(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】外科手術部位からの物質除去
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20220715BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20220715BHJP
A61B 17/3203 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
A61B17/32
A61B18/14
A61B17/3203
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552594
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 US2020021702
(87)【国際公開番号】W WO2020181278
(87)【国際公開日】2020-09-10
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322004636
【氏名又は名称】プロセプト バイオロボティクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ステイド, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】マントリ, スラグ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF10
4C160GG38
4C160KK03
4C160KK13
4C160MM32
4C160NN03
(57)【要約】
本願は、組織を治療し、外科手術部位から物質を除去するための改良された方法および装置を提供する。キャリア上の流体源は、プローブに対して回転し、源から排出管腔の開口部に向かって流体流を指向するように構成される。これは、血栓および組織等の開口部の近傍に集合し得る物質を除去することに役立ち得る。また、排出管腔に向かって流体流を指向することは、外科手術部位から排出管腔に向かって流動性物質を引き寄せ、外科手術部位からの物質の除去を改良することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の外科手術部位における組織を治療するための装置であって、前記装置は、
流体流を放つように構成されるノズルを備える伸長キャリアと、
患者の中への挿入のために構成されるプローブであって、前記プローブは、前記外科手術部位から物質を除去するための排出管腔を備え、前記排出管腔は、開口部まで延在する、プローブと
を備え、
前記キャリアは、前記開口部に向かって前記ノズルを回転させ、前記排出管腔の開口部に向かって前記流体流を指向するように構成される、装置。
【請求項2】
前記排出管腔を通した物質の排出レートは、前記ノズルを通した液体の流率の少なくとも2倍である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記キャリアは、前記排出管腔への開口部から離れるように前記ノズルを回転させ、組織を切除するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記キャリアは、エネルギー送達プローブおよびセンサアレイを備える内視鏡カメラを支持し、前記エネルギー送達プローブは、前記ノズルを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記キャリアは、前記エネルギー送達プローブおよび前記カメラをともに平行移動させるように構成され、随意に、前記ノズルと前記カメラとの間の距離は、前記キャリアが前記エネルギー送達プローブおよび前記カメラを平行移動させるときに実質的に固定されたままである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記エネルギー送達プローブは、標的組織に向かった角度において前記ノズルを指向するために、前記キャリアに関連して回転するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記キャリアは、前記エネルギー送達プローブの偏向に抵抗するための剛性を備え、前記エネルギー送達プローブの端部と前記キャリアの端部との間の距離は、実質的に固定されたままである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記エネルギー送達プローブの遠位端は、ある距離だけ前記キャリアの遠位端を越えて突出し、前記ある距離は、前記キャリアが平行移動し、前記エネルギー送達プローブが回転するときに、実質的に固定されたままである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記キャリアは、1つ以上の開口部まで延在する1つ以上の潅注チャネルを備え、随意に、前記1つ以上の開口部は、前記カメラの近位に位置する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記流体流は、噴射を備え、前記開口部は、前記噴射よりも大きくサイズ決めされる断面積を備え、随意に、前記噴射は、可視キャビテーションを含み、前記開口部は、前記開口部に進入する前記噴射のキャビテーションの断面サイズよりも大きくサイズ決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記プローブは、前記ノズルの近傍に液体を放出し、前記液体に前記ノズルを浸漬するように、流体源に結合され、前記キャビテーションは、前記流体および前記ノズルの相互作用を用いて発生されるキャビテーションを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記噴射は、前記排出管腔に向かって配向されるときに、前記外科手術部位から前記排出管腔の開口部に向かって流体および物質を引き寄せるように構成され、随意に、前記噴射は、ベンチュリ効果を発生させ、前記外科手術部位から前記排出管腔に向かって前記物質を引き寄せる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記プローブの排出管腔は、前記ノズルから受容される前記流体流を前記排出管腔の伸長軸に向かって方向転換するように構成されるダイバータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記プローブは、前記ノズルから組織に向かって前記流体流を放出するように構成され、前記排出管腔への開口部は、前記キャリアと前記プローブとの間に間隙を提供するように寸法決めされ、随意に、前記間隙は、無傷の組織が前記ノズルと前記排出管腔の開口部との間の空間に進入することを阻止するように寸法決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記プローブに結合され、前記ノズルの遠位にある場所において前記患者の管腔内で拡張し、前記管腔に沿った支持体の遠位にある前記流体流から流体流動を阻止するように構成される第1の拡張可能な支持体と、第2の支持体の近位にある流れから流体流動を阻止するように構成される前記ノズルの近位にある第2の拡張可能な支持体とをさらに備え、随意に、前記第1の拡張可能な支持体は、第1のバルーンを備え、前記第2の拡張可能な支持体は、第2のバルーンを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記排出管腔の開口部に向かって前記ノズルを回転させるように前記キャリアに結合されるプロセッサをさらに備え、随意に、前記プロセッサは、前記噴射の複数回の走査を含む治療計画に従って前記噴射を走査するように構成され、前記プロセッサは、命令を伴って、前記複数回の走査の合間に前記排出管腔の開口部に向かって前記噴射を指向するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記プローブに結合されるスクープをさらに備え、前記スクープは、前記排出管腔よりも大きくサイズ決めされる断面積を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ノズルは、組織を壊死させるための毒性または化学作用物質のうちの1つ以上のものを含む流体を放出するように構成され、随意に、前記流体は、液体を含み、前記ノズルは、前記液体の壊死性作用物質と組み合わせて組織をアブレートするための高圧ノズルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
組織を壊死させるための毒性または化学作用物質のうちの1つ以上のものを含む流体を放出するように構成される潅注チャネルをさらに備え、随意に、前記流体は、液体を含み、随意に、前記潅注チャネルは、その内側でエネルギー送達プローブが回転、平行移動、または発振する前記キャリア内のチャネルを備え、随意に、前記チャネルは、その内側で前記キャリアが回転、平行移動、または発振するチャネルを備え、随意に、前記エネルギー送達プローブは、平行移動運動により前記キャリア内で移動するように構成され、随意に、前記キャリアは、平行移動運動により前記外科的プローブのチャネル内で移動するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記潅注チャネルは、組織を壊死させるための毒性または化学作用物質のうちの1つ以上のものを含む流体を放出するように構成され、随意に、前記流体は、液体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
キャリアは、前記キャリアから独立して回転するように構成されるエネルギー送達プローブを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記ノズルは、前記キャリアを用いて支持され、前記ノズルを移動させるようにリンケージに結合されるエネルギー送達プローブ上に位置し、前記リンケージは、プロセッサに結合され、前記プロセッサは、前記ノズルを移動させ、前記開口部に対する前記ノズルの移動により前記開口部に向かって流体流を提供する命令を伴って構成され、随意に、前記移動は、前記開口部の面積の周囲の前記ノズルの走査の面積に対応し、随意に、前記ノズルは、前記管腔の開口部に向かって発振走査経路内で水噴射を掃引し、前記開口部に向かった流体流動を増加させるように構成され、随意に、前記発振走査経路は、前記開口部の周辺に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記管腔からの排出レートを制御するための排出ポンプをさらに備え、随意に、前記ポンプは、規定時間内にある体積の液体を移動させるための計量ポンプを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記排出ポンプは、蠕動ポンプを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記外科手術部位の中への潅注レートを制御するための潅注ポンプをさらに備え、随意に、前記潅注ポンプは、規定時間内にある体積の液体を移動させるための計量ポンプを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記潅注ポンプは、蠕動ポンプを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記排出ポンプと前記潅注ポンプとの間の流体圧力を測定するための圧力センサをさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
外科手術空間から排出されている流体のレートと比較した比において前記外科手術空間の中への流体流動のレートを制御するための計量ポンプをさらに備え、随意に、前記空間の中への前記流体流動のレートは、前記空間からの前記排出レートを上回り、随意に、前記空間の中への前記流体流動のレートは、前記空間からの前記排出レート未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
排出されている前記レートと比較した比において前記外科手術空間の中への流体流動を制御するための計量ポンプをさらに備え、その比は、前記排出レートを上回るかまたは前記排出レート未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記プローブに結合されるアームをさらに備え、前記プローブは、前記アームから分断し、外科医が前記プローブの近位端を把持し、前記ノズルが前記開口部に向かって配向されるときに、手の運動により前記患者内で前記プローブを移動させることを可能にするように構成され、随意に、前記アームから分断される前記プローブは、前記開口部に対して前記キャリアを回転、平行移動、および発振させるための回路を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
前記プローブの遠位端の近傍に位置する焼灼電極をさらに備え、随意に、前記キャリアは、前記電極を備え、前記電極は、前記キャリアの遠位端の近傍に位置し、随意に、前記プローブは、前記電極のための帰路を備え、随意に、前記電極は、前記キャリアのノズルが前記管腔への開口部に向かって配向されるときに、組織を焼灼するように前記キャリア上に設置され、随意に、前記キャリアは、前記内視鏡カメラから独立して回転し、随意に、前記内視鏡カメラは、前記ノズルが前記管腔の開口部に向かって配向されるときに、前記プローブの外部に向かって配向されたままであり、前記内視鏡カメラは、前記開口部に向かって引き寄せられるプルームとして出血血管からの血液を視認するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項32】
患者の外科手術部位における組織を治療するための装置であって、前記装置は、
前記外科手術部位における前記組織を視認するためのレンズと、
前記組織に向かってエネルギーを放つためのエネルギー送達構造を備えるエネルギー送達プローブと、
前記エネルギー送達プローブを支持するための伸長キャリアであって、前記伸長キャリアは、前記エネルギー送達プローブを回転させ、前記エネルギーを指向し、前記組織を治療するように構成される、伸長キャリアと
を備え、
前記キャリアは、前記レンズを支持し、前記エネルギー送達プローブおよび前記レンズをともに平行移動させるように構成される、装置。
【請求項33】
エネルギー源と前記レンズとの間の距離は、前記キャリアが前記エネルギー送達プローブおよび前記レンズを平行移動させるときに実質的に固定されたままである、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記レンズは、センサアレイを備える内視鏡カメラのレンズを備え、前記エネルギー源と前記カメラのレンズとの間の距離は、前記キャリアが前記カメラおよび前記エネルギー源を平行移動させるときに実質的に固定されたままであり、随意に、前記センサアレイと前記エネルギー源との間の距離は、実質的に固定されたままである、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記エネルギー送達構造は、ノズル、開口、レンズ、光ファイバ、電極、または超音波アレイのうちの1つ以上のものを備え、前記エネルギーは、水噴射エネルギー、機械エネルギー、レーザエネルギー、電気エネルギー、または超音波エネルギーのうちの1つ以上のものを備える、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
患者の中への挿入のために構成されるプローブをさらに備え、前記プローブは、前記外科手術部位から物質を除去するための排出管腔を備え、前記排出管腔は、開口部まで延在する、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記キャリアは、前記排出管腔に向かって前記エネルギー源を回転させ、前記排出管腔の開口部から離れるように組織を排出し、組織を治療するように構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
前記エネルギー送達プローブは、標的組織に向かった回転角度において前記エネルギーを指向するために、前記キャリアに関連して回転するように構成される、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記キャリアは、前記エネルギー源からの偏向に抵抗するための剛性を備える、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記エネルギー送達プローブの遠位端は、ある距離だけ前記キャリアの遠位端を越えて突出し、前記ある距離は、前記キャリアが平行移動し、前記エネルギー送達プローブが回転するときに、実質的に固定されたままである、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記キャリアは、1つ以上の開口部まで延在する1つ以上の潅注チャネルを備え、随意に、前記1つ以上の開口部は、前記内視鏡のレンズの近位に位置する、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記エネルギー送達プローブは、噴射プローブを備え、前記エネルギー送達構造は、ノズルを備え、前記エネルギーは、水噴射からのエネルギーを備える、請求項32に記載の装置。
【請求項43】
前記キャリアは、排出管腔に向かって前記ノズルを回転させ、前記排出管腔から組織に向かって組織切除生成物を除去し、組織を切除するように構成される、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記噴射プローブは、標的組織に向かった回転角度において前記ノズルを指向するために、前記キャリアに関連して回転するように構成される、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記キャリアは、前記噴射プローブのノズルの偏向に抵抗するための剛性を備え、前記噴射プローブの端部と前記キャリアの端部との間の距離は、実質的に固定されたままである、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記噴射プローブの遠位端は、ある距離だけ前記キャリアの遠位端を越えて突出し、前記ある距離は、前記キャリアが平行移動し、前記噴射プローブが回転するときに、実質的に固定されたままである、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記キャリアは、1つ以上の開口部まで延在する1つ以上の潅注チャネルを備え、随意に、前記1つ以上の開口部は、前記レンズの近位に位置する、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
方法であって、前記請求項のいずれか1項に記載の装置を用いて患者を治療することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、その開示が、本参照によってその全体として組み込まれる、2019年3月7日に出願され、「MATERIAL REMOVAL FROM SURGICAL SITE」と題された、米国仮特許出願第62/815,328号の出願日の35 U.S.C. §119(e)の下の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
患者を治療し、外科手術部位から物質を除去することへの以前のアプローチは、いくつかの事例では準理想的であり得る。例えば、いくつかの外科手術では、流体、切除された組織、および細胞等の物質が、外科手術部位から除去される。しかしながら、いくつかの事例では、本物質の除去は、準理想的であり得る。これは、前立腺等の器官の封入された組織空間内の外科手術に関連性があり得る。例えば、血栓および他の物質が、外科手術部位から組織を除去するように構成される排水システムを潜在的に詰まらせ得る。外科手術部位からの組織の水噴射除去を用いると、水噴射からの水は、除去されるべき付加的流体を追加し得る。また、流体を外科手術部位に提供し、プローブから組織を離間することも役立ち得る。また、癌細胞が、播種として公知のプロセスにより遠隔組織まで潜在的に広がり得、例えば、腫瘍が外科的に除去されるときに、腫瘍からの癌細胞の潜在的広がりを低減させるための改良された方法および装置を有することが役立ち得る。
【0003】
上記を踏まえて、組織を治療し、外科手術部位から物質を除去するための改良された方法および装置を提供することが役立つであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、キャリア上で支持されるエネルギー源は、キャリアに対して回転し、エネルギー源から排出管腔の開口部に向かって流体流等のエネルギーを指向するように構成される。これは、血栓および組織等の開口部の近傍に集合し得る物質を除去することに役立ち得る。エネルギー送達プローブ上のエネルギー源は、レーザエネルギー源、水噴射、超音波エネルギー源、または無線周波数(RF)エネルギー源等の電気エネルギー源のうちの1つ以上のものを備えてもよく、排出管腔に向かってエネルギー源を指向することは、排出管腔からの物質の除去を促進することができる。いくつかの実施形態では、排出管腔に向かって流体流を指向することは、外科手術部位から排出管腔に向かって流動性物質を引き寄せ、外科手術部位からの物質の除去を改良することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、外科用プローブは、キャリアと、水噴射等のエネルギー送達プローブ上のエネルギー源とを備える。エネルギー送達プローブ上のエネルギー源は、レーザエネルギー源、水噴射、超音波エネルギー源、または無線周波数(RF)エネルギー源等の電気エネルギー源のうちの1つ以上のものを備えてもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーを送達するための構造が、エネルギー送達プローブ上に位置し、構造は、ノズル、開口、光ファイバ、または電極のうちの1つ以上のものを備えてもよい。キャリアは、エネルギー送達プローブの遠位端とキャリアとの間の距離が、実質的に固定されたままであるように、エネルギー送達プローブおよびエネルギーを送達するための構造を平行移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブは、エネルギー送達構造の角度を回転させるように、キャリア上で回転するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブは、水噴射プローブを備え、エネルギー送達構造は、ノズルを備える。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブの端部とキャリアプローブとの間の実質的に固定された距離は、エネルギー送達プローブからのエネルギー送達の正確度を改良することができる。いくつかの実施形態では、実質的に固定された距離は、エネルギー送達プローブ上の水噴射からの横方向力に関連するエネルギー送達プローブの偏向を減少させる。いくつかの実施形態では、レンズを備える内視鏡カメラが、キャリア上に位置し、キャリアおよびエネルギー送達プローブとともに平行移動する。いくつかの実施形態では、キャリアおよび内視鏡カメラの角度配向は、エネルギー送達プローブがノズル等のエネルギー送達構造を回転させている間に実質的に固定されたままである。
(参照による組み込み)
【0006】
本明細書で参照および識別される全ての特許、出願、および出版物は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれ、本願の他の場所で参照されたとしても、参照することによって完全に組み込まれると見なされるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の特徴、利点、および原理のさらなる理解が、例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明および付随する図面を参照することによって取得されるであろう。
【0008】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、複数の管腔と、プローブに沿って摺動するように構成されるキャリアとを備え、キャリアが排出管腔への開口部の近位の第1の場所にある、外科用プローブを示す。
【0009】
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による、
図1Aのように、複数の管腔と、プローブに沿って摺動するように構成されるキャリアとを備え、キャリアが排出管腔の近傍の第2の位置にある、外科用プローブを示す。
【0010】
【
図2】
図2は、分割線A-Aに沿って得られた
図1Bのような外科用プローブの断面を示す。
【0011】
【
図3】
図3は、キャリアの水噴射が外科用シースの排出管腔に近接して設置され、排出管腔に向かって指向されている、
図1Bのような外科用プローブを示す。
【0012】
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による、プローブを安定させる、および/または治療部位の遠位および近位で流体流動を阻止するための拡張可能な支持体を有する、外科用プローブを示す。
【0013】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、患者を治療するための装置を示す。
【0014】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、電極を備える、外科的治療プローブを示す。
【0015】
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、間隙が、無傷の組織が開口部に進入することを阻止するように寸法決めされる、間隙を提供するように寸法決めされる排出管腔への開口部を伴うプローブを示す。
【0016】
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による、スクープを備える、プローブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明は、本明細書に開示される実施形態による、本開示に説明される本発明の特徴および利点のさらなる理解を提供する。詳細な説明は、多くの具体的実施形態を含むが、これらは、一例のみとして提供され、本明細書に開示される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態は、具体的には前立腺の治療を対象とするが、本開示のある側面はまた、脳、心臓、肺、腸、眼、皮膚、腎臓、肝臓、膵臓、胃、子宮、卵巣、睾丸、膀胱、耳、鼻、口、骨髄、脂肪組織、筋肉、腺および粘膜組織、脊髄および神経組織、軟骨等の軟組織、歯、骨等の硬質生物組織、および洞、尿管、結腸、食道、肺通路、血管、および喉等の身体管腔および通路等の他の器官を治療および修正するために使用されてもよい。本明細書に開示されるデバイスは、既存の身体管腔を通して挿入される、または身体組織に生成される開口部を通して挿入されてもよい。
【0019】
本開示の方法および装置は、以下、すなわち、2011年2月4日に出願され、「MULTI FLUID TISSUE RESECTION METHODS AND DEVICES」と題された、第PCT/US2011/023781号、2013年2月28日に出願され、「AUTOMATED IMAGE-GUIDED TISSUE RESECTION AND TREATMENT」と題された、第PCT/US2013/028441号、2014年4月2日に出願され、「WATER ENUCLEATION OF THE PROSTATE」と題された、第PCT/US2014/032879号、2018年9月5日に出願され、「AUTOMATED IMAGE-GUIDED TISSUE RESECTION AND TREATMENT」と題された、第PCT/US2014/054412号、2014年6月24日に出願され、「TISSUE SAMPLING AND CANCER TREATMENT METHODS AND APPARATUS」と題された、第PCT/US2015/037521号、2015年9月4日に出願され、「GENE ANALYSIS AND GENERATION OF STEM CELL METHODS AND APPARATUS」と題された、第PCT/US2015/048687号、2015年6月30日に出願され、「FLUID JET TISSUE RESECTION AND COLD COAGULATION (AQUABLATION) METHODS AND APPARATUS」と題された、第PCT/US2015/038605号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような以前の外科用プローブと組み込むために非常に適している。
【0020】
図1Aは、複数の管腔と、プローブ100に沿って摺動するように構成されるキャリア120とを備え、キャリア120が排出管腔110への開口部112の近位の第1の場所にある、外科用プローブ100を示す。
図1Bは、
図1Aのように、複数の管腔と、プローブ100に沿って摺動するように構成されるキャリア120とを備え、キャリア120が排出管腔110への開口部112の近傍の第2の位置にある、外科用プローブ100を示す。
図2は、
図1Aおよび1Bのような外科用プローブの断面を示す。
【0021】
プローブ100は、本明細書に説明されるように、患者の外科手術部位における組織を切除するための装置500のコンポーネントを備えてもよい。患者の外科手術部位は、患者の尿道等の患者の自然発生管腔の外科手術部位または外科的に生成された部位を備えてもよい。
【0022】
装置500は、患者の中への挿入のために構成される外科用プローブ100と、流体流154を放つように構成されるノズル152を有する、エネルギー送達プローブ150を備える、伸長キャリア120とを備えてもよい。エネルギー送達プローブ150は、水噴射エネルギー、機械エネルギー、レーザエネルギー、電気エネルギー、または超音波エネルギーのうちの1つ以上のもの等の本明細書に説明されるような任意の好適なタイプのエネルギーを送達するように構成されることができる。ノズル152が参照されるが、ノズル152は、いくつかの実施形態による、例示的エネルギー送達構造を備える。本開示との関連で、ノズル152の言及は、例えば、ノズル、開口、レンズ、光ファイバ、電極、または超音波アレイのうちの1つ以上のものを備え得る、任意の好適なエネルギー送達構造を指すと理解されるものとする。ノズル152等のエネルギー送達構造から放出される流体流154が参照されるが、流体流154の言及は、水噴射エネルギー、機械エネルギー、レーザエネルギー、電気エネルギー、または超音波エネルギーのうちの1つ以上のもの等の組織を治療するための任意の好適なタイプのエネルギーを指すと理解されるものとする。
【0023】
外科用プローブ100は、キャリア120上のチャネル124を含む、複数のチャネルと、排出管腔110とを備えてもよい。例えば、外科用プローブ100は、キャリアを受容するようにサイズ決めされるチャネルと、外科手術部位から物質を除去するための排出管腔110とを備えてもよい。排出管腔110は、組織を除去するようにサイズ決めおよび成形される、開口部112まで延在してもよい。キャリア120は、排出管腔に向かって切除された組織等の物質を引き寄せるために、排出管腔の開口部112に向かってエネルギー送達プローブ150のエネルギー送達構造(例えば、ノズル152)を回転させ、排出管腔の開口部に向かって流体流154等のエネルギーを指向するように構成されることができる。代替として、または組み合わせて、エネルギー送達プローブ150は、回転移動158によりエネルギー送達構造(例えば、ノズル152)を回転させ、内視鏡カメラ130および照明源132が搭載されるキャリア120から独立して、平行移動156によりエネルギー送達構造を平行移動させることができる。ノズル110はまた、例えば、本明細書に説明されるように排出管腔に向かってノズルを配向することによって、ノズルの近傍に蓄積し得る凝血塊および切除された組織片等の物質の除去を妨げ得る、物質を除去することにも役立ち得る。
【0024】
エネルギー送達プローブ150は、噴射プローブが液体噴射を液体媒質の中に放出するときに、プローブの偏向を限定するための十分な剛性を備えてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、キャリア120は、エネルギー送達プローブ150、および内視鏡のレンズ等の内視鏡のコンポーネントを支持する。いくつかの実施形態では、内視鏡は、レンズと、キャリア120の遠位端の近傍でキャリア120上に位置するカメラセンサ130とを備える、内視鏡カメラを備える。キャリア120の遠位端の近傍のカメラセンサが参照されるが、剛直性膀胱鏡または可撓性膀胱鏡等の任意の好適な内視鏡が、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、噴射プローブは、ノズル152を備える。キャリアは、キャリアが噴射プローブおよびカメラを平行移動させるときに、ノズルとカメラとの間の距離が実質的に固定されたままであるように、噴射プローブおよびカメラをともに平行移動させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、噴射プローブは、標的組織に向かった角度においてノズルを指向するために、キャリアに関連して回転するように構成される。いくつかの実施形態では、キャリアは、噴射プローブの偏向に抵抗するための剛性を備え、噴射プローブの端部とキャリアの端部との間の距離は、実質的に固定されたままである。本アプローチは、横力を発生させるようにプローブから横方向に放たれる噴射に関連し得る、噴射プローブの鞭打ちのような運動を減少させ得る。いくつかの実施形態では、噴射プローブの遠位端は、ある距離だけキャリアの遠位端を越えて突出し、該ある距離は、キャリアが平行移動し、噴射プローブが回転するときに、実質的に固定されたままである。
【0026】
いくつかの実施形態では、外科用プローブ100は、伸長シャフト105を備え、伸長シャフト105は、排出管腔110および開口部112を画定する。伸長シャフトは、エネルギー送達プローブ150の遠位端を受容するようにサイズ決めおよび成形される陥凹114を伴う端部分を備えてもよい。エネルギー送達プローブ150が、陥凹114をエネルギー送達プローブ150の遠位端と接触させるように前進されたとき、陥凹114は、水噴射関連力等のプローブ150から放出されるエネルギーに関連する横方向力を受け得る、エネルギー送達プローブ150を安定させることに役立ち得る。
【0027】
伸長シャフト105は、多くの方法でサイズ決めおよび成形されることができる。いくつかの実施形態では、伸長シャフト105は、キャリア120およびエネルギー送達プローブ150を受容するようにサイズ決めおよび成形される、シースを備える。代替として、または組み合わせて、シースは、伸長シャフト105、キャリア120、およびプローブ150を受容するようにサイズ決めされることができる。シースは、尿道等の管腔内に嵌合し、例えば、伸長シャフト105、キャリア120、およびプローブ150を受容するようにサイズ決めされることができる。シースは、遠位窓または開口部を備えてもよい。エネルギー送達プローブ150およびキャリアは、エネルギー送達プローブ150が、窓または開口部まで延在し、窓または他の開口部を通してエネルギーを送達するように、サイズ決めされることができる。
【0028】
伸長シャフト105は、所望の移動をキャリア120およびエネルギー送達プローブ150に提供するように、キャリア120と配列されることができる。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブ150およびセンサ130を備える内視鏡カメラは、キャリア120上に担持され、平行移動156によりキャリア120とともに平行移動する。本構成を用いると、内視鏡および対応するカメラは、エネルギー送達構造(例えば、ノズル152)とともに前進および後退する。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブ150は、エネルギー送達構造および内視鏡カメラセンサが、伸長シャフト105に関連してキャリア120上でともに平行移動することを可能にしながら、エネルギー送達構造(例えば、ノズル152)を回転させるように、キャリア150から独立して回転するように構成される。
【0029】
キャリア120上のエネルギー送達プローブ150は、多くの方法で構成されることができ、例えば、光エネルギーまたは無線周波数エネルギー等、流体流と組み合わされる付加的エネルギー源を備えてもよい。代替として、ノズル152以外のエネルギー源が、本明細書に説明されるようなエネルギー源の移動を提供するように、エネルギー送達プローブ150上に位置することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、キャリア120は、噴射を含む高圧流体流154を放つように構成されるノズルを有する、エネルギー送達プローブ150を備える。排出管腔110への開口部112は、噴射よりも大きくサイズ決めされる断面積を備えてもよい。いくつかの実施形態では、噴射は、可視キャビテーションを含み、開口部は、排出管腔の開口部に進入する可視キャビテーションの断面サイズよりも大きくサイズ決めされる。
【0031】
外科用プローブ100は、ノズルの近傍に液体を放出し、源からの液体にノズルを浸漬するように、流体源に結合されることができる。いくつかの実施形態では、キャリア120は、開口部122まで延在し、ノズルの近傍に液体を放出する、潅注チャネル124を備える。キャビテーションは、源からの流体およびノズル152の相互作用を用いて発生されるキャビテーションを含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ノズル152は、組織を壊死させるための毒性または化学作用物質のうちの1つ以上のものを含む、流体流を放出するように構成され、流体は、液体を含み、ノズルは、液体の壊死性作用物質と組み合わせて組織をアブレートするための高圧ノズルを備える。
【0033】
吸引管腔から離れ、治療部位に向かって指し示すノズルを図示する、
図1Aおよび1Bを再び参照する。ノズルは、人間のオペレータ、および人工知能オペレータ、ロボットオペレータ、オペレータの組み合わせ、またはある他のタイプの好適なオペレータであり得る、オペレータによって位置付けられ、配向されることができる。ノズルは、精密な位置付けのためにその縦軸に沿って平行移動されることができ、ノズルを備えるキャリアは、標的組織への高度な照準正確度で回転されることができる。ノズルは、流体噴射が標的組織をアブレートするようにノズルから発射されている間に、掃引、平行移動、回転、発振、または別様に移動されてもよい。
【0034】
図2を再び参照すると、複数のチャネルが、外科用プローブ100に形成されてもよい。1つ以上のチャネルが、照明源132を用いてプローブ100を通して照明を提供するために使用されてもよい。1つ以上のチャネルが、例えば、画像センサ130を用いた、撮像のために使用されてもよい。1つ以上のチャネルが、方向エネルギーをエネルギー送達構造(例えば、ノズル152)に提供する、キャリア120のために使用されてもよい。複数のチャネルは、排出管腔110を備えてもよい。排出管腔110は、流体および組織の排出のための吸引管腔を備えてもよい。
【0035】
外科用プローブ100は、加えて、治療部位、周辺組織、および治療部位まで、かつそれを越えて至る経路を照明するための発光ダイオード等の1つ以上の照明源を備えてもよい。照明源は、治療部位と関連付けられる視覚情報を捕捉する画像センサ130の能力を向上させるために使用されてもよい。
【0036】
図3は、キャリア120上に位置するノズル152からの噴射を備える流体流154が、外科用シースの排出管腔110に近接して設置され、排出管腔に向かって指向されている、
図1Bのような外科用プローブを示す。
【0037】
流体流154の噴射は、排出管腔110に向かって配向されるときに、外科手術部位から排出管腔110の開口部112に向かって流体および物質を引き寄せるように構成されることができる。ノズル152の本配向は、外科手術部位からの物質の除去を改良することができ、排出管腔110からの吸引力と組み合わせて作用してもよい。いくつかの実施形態では、噴射は、ベンチュリ効果を通して圧力勾配を発生させ、より高圧の外科手術部位からより低圧の排出管腔に向かって物質を引き寄せる。ノズル152が参照されるが、本明細書に説明されるような他のエネルギー送達構造も、例えば、ノズル152の代わりに、またはノズル152と組み合わせて、ノズル152と同様に使用されることができる。
【0038】
プローブは、排出管腔110の一部118を画定し、ノズルを通して受容される流体流を妨害または方向転換するように構成される停止部として作用する、外層を備えてもよい。いくつかの実施形態では、一部118は、排出管腔の曲線入口116に沿って位置する。伸長シャフト105は、シャフト105の一部を伴う一部118を画定するように、一部118まで延在してもよい。一部118は、流体流を方向転換し、流体流からの力を再指向し、組織を保護するように構成される。いくつかの実施形態では、曲線入口116は、排出を増加させるように、近位のノズルから軸方向管腔110の近位端に向かって流体流を方向転換するように構成される。
【0039】
図3に示されるように、エネルギー送達構造(例えば、ノズル152)は、吸引管腔に向かって指し示すように配向されることができる。本配向では、ノズル152は、吸引管腔110の中に流体噴射を直接発射し、それによって、残骸および過剰な流体を吸引管腔の中に引き込むことができる。さらに、流体噴射を備える、流体流154は、吸引管腔を塞ぐ任意の妨害物を一掃することが可能であり得る。噴射は、流体噴射が排出を支援するようにノズルから排出管腔に向かって発射されている間に、掃引、平行移動、回転、発振、または別様に移動されてもよい。噴射の本掃引は、排出管腔に沿って流体流動のレートを増加させ得る。流体噴射を備える、エネルギー流が参照されるが、本明細書に説明されるような他のエネルギー源も、吸引管腔内の妨害物および障害物を一掃するために使用されることができる。
【0040】
吸引管腔110は、曲線または角度付き入口116を有すること等によって、ノズルから吸引管腔を辿って流体を再指向するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ノズル152は、吸引管腔110の縦軸を略横断する(例えば、直交する)噴射流を提供してもよく、吸引管腔は、噴射流からの運動エネルギーの全てを妨害することなく、吸引管腔110の縦軸に向かって直交噴射流を再指向するように構成されてもよい。排出レートは、噴射速度、排出管直径、排出管入口開口、およびノズルと排出管入口との間の距離による影響を受け得、ノズルは、排出管入口開口に関連して向けられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、排出管腔の中に放出される噴射は、ノズルの流率を上回るように排出の流率を増加させることができる。排出管腔に向かってノズルを指向することによって、噴射は、流体流動を、例えば、少なくとも2倍増加させることができる。いくつかの実施形態では、排出のレートは、ノズルの流率の少なくとも5倍、例えば、少なくとも10倍である。排出ノズル内の液体の中への液体噴射の分散は、ノズルの流率を上回る増加した流率をもたらし得る。いくつかの実施形態では、走査160とともに噴射を移動させることは、排出管腔の流率を増加させる。噴射を備える流体流154等のエネルギーの走査パターンは、線走査、ラスタ走査、円形走査、または渦巻状走査のうちの1つ以上のもの等の任意の好適な走査パターンを備えてもよい。いくつかの実施形態では、流体流154の走査は、排出のレートを増加させるように、流体流に暴露される排出管腔の断面積を増加させる。走査は、エネルギー送達プローブ150上のノズル152の平行移動156または回転移動158のうちの1つ以上のものを用いて実装されることができる。
【0042】
図4は、2つの拡張可能な支持体170、172が外科手術部位を単離するように構成される、外科用プローブ100を示す。いくつかの実施形態では、閉塞バルーン等の1つ以上の拡張可能な支持体170が、外科用プローブ100によって担持され、治療管腔内の装置を安定させる、自由な流体流動を阻止する、および/または治療チャンバを提供するように、選択的に拡張されることができる。例えば、1つ以上の閉塞バルーン等の1つ以上の拡張可能な支持体170は、流体流動を阻止するように治療部位の遠位で膨張されることができる。代替として、または組み合わせて、第2の閉塞バルーン等の第2の拡張可能な支持体172が、治療部位の近位で膨張されてもよい。バルーンは、したがって、管腔内で装置を安定させ、ノズル152等のエネルギー源の精密な位置付けを可能にするために使用されることができる。加えて、拡張可能な支持体はまた、ノズルからの作業流体が、大部分は流体および組織の排出を補助するように含有される、治療チャンバを形成することもできる。例えば、第1の拡張可能な支持体170が、治療部位の遠位に設置および拡張されることができ、第2の拡張可能な支持体172が、治療部位の近位に設置および拡張されることができ、ノズル152および排出管腔110への開口部112は、治療部位の近傍に、かつ2つの拡張可能な支持体、例えば、バルーンの間に位置する。1つ以上の潅注チャネル124に結合される開口部122は、第1の拡張可能な支持体170と第2の拡張可能な支持体172との間に位置することができる。このように、治療で使用される流体および切除された組織が、大部分は含有され、排出されてもよい。
【0043】
外科用プローブ100は、管腔内に設置されることができ、拡張可能な支持体170、172は、管腔の壁に係合し、外科手術部位から離れる流体流動を減少させるように構成されることができる。プローブ100は、ノズルの遠位にある場所において患者の管腔内で拡張し、管腔に沿った支持体の遠位にある流体流から流体流動を阻止するように構成される、第1の拡張可能な支持体170と、第2の支持体の近位にある流体流から流体流動を阻止するように構成される、ノズルの近位にある第2の拡張可能な支持体172とを備えてもよい。拡張可能な支持体は、多くの方法で構成されることができるが、いくつかの実施形態では、第1の拡張可能な支持体は、第1のバルーンを備え、第2の拡張可能な支持体は、第2のバルーンを備える。代替として、または組み合わせて、拡張可能な支持体は、支持体が拡張構成を備えるときに、管腔内の流体の流動を減少させるためのステント、クリップ、形状記憶材料、膜、または他の構造等の構造を備えてもよい。
【0044】
キャリア120は、随意に、拡張可能な支持体が管腔の壁に係合する状態で、プローブ100に対して回転、平行移動、および/または発振するように構成されることができる。例えば、モータが、エネルギー送達構造(例えば、ノズル152)を発振させ、より効率的な組織アブレーションを助長するように、エネルギー送達プローブ150および/またはキャリア120に動作可能に結合されることができる。より具体的には、モータ等の1つ以上のアクチュエータが、平行移動156により、それらの縦軸に沿った方向にキャリア120およびエネルギー送達プローブ150を移動させるように、キャリアに結合されたリンケージに結合されることができる。リンケージは、回転移動158により、その縦軸を中心としてエネルギー送達プローブ150を回転させ、ノズルを配向し、より効率的に組織をアブレートまたは排出するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、モータが、治療計画に従ってキャリアを平行移動および回転させるために使用される。
【0045】
図5は、患者を治療するための装置500を示す。いくつかの実施形態では、装置500は、コンソール510と、ハンドピース520と、アーム530とを備える。
【0046】
コンソール500は、外科用プローブに接続し、本明細書に説明されるような外科用プローブを動作させるためのプロセッサ、回路、または制御のうちの1つ以上のものを備える。コンソール500は、ユーザ入力を受信するため、かつプローブからの画像を表示するためのタッチスクリーンディスプレイ等のディスプレイ502を備える。コンソール500は、コンソールのコンポーネントを制御するために、コンソールのコンポーネントに動作可能に結合されるプロセッサ504を備える。コンソール500は、排出ポンプまたは潅注ポンプのうちの1つ以上のもの等の外科手術部位における流体を制御するための1つ以上のポンプを備えてもよい。いくつかの実施形態では、コンソール500は、排出管腔を用いて外科手術部位から物質を排出するように構成される、排出ポンプ511を備える。いくつかの実施形態では、排出ポンプ511は、管腔110からの排出レートを制御するための計量ポンプを備える。いくつかの実施形態では、計量ポンプは、規定時間内にある体積の液体を移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、排出ポンプは、蠕動ポンプを備える。
【0047】
いくつかの実施形態では、潅注源513は、本明細書に説明されるような潅注管腔および開口部に結合するように構成される。いくつかの実施形態では、潅注源は、加圧流体流動を提供するように外科用プローブ100の上方の好適な高さに設置される、生理食塩水のバッグまたは他の好適なリザーバを備える。代替として、または組み合わせて、ポンプが、生理食塩水等の潅注流体を外科手術部位に圧送するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、外科手術部位の中への潅注レートを制御するための潅注ポンプである。潅注ポンプは、規定時間内にある体積の液体を移動させるための計量ポンプを備えてもよい。いくつかの実施形態では、潅注ポンプは、蠕動ポンプを備える。
【0048】
いくつかの実施形態では、コンソールは、排出ポンプと潅注ポンプとの間の流体圧力を測定するための圧力センサに結合される、回路を備える。圧力センサは、排出管腔への開口部の近傍、または1つ以上の潅注開口部へのチャネルに沿って等、任意の好適な場所に位置することができる。いくつかの実施形態では、流体センサは、水噴射ノズルから上流にある場所において、キャリア、外科用プローブ、またはエネルギー送達プローブのうちの1つ以上のものの上に位置する。
【0049】
コンソール500は、水噴射のために高圧流体を発生させるためのポンプ等のエネルギー源512を備えてもよいが、異なるエネルギー源が、本明細書に説明されるように使用されることができる。照明強度制御等の照明源514は、外科用プローブ上の照明源に結合し、外科手術部位における照明の強度を調節するように構成される。画像センサ制御515は、プローブ上の画像センサを制御するように、かつディスプレイ502上に画像センサからの画像を表示するように構成されることができる。独立回転モジュール516は、キャリアおよびエネルギー送達プローブ150の平行移動から独立して、キャリアの内側のエネルギー送達プローブ150の回転を制御するように構成される。独立平行移動モジュール517は、エネルギー送達プローブ150の回転から独立して、キャリア120、エネルギー送達プローブ150、およびカメラセンサ130の平行移動156を制御するように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態では、コンソール510は、例えば、高圧管類および電気制御ラインを備え得る、複数のライン518を伴う外科用プローブ100を備える、ハンドピース520に接続される。いくつかの実施形態では、ハンドピース520は、結合部540を用いてアーム530に結合される。アーム530は、外科手術の間にハンドピースを支持するために好適なロボットアームまたは他のアームを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドピースは、アームから分断し、外科医等のユーザが、ユーザの手で把持されたときにハンドピースを移動させることを可能にするように構成される。
【0051】
ハンドピース520は、外科用プローブ100のいくつかのコンポーネントを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドピースは、排出管腔110と、キャリア120と、内視鏡130と、エネルギー送達プローブ150とを備える。いくつかの実施形態では、ハンドピースは、プロセッサに結合され、キャリア120、エネルギー送達プローブ150、および内視鏡130を平行移動させるように構成される、平行移動リンケージ524を備える。潅注管腔124および潅注開口部122は、エネルギー送達プローブ150および内視鏡130とともに平行移動するように、キャリアとともに平行移動することができる。回転リンケージ522が、プロセッサに結合され、エネルギー送達プローブ150を回転させるように構成される。いくつかの実施形態では、回転リンケージ522は、キャリア120および内視鏡カメラセンサ130を回転させることなく、エネルギー送達プローブ150を回転させるように構成される。
【0052】
外科用装置500は、キャリア120と、排出管腔110と、排出管腔110への開口部112と、エネルギー送達プローブ150とを備える、外科用プローブ100に結合される、アーム530を備えてもよい。外科用プローブ100は、アーム530から分断し、外科医が外科用プローブの近位端を把持し、ノズルが排出管腔への開口部に向かって配向されるときに、手の運動により患者内で外科用プローブ100を移動させることを可能にするように構成されることができる。アームから分断されるプローブは、例えば、開口部に対して噴射プローブを回転、平行移動、および発振させるための回路を備えてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、装置500は、キャリア120に結合されるプロセッサ504を備えてもよい。プロセッサは、治療計画に従ってキャリア120および/またはエネルギー送達プローブ150を移動させる命令を伴って構成されることができる。プロセッサは、排出管腔の開口部に向かってノズルを回転させる命令を伴って構成されることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ504は、治療計画に従って組織を切除するための噴射の複数回の走査を含み得る、治療計画に従って噴射を走査する命令を伴って構成される。治療計画は、複数回の走査を含んでもよく、プロセッサ504は、複数回の走査の合間に排出管腔の開口部に向かって噴射を指向し、管腔から残渣を一掃する命令を伴って構成される。
【0054】
治療計画はさらに、障害物を遊離させる、および/または物質が排出されることを助長するように、排出管腔110の開口部112に向かった噴射の1回以上の走査160を含んでもよい。いくつかの事例では、切除された物質は、開口部内または排出管腔内に詰まった状態になり得る。ノズルは、排出管腔の開口部に向かって指向されてもよく、ノズルは、切除された物質を遊離させる、または別様により小さい断片に分割し、排出を助長するように動作されてもよい。
【0055】
プローブ100および排出管腔110は、例えば、コンソール510を用いて、外科手術部位または患者内の他の部位における流体の量を管理するように、回路、ポンプ、およびセンサに結合されることができる。物質が治療部位から排出されるにつれて、外科手術部位における流体の量を管理することが役立ち得る。いくつかの実施形態では、流体排出は、排出されている流体の体積を増加または減少させること等によって、制御されてもよい。いくつかの実施形態では、付加的流体が、排出された流体の体積を補償するように、治療部位に提供されてもよい。例えば、蠕動ポンプ等のポンプが、治療部位における、または治療部位の近傍の面積内の流体レベルを計測するために使用されてもよい。流体注入および吸引の体積を制御することは、より良好な可視性を可能にすること、膨張を制御すること、改良された組織排出を提供すること、および作業流体除去を補助し得る。
【0056】
キャリア120を用いて支持されるエネルギー送達プローブ150上のエネルギー送達構造(例えば、ノズル152)は、回転リンケージ522および平行移動リンケージ524等のエネルギー送達構造を移動させるためのリンケージに結合されることができる。リンケージは、エネルギー送達構造を移動させ、開口部に対するエネルギー送達構造(例えば、ノズル152)の移動により、排出開口部に向かって流体流154等のエネルギーを提供する命令を伴って構成される、プロセッサ504に結合されることができる。いくつかの実施形態では、移動は、走査160等の開口部の面積の周囲のノズルの走査の面積に対応する。例えば、プローブは、排出管腔に向かった噴射を走査するように、リンケージとともに平行移動および回転して移動されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ、リンケージ、およびノズルは、管腔の開口部に向かって発振走査経路内で水噴射を掃引し、開口部に向かった流体流動を増加させるように構成される。発振走査経路は、例えば、開口部112の周辺に対応し得る。
【0057】
キャリア120およびエネルギー送達プローブ150は、多くの方法で構成されることができるが、いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブ150は、照明およびカメラが搭載されるキャリア120から独立して、少なくとも回転して移動するように構成される。これは、カメラおよび照明が外科手術部位に向かって指向されている間に、エネルギー送達プローブ150が、排出管腔110に向かって指向されることを可能にすることができる。これは、エネルギー送達プローブ150が増加した排出を提供している間に、ユーザがプローブを移動させ、外科用プローブ100を着目組織に指向することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブ150は、照明およびカメラが搭載されるキャリアに対して回転および平行移動して移動するように構成される。
【0058】
図6は、電極600を備える、外科的治療プローブ100を示す。電極600の少なくとも一部が、組織に接触する電極の可視化を可能にするように、画像センサ130の視野内に延在する。電極600は、例えば、RF電極または焼灼電極等の任意の好適な電極を備えてもよい。外科的治療プローブ100は、外科手術部位からの流体流動を助長するように、流体流154等のエネルギーを排出管腔の中に指向するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、流体流154は、排出管腔の中に指向される空洞形成水噴射を備える。
【0059】
装置500は、例えば、CMOS画像センサ等の内視鏡画像センサ130を備えてもよい。画像センサ130は、とりわけ、プローブ100、エネルギー送達プローブ150のうちの1つ以上のものを位置付けるため、エネルギー送達構造(例えば、ノズル152)を位置付けるため、キャリア120を位置付けるため、治療計画を決定するため、標的組織切除を視覚的にチェックするため、排出のため、または治療部位の清浄化の効率を可能にするために、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、画像センサ130は、カラー画像センサを備え、治療部位の近傍の活動性の出血が、視覚的に識別され、特定され、RF焼灼等によって焼灼されることができる。いくつかの実施形態では、出血部位は、内視鏡を用いて可視化され、焼灼され得る、プルーム612のように見える血液を放出する。いくつかの実施形態では、エネルギー送達構造(例えば、ノズル152)は、流体流154等のエネルギーがエネルギー送達構造から放出されている間に、排出管腔110の開口部112に向かって指向される。
【0060】
プローブの内視鏡は、多くの方法で構成されることができるが、いくつかの実施形態では、センサ130を備える内視鏡カメラが、外科手術部位を撮像するように可動キャリア120の遠位端の近傍に位置する。内視鏡カメラは、例えば、噴射プローブの遠位部分および噴射プローブのノズルから離間された外科手術部位を視認するように構成されることができる。
【0061】
装置500は、組織を焼灼するための電極600を備えてもよい。電極600は、例えば、噴射ノズルが管腔への開口部に向かって配向されるときに、組織を焼灼するように、キャリア120または噴射プローブ100上に位置することができる。いくつかの実施形態では、電極は、噴射プローブの遠位端の近傍に位置する焼灼電極を備え、キャリアは、内視鏡と、照明と、電極の帰路とを備える。代替として、または組み合わせて、管腔および開口部を画定する材料は、電極の帰路を備えてもよい。いくつかの実施形態では、キャリア120は、電極600を備え、電極は、キャリア120の遠位端の近傍に位置する。エネルギー送達プローブ150は、電極を備えてもよく、キャリア120は、例えば、エネルギー送達プローブ150上に電極のための帰路を備えてもよい。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブ150は、電極600を備え、排出管腔110を画定する材料は、例えば、エネルギー送達プローブ150上に電極600のための帰路を備える。いくつかの実施形態では、エネルギー送達プローブ150は、センサ130を備える内視鏡カメラから独立して回転し、内視鏡カメラは、エネルギー送達構造(例えば、ノズル152)が管腔の開口部112に向かって配向されるときに、キャリア120の外部に向かって配向されたままである。キャリア120上の内視鏡カメラは、エネルギー送達プローブ150上のノズルが排出管腔110への開口部112に向かって配向されたときに、出血血管からの血液、例えば、プルーム612を視認するように配向されたままであり得る。血管からの血液は、排出管腔110への開口部112に向かって引き寄せられるプルーム612のように見え得、ユーザは、出血源に向かって電極を指向し、プルームおよび出血組織に接触する電極を視覚化することができる。
【0062】
図7は、間隙700が、無傷の組織が開口部に進入することを阻止するように寸法決めされる、間隙700を提供するように寸法決めされる排出管腔110への開口部112を伴うプローブ100を示す。プローブ100は、ノズルから治療されるべき組織に向かって流体流を放出するためにキャリアを露出するように、キャリアが位置する排出管腔110のチャネルに沿って開口部112を備えてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルおよび開口部は、キャリアとプローブとの間に間隙700を提供するように寸法決めされ、間隙は、無傷の組織がエネルギー送達構造(例えば、ノズル152)と排出管腔112の開口部との間の空間に進入することを阻止するように寸法決めされる。間隙は、無傷の組織が開口部に進入することを阻止するように、例えば、約0.25mm~約5mmの範囲内で適切にサイズ決めされることができる。病理組織等の一部の組織が、開口部の中に引き込まれ、例えば、噴射を用いて、切除されることができる。
【0063】
図8は、スクープ800を備える、プローブ100を示す。いくつかの実施形態では、スクープ800は、スクープが排出管腔よりも大きくサイズ決めされる断面積を備え、スクープが排出源に結合される、プローブ100に結合される。スクープは、噴射が移動している間に、噴射とともに回転する、または定常状態のままであるように構成されることができる。
【0064】
本開示は、以下の付番された付記を含む。
【0065】
(付記1)
患者の外科手術部位における組織を治療するための装置であって、該装置は、流体流を放つように構成されるノズルを備える伸長キャリアと、患者の中への挿入のために構成されるプローブであって、プローブは、外科手術部位から物質を除去するための排出管腔を備え、排出管腔は、開口部まで延在する、プローブとを備え、キャリアは、開口部に向かってノズルを回転させ、排出管腔の開口部に向かって流体流を指向するように構成される、装置。
【0066】
(付記2)
排出管腔を通した物質の排出レートは、ノズルを通した液体の流率の少なくとも2倍である、付記1に記載の装置。
【0067】
(付記3)
キャリアは、排出管腔への開口部から離れるようにノズルを回転させ、組織を切除するように構成される、付記1に記載の装置。
【0068】
(付記4)
キャリアは、エネルギー送達プローブおよびセンサアレイを備える内視鏡カメラを支持し、エネルギー送達プローブは、ノズルを備える、付記3に記載の装置。
【0069】
(付記5)
キャリアは、エネルギー送達プローブおよびカメラをともに平行移動させるように構成され、随意に、ノズルとカメラとの間の距離は、キャリアがエネルギー送達プローブおよびカメラを平行移動させるときに実質的に固定されたままである、付記4に記載の装置。
【0070】
(付記6)
エネルギー送達プローブは、標的組織に向かった角度においてノズルを指向するために、キャリアに関連して回転するように構成される、付記5に記載の装置。
【0071】
(付記7)
キャリアは、エネルギー送達プローブの偏向に抵抗するための剛性を備え、エネルギー送達プローブの端部とキャリアの端部との間の距離は、実質的に固定されたままである、付記6に記載の装置。
【0072】
(付記8)
エネルギー送達プローブの遠位端は、ある距離だけキャリアの遠位端を越えて突出し、該ある距離は、キャリアが平行移動し、エネルギー送達プローブが回転するときに、実質的に固定されたままである、付記7に記載の装置。
【0073】
(付記9)
キャリアは、1つ以上の開口部まで延在する、1つ以上の潅注チャネルを備え、随意に、1つ以上の開口部は、カメラの近位に位置する、付記8に記載の装置。
【0074】
(付記10)
流体流は、噴射を備え、開口部は、噴射よりも大きくサイズ決めされる断面積を備え、随意に、噴射は、可視キャビテーションを含み、開口部は、開口部に進入する噴射のキャビテーションの断面サイズよりも大きくサイズ決めされる、付記1に記載の装置。
【0075】
(付記11)
プローブは、ノズルの近傍に液体を放出し、液体にノズルを浸漬するように、流体源に結合され、キャビテーションは、流体およびノズルの相互作用を用いて発生されるキャビテーションを含む、付記10に記載の装置。
【0076】
(付記12)
噴射は、排出管腔に向かって配向されるときに、外科手術部位から排出管腔の開口部に向かって流体および物質を引き寄せるように構成され、随意に、噴射は、ベンチュリ効果を発生させ、外科手術部位から排出管腔に向かって物質を引き寄せる、付記10に記載の装置。
【0077】
(付記13)
プローブの排出管腔は、ノズルから受容される流体流を排出管腔の伸長軸に向かって方向転換するように構成されるダイバータを備える、付記1に記載の装置。
【0078】
(付記14)
プローブは、ノズルから組織に向かって流体流を放出するように構成され、排出管腔への開口部は、キャリアとプローブとの間に間隙を提供するように寸法決めされ、随意に、間隙は、無傷の組織がノズルと排出管腔の開口部との間の空間に進入することを阻止するように寸法決めされる、付記1に記載の装置。
【0079】
(付記15)
プローブに結合され、ノズルの遠位にある場所において患者の管腔内で拡張し、管腔に沿った支持体の遠位にある流体流から流体流動を阻止するように構成される第1の拡張可能な支持体と、第2の支持体の近位にある流れから流体流動を阻止するように構成されるノズルの近位にある第2の拡張可能な支持体とをさらに備え、随意に、第1の拡張可能な支持体は、第1のバルーンを備え、第2の拡張可能な支持体は、第2のバルーンを備える、付記1に記載の装置。
【0080】
(付記16)
排出管腔の開口部に向かってノズルを回転させるようにキャリアに結合されるプロセッサをさらに備え、随意に、プロセッサは、噴射の複数回の走査を含む治療計画に従って噴射を走査するように構成され、プロセッサは、命令を伴って、複数回の走査の合間に排出管腔の開口部に向かって噴射を指向するように構成される、付記1に記載の装置。
【0081】
(付記17)
プローブに結合されるスクープをさらに備え、スクープは、排出管腔よりも大きくサイズ決めされる断面積を備える、付記1に記載の装置。
【0082】
(付記18)
ノズルは、組織を壊死させるための毒性または化学作用物質のうちの1つ以上のものを含む流体を放出するように構成され、随意に、流体は、液体を含み、ノズルは、液体の壊死性作用物質と組み合わせて組織をアブレートするための高圧ノズルを備える、付記1に記載の装置。
【0083】
(付記19)
組織を壊死させるための毒性または化学作用物質のうちの1つ以上のものを含む流体を放出するように構成される潅注チャネルをさらに備え、随意に、流体は、液体を含み、随意に、潅注チャネルは、その内側でエネルギー送達プローブが回転、平行移動、または発振するキャリア内のチャネルを備え、随意に、チャネルは、その内側でキャリアが回転、平行移動、または発振するチャネルを備え、随意に、エネルギー送達プローブは、平行移動運動によりキャリア内で移動するように構成され、随意に、キャリアは、平行移動運動により外科的プローブのチャネル内で移動するように構成される、付記1に記載の装置。
【0084】
(付記20)
潅注チャネルは、組織を壊死させるための毒性または化学作用物質のうちの1つ以上のものを含む流体を放出するように構成され、随意に、流体は、液体を含む、付記1に記載の装置。
【0085】
(付記21)
キャリアは、キャリアから独立して回転するように構成されるエネルギー送達プローブを備える、付記1に記載の装置。
【0086】
(付記22)
ノズルは、キャリアを用いて支持され、ノズルを移動させるようにリンケージに結合されるエネルギー送達プローブ上に位置し、リンケージは、プロセッサに結合され、プロセッサは、ノズルを移動させ、開口部に対するノズルの移動により開口部に向かって流体流を提供する命令を伴って構成され、随意に、移動は、開口部の面積の周囲のノズルの走査の面積に対応し、随意に、ノズルは、管腔の開口部に向かって発振走査経路内で水噴射を掃引し、開口部に向かった流体流動を増加させるように構成され、随意に、発振走査経路は、開口部の周辺に対応する、付記1に記載の装置。
【0087】
(付記23)
管腔からの排出レートを制御するための排出ポンプをさらに備え、随意に、ポンプは、規定時間内にある体積の液体を移動させるための計量ポンプを備える、付記1に記載の装置。
【0088】
(付記24)
排出ポンプは、蠕動ポンプを備える、付記23に記載の装置。
【0089】
(付記25)
外科手術部位の中への潅注レートを制御するための潅注ポンプをさらに備え、随意に、潅注ポンプは、規定時間内にある体積の液体を移動させるための計量ポンプを備える、付記23に記載の装置。
【0090】
(付記26)
潅注ポンプは、蠕動ポンプを備える、付記25に記載の装置。
【0091】
(付記27)
排出ポンプと潅注ポンプとの間の流体圧力を測定するための圧力センサをさらに備える、付記25に記載の装置。
【0092】
(付記28)
外科手術空間から排出されている流体のレートと比較した比において外科手術空間の中への流体流動のレートを制御するための計量ポンプをさらに備え、随意に、空間の中への流体流動のレートは、空間からの排出レートを上回り、随意に、空間の中への流体流動のレートは、空間からの排出レート未満である、付記1に記載の装置。
【0093】
(付記29)
排出されているレートと比較した比において外科手術空間の中への流体流動を制御するための計量ポンプをさらに備え、その比は、排出レートを上回るかまたは排出レート未満である、付記1に記載の装置。
【0094】
(付記30)
プローブに結合されるアームをさらに備え、プローブは、アームから分断し、外科医がプローブの近位端を把持し、ノズルが開口部に向かって配向されるときに、手の運動により患者内でプローブを移動させることを可能にするように構成され、随意に、アームから分断されるプローブは、開口部に対してキャリアを回転、平行移動、および発振させるための回路を備える、付記1に記載の装置。
【0095】
(付記31)
プローブの遠位端の近傍に位置する焼灼電極をさらに備え、随意に、キャリアは、電極を備え、電極は、キャリアの遠位端の近傍に位置し、随意に、プローブは、電極のための帰路を備え、随意に、電極は、キャリアのノズルが管腔への開口部に向かって配向されるときに、組織を焼灼するようにキャリア上に設置され、随意に、キャリアは、内視鏡カメラから独立して回転し、随意に、内視鏡カメラは、ノズルが管腔の開口部に向かって配向されるときに、プローブの外部に向かって配向されたままであり、内視鏡カメラは、開口部に向かって引き寄せられるプルームとして出血血管からの血液を視認するように構成される、付記1に記載の装置。
【0096】
(付記32)
患者の外科手術部位における組織を治療するための装置であって、該装置は、外科手術部位における組織を視認するためのレンズと、組織に向かってエネルギーを放つためのエネルギー送達構造を備えるエネルギー送達プローブと、エネルギー送達プローブを支持するための伸長キャリアであって、該伸長キャリアは、エネルギー送達プローブを回転させ、エネルギーを指向し、組織を治療するように構成される、伸長キャリアとを備え、キャリアは、レンズを支持し、エネルギー送達プローブおよびレンズをともに平行移動させるように構成される、装置。
【0097】
(付記33)
エネルギー源とレンズとの間の距離は、キャリアがエネルギー送達プローブおよびレンズを平行移動させるときに実質的に固定されたままである、付記32に記載の装置。
【0098】
(付記34)
レンズは、センサアレイを備える内視鏡カメラのレンズを備え、エネルギー源とカメラのレンズとの間の距離は、キャリアがカメラおよびエネルギー源を平行移動させるときに実質的に固定されたままであり、随意に、センサアレイとエネルギー源との間の距離は、実質的に固定されたままである、付記32に記載の装置。
【0099】
(付記35)
エネルギー送達構造は、ノズル、開口、レンズ、光ファイバ、電極、または超音波アレイのうちの1つ以上のものを備え、エネルギーは、水噴射エネルギー、機械エネルギー、レーザエネルギー、電気エネルギー、または超音波エネルギーのうちの1つ以上のものを備える、付記32に記載の装置。
【0100】
(付記36)
患者の中への挿入のために構成されるプローブをさらに備え、プローブは、外科手術部位から物質を除去するための排出管腔を備え、排出管腔は、開口部まで延在する、付記32に記載の装置。
【0101】
(付記37)
キャリアは、排出管腔に向かってエネルギー源を回転させ、排出管腔の開口部から離れるように組織を排出し、組織を治療するように構成される、付記34に記載の装置。
【0102】
(付記38)
エネルギー送達プローブは、標的組織に向かった回転角度においてエネルギーを指向するために、キャリアに関連して回転するように構成される、付記37に記載の装置。
【0103】
(付記39)
キャリアは、エネルギー源からの偏向に抵抗するための剛性を備える、付記38に記載の装置。
【0104】
(付記40)
エネルギー送達プローブの遠位端は、ある距離だけキャリアの遠位端を越えて突出し、該ある距離は、キャリアが平行移動し、エネルギー送達プローブが回転するときに、実質的に固定されたままである、付記39に記載の装置。
【0105】
(付記41)
キャリアは、1つ以上の開口部まで延在する、1つ以上の潅注チャネルを備え、随意に、1つ以上の開口部は、内視鏡のレンズの近位に位置する、付記40に記載の装置。
【0106】
(付記42)
エネルギー送達プローブは、噴射プローブを備え、エネルギー送達構造は、ノズルを備え、エネルギーは、水噴射からのエネルギーを備える、付記32に記載の装置。
【0107】
(付記43)
キャリアは、排出管腔に向かってノズルを回転させ、排出管腔から組織に向かって組織切除生成物を除去し、組織を切除するように構成される、付記42に記載の装置。
【0108】
(付記44)
噴射プローブは、標的組織に向かった回転角度においてノズルを指向するために、キャリアに関連して回転するように構成される、付記43に記載の装置。
【0109】
(付記45)
キャリアは、噴射プローブのノズルの偏向に抵抗するための剛性を備え、噴射プローブの端部とキャリアの端部との間の距離は、実質的に固定されたままである、付記44に記載の装置。
【0110】
(付記46)
噴射プローブの遠位端は、ある距離だけキャリアの遠位端を越えて突出し、該ある距離は、キャリアが平行移動し、噴射プローブが回転するときに、実質的に固定されたままである、付記45に記載の装置。
【0111】
(付記47)
キャリアは、1つ以上の開口部まで延在する、1つ以上の潅注チャネルを備え、随意に、1つ以上の開口部は、レンズの近位に位置する、付記46に記載の装置。
【0112】
(付記48)
方法であって、前記付記のいずれか1つに記載の装置を用いて患者を治療することを含む、方法。
【0113】
本開示の実施形態は、本明細書に記載されるように示され、説明されており、一例のみとして提供される。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多数の適合、変更、変形例、および代用を認識するであろう。本明細書に開示される実施形態のいくつかの代替物および組み合わせが、本明細書に開示される本開示および本発明の範囲から逸脱することなく、利用され得る。したがって、本開示される発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲のみによって定義されるものとする。
【国際調査報告】