(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】木工機械用クロステーブルおよびクロステーブルを備えた木工機械
(51)【国際特許分類】
B27B 27/08 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
B27B27/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568674
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2020063487
(87)【国際公開番号】W WO2020229610
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】202019102750.9
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521500395
【氏名又は名称】アルテンドルフ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Altendorf GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100224627
【氏名又は名称】井上 稔
(72)【発明者】
【氏名】フェーリング,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ルヒャルツ,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】シュレーダー,カール-フリードリヒ
(57)【要約】
本発明は、木工機械、特にスライドテーブルソー用のクロステーブル、およびクロステーブルを有する木工機械に関する。特に、本発明は、木工機械、特にスライド式テーブルソー用のクロステーブルであって、水平に横たわった第1ワークピース支持面と、第1ワークピース支持面の上方に配置され、ストップレールの第1側面上に第1ワークピース停止面を有するストップレールとを備えるクロステーブルに関する。第1ワークピース停止面は、ストップレールの前方で水平な第1ワークピース支持面上に載せ置かれたワークピースが第1ワークピース停止面に対して側縁を当てて置かれるように、配置されている。ストップレールは、ストップレールの第1側面とは反対側の第2側面に設けられ、ストップレールの後方で水平な第1ワークピース支持面に載せ置かれた板状のワークピースが第2ワークピース停止面に対して側縁を当てて置かれるように、配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木工機械、特にスライド式テーブルソー用のクロステーブルであって、
クロステーブルフレームと、
水平に横たわった第1ワークピース支持面と、
前記第1ワークピース支持面の上方で前記クロステーブルフレームに締結されたストップレールと
を備え、
前記ストップレールは、
前記ストップレールの第1側面で垂直に立ち上がった第1ワークピース停止面であって、前記ストップレールの前方に水平に配置された第1支持領域で前記第1ワークピース支持面上に載せ置かれた板状のワークピースが前記第1ワークピース停止面に対して側縁を当てて置かれるように、配置されている、前記第1ワークピース停止面と、
前記ストップレールの前記第1側面とは反対側の第2側面で垂直に立ち上がった第2ワークピース停止面であって、前記ストップレールの後方に水平に配置された第2支持領域で前記第1ワークピース支持面に載せ置かれた板状のワークピースが前記第2ワークピース停止面に対して側縁を当てて置かれるように、配置されている、前記第2ワークピース停止面と
を有し、
前記第1ワークピース支持面は、支持ビームの支持面により形成されており、
前記支持ビームは、前記クロステーブルフレームに対して後方および前方に移動可能に配置されている、クロステーブル。
【請求項2】
前記支持ビームは、第1位置と第2位置との間で前後に移動可能であり、
前記第1位置では、前記支持ビームの前記第1ワークピース支持面が、前記ストップレールの前方で実質的に水平に配置され、前記第1支持領域を形成し、
前記第2位置では、前記支持ビームの前記第1ワークピース支持面が、前記ストップレールの後方で実質的に水平に配置され、前記第2支持領域を形成する、請求項1に記載のクロステーブル。
【請求項3】
前記クロステーブルは、前記クロステーブルを木工機械のスライドキャリッジに結合させる第1結合要素を備え、
前記第1結合要素は、好ましくは、前記スライドキャリッジのスライドキャリッジレール上を水平に案内可能であり、更に好ましくは、前記第1結合要素を前記スライドキャリッジレールに固定する少なくとも1つのクランプ要素を備える、請求項1または2に記載のクロステーブル。
【請求項4】
前記クロステーブルは、平行四辺形のクロステーブルとして設計されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のクロステーブル。
【請求項5】
前記クロステーブルは、第1横フレーム要素と、第2横フレーム要素とを備え、
前記第1横フレーム要素と前記第2横フレーム要素とは、互いに平行に配置され、互いに水平に離れており、互いに平行に移動可能なように互いに結合しており、縦フレーム要素を介して関節式に互いに接続されており、
前記ストップレールは、前記第1横フレーム要素および前記第2横フレーム要素に実質的に平行に延びており、好ましくは、前記第1横フレーム要素および前記第2横フレーム要素から等距離である、請求項1から4のいずれか1項に記載のクロステーブル。
【請求項6】
前記第1横フレーム要素と前記縦フレーム要素とは、角度移動ユニットにより相互に接続されており、
前記角度移動ユニットは、前記縦フレーム要素に対する前記第1横フレーム要素の回動および前記第2横フレーム要素に対する前記第1横フレーム要素の平行移動を起こすように配置されており、
少なくとも1つの前記支持ビームは、前記第1横フレーム要素および前記第2横フレーム要素によって垂直に支持されている、請求項5に記載のクロステーブル。
【請求項7】
前記支持ビームを水平方向に案内するように設計された案内要素を備え、
好ましくは、前記案内要素は、前記第1横フレーム要素上および/または前記第2横フレーム要素上に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のクロステーブル。
【請求項8】
前記クロステーブルは、2つ以上の支持ビームを備え、
前記2つ以上の支持ビームは、水平方向に互いに離れている、請求項1から7のいずれか1項に記載のクロステーブル。
【請求項9】
クロステーブル端部に隣接する領域に配置された第1クラック端と、前記クロステーブル端部から離れた第2クラック端とを備える、クラック部材を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載のクロステーブル。
【請求項10】
前記ストップレールに沿って移動可能なように搭載されるとともに、垂直に立ち上がり、前記第1ワークピース停止面および/または前記第2ワークピース停止面に対して垂直に並んだストップフラップ面を有する、ストップフラップを備える、請求項1から9のいずれか1項に記載のクロステーブル。
【請求項11】
前記ストップフラップは、2つのフラップ位置の間で調整可能であり、前記第1支持領域の上方の第1フラップ位置および前記第2支持領域の上方の第2フラップ位置に配置され、
好ましくは、前記ストップフラップは、前記2つのフラップ位置の間の実質的に水平な軸を中心に折りたたみ可能に配置されている、請求項10に記載のクロステーブル。
【請求項12】
ストップフラップ回転アクチュエータを備え、
前記ストップフラップ回転アクチュエータは、前記ストップフラップを前記第1フラップ位置と前記第2フラップ位置との間で動かすように配置および構成されている、請求項10または11に記載のクロステーブル。
【請求項13】
前記ストップフラップ回転アクチュエータは、前記ストップフラップを走行位置に動かすように配置および構成されており、
前記走行位置は、前記第1フラップ位置と前記第2フラップ位置との間に位置し、
好ましくは、前記ストップフラップは、前記走行位置において垂直に向いている、請求項10から12のいずれか1項に記載のクロステーブル。
【請求項14】
木工機械、特にスライド式テーブルソーであって、
機械フレームに設けられた工具に対して、加工方向に沿って移動可能に搭載された、請求項1から13のいずれか1項に記載のクロステーブルを備える、木工機械。
【請求項15】
前記機械フレームに対して直線的に移動可能なスライドキャリッジを備え、
前記クロステーブルは、前記スライドキャリッジに配置されている、請求項14に記載の木工機械。
【請求項16】
前記クロステーブルは、実質的に垂直なテーブル回動軸を中心に回動可能なように、前記スライドキャリッジ上に配置されていることを特徴とする、請求項15に記載の木工機械。
【請求項17】
前記クロステーブルは、平行四辺形のクロステーブルとして構成されており、実質的に垂直なテーブル回動軸を中心に回動可能なように前記スライドキャリッジに配置されており、好ましくは、2つの回動ジョイントにより前記スライドキャリッジに締結されている、請求項16に記載の木工機械。
【請求項18】
前記クロステーブルは、第1結合要素を用いて前記スライドキャリッジ上に配置されており、
前記第1結合要素は、前記加工方向に平行に移動できるように、前記スライドキャリッジ上に配置されており、
前記第1結合要素は、好ましくは、スライドキャリッジレール上を案内され、
さらに好ましくは、少なくとも1つのクランプ要素が前記第1結合要素上に配置されており、
前記クランプ要素は、前記第1結合要素を前記スライドキャリッジレールに固定するように設計されている、請求項15から17のいずれか1項に記載の木工機械。
【請求項19】
前記スライドキャリッジは、ワークピースを支持するように前記第1ワークピース支持面と一列に並んで配置された第2ワークピース支持面を備え、
前記ストップレールは、垂直なストップレール回動軸を中心に回動可能なように配置されている、請求項15から18のいずれか1項に記載の木工機械。
【請求項20】
検出装置を備え、
前記検出装置は、
前記ストップフラップの前記第1フラップ位置と、前記第2フラップ位置と、好ましくは前記走行位置とを検出するフラップセンサと、
前記第1ワークピース停止面および前記第2ワークピース支持面のうちの少なくとも一方に位置するワークピースを検出するワークピースセンサと
のうちの少なくとも一方を備える、請求項14から19のいずれか1項に記載の木工機械。
【請求項21】
前記ストップフラップ回転アクチュエータを制御する第1制御ユニットを備え、
前記第1制御ユニットは、前記検出装置からワークピース位置信号を受けるように配置されており、
前記ワークピース位置信号は、前記第1ワークピース停止面または前記第2ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示し、
前記第1制御ユニットは、前記ワークピース位置信号が第1ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示すとき、第1フラップ制御信号を生成し、前記ワークピース位置信号が第2ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示すとき、第2フラップ制御信号を生成し、
前記ストップフラップ回転アクチュエータは、前記第1フラップ制御信号を受けたとき、前記ストップフラップを前記第1フラップ位置に位置させ、前記第2フラップ制御信号を受けたとき、前記ストップフラップを前記第2フラップ位置に位置させるように、配置されている、請求項18から20のいずれか1項に記載の木工機械。
【請求項22】
前記木工機械は、
丸鋸刃と、
前記レールの長手方向に前記フェンスレールを移動させるレールアクチュエータと、
第2制御ユニットと
を備え、
前記第2制御ユニットは、前記ストップレールの前記スライドキャリッジと対向する端部と前記丸鋸刃との間の距離を決定し、前記ストップレールと前記丸鋸刃との間の接触を防止するように、前記レールアクチュエータを制御するように配置されている、請求項14から21のいずれか1項に記載の木工機械。
【請求項23】
ストップフラップが設けられたストップレールを有するクロステーブルを備える木工機械、特にスライド式テーブルソーを制御する方法であって、
第1ワークピース停止面または第1ワークピース停止面と対向して配置された前記ストップレールの第2ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示すワークピース位置信号を生成し(300)
前記ワークピース位置信号が第1ワークピース停止面にあるワークピース位置を示すとき第1フラップ制御信号を生成し、前記ワークピース位置信号が第2ワークピース停止面にあるワークピース位置を示すとき第2フラップ制御信号を生成し(302)、
前記第1フラップ制御信号が生成されたとき、前記ストップレールの第1側面上の第1フラップ位置に前記ストップフラップを位置させ、前記第2フラップ制御信号が生成されたとき、前記第1側面と反対側の前記ストップレールの第2側面上の第2フラップ位置に前記ストップフラップを位置させ、前記ストップフラップは、好ましくは、前記ストップレールに沿って走行している間に、前記第1フラップ位置と前記第2フラップ位置との間にある走行位置に前記ストップフラップを位置させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木工機械、特にスライド式テーブルソー用クロステーブル、クロステーブルを備えた木工機械、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
木工機械は、基本的に既知である。木工機械は、例えば、丸鋸、スライド式テーブルソー、鉋盤、およびフライス盤を含み、丸鋸フライス盤として設計されることもある。
【0003】
木工機械、および特にスライド式テーブルソーは、横方向に片持ちになったクロステーブルを有することが多い。片持ちクロステーブルは、通常、機械の本体上に直線的に案内されるスライドキャリッジ上に配置される。その結果、巨大なワークピースをスライドキャリッジ上およびクロステーブル上に配置でき、木工機械上に配置された工具、特に丸鋸刃に対してスライドキャリッジを用いて移動できる。しかし、クロステーブルは、機械の本体上に直線的に直接案内されてもよい。ワークピースは、ワークピースと工具との間の相対移動によって加工され、特に丸鋸刃によって切断される。
【0004】
ワークピースの正確な切断を可能にするために、スライド式テーブルソーは、通常は、ストップ、特にアングルストップを有する。アングルストップは、アングルマイタストップとも呼ばれる。アングルストップは、通常、クロステーブルが突出する方向と同じ方向に突出する。アングルストップにより、ワークピースの直角カットおよびマイターカットが可能になる。アングルストップは、通常、クロステーブルに対して移動可能に配置されている。これは、例えば、アングルストップを動かすこと、特にアングルストップを取り外して、クロステーブルの異なる位置に装着することにより実行される。これは、特に、ワークピースをアングルストップの前方または後方のどちらか一方に位置させるために必要である。オペレータがワークピースをアングルストップの前方または後方のどちらに配置するのが好ましいかは、一方では加工条件に基づき、他方ではワークピースの種類に基づく。例えば、重く硬いワークピースは、アングルストップの前方に配置されて切断されるのが好ましい。この場合、オペレータは、アングルストップに対してワークピースを押し付け、アングルストップは、準カウンターストップとして機能し、ワークピースを所望の方向に保持する。水平方向の切断力により、ワークピースは、アングルストップから離れるように押される。他方で、軽量なワークピースまたは細片は、アングルストップの後方に配置されて切断されることが好ましい。この場合、オペレータがアングルストップを押すことで、アングルストップはワークピースをアングルストップの前方に押し、同時にワークピースを一列に並べる役割を果たす。水平方向の切断力は、ワークピースをアングルストップに対して押し付ける。
【0005】
アングルストップが移動できることは、この理由から有利であり、特に旋回するアングルストップを用いてアングルマイターカットを実行するときに、十分な支持面を保証し、その結果、クロスカットテーブル上にワークピースを安全に支持でき、オペレータの負担を軽減できる。しかしながら、実務上では、アングルストップの解体および組み立てが時間と労力の損失を導き、望ましくない。
【0006】
欧州特許第2002912号明細書は、サイジングソーまたはパネルソーのための片持ちテーブルを教示している。この片持ちテーブルの支持面は、支持面がフェンスの移動に伴って移動するように、フェンスに結合している。その結果として、角度が設定されたときに、ワークピースを支持可能な面の減少が顕著ではなくなる。しかしながら、この片持ちの欠点は、ワークピースを支持可能な面がストップの前方でのみ利用可能であるという点である。ストップの後方でワークピースを支持できる面は小さいため、のこぎりを用いた加工のためにワークピースを支持することはできない。既知の技術水準と同様に、ここでは、必要な支持面を得るために、フェンスの移動、すなわち、解体および組み立てが必要である。
【0007】
欧州特許第2106889号明細書は、長手方向に移動できるストップルーラーを教示している。ストップルーラーは、クロステーブル上に配置されており、その片持ち方向が調整可能である。ストップルーラーは、クロステーブルの先縁または後縁に配置できる。これは、最初に解体して、その後、他方の縁に再度組み立てることでストップルーラーを再配置することで実行される。一方で、これは、スライド式テーブルソーのオペレータの時間の消費を招き、さらに、クロスカットテーブルおよびストップルーラーが摩耗する可能性がある。また、2つの位置の間を移動可能なフェンスでは、限られた精度しか得られない。
【0008】
独国特許発明第3308749号明細書により、サイジングソーおよびマイター丸鋸が知られている。この丸鋸では、テーブルプレートにより形成されたワークピース支持部と、複数のワークピース支持レールと、延長可能なワークピース支持部とを備えるフィードテーブルが設けられている。テーブルトップには、プラグホール列の複数のプラグホールに配置可能なマイターフェンスレールが配置されている。この実施形態の欠点は、テーブルトップがワークピース支持面の実質的な部分を形成しており、したがって、丸鋸の様々な操作モードでユーザーがマイターフェンスレールに接近するためにマイターフェンスレールの再配置が必要な点である。
【0009】
独国特許出願公開第2910095号明細書により、丸鋸テーブルが知られている。このスライド式テーブルは、テーブルトップを有しており、テーブルトップの支持面は、伸長可能なガイドロッドおよび円形ロッドを用いて拡大可能である。ここでの欠点は、やはり、支持面を本質的に形成するテーブルトップが、ユーザーがフェンスに接近することを妨害し、したがって、ユーザーが一方からしかフェンスに接近できないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、より高い精度、優れた操作性、および/または低摩擦を提供する、木工機械、特にスライド式テーブルソー用のクロステーブル、およびそのようなクロステーブルを有する木工機械を提供することである。
【0011】
この目的は、本発明に係る木工機械、特にスライド式テーブルソー用のクロステーブルであって、クロステーブルフレームと、水平に横たわった第1ワークピース支持面と、前記第1ワークピース支持面の上方で前記クロステーブルに固定されたストップレールとを備え、前記ストップレールは、前記ストップレールの第1側面上で垂直に立設された第1ワークピース停止面であって、前記第1ワークピース停止面は、前記ストップレールの前方で水平に配置された第1支持領域で前記第1ワークピース支持面上に載せ置かれた板状のワークピースが前記ワークピース停止面に対して側縁を当てるように配置されている、前記第1ワークピース停止面と、前記ストップレールの前記第1側面とは反対側の第2側面に垂直に立ち上がった第2ワークピース停止面であって、前記第2ワークピース停止面は、前記ストップレールの後方に水平に配置された第2支持領域で前記第1ワークピース支持面に載せ置かれた板状のワークピースが前記第2ワークピース停止面に対して側縁を当てるように配置されている、前記第2ワークピース停止面とを有し、記第1ワークピース支持面は、支持ビームの支持面により形成されており、前記支持ビームは、前記クロステーブルフレームに対して後方および前方に移動可能に配置されている、クロステーブルにより達成される。
【0012】
木工機械は、好ましくは、前端から後端に延びており、送り方向または加工方向は、前端から後端に向けて一直線になっている。木工機械に配置されたクロステーブルは、通常は、木工機械に対して送り方向に動き、クロステーブル上に配置されたワークピースの鋸切断のような加工動作を実行する。クロステーブルの意図される使用では、ストップレールの第1ワークピース停止面は、木工機械の前端に向いている。これにより、ストップレールの前方に水平に配置された第1支持領域は、送り方向においてストップレールと木工機械の前端との間に配置されている。これにより、第1支持領域に配置され、切断されるワークピースは、オペレータによって、ストップレールの第1ワークピース停止面に送り方向に押し付けられる一方で、ワークピースは、切断力の水平方向成分によってストップレールから離れるように押される。ストップレールの第2ワークピース停止面は、クロステーブルの意図される使用において、木工機械の後端に向いている。したがって、フェンスレールの後方に水平に配置された第2支持領域は、送り方向においてフェンスレールと木工機械の後端との間に配置されている。これにより、第2支持領域および第2ワークピース停止面に配置され、切断されるワークピースは、オペレータによって送り方向にストップレールに押し付けられる一方で、ワークピースは、切断力の水平方向成分によってストップレールに押し付けられる。
【0013】
第1ワークピース支持面は、可動する支持ビームの支持面によって形成される。支持ビームの支持面は、特に、クロステーブルの意図される動作でワークピースを支持するのに適した支持ビームの任意の部分として理解される。支持面は、例えば支持ビームの形状の縁部が垂直上方に向けられた、実質的に直線的な形状であってもよい。好ましくは、支持ビームは、中空矩形状である。特に、支持ビームは、支持ビームの垂直下向きの側面が開放されていることが好ましい。第1ワークピース支持面の第1支持領域および第2支持領域は、ワークピースをしっかりと支持するために、少なくとも20cm、好ましくは30cm互いに間隔を開けて配置された少なくとも2点をそれぞれ備えることが好ましい。互いに20cm、好ましくは30cm間隔を開けて配置されたこれらの支持点は、特に、支持ビームが動くことで形成できる。特に、2つの支持ビームが設けられていてもよい。この場合、第1ワークピース支持面の第1支持領域および第2支持領域は、互いに20cm、好ましくは30cm間隔を開けて配置された少なくとも3つの支持点をそれぞれ備えることが好ましく、それぞれの場合において、3つの支持点は、直線上に配置されておらず、第1支持点から第2支持点までの距離は、第2支持点から第3支持点までの距離の方向に直交する方向において決定される。
【0014】
支持ビームは、好ましくは少なくとも1つの動作状態において、ストップレールとは独立に可動であることが好ましい。特に、支持ビームの動きと、ストップレールの回転との間には、機械的または制御的な結合はない。動作状態において、ストップレールの動きは、支持ビームの動きを引き起こさないことが好ましく、支持ビームの動きを直接的に引き起こさないことが好ましい。特に、この動作状態でのストップレールの動きは、支持ビームの移動方向の支持ビームの移動を引き起こさない。さらに、動作状態において、支持ビームの動きは、ストップレールの動きまたは直接的な動きを引き起こさない。
【0015】
支持ビームは、好ましくは、支持ビーム前端から支持ビーム後端に向けて支持ビーム長手方向に延びている。支持ビーム前端は、好ましくは、第2ワークピース支持面とは反対側に向いている。支持ビーム後端は、好ましくは、第1ワークピース支持面とは反対側に向いている。
【0016】
支持ビームは、クロステーブルフレームに対して前後に移動可能であり、これによりクロステーブルフレームに取り付けられたストップレールに対しても前後に移動可能に構成されている。特に、つまり、支持ビームは、第2支持領域に対する第1支持領域の大きさを増加または減少させるように、支持ビームに対して移動可能に配置されている。移動可能という用語は、特に、実質的に直線的な方向の移動が可能であるとして理解される。好ましくは、支持バーは、ストップレールに対して実質的に連続的に移動可能である。実質的に無段階とは、特に、3より多いか、5より多いか、10より多いか、又は20より多い支持ビームの異なる点がストップレールに対して調整可能であることを意味している。
【0017】
フェンスレールは、マイターカットを実行し、そのマイターカットのためにフェンスフラップでの寸法補正を実現するために、回動可能かつ、必要であれば、クロステーブルフレームにその延びる方向に沿って長手方向に移動可能に締結されてもよい。したがって、フェンスレールは、垂直方向の回動軸を有する回動軸受によりクロステーブルフレームに固定されてもよい。しかしながら、本発明によれば、2つの異なる位置の間でストップレールを移動させて、それによりストップレールの前方または後方での加工を可能にするために、クロステーブルフレーム上にこの回動軸受を2以上の異なる位置で設ける必要がない。これは、支持ビームの移動により実現されるからである。
【0018】
ストップレールは、支持ビームの相対移動の間、機械フレームおよびスライドキャリッジの少なくとも一方に対して固定されていることが好ましい。ストップレールに対して相互に移動可能な支持ビームにより、支持ビーム前端と支持ビーム後端との距離は変化可能、すなわち増加または減少できる。特に、これは、本発明によればストップレールを動かす必要なく達成される。例えば、ストップレールは、移動可能でないようにクロステーブル上に配置されてもよい。特に、支持ビームは、水平方向に傾きにくいように配置されている。
【0019】
クロステーブルは、好ましくは、クロステーブル前端からクロステーブル後端に延びている。第1ワークピース停止面は、クロステーブル前端に向いていることが好ましい。好ましくは、第2ワークピース停止面は、クロステーブル後端に向いていることが好ましい。第1ワークピース停止面とクロステーブル前端との間の前部距離は、第2ワークピース停止面とクロステーブル後端との間の後部距離に実質的に対応することが好ましい。特に、ここでいう実質的とは、前部距離の後部距離に対する割合が、0.5と1.5との間であり、好ましくは、0.75と1.25との間であり、更に好ましくは、0.9と1.1との間であることをいう。したがって、ストップレールは、好ましくは、クロステーブル上の中心に配置されており、クロステーブルの外端部から機械工具に向いたクロステーブルの内端部に延びている。
【0020】
本発明によれば、ストップレールの前方にワークピースを配置するか、ストップレールの後方にワークピースを配置するかを切り替えるために、ストップレールをクロステーブルの後端から前端へ、またはその逆に移動させる必要がない。その代わりに、ワークピースをストップレールの前方に配置するか後方に配置するかによって、クロステーブルの第1ワークピース支持面をストップレールの前方又は後方に大きくすることができる。この作業者の要求に応じた第1ワークピース支持面の調整は、支持ビームをストップレールに対して相対的に移動させるだけで可能である。支持ビームの移動は、ストップレールの移動に要する時間の何分の一かの時間で行うことができる。このようにして得られた時間的な利点は、生産的に使用することができるので、単位時間あたりに加工されるワークピースの数を増加させることができる。本発明によるクロステーブルはまた、より軽い重量によって特徴付けられる。移載の回避によりバッチ部品の数を少なくすることができる。
【0021】
好ましい実施形態では、支持ビームが、第1位置と第2位置の間で前後に移動可能であり、第1位置では、支持ビームの支持面がストップレールの前方に実質的に水平に配置されて第1支持領域を形成または補完し、第2位置では、支持ビームの支持面がストップレールの後方に実質的に水平に配置されて第2支持領域を形成または補完することが提供される。
【0022】
支持ビームは、第1位置と第2位置との間で往復動可能である。支持ビームを第1位置と第2位置との間で往復移動させることにより、ストップレールの前後における第1ワークピース支持面の大きさを変更することができる。第1位置では、支持ビーム支持面によって形成される第1ワークピース支持面は、ワークピースが第1支持領域に正確に配置され、第1ワークピース停止面に対して配置され得るように、ストップレールの実質的に前方に配置される。この位置では、木工機械におけるクロスカットテーブルの動作中に、オペレータがワークピースをストップレールに押し付け、一方で、丸鋸刃の水平切断力によりワークピースがストップレールから離れるように押される。第2位置において、支持ビーム支持面によって形成される第1ワークピース支持面は、ワークピースが第1支持領域に正確に配置され、第2ワークピース停止面に対して配置され得るように、ストップレールの実質的に後方に配置される。木工機械におけるクロステーブルの操作において、この位置では、オペレータがストップレールによってワークピースを送り方向に押し、丸鋸刃の切断力の水平成分によりワークピースがストップレールに押し付けられる。
【0023】
特に、実質的に水平にストップレールの前方または後方にあることは、第1位置において、支持ビームの全支持面の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上がストップレールの前方または後方に配置されることを意味してもよい。さらに、実質的に水平にストップレールの前方または後方にあるとは、第1位置において、支持ビーム長手方向延長部の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上が、それぞれストップレールの前方または後方に配置されることを意味してもよい。特に、第1位置において、第1ワークピース停止面は、第1ワークピース支持面の大部分に面している。
【0024】
例えば、支持ビームは、回動可能、または支持ビームの長手方向の範囲に平行に直線的に移動可能であってもよい。さらに、支持ビームは、支持ビームの長手方向の範囲に横切る方向にも移動可能であってもよい。例えば、第1ワークピース支持面をワークピースのサイズに適合させるために、ストップレールの主な延長方向と平行な方向に支持ビームが移動可能に配置されていることが好ましい。
【0025】
さらに、支持ビームは、オペレータが有利と考える場合には、第1位置と第2位置の間の中間位置に移動されてもよい。これにより、角度を設定しても、ワークピースの支持面が減少しないという利点が得られる。このようにして、クロステーブル上でのワークピースの安定かつ確実な支持は、アングルストップの前方の切断ガイドとアングルストップの後方の切断ガイドの両方において達成される。
【0026】
さらなる好ましい実施形態は、支持ビームを水平方向に案内するように構成された案内要素を備え、好ましくは、案内要素は、ストップレール上に配置される。例えば、案内要素は、案内要素が少なくとも1つの垂直力を支持することができるように、支持部として機能してもよい。さらに、案内要素は、例えば、支持ビームのための直線ガイドを形成するために、水平方向の力も吸収することができることが好ましい。好ましくは、案内要素は、特に、第1位置および第2位置における支持ビームの一方的な負荷によって発生し得るトルクを吸収する。トルクを吸収する案内要素によって、支持ビームは、耐傾斜性に配置することができる。
【0027】
さらなる好ましい実施形態では、クロステーブルが、クロステーブルを木工機械、特に木工機械のスライドキャリッジに結合する第1結合要素を備える。第1結合要素は、好ましくは木工機械上またはスライドキャリッジのスライドキャリッジレール上を水平に案内可能であり、さらに好ましくは、第1結合要素をスライドキャリッジレールに固定するための少なくとも一つのクランプ要素を備えることが提供される。第1結合要素は、スライドキャリッジ上でのクロステーブルの相対的な移動を可能にする。その結果、クロステーブルを用いた木工機械で、大きなワークピースを有利に加工することができる。
【0028】
さらに好ましい実施形態では、クロステーブルが平行四辺形のクロステーブルとして構成されることが提供される。特に、クロステーブル、特に平行四辺形クロステーブルとして構成されたクロステーブルが、互いに平行に配置され、互いに水平に間隔を開けて配置され、互いに平行に移動できるように結合された第1横フレーム要素および第2横フレーム要素を備え、第1横フレーム要素および第2横フレーム要素が縦フレーム要素を介して互いに関節式に接続されていることが好ましい。
【0029】
第1クロスフレーム要素および第2クロスフレーム要素は、好ましくは、それぞれ第1端部から第2端部まで延びる。これらの第1端部は、フレームの幅だけ間隔を空けて配置されてもよい。好ましくは、これらの第2端部もフレームの幅だけ間隔を空けて配置される。例えば、クロスフレーム要素は、それらの第1端部がスライドキャリッジ上に回転可能に配置可能であってもよい。さらに好ましくは、横フレーム要素は、それらの第1端部が第1結合要素上に、特に回転可能に配置される。さらに好ましくは、横フレーム要素の第2端部は、第2結合要素上に配置されてもよく、好ましくは回動可能に配置されてもよい。第1端部および第2端部の回動可能な配置は、それぞれの場合において垂直回転軸が形成されることが好ましい。横フレーム要素の第1端部および第2端部の回動可能な配置により、垂直なテーブル回動軸を中心に回動可能な平行四辺形のクロステーブルを形成できる。前述で説明したスライドキャリッジ、第1結合要素、および/またh第2結合要素上の第1端部および第2端部の配置は、特に、横フレーム要素が、スライドキャリッジ、第1結合要素、および/または第2結合要素上の第1端部と第2端部に隣接する領域を有するように配置されていると理解されたい。
【0030】
ストップレールは、好ましくは、第1横フレーム要素および第2横フレーム要素に対して実質的に平行に延びる。好ましくは、ストップレールは、第1横フレーム要素および第2横フレーム要素から実質的に等しい距離を有する。第1横フレーム要素から第1ワークピース停止面までの距離と、第2横フレーム要素から第2ワークピース停止面までの距離は、実質的に等しいことが好ましい。特に、実質的にとは、ここでは、これらの距離の比が0.5と1.5の間、好ましくは0.75と1.25の間、より好ましくは0.9と1.1との間であることを意味する。その結果、ストップレールは、2つの横フレーム要素の間の実質的に中央に位置する。
【0031】
好ましくは、第1横フレーム要素および縦フレーム要素は、角度調整ユニットによって相互接続されている。角度調整ユニットは、縦フレーム要素に対する第1横フレーム要素の回動および第2横フレーム要素に対する第1横フレーム要素の平行移動を引き起こすように配置される。少なくとも1の支持ビームは、第1および第2横フレーム要素によって垂直に支持されている。
【0032】
例えば、角度調整ユニットは、第1の横フレーム要素の第1の係合点及び第2の横フレーム要素の第2の係合点に取り付けられてもよく、角度調整ユニットは、伸縮するように構成されている。これにより、角度調整ユニットは、第1の係合点と第2の係合点との間の間隔を増加及び減少させることができる。横フレーム要素の平行移動可能性に起因して、第1の係合ポイントと第2の係合ポイントとの間の間隔を増減させることによって、平行移動が可能になる。その結果、横フレーム要素がスライドキャリッジ上に回転可能に配置される場合、スライドキャリッジに対する垂直テーブル枢軸を中心とする横フレーム要素、ひいてはクロステーブルの枢動が効果的に行われ得る。角度調整ユニットは、クロステーブル、特にストップレールと、スライドキャリッジの移動方向及び/又はソーラインとの間の角度を電動で調整するための駆動装置をさらに備えてもよい。特に好ましくは、電動調節は、電気モータータイプである。追加的にまたは代替的に、角度調整ユニットは、手動で操作することができる。
【0033】
特に、角度調整ユニットは、角度微調整部を備えることが好ましい。このような角度微調整部により、オペレータは正確なマイター角度を設定することができる。特に、角度微調整部は、角度調整ユニットに結合されているので、角度微調整部を用いて、クロスフレーム要素の規定された平行移動を行うことができる。この目的のために、角度微調整部は、例えば、回転ノブを備えてもよい。角度微調整部は、好ましくは、スライドキャリッジの走行方向に対する角度精度を、1/25度未満、1/50度未満の円弧、特に1/100度未満の円弧に設定するために使用することができる。
【0034】
クロステーブルは、クロステーブル、特にストップレールと、スライドキャリッジおよび/またはソーラインの走行方向との間の設定角度を検出するための角度センサシステムをさらに含むことが好ましい。角度センサシステムは、例えば、この角度を増加的に検出してもよい。この目的のために、角度微調整部は、例えば、インクリメンタルエンコーダを備える。さらに、角度センサシステムは、角度を絶対的に検出するように設計されてもよい。
【0035】
更に、角度調整ユニットは、クロステーブルおよび/またはフェンスレールを固定するインデックスボルトを備えてもよい。インデックスボルトは、第1ワークピース停止面および第2ワークピース停止面が決められた角度位置、例えば、木工機械の丸鋸刃によって形成されたソーラインに対して90度の角度位置を含み得るようにフェンスレールと協働してもよい。好ましくは、インデックスボルトは、長手方向ボルト軸を有しており、長手方向ボルト軸は、好ましくは、水平に向いている。
【0036】
好ましくは、ストップレールは、第1横フレーム要素および/または第2横フレーム要素上に配置、好ましくは案内されてもよい。好ましくは、ストップバーは、横フレーム要素から垂直方向および/または水平方向に間隔を開けて配置されている。ストップバーは、特に横フレーム要素の垂直方向の上方に配置されてもよい。好ましくは、この垂直方向の間隔は、支持ビームの高さに実質的に対応する。支持ビームは、第1横フレーム要素および/または第2横フレーム要素上に載せ置かれてもよく、ストップレールの下方を通過してもよい。好ましくは、ストップレールは、水平方向において横フレーム要素の間に配置されている。案内要素が第1横フレーム要素および/または第2横フレーム要素上に配置されることがさらに好ましい。
【0037】
クロステーブルのさらに好ましい実施形態によれば、クロステーブルは、2つ以上の支持ビームを備える。2つ以上の支持ビームは、水平方向に互いに離れている。2つ以上の支持ビームは、同一または異なる設計であってもよい。例えば、2つ以上の支持ビームは、支持ビームの長手方向の寸法において異なっていてもよい。第1支持ビームは、意図された動作においてスライドキャリッジに面する領域に配置されており、第2支持ビームは、意図された動作においてスライドキャリッジから反対に面する領域に配置されることが好ましい。
【0038】
さらに、少なくとも1つの支持ビームは、1以上の水平方向に移動可能である。これにより、支持ビームワークピースの個々の支持状況に適合させることができるという利点がある。特に、小さなワークピースを支持ビームの支持面上に配置することができる。
【0039】
クロステーブルの更に好ましい実施形態は、クラック要素を備え、クラック要素は、クロステーブル端部に隣接した領域に配置された第1クラック端と、クロステーブル端部から間隔を開けた第2クラック端とを有して配置されていることが提供される。第1クラック端は、好ましくは、意図された動作においてスライドキャレッジとは反対側に面したクロステーブル端部に配置されている。特に、第2クラック端は、クロステーブルを支持するために木工機械の伸縮アームに結合されるように、配置および構成されている。このように形成されたクラック要素によって、最大切断可能長さが長くなる。
【0040】
また、クロステーブルは、ストップレールに沿って移動可能に搭載されるとともに、第1ワークピース停止面および/または第2ワークピース停止面に直行して向いて、垂直に配置されたストップフラップ面を有する、ストップフラップを備えてもよい。ストップフラップは、2つのフラップ位置の間で調整可能であり、第1支持領域の上方の第1フラップ位置および第2支持領域の上方の第2フラップ位置に配置され、好ましくは、前記ストップフラップは、2つのフラップ位置の間の実質的に水平な軸を中心に折りたたみ可能に配置されてもよい。
【0041】
一方で、ワークピースが第1ワークピース停止面に対して配置されたときにストップフラップが使用されてもよく、他方で、ワークピースがストップレールの第2ワークピース停止面に対して配置されたときにストップフラップが使用されてもよい。ストップレールがストップフラップ回動アクチュエータを備え、ストップフラップ回動アクチュエータは、ストップフラップを第1フラップ位置と第2フラップ位置との間で移動させるように配置及び構成されていることが更に好ましい。
【0042】
さらに、ストップフラップ回動アクチュエータは、ストップフラップを走行位置に移動させるように配置および構成されてもよい。走行位置は、第1フラップ位置ちと第2フラップ位置との間に配置されている。好ましくは、走行位置において、ストップフラップは、垂直に、特に上方に向いている。特に、これは、ストップフラップが第1ワークピース支持面または第2ワークピース支持面のいずれにも当接しないことを意味している。好ましくは、ストップフラップ回動アクチュエータは、ストップレールに沿ったそれぞれの移動の前に、ストップフラップを走行位置に移動させるように配置されている。これにより、以下に説明する破砕の危険性が低減するため、ストップレールに沿った移動速度をより速く設定できるようになる。
【0043】
動力式フラップストップは、オペレータに圧挫損傷の危険性をもたらす。このような圧壊の危険性は、走行中にストップフラップを走行位置に移動させることによって、低減または回避できる。走行位置は、第1フラップ位置と第2フラップ位置との間であるため、一般的に、ストップフラップとクロステーブルの他の構成要素との間には、十分な距離がある。この間隔により、オペレータの圧挫損傷の危険性が低減する。
【0044】
他の態様によれば、上述した問題は、工具に対して加工方向に沿って移動可能に機械フレームに搭載された前述の実施形態の1つに係るクロステーブルを備える木工機械、特にスライド式テーブルソーにより解決される。
【0045】
木工機械は、機械フレームの上方にワークピース支持テーブルを備えることが好ましい。さらに、木工機械は、ワークピース支持テーブルに配置されたソースロットから突出する円周部分を有する丸鋸刃のような工具を備えてもよい。丸鋸刃は、ワークピース支持テーブルの高さにおいて水平に直径方向に延びる刃によって、加工方向に延びた水平ソーラインを形成する。
【0046】
好ましくは、木工機械は、機械フレームに対して直線的に移動可能なスライドキャリッジを備え、クロステーブルは、スライドキャリッジ上に配置されている。好ましくは、スライドキャリッジは、送り方向およびソーラインに平行な反対方向においてフレームに対して移動可能である。
【0047】
クロステーブルは、好ましくは、ソーラインに対して90°の角度で一端が飛び出すように、スライドキャリッジ上に配置されている。好ましくは、フェンスレールは、ソーラインに対して90°の角度で延びたレール長手方向を有するように配置されている。上記木工機械では、フェンスレール上に配置されたワークピース側に対して90°の角度で調整されたソーカットを実行できる。
【0048】
木工機械のさらに好ましい実施形態では、クロステーブルが、実質的に垂直なテーブル回動軸を中心として回動可能なようにスライドキャリッジ上に配置される。このような木工機械では、ワークピースに対してマイターカットを行うことができる。これは、クロステーブル、特に第1および第2ワークピース指示面上に配置されたストップレールがソーラインに対して90°の以外の角度をとることができるという事実により可能となる。スライドキャリッジ上でクロステーブルが回動可能に配置されることにより、クロステーブルの片持ち方向を変えることができる。
【0049】
さらに好ましい実施形態では、クロステーブルが、平行四辺形のクロステーブルとして構成され、実質的に垂直なテーブル回動軸を中心に回動可能なようにスライドキャリッジ上に配置されており、クロステーブルは、好ましくは、2つの回動ジョイントを用いてスライドキャリッジに固定されている。
【0050】
さらに好ましい実施形態では、クロステーブルが第1結合要素を用いてスライドキャリッジ上に配置されることを提供する。提供第1結合要素は、加工方向またはソーラインに対して平行に移動可能なようにスライドキャリッジ上に配置されている。好ましくは、第1結合要素は、スライドキャリッジレール上を案内され、さらに好ましくは、少なくとも1つのクランプ要素が第1結合要素上に配置される。少なくとも1つのクランプ要素は、第1結合要素をスライドキャリッジレールに固定するように設計されている。スライドキャリッジおよび第1結合要素は、さらに好ましくは、クランプ要素が開放された状態で、ソーラインに対して平行の移動のみが実質的に可能なように構成されている。特に、クロステーブルは、クランプ要素が開放された状態でも、その垂直方向は実質的に同じである。
【0051】
さらに好ましい実施形態では、スライドキャリッジが、ワークピースを支持するために第1ワークピース支持面と一列に並んで配置された第2ワークピース支持面を備え、ストップレールが垂直なストップレール軸を中心に回動可能なように配置されていることを提供する。
【0052】
さらに、木工機械には、ストップフラップの第1フラップ位置、第2フラップ位置、および好ましくは走行位置を検出するフラップセンサ、および/または、第1ワークピース停止面および/または第2ワークピース停止面に位置するワークピースを検出するワークピースセンサを備える検出装置がさらに設けられていることが好ましい。例えば、フラップセンサは、ストップフラップに設けられたポジジョンセンサであってもよい。さらに、フラップセンサは、カメラとして構成されてもよく、第1フラップ位置と第2フラップ位置とは、好ましくは、画像評価ユニットを用いて検出されてもよい。
【0053】
ワークピースが第1ワークピース停止面上または第2ワークピース停止面上のどちらに配置されているかを検出することによって、自動で長さ補正が可能になる。ワークピースセンサは、例えば、光バリアまたは静電容量センサとして設計されてもよい。さらに、ストップレールがバネ搭載部と位置センサ装置とを備えることが好ましい。とくに、弾性支持部が第1ワークピース接触面上または第2ワークピース接触面上に配置されていることが好ましい。第1ワークピース支持面および第2ワークピース支持面は、弾性支持部をそれぞれ備えてもよい。弾性支持部は、好ましくは、位置センサ装置と結合されている。ワークピースが弾性搭載部と接触したとき、位置センサ装置は、ワークピースの接触を検出し、信号として処理することに用いられてもよい。
【0054】
木工装置の他の好ましい実施形態では、木工機械は、ストップフラップ回動アクチュエータを制御する第1制御ユニットを備える。第1制御ユニットは、検出装置からワークピース位置信号を受けるように配置されている。ワークピース位置信号は、第1ワークピース停止面または第2ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示す。第1制御ユニットは、ワークピース位置信号が第1ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示すとき、第1フラップ制御信号を生成し、ワークピース位置信号が第2ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示すとき第2フラップ制御信号を生成するように配置されている。ストップフラップ回動アクチュエータは、第1フラップ制御信号を受けたとき、フラップを第1フラップ位置に位置させ、第2フラップ制御信号を受けたときフラップを第2フラップ位置に位置させるように配置されている。
【0055】
テーブル旋回軸を中心にフェンスレールを旋回(スイベル)させることにより、丸鋸刃により形成されるソーライン(魂軸ともいう)からの第1または第2ワークピースフェンス面の任意の点の距離が変化する。したがって、フェンスレールルーラーにより得られた長さ情報は、長さ補正が必要となる。したがって、傾斜させる場合、寸法精度の高いワークピースを生産するためにソーラインからフェンスレールおよび/またはフェンスフラップまでの必要な寸法を維持するために、長さ補正が通常は含まれている。基準は、例えば、テーブル高さおよび鋸刃のフランジの側面の点であってもよい。ここでは上下の寸法を想定しているので、ワークピース厚さを考慮してもよい。
【0056】
長さ補正は、例えば、ストップレールをレールの長手方向に手動で移動させることで実行されてもよく、これによりストップレール上に通常配置されているルーラーが長手方向に移動される。調整可能な角度のそれぞれに、必要な長さ調整の値が提供されることが好ましい。例えば、木工機械は、ソーラインに対するフェンスレールの調整された角度を考慮に入れて、必要な長さ補正を計算する第2制御ユニットを備えてもよい。この角度は、例えば、角度センサシステムによって得られる。好ましくは、木工機械は、長さ補正の正しい値からのずれをオペレータに示す長さ補正表示器を備える。
【0057】
フェンスレールをレールの長手方向に移動できることは、旋回角度を変更したときにフェンスルーラーがソーラインと交差する危険性を含んでおり、これにより、丸鋸刃と衝突する危険性がある。好ましくは、第2制御ユニットは、そのような衝突の危険性を検出するように配置されている。例えば、第2制御ユニットは、回動角度とレールの長手方向でのストップルーラーの位置との関数として、ソーラインでの切断を計算するように配置されてもよい。
【0058】
さらに好ましい実施形態では、木工機械が丸鋸刃と、フェンスレールをレールの長手方向に動かすレールアクチュエータとを備えることが提供される。第2制御ユニットは、フェンスレールのスライドキャリッジと面する端部と、丸鋸刃との間の距離を決定し、フェンスレールと丸鋸刃との間の接触を防止するようにレールアクチュエータを制御するように配置されている。
【0059】
さらなる態様によれば、上述の問題は、ストップフラップが設けられたストップレールを有するクロステーブルを備える木工機械、特にスライド式テーブルソーを制御する方法であって、第1ワークピース停止面または第1ワークピース停止面と対向して配置されたストップレールの第2ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示すワークピース位置信号を生成し、ワークピース位置信号が第1ワークピース停止面にあるワークピース位置を示すとき第1フラップ制御信号を生成し、ワークピース位置信号が第2ワークピース停止面にあるワークピース位置を示すとき第2フラップ制御信号を生成し、第1フラップ制御信号が生成されたとき、ストップレールの第1側面上の第1フラップ位置にストップフラップを位置させ、第2フラップ制御信号が生成されたとき、第1側面と反対側のストップレールの第2側面上の第2フラップ位置にストップフラップを位置させ、ストップフラップは、好ましくは、ストップレールに沿って走行している間に、第1フラップ位置と第2フラップ位置との間にある走行位置にストプフラップを位置させる、方法により解決される。
【0060】
上記方法は、丸鋸刃により形成されたソーラインに対するストップルーラーの回動角度を、例えば、角度センサシステム、特に角度変換器を用いた検出、長さ補正の検出、および/またはストップルーラーと丸鋸刃との衝突の危険性の検出を行うステップを備えることがさらに好ましい。
【0061】
本発明に係る方法およびその可能なさらなる展開は、本発明に係るクロステーブルおよびそのさらなる展開への使用に特に適した特徴または方法ステップを有する。これらのさらなる態様およびその可能なさらなる実施形態のさらなる利点、実施形態の変形、および実施形態の詳細については、クロステーブルの対応する特徴およびさらなる実施形態に関して前に与えられた説明も参照されたい。
【0062】
好ましい実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明に係るクロステーブルを備える木工機械の斜視図。
【
図2】本発明に係るクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図3a】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図3b】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図3c】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図3d】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図6】本発明に係るクロステーブルを有するスライドキャリッジの部分斜視図。
【
図7a】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図7b】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図7c】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図7d】本発明に係るさらなるクロステーブルを備えるスライドキャリッジの斜視図。
【
図8】ストップレールの例示的な実施形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図において、同一あるいは実質的に機能的に同一、または同様の要素には、同一の参照符号を付して示す。
【0065】
図1は、本発明に係るクロスカットテーブル100が設けられた木工機械1の斜視図を示す。木工機械1は、スライド式テーブルソー形式であり、ベースフレーム10と、ベースフレーム10上を直線的に案内され、方向Lに水平に移動可能なスライドキャリッジ200とを備える。クロステーブル100は、スライドキャリッジ200上に配置され、方向Aに突出しており、クロステーブル100のワークピース支持面は、方向Lの前後に移動可能な支持ビーム130,132によって実質的に形成されている。クロステーブル100は、方向Vに延びた実質的に垂直な軸を中心にスライドキャリッジ200に対して回転可能である。ソーラインSは、保護フード12の下に隠れている丸鋸刃によって形成され、保護フード12は、ソースロットを通して第2ワークピース支持面から好ましくは突出している。ソーラインSは、キャリッジ200の走行方向と実質的に平行に向いている。
【0066】
図2は、本発明に係るクロステーブル100と
図1に示すスライドキャリッジ200との斜視図である。クロステーブル100は、スライドキャリッジ200上に配置されている。クロステーブル100は、スライドキャリッジ200に対向する第1クロステーブル端部からスライドキャリッジ200とは反対側に向いた第2クロステーブル端部との間を片持ち方向Aに延びている。
【0067】
クロステーブル100は、平行四辺形のクロステーブルとして構成されており、実質的に垂直な軸を中心にスライドキャリッジ200上で回転可能に配置されている。クロステーブル100は、特に、第1クロスフレーム要素102、および第1クロスフレーム要素102に平行に配置された第2クロスフレーム要素104により形成されたクロステーブルフレームと、第1結合部材170と、第2結合部材171とを備える。第1クロスフレーム要素102と第2クロスフレーム要素104とは、片持ち方向Aに平行に向いた支持ビーム長手方向延長部をそれぞれ備える。片持ち方向Aは、ビーム断面に直交して向いている。第1クロスフレーム要素102は、第2クロスフレーム要素104に実質的に平行な支持ビーム長手方向延長部を有する。第1クロスフレーム要素102は、長手方向Lにおいて第2クロスフレーム要素104から間隔を開けて配置されている。
【0068】
クロスフレーム要素102,104は、スライドキャリッジ200に対向するそれぞれの端部で、垂直軸を中心に第1結合要素170に回転可能に接続されている。
図2において垂直軸にVを付して示している。この接続は、スイベルジョイント154,158によって実現されている。クロスフレーム要素102,104は、回動ジョイント156,157を用いて、第2クロステーブル端部に隣接する領域において第2結合部材171に接続されている。回動ジョイント154,156,157,158を用いて、平行四辺形のクロステーブルが形成されている。従ってクロステーブル100の片持ち方向Aは、ソーラインSに対して可変であるため、例えば、片持ち方向A’およびA’’にも調整可能である。
【0069】
クロステーブル100は、ストップレール120を更に備える。ストップレール120は、第1レール端部122から第2レール端部124まで片持ち方向Aに延びる。第1レール端部122は、スライドキャリッジ200に向いている。第2レール端部124は、スライドキャリッジ200とは反対側を向いている。第1レール端部122と第2レール端部124との間で、ストップレール120は、レール長手方向に延びている。レール長手方向は、クロスフレーム要素102,104の主な伸長方向に実質的に平行に向いている。
【0070】
ストップレール120は、第1結合部材170と第2結合部材171とにレールの長手方向に移動可能に結合されている。ストップレール120は、第1レール端部122に隣接する領域において、スライドキャリッジ溝212に嵌め合わされる垂直下方に突出したピンを更に備える。第1結合部材170は、第1クランプ装置172および第3クランプ装置174によりスライドキャリッジ200に結合されており、クランプ装置172,174は、長手方向Lにおける固定を提供する。
【0071】
クロステーブル100は、第1ワークピース支持面を有する。第1ワークピース支持面は、第1支持ビーム130の支持面110aと第2支持ビーム132の支持面110bとによって形成されている。支持ビーム130,132は、長手方向Lにおいて移動可能に取り付けられている。好ましくは、支持ビーム130,132は、片持ち方向A,A’,A’’において移動できる。具体的には、第2支持ビーム132は、長手方向Lにのみ移動可能に配置されているのが好ましく、第1支持ビーム130は、長手方向Lおよび片持ち方向A,A’,A’’に移動可能に配置されているのが好ましい。支持ビーム130および支持ビーム132を長手方向Lに移動可能にすることで、クロステーブル100のワークピース支持面を第1側面111上または第2側面112上に実質的に形成できる。ワークピースが第1ワークピース支持面上に配置されるか、または第1ワークピース支持面とは反対側の第2ワークピース支持面126上に配置されるかに応じて、第1支持ビーム130および第2支持ビーム132は、ワークピースが配置される側面111,112に向かって移動できる。
【0072】
クロステーブル100は、平行四辺形のクロステーブルとして設計されており、角度調整ユニット150を備える。角度調整ユニット150を用いて、クロステーブル100の片持ち方向とソーラインSとの間の規定の角度を設定できる。角度調整ユニット150は、スイベルジョイント152a,152bによってクロステーブルフレームに取り付けられている。
【0073】
第2クランプ装置127は、長さ補正部を固定できるように設けられる。さらに、ストップレール120は、第1ストップフラップ140と第2ストップフラップ142とを備える。ストップフラップ140,142は、ロックピン144を用いてストップレールに固定可能である。ストップフラップ140,142は、第2フラップ位置にある。さらに、ストップレール120は、制御ユニット180を備える。
【0074】
図3a,b,c,dは、本発明に係る更なるクロステーブルに設けられたスライドキャリッジの斜視図である。クロステーブル100’は、モータ調整可能なストップフラップ140’,142’を備える点において、前述したクロステーブル100とは本質的に異なる。ストップフラップ142は、フラップ回転アクチュエータ143とプルアウト145とを備える。好ましくは、ストップフラップ140’,142’の両方は、フラップ回転アクチュエータによって、ストップレール120に沿って移動可能である。
【0075】
図3bは、支持ビーム130,132の支持領域がストップレール120の前において実質的に水平に配置され、第1支持領域Aを形成する第1位置にある支持ビーム130,132を示す。このように、ワークピースは、支持レール120の前に配置可能である。この位置では、ワークピースは、オペレータによってストップレール120に対して押され、結果として丸鋸刃に対して移動する。
【0076】
図3cでは、支持ビーム130,132は、支持ビーム130,132の支持面がストップレール120の後において実質的に水平に配置され、第2支持領域を形成する第2位置にある。このようにして、ワークピースを特に好ましい態様で支持レール120の後に配置可能であり、オペレータがストップレール120を用いてワークピースを押すことができる。
【0077】
従来技術では、レール前方での加工からレール後方での加工へ変更するために、ストップレールを解体してクロステーブルの別の位置に再度取り付ける必要があり、その際にはやはり校正が必要となる。クロステーブル100’の場合、これは、支持ビーム130,132の長手方向Lでの移動により行われる。特に、これは、ストップレール120の校正を必要としない。
【0078】
図4は、結合要素の斜視図を示す。第1結合要素170は、上述したように回動ジョイント154,158を備える。スイベルジョイント154,158は、クロステーブル100,100’とピン接続を形成する。このために、回動ジョイント154,158にはボルト155,159が設けられている。さらに、第1結合要素170は、ストップレール用のレセプタクル151を備える。第3クランプ装置174は、第3クランプ装置174を解除またはロックするためのレバー175を備える。さらに、クランプ装置は、クランプ装置174をロックするためのロックピン173を備える。
【0079】
第1クランプ装置172および第3クランプ装置174は、互いに結合されてもよい。特に、レバー175が第3クランプ装置174および第1クランプ装置172の解除およびロックに使用可能であると好ましい。同様に、第1クランプ装置172のレバーが、第3クランプ装置174および第1クランプ装置172の解除およびロックに使用可能であると好ましい。その結果、クランプ装置172,174の両方の一方的な解除が可能となる。
【0080】
図5は、角度調整ユニットの二次元図である。上述したように、角度調整ユニット150は、回動ジョイントを用いて、クロスフレーム要素102,104に結合されている。ボルト190,192はこのために設けられている。角度調整ユニット150は、クランプレバー198を更に備え、クランプレバー198を用いて、ワークピースの加工中に設定角度が実質的に変わらないように設定角度を固定できる。クロステーブル100,100’は、ストップレール120を90度で固定可能なように構成されている。つまり、ワークピース停止面がソーラインSに対して90度の角度で調整される。
【0081】
これを実現するために、角度調整ユニット150は、インデックスボルト196を備える。インデックスボルト196は、レバー197を用いて作動される。角度調整ユニット150は、長さ修正のためのセンサ194を更に備える、これは、例えば、容量センサまたは反射光バリアとして設計されてもよい。
【0082】
図6は、本発明に係るクロステーブルを有するスライドキャリッジの部分斜視図である。ストップレール120は、図示しないピンを用いて、スライドキャリッジグルーブ212に案内される。
図6に示す実施形態では、ストップレール120は、センサ148を備える。センサ148は、ワークピースを検出するように構成されている。ストップレール120は、好ましくは、センサ148とは反対側に、センサ148と同様にに設計されたワークピースを検出するための更なるセンサを備える。
【0083】
図7a,b,c,dは、本発明に係る他のクロステーブル100’’を備えるスライドキャリッジの斜視図である。クロステーブル100’’は、水平面を有する金属シート300,302,304,306を備える。シート300は、スライドキャリッジ200とは反対側に向いた第2支持ビーム132の長手方向の側面に配置されている。第2支持ビーム132の長手方向の反対側の側面には、シート302が配置されている。同様に、シート304は、スライドキャリッジ200とは反対側に向いた第1支持ビーム130の長手方向の側面に配置されており、シード306は、スライドキャリッジ200に向いた支持ビーム130の長手方向の側面に配置されている。金属シート302,304は、特に
図7dからわかるように、重複するように配置されている。この重複配置により、モータによりストップフラップをストップルーラーに沿って移動させたときに、フレームのルーラーに隣り合う部分に怪我を起こす可能性があるピンチポイントをなくすことができる。ルーラーとクロステーブルとが旋回したときであっても、重複配置は、開いたり閉じたりするいかなる隙間または割れ目などを発生させずに、その結果、怪我の原因となるクラッシュポイントを発生させない。
【0084】
図8は、ストップレールの例としての実施形態の斜視図である。ストップレール120は、第2ワークピース停止面126上に弾性ストップバー129を有する。ストップバー129は、好ましくは、位置センシング装置に信号的に結合している。ワークピースが第2ワークピース停止面126に位置しているとき、弾性ストップバー129は、ストップレール120の本体に押し付けられる。ストップバー129の運動が適切なセンサにより検出され、その結果、ワークピースの第2ワークピース停止面との接触が順番に検出可能となる。
【0085】
図9は、ストップフラップを有するストップレールを有するクロスカットテーブルを有する木工機械、特にスライド式テーブルソーを制御する模式的な方法を示す。ステップ300では、ワークピース位置信号が生成され、ワークピース位置信号は、第1ワークピース停止面または第1ワークピース停止面の反対側に配置されたストップレールの第2ワークピース停止面にあるワークピースの位置を示す。
【0086】
ステップ302では、ワークピース位置信号が第1ワークピース停止面上のワークピース位置を示しているとき、第1フラップ制御信号が生成され、ワークピース位置信号が第2ワークピース停止面上のワークピースの位置を示しているとき、第2フラップ制御信号が生成される。ステップ304では、第1フラップ制御信号が生成されたとき、ストップレールの第1側面上の第1フラップ位置にストップフラップを位置させ、第2フラップ制御信号が生成されたとき、第1側面とは反対側のストップレールの第2側面上の第2フラップ位置にストップフラップを位置させる。
【符号の説明】
【0087】
1 木工機械
10 フレーム
12 保護フード
14 第2ワークピース支持面
100,100’、100’’ クロステーブル
102 第1クロスフレーム要素
104 第2クロスフレーム要素
100a,100b 支持面
111 第1側面
112 第2側面
120 ストップレール
122 第1レール端部
124 第2レール端部
126 第2ワークピース支持面
127 第2クランプ装置
128 フラップレール
129 スプリングストップバー
130 第1支持ビーム
132 第2支持ビーム
140,140’ 第1ストップフラップ
142,142’ 第2ストップフラップ
143 フラップ旋回アクチュエータ
144 ロックピン
145 プルアウト
146 ロックピン
148 センサ
150 角度調整ユニット
151 レコーディング
152a,152b スイベルジョイント
154 スイベルジョイント
155 ボルト
156 スイベルジョイント
157 スイベルジョイント
158 スイベルジョイント
159 ボルト
160 ヘッド要素
170 第1結合要素
171 第2結合要素
172 第1クランプ要素
173 ロックボルト
174 第3クランプ要素
175 レバー
176 ロックボルト。
180 制御ユニット
190 ボルト
192 ボルト
194 センサ
196 インデックスボルト
198 クランプレバー
200 スライドキャリッジ
210 第2ワークピース支持面
212 スライドキャリッジ溝
A,A’,A’’ 片持ち方向
L 長手方向
V 垂直方向
【国際調査報告】