IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テクニシェ ウニヴェルズィテート ドレスデンの特許一覧

<>
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図1
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図2A
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図2B
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図2C
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図2D
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図2E
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図2F
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図2G
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図3
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図4
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図5
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図6
  • 特表-熱交換器及び冷却方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】熱交換器及び冷却方法
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/053 20060101AFI20220715BHJP
   F28F 1/00 20060101ALI20220715BHJP
   F28F 13/08 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
F28D1/053
F28F1/00 E
F28F13/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569027
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2020064085
(87)【国際公開番号】W WO2020234358
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】102019113327.0
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521506180
【氏名又は名称】テクニシェ ウニヴェルズィテート ドレスデン
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ワーグナー, アンドレーアス
(72)【発明者】
【氏名】シュウ, イーシャ
(72)【発明者】
【氏名】ヘッセ, ウルリヒ
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA35
(57)【要約】
様々な実施形態によれば、熱交換器(100)は冷媒を運搬するための少なくとも1つのダクト(102)を有し、前記少なくとも1つのダクト(102)は第1セクション(102-1)及び第2セクション(102-2)を備える。前記第1セクション(102-1)は、前記少なくとも1つのダクト(102)内の前記冷媒の流れ方向に関して前記第2セクション(102-2)より上流に配置される。前記第2セクション(102-2)の断面積は、前記第2セクション(102-2)内で前記冷媒の昇華が可能となるよう、前記第1セクション(102-1)の断面積よりも大きくなっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を運搬するための少なくとも1つのダクト(102)を備える熱交換器(100)であって、前記少なくとも1つのダクト(102)は第1セクション(102-1)及び第2セクション(102-2)を備え、
前記第1セクション(102-1)は、前記少なくとも1つのダクト(102)内の前記冷媒の流れ方向に関して前記第2セクション(102-2)より上流に配置され、
前記第2セクション(102-2)の断面積は、前記第2セクション(102-2)内で前記冷媒の昇華が可能となるよう、前記第1セクション(102-1)の断面積よりも大きくなっている、熱交換器(100)。
【請求項2】
前記第1セクション(102-1)の断面積は、前記前記第1セクション(102-1)内での前記冷媒の昇華を妨げる寸法とされる、請求項1に記載の熱交換器(100)。
【請求項3】
前記第1セクション(102-1)の断面積は、前記前記第1セクション(102-1)内の前記冷媒の圧力レベルが、前記冷媒の三重点の圧力レベルよりも高くなるような寸法とされる、請求項1又は2に記載の熱交換器(100)。
【請求項4】
前記第1セクション(102-1)の断面積及び前記第2セクション(102-2)の断面積は、前記第2セクション(102-2)内において前記冷媒が膨張し少なくとも部分的に固体の集合状態となるような寸法とされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器(100)。
【請求項5】
前記冷媒は二酸化炭素を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器(100)。
【請求項6】
前記第1セクション(102-1)の断面積は、約0.0001mmから約0.8mmの範囲にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱交換器(100)。
【請求項7】
前記前記第2セクション(102-2)の断面積は、約0.01mmから約400mmの範囲にある、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのダクト(102)は狭窄部(210)を備え、前記狭窄部(210)は、前記第1セクション(102-1)の断面積を狭めるように前記第1セクション(102-1)内に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器(100)。
【請求項9】
前記第1セクション(102-1)の断面積及び前記第2セクション(102-2)の断面積は、
前記第1セクション(102-1)内では、前記少なくとも1つのダクト(102)内に流入する前記冷媒の昇華が阻害され、
前記第1セクション(102-1)から前記第2セクション(102-2)への移行の間、前記冷媒の圧力低下により前記冷媒の昇華が可能となるような寸法とされる、請求項1から8のいずれか一項に記載の熱交換器(100)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の熱交換器(100)を備える冷却システム(300)。
【請求項11】
冷媒の昇華によって流体を冷却する冷却方法であって、以下を含む:
冷媒を運搬するための少なくとも1つのダクト(102)を備える熱交換器(100)に冷媒を供給する工程;
前記冷媒を前記少なくとも1つのダクト(102)内へ導く工程、ここで前記少なくとも1つのダクト(102)は第1セクション(102-1)及び第2セクション(102-2)を備え、前記第1セクション(102-1)は前記少なくとも1つのダクト(102)内の前記冷媒の流れ方向に関して前記第2セクション(102-2)より上流に配置される;
前記第2セクション(102-2)の断面積は、前記第2セクション(102-2)内での前記冷媒の昇華が可能となるよう、前記第1セクション(102-1)の断面積よりも大きくなっている工程;及び
前記第2セクション(102-2)に流入する前記冷媒と前記冷却対象の流体との間で熱伝達をさせる工程であって、前記第2セクション(102-2)を流れる前記冷媒が昇華して前記冷却対象の流体が冷却される工程。
【請求項12】
冷媒を運搬する少なくとも1つのダクト(102)を備える熱交換器(100)であって、
前記少なくとも1つのダクト(102)は、第1セクション(102-1)及び第2セクション(102-2)を備え、
前記第1セクション(102-1)は、前記少なくとも1つのダクト(102)内の前記冷媒の流れ方向に関して、前記第2セクション(102-2)より上流に配置され、
前記第1セクション(102-1)の断面積は、前記前記第1セクション(102-1)内での前記冷媒の昇華を妨げる寸法とされ、
前記第2セクション(102-2)の断面積は、前記第2セクション(102-2)内での前記冷媒の昇華が可能となるよう、前記第1セクション(102-1)の断面積より大きくなっており、
前記第1セクション(102-1)の断面積は、前記前記第1セクション(102-1)内の前記冷媒の圧力レベルが、前記冷媒の三重点の圧力レベルよりも高くなるような寸法とされ、
前記第1セクション(102-1)の断面積及び前記第2セクション(102-2)の断面積は、前記第2セクション(102-2)内において前記冷媒が膨張し少なくとも部分的に固体の集合状態となるような寸法とされる、熱交換器。
【請求項13】
冷媒を運搬する少なくとも1つのダクト(102)を備える熱交換器(100)であって、
前記少なくとも1つのダクト(102)は第1セクション(102-1)及び第2セクション(102-2)を備え、
前記第1セクション(102-1)は、前記少なくとも1つのダクト(102)内の前記冷媒の流れ方向に関して、前記第2セクション(102-2)より上流に配置され、
前記第1セクション(102-1)は、前記前記第1セクション(102-1)内に流入する冷媒の圧力レベルが、前記冷媒の三重点の圧力レベルよりも高くなるよう構成され、
前記第2セクション(102-2)は、前記前記第2セクション(102-1)内に流入する冷媒の圧力レベルが、前記冷媒の三重点の圧力レベルよりも低くなるよう構成されている、熱交換器。
【請求項14】
熱交換器(100)内で用いられるダクト(102)であって、
第1断面積を備える第1セクション(102-1)と、
第2断面積を備える第2セクション(102-2)と、を備え、
前記第1断面積及び前記第2断面積は、前記第1セクション(102-1)内では前記ダクトに流入する冷媒の昇華が阻害され、前記冷媒が前記第1セクション(102-1)から前記第2セクション(102-2)へ移動する間に、前記冷媒の圧力低下により前記冷媒の昇華が可能となるような寸法とされる、ダクト。
【請求項15】
請求項14に記載のダクトを1つ以上備える熱交換器(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な実施形態は、熱交換器及び冷却方法に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
冷媒の蒸発によって冷却温度をマイナス50℃未満にするには、冷却システムにフッ素化冷媒(例えばR14、R23など)を使用することができる。このようなフッ素化冷媒は、例えば増大した地球温暖化係数(GWP)を有しているため、環境保護上の問題がある。二酸化炭素(CO2)の昇華は、低温冷却(例えばマイナス20℃未満、マイナス35℃未満、マイナス50℃未満など)をする上で環境に優しい代替手段である。なぜならCO2は自然冷媒であり、GWPが低く(例えば、CO2のGWPは低温用途のフッ素化冷媒に比べて無視できる程度である)、不燃性で毒性もないからである。しかし、冷却システム内において適切な動作条件(例えば圧力、温度など)を維持してCO2を昇華させ、フッ素化冷媒を蒸発させたときに近い温度レベルとすることは困難である。なぜなら、昇華時の熱伝達が蒸発時よりも小さいためである。さらに、昇華させる固体冷媒(例えば、冷媒の固体粒子)が冷却システムを詰まらせる可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態は、熱交換器に関するものである。本明細書に記載されている熱交換器を冷却システム(例えば、クーリングシステム)に適用することで、冷却システムを昇華による冷却工程にも使用することができる。その結果、マイナス50℃未満の温度レベルでの冷却が可能となる。
【0004】
様々な実施形態によれば、熱交換器は、冷媒を運搬するための少なくとも1つのダクト/流路を備える。前記少なくとも1つのダクトは第1セクション及び第2セクションを備える。前記第1セクションは、前記少なくとも1つのダクト内の前記冷媒の流れ方向に関して前記第2セクションより上流に配置される。前記第2セクションの断面積は、前記第2セクション内で前記冷媒の昇華が可能となるよう、前記第1セクションの断面積よりも大きくなっている。
【0005】
様々な側面において、第1セクションは、冷媒(例えば、三重点より上の液体冷媒)を分配し、膨張させる役割を果たしてもよい。様々な側面において、ダクトは、第1セクションにおいて(冷媒からの)熱伝達が起こらない(または起こりうる)ように構成されてもよい。様々な側面において、ダクトは、第2セクションにおいて熱伝達が(最初にのみ)起こるように構成されてもよい。固体冷媒は(三重点未満で)第2セクションに配置され、そこで熱伝達が可能となる。例として、ダクトは、冷媒が2つのセクションにおいて異なる圧力と条件下におかれるよう構成されてもよい。
【0006】
様々な実施形態によれば、冷媒の昇華によって流体を冷却する冷却方法は以下を含む:冷媒を運搬するための少なくとも1つのダクトを備える熱交換器に冷媒を供給する工程;前記冷媒を前記少なくとも1つのダクト内へ導く工程、ここで前記少なくとも1つのダクトは第1セクション及び第2セクションを備え、前記第1セクションは前記少なくとも1つのダクト内の前記冷媒の流れ方向に関して前記第2セクションより上流に配置され、前記第2セクションの断面積は、前記第2セクション内での前記冷媒の昇華が可能となるよう、前記第1セクションの断面積よりも大きくなっている;及び、前記第2セクションに流入する前記冷媒と前記冷却対象の流体との間で熱伝達をさせる工程であって、前記第2セクションを流れる前記冷媒が昇華して前記冷却対象の流体が冷却される工程。
【0007】
本発明の実施形態の例を図に示し、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】様々な実施形態にかかる熱交換器の模式図である。
図2A】異なる実施形態にかかる熱交換器のダクトの一部を模式的に示す。
図2B】異なる実施形態にかかる熱交換器のダクトの一部を模式的に示す。
図2C】異なる実施形態にかかる熱交換器のダクトの一部を模式的に示す。
図2D】異なる実施形態にかかる熱交換器のダクトの一部を模式的に示す。
図2E】異なる実施形態にかかる熱交換器のダクトの一部を模式的に示す。
図2F】異なる実施形態にかかる熱交換器のダクトの一部を模式的に示す。
図2G】様々な実施形態にかかる熱交換器のコンテナ及びダクトの概略図である。
図3】様々な実施形態にかかる熱交換器を備えた冷却システムを模式的に示す。
図4】様々な実施形態にかかる熱交換器を備えた冷却システムを模式的に示す。
図5】様々な実施形態にかかる熱交換器を備えた冷却システムを模式的に示す。
図6】様々な実施形態にかかる熱交換器を備えた冷却システムを模式的に示す。
図7】様々な実施形態にかかる熱交換器を備えた冷却システムを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では添付の図面を参照する。図面はその一部を構成しており、本発明を実施することができる具体的な実施形態を例として示すものである。説明されている図の向きに関連して、「上」、「下」、「前方」、「後方」、「前」、「後」などの方向を示す用語が用いられる。実施形態の構成要素は、多くの異なる方向に配置される可能性がある。そのため、向きを示す用語は説明のためのものであり、何ら限定をするものではない。本発明の保護範囲を逸脱することなく、他の実施形態を使用したり、構造的または論理的な変更を行ってもよいと理解される。本明細書に記載されている様々な例示的な実施形態の特徴は、特に明記されない限り、互いに組み合わせることができると理解される。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるものではなく、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0010】
本明細書の文脈では、「接続された」、「接着された」、及び「結合された」という用語は、直接的及び間接的な接続の両方、直接的又は間接的な接着、並びに直接的又は間接的な結合を説明するために使用される。図中、同一または類似の要素には、必要に応じて同一の参照符号が付されている。
【0011】
本明細書の文脈では、簡潔にするために「少なくとも1つ」という用語を用いているが、この用語は次を意味し得る:1つ、厳密に1つ、複数(例えば、厳密に2つ、または2つより多い)、多数(例えば、厳密に3つ、または3つより多い)等。ここで、「複数」は必ずしも同一の要素が複数あることを意味せず、むしろ本質的、機能的に同一の要素が複数あることを意味する。
【0012】
本明細書の文脈では、「ダクト」という用語は、単一のパイプ(例えば単一のミニダクト)によって形成されるダクトと、複数のパイプ(例えば複数のミニダクト)によって形成されるダクトの両方を説明するために使用される。例えば、1つのダクトは単一のパイプによって形成されてもよい。複数のダクトは、例えば互いに平行に配置された複数の個々のパイプによって形成されてもよい。例えば、アルミニウム製等の金属平板等のプレートに、プレートの長さに沿って複数の開口部を設けるなどして複数のパイプ(複数のミニダクト)を形成することで、ダクトを形成することができる。例えば、複数のプレートが複数のダクトを備えてもよい。この複数のダクトは互いに平行に配置されてよく、それぞれに複数のパイプ(例えば、複数のミニダクト)が形成されている。
【0013】
本明細書の文脈において、「ミニダクト」という用語は、数百マイクロメートルから数ミリメートルの範囲の断面を持つダクトを説明するのに用いられる。例えば、ミニダクトの断面は、ダクト内の流体の流れ方向に垂直な方向に沿ったサイズ(例えば、高さ、幅、直径、エッジの長さなど)として、そのサイズの範囲は約100μmから約20mmの範囲をとり得る(例えば、約200μmから約15mmの範囲、約500μmから約10mmの範囲、約1mmから約5mmの範囲、約100μmから約1.5mmの範囲)。これらの範囲は、例えば、ダクト内を流れる流体(例えば、ダクト内を流れる冷媒)と他の流体(例えば、冷却すべき流体)との間で熱伝達が行われるダクトのセクションを指すことがある。例えば、1つのミニダクトは、それぞれが上記いずれかの領域の断面を持つ複数のパイプによって形成されてもよい。
【0014】
ここでは、「上流」という用語は、流体(例えば冷媒など)の流れ方向に関して、1以上の要素の相対的な位置を示すために用いられる。例えば、「ある要素に対して上流」という用語が指す場所は、当該要素の上流に位置する場所(例えば、要素の入口より上流)であって、流体がまず当該場所を通ってから当該要素に流れこむような場所を指し得る。例えば、第1セクションは第2セクションに対して上流に配置されてよく、このとき流体はまず第1セクションに流入し、次に第2セクションに流入する。「上流」という用語は、第1セクションと第2セクションが直接隣接して配置されていることを必ずしも意味するものではなく、流れ方向に沿って第1セクションと第2セクションの間に他の要素が配置され得るものと理解される。
【0015】
本明細書では、「下流」という用語は、流体(冷媒など)の流れ方向に対する1以上の要素の相対的な位置を示すために用いられる。例えば、「ある要素に対して下流」という用語が指す場所は、流体がまず当該要素に流入し、次にその場所を通過するような、要素の下流に位置する場所(例えば、要素の出口の下流)を表し得る。例えば、第1セクションは第2セクションに対して下流側に配置されてよく、このとき流体はまず第2セクションに流入し、次に第1セクションに流入する。「下流」という用語は、第1セクションと第2セクションが直接隣接して配置されていることを必ずしも意味するものではなく、流れの方向に沿って第1セクションと第2セクションの間に他の要素が配置され得るものと理解される。
【0016】
従来の熱交換器(例えば、従来の蒸発器)は、冷媒を運び蒸発させるための複数の平行なダクト(例えば、平行なミニダクト)を有するものがある。また従来の熱交換器は、ダクトの間に複数のフィンを有するものがあり、これによって熱伝達に利用できる表面積を増やしている。このような熱伝達設計(例えばフィン)によって、複数のダクトによる熱伝達面積が広くなるため、冷却される流体とダクトに流入する冷媒(例えば蒸発する冷媒)との間で効率的な熱伝達が行われ、コンパクトな熱交換器を提供することが可能となる。
【0017】
熱交換器における昇華による熱吸収は、冷媒を蒸発させるのに比べていくつか課題がある。熱伝達が低下する。また冷媒の固体粒子の蓄積により、熱交換器の閉塞や詰まりが引き起こされ得る。
【0018】
冷却システム(冷凍システムなど)は、一般的に開回路または閉回路として説明できる。開回路では、冷媒は、冷却される流体との熱交換後は冷却システム内を再循環せず、環境内で失われる。すなわち、蒸発後や昇華後は、冷媒は使えなくなる。他方で閉回路では、冷媒は、冷却される流体との熱交換後もシステム内に残る。そのため、冷媒を凝縮して熱交換器に供給し、工程を繰り返すことができる。冷媒(CO2など)の昇華による冷却は通常、開回路で行われる(例えば、昇華する冷媒を冷却される表面に吹き付けるなど)。そのため、大量の冷媒を使用する必要がある。閉回路における昇華は、昇華する固体冷媒(例えば冷媒の固体粒子)が冷却システムの構成要素(例えば圧縮器)を詰まらせる(例えば損傷する)ことがあるため、避けられる。一つの可能性としては、固体冷媒粒子をキャリア流体で運ぶことが考えられる。しかし、そのような実施形態においては、キャリア流体を循環させるための追加のエネルギーが必要となる。さらに、冷却サイクルの一環として、昇華後の冷媒をキャリア流体から分離し再圧縮する必要がある。こうした分離は高い技術力を必要とし、圧力損失を発生させるため、冷却力やプロセスの効率に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0019】
複数のダクト(例えば複数のミニダクト)を有する熱交換器は、昇華のための適切な熱伝達方法となり得る。例えば、多くのダクトにより伝熱面が広がることで、伝熱量の減少を補うことができる。個々のダクトが塞がれたとしても、熱交換のためのダクトは残っているので、熱交換器を用いた冷却システムを継続して稼働することができる。
【0020】
しかし技術的な実装において、冷媒を各ダクトに分配する際に問題が発生する。冷媒の蒸発を利用した従来の冷却システムでは、蒸発器は分配器を有している。この分配器は一種のコンテナで構成され、このコンテナの中にダクト(ミニダクトなど)が突出している。液体及び/または気体の集合状態において蒸発する冷媒は、様々なダクトに分配される。昇華する冷媒(CO2など)は、固体や気体の状態でコンテナ内に入ることがあるが、その固体粒子がダクトの入口を塞いでしまう。
【0021】
そのため、昇華による冷却を閉回路において効率的かつ経済的に実現可能な解決策が求められている。
【0022】
図1は、様々な実施形態にかかる熱交換器100を模式的に示す。
【0023】
様々な実施形態によれば、熱交換器100は、冷媒を運ぶための少なくとも1つのダクト102(例えば、少なくとも1つのミニダクト)を含み得る。熱交換器100は、少なくとも1つのダクト102に流入する冷媒が、冷却される流体(例えば空気、水、塩水など)と熱伝達関係にあり、冷却される流体の熱が、少なくとも1つのダクト102に流入する冷媒に吸収されるように構成され得る。様々な実施形態によれば、少なくとも1つのダクト102もまた、冷媒を運ぶための複数のパイプ(例えば、複数のミニダクト、複数のミニダクトパイプなど)を備え得る。これらのパイプは、例えば、互いに平行に配置され得る。
【0024】
また、熱交換器100は冷媒を運ぶための複数のダクト102を備え、これらのダクト102は例えば互いに平行に配置され得ることが理解される。
【0025】
様々な実施形態によれば、少なくとも1つのダクト102は、第1セクション102-1と第2セクション102-2とで構成され得る。第1セクション102-1は、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の流れ方向に関して、第2セクション102-2より上流に配置され得る。すなわち、少なくとも1つのダクト102は、冷媒がまず第1セクション102-1に流入し、続いて第2セクション102-2に流入するように構成され得る。様々な実施形態によれば、第2セクション102-2は、第1セクション102-1に直接隣接して配置され得る。
【0026】
様々な実施形態によれば、第2セクション102-2において冷媒が昇華できるよう、第2セクション102-2は第1セクション102-1よりも広い断面積を有し得る。例えば、熱交換器100は、冷媒が第2セクション102-2に流入する際に、冷媒と冷却される流体とが熱交換関係にあり、冷却される流体の熱が第2セクション102-2に流入する冷媒に吸収されるように構成され得る。例として、熱交換器100は、第2セクション102-2内の冷媒が、冷却される流体からの熱伝達により昇華するように構成され得る。
【0027】
昇華を起こすには、冷媒は少なくとも部分的に固体の集合状態(例えば、固体/気体の集合状態)である必要がある。さらに冷媒は、固体の集合状態から気体の集合状態へと直接的な相変化が可能な温度レベル及び/または圧力レベルにある必要がある。すなわち、冷媒は、冷媒の状態図において、冷媒の昇華が可能な位置を規定するような温度レベル及び/または圧力レベルにある必要がある。
【0028】
流体(冷媒など)が制限部やチョーク部(小さな断面積を有するパイプ部分といったチョーク開口部)に流入すると、流体の速度が上昇し、その結果、流体の圧力が低下する。チョーク部の上流では、流体は高い圧力レベル(例えば、約10バールから約160バールの範囲、約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲の圧力レベル)になり得る。チョーク部内では、流体が臨界速度(音速)に達し(いわゆるチョーク流れ)、チョーク部内の圧力がより低い圧力レベルへと低下する(例えば、約10バールから約70バールの範囲の圧力レベルへと低下する。例えば約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)。制限部よりも下流では、流体は更に膨張し、流体の圧力は低下し続ける(例えば、約0バールから約5バールの範囲の圧力レベル)。
【0029】
ここで記載される圧力範囲は一例であり、これらの圧力範囲は、例えば昇華する冷媒としてのCO2に適用することができる。これらの圧力範囲は、昇華する冷媒によって変わり得、使用する冷媒によって適宜調整され得るものと理解される。
【0030】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面積は、第2セクション102-2の断面積よりも小さく、第1セクション102-1が少なくとも1つのダクト102の入口にチョークポイントを提供するようになっていてもよい。すなわち、第1セクション102-1は、少なくとも1つのダクト102の入口におけるチョークポイントである。
【0031】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面積は、冷媒が第1セクション102-1より上流では高圧レベル(例えば約10バールから約160バールの範囲の圧力レベルであって、例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)となり、冷媒が第1セクション102-1内において臨界速度(音速)に達して第1セクション102-1内の冷媒の圧力が低圧レベル(例えば約10バールから70バールの範囲であって、例えば約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)となり、第1セクションの後(すなわち第1セクション102-1より下流であって、第2セクション102-2に入る際)では冷媒がさらに膨張し、冷媒の圧力が例えば昇華圧力レベル(例えば約0バールから約5バールの範囲)までさらに低下するようなサイズをとり得る。すなわち、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1に流入する冷媒の圧力が低下するような寸法をとり得る。
【0032】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内(例えば、第1セクション102-1の出口まで)の冷媒の圧力が、冷媒の昇華圧力より高くなり、第1セクション102-1内の冷媒が昇華できないようなサイズをとり得る。すなわち、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1に流入する冷媒の圧力の低下が不十分となり、第1セクション102-1内で冷媒を昇華させないような寸法をとり得る。このように、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内での冷媒の昇華を防ぐような寸法をとり得る。すなわち、熱交換器は、第1セクションに流入する冷媒と冷却される流体との間で熱伝達が起こらないよう構成され得る(例えば、第1セクションは、第1セクションに流入する冷媒と冷却される流体との間で熱伝達が起こらないような寸法をとり得る)。
【0033】
そうしないと、冷媒が第1セクションを流れている間に流体と熱交換する場合、望ましくない効果が生じる可能性がある。例えば、冷媒の三重点より高い点では、液体の冷媒が蒸発する可能性がある(より高い温度での熱獲得)。また例えば、冷媒の三重点未満では、固体の冷媒を第1セクションへ分配するために追加の構成要素が用いられることとなる(そうしないと、第1セクションの上流で固体冷媒による閉塞が起こり得る)。
【0034】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内の冷媒の圧力レベルが、前記冷媒の三重点の圧力レベルよりも高くなるようなサイズをとり得る。
【0035】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内の冷媒が非固体の物質状態(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界等)となるようなサイズをとり得る。すなわち、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内の冷媒が非固体(液体、気体、液体/気体、超臨界状態など)の集合状態となる圧力レベルになるような寸法をとり得る。
【0036】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面積は、制限部(すなわち、第1セクション102-1)を通る質量流量が臨界質量流量に達し、臨界出口圧力が冷媒の三重点より高くなるような寸法をとり得る。臨界質量流量は、入口圧力及び/または入口温度(例えば、第1セクション102-1の入口における圧力及び/または温度)に依存する。このように、スロットリングポイント内(すなわち第1セクション102-1内)の冷媒が非固体の集合状態であるため、スロットリングポイントの閉塞(例えば、第1セクション102-1の閉塞、ひいては、少なくとも1つのダクト102の閉塞)を防ぐことができる。スロットリングポイントを抜けた後(すなわち、第2セクション102-2に入るとき)ようやく、冷媒は昇華圧力レベルまで膨張する。
【0037】
様々な実施形態によれば、前記第1セクション102-1の断面積及び前記第2セクション102-2の断面積は、少なくとも1つのダクト102に流入し第1セクション102-1より下流にある冷媒(すなわち、第2セクション102-2に入る冷媒)の圧力が、第1セクション102-1内の圧力より低くなる(例えば、5バール低い、10バール低い、20バール低い、30バール低い、50バール低い、等)ような寸法をとり得る。例えば、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内の冷媒の圧力レベルが、約10バールから約70バールの範囲となるような寸法をとり得る(例えば、約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲など)。例えば、第2セクション102-2の断面積は、第2セクション102-2内の冷媒の圧力レベルが、約0バールから約5バールの範囲(例えば、大気圧レベル)となるような寸法をとり得る。
【0038】
様々な実施形態によれば、前記第1セクション102-1の断面積及び前記第2セクション102-2の断面積は、少なくとも1つのダクト102に流入する冷媒の圧力が、第1セクション102-1より下流(すなわち、第2セクション102-2内)において、冷媒が昇華できる圧力レベルとなうようなサイズをとり得る。例えば、第1セクション102-1の断面積と第2セクション102-2の断面積は、冷媒が第2セクション102-2に流入する際に昇華に適した圧力レベルとなるような寸法をとり得る(例えば冷媒がCO2を含む場合は、大気圧などの昇華圧力レベル)。
【0039】
冷媒が少なくとも1つのダクト102に入る際に冷媒の流れを調整する(スロットリングする)ことで、冷媒はまず少なくとも1つのダクト102(例えば、第2セクション102-2)内において、確実に昇華の領域に達することができる。すなわち、冷媒が少なくとも1つのダクト102に入る際に冷媒の流れをスロットリングすることで、昇華不可の(例えば非固体の)集合状態にある冷媒を少なくとも1つのダクト102に送り、少なくとも1つのダクト102内のみにおいて、冷媒を昇華可能な(例えば少なくとも部分的に固体の)集合状態に変化させることができる。
【0040】
様々な実施形態によれば、制限部は、第1セクション102-1より上流においては冷媒が液体または液体/気体の集合状態にあり、第1セクション102-1より下流(すなわち、第2セクション102-2内)においては冷媒が膨張して少なくとも部分的に固形の集合状態(たとえば、固体/気体)となるような寸法をとり得る。例えば、第1セクション102-1の断面積及び第2セクション102-2の断面積は、冷媒が第1セクション102-1から第2セクション102-2へ流れる際に圧力が低下し、冷媒が非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界など)の集合状態から少なくとも部分的に固体(例えば、固体/気体)となる集合状態へと遷移するような寸法をとり得る。すなわち、第1セクション102-1の断面積及び第2セクション102-2の断面積は、第2セクション102-2内において冷媒の圧力が低下し、冷媒が冷媒の状態図における昇華領域に達するような寸法をとり得る。
【0041】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面積は、例えば約0.0001mmから約0.8mmの範囲をとり得る(例えば、約0.001mmから約0.5mmの範囲、約0.005mmから約0.25mmの範囲)。様々な実施形態によれば、第2セクション102-2の断面積は、例えば約0.01mmから約400mmの範囲をとり得る(例えば、約0.1mmから約100mmの範囲、約0.5mmから約50mmの範囲、約1mmから約20mmの範囲)。
【0042】
これにより、熱交換器100は、非固体(例えば液体、気体、液体/気体、超臨界状態など)の冷媒を供給されても昇華器として機能することができる。例えば、ここで説明されるダクトの設計を従来の熱交換器に適用することで、従来の熱交換器を冷媒(CO2など)の昇華にも用いることができる。このように、ここで説明される構成は比較的低コストな選択肢を提供し、閉じた冷却サイクルで使用可能な昇華器として用いられることができる。
【0043】
このように、熱交換器100は、非固体の集合状態にある冷媒を受け取るように構成することができる。熱交換器100内において、冷媒は少なくとも部分的に固体の集合状態に変化し、それによって昇華が可能となる。
【0044】
様々な実施形態によれば、冷媒は、二酸化炭素(CO2)などの自然冷媒を含み得る。冷媒は、他方で、HFC、HCFC、HFO、R170、R290、R600などの炭化水素系冷媒を含み得る。様々な実施形態によれば、冷媒は、異なる複数の冷媒の混合物を含み得る。冷媒は、所望される熱交換器100の動作(例えば、達成すべき温度範囲)に基づき選択できるものと理解される。
【0045】
様々な実施形態によれば、熱交換器100は、少なくとも1つのダクト102と接触して(例えば、物理的に直接接触して)配置された少なくとも1つの熱伝達要素104を備え得る。例えば、少なくとも1つの熱伝達要素104は、少なくとも1つのダクト102の表面から突出した1つ以上の外側突出部(例えば、1つ/複数のリブ、1つ/複数のフィンなど)として構成することができる。熱交換器100は複数の熱伝達要素104を備えることができ、これらの熱伝達要素104は、少なくとも1つのダクト102に接触して配置されてもよいし、2つの隣接するダクト102の間に配置されても良いものと理解される。
【0046】
様々な実施形態によれば、少なくとも1つの熱伝達要素104は、冷却される流体と、少なくとも1つのダクト102(例えば、少なくとも1つのダクト102の第2セクション102-2)に流入する冷媒との間の熱伝達に利用できる表面積を増加させ、交換器100の熱伝達率及び全体的な効率が向上するように構成することができる。例えば熱交換器100は、冷却される流体が、少なくとも1つの熱伝達要素104を通って(例えば、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の流れ方向に対して斜めまたは垂直な方向に)流れ、より効率的に冷媒に熱を放出することができるように構成することができる。
【0047】
様々な実施形態によれば、熱交換器100は、第1コンテナ106(例えば、分配コンテナ)を備え得る。第1コンテナ106は、冷媒を少なくとも1つのダクト102に供給するように構成され得る。様々な実施形態によれば、第1コンテナ106は、少なくとも1つのダクト102の複数のパイプ(例えば、複数のミニダクト)または複数のダクト102へ、冷媒を(例えば、均等に)分配するように構成され得る。
【0048】
本明細書で説明される構成により、第1コンテナ106を用いて冷媒(例えば、昇華する冷媒)を容易に供給または分配することができる。なぜなら、冷媒は第1コンテナ106に流入する際には非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界状態など)の集合状態である/あり得るからである。様々な実施形態によれば、第1コンテナ106は、第1コンテナ106に流入する冷媒が非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界状態など)の集合状態であるように構成され得る。このように、昇華する冷媒を単純な方法で供給/分配することができる。また、冷媒は、少なくとも1つのダクト102に入るとき(例えば、第2セクション102-2に入るとき)にようやく、少なくとも部分的に固体の集合状態に変化することができる。
【0049】
様々な実施形態によれば、第1コンテナ106は、冷媒が第1コンテナ106内で中程度の圧力レベルまたは高圧レベル(例えば、約10バールから約160バールの範囲の圧力レベルであって、例えば、約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲、約10バールから約40バールの範囲など)となるよう構成され得る。このように、第1コンテナ106は、冷媒が第1コンテナ106内で完全に液体化、または液体/気体の混合状態、もしくは超臨界状態となるように構成され得る。様々な実施形態によれば、第1コンテナ106は、冷媒が第1コンテナ106内で、冷媒の三重点における圧力レベルよりも(例えば常に)高い圧力レベルにあるように構成され得る。低圧力レベル(例えば、約0バールから約5バールの範囲の圧力レベル)でのスロットリングは、少なくとも1つのダクト102の第2セクション102-2で起こる。
【0050】
様々な実施形態によれば、第1コンテナ106は、液相にある冷媒と気相にある冷媒とを分離するための分離器(例えば、中圧分離器)として構成され得る。本実施形態では、第1コンテナ106は、液体冷媒を少なくとも1つのダクト102に供給するかまたは複数のダクト102のダクトに分配し、気体冷媒を追加の出口(例えば、気体出口)から排出するように構成され得る。その結果、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の条件(例えば、圧力)をより正確に決定することができる。さらに、液体冷媒の供給や分配をより簡単に行うことができる。
【0051】
様々な実施形態によれば、第1コンテナ106は、冷却される流体から断熱されるように適用され得る。例えば第1コンテナ106は、熱交換器100上を流れる又は熱交換器100を通過する冷却される流体から断熱されるようにコーティング(熱被覆)されているか、又はそのようなコーティングを有し得る。その結果、第1コンテナ106内での冷媒のサブクールが防止され、第1コンテナ106内の冷媒が昇華可能な集合状態(例えば、少なくとも部分的に固体の状態)に変化するのを防ぐことができる。
【0052】
様々な実施形態によれば、熱交換器100は、第2コンテナ108(例えば、回収コンテナ)を備え得る。第2コンテナ108は、少なくとも1つのダクト102から排出された冷媒を受け取るように構成され得る。様々な実施形態によれば、第2コンテナ108は、固体冷媒成分(例えば、冷媒の固体粒子)を収集するように構成され得る。冷媒が少なくとも部分的に固体状態になると、固体の冷媒成分が形成される。これらの固体冷媒成分は、第2セクション102-2内で、冷却される流体との間の熱伝達によって昇華することができる。これらの固体冷媒成分の一部が昇華しない場合、冷却システムに問題を引き起こす可能性がある。例えば、これらの固体冷媒成分は圧縮器を損傷する可能性がある。よって、第2コンテナ108は、少なくとも1つのダクト102から排出された固体冷媒成分が第2コンテナ108に集まるように構成され得る。これにより、冷媒成分が冷却システム内で不要に循環するのを防ぐことができる。
【0053】
様々な実施形態によれば、第2コンテナ108は、固体分離器(例えば、サイクロン分離器)として構成され得る。例えば第2コンテナ108は、第1の出口から気体冷媒を排出し、固体冷媒(例えば、冷媒の固体粒子などの固体冷媒成分)を回収するように構成され得る。様々な実施形態によれば、第2コンテナ108は、蓄積された固体冷媒を吐出するための第2の出口を備え得る。このように、熱交換器100を冷却システム内で用いると、第2コンテナ108は気体冷媒のみを冷却システムに提供し循環させることができる。
【0054】
図2A図2B図2C図2D図2E及び図2Fはそれぞれ、様々な実施形態にかかる熱交換器100のダクト102の断面を模式的に示している。
【0055】
少なくとも1つのダクト102の第1セクション102-1及び第2セクション102-2は、第2セクション102-2内でのみ冷媒を昇華させるという効果を得られるような任意のサイズ及び/または形状をとり得る。例えば、第1セクション102-1及び/または第2セクション102-2は、円形断面、楕円形断面、正方形断面、長方形断面、多角形断面など、任意の形状の断面を有し得る。
【0056】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面は、第2セクション102-2の断面と同じ形状を有してもよい。他方、第1セクション102-1の断面と第2セクション102-2の断面は異なる形状を有してもよい。
【0057】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1は、第1セクション102-1内の冷媒の流れ方向に沿って(例えば、第1セクション102-1の長さ方向101に沿って)変化しない断面を有し得る。ただし、第1セクション102-1は、第1セクション102-1内の冷媒の流れ方向に沿って(例えば、第1セクション102-1の長さ方向101に沿って)変化する断面を有してもよい。例えば、第1セクション102-1の断面は、その形状及び/または大きさが変化してもよい。
【0058】
様々な実施形態によれば、第2セクション102-2は、第2セクション102-2内の冷媒の流れ方向に沿って(例えば、第2セクション102-2の長さ方向101に沿って)変化しない断面を有してもよい。ただし、第2セクション102-2は、第2セクション102-2内の冷媒の流れ方向に沿って(例えば、第2セクション102-2の長さ方向101に沿って)変化する断面を有してもよい。例えば、第2セクション102-2の断面の形状及び/または大きさは変化してもよい。
【0059】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1と第2セクション102-2は、図2Aに示すように、第1セクション102-1と第2セクション102-2との境界で断面積が急激に(すなわち急に)変化するように構成され得る。
【0060】
ただし、第2セクション102-2は、図2Bに示すように、第1セクション102-1との境界から徐々に広がり所望の断面積となるような断面積を有してもよい。例えば、第2セクション102-2は、テーパ状の形状を有してもよい。本実施形態では、このように、断面積が徐々に変化する。
【0061】
このように、第1セクション102-1及び第2セクション102-2の形状及び断面積は、例えば熱交換器100が使用される冷却システムの冷媒及び/またはその他の動作パラメータに応じて、適宜選択することができる。
【0062】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1の断面は、少なくとも1つのダクト102における冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿ったサイズ(例えば方向101に垂直な方向に沿ったサイズ。高さ、幅、直径、端部の長さなど)として、約0.01mmから約0.5mmの範囲をとり得る(例えば、約0.01mmから約0.2mmの範囲、約0.02mmから約0.1mmの範囲、約0.02mmから約0.05mmの範囲)。例えば、第1セクション102-1の断面のサイズは、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿って0.1mm未満となり得る。例えば、第1セクション102-1の断面は、第1セクション102-1に流入する冷媒が臨界速度(例えば、音速)に達するようなサイズをとり得る。
【0063】
様々な実施形態によれば、第1セクション102-1は、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の流れ方向に平行な方向に沿ったサイズとして(例えば、方向101に沿った第1セクション102-1の長さ)、第1セクション102-1内の冷媒が非固体の集合状態のままであるようなサイズをとり得る。すなわち、第1セクション102-1の長さは、第1セクション102-1に流入する冷媒の圧力低下が不十分であり、第1セクション102-1の冷媒が昇華できない(例えば、冷媒の三重点未満の圧力レベルとならない)ような寸法をとり得る。
【0064】
様々な実施形態によれば、第2セクション102-2の断面は、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿ったサイズ(例えば方向101に垂直なサイズで、高さ、幅、直径、縁の長さなど)として、約0.1mmから約20mmの範囲のサイズをとり得る(例えば、約0.5mmから約10mmの範囲、約1mmから約5mmの範囲)。
【0065】
様々な実施形態によれば、第2セクション102-2は、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の流れ方向に平行な方向に沿った寸法(例えば、方向101に沿った第2セクション102-2の長さ)として、第2セクション102-2内の冷媒が完全に昇華できるような寸法をとり得る。
【0066】
第1セクション102-1の所望の断面積の寸法及び断面を得るために、所望のサイズ(例えば、所望の直径)のワイヤーを従来のダクト(例えば、従来のミニダクト)に挿入してもよい。その後、ダクトの当初のセクションを締め付け、最後にワイヤーを除去することで、断面積が縮小された第1セクション102-1を備えるダクト102とすることができる。挿入されたワイヤーには、締め付け後に加熱によって焼き切れるようなコーティングがなされていてもよい。これにより、ダクト102(例えばダクト102の内面)とワイヤーの間にすき間ができるため、より簡単にワイヤーを除去することができる。複数のワイヤーを例えば同時に使用して、複数のダクト(例えば、複数のミニダクト)または1つのダクトの複数のパイプを修正することができると理解される。
【0067】
あるいは、ダクトの入口が閉じるまでダクトを締め付け、例えばドリルやレーザーなどでダクトに穴を開け、その結果、断面積が縮小された第1セクション102-1を備えるダクト102とすることができる。複数のダクト(例えば、複数のミニダクト)または1つのダクトの複数のパイプを同時に修正し、それぞれのダクトまたはパイプに穴を開けてもよいと理解される。
【0068】
様々な実施形態によれば、例えば図2Cから図2Fに示すように、狭窄部210(例えば、スリーブ、穴あきディスク、穴あきプレート、キャップなど)を用いて、第1セクション102-1の断面積を小さくしたり、または少なくとも1つのダクト102の入口に制限点を設けてもよい。狭窄部210は、少なくとも1つのダクト102の入口にチョークポイントが設けられるような適切な要素であればよい。
【0069】
狭窄部210の断面(例えば、内部断面)は、円形、楕円形、正方形、長方形、多角形など、任意の適切な断面であってよい。
【0070】
様々な実施形態によれば、狭窄部210の断面(例えば内部断面)のサイズ(例えば内部サイズ)は、狭窄部210内の冷媒の流れ方向に垂直な方向(例えば方向101に垂直な方向であって、高さ、幅、直径、端部の長さなど)に沿って、約0.01mmから約0.5mmの範囲をとり得る(例えば、約0.01mmから約0.2mmの範囲、約0.02mmから約0.1mmの範囲、約0.02mmから約0.05mmの範囲)。例えば、狭窄部210の断面の寸法は、狭窄部210内の冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿って0.1mm未満であってもよい。例えば、狭窄部210の断面は、狭窄部210に流入する冷媒が狭窄部210内(及び例えば第1セクション102-1内)で臨界速度(例えば、音速)に達するようなサイズをとり得る。
【0071】
様々な実施形態によれば、狭窄部210の断面(例えば内部断面)は、狭窄部210内(及び例えば第1セクション102-1内)での冷媒の昇華を妨げるような寸法を取り得る。例えば、狭窄部210の断面は、狭窄部210内の圧力レベルが、狭窄部210内において冷媒が昇華できないレベルとなるような寸法をとり得る。例えば、狭窄部210の断面は、狭窄部210内の冷媒が非固体の集合状態(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界状態)となるような寸法をとり得る。様々な実施形態によれば、狭窄部210の断面は、狭窄部210内の冷媒の圧力レベルが、冷媒の三重点における圧力レベルよりも大きくなるような寸法をとり得る。
【0072】
様々な実施形態によれば、狭窄部210は、狭窄部210内の冷媒の流れ方向に平行な方向に沿った寸法(例えば、方向101に沿った狭窄部210の長さ)として、狭窄部210内の冷媒が非固体の集合状態のままであるような寸法をとり得る。言い換えれば、狭窄部210の長さは、狭窄部210に流入する冷媒の圧力低下が不十分であり、狭窄部210内での冷媒の昇華を可能にしたり、冷媒の三倍圧未満の圧力レベルに達するのに十分ではないように寸法設定されてもよい。
【0073】
様々な実施形態によれば、少なくとも1つのダクト102は第1セクション102-1内に狭窄部210を備え得る。図2C及び図2Dに示すように、狭窄部210は、第1セクション102-1の断面積を縮小するように第1セクション102-1内に備えられ得る。例えば、狭窄部210をダクトに挿入し、狭窄部210が固定されるようにダクト(例えば、ダクトの入口)を締め付けることで、断面積が縮小された第1セクション102-1を備えるダクト102としてもよい。狭窄部は、複数のダクトの各ダクト内に配置されてもよいし、1つのダクトの各パイプ(例えば、各ミニダクト)に配置されてもよい。
【0074】
様々な実施形態によれば、狭窄部210は、例えば図2Cに示すように、その全体が少なくとも1つのダクト102内(例えば、第1セクション102-1内)に入るように配置されてもよい。他方、例えば図2Dに示すように、狭窄部210の一部は、少なくとも1つのダクト102の外側(例えば、第1セクション102-1の外側)に配置されてもよい。
【0075】
様々な実施形態によれば、狭窄部210は、例えば図2E及び図2Fに示すように、少なくとも1つのダクト102の入口に配置されてもよい(例えば、はんだ付けなどで接着されてもよい)。本実施形態では、狭窄部210の長さまたは厚さは、約1ミクロンから約500μmの範囲(例えば約50μmから約200μmの範囲)をとり得る。
【0076】
例えば、狭窄部210は、図2Eに示すように、穴が1つ以上開けられた薄い板(例えば、シート、ディスク)でもよい。あるいは、狭窄部210は、例えば図2Fに示すように穴が1つ以上開けられ、少なくとも1つのダクト102の入口に配置されたキャップでもよい。
【0077】
この実施形態では、狭窄部210は、少なくとも1つのダクト102の追加セクションを形成してもよい。したがって、狭窄部210は、少なくとも1つのダクト102の第1セクション102-1として機能してもよく、少なくとも1つのダクト102は、少なくとも1つのダクト102の第2セクション102-2として機能してもよい。言い換えれば、狭窄部210及び少なくとも1つのダクト102は、以下となるような構成/寸法をとり得る:狭窄部210の上流では、冷媒が高圧レベルとなる;狭窄部210内では、冷媒が臨界速度(音速)に達してより低い圧力レベルとなる;狭窄部210の後、例えば少なくとも1つのダクト102への流入時には、冷媒がさらに膨張して冷媒の圧力がさらに低下し、例えば昇華圧力レベルとなる(例えば、約0バールから約5バールの範囲の圧力レベル)。高圧レベルは、例えば約10バールから約160バールの範囲である(例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)。より低い圧力レベルは、例えば約40バールから約70バールの範囲である(例えば約10バールから約70バールの範囲、約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)。
【0078】
様々な実施形態によれば、熱交換器100は、冷媒を運ぶための少なくとも1つのダクト102と、少なくとも1つのダクト102より上流に配置された少なくとも1つの狭窄部210とを備える。少なくとも1つのダクト102内で冷媒が昇華可能となるよう、少なくとも1つのダクト102の断面積は、少なくとも1つの狭窄部210の断面積(例えば、内部断面積)よりも大きくなっていてもよい。
【0079】
図2Gは、様々な実施形態にかかる熱交換器100のコンテナ106とダクト102を模式的に示したものである。
【0080】
明確性のため、図2Gでは、第1コンテナ106及び少なくとも1つのダクト102のみが示されている。熱交換器100にはこれら以外の要素(例えば、第2コンテナ106、少なくとも1つの熱伝達要素104など)も存在するものと理解される。
【0081】
様々な実施形態によれば、少なくとも1つのダクト102は、例えばはんだ付けによって第1コンテナ106に挿入されてもよい。少なくとも1つのダクト102を第1コンテナ106に接続する際には、その過程で第1セクション102-1が例えば熱膨張によって変形したり、例えばはんだ付けによって密閉されないよう、注意する必要がある。
【0082】
第1セクション102-1の望まない改変(すなわち、制限)を避けるため、少なくとも1つのダクト102は、例えば第1セクション102-1が少なくとも1つのダクト102と第1コンテナ106との間の接合部(はんだ接合部など)から十分に外れるよう、第1コンテナ106内に突出していてもよい。様々な実施形態によれば、少なくとも1つのダクト102は、第1セクション102-1の望まない改変が避けられるような深さtEで第1コンテナ106に挿入されてもよい。
【0083】
第1セクション102-1の断面積を小さくするため、または、少なくとも1つのダクト102の追加セクションを形成するために狭窄部210を用いる場合、狭窄部210は、使用されるはんだによって濡れない材料を含んでもよい。
【0084】
以下、ここで説明した熱交換器100を備えた冷却システムの可能な配置について説明する。これらの配置は例として選ばれており、この他にも、任意の適切な配置や構成要素が可能であるものと理解される。
【0085】
図3は、様々な実施形態にかかる熱交換器100を備えた冷却システム300を模式的に示している。
【0086】
様々な実施形態によれば、熱交換器100は、冷却システム300(例えば冷凍システム)が昇華による冷却工程、すなわち-50℃未満の温度レベルでの冷却工程でも使用できるように、冷却システム300に挿入され得る。冷却システム300は、従来の(例えば、冷蒸気による)冷却システムであって、その蒸発器を本明細書に記載の熱交換器100に置き換えたものであってもよい。
【0087】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、熱交換器100より下流に配置された圧縮器312を備えてもよい(例えば、レシプロ圧縮器、スクリュー圧縮器、ロータリー圧縮器、遠心圧縮器、スクロール圧縮器など)。冷却システム300は、昇華後に気体状態で熱交換器100から排出された冷媒が、圧縮器312に供給されるように構成され得る。例えば、圧縮器312は、熱交換器100と(例えば流体的に)連通していてもよい。圧縮器312と熱交換器100とは、例えば吸引導管などの導管によって互いに接続されていてもよい/接続可能となっていてもよい。様々な実施形態によれば、圧縮器312は、熱交換器100の出口から(例えば、第2コンテナ108のガス排出口から)冷媒を吸引するように構成され得る。
【0088】
様々な実施形態によれば、圧縮器312は、冷媒を圧縮するように構成され得る。これにより、例えば、圧縮器312は、冷媒を低圧で(例えば約0バールから約5バールの範囲の圧力レベルで)受け取り、冷媒を高圧で(例えば約10バールから約160バールの範囲、約70バールから約140バールの範囲、または約40バールから約70バールの範囲の圧力レベルで)排出するように構成され得る。
【0089】
さらに圧縮器312は、冷媒を冷却システム300内に循環させるように構成され得る。
【0090】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、圧縮器312より下流側に配置された放熱用熱交換器314を備え得る(例えば、凝縮器、ガス冷却器など)。様々な実施形態によれば、冷却システム300は、圧縮器312によって圧縮された冷媒が放熱用熱交換器314に供給されるように構成され得る。例えば、排熱用熱交換器314と圧縮器312は(例えば流体的に)連通していてもよい。排熱用熱交換器314と圧縮器312は、例えばガスラインなどの導管によって互いに接続されていてもよい/接続可能となっていてもよい。
【0091】
様々な実施形態によれば、排熱用熱交換器314は、熱交換器100より上流側に配置されてもよい。このように、冷却システム300は、排熱用熱交換器314から排出された冷媒が、熱交換器100(例えば第1コンテナ106)に供給されるように構成されてもよい。例えば、排熱用熱交換器314は、熱交換器100(例えば第1コンテナ106)と(例えば流体的に)連通していてもよい。例えば、排熱用熱交換器314と熱交換器100とは、(例えば流体導管などの導管によって)互いに接続されていてもよい/接続可能となっていてもよい。
【0092】
様々な実施形態によれば、排熱用熱交換器314は、冷媒が排熱用熱交換器314に流入し、冷媒が排熱用熱交換器314に流入する際に冷媒から熱が放出されて二次流体(例えば、空気、水、塩水など)に吸収される(冷媒が二次流体と熱伝達関係にある)よう構成されてもよい。このようにして冷媒を冷却することができる。様々な実施形態によれば、排熱用熱交換器314から排出される冷媒は高圧状態であってもよい。例えば、冷媒の圧力は約10バールから約160バールの範囲をとり得る(例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)。
【0093】
代わりに/加えて、冷媒が排熱用熱交換器314に流入し、後者が第2の冷媒と熱交換関係にあるように、排熱用熱交換器314を構成してもよい。例えば、排熱用熱交換器314は他の熱交換器(例えば、他の冷却回路)と熱交換関係にあってもよい。この場合、排熱用熱交換器314に流入する冷媒から熱が抽出され、その熱は他の熱交換器(他の冷却回路など)に流入する第2の冷媒に吸収される。
【0094】
熱交換器100の第1コンテナ106内の冷媒の圧力、及び、少なくとも1つのダクト102の第1セクション102-1の入口における冷媒の圧力は、臨界質量流量に影響を与える。臨界質量流量は、制限部(例えば第1セクション102-1)に流入可能な最大質量流量を表す。例えば、臨界質量流量は、入口圧力が高くなると(例えば、第1セクション102-1の入口における冷媒の圧力が高くなると)増加する。質量流量を増やすことで冷却力を高めることができる。
【0095】
様々な実施形態によれば、冷却システム300はさらに、開回路の制御システムまたは閉回路の制御システムを備え得る。開回路の制御システムは、冷却システム300の構成要素を開回路で制御するように構成されてよい。さらに/または閉回路の制御システム300は、冷却システム300の構成要素の動作条件を閉回路で制御するように構成されてよい。
【0096】
排熱用熱交換器314から排出される冷媒の圧力(例えば高圧)を制御(閉回路制御)すること、すなわち熱交換器100に供給される冷媒の圧力を制御することは、第1コンテナ106及び/または第1セクション102-1における質量流量を制御する効果があると考えられる。高圧にすることで、臨界質量流量を増加させ、それによって冷媒のスーパーヒートを下げ、さらに/または冷却力を高めることができる。高圧の制御は、例えば、排熱用熱交換器314の温度レベルを制御することで行うことができる。
【0097】
様々な実施形態によれば、開回路の制御システム及び/または閉回路の制御システムは、排熱用熱交換器314により放出される冷媒の圧力が増加(または減少)し、第1コンテナ106内の冷媒の質量流量が増加(または減少)するように、排熱用熱交換器314を開回路制御/閉回路制御するように構成され得る。例えば、開回路の制御システム及び/または閉回路の制御システムは、排熱用熱交換器314から放出される冷媒の圧力が増加(または減少)し、質量流量が増加(または減少)し、及び/または冷媒のスーパーヒートが低下(または上昇)するように、排熱用熱交換器314を開回路制御/閉回路制御するように構成することができる。
【0098】
冷却システム300は、任意でバルブ316を備えてもよい(例えば、スロットルバルブ、キャピラリーパイプ、サーモスタット膨張バルブ、電子膨張バルブ、手動膨張バルブなどの膨張バルブなど)。バルブ316は、排熱用熱交換器314より下流かつ熱交換器100より上流に配置されてもよい(例えば、排熱用熱交換器314と熱交換器100との間)。
【0099】
バルブ316を用いることで、スーパーヒート及び/または冷却力を開回路制御または閉回路制御することができる。しかし、二相の冷媒(例えば、液体と気体)または超臨界の冷媒が第1コンテナ106に流入する。第1コンテナ106への液体/気体条件での流入は、純粋な液体または超臨界条件での流入と比べ、分配がうまくできなくなる。
【0100】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、排熱用熱交換器314から排出された冷媒がバルブ316に供給されるよう構成され得る。例えば、バルブ316は、排熱用熱交換器314と(例えば流体的に)連通していてもよい。バルブ316と排熱用熱交換器314とは、例えば気体導管、流体導管などの導管によって互いに接続されていてもよい/接続可能となっていてもよい。
【0101】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、バルブ316から吐出された冷媒が熱交換器100に供給されるように構成され得る。例えば、バルブ316と熱交換器100とは(例えば流体的に)連通していてもよい。バルブ316と熱交換器100とは、例えば、気体導管、液体導管などの導管によって互いに接続されていてもよい/接続可能となっていてもよい。
【0102】
バルブ316は、バルブ316に流入する際の冷媒の圧力を低下させるように構成されてよく、これにより熱交換器100に供給される冷媒の圧力を調節するために用いることができる。このようにバルブ316は、例えば、第1コンテナ106内の冷媒の圧力及び第1セクション102-1内の冷媒の圧力を調節するために使用できる。その結果、バルブ316を用いて、熱交換器100における質量流量及び/または冷却力を調整することができる。
【0103】
様々な実施形態によれば、開回路の制御システムまたは閉回路の制御システムは、バルブ316を開回路制御/閉回路制御して、バルブ316から排出される冷媒の圧力を増加(または減少)させ、熱交換器100内(例えば第1コンテナ106内)の冷媒の質量流量を増加(または減少)させるように構成され得る。本実施形態では、2つの膨張段階を実現し得る。第1の膨張段階は、バルブ316によって実現される。第2の膨張段階は、少なくとも1つのダクト102内に配置される(例えば、第1セクション102-1でのスロットリングの後)。
【0104】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は遮断バルブ(図示せず)をさらに備えてもよく、この遮断バルブは熱交換器100より上流に(例えば、直接)配置され得る。遮断バルブは、閉じているときは冷媒が遮断バルブに流入せず、開いているときは冷媒が遮断バルブに流入するように構成することができる。
【0105】
様々な実施形態によれば、遮断バルブは、冷却プロセスが開始されてから、吸引圧力が圧縮器312によって(例えば、圧縮器312の冷媒吸引によって)最小吸引圧力に達するまで、閉じたままであるように構成することができる。このように、遮断バルブは、最小許容吸引圧力に達した後にのみ開く、または開かれるように構成することができる。
【0106】
様々な実施形態によれば、遮断バルブは、動作中、最大許容吸引圧力を超えたときには閉じるよう構成することができる。したがって、冷却システム300内の圧力レベルが熱交換器100の所望の動作に適している場合(例えば、熱交換器100の少なくとも1つのダクト102の第2セクション102-2内で冷媒を昇華させるのに適している場合)、遮断バルブを用いることで、適宜熱交換器100へ冷媒を流したり、または流れを止めたりすることができる。さらに遮断バルブは、システムのシャットダウンの間は閉じられたままとなり、動作圧力レベルを維持するよう構成することができる。
【0107】
上記で説明したように、熱交換器100の第2コンテナ108は、固体分離器であってもよいし、固体分離器として動作するよう構成されてもよい。代わりに/加えて、冷却システム300は固体分離器(図示せず)を備えてもよく、この固体分離器は熱交換器100より下流に配置され得る。様々な実施形態によれば、固体分離器は、熱交換器100から排出された冷媒を受け取り、気体冷媒を圧縮器312に供給し、固体冷媒(例えば、冷媒の固体粒子などの固体冷媒成分)を回収するよう構成することができる。このようにして、圧縮器312を固体冷媒による損傷から保護することができる。
【0108】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、非冷媒粒子を捕捉するよう構成された微粒子フィルタ(図示せず)をさらに備えてもよい。微粒子フィルタは、冷却システム300に循環する非冷媒粒子を遮断できるよう、冷却システム300内の任意の適切な場所に配置され得る。これにより、非冷媒粒子が制限点(例えば、少なくとも1つのダクト102及び/または少なくとも1つのダクト102の第1セクション102-1)が詰まらせるのを防ぐことができる。
【0109】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、熱交換器100の出口で吸引ガスに熱を伝達するための内部熱交換器(図示せず)をさらに備えてもよい。熱は、例えば、排熱用熱交換器314の下流において冷却プロセスから抽出されることができる。本実施形態では、プロセスの効率化と冷却力の向上を図ることができる。
【0110】
図4は、様々な実施形態による熱交換器100を備える冷却システム300を模式的に示す。
【0111】
上記に示すように、第1コンテナ106は、分離器(例えば、中圧分離器)であってもよいし、分離器として構成されていてもよい。このような実施形態において、第1コンテナ106は、最上部のダクト102より高い部分を備え得る。第1コンテナ106の高い部分は、例えば、少なくとも1つのダクト102よりも上、または複数のダクト102のうちの最上部のダクト102よりも上にある。例えば、第1コンテナ106は、最上部のダクト102より上に延びていてもよい。
【0112】
様々な実施形態によれば、第1コンテナ106は、例えば高い部分に配置されるガス排出口を備えてもよい。冷却システム300は、第1コンテナ106のガス排出口から排出される気体冷媒が圧縮器312に供給されるように構成することができる。例えば、冷却システム300は、第1コンテナ106のガス排出口から排出された気体冷媒が、熱交換器100から(例えば第2コンテナ108から)排出された気体冷媒とともに圧縮器312に供給されるように配置されてもよい。
【0113】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、オプションとして追加バルブ418を備えてもよい(例えば、スロットルバルブ、キャピラリーバルブ、サーモスタット膨張バルブ、電子膨張バルブ、手動膨張バルブなどの膨張バルブ)。追加バルブ418は、冷媒が追加バルブ418に流入する際の冷媒の圧力を低下させるように構成することができる。追加バルブ418は、第1コンテナ106のガス排出口より下流に配置することができる(例えば、第1コンテナ106のガス排出口と圧縮器312との間)。追加バルブ418は、第1コンテナ106のガス排出口と(例えば流体的に)連通していてもよい。追加バルブ418と第1コンテナ106のガス排出口は、例えばガスラインなどの導管によって互いに接続されているか、または接続可能となっていてもよい。
【0114】
このように追加バルブ418は、第1コンテナ106のガス排出口から受け取った気体冷媒の圧力を低下させ、熱交換器100から(例えば、第2コンテナ108から)排出される気体冷媒と同じまたはそれに近い圧力レベルにするのに利用することができる。例えば、追加バルブ418は、中圧レベルで第1コンテナ106のガス排出口から冷媒を受け取り、冷媒の圧力を低圧レベルに下げるように構成することができる。中圧レベルは、例えば約10バールから約70バールの範囲の圧力レベルであって、例えば約10バールから約40バールの範囲、または約40バールから約70バールの範囲である。低圧レベルは、例えば約0バールから約5バールの範囲の圧力レベルである。したがって、得られた中圧ガスを、追加バルブ418を介して、圧縮器312の吸引ガスに供給することができる。
【0115】
代わりに/加えて、圧縮器312は、圧縮プロセスにおいて、中圧レベルで気体冷媒を供給するように構成することができる(いわゆる中間注入)。中圧レベルは、例えば約10バールから約70バールの範囲の圧力レベルで合って、例えば約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲である。本実施形態において、圧縮器312は、第1コンテナ106のガス排出口から冷媒を(例えば、直接)受け取る際に、冷媒の圧力を低下させずに受け取るように構成することができる。例えば、圧縮器312は、第1の入力部と第2の入力部を備えてもよい。この場合、圧縮器312は、第1の入力部を通じて第2コンテナ108から冷媒を受け取り(すなわち吸引し)、第2の入力部を通じて第1コンテナ106のガス排出口から冷媒を受け取るように構成される。このように、第1コンテナ106のガス排出口から受け取った冷媒は、例えば、第2コンテナ108から受け取った冷媒が圧縮された後に、圧縮プロセスにおいて供給されることができる。
【0116】
上述したように、第2コンテナ108は、固形分離器(例えば、サイクロン分離器)として構成されることができる。様々な実施形態によれば、熱交換器100の第2コンテナ108は延長部を備えてもよく、この延長部は最下部のダクト102の下に延びている(例えば、少なくとも1つのダクト102の下、または複数のダクト102の最下部のダクト102の下)。例えば、第2コンテナ108は、最下部のダクト102の下に延びていてもよい。様々な実施形態によれば、第2コンテナ108は、ガス排出口から気体冷媒を吐出し、固体冷媒(例えば、冷媒の固体粒子などの固体冷媒成分)を蓄積するように構成されてもよい。例えば、第2コンテナ108は、延長部に固体冷媒を蓄積するように構成されてもよい。
【0117】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、第2コンテナ108から排出された気体冷媒が圧縮器312に供給されるように構成されてもよい。このように、圧縮器312が固体冷媒を吸引するのを防止することができる。
【0118】
代わりに/加えて、第2コンテナ108は第2の出口を備えてもよく、この第2の出口を通して固体冷媒成分(例えば、冷媒の固体粒子)が吐出され圧縮器312に提供される。例えば、第2コンテナ108の延長部と圧縮器312とは、互いに(例えば流体的に)連通していてもよい。本実施形態では、第2コンテナ108は、圧縮器312に提供された固体冷媒成分が圧縮器312への移動中に昇華して圧縮器312に損傷を与えないサイズとなるよう、構成することができる。このようにして、回路内で循環した後に圧縮器312から排出されて第2コンテナ108内(例えば、第2コンテナ108の延長部内)に蓄積した冷媒油を、圧縮器312に戻すことができる。
【0119】
冷媒のスーパーヒートを制御するために、第2コンテナ108の底部(例えば、固形物分離器の底部)でスーパーヒートを感知してもよい。そこでは、少なくとも1つのダクト102(または複数のダクト102)から固体冷媒成分が出ない場合にのみ、スーパーヒートが発生する。第2コンテナ108の中または第2コンテナ108の下流の別の場所(例えば、固体分離器の中または下流)でスーパーヒートが計測された場合、冷媒が熱平衡状態ではないため、固体冷媒が少なくとも1つのダクト102から出たとしてもスーパーヒートを検出することがある。
【0120】
図5は、様々な実施形態にかかる熱交換器100を備えた冷却システム300を模式的に示すものである。
【0121】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、冷媒を二段階圧縮できるよう、第2の圧縮器520を備えてもよい(例えば、往復式圧縮器、スクリュー圧縮器、回転式圧縮器、遠心式圧縮器、スクロール圧縮器など)。例えば、第2の圧縮器520は、第1の圧縮器312より下流に位置していてもよい。
【0122】
このような実施形態において、排熱用熱交換器314は、周囲温度レベルであってもよく、その結果、高い圧力比及び圧縮端温度が得られる。第2の圧縮器520は、このような高い圧力比を実現するために用いることができる。
【0123】
本実施形態では、追加バルブ418を省略し、第1コンテナ106から(例えば、第1コンテナ106のガス排出口から)吐出された気体冷媒を第2圧縮器520に(例えば、直接)供給してもよい。二段圧縮により、第1コンテナ106から排出される気体冷媒の圧力(例えば、第1コンテナ106のガス排出口からの圧力)を低圧レベルまで低下させないようにすることができる。その結果、プロセス(例えば、圧縮プロセス)をより効率よくすることができる。
【0124】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、第1コンテナ106から(例えば、第1コンテナ106のガス排出口から)排出された気体冷媒が、圧縮器312から排出された圧縮冷媒とともに第2の圧縮器520に供給されるように構成されてもよい。例えば、第1コンテナ106のガス排出口と第2の圧縮器520とは、互いに連通していてもよい。例えば、第1コンテナ106のガス排出口と第2の圧縮器520とは、(例えば、ガスラインなどの導管によって)互いに接続されていてもよいし、接続されるようになってもよい。様々な実施形態によれば、第2の圧縮器520は、第1コンテナ106から(例えば、第1コンテナ106のガス排出口から)冷媒を吸引するように構成されてもよい。
【0125】
様々な実施形態によれば、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、第2の圧縮器520(例えば、第2の圧縮器520の速度)を開回路制御/閉回路制御するように構成されてもよい。例えば、第2の圧縮器520の速度の増加は、第1コンテナ106内の圧力(例えば、平均圧力)の低下をもたらし得る。言い換えれば、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、第1コンテナ106内の冷媒の圧力が増加(または減少)するように、第2圧縮器520(例えば、第2圧縮器520の速度)を開回路制御/閉回路制御するように構成されてもよい。このように、第2圧縮器520を開回路制御/閉回路制御して冷媒のスーパーヒートを制御することもできる。
【0126】
図6は、様々な実施形態にかかる熱交換器100を備えた冷却システム300を模式的に示している。
【0127】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は分離器622(例えば中圧分離器)を備えてもよく、分離機622は熱交換器100より上流に配置され得る。分離器622は、気体冷媒を液体冷媒から分離するように構成することができる。
【0128】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、分離器622から出された液体冷媒を熱交換器100に供給するように構成されてもよい。例えば、分離器622は、ガス出口と液体出口とを備え得る。液体出口は、熱交換器100に(例えば、第1コンテナ106に)接続されていてもよいし、接続されるようになっていてもよい。したがって、第1コンテナ106には、液体冷媒または超臨界冷媒のみを供給することができる。分離器622、及び関連する第1コンテナ106の液体/超臨界入口を用いることによって、冷媒をより効率的な方法で供給または分配することができる。
【0129】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、分離器622から排出された気体冷媒が圧縮器312に供給されるように構成されてもよい。
【0130】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、他のバルブ624(例えば、スロットルバルブ、キャピラリーパイプ、サーモスタット膨張バルブ、電子膨張バルブ、手動膨張バルブなどの膨張バルブ等)を備えてもよい。他のバルブ624は、冷媒が他のバルブ624に流入する際に冷媒の圧力を低下させるように構成することができる。他のバルブ624は、分離器622のガス排出口より下流かつ圧縮器312より上流に配置されてもよい。他のバルブ624は、分離器622のガス排出口と(例えば流体的に)連通していてもよい。例えば、他のバルブ624と分離器622のガス排出口は(例えばガスラインなどの導管によって)接続されているか、または接続されるようになっていてもよい。
【0131】
このように、他のバルブ624を用いて、分離器622のガス排出口から排出される冷媒の圧力を、熱交換器100から(例えば、第2コンテナ108から)排出される気体冷媒と同じまたはそれに近い圧力レベルとなるよう減圧させることができる。例えば、他のバルブ624は、中圧レベルで分離器622のガス排出口から冷媒を受け取り、冷媒の圧力を低圧レベルまで下げるよう構成されてもよい。中圧レベルは例えば約10バールから約70バールの範囲の圧力レベルであって、例えば約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲である。低圧レベルは例えば、約0バールから約5バールの範囲の圧力レベルである。このように、得られた中圧ガスは、他のバルブ624を介して圧縮器312の吸引ガスに供給することができる。
【0132】
冷却システム300は他の構成要素も備え得るものと理解される。例えば、冷却回路の様々な箇所における冷媒の温度及び/または圧力を感知するために、温度センサー及び/または圧力センサーが備えられてもよい。感知された温度及び/または圧力は、冷却システム300の要素の動作パラメータ(例えば、バルブ316、他のバルブ624、圧縮器312などの動作パラメータ)を開回路制御または閉回路制御するためのフィードバックパラメータとして使用されてもよい。
【0133】
様々な実施形態によれば、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、感知された温度及び/または圧力に基づいて、バルブ316及び/または他のバルブ624を開回路制御/閉回路制御するように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、開回路制御システム及び/または閉回路制御システムは、感知された温度及び/または感知された圧力に基づいて、圧縮器312(例えば、圧縮器312の速度)または第2の圧縮器520(例えば、第2の圧縮器520の速度)を開回路制御/閉回路制御するように構成されてもよい。
【0134】
例えば、バルブ316は、所定のサブクールに応じた亜臨界動作のために開回路制御または閉回路制御されてもよい。結果として生じる入口圧力が最大の所定の亜臨界高圧に達すると、バルブ316は、最大の所定の亜臨界高圧に応じて閉回路制御されることが望ましい。
【0135】
他のバルブ624は、分離器622内の圧力(例えば、平均圧力)を閉回路制御してもよい。圧力(例えば平均圧力)が高くなると、臨界質量流量が増加し、その結果、冷却能力が高くなり、スーパーヒートが減少する。例えば、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、分離器622内の冷媒の圧力が増加(または減少)するように、他のバルブ624から排出される冷媒の圧力が増加(または減少)するように、他のバルブ624を開回路制御/閉回路制御するよう構成されてもよい。例えば、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、分離器622における冷媒の質量流量を増加(または減少)させるように、他のバルブ624から排出される冷媒の圧力を増加(または減少)させるように、他のバルブ624を開回路制御/閉回路制御するよう構成されてもよい。
【0136】
最大圧力(例えば、最大平均圧力)は、バルブ316の上流における目標高圧によって制限される。最小圧力(例えば、最小平均圧力)は、それに依存する最低臨界圧力によって制限され、冷媒の3倍の圧力を超える必要がある。この圧力範囲内では、他のバルブ624もまた、冷却力やスーパーヒートに応じて開回路制御または閉回路制御されてよい。例えば、遷臨界動作の間、他のバルブ624を用いて圧力(例えば、中圧)を亜臨界圧力レベルに維持することができる。
【0137】
圧縮器312の体積流量を変えることにより、スーパーヒートを制御することができる。例えば、圧縮器312の流量を増加させると、昇華圧力が減少し、スーパーヒートが増加する。冷却力は、追加のスーパーヒート量によってわずかに増加するのみである。最大昇華圧及び最小許容吸気圧によって制限が課される。すなわち、開回路制御システム及び/または閉回路制御システムは、冷媒の圧力(例えば熱交換器100内の冷媒の圧力)を増加及び/または減少させることができるように、圧縮器312(例えば圧縮器312の速度)を開回路制御/閉回路制御するように構成されてもよい。このように、圧縮器312(例えば圧縮器312の速度)を開回路制御または閉回路制御することで、冷媒のスーパーヒートを調節することもできる。
【0138】
一実施形態においては、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、分離器622内の圧力(例えば中圧)が高圧未満または高圧に等しい超臨界圧力に上昇し(例えば約10バールから約160バールの範囲の圧力レベルであって、例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)、超臨界冷媒が熱交換器100に(例えば、第1セクション102-1の絞り点に)提供され、熱交換器100の少なくとも1つのダクト102の第2セクション102-2内で膨張するように、他のバルブ624を開回路制御/閉回路制御してもよい。このように、中圧範囲を拡大し超臨界圧範囲を含むようにすることで、制限部(例えば、第1セクション102-1)における臨界質量流量を増加させ、パワーコントロールの範囲を拡大することができる。
【0139】
上述したように、冷却システム300は内部熱交換器を備えてもよい。様々な実施形態によれば、内部熱交換器は、液体冷媒のサブクールが可能となるよう、分離器622の液体出口より下流に配置されてもよい。その結果、第1コンテナ106内では、外部からの入熱による泡立ちの発生が少ないまたは発生しないため、より安定した冷媒の供給や分配が可能となる。
【0140】
図7は、様々な実施形態にかかる熱交換器100を備えた冷却システム300を模式的に示している。
【0141】
本実施形態において、冷却システム300は、上記のように構成された第2圧縮器520と分離器622を備えてもよい。
【0142】
本実施形態では、他のバルブ624を省略してもよく、分離器622から(例えば分離器622のガス排出口から)排出された気体冷媒は、第2圧縮器520に供給されてもよい。二段階圧縮により、分離器622から(例えば分離器622のガス排出口から)排出される気体冷媒の圧力が、低圧レベルまで低下しないようにすることができる。
【0143】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は、分離器622から(例えば分離器622のガス排出口から)排出された気体冷媒が、例えば圧縮器312から排出された圧縮冷媒と共に第2圧縮器520に供給されるように構成されてもよい。
【0144】
様々な実施形態によれば、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、第2の圧縮器520(例えば、第2の圧縮器520の速度)を開回路制御/閉回路制御するように構成されてもよい。例えば、第2圧縮器520の速度を上げると、分離器622内の圧力(例えば、平均圧力)が低下する可能性がある。すなわち、開回路制御システムまたは閉回路制御システムは、分離器622内の冷媒の圧力を増加(及び/または減少)させるように、第2圧縮器520を開回路制御/閉回路制御する(例えば、第2圧縮器520の速度を制御する)ように構成されてもよい。したがって、第2圧縮器520の開回路制御または閉回路制御は、冷媒のスーパーヒートを調節するためにも使用することができる。
【0145】
ただし、冷却システム300は、分離器622内の圧力を制御する別の手段を提供するために、他のバルブ624を追加的に備えてもよい。
【0146】
様々な実施形態によれば、冷却システム300は別の熱交換器(図示せず)を備えてもよい。別の熱交換器は、例えば分離器622のガス排出口と圧縮器312の出口との間で、圧縮器312よりも下流に配置されてもよい。例えば、別の熱交換器は、第2圧縮器520より上流に配置されてもよい。本実施形態では、冷却システム300は、圧縮器312から吐出された圧縮冷媒が他の熱交換器によって冷却されるように構成されてもよい。このような冷却により、第2圧縮器520に流入する冷媒の質量流量を大きくすることができ、圧縮工程の効率を高めることができる。
【0147】
様々な実施形態によれば、冷媒の昇華によって流体を冷却する冷却方法は、熱交換器100に冷媒を提供することを含み得る。熱交換器100は上述のように構成され、冷媒を運ぶための少なくとも1つのダクト102を備え得る。熱交換器100に供給される冷媒は、非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界状態)の集合状態であってよい。
【0148】
様々な実施形態によれば、冷却方法は、冷媒を熱交換器100の少なくとも1つのダクト102内へ導くことを含み得る。少なくとも1つのダクト102は、第1セクション102-1及び第2セクション102-2を備え得る。第1セクション102-1は、少なくとも1つのダクト102内の冷媒の流れ方向に関して第2セクション102-2より上流に配置される。第2セクション102-2は、第2セクション102-2内で冷媒が昇華できるよう、第1セクション102-1の断面積よりも大きい断面積を有している。
【0149】
様々な実施形態によれば、冷却方法は、冷媒を熱交換器100の少なくとも1つのダクト102の第1セクション102-1内に導くことを備え得る。ここで、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内で冷媒が昇華しないような寸法をとり得る。
【0150】
例えば、第1セクション102-1の断面積は、第1セクション102-1内の冷媒が非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界状態など)の集合状態になるような寸法をとり得る。
【0151】
様々な実施形態によれば、冷却方法は、冷媒を熱交換器100の少なくとも1つのダクト102の第2セクション102-2内に導くことを含み得る。
【0152】
例えば、第2セクション102-2の断面積は、冷媒が第2セクション102-2内において少なくとも部分的に固体(例えば固体/気体)の集合状態で膨張するようなサイズをとり得る。
【0153】
様々な実施形態によれば、冷却方法は、第2セクション102-2内に流入する冷媒が昇華して冷却される流体が冷却されるように、第2セクション102-2に流入する冷媒と冷却される流体との間に熱伝達を提供することを含み得る。
【0154】
冷却方法についての更に有利な実施形態は、熱交換器100及び冷却システム300の説明から明らかとなり、またその逆も同様である。
【0155】
ここで説明した熱交換器100、冷却システム300及び冷却方法は、深部冷却を必要とする用途(例えば、-50℃未満の温度レベルで)に適用することができる。
【0156】
考えられる適用の1つとして、例えば極低温における機器や部品のテストといった、気候条件のシミュレーションに利用することができる。また、このような低温を必要とする医療分野への適用も考えられる。
【0157】
以下に、上記で説明・図示された内容に関連する様々な例を説明する。

実施例1の熱交換器は、冷媒を搬送するための少なくとも1つのダクトを備え得る。少なくとも1つのダクトは第1セクションと第2セクションとを備える。第1セクションは、少なくとも1つのダクト内の冷媒の流れ方向に関して、第2セクションより上流に位置する。第2セクションは、第2セクション内で冷媒が昇華できるよう、第1セクションの断面積よりも大きい断面積を有する。
【0158】
実施例2では、実施例1の熱交換器は、さらにオプションとして、複数の管(例えば、複数のミニダクト、複数のミニダクト管など)からなる少なくとも1つのダクトを備え得る。
【0159】
実施例3では、実施例1または2の熱交換器は、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクト内に流入する冷媒が冷却される流体と熱交換関係にあるように構成され得る。
【0160】
実施例4では、実施例1から3のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第2セクションに流入する冷媒が冷却される流体と熱交換関係にあるように構成され得る。
【0161】
実施例5では、実施例1から4のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第2セクションが第1セクションに直接隣接して配置されるように構成され得る。
【0162】
実施例6では、実施例1から5のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションが、少なくとも1つのダクトの入口に制限部を提供するように構成され得る。
【0163】
実施例7では、実施例1から6のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積が、第1セクションに流入する冷媒の圧力低下が生じるような寸法をとるように構成され得る。
【0164】
例えば、第1セクションの断面積は、冷媒が第1セクションの前で高圧レベル(例えば約10バールから約160バールの範囲の圧力レベルで合って、例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)となり、冷媒が第1セクション内において臨界速度(音速)に達して第1セクション内の冷媒の圧力が低圧レベル(例えば約10バールから70バールの範囲であって、例えば約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)となり、第1セクションの後(例えば、第2セクションに入る際)には、冷媒がさらに膨張し冷媒の圧力がさらに低下する(例えば、約0バールから約5バールの範囲の圧力レベルであって、例えば昇華圧力レベル)ようなサイズをとり得る。
【0165】
実施例8では、実施例1から7のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積が、第1セクションにおける冷媒の昇華を妨げるようなサイズとなるよう構成され得る。
【0166】
実施例9では、実施例1から8のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積が、第1セクション内の冷媒が非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界など)の集合状態となる/なり得るような寸法をとるよう構成され得る。
【0167】
実施例10では、実施例1から9のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積の寸法が、冷媒が第1セクション内(例えば、第1セクションの出口まで)において冷媒の三重点の圧力レベルよりも大きい圧力レベルになるような寸法となるよう構成され得る。
【0168】
実施例11では、実施例1から10のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積が、第1セクションを通る質量流量(第1セクションの入口の圧力に依存)が臨界質量流量に達するような寸法となるよう構成され得る。
【0169】
実施例12では、実施例1から11のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積及び第2セクションの断面積が、少なくとも1つのダクト内に流入する冷媒が、第1セクションより下流において(例えば、第2セクション内において)昇華できる圧力レベル(例えば、大気圧レベル)となるような寸法をとるよう構成され得る。
【0170】
実施例13では、実施例1から12のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積及び第2セクションの断面積が、冷媒が第2セクション内において膨張し少なくとも部分的に固体(例えば固体/気体)の集合状態となるような寸法をとるよう構成され得る。
【0171】
実施例14では、実施例1から13のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積が例えば約0.0001mmから約0.8mmの範囲であって、例えば約0.001mmから約0.5mmの範囲、また例えば約0.005mmから約0.25mmの範囲をとるよう構成され得る。
【0172】
実施例15では、実施例1から14のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第2セクションの断面積が約0.01mmから約400mmの範囲をとるよう構成され得る:例えば、約0.1mmから約100mmの範囲、約0.5mmから約50mmの範囲、約1mmから約20mmの範囲。
【0173】
実施例16では、実施例1から15のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積及び第2セクションの断面積が、冷媒が第2セクションにおいて約0バールから約5バールの範囲の圧力レベルとなるような寸法をとるよう構成され得る。
【0174】
実施例17では、実施例1から16のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、冷媒が二酸化炭素を含むものであってもよい。
【0175】
実施例18では、実施例1から17のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、冷媒が炭化水素系冷媒を含むものであってもよい。
【0176】
例えば、冷媒は、HFC及び/またはHCFC及び/またはHFO及び/またはR170及び/またはR290及び/またはR600などを含んでもよい。
【0177】
実施例19では、実施例1から18のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、冷媒が異なる複数の冷媒の混合物からなる冷媒であってもよい。
【0178】
実施例20では、実施例1から19のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、冷媒を少なくとも1つのダクトに供給するよう構成された第1コンテナ(例えば、分配コンテナ)を備えてもよい。
【0179】
例えば、第1コンテナは、少なくとも1つのダクトの複数のパイプ(例えば、複数のミニダクト)に冷媒を(例えば、均等に)分配するよう構成されてもよい。
【0180】
実施例21では、実施例20による熱交換器は、さらにオプションとして、第1コンテナ内に流入する冷媒が冷媒の三重点の圧力レベルより高い圧力レベルとなるように第1コンテナを構成してもよい。
【0181】
実施例22では、実施例20または21に記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1コンテナ内の冷媒が中圧レベルまたは高圧レベル(例えば、約10バールから約160バールの範囲の圧力レベルであって、例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲、約10バールから約40バールの範囲)となるように第1コンテナを構成してもよい。
【0182】
実施例23では、実施例20から22のいずれか1つに記載の熱交換器は、オプションとして、第1コンテナに流入する冷媒が非固体(液体、気体、液体/気体、超臨界状態など)の集合状態となるよう第1コンテナを構成してもよい。
【0183】
実施例24では、実施例20から23のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1コンテナが分離器(例えば、中圧分離器)として構成されてもよい。
【0184】
例えば、第1コンテナは、液体冷媒を少なくとも1つのダクトに供給し、気体冷媒を気体出口から排出するように構成されてもよい。
【0185】
実施例25では、実施例1から24のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトから排出された冷媒を受け取るよう構成された第2コンテナ(例えば、回収コンテナ)を備えてもよい。
【0186】
実施例26では、実施例25の熱交換器は、オプションとして、第2コンテナが固体分離器(例えば、サイクロン分離器)として構成されてもよい。
【0187】
例えば、第2コンテナは、第1の出口から気体冷媒を吐出し、固体冷媒(例えば、冷媒の固体粒子などの固体冷媒成分)を蓄積するように構成されてもよい。
【0188】
実施例27では、実施例1から26のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面が円形または楕円形であってもよい。
【0189】
実施例28では、実施例1から26のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面が正方形、長方形、または多角形であってもよい。
【0190】
実施例29では、実施例1から28のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第1セクションの断面が、少なくとも1つのダクト内の冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿ったサイズ(例えば、高さ、幅、直径、縁の長さなど)として、約0.01mmから約0.5mmの範囲のサイズを有してもよい(例えば、約0.01mmから約0.2mmの範囲、約0.02mmから約0.1mmの範囲、約0.02mmから約0.05mmの範囲)。
【0191】
例えば、第1セクションの断面の大きさは0.1mmより小さくてもよい。
【0192】
実施例30では、実施例1から29のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第2セクションの断面が円形または楕円形であってもよい。
【0193】
実施例31では、実施例1から29のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第2セクションの断面が正方形、長方形または多角形であってもよい。
【0194】
実施例32では、実施例1から31のいずれか1つに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、第2セクションの断面が、少なくとも1つのダクト内の冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿ったサイズ(例えば、高さ、幅、直径、縁の長さなど)として、約0.1mmから約20mmの範囲のサイズを有してもよい(例えば、約0.5mmから約10mmの範囲、約1mmから約5mmの範囲)。
【0195】
実施例33では、実施例1から32のいずれかに記載の熱交換器は、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトを圧縮することにより第1セクションの断面積を提供(すなわち削減)してもよい。
【0196】
実施例34では、実施例1から33のいずれか1つに記載の熱交換器は、オプションとして、少なくとも1つのダクトが、第1セクションの断面積が小さくなるよう第1セクションに備えられた狭窄部(例えば、スリーブ、穴あきディスク、穴あきプレート、キャップなど)をさらに備えてもよい。
【0197】
実施例35では、実施例1から33のいずれかに記載の熱交換器は、オプションとして、少なくとも1つのダクトの入口に配置された(例えば、はんだ付けなどで接着された)狭窄部をさらに備えてもよい。
【0198】
例えば、狭窄部は少なくとも1つのダクトの第1セクションとして機能し、少なくとも1つのダクトは少なくとも1つのダクトの第2セクションとして機能してもよい。
【0199】
実施例36は、冷媒を運ぶための少なくとも1つのダクトと、少なくとも1つのダクトより上流に配置された少なくとも1つの狭窄部とを備える熱交換器であって、少なくとも1つのダクトの断面積は、少なくとも1つのダクト内において冷媒の昇華が可能となるよう、少なくとも1つの狭窄部の断面積(例えば内部断面積)よりも大きくなっている。
【0200】
実施例37では、実施例36の熱交換器は、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトの入口に配置された(例えば、はんだ付けなどで接着された)少なくとも1つの狭窄部を備えてもよい。
【0201】
実施例38は、実施例1から37のいずれかに記載の熱交換器を備えた冷却システムである。
【0202】
冷却システムは、オプションとして、開回路制御システムまたは閉回路を備え得る。開回路制御システムは、冷却システムの構成要素を開回路制御するように構成され得る。閉回路制御システムは、冷却システムの構成要素の動作条件を閉回路制御するように構成され得る。
【0203】
冷却システムは、オプションとして、熱交換器より下流に配置された圧縮器を備えてもよい。
【0204】
冷却システムは、オプションとして、排熱用熱交換器を備えてもよい。例えば、排熱用熱交換器は、圧縮器より下流に配置されてもよい。例えば、排熱用熱交換器は、熱交換器より(例えば、熱交換器の第1コンテナより)上流に配置されてもよい。
【0205】
実施例39では、実施例38の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが、圧縮器(例えば圧縮器の速度)を開回路制御/閉回路制御し、例えば熱交換器内の冷媒の圧力が増加または減少するように構成されてもよい。
【0206】
実施例40では、実施例38または39の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが排熱用交換器を制御し、排熱用熱交換器から放出される冷媒の圧力が増加または減少し、第1コンテナ内の冷媒の質量流量が増加または減少するように構成されてもよい。
【0207】
実施例41では、実施例38から40のいずれか1つに記載の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが排熱用熱交換器を開回路制御/閉回路制御し、排熱用熱交換器から放出される冷媒の圧力が増加または減少して冷媒のスーパーヒートが減少または増加するように構成されてもよい。
【0208】
実施例42では、実施例38から41のいずれかの冷却システムは、さらにオプションとして、バルブ(例えば、スロットルバルブ、キャピラリーパイプ、サーモスタット膨張バルブ、電子膨張バルブ、手動膨張バルブなどの膨張バルブ)を備えてもよい。バルブは、冷媒がバルブに流れ込むときの圧力を下げるように構成されてもよい。
【0209】
例えば、バルブは、排熱用熱交換器より下流かつ熱交換器より上流となるよう配置されてよい(例えば、排熱用熱交換器と熱交換器の間)。
【0210】
実施例43では、実施例42の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが、バルブを開回路制御/閉回路制御し、バルブから排出される冷媒の圧力が増加または減少し、熱交換器(例えば第1コンテナ)における冷媒の質量流量が増加または減少するよう構成されてもよい。
【0211】
実施例44では、実施例38から43いずれか1つに記載の冷却システムは、さらにオプションとして、熱交換器の第1コンテナが分離器(例えば、中圧分離器)として構成され、第1コンテナから排出される気体冷媒が圧縮器に供給されるよう構成されてもよい。
【0212】
実施例45では、実施例44の冷却システムは、さらにオプションとして、追加のバルブ(例えば、スロットルバルブ、キャピラリーパイプ、サーモスタット膨張バルブ、電子膨張バルブ、手動膨張バルブなどの膨張バルブ)をさらに備えてもよい。追加のバルブは、冷媒が追加バルブに流入する際の冷媒の圧力を低下させるように構成され得る。
【0213】
例えば、追加バルブは、第1コンテナのガス排出口より下流(例えば、第1コンテナのガス排出口と圧縮器の間)に配置されてもよい。
【0214】
実施例46では、実施例38から45いずれかに記載の冷却システムは、さらにオプションとして、熱交換器の第2コンテナが固体分離器として構成されてもよい。例えば、第2コンテナの底部で冷媒のスーパーヒートを検出してもよい。
【0215】
実施例47では、実施例38から46いずれかに記載の冷却システムは、さらにオプションとして、第2の圧縮器(例えば、レシプロ圧縮器、スクリュー圧縮器、ロータリー圧縮器、遠心圧縮器、スクロール圧縮器など)をさらに備えてもよい。第2の圧縮器は、例えば、圧縮器より下流に配置されてもよい。
【0216】
例えば、冷却システムは、第1コンテナから(例えば第1コンテナのガス排出口から)排出された気体冷媒が、圧縮器から排出された圧縮冷媒とともに第2の圧縮器に供給されるように構成されてもよい。
【0217】
実施例48では、実施例47の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが第2の圧縮器を開回路制御/閉回路制御し(例えば追加の圧縮器の速度を制御し)、第1コンテナ内の冷媒の圧力が増加または減少するように構成されてもよい。
【0218】
実施例49では、実施例38から48いずれかに記載の冷却システムは、さらにオプションとして、分離器(例えば、中圧分離器)を備えてもよい。分離器は、気体冷媒と液体冷媒を分離するよう構成されてもよい。分離器は、熱交換器より上流側に配置されてもよい。例えば、冷却システムは、分離器から排出された気体冷媒が圧縮器及び/または第2圧縮器に供給されるように構成されてもよい。
【0219】
実施例50では、実施例49の冷却システムは、さらにオプションとして、別のバルブ(例えば、スロットルバルブ、キャピラリーパイプ、サーモスタット膨張バルブ、電子膨張バルブ、手動膨張バルブなどの膨張バルブ)を備えてもよい。別のバルブは、冷媒が当該別のバルブに流入する際に冷媒の圧力を下げるように構成さされてもよい。別のバルブは、分離器のガス排出口より下流に位置していてもよい。
【0220】
実施例51では、実施例50の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが別のバルブを開回路制御/閉回路制御し、別のバルブから排出される冷媒の圧力が増加または減少し、分離器内の冷媒の圧力が増加または減少するように構成されてもよい。
【0221】
実施例52では、実施例50または51の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが別のバルブを開回路制御/閉回路制御し、別のバルブから排出される冷媒の圧力が増加または減少し、分離器内の冷媒の質量流量が増加または減少するように構成されてもよい。
【0222】
実施例53では、実施例50から52のいずれかに記載の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが別のバルブを開回路制御/閉回路制御し、分離器内の圧力(例えば、中圧)が、高圧未満または高圧に等しい超臨界圧力まで上昇するように構成されてもよい(例えば、約10バールから約160バールの範囲の圧力レベルであって、例えば約70バールから約140バールの範囲、また例えば約40バールから約70バールの範囲)。
【0223】
実施例54では、実施例47または48の冷却システム及び実施例49から53のいずれかに記載の冷却システムは、さらにオプションとして、開回路制御システムまたは閉回路制御システムが第2圧縮器を開回路制御/閉回路制御し(例えば、第2圧縮器の速度を制御し)、分離器内の冷媒の圧力が増加または減少するように構成されてもよい。
【0224】
実施例55は、冷媒の昇華を用いて流体を冷却する冷却方法であって、以下を含む:冷媒を搬送するための少なくとも1つのダクトを備える熱交換器に、冷媒を供給するステップ;冷媒を、少なくとも1つのダクト内に搬送するステップであって、少なくとも1つのダクトは第1セクションと第2セクションとを備え、第1セクションは少なくとも1つのダクト内の冷媒の流れの方向に関して第2セクションより上流に位置し、第2セクションの断面積は第2セクションにおける冷媒の昇華が可能となるよう第1セクションの断面積よりも大きい;第2セクションに流入する冷媒と冷却される流体との間で熱伝達させるステップであって、前記第2セクションに流入する冷媒を昇華させて前記冷却される流体を冷却するステップ。
【0225】
実施例56では、実施例55の冷却方法は、さらにオプションとして、熱交換器に提供される冷媒が非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界など)の集合状態であってもよい。
【0226】
実施例57では、実施例55または56の冷却方法は、さらにオプションとして、冷媒を熱交換器の少なくとも1つのダクトの第1セクションに導くステップを含み、第1セクションの断面積は、第1セクションにおける冷媒の昇華が防止されるようなサイズをとり得る。
【0227】
実施例58では、実施例55から57のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、冷媒を熱交換器の少なくとも1つのダクトの第2セクションに導くことをさらに含んでもよい。
【0228】
実施例59では、実施例55から58のいずれか1つに記載の冷却方法は、オプションとして、少なくとも1つのダクトが複数のパイプ(例えば、複数のミニダクト、複数のミニダクトパイプ)を備えてもよい。
【0229】
実施例60では、実施例55から59のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、熱交換器が、少なくとも1つのダクトに流入する冷媒が冷却される流体と熱交換関係にあるように構成されてもよい。
【0230】
実施例61では、実施例55から60のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、熱交換器が第2セクションに流入する冷媒が冷却対象の流体と熱交換関係にあるように構成されてもよい。
【0231】
実施例62では、実施例55から61のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第2セクションが第1セクションに直接隣接して配置されてもよい。
【0232】
例63では、例55から例62のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1セクションが、少なくとも1つのダクトの入口に制限部を提供するよう構成されてもよい。
【0233】
実施例64では、実施例55から63のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1セクションの断面積が第1セクションに流入する冷媒の圧力を低下させるような寸法をとってもよい。
【0234】
例えば、冷媒が第1セクションの前で高圧となり(例えば、約10バールから約160バールの範囲の圧力レベルであって、例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)、第1セクションでは、冷媒が臨界速度(音速)に達して第1セクション内の冷媒の圧力がより低い圧力レベルへと低下し(例えば、約10バールから約70バールの範囲の圧力レベルであって、約10バールから約40バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲)、第1セクションの後(例えば第2セクションに入る際)には、冷媒がさらに膨張して冷媒の圧力がさらに低下する(例えば、約0バールから約5バールの範囲の圧力レベルであって、例えば昇華圧力レベル)ように、第1セクションの断面積の寸法を設定してもよい。
【0235】
実施例65では、実施例55から64のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1セクションにおける冷媒の昇華を防止するように第1セクションの断面積の寸法を設定することを含んでもよい。
【0236】
実施例66では、例55から例65のいずれかに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1セクション内の冷媒が非固体(例えば、液体、気体、液体/気体、超臨界など)の集合状態にあるかまたはなり得るように第1セクションの断面積の寸法を設定することを含んでもよい。
【0237】
実施例67では、実施例55から66のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1セクション内(例えば、第1セクションを出るまで)の冷媒の圧力レベルが、冷媒の三重点の圧力レベルよりも大きくなるように、第1セクションの断面積の寸法を設定することをさらに含んでもよい。
【0238】
実施例68では、実施例55から67のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1セクションを通る質量流量(第1セクションの入口の圧力に依存)が臨界質量流量に達するように、第1セクションの断面積の寸法を設定することをさらに含んでもよい。
【0239】
実施例69では、実施例55から68のいずれかの冷却方法は、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトに流入する冷媒が、第1セクションより下流(例えば、第2セクション内)において昇華できるような圧力レベル(例えば、大気圧レベル)となるように、第1セクションの断面積及び第2セクションの断面積の寸法を設定することをさらに含んでもよい。
【0240】
実施例70では、実施例55から69のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、冷媒が第2セクションで膨張し少なくとも部分的に固体(例えば固体/気体)の集合状態となるように、第1セクションの断面積及び第2セクションの断面積を寸法決めすることを含んでもよい。
【0241】
実施例71では、実施例55から70のいずれかに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、第1セクションの断面積が、約0.0001mmから約0.8mmの範囲となってもよい(例えば、約0.001mmから約0.5mmの範囲、約0.005mmから約0.25mmの範囲)。
【0242】
実施例72では、実施例55から71のいずれかの冷却方法において、さらにオプションとして、第2セクションの断面積が、約0.01mmから約400mmの範囲となってもよい(例えば、0.1mmから約100mmの範囲、約0.5mmから約50mmの範囲、約1mmから約20mmの範囲)。
【0243】
実施例73では、実施例55から実施例72のいずれかに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、冷媒が第2セクションにおいて約0バールから約5バールの範囲の圧力レベルになるように、第1セクションの断面積及び第2セクションの断面積の寸法を設定することを含んでもよい。
【0244】
実施例74では、実施例55から73のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、冷媒が二酸化炭素を含んでもよい。
【0245】
実施例75では、実施例55から74のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、冷媒が炭化水素系冷媒を含んでもよい。
【0246】
例えば、冷媒は、HFC及び/またはHCFC及び/またはHFO及び/またはR170及び/またはR290及び/またはR600などを含んでもよい。
【0247】
実施例76では、実施例55から75のいずれか1つに記載の冷却方法は、オプションとして、冷媒が、互いに異なる複数の冷媒の混合物を含んでもよい。
【0248】
実施例77では、実施例55からの76のいずれかに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、冷媒を少なくとも1つのダクトに供給するよう構成された第1コンテナ(例えば、分配コンテナ)を備えてもよい。
【0249】
例えば、第1コンテナは、少なくとも1つのダクトが複数のパイプで構成されている場合、少なくとも1つのダクトの複数のパイプ(例えば、複数のミニダクト)に冷媒を(例えば、均等に)分配するように構成されてよい。
【0250】
実施例78では、実施例77の冷却方法において、さらにオプションとして、第1コンテナは、第1コンテナに流入する冷媒が冷媒の三重点の圧力レベルより高い圧力レベルになるように構成されてもよい。
【0251】
実施例79では、実施例77または78の冷却方法において、さらにオプションとして、第1コンテナは、冷媒が第1コンテナ内で中圧レベルまたは高圧レベル(例えば、約10バールから約160バールの範囲内の圧力レベルであって、例えば約70バールから約140バールの範囲、約40バールから約70バールの範囲、約10バールから約40バールの範囲など)となるように構成されてもよい。
【0252】
実施例80では、実施例77から79のいずれかに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1コンテナは、第1コンテナに流入する冷媒が非固体(液体、気体、液体/気体、超臨界状態など)の集合状態となるように構成されてもよい。
【0253】
実施例81では、実施例77から80のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、第1コンテナを分離器(例えば、中圧分離器)として構成することを含んでもよい。
【0254】
例えば、第1コンテナは、液体冷媒を少なくとも1つのダクトに供給し、気体冷媒を気体出口から排出するように構成されてもよい。
【0255】
実施例82では、実施例55から81のいずれかに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトから吐出された冷媒を受け取るように構成された第2コンテナ(例えば、回収コンテナ)を備えてもよい。
【0256】
実施例83では、実施例82の冷却方法において、さらにオプションとして、第2コンテナを固体分離器(例えばサイクロン分離器)として構成することを含んでもよい。
【0257】
例えば、第2コンテナは、第1の出口から気体冷媒を吐出し、固体冷媒(例えば、冷媒の固体粒子などの固体冷媒成分)を蓄積するように構成されてもよい。
【0258】
実施例84では、実施例55から83のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、第1セクションの断面が円形または楕円形であってもよい。
【0259】
実施例85では、実施例55から83のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、第1セクションの断面が正方形、長方形または多角形であってもよい。
【0260】
実施例86では、実施例55から85のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、第1セクションの断面が、少なくとも1つのダクト内の冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿ったサイズ(例えば、高さ、幅、直径、縁の長さなど)として、約0.01mmから約0.5mmの範囲となってもよい(例えば、約0.01mmから約0.2mmの範囲、約0.02mmから約0.1mmの範囲、約0.02mmから約0.05mmの範囲)。
【0261】
例えば、第1セクションの断面の大きさは0.1mmより小さくてもよい。
【0262】
実施例87では、実施例55から86のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、第2セクションの断面が円形または楕円形となってもよい。
【0263】
実施例88では、実施例55から86のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、第2セクションの断面が正方形、長方形または多角形となってもよい。
【0264】
実施例89では、実施例55から88のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、第2セクションの断面積が、少なくとも1つのダクトにおける冷媒の流れ方向に垂直な方向に沿った大きさ(例えば、高さ、幅、直径、縁の長さなど)として、約0.1mmから約20mmの範囲となってもよい(例えば約0.5mmから約10mm、約1mmから約5mmの範囲)。
【0265】
実施例90では、実施例55から89のいずれかに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトを圧縮することで第1セクションの断面積を提供する(すなわち縮小する)ことをさらに含んでもよい。
【0266】
実施例91では、実施例55から90のいずれか1つに記載の冷却方法において、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトが、第1セクションの断面積が小さくなるように第1セクション内に配置された狭窄部(例えば、スリーブ、穴あきディスク、穴あきプレート、キャップなど)を備えてもよい。
【0267】
実施例92では、実施例55から90のいずれか1つに記載の冷却方法は、さらにオプションとして、少なくとも1つのダクトの入口に狭窄部を配置すること(例えば、はんだ付けなどで接着すること)をさらに含んでもよい。
【0268】
例えば、狭窄部は少なくとも1つのダクトの第1セクションとして機能し、少なくとも1つのダクトは少なくとも1つのダクトの第2セクションとして機能してもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】