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特表2022-533533開閉器用の稼働システム及び開閉器を稼働させるための方法
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  • 特表-開閉器用の稼働システム及び開閉器を稼働させるための方法 図1
  • 特表-開閉器用の稼働システム及び開閉器を稼働させるための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】開閉器用の稼働システム及び開閉器を稼働させるための方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 3/00 20060101AFI20220715BHJP
   H02P 29/00 20160101ALI20220715BHJP
   H01H 33/36 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
H01H3/00 B
H02P29/00
H01H33/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563635
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2020061293
(87)【国際公開番号】W WO2020229130
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019112716.5
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】プリュシング・カトリーン
(72)【発明者】
【氏名】シュマイサー・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シムベラ・ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ツァール・エドゥアルト
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】イクスマイアー・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン・ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル・オイゲン
(72)【発明者】
【氏名】ハーベンシャーデン・フランツ
【テーマコード(参考)】
5G025
5H501
【Fターム(参考)】
5G025AA05
5G025BA01
5G025BA09
5G025CA01
5G025DA10
5G025FA07
5H501AA30
5H501DD01
5H501GG01
5H501HB07
5H501LL35
5H501MM19
(57)【要約】
稼働システム3を開閉器17に接続する稼働軸16と、前記稼働軸16を稼働させるための電動機12と、前記稼働軸16の位置に関する少なくとも1つの値を特定し、当該少なくとも1つの値に基づいて、フィードバック信号を生成するように構成されているフィードバックシステム4と、前記フィードバック信号に応じて、前記電動機12の稼働に作用するように構成されている制御装置2と、を含む開閉器17用の稼働システム3。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-稼働システム(3)を開閉器(17)に接続する稼働軸(16)と、
-前記稼働軸(16)を稼働させるための電動機(12)と、
-前記稼働軸(16)の位置に関する少なくとも1つの値を特定し、当該少なくとも1つの値に基づいて、フィードバック信号を生成するように構成されているフィードバックシステム(4)と、
-前記フィードバック信号に応じて、前記電動機(12)の稼働に作用するように構成されている制御装置(2)と、
を含む開閉器(17)用の稼働システム(3)。
【請求項2】
前記稼働軸(16)の位置に関する値は、前記稼働軸(16)の絶対位置に関する値である請求項1に記載の稼働システム(3)。
【請求項3】
前記フィードバックシステム(4)は、絶対値エンコーダとして構成されているエンコーダ(13)を含み、このエンコーダ(13)は、前記稼働軸(16)の絶対位置又は前記稼働軸(16)に接続されている別の軸の絶対位置を検出し、当該検出された位置に基づいて、少なくとも1つの第1出力信号を生成するように構成されていて且つ配置されていて、且つ前記少なくとも1つの第1出力信号に基づいて、前記稼働軸(16)の位置に関する値を算出するように構成されている請求項1又は2に記載の稼働システム。
【請求項4】
前記絶対値エンコーダは、マルチターン・ロータリーエンコーダ又はシングルターン・ロータリーエンコーダ又は仮想ロータリーエンコーダとして構成されている請求項3に記載の稼働システム。
【請求項5】
前記フィードバックシステム(4)は、少なくとも1つのエンコーダ(13)及び1つの補助接触子(9)を含み、当該少なくとも1つのエンコーダ(13)及び当該補助スイッチ(9)は、前記稼働軸(16)の絶対位置又は前記稼働軸(16)に接続されている別の軸の絶対位置を検出し、当該検出された位置に基づいて、少なくとも1つの第1出力信号を生成するように組み合わされて構成されていて且つ配置されていて、且つ前記少なくとも1つの第1出力信号に基づいて、前記稼働軸(16)の位置に関する値を算出するように構成されている請求項1又は2に記載の稼働システム(3)。
【請求項6】
前記エンコーダ(13)は、絶対値エンコーダ若しくはマルチターン・ロータリーエンコーダとして、又はシングルターン・ロータリーエンコーダ若しくはインクリメンタルエンコーダ若しくは仮想ロータリーエンコーダとして構成されている請求項5に記載の稼働システム(3)。
【請求項7】
前記補助スイッチ(9)は、少なくとも1つのマイクロスイッチ又はレゾルバとして構成されている請求項5に記載の稼働システム(3)。
【請求項8】
前記電動機(12)の回転子の位置を算出し、当該回転子の位置に依存して、前記稼働軸(17)の位置に関する値を特定するため、前記フィードバックシステムの前記エンコーダ(13)又は前記絶対値エンコーダは、仮想ロータリーエンコーダとして形成されていて且つ構成されている請求項4又は6に記載の稼働システム(3)。
【請求項9】
前記開閉器(17)は、負荷時タップ切換器又は切換開閉器又は負荷タップ選択器又は選択器又は極性切換器又は二重極性切換器又は前置選択器又は遮断器又は負荷切換開閉器又は断路器である請求項1~8のいずれか1項に記載の稼働システム(3)。
【請求項10】
-開閉器(17)を稼働させるための稼働軸(16)の絶対位置に関する少なくとも1つの値を特定することと、
-前記少なくとも1つの値に基づいて、フィードバック信号を生成することと、
-前記フィードバック信号に応じて、前記開閉器(17)を稼働させるための電動機(12)を制御することと、
を含む稼働システム(3)によって開閉器(17)を稼働させるための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉器用の稼働システム及び開閉器を稼働させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所には、異なる役割を目的とし且つ異なる要求を伴う多数の開閉器が存在する。それぞれの開閉器を操作するためには、これらの開閉器は、稼働システムによって稼働されなければならない。これらの開閉器は、特に、負荷時タップ切換器(Laststufenschalter)、切換開閉器(Lastumschalter)、選択器(Waehler)、二重極性切換器(Doppelwender)、極性切換器(Wender)、前置選択器(Vorwaehler)、遮断器(Leistungsschalter)、負荷切換開閉器(Lastschalter)又は断路器(Trennschalter)である。
【0003】
したがって、負荷時タップ切換器は、例えば、例えば電力変圧器又は調整可能なチョークコイルのような電気設備の異なる複数の巻線タップ間を中断なしに切り換えるために使用される。これにより、例えば、当該変圧器の変圧比又は当該チョークコイルのインダクタンスが変更され得る。二重極性切換器は、電力変圧器の稼働中に巻線タップの極性を反転するために使用される。
【0004】
全てのこれらの開閉器は、電気設備の高品質の保安装置である。当該開閉は、当該設備の稼働中に実行され、したがって電力網に接続される。極端な場合、当該稼働時の故障が、技術的に且つ経済的に深刻な結果を引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故に、本発明の課題は、稼働の信頼性を向上させる、開閉器を稼働させるための改良されたコンセプトを提供することにある。
【0006】
本発明の別の課題は、開閉器を稼働させるための改良されたコンセプトを提供する、少なくとも1つの開閉器を稼働させるための方法を提供することにある。当該稼働の汎用性及び当該切り換え時の信頼性が、当該コンセプトによって向上される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の特徴を含む、少なくとも1つの開閉器用の稼働システムによって解決される。
【0008】
この別の課題は、請求項10に記載の特徴を含む、少なくとも1つの開閉器を稼働させるための方向によって解決される。
【0009】
当該改良されたコンセプトは、開閉器を稼働させるための稼働軸にフィードバックシステムを装備するという思想に基づく。当該フィードバックシステムは、当該稼働軸の位置に関する少なくとも1つの値を検出することができる。電動機の稼働が、当該値に応じて生成されるフィードバック信号に応じて制御される。
【0010】
当該改良されたコンセプトによれば、開閉器用の稼働システムが提供される。この稼働システムは、この稼働システムを当該開閉器に接続する稼働軸と、この稼働軸を稼働させるための電動機と、フィードバックシステムとを有する。このフィードバックシステムは、当該稼働軸の位置に関する少なくとも1つの値を特定し、当該少なくとも1つの値に基づいて、フィードバック信号を生成するように構成されている。さらに、当該稼働システムは、当該フィードバック信号に応じて、当該電動機の稼働に作用するように構成されている制御装置を有する。
【0011】
少なくとも1つの実施の形態によれば、開閉器は、負荷時タップ切換器又は切換開閉器又は選択器又は二重極性切換器又は極性切換器又は前置選択器又は遮断器又は負荷切換開閉器又は断路器として構成され得る。
【0012】
「稼働軸の位置に関する値」のコンセプトは、稼働軸の位置が場合によっては許容範囲内で一義的に特定され得る測定変数の値も含む。
【0013】
稼働軸の位置に関する少なくとも1つの値を特定することによって、制御装置は、位置測定の信頼性を向上させ得て、誤差を含む位置測定の対応する残存リスクを減少させ得る。
【0014】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働システムは、開閉器、例えば負荷時タップ切換器の軸又は負荷時タップ切換器の対応する構成要素を稼働させるために使用される。これにより、当該負荷時タップ切換器は、例えば1つ又は複数の操作、例えば負荷の切り換え、選択器の操作、前置選択器の操作又は二重極性切換器のような設備又は切り換えをする部材の2つの巻線タップ間の、例えば切り換えを実行する。
【0015】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働軸は、直接に又は間接に、特に1つ又は複数の歯車装置を介して開閉器、特に開閉器の軸に接続されている。
【0016】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働軸は、直接に又は間接に、特に1つ又は複数の歯車装置を介して切換開閉器、選択器、二重極性切換器、極性切換器、遮断器、負荷切換開閉器又は断路器、特に切換開閉器の軸、選択器の軸、二重極性切換器の軸、極性切換器の軸、遮断器の軸、負荷切換開閉器の軸又は断路器の軸に接続されている。
【0017】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働軸は、直接に又は間接に、特に1つ又は複数の歯車装置を介して電動機、特に電動機の電動機軸に接続されている。
【0018】
少なくとも1つの実施の形態によれば、電動機軸の位置、特に絶対位置は、稼働軸の位置、特に絶対位置に対応する。すなわち、稼働軸の位置が、場合によっては許容範囲内で、電動機軸の位置から一義的に推測され得る。
【0019】
少なくとも1つの実施の形態によれば、作用は、電動機の制御、調整、制動、加速又は停止を含む。制御は、例えば、位置制御、速度制御、加速度制御、又は回転トルク制御を含み得る。少なくともこのような制御の場合には、稼働システムは、サーボドライブシステムと呼ばれ得る。
【0020】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働システムは、開閉器、負荷時タップ切換器、切換開閉器、選択器、二重極性切換器、極性切換器、前置選択器、遮断器、負荷切換開閉器又は断路器の1つ又は複数の操作を、フィードバック信号に応じて監視するように構成されている監視装置を含む。当該監視は、特に、個々の操作又はこれらの操作の一部が適切に、特に既定の時間フレーム内に実行されるか否かという監視を含む。
【0021】
少なくとも1つの実施の形態によれば、制御装置は、制御部と、電動機のエネルギー供給を制御又は調整するための制御部及び電源部を含む。当該制御部は、少なくとも1つの目標値、特に位置の目標値、速度の目標値又は加速度の目標値に応じて電源部を制御するように構成されている。
【0022】
少なくとも1つの実施の形態によれば、電源部は、インバータ又はサーボインバータとして構成されているか、又は等価電子装置、特に稼働機械用の完全に電子式の装置として構成されている。
【0023】
異なる実施の形態によれば、制御装置は、フィードバックシステムの全体又は一部を含む。
【0024】
少なくとも1つの実施の形態によれば、フィードバックシステムは、稼働軸の位置に関する第1値を第1方法にしたがって算出するように構成されている。
【0025】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働軸の位置に関する値は、当該稼働軸の絶対位置に関する値である。
【0026】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働軸の位置に関する値は、稼働軸の位置に関するインクリメンタル値又は稼働軸の相対位置に関する値である。
【0027】
少なくとも1つの実施の形態によれば、フィードバックシステムは、電動機の回転子の位置を算出し、当該回転子の位置に応じて、稼働軸の位置に関する値を特定するように構成されている。
【0028】
少なくとも1つの実施の形態によれば、回転子の位置は、電動機の回転子が存在する、場合によっては当該回転子の全回転数に関連する角度範囲である。
【0029】
したがって、回転子の構造、特に極対数に応じて、電動機軸の位置又は絶対位置が、例えば制御装置によって少なくとも180°まで正確に特定され得る。1つ又は複数の歯車装置を用いた減速によって、稼働軸の位置の当該減速によって取得可能な精度が、明らかにより高い。ここでは、当該制御装置による評価は、いわば仮想エンコーダの機能に相当する。この組み合わせは、仮想ロータリーエンコーダとも呼ばれる。
【0030】
少なくとも1つの実施の形態によれば、フィードバックシステムは、絶対値エンコーダであるエンコーダを含み、このエンコーダは、稼働軸の絶対位置又はこの稼働軸に接続されている別の軸の絶対位置を検出し、当該検出された位置に基づいて、少なくとも1つの出力信号を生成するように構成されていて且つ配置されている。当該フィードバックシステムは、当該少なくとも1つの出力信号に基づいて、当該絶対位置に関する当該稼働軸の位置に関する値を算出するように構成されている。
【0031】
少なくとも1つの実施の形態によれば、エンコーダは、電動機軸、稼働軸又はこの稼働軸に結合された軸に直接に又は間接に固定されている。
【0032】
少なくとも1つの実施の形態によれば、エンコーダは、絶対位置に関する第1値を出力するための第1出力部を有する。
【0033】
用語「エンコーダ」は、1つの位置に対して2つの値を異なる方法で算出する装置と、独立した2つのエンコーダを含み、これらのエンコーダのうちの少なくとも1つのエンコーダが絶対値エンコーダである装置との双方を含む。
【0034】
少なくとも1つの実施の形態によれば、エンコーダは、絶対値エンコーダ又はマルチターン・ロータリーエンコーダ又はシングルターン・ロータリーエンコーダを含む。
【0035】
少なくとも1つの実施の形態によれば、エンコーダは、第1走査方法に基づいて、稼働軸の位置又は別の軸の位置を検出するように構成されている。
【0036】
少なくとも1つの実施の形態によれば、走査方法は、光学式、磁気式、静電容量式、抵抗式又は電磁誘導式の走査方法を含む。
【0037】
少なくとも1つの実施の形態によれば、エンコーダは、稼働軸、電動機軸又は別の軸に嵌合結合されている。
【0038】
少なくとも1つの実施の形態によれば、さらに、エンコーダは、例えば接着結合によって、稼働軸、電動機軸又は別の軸に圧入結合又は固着結合されている。
【0039】
当該嵌合結合及び固着結合又は圧入結合によって、エンコーダの固定と、最終的には稼働の信頼性とがさらに向上される。
【0040】
別の実施の形態によれば、フィードバックシステムは、稼働軸の位置に関する少なくとも1つの値を、エンコーダと補助接触子とによって特定し、フィードバック信号を、当該少なくとも1つの値に基づいて生成するように構成されている。この場合、当該エンコーダ及び当該補助接触子はそれぞれ、独立した値を生成できる。この場合、その後に、これらの値が、1つの値に統合されて、この値に基づいてフィードバック信号を生成する。さらに、組み合わされて稼働軸の位置を示すエンコーダのそれぞれの値と補助接触子の値とが、共通の1つのフィードバック信号を直接に生成できる。
【0041】
稼働システムは、制御装置を有する。この制御装置は、エンコーダと補助接触子との共通の値又はそれぞれの個々の当該値に基づくフィードバック信号に応じて、電動機の稼働に作用するように構成されている。
【0042】
稼働軸の位置が2つの値から算出される当該2つの値を特定することによって、本発明の思想が、様々なハードウェアによって実現され得る。したがって、最終的に、稼働システム、開閉器及び設備の稼働の信頼性が向上される。
【0043】
少なくとも1つの実施の形態によれば、フィードバックシステムは、第1方法にしたがってエンコーダによって第1値を算出し、第2方法にしたがって補助接触子によって第2値を算出するように構成されている。引き続き、これらの値は、1つの値に統合される。
【0044】
これらの方法は、異なる技術原理若しくは物理原理又は異なる構成部品(ハードウェア要素)によって区別され得る。
【0045】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働軸の位置に関するエンコーダの第1値は、当該稼働軸の絶対位置に関する第1値である。
【0046】
少なくとも1つの実施の形態によれば、稼働軸の位置に関する補助接触子の第2値は、当該稼働軸の相対位置に関する第2値である。
【0047】
当該第1値及び当該第2値は、当該稼働軸の絶対位置に関する1つの値を作成する。
【0048】
少なくとも1つの実施の形態によれば、フィードバックシステムは、電動機の回転子の位置を算出し、当該稼働軸の位置に関する少なくとも2つの値のうちの1つの値を、当該回転子の位置に応じて特定するように構成されている。この場合、当該フィードバックシステムは、いわゆる仮想ロータリーエンコーダであるエンコーダを有する。
【0049】
少なくとも1つの実施の形態によれば、フィードバックシステムは、エンコーダ及び補助接触子を含む。当該エンコーダ及び当該補助接触子は、組み合わされて、稼働軸の絶対位置又は当該稼働軸に接続されている別の軸の絶対位置を検出し、当該検出された位置に基づいて、少なくとも1つの出力信号を生成するように構成されていて且つ配置されている。
【0050】
少なくとも1つの実施の形態によれば、エンコーダ及び補助接触子は、電動機軸、稼働軸又はこの稼働軸に結合された軸に直接に又は間接に固定されている。
【0051】
少なくとも1つの実施の形態によれば、エンコーダは、第1値を出力するための第1出力部を有し、補助接触子は、第2値を出力するための第2出力部を有する。この場合、これらの値は、稼働軸の絶対位置を作成する。
【0052】
少なくとも1つの実施の形態によれば、補助接触子は、稼働軸の位置又は別の軸の位置を、さらに走査方法に基づいて検出するように構成されている。
【0053】
少なくとも1つの実施の形態によれば、走査方法は、機械式、光学式、磁気式、静電容量式、抵抗式又は電磁誘導式の走査方法を含む。
【0054】
少なくとも1つの実施の形態によれば、さらに、補助スイッチは、例えば接着結合によって、稼働軸、電動機軸又は別の軸に圧入結合又は固着結合されている。
【0055】
当該嵌合結合と、さらに固着結合又は圧入結合によって、エンコーダの固定と、最終的には稼働の信頼性とがさらに向上される。
【0056】
改良されたコンセプトによれば、負荷時タップ切換器を稼働させるための方法も提供される。当該方法は、負荷時タップ切換器を稼働させるための稼働軸の絶対位置に関する少ない1つの値を特定すること、当該少ない1つの値に基づいてフィードバック信号を生成すること、及び当該フィードバック信号に応じて当該負荷時タップ切換器を稼働させるための電動機を制御することを含む。
【0057】
当該方法の別の実施の形態及び実行は、タップ切換器の配置の様々な構成から得られる。特に、当該タップ切換器に関して記載されている個々の又は複数の構成要素及び/又は配置が、当該方法を実行するために実装され得る。
【0058】
以下に、図面を参照して本発明を詳しく例示する。同一若しくは機能的に同一であるか又は同一の効果を有する構成要素は、同一の符号で示され得る。同一の構成要素及び同一の機能を有する構成要素は、場合によっては、それらが初めて出現する図に関してだけ説明されている。当該説明は、後続する図面で必ずしも繰り返されない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】改良されたコンセプトによる稼働システムの例示的な実施の形態の概略図である。
図2】改良されたコンセプトによる稼働システムの別の例示的な実施の形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
同一の符号が、同じ又は同様に作用する要素に対して使用される。さらに、理解しやすくするため、それぞれの図の説明に必要である符号だけを個々の図に示す。これらの図は、本発明の実施の形態だけを示すが、当該図示された実施の形態に限定されない。
【0061】
図1は、開閉器1用の稼働システム3の例示的な実施の形態の概略図である。稼働システム3は、稼働軸16を介して開閉器1に接続されている。稼働システム3は、電動機軸14とオプションとして歯車装置15とを介して稼働軸16を稼働させ得る電動機12を含む。稼働システム3の制御装置2が、例えば電動機12のエネルギー供給を制御又は調整するためのインバータ(図示せず)を含む電源部11と、例えばバス18を通じてこの電源部11を制御するための制御部12とを含む。稼働システム3は、フィードバックシステム4として使用されるか又はフィードバックシステム4の一部であり、且つ電源部11に接続されているエンコーダ13を含む。さらに、エンコーダ13は、稼働軸16に直接に又は間接に接続されている。
【0062】
このため、エンコーダ13は、稼働軸16の位置、特に角度位置、例えば絶対角度位置に関する少なくとも1つの第1位置を検出するように構成されている。このため、エンコーダ13は、例えば絶対値エンコーダ、特にマルチターン絶対値エンコーダを含む。エンコーダ13は、稼働軸16、電動機軸14又は別の軸に固定されている。当該軸の位置が、稼働軸16の絶対位置に一義的に関連付けされている。例えば、稼働軸16の位置が、例えば歯車装置の伝達比によって、電動機軸14の位置から一義的に特定され得る。
【0063】
このため、フィードバックシステム4は、稼働軸16の位置に関する値を検出するように構成されている。
【0064】
このため、制御装置2、特に制御部10及び/又は電源部11は、フィードバックシステム4が当該値に基づいて生成するフィードバック信号に応じて、電動機12を制御又は調整するように構成されている。
【0065】
図2は、稼働システム3の例示的な実施の形態の概略図である。ここでは、絶対値エンコーダ、マルチターン絶対値エンコーダ、シングルターン絶対値エンコーダ又はシングルターン・ロータリーエンコーダ又はインクリメンタルエンコーダ又は仮想ロータリーエンコーダとして構成されているエンコーダ13に加えて、補助スイッチ9が設けられ得る。したがって、稼働システム3は、フィードバックシステム4として使用されるか又はフィードバックシステム4の一部であり、且つ電源部11に接続されているエンコーダ13及び補助スイッチ9を有する。
【0066】
補助スイッチ9は、少なくとも1つのマイクロスイッチ又はレゾルバ又はSin/Cosエンコーダとして構成され得る。稼働軸16の位置が、補助スイッチ9に接続されているエンコーダ13によって一義的に特定され得る。
【0067】
代わりに又はさらに、制御装置2は、稼働軸16の位置に関する値を、電動機12の回転子の位置から検出するように構成され得る。この場合、既に説明したエンコーダ13は、仮想ロータリーエンコーダとして構成されている。
【0068】
このため、例えば、電動機12の電動機巻線内の回転子の移動による電磁誘導帰還(induktive Rueckkopplung)が利用され得る。当該帰還の強さは、周期的に変化するので、回転子の位置が、特に信号分析、例えば高速フーリエ変換によって近似的に特定され得る。稼働軸16の完全な一回転が、当該回転子の複数の回転に対応するので、当該対応から、非常により高い精度で、稼働軸16の位置が推測され得る。さらに、補助スイッチ9が、稼働軸16の位置の当該特定を補正し得る。
【0069】
制御装置2、特に制御部10及び/又は電源部11は、フィードバックシステム4が第1値に基づいて生成するフィードバック信号に応じて、電動機12を制御又は調整するように構成されている。構成に応じて、当該値は、エンコーダ13の出力信号によって、又は補助スイッチ9に接続されているエンコーダ13の出力信号によって生成される。
【符号の説明】
【0070】
1 開閉器
2 制御装置
3 稼働システム
4 フィードバックシステム
9 補助スイッチ
10 制御部
11 電源部
12 電動機
13 エンコーダ
14 電動機軸
15 歯車装置
16 稼働軸
18 バス
図1
図2
【国際調査報告】