(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】内部の光通信リンクを有する電力増幅システム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/80 20130101AFI20220715BHJP
【FI】
H04B10/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568336
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2020032815
(87)【国際公開番号】W WO2020232207
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521497051
【氏名又は名称】エンパワー・アールエフ・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EMPOWER RF SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100221556
【氏名又は名称】金田 隆章
(72)【発明者】
【氏名】ワイク,ドナルド エム
(72)【発明者】
【氏名】バーマン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マイルズ,ダレン
(72)【発明者】
【氏名】コレア,パウロ
(72)【発明者】
【氏名】モギレフスキー,レオニード
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA15
5K102AA38
5K102AD01
5K102AD11
5K102AD12
5K102AH23
5K102PA11
5K102PB01
5K102PH31
5K102RD05
5K102RD25
(57)【要約】
電力増幅システムに内部の光通信リンクを実装する技術が開示される。一実施形態では、本技術は、パネルと、光リンクと、コントローラとを備える電力増幅システムとして実現されてもよい。パネルは、複数の信号エンドポイントと、第1の光インタフェースと、を含み、第1の光インタフェースは、複数の信号エンドポイントのそれぞれに結合される。光リンクは、第1の光インタフェースに結合される。コントローラは、電力増幅システムの動作を管理するように構成され、第2の光インタフェースを介して光リンクに結合される。コントローラは、光リンクを通じて複数の信号エンドポイントのそれぞれと通信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力増幅システムであって、
複数の信号エンドポイントと、前記複数の信号エンドポイントのそれぞれに結合された第1の光インタフェースと、を含むパネルと、
前記第1の光インタフェースに結合された光リンクと、
前記電力増幅システムの動作を管理するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、第2の光インタフェースを介して前記光リンクに結合され、
前記コントローラは、前記光リンクを通じて前記複数の信号エンドポイントのそれぞれと通信する、
電力増幅システム。
【請求項2】
前記第1の光インタフェース及び前記第2の光インタフェースは、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)インタフェースである、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項3】
前記電力増幅システム内で電磁干渉(EMI)を生成する無線周波数(RF)回路を更に備える、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項4】
前記複数の信号エンドポイントは、入力/出力インタフェース、イーサネットインタフェース、コマンドを受信するように構成されたデバイス、制御信号を受信するように構成されたデバイス、ステータス情報を生成するデバイス、ディスプレイポート、ステータスインジケータ、タッチスクリーンディスプレイ、周辺機器インタフェースコントローラ(PIC)、又はファンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電力増幅システム。
【請求項5】
前記コントローラは、通信規格に基づいて前記光リンクを通じて通信を行う、請求項1に記載の電力増幅システム。
【請求項6】
前記コントローラは、パルス幅変調(PWM)制御信号を用いて、前記光リンクを通じて通信を行う、請求項1に記載の電力増幅システム。
【請求項7】
前記複数の信号エンドポイントのそれぞれと前記コントローラとの間で通信リンクを提供する電気的相互接続部を更に備える、請求項1に記載の電力増幅システム。
【請求項8】
電気的相互接続部は、前記光リンクが利用不可能である場合に前記コントローラが前記複数の信号エンドポイントのそれぞれと通信するための臨時ルートを提供する、請求項1に記載の電力増幅システム。
【請求項9】
前記パネルは、前記電力増幅システムのフロントパネルに対応し、
前記電力増幅システムは、
第2の複数の信号エンドポイントと、前記第2の複数の信号エンドポイントのそれぞれに結合された第3の光インタフェースと、を含むリアパネルと、
前記第3の光インタフェースに結合された第2の光リンクと、
を更に備え、
前記コントローラは、第4の光インタフェースを介して前記第2の光リンクに結合され、
前記コントローラは、前記第2の光リンクを通じて前記第2の複数の信号エンドポイントのそれぞれと通信する、
請求項1に記載の電力増幅システム。
【請求項10】
前記光リンクは、マルチモードファイバを含む、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項11】
前記コントローラは、電気-光変換エンジンと、光-電気変換エンジンとを更に含み、
前記電気-光変換エンジン及び前記光-電気変換エンジンは、それぞれ、多重化を実行して、前記光リンク上に1又は複数の通信レーンを提供する、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項12】
前記1又は複数の通信レーンは、送信レーン、受信レーン、又は双方向レーンのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の電力増幅器。
【請求項13】
前記1又は複数の通信レーンは、前記第2の光インタフェースを迂回する少なくとも1つの専用通信レーンを含む、請求項11に記載の電力増幅器。
【請求項14】
電力増幅システムの中で通信を行う方法であって、
前記電力増幅システムの動作を管理するように構成されたコントローラによって、光インタフェースを介して、光リンクを通じて、前記電力増幅システムの第1の信号エンドポイントとの間で第1の情報の通信を行うことと、
前記コントローラによって、前記光インタフェースを介して、前記光リンクを通じて、前記電力増幅システムの第2の信号エンドポイントとの間で第2の情報の通信を行うことと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記光インタフェースは、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)インタフェースである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光リンクが利用不可能であると判断したことに応答して、前記コントローラによって、予備の電気的相互接続部を通じて、前記第1の信号エンドポイント又は前記第2の信号エンドポイントのうちの少なくとも1つとの間で、第3の情報の通信を行うことを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の情報と前記第2の情報とを多重化し、前記光リンクを通じて1又は複数の通信レーンを提供することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記1又は複数の通信レーンは、第2の光インタフェースを迂回する少なくとも1つの専用通信レーンを含み、
前記第1の情報及び前記第2の情報のうちの少なくとも1つは、前記専用通信レーンを通じて通信される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
筐体と、増幅回路と、マザーボードと、第1の光リンクと、第2の光リンクとを備えるシステムであって、
前記筐体は、
第1の複数の信号エンドポイントと、前記第1の複数の信号エンドポイントのそれぞれに結合された第1の光インタフェースと、を含むフロントパネルと、
第2の複数の信号エンドポイントと、前記第2の複数の信号エンドポイントのそれぞれに結合された第2の光インタフェースと、を含むリアパネルと、を含み、
前記増幅回路は、前記筐体内に配置され、動作中に電磁干渉(EMI)を生成し、
前記マザーボードは、前記筐体内に配置され、第3の光インタフェースと第4の光インタフェースとを含み、
前記第1の光リンクは、前記第1の光インタフェースと前記第3の光インタフェースとの間に結合され、
前記第2の光リンクは、前記第2の光インタフェースと前記第4の光インタフェースとの間に結合され、
前記マザーボードは、前記第1の光リンクを通じて、前記第1の複数の信号エンドポイントのそれぞれと通信し、
前記マザーボードは、前記第2の光リンクを通じて、前記第2の複数の信号エンドポイントのそれぞれと通信する、
システム。
【請求項20】
前記筐体内に配置された相互接続基板を更に備え、
前記相互接続基板は、前記マザーボードと、前記第1の複数の信号エンドポイント及び前記第2の複数の信号エンドポイントのうちの少なくとも1つと、の間に予備通信経路を提供する、
請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2019年5月14日に出願された“Power Amplifier System With An Optical Communication Link”と題する米国仮特許出願第62/847,751号、及び2019年6月3日に出願された“Power Amplifier System With An Internal Optical Communication Link”と題する米国仮特許出願第62/856,532号に対して、合衆国法典第35編第119条(e)に基づく優先権を主張するものであり、これらはその全体が参照により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般的には電力増幅器に関し、特に、電力増幅システムに内部の光通信リンクを実装する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
電力増幅器は、通信から電子戦システムまで、幅広い用途で使用される可能性がある。特定の用途に対する所定の電力増幅器の適合性は、信頼性、性能、使用可能性、サイズ、重量など、電力増幅器の様々な物理的及び性能的特性によって影響を受ける可能性がある。例えば、これらの特性は、与えられた電力増幅システムを現場に展開できるかどうかを決定付け得る。
【0004】
したがって、物理的及び性能的特性が改善された電力増幅システムが必要とされ得ることが理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示をより完全に理解しやすくするために、ここで、添付の図面を参照する。図面では、同様の要素が同様の数字で示されている。これらの図面は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではなく、例示のみを意図するものである。
【0006】
【
図1A】いくつかの実施形態に係る電力増幅システムの簡略図である。
【
図1B】いくつかの実施形態に係る電力増幅システムの簡略図である。
【
図1C】いくつかの実施形態に係る電力増幅システムの簡略図である。
【
図2A】いくつかの実施形態に係る、内部の光通信リンクを有する電力増幅システムの簡略図である。
【
図2B-1】いくつかの実施形態に係る、内部の光通信リンクを有する電力増幅システムの簡略図である。
【
図2B-2】いくつかの実施形態に係る、内部の光通信リンクを有する電力増幅システムの簡略図である。
【
図2B-3】いくつかの実施形態に係る、内部の光通信リンクを有する電力増幅システムの簡略図である。
【
図3A-1】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3A-2】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3A-3】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3A-4】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3A-5】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3A-6】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3B-1】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3B-2】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3B-3】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3B-4】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3B-5】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3B-6】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図3C】いくつかの実施形態に係る光通信システムの簡略図である。
【
図4】電力増幅システムにおいて光リンクを介して通信を行うための方法の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1A~1Cは、いくつかの実施形態に係る電力増幅システム100の簡略図である。
図1Aは、電力増幅システム100の斜視図であり、
図1Bは、電力増幅システム100の前面平面図であり、
図1Cは、電力増幅システム100の背面平面図である。
【0008】
図1Aに示すように、電力増幅システム100は、電力増幅システム100の様々な構成要素を収容する筐体110を含む。筐体110は、様々なフォームファクタであってよい。例えば、筐体110は、電力増幅システム100を標準的なラックに搭載できるようなサイズであってもよい。
【0009】
筐体110のフロントパネル112は、様々なインタフェース、インジケータ、コネクタ、電子モジュールなどを含んでもよい。
図1Bに示すように、フロントパネル112は、表示パネル120と、様々なインジケータ(例えば、LEDインジケータ)122とを含む。他の電子部品124は、フロントパネル112に取り付けられている。いくつかの実施形態では、1又は複数の冷却ファン130が、フロントパネル112に取り付けられてもよい。
【0010】
図1Cを参照すると、筐体110のリアパネル114は、電源コネクタ140及び回路遮断器142、並びに様々なインジケータ(例えば、LEDインジケータ)144を含んでもよい。リアパネル114は、入力コネクタ150と、出力コネクタ152と、ブランキング信号コネクタ154とを更に含んでもよい。入力コネクタ150は、入力信号又は刺激(stimulus)信号を受信するために使用されてもよく、出力コネクタ152は、増幅された信号を出力するために使用されてもよく、ブランキング信号コネクタ154は、電力増幅システム100を無効化又はミュートするために使用される信号を受信するために使用されてもよい。リアパネル114は、1又は複数の入力/出力(I/O)インタフェース160を更に含んでもよい。I/Oインタフェース160の例は、イーサネット接続部、USB接続部、シリアルインタフェース、パラレルインタフェースなどを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、1又は複数のファン130がリアパネル114に取り付けられてもよい。
【0011】
筐体110の他のパネル(例えば、図示しないサイドパネル、トップパネル、及びボトムパネル)は、更なるインタフェース、インジケータ、コネクタ、ファン、スイッチ、ボタン、電子部品などを含んでもよい。
【0012】
これらの特徴が示唆するように、動作中には、電力増幅システム100全体を通して様々な情報が物理的に送信される。例えば、制御信号は、I/Oインタフェース160を介して電力増幅システム100から受信及び/又は送信されてもよい。情報は、表示パネル120を介して表示される。インジケータ122及び144、電子部品124、並びにファン130に関連するデータ信号も存在する。筐体110内で更なる情報が循環してもよい。
【0013】
動作中に電力増幅システム100全体を通して送信及び処理される広範な情報を考慮すると、情報が確実に送信されることが望ましい。例えば、電子信号通信の信頼性に悪影響を与え得る電磁干渉(EMI)及び他のノイズ源に対して堅牢な方法で情報を送信することが望ましい。さらに、情報を低遅延で送信することが望ましい。
【0014】
電力増幅システム100全体を通して情報を搬送するための1つのアプローチは、電気的なケーブル配線(electrical cabling)を使用することである。しかし、電気的なケーブル配線を使用すると、いくつかの課題が生じ得る。例えば、電気的なケーブル配線は、一般的にEMIの影響を受けやすい。したがって、EMIに対して堅牢な方法で電気的なケーブル配線を実装することは、電力増幅システム100の設計に追加的な複雑さをもたらす可能性がある。この追加的な複雑さは、人的エラー(例えば、技量不足)に起因する問題の発生率を高め、電力増幅システム100の運用、維持、及び修理をより困難にする可能性がある。さらに、電気ケーブルは、望ましくない遅延を導入し、電力増幅器100の性能を制限する可能性がある。さらに、電気ケーブルは、特に、(複数の信号が共有リンクを通じて送信されるのとは対照的に)各ケーブルが異なる信号を搬送する場合、全体として重くなり得る。
【0015】
したがって、電力増幅システム100内で情報の通信を行うための改善された機構を提供することが望ましい。
【0016】
図2A及び2Bは、いくつかの実施形態に係る内部の光通信リンクを有する電力増幅システム200の簡略図である。
図2Aは、電力増幅システム200のブロック図を示し、
図2Bは、電力増幅システム200の概略図を示す。いくつかの実施形態では、電力増幅システム200の構成要素は、電力増幅システム100の構成要素に概ね対応してもよい。例えば、電力増幅システム200は、フロントパネル112に概ね対応するフロントパネル202と、リアパネル114に概ね対応するリアパネル204とを含む。電力増幅システム200は、コントローラ(例えば、マザーボード)206を更に含む。いくつかの実施形態において、コントローラ206は、電力増幅システム200及びその様々なサブコンポーネントの動作を管理するように構成されてもよい。例えば、コントローラ206は、増幅回路(例えば、RF部)208aと、1又は複数のプロセッサ(例えば、システムオンモジュール(SOM))208bとを含んでもよい。コントローラ206は、電力増幅システム200の動作の管理に関連する様々な管理タスクを実行してもよい。これらの管理タスクは、ユーザパラメータの受信及び保存、電力増幅システム200の動作モードの選択、増幅回路の出力レベルを制御(例えば、自動利得制御又は自動電力制御)するためのフィードバックループの実装、増幅回路の出力のブランキング又はミュート、電力増幅システム200に関連するデータの収集、電力増幅システム200の構成要素への指示の提供などを含むが、これらに限定されない。
【0017】
いくつかの実施形態では、フロントパネル202及びリアパネル204は、それぞれ、複数の信号エンドポイント211~219を含んでもよい。信号エンドポイント211~219は、一般的に、情報を送信及び/又は受信する電力増幅システム200のデバイス、モジュール、又は他の構成要素に対応する。信号エンドポイント211~219の例は、入力/出力(I/O)インタフェース、イーサネットインタフェース、シリアルインタフェース、コマンド及び/又は制御信号を受信するデバイス、ステータス情報を生成するデバイス、ディスプレイポート、ステータスインジケータ(例えば、LEDインジケータ)などを含むが、これらに限定されない。
図2A及び
図2Bに示すように、信号エンドポイント211~219は、タッチスクリーンディスプレイ(信号エンドポイント211)、音声及び/又は視覚インジケータ(信号エンドポイント212)、周辺機器インタフェースコントローラ(PIC)(信号エンドポイント213a及び213b)、ファン(信号エンドポイント214a及び214b)、及び通信インタフェース(信号エンドポイント219)を含むことができる。より一般的には、信号エンドポイント211~219は、動作中に電力増幅システム200の他の構成要素と通信する任意の構成要素を実質的に含むことができる。
【0018】
電力増幅システム200は、光リンク(optical link)222及び光リンク224を更に含む。
図2A及び
図2Bに示すように、光リンク222は、フロントパネル202をコントローラ206に接続し、光リンク224は、リアパネル204をコントローラ206に接続する。このようにして、光リンク222及び224は、コントローラ206が信号エンドポイント211~219と通信することを可能にする。
【0019】
いくつかの実施形態では、光リンク222及び224は、光インタフェース232~238を介して、フロントパネル202、リアパネル204、及びコントローラ206に接続してもよい。例えば、
図2A及び
図2Bに示すように、フロントパネル202は、光インタフェース232を含み、リアパネル204は、光インタフェース234を含み、コントローラ206は、光インタフェース236及び238を含む。光リンク222は、光インタフェース232と236との間に結合され、光リンク224は、光インタフェース234と238との間に結合される。いくつかの実施形態では、光インタフェース232~238のうちの1つ又は複数は、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)インタフェースであってもよい。SerDesインタフェースは、光リンク(例えば、光リンク222又は224)を通じて送信するためにパラレルデータをシリアルデータに変換し、光リンクを通じて受信されたシリアルデータをパラレルデータに変換する。いくつかの実施形態では、SerDesインタフェースは、例えば、送信されたデータから、埋め込まれたクロック信号を抽出することによって、送信データ及び受信データを同期させるように構成されてもよい。このようにして、コントローラ206は、単一の光リンク222を介して、フロントパネル202上の複数のエンドポイントと通信することができ、同様に、コントローラ206は、単一の光リンク224を介して、リアパネル204上の複数のエンドポイントと通信することができる。
【0020】
光リンク222及び224を介した通信には、様々な通信プロトコル、規格、及びインタフェースを使用することができる。このようなプロトコルの例は、イーサネット(例えば、ギガビットイーサネット(GbE)、及びシリアルギガビット媒体独立インタフェース(SGMII)、管理データ入出力(MDIO)などのイーサネットに接続するために使用されるインタフェース)、ディスプレイポート(例えば、DP 1.2インタフェース、補助伝送路など)、及び一般的な通信バス(例えば、UART、SPIなど)を含むが、これらに限定されない。制御信号(例えば、パルス幅変調(PWM)制御信号、一般的なI/Oなど)も、光リンク222及び224を介して送受信することができる。いくつかの実施形態では、信号は、様々な符号化技術(例えば、8b/10b符号化)を用いて、光リンク222及び224を通じて送信するために符号化されてもよい。
【0021】
一般的に、光リンク222及び224は、EMIに対する限定された感受率を有し、電気的なケーブル配線と比較して、コントローラ206と信号エンドポイント211~219との間の通信の堅牢性を向上させる。さらに、光信号は一般的に電気信号よりも遅延が少ないため、光リンク222及び224は、電気的なケーブル配線と比較して、コントローラ206と信号エンドポイント211~219との間の通信の性能を向上させることができる。さらに、光リンク222及び224のそれぞれを通じて複数のエンドポイントと通信可能であることにより、電力増幅システム200の配線量を低減し、これにより、組立及び保守を簡素化することができ、技量に起因するエラーの発生率を低減することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、電力増幅システム200は、光リンク222及び224に加えて、電気配線(electrical wiring)を含んでもよい。電気配線の分配を容易にするために、電力増幅システム200は、フロントパネル202、リアパネル204、及びコントローラ206の間に接続された相互接続基板(例えば、サイド相互接続PCB)240を含んでもよい。例えば、相互接続基板240は、電源250、フロントパネル202、リアパネル204、及び/又はコントローラ206の間の有線接続を提供してもよい。また、相互接続部240は、コントローラ206が信号エンドポイント211~219と通信するための予備ルート又は臨時(contingency)ルートを提供してもよい。予備ルート又は臨時ルートは、例えば、光リンク222及び/又は224が利用不可能である場合に使用されてもよい。
【0023】
図3A~3Cは、いくつかの実施形態に係る光通信システム300a及び300bの簡略図である。
図3Aは、光通信システム300aの概略図を示し、
図3Bは、光通信システム300bの概略図を示し、
図3Cは、光通信システム300bの対応するブロック図を示している。
【0024】
いくつかの実施形態では、光通信システム300a及び300bは、光リンク222及び224と、それらに対応する光インタフェース232~238を実装するために使用されてもよい。
図3Aを参照すると、光通信システム300aは、光リンク322(例えば、光リンク222)を介して、コントローラ306(例えば、コントローラ206)をフロントパネル302(例えば、フロントパネル202)に接続する。
図3B及び
図3Cを参照すると、光通信システム300bは、コントローラ306を、光リンク324(例えば、光リンク224)を介して、リアパネル304(例えば、リアパネル204)に接続する。いくつかの実施形態では、光リンク322及び324は、光インタフェース332~338(例えば、光インタフェース232~238)を介して、フロントパネル302、リアパネル304、及びコントローラ306の構成要素と通信することができる。
【0025】
図3Aを参照すると、光リンク322は、コントローラ306とフロントパネル302との間に延びる光ファイバ342を含む。同様に、
図3B及び
図3Cを参照すると、光リンク324は、コントローラ306とリアパネル304との間で延在する光ファイバ344を含む。いくつかの実施形態では、光ファイバ342及び344は、マルチモードファイバ(例えば、850nmマルチモードファイバ)であってもよい。
【0026】
図3Aを参照すると、光リンク322は、光ファイバ342の各端部に配置された一対の光エンジン352及び354をさらに含む。同様に、
図3B及び
図3Cを参照すると、光リンク324は、光ファイバ344の各端部に配置された一対の光エンジン356及び358を含む。いくつかの実施形態では、光エンジン352~358は、光ファイバ342及び344を介した信号の送信中に、電気-光変換及び光-電気変換を行ってもよい。光エンジン352~358は、さらに、多重化技術(例えば、時分割多重化(TDM)、波長分割多重化(WDM)など)を実行して、1又は複数の通信レーン360を提供してもよい。例えば、通信レーン360は、送信(TX)レーン、受信(RX)レーン、双方向レーンなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、通信レーン360のそれぞれは、正(P)及び負(N)の信号を含むことができる。
図3A及び
図3Bに示すように、光エンジン352~358のそれぞれは、4つのRX通信レーン及び4つのTX通信レーンを提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、光インタフェース332~368は、単一の光ファイバ上で複数の構成要素からの通信を可能にするために、一対のシリアライザ362a~362d及びデシリアライザ364a~364dを含んでもよい。例えば、
図3Aを参照すると、シリアライザ362a及びデシリアライザ364aは、複数の信号366aをコントローラ306から光リンク322を通じてフロントパネル302に送信することを可能にしてもよい。
図3Aに図示されているように、複数の信号366aは、ファン制御信号(FAN_CNTRL)、ファンオン/オフ信号(FAN_ON_OFF)、送信LED信号(TX_LED)、アラートLED信号(ALERT_LED)、ロゴLED信号(LOGO_LED)、電源LED信号(POWER_LED)、及び音声警報信号(AUDIO_ALERT)、ディスプレイポート補助伝送路信号(DP_AUX_OE及びDP_AUX_OUT)、UART送信信号(UARTS_TX)、タッチディスプレイインタフェース信号(TOUCH_SPI_CLK、TOUCH_SPI_MOSI_CLK、及びTOUCH_CS)を含む。
【0028】
同様に、
図3Aを参照すると、シリアライザ362b及びデシリアライザ364bは、複数の信号366bをフロントパネル302から光リンク322を通じてコントローラ306に送信することを可能にしてもよい。
図3Aに示すように、複数の信号366bは、一組のファンセンス信号(FAN_SENSE1、FAN_SENSE2、FAN_SENSE3、及びFAN_SENSE4)、ディスプレイポート補助伝送路信号(DP_AUX_IN及びDP_AUX_HPD)、UART受信信号(UARTS_RX)、及びタッチディスプレイインタフェース信号(TOUCH_PIRQ及びTOUCH_SPI_MISQ_DOUT)を含む。
【0029】
同様に、
図3Bを参照すると、シリアライザ362c及びデシリアライザ364cは、複数の信号366cを、コントローラ306から光リンク324を通じてリアパネル304に送信可能にしてもよい。同様に、シリアライザ362d及びデシリアライザ364dは、複数の信号366dを、光リンク324を通じてリアパネル304からコントローラ306に送信可能にしてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、1又は複数の信号が、光インタフェース332~338を迂回して、光リンク322及び324を通じて直接的に送信されてもよい。そのような信号は、光リンク322及び324上の専用通信レーンを介して送信されてもよい。例えば、
図3Aに示すように、1又は複数の信号372(例えば、ディスプレイポート信号)は、通信レーン360のうちの専用レーンを介して光リンク322を通じて直接的に送信される。同様に、
図3B及び
図3Cでは、1又は複数の信号374(例えば、SGMII信号)が、通信レーン360のうちの専用レーンを介して光リンク324を通じて直接的に送信される。
【0031】
図3Cに示されているように、SGMII信号374は、光インタフェース338を迂回して、光エンジン352とプロセッサ382(例えば、プロセッサ208b)との間を直接的に接続する。同様に、SGMII信号374は、光インタフェース334を迂回して、光エンジン356とイーサネット送受信機384との間を直接的に接続する。
図4は、電力増幅システムにおいて光リンクを通じて通信するための方法400の簡略図である。いくつかの実施形態では、方法400は、コントローラ206によって実行されてもよい。
【0032】
工程410において、第1の情報は、光インタフェース(例えば、光インタフェース236)を介して、光リンク(例えば、光リンク222)を通じて、電力増幅システムの第1の信号エンドポイント(例えば、信号エンドポイント211)との間で通信される。第1の情報は、コントローラによって送信され、第1の信号エンドポイントによって受信されてもよいし、第1の信号エンドポイントによって送信され、コントローラによって受信されてもよいし、その両方(例えば、双方向通信)であってもよい。いくつかの実施形態では、光インタフェースは、SerDesインタフェースであってもよい。電気ケーブル上のアナログ送信では複数の並列相互接続部を使用して第1の情報の通信を行う場合であっても、SerDesインタフェースを使用することで、第1の情報は、単一ファイバ光ラインを通じて通信可能とされてもよい。例えば、
図2A及び2Bの実施形態について、工程410は、コントローラ206によって実施可能である。同様に、
図3A~3Cの実施形態については、工程410は、コントローラ306によって実施されてもよい。
【0033】
工程420では、コントローラと電力増幅システムの第2の信号エンドポイント(例えば、信号エンドポイント212)との間で、光リンクを通じて、光インタフェースを介して、第2の情報が通信される。ここで、電気ケーブル上のアナログ送信では第1の情報及び第2の情報の通信を行うために異なるケーブル使用される場合であっても、光インタフェース(例えば、SerDesインタフェース)を使用することで、第2の情報は、第1の情報を送信するために使用されるのと同様のファイバ光ラインを通じて通信可能とされてもよい。例えば、
図2の実施形態について、工程420は、コントローラ206によって実施されてもよい。同様に、
図3A~3Cの実施形態については、工程420は、コントローラ306によって実施されてもよい。
【0034】
本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際に、本明細書に記載された実施形態に加えて、本開示の他の様々な実施形態及び修正が、前述の記載及び添付の図面から当業者にとって明らかであろう。したがって、そのような他の実施形態及び修正は、本開示の範囲内に入ることが意図されている。さらに、本開示は、少なくとも1つの特定の目的のための、少なくとも1つの特定の環境における少なくとも1つの特定の実装の文脈で本明細書に記載されたが、当業者は、その有用性がそれに限定ないことと、本開示が、任意の数の目的のための任意の数の環境で有益に実装され得ることを認識するであろう。したがって、以下に示す特許請求の範囲は、本明細書に記載されたように、本開示の全容及び全精神を考慮して解釈されるべきである。
【国際調査報告】