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特表2022-533670メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式
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  • 特表-メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
H04B7/08 372A
H04B7/08 052A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568835
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2020033614
(87)【国際公開番号】W WO2020236824
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】62/851,032
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500274271
【氏名又は名称】オーディオテクニカ ユーエス インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,ロバート・ティ
(72)【発明者】
【氏名】フェア,ブライアン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,ジャクリン・エイ
(57)【要約】
一実施形態は、メディアシステム(100)のカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供する方法を提供する。この方法は、メディアシステムのアンテナモジュール(30)において、アンテナモジュール(30)の受信機アンテナ(40)を介して、メディアシステム(100)の送信機(20)からブロードバンド無線周波数(RF)信号をワイヤレス受信するステップと、アンテナモジュール(30)のコンバータ回路(45)を介して、ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換するステップと、アンテナモジュール(30)のプロセッサユニット(46)を介して、デジタルベースバンド成分にダイバーシティ処理を適用することによって単一のデジタルデータストリームを生成するステップと、単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブル(60)を通してメディアシステム(100)の別のデバイス(65)に出力するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアシステム(100)のカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供する方法であって、前記方法は、
前記メディアシステムのアンテナモジュール(30)において、
前記アンテナモジュール(30)の受信機アンテナ(40)を介して、前記メディアシステム(100)の送信機(20)からブロードバンド無線周波数(RF)信号をワイヤレス受信するステップと、
前記アンテナモジュール(30)のコンバータ回路(45)を介して、前記ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換するステップと、
前記アンテナモジュール(30)のプロセッサユニット(46)を介して、前記デジタルベースバンド成分にダイバーシティ処理を適用することによって単一のデジタルデータストリームを生成するステップと、
前記単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブル(60)を通して前記メディアシステム(100)の別のデバイス(65)に出力するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記アンテナモジュール(30)は、前記ネットワークケーブル(60)を介して前記別のデバイス(65)に直接接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ブロードバンドRF信号は、高周波(HF)という帯域指定を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ブロードバンドRF信号は、複数の個別のナローバンド信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生成するステップは、
前記デジタルベースバンド成分を前記ナローバンド信号に分解するステップと、
ダイバーシティ合成アルゴリズムを前記ナローバンドベースバンド信号に適用することにより、前記ナローバンドベースバンド信号を結合して前記単一のデジタルデータストリームを合成するステップとを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アンテナモジュール(30)の各受信機アンテナ(40)は、前記アンテナモジュール(30)のその他のいずれの受信機アンテナ(40)とも共有されない、対応するコンバータ回路(45)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アンテナモジュール(30)は、2つ以上の受信機アンテナ(40)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセッサユニット(46)は、前記コンバータ回路(45)と同一の場所にある、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワークケーブル(60)は、イーサネットケーブルまたは光ファイバーケーブルのうちの一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記デバイス(65)は、
前記単一のデジタルデータストリームを処理し、
前記メディアシステム(100)の1つ以上のその他のデバイス(90,95)に出力し前記1つ以上のその他のデバイス(90,95)とインターフェイスするように、構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
メディアシステム(100)であって、前記メディアシステム(100)は、前記メディアシステム(100)のカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供し、前記メディアシステムは、
マスタ処理デバイス(65)と、
少なくとも1つの送信機(20)と、
少なくとも1つのアンテナモジュール(30)とを備え、各アンテナモジュール(30)は、
前記アンテナモジュール(30)の受信機アンテナ(40)を介して、前記少なくとも1つの送信機(20)からブロードバンド無線周波数(RF)信号をワイヤレス受信し、
前記アンテナモジュール(30)のコンバータ回路(45)を介して、前記ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換し、
前記アンテナモジュール(30)のプロセッサユニット(46)を介して、前記デジタルベースバンド成分にダイバーシティ処理を適用することによって単一のデジタルデータストリームを生成し、
前記単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブル(60)を通して前記マスタ処理デバイス(65)に出力する
ように、構成されている、メディアシステム(100)。
【請求項12】
各アンテナモジュール(30)は、ネットワークケーブル(60)を介して前記マスタ処理デバイス(65)に直接接続される、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項13】
ブロードバンドRF信号は、高周波(RF)という帯域指定を有する、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項14】
前記ブロードバンドRF信号は、複数の個別のナローバンド信号を含む、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項15】
前記生成は、
前記デジタルベースバンド成分を前記ナローバンド信号に分解することと、
ダイバーシティ合成アルゴリズムを前記ナローバンドベースバンド信号に適用することにより、前記ナローバンドベースバンド信号を結合して前記単一のデジタルデータストリームを合成することとを含む、請求項14に記載のメディアシステム(100)。
【請求項16】
各アンテナモジュール(30)の各受信機アンテナ(40)は、前記アンテナモジュール(30)のその他のいずれの受信機アンテナ(40)とも共有されない、対応するコンバータ回路(45)を有する、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項17】
各アンテナモジュール(30)は、2つ以上の受信機アンテナ(40)を含む、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項18】
前記プロセッサユニット(46)は、前記コンバータ回路(45)と同一の場所にある、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項19】
前記ネットワークケーブル(60)は、イーサネットケーブルまたは光ファイバーケーブルのうちの一方である、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項20】
前記マスタ処理デバイス(65)は、
前記単一のデジタルデータストリームを処理し、
前記メディアシステム(100)の1つ以上のその他のデバイス(90,95)に出力し前記1つ以上のその他のデバイス(90,95)とインターフェイスするように、構成されている、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、本明細書に引用により援用する、2019年5月21日に出願された米国仮特許出願第62/851,032号に基づく優先権を主張する。
【0002】
技術分野
1つ以上の実施形態は、概してメディアシステムに関し、具体的には、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
メディアシステムは、1つ以上のオーディオおよび/またはビデオデータストリームを1つ以上のソースから受信し、データストリームを処理し、結果として得られた、処理された1つ以上のデータストリームを、オーディオ再生、ビデオ表示、記録および/または保存のために、1つ以上のデバイス(たとえば表示装置、記録装置、スピーカ装置、記憶装置など)に配信するように、構成されている。典型的に、従来のメディアシステムの各トランシーバは、最大で24の送信機からのデータストリームのワイヤレス受信に限定/制限されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
一実施形態は、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供する方法を提供する。この方法は、メディアシステムのアンテナモジュールにおいて、アンテナモジュールの受信機アンテナを介して、メディアシステムの送信機からブロードバンド無線周波数(RF)信号をワイヤレス受信するステップと、アンテナモジュールのコンバータ回路を介して、ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換するステップと、アンテナモジュールのプロセッサユニットを介して、デジタルベースバンド成分にダイバーシティ処理を適用することによって単一のデジタルデータストリームを生成するステップと、単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブルを通してメディアシステムの別のデバイスに出力するステップとを含む。
【0005】
別の実施形態は、メディアシステムを提供し、メディアシステムは、このメディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供する。このメディアシステムは、マスタ処理デバイスと、少なくとも1つの送信機と、少なくとも1つのアンテナモジュールとを備える。各アンテナモジュールは、アンテナモジュールの受信機アンテナを介して、少なくとも1つの送信機からブロードバンドRF信号をワイヤレス受信し、アンテナモジュールのコンバータ回路を介して、ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換し、アンテナモジュールのプロセッサユニットを介して、デジタルベースバンド成分にダイバーシティ処理を適用することによって単一のデジタルデータストリームを生成し、単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブルを通してマスタ処理デバイスに出力するように、構成されている。
【0006】
本発明のこれらおよびその他の特徴、局面、および利点は、以下の説明、下記請求項、および添付の図面を参照すると理解されるであろう。
【0007】
本発明とみなされる主題は、本明細書の最後の特許請求の範囲において具体的に示され明確にクレームされる。本発明の上記およびその他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに考慮することで、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る、プロフェッショナルメディアシステムの一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る、アンテナモジュールの一例を示す図である。
図3】一実施形態に係る、マスタ処理デバイスの一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を実現するプロセスの一例のフローチャートを示す図である。
図5】開示されている実施形態を実現するのに有効なコンピュータシステムを含む情報処理システムを示すハイレベルブロック図である。
【0009】
詳細な説明は、図面を参照しながら例示のために本発明の好ましい実施形態を利点および特徴とともに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
1つ以上の実施形態は、概してメディアシステムに関し、具体的には、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供するシステムおよび方法に関する。一実施形態は、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供する方法を提供する。この方法は、メディアシステムのアンテナモジュールにおいて、アンテナモジュールの受信機アンテナを介して、メディアシステムの送信機からブロードバンド無線周波数(RF)信号をワイヤレス受信するステップと、アンテナモジュールのコンバータ回路を介して、ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換するステップと、アンテナモジュールのプロセッサユニットを介して、デジタルベースバンド成分にダイバーシティ処理を適用することによって単一のデジタルデータストリームを生成するステップと、単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブルを通してメディアシステムの別のデバイスに出力するステップとを含む。
【0011】
別の実施形態は、メディアシステムを提供し、メディアシステムは、このメディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供する。このメディアシステムは、マスタ処理デバイスと、少なくとも1つの送信機と、少なくとも1つのアンテナモジュールとを備える。各アンテナモジュールは、アンテナモジュールの受信機アンテナを介して、少なくとも1つの送信機からブロードバンドRF信号をワイヤレス受信し、アンテナモジュールのコンバータ回路を介して、ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換し、アンテナモジュールのプロセッサユニットを介して、デジタルベースバンド成分にダイバーシティ処理を適用することによって単一のデジタルデータストリームを生成し、単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブルを通してマスタ処理デバイスに出力するように、構成されている。
【0012】
メディアシステムの例は、ワイヤレスマイクロフォンシステム等のワイヤレスシステム、パブリックアドレス(PA)システム、オーディオブロードキャストシステム等のブロードキャストシステム、オーディオビジュアル(AV)システム、および、放送局(たとえばラジオ放送局、TV放送局など)、フェスティバル、フェア、映画スタジオ、会議、企業イベント、礼拝所、スポーツリーグ、学校、録音スタジオ(すなわち音声の録音、ミキシング、およびオーディオ生成のための設備)、オーディオポスト生成のための設備、プログラミングネットワーク、劇場、会場(たとえばスポーツ会場、音楽会場など)が運営する、その他の種類のプロフェッショナルオーディオシステムまたはプロフェッショナルビデオシステムを含むが、これらに限定されるものではない。
【0013】
説明の目的のために、本明細書で使用される「メディアデバイス」という用語は、概して、メディアシステムで利用されるメディアデバイスを意味する。さまざまなメディアデバイスの例は、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス(たとえばスマートウォッチ)、任意の他の種類のモバイル電子デバイス、デスクトップコンピュータ、スマート機器(たとえばスマートスピーカ、スマートテレビ)、モノのインターネット(IoT)デバイス、マイクロコントローラユニット(MCU)、トランシーバ、送信機、マイクロフォン、ワイヤレスマイクロフォン、増幅器、オーディオミキサ、録音装置、任意の他の種類のプロフェッショナルオーディオ機器等のプロフェッショナルオーディオ機器、ワイヤレスマイクロフォンシステム、ブロードキャストシステム、パブリックアドレスシステム、および他のプロフェッショナルオーディオシステム等のプロフェッショナルオーディオシステムを含むが、これらに限定されるものではない。
【0014】
本発明は、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大アンテナダイバーシティを提供するメディアシステムおよび方法に関する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る、一例としてのプロフェッショナルメディアシステム100を示す。システム100は、1つ以上のワイヤレスモバイルデバイス10(たとえばモバイルデバイス1,・・・,モバイルデバイスm)を含む。一実施形態において、各モバイルデバイス10は、別のデバイスとの間でデータをワイヤレスでやり取りすることが可能なメディアデバイスである。モバイルデバイス10の例は、ハンドヘルドまたはボディ着用ワイヤレスマイクロフォン等のワイヤレスマイクロフォン、インイヤーモニタ、オンエア中のタレントにキューを出すために使用されるメディアデバイス、バックステージ通信のためのインターコムシステムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0016】
各モバイルデバイス10は、対応する送信機20を有する。モバイルデバイス10に対応する送信機20は、モバイルデバイス10自体と一体化されている、または、モバイルデバイス10に接続/連結された別個の1つの機器(たとえばボディパック送信機)である。モバイルデバイス10に対応する送信機20は、モバイルデバイス10によって捕捉されたデータストリームをワイヤレス送信する(たとえばオーディオ信号、ビデオ信号などをワイヤレス送信する)ように構成されるとともに、信号(たとえば同期パルス、時間同期情報、動作モード等の、モバイルデバイス10の1つ以上のパラメータ/設定を調整するための命令を含む制御コマンド)をワイヤレス受信するように構成されている。一実施形態において、メディアシステムの送信機20がワイヤレス送信するデータストリームは、RF信号を含む。たとえば、一実施形態において、データストリームは、ブロードバンドRF信号を含む。
【0017】
一実施形態において、各モバイルデバイス10および対応する送信機20は、特定のアプリケーション/用途に対応付けられる。たとえば、システム100が、イベント(たとえばコンサート、授賞式、スポーツイベントなど)で利用/運用されるワイヤレスマイクロフォンシステムであると仮定すると、システム100の少なくとも1つのモバイルデバイス10は、ワイヤレスマイクロフォンであり、システム100の少なくとも1つの送信機20は、このワイヤレスマイクロフォンに対応するマイクロフォン送信機ユニット(MTU:microphone transmitter unit)である。システム100の1つのMTU20は、このイベントにおけるオンエア中のタレント/パフォーマー(たとえばヴォーカリスト、実況放送のコメンテータ)のためのものであり、システム100のもう1つのMTU20は、同じイベントにおける異なるオンエア中のタレント/パフォーマー(たとえばギタリスト、カラーコメンテータ)のためのものである。
【0018】
一実施形態において、モバイルデバイス10および/または送信機20は、送信のためにデジタルワイヤレス技術を利用するデジタルワイヤレスメディアデバイス10である。別の実施形態において、モバイルデバイス10および/または送信機20は、送信(たとえば周波数変調(FM)を用いるRFを介したアナログオーディオの送信)のために従来のアナログワイヤレス技術を利用するアナログワイヤレスメディアデバイスである。
【0019】
システム100は、1つ以上のアンテナモジュール(すなわちコンポーネント、デバイス、またはノード)30(たとえばアンテナモジュール1,・・・,アンテナモジュールn)をさらに含む。システム100の各アンテナモジュール30は、2つ以上の受信機アンテナ40を含む。各受信機アンテナ40は、システム100の少なくとも1つの送信機20から少なくとも1つのデータストリームをワイヤレス受信するように構成されている。
【0020】
一実施形態において、各受信機アンテナ40は、システム100の送信機20からRF信号を含むデータストリームをワイヤレス受信するための単一のアンテナを含む。別の実施形態において、各受信機アンテナ40は、システム100の少なくとも1つの送信機20からRF信号を含む少なくとも1つのデータストリームをワイヤレス受信するための複数のアンテナ(たとえばマイクロストリップアンテナ素子の平面アレイを含むフレキシブルプリント回路基板(PCB)等のアンテナのダイバーシティ)を含む。
【0021】
一実施形態において、システム100の少なくとも1つのアンテナモジュール30は、任意で1つ以上の送信機アンテナ(図示せず)を含む。各送信機アンテナは、システム100の送信機20に信号(たとえば同期パルス)をワイヤレス送信することにより、送信機アンテナが送信機20から受信するデータストリームのタイミングおよび同期を調整するように、構成されている。
【0022】
一実施形態において、システム100の少なくとも1つのアンテナモジュール30は、トランシーバ(すなわち信号を送信しデータストリームを受信するアンテナ/トランシーバノード)として動作する。
【0023】
別の実施形態において、システム100の少なくとも1つのアンテナモジュール30は、専ら受信機(すなわち専らデータストリームを受信するアンテナ/受信機ノード)として動作する。たとえば、システム100の少なくとも1つのアンテナモジュール30は、何の送信機アンテナも有しない。別の例として、システム100の少なくとも1つのアンテナモジュール30に含まれる各送信機アンテナは、無効にされる。
【0024】
一実施形態において、各アンテナモジュール30は、アンテナモジュール30の各受信機アンテナ40ごとに、対応する独立したコンバータ回路45(図2)を含み、当該独立したコンバータ回路45は、受信機アンテナ40を介して受信したブロードバンドRF信号を、1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に/速やかに変換するように構成される。一実施形態において、ブロードバンドRF信号は、高周波(HF:high-frequency)という帯域指定を有する。一実施形態において、ブロードバンドRF信号は、独立した/個別のナローバンド信号を含む。
【0025】
一実施形態において、各アンテナモジュール30は、少なくとも1つのプロセッサユニット46(図2)を含み、プロセッサユニット46は、(1)プロセッサユニット46と同一の場所にある(すなわちコンバータ回路45の近傍に位置する)アンテナモジュール30のコンバータ回路45からデジタルベースバンド成分を受信し、(2)デジタルベースバンド成分に対してダイバーシティ処理を実行することにより、単一のデジタルデータストリームを発生/生成するように、構成されている。受信機アンテナ40を介して受信したブロードバンドRF信号は、その他の処理および出力のためにシステム100の他のコンポーネントに送られる前に、(対応するコンバータ回路45を介して)速やかにベースバンド信号に変換され(同一の場所にあるプロセッサユニット46を介して)処理される。
【0026】
一実施形態において、システム100は、マスタ処理デバイス65を含む。システム100の各アンテナモジュール30ごとに、アンテナモジュール30は、ネットワークケーブル60を介したマスタ処理デバイス65への直接接続(すなわち逆配線)を有する。システム100の各アンテナモジュール30は、マスタ処理デバイス65と通信するための有線インターフェイスを有する。一実施形態において、有線インターフェイスは、イーサネット(登録商標)ネットワークインターフェイスカードである。別の実施形態において、有線インターフェイスは、光ファイバーネットワークインターフェイスカードである。システム100の各アンテナモジュール30は、その有線インターフェイスを介して、アンテナモジュール30のプロセッサユニット46が生成したデジタルデータストリームを、ネットワークケーブル60が提供するデジタルケーブル接続を通してマスタ処理デバイス65に送信するように、構成されている。マスタ処理デバイス65は、システム100の少なくとも1つのアンテナモジュール30とインターフェイスし、この少なくとも1つのアンテナモジュール30から受信した少なくとも1つのデジタルデータストリームを処理し、他の処理および出力のために、メディア処理デバイス90(図3)、メディア出力デバイス95(図3)などのようなシステム100の1つ以上の他のコンポーネントに出力しこの1つ以上の他のコンポーネントとインターフェイスするように、構成されている。メディア処理デバイス90は、処理(たとえばオーディオミキシングなど)のために構成されたメディアデバイスである。メディア出力デバイス95は、出力(たとえばビデオ表示、オーディオ再生など)のために構成されたメディアデバイスである。
【0027】
ネットワークケーブル60の例は、イーサネットケーブル(たとえばCat5ケーブル)、光ファイバーケーブル、またはデータ転送のために使用される任意の他の標準ケーブルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0028】
アンテナモジュール30は、その受信機アンテナ40を介して受信したRF信号をナローバンドベースバンド信号にローカルで変換し、ベースバンド信号をデジタルデータにローカルで処理するので、システム100は、すべてのRF処理をアンテナモジュール30自体で行うことを可能にし、よって、デジタルデータストリームのみを、システム100の他のコンポーネント(たとえばマスタ処理デバイス65、メディア処理デバイス90、メディア出力デバイス95など)に送信する必要がある。
【0029】
従来のメディアシステムは、最大32の受信機/トランシーバおよび最大24の送信機の動作を許容する。典型的に、従来のメディアシステムの各受信機またはトランシーバは、最大24の送信機からのデータストリームのワイヤレス受信に限定/制限されている。これと比較して、一実施形態において、システム100は、無制限の数の受信機アンテナ40および/またはアンテナモジュール30を、アンテナ位相相互作用、ケーブル損失、RF干渉、相互変調または結合などであるがこれらに限定されない負の効果を生じさせることなく、アプリケーション空間(たとえば会場)に地理的に分散させることができる、最大ワイヤレスダイバーシティ方式を提供する。システム100は、任意の数の受信機アンテナ40を、アプリケーション空間全体にわたって設置/配置すること、またはアプリケーション空間においてデプロイする/分散させることを可能にすることにより、負の効果を受けることなくまたはRF信号調整/分配の何の要求も受けることなく、カバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善/増大させる。これは、ネットワーク/プロトコルシステムとインターフェイスする場合、周波数調整、アクセサリアンテナおよび配電箱の使用、カスタムまたは高額フィルタの接続、高額ケーブルの構築および配線、受信機の大型ラックへの空間およびパワーの割当、アンテナ分配ギア、ならびにデジタル出力デバイス(MADIまたはDante等)のためのブレークアウトを、慎重に考慮しなければならない、従来のメディアシステムとは異なる。一実施形態において、システム100は、アプリケーション空間における任意の数の受信機アンテナ40および/またはアンテナモジュール30を許容するので、システム100は、単一のシステム100を介して多数のオーディオチャネル(たとえば128のオーディオチャネル)を効率良く処理することを容易にすることにより、最大信号ロバストネスを可能にする。より多くの受信機アンテナ40を追加する能力は、システム100のダイバーシティ性能を、システム100の他のコンポーネント(たとえばマスタ処理デバイス65、メディア処理デバイス90、メディア出力デバイス95など)の何の変更も要求することなく、改善する。
【0030】
一実施形態において、受信機アンテナ40および/またはアンテナモジュール30は、システム100の他のコンポーネント(たとえばマスタ処理デバイス65、メディア処理デバイス90、メディア出力デバイス95など)の何の変更も要求することなく柔軟に構成されている。たとえば、システム100は、受信機アンテナ40/アンテナモジュール30の調整、たとえば、受信機アンテナ40/アンテナモジュール30が動作するように構成された周波数の調整および/またはブロードバンドRF信号のフィルタリングの調整等を、システム10の他のコンポーネントの調整を要求することなく、可能にする。受信機アンテナ40/アンテナモジュール30は、システム100の他のコンポーネントに影響を与えないように個別に構成することができ、そうすることで、システム100を、モジュール方式で配置/構成することを可能にするとともに、従来のRF受信機を含む機器のラックを維持する必要性をなくす。さらに、受信機アンテナ40/アンテナモジュール30は、特定のジョブまたはアプリケーション(たとえば特定のオーディオプロジェクト)を実行するために必要な/要求されるジョブ固有のまたはアプリケーション固有の構成となるように柔軟に構成することができる。
【0031】
したがって、本発明の目的は、改善されたメディアシステムを提供することである。特に、本発明は、柔軟に構成されることで、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ワイヤレスダイバーシティ方式を提供する、任意の数の受信機アンテナを可能にするメディアシステムを提供しようとしている。
【0032】
図2は、一実施形態に係る、一例としてのアンテナモジュール30を示す。図2に示されるように、一実施形態において、アンテナモジュール30の各受信機アンテナ40の直後に、対応する独立したコンバータ回路構成(すなわち回路)45がある、または、各受信機アンテナ40は、対応する独立したコンバータ回路構成(すなわち回路)45に直接接続されている。アンテナモジュール30の各受信機アンテナ40は、他のいずれの受信機アンテナ40とも共有されない、自身の別個のコンバータ回路45を有する。独立した各コンバータ回路45は、(1)対応する受信機アンテナ40を介して受信したブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分(たとえば同相または直交成分)に瞬時に/速やかに変換し、(2)デジタルベースバンド成分を、コンバータ回路45と同一の場所にあるアンテナモジュール30のプロセッサユニット46に与えるように、構成されている。一実施形態において、ブロードバンドRF信号は、HFという帯域指定を有し、独立した/個別のナローバンド信号を含む。
【0033】
一実施形態において、アンテナモジュール30の受信機アンテナ40は、メディアシステム100の送信機20から受信したブロードバンドRF信号をフィルタリングおよび/または増幅し、得られたフィルタリングおよび/または増幅されたブロードバンドRF信号を、ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に変換する対応するコンバータ回路45に速やかに提供するように、構成されている。
【0034】
一実施形態において、アンテナモジュール30の各プロセッサユニット46は、(1)プロセッサユニット46と同一の場所にあるアンテナモジュール30のコンバータ回路45からデジタルベースバンド成分を受信し、(2)デジタルベースバンド成分を、複数の独立した/個別のナローバンドベースバンド信号に分解し、(3)ダイバーシティ合成アルゴリズム47をナローバンドベースバンド信号に適用することでナローバンドベースバンド信号を結合して単一のデジタルデータストリームを合成することにより、単一のデジタルデータストリームを発生/生成し、(4)アンテナモジュール30の有線インターフェイスを介して、デジタルデータストリームを、アンテナモジュール30に接続されたネットワークケーブル60を通してマスタ処理デバイス65に出力するように、構成されている。プロセッサユニット46は、ナローバンドベースバンド信号の最初のダイバーシティ処理をローカルで実行する(すなわちナローバンドベースバンド信号をローカルで結合する)ことにより、完全なダイバーシティ性能を実現する。一実施形態において、プロセッサユニット46は、ベースバンド信号を複数の帯域に分割し、ベースバンド信号を各帯域ごとにナローバンドベースバンド信号に変換するように、構成されている。一実施形態において、プロセッサユニット46は、各ナローバンドベースバンド信号ごとに単一のデジタルデータストリームを生成し、有線インターフェイスを介して、単一のデジタルデータストリームを復調なしで出力するように、構成されている。
【0035】
ダイバーシティ合成アルゴリズム47の例は、等利得合成、最大比合成、スイッチ合成、選択合成などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0036】
図3は、一実施形態に係る、一例としてのマスタ処理デバイス65を示す。一実施形態において、マスタ処理デバイス65は、モジュラー有線インターフェイス70を含む。システム100の各アンテナモジュール30は、ネットワークケーブル60を介したインターフェイス70への直接接続(すなわち逆配線)を有する。たとえば、一実施形態において、インターフェイス70は、アンテナモジュール30をインターフェイス70に直接接続する光ファイバーケーブルを介してシステム100のアンテナモジュール30からデジタルデータストリームを受信することが可能な光インターフェイス(たとえば光ファイバーネットワークインターフェイスカード)を提供する。
【0037】
一実施形態において、マスタ処理デバイス65は、1つ以上の制御ユニット(CU:control unit)80(たとえば制御ユニット1,・・・,制御ユニットk)を含む。インターフェイス70は、(たとえばCat5ケーブル等のネットワークケーブルを通して)各CU80とデータをやり取りするように構成されている。また、各EU80は、その他の処理および出力のために任意の数のコンポーネントに接続される。たとえば、一実施形態において、各CU80は、追加のダイバーシティ処理(たとえば別のダイバーシティ合成アルゴリズムの適用)およびその後の実際の送信される媒体(たとえばオーディオ、ビデオ)および(信号)データへの完全な復調のために、1つ以上のメディア処理デバイス90(たとえばオーディオデコーダ等のオーディオ処理デバイス)および/または1つ以上のメディア出力デバイス95(たとえば会場のIPベースのメディアシステムのインターコムまたはスピーカ等のオーディオ出力デバイス)との間でデータをやり取りする。一実施形態において、マスタ処理デバイス65は、システム100のためのマスタコントローラユニットとして動作する。一実施形態において、各CU80は、複数のアンテナモジュール30からの複数のデジタルデータストリームを結合することによってシステム100の性能を高めるように構成されている。
【0038】
図4は、一実施形態に係る、メディアシステムのカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を実現するための一例としてのプロセス500のフローチャートを示す。プロセスブロック501は、ブロードバンドRF信号をワイヤレス受信することを含む。プロセスブロック502は、ブロードバンドRF信号をデジタルベースバンド成分に瞬時に変換する。プロセスブロック503は、ダイバーシティ処理をデジタルベースバンド成分に適用することにより、単一のデジタルデータストリームを生成することを含む。プロセスブロック504は、単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブルを通して送信することを含む。
【0039】
一実施形態において、プロセスブロック501~504は、アンテナモジュール30等の、メディアシステム100の1つ以上のコンポーネントを利用して実行されてもよい。
【0040】
図5は、開示されている実施形態を実現するのに有効なコンピュータシステム600を含む情報処理システムを示すハイレベルブロック図である。コンピュータシステム600は、1つ以上のプロセッサ601を含み、さらに(ビデオ、グラフィック、テキスト、およびその他のデータを表示するための)電子ディスプレイデバイス602と、メインメモリ603(たとえばランダムアクセスメモリ(RAM))と、ストレージデバイス604(たとえばハードディスクドライブ)と、リムーバブルストレージデバイス605(たとえばリムーバブルストレージドライブ、リムーバブルメモリモジュール、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、コンピュータソフトウェアおよび/またはデータが格納されているコンピュータ読取可能媒体)と、ユーザインターフェイスデバイス606(たとえばキーボード、タッチスクリーン、キーパッド、ポインティングデバイス)と、通信インターフェイス607(たとえばモデム、ネットワークインターフェイス(イーサネットカード等)、通信ポート、またはPCMCIAスロットおよびカード)とを含む。メインメモリ603は、1つ以上のプロセッサ601によって実行されると当該1つ以上のプロセッサ601にプロセス500の1つ以上のプロセスブロックを実行させる命令を格納し得る。
【0041】
通信インターフェイス607は、ソフトウェアおよびデータを、コンピュータシステムと外部デバイスとの間で転送することを可能にする。システム600はさらに、上記デバイス/モジュール601~607が接続される通信インフラストラクチャ608(たとえば通信バス、交差バー、またはネットワーク)を含む。
【0042】
通信インターフェイス607を介して転送される情報は、信号を搬送する通信リンクを介して通信インターフェイス607が受信することが可能な電子信号、電磁信号、光信号、またはその他の信号等の信号の形態であってもよく、ワイヤもしくはケーブル、光ファイバー、電話回線、セルラー電話リンク、無線周波数(RF)リンク、および/またはその他の通信チャネルを用いて実現されてもよい。本明細書におけるブロック図および/またはフローチャートを表すコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、または処理デバイス上にロードされて、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、または処理デバイス上で実行される一連の動作が、コンピュータで実現されるプロセスを生じさせるようにしてもよい。一実施形態において、プロセス500(図4)の1つ以上のプロセスブロックの処理命令は、プロセッサ601による実行のために、メモリ603、ストレージデバイス604、およびリムーバブルストレージデバイス605上に、プログラム命令として格納されてもよい。
【0043】
実施形態を、方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して説明した。そのようなフローチャート図/ブロック図の各ブロック、またはそれらの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現することができる。コンピュータプログラム命令は、プロセッサに与えられると、マシンを生み出して、プロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図に示される機能/動作を実現するための手段を生成するようにする。フローチャート/ブロック図の各ブロックは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールまたはロジックを表し得る。代替の実装形態において、ブロックに示された機能は、図面に示される順序とは異なる順序で、たとえば同時に行われてもよい。
【0044】
「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ使用可能媒体」、「コンピュータ読取可能媒体」、および「コンピュータプログラム製品」という用語は、概して、メインメモリ、二次メモリ、リムーバブルストレージドライブ、ハードディスクドライブにインストールされたハードディスク、および信号等の媒体に言及するために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、ソフトウェアをコンピュータシステムに提供するための手段である。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータシステムが、コンピュータ読取媒体から、データ、命令、メッセージまたはメッセージパケット、およびその他のコンピュータ読取可能情報を読み出すことを可能にする。コンピュータ読取可能媒体は、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、ROM、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、およびその他の永久記憶装置等の、不揮発性メモリを含み得る。これは、たとえば、データおよびコンピュータ命令等の情報をコンピュータシステム間で伝送するのに役立つ。コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブルデータ処理装置、またはその他のデバイスに対して特定の方法で機能するよう指示することができるコンピュータ読取可能媒体に格納されて、コンピュータ読取可能媒体に格納された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに示された機能/動作を実現する命令を含む製品を生み出すようにしてもよい。
【0045】
当業者が理解するように、実施形態の局面は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として実施されてもよい。したがって、実施形態の局面は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または、本明細書においてすべて概して「回路」、「モジュール」または「システム」と呼ぶことができるソフトウェアの局面およびハードウェアの局面を組み合わせた実施形態の形態を取ってもよい。さらに、実施形態の局面は、コンピュータ読取可能プログラムコードが実施される1つ以上のコンピュータ読取可能媒体において実施されるコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。
【0046】
1つ以上のコンピュータ読取可能媒体の任意の組み合わせを利用してもよい。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ読取可能記憶媒体であってもよい。コンピュータ読取可能記憶媒体は、たとえば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または、これらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。コンピュータ読取可能記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読出専用メモリ(CD-ROM)、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、または、これらの任意の適切な組み合わせを含むであろう。本明細書の文脈において、コンピュータ読取可能記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスが使用する、またはこれと関連して使用されるプログラムを、含むまたは格納することができる、任意の有形媒体であってもよい。
【0047】
1つ以上の実施形態の局面の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語とを含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上でかつ部分的にリモートコンピュータ上で、または、完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で、実行されてもよい。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてもよい、または、外部コンピュータへの接続が(たとえばインターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通じて)行われてもよい。
【0048】
これまで、1つ以上の実施形態の局面について、方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照しながら説明してきた。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現可能であることが、理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令を専用コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理装置に与えることによってマシンを生み出して、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに示された機能/動作を実現するための手段を生成するようにしてもよい。
【0049】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブルデータ処理装置、またはその他のデバイスに対して特定の方法で機能するよう指示することができるコンピュータ読取可能媒体に格納されて、コンピュータ読取可能媒体に格納された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに示された機能/動作を実施する命令を含む製品を生み出すようにしてもよい。
【0050】
また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブルデータ処理装置、またはその他のデバイス上にロードされて、一連の動作ステップを、当該コンピュータ、その他のプログラマブル装置、またはその他のデバイス上で実行させることにより、コンピュータで実現されるプロセスを生成して、コンピュータまたはその他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックに示された機能/動作を実現するためのプロセスを提供するようにしてもよい。
【0051】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、各種実施形態に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実現するための1つ以上の実行可能な命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部を表していてもよい。いくつかの代替実装形態において、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序と異なる順序で行われてもよい。たとえば、連続して示される2つのブロックは、実際は実質的に同時に実行されてもよい、または、これらのブロックは、関与する機能に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能もしくは動作を実行するまたは専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実施する、専用ハードウェアベースのシステムによって実現可能であることにも注意されたい。
【0052】
請求項において単数形の要素に言及している場合、それは、明確にそう記載されていない限り「ただ1つの」ではなく「1つ以上」を意味することを、意図している。当業者に現在知られているまたは今後知られるようになる上記具体例としての実施形態の要素のすべての構造的および機能的均等物は、本願の請求項によって包含されることを、意図している。本明細書におけるいかなる請求項の要素も、その要素が「means for(~ための手段)」または「step for(~するためのステップ)」という語句を使用して明示的に列挙されていない限り、米国特許法第112条第6項の規定の下で解釈されるべきではない。
【0053】
本明細書で使用されている術語は、単に特定の実施形態を説明することを目的としているのであり、本発明を限定することを意図しているのではない。本明細書で使用されている単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別段の指定をしていない限り、複数形も包含することを意図している。「comprises(備える/含む)」および/または「comprising(備える/含む)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在を示すが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが、さらに理解されるであろう。
【0054】
以下の請求項におけるすべてのミーンズまたはステップ・プラス・ファンクション要素の、対応する構造、材料、動作および均等物は、具体的にクレームされているその他のクレームされている要素と組み合わせてそのファンクションを実行するための、任意の構造、材料、または動作を含むことを意図している。実施形態の記載は、例示および説明を目的として示されているが、すべてを網羅するまたは開示されている形態に実施形態を限定することを意図している訳ではない。当業者には、本発明の精神および範囲から逸脱しない、多数の修正形および変形が明らかであろう。
【0055】
実施形態を、その特定のバージョンを参照しながら説明してきたが、その他のバージョンも可能である。したがって、以下の請求項の精神および範囲は、本明細書に含まれる好ましいバージョンの説明に限定されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2020-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアシステム(100)のカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供する方法であって、前記方法は、
前記メディアシステムのアンテナモジュール(30)において、
前記アンテナモジュール(30)の受信機アンテナ(40)を介して、前記メディアシステム(100)の送信機(20)からブロードバンド無線周波数(RF)信号をワイヤレス受信するステップと、
前記アンテナモジュール(30)のコンバータ回路(45)を介して、前記ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換するステップと、
前記デジタルベースバンド成分を複数の個別のナローバンドベースバンド信号に分解するステップと、
前記アンテナモジュール(30)のプロセッサユニット(46)を介して、前記ナローバンドベースバンド信号にダイバーシティ処理を適用することによって前記ナローバンドベースバンド信号を結合して単一のデジタルデータストリームを合成することにより、前記単一のデジタルデータストリームを生成するステップと、
前記アンテナモジュール(30)の有線インターフェイスを介して、前記単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブル(60)を通して前記メディアシステム(100)の別のデバイス(65)に出力するステップとを含み、前記単一のデジタルデータストリームは、復調なしで前記アンテナモジュール(30)から出力される、方法。
【請求項2】
前記アンテナモジュール(30)は、前記ネットワークケーブル(60)を介して前記別のデバイス(65)に直接接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブロードバンドRF信号は、高周波(HF)という帯域指定を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ブロードバンドRF信号は、前記複数の個別のナローバンドベースバンド信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記適用するステップは
ダイバーシティ合成アルゴリズムを前記ナローバンドベースバンド信号に適用することにより、前記ナローバンドベースバンド信号を結合して前記単一のデジタルデータストリームを合成するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アンテナモジュール(30)の各受信機アンテナ(40)は、前記アンテナモジュール(30)のその他のいずれの受信機アンテナ(40)とも共有されない、対応するコンバータ回路(45)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アンテナモジュール(30)は、2つ以上の受信機アンテナ(40)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセッサユニット(46)は、前記コンバータ回路(45)と同一の場所にある、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワークケーブル(60)は、イーサネットケーブルまたは光ファイバーケーブルのうちの一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記デバイス(65)は、
前記単一のデジタルデータストリームを処理し、
前記メディアシステム(100)の1つ以上のその他のデバイス(90,95)に出力し前記1つ以上のその他のデバイス(90,95)とインターフェイスするように、構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
メディアシステム(100)であって、前記メディアシステム(100)は、前記メディアシステム(100)のカバレッジエリアおよびダイバーシティ性能を改善するための最大ダイバーシティ方式を提供し、前記メディアシステムは、
マスタ処理デバイス(65)と、
少なくとも1つの送信機(20)と、
少なくとも1つのアンテナモジュール(30)とを備え、各アンテナモジュール(30)は、
前記アンテナモジュール(30)の受信機アンテナ(40)を介して、前記少なくとも1つの送信機(20)からブロードバンド無線周波数(RF)信号をワイヤレス受信し、
前記アンテナモジュール(30)のコンバータ回路(45)を介して、前記ブロードバンドRF信号を1つ以上のデジタルベースバンド成分に瞬時に変換し、
前記デジタルベースバンド成分を複数の個別のナローバンドベースバンド信号に分解し、
前記アンテナモジュール(30)のプロセッサユニット(46)を介して、前記ナローバンドベースバンド信号にダイバーシティ処理を適用することによって前記ナローバンドベースバンド信号を結合して単一のデジタルデータストリームを合成することにより、前記単一のデジタルデータストリームを生成し、
前記アンテナモジュール(30)の有線インターフェイスを介して、前記単一のデジタルデータストリームをネットワークケーブル(60)を通して前記マスタ処理デバイス(65)に出力する
ように、構成され、前記単一のデジタルデータストリームは、復調なしで前記アンテナモジュール(30)から出力される、メディアシステム(100)。
【請求項12】
各アンテナモジュール(30)は、ネットワークケーブル(60)を介して前記マスタ処理デバイス(65)に直接接続される、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項13】
前記ブロードバンドRF信号は、高周波(RF)という帯域指定を有する、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項14】
前記ブロードバンドRF信号は、前記複数の個別のナローバンドベースバンド信号を含む、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項15】
前記適用
ダイバーシティ合成アルゴリズムを前記ナローバンドベースバンド信号に適用することにより、前記ナローバンドベースバンド信号を結合して前記単一のデジタルデータストリームを合成することを含む、請求項14に記載のメディアシステム(100)。
【請求項16】
各アンテナモジュール(30)の各受信機アンテナ(40)は、前記アンテナモジュール(30)のその他のいずれの受信機アンテナ(40)とも共有されない、対応するコンバータ回路(45)を有する、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項17】
各アンテナモジュール(30)は、2つ以上の受信機アンテナ(40)を含む、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項18】
前記プロセッサユニット(46)は、前記コンバータ回路(45)と同一の場所にある、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項19】
前記ネットワークケーブル(60)は、イーサネットケーブルまたは光ファイバーケーブルのうちの一方である、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【請求項20】
前記マスタ処理デバイス(65)は、
前記単一のデジタルデータストリームを処理し、
前記メディアシステム(100)の1つ以上のその他のデバイス(90,95)に出力し前記1つ以上のその他のデバイス(90,95)とインターフェイスするように、構成されている、請求項11に記載のメディアシステム(100)。
【国際調査報告】