(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】大規模輸送の手荷物のための管理された接続サービス
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220715BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20220715BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569126
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 US2020033457
(87)【国際公開番号】W WO2020236746
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521507305
【氏名又は名称】エア・ブラック・ボックス・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Air Black Box Technologies LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ハンス,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ブリースナー,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】オニール-ダン,ティモシー
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC41
(57)【要約】
提携関係にない2つの航空会社間で、預けられたバッグをインターライン輸送するためのシステム及び方法。旅客は、インターライン輸送サービスを購入してもよく、そのサービスに関連付けられた、預けたバッグが、それらの第1の航空便からそれらの次の航空便に自動的に積みかえられることを保証されてもよい。旅客は、預けたバッグを取りに行って、次いで、それを第2の航空便に再び預け入れることを必要とせず、これにより、空港のフローが許可する場合、旅客が空港のセキュリティーゾーン内にとどまることを可能にしうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法であって、
上記方法は、スルーバゲージソフトウェアアプリケーションと、スルーバゲージ乗客名前記録(PNR)データベースとを備える、コンピュータに基づくスルーバゲージシステムを提供することを含み、
上記スルーバゲージソフトウェアアプリケーション及び上記スルーバゲージPNRデータベースは、互いに電気的に通信し、
旅客は、第1の空港から出発して第2の空港に到着する上記第1の航空会社における第1の航空便を予約し、
上記旅客は、上記第2の空港から出発して第3の空港に到着する第2の航空会社における第2の航空便を予約し、
上記第1の航空便及び上記第2の航空便は、旅客旅程を構成し、
上記方法は、1つ又は複数の預けられたバッグを、上記第2の空港においてストップオーバーの間に上記第1の航空会社から上記第2の航空会社にインターライン輸送させることを上記旅客に提示することを含み、
上記旅客は、上記1つ又は複数の預けられたバッグを、上記第2の空港において上記第1の航空会社から上記第2の航空会社に自動的にインターライン輸送させることを選択し、
上記方法は、
上記PNRデータベースにおいて、複数の旅客情報、複数の航空便情報、及び複数の空港情報を含む、上記旅客旅程の完全なマニフェスト旅程を生成することと、
第1の航空会社の乗客サービスシステムが、上記1つ又は複数の預けられたバッグに関連付けられるように構成された1つ又は複数のバッグタグを生成するために必要とされる複数の情報を有するように、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムによって、上記完全なマニフェスト旅程を、上記第1の航空会社の乗客サービスシステム及び第2の航空会社の乗客サービスシステムと共用することとを含み、
上記旅客は、上記第1の航空便及び上記第2の航空便にチェックインし、
上記旅客は、1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグが存在するように、1つ又は複数のバッグタグが生成されて上記1つ又は複数の預けられたバッグに関連付けられるように、上記1つ又は複数の預けられたバッグを預け入れ、
上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグに関連する複数の情報は、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムと共用され、
上記方法は、上記旅客が上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグを上記第2の空港において回収して上記第2の航空便へ再び預け入れることを必要とすることなく、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムによって、バッグメッセージシステムを利用して、上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグが、上記第1の航空便から降ろされて上記第2の航空便に積み込まれることを保証することを含む、
方法。
【請求項2】
上記第1の航空会社及び第2の航空会社は、互い提携関係になく、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムなしでは、上記第1の航空会社の乗客サービスシステムは、上記第2の航空会社の乗客サービスシステムと情報を共用しない、
請求項1記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項3】
上記スルーバゲージソフトウェアアプリケーションは、1つ又は複数の旅客装置上に表示されるように構成された消費者に接するアプリを含む、
請求項1記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項4】
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグの状態に関連する1つ又は複数の通知を上記1つ又は複数の旅客装置に送信することを可能にする通知サーバをさらに備える、
請求項3記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項5】
上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグが上記第3の空港に到着するために、上記旅客が上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグを回収して再び預け入れることは要求されないので、上記旅客は、上記ストップオーバーの間に上記第2の空港のセキュリティーゾーン内にとどまることができる、
請求項1記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項6】
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、上記バッグメッセージシステム及びスルーバゲージ適格性サーバをさらに備え、
上記方法は、上記適格性サーバによって、上記旅客旅程が、管理されたスルーバゲージサービスの適格性を有することを決定することを含む、
請求項1記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項7】
上記バッグタグは、RFID及びバーコードのうちの1つ又は複数を備える、
請求項1記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項8】
インターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法であって、
上記方法は、スルーバゲージソフトウェアアプリケーションと、スルーバゲージ適格性サーバと、スルーバゲージ乗客名前記録(PNR)データベースとを備える、コンピュータに基づくスルーバゲージシステムを提供することを含み、
上記スルーバゲージソフトウェアアプリケーション、上記スルーバゲージ適格性サーバ、及び上記スルーバゲージPNRデータベースのすべては、互いに電気的に通信し、
上記方法は、
旅客によって、第1の空港から出発して第2の空港に到着する上記第1の航空会社における第1の航空便を予約することと、
上記旅客によって、上記第1の航空会社が上記第2の空港に到着したときに上記第2の空港から出発して第3の空港に到着する、第2の航空会社における第2の航空便を予約することとを含み、
上記第1の航空便及び上記第2の航空便は、旅客旅程を構成し、
上記方法は、
1つ又は複数の預けられたバッグを、上記第2の空港においてストップオーバーの間に上記第1の航空会社から上記第2の航空会社にインターライン輸送させることを上記旅客に提示することと、
上記旅客によって、上記1つ又は複数の預けられたバッグを、上記第2の空港において上記第1の航空会社から上記第2の航空会社に自動的にインターライン輸送させることを選択することと、
上記適格性サーバによって、上記旅客旅程が、管理されたスルーバゲージサービスの適格性を有することを決定することと、
上記PNRデータベースにおいて、複数の旅客情報、複数の航空便情報、及び複数の空港情報を含む、上記旅客旅程の完全なマニフェスト旅程を生成することと、
第1の航空会社の乗客サービスシステムが、上記1つ又は複数の預けられたバッグに関連付けられるように構成された1つ又は複数のバッグタグを生成するために必要とされる複数の情報を有するように、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムによって、上記完全なマニフェスト旅程を、上記第1の航空会社の乗客サービスシステム及び第2の航空会社の乗客サービスシステムと共用することと、
上記旅客によって、上記第1の航空便及び上記第2の航空便にチェックインすることと、
上記旅客によって、1つ又は複数の預けられたバッグを上記第1の航空便に預け入れることと、
1つ又は複数のバッグタグを生成することと、
1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグが存在するように、上記1つ又は複数バッグタグに上記1つ又は複数の預けられたバッグを関連付けることと、
上記第1の航空会社の乗客サービスシステムによって、上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグに関連した複数の情報を、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムと共用することと、
上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグに関連する複数のメッセージを、上記第1の航空会社、上記第2の航空会社、上記第1の空港、上記第2の空港、及び上記第3の空港の間で管理するように構成されたバッグメッセージシステムを提供することと、
上記旅客が上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグを上記第2の空港において回収して上記第2の航空便へ再び預け入れることを必要とすることなく、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムによって、上記バッグメッセージシステムを利用して、上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグが、上記第1の航空便から降ろされて上記第2の航空便に積み込まれることを保証することとを含む、
方法。
【請求項9】
上記第1の航空会社及び第2の航空会社は、互い提携関係になく、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムなしでは、上記第1の航空会社の乗客サービスシステムは、上記第2の航空会社の乗客サービスと情報を共用しない、
請求項8記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項10】
上記スルーバゲージソフトウェアアプリケーションは、1つ又は複数の旅客装置上に表示されるように構成された消費者に接するアプリを含む、
請求項8記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項11】
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグの状態に関連する1つ又は複数の通知を上記1つ又は複数の旅客装置に送信することを可能にする通知サーバをさらに備える、
請求項8記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項12】
1つ又は複数の預けられたバッグを、上記第2の空港においてストップオーバーの間に上記第1の航空会社から上記第2の航空会社にインターライン輸送させることを上記旅客に提示するステップは、上記第2の空港、オンライン旅行代理店、インターネット予約エンジン、サードパーティープロバイダからなるエンティティのグループによって提示される、
請求項8記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項13】
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、上記バッグメッセージシステムをさらに備える、
請求項8記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項14】
上記バッグタグは、RFID及びバーコードのうちの1つ又は複数を備える、
請求項8記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【請求項15】
インターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供するシステムであって、
上記システムは、スルーバゲージソフトウェアアプリケーションと、スルーバゲージ乗客名前記録(PNR)データベースとを備える、コンピュータに基づくスルーバゲージシステムを備え、
上記スルーバゲージソフトウェアアプリケーション及び上記スルーバゲージPNRデータベースは、互いに電気的に通信し、
上記システムは、第1の空港から出発して第2の空港に到着する上記第1の航空会社における第1の航空便を旅客に予約させるように構成され、
上記システムは、上記第2の空港から出発して第3の空港に到着する第2の航空会社における第2の航空便を上記旅客に予約させるように構成され、
上記第1の航空便及び上記第2の航空便は、旅客旅程を構成し、
上記旅客には、1つ又は複数の預けられたバッグを、上記第2の空港におけるストップオーバーの間に上記第2の空港において上記第1の航空会社から上記第2の航空会社にインターライン輸送させるオプションが提示され、
上記旅客は、上記1つ又は複数の預けられたバッグを、上記第2の空港において上記第1の航空会社から上記第2の航空会社に自動的にインターライン輸送させることを選択し、
上記PNRデータベースにおいて、複数の旅客情報、複数の航空便情報、及び複数の空港情報を含む、上記旅客旅程の完全なマニフェスト旅程が生成され、
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、第1の航空会社の乗客サービスシステムが、上記1つ又は複数の預けられたバッグに関連付けられるように構成された1つ又は複数のバッグタグを生成するために必要とされる複数の情報を有するように、上記完全なマニフェスト旅程を、第1の航空会社の出発管理システムを備える上記第1の航空会社の乗客サービスシステムと、第2の航空会社の出発管理システムを備える第2の航空会社の乗客サービスシステムと共用し、
上記旅客は、上記第1の航空便及び上記第2の航空便にチェックインし、
上記旅客は、1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグが存在するように、1つ又は複数のバッグタグが生成されて上記1つ又は複数の預けられたバッグに関連付けられるように、上記1つ又は複数の預けられたバッグを預け入れ、
上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグに関連する複数の情報は、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムと共用され、
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、上記旅客が上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグを上記第2の空港において回収して上記第2の航空便へ再び預け入れることを必要とすることなく、上記旅客が上記ストップオーバーの間に上記第2の空港のセキュリティーゾーン内にとどまることができるように、バッグメッセージシステムを利用して、上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグが、上記第1の航空便から降ろされて上記第2の航空便に積み込まれることを保証する、
システム。
【請求項16】
上記第1の航空会社及び第2の航空会社は、互い提携関係になく、上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムなしでは、上記第1の航空会社の乗客サービスシステムは、上記第2の航空会社の乗客サービスシステムと情報を共用しない、
請求項15記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供するシステム。
【請求項17】
上記スルーバゲージソフトウェアアプリケーションは、1つ又は複数の旅客装置上に表示されるように構成された消費者に接するアプリを含む、
請求項15記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供するシステム。
【請求項18】
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、上記1つ又は複数の預けられかつタグ付けされたバッグの状態に関連する1つ又は複数の通知を上記1つ又は複数の旅客装置に送信することを可能にする通知サーバをさらに備える、
請求項17記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供するシステム。
【請求項19】
上記コンピュータに基づくスルーバゲージシステムは、スルーバゲージ適格性サーバをさらに備え、
上記適格性サーバは、上記旅客旅程が、管理されたスルーバゲージサービスの適格性を有するか否かを決定する、
請求項15記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供するシステム。
【請求項20】
上記バッグタグは、RFID及びバーコードのうちの1つ又は複数を備える、
請求項15記載のインターライン手荷物のための管理されたスルーバゲージサービスを提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照.
本願は、(1)2019年5月19日に出願され、「Managed Connecting Service for Mass Transit Baggage」のタイトルを有する米国仮特許出願番号第62/849946号と、(2)2020年3月24日に出願され、「Managed Connecting Service for Mass Transit Baggage」のタイトルを有する米国仮特許出願第62/993974号との利益を主張し、これらの両方の内容は、それらの全体を説明しているかのように、参照によって本願に明示的に援用される。
【0002】
使用分野.
本開示の実施形態は、概して、手荷物取り扱いサービスの分野に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、スルーバゲージシステム、メッセージングシステム、顧客データ記録システム、アプリケーションプログラミングインターフェース(Application Programming Interface:API)、及び顧客と接するインターフェースを有し、預けられたバッグが、ある大規模輸送(又は公益事業)の運輸会社から他の運輸会社に適切に積みかえられることを保証する、管理された接続サービスのためのシステム及び方法に関する。本システムは、主として、航空会社及び空港での使用に関するものであるが、(列車又はバスのような)陸上に基づくもの又は(フェリー又はクルーズのような)海上に基づくものを含む、任意のインターモーダル輸送の運輸会社もまた、本開示のシステムから利益を得ることができる。
【背景技術】
【0003】
現在、旅客が、経由地(一般にストップオーバーと呼ばれる)又はレイオーバーにおいて航空会社の切り換えが必要とされるように、提携関係にない2つの運輸会社における旅行を予約する場合、旅客は、預けた任意の手荷物を第1の飛行区間から受け取り、次いで、それを第2の航空会社に再び預けるように要求される。消費者は、LCC航空便(多くの場合、短距離輸送)のような任意の航空便(フライト)にFSC航空便(多くの場合、長距離輸送)を組み合わせることで、より安価な旅程を作成できることを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直接的に接続されているか互換性なしであるシステムをもたない、非航空輸送事業者を含む異種の運輸会社のこの組み合わせは、顧客が、第1のフライトの後で彼らの預けたバッグを手荷物受取り所から引き取りに行くこと、従って、空港のセキュリティエリアから出ることと、次いで、バッグを次の運輸会社に預ける、すなわち、2回目にセキュリティを通過することとを必要とした。バッグは、ある運輸会社のシステムから他のシステムに自動的に積みかえできない。バッグは、顧客の最終目的地に「チェックスルー」されることはない。
【0005】
競争的な利害関係及び争点に起因して、航空産業における完全な国境間の合併及び完全な国内のインターライン契約(複数の航空会社にまたがる輸送の契約)は、当分の間ありそうもなく、提携関係にない航空会社及び他の輸送事業者をともなう乗客の旅行を容易にする、さらなるツールの需要が存在するであろう。
【0006】
航空会社のインターライン輸送及びインターモーダル乗客輸送の世界が、劣った解決方法を使い続けているので、下記のような次世代手荷物サービスの世界的な需要が存在する。
【0007】
・より良好かつより適切な選択肢を顧客に与える。
・下記のものを含む、利害関係者と、利害関係者間の契約とを考慮に入れる。
○空港-ハブ、支線、国内、国際、マルチターミナル、マルチモーダル空港(例えば、鉄道及び航空)
○航空会社-FSC(Full Service Carriers:フルサービス航空会社)、LCC(Low Cost Carriers:格安航空会社)、HVC(Hybrid Value Carriers:ハイブリッド値航空会社)、MITA(Multilateral Interline Traffic Agreement:IATA連絡運輸協定)によって接続している航空会社、及び独立航空会社
○乗客
・顧客、彼らの旅行、及び利用可能なオプションを考慮した解決方法を提供し、大部分の空港においてスルーバゲージサービスを含む、参加航空会社における独立した旅行のための完全な解決方法を顧客が購入するために簡単なオプションを提示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
下記では、例示的な実施形態のいくつかの実施形態についての基本的な理解を提供するために、例示的な実施形態の簡単化された概要を提示する。この概要は、例示的な実施形態の外延的な概要ではない。例示的な実施形態のキーとなる又はクリティカルな構成要素を識別することも、添付した特許請求の範囲を詳述することも意図していない。その唯一の目的は、下記に提示するより詳細な説明の前置きとして、例示的な実施形態のいくつかの概念を簡単化された形式で提示することである。下記の全体的な説明及び下記の詳細な説明の両方は、例示及び説明のみを目的とし、限定的ではないことが理解されるべきである。
【0009】
本願で開示した実施形態によれば、本開示は、任意の2つの大規模輸送会社間において預けられたバッグのモニタリング及び積みかえを行うように構成されたシステム及び方法に関する。本開示のシステム及び方法は、典型的には、第1の航空会社及び第2の航空会社に関連するが、それは、鉄道会社及び航空会社、航空会社及びクルーズプロバイダ、2つより多くの航空会社、などのうちの1つ以上に関連してもよいが、これらに限定されない。
【0010】
手荷物積みかえシステム及び方法は、形式的なアライアンス又はインターライン又はコードシェア契約、又はその契約を達成する技術的能力を航空会社がもたない場合にさえ、預けられたバッグが乗客の最終目的地に接続することを可能にする。本システム及び方法は、コンピュータに基づくものであってもよく、又は、預けられたバッグを2つの航空会社又は他の大規模輸送会社の間で処理及び移動させる1つ又は複数のアプリケーション、ソフトウェア要素、識別タグ及びスキャンを備えてもよい。具体的には、バッグは、参加する任意の2つのインターモーダル輸送会社の間又は任意の2つの格安航空会社(LCC)の間で、LCC及びフルサービス航空会社(FSC)の間で接続されてもよく、これらのいずれも、現時点では、本開示の前に利用可能であったサービス又はシステムでない。本システムを用いると、旅客は、預けたバッグを第1の航空会社の手荷物チェックから回収し、チェックインに戻り、回収したバッグを第2の航空会社に預け入れるために、空港の入国/セキュアエリアから出て(空港のフローが許可する場合)、その後、セキュリティを通じて戻ることを必要としない。再預け入れ工程を行う乗客は、しばしば、次の航空便に間に合わせるために時間的なプレッシャーの下にいるので、全工程は極めて大きなストレスにさらされる。他の利点は、ターミナルにおいて、食事及び買い物のために乗客により長い時間を過ごさせることを含んでもよい。もう1つの利点は電子記録の生成であってもよく、このことは、参加航空会社、参加空港、及び独立した乗客にとって有益となりうる。
【0011】
一実施形態では、スルーチェックバゲージサービスは、チケットを購入する際に、航空会社によって提供されてもよく、又は、従来の旅行代理店又はオンライン旅行代理店(online travel agency:OTA)を含むがこれらに限定されない仲介業者によって提供されてもよい。これにより、サービスプロバイダ(航空会社、旅行代理店、及び/又は空港)は、価値を付加することと、サービスを提供することで追加の所得を集めることとを可能にしてもよく、又は、このことは、サービスを差別化するものとして使用されてもよい。
【0012】
一実施形態では、預けられたバッグの旅程は、バッグが旅程の様々な段階を介して進むとき、旅客へのメッセージ又は通知を提供するアプリを介してユーザから直接的に見ることができ、又は、サードパーティーがこの情報をより広いアプリ又はサービスに組み込むことを可能にするアプリケーションプログラムインターフェースを介してユーザから間接的に見ることができる。仮想インターライン接続についての詳細事項は、2つの航空会社(インバウンド及びアウトバウンド)の各々の乗客サービスシステム(passenger service system:PSS)に他の関連情報とともに入力されてもよい。
【0013】
港、駅、及び空港(輸送ハブ)は、ハブを用いる任意の2つの参加航空会社/運輸会社の間で預けられたバッグがシームレスに転送されうるので、預けられたバッグのスルーシステムから利益を得ることができる。空港又はハブは、参加運輸会社のすべてのための接続ハブになる。ストップオーバー乗客は、セキュリティーゾーンにおいてより長い時間を過ごし、その結果、小売り業者において追加のお金が消費される。旅客がストップオーバーとして空港に降りるとき、彼らのバッグを回収して再び預け入れる必要がないことを認識しているので、空港又は輸送ハブは、より良好な乗客体験でも知られるようになる。このことで、空港及び乗客の間の直接的な関係が作られる。また、このことで、航空会社パートナーに提供されるサービスが改善される。預けられた手荷物のためのスルーバゲージシステムを提供することによって、空港は、手荷物のインターライン輸送を可能にすることで、航空輸送量を増大させ、また、それらの到着及び出発の目的地マップを拡大しうる。
【0014】
一実施形態では、旅客は2つの独立な航空便を予約し、航空会社及びストップオーバー空港の一方は、本開示のシステム及び方法によって提供されるサービスについて顧客にアップセルを行う。旅客は、各航空便に独立してチェックインし、第1の航空便のために1つ又は複数のバッグを預け入れる。本システムは手荷物の荷札を発行し、それは預けられた手荷物に添付される。バッグは第1の航空便に積み込まれ、それは、ストップオーバー空港に到着したとき、第1の航空便から降ろされて空港/航空会社の地上ハンドリングチームによって第2の航空便に配送され、それは、ここで積み込まれ、次いで、旅客の最終目的地の手荷物受取り所までずっと第2の航空便で輸送される。タグ付けされたバッグは、通常接続の旅程におけるバッグのものと同じ基本経路をたどる。
【0015】
一実施形態では、本開示のシステムは、手荷物のための管理された接続サービスを提供し、これは、バッグの旅程の各段階において、メッセージのライブラリ全体から取り出されるメッセージをインテリジェントに生成しうる。本システムは、航空便、航空会社、空港、フェリーターミナル、駅などのような地上サービスポイントの選択において、顧客の適格性を確立する処理を自動化してもよく、これにより、誤りの発生が防止される。本システムは、RFIDのような、現在製造されているものと、将来に指定されるものの両方を含む、すべての形式の手荷物タグに適応することができる。本開示のシステムは、任意の参加航空会社及び/又は空港及び/又は手荷物システムを任意の形式のインターラインに適応させうる唯一の解決方法である。
【0016】
一実施形態では、本システムは、管理された接続サービスと、スルーバッグサービスと、メッセージングシステムと、任意のサービスプロバイダに最終的な顧客のためのスルーバゲージ接続を処理させる機能と、最終的な顧客及びサービスプロバイダが追跡、時間追跡、従事、及び情報提供することを可能にするアプリ又はアプリケーションプログラムインターフェースと、空港への保管の明確なハンドオフ及び変更を保証し、次いで遷移の完了時に、新たなバッグタグ及び保管の第2の変更が行われ、自動化されたチェックインのためのウィンドウにおいて時間通りに出発空港ベルトにバッグが到着したとき、バッグの状態を知らせる機能とを含む。
【0017】
本開示のさらに他の利点、実施形態、及び特徴は、当業者には下記の説明から容易に明らかとなるであろう。ここでは、本開示の好ましい実施形態が、単に本開示を実施するために最も適したベストモードのうちの1つを説明することによって図示及び説明される。それが実現されるとき、本願の範囲からまったく離れること又はそれを制限することなく、本開示は他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細事項は、様々な自明な実施形態における変更が可能である。従って、図面及び説明は、本質的に例示であって、限定するものではないとみなされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】スルーバゲージ処理の1つの実施形態のフローブロック図である。
【
図2】スルーバゲージ処理のもう1つの実施形態のフローブロック図である。
【
図3】システム構成要素の相互動作の一実施形態を示す図である。
【
図4】メッセージングシステムの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面は例示的な実施形態のものである。それらはすべての実施形態を示していない。追加又は代替として、他の実施形態が使用されてもよい。明らか又は不要であるかもしれない詳細事項は、スペースの節約のために、又は、より効果的な説明のために省略されることがある。いくつかの実施形態は、追加の構成要素又はステップとともに実施されてもよく、及び/又は、例示した構成要素又はステップのすべてを用いることなく実施されてもよい。異なる図面に同じ数字が現れる場合、それは同じ又は同様の構成要素又はステップを示す。
【0020】
様々な実施形態に係る下記の詳細な説明では、実施形態のさまざまな態様についての詳細な理解を提供するために、多数の特定の詳細事項を述べている。しかしながら、これらの実施形態は、これらの特定の詳細事項の一部又はすべてなしで実施されてもよい。他の例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、公知の方法、手順、及び/又は構成要素については詳しくは説明していない。
【0021】
複数の実施形態を開示しているが、当業者には、下記の詳細な説明からさらに他のものが明らかになるであろう。理解されるように、これらの実施形態は、保護の精神及び範囲からまったく外れることなく、様々な自明な態様における変更が可能である。従って、グラフ、図面、及びその詳細な説明は、本質的に例示であって、限定するものではないとみなされるべきである。さらに、特定の実施形態への言及の有無は、保護の範囲を制限すると解釈されないものとする。
【0022】
本方法及びシステムについて開示及び説明する前に、本方法及びシステムは、特定の方法、特定の構成要素、又は特定の実施例に限定されないことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本発明を限定することを意図していないことが理解されるべきである。
【0023】
明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」,及び「the」は、文脈で明示的にそうでないと示していない限り、複数の対象物を含む。範囲は、本願では、「おおよそ」ある特定の値から、及び/又は、「おおよそ」他の特定の値までとして表されてもよい。そのような範囲が表される場合、他の実施形態は、上記特定の値から、及び/又は、上記他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を用いて近似値として表される場合、特定の値が他の実施形態を形成することが理解されるであろう。各範囲の終点は、他の終点に関連するものと、他の終点とは独立したものとの両方を意味することがさらに理解されるであろう。
【0024】
「オプションの」又は「オプションで」は、その後に記述したイベント又は状況が発生してもしなくてもよいことと、上記イベント又は状況が発生する例及び発生しない例を本説明が含むこととを意味する。
【0025】
本明細書の説明及び請求項の全体にわたって、語句「備える」又は「含む(「comprise」と、「comprising」及び「comprises」のようなその活用)は、「~を含むが、それに限定されない」ことを意味し、例えば他の構成要素、整数、又はステップを除外することを意図していない。「例示的な」は、「~の一例」を意味し、好ましい又は理想的な実施形態を表すことを意図していない。「のような」は、限定的な意味において使用されるのではなく、説明の目的で使用される。
【0026】
開示したものは、本開示の方法及びシステムを実施するために使用されうる構成要素である。本願ではこれら及び他の構成要素が開示され、これらの構成要素の組み合わせ、部分集合、相互動作、グループなどが開示される場合、これらの各様々な個別及び集合的な組み合わせ及び置換について特に明示的には言及していない可能性があるが、その各々は、本願では、すべての方法及びシステムについて具体的に企図及び説明されることが理解される。このことは、開示した方法のステップを含むがそれに限定されない、本願のすべての実施形態にあてはまる。したがって、実行されうるさまざまな追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップの各々は、開示した方法の任意の特定の実施形態、又は実施形態の組み合わせとともに実行されうることが理解される。
【0027】
本方法及びシステムは、好ましい実施形態についての下記の詳細な説明及びそこに含まれる実施例を参照して、また、図面及びそれらについての前述及び後述の説明を参照して、より容易に理解されうる。
【0028】
当業者によって認識されるように、本方法及びシステムは、完全にハードウェアの実施形態の形式をとってもよく、完全にソフトウェアの実施形態の形式をとってもよく、又は、ソフトウェア及びハードウェアの実施形態を組み合わせた実施形態の形式をとってもよい。さらに、本方法及びシステムは、記憶媒体で具体化されたコンピュータ可読プログラム命令(例えばコンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ可読記憶媒体におけるコンピュータプログラム製品の形式をとってもよい。より詳しくは、本方法及びシステムは、ウェブで実装されたコンピュータソフトウェアの形式をとってもよい。ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置、又は磁気記憶装置を含む、任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体が利用されてもよい。記憶装置は、ローカル又はリモートであってもよく、例えば、クラウドコンピューティング環境にあってもよい。
【0029】
方法及びシステムの実施形態は、方法、システム、装置及びコンピュータプログラム製品のブロック図及びフローチャート図を参照して下記に述べられる。ブロック図及びフローチャート図の各ブロックと、及びブロック図及びフローチャート図におけるブロックの組み合わせとはそれぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装されてもよいことが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、又は他のプログラミング可能なデータ処理機械にロードされることでマシンを生成してもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラミング可能なデータ処理機械において実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実装するための手段を生成する。
【0030】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリに格納されてもよく、これは、コンピュータ又は他のプログラミング可能なデータ処理機械に、特定の方法で機能するように指示してもよく、これにより、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、フローチャートの1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む製品を生成する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラミング可能なデータ処理機械にロードされて、コンピュータ又は他のプログラミング可能な装置上で一連の動作ステップを実行させてコンピュータで実装した処理を生成してもよく、これにより、それはコンピュータ又は他のプログラミング可能な装置において実行される命令は、フローチャートの1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実装するためのステップを提供する。
【0031】
従って、ブロック図及びフローチャート図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせと、指定された機能を実行するためのステップの組み合わせと、指定された機能を実行するためのプログラム命令手段とをサポートする。また、ブロック図及びフローチャート図の各ブロックと、ブロック図及びフローチャート図におけるブロックの組み合わせとは、指定された関数又はステップを実行する特殊目的のハードウェアに基づくコンピュータシステムによって実装されてもよく、又は、特殊目的のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実装されてもよいことが理解されるであろう。
【0032】
下記の説明では、1つ又は複数の実施形態の所定の特徴を説明するために所定の用語法が使用される。本明細書の目的のために、別段の定めがない限り、用語「実質的に」は、動作、特性、性質、状態、構造、物品、又は結果についての完全又はほぼ完全な程度又は度合いを示す。例えば、一実施形態では、筐体内に「実質的に」位置した物体は、当該物体が完全に又はほぼ完全に筐体内にあることを意味するだろう。絶対的な完全性からずれに関する厳密に許容可能な程度は、ある場合には、特定のコンテキストに依存してもよい。しかしながら、概して言えば、完全性の近さは、あたかも絶対的かつ全体的な完全性が達成された場合と同じ全体的結果を有するようにされる。「実質的に」の使用は、動作、特性、性質、状態、構造、物品、又は結果の完全又はほぼ完全な欠如を示す否定的言及において使用される場合にも、同様に適用可能である。
【0033】
本明細書で使用されるように、用語「約("approximately" and "about")」は、概して、示した数から又は数の範囲からの5%以内の変位を示す。一実施形態では、用語「約("approximately" and "about")」は、示した数から又は数の範囲からの0.001~10%の間の変位を示してもよい。
【0034】
ここでは、図面を参照して様々な実施形態を説明する。下記の説明では、説明の目的で、1つ又は複数の実施形態についての詳細な理解を提供するために多数の特定の詳細事項が説明される。しかしながら、様々な実施形態はこれらの特定の詳細事項なしで実施されてもよいことが明らかとなりうる。他の例では、公知の構造物及び装置は、これらの実施形態についての説明を容易にするために、ブロック図の形式で示される。
【0035】
下記の説明では、本願に開示した実施形態の所定の特徴を説明するために所定の用語法が使用される。例えば、用語「コンピュータ」、「コンピュータシステム」、「計算装置」、「モバイル計算装置」、「電子データ処理装置」、又は「サーバ」は、集積回路チップを用いて情報を処理する任意の装置を示し、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、組み込みコンピュータ、セルラー電話機を含む無線装置、携帯情報端末、タブレット、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ポータブルゲームプレーヤ、ウェアラブル、スマート装置、及びハンドヘルドコンピュータを含むが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で使用されるように、用語「インターネット」は、標準的なプロトコルを利用するネットワークの任意の収集物を示し、イーサネット、テレタイプ、タイプBメッセージング、Edifact、トークンリング、Wi-Fi、ATM(asynchronous transfer mode)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、CDMA(code division multiple access)、GSM(global systems for mobile communications)、LTE(long term evolution)、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0037】
本明細書で使用されるように、用語「ウェブサイト」は、HTML(hypertext mark-up language)又はVRML(virtual reality modeling language)、動的HTML、XML(extended mark-up language)、WML(wireless markup language)、JSON(javascript object notation)、又はそれに関する他の任意のコンピュータ言語を含むがこれらに限定されない、マークアップ言語で書かれた任意の文書を示し、また、1つの特定のインターネットプロトコルアドレスを介して又は1つの特定のワールドワイドウェブサイトにおいて到達可能なそのような文書の任意の収集物、又は、任意の特定のURL(Uniform Resource Locator)を介して入手可能な任意の文書を示す。さらに、用語「ウェブページ」、「ページ」、「ウェブサイト」、又は「サイト」は、1つのページ又はセクションから他のものへのナビゲーションを可能にするハイパーテキストリンクを有するHTML/XHTMLフォーマットの、ワールドワイドウェブにおける、様々な文書及びリソースのうちの任意のもの、又は、インターネットにおいて使用される同様のそのようなリソースを示す。
【0038】
用語集-所定の頭字語、頭文字語、及び用語の意味.
他の言及がない限り、本願では、下記の頭字語及びイニシャルは、下記の意味を有する。
【0039】
・DCS(Departure Control System)-出発管理システム。乗客を航空便にチェックするマスターシステム。これは、PSS及びサードパーティーシステムのいずれかに一体化されてもよい。
・PSS(Passenger Service System)-乗客サービスシステム
・PNR(Passenger Name Record)-乗客名前記録-本質的には顧客予約
・BIM(Baggage Information Messages)-手荷物情報メッセージ。異なる空港などにおける、異なる参加システムに送信される電子通信。
・BSM(Baggage Service Messages)-手荷物サービスメッセージ又はBSM(Baggage Handling Messages)-手荷物取り扱いメッセージ
・BTM(Baggage Transfer Message)-手荷物積みかえメッセージ、積みかえBSMとも呼ばれる
・BUM(Baggage unload message)-手荷物荷降ろしメッセージ。このバッグオフを航空便から降ろす。
・BPM(Baggage processed message)-手荷物処理メッセージ。
・BHS(Baggage Handling System)-手荷物取り扱いシステム。空港においてバッグを取り扱う機械的及びソフトウェアシステム。典型的には空港によって所有及び管理される。地上ハンドリング及び航空会社は、典型的には、空港からこのサービスを賃借する。
・バッグタグ-手荷物タグ、ステッカー、又は挿入物、これらは、QRコード(登録商標)、バーコード、チップ、無線周波数識別装置、スキャナ、RFIDを備えた紙などを含み、これらは、荷物/手荷物に添付されるか物理的に関連付けられ、及び/又は、物理的タグなしにバッグへの一意のIDを割り当てることができる任意の技術であり、指定の中継地点を介する終点への正しいルーティングを保証するために使用される。
・RFID-無線周波ID-その情報(バッグタグデータ)を外部の読み取り装置に送信する特別な無線タグ。これはIATAによって指定されている。
・IATA(International Air Transport Association)-国際航空運送協会-航空会社(ほとんどはフルサービス航空会社)の最大の協会。
・APP-モバイルアプリケーションソフトウェア。アプリとも呼ばれる。
・API(Application Programming Interface)-アプリケーションプログラミングインターフェース。マシン間の相互動作設備。
・OTA(Online Travel Agent)-オンライン旅行代理店-例えばExpedia(登録商標)。
・IBE(Internet Booking Engine)-インターネット予約エンジン(通常は、航空会社のウェブサイトを介してアクセスされる)。
・インターライン手荷物-2つ以上の航空会社によって輸送される預けられた手荷物
・航空会社は、典型的には、航空便輸送サービスを提供する旅行会社であるが、本開示の目的のために、航空会社は、クルーズ、列車、バス、船舶などを含むがこれらに限定されない、任意のタイプの運送業者であってもよい。
・空港は、典型的には、乗客のための施設とともに、航空機の離陸、着陸及び、保守のための滑走路及び建物の複合体のような、輸送関連業務を提供する物理的場所である。しかし、本開示の目的のために、空港は、港、駅、経由地などの組み合わせを含むがそれらに限定されない、任意の輸送ハブであってもよい。
・航空便は、典型的には、第1の空港から第2の空港まで飛行機によってたどられるルートを示すものであるが、本開示の目的のために、航空便は、列車、自動車、トラック、バス、船舶、クルーズなどを含む任意のタイプの輸送機関における旅程である。
【0040】
図1は、航空会社によって、又は、オンライン旅行代理店(OTA)のような仲介業者によって操作されるインターネット予約エンジン(IBE)を用いる、スルーバゲージ処理の一実施形態のフローブロック図である。
図1は、航空会社又はOTAのIBEを用いる場合に、ユーザによって行われる動作によって見られる方法を示す。
図1に示すように、本方法は、航空会社のIBEを介して、又は、OTAのような仲介業者を介して航空便を検索すること102と、異なる2つの(提携関係にあるか又は提携関係にない)航空会社における2つ以上の航空便を選択すること104と、旅客によってスルーバゲージインターラインシステムを用いるオプションを選択すること106と、経由地の空港及び/又は第1の航空会社のPSS及び/又はDCSに第2の航空便の情報をリンク/入力/ロードすること108と、旅客によって両方の航空便にチェックインすること110と、出発空港において少なくとも1つのバッグを預け入れ、必要とされるであるただ一つのタグをバッグに添付すること112と、旅客が空港にとどまっている間にバッグを回収して再び預け入れる必要なしに、第1の飛行機からバッグを降ろし、それを地上ハンドリングチームに積みかえ、地上ハンドリングチームはそれを第2の飛行機に積み込むこと114と、最終目的地においてバッグを受け取ること116とを含んでもよい。
【0041】
図2は、スルーバゲージ処理のもう1つの実施形態のフローブロック図である。
図2は、サードパーティーのサービスプロバイダを用いる場合における、旅客の動作のシステムのもう1つの実施形態を示す。本方法は、(人、オンライン、電話、旅行代理店などの)ユーザによって、第1の航空便の到着と第2の航空便の出発とについて同じ空港を有する、連続した2つの独立した航空便を予約すること202と、旅客によってスルーバゲージサービスアプリ又はウェブサイトアクセスして、スルーバゲージサービスを購入又はサインアップし、サービスに航空便情報を入力すること204(このサービスは、例えば、独立したサードパーティー又は経由地/ストップオーバー空港によって提供されてもよい)と、第1の航空会社のPSS/DCSに第2の航空便の情報をリンク/入力/アップロードすること206と、旅客によって両方の航空便にチェックインすること210と、少なくとも1つのバッグを第1の航空便に預け入れ、預けたバッグに対して唯一のバッグタグを生成/発行すること212と、寄港中に、旅客はセキュリティーゾーンにとどまり(空港のフローが許可する場合)、旅客は、預けたバッグを回収してそれを第2の航空会社へ再び預け入れることを必要とせず、バッグは、1つ又は複数の地上ハンドリングチームを介して、第1の飛行機から第2の飛行機に自動的に積みかえられこと214と、最終目的地において、旅客によって、預けたバッグを受け取ること216とを含んでもよい。
【0042】
図3は、システム構成要素の相互動作の一実施形態を示す図である。管理されたスルーバゲージシステムは、アプリ又は請求/報告モジュール/システム309、アプリケーションプログラムインターフェース、適格性サーバ302、通知及びメッセージサーバ311、及びPNRデータベース303を含む、コンピュータに基づくスルーバゲージシステムによって制御されてもよい。スルーバゲージシステムのサーバ、インターフェース、及びソフトウェアは、単一のタグを用いて、かつ、旅客にバッグを回収及び再預け入れさせることなく、預けたバッグを第1の航空会社から第2の航空会社にわたす/インターライン輸送することを可能にするために、送受信される適切な情報及びメッセージを制御して導く。
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示の上記システムを介して旅客のバッグを積みかえさせるための当該旅客の適格性は、一連のファクターに対してチェックされる。これらのファクターは、航空会社がシステムに参加しているか否か、地上ハンドリングチームがバッグを第2の航空会社に適切かつ物理的に積みかえるために十分な時間があるか否か、接続可能な時間長、などを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0044】
図3は、顧客が、OTA、航空会社のIBE、1つ又は複数の空港、又はサードパーティーのサービスプロバイダ300を含むがこれらに限定されない異なるサービスプロバイダを介して、単一のタグのスルーバゲージインターライン輸送サービスを用いることを選択しうることを示す。いったん選択されると、ユーザは、サービスの代金を支払うように要求されてもよく、サービスの購入/選択が報告/アップロード309される。スルーバゲージサービスは、典型的には、ユーザが書籍2つの接続/連続する航空便を予約/購入したときに購入される。ユーザがこれらの航空便を予約したとき、運輸会社301の各々のPSSの内において旅客の乗客/航空便情報が生成される。本システムは、2つのPSS301から乗客/航空便情報を受信/検索するシステム適格性サーバ302を備えてもよい。旅客の旅程においてスルーバゲージサービスが利用可能であると決定するために、適格性チェックが実行される。旅程が適格である場合、完全な旅行/マニフェスト情報がPNRデータベース303に追加される。マニフェスト情報は、システム399によって、両方の航空会社304のPSSと共用される。DCS305は、PSSの各々へ一体化されてもよく、又は、別個のサードパーティーシステムであってもよい。DCS305/PSS301は、ここで、インターラインバッグタグの発行を可能にするために必要な情報を有し、これにより、バッグが最終目的地に到達できるようになる。本システムは、メッセージングシステム306を利用することで、両方の航空会社、第1の出発空港、第2の航空会社、ストップオーバー空港、及び/又は最終目的地の空港の間でメッセージの共用を可能にしてもよい。このように、バッグタグが発行されるとき、タグの将来のすべてのスキャンは、すべての参加システム及びデータベースと共用される。システム399は、DCSによって生成された手荷物タグの詳細事項を受信307する。
【0045】
システム399のオペレータは、ストップオーバー空港における手荷物インターライン接続保証308を提供してもよい。これは、航空会社/空港による追加の支払い309を必要とする、保険のようなサービスであってもよい。システムを用いることの責任及び動作パラメータを管理する条件310が存在してもよい。システム399は、航空会社に通知を送ってもよく、第1の航空会社によって送信された手荷物取り扱いメッセージ(BHM)及び手荷物サービスメッセージ(BSM)を、第2の航空会社のシステムにより操作可能である手荷物積みかえメッセージ(BTM)に再フォーマットしてもよい。さまざまな実施形態において、通知サーバ311及び/又は報告アプリ309は、旅客の預けたバッグの状態についての通知を航空会社又は旅客に送ってもよい。
【0046】
旅客システムへの通知は、自動的なメッセージ、オプトインのメッセージ、オプトアウトのメッセージ、又は要求されたメッセージを旅客に送ってもよく、これらのメッセージは、バッグは受理された/スルーバゲージシステムに積み込まれた、バッグは航空会社に保管されている、バッグは積み込みのために送られた、バッグは第1の航空便に積み込まれた、バッグ及び第1の航空便はストップオーバーへのルートにある、バッグはストップオーバー空港に到着した、バッグは現時点では第1の地上ハンドリングチームに保管されている、オプション-追加のタグが追加された、オプション-バッグは現時点では第2の地上ハンドリングチームに保管されている、バッグは積み込みのために送付中である、バッグは第2の航空便に積み込まれた、バッグ及び第1の航空便は最終目的地/第2のストップオーバーへのルートにある;及び/又は、バッグは到着済みであり手荷物受取り所に向かっている、を含むが、これらに限定されない。
【0047】
図4は、メッセージングシステムの一実施形態を示す図である。メッセージングシステム400のフローは、関連する空港及び航空会社の現在のメッセージングシステムと、スルーバゲージインターラインサーバに基づくシステム399とによって決定される。典型的には、関連した空港は、電子的なメッセージ及び通知を送受信可能である、自動化された手荷物ソート又は照合(sortation or reconciliation)システムを有する必要がある。
図4において、メッセージシステム400は、バッグが航空会社XX123、航空会社YY456、空港AAA(出発)、空港BBB(ストップオーバー空港)、及び空港CCC(最終目的地の空港)の間で移動するとき、フロー498をたどる。1つだけでなく、2つ、3つ、又はより多くのストップオーバー空港が存在してもよい。いったんユーザが航空会社XX123及び航空会社YY456からチケットを購入し、システム399によって提供されるインターライン輸送サービスを有することを選択すると、システム399は、航空便情報450,451を、航空会社1 401及び航空会社2 421に提供する。
【0048】
図4に示すように、乗客は、航空会社1 401にチェックインし、少なくとも1つのバッグを預け入れ、少なくとも1つのバッグタグが印刷される401。手荷物情報は、航空会社1 401のPSS/DCSにおいて旅客にリンクされる。航空会社1 401によってローカルBSMが生成され、バッグメッセージ490に送られる402。バッグメッセージ490は、バッグがその旅程をたどるときにバッグを管理及び追跡するために空港及び航空会社によって使用される、既存のバッグメッセージングシステムであってもよい。バッグメッセージ490は、例えば、輸送ロジスティクス会社であるSITARによって生成されてもよい。他の実施形態では、バッグメッセージ490は、システム399の一部であるか又はシステム399によって制御されるモジュール又はシステムであってもよい。BSMのローカルコピー403が、空港AAA491の手荷物取り扱いシステム(BHS)に送られる。バッグメッセージ490は、ローカルBSMをバッグ接続492に送る404。バッグ接続492は、ある航空便から降ろされてもう1つの航空便に積み込まれる必要がある手荷物を管理するために空港及び航空会社によって使用される手荷物接続システムであってもよい。バッグ接続492は独立したシステムであってもよく、又は、それは、システム399の一部であるか又はシステム399によって制御される部分であるモジュール又はシステムであってもよい。バッグメッセージ490及びバッグ接続492は、スルーバゲージインターライン輸送システム399が接続されていることを認識するように構成され、それらは、ローカルBSMのコピーをシステム399に送ってもよい405。一実施形態では、オプション1を参照すると、バッグ接続492は、擬似積みかえBSM406(オレンジ)を生成してバッグメッセージ490に送ってもよい。バッグメッセージ490は、擬似積みかえBSM407(オレンジ)を、積みかえ空港バッグ取り扱いシステム(BHS)BBB493に転送してもよい。必要であれば、バッグメッセージ490は、擬似積みかえBSM408(オレンジ)をシステム399に転送してもよく、システム399は、BSMを処理/再フォーマットし、次いで、それを航空会社2 421に送る420。このように、バッグタグ情報が航空会社421のDCSに入力される。
【0049】
一実施形態では、オプション2を参照すると、バッグメッセージ490は、擬似BTMを、航空会社2 421のPSS/DCSに直接的に送る409。このように、バッグタグ情報が航空会社2 421のDCS/PSSに追加される。航空会社2 421は、それ自体の積みかえBSMを生成してバッグメッセージ490に送る410。バッグメッセージ490は、積みかえBSMを、積みかえ空港BBB 493のBHSに送り411、オプションで、システム399に送る419。空港BBB 493が、手荷物処理メッセージ(BPM)情報をサポートし、これをバッグメッセージ490と共用する場合、バッグメッセージ490は、これをシステム399に転送412することができる。
【0050】
オプション2の一部として、航空会社2 421が終端BSMを生成する能力を有する場合、航空会社2 421は、終端BSMをバッグメッセージ490に転送430することができる。バッグメッセージ490は、終端BSMを終端空港CCC494に転送してもよい。代替として、バッグ接続492は、擬似終端BSMを生成することができ、これは次いでバッグメッセージ490に送られ432、これは次いで、終端空港CCC494に送られる434。
【0051】
さまざまな実施形態において、第1の空港、第2の空港、及び第3の空港の、また、2つ以上の参加航空会社の地上手荷物ハンドリングチームは、預けられたバッグを第1の航空便から第2の航空便に適切かつ物理的に移動させるために、バッグタグを使用してもよい。典型的には、預けられたバッグが第2の航空便に積み込まれることを保証するために、預けられたバッグに対して何を行うべきかをコンピュータ化されたスキャナが地上手荷物ハンドリングチームに迅速に通知できるように、バッグタグはスキャンされるであろう(バーコード又はRFID)任意の識別システムが使用されてもよい。
【0052】
本願で開示した動作実施形態は、ハードウェアで直接的に具体化されてもよく、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具体化されてもよく、又はこれら2つの組み合わせで具体化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、DVDディスク、又は当該技術において知られた他の任意の形式の記憶媒体に存在してもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むように、プロセッサに接続される。代替例では、記憶媒体はプロセッサに一体化されてもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICに存在してもよく、又は、他のデバイスにおけるディスクリート構成要素として存在してもよい。
【0053】
さらに、開示した実施形態を実装するコンピュータを制御するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせを生成するために、標準的なプログラミング及び/又はエンジニアリング技術を用いる方法、装置、又は製品として、1つ又は複数のバージョンが実装されてもよい。非一時的なコンピュータ可読媒体は、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk))、スマートカード、及びフラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック)を含んでもよいが、これらに限定されない。当業者は、開示した実施形態の範囲から外れることなく、この構成に対して多数の変更がなされてもよいことを認識するであろう。
【0054】
前述の詳細な説明のうちのいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作のアルゴリズム及びシンボル表現に関して提示された。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、データ処理技術の当業者によって、彼らの仕事の内容を他の当業者に最も有効に伝えるために使用される手段である。本願では、また概して、アルゴリズムは、所望の結果をもたらすための首尾一貫した一連の動作と考えられる。動作は、物理量の物理的操作を要求するものである。
【0055】
しかしながら、これらの用語及び同様の用語のすべては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、単に、これらの量に適用される便利なラベルであるということを心にとどめるべきである。上述した説明から明らかなように特に別記しない限り、本開示の全体にわたって、添付の請求項に示す用語を用いた記載は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理量(電子的な量)として表されるデータを操作して、当該データをコンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステム、又は同様の電子計算装置の動作及び処理を示すことが認識されるべきである。
【0056】
図面に示した技術は、1つ又は複数の電子装置に格納されて実行されるコード及びデータを用いて実装されてもよい。そのような電子装置は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスク、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリデバイス、相変化メモリ)及び一時的なコンピュータ可読伝送媒体(例えば、搬送波、赤外線信号、ディジタル信号のような、電気的、光学的、音響的、又は他の形式の伝搬信号)のようなコンピュータ可読媒体を用いて、(内部的に、及び/又は、ネットワーク上の他の電子装置を用いて)コード及びデータを格納及び通信する。
【0057】
図面に示した処理又は方法は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ファームウェア、ソフトウェア(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体において具体化されたもの)、又はそれらの組み合わせを備える処理ロジックによって実行されてもよい。本処理又は方法は、いくつかの逐次動作に関して上述されているが、説明した動作のうちのいくつかが異なる順序で実行されてもよいことが認識されるべきである。また、いくつかの動作は、逐次にではなく並列に実行されてもよい。
【0058】
本開示は、特定の変形例及び例示的な図面に関して説明されているが、当業者は、本開示が説明した変形例及び図面に限定されないことを認識するであろう。さらに、上述した方法及びステップが、所定の順序で行われる所定のイベントを示す場合、当業者は、所定のステップの順序が変更されてもよいことと、そのような変更が本発明の変形例に従うものであることとを認識するであろう。また、ステップのうちのあるものは、前述したように逐次に行われることに加えて、可能である場合、並列処理で同時に実行されてもよい。本開示の精神の範囲内にあるか又は請求項に記載の発明に等価である本発明の変形例が存在する程度において、本特許がそれらの変形例も同様にカバーすることが意図される。従って、本開示は、本願において説明した特定の実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲のみによって限定されるものとして理解されるべきである。
【0059】
開示した実施形態についての上述の説明は、任意の当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするように提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかになり、本願で定義した一般的な原理が、本開示の精神又は範囲から外れることなく、他の実施形態にも適用されうる。したがって、本開示は、本願で示した実施形態に限定されることを意図せず、本願で開示した原理及び新規な特徴に沿った最も広い範囲に一致すべきである。
【0060】
別段の明示的な言及がない限り、本願で示した任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするように解釈されることは決して意図していない。従って、方法の請求項がそのステップの順序を実際に述べていない場合、又はさもなければ、ステップが特定の順序に限定されることを請求項又は明細書において具体的に述べていない場合、いかなる点でも、順序を意味することは決して意図していない。このことは、ステップ又は動作フローの配置に関するロジックの問題、文法構成又は句読法に由来する率直な意味、明細書で説明した実施形態の個数又はタイプを含む解釈のための、任意の可能な明示されていない基礎に適用できる。
【0061】
範囲又は精神から外れることなく様々な変更及び変形がなされてもよいことが当業者には明らかになるであろう。明細書及び本願で開示した実施例を考慮することで、当業者には他の実施形態は明らかになるであろう。明細書及び実施例が例示的なものとしてのみ考慮され、真の範囲及び精神は添付の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【国際調査報告】