IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングの特許一覧

特表2022-533594駆動システムを有する切換装置及び切換器を駆動する方法
<>
  • 特表-駆動システムを有する切換装置及び切換器を駆動する方法 図1
  • 特表-駆動システムを有する切換装置及び切換器を駆動する方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】駆動システムを有する切換装置及び切換器を駆動する方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/02 20060101AFI20220715BHJP
   H01F 29/04 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
H01F29/02 C
H01F29/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567959
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2020061276
(87)【国際公開番号】W WO2020229120
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019112711.4
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン・ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル・オイゲン
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・ゼバスティアン
(57)【要約】
【課題】切換器、特に負荷時タップ切換器、負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、回路遮断器、負荷開閉器又は断路器を駆動するための、動作の安全性を向上させる改良されたコンセプトを提供する。
【解決手段】切換器17、特に負荷時タップ切換器と、切換器(17)のための駆動システム3とを含み、駆動システム3が、駆動システム3を切換器17に結合する駆動軸16と、駆動軸16を駆動するモータ12と、フィードバックシステム4であって、駆動軸16の位置について少なくとも2つの値を特定するように、及び該少なくとも2つの値に基づいてフィードバック信号を生成するように構成されたフィードバックシステムと、フィードバック信号に依存してモータ12の動作に影響を及ぼすように構成された制御装置2とを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切換器(17)、特に負荷時タップ切換器と、切換器(17)用の駆動システム(3)とを含み、駆動システム(3)が、
-駆動システム(3)を切換器(17)に結合する駆動軸(12)と、
-駆動軸(16)を駆動するモータ(12)と、
-フィードバックシステム(4)であって、
-駆動軸(16)の位置について少なくとも2つの値を特定するように、及び
-該少なくとも2つの値に基づいてフィードバック信号を生成するように
構成されたフィードバックシステムと、
-フィードバック信号に依存してモータ(12)の動作に影響を及ぼすように構成された制御装置(2)と
を含んでいることを特徴とする切換装置(1)。
【請求項2】
-フィードバックシステムが、駆動軸(16)の位置についての少なくとも2つの値のそれぞれを適当な手法により検出するように構成されており、
-少なくとも2つの値を検出するための全ての手法が互いに異なっているか、又は同一であること
を特徴とする請求項1に記載の切換装置(1)。
【請求項3】
駆動軸(16)の位置についての少なくとも2つの値のうち1つが、駆動軸(16)の絶対的な位置についての第1の値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の切換装置(1)。
【請求項4】
駆動軸(16)の位置についての少なくとも2つの値のうち1つが、駆動軸(16)の絶対的な位置についての第2の値であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の切換装置(1)。
【請求項5】
駆動軸(16)の位置についての少なくとも2つの値のうち1つが、駆動軸(16)の位置についてのインクリメンタル値又は駆動軸(16)の相対的な位置についての値であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の切換装置(1)。
【請求項6】
フィードバックシステムが、モータ(12)のロータ位置を検出するように、及び駆動軸(17)の位置についての少なくとも2つの値のうち1つをロータ位置に依存して特定するように構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の切換装置(1)。
【請求項7】
フィードバックシステムが、
-駆動軸(16)の絶対的な位置又は駆動軸(16)に結合された別の軸の絶対的な位置を検出するように、及び検出された位置に基づいて少なくとも1つの出力信号を生成するように構成及び配置された絶対値エンコーダを含んでおり、並びに
-駆動軸(16)の位置についての少なくとも2つの値のうち1つを少なくとも1つの出力信号に基づいて検出するように構成されていること
を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の切換装置(1)。
【請求項8】
絶対値エンコーダが、マルチターンロータリエンコーダとして構成されていることを特徴とする請求項7に記載の切換装置(1)。
【請求項9】
絶対値エンコーダが、駆動軸(16)の位置又は別の軸の位置を第1の走査方法に基づいて検出するように構成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の切換装置(1)。
【請求項10】
絶対値エンコーダが、駆動軸(16)の位置又は別の軸の位置を第1の走査方法に依存しない第2の走査方法に基づいて検出するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の切換装置(1)。
【請求項11】
第1の走査方法が、光学式、磁気式、容量式又は誘導式の走査方法を含んでいることを特徴とする請求項10又は11に記載の切換装置(1)。
【請求項12】
絶対値エンコーダが、駆動軸(16)又は別の軸に係合式に結合されていることを特徴とする請求項7~11のいずれか1項に記載の切換装置(1)。
【請求項13】
絶対値エンコーダが、更に嵌合式及び/又は材料結合式に駆動軸(16)又は別の軸に結合されていることを特徴とする請求項12に記載の切換装置(1)。
【請求項14】
切換器(1)が、負荷時タップ切換器、負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、回路遮断器、負荷開閉器又は断路器であることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の切換装置(1)。
【請求項15】
切換器(17)を駆動する方法であって、
-切換器(17)を駆動する駆動軸(16)の絶対的な位置についての少なくとも2つの値を特定すること、
-少なくとも2つの値に基づいてフィードバック信号を生成すること、及び
-フィードバック信号に依存して切換器(17)を駆動するモータ(12)を制御すること
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動システム及び切換器用の駆動システムを有する切換装置並びに切換器を駆動する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
変電所には、異なる要求を有し、異なる役割のための多数の切換器が存在する。切換器は、各切換器の操作のために駆動システムを介して駆動される必要がある。当該切換器は、とりわけ、負荷時タップ切換器、負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、回路遮断器、負荷開閉器又は断路器である。
【0003】
したがって、負荷時タップ切換器は、例えば、例えば電力変圧器又は閉ループ制御可能なインダクタのような電気的な動作手段の異なる巻線タップ間で遮断することなく切り換えるために用いられる。これにより、例えば、変圧器の変換率又はインダクタの誘導率を変更することが可能である。ダブル反転切換選択器は、電力変圧器の動作中に巻線の極性を逆転させるために用いられる。
【0004】
これら全ての切換器は、電気的な動作手段の構成要素の高度に安全に関連した構成要素である。なぜなら、動作手段が動作している間に切換が行われるとともに、これに対応して、例えばエネルギー網(電力網)に接続されるためである。動作時における障害により、極端な場合には、深刻な技術的及び経済的な結果となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、切換器、特に負荷時タップ切換器、負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、回路遮断器、負荷開閉器又は断路器を駆動するための、動作の安全性を向上させる改良されたコンセプトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
当該課題は、独立請求項の各対象によって解決される。別の実施形態は、従属請求項の対象である。
【0007】
改良されたコンセプトは、駆動軸の位置について少なくとも2つの値を検出するようになっているフィードバックシステムを、切換器を駆動する駆動軸に設けるという着想に基づくものである。モータの動作は、両値に依存して生成されるフィードバック信号に基づき影響を受ける。
【0008】
改良されたコンセプトによれば、切換装置は、切換器と、切換器用の駆動システムとを備えて記述される。駆動システムは、駆動システムを切換器に結合する駆動軸と、駆動軸を駆動するモータと、フィードバックシステムとを備えている。フィートバックシステムは、駆動軸の位置についての少なくとも2つの値を特定し、当該少なくとも2つの値に基づいてフィードバック信号を生成するように構成されている。そのほか、駆動システムは制御装置を備えており、当該制御装置は、フィードバック信号に依存してモータの動作に影響を及ぼすように構成されている。
【0009】
少なくとも1つの実施形態によれば、切換器が、負荷時タップ切換器、負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、回路遮断器、負荷開閉器又は断路器として形成されることが可能である。
【0010】
「駆動軸の位置についての値」という用語は、駆動軸の位置、場合によっては公差範囲内での駆動軸の位置を一義的に特定することができる測定量の値も含む。
【0011】
駆動軸の位置についての少なくとも2つの値を特定することで、制御装置は、位置特定の信頼性又は両値の調整(比較)を行うことができ、これにより、位置特定の確実性が高められるとともに、誤った位置特定の対応する残余リスクが低減される。加えて、フィードバック装置の部分的な故障により、駆動軸の位置についてのまだ1つのみの値を特定することができるように、必ずしも駆動軸の即時の停止に至らない。少なくとも、部分的な故障にもかかわらず、切換器は安全な動作位置へ移動するようにまだ制御されることが可能である。これにより、最終的には、切換器及び動作手段の駆動システムの動作安全性が高められる。まとめると、部分的な故障が確実に検知されることで駆動軸の位置についての2つの値の特定が向上するとともに、可用性が向上する。なぜなら、部分的な故障にもかかわらず切換が確実に最後まで行われるためである。
【0012】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動システムは、切換器、例えば負荷時タップ切換器の軸又は負荷時タップ切換器の対応する構成要素を駆動するために用いられる。これにより、例えば、負荷時タップ切換器により、1つ又は複数の操作、例えば動作手段の2つの巻線タップ間の切換又は例えば負荷切換、選択器操作、切換選択器の操作若しくはダブル反転切換選択器の操作のような切換の一部が実行される。
【0013】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸は、直接的に、又は特に1つ若しくは複数の伝動装置を介して間接的に切換器、特に切換器の軸に結合されている。
【0014】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸は、直接的に、又は特に1つ若しくは複数の伝動装置を介して間接的に負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、負荷開閉器又は断路器、特に負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、負荷開閉器又は断路器の軸に結合されている。
【0015】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸は、直接的に、又は特に1つ若しくは複数の伝動装置を介して間接的にモータ、特にモータの軸に結合されている。
【0016】
少なくとも1つの実施形態によれば、モータ軸の位置、特にモータ軸の絶対的な位置は、駆動軸の位置、特に駆動軸の絶対位置に対応している。すなわち、モータ軸の位置によって、場合によっては公差範囲内で駆動軸の位置を推定することが可能である。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、影響を及ぼすことは、モータの開ループ制御、閉ループ制御、制動、加速又は停止を含む。閉ループ制御は、例えば位置閉ループ制御、速度閉ループ制御、加速度閉ループ制御又はトルク閉ループ制御を含み得る。少なくともこのような閉ループ制御の場合には、駆動システムはサーボ駆動システムであるといえる。
【0018】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動システムは監視ユニットを含んでおり、当該監視ユニットは、フィードバック信号に基づいて切換器、負荷時タップ切換器、負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、回路遮断器、負荷開閉器又は断路器の1つ又は複数の操作を監視するように構成されている。監視は、特に、個別の操作又はその一部が特にあらかじめ規定された期間内で規定どおりに実行されるかどうかを監視することを含んでいる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、制御装置は、制御ユニットと、開ループ制御又は閉ループ制御されるモータのエネルギー供給のためのパワーユニットとを含んでいる。制御ユニットは、少なくとも1つの目標値、特に位置目標値、速度目標値又は加速度目標値に依存してパワーユニットを制御するように構成されている。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、パワーユニットは、コンバータ、特にサーボコンバータとして構成されているか、又は駆動機械のための同等の電子的な、特に完全に電子的なユニットとして構成されている。
【0021】
様々な実施形態によれば、制御装置は、フィードバックシステムを全体的に、又は部分的に含んでいる。
【0022】
少なくとも1つの実施形態によれば、フィードバックシステムは、駆動軸の位置についての少なくとも2つの値のうち第1の値を第1の手法によって検出し、駆動軸の位置についての少なくとも2つの値のうち第2の値を第2の手法によって検出するように構成されており、両手法は互いに異なっていてよい。これにより、動作安全性を更に高める、少なくとも1つの冗長性又は多様性冗長が得られる。
【0023】
両手法は、例えば同一又は異なる技術的な、若しくは物理的な原理に基づくものであってよく、あるいは同一又は異なる部材(ハードウェア構成要素)を用いることが可能である。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸の位置についての少なくとも2つの値のうち1つが、駆動軸の絶対的な位置についての第1の値である。
【0025】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸の位置についての少なくとも2つの値のうち別の1つが、駆動軸の絶対的な位置についての第2の値である。
【0026】
駆動軸の絶対的な位置についての第1及び第2の値は、制御装置によって例えば比較されることが可能である。偏差が重大であれば、制御装置は、エラーメッセージを出力するか、又は安全措置を導入することが可能である。
【0027】
少なくとも1つの実施形態によれば、駆動軸の位置についての少なくとも2つの値のうち1つが、駆動軸の位置についてのインクリメンタル値又は駆動軸の相対的な位置についての値である。
【0028】
そして、絶対的な位置についての第1及び/又は第2の値は、制御装置によってインクリメンタル値又は相対的な値と調整(比較)されることができ、これにより、絶対的な位置についての第1及び/又は第2の値の信頼性を試験することが可能である。偏差が重大であれば、制御装置は、エラーメッセージを出力し、及び/又は安全措置を導入することが可能である。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によれば、フィードバックシステムは、モータのロータ位置を検出するように、及び駆動軸の位置についての少なくとも2つの値のうち1つをロータ位置に依存して特定するように構成されている。
【0030】
少なくとも1つの実施形態によれば、ロータ位置は、モータのロータが存在し、場合によってはロータの完全な回転の数と組み合わされている角度範囲である。
【0031】
これにより、ロータの構成、特に極対数に応じて、モータ軸の位置又は絶対的な位置が、例えば制御装置によって少なくとも180°まで正確に特定されることができる。これにより、1つ又は複数の伝動装置を用いた減速によって、駆動軸の位置の達成可能な精度が大幅により大きくなる。ここで、制御装置による評価は、ある程度仮想的なエンコーダ機能に相当する。したがって、フィードバックシステムの絶対値エンコーダの完全な故障時にも、少なくとも1つの非常動作を維持することができ、及び/又は切換器、特に負荷時タップ切換器を安全な位置へもたらすことができる。
【0032】
少なくとも1つの実施形態によれば、フィードバックシステムは、駆動軸の絶対的な位置又は駆動軸に結合された別の軸の絶対的な位置を検出するように、及び検出された位置に基づいて少なくとも1つの出力信号を生成するように構成及び配置された絶対値エンコーダを含んでいる。フィードバックシステムは、駆動軸の位置についての少なくとも2つの値のうち1つ、特に絶対的な位置についての第1及び/又は第2の値を少なくとも1つの出力信号に基づいて検出するように構成されている。
【0033】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、直接的に、又は間接的に、モータ軸、駆動軸又はこれに結合された軸に固定されている。
【0034】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、絶対的な位置についての第1又は第2の値を出力するための第1の出力部と、位置についてのインクリメンタル値又は相対的な値を出力するための第2の出力部とを備えている。
【0035】
「絶対値エンコーダ」という用語には、異なる態様で位置についての2つの値を検出する装置も、また少なくとも1つが絶対値エンコーダである2つの別々のエンコーダを含む装置も含んでいる。
【0036】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、マルチターンロータリエンコーダを含んでいる。
【0037】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、駆動軸の位置又は別の軸の位置を第1の走査方法に基づいて検出するように構成されている。
【0038】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、駆動軸の位置又は別の軸の位置を第1の走査方法に依存しない第2の走査方法に基づいて検出するように構成されている。
【0039】
少なくとも1つの実施形態によれば、第1又は第2の走査方法は、光学式、磁気式、容量式又は誘導式の走査方法を含んでいる。
【0040】
少なくとも1つの実施形態によれば、第1の走査方法は第2の走査方法とは異なっている。
【0041】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、駆動軸、モータ軸又は別の軸に係合式に結合された結合されている。
【0042】
少なくとも1つの実施形態によれば、絶対値エンコーダは、更に嵌合式又は材料結合式に、例えば接着結合によって駆動軸、モータ軸又は別の軸に結合されている。
【0043】
係合式の、及び更に材料結合式又は嵌合式の結合によって、絶対値エンコーダの固定及び最終的には動作安全性が向上する。
【0044】
改良されたコンセプトによれば、負荷時タップ切換器を駆動する方法も記載される。当該方法は、負荷時タップ切換器を駆動する駆動軸の絶対的な位置についての少なくとも2つの値を特定すること、少なくとも2つの値に基づいてフィードバック信号を生成すること、及びフィードバック信号に依存して負荷時タップ切換器を駆動するモータを制御することを含んでいる。
【0045】
方法の別の構成形態及び実施は、負荷タップ切換装置の様々な構成形態から直接明らかである。特に、負荷タップ切換装置に関して説明される個々の、若しくは複数の構成要素及び/又は機器は、方法を実行するために適当に実施されることが可能である。
【0046】
以下では、図面を参照しつつ例示的な実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。同一若しくは機能上同一であるか、又は同一の効果を有する構成要素には同一の符号が付されていることがある。同一の構成要素又は同一の機能を有する構成要素は、事情によっては、これらが表される図面に関してのみ説明されている。説明は、以下の図において必ずしも繰り返されない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】改良されたコンセプトによる切換装置の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図2】改良されたコンセプトによる切換装置の別の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1には、切換器17と、駆動軸16を介して切換器17に接続された駆動システム3とをもって改良されたコンセプトによる切換装置1の例示的な実施形態が概略的に図示されている。切換器17は、負荷時タップ切換器、負荷切換開閉器、選択器、ダブル反転切換選択器、反転切換選択器、切換選択器、回路遮断器、負荷開閉器又は断路器であってよい。駆動システム3は、モータ軸16を介して、及び任意で伝動装置15を介して駆動軸16を駆動することができるモータ12を含んでいる。駆動システム3の制御装置2は、開ループ制御された、又は閉ループ制御されたモータ12のエネルギー供給のための、例えばここでは不図示のコンバータを含むパワーユニット11と、パワーユニット11を例えばバス18を介して制御する制御ユニット10とを含んでいる。駆動システム3は、フィードバックシステム4として用いられ、フィードバックシステム4の一部であるとともにパワーユニット11に接続されているエンコーダシステム(センサシステム)13を備えている。また、エンコーダシステム13は、駆動軸に直接的に、又は間接的に結合されている。
【0049】
エンコーダシステム13は、位置、特に角度位置、例えば駆動軸16の絶対的な角度位置についての第1の値を検出するように構成されている。このために、エンコーダシステム13は、例えば絶対値エンコーダ(絶対値センサ)、特にマルチターン絶対値エンコーダを含むことができ、当該絶対値エンコーダは、駆動軸16、モータ軸14又は他の軸に固定されており、その位置は、一義的に駆動軸16の絶対的な位置に結び付けられている。例えば、駆動軸16の位置は、モータ軸14の位置に基づき、例えば伝動装置15の変速比を介して特定可能である。
【0050】
絶対値エンコーダの固定は、例えば係合式の結合と嵌合式及び/又は材料結合式(溶着式)の結合との組合せとして構成されている。
【0051】
そのほか、フィードバックシステム4は、駆動軸16の位置についての第2の値を検出するために構成されている。
【0052】
このために、エンコーダシステム13は、特に、駆動軸16の位置についての第1の値を検出する手法とは異なる手法を用いて、第2の値を検出するように構成されている。
【0053】
これに代えて、又はこれに加えて、モータ12のロータ位置に基づき第2の値を検出するように構成されていることが可能であるとともに、したがって、効果的には、第2の値を検出する仮想的なエンコーダ(センサ)を備えることが可能である。このために、例えばモータ12のモータ巻線におけるロータの移動による誘導式のフィードバック(応答)を活用することが可能である。フィードバックの強さは周期的に変化するため、特に信号解析、例えばFFT解析を用いてロータ位置を近似的に特定することが可能である。駆動軸16の完全な1回転はロータの多数の回転に相当するため、これに基づき、駆動軸16の位置を非常により大きな精度をもって推定することが可能である。
【0054】
制御装置2、特に制御ユニット10及び/又はパワーユニット11は、第1及び第2の値に基づいてフィードバックシステムが生成するフィードバック信号に依存してモータ12を開ループ制御又は閉ループ制御するように構成されている。
【0055】
制御装置2、例えば制御ユニット10は、例えば駆動軸16の位置についての両値を調整(比較)し、及び/又は位置特定の信頼性試験を実行することが可能である。
【0056】
図2には、図1による実施形態に基づく改良されたコンセプトによる切換装置1の別の例示的な実施形態が概略的に図示されている。
【0057】
切換装置1は、ここでは任意で配電盤21を備えており、当該配電盤内には、制御ユニット10、パワーユニット11及び任意のヒューマンマシンインターフェース19が配置されている。ヒューマンマシンインターフェース19は、制御ユニット10に接続されているとともに、例えば動作中又は動作停止時の制御目的、メンテナンス目的又は構成目的に用いられることが可能である。
【0058】
モータ12、モータ軸14、エンコーダシステム13及び/又は伝動装置15を、配電盤の内部又は外部に配置することが可能である。
【0059】
切換装置1、特に制御ユニット10は安全装置20に接続されており、当該安全装置は、例えば切換装置1のエラー時又は障害時に切換装置1又は切換装置1が割り当てられた電気的な動作手段をエネルギー網から遮断するために、例えば回路遮断器又はサーキットブレーカを含んでいる。
【0060】
改良されたコンセプトによる切換装置1によって、切換器17の駆動システム3及び動作手段の動作安全性が向上する。上述の二重の位置特定及び対応する調整によって、誤った位置特定の残余リスクが低減される。
【符号の説明】
【0061】
1 切換装置
2 制御装置
3 駆動システム
4 フィードバックシステム
10 制御ユニット
11 パワーユニット
12 モータ
13 エンコーダシステム
14 モータ軸
15 伝動装置
16 駆動軸
17 切換器
18 バス
19 ヒューマンマシンインターフェース
20 安全装置
21 配電盤
図1
図2
【国際調査報告】