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特表2022-533720軌道チェーン軌道チェーン用マスターリンク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】軌道チェーン軌道チェーン用マスターリンク
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/205 20060101AFI20220715BHJP
【FI】
B62D55/205 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569098
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 US2020029046
(87)【国際公開番号】W WO2020242643
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】16/422,581
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロンガンバッハ、デイヴィッド
(57)【要約】
【解決手段】 軌道チェーン用のマスターリンク(120)が開示される。マスターリンクは、リンクの第1の面(230)と当接する第1の部分(240)と、リンクの第2の面(260)と当接する第2の部分(270)と、リンクの第1の端部に配置された第1のボア(210-1)と、リンクの第2の端部に配置された第2のボア(210-2)と、第1の部分(240)と第2の部分(270)との間に配置され、第1のボアと第2のボアとの間に延びる部材(280)とを含む。部材(280)は、軌道チェーンの対応する噛合部材の外径の周りに第1のボアおよび第2のボアの配置を容易にするために、第1の部分と第2の部分との間に分離部を生成する。部材は、第1の部分と第2の部分の間から分離部を除去するために取り外し可能である。
【選択図】図2A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンク(120)であって、
前記リンク(120)の第1の面(230)と当接する第1の部分(240)と、
前記リンク(120)の第2の面(260)と当接する第2の部分(270)と、
前記リンク(120)の第1の端部に配置された第1のボア(210-1)と、
前記リンク(120)の第2の端部に配置された第2のボア(210-2)と、
前記第1の部分(240)と前記第2の部分(270)との間に配置され、前記第1のボア(210-1)と前記第2のボア(210-2)との間に延びる部材(280)とを含み、
前記部材(280)は、軌道チェーン(110)の対応する噛合部材(408)の外径の周りに前記第1のボア(210-1)および前記第2のボア(210-2)の配置を容易にするために、前記第1の部分(240)と前記第2の部分(270)との間に分離部を生成し、
前記部材(280)は、前記第1の部分(240)と前記第2の部分(270)の間の分離部を除去するために取り外し可能である、リンク(120)。
【請求項2】
前記部材(280)は、部材(280)の溶融によって取り外すことができる、請求項1に記載のリンク(120)。
【請求項3】
前記部材(280)は、前記リンク(120)の部材よりも低い溶融温度を有する、請求項2に記載のリンク(120)。
【請求項4】
前記部材(280)は、楔状であり、
前記部材(280)は、前記部材(280)に機械的な力の印加によって取り外すことができる、請求項1に記載のリンク(120)。
【請求項5】
前記第1の部分(240)と前記第2の部分(270)とは、前記部材(280)が前記リンク(120)に機械的な力の印加なしに取り外された後、前記第1のボア(210-1)及び前記第2のボア(210-2)を前記対応する噛合部材(408)の外径の周りに固定するために、互いに向かって収縮するように構成される、請求項1に記載のリンク(120)。
【請求項6】
前記第1のボア(210-1)及び第2のボア(210-2)は、前記分離部を生成する部材(280)に基づいて対応する歪曲された円形状を有し、
前記対応する歪曲された円形状は、前記対応する噛合部材(408)の外径の周りに前記第1のボア(210-1)及び前記第2のボア(210-2)の配置を容易にする、請求項1に記載のリンク(120)。
【請求項7】
マスターリンク(120)であって、
前記マスターリンク(120)の第1の面(230)と当接する第1の部分(240)と、
前記マスターリンク(120)の第2の面(260)と当接する第2の部分(270)と、
前記マスターリンク(120)の第1の端部に配置された第1のボア(210-1)と、
前記マスターリンク(120)の第2の端部に配置された第2のボア(210-2)と、を含み、
前記第1のボア(210-1)及び前記第2のボア(210-2)の対応する形状は、ファスナーセットの使用なしに軌道チェーン(110)の対応する噛合部材(408)に対する前記第1のボア(210-1)及び前記第2のボア(210-2)の固定を容易にし、
分離部が前記第1の部分(240)と前記第2の部分(270)との間に配置され、前記第1のボア(210-1)と前記第2のボア(210-2)との間に延び、
前記分離部は、前記第1の部分(240)と前記第2の部分(270)との間に部材(280)の挿入を容易にし、対応する噛合部材(408)の外径の周りに前記第1のボア(210-1)及び前記第2のボア(210-2)の配置を容易にするように拡張可能である、マスターリンク(120)。
【請求項8】
前記マスターリンク(120)は、前記ファスナーセットの使用なしに前記軌道チェーン(110)の複数の軌道シュー(116)に機械的に固定される、請求項8に記載のマスターリンク(120)。
【請求項9】
前記分離部は、前記マスターリンク(120)が鋳造された後に放電加工(EDM)によって形成される、請求項8に記載のマスターリンク(120)。
【請求項10】
前記第1のボア(210-1)及び前記第2のボア(210-2)の前記対応する形状は、前記対応する噛合部材(408)の外径の対応する形状と整合するように円形である、請求項8に記載のマスターリンク(120)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にマスターリンクに関し、とりわけ、軌道チェーンの対応する噛合部材の外径の周りにマスターリンクのボアの配置を容易にするために、マスターリンクの第1の部分と第2の部分との間に部材を含むマスターリンクに関する。
【背景技術】
【0002】
マスターリンクは、軌道チェーンの2つの端部を一緒に連結してループを形成する軌道チェーンに使われている。例えば、マスターリンクは、軌道チェーンの一端部上の噛合部材に連結するための、マスターリンクの一端部にあるボアと、軌道チェーンの他端部上の噛合部材に連結するための、マスターリンクの他端部にある他のボアとを含む。マスターリンクは、開放された円形ボア及びボアが軌道チェーンの対応する噛合部材の外径の周りに配置されることができるようにボアの間で延びる分離部で製造されることができる。その後、ファスナーがマスターリンクの上面を通じてマスターリンクの底部に垂直に駆動され、隙間を閉鎖して対応する噛合部材の外径の周りにボアを固定する。あるいは、マスターリンクを固定するか、クランプして隙間を閉鎖して対応する噛合部材の外径の周りにボアを固定する代わりに、マスターリンクが噛合部材上に押圧されることができる。
【0003】
マスターリンクの一例は、2011年2月1日許与された米国特許第7,877,977号(「´977特許」)に開示されている。特に、´977特許は、チェーンアセンブリー用マスターリンクを開示しており、前記マスターリンクは、第1の側面、第1の側面の反対側に位置した第2の側面、軌道シューを収容するように構成されたシュー表面、及びシュー表面の反対側に位置したレール表面を有する本体部材;本体部材を通じて第1の側面から第2の側面に延びる第1の及び第2のアパーチャ;本体部材を通じて第1の側面から第2の側面に延び、第1の及び第2のアパーチャの間に配置された第3の及び第4のアパーチャ;第3の及び第4のアパーチャを分割するストラット部材;本体部材に配置されて第1のアパーチャから第3のアパーチャに延びる第1の隙間;本体部材に配置されて第4のアパーチャから第2のアパーチャに延びる第2の隙間;及びストラット部材に配置されて第3のアパーチャから第4のアパーチャに延びる第3の隙間を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
´977特許は、本体部材に配置されて第1のアパーチャから第3のアパーチャに延びる第1の隙間;本体部材に配置されて第4のアパーチャから第2のアパーチャに延びる第2の隙間;及びストラット部材に配置されて第3のアパーチャから第4のアパーチャに延びる第3の隙間を含むマスターリンクを提供することができるが、´977特許は、マスターリンクの第1のセクションとマスターリンクの第2のセクションとの間に分離部の部材を含むマスターリンクまたは軌道チェーンに対するマスターリンクの固定を行うか、容易にするためのファスナーの使用なしに軌道チェーンに対するマスターリンクの固定を容易にする分離部を含むマスターリンクを開示していない。
【0005】
本開示のマスターリンクは、当業界における前述したものとは異なる1つ又は複数の機能及び/または用途を提供する。
【0006】
本開示は、リンクに関し、前記リンクは、リンクの第1の面と当接する第1の部分と、リンクの第2の面と当接する第2の部分と、リンクの第1の端部に配置された第1のボアと、リンクの第2の端部に配置された第2のボアと、第1の部分と第2の部分との間に配置され、第1のボアと第2のボアとの間に延びる部材とを含み、部材は、軌道チェーンの対応する噛合部材の外径の周りに第1のボアおよび第2のボアの配置を容易にするために、第1の部分と第2の部分との間に分離部を生成し、部材は、第1の部分と第2の部分の間の分離部を除去するために取り外し可能である。
【0007】
本開示は、マスターリンクに関し、前記マスターリンクは、マスターリンクの第1の面と当接する第1の部分と、マスターリンクの第2の面と当接する第2の部分と、マスターリンクの第1の端部に配置された第1のボアと、マスターリンクの第2の端部に配置された第2のボアと、を含み、第1のボア及び第2のボアの対応する形状は、ファスナーセットの使用なしに軌道チェーンの対応する噛合部材に対する第1のボア及び第2のボアの固定を容易にし、分離部が第1の部分と第2の部分との間に配置され、第1のボアと第2のボアとの間に延び、分離部は、第1の部分と第2の部分との間に部材の挿入を容易にし、対応する噛合部材の周りに第1のボア及び第2のボアの配置を容易にするように拡張可能である。
【0008】
本開示は、方法に関し、前記方法は、工場の1つ又は複数の機械によって、軌道チェーン用リンクを形成する段階であって、該リンクは、第3の表面及び第4の表面と当接する第1の表面及び第2の表面を有し、リンクは、第3の表面及び第4の表面を通じて延びる第1のボア及び第2のボアを有し、第1のボアは、リンクの第1の端部に配置され、第2のボアはリンクの第2の端部に配置される、形成段階と、工場の1つ又は複数の機械によって、かつリンクを形成することに係わって、第1のボアから第2のボアに延びるリンクの分離部を形成する段階であって、該分離部は、第1の表面と当接するリンクの第1の部分と、第2の表面と当接するリンクの第2の部分とを生成し、分離部の幅は、軌道チェーンの対応する噛合部材に対する第1のボア及び第2のボアの固定を容易にする、形成段階と、工場の1つ又は複数の機械によって、かつ分離部を形成した後、分離部内に、かつ第1の部分と第2の部分との間に部材の挿入を容易にするために分離部を拡張する機械的な力を印加する段階であって、該部材は、対応する噛合部材の外径の周りに第1のボア及び第2のボアの配置を容易にするために分離部の拡張を維持することに関連する、印加段階と、工場の1つ又は複数の機械によって、かつ分離部を拡張した後、第1の部分と第2の部分との間に部材を挿入する段階と、工場の1つ又は複数の機械によって、かつ部材を挿入した後、分離部を拡張している機械的な力の印加からリンクを解除する段階と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本明細書に説明された軌道チェーン用マスターリンクを含む例示的な機械の図である。
図2A図2Aは、図1の機械とともに使われることができる1つ又は複数の例示的なマスターリンクの図である。
図2B図2Bは、図1の機械とともに使われることができる1つ又は複数の例示的なマスターリンクの図である。
図3図3は、本明細書に説明された軌道チェーン用マスターリンクを製造することに関連した例示的なプロセスの流れ図である。
図4A図4Aは、例示的な軌道チェーン110の平面図及び側面図をそれぞれ示す図である。
図4B図4Bは、例示的な軌道チェーン110の平面図及び側面図をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、軌道チェーン用のマスターリンクに関する。マスターリンクは、このようなマスターリンクを用いる任意の機械に汎用性を持っている。「機械」という用語は、例えば、鉱業、建設、農業、運送などの産業、又は他の産業に関連する作業を実行する任意の機械を指す場合がある。幾つかの例として、機械は、コールドプレーナ、フェラーバンチャ、林業用機械、フォワーダ、ハーベスタ、掘削機、産業用ローダ、ナックルブームローダー、部材ハンドラー、パイプレイヤ、ロードリクレーマー、コンパクトトラックローダー、スキッダー、テレハンドラー、トラクター、ドーザ、トラクタースクレーパーまたはその他の地上装備、または地下装備であることができる。また、1つ又は複数の用具が、機械及び/または機械のエンジンから駆動される構成要素に連結されることができる。
【0011】
図1は、本明細書に説明された軌道チェーン用マスターリンクを含む例示的な機械の図(100)である。図1は、機械102を示す。例えば、機械102は、掘削機、ドーザ、ローダ、もしくはその類似の機械のような土工機械であり得る。機械102は、動力源104と、及び動力源104によって駆動され、1つ又は複数のローラー機構108によって支持されることができるアンダーキャリッジアセンブリ106とを含み得る。
【0012】
動力源104は、出力速度及びトルクの範囲内で機械102のアンダーキャリッジアセンブリ106を駆動することができる。動力源104は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ガス燃料動力エンジン、電気エンジン、ハイブリッドエンジン、蓄電装置、燃料電池などであることができる。
【0013】
アンダーキャリッジアセンブリ106は、機械102の両側に一つずつある2つの個別的な連続軌道チェーン110を含み得る(だが、図1は2つの軌道チェーン110のうち1つだけを図示する)。軌道110は、一つ以上のスプロケットを介して動力源によって駆動されることができる。また、軌道チェーン110は、表面(例えば、地面)と係合する1つ又は複数のレール114及び複数の地面係合プレート116を含むことができる。例えば、軌道チェーン110は、複数のリンクサブアセンブリ118を含むことができる。リンクサブアセンブリ118は、レール114の各部分上に1つ又は複数のリンクを持つ対応する複数のレール114(例えば、2つのレール114)の複数の部分を含むことができる。一例として、リンクサブアセンブリ118は、第1のレール114の第1の部分、第2のレール114の第2の部分、及び各レール114上に一つのリンクを備えた一対のリンクを含むことができる。リンクサブアセンブリ118はまた、一対のリンクに固定された地面係合プレート116を含むことができる。全てのレール114は、ループを形成するためにレール114の端部を連結するための(例えば、本明細書の他の箇所でさらに詳しく説明されるように、終端間(end-to-end)に配列された)複数のリンク及びマスターリンク120を含むことができる。マスターリンク120は、軌道チェーン110のレール114の2つの端部を連結することができる(例えば、軌道チェーン110は、軌道チェーン110の2つのレール114のそれぞれに対して2つのマスターリンク120をそれぞれ含むことができる)。例えば、マスターリンク120は、マスターリンク120の両端部にある対応するボアと、マスターリンク120の2つの部分の間の分離部とを含むことができる。前の例に続き、図1は、マスターリンク120を対応する噛合部材に固定するためのファスナーの使用なしに、軌道チェーン110の対応する噛合部材の外径の周りに対応するボアの固定を容易にするための、分離部内に部材のないマスターリンク120を示す。噛合部材は、例えばピン、ロッド、シリンダー、ブッシング、カラーなどを含むことができる。ファスナーは、例えばナットとボルトを含むことができる。マスターリンク120は、本明細書の他の箇所でより詳しく説明される。
【0014】
上述されるように、図1は、例示として提供される。他の例は、図1に関連して記述されるものとは異なる場合がある。
【0015】
図2A及び図2Bは、図1のマシンとともに使われることができる一つ以上の例示的なマスターリンクの図200である。図2Aは、マスターリンク120の側面図を示す。例えば、図2Aは、マスターリンク120の2つの部分の間の分離部内に部材のあるマスターリンク120の側面図を示す。マスターリンク120は、金属、炭素合金、プラスチックなどを含むことができる。
【0016】
図2Aに示したように、マスターリンク120は、マスターリンク120の対応する端部に複数のボア210を含むことができる。例えば、マスターリンク120は、マスターリンク120の第1の端部にあるボア210-1と、マスターリンク120の第2の端部にあるボア210-2とを含むことができる。ボア210は、マスターリンク120を軌道チェーン110に固定するのに使われることができる。例えば、ボア210-1、210-2は、1つ又は複数のリンクサブアセンブリ118の対応する噛合部材の外径の周りに配置されることができる。場合によっては、ボア210-1及び210-2は、ボア210-1及び210-2の対応する半径方向面(例えば、対応する噛合部材の外径と接触する半径方向面)上に表面処理(surface preparation)を含むことができる。例えば、表面処理は、ボア210の半径方向面と噛合部材の外径との間の摩擦量を増加させるために、例えば、マスターリンク120を噛合部材に固定することと、噛合部材の外径の周りからのマスターリンク120の除去の困難性を増加させることなどのために、粗面の生成、構造物のパターン生成、接着剤の塗布、ネジのゆるみ止め流体の塗布などを含むことができる。図2Aにさらに示したように、マスターリンク120は、ボア210の間にボア220を含むことができる。ボア220は、重量減少の目的で、マスターリンク120の面に地面係合プレートを取り付けるのに使われるファスナーへのアクセスを容易にするなどのために、マスターリンク120に含まれることができる。
【0017】
図2Aにさらに示したように、マスターリンク120は面230を含むことができる。例えば、面230は、マスターリンク120の上面であってもよく、地面係合プレートが取り付けられる面などであってもよい。面230は、マスターリンク120の部分240と当接することもできる。部分240は、マスターリンク120の上端部分であることができる。
【0018】
図2Aにさらに示したように、部分240は複数の孔250(例えば、孔250-1及び250-2)を含むことができる。孔250は、部分270(後述する)内に延びることなく、面230から部分240の底部を通じて(例えば、対応するボア220内に)延びることができる。ファスナー(例えば、ボルト、ねじなど)が地面係合プレートを面230に取り付けるために部分240の一側面上の孔250内に挿入されることができる。図2A及び図2Bに係わって図示及び説明された孔250の構成は、マスターリンク120に対する地面係合プレートの固定を容易にすることができるが、孔250は、孔250が部分270内に延びないことに基づき、軌道チェーン110に対するマスターリンク120の固定を容易にしないことがあり得る。
【0019】
図2Aにさらに示したように、マスターリンク120は面260を含むことができる。例えば、面260は、マスターリンク120の底面であってもよく、アンダーキャリッジアセンブリ106の1つ又は複数のローラー機構108及び/または1つ又は複数のスプロケット112と接触する面などであってもよい。面260は、マスターリンク120の部分270と当接してもよい。部分270は、マスターリンク120の下端部分であることができる。
【0020】
部分240及び部分270は、分離部(例えば、隙間、カットなど)によって分離されることができる。例えば、分離部は、マスターリンク120の鋳造中に形成されてもよく、マスターリンク120の鋳造後に形成されてもよい。マスターリンク120は、より詳しく後述するように、部分240と部分270との間に分離部を生成及び/または拡張する部材280を含むことができる。部材280は、金属、プラスチック、セラミック、炭素合金などを含むことができ、マスターリンク120とは異なる部材であってもよい。部材280は、分離部を除去し及び/または分離部の収縮を起こすために分離部から取り外すことができる。例えば、部材280は、部材280の溶融によって(例えば、マスターリンク120の保管、運送、設置などの間のマスクリンク120の予想環境温度と、マスターリンク120の部材の溶融温度との間の溶融温度を有する部材280に基づいて)取り外すことができる。
【0021】
他の例として、部材280は、部材に対する機械的な力の印加によって取り外し可能である。前の例に続き、部材280は、部材280に対する機械的な力の印加によって取り外されることができる楔状またはブロック状のものであってもよく、部材280に対する閾値の機械的な力の印加時に粉砕されることもできる。追加的に、もしくは代替的に、部材280は、分離部から部材を切断することで取り外されてもよい。
【0022】
図2Aは、部材280の特定の構成を示す。例えば、図2Aは、部分240と部分270との間の分離部に配置された部材280の多様な部分(例えば、部分280-1~280-3)を示している。この構成において、部材280の部分は、部分240及び部分270に機械的な力を印加することで分離部を拡張する。このようにすることで、部材280の部分は、ボア210の対応する交差部での分離部の拡張に基づいてボア210に歪曲された円形状を持たせる(例えば、ボア210にC字状を持たせる)。分離部、及びボア210の拡張は、軌道チェーン110の対応する噛合部材の外径の周りにボア210の配置を容易にする。図2Aに示された構成において、部材280は、マスターリンク120に引張力を印加してボア210を拡張することにより、対応する噛合部材の外径の周りにボア210の配置を容易にする。
【0023】
部材280及び/またはボア220の他の構成が可能である。例えば、マスターリンク120は、ボア210-1からボア210-2に延びる部材280の単一部分を含むことができる。追加的に、もしくは代替的に、マスターリンク120は、ボア210及び/またはボア220によって形成された突出部のうち一つの間に部材280の単一部分を含むことがあり得る(例えば、マスターリンク120は、ボア220-1及び220-2の間の突出部の間に部材280の単一部分を含むことがあり得る)。追加的に、もしくは代替的に、マスターリンク120は、異なる数量のボア220(例えば、1つのボア220、3つのボア220、4つのボア220など)を含んでもよい。この場合、部材280の部分の数量は、マスターリンク120に含まれたボア220の数量に基づいて部分240と部分270との間の分離部の拡張を誘発するのに必要な分だけ調節されることができる。
【0024】
図2Bは、マスターリンク120の他の側面図を示す。例えば、図2Bは部材280が部分240と270との間の分離部に挿入される前(例えば、マスターリンク120が形成された後)または部材280が分離部から取り外された後(例えば、軌道チェーン110に設置した後)の状態のマスターリンク120を示している。
【0025】
符号290で示したように、部分240と270との間の分離部は、部材280が分離部に存在しないことに基づいて、図2Aに示したものよりも狭い幅を有することができる。例えば、分離部の幅は、マスターリンク120が軌道チェーン110に設置された後、分離部を閉鎖するためのファスナーの使用なしに、軌道チェーン110の対応する噛合部材にボア210を固定することを容易にすることができる。前の例に続き、マスターリンク120は、図2Aに示した状態で、マスターリンク120を配置するために分離部から部材280を取り外す際に、部分240及び270が互いに向かって収縮するように構成されてもよい。この状態で、ボア210は、軌道チェーン110の対応する噛合部材の外径と整合する形状(例えば、円形状)及び/または対応する噛合部材にボア210を固定するための寸法を持つことができる。これは分離部を閉鎖するために、例えば、面230を通じて部分270内にファスナーの使用なしに対応する噛合部材にマスターリンク120を固定することを容易にすることで、あるいは、ファスナーを製造するのに使われる部材を節約し、マスターリンク120及び/またはマスターリンク120が設置される機械の重量などを減少させる。図2Bに示した構成では、部材280の不足(符号290で示す)によって、ボア210が対応する噛合部材の外径の周りにボア210の圧縮を容易にする形状になり、それによって、ボア210を外径に固定する。
【0026】
部分240と部分270との間の分離部は、本明細書の他の箇所で説明されるように、拡張可能なものであってもよい。例えば、分離部は(例えば、図2Aに示したマスターリンク120の構成を形成するために)、分離部内への部材280の挿入を容易にすることと、軌道チェーン110からのマスターリンク120の除去を容易にすることなどのために、機械によって拡張可能なものであってもよい。
【0027】
上述されるように、図2A及び図2Bは、1つ又は複数の例示として提供される。他の例は、図2A及び図2Bに関連して記述されるものとは異なる場合がある。一部の具現においては、対応する噛合部材の外径の周りにボア210の配置を容易にするために、マスターリンク120を拡張する部材280の1つ又は複数の部分を使用する代わりに、マスターリンク120がボア210及びボア220を拡張するために孔250を通じて部分270へ駆動される、対応するファスナーを含むことができる。この場合、ボア210が対応する噛合部材の外径の周りに配置された後、ファスナーが孔250から除去されてマスターリンク120を、図2Bに示した形態に収縮可能にすることで、マスターリンク120を噛合部材の外径の周りに固定することができる。
【0028】
図3は、軌道チェーン用マスターリンクを製造するための例示的なプロセス300の流れ図である。例えば、図3は前述した軌道チェーン110用マスターリンク120を製造するための例示的なプロセス300を示している。特に、例示的なプロセス300がマスターリンク120の脈絡で説明されるが、プロセス300に係わって説明された具現は、マスターリンク120の他の可能な構成にも同様に適用される。
【0029】
図3に示したように、プロセス300は、軌道チェーン用リンクを形成する段階(ブロック310)を含むことができる。例えば、工場の1つ又は複数の機械は、軌道チェーン110用マスターリンク120を形成することができる。1つ又は複数の機械は、コンピュータ装置(例えば、メモリー、プロセッサなどを含む)によって部分的にまたは総合的に制御されることができる。
【0030】
1つ又は複数の機械は、リンクを形成するために部材の切断、鋳造、溶融などを行うことができ、ボア(例えば、ボア210及び/またはボア220)をリンク内に機械加工することなどを行うことができる。例えば、1つ又は複数の機械はリンクが、一般に互いに平行な第1の表面(例えば、面230)及び第2の表面(例えば、面260)を有するようにリンクを形成することができる。マスターリンク120は、第1の面及び第2の面が当接する第3の面及び第4の面(例えば、それぞれマスターリンク120の図2A及び図2Bに示した前面及び裏面)を含むことができる。1つ又は複数の機械は、リンクが第3の表面及び第4の表面を通じて延びる第1のボア(例えば、ボア210-1)及び第2のボア(例えば、ボア210-2)を有するようにリンクを形成することができる。1つ又は複数の機械は、第1のボアがリンクの第1の端部に配置され、第2のボアがリンクの第2の端部に配置されるようにリンクを形成することができる。第1のボア及び第2のボアは、第1のボア及び第2のボアが配置される対応する噛合部材と整合する対応する形状を有することができる(例えば、対応する形状は、リンクを形成した結果であってもよい)。
【0031】
図3にさらに示したように、プロセス300は、リンクを形成するに係わって、リンクの第1のボアからリンクの第2のボアに延びるリンクの分離部を形成する段階(ブロック320)を含むことができる。例えば、1つ又は複数の機械は、マスターリンク120を形成することに係わって、ボア210-1からボア210-2に延びるリンクの分離部を形成してもよい。1つ又は複数の機械は、分離部が第1の表面と当接するリンクの第1の部分(例えば、部分240)及び第2の表面と当接するリンクの第2の部分(例えば、部分270)を生成するように分離部を形成してもよい。分離部の幅は、軌道チェーンの対応する噛合部材に対する第1のボア及び第2のボアの固定を容易にし得る。
【0032】
1つ又は複数の機械は、1つ又は複数の技術を用いて分離部を形成することもできる。例えば、1つ又は複数の機械は、放電加工(EDM)、鋸引きなどを用いて分離部を形成してもよい。追加的に、もしくは代替的に、1つ又は複数の機械は、リンクの鋳造中に分離部を形成してもよい。例えば、リンクを形成するのに使われた鋳造は、リンクに分離部を含ませてもよい。
【0033】
1つ又は複数の機械は、ボア210-1及び210-2の対応する半径方向面(例えば、対応する噛合部材の外径と接触する半径方向面)上でボア210-1及び210-2の表面を処理することができる。例えば、表面処理は、ボア210の半径方向面と噛合部材の外径との間の摩擦量を増加させるために、例えば、マスターリンク120を噛合部材に固定することと、噛合部材の外径の周りからのマスターリンク120の除去の困難性を増加させることなどのために、粗面の生成、構造物のパターン生成、接着剤の塗布、ネジのゆるみ止め流体の塗布などを含むことができる。
【0034】
図3にさらに示したように、プロセス300は、分離部を形成した後に分離部内に、かつリンクの第1の部分と第2の部分との間に、部材の挿入を容易にするために、分離部を拡張するための機械的な力を印加する段階(ブロック330)を含むことができる。例えば、1つ又は複数の機械は、分離部を形成した後に分離部を拡張するための機械的な力を印加することで、分離部内に、かつマスターリンク120の部分240と部分270との間に、部材(例えば、部材280)の挿入を容易にすることができる。部材は、軌道チェーンの対応する噛合部材の外径の周りに第1のボア及び第2のボアの配置を容易にするために、分離部の拡張を維持することと係わることができる。
【0035】
1つ又は複数の機械は、軌道チェーンの対応する噛合部材の外径の周りに第1のボア及び第2のボアの配置を容易にする幅に、分離部を拡張することができる。例えば、1つ又は複数の機械は、第1のボア及び第2のボアが、対応する噛合部材の外径の周りに第1のボア及び第2のボアの配置を容易にする、歪曲された円形状を有するようにする幅に、分離部を拡張することができる。1つ又は複数の機械は、分離部の拡張を容易にするためにリンクに熱を加えることができる。
【0036】
図3にさらに示したように、プロセス300は、分離部を拡張した後、第1の部分と第2の部分との間に部材を挿入する段階(ブロック340)を含むことができる。例えば、1つ又は複数の機械は、分離部を拡張した後に部分240と部分270との間に部材280を挿入することができる。1つ又は複数の機械は、部材を固体形態または擬固体形態(例えば、加熱されるものの溶融されない可鍛性の形態)で挿入することができる。例えば、1つ又は複数の機械は、部材の楔またはブロックを第1の部分と第2の部分との間の分離部内に挿入することができる。あるいは、1つ又は複数の機械は、溶融形態の部材を第1の部分と第2の部分との間の分離部内に流入することで、部材を挿入することができる。例えば、1つ又は複数の機械は、溶融材料を収容するために分離部の周りに1つ又は複数のリテーナーを配置することができ、分離部の周りに1つ又は複数のリテーナーを配置した後、溶融材料を1つ又は複数のリテーナー内に流入することができる。
【0037】
1つ又は複数の機械は、第1の部分と第2の部分との間に部材を挿入することに係わって、地面係合プレートをリンクに取り付けることができる。例えば、1つ又は複数の機械は、地面係合プレートをリンクの第1の表面と整列することができ、1つ又は複数のファスナーを用いて地面係合プレートを第1の表面に取り付けることができる。前述のごとく、ファスナーは、第2の部分ではなく、第1の部分を通じて駆動されることができる。このような方式で、ファスナーは分離部を閉鎖してリンクを軌道チェーンに固定するのに用いられないことがあり得る。
【0038】
図3にさらに示したように、プロセス300は、部材を挿入した後、分離部を拡張している機械的な力の印加からリンクを解除する段階(ブロック350)を含むことができる。例えば、1つ又は複数の機械は部材280を挿入した後、分離部を拡張している機械的な力の印加からマスターリンク120を解除することができる。
【0039】
1つ又は複数の機械が溶融材料または擬固体部材を挿入する時、1つ又は複数の機械は、溶融材料または擬固体が特定の温度以下に冷却された後、機械的な力を解除することができる。例えば、1つ又は複数の機械は溶融材料を特定の温度(例えば、1つ又は複数のセンサを用いて決定される)以下にまで冷却することができる。特定の温度は、異なる温度で分離部の拡張を維持するために部材の特性に基づくことができる。追加的に、もしくは代替的に、1つ又は複数の機械は(例えば、部材が冷却され後、または部材が固体形態で挿入される時)分離部の拡張を維持するための部材の障害をモニタリングするために1つ又は複数のセンサを用いることができる。例えば、1つ又は複数の機械は、分離部の幅、第1のボア及び第2のボアの形状(または寸法)などをモニタリングすることができる。
【0040】
1つ又は複数の機械は、運送及び/または保管のためにリンクを包装することができる。1つ又は複数の機械は、目的地に配達するためにリンクを車両(例えば、トラック、汽車、飛行機、船など)に積載することができる。1つ又は複数の機械は、命令語セットを車両に伝送することができる。例えば、命令語セットは、目的地の識別、リンクに対する予定配達時間の識別、および車両を目的地へ出発させることなどを行うことができる。
【0041】
1つ又は複数の機械は、機械上にリンクを設置することができる。例えば、1つ又は複数の機械は、機械の軌道チェーンにリンクを設置することができる。1つ又は複数の機械は、軌道チェーンの対応する噛合部材の外径の周りに第1のボア及び第2のボアを配置することによりリンクを設置することができ、第1の部分と第2の部分との間から部材を取り外すことができる。1つ又は複数の機械は、部材を溶融させること(例えば、部材がリンクの部材よりも低い溶融温度を有する場合)、第3の表面及び第4の表面に垂直に部材に機械的な力を印加することなどによって部材を取り外すことができる。1つ又は複数の機械は、軌道チェーンからリンクを切断することと、リンクが設置された時と類似した幅に分離部を拡張し、対応する噛合部材の外径の周りからリンクを除去することなどによってリンクを除去することができる。
【0042】
図3は、プロセス300の例示的なブロックを示しているが、一部の具現では、プロセス300が図3に図示のものよりも更なるブロック、より少ないブロック、相異なるブロック、または異なるように配列されたブロックを含んでもよい。プロセス300の2つ以上のブロックは、並列で行われることができる。
【0043】
図4A及び図4Bは、それぞれ例示的な軌道チェーン110の平面図及び側面図を示す図(400)である。図4Aに示したように、軌道チェーン110は、一対の内側リンク402または一対の外側リンク404を含むことができる多様なリンクサブアセンブリ118を含むことができる。内側リンク402及び外側リンク404は、地面係合プレート116をリンクサブアセンブリ118に取り付けるために本明細書の他の箇所で説明されたものと類似した孔250を含むことができる。図4Aにさらに示したように、軌道チェーン110は、一対のマスターリンク120を含むことができ、ここで、一対のマスターリンク120のうち第1のマスターリンク120は、軌道チェーン110の第1のレール406に含まれ、一対のマスターリンク120のうち第2のマスターリンク120は、軌道チェーン110の第2のレール406に含まれる。図4Aにさらに示したように、リンクサブアセンブリ118は、異なるレール406のリンクを連結するための一対の噛合部材408を含むことができる。相手部材408は、実質的に円筒状のピン412の周りに配置された実質的に円筒状のブッシング410を含むことができる。噛合部材408は、ピン412に対して回転自在な一対の軸受(図示せず)を含むことができ、ピン412に対して固定された一対のカラー414を含むことができる。カラー414は、ピン412の端部に配置されることができ、ブッシング410は、実質的にピン412の中間に配置されることができ、軸受は、カラー414とブッシング410との間に配置されることができる。
【0044】
図4Bを参照すれば、内側リンク402は、第1の噛合部材408及び第2の噛合部材408を収容するように構成されたボア210を含むことができる。外側リンク404は、内側リンク402と実質的に類似した方向に配置されることができ、第2の噛合部材408及び第3の噛合部材408の対向端部を同様に収容するように構成されることができる。相手部材408は、連続して連結されたリンクサブアセンブリ118が軌道チェーン110を形成するために、相互に枢動自在に連結されるように内側リンク402及び外側リンク404のボア210とインターフェースすることができる。例えば、内側リンク402は、ボア210を介して軸受と係合してピン412(符号は図4Bに示されていない)に対してピボットするように構成されることができ、外側リンク404は、外側リンク404の対応するボア210を介してカラー414(符号は図4Bに示されていない)と係合するように構成されることができる。したがって、隣接したリンクサブアセンブリ118は、関節式軌道チェーン110を形成するために互いに対して枢着するように構成されることができる。同様に、マスターリンク120(例えば、図4Bの外側リンク404)は、軌道チェーン110のレール406の2つの端部を連結するために2つのリンクサブアセンブリ118の間に相互連結され得る。
【0045】
対応する地面係合プレート116が、リンクサブアセンブリ118に連結されることができる。地面係合プレート116は、基部、地面係合表面、先端、および後端を含むことができる。地面係合プレート116は、前縁と後縁との間に配置された対向側縁(これらの中で一つだけを地面係合プレート116に対して図4Bに示している)をさらに含むことができる。なお、地面係合プレート116は、地面係合プレート116をリンクサブアセンブリ118に固定するために対応するファスナー416用の1つ又は複数の孔250を含むことができる。地面係合プレート116は、一対の対向する内側リンク402または一対の対向する外側リンク404に連結されることができる。
【0046】
上述されるように、図4A及び図4Bは、1つ又は複数の例示として提供される。他の例は、図4A及び図4Bに関連して記述されるものとは異なる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0047】
開示のマスターリンク(例えば、マスターリンク120)は、このようなマスターリンクが必要な任意の機械とともに使われることができる。マスターリンクは、マスターリンクの2つの部分(例えば、部分240及び270)間の分離部で構成されることができる。分離部は、2つの部分の間の部材(例えば、部材280)を含むことができる。部材を備えた分離部の幅は、軌道チェーン(例えば、軌道チェーン110)の対応する噛合部材の外径の周りにマスターリンクのボア(例えば、ボア210)の配置を容易にすることができる。逆に、部材のない分離部の幅は、対応する噛合部材の外径の周りにマスターリンクのボアを固定することを容易にすることができる。マスターリンクは、噛合部材にマスターリンクを固定するために分離部を閉鎖するのにファスナーが要らないように構成されてもよい。これは、あるいは分離部を閉鎖するためのファスナー(例えば、ボルトを収容するように構成されたねじ孔)を製造するのに使われる部材及び費用を節約する。しかも、これは、あるいはファスナーが(例えば、ボルトまたは他の類型のファスナーを収容するように構成されたねじ孔に)挿入可能にするためのマスターリンクを製造するのに必要な部材と費用を節約する。さらに、これは分離部を閉鎖するためのファスナー(例えば、長尺の重いボルト)が必要なマスターリンクに比べて、軌道チェーンに設置されたマスターリンクの重量を減少させる。重量を節減することは、マスターリンクが設置される機械の燃料資源を節約する。
【0048】
本願にて使用されるように、冠詞「a」又は「an」は、1つ以上のアイテムを含むように意図され、「1つ以上の(one or more)」に互換的に使用することができる。また、本願にて使用されるように、用語「有している(has)」、「有する(have)」、「備える(having)」などは制限のない用語として意図される。さらに、文句「ベースの(based on)」は「少なくとも部分的にベースとなる」を意味するように意図される。
【0049】
上述の開示は、例示及び説明を提供するが、徹底的であったり、開示されている正確な形式に対する実装例を限定したりすることを意図するものではない。変形例及び変更例が、上述の開示に照らして導出でき、または実装例の実施から得ることができる。本明細書は、単の例と見なされるべきであり、真の本開示の範囲が以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示されることが意図されている。たとえ、特徴の特別な組み合わせが請求項に言及され、及び/または本明細書にて開示されているが、これらの組み合わせは、多様な実装例の開示を制限することを意図するものではない。以下に挙げられる各従属項は、単に1つの請求項に直接従属されるが、多様な実装例の開示は、請求項セットで他の請求項と組み合わされる各従属項を含む。

図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
【国際調査報告】