(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイシステム、アクティブ発光型イメージソース、ヘッドアップディスプレイ及び自動車
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20220715BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20220715BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
G02B27/01
G02B3/00 A
B60K35/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568708
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2020090610
(87)【国際公開番号】W WO2020233529
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】201910412213.8
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010321007.9
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519206335
【氏名又は名称】フューチュラス テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ヒュイジュン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ジュンフォン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,タオ
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA12
2H199DA15
2H199DA16
2H199DA25
2H199DA30
2H199DA42
3D344AA21
3D344AA22
3D344AA27
3D344AC25
(57)【要約】
ヘッドアップディスプレイシステム、アクティブ発光型イメージソース、ヘッドアップディスプレイ及び自動車である。該ヘッドアップディスプレイシステムは、予め設定された規則に従って配列される複数の光源(10)と、複数のマイクロレンズ(201)を備え、各前記マイクロレンズ(201)が1つ又は複数の前記光源(10)に対応し、それに対応する1つ又は複数の前記光源から発せられた光線の光軸方向を調整するマイクロレンズアレイ(20)であって、前記マイクロレンズアレイ(20)から出射された光線の光軸が所定範囲(100)に向けるように、前記複数の光源(10)から発せられた光線の光軸を収束するマイクロレンズアレイ(20)と、前記マイクロレンズアレイ(20)の前記光源(10)から離れる側に設置され、光線を観察領域(200)に出射する反射結像装置(30)と、を備える。マイクロレンズアレイ(20)を設置することにより、光源(10)から発せられた一定の発散角のある光線を同じ方向に向けることができ、それにより、光源から出射された光線の利用率及び光線の輝度を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドアップディスプレイシステムであって、
予め設定された規則に従って配列される複数の光源と、
複数のマイクロレンズを備え、各前記マイクロレンズが1つ又は複数の前記光源に対応し、それに対応する1つ又は複数の前記光源から発せられた光線の光軸方向を調整するマイクロレンズアレイであって、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、前記複数の光源から発せられた光線の光軸を収束するマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置される反射結像装置であって、前記複数の光源から発せられた光線が前記マイクロレンズアレイを通過した後、前記反射結像装置に出射して前記反射結像装置の表面で反射され、反射された光線が観察領域に出射される反射結像装置と、を備えるヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項2】
前記複数の光源のうちの少なくとも一部は、発光して画像の光線を形成するように独立して制御されるように構成される、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項3】
前記予め設定された範囲の面積は前記観察領域の面積よりも小さい、請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項4】
前記予め設定された規則は、前記複数の光源が第1方向及び前記第1方向と異なる第2方向に沿って拡がって配列されることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項5】
前記マイクロレンズは集光マイクロレンズを備える、請求項4に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項6】
前記集光マイクロレンズは、前記光源の光出射方向において前記光源と1対1で対応して設置される凸レンズである、請求項5に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項7】
前記凸レンズの主軸は対応する前記光源から発せられた光線の光軸と重ならない、請求項6に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項8】
前記集光マイクロレンズは、第1方向に沿って拡がって配列された前記複数の光源の光出射方向において対応して設置された第1シリンドリカルレンズを備える、請求項5に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項9】
第1方向に沿って拡がって配列された複数の前記光源の前記光軸の位置する平面は第1平面であり、前記第1シリンドリカルレンズの主軸は前記第1平面と完全に重なることがない、請求項8に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項10】
前記集光マイクロレンズは、前記第1シリンドリカルレンズと前記反射結像装置との間に設置され、主軸が前記第1シリンドリカルレンズの主軸と直交する第2シリンドリカルレンズをさらに備える、請求項8に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項11】
前記複数の光源は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードのうちの少なくとも1つを備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項12】
前記発光ダイオードの外形及び配列方式は、
前記発光ダイオードの外形が円形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が三角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が矩形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が六角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が八角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が円形又は八角形であり、前記複数の発光ダイオードが緊密に配列され、且つ4つごとの前記発光ダイオード間の隙間には、大きさが前記隙間のサイズに合わせる発光ダイオードが追加して設置されること、及び
複数の前記発光ダイオードが、前記反射結像装置の第2歪み形態と反対で且つ対応する関係のある第1歪み形態に従って、配列されることのうちの少なくとも1つである、請求項11に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項13】
前記ヘッドアップディスプレイシステムは分散素子をさらに備え、
前記分散素子は、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、前記マイクロレンズアレイから出射された光線が前記分散素子を通過した後に拡散され、拡散された後の光線が前記反射結像装置に出射される、請求項1~12のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項14】
前記分散素子は回折光学素子及び散乱光学素子のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項15】
前記分散素子は、前記マイクロレンズアレイから出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換する、請求項13又は14に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項16】
前記ヘッドアップディスプレイシステムは発光制御ユニットをさらに備え、
前記発光制御ユニットは、前記複数の光源に電気的に接続され、前記複数の光源の発光状態を制御して画像の光線を形成する、請求項1~15のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項17】
前記ヘッドアップディスプレイシステムは遮光素子をさらに備え、
前記遮光素子は、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の出射角を制限する、請求項1~16のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項18】
前記ヘッドアップディスプレイシステムは複数のマイクロレンズアレイを備え、
各前記マイクロレンズアレイは、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が異なる所定範囲に向けるように、それに対応する複数の前記光源から発せられた光線の光軸を収束し、
前記マイクロレンズアレイは光線を前記反射結像装置に出射し、前記反射結像装置の表面で反射され、反射された光線が異なる観察領域に出射される、請求項1~17のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項19】
前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、それを通過した光線をそれぞれ第1位置及び第2位置に出射する立体視形成層をさらに備える、請求項1~18のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項20】
前記立体視形成層は、間隔をあけて設置された複数の遮断ユニットを備え、
前記遮断ユニットと前記マイクロレンズアレイとの間に、予め設定された距離がある、請求項19に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項21】
前記立体視形成層は分光レンズ層を備え、
前記分光レンズ層は複数の分光レンズを備える、請求項19に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項22】
前記ヘッドアップディスプレイシステムは少なくとも1つの反射素子をさらに備え、
前記反射素子は前記マイクロレンズアレイと前記反射結像装置との間に設置され、
前記反射素子は、曲面反射素子及び平面反射素子のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~21のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項23】
前記複数のマイクロレンズのうちの少なくとも2つの主軸は、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が前記所定範囲に向けるように、互いに異なる、請求項1~22のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項24】
前記複数の光源は電界によって励起されて光線を生成する、請求項1~23のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項25】
アクティブ発光型イメージソースであって、
アレイ状に配列された複数の光源を備える光源アレイと、
前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、前記複数の光源から発せられた光線の光軸を収束する光線制御装置と、
前記光線制御装置の光出射側に設置され、前記光線制御装置から出射された光線が通過した後に拡散され、前記光線制御装置から出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換する分散素子と、を備える、アクティブ発光型イメージソース。
【請求項26】
請求項25に記載のアクティブ発光型イメージソースと、前記分散素子の光出射側に設置されて、前記分散素子から発せられた光線を観察領域に出射する反射結像装置と、を備える、ヘッドアップディスプレイ。
【請求項27】
請求項1~24のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム又は請求項26に記載のヘッドアップディスプレイを備える自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年5月17日に提出された中国特許出願第CN201910412213.8号及び2020年4月22日に提出された中国特許出願第CN202010321007.9号の優先権を主張し、すべての目的のため、ここで、上記中国特許出願に開示されている全内容が本願の一部として援用される。
【0002】
本開示はヘッドアップディスプレイシステム、アクティブ発光型イメージソース、ヘッドアップディスプレイ及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
HUD(head up display)は、反射式の光学設計により、イメージソースから発せられた光線を最終的に結像窓(結像プレート、フロントガラス等)に投射し、運転者は頭を下げることなく画面を直接見ることができ、運転者が運転中に頭を下げてダッシュボードを見ることによる注意散漫を回避し、運転の安全係数を向上させるとともに、より良好な運転体験をもたらすことができる。
【0004】
現在、HUDは結像窓を介して表示される画像の画面の輝度が低く、直射日光などの光線が強い場合、常に、HUD画像をはっきりと見ることが困難である。HUDのフロントガラスで表示された画像の輝度を確保するために、HUDイメージソースの輝度を高めなければならない。従来のHUD設計では、基本的に液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)をイメージソースとして使用し、LCDイメージソースは、光源からの光線の利用率が非常に低く、従って、イメージソースの輝度を高めることによりHUDで表示された画像の輝度を確保すると、イメージソースの消費電力が増加し、さらに消費電力の増加や大きな発熱量等の問題を引き起こし、これらは、HUDの更なる普及及び応用を制限している。従って、低消費電力で高輝度の画面表示を実現できるHUD設計が緊急に必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の少なくとも1つの実施例によれば、ヘッドアップディスプレイシステムを提供し、予め設定された規則に従って配列される複数の光源と、複数のマイクロレンズを備え、各前記マイクロレンズが1つ又は複数の前記光源に対応し、それに対応する1つ又は複数の前記光源から発せられた光線の光軸方向を調整するマイクロレンズアレイであって、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、前記複数の光源から発せられた光線の光軸を収束するマイクロレンズアレイと、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置される反射結像装置であって、前記複数の光源から発せられた光線が前記マイクロレンズアレイを通過した後、前記反射結像装置に出射して前記反射結像装置の表面で反射され、反射された光線が観察領域に出射される反射結像装置と、を備える。
【0006】
いくつかの例では、前記複数の光源の少なくとも一部は、発光して画像の光線を形成するように独立して制御されるように構成される。
【0007】
いくつかの例では、前記予め設定された範囲の面積は前記観察領域の面積よりも小さい。
【0008】
いくつかの例では、前記予め設定された規則は、前記複数の光源が第1方向及び前記第1方向と異なる第2方向に沿って拡がって配列されることを含む。
【0009】
いくつかの例では、前記マイクロレンズは集光マイクロレンズを備える。
【0010】
いくつかの例では、前記集光マイクロレンズは、前記光源の光出射方向において前記光源と1対1で対応して設置される凸レンズである。
【0011】
いくつかの例では、前記凸レンズの主軸は対応する前記光源から発せられた光線の光軸と重ならない。
【0012】
いくつかの例では、前記集光マイクロレンズは、第1方向に沿って拡がって配列された前記複数の光源の光出射方向において対応して設置された第1シリンドリカルレンズを備える。
【0013】
いくつかの例では、第1方向に沿って拡がって配列された複数の前記光源の前記光軸の位置する平面は第1平面であり、前記第1シリンドリカルレンズの主軸は前記第1平面と完全に重ならないがない。
【0014】
いくつかの例では、前記集光マイクロレンズは、前記第1シリンドリカルレンズと前記反射結像装置との間に設置され、主軸が前記第1シリンドリカルレンズの主軸に直交する第2シリンドリカルレンズをさらに備える。
【0015】
いくつかの例では、前記複数の光源は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードのうちの少なくとも1つを備える。
【0016】
いくつかの例では、前記発光ダイオードの外形及び配列方式は、前記発光ダイオードの外形が円形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、前記発光ダイオードの外形が三角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、前記発光ダイオードの外形が矩形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、前記発光ダイオードの外形が六角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、前記発光ダイオードの外形が八角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、前記発光ダイオードの外形が円形又は八角形であり、前記複数の発光ダイオードが緊密に配列され、且つ4つごとの前記発光ダイオード間の隙間には、大きさが前記隙間のサイズに合わせる発光ダイオードが追加して設置されること、及び複数の前記発光ダイオードが、前記反射結像装置の第2歪み形態と反対で且つ対応する関係のある第1歪み形態に従って、配列されること、のうちの少なくとも1つである。
【0017】
いくつかの例では、前記ヘッドアップディスプレイシステムは分散素子をさらに備え、前記分散素子は、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、前記マイクロレンズアレイから出射された光線が前記分散素子を通過した後に拡散され、拡散された後の光線が前記反射結像装置に出射される。
【0018】
いくつかの例では、前記分散素子は回折光学素子及び散乱光学素子のうちの少なくとも1つを備える。
【0019】
いくつかの例では、前記分散素子は、前記マイクロレンズアレイから出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換する。
【0020】
いくつかの例では、前記分散素子は分離式分散素子であり、前記分散素子は、前記マイクロレンズアレイから出射された光線を、それぞれ予め設定された断面形状を有し且つ互いに分離された少なくとも2つのビームに変換する。
【0021】
いくつかの例では、前記ヘッドアップディスプレイシステムは発光制御ユニットをさらに備え、前記発光制御ユニットは、前記複数の光源に電気的に接続され、前記複数の光源の発光状態を制御して画像の光線を形成する。
【0022】
いくつかの例では、前記ヘッドアップディスプレイシステムは遮光素子をさらに備え、前記遮光素子は、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の出射角を制限する。
【0023】
いくつかの例では、前記ヘッドアップディスプレイシステムは複数のマイクロレンズアレイを備え、各前記マイクロレンズアレイは、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が異なる所定範囲に向けるように、それに対応する複数の前記光源から発せられた光線の光軸を収束し、前記マイクロレンズアレイは光線を前記反射結像装置に出射し、前記反射結像装置の表面で反射し、反射された光線が異なる観察領域に出射される。
【0024】
いくつかの例では、ヘッドアップディスプレイシステムは、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、それを通過した光線をそれぞれ第1位置及び第2位置に出射する立体視形成層をさらに備える。
【0025】
いくつかの例では、前記立体視形成層は、間隔をあけて設置された複数の遮断ユニットを備え、前記遮断ユニットと前記マイクロレンズアレイとの間に、予め設定された距離がある。
【0026】
いくつかの例では、前記立体視形成層は分光レンズ層を備え、前記分光レンズ層は複数の分光レンズを備える。
【0027】
いくつかの例では、前記ヘッドアップディスプレイシステムは少なくとも1つの反射素子をさらに備え、前記反射素子は前記マイクロレンズアレイと前記反射結像装置との間に設置され、前記反射素子は、曲面反射素子及び平面反射素子のうちの少なくとも1つを備える。
【0028】
いくつかの例では、前記複数のマイクロレンズのうちの少なくとも2つの主軸は、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が前記所定範囲に向けるように、互いに異なる。
【0029】
いくつかの例では、前記複数の光源は電界によって励起されて光線を生成する。
【0030】
本開示の少なくとも1つの実施例によれば、アクティブ発光型イメージソースを提供し、アレイ状に配列された複数の光源を備える光源アレイと、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、前記複数の光源から発せられた光線の光軸を収束する光線制御装置と、前記光線制御装置の光出射側に設置され、前記光線制御装置から出射された光線が通過した後に拡散され、前記光線制御装置から出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換する分散素子と、を備える。
【0031】
本開示の少なくとも1つの実施例によれば、上記アクティブ発光型イメージソースと、前記分散素子の光出射側に設置され、前記分散素子から発せられた光線を観察領域に出射する反射結像装置と、を備える、ヘッドアップディスプレイを提供する。
【0032】
本開示の少なくとも1つの実施例によれば、上記いずれかのヘッドアップディスプレイシステム又は上記ヘッドアップディスプレイを備える自動車を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、明らかなように、以下説明される図面は本開示のいくつかの実施例に係るものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【
図1】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図2】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図3a】本開示の実施例に係る予め設定された規則に従って配列された光源の模式図を示す。
【
図3b】本開示の実施例に係る予め設定された規則に従って配列された光源の模式図を示す。
【
図4】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図5】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図6】本開示の実施例に係る対応して設置された複数の光源とシリンドリカルレンズの模式図を示す。
【
図7】本開示の実施例に係る複数の光源の光軸の位置する第1平面の模式図を示す。
【
図8a】本開示の実施例に係る複数の光源の光軸の位置する第1平面とシリンドリカルレンズの主軸との位置関係の第1模式図を示す。
【
図8b】本開示の実施例に係る複数の光源の光軸の位置する第1平面とシリンドリカルレンズの主軸との位置関係の第2模式図を示す。
【
図8c】本開示の実施例に係る複数の光源の光軸の位置する第1平面とシリンドリカルレンズの主軸との位置関係の第3模式図を示す。
【
図9】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図10】本開示の実施例に係る第1シリンドリカルレンズと第2シリンドリカルレンズの模式図を示す。
【
図11a】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図11b】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図12a】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図12b】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図13a】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図13b】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図14】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図15a】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図15b】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの発光ダイオードの配列模式図を示す。
【
図16a】本開示の実施例に係るイメージソースが歪んだ虚像に反射される結像模式図を示す。
【
図16b】本開示の実施例に係るイメージソースの歪みを無くして反射して結像する第1結像模式図を示す。
【
図16c】本開示の実施例に係るイメージソースの歪みを無くして反射して結像する第2結像模式図を示す。
【
図17】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図18】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図19a】本開示の実施例に係る分散素子が光線を分散する原理模式図を示す。
【
図19b】本開示の実施例に係る分散素子が光線を分散する原理模式図を示す。
【
図20】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図21】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図22】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図23】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図24】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図25】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図26】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図27】本開示の実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムの構造模式図を示す。
【
図28】本開示の実施例に係るアクティブ発光型イメージソースの構造模式図を示す。
【
図29】本開示の実施例に係るアクティブ発光型イメージソースの構造模式図を示す。
【
図30】本開示の実施例に係るアクティブ発光型イメージソースの構造模式図を示す。
【
図31】本開示の実施例に係るアクティブ発光型イメージソースの構造模式図を示す。
【
図32】本開示の実施例に係るアクティブ発光型イメージソースの構造模式図を示す。
【
図33】本開示の実施例に係るアクティブ発光型イメージソースの構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は、本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。説明された本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要としない前提で得るすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。
【0035】
なお、以下の実施例に係る図面は、本開示の基本的な思想を例示的に説明するためのものに過ぎないため、本開示に係る構成要件のみを示しており、実際に実施される時の構成要件の数、形状及びサイズに従って描かれているものではなく、実際に実施される時、各構成要件の形状、数及び比率を任意に変更することができ、且つその構成要件のレイアウト形態もより複雑になる可能性がある。
【0036】
なお、説明を簡潔且つ直感的にするために、以下では、いくつかの代表的な実施形態を説明することにより本開示の解決手段を説明する。実施形態における大量の詳細内容は本開示の解決手段を理解するためのものに過ぎない。ただし、本開示の技術的解決手段を実現する際にはこれらに詳細に限定されなくてもよいことは明らかである。本開示の解決手段を不必要に不明確にすることを回避するために、いくつかの実施形態は詳細に説明されず、枠組みのみが与えられる。以下では、「含む」とは、「…を含むがこれに限定されない」を意味し、「…に基づく」とは、「少なくとも…に基づくが、…のみに基づくことに限定されない」を意味する。「第1」、「第2」等は特徴を示すためのみに用いられ、順序上の限定など、該特徴を何らかに限定することは意図していない。以下では、中国語の言語習慣のため、1つの構成要件の数は、特に示さない場合、該構成要件が1つでもよく複数でもよいことを意味し、又は少なくとも1つとして理解されてもよい。
【0037】
本実施例はヘッドアップディスプレイシステムを提供し、
図1に示すように、電界によって励起されて光線を生成し、予め設定された規則に従って配列される複数の光源10と、複数のマイクロレンズ201を備え、各マイクロレンズ201が1つ又は複数の光源10に対応し、対応する1つ又は複数の光源10から発せられた光線の光軸方向を調整し、複数の光源10から発せられた光線の光軸を所定範囲100に収束するマイクロレンズアレイ20と、マイクロレンズアレイ20の光源10から離れる側に設置される反射結像装置30であって、複数の光源10から発せられた光線がマイクロレンズアレイ20を通過した後、反射結像装置30に出射して反射結像装置30の表面で反射され、反射された光線が観察領域200に出射される反射結像装置30と、を備える。例えば、上記「光軸」とは、ビームの中心線を意味する。また、上記実施例は、複数の光源10が電界によって励起されて光線を生成することを例として説明されたが、本開示の実施例はこれに限定されず、前記複数の光源は他のタイプの光源を使用してもよい。
【0038】
いくつかの例では、上記複数の光源の全部又は一部の光源は、発光して画像の光線を形成するように独立して制御されるようにしてもよい。例えば、複数の光源は、グレースケール画像を形成できる白色光源であってもよく、又は、複数の光源は、赤色、緑色及び青色等の異なる色の光源を含んでもよく、異なる色の光源の輝度を制御することにより、カラー画像を形成することができる。
【0039】
本実施例では、光源10は電界によって励起されて光線を生成し、光源10は点光源であってもよく、すなわち、光源10から発せられた光線は一定の発散角を有し、異なる方向に出射する。本実施例では、マイクロレンズアレイ20を設置することにより、複数の光源10から発せられた光線の光軸方向を調整して、光軸を所定範囲に収束することができ、それにより光線の伝播方向を変更する。集光された光線は反射結像装置30によって反射され、反射された光線は観察領域200に到達し、それにより、目が観察領域200に位置する観察者は、虚像300を見ることができる。虚像300は、複数の光源10を予め設定された規則に従って配列して形成された画像が反射結像装置30を経た後、反射して結像するように形成された虚像である。例えば、観察者は運転者又は乗客であり得、この場合、実際のニーズに応じて、観察者が画像を見る必要がある領域であるアイボックス領域(eyebox)を予め設定することができる。該アイボックス領域とは、観察者の両目が位置する、HUD画像を見ることができる領域である。この時、上記観察領域200が該アイボックス領域をカバーできればよく、いくつかの例では、観察領域200のサイズはアイボックスの範囲に近く、ちょうどアイボックスの範囲をカバーする。本実施例では、アイボックス領域及び観察領域200はいずれも一定のサイズを有し、観察者の両目がアイボックス領域の中心から一定の距離ずれていても、例えば、上下、左右に一定の距離移動しても、観察者の両目が依然としてアイボックス領域内に位置する限り、観察者はHUDの画像を見ることができる。
【0040】
図2は本実施例のヘッドアップディスプレイシステムの具体的な動作原理を示し、解釈及び説明の便宜上、
図1及び
図2のそれぞれでは、平面形状の反射結像装置30を例として説明する。ヘッドアップディスプレイシステムは複数の光源10を備え、光源10は例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)、ミニ発光ダイオード(Mini LED)、マイクロ発光ダイオード(Micro LED)、冷陰極蛍光線管(Cold Cathode Fluorescent Lamp、CCFL)、LED冷光源(Cold LED Light、CLL)、エレクトロルミネセント(Electro Luminescent、EL)デバイス、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display、FED)又は量子ドット(Quantum Dot、QD)発光デバイス等の電界発光デバイスであってもよい。複数の光源10は、予め設定された規則に従って配列されたら、画像の光線を形成することができ、例えば、順に配列されたLEDアレイである場合、異なる輝度の光を発することができるLEDアレイにより、グレースケール画像を形成することができ、カラーLEDである場合、赤色光、緑色光又は青色光を生成することができるため、LEDのオンオフ及び発光輝度を制御することにより、カラー画像を形成することができる。いくつかの例では、光源10は、Mini LED又はMicro LEDであってもよく、複数の光源10が配列された後に形成した画像がより鮮明で繊細であり、解像度がより高く、電力消費量がより低い。
【0041】
図2において、実線の矢印は、光源10から発せられた光線の光軸方向を表す。光軸方向は光源10のエネルギー分布の中心を通過し、光源10の最大光強度の方向に向ける。光軸方向は、例えば、光源10の光強度分布の対称軸の方向であってもよく、一般的には、光源10から発せられた光線の中心軸方向である。光軸方向は、光線伝播の主な方向を表し、光軸方向及び光軸方向に近い光線の光強度は、他の方向の光線の光強度よりも大きい。
図2における各マイクロレンズ201は1つの光源10に対応し、光源10から発せられた光線の光軸方向は光源10の中心軸方向であり、マイクロレンズ201を通過した後に変化する。
図2における最左側の光源10から発せられた光線の光軸方向Aを例として説明し、光線はマイクロレンズを通過した後、光軸方向が変化し、AからA1に変化し、複数のマイクロレンズ201はそれぞれ、対応する光源から発せられた光線の光軸方向を変更し、従って、複数の光源10から発せられた光線がマイクロレンズアレイ20を通過した後、複数の光軸方向が変化して所定範囲100に収束される。理解できるように、所定範囲は1つの点であってもよく、又は1つの小さい領域であってもよく、本実施例では、これを限定しない。
図2において、複数の光源10の光軸が小さい領域に収束されることを例として説明し、反射結像装置30が存在する場合、複数の光軸は所定範囲100に収束され、反射結像装置30が存在しない場合、光軸A1は図示されている破線の方向に延び、複数の光軸は依然として一定の範囲内に収束される。理解できるように、この範囲は、反射結像装置30に対して所定範囲100の鏡像位置1001であり、該鏡像位置1001は、所定範囲100の反射結像装置30に対して形成された虚像の位置と見なすこともできる。言い換えると、本実施例における前記マイクロレンズアレイ20が複数の光源10から発せられた光線の光軸を所定範囲100に収束することは、マイクロレンズアレイ20が複数の光源10から発せられた光線の光軸を収束して、反射結像装置30によって反射した後に所定範囲100に収束することを意味する。
【0042】
上記説明から明らかなように、マイクロレンズアレイは、マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、複数の光源から発せられた光線の光軸を収束する。例えば、該所定範囲は
図2における所定範囲1001であってもよい。ここでの「所定範囲に向ける」とは、マイクロレンズアレイから発せられた光線の光軸又はその延長線が所定範囲1001に到達することを意味することができる。例えば、
図2に示すように、マイクロレンズから出射された後に他の光学素子により方向が変更されていない場合、マイクロレンズアレイから発せられた光線の光軸は、所定範囲1001に収束され、マイクロレンズから出射された後に他の光学素子により方向が変更された場合、マイクロレンズアレイから発せられた光線の光軸の延長線は、所定範囲1001に収束される。
【0043】
光源10から発せられ、光軸方向に対して一定の角度を有する他の光線も、マイクロレンズ201を通過した後に方向が変化し、マイクロレンズアレイ20は、複数の光源10から発せられた光線を集束する。
図2において、光源10から出射され、光軸方向と一定の角度を有する光線B(図の破線の矢印)を例として例示的に説明し、光線Bがマイクロレンズ20を通過した後、光線の伝播方向が変化し、観察領域200に集束される。理解できるように、光源10から発せられ、光軸方向と同じ又は近い光線がマイクロレンズを通過した後、光軸方向が変化し、この部分の光線は所定範囲100に収束され、一方、光軸方向と一定の角度を有する光線はマイクロレンズ20を通過した後、観察領域200に集束される。観察領域200の形状は、
図2において、長方形領域であることを例示的に説明したが、長方形であることを意味しない。理解できるように、観察領域200は所定範囲100以上であり、複数の光源10から発せられた光線は全て観察領域200の範囲内に集束され、光軸が観察領域内の所定範囲100に集束され、従って、観察領域200内の所定範囲100にない領域内の光強度は所定範囲100内の光強度よりも小さい。反射結像装置30が存在する場合、光源10から発せられた光線は観察領域200に収束され、反射結像装置30が存在しない場合、光源10から発せられた光線は依然として一定の範囲に収束される。理解できるように、この範囲は、反射結像装置30に対して観察領域200の鏡像位置2001であり、該鏡像位置2001は、観察領域200の反射結像装置30に対して形成された虚像の位置と見なすこともできる。
【0044】
例えば、所定範囲100及び1001の面積はいずれも観察領域200の面積よりも小さい。
【0045】
例えば、マイクロレンズ201は、光線を集める集光マイクロレンズを備え、集光マイクロレンズは、凸レンズ、フレネルレンズ又は円筒レンズを含むがこれらに限定されず、集光機能を有するレンズの組み合わせ、例えば、上記いくつかのレンズの組み合わせ又は上記いくつかのレンズと凹レンズとの組み合わせをさらに含み、マイクロレンズの直径はミリメートルレベル、ミクロンレベル又はナノレベルを含み、例えば、マイクロレンズの直径は10~1000nm又は1~1000μm又は1~100mmである。
【0046】
反射結像装置30はマイクロレンズアレイ20の光源10から離れる側に設置され、複数の光源10から発せられた光線がマイクロレンズアレイ20を通過した後、反射結像装置30に出射して反射結像装置30の表面で反射され、反射された光線が観察領域200に出射され、それにより、観察者(例えば運転者、乗客等)の両目が観察領域200に位置するときにHUD画像を見ることができる。説明の便宜上、本開示の実施例及び明細書の図面では、反射結像装置が平面であることを例として例示的に説明し、マイクロレンズアレイ20から出射された光線は反射結像装置30によって反射された後に観察領域200に到達し、それにより、目が観察領域200に位置する観察者は画像を見ることができる。この時、観察者が見た像は、反射結像装置30により反射して結像するように形成された虚像である。例えば、観察者は運転者又は乗客であり得、この場合、実際のニーズに応じて、観察者が画像を見る必要がある領域であるアイボックス領域(eyebox)を予め設定することができる。該アイボックス領域は、観察者の両目が位置する、HUD画像を見ることができる領域である。この時、上記観察領域200が該アイボックス領域をカバーできればよく、さらに、予め設定された範囲100がアイボックス領域と重なるように設定することで、両目がアイボックス範囲内にある観察者は、輝度がより高い画像を見ることができる。本実施例では、アイボックス領域は一定のサイズを有し、観察者の両目がアイボックス領域の中心から一定の距離ずれていても、例えば、上下、左右に一定の距離移動しても、観察者の両目が依然としてアイボックス領域内に位置する限り、観察者はHUDの画像を見ることができる。実際の応用において、反射結像装置30は曲率のある曲面形状を有してもよく、その結像原理は
図2に示したものと同様であり、ここで重複する説明は省略する。当業者が理解できるように、フロントガラスのような曲面の反射結像装置30が、異なる位置で観察されると、虚像の位置は固定されないため、反射結像装置30が曲率のあるフロントガラス又は結像窓である場合、本実施例における虚像は、観察領域200から観察するときに見える虚像であり、すなわち、虚像300の位置は観察者が観察領域200から観察する時の虚像位置である。
【0047】
いくつかの例では、本実施例に記載のヘッドアップディスプレイシステムは車両等の交通手段に取り付けられ、本実施例における反射結像装置30は車両のフロントガラスであってもよく、又はフロントガラスに貼り付けられた半透過フィルムであってもよく、又は透明樹脂、高分子透明材料又はガラスを含む透明材質で形成された結像窓であってもよく、例えば、組み合わせ式ヘッドアップディスプレイシステム(Combiner-HUD、C-HUD)の結像窓である。反射結像装置30は半透過の特性を有し、反射して形成された虚像を観察できるだけでなく、車両の外部の光線が反射結像装置30を透過して観察領域200に到達することもでき、それにより、両目が観察領域200に位置する観察者は車両の外部の光景を正常に見ることもできる。本実施例における複数の光源10及びマイクロレンズアレイ20は、車両のフロントガラスの下方、コンソールの表面に設置されてもよく、さらに、複数の光源10及びマイクロレンズアレイ20は大きな面積で設置されてもよく、マイクロレンズアレイ20から出射された光線が反射結像装置30によって反射された後に大きなサイズの画像を形成することができるので、ヘッドアップディスプレイシステムの使用体験をさらに向上させる。
【0048】
本実施例では、複数の光源10は配列によって画像を形成し、マイクロレンズアレイ20を設置することにより、光源10から発せられた光線の光軸を所定範囲100に集束されることができ、すなわち、複数の光源10から発せられた光線を観察領域200に集束され、且つ、反射結像装置30の表面で反射して画像を形成して、目が光線の集束された観察領域200に位置する観察者は画像を観察することができる。また、光線の集束により、結像の輝度がより高くなり、観察者は、輝度がより高い像を見ることができるため、光線の利用率が向上する。
【0049】
本開示の上記実施例のうえで、複数の光源10は予め設定された規則に従って配列され、予め設定された規則は、複数の光源が第1方向及び第1方向と異なる第2方向に沿って拡がって配列されることを含む。例えば、
図3aに示すように、第1方向が第2方向と直交であり、
図3aは、光源10の光出射方向から見た上面模式図である。第1方向は水平方向を含み、光源10は水平方向に沿って拡がって配列され、第2方向は垂直方向を含み、光源10は垂直方向に沿って拡がって配列され、光源10は直交した第1方向と第2方向に沿って拡がって配列(アレイ状に配列)されることにより面光源となる。第2方向は、第1方向に直交しない他の方向をさらに含み、
図3bに示すように、第2方向は第1方向に直交しなく、第2方向と第1方向との間に夾角θがあり、θ∈(0,90°)であり、具体的には、10°、20°、30°、45°又は80°であってもよく、光源10は第1方向及び第2方向に沿って拡がって配列されることにより、面光源を形成することもできる。
【0050】
本開示の上記実施例のうえで、集光マイクロレンズは、具体的には、光源10と1対1で対応して設置された凸レンズ2011であってもよく、
図1、
図2及び
図4に示すように、各光源10に1つの凸レンズ2011が対応して設置され、凸レンズ2011は、光源10の光出射方向において設置され、対応する光源10から発せられた光線の光軸方向を調整する。例えば、凸レンズ2011が対応する光源10から発せられた光線の光軸方向を調整することは、例えば、光源10から発せられた光線の光軸方向を変更しないこと、及び光源10から発せられた光線の光軸方向を変更することを含む。
【0051】
さらに、凸レンズ2011の主軸Cは光源10から発せられた光線の光軸Aと重ならず、凸レンズ2011は、それに対応する光源10から発せられた光線の光軸方向を変更する。例えば、凸レンズの主軸(Main axis)とは、凸レンズの光学中心を通過し且つレンズに直交した直線を指す。凸レンズの主軸と重なる光線が凸レンズを通過した後、光線の伝播方向が変化しないことが当業者に理解されるように、光源10から発せられた光線の光軸Aが凸レンズ2011の主軸と重なると、凸レンズ2011を通過した後、光軸Aの方向は変化しないため、凸レンズ2011の主軸が光源10から発せられた光線の光軸と重ならないように設定され、光線が凸レンズ2011を通過した後、光軸Aの方向は変化する。主軸Cは光軸Aと平行で重ならないようにしてもよい。
図1に示すように、光源10から発せられた光線が凸レンズ2011を通過した後、すべての光源10から発せられた光線の光軸方向はいずれも変化して所定範囲100に集束されること、及び、一部の光源10から発せられた光線の光軸方向が変化せず、残りの光源10から発せられた光線の光軸方向が変化し、光軸が所定範囲100に集束されることが理解できる。
図4に示すように、一部の光源10から発せられた光線の光軸方向が変化しないが、最終的に所定範囲100に集束される。本実施例では、各光源10から発せられた光線の光軸がいずれもマイクロレンズ20を通過した後に変化することを限定せず、光軸が所定範囲100に集束できればよい。凸レンズ2011は平凸レンズ、両凸レンズ又は凹凸レンズを含んでもよく、本実施例では、これを限定しない。
【0052】
本実施例では、光源10と1対1で対応する凸レンズ2011を設置することにより、凸レンズ2011による光線の集束作用によって、光源10から発せられた光線の光軸方向を調整するので、複数の光源10から発せられた光線の光軸が所定範囲100に収束され、複数の光源10から発せられた光線は反射結像装置30によって反射された後、観察領域200に集束される。このため、反射結像の輝度がより高く、両目が観察領域200に位置する観察者は、輝度がより高い画像を見ることができ、光線の利用率が向上する。
【0053】
本開示の上記実施例のうえで、集光マイクロレンズは、第1方向に沿って拡がって配列された複数の光源10の光出射方向において対応して設置された第1シリンドリカルレンズ2012を備え、第1シリンドリカルレンズは、それに対応する複数の光源10から発せられた光線の光軸方向を調整する。
図5、
図6に示すように、マイクロレンズアレイ20は、第1方向に沿って拡がって配列された複数の光源10の光出射方向に対応して設置された複数の第1シリンドリカルレンズ2012を備え、
図7に示すように、各第1シリンドリカルレンズ2012に対応する、第1方向に沿って拡がって配列された複数の光源10から発せられた光線の光軸Aの位置する平面は第1平面であり、複数の光源10から発せられた光線が、それに対応する第1シリンドリカルレンズを通過した後、光軸が所定範囲100に集束される。例えば、シリンドリカルレンズ2012は、それに対応する複数の光源10から発せられた光線の光軸方向を調整することは、例えば、複数の光源10から発せられた光線の光軸方向を変更しないこと、及び複数の光源10から発せられた光線の光軸方向を変更することを含む。
【0054】
さらに、第1シリンドリカルレンズ2012の主軸は第1平面と完全に重なることがなく、第1シリンドリカルレンズ2012は、それに対応する複数の光源10から発せられた光線の光軸方向を変更する。例えば、
図8aに示すように、第1シリンドリカルレンズの主軸は第1シリンドリカルレンズの円柱面の軸方向子午線であり、当業者が理解できるように、軸方向子午線を通過した光線は、集束のような変化が発生せず、すなわち、光線の伝播方向が変化しない。従って、第1平面が第1シリンドリカルレンズ2012の主軸と完全に重なり、すなわち、主軸が第1平面にあると、第1シリンドリカルレンズ2012を通過した後、複数の光源10から発せられた光線の光軸Aの方向は変化しないため、第1シリンドリカルレンズ2012の主軸は第1平面と完全に重なることがないように設定される。
図8a、8bに示すように、第1シリンドリカルレンズ2012の主軸は第1平面と平行で重ならず、複数の光源10から発せられた光線の光軸の方向は変化して所定範囲100に集束される。理解できるように、第1平面は第1シリンドリカルレンズの主軸と交差してもよく、
図8cに示すように、交差点での対応する1つ又は複数の光源10から発せられた光線の光軸は第1シリンドリカルレンズ2012の主軸を通過し、方向が変化しないが、最終的に所定範囲100に集束される。本実施例では、各光源10から発せられた光線の光軸がいずれもマイクロレンズ20を通過した後に変化することを限定せず、光軸が所定範囲100に集束できればよい。第1シリンドリカルレンズは、平凸シリンドリカルレンズ、両凸シリンドリカルレンズ、メニスカスシリンドリカルレンズ、交差シリンドリカルレンズ、異形シリンドリカルレンズ、及び、以上のいくつかのレンズ組み合わせのうちの1つ又は複数を含んでもよく、すなわち、第1シリンドリカルレンズは、平凸シリンドリカルレンズ、両凸シリンドリカルレンズ、メニスカスシリンドリカルレンズ、交差シリンドリカルレンズ、異形シリンドリカルレンズ及びレンズ組み合わせ(例えば、平凸シリンドリカルレンズとメニスカスシリンドリカルレンズの組み合わせ)であってもよく、本実施例では、これを限定しない。
【0055】
本実施例では、第1方向に沿って拡がって配列された複数の光源10に対応する第1シリンドリカルレンズ2012を設置することにより、シリンドリカルレンズによる光線の集束作用によって、光源10から発せられた光線の光軸方向を調整し、それにより、複数の光源10から発せられた光線の光軸が所定範囲100に収束され、複数の光源10から発せられた光線が観察領域200に集束されるようにして、反射結像の輝度がより高く、両目が観察領域200に位置する観察者は輝度がより高い画像を見ることができ、光線の利用率が向上する。且つ、1つのシリンドリカルレンズ2012が複数の光源10に対応する実施形態によって、実際の応用において、より簡単に実行することができ、取り付け及び取り外し操作が容易である。
【0056】
本開示の上記実施例のうえで、集光マイクロレンズは、第1シリンドリカルレンズ2012と反射結像装置30との間に設置され、主軸が第1シリンドリカルレンズ2012の主軸に直交する第2シリンドリカルレンズ2013をさらに備える。例えば、
図9に示すように、第2シリンドリカルレンズ2013は第1シリンドリカルレンズ2012と反射結像装置30との間に設置され、第1シリンドリカルレンズ2012から出射された光線は、第2シリンドリカルレンズ2013を通過した後、反射結像装置30に出射され、観察領域200に集束され、第2シリンドリカルレンズ2013の主軸は第2シリンドリカルレンズの円柱面の軸方向子午線である。光源10から出射された光線が第1シリンドリカルレンズ2012を通過した後には、シリンドリカルレンズがシリンドリカルレンズの主軸を通過した光線の方向及び集束程度を変更させないため、第1シリンドリカルレンズを通過した光線は、
図5に示すように、第1シリンドリカルレンズ2012の主軸に垂直となる方向(すなわち、シリンドリカルレンズの屈折力子午線方向)において光線の方向及び集束程度が変化し、従って、第1シリンドリカルレンズ2012の主軸に平行な方向において光線は集束されず、複数の光源10の光軸の集束された所定範囲100は長尺状の領域であり、最終的に光線の集束された観察領域200も長尺状の領域である。光線の集束程度をより高くし、さらに光線の利用率を向上させるために、第1シリンドリカルレンズ2012と反射結像装置30との間に、第2シリンドリカルレンズ2013を設置する。
図10に示すように、マイクロレンズアレイ20は、複数の第1シリンドリカルレンズ2012及び複数の第2シリンドリカルレンズ2013を備え、複数の第2シリンドリカルレンズ2013は複数の第1シリンドリカルレンズ2012と積層して設置され、且つ第2シリンドリカルレンズ2013の主軸は第1シリンドリカルレンズ2012の主軸と互いに直交し、第1シリンドリカルレンズ2012で方向及び集束程度を変更できない部分の光線を、第2シリンドリカルレンズ2013によって集束され、2回集束された後の光線は観察領域200に収束され、よって、光線の集束程度がさらに向上し、さらに光線の利用率が向上する。
【0057】
本実施例では、マイクロレンズアレイ20は、主軸が互いに直交する複数の第1シリンドリカルレンズ2012及び第2シリンドリカルレンズ2013を備えるように設置されることにより、第1シリンドリカルレンズと第2シリンドリカルレンズにより異なる方向での光線を集束することによって、光源10から発せられた光線の光軸方向を調整し、それにより、複数の光源10から発せられた光線の光軸は所定範囲100に収束され、複数の光源10から発せられた光線は観察領域200に集束されて、反射結像の輝度がより高く、両目が観察領域200に位置する観察者は、輝度がより高い画像を見ることができ、光線の利用率がさらに向上する。且つ、シリンドリカルレンズが複数の光源10に対応する実施形態によって、実際の応用において、より簡単に実行することができ、取り付け及び取り外し操作が容易である。
【0058】
本開示の上記実施例のうえで、光源10は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードのうちの少なくとも1つを備える。例えば、赤いバンドの光を生成するガリウムヒ素ダイオード、緑のバンドの光を生成するガリウムリンダイオード、黄のバンドの光を生成する炭化ケイ素ダイオード、及び青いバンドの光を生成する窒化ガリウムダイオードである。1つの例示的な実施形態では、光源10は赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードで構成され、LEDのオンオフ及び発光輝度を制御することにより、カラー画像を形成することができる。
【0059】
いくつかの例では、本実施例における光源10から発せられた光線は狭帯域光である。狭帯域とは、例えば、光波長帯域の半値全幅(Full width at half maximum、FWHM)が60nm以下、好ましくは、バンドの半値全幅が30nm以下、より好ましくは、バンドの半値全幅が10nm以下であることを意味する。例えば、光源10が赤色発光ダイオードである場合、光源10から発せられた狭帯域光線のピークは590nm~690nmの区間の範囲にあり、光源10が緑色発光ダイオードである場合、光源10から発せられた狭帯域光線のピークは500nm~580nmの区間の範囲にあり、光源10が青色発光ダイオードである場合、光源10から発せられた狭帯域光線のピークは400nm~470nmの区間の範囲にある。理解できるように、HUDがカラー画像を表示できるようにするために、複数の光源10は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードを備える。1つの好ましい実施形態では、光源10から発せられた赤色の狭帯域光が630nm±10nmであり、緑色の狭帯域光が540nm±10nmであり、青色の狭帯域光が450nm±10nm(青色)であるという3つの波長域がある。理解できるように、狭帯域光を生成する複数の光源10が配列されて画像を形成して、より広いスペクトル帯域を形成することができ、画像がより鮮やかでカラフルになる。
【0060】
さらに、光源10は発光ダイオード101であり、複数の発光ダイオードが緊密に配列される。理解できるように、発光ダイオードは、一般的に、点光源であるため、分散して配列されると、複数の発光ダイオード101の間に隙間があり、最終的に観察された画像は強い粒状感を持つ。従って、複数の発光ダイオード101を緊密に配列することにより、空間の利用率を向上させることができ、さらに良好な視聴体験を提供することができる。本実施例における「緊密に配列される」とは、配列された後、発光ダイオード101の間に隙間がなく又は隙間が非常に小さいことを意味する。
【0061】
例えば、発光ダイオードの外形を設計することにより、発光ダイオードの緊密な配列を実現することができる。本実施例における「発光ダイオードの外形」とは、具体的には、発光ダイオードの光出射面の形状の特徴を意味する。発光ダイオード101の外形が三角形(例えば正三角形)、四角形(例えば菱形、矩形等)又は六角形(例えば正六角形)である場合、完全に緊密な配列を実現することができる。あるいは、
図11a及び
図11bに示すように、発光ダイオード101の外形が円形であり、且つ複数の発光ダイオード101が緊密に配列され、複数の発光ダイオードの間に大きな隙間がある。
図12a及び
図12bは、三角形の外形の発光ダイオード101が完全に緊密に配列された2種の形態を示し、発光ダイオード101の外形が三角形であり、且つ複数の発光ダイオード101が完全に緊密に配列され、隙間がない。
図13a及び
図13bは、矩形の外形の発光ダイオード101が完全に緊密に配列された2種の形態を示し、発光ダイオード101の外形が矩形であり、且つ複数の発光ダイオード101が完全に緊密に配列される。
図14に示すように、発光ダイオード101の外形が正六角形であり、且つ複数の発光ダイオード101が完全に緊密に配列される。
【0062】
あるいは、発光ダイオード101の外形は八角形(例えば正八角形)であり、且つ複数の発光ダイオード101が緊密に配列されるようにしてもよく、さらに、八角形は完全な緊密配列を実現することができないため、複数の発光ダイオード101の隙間に、小さい発光ダイオードで充填してもよい。例えば、
図15a及び
図15bに示すように、複数の発光ダイオード101間の隙間には、大きさが隙間に合わせる発光ダイオード101が追加して設置される。隙間を充填する発光ダイオード101は任意の形状であってもよく、図において同様に八角形を例として説明する。例えば、ここで、発光ダイオードの大きさが隙間に合わせることは、特定の大きさの発光ダイオードを該隙間にちょうど配置できるか否かを意味する。
【0063】
あるいは、反射結像装置30は交通手段のフロントガラス又はC-HUDの透明結像窓である場合、フロントガラス及び結像窓は常に平面ではなく、一定の曲率を有し、フロントガラス又は結像窓を直接使用して反射結像すると、歪みの問題がある。本実施例において、複数の発光ダイオード101は、反射結像装置30の第2歪み形態と反対で且つ対応する関係のある第1歪み形態に従って配列される。例えば、反射結像装置30の第2歪み形態は、ヘッドアップディスプレイシステムのイメージソース1が反射結像装置30によって反射して結像される時の虚像の歪み形態である。イメージソース1は、複数の光源10及びマイクロレンズアレイ20等を含み、イメージソース1は画像の光線を出射する。
【0064】
例えば、
図16a及び
図16bに示すように、説明の便宜上、複数の光源10及びマイクロレンズアレイ20等の代わりにイメージソース1を使用することによって、解釈して説明する。イメージソース1は反射結像装置30で反射して結像されるが、曲率のある反射結像装置30が第2歪み形態を有するため、該虚像は歪んだ虚像であり、
図16aにおける反射結像装置30上の格子模様は歪んだ虚像を表す。本実施例では、反射結像装置30の第2歪み形態に基づいて、それと対応し且つ反対な関係のある第1歪み形態を決定し、且つ第1歪み形態に従ってイメージソース1中の複数の発光ダイオード101を配列し、例えば、各発光ダイオード101の位置を決定し、それにより、反射結像装置30による歪みを無くす。例えば、
図16bに示すように、本実施例におけるイメージソース1中の発光ダイオード101は第1歪み形態に従って配列され、
図16bにおけるイメージソース1中の各格子が1つの発光ダイオード101又はイメージソース1の1つの画素ユニットを表し、それにより、反射結像装置30によって、歪みのない虚像を形成することができ、
図16bにおける反射結像装置30上の格子模様は歪みのない虚像を表す。つまり、発光ダイオード101が第1歪み形態に従って配列されることにより、反射結像装置30の第2歪み形態による虚像の歪みを少なくとも部分的に又は完全に相殺し、それにより、観察者は、反射結像装置によって反射されて形成された正常な画像を見ることができる。
【0065】
あるいは、例えば、
図16cに示すように、発光ダイオード101が正常な配列方式に従って規則的に配列され、例えば、
図11a~
図15bにおける配列方式に従って配列される場合、イメージソース1自体から発せられた画像を、第1歪み形態のある画像として設定してもよい。それにより、反射結像装置30において、歪みのない虚像を形成することができる。
【0066】
本実施例では、異なる色の光を発する発光ダイオード101を設置することにより、単色又は多色の表示を実現することができ、単色又はカラーのHUD画像を観察することができる。さらに、発光ダイオード101の形状を設定することにより、複数の発光ダイオード101の緊密な配列を実現することができるため、空間の利用率を向上させ、画像の表示品質を高め、良好な視聴体験を提供することができる。発光ダイオードを特定の配列方式に従って配列することにより、曲率のある反射結像装置30による結像の歪みを無くすことができるため、ヘッドアップディスプレイシステムの結像がより規則になり、ヘッドアップディスプレイシステムの使用体験を向上させるようにする。
【0067】
本開示の上記実施例のうえで、ヘッドアップディスプレイシステムは分散素子40をさらに備える。上記実施例のうえで、マイクロレンズアレイ20は、複数の光源10から発せられた光線を集束し、反射結像装置30によって反射された後の光線を観察領域200に出射できるが、光軸方向における光線の強度が大きく、この部分の光線が所定範囲100に収束されると、観察領域200内の所定範囲100にない領域内の光強度が所定範囲100内の光強度よりも小さくなり、エッジ部位の輝度が比較的低くなる。本実施例では、分散素子40を設置することによって、光線の強度を均一にする。
図17に示すように、光源10から発せられた光線の光軸Aがマイクロレンズ20を通過した後、その方向をA1に変更し、次に、分散素子40を通過した後、光線が元の光軸A1の方向からずれた予め設定された拡散角で拡散され、拡散された後の光線が予め設定された領域100よりも大きい拡散所定範囲1002に収束される。図におけるA2、A3は、元の光軸A1の方向からずれた予め設定された拡散角で拡散された光線を表す。光軸方向の光線の拡散原理と同様に、光源10から出射され、光軸方向と所定の夾角がある、最終的に観察領域200内の所定範囲100にない領域内に収束された光線は、分散素子40を通過した後、元の伝播方向からずれた予め設定された拡散角で拡散される。従って、
図18に示すように、分散素子40による光拡散作用により、最終的に、光線が拡散されて拡散観察領域2002に集束される。領域内の光線が拡散されたので、強度が均一に分布される。分散素子40は、例えば、コストの低い散乱光学素子であってもよく、例えば、ホモジナイザー、ディフューザー等であり、又は、分散素子40は、拡散効果をより正確に制御できる回折光学素子(Diffractive Optical Elements、DOE)であってもよく、例えば、ビームシェイパ(Beam Shaper)等である。光線はホモジナイザー等の散乱光学素子を透過する時に散乱され、様々な角度に透過されて、少量の回折が発生するが、光線の散乱は主な作用を奏すため、形成されたスポットが大きい。回折光学素子がその表面で特定の微細構造を設計することにより、主に回折によってビーム拡大の作用を奏し、スポットが小さく、且つスポットの大きさ及び形状が制御可能である。理解できるように、光線が分散素子40を通過した後、拡散されたビームの予め設定された断面形状は拡散観察領域2002の形状に対応する。
【0068】
さらに、分散素子40は、マイクロレンズアレイ20から出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換する。本実施例では、分散素子40は、例えば、回折光学素子であり、光線が分散素子40を通過した後に拡散されてなるビームの、光軸の伝播方向に垂直となる断面は特定の形状を有する。あるいは、ビームの予め設定された断面形状は、線形、円形、楕円形、正方形又は長方形を含むがこれらに限定されない。
図19aに示すように、光線は、例えば回折光学素子の分散素子40を通過した後、分散されて予め設定された断面形状を形成する。
図19aでは、予め設定された断面形状が矩形であることを例として説明する。
【0069】
さらに、分散素子40は分離式の分散素子であってもよく、すなわち、分散素子40は、それを通過した光線を複数の範囲に分散してもよく、各範囲の形状は、線形、円形、楕円形、正方形又は長方形を含むがこれらに限定されず、拡散後の各範囲の形状は同じでも異なってもよい。
図19bに示すように、光線は分離式の分散素子40を通過した後、各領域が1つの拡散観察領域2002に対応する複数の領域に分散できる。
図19bにおいて、光線が2つの矩形領域に分散されることを例として説明する。
【0070】
本実施例では、ヘッドアップディスプレイシステムには分散素子を設置することにより、光線を分散させて、光線の輝度を均一にすることができ、それにより、観察領域内のヘッドアップディスプレイシステムの結像輝度が均一になり、使用体験が向上するようにする。
【0071】
本開示の上記実施例のうえで、ヘッドアップディスプレイシステムは、
図20に示すように、複数の光源10に電気的に接続され、複数の光源10の発光状態を制御して画像を形成する発光制御ユニット50をさらに備える。例えば、発光制御ユニット50はデジタル信号を送信することにより光源10を点灯し、光源10の発光状態を制御することにより、単色又はカラーの画像を形成して、画像の光線を生成する。例えば、ここでの発光状態は、発光のオン又はオフであってもよく、又は発光輝度の調節であってもよい。例えば、複数の光源10の各々の発光状態は、発光制御ユニット50によって独立して制御されることができる。発光制御ユニット50は、例えば、送信側と、有線又は無線でデジタル信号を受信する受信側と、デジタル信号を光源10を制御する制御信号に変換し、光源10との間の電気的な接続による導線などの回路を介して制御信号を伝送して、光源10を制御して画像を形成するように構成されるプロセッサとを備える。いくつかの例では、発光制御ユニット50は、光源10が発光ダイオードであり、光源10の配列及びコントローラにより発光ダイオードのオンオフを実現して画像を形成する発光ダイオードディスプレイコントローラであってもよい。
【0072】
本実施例では、ヘッドアップディスプレイシステムには発光制御ユニットを設置することにより、複数の光源10のオンオフ状態を制御し、画像を形成して画像の光線を生成し、ヘッドアップディスプレイシステムに画像情報の表示を実現させる。
【0073】
本開示の上記実施例のうえで、ヘッドアップディスプレイシステムは、マイクロレンズアレイ20の光源10から離れる側に設置され、マイクロレンズアレイ20から出射された光線の出射角を制限する遮光素子60をさらに備える。本実施例では、遮光素子60は予め設定された高さを有する複数の遮光バリアを備え、複数の突起した遮光バリアによってバリアアレイを形成して、光線のある方向の伝播を物理的に遮断する。遮光バリアの高さ及び幅を設計することにより、観測者の観察可能な光線の角度を制限することができる。
図21に示すように、マイクロレンズアレイ20から出射された光線を、遮光素子60によって角度α内に制限し、それにより観察可能領域を形成する。すなわち、目eye-1が観察可能領域内に位置する場合、画像の光線を見ることができるが、目eye-2が観察可能領域外に位置する場合、目eye-2は画像の光線を見ることができない。本実施例では、遮光層60は一層のバリアアレイであってもよく、該バリアアレイは水平方向であってもよく、又は垂直方向であってもよく、又は任意の角度であってもよく、このようにして、バリアに平行な方向の光線のみが透過できる。遮光層60の可視角度は48°、60°、75°、又は他の任意の所要の角度であってもよい。また、遮光層60は、2層のバリアアレイが直交して積層されたものであってもよく、又は2層のバリアがあるの角度でずらして積層されたものであってもよい。各層のバリアアレイは、水平方向、又は垂直方向、又は任意の角度であってもよい。可視角度は、45°、60°、75°、又は他の任意の所要の角度であってもよい。例えば、遮光層60は覗き見防止回折格子であってもよい。
【0074】
あるいは、遮光素子60は光線散乱層をさらに備え、光線散乱層は、外部環境の光線が遮光素子60の表面で反射されてグレアが生じ、ひいては正常な運転に悪影響を与えることを防止することができる。光線散乱層は、遮光層60のマイクロレンズアレイ20から離れる側に設置され、外部環境の光線を散乱するために用いられる。本開示の実施例では、遮光層80の外側に光線散乱層を追加することにより、太陽光線等の外部の環境光線を散乱することができ、それにより、外部の太陽光線が遮光層60の表面に照射することによるグレアを防止することができる。例えば、光線散乱層と遮光層60は、つや消し式の覗き見防止回折格子のように、一体的に成形されてもよい。
【0075】
本実施例では、マイクロレンズアレイ20の外面に遮光層60を追加することにより、光線出射の角度を制限することができる。例えば、該遮光層60のないイメージソース1を車両のコンソールの表面に設置すると、運転者は、イメージソース1とフロントガラスによって反射された後の虚像の両方を見る可能性があるため、運転者の車両の運転に悪影響を与える。該遮光層60は、光線をフロントガラスの方向のみに出射させることができ、すなわち、運転者の角度からイメージソース1自体の画像を見ることができず、それにより、ユーザーが車両を運転する時に、ヘッドアップディスプレイシステムのスクリーンに実像を形成する時の輝度によりユーザーの視野に悪影響を与えることやユーザーのめまいを引き起こすことを回避することができ、運転中の安全性を向上させることができる。さらに、光線散乱層をさらに追加して、太陽光線などの外部光線の反射によるグレアを回避することができ、運転の安全性がさらに向上する。
【0076】
本開示の上記実施例のうえで、ヘッドアップディスプレイシステムは複数のマイクロレンズアレイ20を備え、各マイクロレンズアレイ20は、それに対応する複数の光源10から発せられた光線の光軸を異なる所定範囲100に収束し、異なるマイクロレンズアレイ20によって光線を反射結像装置30に出射し、前記反射結像装置の表面で反射し、反射された光線が異なる観察領域200に出射される。例えば、
図22に示すように、観察者が複数である場合、複数のマイクロレンズアレイ20を採用して、その結像模式図は
図22に示される。
図22では、2つのマイクロレンズアレイ20が2つの観察領域200を形成するため、それぞれ異なる観察者、例えば、運転者及び乗客、すなわち、2つのアイボックス範囲に対応することができる。理解できるように、2つのマイクロレンズアレイ20のそれぞれに対応する複数の光源10は、同じ又は異なる内容を表示することができるので、複数の視野角での同時観察が実現される。
【0077】
本実施例では、複数のマイクロレンズアレイ20を設置することにより、マイクロレンズアレイ20のそれぞれに対応する複数の光源10の光線を異なる観察領域200に集束し、複数の視野角での結像を実現することができ、両目が異なる観察領域200に位置するユーザーは、異なる又は同じ画像を同時に見ることができるため、ヘッドアップディスプレイシステムの実用性及び使用体験をさらに向上させる。
【0078】
本開示の上記実施例のうえで、ヘッドアップディスプレイシステムは、
図23に示すように、マイクロレンズアレイ20の光源10から離れる側に設置され、それを通過した光線をそれぞれ第1位置及び第2位置に出射する立体視形成層70をさらに備える。
【0079】
例えば、
図24に示すように、第1位置及び第2位置はそれぞれユーザーの左目及び右目であり、立体視形成層70は遮断層701を備え、遮断層701は間隔をあけて設置された複数の遮断ユニット7011を備え、遮断ユニット7011とマイクロレンズアレイ20との間には、予め設定された距離がある。説明の便宜上、
図24及び
図25において、いずれも、マイクロレンズアレイ20及び複数の光源10等の代わりにイメージソース1を使用することによって、解釈して説明する。
図24において、イメージソース1が6つの画素ユニットに対応し、遮断層701は5つの遮断ユニット7011を備えることを例として説明し、各画素ユニットは、少なくとも1つの光源10から発せられた光線を含む。図示されるように、遮断層701とイメージソース1との間に間隔があるので、遮断層701は光線を遮断することができ、従って、イメージソース1に対応する一部の画素ユニット(R1、R2、R3)から発せられた光線は左目の位置に到達することができず、それにより、左目は画素ユニットL1、L2、L3から発せられた光線のみを見ることができ、同様に、右目は画素ユニットR1、R2、R3から発せられた光線のみを見ることができる。従って、遮断層701はイメージソース1に対応する画素ユニットを2つの部分に分けることができ、例えば、画素ユニットL1、L2、L3である一部の画素ユニットから発せられた光線は左目の位置のみに到達することができ、例えば、画素ユニットR1、R2、R3である他の画素ユニットから発せられた光線は右目の位置のみに到達することができる。イメージソース1が異なる画素ユニットに対応することで、視差のある2種の画像を表示して、左目で見た画像と右目で見た画像との間に視差を有するようにし、ひいては立体視結像を実現する。遮断層701の各遮断ユニット7011の大きさ、及び遮断ユニット7011間の位置は、精密な計算して特別に設計されるものであるので、特定の位置で結像することができる。このようにして、観察者は特別な眼鏡を着用せずに立体視画像を見ることができるが、比較的良好な3D結像効果を見るために、観察者が特定の位置に位置する必要とする。
【0080】
あるいは、遮断層701の遮断ユニット7011は液晶素子又は回折格子を含む。遮断ユニット7011が液晶素子である場合、液晶素子の動作状態を制御することにより2D画像又は立体視画像の表示の切り替えを実現することができる。例えば、観察者が2D画像を見る必要がある場合、遮断層701中の液晶素子が遮断ユニットを形成しないような特定の配列状態になり、この時の画素ユニットが2D画像を正常に表示する。観察者が立体視画像を見る必要がある場合、遮断層701の液晶素子が遮断ユニットを形成して、画素ユニットは視差のある画像を表示することで、観察者が特定の位置で立体視画像を見ることができる。
【0081】
又は、第1位置及び第2位置はそれぞれユーザーの左目及び右目であり、立体視形成層70は複数の分光レンズを備える分光レンズ層702を含む。分光レンズは、具体的には、シリンドリカルレンズであってもよい。例えば、
図25に示すように、分光レンズ層702は、鉛直に設置された複数のシリンドリカルレンズを備え、且つ各シリンドリカルレンズは、2つの異なる列のイメージソース1の画素ユニットを少なくともカバーする。このシリンドリカルレンズは、1列の画素ユニットから発せられた光線を第1位置に出射し、もう1列の画素ユニットから発せられた光線を第2位置に出射することために用いられ、これにより立体視結像を実現することができる。
図25において、イメージソース1は12列の画素ユニットに対応し、分光レンズ層702は6つのシリンドリカルレンズを備え、各シリンドリカルレンズは2列の画素ユニットをカバーし、例えば、
図25における最上段のシリンドリカルレンズは画素ユニットR1及びL1をカバーする。シリンドリカルレンズの屈折特性に基づいて、シリンドリカルレンズの曲面を設置することにより、1列の画素ユニットから発せられた光線がシリンドリカルレンズを通過した後、第1位置に出射し、例えば、画素ユニットR1から発せられた光線は右目の位置に出射されるとともに、もう1列の画素ユニットから発せられた光線がシリンドリカルレンズを通過した後、第2位置に出射され、例えば、画素ユニットL1から発せられた光線は左目の位置に出射されるようにすることができる。シリンドリカルレンズの形状を高精度に設定することにより、一部の画素ユニットから発せられた光線が特定の位置に出射され、他の画素ユニットから発せられた光線が別の特定の位置に出射されるようにすることができる。すなわち、
図25に示すように、画素ユニットR1、R2、R3、R4、R5、R6等から発せられた光線は右目の位置に収束され、画素ユニットL1、L2、L3、L4、L5、L6等から発せられた光線は左目の位置に収束されることができ、ひいては観察者が特定の位置で立体視画像を見ることができる。例えば、本実施例におけるシリンドリカルレンズは光学柱状レンズであってもよく、液晶柱状レンズであってもよい。
【0082】
本実施例では、立体視形成層70を設置することにより、立体視表示を実現することができ、両目が第1位置及び第2位置に位置するユーザーは立体視画像を見ることができ、ヘッドアップディスプレイシステムの実用性及び使用体験をさらに向上させる。
【0083】
本開示の上記実施例のうえで、ヘッドアップディスプレイシステムは少なくとも1つの反射素子80をさらに備え、反射素子80はマイクロレンズアレイ20と反射結像装置30との間に設置され、反射素子80は、曲面反射素子801及び平面反射素子802のうちの少なくとも1つを備える。例えば、反射素子80がマイクロレンズアレイ20と反射結像装置30との間に設置されることは、反射素子80がマイクロレンズアレイ20から出射された画像の光線の光路に設置されることを意味する。解釈及び説明の便宜上、
図26及び
図27において、マイクロレンズアレイ20及び光源10等の代わりにイメージソース1を使用する。例えば、
図26に示すように、反射素子80は曲面反射素子801であってもよく、曲面反射素子801を設置することにより、ヘッドアップディスプレイシステムの虚像の結像距離を増加させることができ、また、曲面反射素子801は画像をある程度拡大する機能をさらに有する。
図27に示すように、反射素子80は平面反射素子802をさらに備え、平面反射素子802を追加することにより、光路に対して折畳みの作用を奏することができ、ヘッドアップディスプレイシステムの体積を減少させて、装置の適用性を高める。さらに、曲面反射素子801は自由曲面ミラーであってもよく、平面反射素子802はアルミニウム製平面ミラー又は平面誘電体膜ミラーであってもよく、本実施例は、これを制限しない。
【0084】
本実施例では、反射素子80は光線を反射結像装置30に反射しており、曲面反射素子801の凹んだ反射面はイメージソース1の結像領域を拡大することができるため、イメージソース1のサイズが小さいとしても、ヘッドアップディスプレイシステムはサイズの大きい虚像を形成することができ、平面反射素子802はヘッドアップディスプレイシステムの体積をさらに圧縮することができるため、ヘッドアップディスプレイシステムの取り付け及び使用が容易になる。
【0085】
本開示の実施例に係る上記解決手段では、複数の光源及びマイクロレンズアレイを設置することにより、マイクロレンズアレイを介して複数の光源から発せられた光線の光軸を所定範囲に収束し、集束された後の光線が反射結像装置に出射されて、反射結像装置の表面で反射され画像を形成する。光源から発せられた一定の発散角のある光線を同じ方向に向けることができ、それにより光源から出射された光線の利用率及び光線の輝度を高めることができ、同じ輝度が要求される場合には、本実施例に係るヘッドアップディスプレイシステムでは、低消費電力で輝度の高い画像を形成することができ、消費電力を減少させることができる。
【0086】
本実施例はアクティブ発光型イメージソースを提供し、
図28に示すように、該アクティブ発光型イメージソースは光線制御装置1000及び複数の光源104を備え、複数の光源104は異なる位置に分布して設置され、光線制御装置1000はコリメート素子107を備える。前記コリメート素子107は1つ又は複数の光源104をカバーしており、カバーされた光源104から発せられた光線をコリメートして出射するために用いられる。該アクティブ発光型イメージソースは光線集束素子105をさらに備える。前記光線集束素子105は、前記コリメート素子107の前記光源104から離れる側に設置されており、すべての前記光源104から発せられた光線を収束し、同じ位置、すなわち、
図2における予め設定された位置1062に収束するために用いられる。
図28に示すように、光線集束素子105は、複数のコリメート素子107に対応して設置されることができる。例えば、該予め設定された位置1062は予め設定された範囲であってもよく、光線集束素子105を通過した光線の光軸が該予め設定された範囲に向ける。
【0087】
本実施例では、コリメート素子107は、光線の出射方向を予め設定された角度範囲内に調整するために用いられ、
図1において、1つの光源に対して1つのコリメート素子107が設置されることを例として説明する。ここで、光源104は、例えば、LEDであってもよく、各LEDの表面には、LEDから発せられたの光線の多い部分が同じ方向に向けるように、LEDから発せられ拡散された光線をコリメートする1つのコリメート素子107が設置される。
【0088】
あるいは、コリメート素子107はコリメートレンズ又はコリメートフィルムであってもよく、該コリメートレンズは、凸レンズ、フレネルレンズ、及びレンズ組み合わせ(例えば、凸レンズと凹レンズとの組み合わせ、フレネルレンズと凹レンズとの組み合わせ等)のうちの1種又は複数種を含む。例えば、該コリメート素子107は凸レンズであってもよく、この場合、光源104は、光源104から発せられた異なる方向の光線がコリメート素子107を通過した後に平行に出射されることができるように、凸レンズと光源位置との間の距離である凸レンズの焦点距離に設置されてもよい。又は、該コリメート素子107は、コリメートフィルムであってもよく、例えばBEFフィルム(Brightness Enhancement Film、輝度向上フィルム)であり、光線の出射方向を予め設定された角度範囲内に調整し、例えば、光線をコリメートフィルムの法線の±35°の角度範囲内に集めるために用いられる。
【0089】
光源104は、具体的には、電界発光デバイスであってもよく、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)、白熱電球、レーザ、量子ドット光源等であり、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)、ミニ発光ダイオード(Mini LED)、マイクロ発光ダイオード(Micro LED)、冷陰極蛍光線管(Cold Cathode Fluorescent Lamp、CCFL)、電界発光ディスプレイ(Electroluminescent Display、ELD)、LED冷光源(Cold LED Light、CLL)、エレクトロルミネセント(Electro Luminescent、EL)、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display、FED)、タングステンハロゲンランプ、メタルハライドランプ等である。
【0090】
本実施例に係るアクティブ発光型イメージソースは、コリメート素子を介して、光源から発せられた光線をコリメートし、光源から発せられた散乱光を同じ方向に向けように調整し、光源の光線を散乱して出射することを回避し、また、光ファイバー収束素子を介して、コリメート素子から発せられた光線を収束することにより、光源から出射された光線の輝度を高めることができる。従来のアクティブ発光型イメージソースに比べて、同じ輝度が要求される場合、本実施例に係るアクティブ発光型イメージソースでは、低電力消費で十分な輝度を確保することができ、消費電力を削減することができる。
【0091】
あるいは、光線の収束を実現するために、該収束素子105を利用すること以外、各光源の光軸の向きを調整することもできる。
図29に示すように、前記光線制御装置1000は方向制御素子108をさらに備え、前記方向制御素子108は、1つ又は複数の光源104に対応し、対応する光源104の光軸の向きを調整し、対応する異なる位置での光源104から発せられた光線を収束するために用いられ、
図29に示すように、光源104から発せられた光線を予め設定された位置1062に収束する。
【0092】
本実施例では、複数の方向制御素子108を介して、光源104から発せられた光線の収束を実現する。例えば、
図29に示すように、異なる位置にいずれも光源104が設置される。
図29において、7つの光源104が設置されることを例として説明し、これに応じて、7つの方向制御素子108が設置されて、光源104から発せられた光線の方向を制御する。
図29に示すように、方向制御素子108は、複数の光源104から発せられた光線を予め設定された位置1062に収束する。
図29において、1062が1つの点位置であることを例として説明するが、本実施例における予め設定された位置1062は1つの非常に小さい領域であってもよく、すなわち、光源104から発せられた光線を該領域内に収束すればよい。例えば、異なる位置の方向制御素子108の向きを設定することにより、光源104から発せられた光線の方向を調整し、すなわち、光源の光軸の向きを調整して、光線の収束を実現する。
【0093】
あるいは、
図30に示すように、方向制御素子は凹んだ基板1081であり、前記光源104は前記基板1081の凹んだ凹面に設置され、且つ前記光源104の位置する平面は前記基板1081の凹面に接する。基板1081の形状を設定することにより、光源104の光軸方向を調整して、収束機能が実現される。
【0094】
あるいは、
図31に示すように、方向制御素子108は傾斜角度のあるレンズ1082であり、前記レンズ1082の光軸は前記予め設定された位置1062に向ける。レンズ1082の向きによって、光源104の光軸の調整が実現される。
【0095】
上記実施例のうえで、光線集束素子105又は方向制御素子108で収束を実現する際には、アクティブ発光型イメージソースの結像輝度が非常に高いが、結像が小さく、且つ視聴範囲が小さいため、多人数の視聴に適さない。本実施例では、該光線制御装置100は分散素子106をさらに備える。
図32又は
図33に示すように、分散素子106は、光線集束素子105の光源104から離れる側、又は方向制御素子108の光源104から離れる側に設置され、分散素子106は、光源104から発せられた光線を分散して、スポット1061を形成するために用いられる。
【0096】
図33を例として説明し、本実施例では、複数の方向制御素子108を介して、光源104から発せられた光線を収束する。例えば、
図33に示すように、異なる位置にはいずれも光源104が設置され、
図33において、7つの光源104が設置されることを例として説明し、これに応じて、7つの方向制御素子108が設置されて、光源104から発せられた光線の方向を制御する。
図33に示すように、分散素子106が存在しない場合、方向制御素子108は複数の光源104から発せられた光線を予め設定された位置1062に収束する。
図33において、1062が1つの点位置であることを例として説明するが、本実施例における予め設定された位置1062は1つの非常に小さい領域であってもよく、光源104から発せられた光線を該領域内に収束すればよい。例えば、異なる位置の方向制御素子108の向きを設定することにより、光源104から発せられた光線の方向を調整して、光線の収束が実現される。
【0097】
また、異なる位置での光線を非常に小さい範囲の予め設定された位置1062のみに収束する場合、該アクティブ発光型イメージソースは非常に小さい範囲内のみに結像するため、観察者はイメージソースによって形成された画像を見るのに不便である。本実施例では、分散素子106は、観察者は広い範囲でイメージソースの画像を見ることを簡単とするように、光を分散して、予め設定された形状の、結像範囲がより広いスポット1061を形成する。例えば、
図33における最左側の方向制御素子108を例として説明すると、
図33に示すように、分散素子106が存在しない場合、最左側の光源104から発せられた光線をAは光路aに沿って予め設定された位置1062に出射し、方向制御素子108の外部に分散素子106を設置した場合、分散素子106は光線Aを複数の光線(光線A1、光線A2等を含む)に分散してスポット1061である1つの範囲内に分散するので、観察者がスポット1061の範囲内に位置すると該アクティブ発光型イメージソースの画像を簡単に見ることができる。
【0098】
あるいは、分散素子106は、回折光学素子(Diffractive Optical Elements、DOE)を含むがこれに限定されず、例えば、ビームシェイパ(Beam Shaper)である。光線が回折光学素子を通過した後に分散されて、1つの特定の幾何学的形状の、その大きさ及び形状が回折光学素子の微細構造に決められるスポットを形成する。スポットの形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、バットウィングの形状を含むがこれらに限定されない。分散後のスポットの側面視方向での分散角は10°であってもよく、好ましくは5°であり、正面視方向での分散角は50°であってもよく、好ましくは30°である。
【0099】
方向制御素子108の数は複数であり、異なる方向制御素子108は異なる位置に設置され、異なる位置での光源から発せられた光線の出射方向を調整するために用いられ、異なる位置での光源から発せられた光線の出射方向がいずれも同じ予め設定された位置に向ける。
図33に示すように、
図33における方向制御素子108の数は7つである。1つの方向制御素子108は、1つの光源104から発せられた光線を調整してもよく、複数の光源104から発せられた光線を調整してもよく、本実施例では、これを限定しない。
【0100】
当業者が理解できるように、
図33において、分散素子106の分散作用を例示に説明しただけであり、分散素子106は光線をスポット1061の範囲内に分散することができ、光源104から発せられた光線をスポット1061内に完全に制限することではない。すなわち、光線Aが分散素子106を通過した後、より広い範囲のスポットを形成できる可能性があり、他の光源104から発せられた光線が分散素子106を通過した後他のスポットを形成してもよいが、すべての光源104から発せられた光線がいずれもスポット1061に到達しもよい。
【0101】
本実施例に係るアクティブ発光型イメージソースは、方向制御素子によって、異なる位置での光線を同じ位置に収束し、光線の輝度を高めることができ、また、分散素子によって光線を分散することにより、予め設定された形状のスポットを形成することができ、後続のスポット範囲内の結像に役を立つ。それにより、光線の輝度を高めるとともに、結像範囲を拡大することができる。
【0102】
上記実施例のうえで、方向制御素子108は、1つ又は複数の光源104から発せられた光線の出射方向を調整するために用いられる。
【0103】
方向制御素子108の位置する平面上の点(x,y,z)は、方程式
【数1】
を満たす。ここで、x
p、y
p、z
pはそれぞれ予め設定された位置1062のx軸座標、y軸座標及びz軸座標を表し、x
0、y
0、z
0はそれぞれ方向制御素子108の位置する平面上の1つの既知点のx軸座標、y軸座標及びz軸座標を表す。
【0104】
本実施例では、方向制御素子108の位置する平面とは、方向制御素子108が複数の光源104から発せられた光線の出射方向を調整するために用いられるときの複数の光源104が配列される平面である。すなわち、光線の出射方向は該方向制御素子108の位置する平面に垂直である。光線が向ける予め設定された位置1062を点Pとし、その座標を(x
p,y
p,z
p)とし、該方向制御素子108の位置する平面上の1つの既知点M
0の座標を(x
0,y
0,z
0)として設定される場合、光線の出射方向の対応するベクトルは、
【数2】
である。
【0105】
【数3】
は、方向制御素子108の位置する平面の法線ベクトルであり、(x
0,y
0,z
0)は該平面上の1つの点であり、点-法線ベクトル方程式から明らかなように、方向制御素子108の位置する平面上の点(x,y,z)は、下記の式を満たす。
【数4】
【0106】
また、アクティブ発光型イメージソースの収束効果を確保するために、方向制御素子108のサイズは可能な限り小さくする必要があり、方向制御素子108のサイズは、具体的には、実際のニーズに応じて設定することができる。方向制御素子108の位置する平面上の点(x,y,z)は、下記の値範囲を満たす。
【数5】
ここで、x
1、x
2、y
1、y
2、z
1、z
2は、各方向制御素子108の位置する位置に基づいて決定された値であり、且つ異なる方向制御素子108の対応するx
1、x
2、y
1、y
2、z
1、z
2の値は完全に同じではない。又は、
方向制御素子108の位置する平面上の点(x,y,z)は、下記の値範囲を満たす。
【数6】
ここで、△x
1、△x
2、△y
1、△y
2、△z
1、△z
2は、方向制御素子108のサイズの大きさに基づいて決定された値である。
【0107】
上記実施例のうえで、光線制御装置1000は遮光素子をさらに備え、遮光素子は光線制御装置の最外側に設置され、例えば、分散素子106の光源104から離れる側に設置され、遮光素子は、アクティブ発光型イメージソースの出射された光線の出射角を制限するために用いられる。ここでの遮光素子は、上記実施例における遮光素子と同じでもよく、重複する説明は省略する。
【0108】
上記実施例のうえで、方向制御素子108は反射素子をさらに備え、反射素子はランプカップを備え、ランプカップは反射面により囲まれた中空ハウジングであり、且つランプカップの開口方向がコリメート素子107に向け、ランプカップの開口から離れる末端が光源104を設置するために用いられる。
【0109】
また、本実施例に係るアクティブ発光型イメージソースは、上記実施例における立体視形成層をさらに備えてもよく、例えば、該立体視形成層は光学制御装置1000の光出射側に設置されてもよい。立体視形成層についての説明は上記実施例を参照することができ、重複する説明は省略する。例えば、本実施例に係るアクティブ発光型イメージソースの光源104の外形及び配列方式は、上記実施例における発光ダイオード101と同様であってもよく、重複する説明は省略する。本開示の別のいくつかの実施例によれば、ヘッドアップディスプレイをさらに提供し、該ヘッドアップディスプレイのイメージソースは上記実施例におけるいずれかのアクティブ発光型イメージソースである。また、該アクティブ発光型イメージソースのうえで、該ヘッドアップディスプレイは、
図27に示された反射素子80及び反射結像装置30をさらに備えてもよく、対応する配置は
図27及びその関連説明を参照することができ、重複する説明は省略する。
【0110】
本開示のいくつかの実施例によれば、アクティブ発光型イメージソースをさらに提供し、アレイ状に配列された複数の光源を備える光源アレイと、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、前記複数の光源から発せられた光線の光軸を収束する光線制御装置と、前記光線制御装置の光出射側に設置され、前記光線制御装置から出射された光線が通過した後に拡散され、前記光線制御装置から出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換する分散素子と、を備える。例えば、ここでの「光線制御装置」は、上記実施例におけるマイクロレンズアレイ20又は光線制御装置1000のいずれかであってもよい。本開示に係る実施例は、該アクティブ発光型イメージソースを備えるヘッドアップディスプレイをさらに提供し、該ヘッドアップディスプレイは、前記分散素子から発せられた光線を観察領域に出射するように、前記分散素子の光出射側に設置されてもよい。
【0111】
本開示の別のいくつかの実施例によれば、自動車をさらに提供し、該自動車は、上記実施例のいずれかに記載のヘッドアップディスプレイシステム、ヘッドアップディスプレイ又はアクティブ発光型イメージソースを備える。
【0112】
また、なお、
図28~34に基づき説明されたアクティブ発光型イメージソースは、上記実施例におけるヘッドアップディスプレイシステムにも適用できる。
【0113】
上記実施例に基いて、本開示は、以下の技術的解決手段を提供する。
【0114】
(1)、ヘッドアップディスプレイであって、アクティブ発光型イメージソースを備え、前記アクティブ発光型イメージソースは、イメージソース基板と、全てが前記イメージソース基板に設置され、且つ前記イメージソース基板の同じ側に設置された複数の光源とを備え、前記光源の外形が円形であり、且つ複数の光源が緊密に配列され、又は前記光源の外形が矩形であり、且つ複数の光源が完全に緊密に配列され、又は前記光源の外形が六角形であり、且つ複数の光源が完全に緊密に配列され、又は前記光源の外形が八角形であり、且つ複数の光源が緊密に配列され、又は前記光源の外形が円形又は八角形であり、複数の光源が緊密に配列され、且つ4つの前記光源間の隙間には、大きさが前記隙間に合わせるサブ光源が追加して設置され、又は複数の前記光源は、フロントガラスの第2歪み形態と反対で且つ対応する関係のある第1歪み形態に従って配列される。
【0115】
(2)、(1)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記アクティブ発光型イメージソースは、光線制御装置及び複数の光源を備え、複数の前記光源は異なる位置に分布して設置され、前記光線制御装置はコリメート素子及び光線集束素子を備え、前記コリメート素子は、1つ又は複数の光源をカバーしており、カバーされた光源から発せられた光線をコリメートして出射するために用いられ、前記光線集束素子は、前記コリメート素子の前記光源から離れる側に設置されており、全ての前記光源から発せられた光線を収束するために用いられる。
【0116】
(3)、(2)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記光線制御装置は方向制御素子をさらに備え、前記方向制御素子は、1つ又は複数の光源に対応しており、対応する光源の光軸の向きを調整し、対応する異なる位置での光源から発せられた光線を収束するために用いられる。
【0117】
(4)、(3)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記方向制御素子の数は複数であり、且つ異なる方向制御素子は異なる位置に設置されており、異なる位置での光源から発せられた光線の出射方向を調整するために用いられ、且つ異なる位置での光源から発せられた光線の出射方向はいずれも同じ予め設定された位置に向ける。
【0118】
(5)、(3)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記方向制御素子は、1つ又は複数の光源から発せられた光線の出射方向を調整するために用いられ、前記方向制御素子の位置する平面上の点は、下記方程式を満たす。
【数7】
ここで、x
p、y
p、z
pは、それぞれ前記予め設定された位置のx軸座標、y軸座標及びz軸座標を表し、x
0、y
0、z
0はそれぞれ前記方向制御素子の位置する平面上の1つの既知点のx軸座標、y軸座標及びz軸座標を表す。
【0119】
(6)、(3)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記方向制御素子は凹んだ基板であり、前記光源が前記基板の凹面に設置され、且つ前記光源の位置する平面が前記基板の凹面に接し、又は前記方向制御素子は傾斜角度のあるレンズであり、前記レンズの光軸が前記予め設定された位置に向ける。
【0120】
(7)、(3)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記方向制御素子は反射素子をさらに備え、前記反射素子は、ランプカップを備え、前記ランプカップは反射面により囲まれた中空ハウジングであり、且つ前記ランプカップの開口方向が前記コリメート素子に向け、前記ランプカップの開口から離れる末端が光源を設置するために用いられる。
【0121】
(8)、(2)~(7)のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記光線制御装置は分散素子をさらに備え、前記分散素子は、前記光線集束素子の前記光源から離れる側、又は前記方向制御素子の前記光源から離れる側に設置され、前記分散素子は、前記光源から発せられた光線を分散して、スポットを形成するために用いられる。
【0122】
(9)、(2)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記アクティブ発光型イメージソースは遮断層をさらに備え、前記遮断層は、前記コリメート素子の前記光源から離れる側に設置され、且つ前記遮断層と前記コリメート素子との間には、予め設定された距離があり、前記遮断層は、間隔をあけて設置された複数の遮断ユニットを備える。
【0123】
(10)、(9)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記遮断ユニットは液晶素子であり、又は前記遮断層はモノリシック液晶素子であり、前記モノリシック液晶の液晶セルの動作状態を制御することにより、間隔をあけて設置された複数の遮断ユニットを形成する。
【0124】
(11)、(2)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記アクティブ発光型イメージソースは柱状レンズ層をさらに備え、前記柱状レンズ層は前記コリメート素子の前記光源から離れる側に設置され、前記柱状レンズ層は、鉛直に設置された複数の柱状レンズを備え、且つ各柱状レンズは2つの異なる列の光源を少なくともカバーし、前記柱状レンズは、1列の光源から発せられた光線を第1位置に出射し、もう1列の光源から発せられた光線を第2位置に出射するために用いられる。
【0125】
(12)、(2)~(11)のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記光線制御装置は遮光素子をさらに備え、前記遮光素子は、前記光線制御装置の最外側に設置され、前記ヘッドアップディスプレイから出射された光線の出射角を制限するために用いられる。
【0126】
(13)、(12)に記載のヘッドアップディスプレイであって、前記遮光素子は、予め設定された高さのある複数の遮光バリアを備え、且つ前記遮光バリアの高さ方向はフロントガラスに向ける。
【0127】
(14)、(1)に記載のヘッドアップディスプレイであって、反射鏡及び曲面鏡をさらに備え、前記曲面鏡は凹んだ反射面を有し、前記反射鏡は、前記アクティブ発光型イメージソースから出射された光線の出射経路に設置され、前記アクティブ発光型イメージソースから発せられた光線を前記曲面鏡に反射するために用いられ、前記曲面鏡は前記反射鏡から発せられた光線を結像領域に反射するために用いられることを特徴とする。
【0128】
以上は本開示の例示的な実施形態に過ぎず、当業者にとって、本開示の技術的原理を逸脱しない前提で、さらに様々な改良や修飾を行うことができ、これらの改良や修飾は本開示の特許請求の範囲と見なすべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドアップディスプレイシステムであって、
予め設定された規則に従って配列される複数の光源と、
複数のマイクロレンズを備え、各前記マイクロレンズが1つ又は複数の前記光源に対応し、それに対応する1つ又は複数の前記光源から発せられた光線の光軸方向を調整するマイクロレンズアレイであって、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、前記複数の光源から発せられた光線の光軸を収束するマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置される反射結像装置であって、前記複数の光源から発せられた光線が前記マイクロレンズアレイを通過した後、前記反射結像装置に出射して前記反射結像装置の表面で反射され、反射された光線が観察領域に出射される反射結像装置と、を備えるヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項2】
前記複数の光源のうちの少なくとも一部は、発光して画像の光線を形成するように独立して制御されるように構成される、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項3】
前記予め設定された範囲の面積は前記観察領域の面積よりも小さい
であること、または、前記予め設定された規則は前記複数の光源が第1方向及び前記第1方向と異なる第2方向に沿って拡がって配列されることを含むこと、の少なくとも一方である、請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項4】
前記マイクロレンズは集光マイクロレンズを備える、請求項
3に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項5】
前記集光マイクロレンズは、前記光源の光出射方向において前記光源と1対1で対応して設置される凸レンズであ
り、または、第1方向に沿って拡がって配列された前記複数の光源の光出射方向において対応して設置された第1シリンドリカルレンズを備える、請求項
4に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項6】
前記集光マイクロレンズが前記凸レンズである場合、前記凸レンズの主軸は対応する前記光源から発せられた光線の光軸と重ならな
く、または、
前記集光マイクロレンズが第1シリンドリカルレンズを備える場合、第1方向に沿って拡がって配列された前記複数の光源の前記光軸が位置する平面は前記第1シリンドリカルレンズの主軸と完全に重なることがない第1平面である、請求項
5に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項7】
前記集光マイクロレンズは、前記第1シリンドリカルレンズと前記反射結像装置との間に設置され、主軸が前記第1シリンドリカルレンズの主軸と直交する第2シリンドリカルレンズをさらに備える、請求項
6に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項8】
前記複数の光源は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードのうちの少なくとも1つを備える
こと、または、電界によって励起されて光線を生成することの少なくともい一方である、請求項1~
7のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項9】
前記発光ダイオードの外形及び配列方式は、
前記発光ダイオードの外形が円形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が三角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が矩形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が六角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が八角形であり、且つ前記複数の発光ダイオードが緊密に配列されること、
前記発光ダイオードの外形が円形又は八角形であり、前記複数の発光ダイオードが緊密に配列され、且つ4つごとの前記発光ダイオード間の隙間には、大きさが前記隙間のサイズに合わせる発光ダイオードが追加して設置されること、及び
複数の前記発光ダイオードが、前記反射結像装置の第2歪み形態と反対で且つ対応する関係のある第1歪み形態に従って、配列されることのうちの少なくとも1つである、請求項
8に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項10】
前記ヘッドアップディスプレイシステムは
、分散素子
、遮光素子、立体視形成層、少なくとも1つの反射素子、または発光制御ユニットの少なくともいずれか一つをさらに備え、
前記分散素子は、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、前記マイクロレンズアレイから出射された光線が前記分散素子を通過した後に拡散され、拡散された後の光線が前記反射結像装置に出射され
、
前記遮光素子は、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の出射角を制限し、
前記立体視形成層は、前記マイクロレンズアレイの前記光源から離れる側に設置され、それを通過した光線をそれぞれ第1位置及び第2位置に出射し、
前記反射素子は、前記マイクロレンズアレイと前記反射結像装置との間に設置され、
曲面反射素子及び平面反射素子のうちの少なくとも1つを備え、
前記発光制御ユニットは、前記複数の光源に電気的に接続され、前記複数の光源の発光状態を制御して画像の光線を形成する、請求項1~
9のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項11】
前記分散素子は
、回折光学素子及び散乱光学素子のうちの少なくとも1つを備える
ことまたは、前記マイクロレンズアレイから出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換することの、少なくとも一方である、請求項
10に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項12】
前記立体視形成層は、間隔をあけて設置された複数の遮断ユニット、または複数の分光レンズを備える分光レンズ層を備え、
前記遮断ユニットと前記マイクロレンズアレイとの間に、予め設定された距離がある、請求項10または11に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項13】
前記ヘッドアップディスプレイシステムは複数のマイクロレンズアレイを備え、
各前記マイクロレンズアレイは、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が異なる所定範囲に向けるように、それに対応する複数の前記光源から発せられた光線の光軸を収束し、
前記マイクロレンズアレイは光線を前記反射結像装置に出射し、前記反射結像装置の表面で反射され、反射された光線が異なる観察領域に出射される、請求項1~1
2のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項14】
前記複数のマイクロレンズのうちの少なくとも2つの主軸は、前記マイクロレンズアレイから出射された光線の光軸が前記所定範囲に向けるように、互いに異なる、請求項1~13のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項15】
アクティブ発光型イメージソースであって、
アレイ状に配列された複数の光源を備える光源アレイと、
前記
光線制御装置から出射された光線の光軸が所定範囲に向けるように、前記複数の光源から発せられた光線の光軸を収束する光線制御装置と、
前記光線制御装置の光出射側に設置され、前記光線制御装置から出射された光線が通過した後に拡散され、前記光線制御装置から出射された光線を予め設定された断面形状を有するビームに変換する分散素子と、を備える、アクティブ発光型イメージソース。
【請求項16】
請求項
15に記載のアクティブ発光型イメージソースと、前記分散素子の光出射側に設置されて、前記分散素子から発せられた光線を観察領域に出射する反射結像装置と、を備える、ヘッドアップディスプレイ。
【請求項17】
請求項1~
14のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイシステム又は請求項
16に記載のヘッドアップディスプレイを備える自動車。
【国際調査報告】