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特表2022-533685ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法、装置、機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/14 20060101AFI20220715BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220715BHJP
   G06V 10/32 20220101ALI20220715BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20220715BHJP
【FI】
A61B3/14
G06T7/00 350C
G06V10/32
G06V10/82
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568938
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2020125009
(87)【国際公開番号】W WO2021189849
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202010992346.X
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517406065
【氏名又は名称】平安科技(深▲せん▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】PING AN TECHNOLOGY (SHENZHEN) CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】23F,Ping’an Financial Center,No.5033 Yitian Road,Fu’an Community of Futian Street,Futian District Shenzhen,Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 葛
(72)【発明者】
【氏名】成 冠挙
(72)【発明者】
【氏名】曽 嬋
(72)【発明者】
【氏名】高 鵬
(72)【発明者】
【氏名】謝 国▲とん▼
【テーマコード(参考)】
4C316
5L096
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AB16
4C316FB21
4C316FB26
5L096AA06
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA01
5L096EA13
5L096FA32
5L096FA64
5L096FA66
5L096GA51
5L096HA11
(57)【要約】
本願は、人工知能分野に関し、具体的にはニューラルネットワークを用い、且つニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法、装置、機器及び記憶媒体を開示し、前記方法は、眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を含む。決定したC/D比の精度を向上させ、疾患スクリーニング過程における過度なスクリーニング、スクリーニング漏れなどの状況を減少させる。本願は、知的医療分野に適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法であって、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を含む、
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項2】
前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得る前記ステップは、
前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得るステップと、
前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得るステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項3】
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力する前記ステップの前に、
前記Disc領域に対して前処理を行うステップであって、前記前処理が伸縮処理を含むステップを含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項4】
前記予めトレーニングしたニューラルネットワークは、特徴抽出層、畳み込み層、接続層、画像分割層及び回帰予測層を含み、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る前記ステップは、
前記特徴抽出層によって前記Disc領域に対して特徴抽出を行い、前記Disc領域に対応する第1特徴画像を得るステップと、
前記畳み込み層によって前記第1特徴画像に対して畳み込み操作を行い、予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得るステップと、
前記接続層によって前記第2特徴画像と前記第3特徴画像とを接続し、接続後の第4特徴画像を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記回帰予測層に入力し、予測C/D比を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記画像分割層に入力し、CupDiscの分割画像を得るステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項5】
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定するステップと、
前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定するステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項6】
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup外輪郭及びDisc外輪郭を決定するステップと、
前記Cup外輪郭及びDisc外輪郭に基づいてそれぞれCupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形を決定するステップと、
前記Cupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形に基づいてそれぞれCup直径及びDisc直径を決定するステップと、を含む、
請求項5に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項7】
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定する前記ステップは、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差を計算するステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値以下である場合、前記算術C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第2閾値よりも大きい場合、前記予測C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値よりも大きく第2閾値以下である場合、前記算術C/D比と前記予測C/D比との平均値を計算し、且つ前記平均値を実際C/D比とするステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項8】
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置であって、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るための画像検出モジュールと、
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るためのネットワーク予測モジュールと、
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するための算術決定モジュールと、
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するための実際決定モジュールと、を含む、
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置。
【請求項9】
コンピュータ機器であって、メモリと、プロセッサと、を含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行し且つ前記コンピュータプログラムを実行するときに、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を実現するために用いられる、
コンピュータ機器。
【請求項10】
前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得る前記ステップは、
前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得るステップと、
前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得るステップと、を含む、
請求項9に記載のコンピュータ機器。
【請求項11】
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力する前記ステップの前に、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行し、さらに、
前記Disc領域に対して前処理を行うステップであって、前記前処理が伸縮処理を含むステップを実現する、
請求項9に記載のコンピュータ機器。
【請求項12】
前記予めトレーニングしたニューラルネットワークは、特徴抽出層、畳み込み層、接続層、画像分割層及び回帰予測層を含み、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る前記ステップは、
前記特徴抽出層によって前記Disc領域に対して特徴抽出を行い、前記Disc領域に対応する第1特徴画像を得るステップと、
前記畳み込み層によって前記第1特徴画像に対して畳み込み操作を行い、予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得るステップと、
前記接続層によって前記第2特徴画像と前記第3特徴画像とを接続し、接続後の第4特徴画像を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記回帰予測層に入力し、予測C/D比を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記画像分割層に入力し、CupDiscの分割画像を得るステップと、を含む、
請求項9に記載のコンピュータ機器。
【請求項13】
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定するステップと、
前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定するステップと、を含む、
請求項9に記載のコンピュータ機器。
【請求項14】
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup外輪郭及びDisc外輪郭を決定するステップと、
前記Cup外輪郭及びDisc外輪郭に基づいてそれぞれCupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形を決定するステップと、
前記Cupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形に基づいてそれぞれCup直径及びDisc直径を決定するステップと、を含む、
請求項13に記載のコンピュータ機器。
【請求項15】
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定する前記ステップは、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差を計算するステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値以下である場合、前記算術C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第2閾値よりも大きい場合、前記予測C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値よりも大きく第2閾値以下である場合、前記算術C/D比と前記予測C/D比との平均値を計算し、且つ前記平均値を実際C/D比とするステップと、を含む、
請求項9に記載のコンピュータ機器。
【請求項16】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を前記プロセッサに実現させる、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得る前記ステップは、
前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得るステップと、
前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得るステップと、を含む、
請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力する前記ステップの前に、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、
前記Disc領域に対して前処理を行うステップであって、前記前処理が伸縮処理を含むステップを前記プロセッサにさらに実現させる、
請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項19】
前記予めトレーニングしたニューラルネットワークは、特徴抽出層、畳み込み層、接続層、画像分割層及び回帰予測層を含み、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る前記ステップは、
前記特徴抽出層によって前記Disc領域に対して特徴抽出を行い、前記Disc領域に対応する第1特徴画像を得るステップと、
前記畳み込み層によって前記第1特徴画像に対して畳み込み操作を行い、予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得るステップと、
前記接続層によって前記第2特徴画像と前記第3特徴画像とを接続し、接続後の第4特徴画像を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記回帰予測層に入力し、予測C/D比を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記画像分割層に入力し、CupDiscの分割画像を得るステップと、を含む、
請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定するステップと、
前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定するステップと、を含む、
請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年9月21日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号CN202010992346X、発明の名称「ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法、装置、機器及び記憶媒体」の中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、画像処理分野に関し、特に、ニューラルネットワークに基づく視神経乳頭陥凹(Cup)と視神経乳頭(Disc)の比(以下、C/D比)決定方法、装置、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
緑内障は、失明につながる世界の3つの眼科疾患の1つであり、その不可逆性は、その早期診断と治療が患者の生活の質を高めるために重要な役割を果たすことにつながる。緑内障の自動スクリーニングの際には、通常、評価指標としてC/D比を用い、分割方法を採用して眼底画像におけるCup及びDiscを分割し、そしてC/D比を計算する。発明者らは、従来のDisc分割方法が眼底画像の画質の影響、例えば光の照射、遮蔽などを受けやすく、その結果、分割精度が低下し、ひいては計算したC/D比の精度が低く、過度なスクリーニングやスクリーニング漏れの状況が発生しやすいことを認識した。
【0004】
したがって、如何に決定したC/D比の精度を向上させ、疾患スクリーニング過程における過度なスクリーニング、スクリーニング漏れの状況を減少させるかが解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【0005】
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法であって、前記方法は、眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を含む。
【0006】
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置であって、前記装置は、眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るための画像検出モジュールと、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るためのネットワーク予測モジュールと、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するための算術決定モジュールと、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するための実際決定モジュールと、を含む。
【0007】
コンピュータ機器であって、前記コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、を含み、前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行し且つ前記コンピュータプログラムを実行するときに、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を実現するために用いられる。
【0008】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を前記プロセッサに実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面について簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本願の実施例の一部であり、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本願の実施例によるニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法の概略フローチャートである。
図2】本願の実施例による眼底画像に対してDisc領域検出を行ってDisc領域を得る概略フローチャートである。
図3】本願の実施例による眼底画像におけるDisc領域の概略図である。
図4】本願の実施例によるDisc領域の概略図である。
図5】本願の実施例による予めトレーニングしたニューラルネットワークの概略構造図である。
図6】本願の実施例による算術C/D比決定の概略フローチャートである。
図7】本願の実施例によるニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置の概略ブロック図である。
図8】本願の一実施例によるコンピュータ機器の構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例における図面を参照して、本願の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに得られる他の全ての実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0011】
図面に示されるフローチャートは単なる例示であり、全ての内容及び操作/ステップを含む必要はなく、記載された順序で実行される必要もない。例えば、いくつかの操作/ステップは、分解、組み合わせ、又は部分的に結合することもできるので、実際に実行される順序は、実際の状況に応じて変わる可能性がある。
【0012】
本願の明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、本願を限定することを意図していないことを理解されたい。本願の明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形を含むことが意図される。
【0013】
本願の明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「及び/又は」は、関連して列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の組み合わせ、ならびに可能な全ての組み合わせを指し、これらの組み合わせを含むことも理解されたい。
【0014】
本願の実施例は、ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体を提供する。ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法は、人工知能を利用して緑内障疾患をスクリーニングすることができ、緑内障疾患の過度なスクリーニング、スクリーニング漏れの状況を低減する。
【0015】
以下、図面を参照して、本願のいくつかの実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施例及び実施例の特徴は、矛盾なく組み合わせることができる。
【0016】
図1を参照すると、図1は、本願の実施例によるニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法の概略フローチャートである。当該ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法は、予めトレーニングしたニューラルネットワークにより予測C/D比及びCupDiscの分割画像をそれぞれ出力し、CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を計算し、且つ最終的に算術C/D比及び予測C/D比に基づいてさらに実際C/D比を決定し、決定したC/D比の精度を向上させる。
【0017】
図1に示すように、当該ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法は、具体的には、ステップS101~ステップS104を含む。
【0018】
S101、眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得る。
【0019】
眼底画像を収集する機器により眼底画像を取得し、且つ取得した眼底画像に対してDisc領域の検出を行うことにより、Disc領域を得る。
【0020】
いくつかの実施例において、図2に示すように、眼底画像に対してDisc領域検出を行ってDisc領域を得るステップは、ステップS1011及びステップS1012を含む。
【0021】
S1011、前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得る。
【0022】
眼底画像の検出には、種々の目標検出技術を採用することができ、例えば、MaskRCNNモデルを採用して眼底画像を検出することにより、Disc領域の境界座標を得ることができる。ここで、境界座標とは、Disc領域の2つの対角座標であってもよく、図3に示すように、眼底画像におけるDisc領域の概略図であり、矩形枠内は眼底画像を検出して得られたDisc領域であり、Disc領域の境界座標は、矩形枠の左上隅と右下隅の座標であってもよい。
【0023】
S1012、前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得る。
【0024】
境界座標に基づいて眼底画像をトリミングし、Disc領域の画像を得る。トリミングを行う際には、矩形枠の左上隅と右下隅の座標に基づいて眼底画像をトリミングすることにより、図4に示すようなDisc領域を得ることができる。
【0025】
S102、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る。
【0026】
得られたDisc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、ニューラルネットワークが入力したDisc領域に基づいて予測し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を出力する。
【0027】
いくつかの実施例において、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力する前記ステップの前に、前記方法は、前記Disc領域に対して前処理を行うステップであって、前記前処理が伸縮処理を含むステップを含む。
【0028】
伸縮処理は、Disc領域の画像を特定のサイズ、例えば256*256に処理するために用いられ、前記予めトレーニングしたニューラルネットワークがDisc領域の画像に対して特徴抽出を行うことを容易にする。
【0029】
いくつかの実施例において、前記予めトレーニングしたニューラルネットワークは、特徴抽出層、畳み込み層、接続層、画像分割層及び回帰予測層を含み、図5に示すように、本願の実施例による予めトレーニングしたニューラルネットワークのネットワーク構造概略図である。
【0030】
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る前記ステップは、前記特徴抽出層によって前記Disc領域に対して特徴抽出を行い、前記Disc領域に対応する第1特徴画像を得るステップと、前記畳み込み層によって前記第1特徴画像に対して畳み込み操作を行い、予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得るステップと、前記接続層によって前記第2特徴画像と前記第3特徴画像とを接続し、接続後の第4特徴画像を得るステップと、前記第4特徴画像を前記回帰予測層に入力し、予測C/D比を得るステップと、前記第4特徴画像を前記画像分割層に入力し、CupDiscの分割画像を得るステップと、を含む。
【0031】
Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力した後、ニューラルネットワークにおける特徴抽出層によってDisc領域に対して特徴抽出を行い、例えば、特徴抽出層は、mobilenetv2ネットワークを用いてDisc領域に対して特徴抽出を行い、さらにDisc領域に対応する第1特徴画像を得ることができる。
【0032】
第1特徴画像を得た後、畳み込み層は、第1特徴画像に対して畳み込み及び膨張畳み込み操作を行い、例えば、1*1畳み込み及びdilationパラメータが6である膨張畳み込みを用いて畳み込み操作を行い、さらに予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得ることができる。
【0033】
接続層が予測C/D比を表す第2特徴画像とCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像とを接続し、接続を完了した第4特徴画像を得る。
【0034】
最終的に第4特徴画像を回帰予測層に入力して回帰予測を行い、予測C/D比を得て、及び第4特徴画像を画像分割層に入力して画像分割を行い、CupDiscの分割画像を得る。ここで、回帰予測層の損失関数は最小二乗平均誤差損失関数であり、画像分割層の損失関数は交差エントロピー損失関数である。
【0035】
S103、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定する。
【0036】
予めトレーニングしたニューラルネットワークから出力されたCupDiscの分割画像に対して、当該CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を計算する。
【0037】
いくつかの実施例において、図6を参照すると、算術C/D比を決定するステップは、ステップS1031及びステップS1032を含む。
【0038】
S1031、前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定する。S1032、前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定する。
【0039】
CupDiscの分割画像に基づいてそれぞれCup直径及びDisc直径を決定し、Cup直径及びDisc直径を得た後、C/D比の計算式に基づいて算術C/D比を計算することができる。ここで、C/D比の計算式は、CDR=VCD/VDDであり、ここで、CDRは計算した算術C/D比であり、VCDはCup直径であり、VDDはDisc直径である。
【0040】
いくつかの実施例において、前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定する前記ステップは、前記CupDiscの分割画像に基づいてCup外輪郭及びDisc外輪郭を決定するステップと、前記Cup外輪郭及びDisc外輪郭に基づいてそれぞれCupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形を決定するステップと、前記Cupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形に基づいてそれぞれCup直径及びDisc直径を決定するステップと、を含む。
【0041】
最大外輪郭を探す方法を採用して、CupDiscの分割画像からCup外輪郭及びDisc外輪郭をそれぞれ抽出し、次に回転キャリブレーションアルゴリズムを利用してそれぞれCup外輪郭及びDisc外輪郭に対して最小外接矩形を求め、Cupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形を得ることができる。Cupの最小外接矩形の垂直方向の辺の長さがCup直径(VCD)であり、同様に、Discの最小外接矩形の垂直方向の辺の長さがDisc直径(VDD)である。
【0042】
S104、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定する。
【0043】
算術C/D比及び予測C/D比を比較判断し、さらに実際C/D比を決定する。
【0044】
いくつかの実施例において、ステップS104は具体的には、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差を計算するステップと、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値以下である場合、前記算術C/D比を実際C/D比とするステップと、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第2閾値よりも大きい場合、前記予測C/D比を実際C/D比とするステップと、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値よりも大きく第2閾値以下である場合、前記算術C/D比と前記予測C/D比との平均値を計算し、且つ前記平均値を実際C/D比とするステップと、を含む。
【0045】
算術C/D比と予測C/D比との間の距離差を計算し、ここで、前記距離差はつまり算術C/D比と予測C/D比との間の数値差であり、計算した算術C/D比と予測C/D比との間の距離差に基づいて異なる方式を採用して実際C/D比を決定する。
【0046】
算術C/D比と予測C/D比との間の距離差が第1閾値以下であると計算した場合、CupDiscの分割画像を用いて計算した算術C/D比がより正確であると考えられるので、算術C/D比を実際C/D比とし、ここで、第1閾値は例えば0.05であってもよい。
【0047】
算術C/D比と予測C/D比との間の距離差が第2閾値よりも大きいと計算した場合、予めトレーニングしたニューラルネットワークを用いて得られた予測C/D比がより正確であると考えられるので、予測C/D比を実際C/D比とし、ここで、第2閾値は例えば0.1であってもよい。
【0048】
算術C/D比と予測C/D比との間の距離差が第1閾値よりも大きく第2閾値以下であると計算した場合、算術C/D比と予測C/D比とを融合する必要があると考えられ、例えば算術C/D比と予測C/D比との平均値をとり、且つ計算した平均値を実際C/D比とする。
【0049】
つまり、実際C/D比を決定する式は、例えば、以下のように表すことができる。
【0050】
【0051】
上記実施例によるニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法は、眼底画像を取得し、且つ眼底画像に対してDisc領域検出を行ってDisc領域を得て、そしてDisc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得て、さらにCupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定し、最終的に算術C/D比及び予測C/D比に基づいて実際C/D比の値を決定する。同一のニューラルネットワークを採用してそれぞれ予測C/D比及びCupDiscの分割画像を出力し、且つ最終的に算術C/D比及び予測C/D比に基づいてさらに実際C/D比を決定することにより、C/D比を決定する際に、CupDiscの分割画像への依存を低減し、さらに決定したC/D比の精度を向上させる。
【0052】
図7を参照すると、図7は、本願の実施例でさらに提供されるニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置の概略ブロック図であり、当該ニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置は前述したニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法を実行するために用いられる。ここで、当該ニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置は、サーバ又は端末に配置されてもよい。
【0053】
ここで、サーバは、独立したサーバであってもよいし、サーバクラスタであってもよい。当該端末は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン、携帯情報端末、及びウェアラブルデバイスなどの電子機器であってもよい。
【0054】
図7に示すように、ニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置200は、画像検出モジュール201と、ネットワーク予測モジュール202と、算術決定モジュール203と、実際決定モジュール204と、を含む。
【0055】
画像検出モジュール201は、眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るために用いられる。
【0056】
ここで、画像検出モジュール201は、境界決定サブモジュール2011と、画像トリミングサブモジュール2012と、を含む。
【0057】
具体的には、境界決定サブモジュール2011は、前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得るために用いられ、画像トリミングサブモジュール2012は、前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得るために用いられる。
【0058】
ネットワーク予測モジュール202は、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るために用いられる。
【0059】
算術決定モジュール203は、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するために用いられる。
【0060】
ここで、算術決定モジュール203は、直径決定サブモジュール2031と、算術計算サブモジュール2032と、を含む。
【0061】
具体的には、直径決定サブモジュール2031は、前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定するために用いられ、算術計算サブモジュール2032は、前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定するために用いられる。
【0062】
実際決定モジュール204は、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するために用いられる。
【0063】
なお、当業者は、説明の便宜及び簡潔化のために、上述したニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置及び各モジュールの具体的な動作過程は、前述したニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法の実施例における対応過程を参照することができることを明確に理解することができ、ここでは説明を省略する。
【0064】
上述したニューラルネットワークに基づくC/D比決定装置は、図8に示すようなコンピュータ機器で実行され得るコンピュータプログラムの形態で実現することができる。
【0065】
図8を参照すると、図8は、本願の実施例によるコンピュータ機器の構造を示すブロック図である。当該コンピュータ機器は、サーバ又は端末であってもよい。
【0066】
図8を参照すると、当該コンピュータ機器は、システムバスを介して接続されたプロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含み、ここで、メモリは、不揮発性記憶媒体及び内部メモリを含んでもよい。
【0067】
不揮発性記憶媒体は、オペレーティングシステム及びコンピュータプログラムを記憶することができる。当該コンピュータプログラムは、プログラムコマンドを含み、当該プログラムコマンドが実行されると、ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法のいずれかをプロセッサに実行させることができる。
【0068】
プロセッサは、コンピュータ機器全体の動作をサポートする計算及び制御機能を提供するために用いられる。
【0069】
内部メモリは、不揮発性記憶媒体におけるコンピュータプログラムの実行のための環境を提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法のいずれかをプロセッサに実行させることができる。
【0070】
当該ネットワークインタフェースは、割り当てられたタスクの送信などのネットワーク通信に用いられる。図8に示す構造は、本願の解決手段に関連する部分的な構造のブロック図にすぎず、本願の解決手段が適用されるコンピュータ機器を限定するものではなく、具体的なコンピュータ機器は、図に示されているよりも多くの又は少ない構成要素を含んでもよく、一部の構成要素を組み合わせてもよく、又は異なる構成要素配置を有してもよいことを当業者は理解するであろう。
【0071】
プロセッサは中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であってもよく、当該プロセッサは、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよいことが理解されるべきである。ここで、汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又は当該プロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。
【0072】
ここで、一実施例において、前記プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行し、眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を実現するために用いられる。
【0073】
一実施例において、前記プロセッサは、前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得る前記ステップを実現するとき、前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得るステップと、前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得るステップと、を実現するために用いられる。
【0074】
一実施例において、前記プロセッサは、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力する前記ステップを実現する前に、前記Disc領域に対して前処理を行うステップであって、前記前処理が伸縮処理を含むステップを実現するために用いられる。
【0075】
一実施例において、前記予めトレーニングしたニューラルネットワークは、特徴抽出層、畳み込み層、接続層、画像分割層及び回帰予測層を含み、前記プロセッサは、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る前記ステップを実現するとき、前記特徴抽出層によって前記Disc領域に対して特徴抽出を行い、前記Disc領域に対応する第1特徴画像を得るステップと、前記畳み込み層によって前記第1特徴画像に対して畳み込み操作を行い、予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得るステップと、前記接続層によって前記第2特徴画像と前記第3特徴画像とを接続し、接続後の第4特徴画像を得るステップと、前記第4特徴画像を前記回帰予測層に入力し、予測C/D比を得るステップと、前記第4特徴画像を前記画像分割層に入力し、CupDiscの分割画像を得るステップと、を実現するために用いられる。
【0076】
一実施例において、前記プロセッサは、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定する前記ステップを実現するとき、前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定するステップと、前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定するステップと、を実現するために用いられる。
【0077】
一実施例において、前記プロセッサは、前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定する前記ステップを実現するとき、前記CupDiscの分割画像に基づいてCup外輪郭及びDisc外輪郭を決定するステップと、前記Cup外輪郭及びDisc外輪郭に基づいてそれぞれCupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形を決定するステップと、前記Cupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形に基づいてそれぞれCup直径及びDisc直径を決定するステップと、を実現するために用いられる。
【0078】
一実施例において、前記プロセッサは、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定する前記ステップを実現するとき、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差を計算するステップと、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値以下である場合、前記算術C/D比を実際C/D比とするステップと、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第2閾値よりも大きい場合、前記予測C/D比を実際C/D比とするステップと、前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値よりも大きく第2閾値以下である場合、前記算術C/D比と前記予測C/D比との平均値を計算し、且つ前記平均値を実際C/D比とするステップと、を実現するために用いられる。
【0079】
本願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、揮発性であってもよいし、不揮発性であってもよく、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムにプログラムコマンドが含まれ、前記プロセッサは、前記プログラムコマンドを実行し、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を実現する。
【0080】
ここで、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前述した実施例に記載のコンピュータ機器の内部記憶ユニット、例えば前記コンピュータ機器のハードディスク又はメモリであってもよい。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記コンピュータ機器の外部記憶機器、例えば前記コンピュータ機器に備えられたプラグインハードディスク、スマートメディアカード(Smart Media(登録商標) Card、SMC)、セキュアデジタル(Secure Digital、SD)カード、フラッシュカード(Flash Card)などであってもよい。前記プログラムコマンドがプロセッサによって実行されると実現される方法の実施例は、本願のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法の各実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0081】
別の実施例において、本願が提供するニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法は、上記全ての出現するデータのプライバシとセキュリティをさらに保証するために、上記全てのデータはブロックチェーンのノードに記憶されてもよい。例えば眼底画像及び分割画像など、これらのデータはいずれもブロックチェーンのノードに記憶することができる。
【0082】
なお、本願でいうブロックチェーンとは、分散型データストレージ、ポイントツーポイント伝送、コンセンサスメカニズム、暗号化アルゴリズムなどのコンピュータ技術の新しい応用モードである。
【0083】
以上、本願の具体的な実施形態について説明したが、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本願において開示された技術的範囲内において、様々な等価な修正又は置換が容易に考えられ、これらの修正又は置換は、本願の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法であって、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を含む、
ニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項2】
前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得る前記ステップは、
前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得るステップと、
前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得るステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項3】
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力する前記ステップの前に、
前記Disc領域に対して前処理を行うステップであって、前記前処理が伸縮処理を含むステップを含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項4】
前記予めトレーニングしたニューラルネットワークは、特徴抽出層、畳み込み層、接続層、画像分割層及び回帰予測層を含み、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る前記ステップは、
前記特徴抽出層によって前記Disc領域に対して特徴抽出を行い、前記Disc領域に対応する第1特徴画像を得るステップと、
前記畳み込み層によって前記第1特徴画像に対して畳み込み操作を行い、予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得るステップと、
前記接続層によって前記第2特徴画像と前記第3特徴画像とを接続し、接続後の第4特徴画像を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記回帰予測層に入力し、予測C/D比を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記画像分割層に入力し、CupDiscの分割画像を得るステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項5】
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定するステップと、
前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定するステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項6】
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup外輪郭及びDisc外輪郭を決定するステップと、
前記Cup外輪郭及びDisc外輪郭に基づいてそれぞれCupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形を決定するステップと、
前記Cupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形に基づいてそれぞれCup直径及びDisc直径を決定するステップと、を含む、
請求項5に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項7】
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定する前記ステップは、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差を計算するステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値以下である場合、前記算術C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第2閾値よりも大きい場合、前記予測C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値よりも大きく第2閾値以下である場合、前記算術C/D比と前記予測C/D比との平均値を計算し、且つ前記平均値を実際C/D比とするステップと、を含む、
請求項1に記載のニューラルネットワークに基づくC/D比決定方法。
【請求項8】
コンピュータ機器であって、メモリと、プロセッサと、を含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行し且つ前記コンピュータプログラムを実行するときに、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を実現するために用いられる、
コンピュータ機器。
【請求項9】
前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得る前記ステップは、
前記眼底画像を検出し、Disc領域の境界座標を得るステップと、
前記境界座標に基づいて前記眼底画像をトリミングし、Disc領域を得るステップと、を含む、
請求項に記載のコンピュータ機器。
【請求項10】
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力する前記ステップの前に、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行し、さらに、
前記Disc領域に対して前処理を行うステップであって、前記前処理が伸縮処理を含むステップを実現する、
請求項に記載のコンピュータ機器。
【請求項11】
前記予めトレーニングしたニューラルネットワークは、特徴抽出層、畳み込み層、接続層、画像分割層及び回帰予測層を含み、前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得る前記ステップは、
前記特徴抽出層によって前記Disc領域に対して特徴抽出を行い、前記Disc領域に対応する第1特徴画像を得るステップと、
前記畳み込み層によって前記第1特徴画像に対して畳み込み操作を行い、予測C/D比を表す第2特徴画像及びCupDiscの分割画像を表す第3特徴画像を得るステップと、
前記接続層によって前記第2特徴画像と前記第3特徴画像とを接続し、接続後の第4特徴画像を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記回帰予測層に入力し、予測C/D比を得るステップと、
前記第4特徴画像を前記画像分割層に入力し、CupDiscの分割画像を得るステップと、を含む、
請求項に記載のコンピュータ機器。
【請求項12】
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定するステップと、
前記Cup直径及びDisc直径に基づいて算術C/D比を決定するステップと、を含む、
請求項に記載のコンピュータ機器。
【請求項13】
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup直径及びDisc直径を決定する前記ステップは、
前記CupDiscの分割画像に基づいてCup外輪郭及びDisc外輪郭を決定するステップと、
前記Cup外輪郭及びDisc外輪郭に基づいてそれぞれCupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形を決定するステップと、
前記Cupの最小外接矩形及びDiscの最小外接矩形に基づいてそれぞれCup直径及びDisc直径を決定するステップと、を含む、
請求項12に記載のコンピュータ機器。
【請求項14】
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定する前記ステップは、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差を計算するステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値以下である場合、前記算術C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第2閾値よりも大きい場合、前記予測C/D比を実際C/D比とするステップと、
前記算術C/D比と前記予測C/D比との間の距離差が第1閾値よりも大きく第2閾値以下である場合、前記算術C/D比と前記予測C/D比との平均値を計算し、且つ前記平均値を実際C/D比とするステップと、を含む、
請求項に記載のコンピュータ機器。
【請求項15】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、
眼底画像を取得し、且つ前記眼底画像に対してDisc領域検出を行い、Disc領域を得るステップと、
前記Disc領域を予めトレーニングしたニューラルネットワークに入力し、予測C/D比及びCupDiscの分割画像を得るステップと、
前記CupDiscの分割画像に基づいて算術C/D比を決定するステップと、
前記算術C/D比及び前記予測C/D比に基づいて実際C/D比を決定するステップと、を前記プロセッサに実現させる、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【国際調査報告】