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特表2022-533654歯列矯正治療のための分析および予測モデル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】歯列矯正治療のための分析および予測モデル
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20220715BHJP
   A61C 7/00 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
G06Q50/22
A61C7/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568687
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 US2020032838
(87)【国際公開番号】W WO2020232223
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】62/848,807
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521500465
【氏名又は名称】アルタ・スマイルズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ギーゲリッチ
【テーマコード(参考)】
4C052
5L099
【Fターム(参考)】
4C052JJ10
5L099AA01
5L099AA15
(57)【要約】
一般の歯科医がコンサルタント矯正歯科医から指示を受ける、歯列矯正治療を患者に提供するためのシステム。システムは、コンサルタント矯正歯科医を一般の歯科医に割り当てるように構成されるネットワークを含む。ネットワークは患者データベースを伴う中央サーバを含む。患者データベースは、第1の患者の第1の患者の歯科記録および複数の追加の患者の複数の追加の患者の過去の歯科記録を含む。ネットワークはまた、分析および予測モジュールを含む。分析および予測モジュールは、第1の患者の治療の開始の前に、第1の患者の歯科記録および複数の追加の患者の過去の歯科記録にアクセスして、追加の患者の過去の歯科記録の類似する歯科記録を第1の患者の歯科記録と比較対照し、第1の患者の歯科治療のタイミングおよび結果を予測するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯列矯正治療を患者に提供するためのシステムであって、一般の歯科医が、コンサルタント矯正歯科医からの全般的な命令および具体的な命令のうちの少なくとも1つを含む指示を受け取り、前記システムが、
前記コンサルタント矯正歯科医を前記一般の歯科医に割り当てるように構成されるネットワークを備え、
前記コンサルタント矯正歯科医が前記一般の歯科医から離れた位置におり、前記ネットワークが患者データベースを伴う中央サーバを含み、前記患者データベースが、第1の患者の第1の歯科記録および複数の追加の患者の複数の追加の歯科記録を含み、前記ネットワークが分析および予測モジュールも含み、前記分析および予測モジュールが、前記第1の患者の治療の開始の前に、前記第1の歯科記録および前記複数の追加の歯科記録のうちの少なくとも1つにアクセスして、前記第1の歯科記録および前記複数の追加の歯科記録のうちの前記少なくとも1つを比較対照し、前記第1の患者の歯科治療のタイミングおよび結果を予測するように構成され、前記ネットワークが、治療の間に前記第1の患者の口の物理的特性を受信し、前記第1の患者の口の前記物理的特性が、前記第1の患者の追加の結果を予測するために前記第1の歯科記録および前記複数の追加の歯科記録と比較され、前記第1の患者の口の前記物理的特性が、下顎骨の大きさと形状、上顎骨の大きさと形状、前記第1の患者の歯と歯の間の距離、歯根構造の長さと角度を含む前記歯根構造、歯の数、歯の大きさ、および乳歯の存在を含む前記第1の患者の歯の歯列、前記第1の患者の年齢、前記第1の患者の歯周の問題、前記第1の患者の鼻と顎との間の距離を含む前記第1の患者の顔の輪郭、ならびに前記第1の患者の歯肉線に対する歯の位置を含む、システム。
【請求項2】
前記一般の歯科医と前記コンサルタント矯正歯科医との間のリアルタイム会議を提供するように構成される通信デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分析および予測モジュールが、人工知能および機械学習を利用して、前記第1の患者の顎および歯に対する規定された治療の影響ならびに予想される変化の時間枠を予測し、前記分析および予測モジュールがまた、前記第1の患者に対する結果の範囲を予測するように構成され、前記第1の歯科記録が、前記患者によって撮られ前記患者から前記ネットワークによって受信される画像を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の追加の歯科記録が、実際の患者の歯科記録および模擬的な患者の歯科記録を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の追加の歯科記録が模擬的な患者の歯科記録からなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の追加の歯科記録が実際の患者の歯科記録からなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
歯列矯正治療を患者に提供するための方法であって、一般の歯科医がコンサルタント矯正歯科医から指示を受け、前記方法が、
前記一般の歯科医と関連付けられる第1の位置にある撮像デバイスを用いて第1の患者の歯列弓の少なくとも1つの画像を獲得するステップと、
第1の位置にある第1の通信デバイスに前記少なくとも1つの画像を表示するステップと、
前記コンサルタント矯正歯科医と関連付けられる第2の位置にネットワークを介して前記少なくとも1つの画像を送信するステップと、
前記第2の位置にある第2の通信デバイスに前記少なくとも1つの画像を表示するステップと、
前記第2の位置にいる助言を行う矯正歯科医によって、前記少なくとも1つの画像に基づいて治療計画を決定するステップと、
前記第1の位置にある前記第1の通信デバイスに前記治療計画を送信するステップと、
前記第1の位置にいる前記一般の歯科医によって、前記第1の患者の前記歯列弓の歯のうちの1つまたは複数に歯科ハードウェアを取り付けるステップと、
第2の診察において、前記第1の位置にある前記撮像デバイスを用いて前記第1の患者の前記歯列弓の少なくとも1つの追加の画像を獲得するステップと、
前記少なくとも1つの追加の画像を前記第2の位置に送信するステップと、
前記第2の位置にある前記第2の通信デバイス上で前記少なくとも1つの追加の画像を前記少なくとも1つの画像と比較するステップと、
前記第2の位置にいる前記コンサルタント矯正歯科医によって、前記少なくとも1つの追加の画像に基づいて前記治療計画への修正を決定するステップと、
前記第1の位置にいる前記一般の歯科医に前記治療計画への前記修正を送信するステップと、
前記第1の位置にいる前記一般の歯科医によって、前記歯科ハードウェアを修正または調整するステップと
を備える、方法。
【請求項8】
前記第1の患者の歯列弓の前記少なくとも1つの画像が、前記第1の位置における第1の診察において撮られるか、前記第1の診察の前に前記患者によって撮られるかのうちの1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記撮像デバイスが、スキャナ、デジタルカメラ、3Dスキャナ、口腔内スキャナ、およびビデオレコーダのうちの1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記治療計画が、前記第1の通信デバイスに前記ネットワークを通じて前記第2の通信デバイスから送信される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記コンサルタント矯正歯科医と前記一般の歯科医との間のオーディオビジュアル通信をさらに備え、前記オーディオビジュアル通信が、前記第2の通信デバイスと前記第1の通信デバイスとの間で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記歯科ハードウェアがブレースを備え、前記ブレースが、従来のブレース、リンガルブレース、セルフライゲーティングブレース、臼歯チューブブレース、歯列矯正ワイヤ、歯列弓内エラスティクス、一般的なタイ、ラゲッジループ、パワーチェーン、コイルスプリング、およびリガチャを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の通信デバイスを用いて、前記一般の歯科医による前記コンサルタント矯正歯科医との相談に対する要求を開始するステップをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
相談に対する前記要求が、前記少なくとも1つの画像を前記第2の位置に送信したことに応答して自動的に開始される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コンサルタント矯正歯科医が、分析および予測モジュールを含む前記ネットワークからなる、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記分析および予測モジュールが、前記第1の患者の過去の歯科記録に基づいて治療されている前記第1の患者の結果を推奨して予測することが可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記歯科ハードウェアが、治療の間および後の前記歯の移動を最小にするために、前記歯に直接接着されるワイヤを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
歯科ハードウェアがブレースを備え、前記ブレースが、従来のブレース、リンガルブレース、セルフライゲーティングブレース、臼歯チューブブレース、歯列矯正ワイヤ、歯列弓内エラスティクス、一般的なタイ、ラゲッジループ、パワーチェーン、コイルスプリング、およびリガチャのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Analysis and Prediction Model for Orthodonic Treatment」という表題の、2019年5月16日に出願された米国仮特許出願第62/848,807号の利益を主張し、その内容全体が、すべて参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
歯列矯正(orthodontia)、歯列矯正(orthodontics)、または口腔顎顔面整形外科は、異常な位置にある歯および顎の診断、予防、および矯正を扱う歯科の専門分野である。歯列矯正は通常、歯列矯正処置のみを扱う専門的な矯正歯科医院において行われる。そのような矯正歯科の診察は、患者が比較的頻繁に専門的な矯正歯科医院に訪問しながら、一般の歯科における通常の歯科治療にも通い続けることを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハブアンドスポーク式の手法で、コンサルタント矯正歯科専門家の監修のもとで一般の歯科医院における歯列矯正処置を容易にするシステムと方法を、設計し、開発し、展開することが望ましいであろう。好ましい本発明は、既知の歯列矯正システムおよび方法の欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
簡単に言えば、好ましい発明の一態様は、一般の歯科医がコンサルタント矯正歯科医からの指示を受けるような、矯正歯科治療を患者に提供するためのシステムを対象とする。システムは、一般の歯科医にコンサルタント矯正歯科医を割り当てるように構成されるネットワークを含む。ネットワークは、患者データベースを伴う中央サーバを含む。患者データベースは、第1の患者の第1の患者の歯科記録および複数の追加の患者の複数の追加の患者の過去の歯科記録を含む。ネットワークはまた、分析および予測モジュールを含む。分析および予測モジュールは、第1の患者の治療の開始の前に第1の患者の歯科記録および複数の追加の患者の過去の歯科記録にアクセスして、追加の患者の過去の歯科記録の類似する歯科記録を第1の患者の歯科記録と比較対照し、第1の患者の歯科治療のタイミングと結果を予測するように構成される。
【0005】
好ましい発明の別の態様は、一般の歯科医がコンサルタント矯正歯科医からの指示を受けるような、歯列矯正治療を患者に提供するためのシステムを対象とする。システムは、第1の患者の歯列弓の少なくとも1つの画像を獲得するように構成される撮像デバイスと、撮像デバイスを制御して一般の歯科医のためにその少なくとも1つの画像を表示するように構成される第1の通信デバイスと、少なくとも1つの画像を離れた位置に送信するように構成されるネットワークと、ネットワークに接続される第2の通信デバイスとを有する。コンサルタント矯正歯科医は、離れた位置と通信している。第2の通信デバイスは、コンサルタント矯正歯科医のためにネットワークによって送信される少なくとも1つの画像を表示し、または、コンサルタント矯正歯科医もしくは中央プロセッサによる治療計画の分析と策定のために中央プロセッサに画像を提供するように構成される。
【0006】
好ましい発明の別の態様は、一般の歯科医がコンサルタント矯正歯科医からの指示を受けるような、歯列矯正治療を患者に提供するための方法を対象とする。方法は、第1の診察において、一般の歯科医と関連付けられる第1の位置にある撮像デバイスを用いて第1の患者の歯列弓の少なくとも1つの画像を獲得するステップと、第1の位置にある第1の通信デバイスに少なくとも1つの画像を表示するステップと、コンサルタント矯正歯科医と関連付けられる第2の位置にネットワークを介して少なくとも1つの画像を送信するステップと、第2の位置にある第2の通信デバイス上で少なくとも1つの画像を受信する、または第2の通信デバイスに少なくとも1つの画像を表示するステップと、第2の位置にいる助言を行う矯正歯科医によって、少なくとも1つの画像に基づいて治療計画を決定するステップと、第1の位置にある第1の通信デバイスに治療計画を送信するステップと、第1の位置にいる一般の歯科医によって、第1の患者の歯列弓の歯の1つまたは複数に歯科ハードウェアを取り付けるステップとを含む。
【0007】
前述の概要、ならびに本発明の以下の詳細な説明は、添付の図面とともに読まれると、より理解されるだろう。本発明の説明する目的で、現在好ましい実施形態が図に示されている。しかしながら、本発明は、示される厳密な構成および手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の第1の好ましい実施形態に従って歯列矯正サービスを患者に提供するための方法の概略的な表現の図である。
図1B】本発明の第1の好ましい実施形態に従って歯列矯正サービスを患者に提供するための方法の概略的な表現の図である。
図2A】本発明の第2の好ましい実施形態に従って歯列矯正サービスを患者に提供するための方法の概略的な表現の図である。
図2B】本発明の第2の好ましい実施形態に従って歯列矯正サービスを患者に提供するための方法の概略的な表現の図である。
図3図1Aから図2Bの好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る、歯列矯正サービスを患者に提供するためのシステムの概略的な表現の図である。
図4図1Aから図2Bの好ましい方法のいずれかとともに利用され得る、歯列矯正サービスを患者に提供するためのシステムの概略的な表現の図である。
図5A図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る、歯列矯正ブラケットの前方透視図である。
図5B】患者の歯に装着される、図5Aの一連のまたは複数のブラケットの前方透視図である。
図5C】患者の歯に装着される、図5Aの代替的な一連の複数のブラケットの底面図である。
図5D図1A図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る歯列矯正ハードウェアの前方透視図である。
図5E図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る代替的な歯列矯正ハードウェアの前方透視図である。
図5F図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得るさらに代替的な歯列矯正ハードウェアの前方透視図である。
図6図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る患者の歯に装着されるラゲッジループの底面図である。
図7図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る臼歯チューブブラケットの上方透視図である。
図8図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得るリンガルワイヤおよびブラケットの底面図である。
図9図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得るリンガルアプライアンスおよびアタッチメント機構の前方立面図である。
図10図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口蓋拡張器の底面図である。
図11A図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
図11B図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
図11C図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
図11D図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
図11E図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
図11F図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
図11G図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
図11H図1Aから図4の本発明の好ましい実施形態のいずれかとともに利用され得る口腔内エラスティクスの側方透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの用語は、単に便宜的に以下の説明において使用され、限定するものではない。本明細書において特に述べられない限り、「a」、「an」、および「the」という用語は、1つの要素に限定されず、代わりに、「少なくとも1つ」を意味するものとして読まれるべきである。「右」、「左」、「下」、および「上」という語は、言及されている図における方向を指定する。「中へ」または「遠くに」および「外へ」または「近くに」という語はそれぞれ、デバイス、すなわち歯列矯正ハードウェアおよび器具とそれらの関連する部品の、幾何学的な中心または向きに向かう方向、およびそれから離れる方向を指す。用語は上記に列挙された語、それらの派生語および類似の意味の語を含む。
【0010】
当業者により理解されるように、好ましい発明の構成要素の寸法または特性に言及するときに本明細書において使用される、「およそ」、「約」、「概ね」、「実質的に」などの用語は、記述される寸法/特性が厳密な境界またはパラメータではなく、機能的に同一のまたは類似するそれらの小さな変形を排除しないことを示すことも理解されたい。最低でも、数値パラメータを含むそのような言及は、当技術分野において受け入れられる数学的な原理および工業的な原理を使用して(たとえば、丸め、測定誤差または他のシステム上の誤差、製造公差など)、最下位の桁を変化させないような変動を含む。
【0011】
図1から図10を参照すると、好ましい発明は、歯列矯正治療のための分析および予測モデルのための、システム300、400、および方法100、200を対象とする。好ましい方法100、200およびシステム300、400は、ステップおよび特徴の中でもとりわけ、患者の歯列弓の画像を撮るステップであって、患者の歯列弓が、一般の歯科医306、406またはコンサルタント矯正歯科医305、405が患者304の治療について検討するのに有用であり得る、患者の歯、顎、口、および関連する特徴を含み得る、ステップと、画像をデータベースに記憶するステップと、記憶された画像を、画像を分析するコンサルタント矯正歯科医305、405に送信するステップと、コンサルタント矯正歯科医305、405の分析に基づいて患者のための治療方法を規定するステップと、規定された治療法に基づく結果を測定するステップとを伴う。画像は、一般の歯科医306、406による患者との最初の診察の際に撮られてもよく、最初の診察の前に患者により撮られてデータベースに送信されてもよく、または、患者の最初の診察もしくは後の診察のために別様に取得されてもよい。好ましいシステム300、400によって維持または送信される画像および追加の情報は、一般の歯科医306、406の位置に、コンサルタント矯正歯科医305、405の位置に、または、中央サーバ、ネットワーク、もしくは中央データベース301、302、401、402の中の第三者の位置に記憶され得る。本明細書において使用されるような一般の歯科医306、406は、一般の歯科医306、406の職員、技工士、歯科助手、衛生士、および関連する従業員も指す。コンサルタント矯正歯科医305、405は、好ましくは、一般の歯科医306、406から離れた位置におり、必ずしも人の矯正歯科医ではなく、治療されている患者304、404の過去の歯科記録に基づいて、治療されている患者304、404の結果を推奨して予測することが可能である、ネットワーク301、401、ならびに分析および予測モジュール307、407からなり得る。予測モジュール307、407はまた、アーチワイヤ504の規格、特定の歯へのブラケット503の配置、大きさ、材料、および硬さを含む歯列弓内エラスティクスの使用、歯を回転させるためのラゲッジループの使用、一般的なタイリガチャの使用、チェーンエラスティクスの使用、リンガルリテンションワイヤ20の使用、ならびに、患者の歯を操作するために利用される関連する特徴および材料を推奨することが可能である。アーチワイヤ504は、直線的な形状、あらかじめ決められた弓の形状を含んでもよく、弓の形状でありかつ3次元において湾曲していてもよく、または別様に構成されてもよい。歯列矯正ハードウェアは、ボタンまたはエラスティック式のラゲッジループ、様々な構成を伴う歯列弓内エラスティクス、スロット16aを伴う臼歯チューブブラケット16、アーチワイヤ504またはリンガルワイヤ20と係合するリンガルブラケット22、口蓋拡張器30、リンガルリテンションワイヤ20および関連するハードウェアを含み得る。分析および予測モジュール307、407はまた、第1の患者304、404の特徴を複数の追加の患者の過去の特徴および情報と比較することによって、複数の追加の患者の過去の歯科記録に基づいて治療されている患者304、404の結果を推奨して予測することが可能であり得る。好ましいシステム300、400、および方法100、200は、固定されたアプライアンス、すなわちブラケット503、ワイヤ504、および関連する固定されたアプライアンスハードウェアとともに利用される。記憶されている画像の送信と、規定された治療に基づく結果の測定との間に、好ましいシステム300、400は、好ましくは、コンピュータ/機械学習を使用して、規定された治療に基づいて結果を予測する。患者304、404に典型的な治療の時系列および結果を提供するために、増分のおよび全体の結果と時間がシステム300、400によって予測されるように、予測される結果は、治療ごとに行われてもよく、または治療の過程で同じもしくは類似する患者に対して複数回行われてもよい。予測される結果はまた、治療の勧告に対する患者304、404の従順性、患者304、404の身体的な特性、および結果に影響し得る他の変数に基づいて、結果の範囲を生み出し得る。
【0012】
好ましいブラケット503は、Roth規定またはMBT規定を用いた、1000分の18インチと1000分の22インチ(0.018-0.022")の間の好ましいスロットサイズを伴う、受動的なセルフライゲーティングブラケットからなり得る。フックまたは「ポスト」が、歯の近心側または遠心側のいずれかでブラケット503の中へと設計されてもよく、フックは、好ましくは中切歯または側切歯ではない任意の歯のために使用されてもよい。フックは、好ましくは、ブラケットから(歯肉の)外側に延びる。フックは、好ましくは、治療の間の異なる時間にエラスティクスを取り付けるために使用される。
【0013】
図1から図5Fおよび図7を参照すると、遠位の歯に対して、またはいくつかの場合には、患者の口の各四分円における2つの最も遠位の歯に対して、臼歯チューブブラケット16が好ましくは患者の歯に取り付けられる。臼歯チューブブラケット16は、アーチワイヤ504と係合するのではなく、好ましくは、アーチワイヤ504がその中に配置されるチューブ16aを伴うブラケット503からなる。したがって、最も遠位の歯は、臼歯チューブ式のブラケット16と接着され得る。臼歯チューブブラケット16は通常、ブラケット503の中のスロットを通じて臼歯チューブ16aの中へアーチワイヤ504が配置されるという点で、他のブラケットとは別個である。好ましい臼歯チューブブラケット16は、Rickets規定からなり、歯および離れて延びるフックまたは「ポスト」16bまで約3.6ミリメートル(3.6mm)または類似するサイズの近位-遠位長を伴って、歯に直接接着可能である。臼歯チューブブラケット16を取り付ける好ましい方法は、ダイレクトボンディング法を利用するが、対象の歯が自然ではない材料からなる入れ歯である場合には特に、歯の周囲にわたって適合するバンドを介して歯に取り付けられる臼歯チューブブラケット16が使用されることがある。また、臼歯チューブブラケット16は、好ましくは、患者の快適性のために比較的目立たず、接着および位置決めを助ける顔面上のマークからなる十字型の恒久的なガイド18を有し、十字型の恒久的なガイド18は、適切な位置決めのために十字のうちの1つに沿って緑または赤などの色を有するなど、色で強調されていてもよく、臼歯チューブ16aの入口は、臼歯チューブ16aへとワイヤを誘導するのを助けるように漏斗状にされてもよく、フック16bは、患者の快適性を向上させて歯肉との衝突を避けるために、柔軟なボールフックからなっていてもよい。
【0014】
図1から図10を参照すると、ブラケット503およびワイヤはまた、歯の前面ではなく歯のリンガルブラケット22およびワイヤ20などの、舌側への装着のために構成され得る。ブラケット503を配置し、ワイヤおよび他の技法の同じツールボックスを使用するという概念は、大部分が同じである。リンガルブラケット22およびワイヤ20を含む、リンガル式のブレースはまた、好ましいシステム300、400とともに使用するために、モデリングされ構成され得る。リンガルブレース20、22は、歯の内側に歯列矯正ブラケット22を取り付けることを伴う、好ましくは固定式の歯列矯正治療アプライアンスである。歯列矯正治療が完了した後に歯が元の位置に戻るのを防ぐために、好ましくはリンガルリテンションが使用されるが、そのように限定はされない。このリンガルリテンション法は、前歯の舌側に連絡する、編まれたステンレス鋼ワイヤ24などの、接着されたリンガルリテーナアプライアンス24を利用し得る。合成樹脂あるいは他の接着または取り付けの機構26もしくは方法が、アプライアンス24を歯に取り付けるために使用され得る。
【0015】
好ましいシステム300、400は、コンピュータモデリングシステムを介して歯科撮像記録を記憶して測定し、統計的に有意な数の症例にわたって臨床結果を集約して相互参照するように構成される。そのような分析の好ましい目標のうちの少なくとも1つは、特定の処置の有効性と、それらが患者の歯の動きにどのように関係するかということとを分析することである。治療プロトコルに基づく歯列矯正治療の間の個々のおよび全体の歯の動き(あらゆる方向への)と、撮られた画像間の時間とを測定することが、患者304、404および戦略を計画して価格を決める従事者(コンサルタント矯正歯科医305、405および/または一般の歯科医306、406)にとって有益である。好ましいシステム300、400の分析および予測モジュール307、407は、好ましくは、ネットワーク301、401に含まれ、これらは、治療の開始の前および治療の間に患者のデジタル歯科記録を含むサーバ302、402へのアクセス権を有するので、システム300、400は、予測およびモデリングの目的で、類似する患者の症例を比較対照することが可能である。
【0016】
好ましいシステム300、400は、人工知能および機械学習を使用して、歯列矯正治療を規定することが可能なコンピュータモデルを作成することが可能である。たとえば、好ましいシステム300、400の人工知能および機械学習コンポーネントは、全般的な治療プロトコルに対して、または訪問ごとに操作されてもよい。したがって、システム300、400の過去の経験は、好ましいシステム300、400が、特に可能性のある治療法を類似する状況の患者と比較するとき、既知の過去の治療および結果に基づいて治療プロトコルを提供することによって、仮想的なコンサルタント矯正歯科医305、405になることを可能にできる。システム300、400は、実際の患者および模擬的な患者からの結果の組合せ、すべての実際の患者からの結果および過去の結果の組合せ、または、すべての模擬的な患者からの結果および模擬的な結果の組合せに基づいて、治療法を設計して策定することが可能である。好ましいシステム300、400は、歯列矯正治療計画の策定、および患者の歯と歯列弓へと取り付けるための歯列矯正ハードウェアの選択または作成のための、患者の歯列弓の3次元(「3D」)モデルを作成するために、一般診療(「GP」)歯科医により撮られ、患者により撮られ、または別の方法で収集される、患者304、404の歯列弓の画像を利用するように構成される。画像は、スキャナ、カメラ、または他の撮像デバイスによって直接収集されてもよく、患者、歯科専門家、技工士によって直接収集されてもよく、または、上顎もしくは下顎の咬合画像取得などのための画像の取得を容易にするために鏡もしくはレンズを利用することなどによって、別様に収集されてもよい。3Dモデルは、インダイレクトボンディング(「IDB」)製造施設によって、好ましいシステム300、400によって、GP歯科医によって、助言を行う矯正歯科医によって、または別様に、計画およびモデリングを目的に作成され得る。3Dモデルは、好ましくは、患者のためのカスタマイズされたIDBボンディングトレーを開発するために利用されるが、システム300、400および方法はそのように限定されず、歯列矯正ハードウェアは、助言を行う矯正歯科医の推奨に基づく確立されたプロトコルによって手動でブレースを配置することなどによって、別様に設計されて取り付けられて
もよく、この推奨は、GP歯科医に伝えられ、手動の配置によって歯列矯正ハードウェアを位置決めするために使用され得る物理的な特注のテンプレートであり、歯列矯正ハードウェアの手動の配置を誘導する、GP歯科医が歯に印をつけることを可能にするテンプレートであり、または、他の同様のシステムおよび方法である。
【0017】
好ましいシステム300、400は、分析および予測または人工知能モジュール307、407および機械学習を利用して、患者304、404の顎および歯または歯列への規定された治療法の影響、予想される変化の時間枠、ならびに結果の範囲を効果的に予測する。好ましい実施形態のシステム300、400は、過去の治療戦略および結果に基づいて、結果を予測して治療戦略を策定するために、患者304、404の口の様々な物理的な特性を理解し、図表にし、記憶し、および測定することが可能である。好ましい発明のシステム300、400は、a)患者304、404の下顎骨および上顎骨の大きさと形状、b)患者304、404の歯と歯の間の距離、c)患者304、404の歯根構造(根の長さ、形状、および角度)、d)患者304、404の歯列(歯の数、歯の大きさ、乳歯の存在など)、e)患者304、404の年齢、f)患者304、404の歯周の問題、g)鼻と顎との間の距離を含む患者304、404の顔の輪郭、h)歯肉線に対する歯の位置、i)患者304、404の歯の大きさと形状、ならびにj)これらのカテゴリに類似し、もしくは関係する、または治療および治療結果の予測を助けることが可能な、任意の他の口腔の特性のうちの、1つまたは複数を観測し、測定し、計算することを企図する。
【0018】
システム300、400の説明される好ましい特徴および測定結果は、様々な入力方法およびシステムのうちの1つまたは複数によって導かれ得る。本明細書において説明されるように、入力方法およびシステムは、好ましくは、第1の通信デバイス303、403の一部分からなり、カメラ、口腔内写真、口腔内スキャン、x線、コーンビーム断層撮影法(「CBCT」)スキャナ、catスキャン、もしくは磁気共鳴映像法(「MRI」)などの3次元撮影法、または、患者304、404の好ましい特徴と測定結果を決定して好ましいシステム300、400内で動作することが可能である他の関連する技法もしくは方法を含み得る。第1の通信デバイス303、403は、システム300、400への画像の送信を容易にするために、BluetoothまたはWi-Fiを使用したインターネットへのワイヤレス接続を伴うデジタルカメラからなるカメラを含み得る。第1の通信デバイス303、403、またはシステム300、400はまた、患者の歯列弓の画像を含む、患者の歯科記録または健康記録についての患者情報の収集と送信のために、患者の個人用モバイルデバイスまたはタブレットと通信していてもよい。入力方法、特徴、および測定結果は、一般の歯科医306、406において、第三者の位置において、またはほぼどこでも行われてもよく、もしくは取得されてもよく、方法、特徴、および測定結果は、第1の通信デバイス303、403によってネットワーク301、401へ、続いてサーバ302、402へ、好ましくは通信デバイス303、403も利用することによって送信され得る。
【0019】
好ましい治療センターまたは一般の歯科医306、406の位置における患者304、404の特定の診察は、様々な治療プロトコルを利用することがあり、治療プロトコルは、アーチワイヤ504、口腔内エラスティクス505、一般的なタイ506、およびリガチャ507を含む、異なる規格の歯列矯正ワイヤ504を使用することを含んでもよく、それらは、治療の様々な段階の間に歯に異なる力を加える。一実施形態では、本発明は、好ましくはニチノールからなり、好ましくは円形または長方形である、28から22(28-22)の範囲、または1000分の12インチから1000分の25インチ(0.012-0.025")の範囲にわたる規格を伴うワイヤ504を含むが、ステンレス鋼を含む、他の金属ワイヤが利用されてもよい。ワイヤ504の規格はより好ましくは、27から25(27-25)に、または1000分の14インチから1000分の18インチ(0.014-0.018")の範囲にわたってもよい。第1の通信デバイス307、407を用いた、顎、口、および歯を好ましくは含む、患者304、404の歯列弓の画像の収集、画像の記憶、ネットワーク301、401への画像の送信、コンサルタント矯正歯科医305、405による画像と患者304、404の過去の歯科記録の検討、およびコンサルタント矯正歯科医305、405からの推奨、またはシステム300、400からの自動治療戦略に続いて、治療プロトコルは、口蓋拡張器30、リガチャ507によって適切な位置に保たれるセルフライゲーティング歯列矯正ブラケットまたは従来のブラケット503などのハードウェア503、504、506、507を使用すること、「II級、III級、Boxes-Verticals、交叉咬合、前部開咬」などの異なる構成においてエラスティクス50を使用して、歯の動きを操作し、および/または患者304、404の噛み合わせに影響を及ぼすこと、歯の位置を変えるためのエラスティクス50、ロール、ピッチ、およびまたはヨーをもたらすためのラゲッジループと組み合わせてリンガルボタン14を使用すること、歯と歯の間に空間を生み出すためにコイルスプリングを使用すること、歯と歯の間の空間を閉じるためにフレキシブルな「パワーチェーン」を使用すること、歯の動きを安定させるために一般的なタイ506を使用すること、歯にブラケット503を配置するためにインダイレクトボンディング技法を使用すること、ブラケット503間の歯列矯正ワイヤの移動を最小にするためにクリンプストップを使用すること、治療の間と後の歯の移動を最小にするために歯に直接接着されるリンガルワイヤ20を使用すること、骨の構造を広げるために口蓋拡張器30を使用すること、個々の歯の上の最適なブラケット503の位置を決定して提案するために3Dモデリング技法を使用すること、ならびに、本開示に基づいて当業者に明らかになるであろう、患者の顎および歯を操作するための追加のハードウェアまたは構造を利用することを提案し得る。一般の歯科医306、406とコンサルタント矯正歯科医305、405との間の通信は、好ましくは、複数の通信デバイス303からなり得る第1の通信デバイス303を用いて、コンサルタント矯正歯科医305、405との通信を一般の歯科医306、406が開始することによって行われる。第1の通信デバイス303は、情報をネットワーク301およびコンサルタント矯正歯科医305、405に送信する。第1の通信デバイス303を通じて、または一般の歯科医306、406(その歯科医院の職員、技工士、衛生士、または他の従業員を含む)によって手動で、画像が一般の歯科医306、406からネットワーク301へアップロードされると、通信が自動的に開始され得る。第1の通信デバイス303は、一般の歯科医306、406が扱っている特定の症例または一連の症例に対するコンサルタント矯正歯科医305、405からの助言を、通常は一般の歯科医306、406の医院に患者がいる状態で、一般の歯科医306、406が受ける準備ができていることを示すメッセージを、ネットワーク301に送信する。コンサルタント矯正歯科医305、405は次いで、特定の患者304、404または一連の患者に関する相談のために、第2の通信デバイス308、408を通じて、一般の歯科医306、406に返信し、または彼らへの別個の通信を開始する。分析および予測、人工知能または機械学習モジュール307、407を好ましくは含むシステム300、400は、予想される結果を決定し、予想される動きと実際の動きを比較することに基づいて、診察と診察の間に特定のエラスティクス50またはリテーナを装着することについての患者304、404の従順性などの、治療プロトコルへの患者の従順性を示すものを提供してもよい。
【0020】
好ましい発明は、治療の有効性を最適化するために、上記の治療法の任意のものの使用、タイミング、組合せ、および順番が考慮されるべきであることを企図する。好ましい発明は、任意の特定の患者の診察の間に規定され使用される治療法に関する決定が、その診察の時に記録された画像および歯の位置の評価に基づいて行われることを企図する。
【0021】
実際の患者304、404の完了した症例および/またはサーバ302、402の中のデータベースに記憶されている模擬的な症例からの過去の結果を使用して、ネットワーク301、401は、有効な症例を比較することを促されて、リアルタイムで治療の進展を見守るための方法を助ける。これは、一般の歯科医306、406が、a)進展が期待されたほどではない症例を特定し、b)患者304、404がエラスティクス50の装着に従わないこと、口腔の衛生状態が悪いこと、患者304、404のリテーナの使用法の問題、患者304、404の健康、または臨床上の遂行の過誤を含み得る、あり得る理由を検討することを可能にする。ネットワーク301、401に組み込まれるそのような見守りシステムは、一般の歯科医306、406およびその患者にとって好ましい。一般の歯科医306、406は次いで、予想される結果と実際の結果を患者304、404と共有し、患者304、404が治療の勧告に従っていないことなどの、結果が期待されたほどではない理由について議論することができる。コンサルタント矯正歯科医305、405および一般の歯科医306、406はまた、好ましくは、各々の個別の患者の訪問に基づいて、治療の選択肢および即刻の提案を提供するが、一般の歯科医306、406は代替として、患者304、404の期待される進展が治療計画の予想と一致する場合には特に、最初の診察において策定される治療計画に従ってもよい。好ましい診察ごとの治療戦略は、予測よりも速く進展しており比較的治療を早く完了する可能性がある患者304、404、または比較的進展が遅く治療の完了に合わせるために治療を延ばす可能性のある患者304、404などの、個別の患者304、404に適応した、患者304、404のための個別のカスタム治療を容易にする。
【0022】
好ましいシステム300、400および方法100、200は通常、患者304、404の顎および歯を含む歯列弓が比較的成熟しており操作に適しているように、9歳以降に治療を開始するために利用されるが、そのように限定はされない。システム300、400および方法100、200は、25歳以上のすべての患者304、404がプログラムに参加する前に歯周検査を受けるべきであることを推奨する。好ましいシステム300、400および方法100、200は一般に、機能的アプライアンスなしで、または、Herbstアプライアンスを含む限られた数の機能的アプライアンスとともに利用される。好ましい実施形態では、口蓋拡張器が一般に、両側交叉咬合において使用するのに好ましい。
【0023】
例示的な好ましいシステム300、400および方法100、200は、必要であればボタンおよびまたは回転が規定された状態で、1000分の18から1000分の22インチ(0.018-0.022")のセルフライゲーティングブラケット、および1000分の14(0.014)ニチノールワイヤ504または1000分の16(0.016)ニチノールワイヤ504のインダイレクトボンディングを含み得る。空間を閉じる必要がある場合、一般の歯科医306、406がパワーチェーンエラスティクスを使用することが好ましい。好ましいシステム300、400は次いで、必要であれば一般的なタイ506および/またはエラスティクス507を伴う、1000分の17掛ける1000分の25(0.017×0.025)ニチノールワイヤ504を利用し得る。好ましい方法100、200のシステム300、400は次いで、一般的なタイ506および任意の追加のフィニッシングエラスティクス507を伴う1000分の18(0.018)ステンレス鋼ワイヤ504などの、フィニッシングワイヤ504を利用する。好ましいシステム300、400および方法100、200では、エラスティクス507は、好ましくは、前部開咬および関連する器具などの、II級、III級、boxes-verticals、および交叉咬合all elephants、16分の3インチ(3/16")、好ましくは3.5オンス(3.5oz)または4分の1インチ(1/4")、好ましくは3.5オンス(3.5oz)のエラスティクスである。治療の間の任意の時間において空間を開ける必要がある場合、好ましいシステム300、400は、好ましくは、コイルスプリングを利用する。ワイヤ504がブラケット503内で移動するのを防ぐために、好ましいシステム300、400は、好ましくは外見上の目的で前歯の間以外に、好ましくはクリンプストップを利用する。臼歯チューブブラケット16は、好ましくは、必ずしもEasyClipまたはSmart Clipではない標準的なブラケット503からなるが、EasyClipまたはSmart Clipなどのセルフライゲーティングブラケットからなっていてもよい。下顎および上顎のためのアーチワイヤ504は、異なる製品種目番号であり、好ましいシステム300、400および方法100、200とともに利用され得る。
【0024】
システム300、400を利用する好ましい方法において、第1の患者304、404は、最初の診察において一般の歯科306、406と会い、第1の患者304、404の歯科記録が、場合によっては第1の通信デバイス303、403または別の通信デバイスを通じて、ネットワーク301、401およびサーバ302、402に通信される。コンサルタント矯正歯科医305、405は、第1の通信デバイス303、403上で第1の歯科記録を検討し、一般の歯科医306、406は、デジタルカメラ、3Dスキャナ、口腔内スキャナ、ビデオレコーダ、および他の撮像装置などのスキャナを利用して、第1の患者304、404の歯列弓の画像を撮る。DentsplyのPrime Scanなどの口腔内スキャナが、患者の歯および歯列弓の3D画像を獲得するために、患者の口の中に配置され得る。歯科医にとって便利であるように、患者の歯および歯列弓はまた、後続のスキャンのためにGP歯科医により管理され得る従来の物理印象によってモデリングされてもよい。従来の物理印象も、患者の歯および歯列弓の物理モデルまたはデジタルモデルへと変換され得る。スキャナはまた、パノラマx線撮影装置、コンピュータ断層撮影(「CT」)スキャナ、患者の歯列弓、顎、顔の骨の構造、歯および関連する構造の3次元撮影を行うことが可能なCBCTスキャナ、ならびに関連する撮像デバイスなどの機能を有する、放射線撮像デバイスからなり得る。
【0025】
歯列弓は、好ましくは、少なくとも患者304、404の歯からなり、歯肉、頬、唇、ならびにコンサルタント矯正歯科医による患者304、404の分析および治療計画の準備に関係がある関連する解剖学的構造などの、患者304、404の口に隣接する骨および軟組織501も含み得る。画像は、患者の歯列弓の下顎咬合画像、上顎咬合画像、右口腔内画像、左口腔内画像、口腔内中心画像、および関連する画像を含み得る。画像は、第1の通信デバイス303、403を利用して、一般の歯科医306、406によってネットワーク301、401に通信され、画像は、ネットワーク301、401の中の第1の歯科記録に、好ましくはサーバ302、402にルーティングされて記録される。一般の歯科医306、406がコンサルタント矯正歯科医305、405に相談する準備ができていることを、画像のアップロードが自動的に示し、または、一般の歯科医306、406および職員からコンサルタント矯正歯科医305、405への別個のメッセージが示す。コンサルタント矯正歯科医305、405は、第2の通信デバイス308、408を利用する画像を含む、第1の歯科記録を検討する。コンサルタント矯正歯科医305、405は、それぞれ、好ましくは第1および第2の通信デバイス303、403、308、408を利用するネットワーク301、401を通じて、ブレースを使用して不正咬合に対処するための第1の患者304、404に関する相談のために、一般の歯科医306、406と通信する。コンサルタント矯正歯科医305、405は、場合によっては一般の歯科医306、406からの入力を用いて、この最初の相談の間にアップロードされた画像を含む第1の歯科記録の検討に基づいて、第1の患者304、404の診断および治療計画に関する治療計画を策定する。コンサルタント矯正歯科医305、405は、好ましくは、治療計画について意思疎通を図るために、一般の歯科医306、406および場合によっては第1の患者304、404との生の相談を行う。生の相談は、患者304、404が一般の歯科医306、406と一緒にいる間に、会議システムおよびプロトコルを利用し得る。
【0026】
提案された治療計画に基づいて、コンサルタント矯正歯科医305、405は、最初の第1の患者304、404の診察の間にアップロードされた画像および第1の歯科記録に基づいて、1つまたは複数のトランスファートレーの製造を指示する。好ましくはセルフライゲーティングブレースであるトランスファートレーおよびブレースが、一般の歯科医306、406に届けられ、一般の歯科医306、406は、第1の患者304、404との後続のまたは第2の診察の予定を立てる。一般の歯科医306、406は、第2の診察においてブレースを取り外し可能にかつ調整可能に第1の患者304、404に取り付け、第1の通信デバイス303、403を利用して、ブレースを第1の患者304、404に取り付ける前の、および場合によってはその後の、第1の患者304、404の歯列弓の画像を収集し、第1の通信デバイス303、402を用いて画像をネットワーク301、401に通信し、画像は、サーバ302、402において第1の歯科記録に記録され、コンサルタント矯正歯科医305、405は、第2の診察からの画像を含む第1の歯科記録を、第2の通信デバイス308、408を利用して検討する。一般の歯科医306、406は、第1の患者304、404への画像のアップロードに際して自動的に、または別個の通信によって、相談が望まれることをコンサルタント矯正歯科医305、405に示す。コンサルタント矯正歯科医305、405は、第1の患者304、404、および場合によっては、好ましくは一般の歯科医306、406の医院にいる追加の患者に関する相談のために、一般の歯科医306、406に応答し、または彼らへの別個の通信を開始し、現在の診察からの画像により更新された第1の歯科記録に基づいて、第1の患者304、404に対する助言および治療戦略を提供する。コンサルタント矯正歯科医305、405との相談は、生であってもよく、好ましくはネットワーク301、401を通じた、ブレースおよび第1の患者304、404の歯列弓のビデオレビュー、またはブレースが第1の患者304、404に取り付けられるときの助言を含んでもよい。
【0027】
好ましくは、第1の患者304、404との後続のフォローアップ診察、または最初のもしくは中間の診察に続く診察が予定される。第1の患者304、404は、一般の歯科医306、406を再び訪れ、歯列弓の画像が第1の通信デバイス303、403を用いて確保され、診察からの画像が、第1の通信デバイス303、403を用いてネットワーク301、401に通信され、サーバ302、402に記憶され、コンサルタント矯正歯科医305、405が、第2の通信デバイス308、408を用いて第1の歯科記録を検討する。一般の歯科医306、406の医院への物理的な訪問の前に、またはその代わりに、患者によって画像が撮られて、サーバ302、402に送信されてもよい。一般の歯科医306、406は、第3の画像のアップロードに基づいて自動的に、または別個の通信に基づいて、第1の患者304、404についての、および場合によっては、一般の歯科医306、406の医院にいる追加の患者についてのコンサルタント矯正歯科医305、405との相談を求めることを、好ましくはネットワーク301、401を通じて伝える。コンサルタント矯正歯科医305、405は、第3の診察からの更新された画像を含む第1の歯科記録に基づく助言を行うために一般の歯科医306、406に応答し、第1の患者304、404の歯列弓の現在の状態に基づいて治療計画および戦略を提供する。したがって、治療戦略および計画は、好ましくは、各診察に基づいて、および各診察における患者304、404の歯列弓の状態に基づいて策定され、加えて、計画は、後続の診察の間、特に患者304、404の進展が全般に元の治療計画および戦略に沿っているような治療の間は特に、コンサルタント矯正歯科医305、405からの重大な入力がなければ、最初のまたは第1の診察の間に策定された治療計画および戦略に従い得る。各治療戦略および計画は、好ましくは、第1の患者304、404が診察のために再び訪れるにつれて各診察の間に収集された更新された画像を含む、第1の歯科記録に関する最も更新された情報に基づく、最適な治療戦略および計画である。治療および通信は、治療が完了したとコンサルタント矯正歯科医305、405および一般の歯科医306、406が決定するまで続く。
【0028】
好ましいシステム300、400は、患者304、404に歯列矯正治療を提供するために構成され、一般の歯科医306、406は、コンサルタント矯正歯科医305、405からの全般的な命令および具体的な命令のうちの少なくとも1つを含む指示を受ける。システム300、400はネットワーク301、401を含み、これは、一般の歯科医306、406にコンサルタント矯正歯科医305、405を割り当てるように構成される。コンサルタント矯正歯科医305、405は、一般の歯科医306、406から離れた位置にいる。好ましい実施形態では、ネットワーク301、401は、第1の通信デバイス303、403から、治療の間の第1の患者の口の物理的な特性を受信する。第1の患者の口の物理的な特性は、好ましくは、第1の患者に対する追加の結果を予測するために、第1の患者の歯科記録および複数の追加の患者の過去の歯科記録と比較される。第1の患者の口の物理的な特性は、下顎骨の大きさおよび形状、上顎骨の大きさおよび形状、第1の患者の歯と歯の間の距離、歯根構造の長さおよび角度を含む歯根構造、歯の数、歯の大きさ、および乳歯の存在を含む第1の患者の歯の歯列、第1の患者の年齢、第1の患者304、404の歯周の問題、第1の患者304、404の鼻と顎との間の距離を含む第1の患者の顔の輪郭、第1の患者304、404の歯肉線に対する歯の位置、ならびに、治療計画を策定する際にコンサルタント矯正歯科医305、405を助け得る患者の歯列弓または他の特徴についての関連する情報などの、患者の歯列についての情報を含み得る。
【0029】
ネットワーク301、401はまた、好ましくは、第1の患者304、404の第1の歯科記録および複数の追加の患者の複数の追加の歯科記録を記憶する患者データベースを伴う中央サーバ302、402を含む。ネットワーク301、401はまた、好ましくは、第1の患者304、404の顎および歯に対する規定された治療の影響を予測するために、ならびに、第1の患者304、404の顎および歯への予想される変化の時間枠を予測するために、人工知能および機械学習を利用するように構成される、分析および予測モジュール307、407を含む。分析および予測モジュール307、407はまた、好ましくは、第1の患者304、404に対する結果の範囲を予測するように構成される。ネットワークおよび予測モジュール307、407はさらに、好ましくは、第1の患者304、404の治療の開始の前に第1の歯科記録および複数の追加の歯科記録のうちの少なくとも1つにアクセスし、第1の歯科記録と複数の追加の歯科記録のうちの少なくとも1つを比較対照して、第1の患者304、404の歯科治療のタイミングと結果を予測するように構成される。複数の追加の歯科記録はまた、好ましくは、実際の患者の歯科記録と模擬的な患者の歯科記録のうちの少なくとも1つ、およびより好ましくは両方を含む。
【0030】
システム300、400はまた、好ましくは、一般の歯科医306、406とコンサルタント矯正歯科医305、405との間のリアルタイム会議を提供するように構成される第1の通信デバイス303、403を含む。
【0031】
別の態様では、好ましいシステム300、400は、歯列矯正治療を患者304、404に提供するために構成され、一般の歯科医306、406はコンサルタント矯正歯科医305、405から指示を受ける。システム300、400は、第1の患者304、404の歯列弓の少なくとも1つの画像を獲得するように構成される撮像デバイスを含む。好ましくは、撮像デバイスは、スキャナ、デジタルカメラ、3Dスキャナ、口腔内スキャナ、およびビデオレコーダのうちの1つである。システム300、400はまた、好ましくは、撮像デバイスを制御して、少なくとも1つの画像を一般の歯科医306、406に表示するように構成される、第1の通信デバイス303、403と、少なくとも1つの画像を離れた位置に送信するように構成されるネットワーク301、401とを含む。表示することは、ネットワーク301、401に少なくとも1つの画像が提供されることを備えてもよく、ネットワーク301、401は、既知のまたは過去の治療との比較に基づいて治療計画を自動的に策定する。コンサルタント矯正歯科医305、405は好ましくは、離れた位置と通信している。システム300、400はまた、好ましくは、ネットワーク301、401に接続され、第1の通信デバイス303、403と相互に通信しているように構成される、第2の通信デバイス308、408を含む。またより好ましくは、第1の通信デバイス303、403および第2の通信デバイス308、408は、ネットワーク301、401を通じて互いに音声と視覚で通信するように構成される。第2の通信デバイス308、408はまた、好ましくは、コンサルタント矯正歯科医305、405のためにネットワーク301、401によって送信される少なくとも1つの画像を表示するように構成される。
【0032】
患者304、404に歯列矯正治療を提供するための好ましい方法100、200は、一般の歯科医306、406がコンサルタント矯正歯科医305、405から指示を受けることを含む。好ましい方法100、200はまた、第1の診察において、一般の歯科医306、406と関連付けられる第1の位置において撮像デバイスを用いて第1の患者304、404の歯列弓の少なくとも1つの画像を獲得するステップを含む。撮像デバイスは、好ましくは、スキャナ、デジタルカメラ、3Dスキャナ、口腔内スキャナ、およびビデオレコーダのうちの1つであるが、そのように限定はされない。好ましい方法100、200はまた、好ましくは、第1の位置における第1の通信デバイス303、403に少なくとも1つの画像を表示するステップと、第1の通信デバイス303、403を用いた一般の歯科医306、406によるコンサルタント矯正歯科医305、405との相談に対する要求を開始するステップとを含む。好ましい方法100、200はさらに、好ましくは、コンサルタント矯正歯科医305、405と関連付けられる第2の位置にネットワーク301、401を介して少なくとも1つの画像を送信するステップを含み、好ましくは、少なくとも1つの画像を第2の位置に送信したことに応答して、以前に説明された相談要求を自動的に開始するステップも含む。
【0033】
好ましい方法100、200はまた、好ましくは、第2の位置における第2の通信デバイス308、408に少なくとも1つの画像を表示するステップを含む。好ましくは、これはまた、第2の通信デバイス308、408と第1の通信デバイス303、403との間で行われる、コンサルタント矯正歯科医305、405と一般の歯科医306、406との間のオーディオビジュアル通信を含むが、方法はそのように限定はされない。このステップにおいて表示することは、中央サーバ301、302、401、402による治療計画の分析、操作、および作成のために、中央サーバ301、302、401、402に画像を供給することからなり得る。好ましい方法100、200はさらに、第2の位置にいるコンサルタント矯正歯科医305、405が、少なくとも1つの画像に基づいて治療計画を決定するステップ、および好ましくは、ネットワーク301、401を通じて第2の通信デバイス308、408から第1の通信デバイス303、403に治療計画を送信するステップを含む。好ましい方法100、200はまた、第1の位置にいる一般の歯科医306、406が、第1の患者304、404の歯列弓の歯の1つまたは複数に歯科ハードウェア502、504、506、および507を取り付けるステップを含む。歯科ハードウェア502、504、506、507は、ブレース、セルフライゲーティングブレース、歯列矯正ワイヤ、口腔内エラスティクス、タイ、リガチャ、および/または、患者304、404の歯を調整するのに適した任意の他の歯科ハードウェアを備え得る。本明細書において使用される場合、第1および第2の通信デバイス303、308、403、408に画像を表示することは、GP歯科医または助言を行う矯正歯科医のために画像を視覚的に表示することと、画像を中央サーバ、ネットワーク、または中央データベース301、302、401、402に対して利用可能にして、患者のための治療計画を策定し、作成し、または調整するために、および関連する処置の間に使用するための歯列矯正ハードウェアを選択または調整するために、画像が利用され得るようにすることとを含む。
【0034】
好ましい方法100、200の別の態様はまた、第2の診察において、第1の位置にある撮像デバイスを用いて第1の患者304、404の歯列弓の少なくとも1つの追加の画像を獲得するステップと、少なくとも1つの追加の画像を第2の位置に送信するステップと、第2の位置にある第2の通信デバイス308、408上で少なくとも1つの追加の画像を少なくとも1つの画像と比較するステップとを含む。第2の位置におけるコンサルタント矯正歯科医305、405は次いで、少なくとも1つの追加の画像に基づいて治療計画への修正を決定し、第1の位置にいる一般の歯科医306、406に修正を送信する。一般の歯科医306、406は次いで、第1の位置において、歯科ハードウェア502、504、506、507を修正または調整する。
【0035】
図1Aおよび図1Bを参照すると、歯列矯正治療のための分析および予測モデルのための好ましいシステム300、400および方法100、200は、GP歯科医が患者を検査して、患者のデジタル歯科記録を整理するステップを含む。デジタル歯科記録は、既存の歯科記録、GP歯科医の診察の前に患者により撮られた画像、他の歯科医または矯正歯科医からの歯科記録、他の医療従事者からの医療記録、患者により提供される情報および他の関連する情報を含み得る。患者のデジタル歯科記録は、好ましくは、中央サーバ、ネットワーク、または中央データベース301、302、401、402に送信されて保存される。コンサルタント矯正歯科医およびGP歯科医は、好ましくは、中央サーバ、ネットワーク、または中央データベース301、302、401、402を通じて、患者のデジタル歯科記録へのアクセス権を有する。コンサルタント矯正歯科医は、好ましくは、診断を行い、患者のデジタル歯科記録に基づいて患者のための治療計画を策定し、治療計画は、各診察の間に変わってもよく、または、患者のデジタル歯科記録への変更に基づいて各診察の間に調整されてもよい。コンサルタント矯正歯科医は、好ましくは、治療と、ブレースおよび関連するハードウェアなどの歯列矯正ハードウェアの使用とを指示し、GP歯科医は、患者の診察の間にその治療法を利用する。定期的な診察または訪問の間に、GP歯科医は、アーチワイヤ504および他の歯列矯正ハードウェアを交換して、コンサルタント矯正歯科医の治療計画または指示に基づいてハードウェアを調整し得る。この調整は、患者の不正咬合を揃えて直すための様々な臨床上の処置を含み得る。この調整および取り付けは、歯列弓内エラスティクス、ラゲッジループ、チェーンエラスティクス、一般的なタイリガチャ、コイルスプリングおよび関連する操作の使用、歯列矯正ハードウェアの調整および取り付けを含み得る。GP歯科医、関連する人物、または患者は、3Dモデルまたはデジタルモデルの作成のために利用され得る治療の前、間、または後の様々な時間において、歯の物理印象を作り得る。画像はまた、中央データベース301、302、401、402への送信のために、最初の診察の前もしくは診察と診察の間に患者によって取られ、または収集され得るので、中央データベース301、302、401、402
は画像を利用することができ、または、矯正歯科医は、診察が予定されるべきであるかどうか、およびいつ予定されるべきであるかを決定するために、もしくは、患者と歯科専門家との間でどのような直接の診察も必要とすることなく、取り付けおよび使用のために歯列矯正ハードウェアおよび指示を直接患者へ自動的に送信するために、一般の歯科医もしくは矯正歯科医との患者の最初の診察もしくは後の診察が必要とされるかどうかを決定することができる。
【0036】
図1Aから図5を参照すると、好ましい実施形態では、システム300、400は、患者に対して歯列矯正治療を実行するためにインダイレクトボンディングトレーを利用する。患者の口の各四分円は、好ましくは、システム300、400により決定されるような、歯の上の最適な位置にブラケット503を置くために使用される、特注の使い捨てのトレーを有する。ボンディングトレーは、4つの四分円を含むことに限定されず、2つの四分円が単一のトレーへと組み合わせられてもよい。トレーは、好ましくは、順応性のある内側の層およびより硬い外側の層を含む2つの層で構築され、内側の層は、内側の層の全般的な大きさと形状を帯び、内側の層の通常の動作条件に耐え、内側の層の機能を実行することが可能である、エチレン酢酸ビニルまたは他の比較的順応性のある材料で構築されていてもよく、より硬い外側の層は、外側の層の全般的な大きさと形状を帯び、外側の層の通常の動作条件に耐え、外側の層の機能を実行することが可能である、ポリエチレンテレフタレートグリコールまたは他のより硬い材料から構築される。トレーは、コンピュータモデリングの使用を介して決定される位置へのブラケット503の配置を容易にするように構築される。ブラケット503のうちの1つまたは複数が患者の口にトレーを入れる前にトレーへと配置されるように、トレーにはくぼみが設けられている。トレーは、患者の歯のすべてに対するブラケット503を含んでもよく、または含まなくてもよい。ブラケット503が本明細書において説明されるボンディング技法を使用して患者の歯に接着されると、トレーは取り除かれて、アーチワイヤ504が取り付けられ得る。
【0037】
好ましくはシステム300、400によって指示されてモデリングされる、患者の歯に歯列矯正ハードウェアを接着するための好ましい方法は、約35から45パーセント(35-45%)のH3PO4リン酸を含むエッチングジェルをマイクロブラシで各々の歯に塗り、そして水ですすぐステップを含み得る。Assure-Assure PLUS(American Orthodonticsからのプライマーのブランド)ボンディング樹脂などのプライマーが、マイクロブラシで各々の歯に塗られる。そのような樹脂は、乾いていても濡れていてもよい任意のエナメル表面に塗ることができる。好ましくは、歯に接着するブラケットパッド表面に接着剤が塗られる。接着剤は、3M(商標) Transbond(商標) Supreme LV Low Viscosity Light Cure Adhesiveからなっていてもよいが、限定するものではない。接着剤は、好ましくは、インダイレクトボンディングのために設計された流動性のある光硬化接着剤であるが、接着剤は、ボンディングのために別様に設計されて構成されてもよい。ブラケット503は、上で説明されたようなインダイレクトボンディング特注トレーを使用することによって歯に置かれるが、そのように限定はされず、別様に置かれて接着されてもよい。硬化ライトが、好ましくは、接着剤の硬化処理を活性化するために使用され、ブラケット接着処理が完了すると、特注のトレーが口から取り除かれる。
【0038】
図1から図6を参照すると、システム300、400は、ラゲッジループ10を含む治療計画を策定するように構成され得る。ラゲッジループ10は、パワーチェーンエラスティクス12およびリンガルボタン14を使用して歯を回転させるために使用される。システム300、400は、好ましくは閉空間のパワーチェーンを利用し、これは、エラスティックの輪と輪の間に空間がないことを意味するが、システム300、400はそのように限定はされない。リンガルボタン14は、好ましくは、システム300、400によって策定された治療計画、および患者により収集された、または一般の歯科医の医院への訪問のうちのいずれかの間に収集された画像に基づいて、好ましくはコンサルタント矯正歯科医の指示のもとで、回転される歯の舌側に接着される。パワーチェーンは、好ましくは、回転される歯の隣のワイヤを覆って結ばれる。パワーチェーンは、好ましくは、デンタルフロスのように、歯の舌側へと歯と歯の間で伸ばされる。パワーチェーンは、比較的きつく引かれて、回転される歯の舌側に接着されたリンガルボタン14を覆って伸ばされる。パワーチェーンからの力が歯を回転させる。図6では、歯は近心側に回転されているが、そのような回転には限定されず、歯は、治療計画の指示のもとで、歯列矯正ハードウェアによって別様に操作され、回転され、または別様に移動され得る。
【0039】
図11Aから図11Hを参照すると、好ましいシステム300、400は、好ましくは患者の歯列弓を整合するために、口腔内エラスティクス50を利用し得る。口腔内エラスティクス50の様々な一般的な構成が図11Aから図11Hに示されており、図11AはII級のエラスティクスを示すと考えられてもよく、図11BはBox II級のエラスティクスを示すと考えられてもよく、図11CはIII級のエラスティクスを示すと考えられてもよく、図11DはBox III級のエラスティクスを示すと考えられてもよく、図11Eは三角エラスティクスを示すと考えられてもよく、図11Fは垂直エラスティクスを示すと考えられてもよく、図11Gは頬側から見た交叉咬合エラスティクスを示すと考えられてもよく、図11Hは舌側から見た交叉咬合エラスティクスを示すと考えられてもよい。好ましい実施形態では、交叉咬合エラスティクス50は通常、患者の歯の舌側に接着されたリンガルボタン14を利用する。エラスティック50は、好ましくは、リンガルボタン14および別のバッカルブラケットのフックを覆って配置される。図11Aから図11Hに示される構成は、限定はされないが、好ましいシステム300、400とともに利用され得るエラスティクス50の概ね一般的な構成である。
【0040】
上で説明された実施形態の大まかな発明の概念から逸脱することなく、それに対して変更を行うことができることが、当業者により理解されるだろう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されず、本開示により定義されるような本発明の趣旨および範囲内にある修正を包含することが意図されることが理解される。
【符号の説明】
【0041】
10 ラゲッジループ
12 パワーチェーンエラスティクス
14 リンガルボタン
16 臼歯チューブブラケット
16a 臼歯チューブ
16b フック
18 十字型の恒久的なガイド
20 リンガルワイヤ
22 リンガルブラケット
24 アプライアンス
26 機構
30 口蓋拡張器
50 エラスティクス
100 方法
200 方法
300 システム
301 ネットワーク
302 サーバ
303 第1の通信デバイス
304 患者
305 コンサルタント矯正歯科医
306 一般の歯科医
307 分析および予測モジュール
308 第2の通信デバイス
400 システム
401 ネットワーク
402 サーバ
403 第1の通信デバイス
404 患者
405 コンサルタント矯正歯科医
406 一般の歯科医
407 分析および予測モジュール
408 第2の通信デバイス
501 軟組織
502 歯科ハードウェア
503 ブラケット
504 ワイヤ
505 口腔内エラスティクス
506 タイ
507 リガチャ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
【国際調査報告】