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特表2022-533718太陽電池のモジュール製造のためのはんだペースト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】太陽電池のモジュール製造のためのはんだペースト
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20220715BHJP
   B23K 35/26 20060101ALI20220715BHJP
   C22C 11/06 20060101ALI20220715BHJP
   C22C 13/00 20060101ALI20220715BHJP
   C22C 13/02 20060101ALI20220715BHJP
   C22C 12/00 20060101ALI20220715BHJP
   B23K 35/363 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
H01L31/04 570
B23K35/26 310A
B23K35/26 310C
B23K35/26 310B
C22C11/06
C22C13/00
C22C13/02
C22C12/00
B23K35/363 C
B23K35/363 E
B23K35/363 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569089
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2020025240
(87)【国際公開番号】W WO2020233839
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】201911020476
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】598085065
【氏名又は名称】アルファ・アセンブリー・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALPHA ASSEMBLY SOLUTIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】プジャリ、ナラハリ
(72)【発明者】
【氏名】サルカール、シウリ
(72)【発明者】
【氏名】ビルグリエン、カール
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA11
5F151EA02
5F151EA05
5F151EA19
(57)【要約】

複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、少なくとも第1のPVセルが第2のPVセルに相互接続される方法。はんだペーストは、はんだフラックスに分散させたはんだ合金の粒子を含む。はんだ合金は、225℃未満の液相温度を有するSn含有はんだ合金を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、
はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、少なくとも第1のPVセルが第2のPVセルに相互接続され、
前記はんだペーストは、はんだ合金の粒子をはんだフラックスに分散させて含み、
前記はんだ合金は、225℃未満の液相温度を有するSn含有はんだ合金を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のPVセルを積層することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとの間の相互接続が確立され、その後に前記複数のPVセルが積層され、
随意により、積層は、前記はんだ合金の液相温度を下回る積層温度で実行され、あるいは、随意により、積層は、前記はんだ合金の液相温度を上回る積層温度で実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとの間の相互接続は、前記複数のPVセルの積層の最中にその場で確立され、
積層は、前記はんだ合金の液相温度以上の積層温度で実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが少なくとも部分的に重なり合って重なり領域を形成するシングル式アセンブリを備え、
前記第1のPVセルの後面と前記第2のPVセルの前面とが、前記はんだペーストを含み、あるいは前記はんだペーストからなる前記導電性付着剤を使用して、前記重なり領域において相互接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルの後面が1つ以上のリボンによって前記第2のPVセルの後面と相互接続されるバックコンタクト式アセンブリを備え、前記1つ以上のリボンは、前記はんだペーストを含み、あるいは前記はんだペーストからなる前記導電性付着剤を使用して、前記第1のPVセルの前記後面及び前記第2のPVセルの前記後面に接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが重なり合わず、前記第1のPVセルの前面が、1つ以上のリボン、好ましくは1つ以上の光捕捉リボンを使用して前記第2のPVセルの後面と相互接続される接着式アセンブリを備え、
前記1つ以上のリボンは、前記はんだペーストを含み、あるいは前記はんだペーストからなる前記導電性付着剤を使用して、前記第1のPVセルの前記前面及び前記第2のPVセルの前記後面に接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記はんだペーストは、ステンシル印刷され、ジェット印刷され、あるいは分注される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記はんだペーストは、印刷され、ジェット印刷され、あるいは分注された後に加熱によってリフローされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記はんだペーストは、1分未満、随意により10秒未満の期間にわたり、赤外線、対流式オーブン、又はゾーン化リフローオーブンを使用してリフローされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記はんだ合金は、
45~59重量%のBi、
0.1~1.2重量%のCu、
0.01~0.1重量%のCo、及び
随意により最大1.1重量%のAg
を含み、
残部はSn及び不可避の不純物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記はんだ合金は、0.2~1重量%のCuを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記はんだ合金は、0.02~0.09重量%のCoを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記はんだ合金は、0.8~1.1重量%のAgを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記はんだ合金は、48~51重量%のBiを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記はんだ合金は、
48~51重量%のBiと、
0.7~1.1重量%のCuと、
0.02~0.09重量%のCoと、
0.8~1.1重量%のAgと
からなり、
残部はスズ及び不可避の不純物である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記はんだ合金は、56~59重量%のBiを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記はんだ合金は、
56~59重量%のBiと、
0.1~0.3重量%のCuと、
0.02~0.04重量%のCoと
からなり、
残部はSn及び不可避の不純物である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記はんだ合金は、SnPbはんだ合金を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記はんだ合金は、5~70重量%のSnと、残部のPbとを含み、好ましくは55~65重量%のSnと、残部のPbとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記はんだ合金は、
35~60重量%のBiと、
0~2重量%のAgと
を含み、
残部はSn及び不可避の不純物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記はんだ合金は、
0.01~5重量%のAgと、
0.02~1.5重量%のCuと
を含み、
随意により、
0.08~20重量%のBi、
0~0.1重量%のP、
53重量%のCeと、24重量%のLaと、16重量%のNdと、5重量%のPrとの混合物からなる0~0.02重量%の希土類混合物、及び
0~0.01重量%のSb
を含み、
残部はSn及び不可避の不純物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記はんだフラックスは、
ロジン及び/又は樹脂、
活性化剤、
界面活性剤、並びに
溶媒
を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
複数の相互接続された光起電(PV)セルを備えるソーラーモジュールであって、
少なくとも第1のPVセルが、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第2のPVセルに相互接続されており、
前記はんだペーストは、はんだ合金の粒子をはんだフラックスに分散させて含み、前記はんだ合金は、225℃未満の液相温度を有するSn系はんだ合金を含む、ソーラーモジュール。
【請求項25】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが少なくとも部分的に重なり合って重なり領域を形成し、前記第1のPVセルの後面と前記第2のPVセルの前面とが、前記重なり領域において相互接続される、シングル式アセンブリを備え、又は、
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルの後面が1つ以上のリボンによって前記第2のPVセルの後面と相互接続される、バックコンタクト式アセンブリを備え、又は、
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが重なり合わず、前記第1のPVセルの前面が、1つ以上のリボン、好ましくは1つ以上の光捕捉リボンを使用して前記第2のPVセルの後面と相互接続される、接着式アセンブリを備える、請求項24に記載のソーラーモジュール。
【請求項26】
前記ソーラーモジュールは、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法によって製造される、請求項24又は25に記載のソーラーモジュール。
【請求項27】
複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、
少なくとも第1のPVセルが、バインダー系を含むがはんだ合金を含まないはんだフラックスを使用して第2のPVセルに相互接続される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して相互接続された光起電(PV)セルを備えるソーラーモジュール及びソーラーモジュールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電(PV)セルからソーラーモジュールを組み立てるための従来からの手法は、PVセルをフラットワイヤ(バス)リボンで互いに接続するいわゆる「ストリング・アンド・タブ」法を含む。ワイヤリボンは、典型的には、PVセルの表面上のバスバー位置に接続される。より厚いワイヤは、硬すぎることが明らかになっており、薄くて広いワイヤは、遮蔽作用及び不具合をもたらす可能性がある。
【0003】
結果として、シングル式(shingling)、バックコンタクト式(back contact)、及び接着式(gluing)など、PVセルを相互接続する他の方法が開発されてきた。これらの方法においては、導電性付着剤(ECA)を使用してPVセルを接続する。例えば、米国特許第9356184(B2)号が、シングル式の方法を記載しており、1つのPVセルの下部導電性表面が、隣接するPVセルの上面に接触する。2つのPVセルの相互接続は、導電性付着剤(ECA)を介して達成される。
【0004】
ECAは、典型的には、有機媒体中に分散させた導電性粒子を含む。ECAは、例えば、極端な温度などの環境作用に対して充分な抵抗を示さない場合がある。従来からの導電性付着剤は、エポキシ樹脂を含み得る。そのような接着剤においては、硬化剤がフレーク状であって硬く、接続の柔軟性の低下につながる。また、ECA、とりわけエポキシに基づくECAは、長時間にわたって貯蔵された後にゲルを形成しがちである。いくつかのECAが熱サイクル要件を満たさず、電力損失が7%にもなり得ることが、報告されている(I.Ullmann,D.Rudolph,J.Rabanal-Arabach,A.Schneider,A.Halm,Investigation on the Quality of Adhesive Joints of Shingled Solar Cells by Accelerated Lifetime Testing,35th European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition,2018,Brussels Belgium,24-28 Sept 2018,p:1210-1213)。加えて、例えば銀粒子を含有するECAなどのECAは、典型的には、低温で完全に硬化することができない。したがって、このようなECAを使用して基板上に回路又は導電層あるいは相互接続が形成される場合、基板の損傷又は装置の信頼性の問題が生じ得る。ECAの別の主要な制約は、コストである。典型的には、銀ベースのECAのコストはきわめて高く、モジュール製造コストのかなりの増加を引き起こす可能性がある。
【0005】
本開示は、先行技術に関連する問題の少なくともいくつかに取り組むことを目的とする。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様において、本開示は、複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、
はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、少なくとも第1のPVセルが第2のPVセルに相互接続され、
はんだペーストは、はんだ合金の粒子をはんだフラックスに分散させて含み、
はんだ合金は、225℃未満の液相温度を有するSn含有はんだ合金を含む、方法を提供する。
【0007】
従来からのプロセスにおいて使用されるはんだ合金は、典型的には、銅リボン又はワイヤをはんだ合金でコーティングしたリボン又はワイヤにて用いられる。そのような従来からのワイヤ及びリボンにおいて、銅は、必要とされる降伏強度及び導電性をもたらす。銅ははんだ付けが可能でないため、ワイヤ又はリボンは、はんだ合金でコーティングされる。本発明は、はんだ合金をはんだペーストの形態で使用する。「シングル式」などの高度な相互接続技術において、例えば、リボンを配置するよりも、銀パッド上にはんだペーストを印刷/分注する方がより容易である。
【0008】
はんだフラックスの役割は、ペーストの印刷性能及び安定性を、所与のリフロー条件におけるはんだ粒子の癒着と共に提供することである。はんだ接合部の成功に対する障害の1つは、例えば汚れ、油、又は酸化などの接合部位の不純物である。不純物を、機械的洗浄又は化学的手段によって除去することができるが、金属フィラー(はんだ)を溶融させるために必要な高い温度が、被加工物(及び、はんだ)の再酸化を促進する。この作用は、はんだ付けの温度が高くなるにつれて加速され、はんだの被加工物への接合を完全に妨げる可能性がある。フラックスは、はんだ付けプロセスの最中の酸化の防止に役立つことができる。
【0009】
本明細書において使用される「はんだ合金」という用語は、可溶性の金属合金を包含する。本明細書において使用されるとき、「液相温度」という用語は、それを超えると材料が完全に液体となる温度、及び結晶が熱力学的平衡において溶融物と共存することができる最大温度を包含し得る。Sn系のはんだ合金は、225℃未満、好ましくは220℃未満、より好ましくは190℃未満、更により好ましくは100~180℃、また更により好ましくは120~160℃の液相温度を有する。そのような液相温度は、低いリフロー温度(典型的には、液相温度よりも約20~60℃高い)の使用を可能にし、したがって光起電(PV)セルの損傷の発生を低減することができる。例えば、PVセルがシリコンを含む場合に、はんだ合金を、PVセルの反りを回避するのに充分に低い温度でリフローすることができる。
【0010】
一実施形態において、合金は、鉛フリー及び/又はアンチモンフリーであり、すなわち鉛及び/又はアンチモンが意図的に添加されることがない。したがって、鉛及びアンチモンの含有量は、ゼロであるか、又は偶発的不純物レベル以下である。鉛及びアンチモンの存在は、健康にとって有害となり得る。代案の実施形態において、合金は鉛を含むことができる。鉛の存在は、最終的なはんだ接合部の好ましい機械的特性をもたらすことができる。
【0011】
好都合なことに、はんだペーストの使用は、ボイドの少ない(<10%)相互接続の生成を可能にし、したがって信頼できる接合部の生成を可能にする。
【0012】
加えて、はんだペーストを使用して形成された相互接続を完全に硬化させて、腐食による不具合を被りにくくすることができる。更に、はんだペースト相互接続は、水分に対する優れた安定性を提供し、より良好な導電性及び接着性を有する。例えば、はんだペーストは、例えば、スクリーン印刷された銀、銅、あるいはめっきされた銅又は銀でコーティングされた銅パッドなどのPVセルの金属化パッド上に、ペーストの塗布による優れた接着性によって信頼性の高い結合を形成することができる。
【0013】
ソーラーモジュールが、3つ以上の相互接続されたPVセルを備えることができることを、理解できるであろう。例えば、単一のソーラーモジュールにおいて、10個を超え、随意により20個を超え、随意より30個を超えるPVセルを、相互接続することができる。一例においては、標準サイズの60個のPVセルを相互接続して、ソーラーモジュールを形成することができる(シングル式では、この数は、各々のシングルセルが、標準セルを5~6個のストリップに切断することによって製造されるため、300よりも大きい)。
【0014】
いくつかの実施形態において、はんだペーストを用いるPVセルの相互接続は、第1のPVセルの相互接続部を第2のPVセルの相互接続部と相互接続することを含むことができる。相互接続部は、例えば、金属化された領域、パッド、フィンガ、バスバー、などであってよい。金属化は、例えば、銅又は銀あるいはめっきされた銅又はめっきされた銀を含むことができる。相互接続部は、PVセルの前面又は後面に設けられてよい。各々のPVセルは、その前面及び/又はその後面に1つ以上の相互接続部を備えることができる。相互接続は、第1のPVセルの前面又は後面の相互接続部と、第2のPVセルの前面又は後面の相互接続部との間の相互接続であってよい。相互接続は、2つの相互接続部の間の直接的なはんだ付けによる相互接続であってよい。あるいは、相互接続は、例えば、2つの相互接続部にはんだ付けされ、2つの相互接続部の間に延在するリボンを含む間接的な相互接続であってよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、本方法は、複数のPVセルを積層することを更に含む。
【0016】
好都合なことに、はんだペーストは、積層プロセスの際に接合部をより強力に保つ一方で、硬化/リフロー時に第1の温度で流動する能力を有することができる。積層は、相互接続されたPVセルの完全な封止を保証する。したがって、本開示において、相互接続材料としてのはんだペーストの使用は、積層との組み合わせにおいて、きわめて過酷な環境において高い信頼性を示すはんだ接合部の形成をもたらす。更に、本開示のはんだペーストは、ポリオレフィン(POE)のエチル酢酸ビニル(EVA)などの積層材料と矛盾のない結合を形成することができる。
【0017】
いくつかの実施形態においては、第1のPVセルと第2のPVセルとの間の相互接続が確立され、その後に複数のPVセルが積層される。随意により、積層を、はんだ合金の液相温度を下回る積層温度で実行することができる。このようにして、はんだの更なるリフローを回避することができる。あるいは、積層を、はんだ合金の液相温度を上回る積層温度で実行することができる。このやり方で、はんだの或る程度の追加のリフローが生じ得る。しかしながら、そのような二次リフローが存在する場合でも、はんだ接合部が依然として強力であることが明らかになっている。
【0018】
いくつかの実施形態において、はんだペーストは、非共晶はんだ合金を含むことができ、積層は、非共晶はんだ合金の塑性範囲内の積層温度で実行されてよい。
【0019】
いくつかの他の実施形態において、第1のPVセルと第2のPVセルとの間の相互接続は、複数のPVセルの積層の最中にその場で確立され、
積層は、はんだ合金の液相温度以上の積層温度で実行される。これらの実施形態においては、低融点のビスマス系はんだペーストが好ましい。
【0020】
いくつかの実施形態において、ソーラーモジュールは、第1のPVセルと第2のPVセルとが少なくとも部分的に重なり合って重なり領域を形成するシングル式アセンブリを備え、
第1のPVセルの後面と第2のPVセルの前面とが、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、重なり領域において相互接続される。
【0021】
いくつかの他の実施形態において、ソーラーモジュールは、第1のPVセルの後面が1つ以上のリボンによって第2のPVセルの後面と相互接続されるバックコンタクト式アセンブリを備え、1つ以上のリボンは、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第1のPVセルの後面及び第2のPVセルの後面に接続される。
【0022】
いくつかの実施形態において、バックコンタクト式アセンブリは、櫛形バックコンタクト式(IBC)アセンブリである。
【0023】
いくつかの他の実施形態において、ソーラーモジュールは、第1のPVセルと第2のPVセルとが重なり合わず、第1のPVセルの前面が、1つ以上のリボン、好ましくは1つ以上の光捕捉リボンを使用して第2のPVセルの後面と相互接続される接着式アセンブリを備え、
1つ以上のリボンは、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第1のPVセルの前面及び第2のPVセルの後面に接続される。
【0024】
本開示の方法は、例えば、両面、p型及びn型、標準スクリーン印刷シリコン太陽電池、不動態化エミッタリアセル(PERC)、及びヘテロ接合技術セル(HJT)などの結晶シリコン(c-Si)アーキテクチャを含む幅広い範囲のPVセル技術に適用可能である。更に、本方法は、薄膜又はフレキシブルPVモジュール製造の製造にも適用可能である。
【0025】
本開示の方法は、大きな表面積及び高い機械的柔軟性を有し、伸張性すら有するアセンブリの製造を可能にする。結果として、本方法は、例えば、自動車のパネル、航空機の翼、建物、及び三次元(3D)ディスプレイを包む構造など、任意の形状の電気活性表面を有する構造の製造を可能にする。
【0026】
いくつかの実施形態において、はんだペーストは、ステンシル印刷され、ジェット印刷され、あるいは分注される。例えば、はんだペーストは、例えばPVセルやリボンなどの基板へと印刷可能かつ/又は分注可能かつ/又はジェット可能かつ/又はピン転写可能であってよい。はんだペーストは、分注にとくに有利な粘度及び流動特性を有することができ、すなわち、はんだペーストを、従来からのリボン又はワイヤはんだの1対1の代替品として使用することができる。
【0027】
好都合なことに、はんだペーストは、はんだペーストをステンシル印刷による適用にとくに適したものにし、12時間を超える長いステンシル寿命を可能にする安定した粘度を示す。
【0028】
好都合なことに、はんだペーストのステンシル印刷又は分注は、従来からのECAと比較して、より良好な加工性及びスループット並びにより費用効果の高い製造を可能にする。
【0029】
いくつかの実施形態において、はんだペーストは、印刷され、ジェット印刷され、あるいは分注された後に加熱によってリフローされる。はんだペーストを、赤外線、対流式オーブン、又はゾーン化リフローオーブンを使用して、1.5分未満、随意により10秒未満の期間にわたってリフローさせることができる。
【0030】
好都合なことに、はんだペーストは、低い温度でリフロー可能であり、PVセルの銀又は銅パッドにおける優れた濡れを有する。
【0031】
はんだ合金は、好ましくは、
45~59重量%のBi、
0.1~1.2重量%のCu、
0.01~0.1重量%のCo、及び
随意により最大1.1重量%のAg
を含み、
残部はスズ及び不可避の不純物である。
【0032】
このようなはんだ合金は、上述の利点を提供するのにとくに好適である。上記の量での元素の組み合わせ(とくには、Cu及びCoの組み合わせ)は、例えば、高い引張強度、高い弾性率、高い靭性、高いクリープ伸び、及び/又は長いクリープ破断時間などの好ましい機械的特性をはんだ合金にもたらすことができる。更に、上記の量での上記の元素の組み合わせ(とくには、Cu及びCoの組み合わせ)は、熱疲労への高い耐性及び/又は落下衝撃への高い耐性をもたらすことができる。更に、上記の量での上記の元素の組み合わせ(とくには、Cu及びCoの組み合わせ)は、高い熱伝導性及び導電性をもたらすことができる。したがって、これらの合金は、PVセル及び光起電リボンの用途にとくに好適である。合金は、共晶(液相温度と同一の融点を有する)又は非共晶(溶融温度範囲を有する)であってよい。液相温度は、例えば155℃未満など、160℃未満であってよい。したがって、シリコン基板の反りに起因するPVセルの損傷を低減することができる。
【0033】
本明細書に記載の合金は、不可避の不純物を含んでもよいが、それらが合計で組成物の1重量%を超える可能性は低いことを、理解できるであろう。好ましくは、合金は、組成物の0.5重量%以下、より好ましくは組成物の0.3重量%以下、更により好ましくは0.1重量%以下の量で不可避の不純物を含有する。
【0034】
本明細書に記載の合金は、上記の元素で本質的に構成されてよい。したがって、必須である元素(すなわち、Sn、Bi、Cu、及びCo)に加えて、他の指定されていない元素が組成物中に存在することが、それらの存在によって組成物の本質的な特性が実質的には影響されない限りにおいて可能であることを、理解できるであろう。あるいは、本明細書に記載の合金は、上記の元素で本質的に構成されてよい。
【0035】
上述のはんだ合金において、はんだ合金は、0.1~1.2重量%のCuを含む。はんだ合金は、好ましくは、0.2~1重量%のCuを含む。好ましい実施形態において、はんだ合金は、0.7~1.1重量%のCu、好ましくは0.8~1重量%のCuを含む。別の好ましい実施形態において、はんだ合金は、0.1~0.3重量%のCu、好ましくは0.15~0.25重量%のCu、更により好ましくは約0.2重量%のCuを含む。上記の量のCuの存在は、延性を向上、銅の浸出の発生を低減し、熱疲労に対する耐性を高めることができる。更に、Cuの存在は、最終的なはんだ接合部の好ましい機械的特性、とくには落下衝撃への高い耐性及びクリープ破断への高い耐性に寄与することができる。
【0036】
上述のはんだ合金において、はんだ合金は、0.01~0.1重量%のCoを含む。好ましい実施形態において、はんだ合金は、0.02~0.09重量%のCoを含む。別の好ましい実施形態において、はんだ合金は、0.03~0.08重量%のCoを含む。別の好ましい実施形態において、はんだ合金は、0.02~0.04重量%のCo、好ましくは約0.03重量%のCoを含む。
【0037】
上記の量でのCoの存在は、より高い靭性、より低いCu溶解、より高い引張強度、及びより緻密な微細構造をもたらすことができる。更に、上記の量でのCoの存在は、光沢のある接合部をもたらすことができる。
【0038】
上述のはんだ合金は、随意により、最大1.1重量%のAg(例えば、0.01~1.1重量%のAg)を含む。好ましくは、はんだ合金は、最大1.1重量%のAg(例えば、0.01~1.1重量%のAg)、より好ましくは0.5~1.1重量%のAg、更により好ましくは0.8~1重量%のAg、また更により好ましくは0.9~1重量%のAgを含む。Agの存在は、合金の延性を向上させ、表面酸化も低減できる。
【0039】
いくつかの実施形態において、はんだ合金は、48~51重量%のBi、好ましくは59~50重量%のBiを含む。好都合なことに、このようなBi含有量は、Biのレベルがより高い合金と比較して、より高い延性を示す合金をもたらす。
【0040】
好ましくは、上述のはんだ合金は、
48~51重量%のBiと、
0.7~1.1重量%のCuと、
0.02~0.09重量%のCoと、
0.8~1.1重量%のAgと
からなり、
残部はスズ及び不可避の不純物である。
【0041】
このような合金は、155℃未満の液相温度を有し得る。このような合金は、138~152℃の溶融温度範囲を有する非共晶であり得る。このような合金は、上述の利点を提供するためにとくに好適であり得る。このとくに好ましい実施形態において、合金は、好ましくは、49~50重量%のBiと、0.8~1重量%のCuと、0.03~0.08重量%のCoと、0.9~1重量%のAgとからなり、残部はスズ及び不可避の不純物である。
【0042】
いくつかの他の実施形態において、はんだ合金は、56~59重量%のBi、好ましくは57~58重量%のBiを含む。好都合なことに、このようなBi含有量は、Biの含有量がより少ない合金と比較して、合金の融点を低くする。
【0043】
好ましくは、上述のはんだ合金は、
56~59重量%のBiと、
0.1~0.3重量%のCuと、
0.02~0.04重量%のCoと
からなり、
残部はスズ及び不可避の不純物である。
【0044】
このような合金は、例えば約138℃など、140℃未満の液相温度を示し得る。このような合金は、上述の利点を提供するためにとくに好適であり得る。このとくに好ましい実施形態において、合金は、好ましくは、57~58重量%のBiと、0.15~0.25重量%のCuと、0.025~0.035重量%のCoとからなり、残部はスズ及び不可避の不純物である。
【0045】
いくつかの実施形態において、はんだ合金は、SnPbはんだ合金を含む。SnPbはんだ合金は、とくに好ましい機械的特性を示し得る。
【0046】
これらの実施形態において、はんだ合金は、好ましくは5~70重量%のSn及び残部のPbを不可避の不純物と共に含み、より好ましくは50~70重量%のSn及び残部のPbを不可避の不純物と共に含む。SnPbはんだ合金は、好ましくは二元はんだ合金である。好ましい実施形態において、SnPb合金は、Sn40Pb(液相温度は約183℃)である。別の好ましい実施形態において、SnPb合金は、Sn37Pb(液相温度は約183℃)である。
【0047】
いくつかの実施形態において、はんだ合金は、
35~60重量%のBiと、
0~2重量%のAgと
を含み、
残部はSn及び不可避の不純物である。
【0048】
このような合金は、バックコンタクト式アセンブリにおいてとくに好適であり得る。
【0049】
これらの実施形態において、はんだ合金は、好ましくは、40~60重量%のBiを含み、より好ましくは41~45重量%のBi又は56~60重量%のBiのいずれかを含む。例えば、はんだ合金は、Sn57Bi43又はBi58Sn42合金を含み得る。
【0050】
これらの実施形態において、はんだ合金は、好ましくは、0.5~1.5重量%のAg、より好ましくは0.7~1.3重量%のAg、更により好ましくは約1重量%のAgを含む。例えば、はんだ合金は、57Bi-42Sn-1Agを含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、はんだ合金は、
0.01~5重量%のAgと、
0.02~1.5重量%のCuと
を含み、
随意により、
0.08~20重量%のBi、
0~0.1重量%のP、
53重量%のCeと、24重量%のLaと、16重量%のNdと、5重量%のPrとの混合物からなる0~0.02重量%の希土類混合物、及び
0~0.01重量%のSb
を含み、
残部はSn及び不可避の不純物である。
【0052】
このような合金は、バックコンタクト式アセンブリにおいてとくに好適であり得る。
【0053】
これらの実施形態において、はんだ合金は、好ましくは、1.5~4.5重量%のCu、好ましくは2~4重量%のCu、より好ましくは2.5~3.5重量%のAg、更により好ましくは約3重量%のAgを含む。これらの実施形態において、はんだ合金は、好ましくは、0.1~1重量%のCu、より好ましくは0.2~0.8重量%のCu、更により好ましくは0.4~0.6重量%のCu、更により好ましくは約0.5重量%のCuを含む。これらの実施形態において、はんだ合金は、好ましくはSAC305を含む。
【0054】
これらの実施形態において、はんだ合金がBiを含む場合、はんだ合金は、好ましくは、
0.08~8重量%のBi、より好ましくは3~6重量%のBiと、
0.1~0.7重量%のCuと、
0.05~0.5重量%のAg、より好ましくは0.1~0.4重量%のAgと
を含む。
【0055】
他の実施形態においては、はんだペーストを、ECAと併せて使用することができる。例えば、交互のPVセルを、はんだペースト及びECAを使用して相互接続することができる。例えば、第1のPVセルを、上述のとおりのはんだペーストを含み、あるいは上述のとおりのはんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第2のPVセルに相互接続することができる。第3のPVセルを、ECAを使用して第2のPVセルに相互接続することができる。第4のPVセルを、上述のとおりのはんだペーストを含み、あるいは上述のとおりのはんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第3のPVセルに相互接続することができ、以下同様である。はんだペースト及びECAの使用を組み合わせる別の例においては、機械的な相互接続をもたらすために、PVセルにECAを印刷して、PVセルを相互接続することができ、上述のとおりのはんだペーストを含み、あるいは上述のとおりのはんだペーストからなる導電性付着剤を、バス接続のために使用することができる。
【0056】
はんだフラックスは、好ましくは、
ロジン及び/又は樹脂、並びに/あるいは
活性化剤、並びに/あるいは
界面活性剤、並びに/あるいは
溶媒、並びに
随意によるレオロジー調整剤及び/又は腐食防止剤
を含む。
【0057】
はんだフラックスの成分は、典型的には、はんだ合金の目標リフロー温度よりも低い温度でペーストから除去(例えば、蒸発及び/又は焼失によって)することができるように選択される。これは、金属粒子のほぼ完全な焼結を促進するのに役立ち得る。リフロー時に有機材料が接合部に留まると、金属粒子の焼結が不充分になる可能性がある。これは、はんだ接合部を弱くする可能性がある。
【0058】
ロジン及び/又は樹脂は、ペーストをステンシル印刷するうえで好ましいレオロジー特性を有するペーストを提供するのにとくに好適であり得る。ロジン/樹脂の非限定的な例は、様々な程度の軟化点及び酸値を伴う、ガムロジン、水素添加ロジン、エステル化ロジン、変性ロジン樹脂又は二量体化ロジンである。ロジン及び/又は樹脂は、好ましくはロジンである。ロジンの使用は、より良好な信頼性、広がり、酸素除去、及び非干渉残留物の形成の観点から、エポキシ又はアクリルバインダーよりも有利である。
【0059】
活性化剤は、例えばPVセル、リボン、などといった印刷対象の表面から存在し得る任意の金属酸化物を除去し、更には/あるいははんだ合金中に存在し得る任意の酸化物を除去することができる。例えば、アジピン酸、コハク酸、及びグルタル酸のうちの1つ以上など、アリール又はアルキルカルボン酸を、活性化剤として使用することができる。
【0060】
界面活性剤が、はんだペーストのレオロジー特性又は他の機能特性を制御することができる。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性であってよい。非限定的な例としては、商品名SPAN-80、SPAN-20、Tween-80、Triton-X-100、Sorbitan、IGEPAL-CA-630、Nonidet P-40、セチルアルコール、FS-3100、FS-2800、FS-2900、FS-230、FS-30で入手可能な界面活性剤が挙げられる。
【0061】
溶媒(典型的には溶媒の組み合わせ)は、典型的には、はんだの固化前の溶媒の蒸発を促進するように選択される。典型的な溶媒組成物として、例えば、モノテルペンアルコール、グリコール、グリコールエステル、グリコールエーテル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。非限定的な例として、ヘキシルカルビトール、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルテルピネオール、及びジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルが挙げられる。
【0062】
はんだフラックスは、ペーストの粘度を制御するためのレオロジー調整剤を更に含むことができる。好適なレオロジー調整剤の例として、Thixcin R、Crayvallac Super、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
【0063】
はんだフラックスは、好ましくはトリアゾール誘導体を含み、より好ましくはベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、及びカルボキシベンゾトリアゾールのうちの1つ以上を含む腐食防止剤を更に含むことができる。このような腐食防止剤の存在は、周囲貯蔵中又は電気的若しくは熱的信頼性試験条件中に、得られるはんだ接合を保護するのに役立ち得る。
【0064】
はんだペーストは、好ましくは、75~95重量%、より好ましくは80~92重量%のはんだ合金粒子を含む。はんだペーストは、好ましくは、5~25重量%、より好ましくは8~20重量%のはんだフラックスを含む。
【0065】
はんだフラックスは、好ましくは、
25~40重量%のロジン及び/又は樹脂、並びに/あるいは
12~20重量%の活性化剤、並びに/あるいは
10~20重量%の界面活性剤、並びに/あるいは
20~40重量%の溶媒、並びに/あるいは
1~10重量%のレオロジー調整剤、並びに/あるいは
0.5~3重量%の腐食防止剤
を含む。
【0066】
第2の態様において、本開示は、複数の相互接続された光起電(PV)セルを備えるソーラーモジュールであって、
少なくとも第1のPVセルが、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第2のPVセルに相互接続されており、
はんだペーストは、はんだ合金の粒子をはんだフラックスに分散させて含み、はんだ合金は、225℃未満の液相温度を有するSn含有はんだ合金を含む、ソーラーモジュールを提供する。
【0067】
いくつかの実施形態において、ソーラーモジュールは、
第1のPVセルと第2のPVセルとが少なくとも部分的に重なり合って重なり領域を形成し、第1のPVセルの後面と第2のPVセルの前面とが、重なり領域において相互接続される、シングル式アセンブリ、又は、
第1のPVセルの後面が1つ以上のリボンによって第2のPVセルの後面と相互接続される、バックコンタクト式アセンブリ、又は、
第1のPVセル及び第2のPVセルが重なり合っておらず、第1のPVセルの前面が、1つ以上のリボン、好ましくは1つ以上の光捕捉リボンを使用して、第2のPVセルの後面と相互接続される、接着式アセンブリ
を含み得る。
【0068】
好ましくは、ソーラーモジュールは、上述の第1の態様に記載の方法に従って製造される。
【0069】
第3の態様において、本開示は、複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、少なくとも第1のPVセルが、バインダー系を含むがはんだ合金を含まないはんだフラックスを使用して、第2のPVセルに相互接続される方法を提供する。
【0070】
好ましくは、バインダー系は、有機バインダー系である。バインダー系は、本明細書に記載のはんだフラックスに相当し得る。
【0071】
好ましくは、相互接続は、はんだフラックスを使用して第1のPVセルの前面及び第2のPVセルの後面に接続された1つ以上のリボンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0072】
ここで、本開示の1つ以上の実施形態について、添付の図面を参照して、単に例として説明する。
図1】複数の個別のPVセルからなるシングル式アセンブリの概略図である。
図2】複数の個別のPVセルからなるシングル式アセンブリの概略図である。
図3】複数の個別のPVセルからなるバックコンタクト式アセンブリの概略図である。
図4】光捕捉リボンの平面及び断面写真を示している。
図5】複数の個別のPVセルからなる接着式アセンブリの概略図である。
図6】リフロー前の幅1mmのバスバー上に印刷されたはんだペーストステンシルの写真である。
図7】リフロー後の図6のはんだパッドの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。前述の発明の概要及び以下の例は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求されるいずれの主題も限定するものではないことを理解されたい。
【0074】
以下の説明は、本開示の実施形態を対象とする。実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲において特許請求される本開示のすべての可能な実施形態を含むことを意図するものではない。以下の実施形態において明示的に列挙されていない多くの修正、改善、及び同等物は、添付の特許請求の範囲内に含まれ得る。一実施形態の一部として記載される特徴は、文脈がそうではないことを明確に必要としない限り、1つ以上の他の実施形態の特徴と組み合わせてもよい。
【0075】
本開示によれば、複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、少なくとも第1のPVセルが第2のPVセルに相互接続される方法が提供される。
【0076】
一般的なレベルにおいて、はんだペーストは、以下のステップを使用してはんだ接合部を生成するために用いられる。
はんだフラックスにはんだ合金の粒子を分散させて、はんだペーストを形成するステップ、
例えば2つのPVセルあるいはPVセルと相互接続部など、接合されるべき2つ以上の被加工物を用意するステップ、
2つ以上の被加工物のうちの少なくとも1つにはんだペーストを配置するステップ、及び
接合されるべき2つ以上の被加工物の近くではんだペーストを加熱して、2つ以上の被加工物の間にはんだ接合部を形成するステップ。
【0077】
以下で、ソーラーモジュールの製造の方法が、本開示のよりよい理解のために、あくまでも例として説明される。
【0078】
シングル式アセンブリにおいては、太陽電池を3~6個のストリップ(シングル)に切断することができ、その後に、これらを、各々のシングルの前面を次のシングルの裏面に接続することによってストリングに組み立てることができる。シングル式によるストリングは、いくつかのPVセルで作られ、最大2メートルの長さになり得る。シングル式によるストリングを、バスリボンによって、直列又は並列配置に接続することができる。
【0079】
図1及び図2が、複数の個別のPVセル2からなるシングル式アセンブリ1の一例を概略的に示している。図2の拡大図に最も明瞭に示されているように、シングル式アセンブリ1は、少なくとも部分的に重なり合って重なり領域を形成する第1のPVセル4及び第2のPVセル5を少なくとも含む。第1のPVセル4の後面及び第2のPVセル5の前面が、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、重なり領域において相互接続され、はんだ接合部8を形成する。第1のPVセル4は、後面に相互接続部6を備えることができ、第2のPVセル5は、前面に相互接続部7を備えることができる。図示の例において、両方の相互接続部6、7は、例えばPVセル4、5の幅を横切って延びてよいバスバーなど、金属化されたパッドを含む。はんだ接合部8を、相互接続部6、7の間に直接形成することができる。
【0080】
シングル式は、相互接続部(例えば、接点パッド)がPVセルの両面にある限り、任意のPVセルアーキテクチャに適用可能である。例えば、他のアーキテクチャの中でもとりわけ、BSF、PERC、両面PERC、n-PERT/PERL、HJに適用可能である。
【0081】
バックコンタクト式アセンブリにおいては、相互接続部のすべて又は一部が、PVセルの後面に位置し得る。
【0082】
図3が、複数の個別のPVセル11、12からなるバックコンタクト式アセンブリ10の一例を概略的に示している。第1のPVセル11の後面が、1つ以上のリボン13によって第2のPVセル12の後面と相互接続されている。1つ以上のリボン13は、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第1のPVセル11の後面及び第2のPVセル12の後面に接続される。
【0083】
1つ以上のリボン13は、銅箔リボンであってよい。
【0084】
接着式アセンブリにおいては、第1のPVセル及び第2のPVセルが重なり合っておらず、第1のPVセルの前面は、1つ以上のリボン、好ましくは1つ以上の光捕捉リボンを使用して、第2のPVセルの後面と相互接続される。光捕捉リボンは、典型的には、図4に示されるように、それらの光捕捉能力を高めるために溝付きである。これにより、従来からの手順を用いると、PVセルの相互接続パッドとの結合の形成が、困難になり得る。
【0085】
図5が、光捕捉リボン23を使用して相互接続された複数の個別のPVセル21、22からなる接着式アセンブリ20の一例を概略的に示している。1つ以上の光捕捉リボン23は、はんだ接合部28を形成するように、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第1のPVセル21の前面及び第2のPVセル22の後面に接続される。
【0086】
はんだペーストを、PVセル又は光捕捉リボンの前面及び/又は後面に、例えば、ステンシル印刷し、ジェット印刷し、あるいは他のやり方で分注することができる。
【0087】
本開示のはんだペーストは、優れた安定性を示し、12時間の連続印刷の後でも金属含有量がほぼ変わらないままであることが明らかになっている。とくには、粘度の高まりが限られていることが明らかになっており、結果として、はんだペーストのステンシル印刷を、ステンシルを洗浄することなく数時間にわたって行うことができる。更に、はんだペーストの使用は、高い印刷鮮明度及び高い速度を可能にする。例えば、高い印刷速度でも、はんだペーストにおいて観察される転写効率は、90%を超えることが可能である。これに比べ、一般に、ECAは、4時間を超えるステンシル/スクリーン寿命を有さない。その後に、ECAの粘度は急速に高まり、多くの場合に不充分な転写及びスクリーンの細孔の詰まりが観察される。
【0088】
はんだペーストを、ステンシル印刷、ジェット印刷、又は分注の後に、加熱によってリフローさせることができる。例えば、はんだペーストを、赤外線、対流式オーブン、又はゾーン化リフローオーブンを使用して、1分未満、随意により10秒未満の期間にわたってリフローさせることができる。
【0089】
本発明の他の実施形態においては、複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、少なくとも第1のPVセルを、バインダー系を含むがはんだ合金を含まないはんだフラックスを使用して、第2のPVセルに相互接続する方法が提供される。
【0090】
好ましくは、バインダー系は、有機バインダー系である。
【0091】
好ましくは、相互接続は、はんだフラックスを使用して第1のPVセルの前面及び第2のPVセルの後面に接続された1つ以上のリボンを含む。
【0092】
本開示の方法は、PVセル間の相互接続の剥離強度の改善を有益にもたらすことができる。例えば、バスリボン接続の剥離強度の第1の試験において、ECAの剥離強度が約0.5Nであったのに比べ、Sn40Pbはんだ合金を含むはんだペーストの剥離強度は約2.5Nであった。
【0093】
本開示の方法は、PVセル間の相互接続のせん断強度の改善を有益にもたらすことができる。例えば、相互接続のせん断強度の第2の試験において、PVセルを以下を使用して相互接続した。
1)ECA、
2)Sn40Pbはんだ合金を含むはんだペースト、及び
3)
48~51重量%のBiと、
0.7~1.1重量%のCuと、
0.02~0.09重量%のCoと、
0.8~1.1重量%のAgとからなり、
残部はスズ及び不可避の不純物であるはんだ合金を含むはんだペースト。
【0094】
1)において、得られたせん断強度は6.3Nに過ぎず、ECA結合に沿った相互接続の損傷が観察された。2)においては、9.8Nのせん断強度が得られた。3)においては、10.5Nのせん断強度が得られた。2)及び3)の両方において、はんだによる接合部においては不具合が生じておらず、むしろPVセル材料が壊れることによるせん断破壊の発生が観察された。
【0095】
本開示の方法は、PVセル間の相互接続の熱劣化の改善を有益にもたらすことができる。例えば、第3の試験において、PVセルを、以下を使用して相互接続した。
1)ECA、
2)Sn40Pbはんだ合金を含むはんだペースト、
3)
48~51重量%のBiと、
0.7~1.1重量%のCuと、
0.02~0.09重量%のCoと、
0.8~1.1重量%のAgとからなり、
残部はスズ及び不可避の不純物であるはんだ合金を含むはんだペースト、及び
4)
56~59重量%のBiと、
0.1~0.3重量%のCuと、
0.02~0.04重量%のCoとからなり、
残部はスズ及び不可避の不純物であるはんだ合金を含むはんだペースト。
【0096】
次いで、試料を、IEC規格61215に従って熱劣化させた。600回の試験サイクル及び800回の試験サイクルの後に、以下のパーセント出力変化が観察された。
【0097】
【表1】
【0098】
本開示の方法は、PVセル間の相互接続の接触抵抗の低減を有益にもたらすことができる。例えば、第4の試験において、PVセルを、第3の試験において用いた接着剤/はんだ合金と同じ接着剤/はんだ合金を使用して相互接続した。以下の接触抵抗が観察された。
【0099】
【表2】
【0100】
以下の実施例は、本開示のよりよい理解のために提供され、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0101】
実施例1
シングル式セルのバスバーの前面に、以下の組成のはんだ合金の粒子を分散させたはんだフラックスを含むはんだペーストを印刷した。
48~51重量%のBi、
0.7~1.1重量%のCu、
0.02~0.09重量%のCo、
0.8~1.1重量%のAg、
スズである残部、及び不可避の不純物。
【0102】
シングル式セルは、多結晶6”Al-BSF(アルミニウム裏面電界)太陽電池をレーザ切断によって5つの個別のシングル式セルストリップに分割することによって作られている。
【0103】
図6に示されるように、DEK03Xi印刷機において3ミルのステンシルを使用して、はんだペーストを幅1mmのバスバー上に印刷した。印刷されたはんだペーストパッドの幅は、リフロー前において、300~900ミクロンであった。印刷されたはんだペーストパッドの高さは、リフロー前において、65ミクロンであった。高速リフローの後に、はんだペーストは、図7に示されるように、バスバーの幅を満たすように完全に広がる。はんだペーストパッドの高さは、55マイクロメートルまで減少した。
【0104】
次いで、ストリップを、1.0mmの固定の重なり合いでシングル式に配置した。このアセンブリについて、175℃のピーク温度でリフローオーブンにおいてスナップリフローを行った。総リフロー時間は、標準的なリフローオーブンにおいて1分未満であった。最後に、バスのはんだ付けを、リボンアタッチメントを使用して行った。
【0105】
接合部の品質及び強度を、ダイ(ペースト/シングル式セル)にダイ取り付け基板の平面に平行な応力を加えて、ダイ-ダイの取り付け材料の界面及びダイ取り付け材料-基板の界面の間にせん断応力をもたらすことにより、相互接続材料、ダイ(はんだペースト/ECA)の銀パッドへの接着の強度を明らかにすることによって評価した。この技術において、リフロー後のはんだペースト及び2セルのシングル式アセンブリを、ダイせん断法を使用してせん断した。はんだペーストアセンブリは、リフロー試験及び2セルのシングル式アセンブリとして、8Nを上回るせん断強度をもたらした。他方で、ECAでは、シングル式アセンブリについて得られたせん断強度は、約3.4Nに過ぎなかった。接合部の顕微鏡検査によって、はんだペーストが銀パッドとの薄くて連続的なIMC(金属間化合物)層を形成する一方で、ECAの場合にはIMCが形成されず、銀粒子が有機バインダーマトリックス中に浮遊することが明らかになった。
【0106】
次いで、アセンブリをボイド及び亀裂について分析し、その後に標準的なエチル酢酸ビニル(EVA)積層材料を使用して138℃で20分間にわたって積層した。
【0107】
EL(エレクトロルミネッセンス)撮像、I-V曲線値、並びに機械及び環境試験をアセンブリについて実施した。試験結果は、最大出力(Pmax)値の変化が±5%未満であり、したがってアセンブリがIEC61215による信頼性の要件に合格したことを示している。熱サイクル及び高温高湿試験の両方を、それぞれ600サイクル及び2000時間まで延長した。
【0108】
実施例2.
リフローオーブンの代わりに、IR(赤外線)硬化を使用してアセンブリを製作したことを除き、実施例1を繰り返した。IRリフローを、50%のIR出力で4~5秒間にわたって行った。
【0109】
実施例3.
ECAを使用してシングル式にし、スズ鉛リボンへのバスのはんだ付けを銀パッド上にはんだペーストを分注することによって達成したことを除き、実施例1を繰り返した。
【0110】
実施例4.
バックコンタクト式アセンブリを、IBCセルを使用して製造した。IBCセルの裏側は、微細な銀線(幅200マイクロメートル)からなる。実施例1のはんだペーストをそれらの跡へと印刷し、標準的な銅タブ付けリボンをその上に配置した。別のセルを、これらのリボンを介して接続することができる。はんだペーストが銀パッドを完全に濡らしていることが観察された。はんだボールの形成や銀の浸出は観察されていない。剥離強度は1Nを超えた。ECAによる同様のアセンブリは、許容可能な接合強度をもたらさなかった。
【0111】
次いで、アセンブリ全体のリフローを、ピーク温度175℃でリフローオーブンにおいて行った。次いで、実施例1において述べたように積層を行った。
【0112】
I-V曲線値並びに機械及び環境試験を、アセンブリについて行った。試験結果は、最大出力(Pmax)値の変化が±5%未満であり、したがってアセンブリがIEC61215による信頼性の要件に合格したことを示している。
【0113】
実施例5.
はんだ付け及び積層を単一の操作で達成したことを除き、実施例4を繰り返した。ポリオレフィンエラストマー(POE)積層材料をこの目的のために使用し、積層温度は20分間にわたって168℃であった。
【0114】
実施例6.
相互接続のためにリボンの代わりに導電性銅箔(導電性バックシート)を使用したことを除き、実施例4を繰り返した。
【0115】
実施例7.
直列接続PVセルの接着式アセンブリを、自動タブ付け装置(Sunnyworld H1300タブ付け及びストリング化装置)によって製造した。実施例1のはんだペーストを、PVセルのバスバー上に分注又は印刷した。次いで、延伸リボンをはんだペースト上に配置した。このアセンブリを、自動タブ付け装置の予熱ゾーンに通した。指定された予熱時間の後に、IR(赤外線)はんだ付けを50%の出力で1~2秒間行った。このプロセスにて、複数のセルにタブを付け、ストリングにした。パネルを積層し、I-V曲線値並びに機械及び環境試験について分析した。試験結果は、最大出力(Pmax)値の変化が±5%未満であり、したがってアセンブリがIEC61215による信頼性の要件に合格したことを示している。
【0116】
実施例8.
はんだペーストの代わりにはんだフラックスを使用したことを除き、実施例7を繰り返した。はんだフラックスは、バインダー系、好ましくは有機バインダー系を含むが、はんだ合金は含まない。
【0117】
実施例9.
光捕捉リボンを使用したことを除き、実施例7を繰り返した。はんだペーストをリボン上に印刷し、セルの裏側にはんだ付けした。前側のはんだ付けは、通常のフラックス法又はレディリボン(商標)を使用して達成した。パネルを積層し、I-V曲線値並びに機械及び環境試験について分析した。試験結果は、最大出力(Pmax)値の変化が±5%未満であり、したがってアセンブリがIEC61215による信頼性の要件に合格したことを示している。
【0118】
本開示の図面及び説明のうちの少なくとも一部が、本開示の明確な理解のために、関連する要素に焦点を当てるように簡素化されており、当業者が理解する他の要素が明確にする目的で排除されることが必要とされ得ることを理解されたい。このような要素は当業者に周知であるため、かつ本開示のより良好な理解を必ずしも容易にするものではないため、そのような要素の説明は本明細書では提供されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光起電(PV)セルの相互接続によってソーラーモジュールを製造する方法であって、
はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、少なくとも第1のPVセルが第2のPVセルに相互接続され、
前記はんだペーストは、はんだ合金の粒子をはんだフラックスに分散させて含み、
前記はんだ合金は、225℃未満の液相温度を有するSn含有はんだ合金を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のPVセルを積層することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとの間の相互接続が確立され、その後に前記複数のPVセルが積層され、
随意により、積層は、前記はんだ合金の液相温度を下回る積層温度で実行され、若しくは、随意により、積層は、前記はんだ合金の液相温度を上回る積層温度で実行され、又は、
前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとの間の相互接続は、前記複数のPVセルの積層の最中にその場で確立され、
積層は、前記はんだ合金の液相温度以上の積層温度で実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが少なくとも部分的に重なり合って重なり領域を形成するシングル式アセンブリを備え、
前記第1のPVセルの後面と前記第2のPVセルの前面とが、前記はんだペーストを含み、あるいは前記はんだペーストからなる前記導電性付着剤を使用して、前記重なり領域において相互接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルの後面が1つ以上のリボンによって前記第2のPVセルの後面と相互接続されるバックコンタクト式アセンブリを備え、前記1つ以上のリボンは、前記はんだペーストを含み、あるいは前記はんだペーストからなる前記導電性付着剤を使用して、前記第1のPVセルの前記後面及び前記第2のPVセルの前記後面に接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが重なり合わず、前記第1のPVセルの前面が、1つ以上のリボン、好ましくは1つ以上の光捕捉リボンを使用して前記第2のPVセルの後面と相互接続される接着式アセンブリを備え、
前記1つ以上のリボンは、前記はんだペーストを含み、あるいは前記はんだペーストからなる前記導電性付着剤を使用して、前記第1のPVセルの前記前面及び前記第2のPVセルの前記後面に接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記はんだペーストは、ステンシル印刷され、ジェット印刷され、あるいは分注される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記はんだペーストは、印刷され、ジェット印刷され、あるいは分注された後に加熱によってリフローされ、好ましくは、前記はんだペーストは、1分未満、随意により10秒未満の期間にわたり、赤外線、対流式オーブン、又はゾーン化リフローオーブンを使用してリフローされる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記はんだ合金は、
45~59重量%のBi、
0.1~1.2重量%のCu、
0.01~0.1重量%のCo、及び
随意により最大1.1重量%のAg
を含み、
残部はSn及び不可避の不純物であり、好ましくは、
前記はんだ合金は、0.2~1重量%のCuを含み、かつ/又は
前記はんだ合金は、0.02~0.09重量%のCoを含み、かつ/又は
前記はんだ合金は、0.8~1.1重量%のAgを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記はんだ合金は、48~51重量%のBiを含み、好ましくは、前記はんだ合金は、
48~51重量%のBiと、
0.7~1.1重量%のCuと、
0.02~0.09重量%のCoと、
0.8~1.1重量%のAgと
からなり、
残部はスズ及び不可避の不純物である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記はんだ合金は、56~59重量%のBiを含み、好ましくは、前記はんだ合金は、
56~59重量%のBiと、
0.1~0.3重量%のCuと、
0.02~0.04重量%のCoと
からなり、
残部はSn及び不可避の不純物である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記はんだフラックスは、
ロジン及び/又は樹脂、
活性化剤、
界面活性剤、並びに
溶媒
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
複数の相互接続された光起電(PV)セルを備えるソーラーモジュールであって、
少なくとも第1のPVセルが、はんだペーストを含み、あるいははんだペーストからなる導電性付着剤を使用して、第2のPVセルに相互接続されており、
前記はんだペーストは、はんだ合金の粒子をはんだフラックスに分散させて含み、前記はんだ合金は、225℃未満の液相温度を有するSn系はんだ合金を含む、ソーラーモジュール。
【請求項14】
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが少なくとも部分的に重なり合って重なり領域を形成し、前記第1のPVセルの後面と前記第2のPVセルの前面とが、前記重なり領域において相互接続される、シングル式アセンブリを備え、又は、
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルの後面が1つ以上のリボンによって前記第2のPVセルの後面と相互接続される、バックコンタクト式アセンブリを備え、又は、
前記ソーラーモジュールは、前記第1のPVセルと前記第2のPVセルとが重なり合わず、前記第1のPVセルの前面が、1つ以上のリボン、好ましくは1つ以上の光捕捉リボンを使用して前記第2のPVセルの後面と相互接続される、接着式アセンブリを備える、請求項13に記載のソーラーモジュール。
【請求項15】
前記ソーラーモジュールは、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法によって製造される、請求項13又は14に記載のソーラーモジュール。

【国際調査報告】