(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】皮膚エリテマトーデスの治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20220715BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220715BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220715BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220715BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20220715BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20220715BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20220715BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20220715BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20220715BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220715BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220715BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P37/02
A61P17/00
A61P29/00
A61P37/06
A61K9/107
A61K9/06
A61K9/12
A61K47/06
A61K47/10
A61K47/02
A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562843
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2020063518
(87)【国際公開番号】W WO2020229622
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508069752
【氏名又は名称】レオ ファーマ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】ペーダセン,ギッテ ポマーゴー
(72)【発明者】
【氏名】モーテンセン,ヘレーネ
(72)【発明者】
【氏名】サンダー,カミラ
(72)【発明者】
【氏名】リファー,ピア クリー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA17
4C076AA24
4C076BB31
4C076CC04
4C076CC07
4C076CC18
4C076DD22Z
4C076DD26Z
4C076DD34A
4C076DD37Q
4C076DD37R
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4C076DD49Q
4C076EE23Q
4C076FF16
4C076FF36
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4C076FF61
4C076FF63
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA28
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB07
4C086ZB08
4C086ZB11
(57)【要約】
本発明は、皮膚エリテマトーデスの治療に関する。本発明が解決すべき問題は、3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリルの新たな医薬的使用を提供することである。3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリルを活性成分として含む皮膚エリテマトーデスの治療剤または予防剤及びその医薬製剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚エリテマトーデスの治療における使用のための、
一般式(I)
【化1】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
前記治療が、円板状エリテマトーデスに対するものである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項3】
前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、クリームとして投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項4】
前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、20mg/gの濃度で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項5】
皮膚エリテマトーデスの治療における使用のための医薬組成物であって、前記医薬組成物が、式(I)
【化2】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩を活性成分として含む、前記医薬組成物。
【請求項6】
前記治療が、円板状エリテマトーデスに対するものである、請求項5に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物が、クリームである、先行請求項5~6のいずれか1項に記載の治療における使用のための医薬組成物。
【請求項8】
前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、20mg/gの濃度で投与される、先行請求項5~7のいずれか1項に記載の治療における使用のための医薬組成物。
【請求項9】
式(I)の化合物と、
下記のものから選択される医薬的に許容可能な医薬品添加物の1つ以上と、
を含む局所投与用医薬製剤。
-基剤(流動パラフィンなど)、
-界面活性剤、乳化剤、安定化剤(セトステアリルアルコール及びマクロゴールセトステアリルエーテルなど)、
-pH調節剤、緩衝剤(リン酸塩またはクエン酸塩、塩酸など)、
-保存剤、
-抗酸化剤、
-キレート剤、
-酸性化剤、ならびに
-精製水。
【請求項10】
前記基剤が、約50mg/g~約500mg/gの量の流動パラフィンである、請求項9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記セトステアリルアルコールが、約20mg/g~約100mg/gの量で存在する、請求項9または請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記マクロゴールセトステアリルエーテルが、約9mg/g~約25mg/gの量で存在する、請求項9~11のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記リン酸塩または前記クエン酸塩が、約0.5mg/g~約4mg/gの量のクエン酸一水和物である、請求項9~12のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記リン酸塩または前記クエン酸塩が、0mg/g~約1mg/gの量のクエン酸ナトリウム二水和物である、請求項9~12のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記保存剤が、約7mg/g~約13mg/gの量のベンジルアルコールである、請求項9~14のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記抗酸化剤が、約0.05mg/g~約0.3mg/gの量のブチルヒドロキシアニソールである、請求項9~15のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記キレート剤が、約0.05mg/g~約1.5mg/gの量のエデト酸二ナトリウムである、請求項9~16のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記酸性化剤が、0mg/g~約25mg/gの量の塩酸である、請求項9~17のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記精製水が、約500mg/g~約900mg/gの量で存在する、請求項9~18のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記式(I)の化合物が、1mg/g、3mg/g、8mg/g、または20mg/gの量で存在する、請求項9~19のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記式(I)の化合物(20mg/g)、流動パラフィン(100mg/g)、セトステアリルアルコール(72mg/g)、マクロゴールセトステアリルエーテル(18mg/g)、ベンジルアルコール(10mg/g)、クエン酸一水和物(1mg/g)、ブチルヒドロキシアニソール(0.2mg/g)、エデト酸二ナトリウム(0.6mg/g)、3Mの塩酸(17.7mg/g)、及び精製水(760mg/g)を含む、請求項9~20のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デルゴシチニブ(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)の新たな医薬的使用に関する。別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデスの治療に関する。さらに別の態様では、本発明は、デルゴシチニブを含む新たな局所医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
エリテマトーデスは、炎症性の自己免疫疾患であり、この自己免疫疾患は、病変部が皮膚のみとなる場合(皮膚エリテマトーデス(CLE))もあり得るが、重度の全身性臓器病変(全身性エリテマトーデス(SLE))も含み得る。CLEは、急性、亜急性、または慢性であり得る。円板状エリテマトーデス(DLE)は、慢性CLEのうちで最もよく見られる形態であり、すべての症例の80%を占める。
【0003】
円板状エリテマトーデス(DLE)は、鱗屑を伴う紅斑性の限局病巣が生じて皮膚に影響を及ぼす自己免疫疾患である。こうした病巣は、時間を経ると共に瘢痕、萎縮、色素沈着異常、及び脱毛を引き起こし得る。DLE病巣は、一般に、そのサイズ範囲が直径数mm~15cmのものであり、UV曝露領域(頭頸部など)に主に見られ、程度は下がるが、躯幹及び四肢にも見られる。こうした身体的外見は、DLE患者の生活の質を損なうものであり、鬱病及び失業のリスク上昇とも関連する。
【0004】
DLEは、限局型(頸部より上のみに病巣が見られる)または汎発型(頸部より上にも下にも病巣が見られる)のいずれかとして分離され、これらのうち、限局型の方がはるかに多く見られる。
【0005】
現在のところ、DLEの治療法は存在せず、この徴候に対して承認されている治療は存在しない。現在使用される標準治療は認可外のものであり、その効果は限られている。推奨される第一選択治療には、日光回避、UV防護、及び強力な局所副腎皮質ステロイドが含まれる。
【0006】
いくつかのJAK阻害剤は、臨床開発中であるか、または既に市場に出回っている。ルキソリチニブ(FDAによる承認を最初に受けたJAK1及びJAK2の阻害剤)は、骨髄線維症患者の治療を目的としていくつかの国/地域で承認されている経口薬である。トファシチニブは、現在、関節リウマチを治療するための経口薬として米国で承認されており、乾癬及びアトピー性皮膚炎の治療を目的としても現在開発が進められている。
【0007】
WO2011/013785では、窒素含有スピロ環式化合物及びその医薬的使用について記載されている。こうした化合物は、例えば自己免疫疾患、アレルギー性疾患、乾癬、関節リウマチ、及びアトピー性皮膚炎の予防または治療に有用なJAK阻害剤であることが述べられている。
【0008】
EP2813228A1では、JAK阻害剤の医薬的使用について記載されており、より具体的には、皮膚疾患(老人性乾皮症、皮脂欠乏症、湿疹、及び接触皮膚炎など)を治療するための医薬組成物について記載されている。
【0009】
したがって、魅力的な安全性プロファイルを兼ね備えた有効性の高い新たな皮膚エリテマトーデス治療に対するアンメットメディカルニーズが存在する。
【0010】
現在のところ、軟膏製剤が存在しており、この軟膏製剤は、懸濁固体形態のデルゴシチニブを含むパラフィンベースの製剤である。
【0011】
驚くべきことに、水相に溶解したデルゴシチニブを含む安定なクリーム製剤が得られている。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、皮膚エリテマトーデスの治療に関し、この治療では、式(I)
【化1】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩が使用される。
【0013】
一態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデスの治療における使用のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0014】
別の態様では、本発明は、円板状エリテマトーデスの治療において使用するための式(I)の化合物の使用に関する。
【0015】
別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデスの治療における使用のための式(I)の化合物に関する。さらに別の態様では、本発明は、円板状エリテマトーデスの治療における使用のための式(I)の化合物に関する。さらに別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)の局所治療における使用のための式(I)の化合物に関する。さらに別の態様では、局所製剤は、クリームである。さらに別の態様では、本発明は、式(I)の化合物の使用に関し、式(I)の化合物は、1日1回または1日2回投与される。さらに別の態様では、本発明は、式(I)の化合物の使用に関し、式(I)の化合物は、1日2回、6週間投与される。別の態様では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式(I)の化合物は、20mg/gの濃度で投与される。
【0016】
別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)を治療するための医薬組成物の製造における式(I)の化合物の使用に関する。さらに別の態様では、医薬組成物は、局所製剤である。さらに別の態様では、局所製剤は、クリームである。
【0017】
別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデスを治療するための医薬組成物に関し、この医薬組成物は、式(I)
【化2】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0018】
別の態様では、本発明は、円板状エリテマトーデスを治療するための医薬組成物に関する。
【0019】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物を含む医薬組成物に関し、治療は、局所的なもの(例えば、クリームを用いる治療)である。
【0020】
別の態様では、本発明は、医薬組成物に関し、式(I)の化合物は、濃度を1mg/g、3mg/g、8mg/g、及び20mg/gとして投与される。別の態様では、式(I)の化合物は、濃度を20mg/gとして投与される。別の態様では、式(I)の化合物は、1日1回または1日2回適用して投与される。別の態様では、式(I)の化合物は、1日2回、6週間適用して投与される。
【0021】
別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)の治療を、それを必要とする対象において行う方法に関し、この方法は、式(I)の化合物を治療的に有効な量で当該対象に投与するステップを含む。
【0022】
別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)の治療を、それを必要とする対象において行う方法に関し、投与は、局所的なものである。
【0023】
別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)の治療を、それを必要とする対象において行う方法に関し、局所製剤は、クリームである。
【0024】
別の態様では、本発明は、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)の治療を、それを必要とする対象において行うための方法に関し、式(I)の化合物は、1mg/g、3mg/g、8mg/g、及び20mg/gの濃度で投与される。別の態様では、式(I)の化合物は、20mg/gの濃度で投与される。
【0025】
本発明は、皮膚エリテマトーデスの治療における3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ-[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリルの使用も提供する。
【0026】
本発明は、1日1回または1日2回適用して投与される上記の使用をさらに提供する。
【0027】
本発明は、1mg/g、3mg/g、8mg/g、及び20mg/gの濃度で投与される上記の使用をさらに提供する。本発明は、20mg/gの濃度で投与される上記の使用をさらに提供する。
【発明の詳細な説明】
【0028】
式(I)の化合物
【化3】
の化合物3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリルは、WO2011/013785では自己免疫疾患、アレルギー性疾患、乾癬、関節リウマチ、及びアトピー性皮膚炎などの治療のためのJAK阻害剤として記載され、EP2813228A1では老人性乾皮症、皮脂欠乏症、湿疹、及び接触皮膚炎など皮膚疾患治療用として記載されている。
【0029】
式(I)の化合物は、WO2011/013785のPreparation 6に記載の方法に従い製造できる。
【0030】
「医薬的に許容可能な塩」は、式(I)の化合物の非毒性塩であればよく、無機酸との塩、有機酸との塩、無機基剤との塩、有機基剤との塩、及びアミノ酸との塩を含む。
【0031】
無機酸との塩には、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸などを含む。有機酸との塩には、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸一水和物、グルコン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などを含む。無機基剤との塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩などを含む。有機基剤との塩には、メチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、グアニジン、ピリジン、ピコリン、コリン、シンコニン、メグルミンなどを含む。アミノ酸との塩には、リジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などを含む。
【0032】
周知の方法によれば、各塩は、式(I)の化合物を無機基剤、有機基剤、無機酸、有機酸またはアミノ酸と反応させることにより得られる。
【0033】
式(I)の化合物は、3H、14C、35Sなど同位体で標識されていてもよい。
【0034】
一態様では、式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩は、式(I)の大幅に精製された化合物またはその医薬的に許容可能な塩である。別の態様では、式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩は、純度が80%以上である。
【0035】
「医薬組成物」には、錠剤、カプセル、顆粒、粉末、トローチ剤、シロップ、乳剤、懸濁液などの経口製剤、または局所製剤、坐剤、注射剤、点眼剤、点鼻剤、経肺薬剤などの非経口製剤を含む。別の態様では、医薬組成物は、軟膏及びクリームなどの局所製剤である。さらに別の態様では、医薬組成物はクリームである。
【0036】
本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩と、1種類以上の医薬的に許容可能な医薬品添加物または担体とを、医薬調製の技術分野で周知の方法に従って適切な量で適切に混合することで製造される。医薬組成物中の式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の含有量は、その剤形や投与量などにより異なり、例えば組成物全体の0.1重量%から100重量%である。例えば、含有量は組成物全体の0.10、0.20、0.25、0.30、0.50、0.75、1.0、1.25、1.50、1.75、2.00、2.25、2.50、2.75、3.00、3.25、3.50、3.75、または4.00重量%である。別の態様では、医薬組成物中の式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の含有量は、組成物全体の2重量%である。
【0037】
本明細書で使用される化合物の「治療的に有効な量」という用語は、所定の疾患及びその合併症の臨床症状を治療、緩和または部分的に抑制するために十分な量を意味する。これを達成するために十分な量を「治療的に有効な量」と定義する。各目的に有効な量は、疾患または傷害の重症度、被験者の体重及び全身状態により異なる。
【0038】
「医薬的に許容可能な医薬品添加物」または「医薬的に許容可能な担体」には、製薬材料となる様々な従来の有機または無機の医薬品添加物または担体物質、例えば、崩壊剤、結合剤、流動化剤、潤滑剤、溶媒、可溶化剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、液体製剤の緩和剤、基剤、乳化剤、界面活性剤、湿潤剤、安定化剤、安定剤、分散剤、可塑剤、pH調節剤、吸収促進剤、ゲル化剤、保存剤、充填剤、再溶解剤などを含む。さらに、防腐剤(preserving agent)、保存剤、抗酸化剤、及び着色料を含む添加剤を適宜使用し得る。
【0039】
崩壊剤には、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロースなどを含む。
【0040】
結合剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、結晶セルロース、白糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、カルメロースナトリウム、アラビアガムなどを含む。
【0041】
流動化剤には、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムなどを含む。
【0042】
潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどを含む。
【0043】
溶剤には、精製水、エタノール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、コーン油、オリーブ油、中鎖トリグリセリドなどを含む。
【0044】
可溶化剤には、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどを含む。
【0045】
懸濁化剤には、塩化ベンザルコニウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポビドン、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリルなどを含む。
【0046】
等張化剤には、グルコース、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、D-マンニトールなどを含む。
【0047】
緩衝剤またはpH調節剤には、リン酸塩またはクエン酸塩、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、クエン酸一水和物、塩酸、水酸化ナトリウムなどを含む。
【0048】
基剤には、水、動植物油(オリーブ油、コーン油、ピーナッツ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油など)、低級アルコール(エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、フェノールなど)、高級脂肪酸及びそのエステル、ワックス、高級アルコール、多価アルコール、炭化水素(白色軟質パラフィン、流動パラフィン、パラフィン、硬質パラフィンなど)、親水性ペトロラタム、精製ラノリン、吸収性軟膏、含水ラノリン、親水性軟膏、デンプン、プルラン、ポリジメチルシロキサン、ミリスチン酸イソプロピル、アラビアガム、トラガカントガム、ゼラチン、デキストラン、セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシルセルロース)、ヒドロキシエチル(カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなど)、プロピレングリコール、マクロゴール(マクロゴール200から600など)、及び前記2種類以上の組み合わせを含む。一態様では、基剤は流動パラフィンである。
【0049】
乳化剤または界面活性剤には、脂肪酸の混合物、特にセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びセトステアリルアルコール、マクロゴールセトステアリルエーテル、ソルビタンエステル、スクロースエステルなどを含む。
【0050】
安定化剤には、ショ糖エステル、その他のソルビタンエステル及びポリソルベート、グリセオール、プロピレングリコール、エタノール、セトステアリルアルコールなどを含む。
【0051】
酸性化剤には、塩酸やクエン酸などから選択した強酸を含む。
【0052】
キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エデト酸二ナトリウム、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、エチレンジアミン、リン酸などを含む。
【0053】
保存剤には、パラヒドロキシ安息香酸エチル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾール、ジクロロベンジルアルコール、グリセロール、エタノール、プロピレングリコール、安息香酸/安息香酸ナトリウム、ジアゾリジン尿素、塩化ベンザルコニウムなどを含む。
【0054】
抗酸化剤には、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、アルファトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソールなどを含む。
【0055】
着色剤には、食用色素、ベータカロチンなどを含む。
【0056】
本発明の医薬組成物は、ヒトなどの哺乳類に投与できる。投与量は、被験者、疾患、症状、剤形、投与経路などにより異なり、約0.01mgから約1gの範囲であり得る。例えば、有効成分としての式(I)の化合物の含有量に換算して1日約0.01mgから約600mgの範囲であり得る。この投与量は、1回または数回に分けて投与し得る。
【0057】
局所製剤は、例えば剤形などに応じて、外用、軟膏、スプレーなどの方法で塗布し得る。患部に対する局所製剤の塗布量は、有効成分の含有量などに応じて選択できる。例えば局所製剤は、1日1回または数回に分けて塗布することができる。好ましい塗布方法は、1日1回または1日2回である。
【0058】
「JAK」という表現は、JAKファミリーに属するJAK1、JAK2、JAK3、TYK2のうち1つ以上の酵素を指す。
【0059】
「JAKを阻害する」という表現は、JAKの機能を阻害してその活性を消失または減衰させること、及びJAKファミリーに属する1種類以上の酵素を阻害することを意味する。一態様では、「JAKを阻害する」という表現は、「ヒトJAKを阻害する」ことを意味する。機能の阻害または活性の消失もしくは減衰は、一態様では、ヒトの臨床応用の場面で実施される。
【0060】
「JAK阻害剤」は、JAKを阻害するいかなる物質でもよく、低分子化合物、核酸、ポリペプチド、タンパク質、抗体、ワクチンなどが挙げられる。一態様では、「JAK阻害剤」は、「ヒトJAK阻害剤」である。別の態様では、JAK阻害剤は式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩である。また、別の態様では、JAK阻害剤は式(I)の化合物である。
【0061】
本明細書で使用する「治療」という用語は、症状の改善、悪化の予防、寛解の維持、増悪の予防、再発予防などを含む。また、「予防」という用語は、症状の発生を抑制することを意味する。
【0062】
「治療」という用語は、疾患、障害、もしくは状態の進行を遅らせること、症状及び合併症を改善、緩和、もしくは軽減すること、及び/または疾患、障害もしくは状態を治癒もしくは除去することも含み得る。また、「治療」という用語は、疾患、状態、または障害への対処を目的とする患者の管理及びケアを意味する場合もある。
【0063】
本明細書で使用する「疾患」、「障害」及び「状態」という用語は、ヒトの正常な生理学的状態にない患者の状態を特定するために相互に交換可能に使用される。
【0064】
「皮膚エリテマトーデス(CLE)」という用語には、蝶形紅斑、日光過敏、及び粘膜潰瘍などの急性皮膚エリテマトーデスも含み得る。また、CLEには、丘疹落屑性(乾癬状)SCLE、環状変形SCLE、及びRowell症候群などの亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)も含み得る。さらに、CLEには、円板状エリテマトーデス(DLE)、腫瘍性エリテマトーデス、深在性エリテマトーデス、肥厚性エリテマトーデス、及び凍瘡状エリテマトーデスなどの慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)も含み得る。
【0065】
本発明の一実施形態は、3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル及び医薬的に許容可能な医薬品添加物または担体を含む皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)を治療または予防するための医薬組成物を含む。
【0066】
本発明の一実施形態には、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)の治療または予防のための3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリルの使用を含む。
【0067】
本発明の一実施形態は、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)を治療または予防する方法を含み、治療的に有効な量の3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリルを哺乳動物に投与することを特徴とする。
【0068】
一態様では、この哺乳類はヒトである。
【0069】
別の態様では、ヒトは、医療を必要とする疾患に罹患している者である。
【0070】
別の態様では、疾患は皮膚エリテマトーデスである。別の態様では、疾患は、蝶形紅斑、日光過敏、及び粘膜潰瘍などの急性皮膚エリテマトーデスである。別の態様では、疾患は亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)であり、例えば、丘疹落屑性SCLE、環状SCLE、及びRowell症候群である。別の態様では、疾患は慢性皮膚エリテマトーデスであり、例えば、円板状エリテマトーデス(DLE)、腫瘍性エリテマトーデス、深在性エリテマトーデス、肥厚性エリテマトーデス、及び凍瘡状エリテマトーデスである。別の態様では、疾患は円板状エリテマトーデス(DLE)である。
【0071】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物を含む、皮膚エリテマトーデス(例えば、円板状エリテマトーデス)の治療薬または予防薬に関する。
【0072】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物及び1種類以上の医薬的に許容可能な医薬品添加物または担体を含む医薬組成物に関する。
【0073】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物及び1種類以上の医薬的に許容可能な医薬品添加物を含む局所投与のための医薬製剤に関する。
【0074】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物及び1種類以上の医薬的に許容可能な医薬品添加物を含むクリームである医薬製剤に関する。
【0075】
別の態様では、医薬的に許容可能な医薬品添加物は、中鎖トリグリセリド、サフラワー油、ヒマシ油、流動パラフィン、または前記混合物から選択される基剤の1つまたは複数であり得る。例えば、基剤は、流動パラフィンであり得る。
【0076】
基剤には、流動パラフィンが約50mg/g~約500mg/g(例えば約75mg/g~約300mg/g、100mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0077】
別の態様では、医薬的に許容可能な界面活性剤、乳化剤、または安定化剤は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、または前記混合物から選択される1つまたは複数であり得る。例えば、界面活性剤、乳化剤、または安定化剤は、セトステアリルアルコールであり得る。
【0078】
界面活性剤、乳化剤、または安定化剤には、セトステアリルアルコールが約20mg/g~約100mg/g(例えば約40mg/g~約80mg/g、72mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0079】
別の態様では、医薬的に許容可能な界面活性剤、乳化剤または安定化剤は、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、マクロゴールセトステアリルエーテルまたは前記混合物から選択される1つまたは複数であり得る。例えば、界面活性剤または乳化剤は、マクロゴールセトステアリルエーテルであり得る。
【0080】
界面活性剤、乳化剤または安定化剤には、マクロゴールセトステアリルエーテルが約9mg/g~約25mg/g(例えば約15mg/g~約20mg/g、18mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0081】
別の態様では、医薬的に許容可能な緩衝剤またはpH調節剤は、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、塩酸、または前記混合物の1つ以上であり得る。例えば、緩衝剤またはpH調節剤は、クエン酸一水和物及びクエン酸ナトリウム二水和物のうち1つ以上であり得る。
【0082】
緩衝剤またはpH調節剤には、クエン酸一水和物の約0.5mg/g~約4mg/g(例えば約0.7mg/g~約2mg/g、1mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0083】
緩衝剤またはpH調節剤には、0mg/g~約1mg/gのクエン酸ナトリウム二水和物(例えば0mg/g~約0.5mg/g、含有なしなど)の様々な量で存在し得る。
【0084】
別の態様では、医薬的に許容可能な保存剤は、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸/塩、または前記混合物から選択される1つまたは複数であり得る。例えば、保存剤はベンジルアルコールであり得る。
【0085】
保存剤には、ベンジルアルコールが約7mg/g~約13mg/g(例えば約9mg/g~約11mg/g、10mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0086】
別の態様では、医薬的に許容可能な抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソールまたは前記混合物から選択される1つまたは複数であり得る。例えば、抗酸化剤はブチルヒドロキシアニソールであり得る。
【0087】
抗酸化剤には、ブチルヒドロキシアニソールが約0.05mg/g~約0.3mg/g(例えば約0.1mg/g~約0.25mg/g、0.2mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0088】
別の態様では、医薬的に許容可能なキレート剤は、EDTA、エデト酸二ナトリウム、EGTA、またはエチレンジアミンのうち1つまたは複数であり得る。例えば、キレート剤はエデト酸二ナトリウムであり得る。
【0089】
キレート剤には、エデト酸二ナトリウムが約0.05mg/g~約1.5mg/g(例えば約0.5mg/g~約1mg/g、0.6mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0090】
別の態様では、医薬的に許容可能な酸性化剤は、1つまたは複数の強酸(例えば塩酸またはクエン酸)であり得る。例えば、酸性化剤は塩酸であり得る。
【0091】
酸性化剤には、塩酸が0mg/g~約25mg/g(例えば約10mg/g~約20mg/g、17.7mg/gなど)の様々な量で存在し得る。
【0092】
別の態様では、医薬的に許容可能な溶剤は精製水であり得、約500mg/g~約900mg/g(例えば760mg/g)の様々な量で存在し得る。
【0093】
別の態様では、本発明は、本発明の医薬製剤の調製方法に関する。
【0094】
水相:
精製水、pH調節剤、緩衝剤、酸性化剤、保存剤、キレート剤を混合した。
水相に原薬を添加し、温度約15~25℃で溶解させた。
pHは4.0~4.4に調整した。
水相を約65~75℃に加熱した。
【0095】
油相:
流動パラフィン、界面活性剤、乳化剤、安定化剤、抗酸化剤を混合した。
この油相は、約65~75℃に加熱した。
【0096】
油相を水相に加えて混合した。
この混合物を約20分間均質化した後、約30℃まで冷却した。その後、クリームを容器に充填した。
【0097】
本発明の例示的な医薬製剤:
【0098】
成分量(mg/g):デルゴシチニブ1、流動パラフィン100、セトステアリルアルコール72、マクロゴールセトステアリルエーテル18、ベンジルアルコール10、クエン酸一水和物0.78、ブチルヒドロキシアニソール0.2、エデト酸二ナトリウム0.6、クエン酸ナトリウム二水和物0.31、及び精製水797。
【0099】
成分量(mg/g):デルゴシチニブ3、流動パラフィン100、セトステアリルアルコール72、マクロゴールセトステアリルエーテル18、ベンジルアルコール10、クエン酸一水和物1.0、ブチルヒドロキシアニソール0.2、エデト酸二ナトリウム0.6、3M塩酸1.08、及び精製水794。
【0100】
成分量(mg/g):デルゴシチニブ8、流動パラフィン100、セトステアリルアルコール72、マクロゴールセトステアリルエーテル18、ベンジルアルコール10、クエン酸一水和物1.0、ブチルヒドロキシアニソール0.2、エデト酸二ナトリウム0.6、3M塩酸6.43、及び精製水784。
【0101】
成分量(mg/g):デルゴシチニブ20、流動パラフィン100、セトステアリルアルコール72、マクロゴールセトステアリルエーテル18、ベンジルアルコール10、クエン酸一水和物1.0、ブチルヒドロキシアニソール0.2、エデト酸二ナトリウム0.6、3M塩酸17.7、及び精製水760。
【0102】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物及び被験薬(IP-1)に開示される医薬品添加物を含む医薬組成物に関する。
【0103】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物及び被験薬(IP-2)に開示される医薬品添加物を含む局所投与用の医薬製剤に関する。
【0104】
本発明では、皮膚エリテマトーデスに対する局所治療の効果を説明する。別の態様では、本発明は、円板状エリテマトーデスに対する局所治療の効果を説明する。
【0105】
本発明は、皮膚エリテマトーデス、より具体的には円板状エリテマトーデスを有する成人被験者の治療において、式(I)の化合物20mg/gを含有するクリーム及びクリームvehicleの局所塗布1日2回の有効性及び安全性を6週間比較する臨床試験を提供するものである。すべての被験者は、DLE標的病変部1箇所で積極的な治療を行い、別のDLE標的病変部でvehicle治療を行う。
【0106】
有効性と安全性の指標として、以下が定義されている。
【0107】
有効性の評価は、治験担当医による全般的評価尺度(IGA)による各標的病変部の重症度(第6週のスコアが0(クリア)または1(ほぼクリア))、及び改訂版皮膚エリテマトーデス疾患部位及び重症度指標(Revised Cutaneous Lupus Erythematos Disease Area and Severity Index、RCLASI)に基づく各標的病変部の皮膚病変活性並びに損傷スコア(紅斑、鱗屑/角化不全、浮腫/浸潤、色素沈着異常、瘢痕/萎縮)である。IGA及びRCLASIの詳細については、以下を参照。
【0108】
有効性及び健康関連の生活の質に関する被験者の評価は、各標的病変部の重症度に関する患者による全般的評価(Patient’s Global Assessment、PaGA)及び皮膚の状態によるアンケート(Dermatology Life Quality Index、DLQI)に基づく。
【実施例】
【0109】
臨床試験
本臨床試験は、DLEを有する成人を対象として、クリームに製剤化された式(I)の化合物20mg/g及びビヒクルクリームを1日2回、6週間、局所適用する、多施設共同、二重盲検、無作為化、ビヒクル対照前期第2相試験である。各対象は、活動性疾患を伴うDLE標的病変を少なくとも2つ有していなければならない。これらの2つの標的病変を、有効治療とビヒクル治療に1:1で無作為に割り付けるものとする。
【0110】
治療期間
ベースライン時(1日目)。2つの標的病変への治療の割付けは、薬剤クリーム20mg/g及びビヒクルに(1:1で)無作為に行う。治療は、1日2回、6週間の適用とする。治験薬(IMP)の初回適用は、すべてのベースライン評価を行った1日目に、治験実施施設にて行う。それ以降のIMPの適用は、対象によって自宅で実施されるものとする。
【0111】
6週間の治療期間の間、対象は、計画に従って、第2、第4、及び第6週に治験実施施設に通院する。IMPの最終適用は、対象が計画に従って第6週に通院する前の夕方に行うものとする。
【0112】
主要選択基準
-年齢18~70歳。
-DLEの臨床診断に一致する(現在または以前の)組織病理学的所見。
-発現から6カ月経過しておらず、かつ臨床評価が可能な2つの活動性DLE標的病変があるという明確な臨床診断。標的病変には、当該病変に特化した適格性基準をすべて満たしていれば、頭皮上の病変も含まれる。
-スクリーニング及びベースライン時の標的病変のIGAスコアが少なくとも中等度(IGA≧3)である。
-2つの標的病変間の、スクリーニング及びベースライン時のIGAスコアの差が≦1ポイントである。
-スクリーニング及びベースライン時の標的病変紅斑スコアが≧2である。
【0113】
主要除外基準
-スクリーニングまたはベースライン時の標的病変色素沈着異常スコアが2である。
-スクリーニングまたはベースライン時の標的病変瘢痕/萎縮スコアが2である。
-頭皮病変において、スクリーニングまたはベースライン時の標的病変瘢痕脱毛症スコアが>0である。
-SLE関連肋膜炎または心膜炎、ならびに神経、腎臓、及び/またはその他の主要なSLE関連臓器系病変を含む、臨床的に有意な臓器病変を伴うSLEの病歴。SLE関節病変は許容される。
-治験責任医師の経験により、不安定なまたは顕著なSLE疾患活動性を有するとされる対象。
-スクリーニングまたはベースライン時に、DLEの評価に干渉すると考えられるその他の皮膚状態がある。
-ベースライン前4週間以内の、免疫抑制/免疫調節療法(例えば、メトトレキサート、シクロスポリン、アザチオプリン、レチノイド、ダプソン)。
-ベースライン前の4週間以内の、>7.5mg/日または変更した用量のプレドニゾロンの全身的投与(経鼻及び吸入副腎皮質ステロイドは可)。
-下記の投薬による治療:
-ベースライン前12週間以内の、>6.5mg/kg体重/日もしくは変更した用量のヒドロキシクロロキン、または>4mg/kg体重/日もしくは変更した用量のクロロキンによる、経口抗マラリア薬治療。
-ベースライン前12週間以内の、キナクリンの、ヒドロキシクロロキンまたはクロロキンのいずれかとの併用投与。
-ベースライン前12週間以内の、抗マラリア薬(例えば、ジゴキシン、シメチジン)と相互作用することが既知の薬剤。
-ベースライン前2週間以内の、局所副腎皮質ステロイド、カルシニューリン阻害剤、及びホスホジエステラーゼ-4(PDE-4)阻害剤による治療。
-ベースライン前2週間以内の、標的病変に対する、全身用抗生物質または皮膚塗布用抗生物質の使用。
-ベースライン前2週間以内のUV療法。
-ベースライン前4週間以内の、標的病変のいずれかの境界から2cm以内での、皮膚バリアを損なわせる何らかの処置(例えば切開)。
-ベースライン前4週間以内の、生(弱毒化)ワクチン接種。
-ベースライン前4週間以内の、Hypericum perforatum(オトギリソウ)含有製品の摂取。
-下記の何らかの市販の生物学的治療法または治験中の生物学的製剤による治療:
-これだけに限定されないがリツキシマブを含む、あらゆる細胞枯渇剤:ベースライン前の、6カ月以内またはリンパ球数が正常に戻るまでの期間。いずれか長いほう。
-その他の生物学的製剤:ベースライン前の、3カ月以内または5半減期。いずれか長いほう。
-ベースライン前1週間以内の、何らかの活動性皮膚感染症の病歴。
-験責任医師の意見では、本治験において対象の安全性を損なう恐れがある、ベースライン前4週間以内の臨床的に有意な感染。
-スクリーニング前12カ月以内に治療を必要とする結核。及び/またはスクリーニング時に結核の血液検査で陽性である対象。
【0114】
円板状エリテマトーデス(DLE)についての治験責任医師による全般的評価(IGA、Investiaator’s Global Assessment)
IGAは、対象の疾患全体の重症度を段階評価するのに使用されるものであり、0(なし)~4(重度)の範囲の5ポイント尺度に基づく。治験責任医師は、病変に特化した評価としてIGAを使用して、2つの標的病変のそれぞれについて、別々にDLEの重症度を段階評価する。
【0115】
円板状エリテマトーデス(DLE)についての治験責任医師による全般的評価(IGA)
【表1】
【0116】
皮膚エリテマトーデス疾患領域及び重症度指標改訂版(RCLASI、Revised Cutaneous Lupus Erythematosus Disease Area and Severity Index)
RCLASIは、解剖学的領域及び形態学的外観の両方を考慮して、CLEを有する患者における疾患活動性及び損傷を評価する、妥当性が検証された採点システムである。
【0117】
RCLASI皮膚病変活動性及び損傷徴候スコアは、標的病変にのみ適用される。個々の徴候スコア及び合計から、治療効果の定量的評価が得られることとなる。高いRCLASIスコアは、より重篤な疾患を意味する。また、治験母集団における全体的なCLE疾患負荷を説明するために、完全なRCLASI評価をベースライン時にも行う。
【0118】
皮膚疾患活動性の総スコアは、紅斑、落屑/過角化、及び浮腫/浸潤のスコアの合計として定義される。
紅斑:0=なし;1=桃色、かすか;2=赤色;3=暗赤色、深紅色/紫色/痂皮化/出血性
落屑/過角化:0=なし;1=限局的に接着した落屑/毛孔性角栓;2=いぼ状過角化
浮腫/浸潤:0=なし;1=軽微、かろうじて触知可能;2=触知可能かつ可視
【0119】
皮膚疾患損傷の総スコアは、色素沈着異常及び瘢痕/萎縮のスコアの合計として定義される。
色素沈着異常:0=なし;1a=色素沈着減少;1b=色素沈着過度;2=色素沈着減少及び色素沈着過度
瘢痕/萎縮:0=なし;1=初期瘢痕;2=極めて堅い/萎縮性/虫様瘢痕
【0120】
患者による疾患重症度の全般的評価(PaGA)
PaGAは、対象の認識による疾患重症度の自己評価である。
【0121】
対象は、PaGAを使用して各標的病変の疾患重症度を評価する。評価は、5段階の尺度を使用して行う。
0=なし;1=ほぼなし;2=軽度;3=中等度;4=重度
【0122】
皮膚疾患に関する生活の質指標(DLQI、Dermatology Life Quality Index)
DLQIは、皮膚病態を有する人に特化した内容による、妥当性が検証されたアンケートである。DLQIは、過去1週間を通して、対象の皮膚疾患が生活の質の様々な側面(例えば、皮膚疾患に関連した症状及び気持ち、日常活動、余暇、仕事または学校、人間関係、ならびに治療など)に与える影響について、対象の認識を問う10項目からなる。各項目は、4段階のリーカット尺度で点数化する(0=「全く関係ない/関係ない」、1=「やや関係がある」、2=「大いに関係がある」、3=「非常に関係がある」)。総スコアは、10項目の合計(0~30)であり、高いスコアは、生活の質が劣っていることを示す。
【0123】
【0124】
【0125】
条項
上記説明を考慮して、本発明は、具体的には下記のものを提供した。
1.皮膚エリテマトーデスの治療における使用のための、一般式(I)
【化4】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩。
【0126】
2.前記治療が、円板状エリテマトーデスに対するものである、条項1に記載の使用のための化合物。
【0127】
3.前記治療が、局所治療である、条項1または2に記載の使用のための化合物。
【0128】
4.前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、クリームで投与される、先行条項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【0129】
5.前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、20mg/gの濃度で投与される、先行条項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【0130】
6.前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、1日2回適用して投与される、先行条項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【0131】
7.皮膚エリテマトーデスの治療における使用のための医薬組成物であって、式(I)
【化5】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩を活性成分として含む前記医薬組成物。
【0132】
8.前記治療が、円板状エリテマトーデスに対するものである、条項7に記載の使用のための医薬組成物。
【0133】
9.前記医薬組成物が、局所用である、条項7または8に記載の治療における使用のための医薬組成物。
【0134】
10.前記医薬組成物が、クリームである、条項7~9のいずれか1項に記載の治療における使用のための医薬組成物。
【0135】
11.前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、20mg/gの濃度で投与される、条項7~10のいずれか1項に記載の治療における使用のための医薬組成物。
【0136】
12.前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、1日2回適用して投与される、条項7~11のいずれか1項に記載の治療における使用のための医薬組成物。
【0137】
13.皮膚エリテマトーデスの治療を必要とする対象の皮膚エリテマトーデスの治療における使用方法であって、治療的に有効な量の式(I)
【化6】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩を前記対象へ投与するステップを含む前記方法。
【0138】
14.前記治療が、円板状エリテマトーデスに対するものである、条項13に記載の使用方法。
【0139】
15.前記投与が、局所的なものである、条項13または14に記載の治療における使用方法。
【0140】
16.前記局所投与が、クリームである、先行条項13~15のいずれか1項に記載の治療における使用方法。
【0141】
17.式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、20mg/gの濃度で投与される、先行条項13~16のいずれか1項に記載の治療における使用方法。
【0142】
18.皮膚エリテマトーデスに対する治療剤または予防剤であって、式(I)
【化7】
の化合物(3-[(3S,4R)-3-メチル-6-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,6-ジアザスピロ[3,4]オクタン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリル)またはその医薬的に許容可能な塩を活性成分として含む前記治療剤または前記予防剤。
【0143】
19.円板状エリテマトーデスの治療または予防のための、条項18に記載の治療剤または予防剤。
【0144】
20.円板状エリテマトーデスに対する前記治療剤または前記予防剤が、局所剤である、条項18または19に記載の治療剤または予防剤。
【0145】
21.前記治療剤または前記予防剤が、クリームである、先行条項18~20のいずれか1項に記載の治療剤または予防剤。
【0146】
22.前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、20mg/gの濃度で投与される、先行条項18~21のいずれか1項に記載の治療剤または予防剤。
【0147】
23.前記式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩が、1日2回適用して投与される、先行条項18~22のいずれか1項に記載の治療剤または予防剤。
【0148】
24.式(I)の化合物と、
下記のものから選択される医薬的に許容可能な医薬品添加物の1つ以上複数を含む医薬製剤。
-基剤(流動パラフィンなど)、
-界面活性剤、乳化剤、安定化剤(セトステアリルアルコール及びマクロゴールセトステアリルエーテルなど)、
-pH調節剤、緩衝剤(リン酸塩またはクエン酸塩、及び塩酸など)、
-保存剤、
-抗酸化剤、
-キレート剤、
-酸性化剤、ならびに
-精製水。
【0149】
25.前記基剤が、流動パラフィンであり、約50mg/g~約500mg/gの量で存在する、条項24に記載の医薬製剤。
【0150】
26.前記流動パラフィンが、約75mg/g~約300mg/g、特に100mg/gの量で存在する、条項25に記載の医薬製剤。
【0151】
27.前記界面活性剤、乳化剤、安定化剤が、セトステアリルアルコール及びマクロゴールセトステアリルエーテルのうちの1つ以上である、条項24~26のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0152】
28.前記セトステアリルアルコールが、約20mg/g~約100mg/gの量で存在する、条項27に記載の医薬製剤。
【0153】
29.前記セトステアリルアルコールが、約40mg/g~約80mg/g、特に72mg/gの量で存在する、条項28に記載の医薬製剤。
【0154】
30.前記マクロゴールセトステアリルエーテルが、約9mg/g~約25mg/gの量で存在する、条項27に記載の医薬製剤。
【0155】
31.前記マクロゴールセトステアリルエーテルが、約15mg/g~約20mg/g、特に18mg/gの量で存在する、条項30に記載の医薬製剤。
【0156】
32.前記緩衝剤、pH調節剤が、リン酸塩またはクエン酸塩から選択される、先行条項24~31のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0157】
33.前記緩衝剤、pH調節剤が、クエン酸一水和物であり、約0.5mg/g~約4mg/gの量で存在する、条項32に記載の医薬製剤。
【0158】
34.前記クエン酸一水和物が、約0.7mg/g~約2mg/g、特に1mg/gの量で存在する、条項33に記載の医薬製剤。
【0159】
35.前記緩衝剤、pH調節剤が、クエン酸ナトリウム二水和物であり、0mg/g~約1mg/gの量で存在する、条項32に記載の医薬製剤。
【0160】
36.前記クエン酸ナトリウム二水和物が存在しない、条項35に記載の医薬製剤。
【0161】
37.前記保存剤が、ベンジルアルコールである、条項24~36のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0162】
38.前記ベンジルアルコールが、約7mg/g~約13mg/gの量で存在する、条項37に記載の医薬製剤。
【0163】
39.前記ベンジルアルコールが、約9mg/g~約11mg/g、特に10mg/gの量で存在する、条項38に記載の医薬製剤。
【0164】
40.前記抗酸化剤が、ブチルヒドロキシアニソールである、条項24~39のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0165】
41.前記ブチルヒドロキシアニソールが、約0.05mg/g~約0.3mg/gの量で存在する、条項40に記載の医薬製剤。
【0166】
42.前記ブチルヒドロキシアニソールが、約0.1mg/g~約0.25mg/g、特に0.2mg/gの量で存在する、条項41に記載の医薬製剤。
【0167】
43.前記キレート剤が、EDTAである、条項24~42のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0168】
44.前記キレート剤が、エデト酸二ナトリウムである、条項43に記載の医薬製剤。
【0169】
45.前記エデト酸二ナトリウムが、約0.05mg/g~約1.5mg/gの量で存在する、条項44に記載の医薬製剤。
【0170】
46.前記エデト酸二ナトリウムが、0.5mg/g~約1mg/g、特に0.6mg/gの量で存在する、条項45に記載の医薬製剤。
【0171】
47.前記酸性化剤が、塩酸である、条項24~46のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0172】
48.前記塩酸が、0mg/g~約25mg/gの量で存在する、条項47に記載の医薬製剤。
【0173】
49.前記塩酸が、約10mg/g~約20mg/g、特に17.7mg/gの量で存在する、条項48に記載の医薬製剤。
【0174】
50.前記精製水が、約500mg/g~約900mg/gの量で存在する、条項24~49のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0175】
51.前記精製水が、760mg/gの量で存在する、条項50に記載の医薬製剤。
【0176】
52.式(I)の化合物が、1mg/g、3mg/g、8mg/g、または20mg/gの量で存在する、条項24~51のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0177】
53.局所投与用医薬製剤であって、
式(I)の化合物、1mg/g、
流動パラフィン、100mg/g、
セトステアリルアルコール、72mg/g、
マクロゴールセトステアリルエーテル、18mg/g、
ベンジルアルコール、10mg/g、
クエン酸一水和物、0.78mg/g、
ブチルヒドロキシアニソール、0.2mg/g,
エデト酸二ナトリウム、0.6mg/g、
クエン酸ナトリウム二水和物、0.31mg/g、及び
精製水、797mg/g
を含む前記医薬製剤。
【0178】
54.局所投与用医薬製剤であって、
式(I)の化合物、3mg/g、
流動パラフィン、100mg/g、
セトステアリルアルコール、72mg/g、
マクロゴールセトステアリルエーテル、18mg/g、
ベンジルアルコール、10mg/g、
クエン酸一水和物、1.0mg/g、
ブチルヒドロキシアニソール、0.2mg/g、
エデト酸二ナトリウム、0.6mg/g、
3M塩酸、1.08mg/g、及び
精製水、794mg/g
を含む前記医薬製剤。
【0179】
55.局所投与用医薬製剤であって、
式(I)の化合物、8mg/g、
流動パラフィン、100mg/g、
セトステアリルアルコール、72mg/g、
マクロゴールセトステアリルエーテル、18mg/g、
ベンジルアルコール、10mg/g、
クエン酸一水和物、1.0mg/g、
ブチルヒドロキシアニソール、0.2mg/g、
エデト酸二ナトリウム、0.6mg/g、
3M塩酸、6.43mg/g、及び
精製水、784mg/g
を含む前記医薬製剤。
【0180】
56.局所投与用医薬製剤であって、
式(I)の化合物、20mg/g、
流動パラフィン、100mg/g、
セトステアリルアルコール、72mg/g、
マクロゴールセトステアリルエーテル、18mg/g、
ベンジルアルコール、10mg/g、
クエン酸一水和物、1mg/g、
ブチルヒドロキシアニソール、0.2mg/g、
エデト酸二ナトリウム、0.6mg/g、
3M塩酸、17.7mg/g、及び
精製水、760mg/g
を含む前記医薬製剤。
【0181】
57.前記製剤が、クリームである、条項24~56のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【国際調査報告】