(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(54)【発明の名称】c-MET/AXL阻害剤の結晶形
(51)【国際特許分類】
C07D 401/12 20060101AFI20220714BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20220714BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220714BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220714BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
A61K31/513
A61P35/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569409
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2020091889
(87)【国際公開番号】W WO2020238802
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】201910439448.6
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516304780
【氏名又は名称】メッドシャイン ディスカバリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、カン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、クン
(72)【発明者】
【氏名】フー、リーホン
(72)【発明者】
【氏名】ティン、チャールズ ゼット.
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB07
4C063CC29
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC43
4C086GA08
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明はc-MET/AXL阻害剤のウラシル化合物の結晶形、塩形及びその製造方法に関し、更に、腫瘍治療薬の製造における前記結晶形及び塩形の使用を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.37°±0.20°、17.17°±0.20°、18.89°±0.20°において特徴な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物の結晶形A。
【化1】
【請求項2】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.37°±0.20°、10.37±0.20°、12.92±0.20°、17.17±0.20°、18.89±0.20°、19.82±0.20°、22.09±0.20°、24.48±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項1に記載の結晶形A。
【請求項3】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:8.10°、9.37°、10.37°、10.92°、12.92°、14.11°、14.67°、15.21°、15.85°、16.21°、16.66°、17.17°、17.64°、18.89°、19.18°、19.82°、20.74°、21.30°、22.09°、22.91°、23.90°、24.48°、25.56°、25.92°、26.29°、27.04°、27.39°、28.32°、29.27°、29.86°、30.57°、31.34°、32.16°、32.62°、33.27°、33.79°、34.45°、34.75°、36.80°、39.33°において特徴的な回折ピークを有する、請求項2に記載の結晶形A。
【請求項4】
示差走査熱量曲線は206.05℃±3℃において一つの吸熱ピークの開始点を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶形A。
【請求項5】
示差走査熱量曲線スペクトルは
図2で示される通りである、請求項1~4のいずれか1項に記載の結晶形A。
【請求項6】
熱重量分析曲線は158.11℃±3℃の際に重量が0.07730%減少し、203.86℃±3℃の際に重量が1.0628%減少する、請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶形A。
【請求項7】
熱重量分析曲線スペクトルは
図3で示される通りである、請求項6に記載の結晶形A。
【請求項8】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.19±0.20°、12.34±0.20°、16.45±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物の結晶形B。
【請求項9】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.19±0.20°、12.34±0.20°、16.45±0.20°、16.88±0.20°、18.95±0.20°、21.34±0.20°、22.39±0.20°、24.34±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項8に記載の結晶形B。
【請求項10】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:6.35°、9.19°、10.00°、12.34°、12.74°、13.57°、16.55°、16.88°、17.40°、17.80°、18.28°、18.95°、19.60°、20.19°、21.34°、21.69°、22.39°、23.33°、23.68°、24.34°、24.73°、25.56°、26.35°、26.94°、27.69°、28.36°、29.03°、29.35°、30.06°、30.55°、31.12°、33.19°、33.86°、34.10°、36.01°、36.66°において特徴的な回折ピークを有する、請求項9に記載の結晶形B。
【請求項11】
示差走査熱量曲線は136.23℃±3℃及び206.26℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項8~10のいずれか1項に記載の前記結晶形B。
【請求項12】
示差走査熱量曲線スペクトルが
図5に示された通りである、請求項11に記載の結晶形B。
【請求項13】
熱重量分析曲線は136.32℃±3.0℃の際に重量が7.912%減少し、また198.78±3℃の際に重量が9.993%減少する、請求項8~10のいずれか1項に記載の結晶形B。
【請求項14】
熱重量分析曲線スペクトルが
図6に示された通りである、請求項13に記載の結晶形B。
【請求項15】
式(II)で表される化合物。
【化2】
【請求項16】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.22±0.20°、14.91±0.20°、20.75±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物の結晶形C。
【請求項17】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.22±0.20°、10.23±0.20°、14.34±0.20°、14.91±0.20°、19.27±0.20°、19.94±0.20°、20.75±0.20°、23.51±0.20°、28.38±0.20°、29.03±0.20°、29.50±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項16に記載の結晶形C。
【請求項18】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.22°、7.18°、8.26°、10.23°、13.47°、14.34°、14.91°、15.68°、16.06°、16.48°、17.07°、17.67°、18.12°、18.65°、19.27°、19.94°、20.35°、20.75°、21.55°、22.23°、22.48°、23.51°、24.73°、25.34°、26.07°、26.35°、26.94°、27.25°、27.63°、28.38°、29.03°、29.50°、29.96°、30.57°、31.24°、32.03°、32.91°、33.59°、34.32°、34.94°、35.79°、37.69°、38.28°において特徴的な回折ピークを有する、請求項17に記載の前記結晶形C。
【請求項19】
示差走査熱量曲線は220.74℃±3℃において一つの吸熱ピークを有する、請求項16~18のいずれか1項に記載の結晶形C。
【請求項20】
示差走査熱量曲線スペクトルが
図8に示された通りである、請求項19に記載の結晶形C。
【請求項21】
熱重量分析曲線は159.80℃±3℃の際に重量が0.004784%減少する、請求項16~18のいずれか1項に記載の結晶形C。
【請求項22】
熱重量分析曲線スペクトルが
図9に示された通りである、請求項21に記載の結晶形C。
【請求項23】
式(III)で表される化合物。
【化3】
【請求項24】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.49±0.20°、9.64±0.20°、19.23±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III)で表される化合物の結晶形D。
【請求項25】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.49±0.20°、9.64±0.20°、18.75±0.20°、19.23±0.20°、20.93±0.20°、21.55±0.20°、22.17±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項24に記載の結晶形D。
【請求項26】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.49°、7.89°、8.50°、9.17°、9.64°、11.20°、11.67°、12.28°、14.93°、15.40°、17.35°、18.75°、19.23°、20.93°、21.55°、22.17°、23.31°、24.12°、24.88°、25.58°、26.53°、27.53°、31.10°において特徴的な回折ピークを有する、請求項25に記載の結晶形D。
【請求項27】
示差走査熱量曲線は223.59℃±3℃において一つの吸熱ピークの開始点を有する、請求項24~26のいずれか1項に記載の結晶形D。
【請求項28】
示差走査熱量曲線スペクトルが
図11に示された通りである、請求項27に記載の結晶形D。
【請求項29】
熱重量分析曲線は150.12℃±3℃の際に重量が0.3850%減少する、請求項24~26のいずれか1項に記載の結晶形D。
【請求項30】
熱重量分析曲線スペクトルが
図12に示された通りである、請求項29に記載の結晶形D。
【請求項31】
式(IV)で表される化合物。
【化4】
【請求項32】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:6.94±0.20°、10.00±0.20°、11.73±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物の結晶形E。
【請求項33】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:5.85±0.20°、6.94±0.20°、10.00±0.20°、11.73±0.20°、15.82±0.20°、17.10±0.20°、20.39±0.20°、23.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項32に記載の結晶形E。
【請求項34】
5.85°、6.94°、10.00°、11.73°、13.83°、14.41°、15.82°、16.38°、17.10°、17.47°、18.06°、18.95°、20.00°、20.39°、20.88°、22.25°、23.74°、24.91°、25.48°、26.39°、27.57°、29.86°、30.49°、32.62°、35.79°、37.14°、請求項33に記載の結晶形E。
【請求項35】
示差走査熱量曲線は67.18℃±3℃及び203.17℃±3℃において発熱ピークの開始点を有し、181.72℃±3℃及び201.40℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項32~34のいずれか1項に記載の結晶形E。
【請求項36】
示差走査熱量曲線スペクトルが
図14に示された通りである、請求項35に記載の結晶形E。
【請求項37】
熱重量分析曲線は52.80℃±3℃の際に重量が0.5018%減少し、173.60℃±3℃の際に重量が4.4958%減少し、210.40℃±3℃の際に重量が5.8808%減少する、請求項32~34のいずれか1項に記載の結晶形E。
【請求項38】
熱重量分析曲線スペクトルが
図15に示された通りである、請求項37に記載の結晶形E。
【請求項39】
癌を治療する医薬の製造における請求項1~38のいずれか1項に記載の化合物又は結晶形の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は以下の優先権を主張する:
CN201910439448.6、出願日は2019年05月24日である。
【0002】
本発明はc-MET/AXL阻害剤のウラシル化合物の結晶形、塩形及びその製造方法に関し、更に、腫瘍治療薬の製造における前記結晶形及び塩形の使用を含む。
【背景技術】
【0003】
癌原遺伝子Metによりコードされるc-Metは、RONサブファミリーに属する結合力の高い受容体チロシンキナーゼであり、散乱因子又は肝細胞成長因子(HGF)の唯一の既知の受容体である。c-Metタンパク質は、50kDのαサブユニットと145kDのβサブユニットがジスルフィド結合で接続されたヘテロ二量体であり、細胞外ドメインと細胞内ドメインに分けられる。細胞外ドメインには、機能の異なる3つの構造ドメインが含まれている:α鎖全体とβ鎖の一部を覆うN末端のリガンド結合ドメイン(SEMA領域)、4つの保存ジスルフィド結合を持つシスチンが豊富なドメイン、及び免疫グロブリン様構造ドメインがある。細胞内ドメインも同じく3つの調節ドメインで構成され:Tyr1003リン酸化部位を有する膜近位ドメイン、Tyr1234及びTyr1235リン酸化部位を有するチロシンキナーゼ触媒ドメイン、及びチロシンに結合するTyr1349及びTyr1356を有するC末端多機能結合領域を持つ。
【0004】
HGFはc-Metの細胞外ドメインに結合した後、c-Metのリン酸化を誘導し、GAB1(成長因子受容体結合タンパク質-1)、GAB2(成長因子受容体結合タンパク質-2)などのC末端多機能領域のさまざまな細胞間因子をC末端の多機能領域にリクルートし、更にSHP2やPI3Kなどの分子をここに結合させ、RAS/MAPK、PI3K/AKT、JAK/STAT経路を活性化され、細胞の成長、移動、増殖、生存が規制される。c-Met経路の異常は、腫瘍の発生や転移を引き起こし、c-Metの異常な高発現は、膀胱癌、胃癌、肺癌、乳癌など、さまざまなヒトの悪性腫瘍で見られる。更に、c-Metは複数のキナーゼ阻害剤に対する腫瘍の薬剤耐性にも関連している。
【0005】
c-Met及びさまざまな膜受容体の間には相互作用(crosstalk)があり、複雑なネットワーク系を形成している。c-Met及び接着受容体CD44の間の相互作用は、シグナルペプチドの応答作用を増幅させ;タンパク質からの脳タンパク質受容体との相互作用は、非依存性リガンドHGFのc-Metを活性化し、侵襲作用を高め;アポトーシス促進性受容体FASとの相互作用は細胞アポトーシスを加速し;EGFR、VEGFRなどのさまざまな受容体チロシンキナーゼとの相互作用により相互の活性化が調節され、血管新生プロセスが影響を受ける。c-Metとこれらの膜受容体の間の相互作用は、腫瘍の形成と転移を促進し、薬剤耐性を誘発する。
【0006】
AXLは膜貫通タンパク質であり、細胞外ドメインには2つの免疫グロブリン様ドメイン及び2つのフィブロネクチン様ドメインが含まれており、リガンド結合ドメインは免疫グロブリン様ドメインであり、AXLはTyro3及びMerとともにTAM受容体チロシンキナーゼファミリーに属し、いずれも成長停止特異的遺伝子6(Gas6)によってコードされるタンパク質分子及びヒト血漿抗凝固タンパク質Sをリガンドとして使用されている。AXLとGas6が結合する際、AXLのコンフォメーションに変化が発生し、二量体を形成する。膜のチロシン残基はリン酸化され、AXL自体のチロシンプロテインキナーゼ活性を活性化し、更に下流のタンパク質をリン酸化し、シグナル伝達に役割を果たす。AXLの活性化により、GRB2が活性化され、さらにRAS-RAF-MEK-ERKシグナル伝達経路を介して腫瘍細胞の増殖に影響を及ぼすとともに、PI3Kをリン酸化してAKTを活性化し、腫瘍細胞の生存能力を高める。更に、AXLはSRCを直接活性化する、又はEGFR、VEGFR及びMETと相互作用することで、腫瘍細胞の移動と浸潤を促進し、腫瘍転移悪化を引き起こす。AXLタンパク質の高発現は、乳癌、肺癌、急性骨髄性白血病の悪化に関連している。研究によると、AXLシグナルの活性化は、腫瘍細胞が上皮間葉転換(EMT)を受ける主要なメカニズムの一つであり、癌細胞が標的薬や化学療法薬に対する薬剤耐性を発生させる主要なメカニズムの1つでもある。
【0007】
現在、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、免疫調節剤など、多くの抗腫瘍薬が市場に出ているが、それらのほとんどは毒性が高く、患者に許容されない。腫瘍の分子生物学研究の深化に伴い、腫瘍の発生と発展の分子メカニズムがますます明らかになり、さまざまな悪性腫瘍の分子標的療法が大きな注目を集めている。分子標的薬は選択性が高く、広い範囲で効果を発揮し、その安全性は細胞障害性化学療法薬よりも優れており、癌治療の発展に向けた新たな方向性を示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.37°±0.20°、17.17°±0.20°、18.89°±0.20°において特徴な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物の結晶形Aを提供する。
【0009】
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】式(I)で表される化合物の結晶形AのXRPDスペクトルである。
【
図2】式(I)で表される化合物の結晶形AのDSCスペクトルである。
【
図3】式(I)で表される化合物の結晶形AのTGAスペクトルである。
【
図4】式(I)で表される化合物の結晶形BのXRPDスペクトルである。
【
図5】式(I)で表される化合物の結晶形BのDSCスペクトルである。
【
図6】式(I)で表される化合物の結晶形BのTGAスペクトルである。
【
図7】式(II)で表される化合物の結晶形CのXRPDスペクトルである。
【
図8】式(II)で表される化合物の結晶形CのDSCスペクトルである。
【
図9】式(II)で表される化合物の結晶形CのTGAスペクトルである。
【
図10】式(III)で表される化合物の結晶形DのXRPDスペクトルである。
【
図11】式(III)で表される化合物の結晶形DのDSCスペクトルである。
【
図12】式(III)で表される化合物の結晶形DのTGAスペクトルである。
【
図13】式(IV)で表される化合物の結晶形EのXRPDスペクトルである。
【
図14】式(IV)で表される化合物の結晶形EのDSCスペクトルである。
【
図15】式(IV)で表される化合物の結晶形EのTGAスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Aは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.37°±0.20°、10.37±0.20°、12.92±0.20°、17.17±0.20°、18.89±0.20°、19.82±0.20°、22.09±0.20°、24.48±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0012】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Aは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:8.10°、9.37°、10.37°、10.92°、12.92°、14.11°、14.67°、15.21°、15.85°、16.21°、16.66°、17.17°、17.64°、18.89°、19.18°、19.82°、20.74°、21.30°、22.09°、22.91°、23.90°、24.48°、25.56°、25.92°、26.29°、27.04°、27.39°、28.32°、29.27°、29.86°、30.57°、31.34°、32.16°、32.62°、33.27°、33.79°、34.45°、34.75°、36.80°、39.33°において特徴的な回折ピークを有する。
【0013】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Aの粉末X線スペクトルが
図1に示された通りである。
【0014】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形AのXRPDスペクトル解析データは表1に示された通りである。
【0015】
【0016】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形AはまたDSCによって特徴付けることができ、開始温度は206.05℃であり、ピーク値の温度は207.18℃である。
【0017】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Aの示差走査熱量曲線は206.05℃±3℃において一つの吸熱ピークを有する。
【0018】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Aの示差走査熱量曲線スペクトルが
図2に示された通りである。
【0019】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形AはまたTGAによって特徴付けることができ、TGAスペクトルは、158.11℃に加熱する場合、重量が0.07730%減少し、203.86℃に加熱する場合、重量が又0.9855%減少し、203.86℃以降からは、大幅な重量減少が現れることを示している。
【0020】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Aの熱重量分析曲線は158.11℃±3℃の際に重量が0.07730%減少し、203.86℃±3℃の際に重量が1.0628%減少する。
【0021】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Aの熱重量分析曲線スペクトルが
図3に示された通りである。
【0022】
本発明は、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.19±0.20°、12.34±0.20°、16.45±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物の結晶形Bを提供する。
【0023】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Bは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.19±0.20°、12.34±0.20°、16.45±0.20°、16.88±0.20°、18.95±0.20°、21.34±0.20°、22.39±0.20°、24.34±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0024】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Bは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:6.35°、9.19°、10.00°、12.34°、12.74°、13.57°、16.55°、16.88°、17.40°、17.80°、18.28°、18.95°、19.60°、20.19°、21.34°、21.69°、22.39°、23.33°、23.68°、24.34°、24.73°、25.56°、26.35°、26.94°、27.69°、28.36°、29.03°、29.35°、30.06°、30.55°、31.12°、33.19°、33.86°、34.10°、36.01°、36.66°において特徴的な回折ピークを有する。
【0025】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Bの粉末X線スペクトルが
図4に示された通りである。
【0026】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形BのXRPDスペクトル解析データは表2に示された通りである。
【0027】
【0028】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Bの示差走査熱量曲線は136.23℃±3℃及び206.26℃±3℃において一つの吸熱ピークを有する。
【0029】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Bの示差走査熱量曲線スペクトルが
図5に示された通りである。
【0030】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形BはまたTGAによって特徴付けることができ、TGAスペクトルは、136.32℃に加熱する場合、重量が7.912%減少し、198.78℃に加熱する場合、重量が又2.081%減少し、198.78℃以降からは、大幅な重量減少が現れることを示している。
【0031】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Bの熱重量分析曲線は136.32℃±3℃の際に重量が7.912%減少し、198.78℃±3℃の際に重量が9.993%減少する。
【0032】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Bの熱重量分析曲線スペクトルは
図6に示された通りである。
【0033】
本発明は、更に、式(II)で表される化合物を提供する。
【化2】
【0034】
本発明は、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.22±0.20°、14.91±0.20°、20.75±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物の結晶形Cを提供する。
【0035】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.22±0.20°、10.23±0.20°、14.34±0.20°、14.91±0.20°、19.27±0.20°、19.94±0.20°、20.75±0.20°、23.51±0.20°、28.38±0.20°、29.03±0.20°、29.50±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0036】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.22°、7.18°、8.26°、10.23°、13.47°、14.34°、14.91°、15.68°、16.06°、16.48°、17.07°、17.67°、18.12°、18.65°、19.27°、19.94°、20.35°、20.75°、21.55°、22.23°、22.48°、23.51°、24.73°、25.34°、26.07°、26.35°、26.94°、27.25°、27.63°、28.38°、29.03°、29.5°、29.96°、30.57°、31.24°、32.03°、32.91°、33.59°、34.32°、34.94°、35.79°、37.69°、38.28°において特徴的な回折ピークを有する。
【0037】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cの粉末X線スペクトルは
図7に示された通りである。
【0038】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形CのXRPDスペクトル解析データは表5に示された通りである。
【0039】
【0040】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形CはまたDSCによって特徴付けることができ、開始温度は220.74℃であり、ピーク温度は221.97℃である。
【0041】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cの示差走査熱量曲線は220.74℃±3℃において一つの吸熱ピークを有する。
【0042】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cの示差走査熱量曲線スペクトルは
図8に示された通りである。
【0043】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形CはまたTGAによって特徴付けることができ、TGAスペクトルは、159.80℃に加熱する場合、重量が0.004784%減少し、159.80℃以降からは、大幅な重量減少が現れることを示している。
【0044】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cの熱重量分析曲線は159.80℃±3℃の際に重量が0.004784%減少する。
【0045】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cの熱重量分析曲線スペクトルは
図9に示された通りである。
【0046】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Cの赤外線スペクトルは:3248cm-1±5cm-1、3207cm-1±5cm-1、3096cm-1±5cm-1、3064cm-1±5cm-1、3000cm-1±5cm-1、1690±2cm-1、1650±2cm-1、1609±2cm-1、1582±2cm-1、1509±2cm-1、1208±2cm-1、1176±2cm-1、1031±2cm-1、1009±2cm-1における特徴的な吸収ピークを含む。
【0047】
本発明は、更に、式(III)で表される化合物を提供する。
【化3】
【0048】
本発明は、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.49±0.20°、9.64±0.20°、19.23±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III)で表される化合物の結晶形Dを提供する。
【0049】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Dは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.49±0.20°、9.64±0.20°、18.75±0.20°、19.23±0.20°、20.93±0.20°、21.55±0.20°、22.17±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0050】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Dは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.49°、7.89°、8.50°、9.17°、9.64°、11.20°、11.67°、12.28°、14.93°、15.40°、17.35°、18.75°、19.23°、20.93°、21.55°、22.17°、23.31°、24.12°、24.88°、25.58°、26.53°、27.53°、31.10°において特徴的な回折ピークを有する。
【0051】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Dの粉末X線スペクトルは
図10に示された通りである。
【0052】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形DのXRPDスペクトル解析データは表4に示された通りである。
【0053】
【0054】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形DはまたDSCによって特徴付けることができ、開始温度は223.59℃であり、ピーク温度は226.43℃である。
【0055】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Dの示差走査熱量曲線は223.59℃±3℃において一つの吸熱ピークを有する。
【0056】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Dの示差走査熱量曲線スペクトルは
図11に示された通りである。
【0057】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形DはまたTGAによって特徴付けることができ、TGAスペクトルは、150.12℃に加熱する場合、重量が0.3850%減少し、150.12℃以降からは、大幅な重量減少が現れることを示している。
【0058】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Dの熱重量分析曲線スペクトルは
図12に示された通りである。
【0059】
本発明は、更に、式(IV)で表される化合物を提供する。
【化4】
【0060】
本発明は、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:6.94±0.20°、10.00±0.20°、11.73±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物の結晶形Eを提供する。
【0061】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:5.85±0.20°、6.94±0.20°、10.00±0.20°、11.73±0.20°、15.82±0.20°、17.10±0.20°、20.39±0.20°、23.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0062】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eは、5.85°、6.94°、10.00°、11.73°、13.83°、14.41°、15.82°、16.38°、17.10°、17.47°、18.06°、18.95°、20.00°、20.39°、20.88°、22.25°、23.74°、24.91°、25.48°、26.39°、27.57°、29.86°、30.49°、32.62°、35.79°、37.14°。
【0063】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eの粉末X線スペクトルは
図13に示された通りである。
【0064】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形EのXRPDスペクトル解析データは表3に示された通りである。
【0065】
【0066】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eの示差走査熱量曲線は67.18℃±3℃及び203.17℃±3℃において発熱ピークの開始点を有し、181.72℃±3℃及び201.40℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する。
【0067】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eの示差走査熱量曲線スペクトルは
図14に示された通りである。
【0068】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eの熱重量分析曲線は52.80℃±3℃の際に重量が0.5018%減少し、173.60℃±3℃の際に重量が4.4958%減少し、210.40℃±3℃の際に重量が5.8808%減少する。
【0069】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eの熱重量分析曲線スペクトルは
図15に示された通りである。
【0070】
注意すべきことは、粉末X線回折スペクトルでは、測定器、測定方法/条件等により、ピークの位置や相対強度が異なる場合がある。任意の特定の結晶形では、ピークの位置に誤差がある可能性があり、2θ値の測定誤差は±0.50°、±0.30°、又は±0.20°である可能性がある。したがって、各結晶タイプを確定する際には、この誤差を考慮に入れる必要があり、誤差も本発明の範囲に属する。
【0071】
注意すべきことは、同じ結晶形の場合、測定器、測定方法/条件等により、DSCの吸熱ピークの位置が異なる場合がある。任意の特定の結晶形では、吸熱ピークの位置に誤差がある可能性があり、誤差は±5℃、±3℃、又は±2℃である可能性がある。したがって、各結晶タイプを確定する際には、この誤差を考慮に入れる必要があり、誤差も本発明の範囲に属する。
【0072】
注意すべきことは、同じ結晶形の場合、測定器、測定方法/条件等により、TGAの重量減少温度の発生位置が異なる場合がある。特定の結晶形では、重量減少温度の位置に誤差がある可能性があり、誤差は±5℃、±3℃、又は±2℃である可能性がある。したがって、各結晶タイプを確定する際には、この誤差を考慮に入れる必要があり、誤差も本発明の範囲に属する。
【0073】
技術効果
本発明の化合物の結晶形及び塩形は、c-MET及びAXL酵素に対して強い阻害活性を有し、MKN45細胞に対してより良好な阻害活性、良好な腫瘍阻害効果示し、且つ良好な安定性を有し、吸湿しにくく、製剤化が容易である。
【0074】
定義及び説明
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を含む。一つの特定の連語又は用語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
【0075】
本発明の中間体化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0076】
本発明の具体的な実施形態の化学反応は適切な溶媒で完成され、前記の溶媒は本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を得るため、当業者が既存の実施形態に基づいて合成工程又は反応スキームを変更又は選択することが必要であることもある。
【0077】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の何らの制限にもならない。
【0078】
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品で、更に精製せずにそのままで使用してもよい。
【0079】
本発明は下記の略語を用いる:
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
TBTU:O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素テトラフルオロボレート
【0080】
化合物は、本技術分野の従来の命名原則、又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアを使用して命名され、市販の化合物は、サプライヤーのカタログ名を使用して命名される。
【0081】
本発明の粉末X線回折(X-raypowderdiffractometer、XRPD)方法
計器モデル:BrukerD8advanceX-線回折計
測定方法:約10~20mgの試料をXRPDの検出に用いる。
【0082】
詳細なXRPDパラメータは以下通りである:
X線管:Cu、kα、(λ=1.54056Å)
管電圧:40kV、管電流:40mA
発散スリット:0.60mm
センサスリット:10.50mm
散乱防止スリット:7.10mm
走査範囲:3又は4~40deg
ステップ角:0.02deg
ステップ幅:0.12秒
サンプルパン回転数:15rpm
【0083】
本発明の示差熱分析(DifferentialScanningCalorimeter、DSC)方法
計器モデル:TADSCQ2000示差走査熱量計
測定方法:試料(0.5~1mg)をDSCアルミニウム製坩堝に取って測定を行い、50mL/minN2の条件で、10℃/minの昇温速度で、試料を室温(25℃)から300℃又は350℃まで加熱する。
【0084】
本発明の熱重量分析(ThermalGravimetricAnalyzer、TGA)方法
計器モデル:TAQ5000熱重量分析計
測定方法:試料(2~5mg)をTGAアルミニウム製坩堝に取って測定を行い、25mL/minN2条件で、10℃/minの昇温速度で、試料を室温(25℃)から300℃、350℃又は重量が20%減少するまで加熱する。
【0085】
本発明の動的水蒸気吸着機(DVS)
計器モデル:DVSAdvantage-1(SMS)
測定方法:約10~15mgの試料をDVSの検出に用いる。
平衡:dm/dt=0.01%/min(時間:10min~最長180min)
乾燥:0%RHで、120min
RH(%)勾配の測定:10%
RH(%)勾配の測定範囲:0%~90%~0%
【0086】
【0087】
本発明の高速液体クロマトグラフ(HighPerformanceLiquidChromatograph、HPLC)方法
計器モデル:Agilent1200高速液体クロマトグラフ
【0088】
【実施例】
【0089】
本発明の内容がよりよく分かるように、以下に具体的な実施の形態を参照しながら更に説明するが、具体的な実施の態様は本発明の内容を制限するものではない。
【0090】
本発明の内容がよりよく分かるように、以下に具体的な実施の形態を参照しながら更に説明するが、具体的な実施の態様は本発明の内容を制限するものではない。
【0091】
実施例1:式(I)で表される化合物の結晶形Aの製造
【化5】
【0092】
1-Cの製造:
窒素ガスの保護下で、攪拌しながら化合物1-A(201.93g、1.47mol)のトルエン(2L)溶液にDIPEA(202.56g、1.57mol)及び化合物1-B(251.66g、1.34mol)を添加した。反応溶液を100℃で16時間反応させた。反応液を室温まで自然冷却し、16時間撹拌し、濾過し、ケーキを集めて中間体1-Cを得た。LCMS(ESI)m/z:347.0[M+Na]+,1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm1.26(dt,J=12.26,7.08Hz,6H)4.15(q,J=7.09Hz,2H)4.24(q,J=7.13Hz,2H)7.12-7.26(m,2H)7.44-7.59(m,2H)8.47(d,J=12.23Hz,1H)10.40(s,1H)10.57 (br d,J=12.47Hz,1H)。
【0093】
1-Dの製造:
窒素ガスの保護下で、中間体1-C(197.73g、0.61mol)のエタノール(1L)溶液に、炭酸カリウム(169.94g、1.23mol)を添加した。反応溶液を75℃で2時間反応させ、ブロモメチルシクロプロパン(166.63g、1.23mol)を添加した。反応溶液を75℃で16時間反応させ、水(1L)を添加した。反応溶液を75℃で16時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮してエタノールを除去し、残留物に酢酸エチル(500ml*2)を添加して抽出し、水相を回収し、12M塩酸を添加してpH=1に調整し、濾過し、ケーキを収集して乾燥させ、中間体1-Dを得た。LCMS(ESI)m/z:304.9[M+H]+;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm0.37-0.45(m,2H)0.50-0.60(m,2H)1.07-1.35(m,1H)3.80(d,J=7.21Hz,2H)7.23-7.51(m,4H)8.83(s,1H)12.63(br s,1H)。
【0094】
1-Gの製造:
窒素ガスの保護下で、化合物1-E(50.09g、0.45mol)、化合物1-F(77.47g、0.49mol)及び炭酸カリウム(66.06g、0.48mol)のアセトニトリル(250mL)溶液を50℃に昇温させ、16時間反応させた。水750mlを添加し、反応溶液を室温で48時間撹拌して、濾過し、ケーキを収集して乾燥させ、中間体1-Gを得た。LCMS(ESI)m/z:250.0[M+H]+;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm6.00(d,J=2.32Hz,1H)6.10(s,2H)6.26(dd,J=5.75,2.32Hz,1H)7.45-7.59(m,1H)7.90(d,J=5.75Hz,1H)8.11-8.24(m,1H)8.39(dd,J=10.45,2.75Hz,1H)。
【0095】
1-Hの製造:
窒素の保護下で、化合物1-G(50.35g、0.20mol)及びDIPEA(105mL、0.61mol)の混合溶液に、クロロギ酸フェニル(51mL、0.40mol)を滴下した。反応溶液を0℃で3時間反応させた後、300mlのジメチルアミンテトラヒドロフラン溶液(2mol/L)を添加し、反応溶液を50℃で16時間反応させた。反応溶液を室温に冷却し、16時間撹拌して、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して中間体1-Hを得た。LCMS(ESI)m/z:321.0[M+H]+;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm2.91(s,6H)6.75(dd,J=5.69,2.38Hz,1H)7.53(d,J=2.32Hz,1H)7.56-7.63(m,1H)8.16-8.24(m,2H)8.43(dd,J=10.52,2.69Hz,1H)9.07(s,1H))。
【0096】
1-Iの製造:
窒素保護下で、化合物1-H(15g、46.8mmol)、酢酸(14.06g、234.12mmol)、THF(150mL)及び水(30mL)の混合溶液に鉄粉(13.08g、234.2mmol)を添加し、反応溶液を室温で16時間反応させた。反応溶液を濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル500mlを添加して溶解し、飽和食塩水(300ml*2)で洗浄し、有機相を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、中間体1-Iを得た。LCMS(ESI)m/z:291.1[M+H]+;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm2.91(s,6H)6.75(dd,J=5.69,2.38Hz,1H)7.53(d,J=2.32Hz,1H)7.56-7.63(m,1H)8.16-8.24(m,2H)8.43(dd,J=10.52,2.69Hz,1H)9.07(s,1H))。
【0097】
式(I)で表される化合物の結晶形Aの製造:
窒素保護下で、化合物1-D(5.01g、16.4mmol)及びDIPEA(6.37g、49.3mmol)のDMF(50ml)溶液にTBTU(6.33g、19.7mmol)を添加し、0.5時間撹拌した後、化合物1-I(5.03g、17.2mmol)を添加し、反応溶液を室温で16時間反応させた。反応溶液に50mlの水を滴下し、室温で2時間攪拌して濾過し、ケーキを収集して乾燥させ、酢酸エチルで再結晶して式(I)で表される化合物を得て、XRPDで検出した結果(
図1)、式(I)で表される化合物であった。LCMS(ESI)m/z:577.1[M+H]
+;
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm0.39-0.48(m,2H)0.52-0.61(m,2H)1.18-1.33(m,1H)2.89(s,6H)3.86(d,J=7.21Hz,2H)6.61(dd,J=5.75,2.45Hz,1H)7.29-7.41(m,4H)7.41-7.47(m,2H)7.49(dd,J=8.86,1.28Hz,1H)7.97(dd,J=12.96,2.45Hz,1H)8.12(d,J=5.75Hz,1H)8.81-9.01(m,2H)11.01(s,1H)。
【0098】
実施例2:式(I)で表される化合物の結晶形Bの製造
100mgの式(I)で表される化合物の結晶形Aを秤量して40mLのバイアルに入れ、2mlのアセトンを添加し、試料を磁気攪拌機(40℃)に置き、16時間撹拌して濾過し、得られた固体を40℃で真空乾燥し、XRPDで検出して(
図4)、式(I)で表される化合物の結晶形Bであった。
【0099】
実施例3:式(II)で表される化合物の結晶形Cの製造
【化6】
【0100】
1gの式(I)で表される化合物の結晶形Aを秤量して40mLのバイアルに入れ、20mLのTHFを添加し、試料を磁気攪拌機(40℃)に置き、10分間攪拌し、適量のp-トルエンスルホン酸(式(I)で表される化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比は1:1.05であり、THFは希釈してから添加する)をゆっくりと添加し、反応溶液を全部溶解させた。試料を磁気攪拌機(40℃)に置き、16時間攪拌した。反応溶液に白色の固体が析出した。濾過し、得られた固体を40℃の真空乾燥オーブンに入れ一晩乾燥させて式(II)で表される化合物を得て、XRPDで検出した結果(
図7)、式(II)で表される化合物の結晶形Cであった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ =11.07(s,1H),10.07(br s,1H),8.92(s,1H),8.28(d,J=6.8Hz,1H),8.07(dd,J=2.4,12.9Hz,1H),7.60(dd,J=1.5,8.9Hz,1H),7.52-7.41(m,5H),7.41-7.33(m,2H),7.18-7.08(m,3H),7.04(d,J=2.1Hz,1H),3.87(d,J=7.2Hz,2H),2.97(s,6H),2.29(s,3H),1.32-1.18(m,1H),0.63-0.52(m,2H),0.49-0.39(m,2H)。
【0101】
実施例4:式(III)で表される化合物の結晶形Dの製造
【化7】
【0102】
1gの式(I)で表される化合物の結晶形Aを秤量して40mLのバイアルに入れ、20mLのTHFを添加し、試料を磁気攪拌機(40℃)に置き、10分間攪拌し、適量のメタンスルホン酸(式(I)で表される化合物とメタンスルホン酸のモル比は1:1.05であり、THFは希釈してから添加する)をゆっくりと添加し、反応溶液を全部溶解させた。試料を磁気攪拌機(40℃)に置き、16時間攪拌した。反応溶液に白色の固体が析出した。濾過し、得られた固体を40℃の真空乾燥オーブンに入れ一晩乾燥させて式(III)で表される化合物を得て、XRPDで検出した結果(
図10)、式(III)で表される化合物の結晶形Dであった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ =11.07(s,1H),10.09(br s,1H),8.92(s,1H),8.28(d,J=7.0Hz,1H),8.07(dd,J=2.4,12.8Hz,1H),7.60(dd,J=1.4,9.0Hz,1H),7.53-7.41(m,3H),7.41-7.31(m,2H),7.14(br d,J=6.4Hz,1H),7.04(d,J=2.2Hz,1H),3.87(d,J=7.1Hz,2H),2.98(s,6H),2.31(s,3H),1.34-1.18(m,1H),0.63-0.53(m,2H),0.49-0.38(m,2H)
【0103】
実施例5:式(IV)で表される化合物の結晶形Eの製造
【化8】
【0104】
1gの式(I)で表される化合物の結晶形Aを秤量して40mLのバイアルに入れ、20mLのTHFを添加し、試料を磁気攪拌機(40℃)に置き、10分間攪拌し、適量の塩酸(式(I)で表される化合物と塩酸のモル比は1:1.05であり、THFは希釈してから添加する)をゆっくりと添加し、反応溶液を全部溶解させた。試料を磁気攪拌機(40℃)に置き、16時間攪拌した。反応溶液に白色の固体が析出した。濾過し、得られた固体を40℃の真空乾燥オーブンに入れ一晩乾燥させて式(IV)で表される化合物を得て、XRPDで検出した結果(
図13)、式(IV)で表される化合物の結晶形Eであった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ =11.07(s,1H),10.25(br s,1H),8.92(s,1H),8.28(d,J=6.8Hz,1H),8.06(dd,J=2.4,12.9Hz,1H),7.64-7.54(m,1H),7.51-7.41(m,3H),7.41-7.33(m,2H),7.22(d,J=2.4Hz,1H),7.09(br d,J=5.3Hz,1H),3.87(d,J=7.1Hz,2H),2.98(s,6H),1.34-1.16(m,1H),0.67-0.51(m,2H),0.48-0.37(m,2H)
【0105】
実施例6:吸湿性に関する研究
DVSの検出に用いる約10~15mgの試料を秤量し、検出結果は表8に示された。
【0106】
【0107】
結論:式(I)で表される化合物の結晶形A及び式(II)で表される化合物の結晶形Cは吸湿性がややある。
【0108】
実施例7:式(I)で表される化合物の酵素活性試験
試薬と消耗品:
反応緩衝液:20mMのHepes(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのEGTA、0.02%のBrij35、0.02mg/mlのBSA(ウシ血清アルブミン)、0.1mMのNa3VO4、2mMのDTT(ジチオスレイトール)、1%のDMSO及び適切な補因子
【0109】
化合物の調製:
試験化合物及び参照化合物を100%のDMSOで0.33μMに溶解し、全自動マイクロプレート前処理システムECHOを使用して、10個濃度勾配で3倍に希釈した。
【0110】
反応操作:
基質を新しい緩衝液に溶解した
必要な補因子を上記緩衝液に添加した。
上記溶液に酵素を添加し、均一に混ぜた。
試験試料溶液を添加し、室温で20分間インキュベートした。
33P-ATPを反応溶液に添加し、室温で2時間インキュベートした。
放射線信号を検出した。
GraphPadPrismソフトウェアを使用して結果を分析した。
【0111】
【0112】
実験結果は、式(I)で表される化合物がc-MET及びAXL酵素に対して強い阻害活性を有することを示した。
【0113】
実施例8:細胞増殖に対する式(I)で表される化合物の抑制試験
試薬と消耗品:
1.細胞の培養:DMEM培地、ウシ胎児血清、DPBS
2.細胞株:MKN45胃癌細胞株
3.検出試薬:生細胞検出キットCellTIter-Glo
4.その他の主な消耗品と試薬:化合物希釈プレート、ミドルプレート、検出プレート、DMSO
【0114】
実験原理:
ATPの含有量は細胞数や細胞の状態を直接反映しており、ATPの定量により生細胞数を検出することができる。生細胞検出キットには、ルシフェラーゼとその基質が含まれていて、ATPが関与することにより、ルシフェラーゼは基質を触媒し、安定した光信号を発し、信号の強度を検出することで、細胞内のATPの量を測定することができる。ここで、光信号は細胞内のATPの量に正比例し、ATPは生細胞数と正の相関関係があるため、細胞増殖を検出することができる。検出プレートの分析には、PE社のEnvisionを使用した。
【0115】
実験方法:
1.細胞プレートの製造
MKN45細胞を、各ウェルに200個の細胞が含まれるように384ウェルプレートに接種した。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターで一晩培養した。
【0116】
2.化合物の準備
Echo(全自動マイクロプレート前処理システム)で9個の化合物濃度で5倍に希釈し、同じ条件で2つのウェルを設置した。
【0117】
3.細胞への化合物の処理
化合物を細胞プレートに移し、化合物の初期濃度は10μMにした。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターに入れ、3日間培養した。
【0118】
4.検出
Promega CellTiter-Glo試薬を細胞プレートに添加し、室温で10分間インキュベートして発光信号を安定させた。Perkin Elmer EnvisIonマルチマーカーアナライザーでデータを読み取った。
【0119】
【0120】
実験結果は:式(I)で表される化合物の結晶形AがMKN45細胞に対して良好な阻害活性を有することを示した。
【0121】
実施例9:式(I)で表される化合物の生体内の有効性研究
細胞の培養:
ヒト胃癌HS746T細胞を体外単層培養し、培養条件はDMEM培地に10%のウシ胎児血清を添加し、100U/mLペニシリン及び100U/mLストレプトマイシン、37℃、U5%CO2インキュベーターで培養した。週に2回、トリプシン-EDTAを使用して通常のな消化処理をし、継代培養した。細胞の飽和度が80%~90%であり、数が要求に達する場合、細胞を収集してカウントし接種した。
【0122】
動物:
BALB/cヌードマウス、雄。6~8週齢、体重18~22g。
腫瘍接種:
各マウスの右背部に0.2mL(2×106細胞、細胞(Matrigel=1:1)をHS746T皮下接種し、平均腫瘍体積が100~150mm3に達した時点でグループを分け投与した。
【0123】
実験の指標:
実験指標は、腫瘍の成長が阻害されるか、遅延される又は治癒されるかを調査するものである。週に2回ノギスで腫瘍の直径を測定した。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×b2であり、aとbは、それぞれ腫瘍の長径と短径を表す。化合物の抗腫瘍効果(TGI)は、T-C(日)及びT/C(%)で評価した。
【0124】
実験結果:表11に示された通りであった。
【表11】
【0125】
結論:式(I)で表される化合物は、Hs746t胃癌細胞の異種移植腫瘍モデルの薬力学的実験において、BMS777607及びLY2801653よりも優れた腫瘍抑制効果を示した。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記結晶形Eは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:5.85°、6.94°、10.00°、11.73°、13.83°、14.41°、15.82°、16.38°、17.10°、17.47°、18.06°、18.95°、20.00°、20.39°、20.88°、22.25°、23.74°、24.91°、25.48°、26.39°、27.57°、29.86°、30.49°、32.62°、35.79°、37.14°において特徴的な回折ピークを有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物の結晶形A
又は結晶形B。
【化1】
ここで、前記結晶形Aは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.37°±0.20°、17.17°±0.20°、及び18.89°±0.20°において特徴な回折ピークを有するか、又は
前記結晶形Bは、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:9.19±0.20°、12.34±0.20°、及び16.45±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【請求項2】
前記結晶形Aは、以下の2θ角:9.37°±0.20°、10.37±0.20°、12.92±0.20°、17.17±0.20°、18.89±0.20°、19.82±0.20°、22.09±0.20°、24.48±0.20°において特徴的な回折ピークを有する
粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Bは、以下の2θ角:9.19±0.20°、12.34±0.20°、16.45±0.20°、16.88±0.20°、18.95±0.20°、21.34±0.20°、22.39±0.20°、24.34±0.20°において特徴的な回折ピークを有する粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Aは、206.05℃±3℃において一つの吸熱ピークの開始点を有する示差走査熱量曲線を有するか、
前記結晶形Aは、158.11℃±3℃の際に重量が0.07730%減少し、203.86℃±3℃の際に重量が1.0628%減少する熱重量分析曲線を有するか、
前記結晶形Bは、136.23℃±3℃及び206.26℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する示差走査熱量曲線を有するか、又は
前記結晶形Bは、136.32℃±3℃の際に重量が7.912%減少し、また198.78±3℃の際に重量が9.993%減少する熱重量分析曲線を有する、
請求項1に記載の
結晶形。
【請求項3】
前記結晶形Aは、以下の2θ角:8.10°、9.37°、10.37°、10.92°、12.92°、14.11°、14.67°、15.21°、15.85°、16.21°、16.66°、17.17°、17.64°、18.89°、19.18°、19.82°、20.74°、21.30°、22.09°、22.91°、23.90°、24.48°、25.56°、25.92°、26.29°、27.04°、27.39°、28.32°、29.27°、29.86°、30.57°、31.34°、32.16°、32.62°、33.27°、33.79°、34.45°、34.75°、36.80°、39.33°において特徴的な回折ピークを有する
粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Bは、以下の2θ角:6.35°、9.19°、10.00°、12.34°、12.74°、13.57°、16.55°、16.88°、17.40°、17.80°、18.28°、18.95°、19.60°、20.19°、21.34°、21.69°、22.39°、23.33°、23.68°、24.34°、24.73°、25.56°、26.35°、26.94°、27.69°、28.36°、29.03°、29.35°、30.06°、30.55°、31.12°、33.19°、33.86°、34.10°、36.01°、36.66°において特徴的な回折ピークを有する粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Aは、図2に示される示差走査熱量曲線スペクトルを有するか、
前記結晶形Aは、図3に示される熱重量分析曲線スペクトルを有するか、
前記結晶形Bは、図5に示される示差走査熱量曲線スペクトルを有するか、又は
前記結晶形Bは、図6に示される熱重量分析曲線スペクトルを有する、
請求項2に記載の
結晶形。
【請求項4】
式(II)
、式(III)、又は式(IV)で表される化合物。
【化2】
【請求項5】
式(II)で表される化合物の結晶形C。
【化3】
ここで、前記結晶形Cは、以下の2θ角:4.22±0.20°、14.91±0.20°、20.75±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする
粉末X線回折スペクトルを有する。
【請求項6】
前記結晶形Cは、以下の2θ角:4.22±0.20°、10.23±0.20°、14.34±0.20°、14.91±0.20°、19.27±0.20°、19.94±0.20°、20.75±0.20°、23.51±0.20°、28.38±0.20°、29.03±0.20°、29.50±0.20°において特徴的な回折ピークを有する
粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Cは、220.74℃±3℃において一つの吸熱ピークを有する示差走査熱量曲線を有するか、又は
前記結晶形Cは、159.80℃±3℃の際に重量が0.004784%減少する熱重量分析曲線を有する、
請求項
5に記載の結晶形C。
【請求項7】
前記結晶形Cは、以下の2θ角:4.22°、7.18°、8.26°、10.23°、13.47°、14.34°、14.91°、15.68°、16.06°、16.48°、17.07°、17.67°、18.12°、18.65°、19.27°、19.94°、20.35°、20.75°、21.55°、22.23°、22.48°、23.51°、24.73°、25.34°、26.07°、26.35°、26.94°、27.25°、27.63°、28.38°、29.03°、29.50°、29.96°、30.57°、31.24°、32.03°、32.91°、33.59°、34.32°、34.94°、35.79°、37.69°、38.28°において特徴的な回折ピークを有する
粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Cは、図8に示される示差走査熱量曲線スペクトルを有するか、又は
前記結晶形Cは、図9に示される重量分析曲線スペクトルを有する、
請求項
6に記載の前記結晶形C。
【請求項8】
式(III)で表される化合物の結晶形D。
【化4】
ここで、前記結晶形Dは、以下の2θ角:7.49±0.20°、9.64±0.20°、19.23±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする
粉末X線回折スペクトルを有する。
【請求項9】
前記結晶形Dは、以下の2θ角:7.49±0.20°、9.64±0.20°、18.75±0.20°、19.23±0.20°、20.93±0.20°、21.55±0.20°、22.17±0.20°において特徴的な回折ピークを有する
粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Dは、223.59℃±3℃において一つの吸熱ピークの開始点を有する示差走査熱量曲線を有するか、又は
前記結晶形Dは、150.12℃±3℃の際に重量が0.3850%減少する熱重量分析曲線を有する、
請求項
8に記載の結晶形D。
【請求項10】
前記結晶形Dは、以下の2θ角:7.49°、7.89°、8.50°、9.17°、9.64°、11.20°、11.67°、12.28°、14.93°、15.40°、17.35°、18.75°、19.23°、20.93°、21.55°、22.17°、23.31°、24.12°、24.88°、25.58°、26.53°、27.53°、31.10°において特徴的な回折ピークを有する
粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Dは、図11に示される示差走査熱量曲線スペクトルを有するか、又は
前記結晶形Dは、図12に示される熱重量分析曲線スペクトルを有する、
請求項
9に記載の結晶形D。
【請求項11】
式(IV)で表される化合物の結晶形E。
【化5】
ここで、前記結晶形Eは、以下の2θ角:6.94±0.20°、10.00±0.20°、11.73±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする
粉末X線回折スペクトルを有する。
【請求項12】
前記結晶形Eは、以下の2θ角:5.85±0.20°、6.94±0.20°、10.00±0.20°、11.73±0.20°、15.82±0.20°、17.10±0.20°、20.39±0.20°、23.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する
粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Eは、67.18℃±3℃及び203.17℃±3℃において発熱ピークの開始点を有し、181.72℃±3℃及び201.40℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する示差走査熱量曲線を有するか、又は
前記結晶形Eは、52.80℃±3℃の際に重量が0.5018%減少し、173.60℃±3℃の際に重量が4.4958%減少し、210.40℃±3℃の際に重量が5.8808%減少する熱重量分析曲線を有する、
請求項
11に記載の結晶形E。
【請求項13】
前記結晶形Eは、以下の2θ角:5.85°、6.94°、10.00°、11.73°、13.83°、14.41°、15.82°、16.38°、17.10°、17.47°、18.06°、18.95°、20.00°、20.39°、20.88°、22.25°、23.74°、24.91°、25.48°、26.39°、27.57°、29.86°、30.49°、32.62°、35.79°、37.14°
において特徴的な回折ピークを有する粉末X線回折スペクトルを有するか、
前記結晶形Eは、図14に示される示差走査熱量曲線スペクトルを有するか、又は
前記結晶形Eは、図15に示される熱重量分析曲線スペクトルを有する、
請求項
12に記載の結晶形E。
【請求項14】
請求項1~
3及び請求項5~13のいずれか1項に記載の
結晶形又は請求項4に記載の化合物を含む、癌を治療するための医薬。
【国際調査報告】