(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】フレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/32 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
G01N3/32 N
G01N3/32 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568111
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 KR2020003053
(87)【国際公開番号】W WO2020230988
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】10-2019-0055898
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0112834
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519219047
【氏名又は名称】フレックシゴー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FLEXIGO INC.
【住所又は居所原語表記】(Yuryang-dong)103,1st Floor,21,Beolmal 2-ro,Dongnam-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do 31068,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,キ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ヒョン ボン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ホ ムン
(72)【発明者】
【氏名】クワク,チャン シン
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA07
2G061AB05
2G061BA15
2G061CA10
2G061CB01
2G061DA01
2G061DA10
(57)【要約】
本発明は、フィルム型フレキシブル素材のフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもってアンフォールディング(展開;unfolding)状態を基準にフレキシブル素材のインフォールディング(内折り;infolding)動作及びアウトフォールディング(外折り;outfolding)動作の両方を実現することができるようにする。このために、フレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置は、評価すべきフレキシブル素材の一側を固定する固定ユニットと、フレキシブル素材の他側を固定し、アンフォールディング状態で固定ユニットと面一(つらいち)となるように固定ユニットから離隔して配置され、固定ユニットを基準にして回動してアンフォールディング状態のフレキシブル素材をインフォールディング又はアウトフォールディングさせるムービングユニットと、固定ユニットが固定され、固定ユニットとムービングユニットとの中間地点を中心にしてムービングユニットが回転可能となるようにムービングユニットの回転経路が形成されるモーションガイドユニットと、モーションガイドユニットとムービングユニットとを連結するモーションユニットと、を含み、ムービングユニットは、インフォールディング動作及びアウトフォールディング動作に対応してモーションユニットを基準にしてピボット回転可能であるとともに、固定ユニットとムービングユニットとの中間地点を通る法線の方向に沿ってスライド移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価すべきフレキシブル素材の一側を固定する固定ユニットと、
前記フレキシブル素材の他側を固定し、アンフォールディング状態で前記固定ユニットと面一となるように前記固定ユニットから離隔して配置され、前記固定ユニットを基準に回動してアンフォールディング状態の前記フレキシブル素材をインフォールディング又はアウトフォールディングさせるムービングユニットと、
前記固定ユニットが固定され、前記固定ユニットと前記ムービングユニットとの中間地点を中心にして前記ムービングユニットが回転可能となるように前記ムービングユニットの回転経路が形成されるモーションガイドユニットと、
前記モーションガイドユニットと前記ムービングユニットとを連結するモーションユニットと、
を含み、
前記ムービングユニットは、
前記フレキシブル素材のインフォールディング動作と前記フレキシブル素材のアウトフォールディング動作に対応して、前記モーションユニットを基準にしてピボット回転可能であるとともに、前記固定ユニットと前記ムービングユニットとの中間地点を通る法線の方向に沿ってスライド移動可能であることを特徴とする、フレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置。
【請求項2】
前記モーションガイドユニットには、前記ムービングユニットの回転経路に対応して円形状のガイド溝部が凹設され、
前記モーションユニットは、
前記中間地点にて前記モーションガイドユニットに回転可能に備えられる回転軸と、
前記回転軸に固定されるモーションブロックと、
前記モーションブロックに長手方向に沿ってスライド移動可能に結合するスライドブロックと、
前記スライドブロックに回転可能に結合し、前記ムービングユニットの回転に対応して前記ガイド溝部に沿って移動するように前記ガイド溝部に嵌め合わされるガイド突部が突出形成されるガイドブロックと、を含み、
前記ムービングユニットは、前記ガイドブロックに固定されることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置。
【請求項3】
前記ガイド溝部には、
前記インフォールディングの完了位置を示すインフォールディングストッパと、
前記アウトフォールディングの完了位置を示すアウトフォールディングストッパと、が備えられることを特徴とする、請求項2に記載のフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置。
【請求項4】
前記ガイド溝部は、
前記ムービングユニットの移動経路のうち、インフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第1インフォールディング溝と、
前記第1インフォールディング溝の外側に平行に備えられ、前記ムービングユニットの移動経路のうち、インフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第2インフォールディング溝と、
前記第1インフォールディング溝に連通し、前記ムービングユニットの移動経路のうち、アウトフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第1アウトフォールディング溝と、
前記第2インフォールディング溝に連通した状態で前記第1アウトフォールディング溝の外側に平行に備えられ、前記ムービングユニットの移動経路のうち、アウトフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第2アウトフォールディング溝と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置。
【請求項5】
前記ガイド突部は、
前記第1インフォールディング溝及び前記第1アウトフォールディング溝の中で移動する第1突部と、
前記第2インフォールディング溝及び前記第2アウトフォールディング溝の中で移動する第2突部と、を含み、
前記第1突部と前記第2突部のうちのいずれか一方は、前記中間地点を通る仮想直線のうちのいずれか一つに含まれ、
前記第1突部と前記第2突部のうちのもう一方は、前記中間地点を通る仮想直線のうちのもう一つに含まれることを特徴とする、請求項4に記載のフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置。
【請求項6】
前記モーションガイドユニットを基準に前記モーションユニットを回転させるモーション駆動ユニット、及び
前記中間地点にて前記モーションガイドユニットを基準にした前記ムービングユニットの回転・非回転を選択する回転制限ユニットのうちの少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置。
【請求項7】
前記インフォールディング状態で前記フレキシブル素材に形成されるインフォールディング曲げ部の曲率半径をR0とし、前記アウトフォールディング状態で前記フレキシブル素材に形成されるアウトフォールディング曲げ部の曲率半径をR1とすると、
R1はR0よりも大きい曲率半径を示し、
前記固定ユニットと前記ムービングユニットとの離隔距離はπR1と表記することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置に関し、より具体的には、フィルム型フレキシブル素材のフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもってアンフォールディング(展開;unfolding)状態を基準に、フレキシブル素材のインフォールディング(内折り;infolding)動作と、フレキシブル素材のアウトフォールディング(外折り;outfolding)動作との両方を実現することができるようにする、フレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えばテレビやコンピュータ用モニター、各種携帯電子機器などのディスプレイのために用いられる従来の表示パネルは、柔軟性のないガラス基板を使用するため、平らな構造をもち単調であり、その応用には限界があった。
【0003】
このような理由から、科学技術の発展に伴い、最近では、柔軟性のないガラス基板の代わりに、プラスチックなどのように柔軟性のあるフレキシブル素材を用いて、曲げることが可能な、いわゆるフレキシブルディスプレイ装置が開発及び生産されている。例えば、折り畳んだり、巻物の如く巻いたりすることが可能なフレキシブルディスプレイパネルの技術も開発されている。
【0004】
例えば、米国公開特許US2014/0247544号公報(Roll-type flexible device for displaying)には、回転可能なX字状を有する複数のロッドを連結したロッドアセンブリを用いて、ハウジング内のロールにフレキシブルディスプレイ部を巻き取る技術が開示されている。
【0005】
上述した様々な形態のフレキシブルディスプレイ装置に用いられるディスプレイ素子には、TFT LCDや有機EL、または電気泳動などがあり、これに適用される素材(以下、フレキシブル素材)の耐久性は製品の寿命に直結するので、製品の設計に先立ち、選択された素材の耐久性試験は必須的に行われる。
【0006】
上述した耐久性試験には様々な種類があり、それらの中にはフォールディング試験も含まれる。フォールディング試験は、フレキシブル素材を曲げたり広げたりする動作を繰り返し行う試験であって、例えばフレキシブル素材の試験片の、一部は固定板に固定させ、残りの一部は回動板に固定させた状態で、回動板を機械的に回動運動させる装置が使用されたりもした。
【0007】
ところが、このような方式のフォールディング装置では、正確なフォールディング試験を行うことができなかった。その理由は、回動板の回動運動の際に、フレキシブル素材に引張力が作用することを遮断することができないためである。フレキシブル素材の純粋な曲げ動作のみ実現することができないというのは、試験の信頼性を大幅に低下させる原因となる。
【0008】
先行技術文献には、韓国特許第10-1349789号公報(フィルム曲げ試験装置)と、韓国公開特許第10-2016-0087143号公報(太陽電池モジュールの折り畳み運動に対する耐久性試験装置)がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来の問題点を解決するためのもので、その目的は、フィルム型フレキシブル素材のフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもって、アンフォールディング状態を基準に、フレキシブル素材のインフォールディング動作と、フレキシブル素材のアウトフォールディング動作との両方を実現することができるようにする、フレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための好適な実施形態によれば、本発明によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置は、評価すべきフレキシブル素材の一側を固定する固定ユニットと、前記フレキシブル素材の他側を固定し、アンフォールディング状態にて前記固定ユニットと面一(つらいち)となる(同一の平面をなす)ように前記固定ユニットから離隔して配置され、前記固定ユニットを基準にして回動してアンフォールディング状態の前記フレキシブル素材をインフォールディング又はアウトフォールディングさせるムービングユニットと、前記固定ユニットが固定され、前記固定ユニットと前記ムービングユニットとの中間地点を中心にして前記ムービングユニットが回転可能となるように前記ムービングユニットの回転経路が形成されるモーションガイドユニットと、前記モーションガイドユニットと前記ムービングユニットとを連結するモーションユニットと、を含み、前記ムービングユニットは、前記フレキシブル素材のインフォールディング動作と、前記フレキシブル素材のアウトフォールディング動作とに対応して、前記モーションユニットを基準にしてピボット回転可能である一方、前記固定ユニットと前記ムービングユニットとの中間地点を通る法線方向に沿ってスライド移動可能である。
【0011】
ここで、前記モーションガイドユニットには、前記ムービングユニットの回転経路に対応して円形状のガイド溝部(溝または穴)が凹設され、前記モーションユニットは、前記中間地点にて前記モーションガイドユニットに回転可能に備えられる回転軸と、前記回転軸に固定されるモーションブロックと、前記モーションブロックに長手方向に沿ってスライド移動可能に結合するスライドブロックと、前記スライドブロックに回転可能に結合し、前記ムービングユニットの回転に対応して前記ガイド溝部に沿って移動するように前記ガイド溝部に嵌め合わされるガイド突部が突出して形成されるガイドブロックと、を含み、前記ムービングユニットは、前記ガイドブロックに固定される。
【0012】
ここで、前記ガイド溝部には、前記インフォールディングの完了位置を示すインフォールディングストッパと、前記アウトフォールディングの完了位置を示すアウトフォールディングストッパとが備えられる。
【0013】
ここで、前記ガイド溝部は、前記ムービングユニットの移動経路のうち、インフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第1インフォールディング溝と、前記第1インフォールディング溝(または穴)の外側に平行に備えられ、前記ムービングユニットの移動経路のうち、インフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第2インフォールディング溝(または穴)と、前記第1インフォールディング溝に連通し、前記ムービングユニットの移動経路のうち、アウトフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第1アウトフォールディング溝と、前記第2インフォールディング溝に連通した状態で前記第1アウトフォールディング溝の外側に平行に備えられ、前記ムービングユニットの移動経路のうち、アウトフォールディング動作による前記ガイド突部の移動経路を形成する弧状の第2アウトフォールディング溝と、を含む。
【0014】
ここで、前記ガイド突部は、前記第1インフォールディング溝及び前記第1アウトフォールディング溝の中で移動する第1突部と、前記第2インフォールディング溝及び前記第2アウトフォールディング溝の中で移動する第2突部とを含み、前記第1突部と前記第2突部のうちのいずれか一方は、前記中間地点を通る仮想直線のうちのいずれか一つに含まれ、前記第1突部と前記第2突部のうちのもう一方は、前記中間地点を通る仮想直線のうちのもう一つに含まれる。
【0015】
本発明に係るフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置は、前記モーションガイドユニットを基準に前記モーションユニットを回転させるモーション駆動ユニット、及び前記中間地点にて前記モーションガイドユニットを基準にして前記ムービングユニットが回転するか否かを選択する回転制限ユニットのうちの少なくとも一つをさらに含む。
【0016】
本発明に係るフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置は、前記インフォールディング状態で前記フレキシブル素材に形成されるインフォールディング曲げ部の曲率半径をR0とし、前記アウトフォールディング状態で前記フレキシブル素材に形成されるアウトフォールディング曲げ部の曲率半径をR1とすると、R1はR0よりも大きい曲率半径を示し、前記固定ユニットと前記ムービングユニットとの離隔距離はπR1と表記する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置によれば、フィルム型フレキシブル素材のフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもって、アンフォールディング状態を基準にして、フレキシブル素材のインフォールディング動作と、フレキシブル素材のアウトフォールディング動作との両方を実現することができる。別の表現でいうと、フィルム型フレキシブル素材のフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもって、フレキシブル素材を基準にして、フレキシブル素材の両面の側へとそれぞれ180度ずつ繰り返し折り畳むことにより、フレキシブル素材を双方向に繰り返し折り畳むことができ、インフォールディングによるインフォールディング曲げ部の曲率半径と、アウトフォールディングによるアウトフォールディング曲げ部の曲率半径とを互いに異ならせる構造を持つ。
【0018】
また、本発明は、モーションガイドユニットとモーションユニットとの結合関係を介して、ムービングユニットの回転過程におけるムービングユニットの不要な遊動を防止することができる。
【0019】
また、本発明は、モーションユニットの詳細構成によって、ムービングユニットの回転を円滑にするのであり、フレキシブル素材のフォールディング試験の際、インフォールディング動作とアウトフォールディング動作を実現するときに、フレキシブル素材に引張力を含む雑力が加えられないので、テストの信頼性が高く、その分、正確な耐久性評価を行うことができる。
【0020】
また、本発明は、ストッパの構成によって、フレキシブル素材のフォールディング試験の際、インフォールディング動作とアウトフォールディング動作を実現するときに、ガイド溝部にてガイド突部を停止させ、フレキシブル素材のフォールディング完了状態を明確にすることができる。
【0021】
また、本発明は、ガイド溝部の詳細構成によって、ムービングユニットの回転経路を明確にし、フォールディングの完了位置にて固定ユニットとムービングユニットの平行状態を安定化させることができる。
【0022】
また、本発明は、ガイド突部の詳細構成によって、ムービングユニットが回転する際に、モーションユニットの動作を安定化させることができる。
【0023】
また、本発明は、モーション駆動ユニットの構成によって、フォールディング実験を自動化することができる。
【0024】
また、本発明は、回転制限ユニットの構成によって、ムービングユニットが回転するか否かを選択することができる。
【0025】
また、本発明は、数値限定事項によって、一つのフォールディング装置におけるインフォールディング動作とアウトフォールディング動作との相互干渉を防止し、フレキシブル素材を安全に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置におけるモーションユニットの詳細構成を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置を示す正断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置を示す側断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置を示す平断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置のインフォールディング動作とアウトフォールディング動作に対する概念図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置におけるアンフォールディング状態を示す要部図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置におけるインフォールディング完了状態を示す要部図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置におけるアウトフォールディング完了状態を示す要部図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置の一実施形態を説明する。ここで、本発明は実施形態によって制限又は限定されるものではない。なお、本発明を説明するにあたり、公知の機能或いは構成についての具体的な説明は、本発明の要旨を明確にするために省略できる。
【0028】
図1~
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置は、固定ユニット10と、ムービングユニット20と、モーションガイドユニット30と、モーションユニット40と、を含み、モーション駆動ユニット50と回転制限ユニット60のうちの少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0029】
固定ユニット10は、評価すべきフレキシブル素材Fの一側を固定する。
【0030】
固定ユニット10は、固定ブラケット11を介してモーションガイドユニット30に固定される。
【0031】
ムービングユニット20は、フレキシブル素材Fの他側を固定する。ムービングユニット20は、アンフォールディング状態にて固定ユニット10と面一となるように固定ユニット10から離隔して配置される。ムービングユニット20は、固定ユニット10を基準に回動して、アンフォールディング状態のフレキシブル素材Fをインフォールディング又はアウトフォールディングさせることができる。
【0032】
より詳しくは、ムービングユニット20は、フレキシブル素材Fのインフォールディング動作と、フレキシブル素材Fのアウトフォールディング動作とに対応してモーションユニット40を基準にピボット回転可能である一方、固定ユニット10とムービングユニット20との中間地点を通る法線の方向に沿ってスライド移動可能であるので、ムービングユニット20がアンフォールディング状態のフレキシブル素材Fをインフォールディング又はアウトフォールディングさせる際、フレキシブル素材Fに引張力を含む雑力が加えられなくなる。
【0033】
図6に示すように、インフォールディング状態でフレキシブル素材Fに形成されるインフォールディング曲げ部F1の曲率半径をR0とし、アウトフォールディング状態でフレキシブル素材Fに形成されるアウトフォールディング曲げ部F2の曲率半径をR1とすると、R1はR0よりも大きい曲率半径であり、固定ユニット10とムービングユニット20との離間距離はπR1と表すことができる。本発明の一実施形態において、R1は、R0の2倍~3倍以上を示すことができる。
【0034】
これにより、本発明の一実施形態において、一つのフォールディング装置がアンフォールディング状態のフレキシブル素材Fをインフォールディング又はアウトフォールディングさせる際、インフォールディング動作とアウトフォールディング動作とが相互干渉せず、スムーズにフレキシブル素材Fを曲げることができる。
【0035】
ムービングユニット20は、ムービングブラケット21を介してモーションユニット40に固定される。
【0036】
モーションガイドユニット30には固定ユニット10が固定される。モーションガイドユニット30には、固定ユニット10とムービングユニット20との中間地点を中心に、ムービングユニット20が回転可能となるように、ムービングユニット20の回転経路が形成される。
【0037】
より詳細には、モーションガイドユニット30には、ムービングユニット20の回転経路に対応して円形状のガイド溝部が凹設される。円形状のガイド溝部の中心は、固定ユニット10とムービングユニット20との中間地点に選定することができる。
【0038】
ガイド溝部は二重に形成されうる。
【0039】
より詳細には、ガイド溝部は、ムービングユニット20の移動経路のうち、インフォールディング動作に応じて、モーションユニット40に備えられるガイド突部(第1突部443)の移動経路を形成する弧状の第1インフォールディング溝31と、第1インフォールディング溝31の外側に平行に備えられ、ムービングユニット20の移動経路のうち、インフォールディング動作に応じて、モーションユニット40に備えられるガイド突部(第2突部444)の移動経路を形成する弧状の第2インフォールディング溝32と、第1インフォールディング溝31に連通し、ムービングユニット20の移動経路のうち、アウトフォールディング動作に応じて、モーションユニット40に備えられるガイド突部(第1突部443)の移動経路を形成する弧状の第1アウトフォールディング溝33と、第2インフォールディング溝32に連通した状態で第1アウトフォールディング溝33の外側に平行に備えられ、ムービングユニット20の移動経路のうち、アウトフォールディング動作に応じて、モーションユニット40に備えられるガイド突部(第2突部444)の移動経路を形成する弧状の第2アウトフォールディング溝34と、を含むことができる。
【0040】
すると、第1インフォールディング溝31と第1アウトフォールディング溝33は、中心地点を中心とする円形状を示し、第2インフォールディング溝32と第2アウトフォールディング溝34は、中心地点を中心とする円形状を示すことができる。
【0041】
ここで、ガイド溝部には、インフォールディングの完了位置を示すインフォールディングストッパ301と、アウトフォールディングの完了位置を示すアウトフォールディングストッパ302とが備えられることにより、フレキシブル素材Fのインフォールディングの完了状態、及びフレキシブル素材Fのアウトフォールディングの完了状態にて、ムービングユニット20がさらに回転することを防止することができる。
【0042】
つまり、インフォールディングストッパ301は、第1インフォールディング溝31の自由端部と、第2インフォールディング溝32の自由端部とにそれぞれ形成されるのであり、アウトフォールディングストッパ302は、第1アウトフォールディング溝33の自由端部と第2アウトフォールディング溝34の自由端部にそれぞれ形成されるようにする。
【0043】
ここで、側面にて固定ユニット10を基準とするインフォールディングストッパ301の位置において、第2インフォールディング溝32の自由端部に形成されたインフォールディングストッパ301は、第1インフォールディング溝31の自由端部に形成されたインフォールディングストッパ301よりも下方に配置されることにより、フレキシブル素材Fのインフォールディング完了状態にて、固定ユニット10とムービングユニット20とが実質的に平行をなすようにすることができる。
【0044】
また、側面にて固定ユニットを基準とするアウトフォールディングストッパ302の位置において、第2アウトフォールディング溝34の自由端部に形成されたアウトフォールディングストッパ302は、第1アウトフォールディング溝33の自由端部に形成されたアウトフォールディングストッパ302よりも下方に配置されることにより、フレキシブル素材Fのアウトフォールディング完了状態にて、固定ユニット10とムービングユニット20とが実質的に平行をなすようにすることができる。
【0045】
モーションユニット40は、モーションガイドユニット30とムービングユニット20とを連結する。
【0046】
モーションユニット40は、中間地点でモーションガイドユニット30に回転可能に備えられる回転軸41と、回転軸41に固定され、中間地点を通る仮想の直線の方向に突出するモーションブロック42と、モーションブロック42に長手方向に沿ってスライド移動可能に結合するスライドブロック43と、スライドブロック43に回転可能に結合し、ムービングユニット20の回転に対応してガイド溝部に沿って移動するようにガイド溝部に嵌合されるガイド突部が突出して形成されるガイドブロック44と、を含むことができる。ここで、ムービングユニット20は、ムービングブラケット21を介してガイドブロック44に固定されるようにする。
【0047】
すると、ムービングユニット20が回転するにつれて、モーションブロック42を基準にスライドブロック43はスライド移動するのであり、スライドブロック43を基準にガイドブロック44が回転するにつれて、ガイド突部はガイド溝部に挿入された状態で安定して移動するのであり、フレキシブル素材Fのインフォールディングの完了状態及びフレキシブル素材Fのアウトフォールディング状態にて、固定ユニット10とムービングユニット20とが実質的に平行を成すことができる。
【0048】
モーションブロック42には、連結ガイド45の結合のためのガイド装着部421が凹設されうる。
【0049】
モーションブロック42には、スライドブロック43のスライド移動に対応してガイドブロック44の固定ボディ442が挿入・脱出可能な、ブロック装着部422が凹設されうる。
【0050】
スライドブロック43には、ガイドブロック44が回転可能に挿入されるピボットホール431が、貫通して形成され、ガイドブロック44とムービングユニット20との結合を円滑にすることができる。ピボットホール431の内壁には、ガイドブロック44の回転ボディ441を回転可能に支持するブロック支持ブッシュ432が備えられうる。
【0051】
ガイドブロック44は、スライドブロック43に回転可能に結合し、ムービングブラケット21を介してムービングユニット20が固定される回転ボディ441と、回転ボディ441に備えられ、ガイド突部が突設される固定ボディ442と、を含むことができる。
【0052】
ここで、ガイド突部は、二重構造のガイド溝部に対応して、2つが相互に離隔して固定ボディ442から突出するように形成される。
【0053】
より詳細には、ガイド突部は、第1インフォールディング溝31と第1アウトフォールディング溝33の中で移動する第1突部443と、第1突部443から離隔して第2インフォールディング溝32と第2アウトフォールディング溝34の中で移動する第2突部444と、を含む。ここで、第1突部443及び第2突部444のうちのいずれか一方は、中間地点を通る仮想直線のうちのいずれか一方に含まれ、第1突部443及び第2突部444のうちのもう一方は、中間地点を通る仮想直線のうちのもう一方に含まれる。本発明の一実施形態において、第1突部443が中間地点を通る仮想直線のうちのいずれか一方に含まれると、第2突部444は、インフォールディングの方向を基準に、第1突部443が含まれた仮想直線の前方に配置されるようにする。
【0054】
モーションユニット40は、モーションブロック42とスライドブロック43とを連結する連結ガイド45、及び、スライドブロック43に対してガイドブロック44を回転可能に支持する支持ベアリング46のうちの少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0055】
連結ガイド45は、モーションブロック42のガイド装着部421に結合するモーション支持部451と、モーション支持部451と対向するようにスライドブロック43に結合するガイド支持部452と、モーション支持部451とガイド支持部452との間にスライド移動可能に嵌め合わされるスライダー453と、を含むことができる。これにより、モーションブロック42を基準にスライドブロック43のスライド移動を滑らかにすることができる。
【0056】
支持ベアリング46は、スライドブロック43のピボットホール431に挿入されうる。支持ベアリング46は、ブロック支持ブッシュ432の両側にそれぞれ備えられうる。
【0057】
モーション駆動ユニット50は、モーションガイドユニット30を基準にモーションユニット40を回転させる。モーション駆動ユニット50は、印加される電源によってモーションユニット40の回転軸41を正逆回転させることができる。
【0058】
回転制限ユニット60は、中間地点にてモーションガイドユニット30を基準に、ムービングユニット20の回転または非回転を選択する。回転制限ユニット60は、モーションガイドユニット30に備えられる制限ブラケット61と、制限軸63を介して制限ブラケット61にピボット回転可能に結合する制限レバー62と、を含む。制限レバー62には、回転軸41が通過する軸通過孔部621が、貫通して形成される。
【0059】
これにより、アイドル状態では、軸通過孔部621内で回転軸41が自由に回転する。そして、制限レバー62をピボット回転させると、軸通過孔部621の内壁と、回転軸41に備えられる係止面とが密着支持されて回転軸41の回転を制限することができる。
【0060】
図面符号Bは、モーションガイドユニットが固定されるベースユニットである。ベースユニットBには固定ユニット10が装着され、ムービングユニット20が回転可能なフォールディング空間B1が形成される。図面符号P inは、フレキシブル素材Fのインフォールディング動作に応じてムービングユニット20の移動経路を示すインフォールディング経路であり、図面符号P outは、フレキシブル素材Fのアウトフォールディング動作に応じてムービングユニット20の移動経路を示すアウトフォールディング経路である。
【0061】
アンフォールディング状態では、
図7に示すように、固定ユニット10とムービングユニット20とが面一となるように(同一平面上に)配置される。
【0062】
アンフォールディング状態を基準にインフォールディング動作を実現すると、回転軸41が反時計回りに回転するにつれて、回転軸41を中心にモーションユニット40とムービングユニット20が反時計回りに回転する。この際、ガイド突部とガイド溝部との結合関係に応じて、ムービングユニット20の不要な遊動を防止することができる。また、ガイド突部とガイド溝部との結合関係に応じて、モーションブロック42を基準にスライドブロック43はスライド移動し、スライドブロック43を基準にガイドブロック44は回転することにより、フレキシブル素材Fに引張力を含む雑力が加えられることを防止する。
【0063】
そして、ガイド突部がインフォールディングストッパ301に支持されると、インフォールディングが完了する。
【0064】
インフォールディング完了状態では、
図8に示すように、固定ユニット10とムービングユニット20とが2R0だけ離隔した状態で、相互に平行な状態をなす。この際、モーションブロック42は、スライドブロック43と同じ仮想の直線上に配置されるが、スライドブロック43を基準にガイドブロック44が回転するにつれて、スライドブロック43とムービングユニット20とは交差した状態を示す。
【0065】
そして、インフォールディング完了状態で回転軸41を時計回りに回転させると、アンフォールディング状態に復帰することができる。
【0066】
アンフォールディング状態を基準にアウトフォールディング動作を実現すると、回転軸41が時計回りに回転するにつれて、回転軸41を中心にモーションユニット40とムービングユニット20が時計回りに回転する。この際、ガイド突部とガイド溝部との結合関係に応じて、ムービングユニット20の不要な遊動を防止することができる。また、ガイド突部とガイド溝部との結合関係に応じて、モーションブロック42を基準にスライドブロック43はスライド移動し、スライドブロック43を基準にガイドブロック44は回転することにより、フレキシブル素材Fに引張力を含む雑力が加えられることを防止する。
【0067】
そして、ガイド突部がアウトフォールディングストッパ302に支持されると、アウトフォールディングが完了する。
【0068】
アウトフォールディング完了状態では、
図9に示すように、固定ユニット10とムービングユニット20が2R1だけ離隔した状態で相互に平行な状態を成す。この際、モーションブロック42は、スライドブロック43と同じ仮想の直線上に配置されるが、スライドブロック43を基準にガイドブロック44が回転するにつれて、スライドブロック43とムービングユニット20とは交差した状態を示す。
【0069】
そして、アウトフォールディング完了状態で回転軸41を反時計回りに回転させると、アンフォールディング状態に復帰することができる。
【0070】
上述したフレキシブル素材の360度双方向フォールディング耐久性評価装置によれば、フィルム型フレキシブル素材Fのフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもって、アンフォールディング状態を基準に、フレキシブル素材Fのインフォールディング動作と、フレキシブル素材Fのアウトフォールディング動作との両方を実現することができる。別の表現でいうと、フィルム型フレキシブル素材Fのフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもって、フレキシブル素材Fを基準にフレキシブル素材Fの両面の側へとそれぞれ180度ずつ繰り返し折り畳むことにより、フレキシブル素材Fを双方向に繰り返し折り畳むことができ、インフォールディングによるインフォールディング曲げ部F1の曲率半径と、アウトフォールディングによるアウトフォールディング曲げ部F2の曲率半径とを互いにを異ならせる構造を持つ。
【0071】
また、モーションガイドユニット30とモーションユニット40との結合関係を介して、ムービングユニット20の回転の過程におけるムービングユニット20の不要な遊動を防止することができる。
【0072】
また、モーションユニット40の詳細構成によって、ムービングユニット20の回転を円滑にするのであり、フレキシブル素材Fのフォールディング試験の際、インフォールディング動作とアウトフォールディング動作を実現するときに、フレキシブル素材Fに引張力を含む雑力が加えられないので、試験の信頼性が高く、その分正確な耐久性評価を行うことができる。
【0073】
また、ストッパ301、302の構成によって、フレキシブル素材Fのフォールディング試験の際、インフォールディング動作とアウトフォールディング動作を実現するときに、ガイド溝部内にてガイド突部を停止させ、フレキシブル素材Fのフォールディング完了状態を明確にすることができる。
【0074】
また、ガイド溝部の詳細構成によって、ムービングユニット20の回転経路を明確にし、フォールディング完了位置にて固定ユニット10とムービングユニット20との平行状態を安定化させることができる。
【0075】
また、ガイド突部の詳細構成によって、ムービングユニット20が回転する際に、モーションユニット40の動作を安定化させることができる。
【0076】
また、モーション駆動ユニット50の構成によって、フォールディング実験を自動化することができる。
【0077】
また、回転制限ユニット60の構成によって、ムービングユニット20の回転・非回転を選択することができる。
【0078】
また、数値限定事項によって、一つのフォールディング装置におけるインフォールディング動作とアウトフォールディング動作との相互干渉を防止し、フレキシブル素材Fを安全に保護することができる。
【0079】
上述したように、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、当該技術分野における熟練した当業者であれば、下記の請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱することなく本発明を多様に修正又は変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、フィルム型フレキシブル素材のフォールディング試験の際に、一つのフォールディング装置でもって、アンフォールディング状態を基準に、フレキシブル素材のインフォールディング動作と、フレキシブル素材のアウトフォールディング動作との両方を実現することができる。
【国際調査報告】