分子に引き付けられる親水性頭部と、水をはじくと同時にそれ自体を汚れの中の油およびグリースに引き付ける疎水性尾部と、を含む。これらの反対の力が汚れを解き、それを水中に懸濁させる。
【0004】
染みを分解し、それが除去されたばかりの表面上への汚れの再付着を防止するために水溶液中に汚れを保持することによって、洗剤および洗浄組成物の基本的な作業を界面活性剤が行う。界面活性剤は、通常は水に溶解しない汚れを分散させる。環境規制、消費性向、および消費慣習は、界面活性剤産業における、低コスト、高性能、かつ環境にやさしい製品を製造する新たな発展を強いてきた。
【0005】
1つのそのような発展には、洗浄する表面での接触時間を増加するための発泡剤の使用が含まれる。このような組成物は、現在、油汚れ分解剤、粘着性水垢除去剤、シャワーウォールクリーナー、浴槽クリーナー、手指消毒ジェル、消毒ジェル、ハンドソープ、乳頭浸液、コーティング、安定化酵素、構造化された液体などを含む、小売、工業、および施設などの多くの用途で使用される。最も広く使用されている発泡剤は、コカミドDEAまたはコカミドジエタノールアミン、ココナッツ油からの脂肪酸(コカミド)の混合物をジエタノールアミンと反応させることによって作製されたジエタノールアミドである。この薬剤は、ラウラミドジエタノールアミン、ココジエタノールアミド、ジエタノールアミンのココナッツ油アミド、ラウラミドDEA、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウロイルジエタノールアミド、およびラウリルジエタノールアミドとしても知られている場合がある。これらの化合物は規制圧力下にあるため、これらの化合物の不在下での発泡を有し、代わりに界面活性剤と発泡ブースターとの組み合わせでこの特性を得ることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本開示の目的は、洗剤の表面活性、発泡性、および湿潤特性を増強することによって、強化された汚れ除去を提供することである。本開示の各態様では、使用する様々な用途のために、安全で、環境に優しく、かつ経済的に実現可能な組成物を提供しながら、好適な泡安定化が望まれる。
【0007】
本発明のさらなる目的は、発泡界面活性剤ブースターと、アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤パッケージとの相乗的組成物を提供して、所望の泡安定化および泡保持を維持しながら、そのような改善を提供し、かつ表面活性を高めることである。
【0008】
本発明の他の目的、利点および特徴は、添付の図面と併せて以下の明細書から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
出願人らは、驚くべきことに、非常に低レベルの中鎖の直鎖アルコールを洗剤に組み込むと、洗剤の表面活性、泡特性、および湿潤特性を大幅に増強することができることを発見した。中鎖の直鎖アルコールと総アニオン性界面活性剤の比率は、1:100まで低くすることができる。これは、洗剤の洗浄を改善するための費用効果の高い戦略である。
【0010】
洗浄組成物は、高発泡アニオン性界面活性剤と組み合わせた中鎖から長鎖(C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12)の直鎖アルコールを含む界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、典型的には、約1:100~約2:100のアルコールとアニオン性界面活性剤の比率を含む。ある特定の実施形態では、組成物はまた、ヒドロトロープ/保湿剤としてヘキシレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、非直鎖アルコールを本質的に含まず、かつ、ある特定の実施形態では、組成物は、プロピレングリコールを本質的に含まない。これらの化合物が、例えば汚染を通して存在する場合、そのレベルは0.5重量%未満でなければならず、0.1重量%未満、および多くの場合0.01重量%未満であり得る。
【0011】
新規の洗浄方法も企図され、洗浄する表面に洗浄組成物を塗布することを伴い、組成物を洗浄のために十分な時間(典型的には、存在するあらゆる泡が消散するまで)放置し、その後、上記洗浄組成物が汚れおよび残屑とともに除去されるまで、上記表面をすすぐことを可能にする。
【0012】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のなお他の実施形態は、本発明の例証的な実施形態を図示および説明する以下の詳細な説明から、当業者には明らかになるであろう。したがって、図面および発明を実施するための形態は、本質的に例示的であり限定的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面を参照して本発明の様々な実施形態を詳細に説明するが、いくつかの図を通して、同様の参照番号は同様の部分を表す。様々な実施形態への参照は、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に表されている図は、様々な実施形態に限定されるものではない。
【
図1】0.5PEIのエトキシレートを含む洗剤と比較し、かつDawnの市販の洗剤と比較した、直鎖アルコールを有さず、かつ0.138%の直鎖C10アルコールを有する、およびヒドロトロープとしてプロピレングリコールを有する旧来の洗剤についての静的表面張力対濃度の片対数プロットを示す。
図1から、臨界ミセル濃度(cmc)は、各曲線に描かれた2本の直線の切片として決定され得る。
【
図2】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図3】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図4】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図5】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図6】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図7】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図8】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図9】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図10】アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)とのそれぞれの組み合わせについての表面張力および気泡寿命のグラフ。
【
図11】アニオン性界面活性剤と、おそらくまたアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤とを混合したものがある場合の混合系に低レベルのC10アルコールを添加する効果を示すグラフ。前述のように、この効果は、動的表面張力よりもcmcで顕著である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、変化することができ、当業者によって理解される特定の洗浄用途に限定されない。本明細書に使用されるすべての専門用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、いかなる様式または範囲においても限定的であることを意図されないことがさらに理解されるべきである。例えば、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が別段明らかに示されない限り、複数形の指示対象を含み得る。さらに、すべての単位、接頭辞、および記号は、そのSI認証形態で表示され得る。
【0015】
本明細書内に記載される数値範囲は、範囲を定義する数字を含んでおり、定義される範囲内の各整数を含む。本開示全体を通じて、本発明の様々な態様が、範囲形式で示される。範囲形式における説明は単に便宜および簡潔さのためであり、本発明の範囲への堅固な限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能性のある部分範囲および個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、その範囲内の1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびに個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、および6を具体的に開示していると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関わらず、適用される。
【0016】
本発明をより容易に理解することができるように、特定の用語をまず定義する。別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明の実施形態が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似、修正、または同等の多くの方法および材料を、過度の実験なしに本発明の実施形態の実施に使用することができ、好ましい材料および方法を本明細書に記載する。本発明の実施形態を説明および特許請求する上で、以下に記載される定義に従って以下の専門用語が使用される。
【0017】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、現実世界において濃縮物もしくは使用溶液の作製のために使用される典型的な測定および液体取扱い手順、それらの手順における不慮の誤差、組成物の作製もしくは方法の実行に使用される成分の製造、供給源、もしくは純度の違い等によって生じ得る、数量の変動を指す。「約」という用語はまた、特定の初期混合物から生じる組成物についての異なる平衡条件に起因して異なる量も包含する。「約」という用語により修飾されるか否かに関わらず、特許請求の範囲は、その量の当量を含む。
【0018】
「活性物質」または「パーセント活性物質」または「重量パーセント活性物質」または「活性物質濃度」という用語は、本明細書において互換的に使用され、例えば水または塩などの不活性成分を引いたパーセンテージとして表される洗浄に関与する成分の濃度を指す。
【0019】
本明細書において使用する場合、「アルキル」または「アルキル基」という用語は、1個以上の炭素原子を有する飽和炭化水素を指し、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)、環式アルキル基(または「シクロアルキル」もしくは「脂環式」もしくは「炭素環式」基)(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等)、分岐鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル等)、ならびにアルキル置換アルキル基(例えば、アルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換アルキル基)を含む。
【0020】
別段に特定されない限り、「アルキル」という用語は、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含む。本明細書で使用されるとき、「置換アルキル」という用語は、炭化水素骨格の一つ又は複数の炭素上の一つ又は複数の水素を置換する置換基を有するアルキル基を指す。そのような置換基としては、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲノ、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート(phosphonato)、ホスフィネート(phosphinato)、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環式、アルキルアリール、または芳香族(複素芳香族を含む)基が挙げられ得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、置換アルキルには、複素環式基が含まれ得る。本明細書で使用される場合、「複素環式基」という用語は、環内の炭素原子のうちの一つ又は複数が炭素以外の元素、例えば、窒素、硫黄、または酸素である、炭素環式基に類似している閉環構造を含む。複素環式基は、飽和または不飽和であってもよい。例示的な複素環式基としては、これらに限定されるものではないが、アジリジン、エチレンオキシド(エポキシド、オキシラン)、チイラン(エピスルフィド)、ジオキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ジオキセタン、ジチエタン、ジチエト、アゾリジン、ピロリジン、ピロリン、オキソラン、ジヒドロフラン、およびフランが挙げられる。
【0022】
「再付着防止剤」は、洗浄されている物体上に再付着する代わりに水中に懸濁されたままであることを助ける化合物を指す。再付着防止剤は、洗浄されている表面上への除去された汚れの再付着を低減するのを補助するために、本発明において有用である。
【0023】
本明細書で使用される場合、「洗浄」という用語は、汚れ除去、漂白、微生物集団減少、およびそれらの任意の組み合わせを促進するか、または助けるために使用される方法を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、化合物への言及における「含まない」という用語は、上記化合物を含有しないか、もしくは化合物が添加されてない組成物、混合物、または成分を指す。化合物が汚染を通して存在する場合、化合物の量は、0.5重量%未満でなければならない。より好ましくは、その量は、0.1重量%未満であり、最も好ましくは、その量は、0.01重量%未満である。
【0025】
本明細書で使用される場合、「フラッシュ泡」という用語は、皿などの表面を洗浄する前に、水および洗浄組成物が最初に組み合わされ、撹拌されるときに発生する泡を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「泡安定性」という用語は、汚れへの曝露を通した漸進的な損失に耐える泡の相対的な能力を指す。
【0027】
用語「一般に安全と認められる」または「GRAS」は、本明細書において使用する場合、食品医薬品局によって、人による直接的な食品消費に安全であるか、または例えば、21 C.F.R.Chapter 1、§170.38および/もしくは570.38で定義される、使用の現在の優良製造規範の条件に基づく成分に分類されている構成成分を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「硬水」という用語は、少なくとも15グレイン(255ppm)の硬度、少なくとも17グレイン(289ppm)の硬度、または少なくとも20グレイン(340)の硬度を含むときの水を指す。1グレインの硬度は、約17ppmに等しい。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「ポリマー」という用語は、限定されないが、一般に、ホモポリマー、コポリマー(例えば、ブロック、グラフト、ランダムおよび交互コポリマーなど)、ターポリマー、ならびにより高い「x」マーを含み、さらにそれらの誘導体、組み合わせ、およびブレンドを含む。さらに、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、これらに限定されることはないが、アイソタクチック、シンジオタクチックおよびランダム対称、ならびにそれらの組み合わせを含む、分子のすべての可能な異性体構成を含むものとする。さらに、別途具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、分子のすべての可能な幾何学的配置を含むものとする。
【0030】
本明細書で使用される場合、「汚れ」または「染み」という用語は、非極性の油性物質を指し、これは、鉱物粘土、砂、天然鉱物質、カーボンブラック、グラファイト、カオリン、環境粉塵などのような粒子状物質を含有してもよく、またはしなくてもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、その構成成分を完全に欠くか、またはその構成成分が組成物の性能に影響を及ぼさない程度の少量の構成成分を有する組成物を指す。構成成分は、不純物としてまたは汚染物質として存在し得、0.5重量%未満でなければならない。別の実施形態では、構成成分の量は、0.1重量%未満であり、さらに別の実施形態では、構成成分の量は、0.01重量%未満である。
【0032】
「閾値剤」という用語は、溶液に由来する硬水イオンの結晶化を阻害するが、その硬水イオンと特定の錯体を形成する必要がない化合物を指す。閾値剤としては、限定されるものではないが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、オレフィン/マレイン酸コポリマー等が挙げられる。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「食器」という用語は、食事および調理用具、食器類、ならびにシャワー、シンク、トイレ、浴槽、調理台、窓、鏡、運搬用車両、および床などの他の硬表面を指す。本明細書で使用される場合、「食器洗浄」という用語は、食器の洗浄、浄化、またはすすぎを指す。ウェアは、プラスチック製のアイテムも指す。本発明による組成物で浄化され得るプラスチックのタイプとしては、ポリカーボネートポリマー(PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンポリマー(ABS)、およびポリスルホンポリマー(PS)を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物および組成物を使用して浄化され得る別の例示的なプラスチックには、ポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt.%)」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%(% by weight)」という用語、およびそれらの変形は、その物質の重量を組成物の総重量で除し、100を乗じたときの、物質の濃度を指す。本明細書で使用される場合、「パーセント」、「%」等は、「重量パーセント」、「重量%」等と同義であることが意図されることが理解される。
【0035】
本発明の方法、システム、装置、および組成物は、本発明の構成成分および成分、ならびに本明細書に記載の他の成分を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなってもよい。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」とは、方法、システム、装置および組成物が、追加的なステップ、構成成分または成分が、特許請求される方法、システム、装置、および組成物の基本的かつ新規の特徴を著しく変更しない場合にのみ、追加的なステップ、構成成分または成分を含み得ることを意味する。
【0036】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「構成される」という用語は、特定のタスクを行なうか、または特定の形態に適合するように構築もしくは構成されたシステム、装置、または他の構造を説明することに留意されたい。「構成される」という用語は、配列され構成される、構築され配列される、適合され構成される、および適合され、構築され、製造され、配列されるなどの他の類似した語句と同じ意味で使用され得る。
【0037】
組成物
本発明は、液体および固体の濃縮組成物、希釈された即時使用可能な組成物、使用溶液、および表面から汚れを除去するための組成物を使用する方法に関する。本発明の一態様では、組成物は、浸漬組成物の形態で調製することができる。脂っこい、焼き汚れのほぐしに加えて、組成物はまた、組成物中に浸漬しながら、および食器洗い機を通過しながら、皿の表面を保護することができる。組成物は、組成物から作製された溶液中に皿を浸漬することによって塗布することができ、これは、鍋およびフライパンが食器洗い機に通される前に、鍋およびフライパンなどの皿上のグリースならびに食品汚れをほぐすために使用される。浸漬ステップは、浸漬組成物を使用しない、水で浸漬する、または手動洗剤で浸漬するのに比べて、汚れた皿が汚れを除去するために受けなければならない洗浄の回数を減らす。浸漬組成物は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、およびプラスチックを含む様々な材料で作製された皿上に使用することができる。浸漬組成物に特に好適な用途は、鍋およびフライパンからのグリースおよび有機汚れを除去することである。
【0038】
浸漬組成物は、表面からグリースおよび汚れをほぐし、皿が食器洗い機の単一サイクルを通過するときに汚れが表面から実質的に除去されるようにする。さらに、浸漬組成物を推奨濃度で推奨手順で使用する場合、個人用保護具は必要ない。
【0039】
浸漬組成物は、金属皿のための金属保護を提供し、浸漬組成物中に、長い浸漬時間の間、推奨洗剤濃度で浸漬されたときの変色を阻止する。浸漬組成物中に浸された皿は、変色を最小限に抑えるか、変色が全くなく、一晩浸漬することができる。例えば、Aluminum3003および6061は、目立った黒化または変色を引き起こすことなく、長い浸漬時間の間、推奨洗剤濃度で浸漬溶液中に浸漬することができる。
【0040】
典型的には、皿を溶液中に浸漬し、次いで取り出し、食器洗い機に入れるときに、少ない分量の浸漬溶液が皿とともに運ばれる。浸漬組成物は、洗浄のために食器洗い機に皿を入れる前に使用されるため、浸漬組成物中の構成成分は、泡を生成する場合がある。浸漬組成物は、撹拌されたときに典型的な鍋およびフライパン洗剤よりも低い泡を生成するように配合される。このより低い発泡特性により、浸漬組成物は、過度のキャリーオーバーなしに食器洗い機と組み合わせて使用することが可能である。
【0041】
洗浄組成物は、例えば、本出願の譲受人であるEcolab Inc.of Saint Paul,Minn.に対して譲渡されるSteindorfらへの米国特許第5,816,446号で説明されているディスペンサーを含む液体ディスペンサーから分配することができ、本明細書に完全に記述されているかのように組み込まれる。
【0042】
好ましくは、洗浄組成物は、良好なフラッシュ泡特性を提供する。ある特定の実施形態では、フラッシュ泡特性は、既存の洗浄組成物および洗浄する方法のフラッシュ泡特性よりも改善されている。さらに、洗浄組成物の好ましい実施形態は、良好な泡安定性を提供する。ある特定の実施形態では、泡安定性は、既存の洗浄組成物および洗浄する方法の泡安定性よりも改善されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、GRASである。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、リンを実質的に含まない。
【0044】
界面活性剤系
本発明の洗浄組成物は、アルコールブースターと組み合わせた高発泡洗剤界面活性剤系を含む。界面活性剤およびブースターは、予備浸漬として、または旧来の高発泡洗剤中の構成成分として使用することができる。界面活性剤系は、一つ又は複数の界面活性剤を含み、これらのうちの1つは、スルタインなどの高発泡アニオン性界面活性剤、および直鎖の中鎖(C6、C7、C8、C9、C10、C11、および/またはC12)アルコールブースターである。中鎖の直鎖アルコールと総アニオン性界面活性剤の比率は、1:100まで低くてもよく、最大2:100であってもよい。
【0045】
追加の界面活性剤は、界面活性剤系中および/または洗浄組成物中に存在し得る。界面活性剤系での使用に好適な他の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、および/または両性/双性界面活性剤が挙げられる。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明の濃縮洗浄組成物は、約30重量%~約65重量%の界面活性剤系、好ましくは約40重量%~約55重量%の界面活性剤系、およびより好ましくは45重量%~約50重量%の界面活性剤系を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明の即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.5重量%~約5重量%の界面活性剤系、好ましくは約0.7重量%~約4重量%の界面活性剤系、およびより好ましくは、約0.9重量%~約3重量%の界面活性剤系を含む。
【0048】
アニオン性界面活性剤
界面活性剤系は、一つ又は複数の高発泡アニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤は、負である疎水性物質上の電荷を含む表面活性分子、またはpHが中性以上に上昇しない限り(例えば、カルボン酸)、分子の疎水性区分が電荷を担持しない界面活性剤である。カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、およびホスフェートは、アニオン性界面活性剤中に見出される極性(親水性)可溶化基である。これらの極性基と関連したカチオン(対イオン)のうち、ナトリウム、リチウム、およびカリウムは、水溶性を付与し、アンモニウムおよび置換アンモニウムイオンは、水溶性および油溶性の両方を提供し、カルシウム、バリウム、およびマグネシウムは、油溶性を促進する。
【0049】
本組成物での使用に好適なアニオン性スルフェート界面活性剤としては、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、直鎖および分岐鎖の一級および二級アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、脂肪オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、C5~C17アシル-N-(C1~C4アルキル)および-N-(C1~C2ヒドロキシアルキル)グルカミンスルフェート、ならびにアルキルポリグルコシドのスルフェートなどのアルキルポリサッカリドのスルフェート等が挙げられる。また、エチレンオキシドおよびノニルフェノールのスルフェートまたは濃縮生成物(通常1分子当たり1~6個のオキシエチレン基を有する)等の、アルキルスルフェート、アルキルポリ(エチレンオキシ)エーテルスルフェート、および芳香族ポリ(エチレンオキシ)スルフェートも含まれる。
【0050】
本組成物での使用に好適なアニオン性スルホネート界面活性剤としてはまた、アルキルスルホネート、直鎖および分岐鎖の第一級および第二級アルキルスルホネート、ならびに置換基を有するかまたは有しない芳香族スルホネートが挙げられる。好ましいアルキルスルホネートは、直鎖アルキルベンゼンスルホネートが挙げられるが、これに限定されない。好適な直鎖アルキルベンゼンスルホネートとしては、中和されてスルホネートを形成する酸として提供され得る直鎖ドデシルベンジルスルネートが挙げられる。追加の好適なアルキルアリールスルホネートとしては、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、およびトルエンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0051】
本組成物での使用に好適なアニオン性カルボキシレート界面活性剤としては、カルボン酸(および塩)、例えば、アルカン酸(およびアルカノエート)、エステルカルボン酸(例えば、アルキルスクシネート)、エーテルカルボン酸、スルホン化脂肪酸、例えば、スルホン化オレイン酸などが挙げられる。そのようなカルボキシレートとしては、アルキルエトキシカルボキシレート、アルキルアリールエトキシカルボキシレート、アルキルポリエトキシポリカルボキシレート界面活性剤、および石鹸(例えば、アルキルカルボキシル)が挙げられる。本組成物において有用な第二級カルボキシレートとしては、第二級炭素に接続されたカルボキシル単位を含むものが挙げられる。第二級炭素は、例えば、p-オクチル安息香酸におけるように、またはアルキル置換シクロヘキシルカルボキシレートにおけるように、環構造にあってもよい。第二級カルボキシレート界面活性剤は、一般に、エーテル結合、エステル結合、およびヒドロキシル基を含まない。さらに、これらは、一般に、頭部基(両親媒性部分)内に窒素原子を欠く。好適な第二級石鹸界面活性剤は、一般に、11~13個の総炭素原子を含有するが、より多くの炭素原子(例えば、16個まで)が存在し得る。好適なカルボキシレートとしてはまた、例えば、アシルグルタメート、アシルペプチド、サルコシネート(例えば、N-アシルサルコシネート)、タウレート(例えば、N-アシルタウレートおよびメチルタウリドの脂肪酸アミド)などのアシルアミノ酸(および塩)が挙げられる。
【0052】
好適なアニオン性界面活性剤としては、以下の式のアルキルまたはアルキルアリールエトキシカルボキシレートが挙げられ、
R O (CH2CH2O)n(CH2)m CO2X (3)
式中、Rは、C8~C22アルキル基であり、または式中、R1は、C4~C16アルキル基であり、nは、1~20の整数であり、mは、1~3の整数であり、Xは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどの対イオン、またはモノエタノールアミンもしくはトリエタノールアミンなどのアミン塩である。いくつかの実施形態において、nは4~10の整数であり、mは1である。いくつかの実施形態において、Rは、C8~C16アルキル基である。いくつかの実施形態において、Rは、C12~C14アルキル基であり、nは、4であり、mは、1である。
【0053】
他の実施形態では、Rは、であり、R1は、C6~C12アルキル基である。またさらに他の実施形態では、R1は、C9アルキル基であり、nは10であり、mは1である。
【0054】
そのようなアルキルおよびアルキルアリールエトキシカルボキシレートは、市販されている。これらのエトキシカルボキシレートは、典型的には、酸の形態として入手可能であり、それらは、アニオン性または塩の形態に容易に変換され得る。市販されているカルボキシレートとしては、Neodox 23-4、C12~13アルキルポリエトキシ(4)カルボン酸(Shell Chemical)、およびEmcol CNP-110、C9アルキルアリールポリエトキシ(10)カルボン酸(Witco Chemical)が挙げられる。カルボキシレートはまた、Clariantから入手可能であり、例えば、製品Sandopan(登録商標) DTC、C13アルキルポリエトキシ(7)カルボン酸である。
【0055】
濃縮洗浄組成物は、約20重量%~約50重量%のアニオン性界面活性剤、好ましくは約25重量%~約45重量%のアニオン性界面活性剤、より好ましくは約30重量%~40重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0056】
即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.5重量%~約4重量%のアニオン性界面活性剤、好ましくは約1重量%~約3.5重量%のアニオン性界面活性剤、より好ましくは約2重量%~約3重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0057】
中鎖のアルコールブースター
ブースターは、高発泡アニオン性界面活性剤と組み合わせた非常に少ない量の中鎖から長鎖(C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12)の直鎖アルコールを含む。ブースターは、典型的には、洗剤組成物中に約1:100~約2:100のアルコールとアニオン性界面活性剤の比率を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、非直鎖アルコール、またはより長鎖もしくはより短鎖のアルコールを本質的に含まない。これらの化合物が、例えば汚染を通して存在する場合、そのレベルは0.5重量%未満でなければならず、0.1重量%未満、および多くの場合0.01重量%未満であり得る。
【0058】
界面活性剤系およびブースターを含む洗剤
二価イオン
本発明の組成物は、二価イオンを含有し得る。好ましい二価イオンは、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンである。二価イオンは、塩形態であり得る。好適な二価イオン塩としては、例えば、塩化物、水酸化物、酸化物、ギ酸塩、酢酸塩、および/または硝酸塩が挙げられる。
【0059】
濃縮洗浄組成物中に、二価イオンは、約0重量%~約8重量%、好ましくは0重量%~約5重量%、より好ましくは約0重量%~約2重量%の量で存在する。
【0060】
即時使用可能な洗浄組成物中に、二価イオンは、約0.01重量%~約0.8重量%、好ましくは0.05重量%~約0.5重量%、より好ましくは約0.08重量%~約0.2重量%の量で存在する。
【0061】
保湿剤/ヒドロトロープ
洗浄組成物は、一つ又は複数の保湿剤を含む。好適な保湿剤としては、グリセロール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、およびジプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、組成物はまた、ヒドロトロープとしてヘキシレングリコールを含み、ある特定の実施形態では、組成物は、プロピレングリコールを本質的に含まない。
【0062】
保湿剤は、濃縮洗浄組成物中に、約4重量%~約30重量%、好ましくは約8重量%~約25重量%、および最も好ましくは約12重量%~約20重量%の量で存在する。
【0063】
保湿剤は、即時使用可能な液体洗浄組成物中に、約0.4重量%~約3重量%、好ましくは約0.8重量%~約2.5重量%、およびより好ましくは1重量%~約2重量%の量で存在する。
【0064】
カップリング剤
洗浄組成物は、一つ又は複数のカップリング剤を含む。好適なカップリング剤としては、芳香族スルホネートが挙げられる。アルキルベンゼンスルホネート(例えば、キシレンスルホネート、トルエンスルホネート、またはクメンスルホネート)もしくはナフタレンスルホネート、アリールもしくはアルカリルホスフェートエステル、または1~約40個のエチレン、プロピレン、もしくはブチレンオキシド単位を有するそれらのアルコキシル化類似体、またはそれらの混合物などの芳香族スルホネートはまた、有用な芳香族スルホネートの例である。好ましい芳香族スルホネートとしては、キシレンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、およびクメンスルホネートが挙げられ、最も好ましいのは、キシレンスルホン酸ナトリウムである。
【0065】
濃縮洗浄組成物中に、カップリング剤は、約0.05重量%~約5重量%、好ましくは約0.1重量%~約3重量%、およびより好ましくは約0.2重量%~約1重量%の量で存在する。
【0066】
即時使用可能な液体洗浄組成物中に、カップリング剤は、約0.005重量%~約0.5重量%、好ましくは約0.01重量%~約0.3重量%、およびより好ましくは約0.02重量%~約0.1重量%の量で存在する。
【0067】
防腐剤
洗剤組成物は、任意選択的に防腐剤を含み得る。好適な防腐剤としては、フェノール類、四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アナリド、有機硫黄化合物および硫黄-窒素化合物、ならびに様々な化合物などの抗菌クラスが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なフェノール剤としては、ペンタクロロフェノール、オルトフェニルフェノールが挙げられる。例示的な四級抗菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-s-トリアジンなどのアミンおよびニトロ含有抗菌組成物、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジチオカルバメート、ならびにそれらの微生物特性のために当技術分野で知られている様々な他の材料が挙げられる。他の例示的な防腐剤としては、グルテルアルデヒド、ブロノポール、銀、およびメチルイソチアゾリノンなどのイソチアゾロンが挙げられる。好ましい防腐剤としては、商品名Neolone(商標)で販売されているものが挙げられる。
【0068】
防腐剤が組成物中に含まれる場合、好ましくは約0.01重量%~約10重量%の量である。
【0069】
追加的な界面活性剤
界面活性剤系は、多くの場合、アニオン性高形成界面活性剤と組み合わせた追加的な界面活性剤を含む。これらは、以下のうちの一つ又は複数を含み得る。
【0070】
半極性非イオン性界面活性剤
界面活性剤系はまた、半極性タイプの非イオン性界面活性剤を含み得る。一般に、半極性非イオン性物質は、高発泡物質および泡安定剤であり、これはCIPシステムにおけるそれらの適用を限定することができる。しかしながら、高発泡洗浄方法論のために設計された本発明の組成上の実施形態内では、半極性非イオン性物質は、即時的な有用性を有するであろう。半極性非イオン性界面活性剤は、アミンオキシド、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびそれらのアルコキシル化誘導体を含む。好ましい半極性界面活性剤は、アミンオキシドである。
【0071】
アミンオキシドは、次の一般式に対応する第三級アミンオキシドであり、
【化1】
式中、矢印は、半極性結合の従来の表現であり、R1、R2、およびR3は、脂肪族、芳香族、複素環式、脂環式、またはそれらの組み合わせであり得る。一般に、洗剤関連のアミンオキシドについては、R1は、8~24個の炭素原子のアルキルラジカルであり、R2およびR3は、1~3個の炭素原子のアルキルもしくはヒドロキシアルキル、またはそれらの混合物であり、R2およびR3は、例えば、酸素または窒素原子を通じて互いに結合されて、環構造を形成することができ、R4は、アルカリ、または2~3個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキレン基であり、nは、0~20の範囲である。
【0072】
有用な水溶性アミンオキシド界面活性剤は、ココナッツまたはタロウアルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選択され、これらの具体例は、ドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-h-イドロキシプロピルアミンオキシド(bis(2-hydroxyethyl)-3-dodecoxy-1-h- ydroxypropylamine oxide)、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシド、および3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2--ヒドロキシエチル)アミンオキシドである。
【0073】
有用な半極性非イオン性界面活性剤はまた、以下の構造を有する水溶性ホスフィンオキシドを含み、
【化2】
式中、矢印は、半極性結合の従来の表現であり、R1は、10~24個の炭素原子の鎖長範囲のアルキル、アルケニル、またはヒドロキシアルキル部分であり、R2およびR3は、各々、1~3個の炭素原子を含有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基から別個に選択されるアルキル部分である。
【0074】
有用なホスフィンオキシドの例としては、ジメチルデシルホスフィンオキシド、ジメチルテトラデシルホスフィンオキシド、メチルエチルテトラデシルホスフィンオキシド、ジメチルヘキサデシルホスフィンオキシド、ジエチル-2-ヒドロキシオクチルデシルホスプ-ヒンオキシド(diethyl-2-hydroxyoctyldecylphosp- hine oxide)、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルホスフィンオキシド、およびビス(ヒドロキシメチル)テトラデシルホスフィンオキシドが挙げられる。
【0075】
本明細書の有用な半極性非イオン性界面活性剤はまた、以下の構造を有する水溶性スルホキシド化合物を含み、
【化3】
式中、矢印は、半極性結合の従来の表現であり、R1は、8~28個の炭素原子のアルキルまたはヒドロキシアルキル部分、0~5個のエーテル連結部、および0~2個のヒドロキシル置換基であり、R2は、1~3個の炭素原子を有するアルキルおよびヒドロキシアルキル基からなるアルキル部分である。
【0076】
これらのスルホキシドの有用な例は、ドデシルメチルスルホキシド、3-ヒドロキシトリデシルメチルスルホキシド、3-メトキシトリデシルメチルスルホキシド、および3-ヒドロキシ-4-ドデコキシブチルメチルスルホキシドを含む。
【0077】
理論に束縛されることを望むものではないが、組成物における半極性非イオン性界面活性剤の使用は、即時使用可能な組成物を含む液体組成物に透明性を提供すると考えられている。半極性非イオン性界面活性剤を使用しないと、即時使用可能な組成物は、濁っていた。驚くべきことに、半極性非イオン性が組成物に添加されたとき、液体組成物は、透明性を維持した。
【0078】
濃縮洗浄組成物は、約1重量%~約40重量%の半極性非イオン性界面活性剤、好ましくは約5重量%~約35重量%の半極性非イオン界面活性剤、より好ましくは約10重量%~約30重量%の半極性非イオン性界面活性剤を含む。
【0079】
即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.05重量%~約2.5重量%の半極性非イオン性界面活性剤、好ましくは約0.1重量%~約2重量%の半極性非イオン性界面活性剤、より好ましくは約0.4重量%~約1.5重量%の半極性非イオン性界面活性剤を含む。
【0080】
さらに、本発明に従って限定されることなく、列挙されたすべての範囲は、範囲を定義する数を含み、定義された範囲内の各整数を含む。さらなる態様では、洗浄組成物は、具体的には良好な発泡を提供する際の硬水(例えば、17または20グレインの水硬度)での使用に好適である。
【0081】
非イオン性界面活性剤
有用な非イオン性界面活性剤は、一般的に、有機疎水基および有機親水基の存在により特徴付けられ、典型的には、有機脂肪族、アルキル芳香族、またはポリオキシアルキレン疎水性化合物の、一般的な実施がエチレンオキシドまたはその多水和生成物(polyhydration product)、ポリエチレングリコールである親水性アルカリ性オキシド部分との縮合によって製造される。具体的には、反応性水素原子を有するヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、またはアミド基を有する任意の疎水性化合物を、エチレンオキシド、もしくはその多水和添加剤、またはプロピレンオキシド等のアルコキシレンとのその混合物と縮合させて、非イオン表面活性剤を形成することができる。任意の特定の疎水性化合物と縮合する親水性ポリオキシアルキレン部分の長さは、親水性特性と疎水性特性との間の所望の程度のバランスを有する水分散性または水溶性化合物を生成するように、容易に調節され得る。有用な非イオン性界面活性剤は、以下を含む。
1.開始剤反応性水素化合物としてのプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、およびエチレンジアミンをベースとしたブロックポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物。開始剤の逐次的プロポキシル化およびエトキシル化から作製されるポリマー化合物の例は、BASF Corp.製のPluronic(登録商標)およびTetronic(登録商標)の商品名で市販されている。Pluronic(登録商標)化合物は、エチレンオキシドを、プロピレングリコールの2つのヒドロキシル基へのプロピレンオキシドの付加によって形成される疎水性塩基と縮合させることによって形成される二官能性(2つの反応性水素)化合物である。分子のこの疎水性部分は、約1,000~約4,000の分子量を有する。次いで、この疎水性物質を親水基の間に挟み込むようにエチレンオキシドが付加され、最終的な分子の約10重量%~約80重量%を構成するように長さにより制御される。Tetronic(登録商標)化合物は、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次付加から得られる四官能性ブロックコポリマーである。プロピレンオキシドハイドロタイプ(hydrotype)の分子量は約500~約7,000の範囲であり、親水性物質(hydrophile)のエチレンオキシドは分子の約10重量%~約80重量%を構成するように付加される。
2.直鎖もしくは分岐鎖構成の、または単一もしくは二重アルキル構成物質のアルキル鎖が約8~約18個の炭素原子を含有する1モルのアルキルフェノールの、約3~約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。アルキル基は、例えば、ジイソブチレン、ジ-アミル、重合プロピレン、イソ-オクチル、ノニル、およびジ-ノニルにより代表され得る。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンオキシド縮合物であり得る。この化学の商業的化合物の例は、Solvayによって製造されているIgepal(登録商標)、およびDow Chemicalによって製造されているTriton(登録商標)の商品名で、市場で入手可能である。
3.約6~約24個の炭素原子を有する、1モルの飽和または不飽和直鎖または分岐鎖アルコールの、約3~約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。アルコール部分は、上述された炭素範囲内のアルコールの混合物からなり得るか、またはこの範囲内の特定の数の炭素原子を有するアルコールからなり得る。同等の市販の界面活性剤の例は、Shell Chemical Co.によって製造されているNeodol(商標)、およびSasolによって製造されているAlfonic(商標)の商品名で入手可能である。
4.約8~約18個の炭素原子を有する、1モルの飽和または不飽和直鎖または分岐鎖カルボン酸の、約6~約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。酸部分は、上で定義した炭素原子の範囲の酸の混合物からなり得るか、またはその範囲内の特定の数の炭素原子を有する酸からなり得る。この化学構造の市販の化合物の例は、Henkel Corporationによって製造されているNopalcol(商標)の商品名、およびLipo Chemicals,Inc.によって製造されているLipopeg(商標)の商品名で、市場で入手可能である。
一般的にポリエチレングリコールエステルと呼ばれるエトキシル化カルボン酸に加えて、グリセリド、グリセリン、および多価(サッカリドまたはソルビタン/ソルビトール)アルコールとの反応によって形成された他のアルカン酸エステルは、本発明において専門化した実施形態のための用途、特に間接食品添加物の用途を有する。これらのエステル部分はすべて、その分子上に、これらの物質の親水性を制御するためにさらなるアシル化またはエチレンオキシド(アルコキシド)付加に供され得る一つ又は複数の反応性水素部位を有する。これらの脂肪エステルまたはアシル化炭水化物を、アミラーゼおよび/またはリパーゼ酵素を含有する本発明の組成物に添加する場合、不適合性の可能性のため、注意しなければならない。
非イオン性低発泡界面活性剤の例は、以下を含む。
5.エチレンオキシドをエチレングリコールに付加して指定の分子量の親水性物質を提供し;次いでプロピレンオキシドを付加して分子の外側(端部)に疎水性ブロックを得ることにより改質され、本質的に反転された(1)からの化合物。分子の疎水性部分は、約1,000~約3,100の分子量を有し、中心の親水性物質は、最終的な分子の10重量%~約80重量%を含む。これらの反転Pluronics(商標)は、BASF CorporationによりPluronic(商標)R界面活性剤の商標で製造されている。同様に、Tetronic(商標)R界面活性剤は、BASF Corporationにより、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次的付加によって製造されている。分子の疎水性部分は、約2,100~約6,700の分子量を有し、中心の親水性物質は、最終的な分子の10重量%~約80重量%を含む。
6.プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、塩化ベンジルなどの疎水性小分子;および1~約5個の炭素原子を含有する短鎖脂肪酸、アルコール、またはアルキルハロゲン化物;ならびにそれらの混合物との反応により発泡を低減するために、(多官能性部分の)末端ヒドロキシ基(group)または基(groups)を「キャッピング」または「端部ブロッキング」することによって改質される、群(1)、(2)、(3)、および(4)からの化合物。また、末端ヒドロキシ基を塩化物基に変換する塩化チオニル等の反応物質も含まれる。末端ヒドロキシ基へのそのような修飾は、オールブロック、ブロック-ヘテリック、ヘテリック-ブロック、またはオールヘテリック非イオン性物質をもたらし得る。
効果的な低発泡非イオン性物質の追加的な例は、以下を含む。
7.1959年9月8日にBrownらに発行された米国特許第2,903,486号の、式:
【化4】
により表され、式中、Rが8~9個の炭素原子のアルキル基であり、Aが3~4個の炭素原子のアルキレン鎖であり、nが7~16の整数であり、mが1~10の整数である、アルキルフェノキシポリエトキシアルカノール。
交互親水性オキシエチレン鎖および疎水性オキシプロピレン鎖を有する、1962年8月7日にMartinらに発行された米国特許第3,048,548号のポリアルキレングリコール縮合物であって、末端疎水性鎖の重量、中間疎水性単位の重量、および連結親水性単位の重量が各々、縮合物の約3分の1を表す、ポリアルキレングリコール縮合物。
一般式Z[(OR)
nOH]
zを有する、1968年5月7日にLissantらに発行された米国特許第3,382,178号に開示された消泡性非イオン性界面活性剤であって、式中、Zが、アルコキシル化可能な材料であり、Rが、エチレンおよびプロピレンであり得るアルカリオキシドから誘導されるラジカルであり、nが、例えば、10~2,000以上の整数であり、zが、反応性オキシアルキル化可能な基の数によって決定される整数である、消泡性非イオン性界面活性剤。
式Y(C
3H
6O)
n(C
2H
4O)
mHに対応する、1954年5月4日にJacksonらに発行された米国特許第2,677,700号で説明されている共役ポリオキシアルキレン化合物であって、式中、Yが、約1~6個の炭素原子および1個の反応性水素原子を有する有機化合物の残基であり、nが、ヒドロキシル価によって決定される少なくとも約6.4の平均値を有し、mが、オキシエチレン部分が分子の約10重量%~約90重量%を構成するような値を有する、共役ポリオキシアルキレン化合物。
式Y[(C
3H
6O
n(C
2H
4O)
mH]
xを有する、1954年4月6日にLundstedらに発行された米国特許第2,674,619号で説明されている共役ポリオキシアルキレン化合物であって、式中、Yが、約2~6個の炭素原子を有し、x個の反応性水素原子(xは、少なくとも約2の値を有する)を含有する有機化合物の残基であり、nが、ポリオキシプロピレン疎水性塩基の分子量が少なくとも約900であるような値を有し、mが、分子のオキシエチレン含量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する、共役ポリオキシアルキレン化合物。Yについての定義の範囲内に該当する化合物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミンなどを含む。オキシプロピレン鎖は、任意選択的であるが、有益なことに、少量のエチレンオキシドを含有し、オキシエチレン鎖もまた、任意選択的であるが、有益なことに、少量のプロピレンオキシドを含有する。
本発明の組成物において有利に使用される追加の共役ポリオキシアルキレン表面活性剤は、式:P[(C
3H
6O)
n (C
2H
4O)
mH]
xに対応し、式中、Pが、約8~18個の炭素原子を有し、x個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、xが、1または2の値を有し、nが、ポリオキシエチレン部分の分子量が少なくとも約44であるような値を有し、mが、分子のオキシプロピレン含量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する。いずれの場合においても、オキシプロピレン鎖は、任意選択的ではあるが有利には、少量のエチレンオキシドを含有してもよく、オキシエチレン鎖もまた、任意選択的ではあるが有利には、少量のプロピレンオキシドを含有してもよい。
8.本組成物における使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤は、構造式R
2CON
R1Z(式中、R1は、H、C
1~C
4ヒドロカルビル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、エトキシ、プロポキシ基、またはそれらの混合であり;R
2は、直鎖であってもよいC
5~C
31ヒドロカルビルであり;Zは、鎖に直接接続された少なくとも3つのヒドロキシルを有するヒドロカルビル直鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、またはそのアルコキシル化誘導体(好ましくはエトキシル化もしくはプロポキシル化)である)を有するものを含む。Zは、還元アミン化反応において還元糖から得られてもよく;例えばグリシチル部分である。
9.脂肪族アルコールの約0~約25モルのエチレンオキシドとのアルキルエトキシレート縮合生成物は、本組成物における使用に好適である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖または分岐、一級または二級のいずれかであってもよく、また一般に6~22個の炭素原子を含有する。
10.エトキシル化C
6~C
18脂肪アルコールおよびC
6~C
18混合エトキシル化およびプロポキシル化脂肪アルコール、特に水溶性のものは、本組成物における使用に好適な界面活性剤である。好適なエトキシル化脂肪アルコールは、3~50のエトキシル化度を有するC
6~C
18エトキシル化脂肪アルコールを含む。
11.特に本組成物における使用に好適な非イオン性アルキルポリサッカリド界面活性剤は、1986年1月21日に発行された米国特許第4,565,647号、Llenadoに開示されるものを含む。これらの界面活性剤は、約6~約30個の炭素原子を含有する疎水性基およびポリサッカリド、例えば、ポリグリコシド、約1.3~約10個のサッカリド単位を含む親水性基を含む。5または6個の炭素原子を含有する任意の還元サッカリドが、使用され得、例えば、グルコース、ガラクトース、およびガラクトシル部分は、グルコシル部分に置換され得る。(任意選択的に、疎水基は、2位、3位、4位などで結合し、したがって、グルコシドまたはガラクトシドとは対照的にグルコースまたはガラクトースをもたらす。)サッカリド間結合は、例えば、さらなるサッカリド単位の1つの位置と、先行するサッカリド単位上の2位、3位、4位、および/または6位との間にあり得る。
12.本組成物における使用に好適な脂肪酸アミド界面活性剤は、式:R
6CON(R
7)
2(式中、R
6は、7~21個の炭素原子を含有するアルキル基であり、各R
7は独立して、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ヒドロキシアルキル、または--(C
2H
4O)
XH(式中、xは、1~3の範囲内である)を有するものを含む。
13.非イオン性界面活性剤の有用なクラスは、アルコキシル化アミン、または、最も具体的には、アルコールアルコキシル化/アミノ化/アルコキシル化界面活性剤として定義されるクラスを含む。これらの非イオン性界面活性剤は、少なくとも部分的に、一般式:R
20--(PO)
SN--(EO)
tH、R
20--(PO)
SN--(EO)
tH(EO)
tH、およびR
20--N(EO)
tH(式中、R
20は、アルキル、アルケニルもしくは他の脂肪族基、または8~20個、好ましくは12~14個の炭素原子のアルキル-アリール基であり、EOは、オキシエチレンであり、POは、オキシプロピレンであり、sは、1~20、好ましくは2~5であり、tは、1~10、好ましくは2~5であり、uは、1~10、好ましくは2~5である)により表され得る。これらの化合物の範囲における他の変形例は、代替の式:R
20--(PO)
V--N[(EO)
wH][(EO)
zH]により表され得、式中、R
20が上で定義された通りであり、vが1~20(例えば、1、2、3、または4(好ましくは2))であり、wおよびzが独立して、1~10、好ましくは2~5である。これらの化合物は、商業的には、非イオン性界面活性剤としてHuntsman Chemicalsにより販売されている製品ラインにより代表される。このクラスの好ましい化学薬品は、Surfonic(商標)PEA25アミンアルコキシレートを含む。本発明の組成物に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート、EO/POブロックコポリマー、アルキルフェノールアルコキシレートなどを含む。
論文「Nonionic Surfactants」、Schick,M.J.編、Surfactant Science Seriesの第1巻、Marcel Dekker,Inc.,New York、1983は、本発明の実践において一般的に用いられる広範な非イオン性化合物に関する優れた参考文献である。非イオン性クラス、およびこれらの界面活性剤の種の典型的なリストは、1975年12月30日にLaughlinおよびHeuringに発行された米国特許第3,929,678号に記載されている。さらなる例は、「Surface Active Agents and detergents」(第I巻および第II巻、Schwartz、Perry、およびBerch)に記載されている。
好ましい実施形態では、組成物は、直鎖アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤を含む。本明細書で使用される場合、直鎖アルコールエトキシレートは、好ましくは脂肪アルコールエトキシレートである。
エトキシル化C6~C18脂肪アルコールおよびC6~C18混合エトキシル化およびプロポキシル化脂肪アルコールは、本組成物における使用に好適な界面活性剤である。好適なエトキシル化脂肪アルコールとしては、少なくとも約3~50のエトキシル化度を有するC6~C18エトキシル化脂肪アルコールが挙げられる。特に好適なエトキシル化脂肪アルコールとしては、C6~C18、好ましくはC10~C18、好ましくはC12~C14が挙げられ、これらは、エトキシル化脂肪アルコールの有機源または合成源のいずれかに依存して変化し得る。
好適なエトキシル化脂肪アルコールは、少なくとも約3以上、好ましくは少なくとも約4以上からのエトキシル化度をさらに含む。好ましくは、本発明によるエトキシル化脂肪アルコールのエトキシル化度は、3~20、より好ましくは約5~12、最も好ましくは約9である。加えて、本発明に従って限定されるものではないが、列挙されたエトキシル化度のすべての範囲は、範囲を定義する数を含み、定義された範囲内の各整数を含む。例えば、市販されているエトキシル化C13~C15脂肪アルコールは、7のエトキシル化度(例えば、7モルのEO)を有し、約67%のC13および約33%のC15を有する主に非分岐C13~C15オキソアルコールを有する。当業者が理解するように、追加の合成および有機エトキシル化脂肪アルコールが利用可能であり、本発明の範囲内に含まれる。特に好適な直鎖アルコールエトキシレートとしては、Huntsman Chemicalsによる商品名Surfonic L(商標)シリーズで販売されているものが挙げられる。
14.延長界面活性剤は、有用なクラスの界面活性剤であり、非イオン性拡張界面活性剤についての一般式は、R-[L]
x-[O-CH
2--CH
2]
yであり、式中、Rが、親油性部分、直鎖または分岐、飽和または不飽和、置換または非置換、約8~20個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであり、Lが、連結基、またはポリ-プロピレンオキシドのブロック、ポリ-エチレンオキシドのブロック、ポリ-ブチレンオキシドのブロック、もしくはそれらの混合物などの疎水性物質であり、xが、1~25の範囲の連結基の鎖長であり、yが、1~20の範囲の平均エトキシル化度である。
【0082】
アニオン性拡張界面活性剤は、一般に、式:
R-[L]x-[O-CH2--CH2]y-Mを有し、
式中、Rが、親油性部分、直鎖または分岐、飽和または不飽和、置換または非置換、約8~20個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであり、Lが、連結基、またはポリ-プロピレンオキシドのブロック、ポリ-エチレンオキシドのブロック、ポリ-ブチレンオキシドのブロック、もしくはそれらの混合物などの疎水性物質であり、xが、1~25の範囲の連結基の鎖長であり、yが、0~20の範囲の平均エトキシル化度である。式中、Mは、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、およびホスフェートなどの任意のイオン性種である。カチオン性種は、一般に、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびアンモニウムイオンなどの電荷中性のために存在し、これらは一つ又は複数の有機基で置換され得る。
【0083】
濃縮洗浄組成物は、約0.01重量%~約30重量%の非イオン性界面活性剤、好ましくは約0.05重量%~約25重量%の非イオン性界面活性剤、より好ましくは約0.01重量%~約20重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0084】
即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.01重量%~約1.5重量%の非イオン性界面活性剤、好ましくは約0.05重量%~約1重量%の非イオン性界面活性剤、より好ましくは約0.1重量%~約0.7重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0085】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤のサブセットと考えることができ、アニオン電荷を含み得る。双性イオン性界面活性剤は、第二級および第三級アミンの誘導体、複素環式第二級および第三級アミンの誘導体、または第四級アンモニウム、第四級ホスホニウム、または第三級スルホニウム化合物の誘導体として広義に説明され得る。典型的には、双性イオン性界面活性剤は、正荷電第四級アンモニウム、または場合によってはスルホニウムもしくはホスホニウムイオン、負荷電カルボキシル基、およびアルキル基を含む。双性イオンは、一般に、分子の等電領域においてほぼ同程度にイオン化し、正-負電荷中心間に強い「内部塩」誘引を生じ得るカチオン性基およびアニオン性基を含有する。このような双性イオン性合成界面活性剤の例としては、脂肪族ラジカルが直鎖または分岐であり得る、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム化合物の誘導体が挙げられ、脂肪族置換基のうちの1個が、8~18個の炭素原子を含み、1個がアニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを含む。
【0086】
ベタインおよびスルタイン界面活性剤は、本明細書で使用するための例示的な双性イオン性界面活性剤である。これらの化合物の一般式は、以下の通りであり、
【化5】
式中、R1が、0~10個のエチレンオキシド部分および0~1個のグリセリル部分を有する8~18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、またはヒドロキシアルキルラジカルを含有し、Yが、窒素、リン、および硫黄原子からなる群から選択され、R2が、1~3個の炭素原子を含有するアルキルまたはモノヒドロキシアルキル基であり、xが、Yが硫黄原子であるとき1であり、Yが窒素またはリン原子であるとき2であり、R3が、1~4個の炭素原子のアルキレンまたはヒドロキシアルキレンまたはヒドロキシアルキレンであり、Zが、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、およびホスフェート基からなる群から選択されるラジカルである。
【0087】
上に列挙された構造を有する双性イオン性界面活性剤の例としては、4-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N-オクタデシルアンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、5-[S-3-ヒドロキシプロピル-S-ヘキサデシルスルホニオ]-3-ヒドロキシペンタン-1-スルフェート、3-[P,P-ジエチル-P-3,6,9-トリオキサテトラコサンホスホニオ]-2-ヒドロキシプロパン-1-ホスフェート、3-[N,N-ジプロピル-N-3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル-アンモニオ]-プロパン-1-ホスホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシ-プロパン-1-スルホネート、4-[N,N-ジ(2(2-ヒドロキシエチル)-N(2-ヒドロキシドデシル)アンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、3-[S-エチル-S-(3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル)スルホニオ]-プロパン-1-ホスフェート、3-[P,P-ジメチル-P-ドデシルホスホニオ]-プロパン-1-ホスホネート、およびS[N,N-ジ(3-ヒドロキシプロピル)-N-ヘキサデシルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-ペンタン-1-スルフェートが挙げられる。当該洗剤界面活性剤に含有されるアルキル基は、直鎖または分岐、および飽和または不飽和であり得る。
【0088】
本組成物における使用に好適な双性イオン性界面活性剤は、次の一般構造のベタインを含む。
【化6】
【0089】
これらの界面活性剤ベタインは、典型的に、極度のpHで強いカチオンもしくはアニオンの特徴も呈さないか、またはこれらの等電範囲で水溶性の減少も示さない。「外部」第四級アンモニウム塩とは異なり、ベタインは、アニオンと相溶性がある。好適なベタインの例としては、ココナッツアシルアミドプロピルジメチルベタイン、ヘキサデシルジメチルベタイン、C12~14アシルアミドプロピルベタイン、C8~14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン、4-C14~16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ-1-カルボキシブタン、C16~18アシルアミドジメチルベタイン、C12~16アシルアミドペンタンジエチルベタイン、およびC12~16アシルメチルアミドジメチルベタインが挙げられる。
【0090】
本発明において有用なスルタインは、式(R(R1)2N+R2SO3-を有するこれらの化合物を含み、式中、Rが、C6~C18ヒドロカルビル基であり、各R1が、典型的には独立して、C1~C3アルキル、例えばメチルであり、R2が、C1~C6ヒドロカルビル基、例えばC1~C3アルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である。
【0091】
双性イオン性クラスおよびこれらの界面活性剤の種の典型的なリストは、1975年12月30日にLaughlin and Heuringによって発行された米国特許第3,929,678号に記載されている。さらなる例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz,Perry and Berch)に記載されている。これらの参照文献の各々は、本明細書にそれらの全体が組み込まれる。
【0092】
濃縮洗浄組成物は、約0.5重量%~約25重量%のスルタイン、好ましくは約1重量%~約18重量%の双性界面活性剤、より好ましくは約4.5重量%~約11重量%の双性界面活性剤を含む。
【0093】
即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.05重量%~約2.5重量%の双性界面活性剤、好ましくは約0.1重量%~約2重量%の双性界面活性剤、より好ましくは約0.5重量%~約1重量%の双性界面活性剤を含む。
【0094】
カチオン性界面活性剤
表面活性物質は、分子の親水性部分上の電荷が正である場合、カチオン性と分類され、これらはまた、いくつかの実施形態における使用を見出すことができる。pHが中性近くまたはそれ以下まで下げられない限り、親水性物質が電荷を帯びないが、その場合カチオン性(例えば、アルキルアミン)である界面活性剤も、この群に含まれる。理論的には、カチオン性界面活性剤は、「オニウム」構造RnX+Y--を含む要素の任意の組み合わせから合成され得、リン(ホスホニウム)および硫黄(スルホニウム)のような窒素(アンモニウム)以外の化合物を含み得る。実際には、カチオン性界面活性剤分野は、おそらく、窒素性カチオン性物質への合成経路が、単純かつ容易であり、高収率の生成物を生じるため、窒素含有化合物により支配されており、このことが、それらをより安価にすることができる。
【0095】
カチオン性界面活性剤は、好ましくは、少なくとも1つの長炭素鎖疎水基および少なくとも1つの正に荷電した窒素を含有する化合物を含み、より好ましくはこれを指す。長炭素鎖基は、単純な置換によって窒素原子に直接結合され得るか、またはより好ましくは、いわゆる中断アルキルアミンおよびアミドアミン中の架橋官能基によって間接的に結合され得る。そのような官能基は、分子を、より親水性および/もしくはより水分散性にし、共界面活性剤混合物によってより容易に水に溶解されるようにし、ならびに/または水溶性にすることができる。水溶性の増大のために、さらなる第一級、第二級、もしくは第三級アミノ基が導入され得るか、またはアミノ窒素が低分子量アルキル基を用いて第四級化され得る。さらに、窒素は、多様な不飽和度の分岐鎖もしくは直鎖部分の一部、または飽和もしくは不飽和複素環式環の一部であり得る。それに加えて、カチオン性界面活性剤は、2個以上のカチオン性窒素原子を有する複雑な結合を含有してもよい。
【0096】
アミンオキシド、両性物質および双性イオンとして分類される界面活性剤化合物は、それ自体が一般的には中性近くから酸性pHの溶液中でカチオン性であり、界面活性剤の分類と重複する。ポリオキシエチル化カチオン性界面活性剤は、概して、アルカリ性溶液中で非イオン性界面活性剤のように挙動し、酸性溶液中でカチオン性界面活性剤のように挙動する。
【0097】
最も単純なカチオン性アミンであるアミン塩、および四級アンモニウム化合物は、以下のように概略的に描かれ得、
【化7】
式中、Rはアルキル鎖を表し、R’、R”、およびR’’’はアルキル鎖もしくはアリール基のいずれかまたは水素であり得、Xはアニオンを表す。アミン塩および第四級アンモニウム化合物は、それらの高い水溶性の程度のため、本発明における実践的な使用に好ましい。
【0098】
大量の市販のカチオン性界面活性剤の大部分は、当業者に既知の4つの主要なクラスおよびさらなる部分群に細分することができ、「Surfactant Encyclopedia」,Cosmetics&Toiletries,Vol.104(2)86-96(1989)で説明されている。第1のクラスは、アルキルアミンおよびそれらの塩を含む。第2のクラスは、アルキルイミダゾリンを含む。第3のクラスは、エトキシル化アミンを含む。第4のクラスは、例えば、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、複素環アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩等の第四級物を含む。カチオン性界面活性剤は、本組成物において有益であり得る多様な特性を有することが知られている。これらの望ましい特性としては、中性pHのまたはそれを下回る組成物における洗浄力、他の薬剤と連携した増粘またはゲル化等が挙げられ得る。
【0099】
本発明の組成物において有用なカチオン性界面活性剤としては、式R
1
mR
2
xY
LZを有するものが挙げられ、式中、各R
1は、直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基を含有し、最大3個のフェニルまたはヒドロキシ基で任意選択的に置換され、以下の構造のうちの最大4つ:
【化8】
またはこれらの構造の異性体もしくは混合物によって任意選択的に中断された有機基であり、それは、約8~22個の炭素原子を含有する。R
1基は、12個までのエトキシ基をさらに含むことができる。mは、1~3の数字である。好ましくは、分子中の1個以下のR
1基は、mが2である場合に16個以上の炭素原子を有するか、またはmが3である場合に12個超の炭素原子を有する。各R
2は、1~4個の炭素原子またはベンジル基を含むアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、かつ分子中の1個以下のR
2は、ベンジルであり、xは、0~11、好ましくは0~6の数である。Y基上の任意の炭素原子位置の残りは、水素により満たされる。
Yは、
【化9】
またはそれらの混合物を含む基であり得るが、これらに限定されない。好ましくは、Lは、1または2であり、かつY基は、Lが2であるとき、1~約22個の炭素原子と2個の遊離炭素単結合とを有するR
1およびR
2類似体(好ましくはアルキレンまたはアルケニレン)から選択される部分によって分離されている。Zは、ハロゲン化物アニオン、硫酸アニオン、メチル硫酸アニオン、水酸化物アニオン、または硝酸アニオンなどの水溶性アニオンであり、特に塩化物アニオン、臭化物アニオン、ヨウ化物アニオン、硫酸アニオン、またはメチル硫酸アニオンが多くの中で、カチオン性構成成分の電気的中性を付与するために好ましい。
【0100】
好適なカチオン性界面活性剤はまた、四級化糖から誘導された界面活性剤を含む。四級化糖から誘導された界面活性剤は、それらが低刺激で皮膚接触に好適であると考えられるため、ある特定の実施形態において好ましい場合がある。
【0101】
四級化糖から誘導された界面活性剤は、四級化アルキルポリグルコシドまたはポリ四級化アルキルポリグルコシド等である。ポリ四級官能化アルキルポリグルコシドは、アルキルポリグルコシドから自然に誘導されたカチオン性界面活性剤であり、糖骨格を有する。ポリ四級アルキルポリグルコシドは、以下の代表的な式を有する:
【化10】
【0102】
式中、Rが、約6~約22個の炭素原子を有するアルキル基であり、nが、4~6の範囲の整数である。本発明による浄化組成物に使用することができる好適なポリ四級官能化アルキルポリグルコシド構成成分の例としては、Rのアルキル部分が約8~約12個の炭素原子を含有するものが挙げられる。好ましい実施形態では、四級官能化アルキルポリグルコシドは、主として約10~12個の炭素原子を含有する。本発明の浄化組成物に有用な商業的に好適なポリ四級官能化アルキルポリグルコシドの例としては、South Pittsburg,TNに位置するColonial Chemical,Inc.から入手可能な四級官能化アルキルポリグルコシドのPoly Suga(登録商標)Quatシリーズが挙げられるが、これに限定されない。
【0103】
別の実施形態では、本発明はまた、四級官能化アルキルポリグルコシドを含み得る。四級官能化アルキルポリグルコシドは、アルキルポリグルコシドから自然に誘導されたカチオン性界面活性剤であり、糖骨格を有する。四級官能化アルキルポリグルコシドは、以下の代表的な式を有する:
【化11】
【0104】
式中、R1が、約6~約22個の炭素原子を有するアルキル基であり、R2が、CH3(CH2)n’であり、式中、n’が、0~21の範囲の整数である。本発明による浄化組成物に使用することができる好適な四級官能化アルキルポリグルコシド構成成分の例としては、R1のアルキル部分が主として約10~12個の炭素原子を含有し、R2の基がCH3であり、nが1~2の重合度であるものが挙げられる。本発明の浄化組成物に有用な商業的に好適な四級官能化アルキルポリグルコシドの例としては、South Pittsburg,TNに位置するColonial Chemical,Inc.から入手可能な、Suga(登録商標)Quat TM1212(主として、C12四級官能化アルキルポリグルコシド)、Suga(登録商標)Quat L1210(主として、C12四級官能化アルキルポリグルコシド)、およびSuga(登録商標)Quat S1218(主として、C12四級官能化アルキルポリグルコシド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
両性界面活性剤
両性(Amphoteric)または両性(ampholytic)界面活性剤は、塩基性親水性基および酸性親水性基の両方、ならびに有機疎水性基を含有し、ある特定の実施形態に従って使用することができる。これらのイオン性実体は、他のタイプの界面活性剤について本明細書で説明されるアニオン性またはカチオン性基のいずれかであり得る。塩基性窒素および酸性カルボキシレート基は、塩基性および酸性親水基として採用される典型的な官能基である。いくつかの界面活性剤では、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、またはホスフェートは、負電荷を提供する。
【0106】
両性界面活性剤は、脂肪族ラジカルが、直鎖または分岐であり得、かつ脂肪族置換基のうちの1つが約8~18個の炭素原子を含有し、1つが、アニオン性水溶化基、例えば、カルボキシ、スルホ、スルファト(sulfato)、ホスファト、またはホスホノを含有する、脂肪族二級アミンおよび脂肪族三級アミンの誘導体として広義に説明され得る。
【0107】
両性界面活性剤は、当業者に既知の方法で合成され得る。例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンは、長鎖カルボン酸(または誘導体)とジアルキルエチレンジアミンとの縮合および閉環によって合成される。市販の両性界面活性剤は、その後の加水分解およびアルキル化によるイミダゾリン環の開環によって、例えばクロロ酢酸または酢酸エチルを用いて誘導体化される。アルキル化中、1つまたは2つのカルボキシ-アルキル基が反応して、第三級アミンおよびエーテル結合を形成し、異なるアルキル化剤が、異なる第三級アミンを生じる。
【0108】
本発明における用途を有する長鎖イミダゾール誘導体は、概して、以下の一般式:
【化12】
を有し、式中、Rは、約8~18個の炭素原子を含有する非環式疎水性基であり、Mは、アニオンの電荷を中和するためのカチオン、概してナトリウムである。本組成物に用いることができる商業的に有名なイミダゾリン由来両性化合物としては、例えば、ココアンホプロピオネート、ココアンホカルボキシ-プロピオネート、ココアンホグリシネート、ココアンホカルボキシ-グリシネート、ココアンホプロピル-スルホネート、およびココアンホカルボキシ-プロピオン酸が挙げられる。アンホカルボン酸は、脂肪族イミダゾリンから生成することができ、ここで、アンホジカルボン酸のジカルボン酸官能基は、二酢酸および/またはジプロピオン酸である。
【0109】
本明細書で上記のカルボキシメチル化化合物(グリシネート)は、しばしばベタインと呼ばれる。ベタインは、双性イオン界面活性剤と題した以下の節において、本明細書で以下で考察される特別なクラスの両性化合物である。
【0110】
長鎖N-アルキルアミノ酸は、反応RNH2によって容易に調製され、式中、R=C8~C18直鎖または分岐鎖アルキル、ハロゲン化カルボン酸を有する脂肪族アミンである。アミノ酸の第一級アミノ基のアルキル化は、第二級および第三級アミンをもたらす。アルキル置換基は、複数の反応性窒素中心を提供する追加のアミノ基を有してもよい。最も商業的なN-アルキルアミン酸は、ベータ-アラニンまたはベータ-N(2-カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本発明において用途を有する商業的なN-アルキルアミノ酸両性電解質の例は、アルキルベータ-アミノジプロピオネート、RN(C2H4COOM)2およびRNHC2H4COOMを含む。一実施形態において、Rは、約8~約18個の炭素原子を含有する非環式疎水基であり得、Mは、アニオンの電荷を中和するためのカチオンである。
【0111】
好適な両性界面活性剤は、ココナッツ油またはココナッツ脂肪酸等のココナッツ製品から誘導されるものを含む。追加の好適なココナッツ由来の界面活性剤には、これらの構造の一部として、エチレンジアミン部分、アルカノールアミド部分、アミノ酸部分、例えば、グリシン、またはそれらの組み合わせ、および約8~18個(例えば、12個)の炭素原子の脂肪族置換基が含まれる。そのような界面活性剤は、アルキルアンホジカルボン酸ともみなされ得る。これらの両性界面活性剤は、C12-アルキル-C(O)-NH-CH2-CH2-N+(CH2-CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OHまたはC12-アルキル-C(O)-N(H)-CH2-CH2-N+(CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OHとして表される化学構造を含み得る。ココアンホジプロピオン酸二ナトリウムは、1つの好適な両性界面活性剤であり、Solvay(Cranbury,N.J)から商品名Miranol(商標)FBSで市販されている。化学名ココアンホジ酢酸二ナトリウムを有する別の好適なココナッツ由来の両性界面活性剤はまた、Rhodia Inc.(Cranbury,N.J)から商品名Mirataine(商標)JCHAで販売されている。
【0112】
好ましい両性界面活性剤は、構造RCONHCH2CH2NYCH2CH2OXのアルキルアミドアルキルアミンを含み、式中、Rが、および約10~18個の炭素原子のアルキル基であり、Yが、CH2COOM、CH2CH2COOM、CH2CHOHCH2SO3M、またはCH2CHOHCH2OPO3Mであり、Xが、水素またはCH2COOMであり、式中、Mが、水溶性カチオン、最も好ましくはNa+、K+、NH4
+、TEA、および構造RN+(C3)2CHCOO-(式中、Rが、約10~18個の炭素のアルキル基、またはRが約10~約18個の炭素であるアミドプロピルアルキル基である)を有するベタインである。好ましいアルキルアミドアルキルアミンは、SolvayによりMiranol(登録商標)C2M SFとして販売されているココパンホジプロピアン酸二ナトリウム(disodium cocopamphodipropianate)である。
【0113】
両性クラスの典型的なリストおよびこれらの界面活性剤の種は、1975年12月30日にLaughlin and Heuringに発行された米国特許第3,929,678号に記載されている。さらなる例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz,Perry and Berch)に記載されている。これらの参考文献の各々は、本明細書に参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0114】
追加的な成分
洗浄組成物の構成要素は、皿洗い用途での使用に好適な様々な機能性構成要素とさらに組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、一つ又は複数のカップリング剤、二価イオン、保湿剤、および界面活性剤系を含む洗浄組成物は、濃縮洗浄組成物の総重量の大部分、さらには実質的にすべてを構成する。例えば、いくつかの実施形態では、追加の機能性成分は、ほとんどまたは全く、その中に配置されていない。
【0115】
他の実施形態では、さらなる成分が、本組成物中に含まれ得る。追加の成分は、組成物に所望の特性および機能性を提供する。追加的な成分のいくつかの例は下記でより詳細に考察されるが、考察される特定の材料は単に例として記載され、多種多様な他の追加的な成分が使用され得る。例えば、下記で考察される追加的な成分の多くは、洗浄、具体的には、皿洗い用途で使用される材料に関する。しかしながら、他の実施形態は、他の用途で使用するための追加的な成分を含み得る。
【0116】
好ましい実施形態では、組成物は、DEAを含まない。好ましい実施形態では、組成物は、リンを含まない。
【0117】
他の実施形態では、組成物は、アルカリ源、再付着防止剤、漂白剤、キレート剤/金属イオン封鎖剤、腐食抑制剤、洗剤ビルダーもしくは充填剤、染料および/もしくは付臭剤、酵素、酵素安定化系、中和剤、pH調整剤、塩、シリケート、追加的な界面活性剤、ならびに/または増粘剤を含み得る。
【0118】
アルカリ源
洗浄組成物は、任意選択的に、アニオン性界面活性剤を中和させ、組成物の汚れ除去性能を改善するための、少ないが有効な量の一つ又は複数のアルカリ源を含み得る。その結果、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物または他の水和可能なアルカリ源は、好ましくは、アニオン性界面活性剤を中和させるために有効な量で洗浄組成物中に含まれる。しかしながら、アルカリ金属水酸化物または他のアルカリ源は、限られた程度で、組成物の固化に役立ち得ることが認められ得る。上述の通り、アニオン性界面活性剤を中和させるためのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物の量が必要とされるが、追加的なアルカリ源は、水性溶液のpHが9を超えないところまで存在し得る。
【0119】
好適なアルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムまたはカリウムが挙げられる。好適なアルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウムが挙げられる。アルカリ性またはアルカリ土類金属水酸化物は、水性溶液に溶解された形態、またはそれらの組み合わせで組成物に添加され得る。アルカリ性およびアルカリ土類金属水酸化物は、約12~100のUSメッシュの範囲の粒子サイズを混合したものを有する小球化されたビーズの形態の固体として、または水性溶液として、例えば、50重量%および73重量%の溶液として市販されている。アルカリ性またはアルカリ土類金属水酸化物は、固体アルカリ性材料の水和に起因する組成物中で発生する熱の量を低減させるために、水性溶液、好ましくは50重量%の水酸化物溶液の形態で添加されることが好ましい。
【0120】
洗浄組成物は、アルカリ金属水酸化物の他に第2のアルカリ源を含み得る。第2のアルカリ源の例としては、ケイ酸またはメタケイ酸ナトリウムまたはカリウム等の金属ケイ酸塩、炭酸、重炭酸またはセスキ炭酸ナトリウムまたはカリウム等の金属炭酸塩、ホウ酸ナトリウムまたはカリウム等の金属ホウ酸塩、エタノールアミンおよびアミン、ならびに他の同様のアルカリ源が挙げられる。第2のアルカリ剤は、水性または粉末のいずれかの形態で一般に入手可能であり、いずれも、本洗浄組成物を製剤化する際に有用である。
【0121】
再付着防止剤
洗浄組成物は、任意選択的に、洗浄溶液中で汚れの持続的懸濁を促進すること、ならびに洗浄されている基材上に除去された汚れが再付着するのを防止することができる再付着防止剤を含み得る。好適な再付着防止剤の例としては、脂肪酸アミド、フッ化炭素界面活性剤、複合リン酸エステル、スチレン無水マレイン酸コポリマー、およびヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。
【0122】
任意選択的に、濃縮洗浄組成物は、約0.5重量%~約10重量%、好ましくは約1重量%~約5重量%の再付着防止剤を含むことができる。任意選択的に、即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.05重量%~約1重量%、好ましくは約0.1重量%~約0.5重量%の再付着防止剤を含むことができる。
【0123】
漂白剤
漂白剤は、任意選択的に、本発明のいくつかの実施形態に含まれ得る。好適な漂白剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン等のような活性化剤の有無に関わらず、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水素化物、リン酸過酸化水素化物、モノ過硫酸カリウム(potassium permonosulfate)、ならびに過ホウ酸ナトリウム一水和物および過ホウ酸ナトリウム四水和物が挙げられる。
【0124】
任意選択的に、洗浄組成物は、少ないが有効な量の漂白剤を含む。濃縮洗浄組成物は、約0.1重量%~約10重量%、好ましくは約1重量%~約6重量%を含み得る。即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.01重量%~約1重量%、好ましくは約0.1重量%~約0.6重量%を含み得る。
【0125】
キレート剤/金属イオン封鎖剤
洗浄組成物は、任意選択的に、アミノカルボン酸、縮合ホスフェート、ホスホネート、ポリアクリレート等のキレート剤/金属イオン封鎖剤を含み得る。一般に、キレート剤は、金属イオンが洗浄組成物の他の清浄性成分の作用に干渉することを防止するように、天然水中に一般的に見られる金属イオンを配位(すなわち、結合)することができる分子である。キレート剤/金属イオン封鎖剤はまた、有効な量で含まれるとき、閾値剤としても機能することができる。イミノジコハク酸塩(IDS(商標)としてBayerから市販されている)をキレート剤として使用することができる。
【0126】
有用なアミノカルボン酸としては、例えば、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等が挙げられる。
【0127】
本組成物において有用な縮合リン酸塩の例としては、オルトリン酸ナトリウムおよびオルトリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウムおよびピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0128】
組成物は、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸等のようなホスホネートを含み得る。
【0129】
ポリマーポリカルボキシレートも組成物中に含まれ得る。洗浄剤としての使用に好適なものは、ペンダントカルボキシレート基を有し、例えば、ポリアクリル酸、マレイン酸/オレフィンコポリマー、アクリル/マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸-メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解ポリアミド-メタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル-メタクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。キレート剤/隔離剤のさらなる考察については、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Kirk-Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、339~366ページおよび第23巻、319~320ページを参照されたい。
【0130】
任意選択的に、濃縮洗浄組成物は、約0.1重量%~約5重量%、好ましくは約0.5重量%~約3重量%のキレート剤/金属イオン封鎖剤を含み得る。任意選択的に、即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.01重量%~約0.5重量%、好ましくは約0.05重量%~約0.3重量%を含み得る。
【0131】
腐食抑制剤
腐食抑制剤は、任意選択的に、腐食抑制剤がないことを除いて、他の点では同一の使用溶液についてのガラスの腐食および/もしくはエッチングの速度よりも遅いガラスの腐食ならびに/またはエッチングの速度を呈する使用溶液を提供するのに十分な量で、液体洗浄組成物中に含まれ得る。使用溶液は、所望の腐食抑制特性を提供するために、少なくとも約6百万部(ppm)の腐食抑制剤を含むことが想定される。悪影響を与えることなく、使用溶液中に、より多くの量の腐食抑制剤を使用することができることが想定される。使用溶液は、約6ppm~約300ppmの腐食抑制剤、および約20ppm~約200ppmの腐食抑制剤を含み得る。好適な腐食抑制剤の例としては、アルミニウムイオン源と亜鉛イオン源との組み合わせ、およびそのアルカリ金属ケイ酸塩または水和物が含まれるが、これらに限定されない。
【0132】
腐食抑制剤は、アルミニウムイオン源と亜鉛イオン源の組み合わせを指すことができる。固体洗剤組成物が使用溶液の形態で提供されるとき、アルミニウムイオン源および亜鉛イオン源は、それぞれ、アルミニウムイオンおよび亜鉛イオンを提供する。腐食抑制剤の量は、アルミニウムイオン源および亜鉛イオン源の合計量に基づいて計算される。使用溶液中にアルミニウムイオンを提供するものはどれもアルミニウムイオン源と呼ぶことができ、使用溶液中に提供されるときに亜鉛イオンを提供するものはどれも亜鉛イオン源と呼ぶことができる。必ずしも、アルミニウムイオン源および/または亜鉛イオン源が反応して、アルミニウムイオンおよび/または亜鉛イオンを形成するわけではない。アルミニウムイオンはアルミニウムイオン源と見なすことができ、亜鉛イオンは亜鉛イオン源と見なすことができる。アルミニウムイオン源および亜鉛イオン源は、有機塩、無機塩、およびそれらの混合物として提供され得る。
【0133】
例示的なアルミニウムイオン源としては、アルミン酸ナトリウム、臭化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、臭素酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、および硫酸アルミニウム亜鉛などのアルミニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な亜鉛イオン源としては、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、チオシアン酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、二クロム酸亜鉛、塩素酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、ギ酸亜鉛、臭素酸亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、およびサリチル酸亜鉛などの亜鉛塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
任意選択的に、濃縮洗浄組成物は、腐食抑制剤の約0.1重量%~約5重量%、好ましくは約0.5重量%~約3重量%の量の金属腐食抑制剤を含み得る。任意選択的に、即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.01重量%~約0.5重量%、好ましくは約0.05重量%~約0.3重量%の腐食抑制剤を含み得る。
【0135】
洗剤ビルダーまたは充填剤
洗浄組成物は、任意選択的に、少ないが有効な量の洗剤充填剤のうちの一つ又は複数を含み得、これは、それ自体では洗浄剤としての性能を発揮しないが、組成物の全体的な洗浄能力を強化するために洗浄剤と連携する。本発明の洗浄組成物での使用に好適な洗浄充填剤の例としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、でんぷん、砂糖、およびプロピレングリコール等のようなC1~C10アルキレングリコールが挙げられる。無機洗剤ビルダーまたはホスフェート含有洗剤ビルダーは、ポリホスフェート(例えば、トリポリホスフェート、ピロホスフェート、およびガラス状ポリマーメタ-ホスフェート)のアルカリ金属、アンモニウム、およびアルカノールアンモニウム塩を含み得る。非ホスフェートビルダーも使用することができる。
【0136】
任意選択的に、濃縮洗浄組成物は、約1重量%~約20重量%、好ましくは約3重量%~約15重量%の量の洗剤充填剤を含み得る。任意選択的に、即時使用可能な洗浄組成物は、約0.1重量%~約2重量%、好ましくは約0.3重量%~約1.5重量%の量の洗剤充填剤を含み得る。
【0137】
染料/付臭剤
任意選択的に、様々な染料、香料を含む付臭剤、および他の美観向上剤が洗浄組成物中にも含まれ得る。染料は、例えば、Direct Blue 86(Miles)、Fastusol Blue(Mobay Chemical Corp.)、Acid Orange 7(American Cyanamid)、Basic Violet 10(Sandoz)、Acid Yellow 23(GAF)、Acid Yellow 17(Sigma Chemical)、Sap Green(Milliken & Company)、Metanil Yellow(Keystone Analine and Chemical)、Acid Blue 9(Hilton Davis)、Sandolan Blue/Acid Blue 182(Sandoz)、Hisol Fast Red(Capitol Color and Chemical)、Fluorescein(Capitol Color and Chemical)、Acid Green 25(Ciba-Geigy)等として、組成物の外観を変更するために含まれ得る。
【0138】
組成物に含まれ得る芳香剤または香料は、例えば、シトロネロールなどのテルペノイド、アミルシンナムアルデヒドなどのアルデヒド、ClS-ジャスミンまたはジャスマール(jasmal)などのジャスミン、バニリン等を含む。
【0139】
酵素
任意選択的に、洗浄組成物は、基材からタンパク質系、炭水化物系、またはトリグリセリド系の染みの除去のため;平皿、カップおよびボウル、ならびに鍋およびフライパン用の予備浸漬;医療用および歯科用器具用の予備浸漬;または肉切断設備用の予備浸漬などの予備浸漬の洗浄、染み抜き、および消毒のため;機械皿洗いのため;洗濯物および織物の洗浄および染み抜きのため;カーペットの洗浄および染み抜きのため;定置洗浄および定置染み抜きのため;食品加工表面および設備の洗浄および染み抜きのため;排水管洗浄のため;洗浄のための予備浸漬等、所望の活性を提供することができる一つ又は複数の酵素を含み得る。酵素は、表面または織物上で遭遇する汚れ残留物の一つ又は複数のタイプを分解または変質させることによって作用し、したがって、洗浄組成物の界面活性剤または他の構成成分によって汚れを除去するかまたは汚れをより除去可能にすることができる。汚れ残留物の分解および変質の両方は、洗浄されている表面または織物に汚れが結合する物理化学的な力を低減する、すなわち、汚れがより水溶性になることによって、洗浄力を改善することができる。例えば、一つ又は複数のプロテアーゼは、汚れ残留物中に存在する複雑な高分子タンパク質構造を、該プロテアーゼを含有する洗浄性溶液によって、それ自体が表面からより容易に脱着されるか、可溶化されるか、または他の方法でより容易に除去される、より単純な短鎖分子に切断することができる。
【0140】
好適な酵素は、植物性、動物性、細菌性、真菌性、もしくは酵母由来などの、任意の好適な由来のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、グルコナーゼ(gluconase)、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、またはそれらの混合物を含み得る。選択は、pH活性および/または安定性最適条件(stability optima)、熱安定性、ならびに活性洗剤、ビルダー等に対する安定性などの要因によって影響を受ける。この点で、細菌性アミラーゼおよびプロテアーゼ、ならびに真菌性セルラーゼなどの細菌性または真菌性酵素が好ましい場合がある。好ましくは、酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0141】
任意選択的に、濃縮洗浄組成物は、酵素の約0.1重量%~約5重量%、好ましくは約0.5重量%~約3重量%の量の酵素を含み得る。任意選択的に、即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.01重量%~約0.5重量%、好ましくは約0.05重量%~約0.3重量%の酵素を含み得る。
【0142】
酵素安定化系
洗浄組成物は、任意選択的に、酵素安定化系を含み得る。酵素安定化系は、アルカリ金属ボレートもしくはアミン(例えば、アルカノールアミン)ボレート、またはアルカリ金属ボレート、またはホウ酸カリウムなどのホウ酸塩を含み得る。酵素安定化系はまた、ある特定の酵素を安定化するため、またはホウ酸塩の効果を強化もしくは維持するための他の成分を含み得る。
【0143】
例えば、本発明の洗浄組成物は、カルシウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンの水溶性源を含み得る。カルシウムイオンは、一般に、マグネシウムイオンよりも有効であり、1タイプのカチオンのみが使用されている場合、本明細書で好ましい。洗浄酵素および/または安定化酵素洗浄組成物、特に液体は、完成した組成物1リットル当たり1~30、2~20、または8~12ミリモルのカルシウムイオンを含み得るが、組み込まれる酵素の多様性、タイプ、レベルなどの要因に依存して異なる可能性がある。例えば、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、ギ酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、水酸化カルシウム、および酢酸カルシウムを含む水溶性カルシウムまたはマグネシウム塩を採用することができ、より一般に、列挙されたカルシウム塩に対応する硫酸カルシウムまたはマグネシウム塩を使用することができる。カルシウムおよび/またはマグネシウムのレベルをさらに増加させることは、例えば、ある特定のタイプの界面活性剤の油汚れ分解作用を促進するために当然有用であり得る。
【0144】
ある特定の洗浄組成物の安定化系、例えば、皿洗い安定化酵素洗浄組成物は、多くの給水中に存在する塩素漂白剤種が特にアルカリ性条件下で酵素を攻撃または不活性化するのを阻止するために添加される、0~10重量%、または0.01重量%~6重量%の塩素漂白剤スカベンジャーをさらに含み得る。水中の塩素レベルが小さい、典型的には約0.5ppm~約1.75ppmの範囲であっても、例えば皿洗い中に酵素と接触しにくる水の総量中の利用可能な塩素は、比較的大きい場合があり、したがって、使用中の塩素に対する酵素安定性が問題になり得る。
【0145】
好適な塩素スカベンジャーアニオンは既知であり、容易に入手可能であり、使用する場合、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヨウ化物などを有するアンモニウムカチオンを含有する塩であり得る。カルバメート、アスコルベートなどのような酸化防止剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの有機アミンまたはそのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン(MEA)、およびそれらの混合物も同様に使用することができる。
【0146】
中和剤
洗浄用組成物は、任意選択的に、中和剤を含み得る。アニオン性界面活性剤を採用する本発明の一実施形態では、中和剤を添加して、アニオン性界面活性剤を中和することができる。好適な中和剤としては、アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)およびトリエタノールアミン(TEA)などのアミノアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、アミノ-2-メチル-1-プロパノールが好ましい中和剤である(AMP95として入手可能)。
【0147】
任意選択的に、濃縮洗浄組成物は、約0.5重量%~約15重量%、好ましくは約1重量%~約12重量%、およびより好ましくは約5重量%~約10重量%の量の中和剤を含み得る。任意選択的に、即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.05重量%~約1.5重量%、好ましくは約0.1重量%~約1.2重量%、およびより好ましくは0.5重量%~約1重量%の量の中和剤を含み得る。
【0148】
シリケート
任意選択的に、シリケートは、金属保護を提供するために洗浄組成物中に含むことができるが、アルカリ性を提供し、さらに再付着防止剤として機能することがさらに知られている。例示的なシリケートとしては、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。洗浄組成物は、シリケートなしで提供することができるが、シリケートが含まれるとき、それは所望の金属保護を提供する量で含まれ得る。
【0149】
任意選択的に、濃縮洗浄組成物は、約0.1重量%~約5重量%、好ましくは約0.5重量%~約3重量%の量のシリケートを含み得る。任意選択的に、即時使用可能な液体洗浄組成物は、約0.01重量%~約0.5重量%、好ましくは約0.05重量%~約0.3重量%のシリケートを含み得る。
【0150】
増粘剤
任意選択的に、洗浄組成物は、増粘剤を含み得る。追加的な増粘剤のいくつかの例としては、可溶性の有機または無機の増粘剤材料が挙げられる。無機増粘剤のいくつかの例としては、粘土、シリケート、および他のよく知られている無機増粘剤が挙げられる。有機増粘剤のいくつかの例としては、チキソトロープ性および非チキソトロープ性の増粘剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、増粘剤は、簡単な除去性を促進するために、いくらか実質的な割合の水溶性を有する。本発明の組成物に有用な可溶性有機増粘剤の例には、ポリアクリル酸およびそのナトリウム塩などのカルボキシル化ビニルポリマー、エトキシル化セルロース、ポリアクリルアミド増粘剤、キサンタン増粘剤、グアーガム、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン副生成物、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ならびにいくらかの実質的な割合の水溶性を有する他の同様の水性増粘剤が挙げられる。増粘剤を添加して、所望の粘度を提供することができる。
【0151】
実施形態
洗浄組成物は、液体または固体の濃縮物、即時使用可能な組成物、または使用溶液であり得る。概して、濃縮物は、水で希釈されて、対象物に接触して所望の洗浄、すすぎ等を提供する使用溶液を提供することが意図される組成物を指す。濃縮物は、液体または固体の形態であり得る。さらに、濃縮物を希釈して、即時使用可能な組成物を形成することができる。即時使用可能な組成物を、洗浄する物品または水と接触させて、使用溶液を形成することができる。物品が即時使用可能な組成物と接触した場合、次いで水を添加して、使用溶液を形成する。洗浄組成物中のカップリング剤、二価イオン、保湿剤、界面活性剤系、および任意に機能的な成分は、洗浄組成物が濃縮物として提供されるか、または使用溶液として提供されるかに依存して異なることを理解されたい。
【0152】
濃縮形態での洗浄組成物の例示的な範囲は、表1に組成物の重量パーセンテージで示す。
【表1】
【0153】
本発明の一態様では、濃縮液体洗浄組成物は、約200cpsを超えるおよび約400cps未満、ならびに好ましくは約220cpsを超えるおよび約350cps未満、より好ましくは約250cpsを超えるおよび約300cps以下、ならびにさらにより好ましくは約280cps以下の粘度を有する 本発明のさらなる態様では、即時使用可能な/希釈された液体洗浄組成物は、約30cps~125cps、より好ましくは50cps~100cpsの粘度を有する。
【0154】
本発明の別の態様では、液体洗浄組成物は、約4~約11、より好ましくは約6~10、またはさらにより好ましくは約7~約9のpHを有する。しかしながら、所望の用途および特性に依存して、よりアルカリ性またはより酸性のpHが望ましい場合があることを理解されたい。このような場合、pH調整剤を使用して、pHを所望のレベルに調整することができる。
【0155】
本発明のまたさらなる態様では、液体洗浄組成物は、約100mLを超える、好ましくは約120mL以上、またはさらにより好ましくは約130mL以上の量のフラッシュ泡を提供する。液体洗浄組成物は、周囲温度下で、約700mLを超える、好ましくは約800mL以上、より好ましくは約900mL以上、およびさらにより好ましくは約1000mL以上の量の安定した泡を提供する。
【0156】
濃縮液を約10%だけ希釈して、即時使用可能な溶液を形成することができる。使用溶液は、所望の洗浄特性を有する使用溶液を提供する希釈率で、濃縮物を水で希釈することにより、濃縮物から調製され得る。濃縮物または即時使用可能な溶液のいずれかを希釈して、約100ppm~約2500ppm、好ましくは約200ppm~約1500ppm、最も好ましくは約300ppm~約1000ppmを含む使用溶液を形成することができる。最も好ましい実施形態では、使用溶液は、洗浄組成物の約500ppmである。濃縮物を希釈して使用組成物を形成するのに使用される水は、希釈水または希釈剤と呼ぶことができ、場所によって異なり得る。
【0157】
洗浄組成物の分配/使用
洗浄組成物は、濃縮物として、即時使用可能な組成物、または使用溶液として分配され得る。組成物は、洗浄される物品、シンク内、または水に直接塗布して、使用溶液を形成することができる。使用溶液は、予浸用途中、手動洗浄用途の直前、または手動洗浄用途中に物品表面に塗布することができる。
【0158】
本発明の一態様では、組成物は、フラッシュ泡を形成する。フラッシュ泡は、少なくとも30秒間、好ましくは少なくとも45秒間、より好ましくは少なくとも約1分間安定であり得る。加えて、泡は、油の存在下で安定である。
図2は、コーン油の存在下での安定性を実証している。
【0159】
上記の説明は、本発明の広い交わりおよび境界を理解するための基礎を提供する。下記の実施例および試験データは、本発明の特定の具体的な実施形態の理解を提供する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定することを意図しない。別段の記載がない限り、下記の実施例で報告されるすべての部分、パーセンテージ、および比率、は重量基準であり、実施例で使用されるすべての試薬は、以下に記載される化学供給者から得られたか、または入手可能である。
【0160】
本明細書におけるすべての刊行物および特許出願は、本発明が関連する技術分野における通常の技術レベルを示している。すべての刊行物および特許出願は、あたかも各個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個々に参照により組み込まれるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0161】
本発明の実施形態を、以下の非限定的な実施例においてさらに定義する。これらの実施例は、本発明の特定の実施形態を示しているが、単なる例示として与えられていることを理解されたい。上記の考察およびこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態の様々変更および修正を行い、これを様々な用途および条件に適合させることができる。したがって、本明細書に示され説明されたものに加えて、本発明の実施形態の様々な変更は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような変更もまた、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【表2】
【表3】
【表4】
【0162】
表2の上記データは、一つ又は複数の中鎖から長鎖の直鎖アルコールをアニオン性界面活性剤ベースの組成物に添加することの利点がミセルの相乗効果であり、その結果、より良好な表面活性をもたらすことを実証している。組成物の複雑性は、得られる相乗効果のレベルに影響を与える。
【0163】
また、濃縮された鍋&フライパンプラットフォームにC10直鎖アルコールを添加することも調査された。表3および4は、調査下の組成物をまとめている。
【表5】
【表6】
【0164】
アニオン性界面活性剤の単一ペアと中鎖から長鎖アルコールとの間の相乗効果の定量化:
アニオン性界面活性剤と中鎖から長鎖の直鎖アルコール(C6~C12アルコール)のそれぞれの組み合わせ間の相乗効果も定量化された。これらの結果は、表5~17および
図2~10にまとめられ、比較されている。
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【0165】
結果から、SLSと直鎖アルコールとの間に最良の相乗効果があり、相乗効果はC6からC10まで増加し、横ばいになっていることがわかり得る。次に最良の相乗効果は、AOSと直鎖アルコールとの間であり、再び相乗効果はC8からC10まで増加し、C12でわずかに降下している。
【0166】
SLESにより、C8アルコールは若干の悪影響を有するように思われ、C8アルコールは中性であり、C10およびC12アルコールは相乗効果の増加を示す。アニオン性界面活性剤とアルコールとの炭素鎖長間の疎水性相互作用/調和が主要な要因に思われるである。C10直鎖アルコールは液体であり、C12直鎖アルコールは固体である。C8およびC6アルコールは、分子量が連続的に低下するため、蒸気圧が連続的に高くなり、それにより臭気が増す。処理および臭気の両方を考慮して、C10直鎖アルコールが最良の選択である。
【0167】
下記の表10および
図11は、アニオン性界面活性剤と、おそらくまたアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤とを混合した場合の、混合系に低レベルのC10アルコールを添加する効果をまとめている。前述の通り、効果は、動的表面張力よりもcmcでより顕著である。
【表20】
【0168】
固体組成物
中鎖から長鎖の直鎖アルコールの界面活性剤溶液中の溶解では、かき混ぜ/撹拌に時間がかかり、かなり頻繁に加熱されることは言うまでもない。したがって、固体組成物では、処理に特別な注意を向ける必要がある。中鎖から長鎖の直鎖アルコールが適切に組み込まれていない場合、分配系は中鎖から長鎖の直鎖アルコールを混合ミセル構造に組み込むことができない場合がある。
【0169】
1つの好ましい処理方法は、中鎖から長鎖のアルコールを固体のアニオン性界面活性剤上にコーティングすることである。Sudan Redで染色されたC12アルコールでコーティングされたSLS針が完成した。C12アルコールは溶融され、染色され、SLS針をコーティングするために使用される。
【0170】
驚くべきことに、中鎖アルコールは、1%のSLS溶液をこの材料で調製するとき、容易に可溶化された(均一なピンク色の溶液)。LASおよびAOS固形物によるさらなる例も同じ傾向に従った。
【0171】
別の好ましい方法は、すべての界面活性剤成分および中鎖および長鎖の直鎖アルコールが溶融され、完全に混合され、カプセルまたは容器に注ぎ込まれるときの「ポリマー溶融」固体生成物のためにある。
【0172】
本発明がこのように記載されていることから、本発明が多くの方式で変更され得ることは明らかであろう。このような変更は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、すべてのこのような修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【0173】
上記明細書は、開示された組成物および方法の製造および使用の説明を提供する。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの実施形態を行うことができるため、本発明は特許請求の範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0173】
上記明細書は、開示された組成物および方法の製造および使用の説明を提供する。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの実施形態を行うことができるため、本発明は特許請求の範囲に属する。以下、本願発明の実施形態の例を列記する。
[1]
界面活性剤系を含む、洗浄組成物であって、前記界面活性剤系は、
前記組成物中に約1重量%~約15重量%存在する高発泡アニオン性界面活性剤と、
C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールブースターと、を含み、直鎖アルコールとアニオン性界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、洗浄組成物。
[2]
アミンオキシド界面活性剤をさらに含む、項目1に記載の洗浄組成物。
[3]
カップリング剤、二価カチオン、保湿剤、および非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数をさらに含む、項目1または2に記載の洗浄組成物。
[4]
前記洗浄組成物が、液体であり、前記アニオン性界面活性剤が、前記洗浄組成物の約20重量%~約50重量%を構成する、項目1~3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[5]
前記カップリングが、約0.05重量%~約5重量%の量で存在する、項目1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[6]
前記二価イオンが、約0.1重量%~約8重量%の量で存在する、項目1~5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[7]
前記保湿剤が、約4重量%~約30重量%の量で存在する、項目1~6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[8]
非イオン性界面活性剤をさらに含む、項目1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[9]
前記組成物が、非直鎖アルコールを本質的に含まない、項目1~8のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[10]
前記組成物が、C6よりも短いアルコールを本質的に含まない、項目1~9のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[11]
補助組成物が、C12よりも長いアルコールを本質的に含まない、項目1~10のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[12]
前記組成物が、プロピレングリコールを含まない、項目1~11のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[13]
高発泡界面活性剤を含む界面活性剤系と、
カップリング剤と、
二価イオンと、
保湿剤と、
中鎖の直鎖アルコールと
を含む、洗浄組成物であって、直鎖アルコールと発泡界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、洗浄組成物。
[14]
前記高発泡界面活性剤が、アニオン性界面活性剤およびアミンオキシド界面活性剤、またはそれらの両方のうちの一つ又は複数である、項目10に記載の洗浄組成物。
[15]
前記界面活性剤が、前記組成物の約20重量%~約50重量%であり、前記カップリング剤が、前記組成物の約0.05重量%~約5重量%であり、前記半極性界面活性剤が、前記組成物の約1重量%~約40重量%であり、前記保湿剤が、前記組成物の約4重量%~約30重量%である、項目10または11に記載の洗浄組成物。
[16]
前記カップリング剤が、芳香族スルホネートを含む、項目10~12のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[17]
前記カップリング剤が、キシレンスルホン酸ナトリウムである、項目10~13のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[18]
前記保湿剤が、ヘキシレングリコールである、項目10~14のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[19]
前記界面活性剤が、前記組成物の約24重量%~約45重量%であり、前記カップリング剤が、芳香族スルホネートを含み、かつ前記組成物の約0.1重量%~約3重量%であり、前記半極性界面活性剤が、前記組成物の約5重量%~約35重量%であり、前記保湿剤が、前記組成物の約8重量%~約25重量%である、項目10~15のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[20]
濃縮洗浄組成物と水の約1:2~約1:250の比率で濃縮洗浄組成物を水で希釈して、使用溶液を形成することであって、前記濃縮洗浄組成物が、高発泡アニオン性界面活性剤からなる界面活性剤と、カップリング剤と、二価イオンと、保湿剤と、C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールブースターを含み、直鎖アルコールとアニオン性高発泡界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、形成することと、
表面を前記使用溶液と接触させることと、
前記表面をすすぐことと、を含む、表面を洗浄する方法。
[21]
アミンオキシド界面活性剤をさらに含む、項目20に記載の方法。
[22]
前記界面活性剤が、前記濃縮洗浄組成物の約30重量%~約40重量%であり、前記カップリング剤が、前記濃縮洗浄組成物の約0.2重量%~約1重量%であり、前記半極性界面活性剤が、前記濃縮洗浄組成物の約10重量%~約30重量%であり、前記保湿剤が、前記濃縮洗浄組成物の約12重量%~約20重量%である、項目20または21に記載の方法。
[23]
6~18個の炭素を有する脂肪アルコールの直鎖アルコールエトキシレートをさらに含み、かつ前記組成物の約0.1重量%~約20重量%である、項目10~22のいずれか一項に記載の方法。
[24]
洗浄組成物中に存在するアニオン性界面活性剤用のブースターとしてのC6、C7、C8、C89、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールの使用であって、前記直鎖アルコールが、約1:100~1:200のブースターと界面活性剤の比率で存在する、使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤系を含む、洗浄組成物であって、前記界面活性剤系は、
前記組成物中に約1重量%~約15重量%存在する高発泡アニオン性界面活性剤と、
C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールブースターと、を含み、直鎖アルコールとアニオン性界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、洗浄組成物。
【請求項2】
アミンオキシド界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
カップリング剤、二価カチオン、保湿剤、および非イオン性界面活性剤のうちの一つ又は複数をさらに含む、請求項1または2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記洗浄組成物が、液体であり、前記アニオン性界面活性剤が、前記洗浄組成物の約20重量%~約50重量%を構成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記カップリングが、約0.05重量%~約5重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記二価イオンが、約0.1重量%~約8重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記保湿剤が、約4重量%~約30重量%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記組成物が、非直鎖アルコールを本質的に含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
前記組成物が、C6よりも短いアルコールを本質的に含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
補助組成物が、C12よりも長いアルコールを本質的に含まない、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
前記組成物が、プロピレングリコールを含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤系と、
カップリング剤と、
二価イオンと、
保湿剤と、
中鎖の直鎖アルコールと
を含む、洗浄組成物であって、直鎖アルコールと
アニオン性界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、洗浄組成物。
【請求項14】
前記
界面活性剤系が
、アミンオキシド界面活性剤
を更に含む、請求項
13に記載の洗浄組成物。
【請求項15】
前記
アニオン性界面活性剤が、前記組成物の約20重量%~約50重量%であり、前記カップリング剤が、前記組成物の約0.05重量%~約5重量%であり
、前記保湿剤が、前記組成物の約4重量%~約30重量%である、請求項
13又は14に記載の洗浄組成物。
【請求項16】
前記カップリング剤が、芳香族スルホネートを含む、請求項
13~15のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項17】
前記カップリング剤が、キシレンスルホン酸ナトリウムである、請求項
13~16のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項18】
前記保湿剤が、ヘキシレングリコールである、請求項
13~17のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項19】
前記
アニオン性界面活性剤が、前記組成物の約24重量%~約45重量%であり、前記カップリング剤が、芳香族スルホネートを含み、かつ前記組成物の約0.1重量%~約3重量%であり
、前記保湿剤が、前記組成物の約8重量%~約25重量%である、請求項
13~18のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項20】
濃縮洗浄組成物と水の約1:2~約1:250の比率で濃縮洗浄組成物を水で希釈して、使用溶液を形成することであって、前記濃縮洗浄組成物が、高発泡アニオン性界面活性剤からなる界面活性剤と、カップリング剤と、二価イオンと、保湿剤と、C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールブースターを含み、直鎖アルコールとアニオン性高発泡界面活性剤の比率が、約1:100~1:200である、形成することと、
表面を前記使用溶液と接触させることと、
前記表面をすすぐことと、を含む、表面を洗浄する方法。
【請求項21】
アミンオキシド界面活性剤をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記界面活性剤が、前記濃縮洗浄組成物の約30重量%~約40重量%であり、前記カップリング剤が、前記濃縮洗浄組成物の約0.2重量%~約1重量%であり、前記半極性界面活性剤が、前記濃縮洗浄組成物の約10重量%~約30重量%であり、前記保湿剤が、前記濃縮洗浄組成物の約12重量%~約20重量%である、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
6~18個の炭素を有する脂肪アルコールの直鎖アルコールエトキシレートをさらに含み、かつ前記組成物の約0.1重量%~約20重量%である、請求項
20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
洗浄組成物中に存在するアニオン性界面活性剤用のブースターとしてのC6、C7、C8、C89、C10、C11、またはC12の直鎖アルコールの使用であって、前記直鎖アルコールが、約1:100~1:200のブースターと界面活性剤の比率で存在する、使用。
【国際調査報告】